JP2017009893A - 測光レンズ及びそれを有するファインダー光学系 - Google Patents

測光レンズ及びそれを有するファインダー光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械誤差によるスポット測光範囲の変動が少なく、一定の測光範囲でスポット測光を良好に行うことができる測光レンズを得ること。【解決手段】 撮像光学系によって焦点板に形成された被写体像からの光束を測光素子に導光するための測光レンズであって、測光レンズの光入射面と光出射面は共に屈折力が正で、かつ非球面形状であり、光軸からの任意の高さhにおける光入射面の非球面形状のサグ量から光入射面の近軸曲率球面の球面形状のサグ量を引いた値を非球面量Asp1、非球面量Asp1の最小値min(Asp1)、測光レンズの焦点距離fを各々適切に設定すること。【選択図】 図1

Description

本発明は、測光レンズ及びそれを有するファインダー光学系に関する。特に、撮像光学系によって焦点板に形成された被写体像を接眼レンズを介して観察するとともに、焦点板に形成された被写体像からの光束を測光素子に導光して被写体像に関する輝度信号を得るファインダー光学系に好適なものである。
従来、一眼レフカメラ等の撮像装置では、撮像光学系によって焦点板に形成された被写体像からの光束を測光レンズによって測光素子に導光して被写体像に関する輝度情報を得ている。このときの測光方式として測光素子を複数の測光エリアに分割して被写体の輝度情報を複数の領域で検出する分割測光方式が多く用いられている。分割測光方式を用いるときには、被写体の測光領域毎の輝度情報を正確に得る必要がある。このため測光レンズには、デフォーカス方向に対するスポットの大きさの変動量が少ないことが必要になる。
従来、一眼レフカメラにおいてスポットの大きさの変動を軽減させるようにした測光装置が知られている(特許文献1、2)。特許文献1では測光レンズを光軸方向に駆動させることによって適切なスポット測光範囲を得ている。また特許文献2では、カメラ内にミラーユニットを設け、それを稼動させることでスポット測光範囲を切り替えている。従来、多くの一眼レフカメラ等の撮像装置に用いられているファインダー光学系では撮像光学系によって焦点板に結像された被写体像を正立光学系を介して正立像とし、正立像を接眼レンズを介して観察している。
また測光方式としては焦点板に結像された被写体像からの光束を正立光学系を介して測光レンズで集光して測光素子に導光して、被写体像に関する輝度情報を得ている。多くの場合、測光レンズと接眼レンズは正立光学系の光出射側に各々の光入射側の面が正立光学系の光出射面に対向するように配置されている。そして測光レンズの光軸は、接眼レンズの光軸に対して非平行となっている。従来、このような構成を有する測光装置を用いたファインダー光学系が知られている(特許文献3、4)。
特開平8−152663号公報 特開2003−121920号公報 特開平6−118300号公報 特開2012−123151号公報
測光レンズの光軸が接眼レンズの光軸に対して傾いていると、焦点板に形成された被写体像からの光束を集光し、測光素子に導光する際、光束の入射光量が少なくなる。特に撮像光学系の開放F値が大きくなると焦点板から発散する光束の発散角度が小さくなり、測光レンズで集光される光束の光量は少なくなる。このことから、測光レンズは出来るだけ口径の大きいものが求められる。
しかし、口径が大きくなるほど測光レンズの焦点深度が浅くなり、製造において機械的な配置誤差があると測光精度が低下してくる。例えば測光素子と測光レンズの間隔に設計上の位置ずれがあると、測光レンズから得られる測光素子面上での光束のスポットの大きさが変動してくる。測光素子面上での光束のスポットの大きさが変動してくると、例えばスポット測光を行なう際の被写体の測光範囲を適切に設定することが困難になる。
本発明は、機械誤差によるスポット測光範囲の変動が少なく、一定の測光範囲でスポット測光を良好に行うことができる測光レンズ及びそれを有するファインダー光学系の提供を目的とする。
本発明の測光レンズは、
撮像光学系によって焦点板に形成された被写体像からの光束を測光素子に導光するための測光レンズであって、
前記測光レンズの光入射面と光出射面は共に屈折力が正で、かつ非球面形状であり、光軸からの任意の高さhにおける前記光入射面の近軸曲率球面のレンズ面のサグ量から非球面形状のレンズ面のサグ量を引いた値を非球面量Asp1とし、該非球面量Asp1の最大値をMAX(Asp1)、前記測光レンズの焦点距離をfとするとき、
0.25<MAX(Asp1)/f<0.70
なる条件式を満足することを特徴としている。
本発明によれば、機械誤差によるスポット測光範囲の変動が少なく、一定の測光範囲でスポット測光を良好に行うことができる測光レンズが得られる。
本発明の測光レンズを有するファインダー光学系と撮像装置の要部外略図 測光レンズにおける焦点深度の比較 測光レンズにおける撮像素子上でのスポット形状についての比較 本発明の実施例1の測光レンズにおける断面 本発明の実施例1の測光レンズにおける収差図 本発明の実施例2の測光レンズにおける断面 本発明の実施例2の測光レンズにおける収差図 本発明の実施例3の測光レンズにおける断面 本発明の実施例3の測光レンズにおける収差図 本発明の実施例4の単レンズにおける断面 本発明の実施例4の単レンズにおける収差図 実施例1乃至5の第1レンズ面の非球面量 実施例1乃至5の第2レンズ面のZ(h) 球面収差がない測光レンズにおける断面 球面収差がない測光レンズにおける収差図 球面収差がない測光レンズにおける第1面の非球面量 球面収差がない測光レンズの第2レンズ面のZ(h) レンズ面のサグ量の説明図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を添付した図面に基づいて説明する。本発明の測光レンズは、撮像光学系によって焦点板に形成された被写体像からの光束を測光素子に導光するための測光レンズである。
本発明の測光レンズを有するファインダー光学系は、撮像光学系によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、正立像を接眼レンズを介して観察する観察光学系とを有する。更に焦点板に結像された被写体像からの光束を正立光学系を介して測光素子に導光する測光レンズを有する。本発明の撮像装置は、ファインダー光学系と、ファインダー光学系で観察される被写体像に相当する像を受光する撮像手段とを有する。
図1は本発明の測光レンズを用いたファインダー光学系とファインダー光学系を有する撮像装置の要部概略図である。図1において111はレンズ装置であり、撮像光学系101を保持している。112はカメラ本体である。同図に示されるように、撮像光学系101を通過した物体からの光束はクイックリターンミラー102で反射され、撮像面103と光学的に等価な位置に配置された焦点板104に導かれる。
焦点板104の一方の面は撮像面103と光学的に等価となるように配置された拡散面となっている。焦点板104のもう一方の面は集光作用を持つ面(集光面)となっており、撮像光学系101の射出瞳から射出した光束を概ね観察者の瞳に集光させる作用をもっている。そして焦点板104に形成された被写体像をペンタダハプリズム105よりなる正立像としている。この正立像を接眼レンズ106を介して拡大し、拡大した正立像を瞳位置(アイポイント)107より観察している。108は測光レンズであり、109は測光に用いられる測光素子である。
図1に示すファインダー光学系は撮像光学系101によって焦点板104に形成された被写体像を正立像とする正立光学系105とこの正立像を接眼レンズ106を介してアイポイント107より観察する観察光学系とを有している。更に焦点板104に形成された被写体像の輝度情報を得るための測光レンズ108と測光素子109を有している。
測光レンズ108の光軸は、接眼レンズ106の光軸に対して非平行である。測光レンズ108と接眼レンズ106は正立光学系105の光出射側に各々の光入射面の面が正立光学系105の光出射面に対向するように配置されている。測光レンズ108は光入射面(第1レンズ面)から入射した光束を反射させて光出射面(第2レンズ面)より出射する内面反射面を有する。測光レンズ108の光軸は、焦点板104と観察光学系(接眼レンズ106)の光軸の交点を通り、接眼レンズ106の光軸に対して傾斜している。
具体的には、測光レンズ108の光軸は接眼レンズ106(ファインダー光学系)の光軸から5〜10°程度外れている。測光レンズ108は焦点板14に形成された被写体像からの光束の一部を測光素子109に導光する。測光素子109で得られた信号より被写体に関する輝度情報を得ている。測光レンズ108は単一レンズ又は複数枚のレンズで構成されている。
また測光素子109は焦点板104に形成された被写体像を複数の領域に分割して各領域からの輝度を出力することが可能な分割測光に対応した測光素子よりなっている。被写体の色情報を読み取るために各領域にカラーフィルターが設けられることもある。測光レンズ108の光軸はファインダー光学系の光軸と非平行であり、ファインダー光学系の光軸に対して斜方向から焦点板104からの光束を集光している。このため、測光素子109に到達する光量は少なくなる。
特に撮像光学系101の撮影レンズの絞りを絞った場合は焦点板104に入射する光束の入射角度が小さくなるため、よりその傾向が顕著となる。このため測光レンズ108はスポット測光性能に影響がない限り、出来るだけ明るくすることが求められる。またスポット測光は被写体のごく一部の明るさ情報を得るために用いられる機能であることから、その測光範囲はある程度狭くする必要がある。そのため測光レンズのデフォーカス位置を調整するためには組み立て時に位置調節の過程を導入する必要がある。
一般にこの調整は困難であるため、測光レンズ108としては調整が必要ないほどに焦点深度を深くすることが望ましい。しかしながら測光素子109上で観察するスポットの焦点深度は、測光レンズ108のF値によって概ね決定する。F値を大きくすることで焦点深度を深くすることが出来るが、その場合、測光素子109に到達する光量が落ちてしまう。このように相反した条件を満足するためには、本発明の測光レンズでは図2(b)のような光線分布にしている。
図2(a)、(b)は、測光レンズから出射した光束が測光素子の中心に入射するときの光路の模式図である。204、206は測光レンズである。201、202、203は機械誤差によって測光素子が取りうる光軸方向のデフォーカス位置を表している。位置202は設計中心の場合の測光素子の配置位置である。また図3は図2のデフォーカス位置201、202、203における光束のスポットの大きさを示している。
図2(a)は測光レンズ204に球面収差のないときの光路を表した模式図である。光束205は測光素子の中心に入射する光束を射出瞳を通過する高さごとに区切って表示している。位置201、202、203と光束205の交点において、光軸からの光線高さの最も高い位置から光線高さの最も低い位置までが、この測光レンズ204のそのデフォーカス位置におけるスポットの大きさとなる。
図3(a)において、スポット301が図2(a)のデフォーカス位置201に相当する。スポット302が図2(a)の位置202に相当する。スポット303が図2(a)の位置203に相当する。ここでスポット302は小さいスポット径となるのに対して、スポット301やスポット303は大きくなっている。このように、測光素子109が位置201や位置203にある場合と位置202にある場合で測光するスポットの大きさが異なる。このために、各部材のばらつきによってスポット測光する際の測光範囲が異なってくる。
一方、図2(b)は測光レンズ206に球面収差のあるときの光路の模式図である。光束207は測光素子の中心に入射する光束を射出瞳を通過する高さごとに区切って表示している。図2(b)では測光レンズ206の射出瞳を通過する光軸からの光線高さが低い位置において、測光素子の位置よりアンダー方向に集光する。つまり、近軸焦点距離を短くしている。また、光線高さの高い位置においては集光位置を測光素子のデフォーカス中心位置に合うように球面収差を発生させている。このときのスポットの大きさを図3(b)に示す。
スポット304は図2(b)の位置201に相当する。スポット305は図2(b)の位置202に相当する。スポット306は図2(b)の位置203に相当している。このときスポット305のように、位置202でのスポット径を大きくしている。スポット304やスポット306におけるスポット径の大きさは図2(a)のスポット301やスポット303と同程度になっている。これにより図2(b)に示す光路となる球面収差を発生させることで、各部材のバラツキによるスポット測光の測光範囲の差を小さくしている。
各部材の製造誤差によるデフォーカス方向のスポット径の大きさの変動量を抑える方法として、測光レンズの球面収差をより大きく残すなどして取りうるデフォーカス範囲全体でスポット径を大きくするという方法がある。しかしその場合、図2(a)の位置201や位置203の中心位置202からずれた位置におけるスポット径の大きさがより大きくなってしまう。この結果、被写体の一部の輝度情報を測るというスポット測光として許容値が外れることがある。
本実施例では光軸からの光線高さの高い位置の光線を測光素子の中心位置に合わせている。これによって測光素子がデフォーカス方向にずれた場合でもスポット径の大きさが上限値から大きく外れないようにしている。また、光軸からの光線高さの低い位置での光線が測光素子よりオーバーに結像させても、アンダーに結像させた場合と近い効果が得られるが、アンダー側への結像の方がよりデフォーカス中心でのスポット径の大きさを大きく出来る。このことは図2(a)、(b)の概略図を作図してみれば明らかである。
測光レンズ206に図2(b)のような光路を通る収差を発生させる場合、球面収差をオーバー側に設定する必要がある。しかしながら軸上近傍で大きな球面収差を発生させると、軸外から入射する光束に対してコマ収差が多く発生してしまう。このような収差の発生と補正を単一レンズで行なう場合、球面収差に対する影響が強い第1レンズ面(光入射面)では球面収差を多く発生させることが必要になる。
そこで本発明の測光レンズは次の構成をとっている。測光レンズの光入射面と光出射面は共に屈折力が正で、かつ非球面形状である。そして光軸からの任意の高さhにおける光入射面の近軸曲率球面のレンズ面のサグ量から光入射面の非球面形状のレンズ面のサグ量を引いた値を非球面量Asp1とする。非球面量Asp1の最大値をMAX(Asp1)とし、さらにMAX(Asp1)/fとすることで規格化した非球面量を算出する。測光レンズの焦点距離をfとする。このとき、
0.25<MAX(Asp1)/f<0.70 ・・・(1)
なる条件式を満足する。
更に光軸方向にX軸、光軸に対し垂直方向にh軸、光の進行方向を正とする。Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12を各々非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてX(h)として、非球面形状を、
X(h)=h/{R[1+{1−(1+K)h/R1/2]}+A4h+A6h+A8h+A10h10+A12h12
なる式で表す。このときXのhに関する2次微分値をZ(h)とするとき、光出射面の非球面形状は2次微分値Z(h)が0との交点を2つ以上持つような形状にしている。
条件式(1)の上限値を超えると光入射面(第1レンズ面)で所望の球面収差を発生させることが困難になる。また下限値を超えると測光レンズを大口径化したとき、軸外の光束において光出射面(第2レンズ面)のレンズ形状に関わらずコマ収差が多く発生してくる。
ここで、図18を用いて球面形状のレンズ面のサグ量と非球面形状のレンズ面のサグ量の意味を説明する。サグ量はレンズ頂点面から、レンズ面の光軸上のある位置での光軸方向の距離をいう。図18に示すようにレンズ面の曲率が+となっている場合、サグ量も+となる。MAX(Asp1)はレンズ内径D1(高さD1/2)の範囲内において球面の近軸曲率のレンズ面のサグ量から非球面形状のレンズ面のサグ量を引いたAsp1数値が最も大きくなる光軸からの位置(高さ)である。通常はレンズ内径の最端がその条件に当てはまる。
次に光出射面においては、軸上光束は光入射面の強い球面収差をそのまま残し、かつ軸外光束で大きく発生したコマ収差は取り除くという、軸上光束と軸外光束に対して異なる収差を与えることが求められる。そのために、光出射面の非球面形状を表す式X(h)としたとき、その2回微分値Z(h)はZ(h)=0となる点が少なくとも2点必要になる。この条件は光出射面の面形状に変曲点を2つ以上もつということと同義である。
加えて、このような収差を単一レンズに与える条件として光出射面で軸上光束と軸外光束が分離している必要があることから、レンズ面の頂点間隔(厚さ)dがある一定以上に離れている必要がある。このため、光入射面のレンズ内径をD1、レンズの材料の屈折率をn、レンズの焦点距離をfとする。このとき次式を満足する必要がある。
0.5×D1×(n−1)<d<1.5×D1×(n−1) ・・・(2)
ただしレンズ内径とは、レンズの鏡面が製作されている範囲全面のことを指す。条件式(2)の下限値を超えて厚さdが小さくなると、光入射面の曲率を極端に小さくしなければ光射出面で軸上光線と軸外光線を分離することが出来なくなりよくない。また上限値を超えて厚さdが厚くなると、光出射面までの光路における光線角度を緩やかにするため光入射面の曲率を大きくしなければならず、光入射面で球面収差を多く与えることが出来なくなるため良くない。また、レンズ中に折り曲げ用のミラーを設けても測光レンズ全体が大きくなり過ぎてしまい、良くない。
光出射面においては光入射面で発生させた強い球面収差を、光軸近傍においてはそのまま残しておく一方で、レンズ周辺部については強く補正している。単一レンズの光入射間円の前面に絞りを配置する光学系においては、軸上光線と軸外光線は光入射面のほぼ同じ領域を通過することになる。軸外光線は軸上光線より大きな角度で光入射面に入射するため、通常軸上光線よりも大きな収差が発生する。取り分け本構成のような軸上光線に対しても球面収差のある構成の場合、軸外光線においてはそれが非常に強いコマ収差として発生してしまう。
それを補正するために光出射面では異なる二つの役割を負担する必要があり、その要求を満たすと光射出面の非球面形状は必然的に変曲点を持つ形状となる。このとき光出射面におけるZ(h)=0となる高さhiは、
0.1≦2×hi/D1≦0.5 ・・・(3)
の範囲内になる。この位置は光出射面において光軸とレンズ周辺部の中間付近の位置を示している。
以下、本発明の実施例による測光レンズについて説明する。実施例中において、光軸方向にX軸、光軸に対し垂直方向にh軸、光の進行方向を正とする。Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12を各々非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてX(h)として、非球面形状を、
X(h)=h/{R[1+{1−(1+K)h/R1/2]}+A4h+A6h+A8h+A10h10+A12h12
なる式で表している。
また、光線有効径はレンズ光入射面の前に設けられた開口部のことを指しており、F値は開口部の値と測光レンズの焦点距離との比によって求められる。
図4は実施例1の測光レンズのレンズ断面であり、図5は実施例1の測光レンズの球面収差図である。実施例1の測光レンズの焦点距離は6.404mm、材料の屈折率は1.5311、光線有効径は5.9mm、F値は1.09である。401はレンズ開口部、402は光入射面(第1レンズ面)、403は光出射面(第2レンズ面)、404は測光素子の位置を示している。
図6は実施例2の測光レンズのレンズ断面であり、図7は実施例2の測光レンズの球面収差図である。実施例2の測光レンズの焦点距離は7.23mm、材料の屈折率は1.5311、光線有効径は6.6mm、F値は0.916である。601はレンズ開口部、602は光入射面、603は光出射面、604は測光素子の位置を示している。
図8は実施例3の測光レンズのレンズ断面であり、図9は実施例3の測光レンズの球面収差図である。実施例3の測光レンズの焦点距離は6.25mm、材料の屈折率は1.5311、光線有効径は5.9mm、F値は1.06である。801はレンズ開口部、802は光入射面(第1レンズ面)、803は光出射面(第2レンズ面)、804は測光素子の位置を示している。
図10は実施例4の測光レンズのレンズ断面であり、図11は実施例4の測光レンズの球面収差図である。実施例4の測光レンズの焦点距離は6.11mm、材料の屈折率は1.6350、光線有効径は7.0mm、F値は0.873である。1001はレンズ開口部、1002は光入射面(第1レンズ面)、1003は光出射面(第2レンズ面)、1004は測光素子の位置を示している。
また図14は実施例1の測光レンズから球面収差を補正した場合の参考例1のレンズ形状であり、図15は参考例1の球面収差図を示す。1401はレンズ開口部、1402は光入射面(第1レンズ面)、1403は光出射面(第2レンズ面)、1404は測光素子の位置を示している。
図5、図7、図9、図11の球面収差図を見ると、光線高さが高くなるにつれて球面収差がオーバーになり、光線がある高さ以上の部分については一定値の球面収差量となっている。これによって、図2(b)のような光線分布を得ている。また、実施例1乃至4のどの場合においても、条件式(2)を満足している。
図12に実施例1乃至4の測光レンズの光入射面の非球面量を焦点距離で規格化した値を、図13は光出射面の非球面形状の2回微分値Z(h)の値を焦点距離で規格化した値を示す。それぞれ横軸は、光入射面のレンズ内径D1で規格化した値になっている。図12の非球面量では、実施例1乃至4までの値が+0.3から+0.5程度になっているのに対し、参考例1の球面収差を補正したレンズにおいては図16に示すように非球面量が+0.3以下となっており、これは先に述べた条件式と一致する。非球面量が+0.7より大きくなると、軸外光束で補正困難なコマ収差が発生してしまうことは既に述べた。
図13では実施例における光出射面のレンズ形状の二回微分値Z(h)を焦点距離で規格化した値を表している。実施例1乃至実施例4までのすべてのZ(h)が0と2回以上の交点を持っているおり、またその交点は全て0.1から0.5の条件式(3)で示す範囲内に収まっていることが確認できる。
この変曲点は光入射面で強く発生させた球面収差をそのまま残す領域と、補正する領域とを両方を光出射面に持たせる必要があるためである。変曲点が0.1から0.5までの範囲内にあるのは、その位置が中心像高の光束と軸外光束との中間位置となっているためである。このような変曲点は、球面収差の補正のみを行なった図17の参考例1においては見られない。以上の実施例1乃至4と参考例1についての数値データを表1に示す。
(数値実施例1)

レンズ焦点距離 f=6.404mm
光線有効径=5.9mm
レンズF値 1.09
頂点間隔 d=9.5mm
レンズ屈折率n=1.531
最大像高 1.0mm
第1面レンズ内径 D1=7.2mm
第2面レンズ内径 D2=7.2mm

第1面非球面データ
R=3.655
A4=−8.083E−03
A6=1.266E−3
A8=−1.916E−4
A10=1.460E−5
A12=−5.363E−7

第2面非球面データ
R=−4.982
A4=−2.920E−3
A6=6.190E−3
A8=−7.893E−4
A10=−2.085E−5
(数値実施例2)

レンズ焦点距離 f=7.231mm
光線有効径=6.6mm
レンズF値 1.10
頂点間隔 d=9.5
レンズ屈折率n=1.531
最大像高 1.4mm
第1面レンズ内径 D1=7.5mm
第2面レンズ内径 D2=5.5mm

第1面非球面データ
R=−4.011
A4=1.045E−3
A6=−1.067E−3
A8=1.278E−4
A10=−6.544E−6
A12=8.207E−8

第2面非球面データ
R=−17.550
A4=−4.649E−4
A6=1.248E−3
A8=9.454E−5
A10=−2.939E−5
A12=6.783E−7
(数値実施例3)

レンズ焦点距離 f=6.253mm
光線有効径=5.9mm
レンズF値 1.06
頂点間隔 d=9.5mm
レンズ屈折率n=1.531
最大像高 1.0mm
第1面レンズ内径 D1=7.2mm
第2面レンズ内径 D2=7.2mm


第1面非球面データ
R=3.650
A4=−1.605E−2
A6=4.529E−3
A8=−8.679E−4
A10=7.682E−5
A12=−2.628E−6

第2面非球面データ
R=−3.650
A4=−4.306E−2
A6=−2.819E−2
A8=−5.776E−3
A10=4.944E−4
A12=−1.477E−6
(数値実施例4)

レンズ焦点距離 f=6.110mm
光線有効径=7.0mm
レンズF値 0.873
頂点間隔 d=9.5
レンズ屈折率n=1.635
最大像高 1.1mm
第1面レンズ内径 D1=8.4mm
第2面レンズ内径 D2=8.4mm


第1面非球面データ
R=4.285
A4=−3.179E−3
A6=1.672E−5
A8=1.009E−5
A10=−8.707E−7
A12=0

第2面非球面データ
R=−6.021
A4=2.908E−3
A6=7.890E−5
A8=2.101E−5
A10=0
A12=0
(参考例1)

レンズ焦点距離 f=6.482mm
光線有効径=5.9mm
レンズF値 1.10
頂点間隔 d=9.5
レンズ屈折率n=1.531
最大像高 1.0mm
第1面レンズ内径 D1=7.2mm
第2面レンズ内径 D2=7.2mm

第1面非球面データ
R=4.146
A4=−9.243E−4
A6=−1.723E−4
A8=2.109E−6
A10=1.084E−6
A12=−1.124E−12

第2面非球面データ
R=−4.216
A4=0
A6=0
A8=0
A10=0
A12=0
101 撮像光学系 103 撮像素子 104 焦点板
105 正立光学系 106 接眼レンズ 107 アイポイント
108 測光レンズ 109 測光素子

Claims (9)

  1. 撮像光学系によって焦点板に形成された被写体像からの光束を測光素子に導光するための測光レンズであって、
    前記測光レンズの光入射面と光出射面は共に屈折力が正で、かつ非球面形状であり、光軸からの任意の高さにおける前記光入射面の近軸曲率球面のレンズ面のサグ量から非球面形状のレンズ面のサグ量を引いた値を非球面量Asp1とし、該非球面量Asp1の最大値をMAX(Asp1)、前記測光レンズの焦点距離をfとするとき、
    0.25<MAX(Asp1)/f<0.70
    なる条件式を満足することを特徴とする測光レンズ。
  2. 光軸方向にX軸、光軸に対して垂直な方向をh軸、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4、A6、A8、A10、A12を各々非球面係数、光軸からの高さhの位置での光軸方向の変位を面頂点を基準にしてX(h)として、非球面形状を
    X(h)=h/{R[1+{1−(1+K)h/R1/2]}+A4h+A6h+A8h+A10h10+A12h12
    なる式で表し、Xのhに関する2次微分値をZ(h)とするとき、前記光出射面の非球面形状は、2次微分値Z(h)が0との交点を2つ以上持つような形状であることを特徴とする請求項1に記載の測光レンズ。
  3. 前記測光レンズのレンズ面の頂点間隔をd、前記測光レンズの材料の屈折率をn、前記光入射面のレンズ内径をD1とするとき、
    0.5×D1×(n−1)<d<1.5×D1×(n−1)
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の測光レンズ。
  4. 前記光出射面に関する2次微分値が0となる光軸からの高さをhiとするとき、
    0.1≦2×hi/D1≦0.5
    なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測光レンズ。
  5. 撮像光学系によって焦点板に結像された被写体像を正立像とする正立光学系と、
    接眼レンズを介して前記正立像を観察するための観察光学系と、
    前記焦点板に結像された被写体像からの光束を、前記正立光学系を介して測光素子に導光する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測光レンズを有することを特徴とするファインダー光学系。
  6. 前記測光レンズの光軸は、前記接眼レンズの光軸に対して非平行であり、前記測光レンズと前記接眼レンズは前記正立光学系の光出射側に各々の光入射面の面が前記正立光学系の光出射面に対向するように配置されていることを特徴とする請求項5に記載のファインダー光学系。
  7. 前記測光レンズは光入射面から入射した光束を反射させて光出射面より出射する内面反射面を有することを特徴とする請求項5又は6に記載のファインダー光学系。
  8. 前記測光レンズの光軸は、前記焦点板と前記観察光学系の光軸の交点を通り、前記接眼レンズの光軸に対して傾斜していることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のファインダー光学系。
  9. 請求項5乃至8のいずれか1項に記載のファインダー光学系と、該ファインダー光学系で観察される被写体像に相当する像を受光する撮像手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
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