JP2017010236A - 製品登録システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
Description
製品に当該識別記号が付記されていない場合には、消費者からの問い合わせに対し、その製品が作られた課程(工程、製造装置等)の管理情報が証明できないことになり、製品の安全性を担保することができない。そのため生産現場では、人間もしくは識別記号認識装置が、製品製造の際に各種事象が発生する度に、当該過程(工程、製造装置等)において、当該事象の発生情報と識別番号の情報を登録する必要がある。
仮に、事象の発生及び識別番号を確認する作業者がいる場合であっても、工程等で事象が発生する時点が予測不可能である。また、(例えば、異常警告信号等のように)事象が複数同時に発生した場合に全ての事象が発生した時点で識別記号を確認することは不可能である。さらに、作業者による目視では確認できない箇所に識別記号がある場合には、作業者は識別記号を全く確認することができない。
すなわち、事象の発生と識別番号の確認を作業者が行なう場合には、当該作業者は大部分の情報を把握できず、欠落部分が多い情報(いわゆる「歯抜け情報」)にしかならない。そのため、現状では決められた必要最小限の情報のみ作業者が確認しているというのが、一般的である。
そのため製品における識別情報を登録するため、できるだけ多くの場所に作業員を配置することが考えられるが、上述したように、事象の発生及び識別番号の確認を作業者の視認により行う場合には、情報の把握が不完全となり、欠落部分が多い情報(いわゆる「歯抜け情報」)しか得ることが出来ない。
また上述したように、監視装置を製造装置に設けることは現実的には困難である。
その他の従来技術として、例えば入力された情報が不正確な情報に書き換えられてしまうことを防止する機能を有する追跡可能性を有する情報処理システム(トレーサビリティシステム)が提案されている(特許文献1参照)。
この従来技術(特許文献1)は有用であるが、市場に出荷するべき製品(例えば液体飲料製品)に識別記号を付加することや、製造時における各種事象を前記識別記号に対して紐付けることは意図してはいない。
製造ラインにおける装置の各々に設けられて製品が通過する時刻を計測する計測装置(センサP10〜P36)を備え、
計測装置(センサP10〜P36)は、製品が通過した場合に、通過したことを検知しその通過時刻を計測する機能を有し、
計測装置(センサP10〜P36)の計測結果が入力される制御装置(1)を有し、
前記制御装置(1)は、計測装置(センサP10〜P36)からの計測信号を受け、製品が通過した場合にOFF信号を発生し且つ製品が通過しない場合にON信号を発生する機能を有し、
前記制御装置(1)は、識別記号が付加された製品が通過する全ての装置(経路、工程等)で発生した事象(イベント)を当該製品が識別記号付加装置(E0)を通過する時刻(識別記号)と紐付ける(関連付ける)機能を有することを特徴としている。
ここで「製品が通過する時刻に関連付けられた情報」は、当該時刻と「1対1」で変換可能な記号その他の情報や、時刻そのものを示す記号その他の情報である。
製造ラインにおける最上流の装置に設けられ且つ通過する時刻を(製品に)付加(例えば印字等)する識別記号付加装置(E0)を(製品が)通過した時刻を識別記号として製品に付加する工程と、
識別記号付加装置(E0)或いは製造ラインにおける装置の各々に設けられて製品が通過する時刻を計測する計測装置(センサP10〜P36)を製品が通過した場合に、通過したことを検知しその通過時刻を計測する工程と、
計測装置(センサP10〜P36)からの計測信号により、製品が通過した場合にOFF信号を発生し且つ製品が通過しない場合にON信号を発生する工程と、
識別記号が付加された製品が通過する全ての装置(経路、工程等)で発生した事象(イベント)を当該製品が識別記号付加装置(E0)を通過する時刻(識別記号)と紐付ける(関連付ける)工程を有することを特徴としている。
製品が識別記号付加装置(E0)を通過する時刻(識別記号)と紐付ける(関連付ける)前記工程は、
当該事象が発生した装置が最上流の装置ではない場合に当該事象が発生した時刻(Pnで計測された時刻)を直ぐ上流に位置する装置を製品が通過した時刻(Pn−1で計測された時刻)に演算する工程と、
当該直ぐ上流に位置する装置が最上流の装置であるか否かを判断する工程を有するのが好ましい。
本明細書において、或るセンサPnから直ぐ下流のセンサPn+1の直前までの領域(センサPnを製品が通過した時刻が計測される領域)を、「Pnの領域」、「Pnのエリア」、「Pn」、「センサPn」等と表記する場合がある。
また「事象」なる文言は、各種装置の停止や、その他の異常事態を広く包含する趣旨の文言である。
また本発明によれば、識別記号が付加された製品が通過するすべての工程(装置等含む)において、製品が移動している状況で発生した事象を、製品が製造装置(製造ライン)の最上流に配置された装置(E0)を通過する時刻(識別記号)と自動的に紐付けている。そのため、当該製品を製造する際に発生した様々な事象に関する情報を当該製品の識別記号と紐付けされて(関連情報となって)確実に管理される。そして、消費者からの問い合わせに対して当該製品の製造課程(工程、製造装置等)の管理情報を確実に証明にすることが出来る。
そのようにして記録すれば、消費者から問い合わせがあった際に、識別記号を確認すれば、それと紐付けられた事象に関する情報を迅速、容易且つ正確に把握することが出来る。
識別記号が付けられた製品が通過するとOFF信号を発生し、識別記号が付けられた製品が通過しない状態でON信号を発生する本発明では、処理装置が処理すべきON信号の個数は極めて少なくなり、処理速度の速い機能のシーケンサーを使用する必然性が存在しない。そのため、一般的な事務処理レベルのPCでシステム全体の処理することが可能である。
最初に図1を参照して、本発明の実施形態が適用される製造ラインの概要について説明する。
図1において、製造ラインL(例えば液体飲料製品の製造ライン)に投入された製品A(例えば液体飲料製品の材料や素材、半製品を含む)は、最初に最上流(図1の左側)の識別記号付加装置E0で製品Aが通過する時刻に関連付けられた情報(識別記号:通過時刻そのものである場合を含む)を付加される(例えば印字される)。その後、製品Aは装置Eに進む。図1では、製品を完成するための各工程(包装、集積、その他の工程)を実施するための各種装置を包括して装置Eと表示している。
装置Eでの工程(単数の工程、複数の工程の何れも含む)を実施し、製品(出荷製品)として完成した製品Aは、製造ラインLを終了(ラインオフ)して市場に出荷される。市場に出荷される製品A(出荷製品)には前記識別記号が付加されており、当該識別記号は製品Aが市場に流通する際のトレース(追跡)のキーとなる。
図2において、製品Aが投入される製造ラインLでは、識別記号付加装置E0により製品Aに識別記号(すなわち、当該製品が通過する時刻と「1対1」で変換可能な記号その他の情報や、時刻そのものを示す記号その他の情報)を付加した後、装置E1、装置E2、装置E3で製品を完成するための各工程(包装、集積、その他の工程))を実施し、製品(出荷製品)として完成する。
図示の実施形態では、識別記号付加装置E0により製品Aに付加される識別記号(すなわち、当該製品が通過する時刻と「1対1」で変換可能な情報、或いは時刻そのものを示す情報)として、識別記号付加装置E0の通過時刻(センサP10の通過時刻)を例示している。
図2の例では、製品Aが製造ラインLを通過して、完成製品として製造ラインLから搬出される(ラインオフ)際には、製品Aには識別記号が付加され、製品AがセンサP10〜P16を通過した時刻が計測されている。
また、製品Aが装置E1のセンサP11を通過してから、センサP12を通過するまでの所要時間T2(センサP11、P12間を移動するのに要する時間)は「X2」である。
さらに、製品AがセンサP12を通過してからセンサP13を通過するまでの所要時間T3は時間「X3」、センサP13を通過してからセンサP14を通過するまでの所要時間T4は時間「X4」である。
制御装置1は、識別記号が付加された製品Aが通過する全ての装置(経路、工程等)で発生した事象(イベント)を、製品Aが識別記号付加装置E0を通過する時刻(すなわち、センサP10の通過時刻であり、図示の例では識別記号)と紐付ける(関連付ける)機能を有している。
多数の製品Aが、同時に当該製造ラインL上に存在し、移動し、徐々に下流側に移動する。
図3において、3つの製造ラインL1、L2、L3が並列に配置されている。
製造ラインL1には、上流側(図3の左側)から、識別記号付加装置E01、装置E11、E12、E13が配置され、識別記号付加装置E01の下流側(出口側:図3では右側)にセンサP10が配置されている。
装置E11の上流側(入口側:図3の左側)及び下流側にはセンサP11、P12が設けられ、装置E12の上流側及び下流側にはセンサP13、P14が設けられ、装置E12の上流側及び下流側にはセンサP15、P16が設けられている。
識別記号付加装置E02、E03は、図2を参照して説明した識別記号付加装置E0と同様である。また、センサP20〜P26、センサP30〜P36についても、図2を参照して説明したセンサP10〜P16と同様である。
各製造ラインL1、L2、L3で製造、完成された製品A1、A2、A3(完成品)には、それぞれ識別記号が付加されており、製造ラインから搬出され(ラインオフ)、市場に出荷される。その時、製品A1、A2、A3(ラインオフされた完成品)の各々には識別記号が付加されていることに加えて、各センサP10〜P36の通過時刻が計測されており、製品に付加された識別記号と各センサP10〜P36を通過した時刻(通過時刻)は、図3では図示しない制御装置(図2の制御装置1)に入力される。
なお、複数の製造ライン(例えば製造ラインL1、L2)において同一種類の製品(例えばA1)を製造する場合もある。
図4はその様な新たな製造ラインを示しており、既存の製造ラインL1の前半と製造ラインL2の後半を組み合わせて、新しい製造ラインLN1とすることを示している。
図4において、既存の製造ラインL1、L2において、新たな製造ラインLN1には採用されなかった領域(製造ラインL1の後半と製造ラインL2の前半)は、点線で示されている。
製造ラインLN1により製造される製品AN1には、それぞれ識別記号が付加されている。また、製造途中の製品AN1が各センサP10〜P26の通過する通過時刻が計測され、識別記号と各センサP10〜P26の通過時刻は制御装置(図4では図示せず:図2の制御装置1)に入力されている。
これに対して図示の実施形態では、一般的な事務処理レベルのパーソナルコンピューター(PC)でもシステム全体の処理が可能となるように、監視装置(例えばセンサP10〜P16)でON信号とOFF信号を発生する機序が、従来の製造ラインとは異なっている。
図示の実施形態では、図5で示すように、識別記号が付けられた製品が通過する状態では監視装置(センサP10〜P16等)からの信号を「OFF信号」として処理し、識別記号が付けられた製品が通過しない状態における信号を「ON信号」として処理する。
図5(1)は、ある特定のセンサP(例えばP11)を識別記号が付加された製品が通過しなかった場合を示しており、センサPからの検出信号は、図示しない制御装置を介してON信号として処理される(図9を参照して後述)。図5において、横軸(図5の左から右に向かう方向)は時間軸Tである。
図5(1)で示す状態の後、例えば時刻「β−1」に当該センサPを1つの製品が通過した場合は、図5(2)に示すように、時刻「β−1」以降、センサPから発生する信号は制御装置を介してOFF信号として処理される。すなわち、時刻「β−1」以降はOFF信号を発生したものとして処理される。
ここで、所定時間T0は連続してセンサPを通過する製品の時間的な間隔であり、製造ラインにおいて連続して移動する製品間の時間的な間隔を考慮して設定される。
一方、図5(2)の時刻「β−1」に製品が通過した後、所定時間T0内の例えば時刻「β−2」に次の製品が通過した場合には、図5(4)で示すように、OFF信号が継続される。
そのため、図5で示すように、識別記号が付けられた製品が通過するとOFF信号を発生し、識別記号が付けられた製品が通過しない状態でON信号を発生するように構成すれば、制御装置で処理すべきON信号(換言すれば、発生するON信号)の個数は極めて少なくなり、処理速度の速い機能のシーケンサーを使用しなくても、一般的な事務処理レベルのPCでシステム全体の処理が可能となる。
ここで、「事象」なる文言は、各種装置の停止や、その他の異常事態を広く包含する趣旨の文言である。
図6において、製造ラインに投入された製品Aには、最上流(図6の最も左側)に配置された図示しない識別記号付加装置により、識別記号(製品AがセンサP10を通過した時刻に基づいて作成された識別記号)が付加される。上流のセンサP10の各製品Aの枠中に記載されているのは、各製品AのセンサP10の通過時刻である。
図6の例では、各通過製品Aの識別記号は、各製品AがセンサP10を通過した時刻である。上述した様に、製品に付与される識別記号は、センサP10を通過した通過時刻を「1対1」で特定可能な情報であるか、或いは通過時刻そのものである。
センサP11及びP12を順次通過する各製品Aの枠中に記載されているのは、各製品AのセンサP11及びP12の通過時刻である(識別記号ではない)。
図6の例では、「時刻00:05〜00:20」及び「時刻00:23〜00:33」の間はセンサP10を通過する製品Aは存在せず、図6における製造ラインは停止している(停止期間ST−1、ST−2)。製造ラインが停止している間は、製品AはセンサP10を通過しない。
同一の製品AがセンサP10を通過してからセンサP11を通過するまでの所要時間T1はX1であり、例えばセンサP10を「時刻00:01」に通過した製品A(「識別記号00:01」)は、「時刻00:01+X1」にセンサP11を通過する。また「識別記号00:02」の製品Aは「時刻00:02+X1」にセンサP11を通過し、「識別記号00:03」の製品Aは「時刻00:03+X1」にセンサP11を通過する。
また、停止期間ST−1後のセンサP10を通過した「識別記号00:20」の製品Aは、「時刻00:20+X1」にセンサP11を通過する。図6では、通過時刻は一般的に「時刻XX:XX」と表示される。
センサP10の場合と同様に、停止期間ST−3、ST−4の間は、識別記号が付与された製品AはセンサP11を通過しない。
本明細書では、センサP11からセンサP12の直前までの領域(図6では中段の領域)を、「P11の領域」、「P11のエリア」、「P11」、「センサP11」等と表記する場合がある。図6の例では、センサP11において、「時刻ZZ:Z1」には事象EV(イベント)が発生している。
センサP10、P11の場合と同様に、停止期間ST−5、ST−6の間は、製品AはセンサP12を通過しない。
本明細書では、センサP12から直ぐ下流センサP13(図示せず)の直前までの領域(図6では下段の領域)を、「P12の領域」、「P12のエリア」、「P12」、「センサP12」等と表記する場合がある。図6の例では、センサP12において、「時刻ZZ:Z2」及び「時刻ZZ:Z3」に事象EV(イベント)が発生している。
図7において、当該製造ラインに投入された製品は、最上流位置に設けられた識別記号付加装置E0(図7では図示せず)により識別記号を付加される(センサP10の通過時刻に基づき識別記号が付与される)。
図6で説明したのと同様に、図7以降においても、センサPnから直ぐ下流のセンサPn+1の直前までの領域を、「Pnの領域」、「Pnのエリア」、「Pn」、「センサPn」等と表記する場合がある。
期間OP1における製品がセンサP10を通過する時刻は、図7の上段の「P10」における期間OP1の始点及び終点の時刻であり、「時刻XX:X1〜XX:X2」である。図7では、通過時刻が識別記号として表示される。
同様に、期間OP2、OP3において対象となる通過製品の時刻範囲は、それぞれ「時刻XX:X3〜XX:X4」、「時刻XX:X5〜XX:X6」である。
停止期間ST−1、ST−2では製品AはセンサP10を通過しない。そのため、図7において、センサP10を通過するのは、「識別記号XX:X1〜XX:X2」、「識別記号XX:X3〜XX:X4」、「識別記号XX:X5〜XX:X6」が付与された製品Aである。
図7の中段における「センサP11」においては、期間OP4、OP5、OP6では製品がセンサP11を通過しており、その間、センサP11は制御装置を介して「OFF信号」を発信しているものとして処理される。
一方、センサP11においては、停止期間ST−3(「時刻XX:X7〜XX:X8」)、ST−4(「時刻XX:X9〜XX:X10」)が存在し、その間、センサP11は制御装置を介して「ON信号」を発信しているとして処理される。そして停止期間ST−3、ST−4では製品はセンサP11を通過しない。
センサPXXにおいて、製品がセンサPXXを通過している期間OP7、OP8、OP9では、センサPXXは制御装置を介して「OFF信号」を発信しているとして処理される。
一方、センサPXXにおいて、停止期間ST−5(「時刻XX:XX1〜XX:XX2」)、ST−6(「時刻XX:XX3〜XX:XX4」)では、センサPXXは制御装置を介して「ON信号」を発信しているとして処理される。そして停止期間ST−5、ST−6では製品はセンサPXXを通過しない。またセンサPXXにおいては、「時刻ZZ:Z1」には事象EV(イベント)が発生している。
図8では、図7に準じて「ON信号」、「OFF信号」と事象の発生時刻が示され個々の製品の図示を省略しているが、図7では符号「XX:XX」で示されていた時刻が、具体的な数字で示されている。
図8において、識別記号付加装置(図示せず)の直後(直ぐ下流側)に配置されたセンサP10を製品が通過する時刻は、「時刻00:00」に開始される。センサP10では停止期間ST−1(「時刻03:00」〜「時刻03:05」)、ST−2(「時刻06:00」〜「時刻06:05」)が存在し、その間センサP10は制御装置を介して「ON信号」を発信しているものとして処理されており、製品はセンサP10を通過しない。
したがって、センサP11、P12の通過時間をセンサP10の通過時間と紐付ける処理を行なう対象となる製品は、センサP10を「00:00〜03:00」、「03:05〜06:00」、「06:05〜10:00」に通過した製品である。そして図示の実施形態では、識別記号が「00:00〜03:00」、「03:05〜06:00」、「06:05〜10:00」となっている製品である。
図8の中段で示されているセンサP11では、停止期間ST−3(「時刻03:10」〜「時刻03:15」)、ST−4(「時刻06:10」〜「時刻06:15」)が存在し、その間センサP11は制御装置を介して「ON信号」を発信しているとして処理され、その間、製品はセンサP11を通過しない(流れない)。停止期間ST−3、ST−4は、センサP10における停止期間ST−1、ST−2が、センサP11において前記所要時間T1(=10分間)だけ後にずれている。
イベントEV1は例えば製造ラインにおける資材変更であり、「時刻00:50」に発生している。
イベントEV2は例えばアラーム発生であり、「時刻06:12」に発生している。
イベントEV3は例えば前記アラームの修復であり、「時刻06:50」に発生している。
図8の下段に示されているセンサP12では、停止期間ST−5(「時刻03:15」〜「時刻03:20」)、ST−6(「時刻06:15」〜「時刻06:20」)が存在し、その間センサP12は制御装置を介して「ON信号」を発信しているものとして処理されており、製品はセンサP12を流れない。この停止期間ST−5、ST−6は、センサP10における停止期間ST−1、ST−2が、センサP12において所要時間T1+T2(=15分間)だけ下流側にずれて発生したものである。
センサP12では、事象EV4(イベント)が発生している。イベントEV4は、例えば製造ラインにおける資材変更であり、「時刻05:16」に発生している。
ここでは、センサP10で計測する製品の通過時刻は、上述したように、識別記号付加装置E0における識別記号作成のベースになる時刻である。
また「製品が通過する時刻と紐付ける(関連付ける)情報」とは、当該時刻と「1対1」で対応(或いは変換)可能な記号その他の情報や、時刻そのものである。
図8におけるイベントEV1は、製品がセンサP11を移動している状況(工程)で、「時刻00:50」に資材変更が行われたことを示している。図示の実施形態では、制御装置1は、センサP11でイベントEV1の発生した「時刻00:50」と、センサP10からセンサP11までの所要時間T1=10分(定数)を参照して、イベントEV1を製品がセンサP10の直上流のセンサP10(最上流のセンサP10)の時刻(識別記号に対応)と紐付けている。当該紐付けでは、イベントEV1が発生した「時刻00:50」から、所要時間T1(=10分)を減じた「時刻00:40」がセンサP10における時刻として紐付ける。そして、イベントEV1は「識別記号00:40」と紐付けられる。
センサP11におけるイベントEV1が「識別記号00:40」と紐付けされ、「識別記号00:40」という情報を管理することにより、製品がイベントEV1の影響を受けているか否かを判断することが出来る。
ここでセンサP10において、「時刻06:02」は停止時間ST−1であり、識別符号が付された製品は移動していない(センサP10が制御装置を介して「ON信号」として処理)。
この様に換算の結果として停止時間に相当した場合には、イベントEV2を、当該センサP10における「時刻06:02」の直前であって、製品が移動している「時刻06:00」(センサP10が制御装置を介して「OFF信号」として処理されている「時刻06:00」)に紐付ける。そして、「識別記号06:00」と紐付けることが出来る。
イベントEV3の紐付けに際して、制御装置1は、センサP11でイベントEV3の発生した「時刻06:50」から所要時間(T1=10分:定数)を減じて、イベントEV3発生時刻を、センサP10における「時刻06:40」(「時刻06:50」−所要時間10分)と紐付ける。すなわち「識別記号06:40」と紐付けることが出来る。
次に、センサP11に「時刻05:11」を、P10の直ぐ上流のセンサP11における時刻に換算する。具体的には、センサP11に換算された「時刻05:11」から所要時間T1(=10分:製品がセンサP10を通過してからセンサP11を通過するまでの所要時間:定数)を減じて、センサP10における「時刻05:01」に換算する(「時刻05:11」−所要時間10分)。すなわち「識別記号05:01」と紐付けることが出来る。
明確には図示されていないが、図示の実施形態においては、製品を製造する際に発生した様々な事象に関する情報を、上述のように当該製品の識別記号と紐付けして(関連情報として)管理するに際しては、例えば製品のメーカーの情報処理システムにおける記憶装置に、イベントEV1〜EV4の情報をセンサP10の時刻(識別記号)と紐付けして記録している。そのようにして記録することにより、消費者から問い合わせがあった際に、問い合わせのあった商品の識別記号を確認すれば、それと紐付けられたイベントを迅速、容易且つ正確に把握することが出来る。
最初に、図9を参照して、係る制御を実行する手順を説明する。図9の制御は、識別記号が付けられた製品が通過する状態では「OFF信号」を発生し、識別記号が付けられた製品が通過しない状態では「ON信号」を発生する制御であり、各センサP10〜P16(図2参照)から制御装置1に入力される製品通過の検知信号及び通過時刻に基づき、制御装置1で実行される。
製品が通過しない場合(ステップS1が「No」)は、ステップS2に進む。
ステップS2では、「ON信号」を発生して、ステップS1に戻る(ステップS1がNOのループ:図5(1)に相当)。
ステップS1において製品が通過した場合(ステップS1が「Yes」)は、ステップS3に進む。ステップS3では、「OFF信号」を発生する(図5(2)に相当)。そしてステップS4に進む。ステップS4では、計時を開始し、ステップS5に進む。
ステップS7では、ステップS4で開始した計時をリセットして、ステップS1に戻り、当該制御を繰り返す。
ステップS9では、ステップS4で開始した計時をリセットして、ステップS10に進む。
ステップS10では、図9で示す制御を終了するか否かを判断する。
図9の制御を終了する場合(ステップS10が「Yes」)は終了し、図9の制御を終了しない場合(ステップS10が「No」)は、ステップS4の計時開始に戻り、ステップS4〜S10の制御を繰り返す。
図10において、制御装置1(点線で示す)内に配置されているのは、図9の制御(「ON信号」及び「OFF信号」を発生する制御)を行うため各種機能ブロックである。すなわち、第1の判断ブロック1A、第2の判断ブロック1B、計時装置1C、ON信号発生ブロック1D、OFF信号発生ブロック1E及び記憶装置1Fである。
機能ブロックの各々について、以下に説明する。なお図10において、符号ISLは入力信号ライン、符号IIFは入力側インターフェースである。そして、符号OSLは出力信号ライン、符号OIFは出力側インターフェースである。
また、第1の判断ブロック1Aは、製品が当該センサを通過しない場合は、ON信号発生ブロック1Dに「ON信号」の発生を指示する信号を発生する機能と、製品が当該センサを通過した場合は、OFF信号発生ブロック1Eに「OFF信号」の発生を指示する信号を発生する機能とを有している。さらに第1の判断ブロック1Aは、製品が当該センサを通過した場合に製品が通過した旨の信号と、通過時刻の計測結果の信号を送信する機能を有している。そして第1の判断ブロック1Aは、製品が当該センサを通過した場合に、計時装置1Cを起動させる機能を有している。
そして第2の判断ブロック1Bは、次の製品が(直前に製品が通過してから)所定時間T0内に通過した場合は、OFF信号発生ブロック1Eへ「OFF信号」を維持する旨の信号を送信する機能を有しており、次の製品が所定時間T0内に通過しなかった場合は、ON信号発生ブロック1Dに「ON信号」を発生する旨の信号を送信する機能を有している。
それに加えて第2の判断ブロック1Bは、ON信号発生ブロック10D或いはOFF信号発生ブロック1Eに制御信号を送信する際に、計時装置1Cをリセットする機能をも有している。
OFF信号発生ブロック1Eは、上述のように、製品がセンサを通過した場合に、第1の判断ブロック1A、第2の判断ブロック1Bの指令により、「OFF信号」を発生し、制御装置1の外部の情報処理システムにおける記憶装置2に送信する機能を有している。
記憶装置1Fには前記所定時間T0、T1、T2が記録され、第2の判断ブロック1Bによる判断の際に記憶装置1Fは必要な所定時間を送信する機能を有している。
図11は、図6〜図8で示す事象発生時刻から識別記号の紐付ける手順を示している。
図11において、ステップS11では、事象(イベント)が発生したか否かを判断する。明確には図示されていないが、製造ラインには各種異常等の事象(イベント)の発生を検知して、その発生時刻と共に制御装置1に伝達する検知機構が配置されている。
ステップS11でイベントが発生しないと判断した場合(ステップS11が「NO」)は、ステップS12に進み、イベントが発生したと判断した場合(ステップS11が「YES」)は、ステップS13に進む。
ステップS12では、図11の制御を終了するか否かを判断し、終了しない場合(ステップS12が「NO」)は、ステップS11に戻り、当該制御を繰り返す。
ステップS14では、イベントが最上流のセンサP10の領域で発生したか否かを判断する。
ステップS14でイベントが発生した領域がセンサP10の領域と判断された場合(ステップS14が「YES」)は、ステップS15に進み、イベントが発生した領域がセンサP10の領域でぱないと判断した場合(ステップS14が「NO」)は、ステップS16に進む。
一方、ステップS16(イベントが最上流センサP10以外のセンサの領域で発生した場合)では、ステップS13で記録したイベントの発生時刻を、1つ上流のセンサの領域(直上エリア)の換算する(紐付ける)。例えばセンサP13の領域でイベントが発生した場合には、センサP13におけるイベント発生時刻を、センサP12の時刻に換算する(紐付ける)。その様な紐付けを行うに際しては、図8を参照して上述したように、製品がセンサP12を通過してからセンサP13を通過するまでの所要時間を減算して行う。
ステップS16以下のステップに関する説明において、前記紐付けた直上エリアのセンサの時刻(直上エリアの時刻に換算された時刻:イベントがセンサP13であれば、センサP12の時刻)を、「対応時刻」と記載する。
また、ステップS16において、ステップS19から戻って処理を行う場合には、直前のステップS18で求めた対応時刻をさらにその直上のセンサにおける対応時刻に換算する(紐付ける)。
ステップS17において、対応時刻が当該直上エリアの停止期間(「ON信号」の期間)であると判断した場合(ステップS17が「YES」)は、ステップS18に進む。一方、ステップS17において、対応時刻が当該直上エリアの停止期間(「ON信号」の期間)でないと判断した場合(ステップS17が「NO」)は、ステップS19に進む。
ステップS18では、直上エリアの停止期間(「ON信号」の期間)と判断された対応時間は、直上エリアの対応時刻の直前で「OFF信号」を発生している時刻(すなわち、製品が移動しており、停止期間でない時刻)に紐付けられ、「直上エリアの対応時刻の直前で「OFF信号」を発生している時刻」を改めて対応時刻とする。換言すると、ステップS18ではステップS17の判断結果を受け、対応時刻が直上エリアの停止期間の場合に、ステップS16で紐付けられた対応時刻を訂正している。
一方、当該直上エリアがセンサP10ではないと判断した場合(ステップS19が「NO」)は、ステップS16に戻る。
ステップS20では、当該対応時刻をセンサP10の時刻とする。そしてステップS15に進み、ステップS15では、センサP10の時刻を当該製品の識別記号に紐付ける(関連付ける)。
図12において、制御装置1は、事象(イベント)発生判断ブロック1G、最上流エリア判断ブロック1H、直上エリア決定ブロック1I、直上エリアの時刻(対応時刻)決定ブロック1J、識別記号決定ブロック1K及び記憶装置1Lを有している。
なお、図示しない検知機構や前記センサP10〜P16からの計測情報は、記憶装置1Lにも入力され、記録される。
事象(イベント)発生判断ブロック1Gは、イベントが発生した旨を判断すると、その旨と、イベントに関する情報(発生したエリア、内容、発生した時刻)を最上流エリア判断ブロック1Hに送信し、それと共に、当該イベントに関する情報を記憶装置1Lにも送信する。
最上流エリア判断ブロック1Hは、イベントがセンサP10の領域で発生したと判断した場合に、当該判断結果とイベントに関する情報(発生したエリア、内容、発生した時刻)を識別記号決定ブロック1Kに送信する機能をも有している。ここで言うイベント発生時刻はセンサP10における、識別記号に対応しているか、或いは識別記号そのものである。
最上流エリア判断ブロック1Hは、イベントはセンサP10で発生したものでないと判断した場合は、その判断結果とイベントに関する情報(発生したエリア、内容、発生した時刻)を直上エリア決定ブロック1Iに送信する機能を有している。そして最上流エリア判断ブロック1Hは、当該判断結果を記憶装置1Lに送信する機能を有している。
例えばイベントがセンサP13のエリアで発生しているのであれば、「1つ上流のエリア(直上エリア)」はP12のエリアである。
そして、直上エリアの時刻(対応時刻)決定ブロック1Jは、当該決定結果を最上流エリア判断ブロック1Hに送信する機能を有している。
最上流エリア判断ブロック1Hから直上エリアの時刻(対応時刻)決定ブロック1Jにおいて、直上エリアの時刻(対応時刻)の換算(算出、紐付け)を繰り返すことにより、最終的には最上流エリア(P10)における対応時刻を決定し、それに対応する識別記号を決定することが出来る。
最上流エリア判断ブロック1Hから直上エリアの時刻(対応時刻)決定ブロック1Jの機能により最上流エリア(P10)の対応時刻(識別記号或いは識別記号と1:1で対応する時刻)が決定、判断されると、決定されたP10の対応時刻が最上流エリア判断ブロック1Hから識別記号決定ブロック1Kに送信される。それを受けて識別記号決定ブロック1Kは、当該イベントに対応する製品の識別記号を決定するのである。
そして、発生したイベントに関する情報が当該製品の識別記号と紐付けられて情報処理システムにおける記憶装置2に記録される。
その後、制御装置1が、センサP10〜P16からの計測信号により、製品が通過した場合にOFF信号を発生し且つ製品が通過しない場合にON信号を発生する工程と(図9、図10の制御)、識別記号が付加された製品が通過する全ての装置(センサP10〜P16)で発生したイベントを当該製品が識別記号付加装置E0(センサP10)を通過する時刻(識別記号)と紐付ける(関連付ける)工程を実行する。
ここで、イベントについては、図示しない検知機構やセンサP10〜P16により検知する。
そして、製品が識別記号付加装置E0(センサP10)を通過する時刻(識別記号)と紐付ける(関連付ける)前記工程では、当該事象が発生した装置(センサP10〜P16)が最上流の装置ではない場合に当該事象が発生した時刻(センサPnで計測された時刻)を直上に位置する装置を製品が通過した時刻(センサPn−1で計測された時刻)に演算(換算、紐付け)する工程と、当該直上に位置する装置が最上流の装置であるか否かを判断する工程を、必要に応じて繰り返し実行すれば良い。
また図示の実施形態によれば、識別記号が付加された製品が通過するすべての工程(装置等含む)において、図示しない検知機構により検知されたイベントを、製品が製造装置(製造ライン)の最上流に配置されたセンサP10を通過する時刻(識別記号)と自動的に紐付けている。そのため、当該製品を製造する際に発生した様々な事象に関する情報を当該製品の識別記号と紐付けされて(関連情報となって)確実に管理される。そして、消費者からの問い合わせに対して当該製品の製造課程(工程、製造装置等)の管理情報を確実に証明にすることが出来る。
そのようにして記録すれば、消費者から問い合わせがあった際に、識別記号を確認すれば、それと紐付けられた事象に関する情報を迅速、容易且つ正確に把握することが出来る。
識別記号が付けられた製品が通過するとOFF信号を発生し、識別記号が付けられた製品が通過しない状態でON信号を発生する本発明では、処理装置が処理すべきON信号の個数は極めて少なくなり、処理速度の速い機能のシーケンサーを使用する必然性が存在しない。そのため、一般的な事務処理レベルのPCでシステム全体の処理することが可能である。
1A・・・第1の判断ブロック
1B・・・第2の判断ブロック
1C・・・計時装置
1D・・・ON信号発生ブロック
1E・・・OFF信号発生ブロック
1F・・・記憶装置
1G・・・事象(イベント)発生判断ブロック
1H・・・最上流エリア判断ブロック
1I・・・直上エリア決定ブロック
1J・・・直上エリアの時刻(対応時刻)決定ブロック
1K・・・識別記号決定ブロック
1L・・・記憶装置
2・・・情報処理システムにおける記憶装置
A・・・製品
E0、E01〜E03・・・識別記号付加装置
E、E01〜E33・・・装置
IIF・・・入力側インターフェース
ISL・・・入力信号ライン
L、L1〜L3、LN1・・・製造ライン
OIF・・・出力側インターフェース
OSL・・・出力信号ライン
P10〜P36・・・センサ
Claims (4)
- 製造ラインにおける最上流の装置に設けられ且つ製品が通過する時刻を製品に付加する識別記号付加装置と、
製造ラインにおける装置の各々に設けられて製品が通過する時刻を計測する計測装置を備え、
計測装置は、製品が通過した場合に、通過したことを検知しその通過時刻を計測する機能を有し、
識別記号付加装置及び計測装置の計測結果が入力される制御装置を有し、
前記制御装置は、計測装置からの計測信号を受け、製品が通過した場合にOFF信号を発生し且つ製品が通過しない場合にON信号を発生する機能を有し、
前記制御装置は、識別記号が付加された製品が通過する全ての装置で発生した事象を当該製品が識別記号付加装置を通過する時刻と紐付ける機能を有することを特徴とする製品登録システム。 - 前記制御装置は事象の発生時刻を記録する機能と、事象が発生した装置を特定する機能と、当該事象が発生した装置が最上流の装置ではない場合に当該事象が発生した時刻を直ぐ上流に位置する装置を製品が通過した時刻に演算する機能と、当該直ぐ上流に位置する装置が最上流の装置であるか否かを判断する機能を有している請求項1の製品登録システム。
- 製造ラインにおける最上流の装置に設けられ且つ通過する時刻を付加する識別記号付加装置を通過した時刻を識別記号として製品に付加する工程と、
識別記号付加装置或いは製造ラインにおける装置の各々に設けられて製品が通過する時刻を計測する計測装置を製品が通過した場合に、通過したことを検知しその通過時刻を計測する工程と、
計測装置からの計測信号により、製品が通過した場合にOFF信号を発生し且つ製品が通過しない場合にON信号を発生する工程と、
識別記号が付加された製品が通過する全ての装置で発生した事象を当該製品が識別記号付加装置を通過する時刻と紐付ける工程を有することを特徴とする製品登録方法。 - 事象の発生時刻を記録する工程と、事象が発生した装置を特定する工程を備え、
製品が識別記号付加装置を通過する時刻と紐付ける前記工程は、
当該事象が発生した装置が最上流の装置ではない場合に当該事象が発生した時刻を直ぐ上流に位置する装置を製品が通過した時刻に演算する工程と、
当該直ぐ上流に位置する装置が最上流の装置であるか否かを判断する工程を有する請求項3の製品登録方法。
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