JP2017008903A - エンジンの吸気装置 - Google Patents

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恭平 滝本
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Abstract

【課題】吸気の冷却効率が高められるエンジンの吸気装置を提供すること。【解決手段】エンジンの吸気装置1は、インテークマニホールド10を通過する吸気を冷媒によって冷却する熱交換器30を備える。インテークマニホールド10は、上流側マニホールド11と下流側マニホールド21とに分割される。熱交換器30は、上流側マニホールド11と下流側マニホールド21との間に介装されてコア部31及びタンク部32、33を包囲する筒状の包囲体51を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、吸気を冷媒によって冷却するエンジンの吸気装置に関する。
特許文献1には、エンジンのインテークマニホールドに水冷式のインタークーラ(熱交換器)が設けられる吸気装置が開示されている。
上記吸気装置では、インテークマニホールドに箱状のチャンバ部が形成され、チャンバ部内にインタークーラが収容される。インタークーラは、通過する吸気を循環する冷却水によって冷却するコア部と、コア部に冷却水を導くタンク部と、を備える。
上記エンジンの運転時には、過給機によって圧縮されて温度上昇した吸気がインタークーラのコア部を通過して冷却された後に、インテークマニホールドを通じてエンジンの各シリンダに分配される。
特開2013−147953号公報
しかしながら、このような従来の吸気装置にあっては、インテークマニホールドに形成されるチャンバ部の内壁面とインタークーラとの間に隙間が空くため、吸気の冷却効率が低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、吸気の冷却効率が高められるエンジンの吸気装置を提供することを目的とする。
本発明のある態様によれば、吸気を冷媒によって冷却するエンジンの吸気装置であって、エンジンのシリンダに吸気を導くインテークマニホールドと、インテークマニホールドを通過する吸気を冷媒によって冷却する熱交換器と、を備え、インテークマニホールドは、熱交換器に吸気を導く上流側マニホールドと、熱交換器を通過した吸気をシリンダに導く下流側マニホールドと、に分割され、熱交換器は、冷媒と吸気との間で熱交換が行われるコア部と、コア部に冷媒を導くタンク部と、上流側マニホールドと下流側マニホールドとの間に介装されてコア部及びタンク部を包囲する筒状の包囲体と、を有するエンジンの吸気装置が提供される。
上記態様によれば、上流側マニホールドと下流側マニホールドとの間に介装される包囲体がコア部及びタンク部を包囲することにより、タンク部のまわりに形成される隙間を小さくするか、もしくは隙間を無くすことが可能となる。これにより、コア部を迂回してタンク部のまわりを流れる吸気量が減らされるため、吸気の冷却効率が高められる。
本発明の実施形態に係る吸気装置を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図2のIII−III線に沿う断面図である。 図3の一部を拡大した断面図である。 熱交換器を示す斜視図である。 図2の一部を拡大した断面図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、各図面において、互いに直交するX、Y、Zの3軸を設定し、X軸がエンジンの左右方向、Y軸がエンジンの前後方向、Z軸がエンジンの上下方向に延びるものとして説明する。
図1は、本実施形態に係るエンジン(図示省略)の吸気装置1を示す斜視図である。なお、説明の簡略化のため、吸気装置1は一部を省略して図示している。
エンジンは、車両に搭載され、車輪を駆動する動力源として用いられる。エンジンは、Y軸方向について列状に並ぶ複数(4つ)のシリンダ(図示省略)を有する。エンジンは、各シリンダに吸入される吸気とともに燃料を燃焼させて、動力を取り出すようになっている。エンジンは、吸気(外気)を加圧してシリンダに供給する過給器(図示省略)を備える。
エンジンの吸気装置1は、過給器から送られる吸気を各シリンダに分配するインテークマニホールド10と、インテークマニホールド10を通過する吸気を冷却液(冷媒)によって冷却する熱交換器30(チャージエアクーラ)と、を備える。
インテークマニホールド10は、熱交換器30の上流側に設けられる上流側マニホールド11と、熱交換器30の下流側に設けられる下流側マニホールド21と、に分割される。
上流側マニホールド11及び下流側マニホールド21は、樹脂によって形成される。一方、熱交換器30を構成する各部材は、アルミ材や銅材などの熱伝導率が高い金属によって形成される。吸気装置1では、樹脂製の上流側マニホールド11と下流側マニホールド21との間に、金属製の熱交換器30が介装される。
図2は、図1のII−II線に沿う吸気装置1の断面図である。上流側マニホールド11は、吸気を導入するマニホールド入口12と、吸気を熱交換器30のコア部31へと導くコア上流路17を形成する上流路壁部13と、熱交換器30に結合されるフランジ部14と、を有する。
マニホールド入口12は、Y軸方向に延びる管状に形成され、吸気ダクト(図示省略)の一端が結合される。吸気ダクトの上流側には、過給器が設けられる。
上流路壁部13は、コア部31の端面31A(Y軸)に対して傾斜して延びる部位を有する。コア上流路17は、上流路壁部13によって断面積がY軸方向について次第に減少するテーパ状の空間として形成される。これにより、図1、図2に矢印Aで示すようにマニホールド入口12からコア上流路17に流入する吸気は、上流路壁部13によって熱交換器30へと円滑に導かれる。
下流側マニホールド21は、熱交換器30に結合されるフランジ部24と、熱交換器30との間にコア下流路27を形成する下流路壁部23と、下流路壁部23から管状に分岐する複数(4本)の分岐管部25と、を有する。各分岐管部25は、フランジ部26(図1参照)を介してエンジン本体(図示省略)に結合される。
下流路壁部23には、各分岐管部25の一端がY軸方向に並んで開口する。熱交換器30から流出する吸気は、図2に矢印Dで示すように、コア下流路27を通じて各分岐管部25へと分流し、各シリンダに分配される。
車両には、冷却液が循環する冷媒回路(図示省略)設けられる。熱交換器30は、冷媒回路に介装される。
図3は、図2のIII−III線に沿う断面図である。熱交換器30は、冷却液を導くタンク部32、33と、タンク部32、33によって導かれる冷却液が循環するコア部31と、を備える。
コア部31は、冷却液が循環するチューブ37と、吸気を導くフィン38(伝熱部材)と、を備える。各チューブ37は、Y軸方向及びZ軸方向に延びる扁平な管状に形成され、X軸方向に所定の間隔を持って並ぶように配置される。フィン38は、波板状に形成され、チューブ37と交互に並ぶように積層される。
対のタンク部32、33は、Y軸方向についてコア部31を挟むように並んで設けられる。タンク部32、33には、各チューブ37の両端が接続される。
図1に示すように、一方のタンク部32には、冷媒入口管41及び冷媒出口管42が設けられる。冷媒入口管41及び冷媒出口管42には、冷却液を導く配管(図示省略)が接続される。タンク部32の内部は、冷媒入口管41が開口する入口流路と、冷媒出口管42が開口する出口流路と、に仕切られる。各チューブ37の内部は、タンク部32の入口流路に接続する上流側流路と、タンク部32の出口流路に接続する下流側流路と、に仕切られる。
熱交換器30では、冷却液が図1に矢示Bで示すように冷媒入口管41から流入し、タンク部32内の入口流路から各チューブ37内の上流側流路を通ってタンク部33へと流れる。そして、冷却液は、タンク部33にて折り返した後に、各チューブ37内の下流側流路を通ってタンク部32へと流れ、タンク部32内の出口流路から冷媒出口管42を通って図1に矢示Cで示すように流出する。
タンク部32、33は、プレス機によって箱状に成形された2枚の金属板を接合して形成される。タンク部32、33の外壁面には、2枚の金属板が接合される部位に段差部34(図4参照)が形成される。
図5は、熱交換器30の斜視図であり、インテークマニホールド10に組み付けられる前の状態を示している。
熱交換器30は、コア部31及びタンク部32、33を包囲する筒状の包囲体51を備える。
包囲体51は、コア部31及びタンク部32、33のまわりに巻かれる1枚の金属板52によって形成される。
包囲体51は、予めコア部31及びタンク部32、33の外形に沿う筒状に成形された後に、コア部31及びタンク部32、33のまわりを包囲するように組み付けられる。
包囲体51の成形工程では、矩形の平板状の金属板52がプレス機によって筒状に成形される。これにより、包囲体51には、金属板52の端部56、57(図4参照)が互いに重ね合わせられる重合部55が形成される。
図4に示すように、金属板52の一方の端部57は、その断面がクランク状に曲折して他方の端部56と平行に延びるように形成される。
熱交換器30の組み立て工程では、筒状に成形された金属板52が両タンク部32、33の外壁面に当接するように組み付けられる。
こうして熱交換器30が組み立てられた状態では、タンク部33の段差部34が包囲体51に面し、タンク部33の段差部34と包囲体51との間に隙間18(空間)が空いている。
金属板52の端部57は、他方の端部56とタンク部33の段差部34との間に挟まれるように配置される。これにより、金属板52の端部57は、タンク部33の段差部34に収められて、隙間18を埋めるようになっている。
図5に示すように、熱交換器30は、その上下端部に一対の支持枠61(プレート)を備える。各支持枠61は、包囲体51の両開口端部53、54を上流側マニホールド11、下流側マニホールド21にそれぞれ結合する座板として設けられる。
各支持枠61は、四角形の枠状に形成される。各支持枠61は、包囲体51の両開口端部53、54にそれぞれ嵌合する四角形の枠部64と、枠部64のまわりに形成される環状のカシメ溝部62と、カシメ溝部62のまわりに並んで突出するカシメ片部63と、を有する。
熱交換器30のロウ付け工程では、図5に示すように組み立てられた各部材31、32、33、51、61が加熱炉に搬送されて熱処理が行われることにより、各接合部がロウ付けされて結合される。
吸気装置1の組み立て工程では、図2に示すように、上流側マニホールド11のフランジ部14と、下流側マニホールド21のフランジ部24とは、各支持枠61を介して熱交換器30に結合される。
図6に示すように、各支持枠61のカシメ溝部62とフランジ部24との間には、環状のシールパッキン19が介装される。シールパッキン19は、ゴム材などの弾性材によって形成される。
吸気装置1のカシメ工程では、カシメ機(図示省略)によってカシメ片部63がフランジ部24に向けて折り曲げられる。こうして、フランジ部24がシールパッキン19に押し付けられ、下流側マニホールド21と熱交換器30との間が密封される。同様にして、上流側マニホールド11と熱交換器30との間が密封される。
以上のようにして製造される吸気装置1は、エンジンに組み付けられる。
次に、吸気装置1の作用、効果について説明する。
エンジンの運転時には、過給機によって圧縮されて温度上昇した吸気が上流側マニホールド11を通じて熱交換器30に導かれ、熱交換器30を通過して冷却された後に、下流側マニホールド21を通じてエンジンの各シリンダに分配される。
熱交換器30のコア部31では、冷却液がチューブ37の内部を流れる一方、吸気がフィン38を介してチューブ37の外部(熱交換流路)を流れる。これにより、吸気の熱がチューブ37及びフィン38を介して冷却液に放出される。
熱交換器30では、包囲体51とタンク部33との間には隙間18が空いているため、吸気の一部が隙間18を通じて流れる。この吸気流は、コア部31を迂回した流れとなるため、熱交換器30の冷却効率を低下させる。
この対処方法として、吸気装置1では、コア部31及びタンク部32、33を包囲する包囲体51がインテークマニホールド10とは別体で形成される。インテークマニホールド10とは別体で設けられる包囲体51がコア部31及びタンク部32、33を包囲することにより、タンク部32、33のまわりに形成される隙間18を小さくすることが可能となる。
包囲体51は、コア部31及びタンク部32、33のまわりに巻かれる金属板52によって形成される。これにより、包囲体51の内壁面をタンク部32、33の外壁面に接合させることが可能となり、隙間18を小さくすることができる。
包囲体51は、金属板52の両端部56、57が互いに重ね合わせられる重合部55を有する。重合部55がタンク部32、33の段差部34に収まることにより、隙間18を小さくすることができる。
熱交換器30は、包囲体51の開口端部53、54にそれぞれ結合される枠状の支持枠61を有し、支持枠61が上流側マニホールド11及び下流側マニホールド21にそれぞれ結合される。これにより、包囲体51に支持枠61が組み付けられる前の状態に、包囲体51をタンク部32、33の外形に沿って形成することが可能となり、隙間18を小さくすることができる。
こうして、熱交換器30では、隙間18を小さくすることにより、隙間18を流れる吸気量が減らされる分だけ、コア部31を流れる吸気量が増えるため、吸気を冷却する効率を高められる。
なお、上述した構成に限らず、熱交換器30では、隙間18を無くすように、包囲体51の内壁面をタンク部32、33の段差部34に沿って形成してもよい。
また、インテークマニホールド10では、上流側マニホールド11と下流側マニホールド21との間に熱交換器30が介装される。これにより、インテークマニホールド10は、熱交換器30を収容するチャンバ部を持たないため、吸気装置1の小型化が図れる。
熱交換器30は、包囲体51が各支持枠61を介してインテークマニホールド10に両持ち支持される構造のため、インテークマニホールド10に対する支持強度が十分に確保される。
熱交換器30では、コア部31及びタンク部32、33が全周にわたって包囲体51に支持される構造のため、車両から受ける振動や衝撃に対してガタツキが生じることが抑えられ、十分な耐久性が確保される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1 吸気装置
10 インテークマニホールド
11 上流側マニホールド
18 隙間
21 下流側マニホールド
30 熱交換器
31 コア部
32 タンク部
33 タンク部
34 段差部
51 包囲体
52 金属板
53 開口端部
54 開口端部
55 重合部
56、57 端部
61 支持枠

Claims (4)

  1. 吸気を冷媒によって冷却するエンジンの吸気装置であって、
    前記エンジンのシリンダに吸気を導くインテークマニホールドと、
    前記インテークマニホールドを通過する吸気を冷媒によって冷却する熱交換器と、を備え、
    前記インテークマニホールドは、
    前記熱交換器に吸気を導く上流側マニホールドと、
    前記熱交換器を通過した吸気を前記シリンダに導く下流側マニホールドと、に分割され、
    前記熱交換器は、
    冷媒と吸気との間で熱交換が行われるコア部と、
    前記コア部に冷媒を導くタンク部と、
    前記上流側マニホールドと前記下流側マニホールドとの間に介装され、前記コア部及び前記タンク部を包囲する筒状の包囲体と、を有することを特徴とするエンジンの吸気装置。
  2. 請求項1に記載のエンジンの吸気装置であって、
    前記包囲体は、前記コア部及び前記タンク部のまわりに巻かれる金属板によって形成されることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  3. 請求項2に記載のエンジンの吸気装置であって、
    前記包囲体は、前記金属板の両端部が互いに重ね合わせられる重合部を有し、
    前記タンク部は、前記包囲体に面して窪む段差部を有し、
    前記重合部が前記段差部に収められることを特徴とするエンジンの吸気装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載のエンジンの吸気装置であって、
    前記熱交換器は、
    前記包囲体の両開口端部にそれぞれ結合される枠状の支持枠をさらに有し、
    前記支持枠が前記上流側マニホールド及び前記下流側マニホールドにそれぞれ結合されることを特徴とするエンジンの吸気装置。
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