JP2017012599A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】探触子の詳細な動きに応じて超音波診断装置を制御することができる装置を提供する。
【解決手段】超音波診断装置は、被検体18で反射し探触子14で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部20と、探触子14が有する被検体接触面のうち、超音波が受信された受信範囲を受信信号に基づいて検出する受信範囲検出部74と、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する接触判定部42と、を備える。接触判定部42は、予め定められた基準データのうちの受信範囲に対応する部分と、受信信号から得られる受信データのうちの受信範囲に対応する部分との近似度を求め、その近似度に基づいて、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する。
【選択図】図7
【解決手段】超音波診断装置は、被検体18で反射し探触子14で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部20と、探触子14が有する被検体接触面のうち、超音波が受信された受信範囲を受信信号に基づいて検出する受信範囲検出部74と、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する接触判定部42と、を備える。接触判定部42は、予め定められた基準データのうちの受信範囲に対応する部分と、受信信号から得られる受信データのうちの受信範囲に対応する部分との近似度を求め、その近似度に基づいて、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する。
【選択図】図7
Description
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、探触子の動きに応じて超音波診断装置に指令を与える技術に関する。
被検体を観測する装置として超音波診断装置が広く用いられている。超音波診断装置は、超音波の送受信によって被検体の断層画像を生成し、モニタに表示する。超音波診断装置では、探触子が被検体の適切な部位に接触することで、被検体の関心部位に対して超音波が送受信され、関心部位の断層画像が表示される。
ユーザが超音波診断装置に指令を与え、超音波診断装置に指令を実行させるため、超音波診断装置には、キーボード、スイッチ、マウス、トラックボール等の入力デバイスが設けられている。ユーザは、モニタに表示された画像を参照しながら、被検体の適切な位置に適切な姿勢で探触子を接触させ、入力デバイスを操作して超音波診断装置に指令を与える。
モニタを参照しながら探触子の位置決定をし、さらには入力デバイスを操作するという作業に際しては、入力デバイスの操作中に手ぶれ等によって探触子を動かさないことに注意が払われる。このような作業の負担を軽減するため、特許文献1〜4に示されているように、探触子を入力デバイスとして用いることが考えられている。
探触子を入力デバイスとして用いる場合、被検体への接触、被検体上での移動、被検体からの離脱等の探触子の動きに対して指令が対応付けられる。特許文献1〜3に記載されている超音波診断装置では、探触子にセンサが設けられ、このセンサによって探触子の動きが検出される。しかし、このような構成では、探触子のハードウエアが複雑となるという問題がある。そこで、特許文献4に記載されているように、受信された超音波に基づくデータの変化に基づいて、探触子の動きを検出する超音波診断装置が考えられている。
一般に、探触子を入力デバイスとして用いる場合、探触子の多様な動きのそれぞれに対して指令が対応付けられることで、超音波診断装置の使い易さが向上する。しかし、特許文献4に記載されている超音波診断装置では、探触子の詳細な動きについてまで、指令が対応付けられているとは言い難い面もあった。
本発明は、探触子の詳細な動きに応じて超音波診断装置に指令を与えることを目的とする。
本発明は、被検体で反射し探触子で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部と、前記探触子が有する被検体接触面のうち、前記超音波が受信された受信範囲を前記受信信号に基づいて検出する受信範囲検出部と、前記探触子が前記被検体に接触しているか否かを判定する接触判定部と、を備え、前記接触判定部は、予め定められた基準データのうちの前記受信範囲に対応する部分と、前記受信信号から得られる受信データのうちの前記受信範囲に対応する部分との近似度を求め、前記近似度に基づいて、前記探触子が前記被検体に接触しているか否かを判定することを特徴とする。
本発明によれば、予め定められた基準データのうちの受信範囲に対応する部分と、受信信号から得られる受信データのうちの受信範囲に対応する部分との近似度が求められ、その近似度に基づいて、探触子が前記被検体に接触しているか否かが判定される。これによって、受信範囲外のデータが近似度に寄与しないこととなり、判定の精度が高められる。
望ましくは、前記探触子が前記被検体に接触していないとの判定がされた場合に、前記超音波診断装置の状態を切り換える状態設定部を備える。
本発明によれば、探触子が被検体から離されることで、超音波診断装置の状態が切り換えられる。これによって、例えば、ユーザによる探触子の操作によって超音波診断装置の状態が切り換えられ、ユーザの操作負担が軽減される。
望ましくは、前記状態設定部は、前記受信範囲の縮小に基づいて、前記超音波診断装置の状態を第1状態から第2状態へと切り換え、前記超音波診断装置が前記第1状態または前記第2状態にあるときに、前記探触子が前記被検体に接触していないとの判定がされた場合に、前記超音波診断装置の状態を前記第3状態に設定する。
本発明では、受信範囲の縮小に基づいて超音波診断装置の状態が第1状態から第2状態に切り換えられる。一般に、探触子が被検体から離れつつある過程では受信範囲が縮小する。そのため、例えば、探触子が被検体から離れつつある過程で、超音波診断装置の状態が第1状態から第2状態に切り換えられるといった処理が可能となる。本発明では、さらに、探触子が被検体に接触していないとの判定がされた場合に、超音波診断装置の状態が第3状態に設定される。本発明によれば、例えば、探触子を被検体に接触させた状態から、探触子を被検体から離すというユーザの操作によって、超音波診断装置の状態を、第1状態、第2状態および第3状態の順に切り換えることができる。
望ましくは、前記探触子が前記被検体に接触していないとの判定がされた場合に、前記超音波診断装置に対する指令情報を生成する指令生成部を備える。
本発明によれば、探触子が被検体から離されることで、超音波診断装置に対する指令情報が生成される。これによって、例えば、ユーザによる探触子の操作によって超音波診断装置に指令が与えられ、ユーザの操作負担が軽減される。
望ましくは、前記受信信号に基づいて、前記被検体についてのフレームデータを生成するフレームデータ生成部を備え、前記基準データは、前記フレームデータに対する基準を示す。
望ましくは、前記フレームデータ生成部が、前記フレームデータを時間経過と共に順次生成し、前記受信範囲検出部は、前記接触判定部の判定対象となる前記フレームデータに基づいて、あるいは、前記接触判定部の判定対象となる前記フレームデータより先に生成された前記フレームデータに基づいて、前記接触判定部によって用いられる前記受信範囲を検出する。
望ましくは、前記フレームデータ生成部が、前記フレームデータを時間経過と共に順次生成し、時間経過と共に順次生成された複数の前記フレームデータに基づいて、前記探触子が静止しているか否かを判定する静止判定部を備え、前記受信範囲検出部は、前記探触子が静止していると判定されたときの前記フレームデータに基づいて、前記接触判定部によって用いられる前記受信範囲を検出する。
探触子が静止していると判定されたときのフレームデータに基づいて、接触判定部によって用いられる受信範囲を検出することで、探触子が被検体に密着している可能性が高い状態における、受信範囲が検出される。これによって、受信範囲がより正確に求められ接触判定の精度が高められる。
望ましくは、前記接触判定部は、受信範囲検出部で受信範囲が検出されないときは、基準データのうちの最大受信範囲に対応する部分と、前記受信信号から得られる受信データのうちの最大受信範囲に対応する部分との近似度を求め、前記近似度に基づいて、前記探触子が前記被検体に接触しているか否かを判定する。
本発明によれば、探触子が実際に被検体から離れた場合、最大受信範囲に対応するデータが用いられ、探触子が被検体に接触しているか否かの判定に広範囲に亘るデータが用いられる。これによって、探触子が実際に被検体から離れた場合に非接触判定が確実に行われる。
本発明によれば、探触子の詳細な動きに応じて超音波診断装置に指令を与えることができる。
(1)超音波診断装置の構成および基本的な動作
図1には超音波診断装置の構成が示されている。超音波診断装置は、送受信制御部10、送信部12、探触子14、受信部20、整相加算部22、超音波画像生成部24、ディジタルスキャンコンバータ(DSC)26、装置制御部28、動き検出部30、表示部52、シネメモリ54、および記憶部56を備える。これらの構成要素のうち、送受信制御部10、整相加算部22、超音波画像生成部24、DSC26、装置制御部28、および動き検出部30は、例えば、プロセッサ等の演算処理デバイスによって構成される。演算処理デバイスには、例えば、プログラムによって各構成要素が構成されるものが用いられる。
図1には超音波診断装置の構成が示されている。超音波診断装置は、送受信制御部10、送信部12、探触子14、受信部20、整相加算部22、超音波画像生成部24、ディジタルスキャンコンバータ(DSC)26、装置制御部28、動き検出部30、表示部52、シネメモリ54、および記憶部56を備える。これらの構成要素のうち、送受信制御部10、整相加算部22、超音波画像生成部24、DSC26、装置制御部28、および動き検出部30は、例えば、プロセッサ等の演算処理デバイスによって構成される。演算処理デバイスには、例えば、プログラムによって各構成要素が構成されるものが用いられる。
超音波診断装置は、探触子14によって被検体18に対して超音波を送受信し、モニタとしての表示部52に断層画像を表示する。また、探触子14における受信超音波に基づく受信信号の変化に応じた指令が超音波診断装置に与えられ、探触子14の動きに応じて超音波診断装置に指令が与えられる。なお、本願明細書では、受信された超音波に基づき超音波診断装置内で伝送されるあらゆる信号またはデータを受信信号と定義する。
超音波診断装置の動作状態には、通常の状態、ソフトフリーズがオンの状態および仮フリーズがオンの状態がある。通常の状態は、時間経過と共に順次生成される断層画像データに基づいて、表示部52に動画像を表示する動作状態である。
ソフトフリーズとは、表示部52には静止画像を表示しながらも、探触子14の動きに応じて超音波診断装置に指令を与える機能をいい、ソフトフリーズがオンの状態とは、この機能を実行する動作状態をいう。ソフトフリーズがオンの状態では超音波の送受信を行うための構成要素が動作している。この構成要素は、例えば、超音波画像生成部24、およびDSC26を除いた構成要素である。一般に、静止画像を表示すると共に、超音波の送受信を行う回路をオフとするフリーズが知られているが、超音波の送受信を行うための回路をオンに維持するという点で、ソフトフリーズは一般的なフリーズと異なる。
仮フリーズとは、ソフトフリーズと同様の機能を実行するものの、所定の解除条件が成立することで通常の状態に戻る機能をいう。以下の説明では、通常の状態、ソフトフリーズがオンの状態、および仮フリーズがオンの状態を、それぞれ、通常状態、ソフトフリーズオン状態、および仮フリーズオン状態とする。
通常状態において断層画像を表示する構成および処理について説明する。探触子14は、複数の振動素子16を備えている。複数の振動素子16は、被検体18に接触させる面に沿ってx軸方向に配列されている。
計測に際して、探触子14は被検体18の表面に接触した状態とされる。各振動素子16は、送信部12から出力された送信信号に応じて超音波を発生する。送信部12は、送受信制御部10による制御に従い、各振動素子16に出力する送信信号の遅延時間を調整し、探触子14において送信超音波ビームを形成し、さらに、その送信超音波ビームを被検体18に対して走査する。送信超音波ビームは、例えば、放射方向をy軸正方向に向けてx軸方向に直線状に走査してもよい。また、送信超音波ビームの放射点を探触子14上の固定端として、送信超音波ビームを回転走査(セクタ走査)してもよい。
その他の送受信態様として、探触子14から被検体18に平面波が送信されるように、送信部12が各振動素子16に送信信号を出力してもよい。例えば、複数の振動素子16が直線状に配列されている場合には、各振動素子16に出力される送信信号の強度および出力タイミングを同一とし、各振動素子16に同一強度の超音波を同時に発生させる。これによって、探触子14の接触面と平行な波面を有する平面波が発生する。複数の振動素子16が直線状に配列されていない場合には、各振動素子16の位置に応じて、各振動素子16に発生させる超音波の強度、または、各振動素子16に超音波を発生させるタイミングを調整してもよい。
被検体18内で反射した超音波が探触子14の各振動素子16で受信されると、各振動素子16は、受信された超音波に応じた電気信号を受信部20に出力する。受信部20は、送受信制御部10の制御に従い、各振動素子16から出力された各信号に対して増幅、直交検波等の処理を施す。これによって、受信部20は、複数の振動素子16に対応する複数チャネルの受信ベースバンド信号を生成し、整相加算部22に出力する。
整相加算部22は、ラインデータ生成部として動作し、複数チャネルの受信ベースバンド信号を整相加算して、複数の受信超音波ビームに対応する複数の受信ラインデータを生成する。y軸方向に向けられた送信超音波ビームがx軸方向に直線走査される場合、整相加算部22は、各送信超音波ビームと同一方向に向けられた各受信超音波ビームを送受信制御部10の制御に従って形成し、各受信超音波ビームに対応する受信ラインデータを生成する。探触子14から平面波が送信される場合にも、整相加算部22は同様の複数の受信ラインデータを生成する。
すなわち、複数の受信ラインデータは、被検体18の深さ方向(y軸方向)に向けられてx軸方向に並ぶ複数の受信ビームラインに対応する。各受信ラインデータは、対応する受信ビームライン上の各位置(各y座標値)に対して受信データが対応付けられたデータである。
送受信制御部10、送信部12、探触子14、および受信部20は、断層画像が観測される観測面に対し超音波ビームの走査を繰り返し行う。整相加算部22は、繰り返し行われる超音波ビームの走査に対応して、時間経過と共に順次フレームデータを生成し、超音波画像生成部24、および動き検出部30に順次、フレームデータを出力する。
なお、探触子14から平面波が送信される場合には、送受信制御部10、送信部12、探触子14、および受信部20は、断層画像が観測される観測面に対し、平面波の送信およびこれに伴う反射超音波の受信を繰り返し行う。整相加算部22は、繰り返し行われる超音波の送受信に対応して、時間経過と共に順次フレームデータを生成する。
超音波画像生成部24は、フレームデータに対し、ゲイン補正、ログ圧縮、フィルタ処理等の視認性を調整する信号処理を施して、縦方向および横方向に配列された複数の画素を表す断層画像データを生成し、DSC26に出力する。DSC26は、断層画像データを、画像表示を行うためのビデオ信号に変換して装置制御部28に出力する。装置制御部28は、DSC26から順次出力された断層画像データに基づく画像を、動画像として表示部52に表示させる。
装置制御部28は、表示対象となっている断層画像データから過去に遡って所定フレーム数の断層画像データをシネメモリ54に記憶させる。装置制御部28は、シネメモリ54に記憶された各断層画像データに基づく画像を、ユーザの操作に基づいて、静止画像または動画像として表示部52に表示してもよい。
(2)状態切り換え処理
超音波診断装置の動作状態を切り換える処理について説明する。状態切り換え処理は、探触子14の動きに応じて行われる。通常状態の超音波診断装置は、探触子14が被検体18に接触した状態で静止したことを認識し、かつ、その後に探触子14が被検体18から離れたことを認識すると、ソフトフリーズオン状態となり、探触子14が静止したときの断層画像を静止画像として表示部52に表示する。
超音波診断装置の動作状態を切り換える処理について説明する。状態切り換え処理は、探触子14の動きに応じて行われる。通常状態の超音波診断装置は、探触子14が被検体18に接触した状態で静止したことを認識し、かつ、その後に探触子14が被検体18から離れたことを認識すると、ソフトフリーズオン状態となり、探触子14が静止したときの断層画像を静止画像として表示部52に表示する。
(2−1)状態切り換え処理を実行するための構成
状態切り換え処理は、動き検出部30が装置制御部28に出力する情報に基づいて行われる。動き検出部30は、バッファメモリ32、フレーム間相関演算部36、静止判定部38、幅検出部40、接触判定部42および動きフレーム生成部34を備える。これらの構成要素の一部または総ては、装置制御部28の内部に構成されてもよい。
状態切り換え処理は、動き検出部30が装置制御部28に出力する情報に基づいて行われる。動き検出部30は、バッファメモリ32、フレーム間相関演算部36、静止判定部38、幅検出部40、接触判定部42および動きフレーム生成部34を備える。これらの構成要素の一部または総ては、装置制御部28の内部に構成されてもよい。
バッファメモリ32は、整相加算部22から最新のフレームデータが出力されたときから、過去に遡って所定フレーム数のフレームデータを記憶する。この所定フレーム数のフレームよりも先に記憶されたフレームデータは、新たなフレームデータが記憶されるごとに削除されてもよい。フレーム間相関演算部36は、異なる時間に生成された複数のフレームデータをバッファメモリ32から読み込み、これら複数のフレームデータの近似度を表すフレーム間相関値を求める。
フレーム間相関演算部36は、例えば、最新のフレームデータと1フレーム前のフレームデータをバッファメモリ32から読み込み、最新のフレームデータと1フレーム前のフレームデータについてフレーム間相関値を求める。相関演算は、例えば、観測面上の同一位置のデータ値を乗算し、各位置について求められた乗算値を加算合計する演算として定義される。フレーム間相関値は、0以上1以下の値となるように規格化されてもよい。また、フレーム間相関値は、予め観測面上に設定された関心領域について求められてもよい。このように定義されたフレーム間相関値は、値が大きい程、2つのフレームデータが近似していることを意味する。被検体18内の生体組織が動かないという条件下では、探触子14の動きが遅い程、フレーム間相関値が大きくなる。フレーム間相関演算部36は、整相加算部22からバッファメモリ32に新たにフレームデータが出力されるごとにフレーム間相関値を生成し、装置制御部28および静止判定部38に出力する。
なお、フレーム間相関値は、バッファメモリ32に記憶された複数のフレームデータから、その他の規則性に基づいて選択された複数のフレームデータに基づき生成してもよい。例えば、最新のフレームデータとNフレーム前のフレームデータに基づいてフレーム間相関値を求めてもよい。ここでNは2以上の任意の整数である。また、複数のフレームデータのうち時間的に隣接する2つのフレームデータの組のそれぞれについて仮のフレーム間相関値を求め、これら仮のフレーム間相関値に対する重み付け平均化(移動平均化)によって得られた値がフレーム間相関値として求められてもよい。
静止判定部38は、フレーム間相関値が所定の静止閾値以上である場合には、探触子14が静止している旨の静止判定をし、その旨を示す静止情報を装置制御部28に出力する。
幅検出部40は、整相加算部22から出力されたフレームデータに基づいて探触子14の受信開口幅を求める。受信開口幅は、探触子14の接触面において超音波が受信される幅として定義される。受信開口幅は、探触子14が被検体18に接触する幅が広い程広くなり、探触子14が被検体18に接触する幅が狭い程狭くなる。
幅検出部40は、フレームデータを構成する複数の受信ラインデータのそれぞれについて、受信強度を求める。受信強度は、例えば、受信ビームライン上の各データ値の絶対値または自乗値を加算合計した値として定義される。探触子14の近傍では、超音波の多重反射によって信頼性のあるデータ値が得られ難いため、探触子14から所定の距離以内のデータ値を受信強度の算出から除外してもよい。
幅検出部40は、複数の受信ビームラインのうち、受信強度が所定の受信閾値以上となるものが占める幅を受信開口幅として求める。幅検出部40は、整相加算部22から時間経過と共に順次出力される各フレームデータについて受信開口幅を求め、順次、装置制御部28に受信開口幅を出力する。
なお、超音波ビームがセクタ走査される場合、幅検出部40は、複数の超音波ビーム方向に対応する複数の受信ラインデータを、y軸方向に伸びx軸方向に並ぶ複数の受信ビームラインに対応する複数の受信ラインデータに変換した上で、受信開口幅を求める。
接触判定部42は、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する。この判定は、フレームデータと基準フレームデータとの相関値に基づいて行われる。基準フレームデータは、探触子14が被検体18から離れている場合におけるフレームデータに相当し、予め接触判定部42に記憶されている。基準フレームデータを概念的に白黒画像で表した場合、図2に示されているように、探触子14近傍に多重エコーを表す濃淡の縞が現れる。接触判定部42は、フレームデータと基準フレームデータとの相関値を求める。接触判定部42は、相関値が所定の非接触閾値以上となったときに、探触子14が被検体18から離れている旨の非接触判定をし、その旨を示す非接触情報を装置制御部28に出力する。
なお、基準フレームデータは、異なる複数の計測条件のそれぞれについて接触判定部42に記憶されていてもよい。計測条件には、例えば、受信部におけるゲイン、超音波の周波数、フォーカス深度(焦点位置)等がある。この場合、接触判定部42は、記憶された複数の基準フレームデータのうち、判定対象のフレームデータの計測条件に対応する基準フレームデータを選択し、判定に用いる。また、超音波診断装置は、探触子14が被検体18から離れた状態でフレームデータを生成することで基準フレームデータを生成し、接触判定部42に記憶させるキャリブレーションを実行してもよい。
装置制御部28は、超音波診断装置の動作状態の設定、表示部52に表示する画像に関する処理等、超音波診断装置に対する全体的な制御を行う。装置制御部28には、状態設定部44、離脱検出部46、表示処理部48および指令生成部50が構成される。これらの構成要素は、装置制御部28が有する各機能を実行するものであり、例えば、装置制御部28が実行するプログラムによって仮想的に構成される。
状態設定部44は、装置制御部28が取得した情報に基づき超音波診断装置の動作状態を設定する。例えば、通常状態から仮フリーズオン状態への切り換え、仮フリーズオン状態からソフトフリーズオン状態への切り換え、通常状態からソフトフリーズオン状態への切り換え、仮フリーズオン状態から通常状態への切り換え、ソフトフリーズオン状態から通常状態への切り換え等を行う。離脱検出部46は、装置制御部28が取得した情報に基づき探触子14が被検体18から離れつつあるか否かを判定する。表示処理部48は、装置制御部28が取得した情報に基づき、超音波診断装置の動作状態に応じて、画像表示に関する処理を実行する。指令生成部50は、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態にあるときに装置制御部28が取得した情報に基づき、指令情報を生成する。装置制御部28は、指令情報に応じて超音波診断装置を制御する。
(2−2)状態切り換え処理の概要
状態切り換え処理の概要について説明する。最初に超音波診断装置は通常状態にあり、探触子14は被検体18に接触しているものとする。装置制御部28は、静止判定部38によって静止判定がされると、静止判定時を基準としたジェスチャ受付期間およびデータ選別期間を設定する。ジェスチャ受付期間は、静止判定時から所定時間後までの期間であり、超音波診断装置によって探触子14の動き、すなわち、ジェスチャが指令として受け入れられる期間である。静止判定時はジェスチャ受付期間に含まれるものとする。データ選別期間は、静止判定時から所定時間だけ遡るまでの期間であり、仮フリーズオン状態およびソフトフリーズオン状態において表示部52に表示されるフリーズ画像が、この期間に生成された複数フレームの断層画像データから選別される。探触子14が静止した状態が維持され、静止判定が繰り返し行われると、静止判定が行われるごとにジェスチャ受付期間およびデータ選別期間が更新される。すなわち、静止判定が行われるごとに、ジェスチャ受付期間およびデータ選別期間は未来方向に移動する。なお、データ選別期間は、静止判定時に限らず、整相加算部22からフレームデータが出力されるごとに設定されてもよい。
状態切り換え処理の概要について説明する。最初に超音波診断装置は通常状態にあり、探触子14は被検体18に接触しているものとする。装置制御部28は、静止判定部38によって静止判定がされると、静止判定時を基準としたジェスチャ受付期間およびデータ選別期間を設定する。ジェスチャ受付期間は、静止判定時から所定時間後までの期間であり、超音波診断装置によって探触子14の動き、すなわち、ジェスチャが指令として受け入れられる期間である。静止判定時はジェスチャ受付期間に含まれるものとする。データ選別期間は、静止判定時から所定時間だけ遡るまでの期間であり、仮フリーズオン状態およびソフトフリーズオン状態において表示部52に表示されるフリーズ画像が、この期間に生成された複数フレームの断層画像データから選別される。探触子14が静止した状態が維持され、静止判定が繰り返し行われると、静止判定が行われるごとにジェスチャ受付期間およびデータ選別期間が更新される。すなわち、静止判定が行われるごとに、ジェスチャ受付期間およびデータ選別期間は未来方向に移動する。なお、データ選別期間は、静止判定時に限らず、整相加算部22からフレームデータが出力されるごとに設定されてもよい。
装置制御部28は、ジェスチャ受付期間内に接触判定部42によって非接触判定がされると、超音波診断装置をソフトフリーズオン状態に設定する。ソフトフリーズオン状態では、表示部52にフリーズ画像が表示される。超音波を送受信する構成要素が動作しており、後述のように、探触子14の動きに応じて超音波診断装置に指令が与えられる。フリーズ画像は、例えば、データ選別期間の間で、フレーム間相関値が最大となったときにおける断層画像データに基づく画像である。装置制御部28は、ジェスチャ受付期間外に探触子14が被検体18から離れた場合には、超音波診断装置をソフトフリーズオン状態に設定せず、超音波診断装置を通常状態に維持する。
このような処理によれば、探触子14が静止することで静止判定時から将来に向かってジェスチャ受付期間が設定され、ジェスチャ受付期間内に探触子14が被検体18から離れることで、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態に設定される。したがって、探触子14の静止、および探触子14の被検体18からの離脱という2つの動きに基づいて、超音波診断装置が通常状態からソフトフリーズオン状態に切り換えられる。これによって、ユーザの意図に反して超音波診断装置の状態が通常状態からソフトフリーズオン状態に切り換わってしまう可能性が低くなる。
探触子14が被検体18から離れつつある離脱過程においては、次のような処理が実行される。すなわち、装置制御部28は、ジェスチャ受付期間内に探触子14が被検体18から離れる前に、探触子14が離脱過程にあることを認識すると、超音波診断装置を仮フリーズオン状態に設定する。仮フリーズオン状態では、ソフトフリーズオン状態と同様、表示部52にフリーズ画像が表示される。超音波を送受信する構成要素が動作しており、探触子14の動きに応じて動き検出部30から装置制御部28に情報が与えられる。仮フリーズオン状態は、所定の解除条件が成立した場合には通常状態に戻るという点でソフトフリーズオン状態と異なる。この解除条件は、探触子14が被検体18から離れることなくジェスチャ受付期間が経過したこと、または、探触子14が被検体18に再び密着したことという条件である。
離脱過程における処理を実行するため、装置制御部28は、ジェスチャ受付期間内に探触子14が離脱過程にあるか否かを判定する。この判定は、幅検出部40から出力される受信開口幅が所定値未満であるか否かに基づいて行われる。装置制御部28は、受信開口幅が所定値未満である(離脱過程にある)と判定したときは、超音波診断装置を仮フリーズオン状態に設定する。一方、受信開口幅が所定値以上である(離脱過程にない)と判定したときは、超音波診断装置を通常状態に設定する。
なお、探触子14が離脱過程にある場合に通常状態と同様の表示が行われると、探触子14が被検体18に部分的に接触していることにより、表示される画像が見難くなる。本実施形態においては、探触子14が離脱過程にある場合に仮フリーズをオンにすることで、フリーズ画像が表示される。これによって、超音波診断装置が通常状態からソフトフリーズオン状態に移行する過程での表示が見易くなる。
(2−3)状態切り換え処理の具体例
次に、状態切り換え処理の具体例について説明する。図3には、フレーム間相関演算部36、静止判定部38、幅検出部40、および接触判定部42から出力される情報に基づいて超音波診断装置が実行する状態切り換え処理のフローチャートが示されている。
次に、状態切り換え処理の具体例について説明する。図3には、フレーム間相関演算部36、静止判定部38、幅検出部40、および接触判定部42から出力される情報に基づいて超音波診断装置が実行する状態切り換え処理のフローチャートが示されている。
最初に超音波診断装置は通常状態にあり、探触子14は被検体18に接触しているものとする。また、装置制御部28は、過去に遡った所定のフレーム数について、フレーム間相関値および受信開口幅を時間に対応付けて記憶部56に記憶しているものとする。
整相加算部22は、観測面に対する超音波の送受信に応じて、1フレームのフレームデータを生成し(S101)、フレームデータを動き検出部30および超音波画像生成部24に出力する。装置制御部28は、超音波診断装置が、ソフトフリーズオン状態であるか否かを判定する(S102)。装置制御部28は、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態であるときは、フリーズ画像を表示部52に表示させる(S113)。一方、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態でないときは、装置制御部28は、静止判定部38によって静止判定がされたか否かを判定する(S103)。装置制御部28は、静止判定がされた場合には、データ選別期間およびジェスチャ受付期間を更新した上で(S104)、ステップS106に進む。装置制御部28は、静止判定がされない場合には、各期間を更新することなくステップS105に進む。
ステップS105において装置制御部28は、現時点がジェスチャ受付期間内かを判定する(S105)。装置制御部28は、現時点がジェスチャ受付期間内でないときは、超音波診断装置を通常状態とし(S112)、時間経過と共に順次生成された断層画像データに基づく画像を動画像として表示部52に表示させる(S113)。
装置制御部28は、現時点がジェスチャ受付期間内である場合には、記憶部56およびシネメモリ54を参照し、フリーズ画像を選別する(S106)。フリーズ画像は、例えば、データ選別期間の間でフレーム間相関値が最大となったときにおける断層画像データに基づく画像である。フリーズ画像は、データ選別期間の間で、フレーム間相関値が所定値を超える複数フレームの断層画像データのいずれかに基づく画像であってもよい。フリーズ画像を示す断層画像データは、記憶部56に記憶されている過去のフレーム間相関値に基づき、シネメモリ54から読み込まれる。
装置制御部28は、記憶部56に記憶された過去の受信開口幅を参照し、基準開口幅W0を設定する(S107)。基準開口幅W0は、例えば、データ選別期間においてフレーム間相関値が最大となったときにおける受信開口幅である。また、所定フレーム数前における受信開口幅であってもよい。
装置制御部28は、幅検出部40から出力された受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満であるか否かを判定する(S108)。ここで、接触比rは1未満の正の値であり、探触子14が被検体18に部分的に接触し、探触子14が離脱過程にあることを判定するための基準を定める。接触比rは、ソフトフリーズオン状態への移行し易さを定める値でもあり、ユーザの操作によって調整されるようにしてもよい。接触比rは、例えば、0.5以上、0.8未満の値とする。受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満(W<r・W0)である場合には、探触子14が離脱過程にある可能性が高く、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍以上(W≧r・W0)である場合には、探触子14は離脱過程にない可能性が高い。
受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍以上である場合、装置制御部28は、超音波診断装置を通常状態に設定し(S112)、時間経過と共に順次生成された断層画像データに基づく画像を動画像として表示部52に表示させる(S113)。
装置制御部28は、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満である場合には、探触子14が被検体18から離れたか否かを判定する(S109)。この判定は、接触判定部42から非接触情報が出力されたか否かに基づいて行われる。装置制御部28は、探触子14が被検体18から離れていないとの判定をした場合、超音波診断装置を仮フリーズオン状態に設定し(S111)、フリーズ画像を表示部52に表示させる(S113)。一方、探触子14が被検体18から離れているとの判定をした場合、装置制御部28は、超音波診断装置をソフトフリーズオン状態に設定し(S110)、フリーズ画像を表示部52に表示させる(S113)。装置制御部28は、各動作状態に応じた画像を表示部52に表示させた後(S113)、ステップS101に戻る。
図3に示される処理によれば、各静止判定時においてジェスチャ受付期間が設定される。そして、ジェスチャ受付期間内に、探触子14が離脱過程を経て被検体18から離れる場合には、次のような処理が実行される。すなわち、受信開口幅Wが基準開口幅W0の接触比r倍未満となる程度で探触子14が被検体18から離れつつあるときは、ステップS101〜S103、S105〜S109、S111およびS113の順に各ステップが実行され、超音波診断装置が通常状態から仮フリーズオン状態に設定される。ジェスチャ受付期間内に探触子14が被検体18から離れつつある間、ステップS101〜S103、S105〜S109、S111およびS113が繰り返される。
なお、ステップS104は、ステップS103の判定に応じて実行される。すなわち、静止判定がされるごとに(S103)、データ選別期間およびジェスチャ受付期間が静止判定時を基準として更新される(S104)。探触子14が静止している状態が継続し、時間間隔Tで複数回に亘って静止判定がされる場合、静止判定がされるごとにデータ選別期間およびジェスチャ受付期間が時間Tだけ未来方向に移動する。
ジェスチャ受付期間内に探触子14が被検体18から離れたときには、ステップS111ではなくステップS110が実行され、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態に設定される。ソフトフリーズオン状態では、ステップS101、S102およびS113の順に各ステップが繰り返される。
したがって、探触子14を被検体18に接触させた状態で静止させ、探触子14を被検体18から適切な速さで離すことで、超音波診断装置は、通常状態から仮フリーズオン状態を経てソフトフリーズオン状態に設定される。
なお、超音波診断装置が通常状態にあるときに、静止判定と共に探触子14が被検体18から1フレーム間隔時間T以内に離れた場合には、ステップS109で「いいえ」の判定がされないことがある。この場合、超音波診断装置は、通常状態から仮フリーズオン状態を経ずに直接ソフトフリーズオン状態に設定される。
探触子14が被検体18に接触した状態が維持され、受信開口幅Wが基準開口幅W0の接触比r倍以上である場合には、ジェスチャ受付期間に関わらず、超音波診断装置は通常状態とされる。すなわち、ジェスチャ受付期間内では、ステップS101〜S108、S112およびS113の順に各ステップが実行され、超音波診断装置が通常状態とされる。ジェスチャ受付期間外では、ステップS101〜S105、S112およびS113の順に各ステップが実行され、超音波診断装置は通常状態とされる。
受信開口幅Wが基準開口幅W0の接触比r倍未満となる程度で、探触子14が被検体18から離れつつあるものの、探触子14が被検体18から離れていない半接触状態が継続する場合には、ジェスチャ受付期間外となるまでステップS101〜S109、S111およびS113が繰り返され、超音波診断装置は仮フリーズオン状態に維持される。この半接触状態で探触子14が静止している場合には静止判定が繰り返し行われ(S103)、静止判定が行われるごとにジェスチャ受付期間の終了時が先延ばしされるため(S104)、超音波診断装置が仮フリーズオン状態に維持される。一方、探触子14が動いてジェスチャ受付期間が更新されない場合には、ジェスチャ受付期間が経過すると共に、ステップS105を経て超音波診断装置が通常状態に設定される(S112)。この処理は、例えば、静止判定がされた後、被検体18に対して探触子14が半接触状態で振動する場合に実行される。
仮フリーズオン状態にある超音波診断装置は、探触子14が被検体18から離れることなくジェスチャ受付期間が経過するという解除条件が成立することで通常状態に戻る。また、仮フリーズオン状態にある超音波診断装置は、受信開口幅Wが基準開口幅W0の接触比r倍以上となるという解除条件が成立することで通常状態に戻る。しかし、ソフトフリーズオン状態にある超音波診断装置では、このような解除条件に関わらず、フリーズオン状態が維持される。
図4(a)〜(c)には、それぞれ、フレームデータと基準フレームデータとの相関値(接触相関値A)、フレーム間相関値B、受信開口幅Wの例が示されている。横軸は時間を示し、縦軸は、それぞれ、接触相関値A、フレーム間相関値B、および受信開口幅Wを示す。接触相関値Aは、フレームデータと基準フレームデータとの相関値であり、接触判定部において生成される。
この例では、時間t(−18)から時間t(−8)までの間、探触子が被検体に接触しながら移動している。時間t(−8)から時間t(−4)までの間、探触子は被検体に接触した状態で静止し、時間t(−4)から探触子が被検体に接触しつつも離れ始め、時間t(0)に探触子は被検体から離れる。
フレーム間相関値Bは、時間t(−9)以前では静止閾値S未満であるものの、時間t(−8)〜時間t(−4)では静止閾値S以上となる。そして、時間(−3)以降、再び静止閾値S未満となる。したがって、時間t(−8)〜時間t(−4)の間、時間間隔Tで静止判定がされる。静止判定時である時間t(−8)〜時間t(−4)のそれぞれにおいては、データ選別期間Dおよびジェスチャ受付期間Gが設定される。データ選別期間Dは、各静止判定時から10Tだけ過去に遡るまでの期間であり、ジェスチャ受付期間Gは、各静止判定時から5Tだけ後までの期間である。時間t(−8)に最初に静止判定がされてから、時間t(−7)〜時間t(−4)のそれぞれにおいて静止判定がされる。そのため、時間t(−8)にデータ選別期間Dおよびジェスチャ受付期間Gが設定された後、時間t(−7)〜時間t(−4)のそれぞれにおいては、静止判定がされるごとにデータ選別期間Dおよびジェスチャ受付期間Gが時間Tだけ後に移動する。
図4に示されている例では、丸印KおよびLに示されているように、時間t(−2)および時間t(−1)で受信開口値W<r・W0が成立している。時間t(−2)および時間t(−1)は、直近の静止判定時t(−4)に設定されたジェスチャ受付期間G内にある。そのため、超音波診断装置は仮フリーズオン状態に設定される。
また、図4に示されている例では、時間t(−2)および時間t(−1)における基準開口幅W0は、静止判定時t(−4)に設定されたデータ選別期間Dにおいて、フレーム間相関値Bが最大になる時間t(−5)での受信開口幅である。そして、仮フリーズオン状態で表示されるフリーズ画像は、静止判定時t(−4)で設定されたデータ選別期間Dにおいて、フレーム間相関値Bが最大になる時間t(−5)における断層画像データに基づく画像である。なお、フリーズ画像は、探触子が被検体から離れた時間t(0)で設定されたデータ選別期間Dにおいて、フレーム間相関値Bが最大になる時間t(−5)における断層画像データに基づく画像であってもよい。
図4には、離脱過程の直近の静止判定時が時間t(−4)であることが丸印Mによって示されている。さらに、時間t(−4)から10Tだけ遡ったデータ選別期間D内の時間t(−5)において、フレーム間相関値Bが最大になったことが丸印Pによって示されている。そして、この時間t(−5)における受信開口幅が、時間t(−2)および時間t(−1)における基準開口幅W0となっていることが丸印Qによって示されている。
時間t(0)では、探触子が被検体から離れ、接触相関値Aが非接触閾値U以上となっている。時間t(0)は、直近の静止判定時t(−4)に設定されたジェスチャ受付期間D内にあるため、超音波診断装置はソフトフリーズオン状態に設定される。
図5(a)には、通常状態、仮フリーズオン状態およびソフトフリーズオン状態の順に超音波診断装置の状態が変化した場合に、図1の超音波画像生成部24で生成される断層画像データが表す画像が概念的に示されている。図5(a)に示されている各画像は、仮に表示部52に表示したのであれば、表示されることとなる画像を示したものであり、実際に表示部52に表示されるものではない。超音波診断装置は、時間t(−6)〜時間t(−3)の間は通常状態にあり、時間t(−2)〜時間t(−1)の間は仮フリーズオン状態にあり、時間t(0)以降はソフトフリーズオン状態にある。
時間t(−6)〜時間t(−3)の間、探触子はW≧r・W0が成立する状態で被検体に密着している。そのため、被検体で反射した超音波が探触子の広い範囲で受信される。時間t(−6)〜時間t(−3)の各断層画像は、探触子が被検体に密着した状態で受信された超音波に基づく画像である。時間t(−2)〜時間t(−1)の間、探触子は離脱過程にあり、探触子の接触面の一部のみが被検体に接触している。被検体が凸形状である場合、探触子が被検体から離れる過程では、被検体の弾力性によって接触面の外側から先に被検体が離れる。そのため、被検体で反射した超音波が受信されない領域は、接触面の外側から内側に向かって増加していく。図5(a)には、超音波が受信されない領域に対応する断層画像上の領域がハッチングによって示されている。時間t(0)では、探触子が被検体から離れており、画像には多重反射のパターンが現れる。
図5(b)には、通常状態、仮フリーズオン状態およびソフトフリーズオン状態の順に超音波診断装置の状態が変化した場合に、表示部52に表示される画像が示されている。時間t(−6)〜時間t(−3)の間、超音波診断装置は通常状態にある。そのため、表示部52には断層画像データに基づく画像が表示される。時間t(−2)〜時間t(−1)の間、超音波診断装置は仮フリーズオン状態にある。そのため、表示部52にはフリーズ画像が表示される。時間t(0)以降、超音波診断装置は、ソフトフリーズオン状態にある。そのため、表示部52にはフリーズ画像が表示される。
仮に、超音波診断装置が仮フリーズオン状態にあるときに、断層画像データに基づく画像が表示部52に表示されると、探触子が接触していない部分に対応する領域が画像に含まれてしまう。この領域は、探触子が離れると共に、画像の左右から内側に向かって広がり、画像を見難くすることがある。本実施形態に係る超音波診断装置では、仮フリーズオン状態において断層画像に代えてフリーズ画像が表示される。したがって、探触子が接触した状態から離れた状態となる間に見難い画像が表示されることが回避される。また、ソフトフリーズオン状態に移行したときにフリーズ画像が表示される場合に比べて、ユーザは、より迅速にフリーズ画像を参照することができる。これによって、ユーザは、次の操作をスムーズに実行することができ、ユーザに与えられる精神的または肉体的なストレスが軽減される。
(3)探触子の離脱を検出する処理の応用例
上記のように、接触判定部42は、フレームデータと基準フレームデータとの接触相関値に基づいて、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する。上記の例における接触相関値は、探触子14によって超音波が受信され得る観測面の全面について求められる。
上記のように、接触判定部42は、フレームデータと基準フレームデータとの接触相関値に基づいて、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する。上記の例における接触相関値は、探触子14によって超音波が受信され得る観測面の全面について求められる。
図6(a)および図6(b)には、仮にフレームデータを画像化した場合に得られるフレームデータ画像が概念的に示されている。図6(a)には、図6(b)よりも広い範囲で被検体が探触子に密着している場合が示されている。
被検体の観測部位の幅が広く、探触子が被検体に密着しており、受信開口幅が十分に広い場合には、図6(a)に示されているように、フレームデータ画像における広い範囲が被検体のエコー像70となる。したがって、図1の整相加算部22から出力されるフレームデータと、基準フレームデータとの相違は大きくなり、これらのデータから求められる接触相関値は小さくなる。そして、探触子14が被検体18から離れたときは、整相加算部22から出力されるフレームデータと、基準フレームデータとの相違は小さくなり、これらのデータから求められる接触相関値は大きくなる。したがって、接触相関値が非接触閾値以上となったという条件に基づいて、適切に非接触判定がなされる。
しかし、被検体18の観測部位の幅が狭い場合には、探触子14が被検体18に密着している場合であっても受信開口幅が狭くなる。そのため、図6(b)に示されているように、フレームデータ画像のうち被検体のエコー像70によって占められる領域は狭くなり、フレームデータ画像は、広い範囲で基準パターンと同様の画素値を有することとなる。これによって、整相加算部22から出力されるフレームデータと、基準フレームデータとの相違が小さくなり、これらのデータから求められる接触相関値が大きくなる。この場合、探触子14が被検体18に密着しているにも関わらず、相関値が非接触閾値以上となってしまい、接触判定部42が誤って非接触判定をすることがある。
そこで、図7に示される超音波診断装置では、探触子14の接触面において超音波が受信される受信範囲を検出し、接触判定部42がフレームデータにおける受信範囲についてのみ接触相関値を求める。受信範囲は、超音波が受信されるx座標値の範囲として定義される。
図7に示される超音波診断装置は、図1における幅検出部40を受信範囲検出部74に置き換えたものである。受信範囲検出部74は、整相加算部22から出力されたフレームデータに基づいて受信範囲を求める。
受信範囲検出部74は、フレームデータを構成する複数の受信ラインデータのそれぞれについて受信強度を求める。探触子14の近傍では、超音波の多重反射によって信頼性のあるデータ値が得られ難いため、探触子14から所定の距離以内のデータ値を受信強度の算出から除外してもよい。
受信範囲検出部74は、複数の受信ビームラインのうち、受信強度が所定の受信閾値以上となるものが占める受信ビームラインのx座標値の範囲を受信範囲として求める。図9には、x座標範囲x1〜x20に位置する受信ビームラインx1〜x20についての受信強度が示されている。この図は、説明の便宜上、受信ビームラインの数を少なくして受信強度を概念的に表したものである。実際には、より多くの受信ビームラインが形成されてもよい。受信強度が受信閾値RT以上となる受信ビームラインは、受信ビームラインx6〜x15である。この場合、受信範囲検出部74は、x座標範囲x6〜x15を受信範囲として求める。
例えば、図6(a)に示されているフレームデータ画像では、x座標値の範囲xA〜xBが受信範囲として求められる。また、図6(b)に示されているフレームデータ画像では、x座標値の範囲xC〜xDが受信範囲として求められる。
受信範囲検出部74は、受信範囲に基づいて受信開口幅を求める。すなわち、受信範囲検出部74は、受信範囲のx軸方向の長さに基づいて受信開口幅を求める。受信範囲が拡大または縮小することで、受信開口幅は、増加または減少する。図9に示された例では、11本の受信ビームラインについての受信強度が受信閾値RT以上となっているため、1つの受信ビームラインの幅をwとすれば、受信開口幅Wは11wとして求められる。
受信範囲検出部74は、整相加算部22からフレームデータが出力されるごとに受信範囲および受信開口幅を求める。そして、受信範囲を接触判定用受信範囲として接触判定部42に出力し、受信開口幅を装置制御部28に出力する。図7には、接触判定用受信範囲および受信開口幅がそれぞれ、符号Xmおよび符号Wによって示されている。
接触判定部42は、接触判定用受信範囲について、整相加算部22から出力されたフレームデータと、基準フレームデータとの接触相関値を求める。すなわち、フレームデータのうち接触判定用受信範囲に対応する部分データと、基準フレームデータのうち接触判定用受信範囲に対応する部分データとの相関値(近似度)を接触相関値として求める。接触相関値は、0以上1以下の値に規格化されてもよい。すなわち、探触子14が被検体18に接触していないときにおいて、受信範囲についてのみ求められた最大の接触相関値で、各接触相関値を除してもよい。
接触判定部42は、接触相関値が所定の非接触閾値以上となったときに、探触子14が被検体18から離れている旨の非接触判定をし、その旨を示す非接触情報を装置制御部28に出力する。
このような構成および処理によれば、被検体の観測部位の幅が狭い等によって、受信範囲が狭くなる場合であっても、接触相関値が適切な範囲の値として求められる。これによって、探触子14が被検体18に密着しているにも関わらず、接触判定部42が誤って非接触判定をしてしまう可能性が低くなる。
なお、受信強度が受信閾値RT以上となる受信ビームラインがない場合には、最大の範囲が接触判定用受信範囲として求められてもよい。例えば、図9に示された例では、受信強度が受信閾値RT以上となる受信ビームラインがない場合には、強制的にx座標範囲x1〜x20を接触判定用受信範囲としてもよい。この場合、接触判定部42は、予め定められた最大の受信範囲について、整相加算部22から出力されたフレームデータと、基準フレームデータとの接触相関値を求める。これによって、探触子14が実際に被検体18から離れたときには、非接触判定が確実に行われる。
また、最新の受信範囲が求められたフレームデータより先のフレームデータに基づいて接触判定用受信範囲が求められてもよい。この場合受信範囲検出部74は、整相加算部22からフレームデータが出力されるごとに受信範囲および受信開口幅を求め、受信範囲および受信開口幅の両者を装置制御部28に出力する。図8には、受信範囲および受信開口幅がそれぞれ、符号Xおよび符号Wによって示されている。装置制御部28は、過去に遡った所定のフレーム数について、フレーム間相関値および受信開口幅に加えて、受信範囲を時間に対応付けて記憶部56に記憶する。
装置制御部28は、最新の受信範囲が求められたフレームデータより先のフレームデータに基づいて求められた受信範囲を接触判定用受信範囲として求め、接触判定部42に出力する。図8には、接触判定用受信範囲が、符号Xmによって示されている。接触判定用受信範囲は、例えば、データ選別期間において、フレーム間相関値が最大となる時間における受信範囲である。接触判定用受信範囲は、データ選別期間の間で、フレーム間相関値が所定値以上である時間内で求められた受信範囲のいずれかであってもよい。これによって、探触子14が静止していると判定されたときのフレームデータに基づいて、接触判定用受信範囲が求められる。
(4)ソフトフリーズ
ソフトフリーズについて図1を参照して説明する。ソフトフリーズオン状態では、表示部52にフリーズ画像が静止画像として表示される一方で、探触子14において超音波が送受信され、受信された超音波に基づく信号に応じて超音波診断装置に指令が与えられる。これによって、探触子14の動きに応じた指令が超音波診断装置に与えられる。ソフトフリーズオン状態では、シネメモリ54に記憶された断層画像データは更新されずに保持される。あるいは、ソフトフリーズオン状態が開始されたときにシネメモリ54に記憶されていた断層画像データを、別に設けられた第2シネメモリに移し替えて記憶し、順次生成される断層画像データによってシネメモリ54の記憶内容を更新してもよい。この場合、第2のシネメモリは記憶部56内に構成されてもよい。
ソフトフリーズについて図1を参照して説明する。ソフトフリーズオン状態では、表示部52にフリーズ画像が静止画像として表示される一方で、探触子14において超音波が送受信され、受信された超音波に基づく信号に応じて超音波診断装置に指令が与えられる。これによって、探触子14の動きに応じた指令が超音波診断装置に与えられる。ソフトフリーズオン状態では、シネメモリ54に記憶された断層画像データは更新されずに保持される。あるいは、ソフトフリーズオン状態が開始されたときにシネメモリ54に記憶されていた断層画像データを、別に設けられた第2シネメモリに移し替えて記憶し、順次生成される断層画像データによってシネメモリ54の記憶内容を更新してもよい。この場合、第2のシネメモリは記憶部56内に構成されてもよい。
ソフトフリーズオン状態では、ユーザによる探触子14の操作(探触子14の動き)に応じて、例えば、フリーズ画像を表す画像データが記憶部56に保存される。また、フリーズ画像の画質の調整や、印刷媒体への印刷が行われてもよい。さらに、通常状態でシネメモリ54に記憶された複数フレームの断層画像データのうちいずれかに基づく画像が表示されてもよい。また、フリーズ画像に重ねて、被検体の標準的な組織形状を表すボディマークが表示されてもよい。
探触子14の動きに応じた指令が超音波診断装置に与えられる動作について説明する。動きフレーム生成部34は、バッファメモリ32に記憶されたフレームデータに基づいて、動きフレームデータを生成する。動きフレームデータは、観測面における各位置に対し、各位置の変位を2次元ベクトルによって対応付けたデータであり、観測面における変位ベクトルの分布を表す。動きフレーム生成部34は、例えば、最新のフレームデータ、および1フレーム前のフレームデータに基づいて、観測面上の各位置について生体組織の変位ベクトルを求める。変位ベクトルを求める演算としてはパターンマッチングがある。パターンマッチングでは、1フレーム前の画像につき各点を仮想的に移動させた画像と、最新の画像とについて近似度を求め、近似度が大きくなるような各点の移動距離および移動方向が各点の変位ベクトルとして求められる。近似度は、相関値等、当業者の間で様々なものが考えられている。このようにして求められる変位ベクトルは、1フレーム間隔時間当たりに生体組織上の各点が移動した距離および方向を表す。
また、生体組織の変位を求める演算としてブロックマッチングが用いられてもよい。ブロックマッチングでは、最新の画像と1フレーム前の画像のそれぞれが複数のブロックに分割される。関心領域内のブロックに着目し、着目しているブロックと近似度の大きい1フレーム前のブロックが探索される。探索されたブロック内の各点から、最新のブロック内の各点への移動距離および移動方向が、ブロック内の各点の変位ベクトルとして求められる。動きフレーム生成部34は、バッファメモリ32に新たにフレームデータが記憶されるごとに1フレームの動きフレームを生成し、装置制御部28に出力する。
なお、ここでは、最新のフレームデータ、および1フレーム前のフレームデータに基づいて、1フレームの動きフレームデータを生成する処理について説明した。動きフレームデータは、バッファメモリ32に記憶された複数のフレームデータから、その他の規則性に従って選択されたフレームデータに基づき生成してもよい。例えば、最新のフレームデータ、およびNフレーム前のフレームデータに基づいて、1フレームの動きフレームデータを生成してもよい。ここでNは2以上の任意の整数である。また、複数のフレームデータにおいて時間的に隣接する2つのフレームデータの組のそれぞれについて仮の動きフレームデータを求め、これら仮の動きフレームデータに対する重み付け平均化(移動平均化)によって得られたデータが動きフレームデータとして求められてもよい。
装置制御部28が備える指令生成部50は、動きフレーム生成部34から順次出力される動きフレームデータに基づいて、例えば、次のような処理に基づいて、超音波診断装置に対する指令情報を生成する。すなわち、指令生成部50は、動きフレームデータから観測面上の各位置の変位ベクトルのx軸方向成分を抽出し、x軸方向成分の平均値をx方向変位として求める。さらに、観測面上の各位置の変位ベクトルのy軸方向成分を抽出し、y軸方向成分の平均値をy方向変位として求める。x方向変位は、x軸方向成分の最大値、中央値、自乗平均値、加算合計値等、その他の統計値に基づいて求められてもよい。同様に、y方向変位は、y軸方向成分の最大値、中央値、自乗平均値、加算合計値等、その他の統計値に基づいて求められてもよい。指令生成部50は、動きフレーム生成部34から時間経過と共に順次出力される動きフレームデータのそれぞれについて、x方向変位およびy方向変位の各時間波形を求める。
記憶部56には、x方向変位の時間波形について予め定められた複数種の時間波形パターン(x方向パターン)が記憶されており、各x方向パターンに対して指令情報が対応付けて記憶されている。指令生成部50は、記憶部56を参照し、x方向変位の時間波形と、ある1つのx方向パターンとの近似度を求め、この近似度が所定条件を満たす場合には、そのx方向パターンに対応付けられた指令情報を生成する。ここで、近似度は、例えば、x方向変位の時間波形と、x方向パターンとの相関値として定義される。近似度が所定条件を満たす場合として、例えば、相関値が所定の閾値以上となる場合がある。
同様に、記憶部56には、y方向変位の時間波形について予め定められた複数種の時間波形パターン(y方向パターン)が記憶されており、各y方向パターンに対して指令情報が対応付けて記憶されている。y方向変位の時間波形と、ある1つのy方向パターンとの近似度が大きい場合には、そのy方向パターンに対応付けられた指令情報が生成される。
記憶部56には、指令生成部50が参照する情報として、x方向パターンとy方向パターンの組み合わせについて、指令情報を対応付けた情報が記憶されていてもよい。この場合、x方向変位の時間波形およびy方向変位の時間波形と、予め定められた組み合わせをなすx方向パターンおよびy方向パターンとの近似度が大きい場合に、そのx方向パターンとy方向パターンの組み合わせに対して対応付けられた指令情報が生成される。
指令生成部50は、動きフレームデータに基づいて観測面上の各位置の変位ベクトルの絶対値の自乗を加算合計したエネルギー評価値を求め、エネルギー評価値に基づいて指令情報を生成してもよい。エネルギー評価値は、探触子14が有する運動エネルギーを表す。この場合、記憶部56には、エネルギー評価値についての複数の数値範囲と、各数値範囲に対応する指令情報とを対応付けた情報が記憶される。指令生成部50は、記憶部56に記憶された情報を参照し、求められたエネルギー評価値が属する数値範囲に対応する指令情報を生成する。
装置制御部28は、指令生成部50によって生成された指令情報に基づく動作が行われるよう、超音波診断装置を制御する。指令情報としては、表示部52に表示されたカーソル、ボタン等の操作を指令する情報等がある。例えば、図10(a)の矢印58に示されているように、探触子14をy軸方向に所定回数だけ振動させる動きに対して、カーソルの上下方向への移動、ボタンの選択、ボタンの押下、ボタンの解除等の指令情報が対応付けられる。この場合、カーソルの上下方向への移動、ボタンの選択、ボタンの押下、ボタンの解除、ドラッグ対象の図形の選択等のそれぞれについて、y方向パターンが対応付けられる。動きフレームデータに基づいて求められたy方向変位の時間波形と、いずれかのy方向パターンとの近似度が所定条件を満たす場合に、そのy方向パターンに対応付けられた指令情報が生成される。
また、図10(b)の矢印60に示されているように、探触子14をx軸方向に移動させる動きに対して、カーソルの左右方向への移動、選択された図形のドラッグ等の指令情報が対応付けられる。動きフレームデータに基づいて求められたx方向変位の時間波形と、いずれかのx方向パターンとの近似度が所定条件を満たす場合に、そのx方向パターンに対応付けられた指令情報が生成される。
さらに、図10(c)の矢印62に示されているように、探触子14をxy平面内で運動させる動きに対して、表示部52に表示されたダイヤルの回転等、その他の指令情報が対応付けられる。動きフレームデータに基づいて求められたx方向変位の時間波形およびy方向変位の時間波形と、x方向パターンとy方向パターンの組み合わせのいずれかに対して近似度が所定条件を満たす場合に、そのx方向パターンとy方向パターンの組み合わせに対応付けられた指令情報が生成される。
装置制御部28は、超音波診断装置を用いた診断において通常現れる探触子の動きに対し、ソフトフリーズオン状態における指令を対応付けてもよい。このような慣用ジェスチャとしては、例えば、被検体と探触子との間の摩擦を低減するゼリーを引き延ばすために、探触子を被検体に接触させながら左右に往復運動させるものがある。この往復運動には、ソフトフリーズオン状態を解除して通常状態に設定する指令や、階層化されたメモリ領域(フォルダ)を指定する際に、現在指定されているフォルダよりも一段浅いフォルダを指定する指令、ソフトフリーズオン状態で動作しているアプリケーションを終了させる指令等が対応付けられてもよい。一般に、往復運動は、何らかの動作を取り消したいというユーザの心理と共に、ユーザの行為に表れることが多く、往復運動に何らかの状態を解除する指令を対応付けることで、超音波診断装置の操作性が向上する。
装置制御部28は、慣用ジェスチャの他、探触子の単純な動きに対してソフトフリーズオン状態における指令を対応付けてもよい。単純な動き、すなわち、シンプルジェスチャには、探触子の筐体がユーザの指で1回または複数回叩かれることによる微小な動き、探触子を小刻みに上下に振動させる動き等がある。
慣用ジェスチャおよびシンプルジェスチャは、超音波診断装置が通常状態に設定されている場合において、ユーザが被検体の診断を行うときに偶発的に生じ得る。したがって、誤認識を回避するため、慣用ジェスチャおよびシンプルジェスチャは、ソフトフリーズオン状態で指令として受け付けられる動きとして扱われてもよい。
図1に戻り、指令生成部50は、接触判定部42から非接触情報が出力されたときに、ボタンの押下、解除等の予め定められた指令情報を生成してもよい。これによって、探触子14が、被検体18から離れる動きに応じて、超音波診断装置に対して所定の指令が与えられる。
図11には、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態に設定されたときに、表示部52に表示される画像の例が示されている。表示部52には、フリーズ画像64と共に、5つのボタン70およびシネメモリバー68が表示されている。5つのボタン70には、それぞれ、「静止画保存」、「動画保存」、「ボディマーク」、「ゲイン」、「フリーズOFF」と表示されている。カーソル72をいずれかのボタン70の位置まで移動させる指令情報に続き、そのボタン70を押下する指令情報が装置制御部28で生成されるように、ユーザが探触子を動かすことで、そのボタン70に割り当てられた機能が実行される。例えば、「静止画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子を動かすと、装置制御部28は、フリーズ画像64を表す画像データを、日付、時刻、画像ファイル名等、その静止画像を管理するための情報を付加した上で記憶部56に記憶させる。「動画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子を動かすと、装置制御部28は、シネメモリ54に記憶されている複数フレームの断層画像データを動画像データとして記憶部56に記憶させる。この際、動画像データには、動画像を管理するための情報が付加される。このように過去の動画像データを保存する処理は、一般にレトロスペクティブと称される。また、次のような将来の動画像データを保存する処理が実行されてもよい。すなわち、「動画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子を動かすと、装置制御部28は、超音波診断装置の状態をソフトフリーズオン状態から通常状態に設定する。そして、時間経過と共に順次生成される断層画像データを、所定の複数フレームに亘って記憶部56に記憶する。このように将来の動画像データを保存する処理は、一般にプロスペクティブと称される。「ボディマーク」のボタンが押下されるようにユーザが探触子を動かすと、装置制御部28は、ボディマークを表示部52に表示させる。ボディマークは、乳房部、腕等について被検体の標準的な組織形状を表す。超音波診断装置は、ユーザの操作に応じて、探触子の位置を示す図形をボディマークと共に表示してもよい。「ゲイン」のボタンが押下されるようにユーザが探触子を動かすと、装置制御部28は、ゲイン(画像の明るさ)が調整可能な状態に超音波診断装置の状態を設定する。「フリーズOFF」のボタンが押下されるようにユーザが探触子を動かすと、装置制御部28は、超音波診断装置の状態をソフトフリーズオン状態から通常状態に切り換える。
左右に直線状に伸びるシネメモリバー68は、シネメモリ54に記憶された複数フレームの断層画像データのうちいずれかを選択し、選択された断層画像を静止画像として表示させるための領域である。装置制御部28は、シネメモリバー68およびカーソル72を用いた操作が行われるように、ユーザが探触子を動かすことで、次のように超音波診断装置を動作させる。すなわち、カーソル72をシネメモリバー68の上に位置させると、シネメモリバー68が選択される。その状態でカーソル72をシネメモリバー68上の右端に位置させるとフリーズ画像64が表示される。カーソル72をシネメモリバー68に沿って左に移動させていくと、過去に遡って1フレームずつ順次、断層画像データに基づく画像が入れ替わりながら表示される。カーソル72をシネメモリバー68に沿って右に移動させていくと、過去から未来(フリーズ画像が得られた時)に向かって1フレームずつ順次、断層画像データに基づく画像が入れ替わりながら表示される。カーソルの動きが静止すると、カーソルが静止した位置に対応する断層画像データに基づく画像が表示される。図11における「245/250」という表示は、シネメモリ54に250フレームの断層画像データが記憶されており、古い方から数えて245番目の断層画像が表示されていることを示す。
(5)変形例
図1に示された超音波診断装置の変形例について説明する。図3のフローチャートに従う処理では、探触子14が離脱過程にない場合であっても、被検体18の形状によっては、ステップS108において、受信開口幅Wが基準開口幅W0の接触比r倍未満であると判定されることがある。例えば、探触子14の接触面よりも観測部位の幅が狭く、観測面に垂直な方向に進むにつれて観測部位の幅が狭くなる場合には、このような判定がされる可能性がある。すなわち、探触子14が被検体に密着した状態で被検体の表面上を観測面に垂直な方向に移動すると、探触子14の移動と共に被検体への接触面積が減少し、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満となることがある。そこで、装置制御部28は、図12のフローチャートに示されるステップS201を実行してもよい。図3に示されているステップと同一のステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図1に示された超音波診断装置の変形例について説明する。図3のフローチャートに従う処理では、探触子14が離脱過程にない場合であっても、被検体18の形状によっては、ステップS108において、受信開口幅Wが基準開口幅W0の接触比r倍未満であると判定されることがある。例えば、探触子14の接触面よりも観測部位の幅が狭く、観測面に垂直な方向に進むにつれて観測部位の幅が狭くなる場合には、このような判定がされる可能性がある。すなわち、探触子14が被検体に密着した状態で被検体の表面上を観測面に垂直な方向に移動すると、探触子14の移動と共に被検体への接触面積が減少し、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満となることがある。そこで、装置制御部28は、図12のフローチャートに示されるステップS201を実行してもよい。図3に示されているステップと同一のステップについては同一の符号を付してその説明を省略する。
ステップS106においてフリーズ画像を選別した後、装置制御部28は、離脱判定用フレーム間相関値Cが所定の閾値Cth以上であり、かつ、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満であるか否かを判定する(S201)。ここで、離脱判定用フレーム間相関値Cは、例えば、上述のフレーム間相関値Bと同一の値とする。また、離脱判定用フレーム間相関値Cは、基準開口幅W0が得られる時間におけるフレームデータと、最新のフレームデータとに基づいて求められたフレーム間相関値であってもよい。あるいは、直近の静止判定時におけるフレームデータと、最新のフレームデータとに基づいて求められたフレーム間相関値であってもよい。
装置制御部28は、離脱判定用フレーム間相関値Cが閾値Cth以上であり、かつ、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍未満である場合には、ステップS109に移行する。一方、離脱判定用フレーム間相関値Cが閾値Cth未満である場合、または、受信開口幅Wが、基準開口幅W0の接触比r倍以上である場合には、装置制御部28は、超音波診断装置を通常状態に設定し(S112)、時間経過と共に順次生成された断層画像データに基づく画像を動画像として表示部52に表示させる(S113)。
このような処理によれば、探触子14が離脱過程にないにも関わらず、超音波診断装置が仮フリーズオン状態またはソフトフリーズオン状態となってしまう可能性が低くなる。
また、図3のフローチャートに代えて、図13のフローチャートに従う処理が実行されてもよい。この処理では、被検体18の深さ方向(y軸方向)についての被検体18の生体組織の変位に基づいて、探触子14が離脱状態にあるか否かが判定される。ソフトフリーズオン状態で動作する動きフレーム生成部34が、状態切り換え処理においても動作する。
装置制御部28は、フリーズ画像を選別すると共に(S106)、離脱判定用y方向変位Dyを求める(S301)。離脱判定用y方向変位Dyは、最新のフレームデータと、Nフレーム前のフレームデータに基づいて、動きフレーム生成部34が求めた動きフレームデータから求められる。y方向変位を求める処理は、指令生成部50がy方向変位を求める上述の処理と同様である。また、Nフレーム前のフレームデータは、例えば、直近の静止判定時に求められたフレームデータである。装置制御部28は、離脱判定用y方向変位Dyが所定の閾値Dth以上であるか否かを判定する(S302)。
装置制御部28は、離脱判定用y方向変位Dyが閾値Dth以上である場合には、ステップS109に移行する。一方、離脱判定用y方向変位Dyが閾値Dth未満である場合には、装置制御部28は、超音波診断装置を通常状態に設定し(S112)、時間経過と共に順次生成された断層画像データに基づく画像を動画像として表示部52に表示させる(S113)。
このような処理によれば、図3のフローチャートに従う処理と同様の効果が得られる。すなわち、ジェスチャ受付期間内に探触子14が離脱過程にある場合には、表示部52にフリーズ画像が表示され、表示画像が見難くなることが回避される。なお、ステップS302とステップS109との間には、図12のステップS201に相当する処理が実行されてもよい。
上記では、動き検出部30が、整相加算部22から出力されるフレームデータに基づいて、探触子14の動きに関する情報を生成し、装置制御部28に出力する実施形態について説明した。動き検出部30は、受信された超音波に基づいて超音波診断装置内で生成されるその他の受信信号に基づく処理を実行してもよい。例えば、整相加算部22から出力されるフレームデータに代えて、超音波画像生成部24から出力される断層画像データ、あるいはDSC26から出力されるビデオ信号が、動き検出部30で用いられてもよい。また、幅検出部40は、探触子14が備える複数の振動素子16のそれぞれに対応して受信部20から出力される各受信ベースバンド信号のレベルに基づいて、受信開口幅を求めてもよい。
上記では、静止判定部38が、フレーム間相関値に基づいて、探触子14が静止しているか否かを判定する実施形態について説明した。静止判定部38は、動きフレーム生成部34から出力される動きフレームに基づいて、この判定を行ってもよい。この場合、静止判定部38は、各動きフレームから観測面上の各点における変位ベクトルを取得する。静止判定部38は、観測面上の各点の変位ベクトルの絶対値またはその自乗を加算合計した動き評価値を求める。静止判定部38は、動きフレーム生成部34から時間経過と共に順次出力される動きフレームのそれぞれについて動き評価値を求め、動き評価値が所定の閾値未満となったときに、探触子14が静止した旨の静止判定をする。静止判定部38が静止判定をするに際しては、動き評価値が所定の閾値未満となった時間が所定の閾値時間以上となったことを静止判定を肯定する条件としてもよい。
なお、動き評価値は、観測面上の各点の変位ベクトルを反映したその他の統計値であってもよい。例えば、動き評価値は、変位ベクトルの特定方向の成分のみについて求められてもよい。また、変位ベクトルのx軸方向成分の絶対値またはその自乗を加算合計した値に基づいて動き評価値が求められてもよい。さらに、動き評価値は、観測面上に予め定められた関心領域について求められてもよい。
上記では、接触判定部42が、フレームデータと基準フレームデータとの相関値に基づき、探触子14が被検体18に接触しているか否かを判定する例について説明した。このような判定は、装置制御部28が受信開口幅に基づいて行ってもよい。この場合、接触判定部42は、幅検出部40から出力された受信開口幅が所定の非接触閾値未満であるときに、探触子14が被検体18から離れていることを示す非接触情報を装置制御部28に出力する。
上記では、超音波画像生成部24が、被検体18の観測面における断層画像データを生成する例について説明した。超音波画像生成部24は、被検体18の観測面の弾性の分布を表す弾性画像データを生成してもよい。この場合、超音波画像生成部24が、弾性画像を断層画像に重ねた画像を表す断層・弾性画像データを生成し、表示部52に断層・弾性画像が表示されてもよい。
10 送受信制御部、12 送信部、14 探触子、16 振動素子、18 被検体、20 受信部、22 整相加算部、24 超音波画像生成部、26 ディジタルスキャンコンバータ(DSC)、28 装置制御部、30 動き検出部、32 バッファメモリ、34 動きフレーム生成部、36 フレーム間相関演算部、38 静止判定部、40 幅検出部、42 接触判定部、44 状態設定部、46 離脱検出部、48 表示処理部、50 指令生成部、52 表示部、54 シネメモリ、56 記憶部、64 フリーズ画像、68 シネメモリバー、70 エコー像、71 ボタン、72 カーソル、74 受信範囲検出部。
Claims (8)
- 被検体で反射し探触子で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部と、
前記探触子が有する被検体接触面のうち、前記超音波が受信された受信範囲を前記受信信号に基づいて検出する受信範囲検出部と、
前記探触子が前記被検体に接触しているか否かを判定する接触判定部と、を備え、
前記接触判定部は、
予め定められた基準データのうちの前記受信範囲に対応する部分と、前記受信信号から得られる受信データのうちの前記受信範囲に対応する部分との近似度を求め、前記近似度に基づいて、前記探触子が前記被検体に接触しているか否かを判定することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記探触子が前記被検体に接触していないとの判定がされた場合に、前記超音波診断装置の状態を切り換える状態設定部を備えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2に記載の超音波診断装置において、
前記状態設定部は、
前記受信範囲の縮小に基づいて、前記超音波診断装置の状態を第1状態から第2状態へと切り換え、
前記超音波診断装置が前記第1状態または前記第2状態にあるときに、前記探触子が前記被検体に接触していないとの判定がされた場合に、前記超音波診断装置の状態を前記第3状態に設定することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記探触子が前記被検体に接触していないとの判定がされた場合に、前記超音波診断装置に対する指令情報を生成する指令生成部を備えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記受信信号に基づいて、前記被検体についてのフレームデータを生成するフレームデータ生成部を備え、
前記基準データは、前記フレームデータに対する基準を示すことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記フレームデータ生成部が、前記フレームデータを時間経過と共に順次生成する、請求項5に記載の超音波診断装置において、
前記受信範囲検出部は、
前記接触判定部の判定対象となる前記フレームデータに基づいて、あるいは、前記接触判定部の判定対象となる前記フレームデータより先に生成された前記フレームデータに基づいて、前記接触判定部によって用いられる前記受信範囲を検出することを特徴とする超音波診断装置。 - 前記フレームデータ生成部が、前記フレームデータを時間経過と共に順次生成する、請求項5に記載の超音波診断装置において、
時間経過と共に順次生成された複数の前記フレームデータに基づいて、前記探触子が静止しているか否かを判定する静止判定部を備え、
前記受信範囲検出部は、
前記探触子が静止していると判定されたときの前記フレームデータに基づいて、前記接触判定部によって用いられる前記受信範囲を検出することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記接触判定部は、受信範囲検出部で受信範囲が検出されないときは、基準データのうちの最大受信範囲に対応する部分と、前記受信信号から得られる受信データのうちの最大受信範囲に対応する部分との近似度を求め、前記近似度に基づいて、前記探触子が前記被検体に接触しているか否かを判定することを特徴とする超音波診断装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015134573A JP2017012599A (ja) | 2015-07-03 | 2015-07-03 | 超音波診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015134573A JP2017012599A (ja) | 2015-07-03 | 2015-07-03 | 超音波診断装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2017012599A true JP2017012599A (ja) | 2017-01-19 |
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JP (1) | JP2017012599A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021056209A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-08 | 株式会社東芝 | 処理システム、処理方法、プログラム、及び記憶媒体 |
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2015
- 2015-07-03 JP JP2015134573A patent/JP2017012599A/ja active Pending
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