JP2017008886A - 過給機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気圧損を考慮して過給機を適切に制御する。【解決手段】制御装置は、過給機による過給後吸気の圧力が目標過給圧となるように過給機をフィードバック制御する処理(以下「過給圧フィードバック制御」という)を行なう。制御装置は、過給圧フィードバック制御を行なう際、過給前吸気温に対する過給後吸気温の比(以下「過給前後温度比」という)を算出し、過給前後温度比に基づいて吸気圧損(吸気通路内の異常による過給前吸気の圧力低下量)を推定する。制御装置は、推定された吸気圧損に基づいて目標過給圧を変更する。【選択図】図5
Description
本発明は、過給機の制御装置に関する。
特開2002−180889号公報(特許文献1)には、過給機のコンプレッサによって過給された吸気が供給されるエンジンにおいて、過給前の吸気温を検出するとともに、大気圧や過給後の吸気圧などに基づいて過給後の吸気温を算出し、過給前の吸気温および過給後の吸気温を用いてエンジンの燃料噴射量および燃料噴射時期を制御することが開示されている。
過給機のコンプレッサよりも上流側の吸気通路内(たとえばエアクリーナなど)に使用時間(運転時間)に伴うエアクリーナ詰まりや異物が吸気通路内に詰まる異常が生じると、過給前吸気圧が正常時よりも低下する現象が生じる。このような状態が進行すると、過給前吸気圧の低下量(以下「吸気圧損」ともいう)が大きくなる。
過給後の吸気圧が目標過給圧となるように過給機のコンプレッサの回転速度をフィードバック制御する場合において、吸気通路内に異常が生じていると、過給機を適切に制御することができない場合がある。すなわち、吸気圧損の増加によって過給前の吸気圧が低下すると、過給前の吸気圧と目標過給圧との圧力差(すなわち過給機に要求される吸気圧上昇量)が増加するため、フィードバック制御の作用によってコンプレッサの回転速度が正常時よりも高い値に制御されてしまい、コンプレッサが過回転状態となってしまうおそれがある。また、過給前の吸気圧と目標過給圧との圧力差が増加した分、過給圧を早期に目標過給圧にすることができなくなってしまうおそれもある。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、吸気圧損を考慮して過給機を適切に制御することである。
この発明に係る制御装置は、吸気通路を流れる吸気を過給してエンジンに供給する過給機の制御装置であって、過給機によって過給された後の過給後吸気の圧力を検出する圧力検出部と、過給後吸気の圧力が目標過給圧になるように過給機をフィードバック制御する制御部とを備える。制御部は、過給機によって過給される前の過給前吸気の温度に対する過給後吸気の温度の比に基づいて過給前吸気が吸気通路を流れる際の圧力損失を推定し、推定された圧力損失に基づいて過給機を制御する。
過給後吸気の圧力が目標過給圧になるように過給機をフィードバック制御している場合、吸気通路内の異常によって過給前吸気の圧力が低下してもフィードバック制御によって過給後吸気圧は目標過給圧に維持される。その結果、過給機による吸気圧上昇量が増加し過給後吸気の温度が増加するため、過給前吸気の温度に対する過給後吸気の温度の比が増加する。このような特性に鑑み、上記構成においては、過給前吸気の温度に対する過給後吸気の温度の比に基づいて吸気圧損が推定され、推定された圧力損失に基づいて過給機が制御される。これにより、吸気圧損を考慮して過給機を適切に制御することができる。
好ましくは、制御部は、温度の比が大きい場合には小さい場合に比べて圧力損失が大きいと推定する。
吸気通路内に異常が生じると、上述したように過給前吸気の温度に対する過給後吸気の温度の比が増加する。このような特性に鑑み、上記構成においては、過給前吸気の温度に対する過給後吸気の温度の比が大きい場合に圧力損失が大きいと推定される。そのため、吸気圧損を適切に推定することができる。
好ましくは、制御部は、圧力損失が大きい場合には小さい場合に比べて目標過給圧を低い値にする。
上記構成によれば、吸気圧損が大きい場合には目標過給圧が低い値にされる。これにより、過給機の回転速度を低下させることができ、過給機の過回転を防止し易くすることができる。
好ましくは、過給機は、エンジンの排気によって回転するタービンと、タービンの回転によって吸気を過給するように作動するコンプレッサと、タービンに供給される排気流量を調整するように作動可能なノズルベーンとを備える。制御部は、過給後吸気の圧力が目標過給圧になるようにノズルベーンの作動位置を制御するフィードバック制御を行なう。制御部は、フィードバック制御を開始する際のノズルベーンの初期位置を圧力損失に応じて変更する。
上記構成によれば、ノズルベーンの初期位置を吸気圧損に応じた位置とすることで、フィードバック制御によるノズルベーンの作動量が少なくなる。そのため、過給後吸気の圧力を早期に目標過給圧にすることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、本実施の形態に係る制御装置によって制御される過給機30を備えるエンジン1の全体構成を示す図である。本実施の形態において、エンジン1は、たとえば、コモンレール式のディーゼルエンジンを一例として説明するが、その他の形式のエンジン(たとえば、ガソリンエンジン等)であってもよい。
エンジン1は、エンジン本体10と、エアクリーナ20と、インタークーラ26と、吸気マニホールド28と、過給機30と、排気マニホールド50とを備える。
エンジン本体10は、複数の気筒12と、コモンレール14と、複数のインジェクタ16とを含む。本実施の形態においては、エンジン1は、直列4気筒エンジンを一例として説明するが、その他の気筒レイアウト(たとえば、V型あるいは水平型)のエンジンであってもよい。
複数のインジェクタ16は、複数の気筒12の各々に設けられ、その各々がコモンレール14に接続されている。燃料タンク(図示せず)に貯留された燃料は、サプライポンプ(図示せず)によって所定圧まで加圧されてコモンレール14へ供給される。コモンレール14に供給された燃料は複数のインジェクタ16の各々から所定のタイミングで噴射される。
エアクリーナ20は、エンジン1の外部から吸入される空気から異物を除去する。エアクリーナ20は、第1吸気管22の一方端に接続される。
第1吸気管22の他方端は、過給機30のコンプレッサ32の入口に接続される。コンプレッサ32の出口は、第2吸気管24の一方端に接続される。コンプレッサ32の詳細な動作については後述する。
第2吸気管24の他方端は、インタークーラ26の一方端に接続される。インタークーラ26は、第2吸気管24を流通する空気を冷却する空冷式あるいは水冷式の熱交換器である。
インタークーラ26の他方端は、第3吸気管27の一方端に接続される。第3吸気管27の他方端は、吸気マニホールド28に接続される。吸気マニホールド28は、エンジン本体10の複数の気筒の各々の吸気ポートに連結される。
排気マニホールド50は、エンジン本体10の複数の気筒12の各々の排気ポートに連結される。排気マニホールド50は、第1排気管52の一方端に接続される。第1排気管52の他方端は、過給機30のタービン36に接続される。そのため、各気筒の排気ポートから排出される排気ガスは、排気マニホールド50に集められた後、第1排気管52を経由してタービン36に供給される。
過給機30は、コンプレッサ32と、タービン36と、可変ノズル機構40とを含む。タービン36は、第2排気管54の一方端に接続される。タービン36から排出された排気ガスは第2排気管54を経由して車外に排出される。コンプレッサ32のハウジング内にはコンプレッサホイール34が収納され、タービン36のハウジング内にはタービンホイール38が収納される。コンプレッサホイール34とタービンホイール38とは、連結軸42によって連結され、一体的に回転する。そのため、コンプレッサホイール34は、タービンホイール38に供給される排気ガスの排気エネルギによって回転駆動される。
コンプレッサ32は、タービンホイール38によって回転駆動されることによって、コンプレッサ32よりも上流側の吸気(以下「過給前吸気」という)を過給して第2吸気管24に供給する。これにより、コンプレッサ32よりも下流側の吸気(以下「過給後吸気」という)の圧力は、過給前吸気の圧力よりも高められる。
可変ノズル機構40は、タービンホイール38の回転軸を中心とした周囲の排気流入部に配置される。
図2は、可変ノズル機構40の構成の一例を示す図である。図2(a)は、図1において左方向から可変ノズル機構40を見た図である。図2(b)は、図1において右方向から可変ノズル機構40を見た図である。可変ノズル機構40の構成は、第1排気管52からタービンホイール38までの排気ガスの流路を絞ることでタービンホイール38に供給される排気ガスの流速を変化させるものであればよく、特に、図2に示される構成に限定されるものではない。
図2(a)および図2(b)に示すように、可変ノズル機構40は、タービンホイール38の外周の排気流入部に配置された複数のノズルベーン67と、複数の軸68を回転中心として複数のノズルベーン67をそれぞれ揺動可能に保持するノズルプレート69と、各軸68の端部に固定されたアーム70を用いて軸68を回転させるユニゾンリング71と、図示しないアクチュエータとを含む。アクチュエータは、電動モータあるいは油圧アクチュエータであって、制御装置100からの制御信号に応じて作動する。
ユニゾンリング71は、リンク72を介してアクチュエータによって回転されるようになっており、リンク72の回転軸72aの端部に固定されたアーム72bをアクチュエータを用いて揺動させることで、アーム72bと係合するユニゾンリング71を回転させることができる。
たとえば、図2(a)に示されるように、アーム72bがリンク72によって矢印に示す方向に搖動させると、ユニゾンリング71は、矢印に示す方向、すなわち、図2(a)では反時計まわり、図2(b)では時計回りに回転する。さらに、このユニゾンリング71の回転によって、各軸68は、矢印に示す方向、すなわち、図2(a)では反時計回り、図2(b)では時計回りに回転される。したがって、隣接するノズルベーン67間の隙間(以下「ノズルベーン開度」ともいう)は小さくなる。また、アーム72bを矢印とは逆の方向に搖動させると、ノズルベーン開度は大きくなる。
このように、アクチュエータを用いてユニゾンリング71を回転させてノズルベーン開度(ノズルベーンの作動位置)を変化させることによって、タービンホイール38に吹き付けられる排気ガスの流速を変化させることができる。
図1に戻って、エンジン1には、エンジン回転速度センサ102と、エアフローメータ104と、吸気温センサ105,106と、過給圧センサ107とが備えられる。エアフローメータ104は、第1吸気管22内の過給前吸気の流量を検出する。吸気温センサ105は、第1吸気管22内の過給前吸気の温度(以下「過給前吸気温T1」ともいう)を検出する。吸気温センサ106は、第2吸気管24内の過給後吸気の温度(以下「過給後吸気温T2」ともいう)を検出する。過給圧センサ107は、第2吸気管24内の過給後吸気の圧力(以下「過給圧」ともいう)を検出する。
エンジン1が搭載される車両には、アクセルペダルポジションセンサ103など車両の状態を検出する各種センサが備えられる。エンジン回転速度センサ102は、エンジン1の出力軸の回転速度(以下「エンジン回転速度NE」ともいう)を検出する。アクセルペダルポジションセンサ103は、ユーザによるアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度AP」ともいう)を検出する。エアフローメータ104は、第1吸気管22を流通する吸入空気の量を検出する。
制御装置100は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを内蔵した電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成される。制御装置100は、当該メモリに記憶された情報および各センサの検出結果に基づいて、エンジン1のスロットル開度、燃料噴射量、点火時期等を制御する。
制御装置100は、エンジン1の運転状態(エンジン回転速度NE、アクセル開度APに応じた燃料噴射量など)に応じて目標過給圧を設定し、過給圧が目標過給圧となるように過給機30のノズルベーン開度をフィードバック制御する。これにより、過給圧が目標過給圧となるようにコンプレッサ32およびタービンホイール38の回転速度(以下「ターボ回転数」という)がフィードバック制御される。以下、この制御を「過給圧フィードバック制御」ともいう。
以上のような構成において、コンプレッサ32よりも上流側の吸気通路(エアクリーナ20や第1吸気管22など)に使用時間(運転時間)に伴うエアクリーナ詰まりや異物が吸気通路内に詰まる異常が生じると、過給前吸気圧が低下する現象が生じる。このような状態が進行すると、エアクリーナ20や第1吸気管22等を通過する際の吸気圧の低下量(以下「吸気圧損」ともいう)が大きくなる。吸気圧損が大きくなった状態で過給圧フィードバック制御を行なうと、ターボ回転数が過剰に高くなってしまうおそれがある。
図3は、過給圧フィードバック制御時の過給圧とターボ回転数との対応関係を模式的に示す図である。図3において、横軸は過給圧(単位:kPa)であり、縦軸はターボ回転数(単位:rpm)である。図3において、実線は吸気圧損が比較的小さい場合の対応関係を示し、破線は吸気圧損が比較的大きい場合の対応関係を示す。
図3に示すように、ターボ回転数と過給圧とは正の相関関係がある。すなわち、ターボ回転数が高いほど過給圧は高い値となり、ターボ回転数が低いほど過給圧は低い値となる。
吸気圧損の増加によって過給前吸気の圧力が低下すると、過給前吸気の圧力と目標過給圧との圧力差(すなわち過給機30に要求される吸気圧上昇量)が増加するため、フィードバック制御の作用によってターボ回転数が正常時よりも高い値に制御されてしまう。その結果、図3に示すように、吸気圧損が大きい場合のターボ回転数(破線)が、吸気圧損が小さい場合のターボ回転数(実線)よりも全体的に高い値となる。
ターボ回転数が過剰に高くなると、過給機30の過熱などによって過給機30が破損してしまうおそれがある。このような破損を防止するためには、ターボ回転数を図3に示す上限回転数未満に制限する必要がある。
吸気圧損が小さい状態でターボ回転数が上限回転数となる時の過給圧P2は、吸気圧損が大きい状態でターボ回転数が上限回転数となる時の過給圧P1よりも高い。そのため、目標過給圧を過給圧P2に設定してしまうと、吸気圧損が小さい場合にはターボ回転数が上限回転数以下となるが、その後にエナクリーナ詰まり等で吸気圧損が増加するとターボ回転数が上限回転数を超えてしまう。この対策として、吸気圧損が増加することを見越して目標過給圧を予め過給圧P1未満の値に低下させておくことも可能であるが、このような対策では、吸気圧損が小さい場合であっても目標過給圧を不必要に低い値に制限してしまうことになり、過給機30の過給能力を十分に活用できない。
上記の問題に鑑み、本実施の形態による制御装置100は、過給圧フィードバック制御を行なう際、過給前吸気温T1に対する過給後吸気温T2の比(以下「過給前後温度比」という)に基づいて吸気圧損(より詳しくはエアクリーナ20や第1吸気管22等を通過する際の過給前吸気の圧力低下(言い換えれば圧力損失)量)を推定する。そして、制御装置100は、推定された吸気圧損に基づいて目標過給圧を変更する。以下、この点について詳しく説明する。
図4は、過給圧フィードバック制御時の吸気圧損と過給前後温度比との対応関係を模式的に示す図である。図4において、横軸は吸気圧損であり、縦軸は過給前後温度比である。
エンジン1の運転状態が一定の条件下においては、エアクリーナ20や第1吸気管22等の異常によって過給前吸気の圧力が低下しても目標過給圧は変わらないため、過給機30による吸気圧上昇量が増加し過給後吸気温T2が増加する。そのため、吸気圧損と過給前後温度比との間には、図4に示すような対応関係、すなわち吸気圧損が増加すると過給前後温度比が増加するような対応関係がある。
このような特性に鑑み、制御装置100は、エンジン1の運転状態を一定にした状態において図4に示すような対応関係を実験等で求めた結果をマップとしてメモリに予め記憶しておく。そして、制御装置100は、図4のマップに示された対応関係が成立する領域(以下「学習領域」という)にエンジン1の運転状態が含まれる場合に過給前後温度比の変化量を算出し、過給前後温度比の変化量がしきい値を超えた場合に図4のマップを参照して吸気圧損を推定する。
具体的には、制御装置100は、所定周期で過給前後温度比の今回値を算出し、算出された過給前後温度比の今回値とメモリに記憶された過給前後温度比の基準値との差を過給前後温度比の変化量として算出する。過給前後温度比の変化量がしきい値を超えた場合、制御装置100は、吸気圧損が所定値以上増加したとして、図4のマップを参照して過給前後温度比の今回値に対応する吸気圧損を推定するとともに、メモリに記憶されている基準値を過給前後温度比の今回値に更新する。すなわち、本実施の形態による制御装置100は、過給前後温度比の変化量が所定値以上である場合に吸気圧損を推定する。
さらに、制御装置100は、推定された吸気圧損に基づいて上限過給圧を算出する。ここで、上限過給圧は、推定された吸気圧損が生じている状態においてターボ回転数を上限回転数とした時の過給圧である。制御装置100は、算出された上限過給圧が目標過給圧よりも低い場合には、目標過給圧を上限過給圧に変更する。これにより、推定された吸気圧損が生じている状態においてターボ回転数が上限回転数を超えることを防止することができる。
図5は、吸気圧損を推定する際に制御装置100が行なう処理手順を示すフローチャートである。このフローチャートは所定周期で繰り返し実行される。
ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、制御装置100は、エンジン1の運転状態が学習領域(メモリに記憶された図4のマップに示された対応関係が成立する領域)に含まれるか否かを判定する。
エンジン1の運転状態が学習領域に含まれない場合(S10にてNO)、制御装置100は処理を終了する。
エンジン1の運転状態が学習領域に含まれる場合(S10にてYES)、制御装置100は、S11にて、吸気温センサ105,106から過給前吸気温T1、過給後吸気温T2をそれぞれ取得し、過給後吸気温T2を過給前吸気温T1で除算した値を過給前後温度比の今回値として算出する。
S12にて、制御装置100は、過給前後温度比の変化量を算出する。具体的には、制御装置100は、メモリに記憶されている過給前後温度比の基準値を読み出し、過給前後温度比の基準値を過給前後温度比の今回値から減算した値を、過給前後温度比の変化量として算出する。
S13にて、制御装置100は、過給前後温度比の変化量がしきい値を超えているか否かを判定する。過給前後温度比の変化量がしきい値を超えていない場合(S13にてNO)、制御装置100は処理を終了する。
過給前後温度比の変化量がしきい値を超えている場合(S13にてYES)、制御装置100は、S14にて、メモリに記憶された図4のマップを参照して過給前後温度比に対応する吸気圧損を推定する。
S15にて、制御装置100は、推定された吸気圧損に対応する上限過給圧を算出する。上述したように、上限過給圧は、推定された吸気圧損が生じている状態においてターボ回転数を上限回転数とした時の過給圧である。たとえば、制御装置100は、メモリに予め記憶された吸気圧損と上限過給圧との対応関係を示すマップを参照して、吸気圧損に対応する上限過給圧を算出する。
S16にて、制御装置100は、上限過給圧が目標過給圧よりも低いか否かを判定する。上限過給圧が目標過給圧よりも高い場合(S16にてNO)、制御装置100は処理を終了する。
上限過給圧が目標過給圧よりも低い場合(S16にてYES)、制御装置100は、S17にて、目標過給圧を上限過給圧に変更する。これにより、推定された吸気圧損が生じている状態においても、ターボ回転数が上限回転数を超えることを防止することができる。
以上のように、本実施の形態による制御装置100は、過給圧フィードバック制御を行なう際、過給前後温度比に基づいて吸気圧損を推定し、推定された吸気圧損に基づいて過給機が制御される。これにより、吸気圧損を考慮して過給機を適切に制御することができる。
特に、本実施の形態による制御装置100は、吸気圧損が増加すると過給前後温度比が増加することに鑑み、過給前後温度比が大きい場合に圧力損失が大きいと推定するため、吸気圧損を適切に推定することができる。
さらに、本実施の形態による制御装置100は、吸気圧損の増加に応じて過給圧フィードバック制御における目標過給圧を低下させる。これにより、吸気圧損が小さい段階では目標過給圧を大きい値にして過給機30の過給性能を十分に活用することができる。さらに、経年劣化や想定外の事態によって吸気圧損が増加した場合には、吸気圧損の増加に応じて目標過給圧を低い値に変更して過給機30の過回転による破損を防止することができる。
なお、上述の実施の形態は、たとえば以下のように変形することができる。
(1) 上述の実施の形態においては、図5のS10の判定に用いられる学習領域を1つとしたが、学習領域は複数に区分されていてもよい。学習領域が複数に区分されている場合には、図5のS12の処理に用いられる過給前後温度比の基準値、図5のS13の判定に用いられるしきい値、および図5のS14の処理に用いられるマップを、各学習領域ごとに分けて記憶しておくようにすればよい。そして、図5のS10にてエンジン1の運転状態がどの学習領域に含まれるかを特定し、特定された学習領域における基準値、しきい値およびマップを用いて図5のS12〜S14の処理を行なうようにすればよい。
(1) 上述の実施の形態においては、図5のS10の判定に用いられる学習領域を1つとしたが、学習領域は複数に区分されていてもよい。学習領域が複数に区分されている場合には、図5のS12の処理に用いられる過給前後温度比の基準値、図5のS13の判定に用いられるしきい値、および図5のS14の処理に用いられるマップを、各学習領域ごとに分けて記憶しておくようにすればよい。そして、図5のS10にてエンジン1の運転状態がどの学習領域に含まれるかを特定し、特定された学習領域における基準値、しきい値およびマップを用いて図5のS12〜S14の処理を行なうようにすればよい。
(2) 上述の実施の形態においては、吸気圧損を目標過給圧を変更するためのパラメータとして用いたが、吸気圧損を他の用途に用いるようにしてもよい。
たとえば、過給圧フィードバック制御を開始する際のノズルベーンの初期開度(初期位置)を吸気圧損に応じて変更するようにしてもよい。このようにすることで、過給圧フィードバック制御によるノズルベーンの作動量が少なくなるため、過給後吸気の圧力を早期に目標過給圧にすることができる。
図6は、吸気圧損とノズルベーンの初期開度補正量との対応関係を模式的に示す図である。制御装置100は、図6に示すような対応関係をマップとしてメモリに予め記憶しておき、当該マップを参照して吸気圧損に対応するノズルベーンの初期開度補正量を算出する。そして、制御装置100は、ノズルベーンの初期開度補正量を用いてノズルベーンの初期開度を変更するようにすればよい。
図7は、ノズルベーンの初期開度を吸気圧損に応じて変更する際の制御装置100の処理手順を示すフローチャートである。なお、図7に示したステップのうち、前述の図5に示したステップと同じ番号を付しているステップについては、既に説明したため詳細な説明はここでは繰り返さない。
S20にて、制御装置100は、図6に示すようなマップを参照して、吸気圧損に対応するノズルベーンの初期開度補正量を算出する。
S21にて、制御装置100は、ノズルベーンの初期開度補正量を用いてノズルベーンの初期開度を変更する。たとえば、制御装置100は、ノズルベーンの初期開度補正量を現在のノズルベーンの初期開度に加えた値を、変更後のノズルベーンの初期開度にする。
このように、過給圧フィードバック制御を開始する際のノズルベーンの初期開度を吸気圧損に応じて変更することで、過給圧フィードバック制御によるノズルベーンの作動量が少なくなるため、過給後吸気の圧力を早期に目標過給圧にすることができる。
(3) 上述の実施の形態においては、過給機30をエンジン1の排気エネルギを利用してコンプレッサ32を回転させるターボチャージャであるが、過給機30はモータによってコンプレッサを回転させる電動過給機であってもよい。
上述した実施の形態およびその変形例については、技術的に矛盾が生じない範囲で適宜組合せることも可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 エンジン本体、12 気筒、14 コモンレール、16 インジェクタ、20 エアクリーナ、22 第1吸気管、24 第2吸気管、26 インタークーラ、27 第3吸気管、28 吸気マニホールド、30 過給機、32 コンプレッサ、34 コンプレッサホイール、36 タービン、38 タービンホイール、40 可変ノズル機構、42 連結軸、50 排気マニホールド、52 第1排気管、54 第2排気管、67 ノズルベーン、68 軸、69 ノズルプレート、70,72b アーム、71 ユニゾンリング、72 リンク、72a 回転軸、100 制御装置、102 エンジン回転速度センサ、103 アクセルペダルポジションセンサ、104 エアフローメータ、105,106 吸気温センサ、107 過給圧センサ。
Claims (4)
- 吸気通路を流れる吸気を過給してエンジンに供給する過給機の制御装置であって、
前記過給機によって過給された後の過給後吸気の圧力を検出する圧力検出部と、
前記過給後吸気の圧力が目標過給圧になるように前記過給機をフィードバック制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記過給機によって過給される前の過給前吸気の温度に対する前記過給後吸気の温度の比に基づいて前記過給前吸気が前記吸気通路を流れる際の圧力損失を推定し、推定された前記圧力損失に基づいて前記過給機を制御する、過給機の制御装置。 - 前記制御部は、前記温度の比が大きい場合には小さい場合に比べて前記圧力損失が大きいと推定する、請求項1に記載の過給機の制御装置。
- 前記制御部は、前記圧力損失が大きい場合には小さい場合に比べて前記目標過給圧を低い値にする、請求項1または2に記載の過給機の制御装置。
- 前記過給機は、前記エンジンの排気によって回転するタービンと、前記タービンの回転によって吸気を過給するように作動するコンプレッサと、前記タービンに供給される排気流量を調整するように作動可能なノズルベーンとを備え、
前記制御部は、前記過給後吸気の圧力が前記目標過給圧になるように前記ノズルベーンの作動位置を制御するフィードバック制御を行ない、
前記制御部は、前記フィードバック制御を開始する際の前記ノズルベーンの初期位置を前記圧力損失に応じて変更する、請求項1〜3のいずれかに記載の過給機の制御装置。
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JP2015127564A JP2017008886A (ja) | 2015-06-25 | 2015-06-25 | 過給機の制御装置 |
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