JP2017011332A - 転送装置、無線基地局、無線通信システムおよび転送方法 - Google Patents

転送装置、無線基地局、無線通信システムおよび転送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】データの送信に使用する通信経路の変更を制御してデータの伝送効率の低下を抑制可能な転送装置を得ること。【解決手段】第1の通信システムでデータを送受信する第1の基地局と、第2の通信システムでデータを送受信する第2の基地局と、第1の端末から受信したデータを第1の基地局または第2の基地局を経由して第2の端末へ送信する転送装置とを備える無線通信システムにおける転送装置300であって、第1の通信システムでのデータの再送回数によってデータの転送先の基地局を判定するための閾値である転送装置再送閾値を記憶する記憶部309と、データの再送回数と転送装置再送閾値とを比較した比較結果と、第2の通信システムの輻輳状態とに基づいて、第1の端末から受信したデータを第1の基地局経由または第2の基地局経由で第2の端末へ送信するかを決定する転送制御部308と、を備える。【選択図】図16

Description

本発明は、端末から受信したデータを複数ある通信経路のうちの1つ以上へ転送する転送装置、無線基地局、無線通信システムおよび転送方法に関する。
近年の通信トラヒックの急増に伴い、車、列車および航空機などの高速移動通信環境において、スループット増大の要求が高まっており、データの大容量伝送が必要とされている。大容量伝送を実現するためには単に伝送路の大容量化を図るだけでなく、データの再送時間の短縮や再送回数の低減が必要である。再送データの存在が新規データの送信を妨げる要因となるためである。
一般的に、通信装置では、下位レイヤで上位レイヤの再送制御をサポートすることで、上位レイヤでのデータの再送回数の低減および再送時間の短縮を図ることができる。一方、伝送路の無線品質が著しく劣悪な場合には、通信装置が無線品質の良い伝送路に切り替えてデータの再送を行うことでデータの伝送効率を向上できることもある。下記特許文献1では、無線送受信装置は、データの再送回数に応じて使用するデータチャネルを変更することで、再送データの伝送時間を短縮する技術が開示されている。
特開平9−69828号公報
しかしながら、上記従来の技術によれば、変更後に使用されるデータチャネルの状態によってはデータチャネルを変更しないほうが良い場合がある。例えば、変更後に使用されるデータチャネルが輻輳している場合、データチャネルを変更することによって伝送時間が延びて伝送効率が低下する可能性がある、という問題があった。また、データチャネルを変更する基準となる再送回数が固定されているため、再送回数の設定によっては容易に輻輳しているデータチャネルに変更する可能性がある、という問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の通信経路を有する無線通信システムにおいて、データの送信に使用する通信経路の変更を制御してデータの伝送効率の低下を抑制可能な転送装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、第1の通信システムでデータを送受信する第1の基地局と、第2の通信システムでデータを送受信する第2の基地局と、第1の端末から受信したデータを第1の基地局または第2の基地局を経由して第2の端末へ送信する転送装置とを備える無線通信システムにおける転送装置である。転送装置は、第1の通信システムでのデータの再送回数によってデータの転送先の基地局を判定するための閾値である転送装置再送閾値を記憶する転送装置記憶部を備える。また、転送装置は、データの再送回数と転送装置再送閾値とを比較した比較結果と、第2の通信システムの輻輳状態とに基づいて、第1の端末から受信したデータを第1の基地局経由または第2の基地局経由で第2の端末へ送信するかを決定する転送制御部を備える。
本発明によれば、複数の通信経路を有する無線通信システムにおいて、データの送信に使用する通信経路の変更を制御してデータの伝送効率の低下を抑制できる、という効果を奏する。
実施の形態1にかかる無線通信システムの構成例を示す図 実施の形態1にかかるデータ系端末の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかるデータ系端末が送信するデータパケットの構成例を示す図 実施の形態1にかかるデータ系端末が送信するデータのパケットに付加されるIPヘッダのフォーマットの例を示す図 実施の形態1にかかるデータ系端末が送信するデータのパケットに付加されるTCPヘッダのフォーマットを示す図 実施の形態1にかかるデータ系端末においてデータパケットをフレーム化したデータフレームの構成例を示す図 実施の形態1にかかるデータ系端末のTCP/IP部からデータパケットを送信する場合の動作を示すフローチャート 実施の形態1にかかるデータ系端末のTCP/IP部が車載端末からデータパケットを受信した場合の動作を示すフローチャート 実施の形態1にかかる位置情報管理サーバの構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかる位置情報管理サーバのIP部が保持する列車情報の例を示す図 実施の形態1にかかる位置情報管理サーバのIP部が保持するLCX基地局情報の例を示す図 実施の形態1にかかる位置情報管理サーバのIP部が保持するミリ波基地局情報の例を示す図 実施の形態1にかかる列車が送信する位置情報登録要求メッセージの構成例を示す図 実施の形態1にかかる位置情報管理サーバのIP部が生成する位置情報更新通知の構成例を示す図 実施の形態1にかかる位置情報管理サーバのIP部の動作を示すフローチャート 実施の形態1にかかる転送装置の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかる転送装置のTCP/IP部が保持する更新前のアドレス情報の例を示す図 実施の形態1にかかる転送装置のTCP/IP部が保持する更新後のアドレス情報の例を示す図 実施の形態1にかかるミリ波基地局の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかるLCX基地局の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかる車載端末の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかる転送装置の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかるLCX移動局の構成例を示すブロック図 実施の形態1にかかるミリ波移動局の構成例を示すブロック図 実施の形態にかかる列車のミリ波移動局がハンドオーバしたときの動作を示すフローチャート 実施の形態1にかかる無線通信システムにおいて、データ系端末から車載端末へデータを送信する際のデータのフローを示すシーケンス図 実施の形態1の転送装置のTCP/IP部がデータパケットの転送先を決定する処理を示すフローチャート 実施の形態1にかかる転送装置のTCP/IP部がカプセル化したデータパケットの構成例を示す図 実施の形態1にかかるLCX基地局において輻輳が発生および解消したときのIP部の動作を示すフローチャート 実施の形態1にかかる転送装置においてLCX基地局へのデータの転送の停止および再開するTCP/IP部の動作を示すフローチャート 実施の形態1にかかる転送装置のTCP/IP部を実現する処理回路の構成例を示す図 実施の形態2にかかるミリ波基地局の構成例を示すブロック図 実施の形態2にかかるミリ波移動局の構成例を示すブロック図 実施の形態2にかかる無線通信システムにおいてデータリンク層で送受信されるフレームの構成例を示す図 実施の形態2にかかるORIヘッダに再送制御情報を格納した値の例を示す図 実施の形態2のミリ波基地局のORI部が再送データフレームの転送先を決定する処理を示すフローチャート 実施の形態2にかかる無線通信システムにおいてミリ波基地局からLCX通信システムを経由してデータフレームをミリ波移動局へ送信する処理を示すシーケンス図
以下に、本発明の実施の形態にかかる転送装置、無線基地局、無線通信システムおよび転送方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる無線通信システム1の構成例を示す図である。無線通信システム1は、漏洩同軸ケーブルであるLCX(Leaky CoaXial cable)501を用いて無線通信を行うLCX通信システムと、ミリ波を搬送波とする無線通信を行うミリ波通信システムとを併設し、異なる無線通信方式の通信システムを協調してデータの送受信を行うシステムである。ここでは、地上側のデータ系端末200と列車1000に搭載された車載端末1100との間でデータの送受信を行う列車無線システムを例にして説明する。なお、図1では、列車が列車1000の1つのみであるが、一例であり、地上側のデータ系端末200は、複数の列車の車載端末と通信を行うことが可能である。なお、ミリ波通信システムを第1の通信システムとし、LCX通信システムを第2の通信システムとする。
ミリ波通信システムは、ミリ波帯の広帯域な周波数を用いることで大容量伝送を実現できる。一方、ミリ波通信システムでは、使用されるアンテナの指向性が強く、またミリ波基地局やミリ波移動局から離れるほど伝搬減衰が大きくなる特徴がある。LCX通信システムに使用されるLCX501は、線路沿いに敷設され、一部の列車無線システムに既設されている。LCX通信システムは、LCX501と列車1000とが常に近い位置で通信できる特徴があり、距離による伝搬減衰の影響を受けず高品質な無線通信が可能である。LCX通信システムによる通信の無線品質はミリ波通信システムによる通信の無線品質よりも良く、ミリ波通信システムによる通信の伝送容量はLCX通信システムによる通信の伝送容量よりも大容量である。
つぎに、無線通信システム1の地上側の設備について説明する。無線通信システム1では、地上側に、列車1000の位置情報を管理する位置情報管理サーバ100と、指令局などに設置され、車載端末1100との間でデータの送受信を行うデータ系端末200と、データ系端末200から受信したデータをいずれかの基地局へ転送し、いずれかの基地局から受信したデータをデータ系端末200へ転送する転送装置300と、地上側に設置された各装置間の通信において使用されるIP(Internet Protocol)ネットワーク400と、LCX通信システムで使用される無線基地局であるLCX基地局500と、ミリ波通信システムで使用される無線基地局であるミリ波基地局600,700,800と、を備える。転送装置300は、一例として、位置情報管理サーバ100およびデータ系端末200とは光ケーブルで接続されているものとする。また、図1では、転送装置300は1つのデータ系端末200と接続しているが、一例であり、複数のデータ系端末200と接続することが可能である。
LCX基地局500は、微弱な電波が漏れ出るように設計されアンテナとして機能するLCX501を用いて列車1000側とデータの送受信を行い、カバーエリアであるセル550を形成する。ミリ波基地局600は、アンテナ601を用いて列車1000側とデータの送受信を行い、カバーエリアであるセル650を形成する。ミリ波基地局700は、アンテナ701を用いて列車1000側とデータの送受信を行い、カバーエリアであるセル750を形成する。ミリ波基地局800は、アンテナ801を用いて列車1000側とデータの送受信を行い、カバーエリアであるセル850を形成する。
つぎに、列車1000の構成について説明する。列車1000は、データ系端末200との間でデータの送受信を行う車載端末1100と、車載端末1100から受信したデータをいずれかの移動局へ転送し、いずれかの移動局から受信したデータを車載端末1100へ転送する転送装置1200と、列車1000内の各装置間の通信において使用されるLAN(Local Area Network)1300と、LCX通信システムで使用される無線基地局であるLCX移動局1400と、ミリ波通信システムで使用される無線基地局であるミリ波移動局1600と、を備える。
LCX移動局1400は、アンテナ1401を備え、アンテナ1401を介してLCXケーブル501経由で地上側のLCX基地局500とデータの送受信を行う。ミリ波移動局1600は、アンテナ1601を備え、アンテナ1601を介して地上側のいずれかのミリ波基地局600〜800とデータの送受信を行う。列車1000は、列車1000が在線しているセルを形成しているいずれかのミリ波基地局600〜800とデータの送受信を行う。なお、列車1000がある基地局のセル内に存在することを在線するとし、以降についても同様とする。ミリ波移動局1600は、列車1000がセル650のエリアに在線している場合は地上側のミリ波基地局600とデータの送受信を行い、列車1000がセル750のエリアに在線している場合は地上側のミリ波基地局700とデータの送受信を行い、列車1000がセル850のエリアに在線している場合は地上側のミリ波基地局800とデータの送受信を行う。
無線通信システム1では、ミリ波基地局600〜800の3つでカバーするエリアよりも広いエリアを1つのLCX基地局500がカバーする。無線通信システム1では、セル550は、セル650,750,850とエリアが重複している。また、ミリ波基地局600〜800では、セル650とセル750は一部重複しており、セル750とセル850は一部重複している。そのため、列車1000が2つのエリア、すなわちセル650とセル750、またはセル750とセル850に在線している場合、ミリ波移動局1600は、地上側の2つのミリ波基地局とデータの送受信が可能である。このとき、列車1000では、LCX移動局1400を用いて地上側のLCX基地局500との通信も可能である。列車1000は、セル650,750,850に在線している場合、1つまたは2つのミリ波基地局との通信が可能であるとともに、LCX基地局500との通信が可能である。
データ系端末200と車載端末1100は、地上側のミリ波基地局600〜800、LCX基地局500のいずれかを経由する通信経路でデータの送受信を行う。
なお、図1に示す無線通信システム1では、LCX通信システムの基地局がLCX基地局500の1つのみとしているが、一例であり、一般的には複数のLCX基地局を備える。複数のLCX基地局が存在する構成の場合でも、1つのLCX基地局がカバーするエリアは1つのミリ波基地局がカバーするエリアよりも広く、複数のミリ波基地局でカバーするエリアを1つのLCX基地局がカバーするものとする。
つづいて、各装置の構成について説明する。
図2は、実施の形態1にかかるデータ系端末200の構成例を示すブロック図である。データ系端末200は、イーサネット(登録商標)部202と、MAC(Media Access Control)部203と、TCP(Transmission Control Protocol)/IP部204と、を備える。図2に示すデータ系端末200の構成は、OSI(Open Systems Interconnection)参照モデルの各階層の機能をプロトコルスタックの形式で表したものである。以降で説明する各装置の構成についても同様とする。
イーサネット部202は、光通信を行う場合の物理層の機能を有し、転送装置300から受信したデータフレームおよび送達確認フレームの光信号を電気信号に変換および復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをMAC部203へ受け渡す。また、イーサネット部202は、MAC部203から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調および電気信号から光信号に変換して転送装置300へ送信する。イーサネット部202は、例えば、光通信用のインタフェースカードによって構成される。
送達確認とは、データを正常に受信できた場合の応答であるACK(Acknowledgement)、またはデータを正常に受信できなかった場合の応答であるNACK(Negative Acknowledgement)である。
MAC部203は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部202から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからMACヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをTCP/IP部204へ受け渡す。また、MAC部203は、TCP/IP部204から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化し、フレーム化したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部202へ受け渡す。MAC部203は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
TCP/IP部204は、トランスポート層およびネットワーク層の機能を有し、車載端末1100へ送信するデータにTCPヘッダおよびIPヘッダを付加してデータパケットを生成し、生成したデータパケットをMAC部203へ受け渡す。TCP/IP部204は、MAC部203から受け取ったデータパケットからTCPヘッダおよびIPヘッダを取り除いて車載端末1100からのデータを抽出する。また、TCP/IP部204は、車載端末1100からのデータを抽出すると、ACKまたはNACKを示す送達確認パケットを生成し、生成した送達確認パケットをMAC部203へ受け渡す。TCP/IP部204は、車載端末1100から受け取った送達確認パケットがNACKであった場合、NACKで示されたシーケンス番号のデータパケットの再送制御を行う。TCP/IP部204は、例えば、TCP/IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
データ系端末200および車載端末1100は、TCP/IPで通信を行う終端装置である。データ系端末200および車載端末1100が送信するデータのパケット構成は同一のため、データ系端末200が送信するデータを例にしてパケット構成を説明する。図3は、実施の形態1にかかるデータ系端末200が送信するデータパケットの構成例を示す図である。データ系端末200が送信するデータパケットは、IPヘッダ210の後にTCPヘッダ220があり、TCPヘッダ220の後にアプリケーションデータ230がつく構成である。
図4は、実施の形態1にかかるデータ系端末200が送信するデータのパケットに付加されるIPヘッダ210のフォーマットの例を示す図である。IPヘッダ210は、バージョン領域21a、ヘッダ長領域21b、サービスタイプ領域21c、パケット長領域21d、ID(IDentification)領域21e、フラグ領域21f、フラグメント・オフセット領域21g、生存時間領域21h、プロトコル番号領域21i、ヘッダチェックサム領域21j、送信元IPアドレス領域21k、宛先IPアドレス領域21l、オプション領域21mから構成される。図4に示すIPヘッダ210のフォーマットは、TCP/IP通信において一般的に使用されているフォーマットと同じである。そのため、各領域の詳細については、以降の説明で必要に応じて適宜説明する。なお、IPはOSI参照モデルのネットワーク層のプロトコルであり、ここではバージョン4であるIPv4を想定している。
図5は、実施の形態1にかかるデータ系端末200が送信するデータのパケットに付加されるTCPヘッダ220のフォーマットを示す図である。TCPヘッダ220は、送信元ポート番号領域22a、宛先ポート番号領域22b、シーケンス番号領域22c、確認応答(ACK)番号領域22d、データオフセット領域22e、現在は未使用のbitについての予約領域22f、コントロールフラグ領域22g、ウィンドウサイズ領域22h、チェックサム領域22i、緊急ポインタ領域22j、オプション領域22kから構成される。オプション領域22kで余りがある場合、残りは全て0でパディングにする。図5に示すTCPヘッダ220のフォーマットは、TCP/IP通信において一般的に使用されているフォーマットと同じである。そのため、各領域の詳細については、以降の説明で必要に応じて適宜説明する。
TCPは、OSI参照モデルのトランスポート層において高信頼通信をサポートするプロトコルである。TCPヘッダにはデータを受信した側の確認応答であるACKおよびデータのシーケンス番号などの再送制御情報が含まれている。これによりTCPでは、高信頼通信をサポートしている。実施の形態1では、一例として、アプリケーションデータ230が1000Byte、TCPヘッダ220が20Byte、IPヘッダ210がオプションなしのIPv4ヘッダの場合で20Byteの合計1040Byteから構成されるTCP/IPパケットのデータパケットを、データ系端末200から送信するものとする。
ここで、MAC部203において、TCP/IP部204から受け取ったデータパケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化したときのフレーム構成について説明する。図6は、実施の形態1にかかるデータ系端末200においてデータパケットをフレーム化したデータフレームの構成例を示す図である。無線通信システム1においてデータリンク層で送受信されるフレームの構成を示すものである。データフレームは、MACヘッダ250、データ260、およびFCS(Frame Check Sequence)270により構成される。また、MACヘッダ250は、6Byte長の送信元IDを格納するための送信元ID領域251、6Byte長の宛先IDを格納するための宛先ID領域252、MAC250ヘッダからFCS270までの全フレーム長を示す2Byte長のフレーム長情報を格納するためのフレーム長領域253、およびフレームの種類を示す2Byte長のタイプ情報を格納するためのタイプ領域254により構成される。タイプ領域254に格納される値は、そのフレームがアプリケーションデータを含むフレームであるのか、ACKフレームであるのか、またはNACKであるのかを示す。例えば、値が「0」であればアプリケーションデータ、「1」であればACK、「2」であればNACKとする。
MAC部203は、TCP/IP部204から受け取ったデータパケットをデータ260とし、データ260の前にMACヘッダ250、データ260の後にFCS270を付加してデータフレームを生成する。また、MAC部203は、イーサネット部202から受け取った図6に示すデータフレームからMACヘッダ250およびFCS270を取り除き、データ260である図3に示す状態のデータパケットを抜き取る。
なお、図6に示すデータフレームの構成は一例であり、実施の形態1においてフレームの構成については限定せず、例えば、イーサネット2で規定されているフレーム形式、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3で規定されているフレーム形式などを用いてもよい。
データ系端末200のTCP/IP部204の動作をフローチャートに基づいて説明する。図7は、実施の形態1にかかるデータ系端末200のTCP/IP部204からデータパケットを送信する場合の動作を示すフローチャートである。データ系端末200のTCP/IP部204は、データパケットを生成し(ステップS1)、生成したデータパケットを車載端末1100宛に送信する(ステップS2)。TCP/IP部204は、車載端末1100からNACKを受信すると(ステップS3)、NACKで示されたデータパケットを再送する(ステップS4)。
図8は、実施の形態1にかかるデータ系端末200のTCP/IP部204が車載端末1100からデータパケットを受信した場合の動作を示すフローチャートである。データ系端末200のTCP/IP部204は、車載端末1100からデータパケットを正常に受信した場合(ステップS5:Yes)、ACKの送達確認を生成して車載端末1100宛に送信する(ステップS6)。TCP/IP部204は、車載端末1100からデータパケットを正常に受信できなかった場合(ステップS5:No)、NACKの送達確認を生成して車載端末1100宛に送信する(ステップS7)。
つぎに、位置情報管理サーバ100の構成について説明する。図9は、実施の形態1にかかる位置情報管理サーバ100の構成例を示すブロック図である。位置情報管理サーバ100は、イーサネット部102と、MAC部103と、IP部104と、MAC部105と、イーサネット部106と、を備える。
イーサネット部102は、IPネットワーク400で通信を行う場合の物理層の機能を有し、列車1000から送信されてIPネットワーク400経由で受信した位置情報登録要求メッセージのフレームを復調し、復調した位置情報登録要求メッセージのフレームをMAC部103へ受け渡す。イーサネット部102は、例えば、IPネットワークによる通信用のインタフェースカードによって構成される。
MAC部103は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部102から受け取った位置情報登録要求メッセージのフレームからMACヘッダなどを取り除き、位置情報登録要求メッセージのパケットをIP部104へ受け渡す。MAC部103において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。MAC部103は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
IP部104は、ネットワーク層の機能を有し、MAC部103から受け取った位置情報登録要求メッセージに基づいて列車1000の位置情報を管理する。また、IP部104は、列車1000の位置が更新された場合、列車1000の位置情報を転送装置300へ通知するための位置情報更新通知のパケットを生成し、生成した位置情報更新通知のパケットをMAC部105へ受け渡す。IP部104は、例えば、IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
MAC部105は、データリンク層の機能を有し、IP部104から受け取った位置情報更新通知のパケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化し、フレーム化した位置情報更新通知をイーサネット部106へ受け渡す。MAC部105において対象とするフレームの構成は、図6に示すフレーム構成と同様である。MAC部105は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
イーサネット部106は、光通信を行う場合の物理層の機能を有し、MAC部105から受け取った位置情報更新通知のフレームを変調および電気信号から光信号に変換して転送装置300へ送信する。イーサネット部106は、例えば、光通信用のインタフェースカードによって構成される。
位置情報管理サーバ100では、IP部104は、複数ある列車の1編成ごとの位置情報を管理している。IP部104は、各列車のアドレス、地上側のLCX基地局のアドレス、地上側のミリ波基地局のアドレスの情報を保持している。図10は、実施の形態1にかかる位置情報管理サーバ100のIP部104が保持する列車情報の例を示す図である。列車情報は、各列車のIDを示す編成ID111,112,113と、各列車に搭載された車載端末と転送装置との間のネットワークのネットワークアドレスである車内ネットワークアドレス114,115,116との対応を示すものである。図11は、実施の形態1にかかる位置情報管理サーバ100のIP部104が保持するLCX基地局情報の例を示す図である。LCX基地局情報は、LCX基地局のIDを示すLCX基地局ID117,118,119と、LCX基地局のIPアドレス120,121,122との対応を示すものである。図12は、実施の形態1にかかる位置情報管理サーバ100のIP部104が保持するミリ波基地局情報の例を示す図である。ミリ波基地局情報は、ミリ波基地局のIDを示すミリ波基地局ID123,124,125と、ミリ波基地局のIPアドレス126,127,128との対応を示すものである。
図10に示す編成ID111の1000、図11に示すLCX基地局ID117の500、および図12に示すミリ波基地局ID123〜125の600〜800は、図1に示す列車1000、LCX基地局500、ミリ波基地局600〜800に付加した符号と一致させている。
無線通信システム1において、列車1000、具体的にはミリ波移動局1600またはLCX移動局1400は、セルを移動、すなわちハンドオーバする度に、在線している基地局である在線基地局が変更になったことを通知するための位置情報登録要求メッセージを生成し、生成した位置情報登録要求メッセージを位置情報管理サーバ100へ送信する。図13は、実施の形態1にかかる列車1000が送信する位置情報登録要求メッセージの構成例を示す図である。位置情報登録要求メッセージには、制御情報130、位置情報登録要求メッセージを送信した列車の編成ID131、およびその列車がハンドオーバした先の基地局ID132の情報が含まれる。図13は、列車1000がセル750からセル650へ移動、すなわちミリ波基地局700からミリ波基地局600へハンドオーバした場合の例を示すものである。この場合、制御情報130は位置情報登録要求メッセージであることを示す値として例えば「3」、編成ID131は「1000」、基地局ID132は「600」となる。
列車1000では、ミリ波移動局1600が位置情報登録要求メッセージを生成し、地上側のミリ波基地局600へ送信する。実際には、図13に示す位置情報登録要求メッセージの内容は図3に示すアプリケーション230の内容に相当し、列車1000からは、図13に示す位置情報登録要求メッセージの内容に、IPヘッダ210、TCPヘッダ220、さらに図6に示すMACヘッダ250、FCS270に相当するものが付加されて送信されてくることになる。なお、列車1000は、ここではLCX基地局についてはハンドオーバしていないものとするが、LCX基地局についてもハンドオーバした場合は、LCX移動局1400が位置情報登録要求メッセージを生成し、地上側のLCX基地局500へ送信する。列車1000側の動作については後述する。
位置情報管理サーバ100は、列車1000から送信された位置情報登録要求メッセージのフレームを、ミリ波基地局600およびIPネットワーク400経由で受信する。位置情報管理サーバ100では、イーサネット部102で位置情報登録要求メッセージのフレームを復調し、MAC部103で復調された位置情報登録要求メッセージのフレームからMACヘッダなどを取り除き、図3に示すパケット状態の位置情報登録要求メッセージをIP部104へ受け渡す。
IP部104は、図13に示す位置情報登録要求メッセージの情報を検索キーとして、図10〜図12に示す情報からハンドオーバした列車1000の車内ネットワークアドレスおよびハンドオーバ先基地局であるミリ波基地局600のIPアドレスを検索する。前述のように位置情報登録要求メッセージで通知される情報は、編成ID131は「1000」、基地局ID132は「600」である。IP部104は、位置情報登録要求メッセージから列車1000がミリ波基地局600へハンドオーバしたことを把握し、図10の情報から該当する列車1000の車内ネットワークアドレス「192.168.1.0」、図12の情報からミリ波基地局600のIPアドレス「192.168.31.6」の情報を取得する。
IP部104は、取得した各アドレスの情報を用いて、列車1000の位置情報の更新を通知するためのパケットである位置情報更新通知を生成し、生成した位置情報更新通知を転送装置300へ送信する。図14は、実施の形態1にかかる位置情報管理サーバ100のIP部104が生成する位置情報更新通知の構成例を示す図である。位置情報更新通知には、制御情報133、ハンドオーバした列車の編成ID134、その列車の車内ネットワークアドレス135、ハンドオーバ先LCX基地局のIPアドレス136、およびハンドオーバ先ミリ波基地局のIPアドレス137の情報が含まれる。IP部104は、列車1000がセル650を形成するミリ波基地局600にハンドオーバしたことから、制御情報133には位置情報登録要求メッセージであることを示す値として例えば「4」を格納し、編成ID134に列車1000を示す「1000」、車内ネットワークアドレス135に列車1000の車内ネットワークアドレスを示す「192.168.1.0」、ハンドオーバ先LCX基地局IPアドレス136にはハンドオーバをしていないことを示す「0」、ハンドオーバ先ミリ波基地局IPアドレス137にミリ波基地局600を示す「192.168.31.6」を格納する。なお、列車1000がLCX基地局についてもハンドオーバした場合、IP部104は、列車1000から受信した位置情報登録要求メッセージの情報に基づいて、ハンドオーバ先LCX基地局のIPアドレス136の欄に該当するLCX基地局のIPアドレスを格納する。
位置情報管理サーバ100では、IP部104が位置情報更新通知を生成すると、MAC部105が位置情報更新通知にMACヘッダなどを付加してフレーム化し、イーサネット部106がフレーム化された位置情報更新通知を変調および電気信号から光信号に変換して転送装置300へ送信する。位置情報管理サーバ100は、各列車の位置情報を把握し、各列車の位置情報が更新された場合、すなわちある列車がハンドオーバして在線基地局が更新された場合、その都度更新された情報を転送装置300へ通知する。
なお、前述の位置情報登録要求メッセージと同様、実際には、図14に示す位置情報更新通知の内容は図3に示すアプリケーション230の内容に相当し、IP部104からは、図14に示す位置情報更新通知の内容に、IPヘッダ210、TCPヘッダ220に相当するものを付加し、MAC部105において、さらに図6に示すMACヘッダ250、FCS270に相当するものを付加して送信することになる。
位置情報管理サーバ100のIP部104の動作をフローチャートに基づいて説明する。図15は、実施の形態1にかかる位置情報管理サーバ100のIP部104の動作を示すフローチャートである。位置情報管理サーバ100のIP部104は、イーサネット部106およびMAC部105を介して列車1000からの位置情報登録要求メッセージを受信すると(ステップS11)、保持する列車情報、LCX基地局情報、ミリ波基地局情報の各情報を検索する(ステップS12)。IP部104は、検索して取得した列車1000の車内ネットワークアドレスおよびハンドオーバ先基地局のIPアドレスの情報に基づいて、位置更新通知を生成し(ステップS13)、生成した位置更新通知を転送装置300へ送信する(ステップS14)。
つぎに、転送装置300の構成について説明する。図16は、実施の形態1にかかる転送装置300の構成例を示すブロック図である。転送装置300は、イーサネット部302と、MAC部303と、TCP/IP部304と、MAC部305と、イーサネット部306と、を備える。
イーサネット部302は、IPネットワーク400で通信を行う場合の物理層の機能を有し、列車1000から送信されてIPネットワーク400経由で受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをMAC部303へ受け渡す。また、イーサネット部302は、MAC部303から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してIPネットワーク400経由でいずれかの基地局へ送信する。イーサネット部302は、例えば、IPネットワークによる通信用のインタフェースカードによって構成される。
MAC部303は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部302から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからMACヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをTCP/IP部304へ受け渡す。また、MAC部303は、TCP/IP部304から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部302へ受け渡す。MAC部303において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。MAC部303は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
TCP/IP部304は、トランスポート層およびネットワーク層の機能を有し、MAC部303から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをMAC部305へ受け渡す。また、TCP/IP部304は、MAC部305から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをMAC部303へ受け渡す。TCP/IP部304は、具体的に、車載端末1100からのデータパケットおよび送達確認パケットをデータ系端末200へ送信する制御を行い、データ系端末200からのデータパケットおよび送達確認パケットをいずれかの基地局を経由して車載端末1100へ送信する制御を行う。また、TCP/IP部304は、車載端末1100に対するデータパケットの再送制御を行う。TCP/IP部304は、MAC部305から受け取った位置情報更新通知のパケットに基づいて各列車のアドレス情報を保持する。TCP/IP部304は、例えば、TCP/IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
また、TCP/IP部304は、転送制御部308と、記憶部309と、を備える。記憶部309は、ミリ波通信システムでのデータの再送回数によってデータの転送先の基地局を判定するための閾値である転送装置再送閾値を記憶する転送装置記憶部である。転送制御部308は、データの再送回数と転送装置再送閾値とを比較した比較結果と、LCX通信システムの輻輳状態とに基づいて、データ系端末200から受信したデータをミリ波基地局600〜800経由またはLCX基地局500経由で車載端末1100へ送信するかを決定する。なお、TCP/IP部304において動作の主体は転送制御部308となるが、転送装置300内の他の構成との関係が容易に把握できるように、以降の説明では動作の主体をTCP/IP部304として説明する。
MAC部305は、データリンク層の機能を有し、TCP/IP部304から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化し、フレーム化したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部306へ受け渡す。MAC部305は、イーサネット部306から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからMACヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをTCP/IP部304へ受け渡す。また、MAC部305は、イーサネット部306から受け取った位置情報更新通知のフレームからMACヘッダなどを取り除き、位置情報更新通知のパケットをTCP/IP部304へ受け渡す。MAC部305において対象とするフレームの構成は、図6に示すフレーム構成と同様である。MAC部305は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
イーサネット部306は、光通信を行う場合の物理層の機能を有し、MAC部305から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調および電気信号から光信号に変換してデータ系端末200へ送信する。また、イーサネット部306は、データ系端末200から受信したデータフレームおよび送達確認フレームを光信号から電気信号に変換および復調してMAC部305へ受け渡す。また、イーサネット部306は、位置情報管理サーバ100から受信した位置情報更新通知のフレームを光信号から電気信号に変換および復調してMAC部305へ受け渡す。イーサネット部306は、例えば、光通信用のインタフェースカードによって構成される。
転送装置300では、TCP/IP部304は、各列車の車内ネットワークアドレス、各列車が在線しているLCX基地局のIPアドレス、各列車が在線しているミリ波基地局のIPアドレス、についてのアドレス情報を記憶部309に保持している。位置情報管理サーバ100から受信した位置情報更新通知に基づいて、転送制御部308が記憶部309のアドレス情報の更新を行う。図17は、実施の形態1にかかる転送装置300のTCP/IP部304が保持する更新前のアドレス情報の例を示す図である。アドレス情報は、各列車のIDを示す編成ID311,312,313と、各列車の車内ネットワークアドレス314,315,316と、各列車が在線するLCX基地局のIPアドレス317,318,319と、各列車が在線するミリ波基地局のIPアドレス320,321,322との対応を示すものである。
図18は、実施の形態1にかかる転送装置300のTCP/IP部304が保持する更新後のアドレス情報の例を示す図である。前述のように列車1000がミリ波基地局600にハンドオーバした場合、列車1000は図13に示す内容の位置情報登録要求メッセージを位置情報管理サーバ100へ送信し、位置情報管理サーバ100は図14に示す内容の位置情報更新通知を転送装置300へ送信する。転送装置300では、イーサネット部306が位置情報管理サーバ100から受信した位置情報更新通知のフレームを光信号から電気信号に変換および復調してMAC部305へ受け渡し、MAC部305がイーサネット部306から受け取った位置情報更新通知フレームからMACヘッダなどを取り除いてTCP/IP部304へ受け渡す。TCP/IP部304では、転送制御部308がMAC部305から受け取った位置情報更新通知に基づいて記憶部309のアドレス情報を更新する。具合的に、TCP/IP部304では、図14に示す内容の位置情報更新通知を受け取った場合、列車1000のミリ波基地局のIPアドレス320をミリ波基地局700の「192.168.31.7」からミリ波基地局600の「192.168.31.6」に更新する。このようにして、転送装置300は、各列車の在線状況を把握することができる。
転送装置300のTCP/IP部304は、更新後の図18に示すアドレス情報に従って、データ系端末200から受信したデータパケットを地上側に設置されている適切な基地局へ転送し、地上側に設置されている各基地局から受信したデータパケットをデータ系端末200に転送する制御を行う。転送装置300は、ルータとして機能する。転送装置300は、地上側に設置されている各基地局とはIPネットワーク400による通信を行う。転送装置300は、位置情報管理サーバ100およびデータ系端末200とは光ケーブルで接続されており、光通信を行う。
つぎに、ミリ波基地局600の構成について説明する。図19は、実施の形態1にかかるミリ波基地局600の構成例を示すブロック図である。ミリ波基地局600〜800は同一構成のため、ここでは、ミリ波基地局600を例にして説明を行う。ミリ波基地局600は、イーサネット部602と、MAC部603と、IP部604と、ミリ波データリンク層部605と、ミリ波物理層部606と、を備える。
イーサネット部602は、IPネットワーク400で通信を行う場合の物理層の機能を有し、転送装置300から送信されてIPネットワーク400経由で受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをMAC部603へ受け渡す。また、イーサネット部602は、MAC部603から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調して、IPネットワーク400経由で転送装置300へ送信する。イーサネット部602は、例えば、IPネットワークによる通信用のインタフェースカードによって構成される。
MAC部603は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部602から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからMACヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部604へ受け渡す。また、MAC部603は、IP部604から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部602へ受け渡す。MAC部603において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。MAC部603は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
IP部604は、ネットワーク層の機能を有し、MAC部603から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをミリ波データリンク層部605へ受け渡し、ミリ波データリンク層部605から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをMAC部603へ受け渡す。IP部604は、例えば、IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
ミリ波データリンク層部605は、データリンク層の機能を有し、ミリ波物理層部606から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部604へ受け渡す。また、ミリ波データリンク層部605は、IP部604から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをミリ波物理層部606へ受け渡す。ミリ波データリンク層部605において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。ミリ波データリンク層部605は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
ミリ波物理層部606は、ミリ波通信に準拠してミリ波で通信を行う場合の物理層の機能を有し、ミリ波データリンク層部605から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してアンテナ601を介して列車1000側へ送信し、列車1000側からアンテナ601を介して受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調してミリ波データリンク層部605へ受け渡す。ミリ波物理層部606は、例えば、ミリ波による通信用のインタフェースカードによって構成される。
つぎに、LCX基地局500の構成について説明する。図20は、実施の形態1にかかるLCX基地局500の構成例を示すブロック図である。LCX基地局500は、イーサネット部502と、MAC部503と、IP部504と、LCXデータリンク層部505と、LCX物理層部506と、を備える。
イーサネット部502は、IPネットワーク400で通信を行う場合の物理層の機能を有し、転送装置300から送信されてIPネットワーク400経由で受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをMAC部503へ受け渡す。また、イーサネット部502は、MAC部503から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調して、IPネットワーク400経由で転送装置300へ送信する。イーサネット部502は、例えば、IPネットワークによる通信用のインタフェースカードによって構成される。
MAC部503は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部502から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからMACヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部504へ受け渡す。また、MAC部503は、IP部504から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにMACヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部502へ受け渡す。MAC部503において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。MAC部503は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
IP部504は、ネットワーク層の機能を有し、MAC部503から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをLCXデータリンク層部505へ受け渡し、LCXデータリンク層部505から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをMAC部503へ受け渡す。IP部504は、例えば、IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
LCXデータリンク層部505は、データリンク層の機能を有し、LCX物理層部506から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部504へ受け渡す。また、LCXデータリンク層部505は、IP部504から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをLCX物理層部506へ受け渡す。LCXデータリンク層部505において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。LCXデータリンク層部505は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
LCX物理層部506は、LCXで通信を行う場合の物理層の機能を有し、LCXデータリンク層部505から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してLCX501を介して列車1000側へ送信し、列車1000側からLCX501を介して受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調してLCXデータリンク層部505へ受け渡す。LCX物理層部506は、例えば、LCXによる通信用のインタフェースカードによって構成される。
なお、イーサネット部502およびMAC部503で、転送装置300およびミリ波基地局600〜800からデータを受信する第1の通信部を構成する。また、LCXデータリンク層部505およびLCX物理層部506で、転送装置300またはミリ波基地局600〜800から受信したデータを、LCX通信システムにより車載端末1100宛に送信する第2の通信部を構成する。また、IP部504は、LCX通信システムによる通信の輻輳を監視し、輻輳を検出した場合は輻輳発生の通知であるアラートを生成して転送装置300およびミリ波基地局600〜800へ送信する制御部である。
列車1000に搭載されている転送装置1200は、転送装置300と同様の機能を有する。転送装置1200が転送装置300と異なる点は、転送装置1200と接続されるLCX移動局およびミリ波移動局は各々1つである点である。そのため、転送装置1200は、データパケットの転送先のミリ波移動局およびLCX移動局を一意に決定することができる。列車1000において、車載端末1100および転送装置1200はLANケーブルで接続され、車内ネットワークを構成する。なお、車内ネットワークとLAN1300は異なるネットワークである。
図1の例では、列車1000は、LCX基地局500のセル550およびミリ波基地局600のセル650に在線している。列車1000は、LCX移動局1400はアンテナ1401を介しLCX基地局500と通信を行い、ミリ波移動局1600はアンテナ1601を介しミリ波基地局600と通信を行う。地上側では、LCX基地局500はLCXケーブル501を介しLCX移動局1400と通信を行い、ミリ波基地局600はアンテナ601を介しミリ波移動局1600と通信を行う。
つぎに、車載端末1100の構成の構成について説明する。図21は、実施の形態1にかかる車載端末1100の構成例を示すブロック図である。車載端末1100は、イーサネット部1102と、MAC部1103と、TCP/IP部1104と、を備える。
イーサネット部1102は、車内ネットワークアドレスが「192.168.1.0」のネットワークで通信を行う場合の物理層の機能を有し、転送装置1200から受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをMAC部1103へ受け渡す。また、イーサネット部1102は、MAC部1103から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調して転送装置1200へ送信する。イーサネット部1102は、例えば、有線通信用または無線通信用のインタフェースカードによって構成される。
MAC部1103は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部1102から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをTCP/IP部1104へ受け渡す。また、MAC部1103は、TCP/IP部1104から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、フレーム化したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1102へ受け渡す。MAC部1103において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。MAC部1103は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
TCP/IP部1104は、トランスポート層およびネットワーク層の機能を有し、データ系端末200へ送信するデータにTCPヘッダおよびIPヘッダを付加してデータパケットを生成し、生成したデータパケットをMAC部1103へ受け渡す。TCP/IP部1104は、MAC部1103から受け取ったデータパケットからTCPヘッダおよびIPヘッダを取り除いてデータ系端末200からのデータを抽出する。また、TCP/IP部1104は、データ系端末200からのデータを抽出すると、ACKまたはNACKを示す送達確認パケットを生成し、生成した送達確認パケットをMAC部1103へ受け渡す。TCP/IP部1104は、データ系端末200から受け取った送達確認パケットがNACKであった場合、NACKで示されたシーケンス番号のデータパケットの再送制御を行う。なお、TCP/IP部1104から送信するデータパケットの構成は、前述のように図3の形式となる。また、TCP/IP部1104における動作のフローチャートは、前述のTCP/IP部204による図7および図8と同様である。TCP/IP部1104は、例えば、TCP/IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
つぎに、転送装置1200の構成について説明する。図22は、実施の形態1にかかる転送装置1200の構成例を示すブロック図である。転送装置1200は、イーサネット部1202と、イーサネット部1203と、TCP/IP部1204と、MAC部1205と、イーサネット部1206と、を備える。
イーサネット部1202は、LAN1300で通信を行う場合の物理層の機能を有し、データ系端末200から送信されてLAN1300経由で受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1203へ受け渡す。また、イーサネット部1202は、イーサネット部1203から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してLAN1300経由でいずれかの基地局へ送信する。イーサネット部1202は、例えば、IEEE802.3に準拠したLAN通信用のインタフェースカードによって構成される。
イーサネット部1203は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部1202から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをTCP/IP部1204へ受け渡す。また、イーサネット部1203は、TCP/IP部1204から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1202へ受け渡す。イーサネット部1203において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。イーサネット部1203は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
TCP/IP部1204は、トランスポート層およびネットワーク層の機能を有し、イーサネット部1203から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをMAC部1205へ受け渡す。また、TCP/IP部1204は、MAC部1205から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをイーサネット部1203へ受け渡す。TCP/IP部1204は、具体的に、データ系端末200からのデータパケットおよび送達確認パケットを車載端末1100へ送信する制御を行い、車載端末1100からのデータパケットおよび送達確認パケットをいずれかの基地局を経由してデータ系端末200へ送信する制御を行う。また、TCP/IP部1204は、データ系端末200に対するデータパケットの再送制御を行う。TCP/IP部1204は、例えば、TCP/IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
また、TCP/IP部1204は、ミリ波通信システムでのデータの再送回数によってデータの転送先の基地局を判定するための閾値である転送装置再送閾値を記憶する転送装置記憶部である記憶部1209と、データの再送回数と転送装置再送閾値とを比較した比較結果と、LCX通信システムの輻輳状態とに基づいて、車載端末1100から受信したデータをミリ波移動局1600経由またはLCX移動局1400経由でデータ系端末200へ送信するかを決定する転送制御部1208と、を備える。なお、TCP/IP部1204において動作の主体は転送制御部1208となるが、転送装置1200内の他の構成との関係が容易に把握できるように、以降の説明では動作の主体をTCP/IP部1204として説明する。
MAC部1205は、データリンク層の機能を有し、TCP/IP部1204から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、フレーム化したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1206へ受け渡す。また、MAC部1205は、イーサネット部1206から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをTCP/IP部1204へ受け渡す。MAC部1205において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。MAC部1205は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
イーサネット部1206は、車内ネットワークアドレスが「192.168.1.0」のネットワークで通信を行う場合の物理層の機能を有し、MAC部1205から受け取ったデータパケットおよび送達確認フレームを変調して車載端末1100へ送信する。また、イーサネット部1206は、車載端末1100から受信したデータパケットおよび送達確認フレームを復調してMAC部1205へ受け渡す。イーサネット部1206は、例えば、有線通信用または無線通信用のインタフェースカードによって構成される。
つぎに、LCX移動局1400の構成について説明する。図23は、実施の形態1にかかるLCX移動局1400の構成例を示すブロック図である。LCX移動局1400は、イーサネット部1402と、イーサネット部1403と、IP部1404と、LCXデータリンク層部1405と、LCX物理層部1406と、を備える。
イーサネット部1402は、LAN1300で通信を行う場合の物理層の機能を有し、転送装置1200から送信されてLAN1300経由で受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1403へ受け渡す。また、イーサネット部1402は、イーサネット部1403から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してLAN1300経由で転送装置1200へ送信する。イーサネット部1402は、例えば、IEEE802.3に準拠したLAN通信用のインタフェースカードによって構成される。
イーサネット部1403は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部1402から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部1404へ受け渡す。また、イーサネット部1403は、IP部1404から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1402へ受け渡す。イーサネット部1403において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。イーサネット部1403は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
IP部1404は、ネットワーク層の機能を有し、イーサネット部1403から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをLCXデータリンク層部1405へ受け渡し、LCXデータリンク層部1405から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをイーサネット部1403へ受け渡す。IP部1404は、例えば、IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
LCXデータリンク層部1405は、データリンク層の機能を有し、LCX物理層部1406から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部1404へ受け渡す。また、LCXデータリンク層部1405は、IP部1404から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをLCX物理層部1406へ受け渡す。LCXデータリンク層部1405において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。LCXデータリンク層部1405は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
LCX物理層部1406は、LCXで通信を行う場合の物理層の機能を有し、LCXデータリンク層部1405から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してアンテナ1401から地上側のLCX基地局500へ送信し、地上側のLCX基地局500から受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調してLCXデータリンク層部1405へ受け渡す。LCX物理層部1406は、例えば、LCXによる通信用のインタフェースカードによって構成される。
なお、イーサネット部1402,1403で、転送装置1200およびミリ波移動局1600からデータを受信する第1の通信部を構成する。また、LCXデータリンク層部1405およびLCX物理層部1406で、転送装置1200またはミリ波移動局1600から受信したデータを、LCX通信システムによりデータ系端末200宛に送信する第2の通信部を構成する。また、IP部1404は、LCX通信システムによる通信の輻輳を監視し、輻輳を検出した場合は輻輳発生の通知であるアラートを生成して転送装置1200およびミリ波移動局1600へ送信する制御部である。
つぎに、ミリ波移動局1600の構成の構成について説明する。図24は、実施の形態1にかかるミリ波移動局1600の構成例を示すブロック図である。ミリ波移動局1600は、イーサネット部1602と、イーサネット部1603と、IP部1604と、ミリ波データリンク層部1605と、ミリ波物理層部1606と、を備える。
イーサネット部1602は、LAN1300で通信を行う場合の物理層の機能を有し、転送装置1200から送信されてLAN1300経由で受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調し、復調したデータフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1603へ受け渡す。また、イーサネット部1602は、イーサネット部1603から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してLAN1300経由で転送装置1200へ送信する。イーサネット部1602は、例えば、IEEE802.3に準拠したLAN通信用のインタフェースカードによって構成される。
イーサネット部1603は、データリンク層の機能を有し、イーサネット部1602から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部1604へ受け渡す。また、イーサネット部1603は、IP部1604から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをイーサネット部1602へ受け渡す。イーサネット部1603において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。イーサネット部1603は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
IP部1604は、ネットワーク層の機能を有し、イーサネット部1603から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをミリ波データリンク層部1605へ受け渡し、ミリ波データリンク層部1605から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをイーサネット部1603へ受け渡す。IP部1604は、例えば、IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
ミリ波データリンク層部1605は、データリンク層の機能を有し、ミリ波物理層部1606から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームからヘッダなどを取り除き、データパケットおよび送達確認パケットをIP部1604へ受け渡す。また、ミリ波データリンク層部1605は、IP部1604から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットにヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームおよび送達確認フレームをミリ波物理層部1606へ受け渡す。ミリ波データリンク層部1605において対象とするフレームの構成は限定せず、図6に示すフレーム構成と同様でよい。ミリ波データリンク層部1605は、例えば、ドライバ回路によって構成される。
ミリ波物理層部1606は、ミリ波通信に準拠してミリ波で通信を行う場合の物理層の機能を有し、ミリ波データリンク層部1605から受け取ったデータフレームおよび送達確認フレームを変調してアンテナ1601から地上側のミリ波基地局へ送信し、地上側のミリ波基地局から受信したデータフレームおよび送達確認フレームを復調してミリ波データリンク層部1605へ受け渡す。ミリ波物理層部1606は、例えば、ミリ波による通信用のインタフェースカードによって構成される。
ここで、列車1000において基地局をハンドオーバした場合に、位置情報登録要求メッセージを送信する動作について説明する。一例としてミリ波移動局1600がハンドオーバして地上側のミリ波基地局を変更した場合について説明するが、LCX移動局1400がハンドオーバして地上側のLCX基地局を変更した場合も同様の動作となる。図25は、実施の形態にかかる列車1000のミリ波移動局1600がハンドオーバしたときの動作を示すフローチャートである。ミリ波移動局1600では、IP部1604は、ハンドオーバを実施すると(ステップS21)、図13に示す位置情報登録要求メッセージを生成し(ステップS22)、ミリ波データリンク層部1605、ミリ波物理層部1606、およびアンテナ1601を介して、地上側のハンドオーバ先のミリ波基地局宛に位置情報登録要求メッセージを送信する(ステップS23)。
つづいて、無線通信システム1において、データ系端末200から車載端末1100へデータを送信する際の転送装置300の動作について説明する。無線通信システム1では、データ系端末200から車載端末1100へデータを送信する際の転送装置300の動作と、車載端末1100からデータ系端末200へデータを送信する際の転送装置1200の動作は同様である。そのため、一例として、データ系端末200からデータを送信する場合について説明する。データ系端末200からデータを送信する場合、データ系端末200が第1の端末、車載端末1100が第2の端末、ミリ波基地局600〜800が第1の基地局、LCX基地局500が第2の基地局となる。なお、車載端末1100からデータを送信する場合、車載端末1100が第1の端末、データ系端末200が第2の端末、ミリ波移動局1600が第1の基地局、LCX移動局1400が第2の基地局となる。
図26は、実施の形態1にかかる無線通信システム1において、データ系端末200から車載端末1100へデータを送信する際のデータのフローを示すシーケンス図である。まず、データ系端末200では、TCP/IP部204が図3に示すフォーマットのデータパケットを生成し、MAC部203およびイーサネット部202を経由して、図6に示すデータフレームにして転送装置300へ送信する(ステップS100)。このときのデータパケットのIPヘッダ内の送信元IPアドレスはデータ系端末200を示す「192.168.10.1」、宛先IPアドレスは車載端末1100を示す「192.168.1.1」とする。
転送装置300では、データ系端末200からデータフレームを受信すると、イーサネット部306およびMAC部305を経由してデータフレームをデータパケットに戻し、TCP/IP部304が、データパケットを受信する。TCP/IP部304は、データパケットの宛先IPアドレスを読み取り、記憶部309が保持する図18に示すアドレス情報と比較することで、サブネットマスクが共通である車内ネットワークアドレスから、宛先IPアドレス「192.168.1.1」の車載端末1100は、車内ネットワークアドレスが「192.168.1.0」の列車1000に搭載されていることを特定する。また、TCP/IP部304は、図18に示すアドレス情報から、列車1000がLCX基地局500のセル550およびミリ波基地局600のセル650に在線していることを特定する。
TCP/IP部304は、データ系端末200から受信したデータパケットを、ミリ波基地局600またはLCX基地局500のいずれかを経由して車載端末1100に送信することを決定する。TCP/IP部304は、データ系端末200から受信したデータパケットの転送先を、ミリ波基地局600またはLCX基地局500のいずれかにするかを図27のフローチャートに従って決定する。図27は、実施の形態1の転送装置300のTCP/IP部304がデータパケットの転送先を決定する処理を示すフローチャートである。
転送装置300のTCP/IP部304は、データ系端末200からのデータパケットを受信すると、まず、受信したデータパケットのIPヘッダを確認する(ステップS31)。TCP/IP部304は、図4に示すIPヘッダの全領域に格納される値を記憶部309に一時的に保持し、その中から送信元情報および宛先情報、上位層プロトコル情報、およびデータサイズ情報を取得する。送信元情報および宛先情報は送信元IPアドレス領域21kに格納される値「C0A8A1」および宛先IPアドレス領域21lに格納される値「C0A811」であり、これらは各々「192.168.10.1」および「192.168.1.1」を表す16進数である。これにより、TCP/IP部304は、データ系端末200から車載端末1100に送信されるデータであると判定する。
上位層プロトコル情報はプロトコル番号領域21iに格納される値「6」である。これにより、TCP/IP部304は、上位層プロトコルがTCPであると判定する。
データサイズ情報はヘッダ長領域21bに格納される値「5」とパケット長領域21dに格納される値「104」である。前者はIPヘッダのサイズを示す。ヘッダ長はオプションがないため最小値の20Byteであるが、32bit(4Byte)単位で数えるため20Byteの場合はヘッダ長領域の値は「5」になる。後者はIPヘッダを含めたパケット全体のサイズを示し、1040Byteである。ヘッダ長と同様4Byte単位で数えるため1040÷4=260となり、これを16進数表記した「104」がパケット長領域の値である。つまり、パケット長領域21dの値からヘッダ長領域21bの値を減算すると、TCPヘッダおよびアプリケーションデータによるTCPパケットのサイズとなる。
TCP/IP部304は、IPヘッダを確認して上位層プロトコルがTCPであることを確認すると、つぎに、TCPヘッダを確認する(ステップS32)。TCP/IP部304は、図5に示すTCPヘッダの全領域に格納される値を一時的に記憶部309に保持し、その中から送信元情報および宛先情報、データサイズ情報を取得する。送信元情報および宛先情報は送信元ポート番号領域22aに格納される値および宛先ポート番号領域22bに格納される値であり、ともに「14」である。これはFTP(File Transfer Protocol)データのポート番号「20」の16進数である。また、データサイズ情報はデータオフセット領域22eに格納される値「5」であり、4Byte単位で数えるTCPヘッダ長20Byteを意味する。
TCP/IP部304は、IPヘッダを確認して取得した送信元IPアドレス、宛先IPアドレス、プロコル番号領域に格納される値、およびTCPヘッダを確認して取得した送信元ポート番号、宛先ポート番号に基づいて、受信したデータパケットを列車1000側へ送信する際に使用する伝送路であるコネクションを特定する。TCP/IP部304は、各コネクションについて、送受信されるデータパケットのIPヘッダおよびTCPヘッダの情報をコネクション情報として記憶部309に記憶している。
TCP/IP部304は、受信したデータパケットの送信に使用するコネクションを特定すると、そのコネクションのコネクション情報を、IPヘッダを確認した際(ステップS31)およびTCPヘッダを確認した際(ステップS32)において一時的に保持していたIPヘッダの値およびTCPヘッダの値に書き換えて更新する(ステップS33)。なお、TCP/IP部304は、受信したデータパケットがコネクション確立後最初に送信するデータパケットであった場合、このとき受信したデータパケットのIPヘッダおよびTCPヘッダの値に基づいてコネクション情報を新規に記憶部309に登録する。
TCP/IP部304は、受信したデータパケットに使用するコネクションを特定し、コネクション情報を更新すると、受信したデータパケットが再送するデータパケットかどうかを判定する(ステップS34)。TCPのプロトコル機能では、一般的に、同一シーケンス番号のACKを3回重複して受信した場合、またはACKを規定された時間受信できない再送タイムアウトが発生した場合、再送制御が行われる。TCP/IP部304は、更新したコネクション情報に基づいて、再送パケットかどうかを判定する。
TCP/IP部304は、具体的に、ステップS33においてコネクション情報を更新する際にTCPヘッダ220のシーケンス番号領域22cについて更新前のシーケンス番号の値と更新後のシーケンス番号の値の差分を取り、更新後の値が更新前の値より小さくなっている場合に再送パケットであると判定する。なお、TCP/IP部304は、シーケンス番号が一周している場合はシーケンス番号からだけでは再送を判定できないため、ステップS32においてTCPヘッダの確認の際に取得したタイムスタンプの情報と併せて再送の判定をする。タイムスタンプ情報は、図5のオプション領域22kに格納される値である。シーケンス番号とタイムスタンプによる再送パケットの識別はTCPで一般的に行われる方法と同様である。
TCP/IP部304は、再送判定が完了すると、シーケンス番号と再送回数との組合せから成る再送情報を前述のコネクション情報とともに記憶部309に保持する。例えば、TCP/IP部304は、データ系端末200より受信したデータパケットが再送1回目のデータパケットであると判定した場合、コネクション情報とともに再送パケットのシーケンス番号および再送回数「1」の情報を保持する。TCP/IP部304は、その後、再送と判定したパケットの再送回数が増えないままシーケンス番号が一周すると、再送が完了したと見做し、保持していた再送パケットのシーケンス番号および再送回数の情報を記憶部309から削除する。一方、TCP/IP部304は、同一シーケンス番号のパケットの再送が確認された場合は対応するシーケンス番号の再送回数を「2」に更新する。これにより、TCP/IP部304は、コネクション内の各パケットの再送回数を管理する。
TCP/IP部304は、データ系端末200から受信したデータパケットが再送パケットであると判定した場合(ステップS34:Yes)、再送回数が規定された転送装置再送閾値以上であるか否かを確認する(ステップS35)。TCP/IP部304は、再送回数が転送装置再送閾値未満の場合(ステップS35:Yes)、データパケットをミリ波通信システムのコネクションである伝送路を使用して送信することを決定し、データパケットをミリ波基地局600へ転送する制御を行う(ステップS36)。
TCP/IP部304は、転送装置再送閾値の初期値を「1」とすることで、再送パケットをできるだけ高信頼なLCX基地局500に転送することができる。
TCP/IP部304は、再送回数が転送装置再送閾値以上の場合(ステップS35:No)、LCX基地局500への送信ビットレートがビットレート閾値を超えない場合(ステップS37:No)はデータパケットをLCX通信システムのコネクションである伝送路を使用して送信することを決定し、データパケットをLCX基地局500へ転送する制御を行う(ステップS38)。一方、TCP/IP部304は、再送回数が転送装置再送閾値以上の場合(ステップS35:No)、LCX基地局500への送信ビットレートがビットレート閾値を超える場合(ステップS37:Yes)はデータパケットをミリ波通信システムのコネクションである伝送路を使用して送信することを決定し、データパケットをミリ波基地局600へ転送する制御を行う(ステップS36)。
なお、図27に示すTCP/IP部304の動作において、ステップS31〜S33を受信ステップ、ステップS34〜S35を比較ステップ、ステップS36〜S38を転送制御ステップとする。
TCP/IP部304では、LCX基地局500へデータパケットを転送する場合、再送するデータパケットの全てをLCX基地局500へ転送することはせず、LCX基地局500でデータが輻輳するのを避けるために転送するパケットサイズを制限する。例えば、LCX基地局500が一度に送信できるビット数の最小値を基準とする。送信ビット数は変調多値数や符号化率で決定され、変調多値数を小さくし符号化率を低くすることで送信ビット数は小さくなるが誤り耐性を上げることができる。ここでは100bitのデータスロット20個から成る10msのデータフレームをLCX基地局500が送信する最小のデータとする。10msで20スロットを送信するため、送信ビットの最小値は100×20=2000bitとなる。TCP/IP部304は、この値からLCX基地局500の最小送信ビットレート2000×(10/1000)=200000bpsを算出し、LCX基地局500に転送することができるデータ量を1秒間に200000bitまでとする。
TCP/IP部304は、LCX基地局500へデータフレームを転送可能な上限値であるビットレート閾値を記憶部309に記憶する。TCP/IP部304は、LCX基地局500へ転送するデータフレームの送信ビットレートがビットレート閾値を超えないように制御する。TCP/IP部304は、LCX基地局500へ転送するデータのビットレートを計測および制御するため、内部にタイマを備えてもよいし、外部にあるタイマを利用してもよい。
なお、TCP/IP部304は、データ系端末200から受信したデータパケットが再送パケットではないと判定した場合(ステップS34:No)、データパケットをミリ波通信システムのコネクションである伝送路を使用して送信することを決定し、データパケットをミリ波基地局600へ転送する制御を行う(ステップS36)。
TCP/IP部304は、再送回数が転送装置再送閾値以上となるパケットをデータ系端末200から受信した場合、これまでにLCX基地局500へ転送したデータが200000bps以下のときは受信パケットをLCX基地局500へ転送することを決定する。転送装置再送閾値およびビットレート閾値については、デフォルトの値として設計段階で設定してもよいし、後から無線通信システム1のユーザなどが値を設定または変更できるようにしてもよい。
TCP/IP部304は、例えば、これまでにLCX基地局500へ転送したデータ量が既に190000bitであって、受信したデータパケットの再送回数が転送装置再送閾値以上であってデータサイズが12000bitの場合、LCX基地局500への転送はせずにミリ波基地局600のみへ転送することで、伝送レートの低いLCX通信システムが輻輳することを防止する。
なお、上記のデータパケットのデータサイズの上限値は一例であり、例えば、転送装置300とLCX基地局500との間で他のパケットを送受信しており、他のパケットを優先して送受信したい場合は転送できるデータサイズをさらに制限してもよい。
また、TCP/IP部304は、受信したデータパケットをLCX基地局500へ転送することを決定した場合、ミリ波基地局600へも受信したデータパケットを転送し、受信したデータパケットをLCX基地局500およびミリ波基地局600の両方からバイキャスト送信で車載端末1100宛にデータを送信するようにしてもよい。これにより、冗長性が増すため、転送装置300から車載端末1100へ再送するデータフレームの到達率を向上させることができる。
TCP/IP部304は、データ系端末200から受信した再送回数が転送装置再送閾値未満のデータパケットの転送用にミリ波基地局600とトンネリングし、データ系端末200から受信した再送回数が転送装置再送閾値以上のデータパケットの転送用にLCX基地局500とトンネリングする。TCP/IP部304は、トンネリングする先の基地局を示すため、図3に示したデータパケットについてIPヘッダを付加してカプセル化を行う。
図28は、実施の形態1にかかる転送装置300のTCP/IP部304がカプセル化したデータパケットの構成例を示す図である。IPヘッダ240がカプセル化で付加した部分である。図28は、転送装置再送閾値未満の再送回数のパケットの場合を示している。TCP/IP部304は、データ系端末200から受信したパケットを図28に示すように、送信元IPアドレスに転送装置300の「192.168.11.2」を、宛先IPアドレスにミリ波基地局600の「192.168.31.6」を示すIPヘッダ240でカプセル化する。一方、再送回数が転送装置再送閾値以上となるパケットの場合、TCP/IP部304は、送信元IPアドレスに転送装置300の「192.168.11.2」を、宛先IPアドレスにLCX基地局500の「192.168.21.5」を示すIPヘッダ240でカプセル化する。
図26のシーケンス図に戻って、転送装置300では、データ系端末200から受信したデータパケットの再送回数が転送装置再送閾値以上となるデータパケットについてはトンネリングした通信路を用いてLCX基地局500へ転送し(ステップS101a)、データ系端末200から受信したデータパケットの再送回数が転送装置再送閾値未満となるデータパケットについてはトンネリングした通信路を用いてミリ波基地局600へ転送する(ステップS101b)。
ここで、転送装置300がLCX基地局500へ転送するデータサイズに制限を設けていても、例えば、LCX基地局500内で未送信データが滞留することによる輻輳やバッファオーバーフローなどが発生する場合がある。このような場合でも、転送装置300は、LCX基地局500へデータの転送を停止し、必要以上の転送を抑える必要がある。つぎに、LCX基地局500から輻輳を通知し、転送装置300がLCX基地局500へ転送するデータを停止する方法について説明する。
LCX通信システムでデータの輻輳が発生すると、LCX基地局500では、IP部504は、転送装置300に対してデータパケットの転送の停止を要求する輻輳発生の通知であるアラートを生成し、MAC部503およびイーサネット部502を経由して、転送装置300へ送信する。
転送装置300では、TCP/IP部304は、イーサネット部302およびMAC部303を介してLCX基地局500からアラートを受信すると、LCX基地局500で輻輳が発生したことを検知し、LCX基地局500経由でデータパケットを送信しないことを決定し、LCX基地局500へのデータパケットの転送を停止する。TCP/IP部304は、再送パケットだけではなく、LCX基地局500へ他のパケットを送信している場合、全てのパケットの送信を停止してもよい。また、TCP/IP部304は、このとき、記憶部309に保持する転送装置再送閾値を初期値より大きくする。例えば、TCP/IP部304は、転送装置再送閾値の値を2上げて「3」とする。
その後、LCX基地局500のIP部504は、輻輳が緩和されるとデータパケットの転送停止を解除するための送信許可通知を生成し、MAC部503およびイーサネット部502を経由して、転送装置300へ送信する。
転送装置300では、TCP/IP部304は、イーサネット部302およびMAC部303を介してLCX基地局500から通信許可通知を受信すると、LCX基地局500経由でデータパケットを送信することを決定し、LCX基地局500へのデータパケットの転送を再開する。TCP/IP部304は、転送装置再送閾値は「3」のままとし、再送回数が3回、すなわちトータルの送信回数が4回以上のパケットのみをLCX基地局500へ転送することができる。TCP/IP部304は、例えば、LCX基地局500へ送信するその他のパケットがある場合、このタイミングでLCX基地局500への転送を再開してもよいし、再送パケットと同じ制約条件としてもよい。TCP/IP部304は、その後、シーケンス番号が一周する間に転送装置再送閾値以上の再送回数のパケットがない場合、転送装置再送閾値の値を1下げて「2」とし、再送回数が2回以上となるパケットのみLCX基地局500へ送信するようにしてもよい。このように、TCP/IP部304は、LCX基地局500へ転送できる再送回数の条件を徐々に緩和していく。以後、TCP/IP部304は、上記の条件で転送装置再送閾値を適宜変動させる。
このように、送信側の転送装置300および受信側のLCX基地局500の双方で、LCX基地局500への再送パケットの転送超過を抑制する。このときのLCX基地局500のIP部504および転送装置300のTCP/IP部304の動作を、フローチャートを用いて説明する。
図29は、実施の形態1にかかるLCX基地局500において輻輳が発生および解消したときのIP部504の動作を示すフローチャートである。IP部504は、LCX基地局500内で輻輳を検出すると(ステップS41)、転送装置300に対してデータパケットの転送の停止を要求するアラートを生成し(ステップS42)、転送装置300へ送信する(ステップS43)。その後、IP部504は、LCX基地局500内の輻輳が緩和されたことを検出すると(ステップS44)、データパケットの転送停止を解除するための送信許可通知を生成し(ステップS45)、転送装置300へ送信する(ステップS46)。
図30は、実施の形態1にかかる転送装置300においてLCX基地局500へのデータの転送の停止および再開するTCP/IP部304の動作を示すフローチャートである。TCP/IP部304は、LCX基地局500からアラートを受信すると(ステップS51)、LCX基地局500へのデータパケットの転送を停止し(ステップS52)、転送装置再送閾値の値を上げる(ステップS53)。その後、TCP/IP部304は、LCX基地局500から通信許可通知を受信すると(ステップS54)、LCX基地局500へのデータパケットの転送を再開し(ステップS55)、シーケンス番号が一周する間に転送装置再送閾値以上の再送回数のパケットがない場合、転送装置再送閾値の値を下げる(ステップS56)。
図26のシーケンス図に戻って、転送装置300からパケットを転送されたLCX基地局500では、IP部504がトンネリング用にカプセル化された自局宛のデータパケットをデカプセル化した後、LCXデータリンク層部505およびLCX物理層部506を介して、フレーム化したデータフレームを列車1000側へ送信する(ステップS102a)。
また、転送装置300からパケットを転送されたミリ波基地局600では、IP部604がトンネリング用にカプセル化された自局宛のデータパケットをデカプセル化した後、ミリ波データリンク層部605およびミリ波物理層部606を介して、フレーム化したデータフレームを列車1000側へ送信する(ステップS102b)。
列車1000では、LCX移動局1400でパケットを受信すると、IP部1404が、LCX物理層部1406およびLCXデータリンク層部1405を介してデータパケットを受信すると、イーサネット部1403,1402を介してLAN1300を経由してデータパケットを転送装置1200へ送信する(ステップS103a)。
また、列車1000では、ミリ波移動局1600においてパケットを受信すると、IP部1604が、ミリ波物理層部1606およびミリ波データリンク層部1605を介してデータパケットを受信すると、イーサネット部1603,1602を介してLAN1300を経由してデータパケットを転送装置1200へ送信する(ステップS103b)。
転送装置1200では、TCP/IP部1204が、イーサネット部1202,1203を介してLCX移動局1400またはミリ波物理層部1606からデータパケットを受信すると、MAC部1205およびイーサネット部1206を介して車載端末1100にパケットを送信する(ステップS104)。
車載端末1100では、TCP/IP部1104が、イーサネット部1102およびMAC分1103を介してデータパケットを受信すると、正常にデータを受信できたため、データパケットに含まれているシーケンス番号の情報を含めてデータ系端末200への送達確認パケットであるACKを生成してデータ系端末200へ送信する。TCP/IP部1104は、MAC部1103およびイーサネット部1102を介して転送装置1200へACKを送信する(ステップS105)。なお、TCP/IP部1104では、正常にデータを受信できなかった場合は正常にデータを受信できなかったことを示す送達確認パケットであるNACKを生成してデータ系端末200へ送信する。
転送装置1200では、TCP/IP部1204は、イーサネット部1206およびMAC部1205を介して送達確認を受信すると、送達確認をミリ波移動局1600から地上側へ送信することを決定し、イーサネット部1203,1202を介してLAN1300を経由して送達確認をミリ波移動局1600へ送信する(ステップS106)。
ミリ波移動局1600では、IP部1604は、イーサネット部1602,1603を介して送達確認を受信すると、ミリ波データリンク層部1605、ミリ波物理層部1606、アンテナ1601を介して地上側へ送達確認を送信する(ステップS107)。
ミリ波基地局600では、IP部604は、アンテナ601、ミリ波物理層部606、ミリ波データリンク層部605を介して送達確認を受信すると、MAC部603、イーサネット部602を介して転送装置300へ送達確認を送信する(ステップS108)。
転送装置300では、TCP/IP部304は、イーサネット部302、MAC部303を介して送達確認を受信すると、MAC部305、イーサネット部306を介してデータ系端末200へ送達確認を送信する(ステップS109)。
データ系端末200では、TCP/IP部204は、イーサネット部202、MAC部203を介して送達確認を受信する。TCP/IP部204は、送達確認としてACKを受信することで、自端末から送信したデータパケットが車載端末1100で正常に受信できたことを確認することができ、データパケットの再送の要否を確認する。TCP/IP部204では、送達確認としてNACKを受信した場合は、データパケットを再送する制御を行う。
つづいて、無線通信システム1を構成する各装置のハードウェア構成について説明する。なお、前述のように、各装置において、物理層の機能を実現する部分は既存のインタフェースカード、データリンク層の機能を実現する部分は既存のドライバ回路などで構成することができる。図31は、実施の形態1にかかる転送装置300のTCP/IP部304を実現する処理回路90の構成例を示す図である。処理回路90は、メモリ92に格納されたプログラムを実行するプロセッサ91と、プロセッサ91が実行するプログラムなどの情報を記憶するメモリ92と、他の構成からデータなどが入力される入力インタフェース93と、他の構成へデータなどを出力する出力インタフェース94を備え、プロセッサ91、メモリ92、入力インタフェース93、出力インタフェース94がシステムバス95で接続されている。
転送装置300のTCP/IP部304の転送制御部308および記憶部309の機能は、処理回路90により実現される。すなわち、転送装置300は、受信したデータパケットについて、IPヘッダ、TCPヘッダを確認し、再送かどうかを判定し、再送回数が転送装置再送閾値未満か確認し、転送する基地局を決定するための処理回路90を備える。処理回路90において、メモリ92に格納されるプログラムを実行するのはプロセッサ91ではなく、CPU(Central Processing Unit)、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。
TCP/IP部304の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ92に格納される。処理回路90では、プロセッサ91がメモリ92に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、TCP/IP部304の機能を実現する。すなわち、転送装置300は、処理回路90により実行されるときに、受信したデータパケットについて、IPヘッダ、TCPヘッダを確認するステップ、再送かどうかを判定するステップ、再送回数が転送装置再送閾値未満か確認するステップ、転送する基地局を決定するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ92を備える。また、これらのプログラムは、TCP/IP部304の手順や方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ92とは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリや、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
転送装置300のTCP/IP部304の構成について説明したが、他の装置のTCP/IP部およびIP部についても、図31に示す処理回路90により実現される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、高信頼伝送を実現するLCX通信システムおよび大容量伝送を実現するミリ波通信システムを有する無線通信システム1において、転送装置300は、データ系端末200から受信したデータパケットを列車1000に搭載された車載端末1100へ送信する場合、送信するデータパケットの再送回数およびLCX通信システムの輻輳状態に基づいて、送信に使用する伝送路を決定することとした。これにより、無線通信システム1では、伝送レートの低い通信システムへの転送が超過して輻輳することを抑えつつ、再送パケットを高信頼に伝送することが可能となり、最適な伝送路で再送パケットを送信することができる。
また、無線通信システム1では、再送回数が転送装置再送閾値以上となったパケットをLCX基地局500とミリ波基地局の両方からバイキャストで送信することで、冗長性が増すため再送パケットの到達率を向上させることができる。
なお、実施の形態1では、通信プロトコルがTCPの場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、実施の形態1で説明した転送方法を、他の転送方法、例えば、後述する実施の形態2で説明する転送方法などと組み合わせて実現することも可能である。また、実施の形態1では、異種の無線システムを組み合わせた無線通信システム1について説明したが、これに限定されるものではなく、同種の無線通信システム同士を組み合わせたシステムでも実現可能であり、これらが列車無線システムである必要もない。
実施の形態2.
実施の形態1では、転送装置300,1200において、再送回数が転送装置再送閾値以上のデータパケットをLCX通信システムから送信し、再送回数が転送装置再送閾値未満のデータパケットをミリ波通信システムから送信する制御を行った。実施の形態2では、大容量伝送を実現する無線システムであるミリ波通信システムのミリ波基地局およびミリ波移動局において、再送データフレームを、高信頼伝送を実現するLCX通信システムを介して送受信する場合について説明する。
実施の形態2にかかる無線通信システムの構成は、図1に示す実施の形態1の無線通信システム1に対して、ミリ波基地局600,700,800をミリ波基地局600a,700a,800aに置き換え、ミリ波移動局1600をミリ波移動局1600aに置き換えたものである。便宜上、実施の形態2にかかる無線通信システムを無線通信システム1aとする。
つぎに、ミリ波基地局600aの構成について説明する。図32は、実施の形態2にかかるミリ波基地局600aの構成例を示すブロック図である。ミリ波基地局600a〜800aは同一構成のため、ここでは、ミリ波基地局600aを例にして説明を行う。ミリ波基地局600aは、ミリ波基地局600に対して、IP部604をIP部604aに置き換え、ミリ波データリンク層部605を、ミリ波基地局600aでデータパケットの再送制御を行う場合に実施の形態2においてOriginalのヘッダであるORIヘッダなどを付加および削除するプロトコルの機能を有するORI部607に置き換えたものである。
IP部604aは、ネットワーク層の機能を有し、MAC部603から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをORI部607へ受け渡し、ORI部607から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをMAC部603へ受け渡す。また、IP部604aは、ORIヘッダが付加されたデータパケットについては、ORIヘッダが付加されていないパケットとは異なる専用のインタフェースで、ORI部607との間で受け渡しを行う。IP部604aは、例えば、TCP/IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
ORI部607は、実施の形態1のミリ波データリンク層部605と同様にミリ波通信に準拠してミリ波で通信を行う場合のデータリンク層の機能を有し、ミリ波物理層部606から受け取ったデータフレームにORIヘッダが付加されていた場合にはデータフレームからORIヘッダを取り除き、データパケットをIP部604aへ受け渡す。また、ORI部607は、IP部604aから受け取ったデータパケットにORIヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームをミリ波物理層部606へ受け渡す。実施の形態2にかかる無線通信システム1aにおけるデータリンク層のORI部607は、順序制御、再送制御、フロー制御などの機能を有する独自プロトコルを実行する。この独自プロトコルを、Origialを示す「ORI」と記載する。ORI部607は、例えば、ORIヘッダの付加および削除を行うプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
また、ORI部607は、ミリ波通信システムでのデータの再送回数によってデータを送信する基地局を判定するための閾値である基地局再送閾値を記憶する無線基地局記憶部である記憶部609と、データの再送回数と基地局再送閾値とを比較した比較結果と、LCX通信システムの輻輳状態とに基づいて、車載端末1100へ送信するデータを自局のミリ波基地局600aから列車1000側へ送信するかLCX基地局500経由で列車1000側へ送信するか、すなわち、車載端末1100宛てのデータをLCX基地局500経由で再送するか否かを決定する再送制御部608と、を備える。なお、ORI部607において動作の主体は再送制御部608となるが、ミリ波基地局600a内の他の構成との関係が容易に把握できるように、以降の説明では動作の主体をORI部607として説明する。
ミリ波物理層部606は、実施の形態1と比較して、接続する構成がミリ波データリンク層部605からORI部607に変更されているが、ミリ波物理層部606の構成および動作は実施の形態1と同様である。
つぎに、ミリ波移動局1600aの構成の構成について説明する。図33は、実施の形態2にかかるミリ波移動局1600aの構成例を示すブロック図である。ミリ波移動局1600aは、ミリ波移動局1600に対して、IP部1604をIP部1604aに置き換え、ミリ波データリンク層部1605を、ミリ波移動局1600aでデータパケットの再送制御を行う場合に、実施の形態2においてOriginalのヘッダであるORIヘッダなどを付加および削除するプロトコルの機能を有するORI部1607に置き換えたものである。
IP部1604aは、ネットワーク層の機能を有し、イーサネット部1603から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをORI部1607へ受け渡し、ORI部1607から受け取ったデータパケットおよび送達確認パケットをイーサネット部1603へ受け渡す。また、IP部1604aは、ORIヘッダが付加されたデータパケットについては、ORIヘッダが付加されていないパケットとは異なる専用のインタフェースで、ORI部1607との間で受け渡しを行う。IP部1604aは、例えば、TCP/IPのプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
ORI部1607は、実施の形態1のミリ波データリンク層部1605と同様にミリ波通信に準拠してミリ波で通信を行う場合のデータリンク層の機能を有し、ミリ波物理層部1606から受け取ったデータフレームにORIヘッダが付加されていた場合にはデータフレームからORIヘッダを取り除き、データパケットをIP部1604aへ受け渡す。また、ORI部1607は、IP部1604aから受け取ったデータパケットにORIヘッダなどを付加してフレーム化し、データフレームをミリ波物理層部1606へ受け渡す。実施の形態2にかかる無線通信システム1aにおけるデータリンク層のORI部1607は、ORI部607と同様に、順序制御、再送制御、およびフロー制御などの機能を有する独自プロトコルを実行する。ORI部1607は、例えば、ORIヘッダの付加および削除を行うプロトコルをソフトウェアで実行する処理回路によって構成される。
また、ORI部1607は、ミリ波通信システムでのデータの再送回数によってデータを送信する基地局を判定するための閾値である基地局再送閾値を記憶する無線基地局記憶部である記憶部1609と、データの再送回数と基地局再送閾値とを比較した比較結果と、LCX通信システムの輻輳状態とに基づいて、データ系端末200へ送信するデータを自局のミリ波移動局1600aから送信するかLCX移動局1400経由で送信するかを決定する再送制御部1608と、を備える。なお、ORI部1607において動作の主体は再送制御部1608となるが、ミリ波移動局1600a内の他の構成との関係が容易に把握できるように、以降の説明では動作の主体をORI部1607として説明する。
ミリ波物理層部1606は、実施の形態1と比較して、接続する構成がミリ波データリンク層部1605からORI部1607に変更されているが、ミリ波物理層部1606の構成および動作は実施の形態1と同様である。
ミリ波基地局600a〜800aでは、転送装置300から受信したデータパケットを送信する場合、送信側のデータリンク層のORI部においてフレーム化して列車1000側へ送信する。また、ミリ波基地局600a〜800aでは、列車1000側からデータパケットを受信した場合、受信側のデータリンク層のORI部において、ORIヘッダを取り除き、受信したフレームの順序制御を行ってデータの整合をとった後、データパケットを上位層のIP部に受け渡す。ミリ波移動局1600aについても同様である。
実施の形態2では、ミリ波基地局600a〜800aは列車1000側からデータパケットを受信した場合、ミリ波移動局1600aは地上側からデータパケットを受信した場合、データフレームの送信側に対してACKの3回重複送信またはNACKによる再送制御情報を送信して再送要求を行う。この機能をARQ(Automatic Repeat reQuest)という。ミリ波基地局600a〜800aおよびミリ波移動局1600aでは、データリンク層のORI部がARQの機能を有することにより、例えば、TCPであるトランスポート層における再送制御よりも早い段階でデータの誤りを修復することが可能となる。
図34は、実施の形態2にかかる無線通信システム1aにおいてデータリンク層で送受信されるフレームの構成例を示す図である。実施の形態2にかかる無線通信システム1aのデータリンク層で送受信されるフレームは、実施の形態2における特有のORIヘッダ610、ARQ再送データまたはデータパケットであるデータ620、および誤り検出用ビットであるFCS630により構成されている。また、ORIヘッダ610は、6Byte長の送信元IDを格納するための送信元ID領域611、6Byte長の宛先IDを格納するための宛先ID領域612、ORIヘッダ610からFCS630までの全フレーム長を示す2Byte長のフレーム長情報を格納するためのフレーム長領域613、フレームの種類を示す2Byte長のタイプ情報を格納するためのタイプ領域614、およびフレームの通し番号を示す6Byte長のシーケンス番号情報を格納するためのシーケンス番号領域615により構成されている。
タイプ領域614に格納される値は、そのフレームがアプリケーションデータを含むフレームであるのか、ACKであるのか、またはNACKであるのかを示す。例えば、値が「0」であればアプリケーションデータ、「1」であればACK、「2」であればNACKとする。
シーケンス番号領域615は、3Byte長の移動局IDを格納するための移動局ID領域615a、およびフレームの通し番号を示す3Byte長の通し番号情報を格納するための通し番号領域615bを含む。シーケンス番号領域615に格納されるシーケンス番号情報は、移動局ID領域615aに格納された移動局IDと通し番号領域615bに格納された通し番号情報を組み合わせた値である。これにより、移動局間でのシーケンス番号の重複を回避する。ただし、タイプ情報の値が「1」、すなわち、ACKフレームの場合のシーケンス番号の値は受信が完了した最後のフレームのシーケンス番号の値になる。また、タイプ情報の値が「2」、すなわち、NACKフレームの場合のシーケンス番号の値は誤りが検出されたフレームのシーケンス番号の値になる。なお、ACKを送信するフレーム、NACKを送信するフレームは、データ620を含まない、ORIヘッダ610およびFCS630のみから成るフレーム構成とする。
ミリ波基地局600aでは、転送装置300からIPネットワーク400経由でデータフレームを受信した場合、イーサネット部602は受信したデータを復調した後にMAC部603へ受け渡し、MAC部603でデータフレームからMACヘッダなどを取り除き、データパケットをIP部604aに受け渡す。IP部604aは、MAC部603から受け取ったデータパケットをORI部607へ受け渡す。ORI部607は、IP部604aから受け取ったデータパケットにORIヘッダを付加してフレーム化し、ミリ波物理層部606に受け渡す。ミリ波物理層606では、ORI部607から受け取ったデータフレームを変調し、アンテナ601からミリ波移動局1600aに向けて送信する。
一方、ミリ波基地局600aは、アンテナ601経由でミリ波移動局1600aからデータフレームを受信した場合、ミリ波物理層部606で復調した後、ORI部607にデータフレームを受け渡す。ORI部607は、データフレームからORIヘッダなどを取り除き、データパケットをIP部604aに受け渡す。IP部604aでは、ORI部607から受け取ったデータパケットをMAC部603に受け渡す。MAC部603ではIP部604aから受け取ったデータパケットにMACヘッダを付加してフレーム化し、イーサネット部602に受け渡す。イーサネット部602では、MAC部603から受け取ったフレームを変調し、IPネットワーク400を経由して転送装置300に向けて送信する。
ミリ波基地局600aでは、ORI部607は、データを正常に受信した場合は送達確認としてACKフレームを生成し、ミリ波物理層部602およびアンテナ601を介してミリ波移動局1600aへ送信して確認応答する。または、ORI部607は、受信したデータに誤りが検出された場合は送達確認としてNACKフレームを生成し、ミリ波物理層部606およびアンテナ601を介してミリ波移動局1600へ送信して確認応答する。このときORI部607で生成するACKフレームおよびNACKフレームが、再送制御情報となる。
図35は、実施の形態2にかかるORIヘッダ610に再送制御情報を格納した値の例を示す図である。送信元ID領域611にはミリ波基地局600aのID「600」を16進数で表した「258」が格納され、宛先ID領域612にはミリ波移動局1600aのID「1600」を16進数で表した「640」が格納される。また、フレーム長領域613にはORIヘッダ+FCSの合計「26」Byteを16進数で表示した「1A」が格納され、タイプ領域614にはACKフレームであることを示す「1」が格納される。また、シーケンス番号領域615には16進数の「64064」が格納される。16進数の「64064」を10進数で表記すると「16000100」となり、この値はIDが「1600」のミリ波移動局1600aが送信した「0100」番目のデータフレーム、すなわち100番目のデータフレームまでを受信できたことを示している。
実施の形態2では、ミリ波基地局600a〜800aおよびミリ波移動局1600aにおいて、受信したNACKの情報に基づいてデータフレームを再送する際のデータフレーム送信方法を示す。一例として、ミリ波基地局600aからミリ波移動局1600aへ再送データフレームを送信する場合について説明する。ミリ波移動局1600aからミリ波基地局600aへ再送データフレームを送信する場合の手順は流れが逆になるだけのため、個別の説明は省略する。
ミリ波基地局600aでは、ミリ波移動局1600aからデータリンク層の送達確認フレームを受信すると、ORI部607は、送達確認フレームの内容を確認し、NACKの場合は指定されたシーケンス番号のアプリケーションデータのデータフレームを再送する。ここで、ORI部607は、データフレームの再送回数を管理する機能を有し、再送が行われるデータフレームの再送回数をシーケンス番号ごとに管理する。また、ORI部607は、基地局再送閾値を記憶部609に保持しており、一例として初期値を「1」とする。ミリ波基地局600aでは、ORI部607の制御により、データフレームの再送回数が基地局再送閾値未満の場合はミリ波物理層部606およびアンテナ601を介してミリ波移動局1600a宛にデータフレームを送信する。一方、ORI部607は、データフレームの再送回数が基地局再送閾値以上の場合は再送超過と見做し、LCX基地局500に送信するデータフレームを迂回させてLCX通信システム経由で送信する。実施の形態2では、ORI部607は、データをLCX基地局500経由で送信すると決定した場合、データにORIヘッダを付加したORIフレームの状態にフレーム化してLCX基地局500へ転送する。なお、基地局再送閾値については、実施の形態1の転送装置再送閾値と同様、デフォルトの値として設計段階で設定してもよいし、後から無線通信システム1aのユーザなどが値を設定または変更できるようにしてもよい。
なお、ORI部607では、LCX基地局500へ迂回すると同時にミリ波基地局600aからもミリ波移動局1600aへ送信してバイキャストで送信するようにしてもよい。これにより、冗長性が増すため、ミリ波基地局600aからミリ波移動局1600aへ再送するデータフレームの到達率を向上させることができる。
このとき、ミリ波基地局600aのORI部607では、LCX基地局500に転送、すなわち迂回させるデータフレームのデータサイズを制限する。迂回できるデータサイズの上限値であるビットレート閾値の決定方法については、実施の形態1における転送装置300,1200のTCP/IP部での決定方法と同じとする。ORI部607は、ビットレート閾値を記憶部609に記憶する。ORI部607は、LCX基地局500へ転送するデータの送信ビットレートがビットレート閾値を超えないように制御する。
ただし、迂回してもよいデータサイズの上限値を実施の形態1で述べたパケットサイズと同じにする必要はない。例えば、実施の形態2において、ミリ波基地局600aのORI部607における迂回可能なデータサイズの上限値を、実施の形態1に記載のTCP/IP部の転送可能なパケットサイズの上限値よりも大きくすることで、下位レイヤでの再送回数を減らすことになり、上位レイヤでの再送回数の増大を抑えることが可能となる。
また、ミリ波基地局600aからLCX基地局500へ送信するデータフレームが再送データフレームのみに限られない場合、ORI部607では、優先度に応じて上限値を変更してもよい。また、無線通信システム1aのように1つのLCX基地局500と通信し得るミリ波基地局が複数存在する場合、迂回できるデータサイズの上限値を各ミリ波基地局で固定的に等分してもよいし、LCX基地局500と通信しているミリ波基地局数の情報を逐一取得することで、各ミリ波基地局が上限値を変動させてもよい。
このように、データフレームをLCX基地局500へ迂回する側のミリ波基地局600aでは、LCX基地局500への送信が過剰とならないように迂回するデータサイズを制限する。
また、実施の形態1と同様、LCX基地局500は、内部で輻輳が発生するとミリ波基地局600a〜800aへアラートを送信し自局宛の送信を停止させる。このとき、LCX基地局500は、アラートの送信先を自局とセルを共有する全てのミリ波基地局600a〜800aとする。LCX基地局500からのアラートを受信したミリ波基地局600aのORI部607は、LCX基地局500で輻輳が発生したことを検知し、LCX基地局500経由でデータパケットを送信しないことを決定し、LCX基地局500への迂回を停止する。このとき、ミリ波基地局600a〜800aのORI部は、同時に基地局再送閾値の値を初期値より大きくする。例えば、ORI部は、基地局再送閾値の値を1上げて「2」とする。なお、基地局再送閾値の上昇値は「1」に限定するものではない。
その後、実施の形態1と同様、LCX基地局500は、輻輳が緩和されるとミリ波基地局600a〜800aに送信許可通知を送信する。通信許可通知を受信したミリ波基地局600a〜800aのORI部は、LCX基地局500経由でデータフレームを送信することを決定し、LCX基地局500へのデータフレームの迂回を再開する。このとき、ミリ波基地局600a〜800aのORI部では、基地局再送閾値を「2」のままとし、再送回数が2回以上のデータフレームのみをLCX基地局500へ迂回する。ミリ波基地局600a〜800aのORI部は、例えば、LCX基地局500へ転送する他のデータフレームが存在する場合、このタイミングでLCX基地局500へのデータフレームの迂回を再開してもよいし、再送データフレームの迂回と同じ制約条件としてもよい。ミリ波基地局600a〜800aは、その後、シーケンス番号が一周する間に基地局再送閾値以上の再送回数のデータフレームがない場合、基地局再送閾値の値を1下げて「1」とする。以後、ミリ波基地局600a〜800aのORI部は、上記の条件で基地局再送閾値を適宜変動させる。
ミリ波基地局600aのORI607部は、再送データフレームの送信準備が完了するとIP部604aにデータフレームを受け渡す。このとき、ORI607部は、通常のデータフレームと区別するため、専用のインタフェースを使って受け渡す。IP部604aは、専用インタフェースから受け渡されたデータフレームがORI部607からの特殊なフレームであると判定すると、IPヘッダを付加してカプセル化し、MAC部603に受け渡す。
IP部604aは、付加したIPヘッダの送信元IPアドレスをミリ波基地局600aのIPアドレス、宛先IPアドレスをLCX基地局500のIPアドレスにすることで、LCX基地局500とトンネリングする。このとき、同時にIPヘッダ210のプロトコル番号領域21iに「140」を格納する。プロトコル番号「140」とは、一般にプロトコルが定義されていない番号であり、ここでは、「140」の値がIPヘッダに続くデータがORIフレームであることを示すものとする。なお、「140」の値は一例であり、プロトコル番号においてプロトコルが定義されていない番号であれば、「140」以外の番号を用いてもよい。ミリ波基地局600aでは、IP部604aでカプセル化したデータパケットをMAC部603およびイーサネット部602で順次送信処理して、IPネットワーク400を経由してLCX基地局500へ送信する。
図36は、実施の形態2のミリ波基地局600aのORI部607が再送データフレームの転送先を決定する処理を示すフローチャートである。ORI部607は、ミリ波移動局1600aからの送達確認により、データフレームを再送するかどうかを判定する(ステップS61)。ORI部607は、データフレームを再送しない場合(ステップS61:No)は再送制御について待機する。ORI部607は、データフレームを再送する場合(ステップS61:Yes)、再送回数が規定された基地局再送閾値以上であるか否かを確認する(ステップS62)。ORI部607は、再送回数が基地局再送閾値未満の場合(ステップS62:Yes)、再送データパケットをミリ波通信システムのコネクションである伝送路を使用して送信することを決定し、データパケットをミリ波基地局600aから送信する(ステップS63)。ORI部607は、再送回数が基地局再送閾値以上の場合(ステップS62:No)、再送データパケットをLCX基地局500に迂回してLCX通信システムのコネクションである伝送路を使用して送信することを決定し、データパケットをLCX基地局500へ転送する(ステップS64)。なお、ORI部607においてLCX基地局500からアラートを受信した場合の動作は図30のフローチャートと同様である。
図37は、実施の形態2にかかる無線通信システム1aにおいてミリ波基地局600aからLCX通信システムを経由してデータフレームをミリ波移動局1600aへ送信する処理を示すシーケンス図である。前述のように、ミリ波基地局600aは、ORI部607で生成した再送データフレームを、IPネットワーク400を経由してLCX基地局500に送信する(ステップS200)。
LCX基地局500では、IPネットワーク400経由でミリ波基地局600aから送信された再送データフレームを受信すると、イーサネット部502およびMAC部503の処理を経て再送データフレームを再送データパケットの状態にし、IP部504では、受信した再送データパケットのIPヘッダ210のプロトコル番号領域21iの値が「140」であることから、カプセル化されたデータがORIフレームの再送データフレームと判定し、再送データパケットからIPヘッダを取り除いて図33に示すORIフレームの状態に戻す。その後、IP部504は、ORIフレームとなった再送データフレームに再度IPヘッダを付加してカプセル化する。IP部504は、このときのIPヘッダの送信元IPアドレスはLCX基地局500、宛先IPアドレスはLCX移動局1400とし、プロトコル番号領域21iには「140」を格納する。IP部504は、カプセル化が完了するとLCXデータリンク層部505にカプセル化したパケットを受け渡す。LCXデータリンク層部505では、受け渡されたパケットにヘッダなどを付加してデータフレーム化したデータリンク層フレームをLCX物理層506に受け渡す。LCX物理層部506は、データリンク層フレームを変調した後、LCX501を介してLCX移動局1400に送信する(ステップS201)。
LCX移動局1400では、LCX501から送信されたデータをアンテナ1401で受信すると、LCX物理層部1406およびLCXデータリンク層部1405の処理を経てデータリンク層フレームを再送データパケットの状態に戻し、IP部1404では、受信した再送データパケットのIPヘッダ210のプロトコル番号領域21iの値が「140」であることから、カプセル化されたデータがORIフレームの再送データフレームと判定し、再送データフレームからIPヘッダを除いて図34に示すORIフレームの状態に戻す。その後、IP部1404では、ORIフレームとなった再送データフレームに再度IPヘッダを付加してカプセル化する。IP部1404は、このときのIPヘッダの送信元IPアドレスはLCX移動局1400、宛先IPアドレスはミリ波移動局1600aとし、プロトコル番号領域21iには「140」を格納する。IP1404部は、カプセル化が完了するとイーサネット部1403,1402を経由した後、LAN1300経由でミリ波移動局1600aへ転送する(ステップS202)。
ミリ波移動局1600aでは、LAN1300経由でLCX移動局1400から転送されたデータを受信すると、イーサネット部1602,1603の処理を経て再送データパケットの状態でIP部1604aへ受け渡す。IP部1604aでは、受信した再送データパケットのIPヘッダのプロトコル番号領域21iの値が「140」であることから、カプセル化されたデータがORIフレームの再送データパケットと判定し、デカプセル化して、すなわちIPヘッダを取り除いてORIフレームの状態にして、専用インタフェースを使ってORI部1607へ受け渡す。ORI部1607では、専用インタフェースから受け取ったORIフレームのORIヘッダの送信元IDと宛先IDとから、そのORIフレームがミリ波基地局600aから自局宛に送信された再送データフレームであることを確認する。ORI部1607は、ミリ波基地局600から受信した再送データフレームにロスがなければミリ波基地局600aに対しACKの送達確認を送信し、ロスがあればNACKの送達確認を送信する(ステップS203)。このとき、ORI部1607は、送達確認をフレーム化してミリ波物理層部1606へ受け渡す。ミリ波物理層部1606は、送達確認フレームを変調して、アンテナ1601からミリ波基地局600aへ送達確認を送信する。
ミリ波基地局600aでは、ミリ波移動局1600aからACKまたはNACKを受信することで、ミリ波移動局1600aの要求に応じたデータを送信する。
なお、実施の形態2において、ミリ波基地局600a〜800aのORI部およびIP部、ミリ波移動局1600aのORI部1607およびIP部1604aについては、実施の形態1で説明した図31に示す処理回路90により実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、ミリ波基地局600a〜800aまたはミリ波移動局1600aにおいて、通常はミリ波通信システム間で送受信する再送データフレームを、再送データフレームの再送回数およびLCX通信システムの輻輳状態に基づいて、LCX通信システムに迂回して送信することとした。これにより、再送データフレームをより高信頼な無線システムを使って送信することができ、再送データフレームを高信頼に送信することが可能となる。なお、ミリ波基地局600a〜800aでは、再送回数が基地局再送閾値以上となった再送データフレームをLCX基地局500へ迂回させるのと同時にミリ波移動局1600aに直接送信してもよく、これにより冗長性が増すため再送データフレームの到達率を向上させることができる。
なお、実施の形態2において、ミリ波基地局600a〜800aまたはミリ波移動局1600aにおける再送制御が上位プロトコルに依存せずに実現できることは明らかであり、例えば、UDP(User Datagram Protocol)のように自身に再送機能が備わっていない通信プロトコルをサポートすることも可能である。また、実施の形態2と前述の実施の形態1とを組み合わせたシステム構成としてもよく、実施の形態2のみを実現するシステム構成としてもよい。また、実施の形態2では、異種の無線システムを組み合わせた無線通信システムでのみ実現されるものではなく、同種の無線システムを組み合わせた無線通信システムでも実現可能であり、これらが列車無線システムである必要もない。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 無線通信システム、100 位置情報管理サーバ、102,106,202,302,306,502,602,1402,1403,1602,1603 イーサネット部、103,105,203,303,305,503,603 MAC部、104,504,604,604a,1404,1604,1604a IP部、200 データ系端末、204,304 TCP/IP部、300,1200 転送装置、308,1208 転送制御部、309,609,1209,1609 記憶部、400 IPネットワーク、500 LCX基地局、501 LCX、505,1405 LCXデータリンク層部、506,1406 LCX物理層部、600,600a,700,800 ミリ波基地局、601,701,801,1401,1601 アンテナ、605,1605 ミリ波データリンク層部、606,1606 ミリ波物理層部、607,1607 ORI部、608,1608 再送制御部、1000 列車、1100 車載端末、1300 LAN、1400 LCX移動局、1600,1600a ミリ波移動局。

Claims (19)

  1. 第1の通信システムでデータを送受信する第1の基地局と、第2の通信システムでデータを送受信する第2の基地局と、第1の端末から受信したデータを前記第1の基地局または第2の基地局を経由して第2の端末へ送信する転送装置とを備える無線通信システムにおける前記転送装置であって、
    前記第1の通信システムでの前記データの再送回数によって前記データの転送先の基地局を判定するための閾値である転送装置再送閾値を記憶する転送装置記憶部と、
    前記データの再送回数と前記転送装置再送閾値とを比較した比較結果と、前記第2の通信システムの輻輳状態とに基づいて、前記第1の端末から受信したデータを前記第1の基地局経由または前記第2の基地局経由で前記第2の端末へ送信するかを決定する転送制御部と、
    を備えることを特徴とする転送装置。
  2. 前記第2の通信システムの無線品質は前記第1の通信システムの無線品質よりも良く、
    前記第1の通信システムの伝送容量は前記第2の通信システムの伝送容量よりも大容量とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の転送装置。
  3. 前記転送装置記憶部は、前記第2の基地局へデータを転送可能な上限値であるビットレート閾値を記憶し、
    前記転送制御部は、前記第2の基地局へ転送するデータの送信ビットレートが前記ビットレート閾値を超えないように制御する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の転送装置。
  4. 前記転送制御部は、前記第2の基地局から輻輳発生の通知を受信した場合、前記第2の基地局経由でデータを送信しないことを決定し、前記第2の基地局へのデータの転送を停止する、
    ことを特徴とする請求項1,2または3に記載の転送装置。
  5. 前記転送制御部は、前記転送装置再送閾値の値を初期値より大きくする、
    ことを特徴とする請求項4に記載の転送装置。
  6. 前記転送制御部は、前記第2の基地局から輻輳緩和による送信許可の通知を受信した場合、前記第2の基地局経由でデータを送信することを決定し、前記第2の基地局へのデータの転送を再開し、前記転送装置再送閾値の値を小さくする、
    ことを特徴とする請求項5に記載の転送装置。
  7. 前記転送制御部は、前記第1の端末から受信したデータを前記第2の基地局経由で前記第2の端末へ送信すると決定した場合に、さらに、前記第1の端末から受信したデータを前記第1の基地局経由でも前記第2の端末へ送信する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の転送装置。
  8. 請求項1から7のいずれか1つに記載の転送装置との間でデータの送受信を行う前記第1の基地局である無線基地局であって、
    前記第1の通信システムでの前記データの再送回数によって前記データを送信する基地局を判定するための閾値である基地局再送閾値を記憶する無線基地局記憶部と、
    前記データの再送回数と前記基地局再送閾値とを比較した比較結果と、前記第2の通信システムの輻輳状態とに基づいて、前記第2の端末宛てのデータを前記第2の基地局経由で再送するか否かを決定する再送制御部と、
    を備えることを特徴とする無線基地局。
  9. 前記再送制御部は、前記データを前記第2の基地局経由で送信すると決定した場合、前記データをフレーム化して前記第2の基地局へ転送する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の無線基地局。
  10. 前記無線基地局記憶部は、前記第2の基地局へデータを転送可能な上限値であるビットレート閾値を記憶し、
    前記再送制御部は、前記第2の基地局へ転送するデータの送信ビットレートが前記ビットレート閾値を超えないように制御する、
    ことを特徴とする請求項8または9に記載の無線基地局。
  11. 前記再送制御部は、前記第2の基地局から輻輳発生の通知を受信した場合、前記第2の基地局経由でデータを送信しないことを決定し、前記第2の基地局へのデータの転送を停止する、
    ことを特徴とする請求項8,9または10に記載の無線基地局。
  12. 前記再送制御部は、前記基地局再送閾値の値を初期値より大きくする、
    ことを特徴とする請求項11に記載の無線基地局。
  13. 前記再送制御部は、前記第2の基地局から輻輳緩和による送信許可の通知を受信した場合、前記第2の基地局経由でデータを送信することを決定し、前記第2の基地局へのデータの転送を再開し、前記基地局再送閾値の値を小さくする、
    ことを特徴とする請求項12に記載の無線基地局。
  14. 前記再送制御部は、前記データを前記第2の基地局経由で前記第2の端末へ送信すると決定した場合に、さらに、前記データを自局経由でも前記第2の端末へ送信する、
    ことを特徴とする請求項8から13のいずれか1つに記載の無線基地局。
  15. 請求項1から7のいずれか1つに記載の転送装置との間でデータの送受信を行う前記第2の基地局である無線基地局であって、
    前記転送装置および前記第1の基地局から前記データを受信する第1の通信部と、
    前記転送装置または前記第1の基地局から受信した前記データを、前記第2の通信システムにより前記第2の端末宛に送信する第2の通信部と、
    前記第2の通信システムによる通信の輻輳を監視し、輻輳を検出した場合は輻輳発生の通知を生成して前記転送装置および前記第1の基地局へ送信する制御部と、
    を備えることを特徴とする無線基地局。
  16. 前記制御部は、輻輳が緩和した場合、送信許可の通知を生成して前記転送装置および前記第1の基地局へ送信する、
    ことを特徴とする請求項15に記載の無線基地局。
  17. 請求項1から7のいずれか1つに記載の転送装置と、
    請求項8から14のいずれか1つに記載の無線基地局と、
    請求項15または16に記載の無線基地局と、
    を備えることを特徴とする無線通信システム。
  18. 第1の通信システムでデータを送受信する第1の基地局と、第2の通信システムでデータを送受信する第2の基地局と、第1の端末から受信したデータを前記第1の基地局または第2の基地局を経由して第2の端末へ送信する転送装置とを備える無線通信システムにおける前記転送装置の転送方法であって、
    前記第1の端末から前記第2の端末宛に送信されたデータを受信する受信ステップと、
    前記第1の通信システムでデータを送信する際のデータの再送回数と、前記第1の通信システムでの前記データの再送回数によって前記データの転送先の基地局を判定するための閾値である転送装置再送閾値とを比較する比較ステップと、
    前記比較ステップにおける比較結果と、前記第2の通信システムの輻輳状態とに基づいて、前記第1の端末から受信したデータを前記第1の基地局経由または前記第2の基地局経由で前記第2の端末へ再送するかを決定する転送制御ステップと、
    を含むことを特徴とする転送方法。
  19. 第1の通信システムでデータを送受信する第1の基地局と、第2の通信システムでデータを送受信する第2の基地局と、第1の端末から受信したデータを前記第1の基地局または第2の基地局を経由して第2の端末へ送信する転送装置とを備える無線通信システムにおける前記第1の基地局の転送方法であって、
    前記第1の端末から前記第2の端末宛に送信されたデータを前記転送装置から受信する受信ステップと、
    前記第1の通信システムでデータを送信する際のデータの再送回数と、前記第1の通信システムでの前記データの再送回数によって前記データを送信する基地局を判定するための閾値である基地局再送閾値とを比較する比較ステップと、
    前記比較ステップにおける比較結果と、前記第2の通信システムの輻輳状態とに基づいて、前記第2の端末宛てのデータを前記第2の基地局経由で再送するか否かを決定する再送制御ステップと、
    を含むことを特徴とする転送方法。
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