JP2017009712A - 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 - Google Patents
光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017009712A JP2017009712A JP2015123250A JP2015123250A JP2017009712A JP 2017009712 A JP2017009712 A JP 2017009712A JP 2015123250 A JP2015123250 A JP 2015123250A JP 2015123250 A JP2015123250 A JP 2015123250A JP 2017009712 A JP2017009712 A JP 2017009712A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- optical film
- compound
- region
- divalent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
Abstract
Description
特許文献1には、偏光板保護フィルムの薄膜化に伴い要求される偏光子耐久性についての記載はなく、薄膜化した際には、フィルムの引き裂き強度が低下することから、さらなる検討の余地が残されていた。
下記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位と下記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位と含む化合物A
を含有する第1の領域と、
セルロースアシレートを含有する第2の領域と
を有し、
上記化合物Aにおける下記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位の含有量は上記化合物Aの全繰り返し単位に対して50〜99モル%であり、下記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位の含有量は上記化合物Aの全繰り返し単位に対して1〜50モル%であり、
上記第1の領域における上記第2の領域から最も遠い表面の上記化合物Aの含有量Bに対する上記第2の領域における上記第1の領域から最も遠い表面の上記化合物Aの含有量Cの比C/Bが0〜0.5である、光学フィルム。
一般式(1)中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4の脂肪族基を表す。Xは、単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R4)−、又はこれらを組合せてなる2価の基を表し、上記2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及び2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R4は水素原子又はアルキル基を表す。R2は水素原子、炭素原子数1〜12の脂肪族基、芳香族基、水酸基、又はニトリル基を表す。
一般式(2)中、R3は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表し、上記脂肪族基、芳香族基及び複素環基は置換基を有していてもよい。Yは、単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R5)−、又はこれらを組合せてなる2価の基を表し、上記2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及び2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R5は水素原子又はアルキル基を表す。
<2>
上記第1の領域の上記化合物Aの含有量が、上記第1の領域の全質量に対して20質量%以上100質量%以下である、<1>に記載の光学フィルム。
<3>
上記第1の領域の上記化合物Aの含有量が、上記第1の領域の全質量に対して50質量%以上100質量%以下である<1>又は<2>に記載の光学フィルム。
<4>
上記化合物Aが、上記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位を上記化合物Aの全繰り返し単位に対して70〜99モル%含み、上記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位を上記化合物Aの全繰り返し単位に対して1〜30モル%含む、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の光学フィルム。
<5>
上記化合物Aの重量平均分子量が、1000〜80000である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の光学フィルム。
<6>
上記セルロースアシレートのアシル置換度が2.00〜2.95である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の光学フィルム。
<7>
上記セルロースアシレートがセルロースアセテートである<1>〜<6>のいずれか1項に記載の光学フィルム。
<8>
上記第2の領域にジカルボン酸とジオールにより構成されたポリエステルを含有する<1>〜<7>のいずれか1項に記載の光学フィルム。
<9>
上記ポリエステルの末端が酢酸又はシクロヘキサンカルボン酸で封止されている<8>に記載の光学フィルム。
<10>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載の光学フィルムと偏光子とを有する偏光板。
<11>
上記光学フィルムの上記第1の領域が、上記偏光子側に配置された<10>に記載の偏光板。
<12>
上記光学フィルムの上記第2の領域が、上記偏光子側に配置された<10>に記載の偏光板。
<13>
<1>〜<9>のいずれか1項に記載の光学フィルム、又は<10>〜<12>のいずれか1項に記載の偏光板を具備した液晶表示装置。
下記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位と下記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位と含む化合物A
を含有する第1の領域と、
セルロースアシレートを含有する第2の領域と
を有し、
上記化合物Aにおける下記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位の含有量は上記化合物Aの全繰り返し単位に対して50〜99モル%であり、下記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位の含有量は上記化合物Aの全繰り返し単位に対して1〜50モル%であり、
上記第1の領域における上記第2の領域から最も遠い表面の上記化合物Aの含有量Bに対する上記第2の領域における上記第1の領域から最も遠い表面の上記化合物Aの含有量Cの比C/Bが0〜0.5である、光学フィルムである。
図1の光学フィルム1は、第1の領域Iと、第2の領域IIとを有する。第1の領域Iは化合物A(符号a)を含有し、第2の領域IIはセルロースアシレート(符号2)を含有する。また、図1においては、第2の領域IIにも化合物Aが含まれている。第1の領域Iにおける第2の領域IIから最も遠い表面(符号b)の化合物Aの含有量Bに対する第2の領域IIにおける第1の領域Iから最も遠い表面(符号c)の化合物Aの含有量Cの比C/Bが0〜0.5である、
本発明の光学フィルムは、少なくとも第1の領域に化合物Aを含有する。
上記一般式(1)において、Xは、単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R4)−、又はこれらを組合せてなる2価の基を表し、上記2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及び2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R4は水素原子又はアルキル基を表す。
これらの基の具体例及び好ましい例は、後述の一般式(2)中のYにおける具体例及び好ましい例と同様である。また、Xは単結合であることも好ましい。R4は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
これらは1種単独で、または2種以上混合して用いることができる。
上記R3における芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基を挙げることができ、その中でもフェニル基が好ましい。
上記R3における複素環基としては、ピリジル基、ピロリジル基、ピペリジル基、ピペラゾル基、ピロリル基、モルホリノ基、チアモルホリノ基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピロリドニル基、ピペリドニル基を挙げることができ、その中でもモルホリノ基、ピリジル基が好ましい。
上記Yは−Y1−Y2−であることがより好ましい。
上記Yは、Y1が−C(=O)−、−O−、−N(R5)−、又はそれらの組合せであり、かつ、Y2が2価の脂肪族基、2価の芳香族基、又は2価の複素環基であることが特に好ましい。
上記Yにおける2価の芳香族基としては、炭素数6〜12の芳香族基が好ましく、フェニレン基、ナフチレン基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニレン基であることがより好ましく、無置換のフェニレン基であることが特に好ましい。
上記Yにおける2価の複素環基としては、ピリジレン基、ピロリジレン基、ピペリジレン基、ピペラジレン基、ピロリレン基、モルホリニレン基、チアモルホリレニン基、イミダゾリレン基、ピラゾリレン基、ピロリドニレン基、ピペリドニレン基、2価のカルバゾール基を挙げることができ、その中でもモルホリニレン基が好ましい。
より好ましくは、上記一般式(2)又は(2’)におけるR3が水素原子又はメチル基であり、Yが−Y1−Y2−である態様である。
特に好ましくは、R3が水素原子又はメチル基であり、Y1が−C(=O)−O−であり、Y2が炭素数1〜5の置換基を有していてもよいアルキレン基である態様である。
より特に好ましくは、R3が水素原子又はメチル基であり、Y1が−C(=O)−O−であり、Y2がエチレン基である態様である。すなわち、上記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレート又はアセト酢酸エチルアクリレートである態様がより好ましい。
さらに、上記一般式(2)又は(2’)におけるR3がメチル基である態様がさらにより特に好ましく、すなわち、上記一般式(2)で表されるエチレン性不飽和モノマーがアセト酢酸エチルメタクリレートであることがさらにより特に好ましい。
上記R5は、それぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが特に好ましい。
化合物Aは、上述の一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位を全繰り返し単位に対して50〜99モル%含み、かつ上述の一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位を全繰り返し単位に対して1〜50モル%含む。化合物A中の共重合比を上記範囲にすることにより、偏光子耐久性が高く、第1の領域と第2の領域との間の密着性(「層間の密着性」ともいう)に優れた光学フィルムを得ることができる。
化合物Aの数平均分子量は、200〜200000であることが好ましく、2000〜100000であることがより好ましく、10000〜60000であることが特に好ましい。
重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出でき、使用カラムとしてはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))である。
偏光子耐久性、第1層と第2層の密着性の観点から、本発明の光学フィルムの第1の領域の化合物Aの含有量は、第1の領域の全質量に対して20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、偏光子耐久性改良の観点から好ましくは50質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることが更に好ましい。
第1の領域に含まれる化合物Aの定量は、TOF−SIMS(Time of Flight−Secondary Ion Mass Spectrometry)により行う。TOF−SIMSの測定は、Phi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMS(商品名)を用いて、化合物Aに起因するフラグメントを検出することで観察する。TOF−SIMS法については、具体的には日本表面科学会編「表面分析技術選書 二次イオン質量分析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されている。
偏光子耐久性、第1の領域と第2の領域の密着性の観点から、本発明の光学フィルムは、第1の領域における第2の領域から最も遠い表面の化合物Aの含有量Bに対する第2の領域における第1の領域から最も遠い表面の化合物Aの含有量Cの比C/Bが0〜0.5であり、0〜0.3が好ましく、0〜0.1がより好ましい。
化合物Aの含有量比C/Bの測定は、以下のように行う。
光学フィルムをフィルム面に対して1°の角度で斜めに切削し、生成したフィルム断面を用いて、飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS (Time of Flight−Secondary Ion Mass Spectrometry))による測定を行う。TOF−SIMSの測定は、Phi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMS(商品名)を用いる。
本発明の光学フィルムは、第2層にセルロースアシレートを含む。また、第1の領域にもセルロースアシレートを含んでもよい。第1の領域にセルロースアシレートを含む場合、第1の領域と第2の領域に含まれるセルロースアシレートは同じものであってもよいし、異なっていてもよい。
セルロースアシレートは、セルロースと酸とのエステルである。上記エステルを構成する酸としては、有機酸が好ましく、カルボン酸がより好ましく、炭素原子数が2〜22の脂肪酸がさらに好ましく、炭素原子数が2〜4の低級脂肪酸であるセルロースアシレートが最も好ましい。
本発明に用いられるセロースアシレートとしては、セルロースの水酸基の水素原子がアセチル基で置換された、セルロースアセテートであることが好ましい。
アセチル基のみを有するセルロールアシレート、即ちセルロースアセテートの態様では、その全置換度が2.00〜2.95であることが好ましい。さらには置換度が2.40〜2.95であることがより好ましく、2.85〜2.95であることが更に好ましい。
本発明の光学フィルムは、偏光子耐久性の観点から、第2の領域に、ジカルボン酸とジオールにより構成されたポリエステルを含有することが好ましい。
本発明で用いられるポリエステルは、下記一般式(a)で表される繰り返し単位を含み、かつ、モノカルボン酸又は脂環構造を有する基で封止されたポリエステルであることが好ましい。
一般式(a):
Rは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基または炭素数6のアリール基を表し、2つ以上のRが結合して環構造を形成していてもよく、置換基を有していてもよく、Rが表す基の炭素数の定義にはRが表す基がさらに有していてもよい置換基の炭素数は含まれず、
mは0〜4を表す。
脂環構造を含む繰り返し単位を有するポリエステルは、芳香環構造を含む繰り返し単位を有するポリエステルよりも、25℃相対湿度60%の環境下における波長590nmの面内レターデーションReおよび厚み方向のレターデーションRthを小さくすることができる。
なお、このような構造のポリエステルは、剛直な脂環構造の比率を上げることでフィルムの高剛性及び低レターデーションを両立でき好ましい。
炭素数2〜10の2価の連結基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2〜4)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6、特に好ましくは炭素数2〜4)、アルキレン基やアルキニレン基中に酸素原子、窒素原子などの炭素以外の分子を含む連結基などを挙げられる。
炭素数2〜10の2価の連結基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、アルコキシ置換アルキル基、カルボキシル基などが挙げられる。
本明細書中、非環状とは、環状構造を含まないことを意味する。環状構造を含まない基としては、直鎖または分枝の基を挙げることができる。
mは0〜4を表し、好ましくは1〜4を表し、より好ましくは1〜2を表し、反応性、原料調達の観点からmは1が好ましい。mは1〜4の範囲であれば、同等の高温高湿環境下での偏光子耐久性改善の効果を奏する。このとき、反応性、原料調達の観点から一般式1で表される繰り返し単位に含まれるシクロヘキシル環の4位にRが置換されていることが好ましい。
以下、本発明におけるポリエステルの合成に好ましく用いることができるジカルボン酸及びジオールについて説明する。
一般式(b):
ジカルボン酸としては、上記一般式(b)で表されるジカルボン酸を少なくとも用いることが好ましい。
一般式(b)中のRとmの好ましい範囲は、それぞれ一般式(a)中のRとmの好ましい範囲と同様である。
上記一般式(b)で表されるジカルボン酸としては、具体的には、3−メチル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、4−メチル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、4−エチル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、4,5−ジメチル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、4−イソボロニル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸、4−フェニル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸などが挙げられる。なかでも、入手しやすさの観点から、4−メチル−1,2−シクロヘキシルジカルボン酸が好ましい。
ただし、本発明で使用されるポリエステル中、一般式(a)で表される繰り返し単位のモル比率は80%以上が好ましく、90%以上であることがより好ましい。
ジオールとしては、炭素数2〜10の脂肪族ジオールが好ましい。
脂環構造を含む脂肪族ジオールとしては、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
非環状の脂肪族ジオールとしては、アルキルジオールを挙げることができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(ネオペンチルグリコール)、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロ−ルペンタン)、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール(3,3−ジメチロールヘプタン)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。
好ましい脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、及び1,3−プロパンジオールの少なくとも1種であり、特に好ましくは、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールの少なくとも1種であり、より特に好ましくはセルロースとの相溶性の観点からエチレングリコールである。2種用いる場合は、エチレングリコール及び1,2−プロパンジオールを用いることが好ましい。
ジオールの炭素数は、2〜6であることがより好ましく、2〜4であることが特に好ましい。2種以上のジオールを用いる場合には、2種以上の平均炭素数が上記範囲となることが好ましい。ジオールの炭素数が上記範囲であれば、セルロースアシレートとの相溶性に優れ、光学フィルムの製膜時及び加熱延伸時においてもブリードアウトを生じにくいため好ましい。
上記ポリエステルの末端は、脂環構造を有する基で封止されたものであることが好ましい。その中でも、ポリエステルの末端が、脂環構造を有するモノアルコール(あるいは、モノアルコールの誘導体であって、ポリエステルの末端カルボキシル基とエステル結合を形成できる化合物)または脂環構造を有するモノカルボン酸(あるいは、モノカルボン酸の誘導体であって、ポリエステルの末端水酸基とエステル結合を形成できる化合物)と反応させて得られる末端構造を有することが好ましい。例えば、二塩基酸とジオールを反応させて末端にカルボキシル基を有するポリエステルを得た場合、これと脂環構造を有するモノアルコールを反応させて脂環構造を有するモノアルコール残基で末端を封止することができる。また、末端に水酸基を有するポリエステルを得た場合、これと脂環構造を有するモノカルボン酸を反応させて脂環構造を有するモノカルボン酸残基で末端を封止することができる。これは、末端を疎水性官能基で保護することにより、偏光板の高温高湿環境下での偏光子耐久性の改善とフィルム表面性の改善に有効であり、エステル基の加水分解を遅延させる役割を示すことが要因となっている。
ここで、残基とは、上記ポリエステルの部分構造で、上記ポリエステルを形成している単量体の特徴を有する部分構造を表す。例えばモノカルボン酸R−COOHより形成されるモノカルボン酸残基はR−CO−であり、モノアルコールR−OHより形成されるモノアルコール残基はR−O−である。
上記ポリエステルの末端が、脂環構造を有するモノアルコール由来の基(以下、モノアルコール残基とも言う)でカルボキシル基の一部が置換されてエステル結合が形成された末端構造を有する(以下、水酸基末端の水素原子が封止されているとも言う)ことも、脂環構造を有するモノカルボン酸由来のアシル基(以下、モノカルボン酸残基とも言う)で水酸基の水素原子が置換された末端構造を有する(以下、水酸基末端の水素原子が封止されているとも言う)ことも好ましい。その中でも、脂環構造を有するモノカルボン酸由来のアシル基で水酸基の水素原子が置換された末端構造を有することがより好ましい。
脂環構造を含むモノアルコールとしては、炭素数4〜12の脂環構造を有するモノアルコールであることが好ましく、炭素数4〜12のシクロアルキルモノアルコールであることがより好ましく、炭素数6〜12のシクロアルキルモノアルコールであることが特に好ましい。脂環構造を含むモノアルコールとしては、炭素数6〜12のシクロアルキルモノアルコールであり、かつ、炭素数6〜12のシクロアルキルモノアルコールが少なくとも1つのシクロヘキシル環を含むことがより特に好ましい。具体的にはシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール、2−エチルシクロヘキサノール、4−エチルシクロヘキサノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、4−ブチルシクロヘキサノール、4−tert−ブチルシクロヘキサノール、2,5−ジメチルシクロヘキサノール、3,5−ジメチルシクロヘキサノール、4−シクロヘキシルシクロヘキサノール、シクロヘプタノール、シクロオクタノール、シクロドデカノール、シクロヘキサンメタノール、ノルボルネオール、1−アダマンタノール、2−アダマンタノール等が挙げられる。
また、モノカルボン酸で封止されていることも好ましい態様の1つである。モノカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、カプリル酸、カプロン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、オレイン酸が挙げられ、酢酸、プロピオン酸がより好ましく、酢酸であることが特に好ましい。モノカルボン酸で封止することにより疎水性が向上する。
上記ポリエステルの酸価は10mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以下であることがより好ましく、1mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
上記ポリエステルの水酸基価は10mgKOH/g以下であることが高温高湿環境下での偏光子耐久性を改善する観点から好ましく、5mgKOH/g以下であることがより好ましく、1mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
ポリエステルの合成方法としては、ジカルボン酸とジオールの脱水縮合反応、又は、グリコールへの無水ジカルボン酸の付加および脱水縮合反応などの公知の方法を利用することができる。
さらに、上記ポリエステルの合成は、常法により上記ジカルボン酸と、上記ジオールと、末端封止用の脂環構造を有するモノメタノールや脂環構造を有するモノカルボン酸とのポリエステル化反応またはエステル交換反応による熱溶融縮合法か、あるいはこれら酸の酸クロライドとグリコール類との界面縮合法のいずれかの方法によっても容易に合成し得るものである。
本発明で使用されるポリエステルの数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定、評価することができる。具体的には、以下の方法で測定した値を採用する。上記ポリエステルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解させ、東ソー株式会社製高速GPCを用いて行った。数平均分子量Mnはポリスチレン換算で計算した。以下に詳細を示す。
GPC:ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム;東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSK gel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶離液;テトラヒドロフラン、流速;1mL/min、サンプル濃度;0.7〜0.8wt%、サンプル注入量;70μL、測定温度;40℃、検出器;RI(40℃)、標準物質;東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)を用い、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnは標準ポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明の光学フィルムの全体におけるポリエステルの含有量は、光学フィルムの全体に含まれるセルロースアシレート100質量部に対して5〜20質量部であることが好ましく、5〜18質量部であることがより好ましく、5〜15質量部であることが特に好ましい。ポリエステルは、1種類のみ含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明の光学フィルムには、化合物A及びセルロースアシレート以外のその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例としては、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、マット剤、偏光子耐久性改良剤などが挙げられる。
可塑剤としては高分子系可塑剤(例えば、リン酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、重縮合オリゴマー系可塑剤等)が含まれる。
高分子系可塑剤としては、ポリエステルポリウレタン系可塑剤、脂肪族炭化水素系ポリマー、脂環式炭化水素系ポリマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系ポリマー(エステル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、tert−ノニル基、ドデシル基、トリデシル基、ステアリル基、オレイル基、ベンジル基、フェニル基など)、ポリビニルイソブチルエーテル、ポリN−ビニルピロリドン等のビニル系ポリマー、ポリスチレン、ポリ4−ヒドロキシスチレン等のスチレン系ポリマー、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリウレア、フェノール−ホルムアルデヒド縮合物、尿素−ホルムアルデヒド縮合物、酢酸ビニル、等が挙げられる。
本発明に使用可能な紫外線吸収剤については特に制限はない。従来セルロースアシレートフィルムに使用されているUV吸収剤はいずれも用いることができる。紫外線吸収剤としては、特開2006−184874号公報に記載の化合物を挙げることができる。高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることが出来、特に特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
紫外線吸収剤の使用量は、紫外線吸収剤の種類、使用条件等により一様ではないが、上記紫外線吸収剤が、セルロースアシレートに対して1〜5質量%の割合で含まれていることがより好ましい。
本発明の光学フィルムは、高温高湿環境下での偏光子耐久性を改良するため、添加剤として偏光子耐久性改良剤を含んでいてもよい。
偏光子耐久性改良剤としては、公知の有機酸などを用いることができ、例えば、多価カルボン酸のモノグリセリドなどの有機酸モノグリセリド、特開2012−72348号公報に記載の化合物、バルビツール酸誘導体などを挙げることができる。
本発明の光学フィルムが偏光子耐久性改良剤を含有する場合は、偏光子耐久性改良剤の含有量としては、セルロースエステルに対して、6質量%以下が好ましく、4質量%以下がより好ましい。
酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4,4’−チオビス−(6−tert−ブチル−3−メチルフェノール)、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノン、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]などのフェノール系あるいはヒドロキノン系酸化防止剤を挙げることができる。さらに、トリス(4−メトキシ−3,5−ジフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤を挙げることもできる。
本発明の光学フィルムが酸化防止剤を含有する場合は、酸化防止剤の含有量は、セルロースアシレート100質量部に対して、0.05〜5.0質量部であることが好ましい。
本明細書中、後述の機能層を有するフィルムのことを機能層も含めて光学フィルムと言うことがあるが、特に機能層以外の光学フィルムのことを「セルロースアシレートを含むフィルム」と言うことがある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、セルロースアシレートを含むコア層と、コア層の少なくとも片面にセルロースアシレートを含むスキン層とを積層した構成を有することが好ましく、スキン層用のドープとコア層用のドープとを共流延することで作成されることが好ましい。この態様においては、コア層の一方の面に設けられたスキン層が上記化合物Aを含有する第1の領域である場合、又は、コア層の一方の面に設けられたスキン層に上記化合物Aを含有する溶液を塗布して膜を形成し、この膜が第1の領域である場合が好ましい。
光学フィルムのスキン層には、さらにマット剤を添加することが好ましい。マット剤としては、例えば特開2011−127045号公報に記載のものなどを用いることができ、例えば平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子などを用いることができる。
本発明の光学フィルムの厚みは、10〜45μmであることが好ましく、15〜35μmであることがより好ましく、15〜30μmであることがさらに好ましく、30μm未満であることが薄膜化の観点から特に好ましい。
本発明の光学フィルムの第1の領域の厚みは、1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましく、1〜3μmであることが特に好ましい。
本発明の光学フィルムの第2の領域の厚みは、10〜45μmであることが好ましく、15〜35μmであることがより好ましく、15〜30μmであることがさらに好ましく、30μm未満であることが薄膜化の観点から特に好ましい
光学フィルムの引き裂き強度は、JIS K−7128−2:1998の引き裂き試験方法(エルメンドルフ引き裂き法)に基づいて25μm換算の値で示すことができ、2g以上であるのが好ましく、より好ましくは2.4g以上である。
本発明の光学フィルムは、偏光板保護フィルム、画像表示面に配置される表面保護フィルム、等種々の用途に有用である。各用途に適する機能を示すために、本発明の光学フィルムは、例えば、ハードコート層、防眩層、クリアハードコート層のほか、反射防止層、帯電防止層、防汚層等を有していてもよい。
また、偏光板の作製時には、本発明の光学フィルムが面内遅相軸を有する場合は、この面内遅相軸と偏光子との透過軸が平行もしくは直交するように貼合することが好ましい。
本発明の光学フィルムを製造する方法は、特に制限はなく、公知の方法を用いて製膜することができる。例えば、溶液流延製膜法及び溶融製膜法のいずれを利用して製膜してもよい。フィルムの面状を改善する観点から、本発明の光学フィルムは、溶液流延製膜法を利用して製造するのが好ましい。以下、溶液流延製膜法を用いる場合を例に説明するが、本発明の光学フィルムを製造する方法は溶液流延製膜法に限定されるものではない。なお、溶融製膜法を用いる場合については、公知の方法を用いることができる。
溶液流延製膜方法では、セルロースアシレート、化合物A及び必要に応じてその他の成分を含有するポリマー溶液(「セルロースアシレート溶液」、「ドープ」ともいう)を用いてウェブを形成する。
セルロースアシレートは溶媒に溶解させてドープを形成し、これを基材上に流延しフィルムを形成させる。この際に押し出しあるいは流延後に溶媒を蒸発させる必要性があるため、揮発性の溶媒を用いることが好ましい。
更に、反応性金属化合物や触媒等と反応せず、かつ流延用基材を溶解しないものである。又、2種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
また、セルロースアシレートと加水分解重縮合可能な反応性金属化合物を各々別の溶媒に溶解し後に混合してもよい。
ここで、上記セルロースアシレートに対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒といい、また溶解に主たる効果を示し、その中で大量に使用する有機溶媒を主(有機)溶媒または主たる(有機)溶媒という。
これらは、ドープを金属支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることでウェブ(支持体上にセルロースアシレートのドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェブとする)をゲル化させ、金属支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、これらの割合が少ない時は非塩素系有機溶媒のセルロースアシレートの溶解を促進したりする役割もあり、反応性金属化合物のゲル化、析出、粘度上昇を抑える役割もある。
これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、且つ毒性がないこと等からメタノール、エタノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロースアシレートに対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
上記セルロースアシレート濃度は、セルロースアシレートを溶媒に溶解する段階で所定の濃度になるように調整することができる。また予め低濃度(例えば4〜14質量%)の溶液を調製した後に、溶媒を蒸発させる等によって濃縮してもよい。さらに、予め高濃度の溶液を調製後に、希釈してもよい。また、添加剤を添加することで、セルロースアシレートの濃度を低下させることもできる。
セルロースアシレートに対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中でこのセルロースアシレート、添加剤を攪拌しながら溶解しドープを形成する工程、あるいはセルロースアシレート溶液に添加剤溶液を混合してドープを形成する工程である。
セルロースアシレートの溶解には、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、または特開平9−95538号公報に記載の如き冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載の如き高圧で行う方法等種々の溶解方法を用いることができるが、特に主溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。
ドープ中のセルロースアシレートの濃度は10〜35質量%が好ましい。溶解中または後のドープに添加剤を加えて溶解及び分散した後、濾材で濾過し、脱泡して送液ポンプで次工程に送ることが好ましい。
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無限に移送する無端の金属ベルト、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ダイの口金部分のスリット形状を調整出来、膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、何れも好ましく用いられる。金属支持体の表面は鏡面となっている。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。あるいは複数のドープを同時に流延する共流延法によって積層構造のフィルムを得ることも好ましい。
ウェブ(光学フィルムの完成品となる前の状態であって、まだ溶媒を多く含むものをこう呼ぶ)を金属支持体上で加熱し、金属支持体からウェブが剥離可能になるまで溶媒を蒸発させる工程である。
溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があるが、裏面液体伝熱の方法が、乾燥効率がよく好ましい。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。裏面液体伝熱の場合は、ドープ使用有機溶媒の主溶媒または最も低い沸点を有する有機溶媒の沸点以下で加熱するのが好ましい。
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。なお、剥離する時点でのウェブの残留溶媒量(下記式)があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で充分に乾燥させ過ぎてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
ここで、製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができるだけ多いうちに剥離することで製膜速度を上げることができる)としてゲル流延法(ゲルキャスティング)がある。例えば、ドープ中にセルロースアシレートに対する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、金属支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。金属支持体上でゲル化させ剥離時の膜の強度を上げておくことによって、剥離を早め製膜速度を上げることができる。
金属支持体上でのウェブの剥離時残留溶媒量は、乾燥の条件の強弱、金属支持体の長さ等により5〜150質量%の範囲で剥離することが好ましいが、残留溶媒量がより多い時点で剥離する場合、経済速度と品質との兼ね合いで剥離時の残留溶媒量が決められる。本発明においては、この金属支持体上の剥離位置における温度を−50〜40℃とするのが好ましく、10〜40℃がより好ましく、15〜30℃とするのが最も好ましい。
残留溶媒量は下記の式で表すことができる。
残留溶媒量(質量%)=[(M−N)/N]×100
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、Nは質量Mのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
上記剥離工程後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したロールに交互に通して搬送する乾燥装置、および/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ウェブを乾燥することが好ましい。
また、熱処理温度は、30分以下であることが好ましく、20分以下であることがより好ましく、10分程度であることが特に好ましい。
なお、ここでいう「延伸倍率(%)」とは、以下の式により求められるものを意味する。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
なお、本発明においては、フィルム搬送方向に直交する方向TDに延伸する方法として、テンター装置を用いて延伸することが好ましい。
以上のようにして得られた、フィルムの長さは、1ロール当たり100〜10000mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜6000mである。フィルムの幅は、0.5〜5.0mが好ましく、より好ましくは1.0〜3.0mであり、さらに好ましくは1.0〜2.5mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリングを付与するのが好ましく、ナーリングの幅は3mm〜50mmが好ましく、より好ましくは5mm〜30mm、高さは0.5〜500μmが好ましく、より好ましくは1〜200μmである。これは片押しであっても両押しであってもよい。
本発明の偏光板は、偏光子と、少なくとも1枚の本発明の光学フィルムとを含む。
本発明の偏光板は、一般的な方法で作製することができる。例えば、本発明の光学フィルムの一方の面と、偏光子とを貼り合わせて積層することで作製することができる。本発明の光学フィルムの貼合面は、アルカリ鹸化処理を行うことが好ましい。また、貼合には、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いることができる。
ポリビニルアルコール系樹脂水溶液からなる接着剤において、ポリビニルアルコール系樹脂には、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルをケン化処理して得られるビニルアルコールホモポリマーのほか、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体をケン化処理して得られるビニルアルコール系共重合体、さらにそれらの水酸基を部分的に変性した変性ポリビニルアルコール系重合体などがある。
この接着剤には、多価アルデヒド、水溶性エポキシ化合物、メラミン系化合物、ジルコニア化合物、亜鉛化合物、グリオキシル酸塩等が架橋剤として添加されていてもよい。水系接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層の厚みは通常、1μm以下である。
硬化性接着剤を用いた場合、それから得られる接着剤層の厚みは通常、0.5〜5μm程度である。
上記した従来知られている光学フィルムについては、光学特性及び材料のいずれについても特に制限はないが、セルロースエステル樹脂、アクリル樹脂、および/または環状オレフィン樹脂を含む(あるいは主成分とする)光学フィルムを好ましく用いることができ、光学的に等方性のフィルムを用いても、光学的に異方性の位相差フィルムを用いてもよい。
上記の従来知られている光学フィルムについて、セルロースエステル樹脂を含むものとしては、例えばフジタックTD40UC(富士フイルム(株)製)などを利用することができる。
上記の従来知られている光学フィルムについて、アクリル樹脂を含むものとしては、特許第4570042号公報に記載のスチレン系樹脂を含有する(メタ)アクリル樹脂を含む光学フィルム、特許第5041532号公報に記載のグルタルイミド環構造を主鎖に有する(メタ)アクリル樹脂を含む光学フィルム、特開2009−122664号公報に記載のラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む光学フィルム、特開2009−139754号公報に記載のグルタル酸無水物単位を有する(メタ)アクリル系樹脂を含む光学フィルムを利用することができる。
また、上記の従来知られている光学フィルムについて、環状オレフィン樹脂を含むものとしては、特開2009−237376号公報の段落[0029]以降に記載の環状オレフィン系樹脂フィルム、特許第4881827号公報、特開2008−063536号公報に記載のRthを低減する添加剤を含有する環状オレフィン樹脂フィルムを利用することができる。
本発明の偏光板を液晶表示装置に利用する態様では、本発明の光学フィルムを偏光子の内側(すなわち偏光子と液晶セルの間)、外側(すなわち液晶セル側の面と反対側の面)のいずれの配置でも好適に使用することができるが、偏光子と液晶セルの間に配置することが好ましい。
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板とを有する液晶表示装置であって、上記偏光板のうち少なくとも1枚が、本発明の偏光板である。本発明の光学フィルムの液晶表示装置における機能については特に制限はない。本発明の光学フィルムの配置方法の一例は、ハードコート層を有さない状態でバックライト側の偏光板中、偏光子と上記液晶セルとの間(すなわち偏光板の液晶セル側の面)に配置した偏光板の表面保護フィルムである。本発明の光学フィルムの配置方法の他の一例は、ハードコート層を有さない状態で表示面側の偏光板中、偏光子と上記液晶セルとの間(すなわち偏光板の液晶セル側の面)に配置される表面保護フィルムである。このように、本発明の液晶表示装置は、本発明の光学フィルムが、偏光子と液晶セルとの間に配置されることが好ましい。
その他の構成については、公知の液晶表示装置のいずれの構成も採用することができる。液晶セルのモードについても特に制限はなく、TN(Twisted Nematic)モード型の液晶セル、横電界スイッチングIPS(In−Plane Switching)モード型の液晶セル、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード型の液晶セル、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)モード型の液晶セル、OCB(Optically Compensatory Bend)モード型の液晶セル、STN(Supper Twisted Nematic)モード型の液晶セル、VA(Vertically Aligned)モード型の液晶セルおよびHAN(Hybrid Aligned Nematic)モード型の液晶セル等の様々な表示モードの液晶表示装置として構成することができる。その中でも、本発明の液晶表示装置は、液晶セルが、横電界スイッチングIPSモード型の液晶セルである液晶表示装置であることが好ましい。
代表的な化合物の合成例を以下に示す。
<合成例1>
(アセト酢酸エチルメタクリレート(A−2)とメチルメタクリレート(B−1)の共重合体の合成)
攪拌機、温度計、還流冷却管、および窒素ガス導入管を備えた300ミリリットル三口フラスコに、メチルエチルケトン20.0gを仕込んで、80℃まで昇温した。次いで、アセト酢酸エチルメタクリレート(A−2)7.68g、メチルメタクリレート(B−1)32.32g、メチルエチルケトン20.0g、およびアゾ重合開始剤「V−601」(和光純薬(株)製)0.40gからなる混合溶液を、3時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、1時間攪拌後、(1)「V−601」0.10g、メチルエチルケトン1.0gからなる溶液を加え、2時間攪拌を行った。続いて、(1)の工程を2回繰り返し、さらに2時間攪拌を続けた後、1.5リットルのn−ヘキサンに注いで乾燥し、実施例1に用いたアセト酢酸エチルメタクリレート(A−2)とメチルメタクリレート(B−1)の共重合体38.5gを得た。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は45000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))であった。
各実施例や比較例における一般式(1)又は(2)で表される単量体の構造を下記に示す。
以下のようにして、光学フィルムおよび偏光板を作製し、評価した。
<光学フィルムの作製>
(コア層セルロースアシレートドープの作製)
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、攪拌して、各成分を溶解し、コア層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
コア層セルロースアシレートドープ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
ポリエステルE 12質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
メタノール(第2溶剤) 64質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記のコア層セルロースアシレートドープ90質量部に下記のマット剤溶液を10質量部加え、支持体側スキン層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
マット剤溶液
――――――――――――――――――――――――――――――――
平均粒子サイズ20nmのシリカ粒子
(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 76質量部
メタノール(第2溶剤) 11質量部
コア層セルロースアシレートドープ 1質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記のエア側スキン層セルロースアシレートドープ90質量部に上記のマット剤溶液を10質量部加え、エア側スキン層セルロースアシレートドープとして用いるセルロースアセテート溶液を調製した。
エア側スキン層セルロースアシレートドープ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.88のセルロースアセテート 100質量部
化合物A 50質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 430質量部
メタノール(第2溶剤) 64質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記コア層セルロースアシレートドープ、上記支持体側スキン層セルロースアシレートドープ、及び上記エア側スキン層セルロースアシレートドープを平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過した後、上記支持体側スキン層セルロースアシレートドープが支持体側として、支持体側スキン層セルロースアシレートドープ/コア層セルロースアシレートドープ/エア側スキン層セルロースアシレートドープとなるように、3層同時に流延口から20℃の金属支持体上に流延した(バンド流延機)。溶剤含有率略20質量%の状態で剥ぎ取り、フィルムの幅方向の両端をテンタークリップで固定し、横方向に延伸倍率1.1倍で延伸しつつ乾燥した。その後、熱処理装置のロール間を搬送することにより、さらに乾燥し、厚み25μmの光学フィルムを作製し、これを実施例1の光学フィルムとした。実施例1の光学フィルムのコア層は厚み15μm、コア層の両側に配置されたスキン層はそれぞれ厚み5μmであった。
実施例1の光学フィルムの作製において、光学フィルムに用いる化合物Aの種類、又は添加量を下記表1に記載したとおりに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜12、14〜16および比較例1〜5の光学フィルムを作製した。実施例10においては、スキン層セルロースアシレートドープの流量を調整して、表1に記載の第1の領域膜厚とした。比較例3においては、エア側スキン層セルロースアシレートドープ単独で流延した。
なお、本発明の光学フィルムは、ドラム製膜によっても作製が可能である。以下、上記実施例1〜12、14〜16および比較例1〜5にて作製した光学フィルムをドラム製膜にて作製した場合の作製例を示す。
この様に、下記表1に記載の実施例1〜12、14〜16および比較例1〜5のフィルムは、ドラム製膜によっても作製することができた。
(塗布による光学フィルムの作製)
上記実施例1におけるバンド製膜による光学フィルムの作製において、エア側スキン層セルロースアシレートドープの処方を支持体側スキン層セルロースアシレートドープと同様の処方とした以外は実施例1と同様にして流延フィルムを作製し、下記溶液を塗布する際の支持体とした。
上記溶液を流延フィルムの一方の表面にワイヤバーコータ#8で塗布し、60℃で120秒間乾燥させた。
各実施例および比較例にて作製した光学フィルムにつき、下記評価を行った。
上記で作製した各実施例及び比較例のセルロースアシレートフィルムをフィルム面に対して1°の角度で斜めに切削し、生成したフィルム断面を用いて、飛行時間型二次イオン質量分析計(TOF−SIMS (Time of Flight−Secondary Ion Mass Spectrometry))による測定を行った。TOF−SIMSの測定は、Phi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMS(商品名)を用いて、フィルムを構成する第1の領域および第2の領域の表面に存在する化合物A分子起因の特異的なフラグメントイオンのピーク強度比からC/Bを算出した。ここで、Cはセルロースアシレートフィルムの第2の領域の表面(支持体側スキン層側の表面)での化合物Aの含有量であり、Bは第1の領域の表面(エア側スキン層側の表面)での化合物Aの含有量である。
得られた結果を下記表1に記載した。
第1の領域に含まれる化合物Aの定量をTOF−SIMS(Time of Flight−Secondary Ion Mass Spectrometry)により行った。TOF−SIMSの測定は、Phi Evans社製TRIFTII型TOF−SIMS(商品名)を用いて、化合物Aに起因するフラグメントを検出することで観察する。
実施例1の光学フィルムの作製において、化合物Aの含有量が100質量%、50、0質量%である均一な単層フィルムを作成し、各フィルムに対して、フィルム表面から検出される化合物Aに由来する二次イオンの強度を計測し、検量線を作成した。本実施例ではC4H5O2のイオン強度から、第1の領域に含まれる化合物Aの含有量を導出した。
上記検量線を元に、化合物Aに由来する二次イオンの強度から第1の領域に含まれる化合物Aの含有量を算出する。
得られた結果を下記表1に記載した。
上記で作製した各実施例及び比較例の光学フィルムを、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した。
エア側スキン層側の表面に、カッターナイフで碁盤目状に縦11本、横11本の切り込みを入れて、合計100個の正方形を刻み、その面に日東電工(株)製のポリエステル粘着テープ(No.31B)を貼りつけた。30分経時したあとに、垂直方向にテープを素早く引き剥がし、剥がれた正方形の数を数えて、下記4段階の基準で評価した。同じ試験を3回行って平均をとった。結果を下記表1に示す。
A:100個の正方形において剥がれが全く認められなかった。(許容範囲内)
B:100個の正方形において1〜5個の正方形の剥がれが認められた。(許容範囲内)
C:100個の正方形において6〜10個の正方形の剥がれが認められた。
D:100個の正方形において11個以上の正方形の剥がれが認められた。
光学フィルムの引き裂き強度は、JIS K−7128−2:1998の引き裂き試験方法(エルメンドルフ引き裂き法)に基づいて25μm換算の値を示す。具体的には、試料片51mm×64mmを、25℃、相対湿度65%の条件下に2時間調湿した後に軽荷重引き裂き強度試験機を用いて測定した。引き裂き強度は2g以上であるのが好ましく、より好ましくは2.4g以上である。
(偏光板の作製)
1)フィルムの鹸化
各実施例および比較例にて作製した光学フィルム及びフジタックTJ25(富士フイルム(株)製)を37℃に調温した4.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液(けん化液)に1分間浸漬した後、フィルムを水洗し、その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、更に水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理したフィルムを作製した。
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み8μmの偏光子を調製した。
このようにして得た偏光子を、下記表1に記載の各実施例および比較例の光学フィルム群から選択される1枚を鹸化したフィルムと、フジタックTJ25(富士フイルム(株)製)を鹸化したフィルムとで挟んだ後、PVA((株)クラレ製、PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムの長手方向とが直交するようにロールツーロールで貼り合わせて偏光板を作製した。
貼り合わせる際、表1に記載の各実施例および比較例の光学フィルム群から選択されるフィルムは、支持体側スキン層が偏光子側になるように貼合した。ただし、エア側スキン層を偏光子側になるように貼合することもできる。
上記で作製した偏光板について、各実施例および各比較例の光学フィルムの片方の面を粘着剤でガラス板に貼り合わせたサンプル(約5cm×5cm)を2組作製した。これをクロスニコル配置して、日本分光(株)製自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて直交透過率を410nm、および730nmで測定した。その後、60℃、相対湿度90%の高温高湿環境下で1000時間保存した後の直交透過率を上記方法で測定した。
偏光板の偏光子耐久性の評価値を以下のように定義する。
偏光板の偏光子耐久性の評価値=[経時後の直交透過率(%)−経時前の直交透過率(%)]/ 経時前の直交透過率(%)
実用使用上、問題が無いのは410nmの偏光板の偏光子耐久性の評価値が10以下の場合であり、6以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましい。
また、730nmの偏光板の偏光子耐久性の評価値は4以下の場合に実使用上問題がなく、1.5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
得られた結果を、下記表1に記載した。
2 セルロースアシレート
I 第1の領域
II 第2の領域
a 化合物A
b 第1の領域Iにおける第2の領域IIから最も遠い表面
c 第2の領域IIにおける第1の領域Iから最も遠い表面
Claims (13)
- 下記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位と下記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位と含む化合物A
を含有する第1の領域と、
セルロースアシレートを含有する第2の領域と
を有し、
前記化合物Aにおける下記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位の含有量は前記化合物Aの全繰り返し単位に対して50〜99モル%であり、下記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位の含有量は前記化合物Aの全繰り返し単位に対して1〜50モル%であり、
前記第1の領域における前記第2の領域から最も遠い表面の前記化合物Aの含有量Bに対する前記第2の領域における前記第1の領域から最も遠い表面の前記化合物Aの含有量Cの比C/Bが0〜0.5である、光学フィルム。
一般式(1)中、R1は水素原子又は炭素原子数1〜4の脂肪族基を表す。Xは、単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R4)−、又はこれらを組合せてなる2価の基を表し、前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及び2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R4は水素原子又はアルキル基を表す。R2は水素原子、炭素原子数1〜12の脂肪族基、芳香族基、水酸基、又はニトリル基を表す。
一般式(2)中、R3は水素原子、脂肪族基、芳香族基、又は複素環基を表し、前記脂肪族基、芳香族基及び複素環基は置換基を有していてもよい。Yは、単結合、2価の脂肪族基、2価の芳香族基、2価の複素環基、−C(=O)−、−O−、−N(R5)−、又はこれらを組合せてなる2価の基を表し、前記2価の脂肪族基、2価の芳香族基、及び2価の複素環基は置換基を有していてもよい。R5は水素原子又はアルキル基を表す。 - 前記第1の領域の前記化合物Aの含有量が、前記第1の領域の全質量に対して20質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の光学フィルム。
- 前記第1の領域の前記化合物Aの含有量が、前記第1の領域の全質量に対して50質量%以上100質量%以下である請求項1又は2に記載の光学フィルム。
- 前記化合物Aが、前記一般式(1)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位を前記化合物Aの全繰り返し単位に対して70〜99モル%含み、前記一般式(2)で表される単量体を重合して得られる繰り返し単位を前記化合物Aの全繰り返し単位に対して1〜30モル%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記化合物Aの重量平均分子量が、1000〜80000である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記セルロースアシレートのアシル置換度が2.00〜2.95である請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記セルロースアシレートがセルロースアセテートである請求項1〜6のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記第2の領域にジカルボン酸とジオールにより構成されたポリエステルを含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の光学フィルム。
- 前記ポリエステルの末端が酢酸又はシクロヘキサンカルボン酸で封止されている請求項8に記載の光学フィルム。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルムと偏光子とを有する偏光板。
- 前記光学フィルムの前記第1の領域が、前記偏光子側に配置された請求項10に記載の偏光板。
- 前記光学フィルムの前記第2の領域が、前記偏光子側に配置された請求項10に記載の偏光板。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光学フィルム、又は請求項10〜12のいずれか1項に記載の偏光板を具備した液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015123250A JP6581813B2 (ja) | 2015-06-18 | 2015-06-18 | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015123250A JP6581813B2 (ja) | 2015-06-18 | 2015-06-18 | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017009712A true JP2017009712A (ja) | 2017-01-12 |
JP6581813B2 JP6581813B2 (ja) | 2019-09-25 |
Family
ID=57761797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015123250A Expired - Fee Related JP6581813B2 (ja) | 2015-06-18 | 2015-06-18 | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6581813B2 (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012155287A (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-16 | Fujifilm Corp | 樹脂フィルム、偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
JP2012172062A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 |
JP2014115473A (ja) * | 2012-12-10 | 2014-06-26 | Konica Minolta Inc | 光学フィルムのロール体とその製造方法、包装体、偏光板および液晶表示装置 |
JP2015108100A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 樹脂組成物、活性エネルギー線重合性接着剤、及び積層体 |
-
2015
- 2015-06-18 JP JP2015123250A patent/JP6581813B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012155287A (ja) * | 2011-01-28 | 2012-08-16 | Fujifilm Corp | 樹脂フィルム、偏光板保護フィルム、偏光板および液晶表示装置 |
JP2012172062A (ja) * | 2011-02-22 | 2012-09-10 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 |
JP2014115473A (ja) * | 2012-12-10 | 2014-06-26 | Konica Minolta Inc | 光学フィルムのロール体とその製造方法、包装体、偏光板および液晶表示装置 |
JP2015108100A (ja) * | 2013-12-05 | 2015-06-11 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 樹脂組成物、活性エネルギー線重合性接着剤、及び積層体 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6581813B2 (ja) | 2019-09-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5067369B2 (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP5894122B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP5299270B2 (ja) | 位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および位相差フィルムの製造方法 | |
US9784897B2 (en) | Optical film, polarizing plate and liquid crystal display device | |
JP6200868B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法 | |
JP5542086B2 (ja) | 光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2012093714A (ja) | 光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2009210777A (ja) | 光学フィルム、及びそれを用いた偏光板 | |
JP5597438B2 (ja) | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置 | |
JP5914434B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP6277066B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5948287B2 (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP5481338B2 (ja) | 光学フィルムとその製造方法、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2007084608A (ja) | 透明フィルム及びその製造方法、並びにその透明フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2008197424A (ja) | 位相差フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2007178992A (ja) | 偏光板及び液晶表示装置 | |
JP6581813B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP5575007B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板、および液晶表示装置 | |
JP6357447B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP2015018114A (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
US20120207976A1 (en) | Polarizing plate and liquid crystal display employing the same | |
JP2014098883A (ja) | 光学フィルム及びその製造方法、偏光板並びに液晶表示装置 | |
JP5447135B2 (ja) | 偏光板 | |
JP5993327B2 (ja) | セルロースアセテートブチレートフィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP6211118B2 (ja) | 光学フィルム、偏光板、及び液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20150828 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20170123 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20180425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180508 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180709 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190108 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190307 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190813 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190902 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6581813 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |