JP2017013175A - ねじ締め装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじ浮き判定精度の高いねじ締め装置を提供する。【解決手段】ビット絶対位置計測部は、教示作業時に受取りブロック43に載置したねじStに係合したビット2を第一教示絶対位置FTとして計測するとともに実作業時に受取りブロック43に載置したねじSに係合したビット2を第一実測絶対位置FFとして計測する。ビット相対位置計測部8は、教示作業時にワークWに締付けられたねじStに係合したビット2の相対位置を第二教示相対位置WTとして計測するとともに実作業時に所定の締結トルクによりワークWへ締付けられたねじSに係合したビット2の相対位置を第二実測相対位置WFとして計測する。また、制御装置は、第一教示絶対位置FTと第一実測絶対位置FFとの差を演算し、この差と第二教示相対位置WTとの和を記憶し、この和と第二実測相対位置WFと比較してねじ締め完了時のねじSのワークWの上面に対するねじ浮きを判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、ねじを所定の締結トルクによりワークへ締め付けた後、ワークの上面からねじの頭部が浮いていないかねじ浮き判定するねじ締め装置に関する。
従来のねじ締め装置は、特許文献1に開示されており以下に説明する。まず、従来のねじ締め装置は、締結部品の一例であるねじを所定の位置まで搬送するねじ支持手段と、このねじ支持手段からねじを取り出しワークに締付けるねじ締めツールと、このねじ締めツールを支持し前記ワークおよびねじ支持手段へ移動自在な移動手段と、この移動手段および前記ねじ締めツールを駆動制御する制御装置とを備えて成る。前記ねじ支持手段は、ねじの頭部を吊り下げ前方へ整列搬送可能に構成されており、前方へ搬送されたねじを吊り下げた状態で支持する受取りブロックを備えて成る。前記ねじ締めツールは、前記ねじの頭部に付された嵌合穴に嵌合するビットと、このビットを所定の締結トルクおよび回転数により回転駆動するビット回転モータと、前記ビットを内包し前記ビット回転モータ側へ摺動可能な吸着パイプと、前記ビットと吸着パイプとの相対位置を検出可能な相対位置検出部と、前記吸着パイプに接続され吸着パイプの先端からエアを吸引可能なエア吸引手段とを備えて成る。前記制御装置は、ねじがねじ支持手段の受取りブロックから取り出される時の吸着パイプとビットとの相対位置を前記受取りブロックの上面に対する第一ビット位置として記憶するとともに、ねじがワークに締付けられた直後の吸着パイプとビットとの相対位置を前記ワークの上面に対する第二ビット位置としてそれぞれ記憶可能に構成されている。また、制御装置は、ねじをワークへ締付けた後に前記第一ビット位置と前記第二ビット位置との差を求め、この差が予め設定されている許容範囲内であるか否か判断してねじ浮きの有無を判定するように構成される。
特開2013-59816号公報
上述したように従来のねじ締め装置は、ワークにねじを締付け後、前記第一ビット位置と前記第二ビット位置との差を算出し、さらに、前記差と予め設定した上下限範囲とを比較してねじ浮き判定を行っている。したがって、従来のねじ締め装置は、ワークへの締付け後からねじ浮き判定を行うまでには、前記差の算出および上下限範囲内か否かの比較の2工程を順に処理しなければならないため、締付け直後からねじ浮き判定を下すまでに時間を要するという問題があった。
また、従来のねじ締め装置は、ねじ支持手段からねじを取り出す際、このねじが正規のねじ頭高さであるかについて判定していないため、規格外のねじがワークに締付けられてしまい不良品が後工程へ流出するという問題もあった。また、ねじをねじ支持手段に供給する前に規格外のねじであるか否か選別する装置を別途要するため、ねじ締め装置のコストが増大するという問題もあった。
本発明は上記課題に鑑みて創成されたものであり、ねじに係合するビットを回転自在に備えたねじ締めツールと、このねじ締めツールを接続し前記ビットの延びる方向へ昇降自在な昇降ユニットと、この昇降ユニットを接続しねじ締めツールをねじ支持手段あるいはワークの上空へ移動自在なロボット本体と、これらロボット本体、ねじ締めツール、昇降ユニットをそれぞれ駆動制御する制御装置とを備え、前記ねじをねじ支持手段から取り出し前記ワークへ締付けるねじ締め装置において、前記ねじ支持手段に載置されたねじに係合したビットの昇降位置をビットの待機位置に対する絶対位置として計測するビット絶対位置計測部と、前記ワークへ締付けられたねじに係合したビットの昇降位置をワークの上面に対する相対位置として計測するビット相対位置計測部とを備えて成り、前記ビット絶対位置計測部は、計測する前記絶対位置を、教示作業時には第一教示絶対位置として計測し、実作業時には第一実測絶対位置として計測して成り、前記ビット相対位置計測部は、計測する前記相対位置を、教示作業時には第二教示相対位置として計測し、実作業時には第二実測相対位置として計測して成り、前記制御装置は、前記第一教示絶対位置と第一実測絶対位置との差を演算しかつ前記差と前記第二教示相対位置との和を演算する制御部と、この演算した前記和をねじ浮き判定基準位置として記憶する記憶部と、前記ねじ浮き判定基準位置と前記第二実測相対位置とを比較してワークの上面に対するねじ浮きの有無を判定する判定部とを備えて成ることを特徴とする。
なお、前記昇降ユニットは、回転駆動した回転量を外部へパルス出力する昇降モータと、この昇降モータに接続され所定のリードを備えて成るボールねじ軸と、このボールねじ軸に係合してボールねじ軸の延びる方向に沿って移動自在な可動部材とから構成され、前記可動部材に前記ねじ締めツールを取り付けて成り、前記制御装置は、前記昇降モータへ供給する電流を可変させ昇降するビットの推力を切り替え制御する推力制御部を備えて成り、前記推力制御部は、前記第一教示絶対位置、第一実測絶対位置、前記第二教示相対位置および前記第二実測相対位置を計測する前にはビットの推力を高推力から低推力へ切り替え制御することが望ましい。
また、前記記憶部は、ねじの頭部高さおよび前記ビットと係合するねじの嵌合穴の深さを規定した規格寸法に基づき予め設定されるねじ種判別範囲を記憶して成り、前記判定部は、前記ねじ種判別範囲と前記第一実測絶対位置とを比較して前記ねじ支持手段から取り出すねじの寸法判定を行うことが望ましい。
さらに、前記ねじ締めツールは、前記ビットの延びる方向へ摺動し前記ビットに対して相対移動する吸着パイプを備えて成り、前記ビット相対位置計測部は、前記ビットに対して相対移動した吸着パイプの移動距離を計測する変位センサで構成してもよい。
また、前記ねじ締めツールは、前記ビットの延びる方向へ摺動し前記ビットに対して相対移動する吸着パイプと、ビットに対して相対移動し始めた前記吸着パイプを検出して前記制御装置へ検出信号を発する検出器とを備えて成り、前記ビット絶対位置計測部は、前記検出器から前記検出信号を受け取った時点のビットの絶対位置と、この位置からビットが下降してねじをワークに締結した時点のビットの絶対位置とを計測して成り、前記制御部は、前記ビット絶対位置計測部により計測した2つのビットの絶対位置の差を前記相対位置として演算するとともに、この演算した相対位置を前記第二教示相対位置および前記第二実測相対位置として前記記憶部へ送信するように構成してもよい。
本発明のねじ締め装置は、ワークへの締付け後に行うねじ浮きの合否判定を前記ねじ浮き判定基準位置と前記第二実測相対位置との比較の1工程を処理すればよいので、従来の2工程から1工程低減できる。よって、本発明のねじ締め装置は、ワークへの締付け直後のねじ浮き判定に要する時間を従来に比べて短縮できるという利点がある。
また、本発明のねじ締め装置は、前記第一教示絶対位置、前記第二教示相対位置、前記第一実測絶対位置、前記第二実測相対位置をそれぞれ計測する前に前記ビットに付与する推力を高推力にしているため、これら4位置における実作業用のねじあるいは教示用のねじに前記ビットが確実に嵌合し易い。しかも、本発明のねじ締め装置は、前記ビットに付与する推力を前述の高推力から低推力へ切り替えた後、前記第一教示絶対位置、前記第二教示相対位置、前記第一実測絶対位置、前記第二実測相対位置の計測を行うため、4位置の計測時には、前記ビットを前記ねじ支持手段あるいはワークへ強く押し付けることがない。つまり、本発明のねじ締め装置は、前記4位置の計測前に高推力を出力して前記ビットと実作業用のねじあるいは教示用のねじとの嵌合状態を確実に得るられるとともに低推力に切り替え前記ねじ支持手段あるいは前記ワークの上面の撓みを最小限に抑えた状態で前記4位置の計測を行える。したがって、本発明のねじ締め装置は、4位置の嵌合条件および推力条件を揃えることができるため、ねじ浮き判定精度が向上するという利点もある。
さらに、本発明のねじ締め装置は、前記ビットに嵌合するねじの頭部高さや頭部の嵌合深さの規格寸法として規定された公差範囲を前記第一教示絶対位置に反映し、この反映した範囲をねじ種判別範囲として記憶しており、このねじ種判別範囲と前記第一実測絶対位置とをワークへの締付け前に比較している。これにより、ねじ支持手段からねじを取り出す際、前記ねじが正規品か否か判定されるため、規格外のねじがワークに締付けられるような事態も発生し難いという利点もある。
また、本発明のねじ締め装置は、前記ビット相対位置計測部を、前記ビットとワークWの上面に当接する吸着パイプとの相対移動距離を計測可能な変位センサで構成する。これにより、相対移動距離を制御装置の内部で演算し求める必要が無いため、制御装置の構成を簡素化でき、制御装置の処理の負担を軽減できるという利点もある。
さらに、本発明のねじ締め装置は、前記ビット絶対位置計測部と、吸着パイプに配置したドグを検出して信号を発する検出器の一例である近接センサとを備えてもよく、この場合、制御装置は、前記ドグを検出した時点のビットの絶対位置とねじに係合した状態のビットの絶対位置との差を制御装置内で演算する。これにより、前記ビット相対位置計測部で計測していたビットの相対位置を前記絶対位置の差に置き換えることができるので、高価な変位センサなどから比較的安価な検出器へ置き換えることができ、ねじ締め装置のコストを低減できるという利点もある。
本発明に係るねじ締め装置の一実施形態を示す概略説明図である。 本発明に係る制御装置のブロック構成図である。 本発明に係るねじ締め装置の動作を示す動作説明図である。 本発明に係るねじ締め装置の別の実施形態を示す概略説明図である。
以下、図1ないし図4に基づき本発明のねじ締め装置1の実施形態を説明する前に、使用するねじS、ねじStおよびワークWについて説明する。
前記ねじS(St)は、ワークWに形成されためねじに螺合するねじ部と、このねじ部よりも大径に設定された頭部とを一体に備えて成り、前記頭部には、後述するビット2の先端に係合する嵌合穴が成形されている。また、前記ねじS(St)は、実際のねじ締め作業時(以下、実作業時という)に使用するねじSと、事前の教示作業時に使用するねじStとの2種類が存在しており、これらねじSおよびねじStの頭部、嵌合穴、ねじ部などの各寸法は、何れも同様の寸法に設定されている。
前記ワークWは、めねじを形成した締結物と、このめねじの直径よりも大径の貫通穴を形成した被締結物とから構成され、前記締結物に被締結物が載せられて後述するクランプユニット60に保持されている。
本発明のねじ締め装置1は、前記ねじSあるいはねじStの頭部を載置し支持するねじ支持手段40と、前記ワークWの外周を保持するクランプユニット60と、前記ねじS(St)の頭部に成形された嵌合穴に係合するビット2およびこのビット2の延びる方向へ摺動する吸着4パイプを備えたねじ締めツール10と、このねじ締めツール10をねじ支持手段40の載置面あるいはワークWの上面へ接近あるいは離反する方向へ移動可能な昇降ユニット21と、この昇降ユニット21を接続しねじ締めツール10をワークWおよびねじ支持手段40の上空へそれぞれ移動可能なロボット本体26と、この昇降ユニット21の駆動により昇降するビット2の高さ位置を計測可能なビット相対位置計測部8およびビット絶対位置計測部35と、前記昇降ユニット21などへ指令を送り各機器を制御可能な制御装置30とから構成される。
前記ねじ支持手段40は、前後方向へ振動可能な振動体41と、この振動体41に振動の開始あるいは停止を指令する振動制御装置44と、前記振動体41に取り付けられ前記ねじSあるいはねじStの頭部を支持して振動搬送する搬送レール42と、この搬送レール42によって搬送されるねじSあるいはねじStを1本づつ受け取る受取りブロック43とを備えて成る。前記受取りブロック43は、搬送レール42と同様にねじSあるいはねじStの頭部を載置して支持可能に構成されており、ねじSあるいはねじStの頭部座面に接する載置面を備えて成る。
前記クランプユニット60は、ワークWを保持可能に構成されており、図1および図4に示すような所謂受け治具で構成されている。また、クランプユニット60は、ベース100に固定されており、前記ワークWをねじSおよびねじStの螺入方向へ回転しないよう保持することができる。
前記ねじ締めツール10は、回転駆動するビット駆動モータ3と、このビット駆動モータ3に連結されたビット2と、このビット2に挿通されビット2の延びる方向に沿って摺動自在な吸着パイプ4と、この吸着パイプ4をビット2の先端側へ常時付勢するばね5と、このばね5を内包するとともに付勢された吸着パイプ4の摺動を規制する吸着パイプホルダ6と、前記ビット駆動モータ3を所定の締結トルクおよび回転数により駆動制御可能なねじ締めツールコントローラ7とから構成される。
前記ビット駆動モータ3は、エンコーダ3aを備えたACサーボモータであり、このビット駆動モータ3の出力軸(図示せず)には、ビット2が接続されている。また、ビット駆動モータ3は、ビット2の回転駆動時の負荷電流あるいはエンコーダ3aから出力される出力軸の回転角度に相当する回転パルス信号を随時ねじ締めツールコントローラ7へ出力している。
前記ビット2は、その先端に前記ねじSおよびねじStの嵌合穴に係合する嵌合部2aを備え、前記嵌合部2aは、凸状の十字形状に成形されている。なお、前記嵌合部2aは、凸状の十字形状に限定されるものではなく、前記ねじSおよびねじStの前記嵌合穴の係合する形状であればよい。
前記吸着パイプ4は、その一端側に配された鍔部と、この鍔部に連設された小径軸部とを一体に備えて成り、さらに、その全長に渡って前記ビット2を挿通可能な挿通穴4aを備えて成る。前記挿通穴4aは、鍔部側ではビット2の外径寸法と同等の小径に設定される一方、先端側ではねじSの頭部を内包可能な大径に設定され、多段の穴によって構成される。さらに、吸着パイプ4の外周面には、前記挿通穴4aに連通する吸引穴4bが配されており、この吸引穴4bは、図示しないエア吸引手段に接続されている。これにより、ねじ締めツール10は、前記エア吸引手段の作動を受けて吸着パイプ4内にねじSあるいはねじStを吸引し、保持することができる。
前記ばね5は、圧縮コイルばねであり、その一端を吸着パイプ4の鍔部に当接するように配され、ビット2に挿通されており、吸着パイプ4を吸着パイプホルダ6の一端から突出させる方向へ常時付勢している。また、吸着パイプ4の先端が受取りブロック43の載置面あるいはワークWの上面に当接すると、ばね5は、吸着パイプ4の鍔部に押され圧縮方向に撓む。
前記吸着パイプホルダ6は、前記ばね5および吸着パイプ4の鍔部を内包し、吸着パイプ4の小径軸部を挿通しており、吸着パイプ4をビット2の延びる方向へ摺動自在に支持している。
前記ねじ締めツールコントローラ7は、ビット駆動モータ3に接続されており、予め設定した締結トルクおよび回転数に基づきビット駆動モータ3を回転駆動制御し、ビット駆動モータ3から出力された前記負荷電流に基づいてビット2が付与した締結トルクを算出する。またねじ締めツールコントローラ7は、所定の締結トルクに達すれば締結完了信号を制御装置30へ出力するように構成されている。
前記ロボット本体26は、ねじ締めツール10を支持した昇降ユニット21を水平方向へ移動するよう構成される一方、前記昇降ユニット21は、前記ねじ締めツール10を昇降方向へ移動するよう構成されている。
前記ロボット本体26は、予め設定された回転量および電流に基づき回転駆動する駆動源の一例であるACサーボモータ(以下、本体モータ27)と、この本体モータ27に連結され所定の角度のリードを備えたボールねじ軸28と、このボールねじ軸28の回転を受けて前記受取りブロック43の載置面あるいは前記ワークWの上空へ往復移動自在な可動部材29とを備えて成る。また、前記可動部材29には、前記昇降ユニット21が取り付けられており、可動部材29の移動に伴って前記昇降ユニット21が水平方向に往復移動する。
前記本体モータ27は、ボールねじ軸28の回転に応じた回転パルス信号を前記制御装置30へ出力するエンコーダ27aを備えて成る。また、本体モータ27は、後述するロボット本体駆動部36に接続されて、このロボット本体駆動部36の指令を受けて駆動する。
前記昇降ユニット21は、予め設定された回転量および電流に基づき回転駆動する駆動源の一例であるACサーボモータ(以下、昇降モータ22)と、この昇降モータ22に連結され所定の角度のリードを備えたボールねじ軸23と、このボールねじ軸23の回転を受けて前記受取りブロック43の載置面あるいは前記ワークWの上面に接近あるいは離反する方向へ往復移動自在な可動部材24とを備えて成る。また、前記可動部材24には、前記ねじ締めツール10が取り付けられており、可動部材24の移動に伴って前記ビット2、前記吸着パイプ4などが往復移動する。
前記昇降モータ22は、ボールねじ軸23の回転に応じた回転パルス信号を前記制御装置30へ出力するエンコーダ22aを備えて成る。また、昇降モータ22は、後述する推力制御部31から回転駆動に必要な電流を供給されており、予め設定した回転数およびトルクに応じて前記出力軸を回転するよう構成されるとともに回転中の負荷電流を前記制御装置30へ出力可能に構成される。
前記ビット相対位置計測部8は、前記ねじ締めツール10に固定されており、前記ビット2とともに受取りブロック43の載置面あるいはワークWの上面に接近あるいは離反する方向へ昇降するように構成されている。また、ビット相対位置計測部8は、受取りブロック43の載置面あるいはワークWの上面に対するビット2の昇降距離を計測する変位センサとして構成され、この変位センサは、計測した受取りブロック43の載置面あるいはワークWの上面に対するビット2の高さ位置を前記制御装置30へ送信するよう構成されている。
前記制御装置30は、前記エンコーダ22aから発信された回転パルス信号および予め記憶した前記ボールねじ軸23のリードの角度に基づき往復移動する前記ビット2の高さ位置を算出して計測するビット絶対位置計測部35と、後述する記憶部33に設定された電流を前記昇降モータ22へ供給して往復移動するビット2の推力を制御する推力制御部31と、前記ロボット本体26を位置制御するロボット本体駆動制御部36と、前記推力制御部31や前記ねじ締めツールコントローラ7などをそれぞれ接続し、これら接続した各機器に動作指令を送る制御部32と、昇降ユニット21などの各機器の動作パラメータを入力する入力部37と、この入力部37から入力された動作パラメータや前記ビット相対位置計測部8および前記ビット絶対位置計測部35の計測結果を記憶する記憶部33と、ワークWにねじSを締め付けた後に前記ワークWの上面に対するねじSのねじ浮きを判定する判定部34とを備えて成る。
前記ビット絶対位置計測部35は、前記エンコーダ22aから発信された回転パルス信号および前記ボールねじ軸23のリードの角度に基づき往復移動する可動部材24の位置を算出するように構成される。したがって、算出された可動部材24の位置は、可動部材24とともに移動する前記ビット2の位置に相当するため、ビット絶対位置計測部35は往復移動するビット2の位置を計測することになる。また、ビット絶対位置計測部35は、受取りブロック43の載置面あるいはワークWの上面の上空の所定位置で待機した状態のビット2の位置を原点として記憶し、この原点であるビット2の待機位置SPから移動したビット2の位置を待機位置SPからの移動距離として算出するように構成される。したがって、前記ビット絶対位置計測部35により算出されたビット2の移動距離は、前記ビット2の待機位置SPに対する絶対位置となる。
前記推力制御部31は、前記昇降モータ22へ供給する電流を制御可能に構成されており、昇降モータ22に接続されたボールねじ軸23の回転トルクを制御する。これにより、推力制御部31は、ボールねじ軸23の回転に伴って昇降するビット2の推力を制御している。また、推力制御部31は、前記ビット絶対位置計測部35により算出したビット2の絶対位置と、前記記憶部33に記憶されているビット2の目標位置とを比較して昇降モータ22へ供給する電流を切り替えるように構成されており、昇降するビット2の絶対位置に基づいてビット2の推力を制御可能に構成される。
前記ロボット本体駆動部36は、前記ロボット本体26の本体モータ27から情報を受け取り、この情報に基づいて水平方向へ移動するねじ締めツール10の位置を算出するとともに、この算出した位置と記憶部33に設定された設定位置とを比較してロボット本体26を駆動制御する。
前記入力部37は、前記動作パラメータなどをテンキーなどにより打ち込み、この打ち込んだ内容を表示可能に構成されている。また、この入力部37から入力された動作パラメータなどは、前記制御部32を経由して前記記憶部33に書き込まれ記憶される。
前記記憶部33は、入力部37から入力される前記動作パラメータ、前記ビット2の設定推力などの各種情報を複数のポイント分記憶可能に構成されている。また、記憶部33は、前記ビット絶対位置計測部35により計測されたビット2の絶対位置と、前記ビット相対位置計測部8により計測されたビット2の相対位置とを記憶可能に構成されている。さらに、記憶部33は、ねじSのJIS規格などに定められた寸法公差範囲に基づき設定されたねじ種判別範囲を記憶可能に構成される。
この記憶部33に記憶されるビット2の絶対位置は、教示作業時に載置面に載置された教示用のねじStの嵌合穴にビット2の嵌合部2aが係合している状態で計測される第一教示絶対位置FTと、実作業時に載置面に載置された実作業用のねじSの嵌合穴にビット2の嵌合部2aが係合している状態で計測される第一実測絶対位置FFとの2種類である。一方、記憶部33に記憶されるビット2の相対位置は、教示作業時にワークWへ締結されワークWの上面と密着した教示用のねじStの嵌合穴にビット2の嵌合部2aが係合している状態で計測される第二教示相対位置WTと、実作業時にワークWに締結された前記ねじSの嵌合穴にビット2の嵌合部2aが係合している状態で計測される第二実測相対位置WFとの2種類である。
また、記憶部33に記憶されるねじ種判別範囲は、前記ねじSの頭部の高さおよび前記嵌合穴の深さに関わる上下限値が考慮されたものであり、前記載置面に載置した教示用のねじStに前記ビット2を係合させた状態の第一教示絶対位置FTと前述の上下限値とを加味して設定された範囲である。
前記制御部32は、これに接続された各機器の情報を取り込み可能に構成され、前記記憶部33に記憶されている動作パラメータに基づき各機器へ動作指令を送るように構成されている。さらに、制御部32は、記憶部33に記憶した数値などを用いて演算処理可能に構成されており、前記第一教示絶対位置FTと第一実測絶対位置FFとの差の演算および前記差と第二教示相対位置WTとの和の演算を行う。なお、前記差は、ねじ浮き判定補正値といい、前記和は、ねじ浮き判定基準位置という。また、制御部32は、演算により求めた前記ねじ浮き判定補正値および前記ねじ浮き判定基準位置を前記記憶部33へ送信するように構成され、これら送信されたねじ浮き判定補正値およびねじ浮き判定基準位置は、前記記憶部33に記憶される。
前記判定部34は、実作業用のねじSを前記載置面から取り出す際に正規の寸法のねじであるか否か判定処理するとともに、実作業用のねじSを前記ワークWに締付けた後に当該ねじSがワークWの上面からねじ浮きしていないか否か判定処理するように構成されている。具体的には、正規のねじか否かの判定処理は、前記第一実測絶対位置FFと前記ねじ種判別範囲とを比較して第一実測絶対位置FFがねじ種判別範囲内であれば正規のねじであると判定する。一方、ねじ浮きか否か判定処理は、前記ねじ浮き判定基準位置と前記第二実測相対位置WFとを比較してワークWの上面に対するねじSのねじ浮きの合否を判定する。なお、前記ねじ浮き判定基準位置は、所定の幅を持たせた範囲であってもよく、この場合は、前記範囲が予め前記記憶部33に設定されており、前記判定部34は、前記第二実測相対位置WFが前記範囲内であればねじ浮きしていないと判定する。
本発明のねじ締め装置1の作用を図3(a)ないし図3(d)に基づき説明する。また、図3(a)は第一教示絶対位置FTを、図3(b)は第二教示相対位置WTを、図3(c)は第一実測絶対位置FFを、図3(d)は第二実測相対位置WFをそれぞれ計測している状態を示しており、以下に教示作業から実作業までの作用を順に説明する。
まず、第一教示絶対位置FTと、第二教示相対位置WTとを設定するための教示作業について説明する。図3(a)に示すように教示用のねじStを受取りブロック43の載置面に載置する。この時、ねじ締めツール10は、ねじ支持手段40の上空のビット2の待機位置SPで待機している。制御装置30は、昇降ユニット21およびねじ締めツールコントローラ7へそれぞれ指令を送り、昇降ユニット21およびねじ締めツール10を作動させる。これにより、ねじ締めツール10は、載置面へ向かって下降するとともにビット2は、所定の回転数により回転する。このねじ締めツール10の下降に伴って、ビット2および吸着パイプ4は、相対移動することなく一体に下降し、吸着パイプ4の先端が載置面に当接すると、この後にビット2が吸着パイプ4に対して相対移動する。よって、ビット2は、前記ねじStの嵌合穴に係合し、ねじStを押してその頭部座面を載置面に密着させる。
この時、制御部32は、ビット絶対位置計測部35によって計測したビット2の絶対位置を監視し、この絶対位置が所定時間経過しても変化しなければ、ねじStの頭部座面と載置面とが密着しかつビット2とねじStとが係合していると判断して、昇降ユニット21およびねじ締めコントローラ7に停止指令を送る。また、ビット絶対位置計測部35は、ビット2の下降および回転を停止した状態かつ載置面に載置されたねじStに係合した状態のビット2の高さ位置を待機位置SPからの絶対位置として前記記憶部33に送る。この記憶部33は、ビット絶対位置計測部35から送られた前記絶対位置を第一教示絶対位置FTとして記憶する。
次に、第一教示絶対位置FTの計測に使用したねじStの頭部座面がワークWの上面に密着するように当該ねじStを予めワークWに締付けておく。この時、ねじ締めツール10はワークWの上空の待機位置SPで待機している。制御装置30は、昇降ユニット21およびねじ締めツールコントローラ7へそれぞれ指令を送り、昇降ユニット21およびねじ締めツール10を作動させる。これにより、ねじ締めツール10は、ワークWの上面へ向かって下降するとともにビット2は、所定の締結トルクにより回転する。このねじ締めツール10の下降に伴って、ビット2および吸着パイプ4は、相対移動することなく一体に下降し、吸着パイプ4の先端がワークWの上面に当接すると、この後にビット2が吸着パイプ4に対して相対移動する。よって、ビット2は、所定の締結トルクに達するまで回転を続けるため、図3(b)に示すようにワークWの上面に密着したねじStに係合した状態となっている。
前記ねじ締めツールコントローラ7は、上述の締結トルクに到達すれば締結完了信号を制御部32へ出力するため、制御部32は、ビット2とねじStとが係合しかつワークWの上面にねじStの頭部座面が密着していると判断して、昇降ユニット21に停止指令を送る。また、ビット相対位置計測部8は、ビット2の下降および回転を停止した状態かつワークWの上面に密着したねじStに係合した状態のビット2の高さ位置をワークWの上面からの相対位置として計測し、この計測した相対位置を記憶部33に送る。この記憶部33は、ビット相対位置計測部8により計測した相対位置を第二教示相対位置WTとして記憶する。
このように、第一教示絶対位置FTと第二教示相対位置WTとの計測は、同じ教示用のねじStおよびビット2を使用して順に行われる。
次に、図3(c)および図3(d)に示すように実作業用のねじSをねじ支持手段40から取出しワークWのめねじに締付ける実作業について説明する。前記ねじ支持手段40は、ワークWに締付けられるねじSを振動する搬送レール42により受取りブロック43へ搬送する。この時、ねじ締めツール10はワークWの上空の待機位置SPで待機している。制御装置30は、昇降ユニット21およびねじ締めツールコントローラ7へそれぞれ指令を送り、昇降ユニット21およびねじ締めツール10を作動させる。これにより、ねじ締めツール10は、受取りブロック43の載置面へ向かって下降するとともに、前記ビット2は、所定の回転数により回転する。ビット2および吸着パイプ4は、相対移動することなく一体に下降し、吸着パイプ4の先端が受取りブロック43の載置面に当接すると、この後にビット2が吸着パイプ4に対して相対移動する。よって、ビット2は、図3(c)に示すように前記ねじSの嵌合穴に係合し、ねじSを押してその頭部座面を載置面に密着させる。
この時、制御部32は、ビット絶対位置計測部35によって計測したビット2の絶対位置を監視し、この絶対位置が所定時間経過しても変化しなければ、ねじSの頭部座面と載置面とが密着しかつビット2とねじSとが係合していると判断して、昇降ユニット21およびねじ締めコントローラ7に停止指令を送る。また、ビット絶対位置計測部35は、ビット2の下降および回転を停止した状態かつ載置面に載置されたねじSに係合した状態のビット2の高さ位置を待機位置SPからの絶対位置として記憶部33に送る。この記憶部33は、ビット絶対位置計測部35から送られた前記絶対位置を第一実測絶対位置FFとして記憶する。
この第一実測絶対位置FFが記憶された後、制御部32は、第一実測絶対位置FFと第一教示絶対位置FTとを記憶部33からそれぞれ読み込み、第一実測絶対位置FFと第一教示絶対位置FTとの差を演算する。この演算した差は、前記ねじStおよび前記ねじSにそれぞれ係合した状態のビット2の高さ位置の差になるので、ビット2に係合する前記ねじStおよび前記ねじSの頭部高さや嵌合穴の深さの寸法差に相当する。制御部32は、この演算により求めた差を記憶部33へ送り、記憶部33は、この差をねじ浮き判定補正値として記憶する。この後、制御部32は、このねじ浮き判定補正値と第二教示相対位置WTとの和を演算し、演算により求めた和を記憶部33へ送る。記憶部33は、前記和をねじ浮き判定基準位置として記憶する。つまり、ねじ浮き判定基準位置は、第二教示相対位置WTをねじ浮き判定補正値により補正した値となり、前記頭部高さや嵌合穴の深さが異なる実際のねじSの寸法差が加味されたねじ浮きを判定するための基準値となっている。なお、ねじ浮き判定補正値およびねじ浮き判定基準位置の演算、記憶は、何れも第二実測絶対位置WFを計測する前に必ず行われている。
前記制御装置30は、ねじ浮き判定補正値を記憶すると、前記エア吸引手段および昇降ユニット21をそれぞれ作動させる。これにより、ねじSは、吸着パイプ4内に吸引され、ねじ締めツール10とともに待機位置SPまで上昇する。また、制御装置30は、前記ロボット本体26を作動させて、ねじ締めツール10を受取りブロック43の上空からワークWの上空へ移動させる。
その後、制御装置30は、昇降ユニット21およびねじ締めツール10へそれぞれ指令を送り、前記ねじ締めツール10をワークWのめねじに向かうよう待機位置SPから下降させるとともに前記ビット2を所定の締結トルクに達するまで回転させる。これにより、ビット2および吸着パイプ4は、相対移動することなく一体に下降し、前記吸着パイプ4の先端がワークWの上面に当接し、この後にビット2が吸着パイプ4に対して相対移動する。よって、ビット2は、図3(d)に示すように、前記ねじSの嵌合穴に係合し、前記ねじSをめねじへ螺入する。これにより、ねじSの頭部座面がワークWの上面に密着して当該ねじSが所定の締結トルクに達する。
ねじ締めツールコントローラ7は、締結完了信号を制御部32へ出力し、これを受けた制御部32は、昇降ユニット21およびねじ締めツール10へ停止指令を送る。また、ビット相対位置計測部8は、制御部32が締結完了信号を受け取った時点のビット2の高さ位置をワークWの上面からの相対位置として計測し、これを記憶部33へ送る。記憶部33は、ビット相対位置計測部8から送られた前記相対位置を第二実測相対位置WFとして記憶する。
また、判定部34は、第二実測相対位置WFが記憶部33に記憶された後、第二実測相対位置WFとねじ浮き判定基準位置とを比較し、第二実測相対位置WFがねじ浮き判定基準位置に一致しなければねじ浮きが発生していると判断し、一致していればねじ浮きがないと判断して処理する。なお、ねじ浮き判定基準位置が上述したように所定の幅を持たせた範囲に設定されている場合、判定部34は、前記第二実測相対位置WFが前記範囲内であればねじ浮きしていないと判定する。
このように、本発明のねじ締め装置1は、第一実測絶対位置FFと第一教示絶対位置FTとの比較により、ねじ浮き判定基準位置の算定、ねじ浮き判定基準位置と第二実測相対位置WFとの比較をねじSの締付けの度に毎回実施している。また、本発明のねじ締め装置1は、上述したように教示用のねじStを使用して第一教示絶対位置FTおよび第二教示相対位置WTの計測を行い、実際のねじSを取り出し締付ける毎にこのねじSの第一実測絶対位置FFおよび第二実測相対位置WFの計測を行う。
つまり、本発明のねじ締め装置1は、教示用のねじStにより計測した第一教示絶対位置FTと実作業用のねじSにより計測した第一実測絶対位置FFとの差を求めているため、ねじStとねじSとの寸法差のみならず、締結回数の増加によるビット2の摩耗量も考慮したねじ浮き判定が行える。また、本発明のねじ締め装置1は、第二実測相対位置WFとねじ浮き判定基準位置との比較のみを処理してねじ浮き判定を行っているため、ねじ浮き判定の処理工程数を従来の2工程から1工程に減らすことができる。
また、上述したビット2とねじSあるいはねじStとの係合時において、推力制御部31は、ビット2に付与する推力を高推力になるよう昇降モータ22を制御している。これにより、上述した第一教示絶対位置FT、第二教示相対位置WT、第一実測絶対位置FF、第二実測相対位置WFをそれぞれ計測する前には、何れもビット2がねじStおよびねじSに確実に嵌合し易い。しかも、この高推力状態で係合したビット2は、前記推力制御部31により低推力に切り替えられるので、前記ビット相対位置計測部8および前記ビット絶対位置計測部35は、第一教示絶対位置FT、第二教示相対位置WT、第一実測絶対位置FF、第二実測相対位置WFをそれぞれ計測する前には、ビット2がねじStあるいはねじSを介して受取りブロック43の載置面およびワークWの上面を強く押さない。これにより、受取りブロック43の載置面およびワークWの上面が深く沈み込まないため、高精度なねじ浮き判定および正規のねじか否かの判定が行える。
なお、前記ビット相対位置計測部8の一例である前記変位センサは、ワークWの上面に当接することで収縮する接触子を備えた接触式変位センサあるいはワークWの上面にレーザ光を照射して距離を計測する非接触式変位センサで構成すればよく、ワークWの上面に対するビット2の相対位置を計測可能に構成されていればよい。
さらに、前記ビット相対位置計測部8は、図4に示すように吸着パイプ4の外周に配した金属製のドグ4cと、吸着パイプホルダ6に固定されドグ4cを検出すると制御装置30へドグ検出信号を送る検出器と、エンコーダ22aの回転パルス信号およびボールねじ軸23のリードの角度からビット2の待機位置SPからのビット2の絶対位置を計測するビット絶対位置計測部35とから構成してもよい。この場合、ビット相対位置計測部8は、検出器からドグ検出信号が発信された時点のビット2の絶対位置と、制御装置30からねじ締め完了信号を受け取った時点のビット2の絶対位置との差を算出するように構成される。また、この算出された絶対位置の差は、吸着パイプ4に対するビット2の相対位置に相当するため、ワークWの上面に対するビット2の相対位置として扱うことができる。よって、検出器を備えたビット相対位置計測部8は、上述の非接触式変位センサあるいは接触式変位センサを備えて成るビット相対位置計測部8と同様にワークWの上面に対するビット2の相対位置を計測可能に構成される。また、このビット相対位置計測部8により算出された絶対位置の差は、第二教示相対位置WT、第二実測相対位置WFとして記憶部33へ送られる。なお、検出器は、図4に示すように金属を検出可能な近接センサや、ドグ4cによって光軸を遮られるとドグ検出発信するような光電センサなどで構成することができる。
また、前記ロボット本体26は、上述した構成に限定されることはなく、ねじ締めツール10を受取りブロック43の上空、あるいはワークWの上空へそれぞれ移動可能に構成されていればよい。例えば、ロボット本体26は、所謂多関節ロボットで構成されてもよい。
1 ねじ締め装置
2 ビット
4 吸着パイプ
8 ビット相対位置計測部
10 ねじ締めツール
21 昇降ユニット
30 制御装置
31 推力制御部
33 記憶部
34 判定部
35 ビット絶対位置計測部
40 ねじ支持手段
W ワーク
S ねじ(実作業時に使用)
St ねじ(教示作業時に使用)
SP 待機位置

Claims (5)

  1. ねじに係合するビットを回転自在に備えたねじ締めツールと、このねじ締めツールを接続し前記ビットの延びる方向へ昇降自在な昇降ユニットと、この昇降ユニットを接続しねじ締めツールをねじ支持手段あるいはワークの上空へ移動自在なロボット本体と、これらロボット本体、ねじ締めツール、昇降ユニットをそれぞれ駆動制御する制御装置とを備え、前記ねじをねじ支持手段から取り出し前記ワークへ締付けるねじ締め装置において、
    前記ねじ支持手段に載置されたねじに係合したビットの昇降位置をビットの待機位置に対する絶対位置として計測するビット絶対位置計測部と、前記ワークへ締付けられたねじに係合したビットの昇降位置をワークの上面に対する相対位置として計測するビット相対位置計測部とを備えて成り、
    前記ビット絶対位置計測部は、計測する前記絶対位置を、教示作業時には第一教示絶対位置として計測し、実作業時には第一実測絶対位置として計測して成り、
    前記ビット相対位置計測部は、計測する前記相対位置を、教示作業時には第二教示相対位置として計測し、実作業時には第二実測相対位置として計測して成り、
    前記制御装置は、前記第一教示絶対位置と第一実測絶対位置との差を演算しかつ前記差と前記第二教示相対位置との和を演算する制御部と、この演算した前記和をねじ浮き判定基準位置として記憶する記憶部と、前記ねじ浮き判定基準位置と前記第二実測相対位置とを比較してワークの上面に対するねじ浮きの有無を判定する判定部とを備えて成ることを特徴とするねじ締め装置。
  2. 前記昇降ユニットは、回転駆動した回転量を外部へパルス出力する昇降モータと、この昇降モータに接続され所定のリードを備えて成るボールねじ軸と、このボールねじ軸に係合してボールねじ軸の延びる方向に沿って移動自在な可動部材とから構成され、前記可動部材に前記ねじ締めツールを取り付けて成り、
    前記制御装置は、前記昇降モータへ供給する電流を可変させ昇降するビットの推力を切り替え制御する推力制御部を備えて成り、
    前記推力制御部は、前記第一教示絶対位置、第一実測絶対位置、前記第二教示相対位置および前記第二実測相対位置を計測する前にはビットの推力を高推力から低推力へ切り替え制御することを特徴とする請求項1に記載のねじ締め装置。
  3. 前記記憶部は、ねじの頭部高さおよび前記ビットと係合するねじの嵌合穴の深さを規定した規格寸法に基づき予め設定されるねじ種判別範囲を記憶して成り、
    前記判定部は、前記ねじ種判別範囲と前記第一実測絶対位置とを比較して前記ねじ支持手段から取り出すねじの寸法判定を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のねじ締め装置。
  4. 前記ねじ締めツールは、前記ビットの延びる方向へ摺動し前記ビットに対して相対移動する吸着パイプを備えて成り、
    前記ビット相対位置計測部は、前記ビットに対して相対移動した吸着パイプの移動距離を計測する変位センサで構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のねじ締め装置。
  5. 前記ねじ締めツールは、前記ビットの延びる方向へ摺動し前記ビットに対して相対移動する吸着パイプと、ビットに対して相対移動し始めた前記吸着パイプを検出して前記制御装置へ検出信号を発する検出器とを備えて成り、
    前記ビット絶対位置計測部は、前記検出器から前記検出信号を受け取った時点のビットの絶対位置と、この位置からビットが下降してねじをワークに締結した時点のビットの絶対位置とを計測して成り、
    前記制御部は、前記ビット絶対位置計測部により計測した2つのビットの絶対位置の差を前記相対位置として演算するとともに、この演算した相対位置を前記第二教示相対位置および前記第二実測相対位置として前記記憶部へ送信して成ることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載のねじ締め装置。
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