JP2017217336A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】探触子を用いた超音波診断装置の操作を容易にすることを目的とする。
【解決手段】物体で反射し探触子14で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部20と、受信信号に基づいて、探触子14における物体が接触している接触領域を検出する接触領域検出部38と、接触領域が占める範囲に基づいて超音波診断装置に指令を与える装置制御部28とを備える。例えば、装置制御部28は、接触領域の振動子配列方向における位置に基づいて超音波診断装置に指令を与える。また、装置制御部28は、接触領域の振動子配列方向の長さに基づいて、超音波診断装置に指令を与えてもよい。また、装置制御部28は、接触領域が複数ある場合に、隣接する接触領域の間の距離に基づいて超音波診断装置に指令を与えてもよい。また、装置制御部28は、接触領域が占める範囲の時間変化に基づいて超音波診断装置に指令を与えてもよい。
【選択図】図1
【解決手段】物体で反射し探触子14で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部20と、受信信号に基づいて、探触子14における物体が接触している接触領域を検出する接触領域検出部38と、接触領域が占める範囲に基づいて超音波診断装置に指令を与える装置制御部28とを備える。例えば、装置制御部28は、接触領域の振動子配列方向における位置に基づいて超音波診断装置に指令を与える。また、装置制御部28は、接触領域の振動子配列方向の長さに基づいて、超音波診断装置に指令を与えてもよい。また、装置制御部28は、接触領域が複数ある場合に、隣接する接触領域の間の距離に基づいて超音波診断装置に指令を与えてもよい。また、装置制御部28は、接触領域が占める範囲の時間変化に基づいて超音波診断装置に指令を与えてもよい。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波診断装置に関し、特に、探触子に物体が接触している状態に応じて超音波診断装置に指令を与える技術に関する。
被検体を観測する装置として超音波診断装置が広く用いられている。超音波診断装置は、超音波の送受信によって被検体の断層画像を生成し、モニタに表示する。超音波診断装置では、探触子が被検体の適切な部位に接触することで、被検体の関心部位に対して超音波が送受信され、関心部位の断層画像が表示される。
ユーザが超音波診断装置に指令を与え、超音波診断装置に指令を実行させるため、超音波診断装置には、キーボード、スイッチ、マウス、トラックボール等の入力デバイスが設けられている。ユーザは、モニタに表示された画像を参照しながら、被検体の適切な位置に適切な姿勢で探触子を接触させ、入力デバイスを操作して超音波診断装置に指令を与える。
モニタを参照しながら探触子の位置決定をし、さらには入力デバイスを操作するという作業に際しては、入力デバイスの操作中に手ぶれ等によって探触子を動かさないことに注意が払われる。このような作業の負担を軽減するため、特許文献1〜5に示されているように、探触子を入力デバイスとして用いることが考えられている。
探触子を入力デバイスとして用いる場合、被検体への接触、被検体上での移動、被検体からの離脱等の探触子の動きに対して指令が対応付けられる。特許文献1〜3に記載されている超音波診断装置では、探触子にセンサが設けられ、このセンサによって探触子の動きが検出される。しかし、このような構成では、探触子のハードウエアが複雑となるという問題がある。そこで、特許文献4および5に記載されているように、受信された超音波に基づくデータの変化に基づいて、探触子の動きを検出する超音波診断装置が考えられている。
一般に、探触子を入力デバイスとして用いる場合、探触子の多様な動きのそれぞれに対して指令が対応付けられることで、超音波診断装置の使い易さが向上する。しかし、特許文献4および5に記載されている超音波診断装置では、探触子を被検体に接触させた状態で探触子を動かす必要がある。そのため、探触子が接触する部位が軟らかすぎる等、被検体の部位によっては探触子の動きによる超音波診断装置の操作が困難となる場合がある。
本発明は、探触子を用いた超音波診断装置の操作を容易にすることを目的とする。
本発明は、超音波診断装置において、物体で反射し探触子で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部と、前記受信信号に基づいて、前記探触子における前記物体が接触している接触領域を検出する接触領域検出部と、前記接触領域が占める範囲に基づいて前記超音波診断装置に指令を与える装置制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明において、探触子に接触する物体は、例えば、ユーザの指、超音波を反射する材料で形成された操作用の道具(ツール)である。本発明によれば、探触子に物体を接触させることによって、超音波診断装置を操作することができる。
望ましくは、前記探触子は、所定方向に配列された複数の振動子を備え、前記装置制御部は、前記接触領域の振動子配列方向における位置に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与える。
本発明では、複数の振動子が所定方向に配列されている。そのため、複数の振動子における超音波の送受信によって接触領域の位置を求め、その位置に基づいて超音波診断装置に指令を与えることができる。
望ましくは、前記探触子は、所定方向に配列された複数の振動子を備え、前記装置制御部は、前記接触領域の振動子配列方向の長さに基づいて、前記超音波診断装置に指令を与える。
本発明では、複数の振動子が所定方向に配列されている。そのため、複数の振動子における超音波の送受信によって接触領域の振動子配列方向の長さを求め、その長さに基づいて超音波診断装置に指令を与えることができる。
望ましくは、前記装置制御部は、前記接触領域の振動子配列方向における位置に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与える。
本発明では、複数の振動子が所定方向に配列されている。そのため、複数の振動子における超音波の送受信によって接触領域の位置を求め、その位置に基づいて超音波診断装置に指令を与えることができる。
望ましくは、前記装置制御部は、前記接触領域が複数ある場合に、隣接する前記接触領域の間の距離に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与える。
本発明によれば、例えば、探触子に複数の物体を接触させ、物体間の距離を変化させることによって、超音波診断装置を操作することができる。
望ましくは、前記装置制御部は、前記接触領域が占める範囲の時間変化に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与える。
本発明によれば、探触子に接触させた物体の位置の時間変化、あるいは、物体が探触子に接触する面積の時間変化に基づいて、超音波診断装置に指令を与えることができる。
望ましくは、前記受信信号に基づいて前記探触子から見て前記物体が静止したか否かを判定する静止判定部と、前記受信信号に基づいて前記物体が前記探触子から離れたか否かを判定する接触判定部と、を備え、前記装置制御部は、前記静止判定部によって前記探触子から見て前記物体が静止したことが検出された後所定時間内に、前記接触判定部によって前記物体が前記探触子から離れたことが検出された場合に、これらの検出に対応した指令を前記超音波診断装置に与える。
このように物体の静止、探触子からの物体の離脱という2つの条件によって超音波診断装置に指令が与えられることで、ユーザの意図に反した指令が超音波診断装置に与えられることが回避される。これによって、超音波診断装置に対する操作が確実となる。
本発明によれば、探触子を用いた超音波診断装置の操作を容易にすることができる。
(1)超音波診断装置の構成および基本的な動作
図1には超音波診断装置の構成が示されている。超音波診断装置は、送受信制御部10、送信部12、探触子14、受信部20、整相加算部22、超音波画像生成部24、ディジタルスキャンコンバータ(DSC)26、装置制御部28、操作検出部30、表示部32、シネメモリ34、記憶部36および操作部52を備える。これらの構成要素のうち、送受信制御部10、整相加算部22、超音波画像生成部24、DSC26、装置制御部28、および操作検出部30は、例えば、プロセッサ等の演算処理デバイスによって構成される。演算処理デバイスは、例えば、プログラムによって各構成要素が構成されるものであってもよい。
図1には超音波診断装置の構成が示されている。超音波診断装置は、送受信制御部10、送信部12、探触子14、受信部20、整相加算部22、超音波画像生成部24、ディジタルスキャンコンバータ(DSC)26、装置制御部28、操作検出部30、表示部32、シネメモリ34、記憶部36および操作部52を備える。これらの構成要素のうち、送受信制御部10、整相加算部22、超音波画像生成部24、DSC26、装置制御部28、および操作検出部30は、例えば、プロセッサ等の演算処理デバイスによって構成される。演算処理デバイスは、例えば、プログラムによって各構成要素が構成されるものであってもよい。
超音波診断装置は、探触子14によって被検体18に対して超音波を送受信し、モニタとしての表示部32に断層画像を表示する。また、超音波診断装置が所定の動作状態にあるときは、探触子14における受信超音波に基づく受信信号の変化に応じた指令が超音波診断装置に与えられる。これによって、探触子14の接触面(超音波が送受信される面)に接触したユーザの指の動きに応じて超音波診断装置に指令が与えられる。なお、本願明細書では、受信された超音波に基づき超音波診断装置内で伝送されるあらゆる信号またはデータを受信信号と定義する。
超音波診断装置の動作状態には、通常の状態、ソフトフリーズがオンの状態、およびフリーズ状態がある。通常の状態は、時間経過と共に順次生成される断層画像データに基づいて、表示部32に動画像を表示する動作状態である。
ソフトフリーズとは、表示部32には静止画像を表示しながらも、超音波診断装置に指令が与えられる機能をいい、ソフトフリーズがオンの状態とは、この機能を実行する動作状態をいう。静止画像としては、ソフトフリーズオン状態に設定されたときに表示されていた断層画像、あるいは、それ以前に記憶されていた断層画像が表示される。ソフトフリーズオン状態では探触子14において超音波の送受信が行われる。探触子14は被検体18から離れた状態とされ、探触子14の接触面に接触したユーザーの指の状態に応じて超音波診断装置に指令が与えられる。すなわち、超音波診断装置は、探触子14の接触面に接触したユーザの指の状態を超音波の送受信によって検出し、ユーザの指の状態に応じて動作する。ソフトフリーズオン状態では、探触子14で超音波の送受信を行うための構成要素が動作している。この構成要素は、例えば、超音波画像生成部24、およびDSC26を除いた構成要素である。
フリーズ状態は、静止画像を表示すると共に、超音波の送受信を行う回路をオフとする状態である。例えばユーザは、探触子14を被検体18に接触させて診断に適した断層画像が表示部32に現れたときに、超音波診断装置をフリーズ状態とする。フリーズ状態では、探触子14が被検体18から離れた状態であっても、超音波診断装置をフリーズ状態にしたときの断層画像が静止画像として表示部32に表示される。これによってユーザは、探触子14を保持することなく表示部32に現れた画像を観測することができる。上述のソフトフリーズオン状態は、超音波の送受信を行うための回路をオンに維持するという点で、フリーズ状態と異なる。
通常状態において断層画像を表示する構成および処理について説明する。探触子14は、複数の振動素子16を備えている。複数の振動素子16は、被検体18に接触させる面に沿ってx軸方向に配列されている。
計測に際して、探触子14は被検体18の表面に接触した状態とされる。各振動素子16は、送信部12から出力された送信信号に応じて超音波を発生する。送信部12は、送受信制御部10による制御に従い、各振動素子16に出力する送信信号の遅延時間を調整し、探触子14において送信超音波ビームを形成し、さらに、その送信超音波ビームを被検体18に対して走査する。送信超音波ビームは、例えば、放射方向をy軸正方向に向けてx軸方向に直線状に走査してもよい。また、送信超音波ビームの放射点を探触子14上の固定端として、送信超音波ビームを回転走査(セクタ走査)してもよい。
その他の送受信態様として、探触子14から被検体18に平面波が送信されるように、送信部12が各振動素子16に送信信号を出力してもよい。例えば、複数の振動素子16が直線状に配列されている場合には、各振動素子16に出力される送信信号の強度および出力タイミングを同一とし、各振動素子16に同一強度の超音波を同時に発生させる。これによって、探触子14の接触面と平行な波面を有する平面波が発生する。複数の振動素子16が直線状に配列されていない場合には、各振動素子16の位置に応じて、各振動素子16に発生させる超音波の強度、または、各振動素子16に超音波を発生させるタイミングを調整してもよい。
被検体18内で反射した超音波が探触子14の各振動素子16で受信されると、各振動素子16は、受信された超音波に応じた電気信号を受信部20に出力する。受信部20は、送受信制御部10の制御に従い、各振動素子16から出力された各信号に対して増幅、直交検波等の処理を施す。これによって、受信部20は、複数の振動素子16に対応する複数チャネルの受信ベースバンド信号を生成し、整相加算部22に出力する。
整相加算部22は、ラインデータ生成部として動作し、複数チャネルの受信ベースバンド信号を整相加算して、複数の受信超音波ビームに対応する複数の受信ラインデータを生成する。y軸方向に向けられた送信超音波ビームがx軸方向に直線走査される場合、整相加算部22は、各送信超音波ビームと同一方向に向けられた各受信超音波ビームを送受信制御部10の制御に従って形成し、各受信超音波ビームに対応する受信ラインデータを生成する。探触子14から平面波が送信される場合にも、整相加算部22は同様の複数の受信ラインデータを生成する。
すなわち、複数の受信ラインデータは、被検体18の深さ方向(y軸方向)に向けられてx軸方向に並ぶ複数の受信ビームラインに対応する。各受信ラインデータは、対応する受信ビームライン上の各位置(各y座標値)に対して受信データが対応付けられたデータである。
送受信制御部10、送信部12、探触子14、および受信部20は、断層画像が観測される観測面に対し超音波ビームの走査を繰り返し行う。整相加算部22は、繰り返し行われる超音波ビームの走査に対応して、時間経過と共に順次フレームデータを生成し、超音波画像生成部24、および操作検出部30に順次、フレームデータを出力する。
なお、探触子14から平面波が送信される場合には、送受信制御部10、送信部12、探触子14、および受信部20は、断層画像が観測される観測面に対し、平面波の送信およびこれに伴う反射超音波の受信を繰り返し行う。整相加算部22は、繰り返し行われる超音波の送受信に対応して、時間経過と共に順次フレームデータを生成する。
超音波画像生成部24は、フレームデータに対し、ゲイン補正、ログ圧縮、フィルタ処理等の視認性を調整する信号処理を施して、縦方向および横方向に配列された複数の画素を表す断層画像データを生成し、DSC26に出力する。DSC26は、断層画像データを、画像表示を行うためのビデオ信号に変換して装置制御部28に出力する。装置制御部28は、DSC26から順次出力された断層画像データに基づく画像を、動画像として表示部32に表示させる。
装置制御部28は、表示対象となっている断層画像データから過去に遡って所定フレーム数の断層画像データをシネメモリ34に記憶させる。装置制御部28は、シネメモリ34に記憶された各断層画像データに基づく画像を、ユーザの操作に基づいて、静止画像または動画像として表示部32に表示してもよい。
装置制御部28は、このような表示部32に表示する画像に関する処理の他、超音波診断装置の動作状態の設定等、超音波診断装置に対する全体的な制御を行う。装置制御部28には、状態設定部44、表示処理部48および指令生成部50を備えている。これらの構成要素は、装置制御部28が有する各機能を実行するものであり、例えば、装置制御部28が実行するプログラムによって仮想的に構成される。
状態設定部44は、装置制御部28が取得した情報に基づき超音波診断装置の動作状態を設定する。例えば、通常状態、ソフトフリーズオン状態またはフリーズ状態のいずれかの状態への設定を行う。表示処理部48は、装置制御部28が取得した情報に基づき、超音波診断装置の動作状態に応じて、画像表示に関する処理を実行する。指令生成部50は、装置制御部28が取得した情報に基づき指令情報を生成する。装置制御部28は、指令情報に応じて超音波診断装置を制御する。
操作検出部30は、接触領域検出部38および接触判定部39を備える。これらの構成要素は、整相加算部22から出力されたフレームデータに基づいて、超音波診断装置を制御するための情報を装置制御部28に出力する。各構成要素が実行する処理については、後述する。
操作部52は、ユーザの操作に応じて、超音波診断装置を制御する情報を装置制御部28に出力する。操作部52は、キーボード、マウス、トラックボール等を備えている。装置制御部28は、操作部52から出力された情報に基づいて超音波診断装置を制御する。
(2)ソフトフリーズ
(2−1)ソフトフリーズオン状態の概要
通常状態またはフリーズ状態からソフトフリーズオン状態への設定は、例えば、操作部52におけるユーザの操作によって行われる。すなわち、ユーザによってソフトフリーズオン状態に設定するための操作が行われると、装置制御部28が備える状態設定部44は、超音波診断装置をソフトフリーズオン状態に設定する。
(2−1)ソフトフリーズオン状態の概要
通常状態またはフリーズ状態からソフトフリーズオン状態への設定は、例えば、操作部52におけるユーザの操作によって行われる。すなわち、ユーザによってソフトフリーズオン状態に設定するための操作が行われると、装置制御部28が備える状態設定部44は、超音波診断装置をソフトフリーズオン状態に設定する。
ソフトフリーズオン状態では、表示部32にフリーズ画像を静止画像として表示することが可能である。フリーズ画像としては、例えば、シネメモリ34に記憶された複数フレームの断層画像データのうちいずれかに基づく画像が選択される。その一方で、探触子14において超音波が送受信され、受信された超音波に基づく信号に応じて超音波診断装置に指令が与えられる。これによって、探触子14の接触面に接触するユーザの指の動きに応じた指令が超音波診断装置に与えられる。ソフトフリーズオン状態では、シネメモリ34に記憶された断層画像データは更新されずに保持されてもよい。
ソフトフリーズオン状態では探触子14が被検体18から離され、探触子14に接触するユーザの指の動きに応じて、例えば、フリーズ画像を表す画像データが記憶部36に保存される。また、フリーズ画像の画質の調整や印刷媒体への印刷が行われてもよい。さらに、フリーズ画像に重ねて、被検体18の標準的な組織形状を表すボディマークが表示されてもよい。
(2−2)超音波診断装置を操作する原理
ソフトフリーズオン状態での超音波診断装置の制御は、探触子14における接触領域に応じて行われる。接触領域は、探触子14の接触面にユーザの指が接触している領域であり、x軸上の範囲によって表される。
ソフトフリーズオン状態での超音波診断装置の制御は、探触子14における接触領域に応じて行われる。接触領域は、探触子14の接触面にユーザの指が接触している領域であり、x軸上の範囲によって表される。
操作検出部30が備える接触領域検出部38は、整相加算部22から出力されたフレームデータに基づいて、次のような処理によって接触領域のx軸上の範囲を表す接触範囲を求め、接触範囲情報を装置制御部28に出力する。
すなわち、接触領域検出部38は、フレームデータを構成する複数の受信ラインデータのそれぞれについて受信強度を求める。受信強度は、例えば、受信ビームライン上の各データ値の絶対値または自乗値を加算合計した値として定義される。探触子14の近傍では、超音波の多重反射によって信頼性のあるデータ値が得られ難いため、探触子14から所定の距離以内のデータ値を受信強度の算出から除外してもよい。
接触領域検出部38は、複数の受信ビームラインのうち、受信強度が所定の受信閾値以上となるものが占める受信ビームラインのx座標値の範囲を接触範囲として求める。図2には、x座標範囲x1〜x20に位置する受信ビームラインx1〜x20についての受信強度が示されている。この図は、説明の便宜上、受信ビームラインの数を少なくして受信強度を概念的に表したものである。実際には、より多くの受信ビームラインが形成されてもよい。受信強度が受信閾値RT以上となる受信ビームラインは、受信ビームラインx5〜x15である。この場合、接触領域検出部38は、x座標範囲x5〜x15を接触範囲として求める。
図3(a)には探触子14の接触面56にユーザの指54が接触した状態が示されている。図3(b)にはx軸と受信強度Rとを対応付けた受信強度分布が示されている。図3(b)には、図2に示される受信強度分布よりも受信ビームラインが多く、x軸方向についてより高い分解能で受信強度分布が示されている。X1≦x≦X2の範囲で受信強度が受信閾値RT以上となっており、x座標値がX1以上でX2以下の範囲が接触範囲として求められる。図1の接触領域検出部38が装置制御部28に出力する接触範囲情報は、接触領域の範囲の下限値X1および上限値X2を含んでいる。
接触領域検出部38は、整相加算部22から時間経過と共に順次出力される各フレームデータについて接触範囲を求め、順次、装置制御部28に接触範囲情報を出力する。装置制御部28が備える指令生成部50は、時間経過と共に順次、接触領域検出部38から出力された接触範囲情報のそれぞれについて次のような処理を実行する。すなわち、指令生成部50は、接触範囲情報に含まれる下限値X1および上限値X2に基づいて、中点位置座標Xおよび接触幅Yを求める。中点位置座標Xおよび接触幅Yは、それぞれ、(数1)および(数2)のように定義される。
(数1)X=(X2+X1)/2
(数2)Y=X2−X1
(数2)Y=X2−X1
中点位置座標Xは、x軸上において下限値X1から上限値X2に至る線分の中点のx軸座標を示し、接触幅Yは、接触領域のx軸方向の長さを示す。図4(a)〜(c)には、ユーザの指54が、時間経過と共により強く探触子14の接触面56を押下する様子が示されている。図4(b)には図4(a)よりも後の状態が示されており、図4(c)には図4(b)よりも後の状態が示されている。これらの図に示されているように接触幅Yは時間経過と共に増加する。したがって、横軸に時間をとり、縦軸に接触幅Yをとった時間プロファイルは、図5に概念的に示されているように時間の増加に対して単調増加する特性となる。
また、図6(a)〜(c)には、ユーザの指54が、探触子14の接触面56に接触しながら時間経過と共にz軸正方向に移動する様子が示されている。図6(b)には図6(a)よりも後の状態が示されており、図6(c)には図6(b)よりも後の状態が示されている。これらの図に示されているように接触幅Yは時間経過と共に増加する。したがって、横軸に時間をとり、縦軸に接触幅Yをとった場合の特性である時間プロファイルは、図5と同様、時間の増加に対して単調増加する特性となる。
図1に戻って説明する。装置制御部28が備える指令生成部50は、接触領域検出部38から順次出力される接触範囲情報を用いた後述の処理に基づいて、超音波診断装置に対する指令情報を生成する。指令情報は、ソフトフリーズオン状態にある超音波診断装置を装置制御部28が制御するための指令である。指令情報には、例えば、シネメモリ34に記憶されている画像データを読み出し、その画像データに基づく画像を表示させる指令、フリーズ画像を印刷させる指令、フリーズ画像を示すデータを記憶部36に記憶させる指令等がある。装置制御部28は、指令生成部50によって求められた指令情報に応じて超音波診断装置を制御する。以下では、指令生成部50が指令情報を求める処理について説明する。
指令生成部50は、接触領域検出部38から時間経過と共に順次出力される接触範囲情報のそれぞれに基づいて、中点位置座標Xおよび接触幅Yの各時間プロファイルを求める。各時間プロファイルは、例えば、所定時間だけ過去に遡った期間内に接触領域検出部38から出力された接触範囲情報に基づいて求められる。中点位置座標Xおよび接触幅Yの時間プロファイルは、予め定められた一定の時間長となるように規格化されてもよい。例えば、中点位置座標Xの時間プロファイルの時間長がLである場合には、中点位置座標Xの時間プロファイルを時間軸方向にL分の1倍したものを、規格化された新たな中点位置座標Xの時間プロファイルとしてもよい。
記憶部36には、中点位置座標Xの時間プロファイルについて予め定められた複数種の時間プロファイルのパターン(中点位置変化パターン)が記憶されており、各中点位置変化パターンに対して指令情報が対応付けて記憶されている。指令生成部50は、記憶部36を参照し、中点位置座標Xの時間プロファイルと、複数種の中点位置変化パターンのうちの1つの中点位置変化パターンとの近似度が所定条件を満たす場合には、その中点位置変化パターンに対応付けられた指令情報を記憶部36から取得する。ここで、近似度は、例えば、中点位置座標Xの時間プロファイルと、中点位置変化パターンとの相関値として定義される。近似度が所定条件を満たす場合として、例えば、相関値が所定の閾値以上となる場合がある。
同様に、記憶部36には、接触幅Yの時間プロファイルについて予め定められた複数種の時間プロファイルのパターン(接触幅変化パターン)が記憶されており、各接触幅変化パターンに対して指令情報が対応付けて記憶されている。指令生成部50は、記憶部36を参照し、接触幅Yの時間プロファイルと、複数種の接触幅変化パターンのうちの1つの接触幅変化パターンとの近似度を求め、この近似度が所定条件を満たす場合には、その接触幅変化パターンに対応付けられた指令情報を記憶部36から取得する。
記憶部36には、指令生成部50が参照する情報として、中点位置変化パターンと接触幅変化パターンとの組み合わせについて、指令情報を対応付けた情報が記憶されていてもよい。この場合、中点位置座標Xの時間プロファイルおよび接触幅Yの時間プロファイルと、予め定められた組み合わせをなす中点位置変化パターンおよび接触幅変化パターンとの近似度が所定条件を満たす場合に、指令生成部50は、その接触幅変化パターンと中点位置変化パターンの組み合わせに対して対応付けられた指令情報を記憶部36から取得する。
また、指令生成部50は、XY平面上の操作点(X,Y)が時間経過と共に描く操作軌跡と、予め定められた複数種の基準軌跡のいずれかとの近似度が所定条件を満たす場合に、その基準軌跡に対応付けられた指令情報を求めてもよい。ここで、基準軌跡とは、XY平面上に定義された線状の図形をいう。近似度は、例えば、操作軌跡と基準軌跡との2次元相関値として定義される。この場合、記憶部36には、複数種の基準軌跡を表すデータが記憶され、各基準軌跡に対して指令情報が対応付けて記憶される。
指令生成部50は、記憶部36を参照し、操作軌跡と各基準軌跡との近似度を求める。複数種の基準軌跡のうち近似度が所定の条件を満たすものがある場合、指令生成部50は、記憶部36を参照し、その所定の条件を満たす基準軌跡に対応する指令情報を取得する。
図7(a)には、ユーザの指54が、探触子14の接触面56に接触しながら時間経過と共にx軸正方向かつz軸正方向に移動する様子が示されている。図7(a)の矢印58に示されているように、時間t=t0において中点位置座標Xおよび接触幅Yは、それぞれ、X=XaおよびY=Yaである。その後の時間t=t1において中点位置座標Xおよび接触幅Yは、それぞれ、X=XbおよびY=Ybである。Xa<XbおよびYa<Ybの関係があるため、操作軌跡は図7(b)に示されているように時間経過と共に右上に伸びる軌跡となる。
図8(a)には、ユーザの指54が、探触子14の接触面56を押下する力を時間経過と共に弱めながらx軸正方向に移動する様子が示されている。図8(a)の矢印60に示されているように、時間t=t0において中点位置座標Xおよび接触幅Yは、それぞれ、X=XaおよびY=Yaである。その後の時間t=t1において中点位置座標Xおよび接触幅Yは、それぞれ、X=XbおよびY=Ybである。Xa<XbおよびYa>Ybの関係があるため、操作軌跡は図8(b)に示されているように時間経過と共に右下に伸びる軌跡となる。
指令生成部50は、中点位置座標Xの時間変化率DX、接触幅Yの時間変化率DY、または、これらの組み合わせに基づいて指令情報を生成してもよい。中点位置座標Xの時間変化率DXは、例えば、1フレーム時間間隔当たりに中点位置座標Xが変化した値として定義され、接触幅Yの時間変化率DYは1フレーム時間間隔当たりに接触幅Yが変化した値として定義される。この場合、記憶部36には、中点位置座標Xの時間変化率DX、接触幅Yの時間変化率DY、または、これらの組み合わせに対して指令情報が対応付けて記憶される。
指令生成部50は、1フレーム時間間隔で接触領域検出部38から接触範囲情報が出力されるごとに中点位置座標Xの時間変化率DX、および、接触幅Yの時間変化率DYを求める。指令生成部50は記憶部36を参照し、中点位置座標Xの時間変化率DX、接触幅Yの時間変化率DY、または、これらの組み合わせに対応付けられた指令情報を取得する。
装置制御部28は、指令生成部50によって求められた指令情報に基づく動作が行われるよう、超音波診断装置を制御する。指令情報としては、表示部32に表示されたカーソル、ボタン等の操作を指令する情報等がある。
例えば、図9に示されているように、探触子14の接触面56に指54が接触し、矢印62に示されているように指54が接触面56を押下または解放する動きに対して、カーソルの上下方向の移動が対応付けられる。この場合、例えば、接触幅Yの時間変化率DYに対して、カーソルの上下方向の移動についての指令情報が対応付けられる。これによって、ユーザの指54が接触面56を押下または解放する動きに応じてカーソルが上下方向に移動する。
例えば、図9に示されているように、探触子14の接触面56に指54が接触し、矢印62に示されているように指54が接触面56を押下または解放する動きに対して、カーソルの上下方向の移動が対応付けられる。この場合、例えば、接触幅Yの時間変化率DYに対して、カーソルの上下方向の移動についての指令情報が対応付けられる。これによって、ユーザの指54が接触面56を押下または解放する動きに応じてカーソルが上下方向に移動する。
また、図9の矢印62に示されている指54の動きに対して、ボタンの選択、ボタンの押下、ボタンの解除等の指令情報が対応付けられてもよい。この場合、例えば、中点位置座標Xがほぼ一定であり、中点位置座標Xの時間変化率DXと0との相違が所定範囲内であるという条件の下、接触幅Yの時間変化率DYに対してボタンの選択、ボタンの押下、ボタンの解除、ドラッグ対象の図形の選択等についての指令情報が対応付けられる。これによって、ユーザの指54が接触面56を押下または解放する動きに応じてボタンの選択、ボタンの押下、ボタンの解除等が行われる。
さらに、図9の矢印64に示されているように、探触子14の接触面56に指54が接触し、その指がx軸方向に移動する動きに対してカーソルの左右方向への移動、選択された図形のドラッグ等の指令情報が対応付けられてもよい。この場合、例えば、中点位置座標Xの時間変化率DXに対して、カーソルを左右方向に移動させる指令情報が対応付けられる。これによって、ユーザの指54が接触面56上をx軸方向に滑る動きに応じてカーソルが左右方向に移動する。
(2−3)超音波診断装置の操作の具体例
図10には、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態に設定されたときに、表示部32に表示される画像の例が示されている。表示部32には、フリーズ画像66と共に、5つのボタン68およびシネメモリバー70が表示されている。5つのボタン68には、それぞれ、「静止画保存」、「動画保存」、「ボディマーク」、「ゲイン」、「フリーズOFF」と表示されている。カーソル72をいずれかのボタン68の位置まで移動させる指令情報に続き、そのボタン68を押下する指令情報が装置制御部28で生成されるように、ユーザが探触子上で指を動かすことで、そのボタン68に割り当てられた機能が実行される。例えば、「静止画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、フリーズ画像66を表す画像データを、日付、時刻、画像ファイル名等、その静止画像を管理するための情報を付加した上で記憶部36に記憶させる。「動画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、シネメモリ34に記憶されている複数フレームの断層画像データを動画像データとして記憶部36に記憶させる。この際、動画像データには、動画像を管理するための情報が付加される。このように過去の動画像データを保存する処理は、一般にレトロスペクティブと称される。また、次のような将来の動画像データを保存する処理が実行されてもよい。すなわち、「動画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、超音波診断装置の状態をソフトフリーズオン状態から通常状態に設定する。そして、時間経過と共に順次生成される断層画像データを、所定の複数フレームに亘って記憶部36に記憶する。このように将来の動画像データを保存する処理は、一般にプロスペクティブと称される。「ボディマーク」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、ボディマーク表示領域74にボディマークを表示する。ボディマークは、乳房部、腕等について被検体の標準的な組織形状を表す。超音波診断装置は、ユーザの操作に応じて、探触子の位置を示す図形をボディマークと共に表示してもよい。「ゲイン」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、ゲイン(画像の明るさ)が調整可能な状態に超音波診断装置の状態を設定する。「フリーズOFF」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、超音波診断装置の状態をソフトフリーズオン状態から通常状態に切り換える。
図10には、超音波診断装置がソフトフリーズオン状態に設定されたときに、表示部32に表示される画像の例が示されている。表示部32には、フリーズ画像66と共に、5つのボタン68およびシネメモリバー70が表示されている。5つのボタン68には、それぞれ、「静止画保存」、「動画保存」、「ボディマーク」、「ゲイン」、「フリーズOFF」と表示されている。カーソル72をいずれかのボタン68の位置まで移動させる指令情報に続き、そのボタン68を押下する指令情報が装置制御部28で生成されるように、ユーザが探触子上で指を動かすことで、そのボタン68に割り当てられた機能が実行される。例えば、「静止画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、フリーズ画像66を表す画像データを、日付、時刻、画像ファイル名等、その静止画像を管理するための情報を付加した上で記憶部36に記憶させる。「動画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、シネメモリ34に記憶されている複数フレームの断層画像データを動画像データとして記憶部36に記憶させる。この際、動画像データには、動画像を管理するための情報が付加される。このように過去の動画像データを保存する処理は、一般にレトロスペクティブと称される。また、次のような将来の動画像データを保存する処理が実行されてもよい。すなわち、「動画保存」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、超音波診断装置の状態をソフトフリーズオン状態から通常状態に設定する。そして、時間経過と共に順次生成される断層画像データを、所定の複数フレームに亘って記憶部36に記憶する。このように将来の動画像データを保存する処理は、一般にプロスペクティブと称される。「ボディマーク」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、ボディマーク表示領域74にボディマークを表示する。ボディマークは、乳房部、腕等について被検体の標準的な組織形状を表す。超音波診断装置は、ユーザの操作に応じて、探触子の位置を示す図形をボディマークと共に表示してもよい。「ゲイン」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、ゲイン(画像の明るさ)が調整可能な状態に超音波診断装置の状態を設定する。「フリーズOFF」のボタンが押下されるようにユーザが探触子上で指を動かすと、装置制御部28は、超音波診断装置の状態をソフトフリーズオン状態から通常状態に切り換える。
左右に直線状に伸びるシネメモリバー70は、シネメモリ34に記憶された複数フレームの断層画像データのうちいずれかを選択し、選択された断層画像を静止画像として表示させるための領域である。装置制御部28は、シネメモリバー70およびカーソル72を用いた操作が行われるように、ユーザが探触子上で指を動かすことで、次のように超音波診断装置を動作させる。すなわち、カーソル72をシネメモリバー70の上に位置させると、シネメモリバー70が選択される。その状態でカーソル72をシネメモリバー70上の右端に位置させるとフリーズ画像66が表示される。カーソル72をシネメモリバー70に沿って左に移動させていくと、過去に遡って1フレームずつ順次、断層画像データに基づく画像が入れ替わりながら表示される。カーソル72をシネメモリバー70に沿って右に移動させていくと、過去から未来(フリーズ画像が得られた時)に向かって1フレームずつ順次、断層画像データに基づく画像が入れ替わりながら表示される。カーソル72の動きが静止すると、カーソル72が静止した位置に対応する断層画像データに基づく画像が表示される。図10における「245/250」という表示は、シネメモリ34に250フレームの断層画像データが記憶されており、古い方から数えて245番目の断層画像が表示されていることを示す。
図11には、ボディマーク表示領域74に表示される乳房部のボディマークの例が示されている。図11(a)に示されているカーソル76が移動するようにユーザが探触子上で指を動かすことによって、図11(b)に示されているようにカーソル76がボディマーク表示領域74の枠に接すると、ボディマークは図11(a)に示されているマークから図11(b)に示されているマークに切り替えられる。
(2−4)指の離脱に応じた制御
上記では、探触子の接触面に接触したユーザの指の動きに応じて超音波診断装置を制御する処理について説明した。このような処理の他、ユーザの指が探触子から離れる動きに応じて超音波診断装置を制御する処理を実行してもよい。
上記では、探触子の接触面に接触したユーザの指の動きに応じて超音波診断装置を制御する処理について説明した。このような処理の他、ユーザの指が探触子から離れる動きに応じて超音波診断装置を制御する処理を実行してもよい。
図1に示される操作検出部30が備える接触判定部39は、ユーザの指が探触子14の接触面に接触しているか否かを判定する。ユーザの指が探触子14に接触しているか否かの判定は、整相加算部22から出力されたフレームデータと基準フレームデータとの相関値に基づいて行われる。基準フレームデータは、指が探触子14の接触面から離れている場合におけるフレームデータに相当し、予め接触判定部39に記憶されている。
基準フレームデータを概念的に白黒画像で表した場合、図12に示されているように、探触子近傍に多重エコーを表す濃淡の縞が現れる。接触判定部39は、フレームデータと基準フレームデータとの相関値を求める。接触判定部39は、相関値が所定の非接触閾値未満の値から非接触閾値以上の値となったときに、指が探触子14から離れている旨の非接触判定をし、その旨を示す非接触情報を装置制御部28に出力する。
なお、基準フレームデータは、異なる複数の計測条件のそれぞれについて接触判定部39に記憶されていてもよい。計測条件には、例えば、受信部20におけるゲイン、超音波の周波数、フォーカス深度(焦点位置)等がある。この場合、接触判定部39は、記憶された複数の基準フレームデータのうち、判定対象のフレームデータの計測条件に対応する基準フレームデータを選択し、判定に用いる。また、超音波診断装置は、探触子14が被検体18から離れた状態でフレームデータを生成することで基準フレームデータを生成し、接触判定部39に記憶させるキャリブレーションを実行してもよい。
また、装置制御部28における指令生成部50は、接触判定部39から非接触情報が出力されたときに、ボタンの押下、解除等の予め定められた指令情報を生成してもよい。これによって、ユーザの指が探触子14の接触面から離れる動きに応じて、装置制御部28は超音波診断装置に対して所定の指令を与える。
指令生成部50は、接触判定部39から所定時間内に所定回数だけ非接触情報が出力されたときに、ボタンの押下、解除等の予め定められた指令情報を生成してもよい。これによって、ユーザの指が探触子14を所定時間内に所定回数だけ軽く叩く動き(タップ)に応じて、装置制御部28は超音波診断装置に対して所定の指令を与える。
装置制御部28は、中点位置座標Xおよび接触幅Yと、非接触情報との組み合わせに応じて、図13に示されるようなスライド操作に基づく制御を実行してもよい。すなわち、指54を探触子14の接触面56上でx軸方向にスライドさせた後(S1)、指54を探触子14から離して接触面56上の元の位置に接触させ(S2)、再び指54をx軸方向にスライドさせる操作が繰り返されることに応じて、表示部に表示されたカーソルを継続的に移動させる制御を実行してもよい。
この場合、装置制御部28は、例えば、中点位置座標Xの時間変化率DXが所定値以上となったことが検出されたときに時間変化率DXに応じてカーソルを移動させる。それに引き続いて接触判定部39から非接触情報が出力されたことが検出された場合に、装置制御部28はカーソルを停止し、再び、中点位置座標Xの時間変化率DXが所定値以上となったときに、時間変化率DXに応じてカーソルを再び動かす。これによって、トラックボールやマウスによってカーソルを動かす操作と同様の操作が、探触子14の接触面に接触する指によって行われる。このような操作では、装置制御部28は、中点位置座標Xの時間変化率DXが大きい程、カーソルの動きが速くなるような処理を実行してもよい。
(2−5)指の静止に応じた制御
装置制御部28は、ユーザの指が探触子14の接触面上で所定の時間に亘って静止したことに応じて超音波診断装置を制御してもよい。指令生成部50は、中点位置座標Xの時間変化率DX、および、接触幅Yの時間変化率DYに基づいて、ユーザの指が探触子14の接触面上で所定時間以上静止したか否かを判定する。指令生成部50は、静止判定部としての機能を有し、ユーザの指が所定時間以上静止したときは、その旨の静止判定をする。記憶部36には、静止判定に対応する指令情報が予め記憶されている。指令生成部50は、静止判定がされたときは記憶部36を参照して指令情報を取得し、装置制御部28は、その指令情報に応じて超音波診断装置を制御する。
装置制御部28は、ユーザの指が探触子14の接触面上で所定の時間に亘って静止したことに応じて超音波診断装置を制御してもよい。指令生成部50は、中点位置座標Xの時間変化率DX、および、接触幅Yの時間変化率DYに基づいて、ユーザの指が探触子14の接触面上で所定時間以上静止したか否かを判定する。指令生成部50は、静止判定部としての機能を有し、ユーザの指が所定時間以上静止したときは、その旨の静止判定をする。記憶部36には、静止判定に対応する指令情報が予め記憶されている。指令生成部50は、静止判定がされたときは記憶部36を参照して指令情報を取得し、装置制御部28は、その指令情報に応じて超音波診断装置を制御する。
なお、整相加算部22から時間変化と共に順次出力されるフレームデータに基づいて、ユーザの指が探触子14の接触面上で静止したか否かを判定してもよい。この場合、図14に示されているように、操作検出部30には、フレーム間相関演算部40が設けられる。整相加算部22からは、時間変化と共に順次、フレーム間相関演算部40にフレームデータが出力される。フレーム間相関演算部40は、最新のフレームデータと、1フレーム前のフレームデータとの相関値を求め、このフレーム間相関値を装置制御部28に出力する。指令生成部50は、フレーム間相関演算部40がフレーム間相関値を出力するごとに、フレーム間相関値が過去に遡って所定時間の間閾値未満であったか否かを判定する。そして、フレーム間相関値が過去に遡って所定時間の間閾値未満である場合には、その旨の静止判定をする。
図1および図14に示されている装置制御部28は、静止判定および非接触判定の組み合わせに基づいて、超音波診断装置を制御してもよい。例えば、静止判定に続き非接触判定がされたこと(静止・非接触判定がされたこと)に応じて、ボタンの選択、ボタンの押下、ボタンの解除等の指令情報を実行してもよい。記憶部36には、静止・非接触判定がされたことに対する指令情報が対応付けられている。指令生成部50は、静止・非接触判定がされたときは、記憶部36を参照して指令情報を取得し、装置制御部28は、その指令情報に応じて超音波診断装置を制御する。
上記では、探触子14の接触面に接触したユーザの指の動きに応じて、ソフトフリーズオン状態にある超音波診断装置を制御する処理について説明した。この処理は、通常状態において実行してもよい。例えば、静止・非接触判定がなされたことに応じて、通常状態からソフトフリーズオン状態に切り換える処理を実行してもよい。これによって、ユーザが指を所定時間だけ探触子14の接触面に接触させて静止させた後、指を探触子14から離すという簡単な操作で、超音波診断装置の動作状態が通常状態からソフトフリーズオン状態に設定される。また、所望の操作を行うに際して、指を探触子14の接触面上で静止させ、さらに、指を探触子14から離すという2つの操作が必要となるため、誤った操作が行われる可能性が低くなる。
(2−6)複数の指による超音波診断装置の操作
また、上記では、X1≦x≦X2を満たすxの範囲で表される接触領域のように、1つの接触領域が検出される例について説明した。検出される接触領域は2つ以上であってもよい。例えば、指令生成部50は、X1≦x≦X2を満たすxの範囲で表される第1の接触領域と、X3≦x≦X4を満たすxの範囲で表される第2の接触領域に応じて、指令情報を求めてもよい。
また、上記では、X1≦x≦X2を満たすxの範囲で表される接触領域のように、1つの接触領域が検出される例について説明した。検出される接触領域は2つ以上であってもよい。例えば、指令生成部50は、X1≦x≦X2を満たすxの範囲で表される第1の接触領域と、X3≦x≦X4を満たすxの範囲で表される第2の接触領域に応じて、指令情報を求めてもよい。
例えば、第1の接触領域および第2の接触領域の2つの接触領域が検出されたことに対して指令情報が求められてよい。また、第1の接触領域の中点位置座標と、第2の接触領域の中点位置座標の距離またはその時間変化に対応して指令情報が求められてもよい。
これによって、図15に示されているように、2本の指54が探触子14の接触面56をタップし、2本の指54が探触子14の接触面56に接触することで、装置制御部28における表示処理部48は、表示部32に表示される画像を拡大表示する状態となる。表示処理部48は、2本の指54が探触子14の接触面56に接触した状態で、2本の指54の間の距離が変化したことに応じて、画像を拡大しまたは縮小してもよい。例えば、2本の指54の間の距離が広げられたときは画像を拡大し、2本の指54の間の距離が狭めれたときは画像を縮小してもよい。
また、2本の指54が探触子14の接触面56をタップして、2本の指が探触子14の接触面56に接触することで、装置制御部28は、画像を表示する際のゲインを変化させる状態となる。2本の指54が探触子14の接触領域に接触した状態で、2本の指54の間の距離が変化したことに応じて、表示処理部48はゲインを増加させまたは減少させてもよい。例えば、2本の指54の間の距離が広げられたときはゲインを増加させ、2本の指54の間の距離が狭めれたときはゲインを減少させてもよい。
(3)その他の変形例
上記では、接触領域検出部38が、複数の受信ビームラインのうち、受信強度が所定の受信閾値以上となるx座標値の範囲を接触範囲として求める処理について説明した。このような処理の他、接触領域検出部38は、各受信ラインデータと基準ラインデータとの相関値を求め、相関値が所定閾値未満となるx座標値の範囲を、接触範囲として求める処理を実行してもよい。基準ラインデータは、探触子14が被検体18から離れている場合における受信ラインデータに相当し、予め接触判定部39に記憶されている。
上記では、接触領域検出部38が、複数の受信ビームラインのうち、受信強度が所定の受信閾値以上となるx座標値の範囲を接触範囲として求める処理について説明した。このような処理の他、接触領域検出部38は、各受信ラインデータと基準ラインデータとの相関値を求め、相関値が所定閾値未満となるx座標値の範囲を、接触範囲として求める処理を実行してもよい。基準ラインデータは、探触子14が被検体18から離れている場合における受信ラインデータに相当し、予め接触判定部39に記憶されている。
図16には、各受信ラインデータと基準ラインデータとの相関値に基づいて接触範囲を求める処理が概念的に示されている。フレームデータにおけるXα≦x≦Xβの範囲には、ユーザの指54のエコー像82が現れている。一方、x<Xαおよびx>Xβの範囲には、探触子14の接触面56が解放されていることに基づく多重エコーが現れている。フレームデータについては、各受信ラインデータ84と基準ラインデータ86との相関値が求められる。そして、相関値が所定閾値未満となるx座標値の範囲が接触範囲として求められる。図16に示されている例では、Xα≦x≦Xβの範囲が接触範囲として求められる。
なお、上記では、ユーザの指によって超音波診断装置を操作する実施形態について説明した。ユーザの指に換えて超音波を反射する材料で形成された操作ツールによって、超音波診断装置を操作してもよい。すなわち、指、超音波反射部材等の物体によって超音波診断装置を操作してもよい。
上記では、操作検出部30が、整相加算部22から出力されるフレームデータに基づいて、探触子14に接触する物体の状態に関する情報を生成し、装置制御部28に出力する実施形態について説明した。操作検出部30は、受信された超音波に基づいて超音波診断装置内で生成されるその他の受信信号に基づく処理を実行してもよい。例えば、整相加算部22から出力されるフレームデータに代えて、超音波画像生成部24から出力される断層画像データ、あるいはDSC26から出力されるビデオ信号が、操作検出部30で用いられてもよい。
10 送受信制御部、12 送信部、14 探触子、16 振動素子、18 被検体、20 受信部、22 整相加算部、24 超音波画像生成部、26 ディジタルスキャンコンバータ(DSC)、28 装置制御部、30 操作検出部、44 状態設定部、48 表示処理部、50 指令生成部、32 表示部、34 シネメモリ、36 記憶部、38 接触領域検出部、39 接触判定部、40 フレーム間相関演算部、54 指、56 接触面、66 フリーズ画像、68 ボタン、70 シネメモリバー。
Claims (7)
- 超音波診断装置において、
物体で反射し探触子で受信された超音波に基づく受信信号を生成する受信部と、
前記受信信号に基づいて、前記探触子における前記物体が接触している接触領域を検出する接触領域検出部と、
前記接触領域が占める範囲に基づいて前記超音波診断装置に指令を与える装置制御部と、を備えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記探触子は、所定方向に配列された複数の振動子を備え、
前記装置制御部は、
前記接触領域の振動子配列方向における位置に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記探触子は、所定方向に配列された複数の振動子を備え、
前記装置制御部は、
前記接触領域の振動子配列方向の長さに基づいて、前記超音波診断装置に指令を与えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項3に記載の超音波診断装置において、
前記装置制御部は、
前記接触領域の振動子配列方向における位置に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記装置制御部は、
前記接触領域が複数ある場合に、隣接する前記接触領域の間の距離に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記装置制御部は、
前記接触領域が占める範囲の時間変化に基づいて、前記超音波診断装置に指令を与えることを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の超音波診断装置において、
前記受信信号に基づいて前記探触子から見て前記物体が静止したか否かを判定する静止判定部と、
前記受信信号に基づいて前記物体が前記探触子から離れたか否かを判定する接触判定部と、を備え、
前記装置制御部は、
前記静止判定部によって前記探触子から見て前記物体が静止したことが検出された後所定時間内に、前記接触判定部によって前記物体が前記探触子から離れたことが検出された場合に、これらの検出に対応した指令を前記超音波診断装置に与えることを特徴とする超音波診断装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2021056209A (ja) * | 2019-09-24 | 2021-04-08 | 株式会社東芝 | 処理システム、処理方法、プログラム、及び記憶媒体 |
-
2016
- 2016-06-10 JP JP2016115885A patent/JP2017217336A/ja active Pending
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