JP2017008432A - ポリオレフィン弾性モノフィラメント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のポリオレフィン弾性モノフィラメントは、(A)特定のプロピレン系重合体を5〜25質量部、(B)特定のプロピレン系共重合体を35〜95質量部、および(C)特定のアイソタクティックポリプロピレン(C−1)及び特定のアイソタクティックプロピレン・エチレン共重合体(C−2)から選ばれる少なくとも1種の重合体(C)を0〜40質量部(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100質量部とする)含むプロピレン系重合体組成物を溶融紡糸し、さらに延伸して得られるモノフィラメントであり、該モノフィラメントのJIS L1013に準拠して測定される引張伸び率が80〜300%の範囲であり、該モノフィラメントの直径が50〜2000μmであることを特徴とする。
【選択図】なし
Description
これらの分野には、ポリアミド、ポリエステルあるいはポリウレタンの弾性繊維が使用されてきた(たとえば、特許文献1〜3)。しかしながら、これらの繊維では、吸水や加水分解による劣化、生活部材(例えば椅子等)との摩擦接触、さらには洗濯によって摩耗するという問題があった。
下記プロピレン系重合体(A)を5〜25質量部、下記プロピレン系共重合体(B)を35〜95質量部、および下記(C−1)及び(C−2)から選ばれる少なくとも1種の重合体(C)を0〜40質量部(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100質量部とする)を含むプロピレン系重合体組成物を溶融紡糸し、さらに延伸して得られるモノフィラメントであり、
該モノフィラメントのJIS L1013に準拠して測定される引張伸び率が80〜300%の範囲であり、
該モノフィラメントの直径が50〜2000μmであることを特徴とする。
13C−NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90〜100モル%(ただし、該プロピレン系重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)で含有する。
プロピレンから導かれる構成単位を40モル%以上90モル%未満、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く。)から導かれる構成単位を10モル%を超えて60モル%以下で含有し(ただし、プロピレンから導かれる構成単位および炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)から導かれる構成単位の合計を100モル%とする)、以下の要件(b)を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
(C−2)示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が110℃未満か、または融点(Tm)が観測されず、プロピレン系共重合体(B)と異なる、アイソタクティックプロピレン・エチレン共重合体。
前記モノフィラメントのJIS L1013に準拠して測定される比重が0.91以下であることが好ましい。
前記モノフィラメントのJIS K7361−1に準拠して測定される全光線透過率が85%以上であることが好ましい。
そのため、本発明のポリオレフィン弾性モノフィラメントは、各種の二次加工品に好適に用いられる。
本発明に係るプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるプロピレン系重合体(A)は、13C−NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、さらに好ましくは94%以上である。
rrrr分率は、13C−NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求められる。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw・・・(1)
本発明に係るプロピレン系重合体(A)は、種々公知の製造方法、例えば、国際公開番号WO2006/123759明細書に記載された製造方法などにより、得ることができる。
本発明のプロピレン系重合体組成物に含まれる重合体成分の一つであるプロピレン系共重合体(B)は、プロピレンから導かれる構成単位を40モル%以上90モル%未満、好ましくは50〜89モル%、より好ましくは55〜89モル%であり、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレンを除く)から導かれる構成単位を10モル%を超えて60モル%以下、好ましくは11〜50モル%、より好ましくは11〜45モル%含有する(ただし、プロピレンから導かれる構成単位および炭素数2〜20のα−オレフィン(ただし、プロピレンを除く)から導かれる構成単位の合計を100モル%とする)。
要件(b)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)と、ASTM D1238に準拠して、230℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)(g/10分)が下記の関係式(1)を満たし、好ましくは下記の関係式(2)を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)・・・(1)
1.80×MFR(-0.20)≦[η]≦2.50×MFR(-0.19)・・・(2)
上記式(1)、好ましくは式(2)を満たすプロピレン系重合体(B)は、従来のアイソタクティックプロピレン系共重合体に比べて同一極限粘度[η]で小さなMFRを示す。
rr分率(%)=100×Prr/Pw・・・(3)
本発明に係るプロピレン系共重合体(B)は、種々公知の製造方法により製造しうる。例えばシンジオタクティックプロピレンを製造可能な触媒でプロピレンとα−オレフィンとを共重合して得ることができる。より具体的には例えば、国際公開2008−059895号公報に記載の方法により製造できるが、これに限定されるものではない。
本発明に係るプロピレン系重合体組成物には、下記のアイソタクティックプロピレン系重合体(C−1)およびアイソタクティックプロピレン・エチレン共重合体(C−2)から選ばれる少なくとも1種の重合体(C)を含んでいてもよい。
本発明のプロピレン系重合体組成物に含まれてもよい重合体成分の一つであるアイソタクティックプロピレン系重合体(C−1)は、13C-NMR法により測定したアイソタクティックペンタッド分率が通常、0.85以上、好ましくは0.9以上、より好ましくは0.95以上のプロピレン系重合体である(以下「アイソタクティックポリプロピレン」と言うことがある)。
本発明に係るアイソタクティックプロピレン系重合体(C−1)は、必要に応じて複数のアイソタクティックポリプロピレンを併用することができ、例えば、融点や剛性の異なる2種類以上の成分を用いることもできる。
本発明に係るプロピレン・エチレン共重合体(C−2)は、実質的にアイソタクティック構造を有する。実質的にアイソタクティック構造であるとは、13C−NMRで測定されるトリアドタクティシティ(mm分率)が85%以上、好ましくは85〜97.5%、より好ましくは87〜97%、さらに好ましくは90〜97%の範囲にあることを意味する。トリアドタクティシティ(mm分率)がこの範囲にあると、特に柔軟性と機械強度のバランスに優れるため、本発明に好適である。mm分率は、国際公開2004−087775号パンフレットの21頁7行目から26頁6行目までに記載された方法を用いて測定することができる。
該プロピレン・エチレン共重合体(C−2)は、前記のプロピレン系重合体(A)およびプロピレン系共重合体(B)と、異なる。
本発明に係るプロピレン系重合体組成物は、前記プロピレン系重合体(A)を5〜25質量部と、前記プロピレン系共重合体(B)を35〜95質量部と、必要に応じて、(C)前記アイソタクティックポリプロピレン(C−1)及びアイソタクティックプロピレン・エチレン共重合体(C−2)から選ばれる少なくとも1種の重合体(C)を0〜40質量部含む。ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100質量部とする。
本発明のポリオレフィン弾性モノフィラメントは、上記プロピレン系重合体組成物を溶融紡糸及び延伸の工程を含んで得られる繊維であって、モノフィラメントである。
本発明に係るモノフィラメントは、上記のプロピレン系重合体組成物を溶融紡糸し、更に、延伸することにより製造される。溶融紡糸には、公知の溶融紡糸方法を採用することができる。また、延伸についても同様である。
本発明のモノフィラメントの断面形状は、通常、円形であるが、使用目的に応じて、その断面形状を三角形、長方形等の多角形、楕円形、星形等、異形形状としてもよい。
なお、実施例および比較例における物性値等は、以下の方法により測定した。
MFRの測定は、ASTM D1238に従い、230℃、2.16kg荷重で測定を行った。
デカリン溶媒を用いて、135℃で測定した値である。すなわち重合パウダー、ペレットまたは樹脂塊約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、溶質の濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度として求めた(下式参照)。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0)
分子量分布(Mw/Mn)は、Waters社製ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC−2000型を用い、以下のようにして測定した。分離カラムは、TSKgel GNH6−HTを2本およびTSKgel GNH6−HTLを2本であり、カラムサイズはいずれも直径7.5mm、長さ300mmであり、カラム温度は140℃とし、移動相にはo−ジクロロベンゼン(和光純薬工業)および酸化防止剤としてBHT(ジブチルヒドロキシトルエン、武田薬品)0.025質量%を用い、1.0ml/分で移動させ、試料濃度は15mg/10mLとし、試料注入量は500マイクロリットルとし、検出器として示差屈折計を用いた。標準ポリスチレンは、分子量がMw<1000およびMw>4×106 については東ソー社製を用い、1000≦Mw≦4×106 についてはプレッシャーケミカル社製を用いた。
エチレン、プロピレン、α−オレフィン含量の定量化は日本電子(株)製JNM GX−400型NMR測定装置を用いて、下記のように測定した。試料0.35gをヘキサクロロブタジエン2.0mlに加熱溶解させた。この溶液をグラスフィルター(G2)で濾過した後、重水素化ベンゼン0.5mlを加え、内径10mmのNMRチューブに装入して、120℃で13C−NMR測定を行った。積算回数は、8,000回以上とした。得られた13C−NMRスペクトルにより、エチレン、プロピレン、α−オレフィンの組成を定量化した。
立体規則性は、上記同条件で13C−NMR測定にて定量化した。
シンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)は、13C−NMRスペクトルにおけるPrrrr(プロピレン単位が5単位連続してシンジオタクティック結合した部位における第3単位目のメチル基に由来する吸収強度)およびPw(プロピレン単位の全メチル基に由来する吸収強度)の吸収強度から下記式(1)により求めた。
rrrr分率(%)=100×Prrrr/Pw・・・(1)
セイコ−インスツルメンツ社製DSCを用い、測定用アルミパンに約5mgの試料をつめて、50℃/分で230℃まで昇温し、230℃で5分間保持した後、10℃/分で−100℃まで降温し、次いで、5分間保持した後、10℃/分で200℃まで昇温した。この最後の昇温時の吸熱曲線より融点(Tm)及び融解熱量(ΔH)を求めた。
JIS L1013(2010年)に従って測定した。
JIS L1013(2010年)に従って測定した。
JIS L1013(2010年)に従い、定速伸長形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、20℃、相対湿度65%、及び20℃、相対湿度95%の各条件下で、つかみ間隔100mm、100mm/分の速度により、モノフィラメントが破断するまで測定した。
また、20℃、相対湿度65%の引張強さにおける20℃、相対湿度95%の引張強さの比を、乾湿強力比(%)として算出した。
JIS L1013(2010年)に従い、20℃、相対湿度65%の条件下で、(9)引張強さ及び伸び率と同じ測定方法で行った。荷重−伸び率曲線を描き、この図から原点の近くで伸長変化する荷重変化に対する荷重変化の最大点(接触角の最大点)を求め、初期引張抵抗度(N/tex)を算出し、以下の式により見掛ヤング率を求めた。
Ym=1000×ρ×Tri
ここに、Ym:見掛ヤング率(N/mm2)
ρ:モノフィラメントの密度(g/cm3)
Tri:初期引張抵抗度(N/tex)
JIS L1013(2010年)に従い、温度20℃、相対湿度65%、及び20℃、相対湿度95%の各条件下で測定した。
JIS B7503(2011年)に準拠したダイヤルゲージを用いて測定した。
小型織機(トヨシマビジネスシステム社製)を用い、モノフィラメントを経糸、緯糸ともに選定して、糸束からレピア方式でよこ入れし、両端を押さえながら筬打ちして、幅13cmの平織物を作製した。
摩耗試験前後の試験片それぞれについて、質量を測定し、摩擦前の質量(mg)から摩擦後の質量(mg)を減じることにより、摩擦損失量を算出した。
定速伸長形引張試験機(島津製作所社製オートグラフAG−500C)を使用して、20℃、相対湿度65%の条件下で、モノフィラメントを200mmのつかみ間隔に取り付け、100mm/分の速度でつかみ間隔の50%まで伸長した後、直ちに同じ速度(100mm/分)で荷重を取り除き回復させ、2分間保持した後、モノフィラメントの伸び率をヒステリシスロス率として測定した。
中央に17mm四方の角孔を穿設した台紙に、モノフィラメントを横一列に隙間無く整列させてテープで固定し、測定試料を作製した。
実施例及び比較例で用いた重合体を以下に示す。
充分に窒素置換した内容量500mlのガラス製オートクレーブにトルエン250mlを装入し、プロピレンを150リットル/時間の量で流通させ、25℃で20分間保持させておいた。一方、充分に窒素置換した内容量30mlの枝付きフラスコにマグネチックスターラーを入れ、これにメチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al=1.53mol/l)を5.00mmol、次いでジベンジルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−tert−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液5.0μmolを加え、20分間攪拌した。この溶液を、プロピレンを流通させておいたトルエン入りガラス製オートクレーブに加え、重合を開始した。プロピレンガスを150リットル/時間の量で連続的に供給し、常圧下、25℃で45分間重合を行った後、少量のメタノールを添加し重合を停止した。ポリマー溶液を大過剰のメタノールに加え、重合体を析出させ、80℃で12時間、減圧乾燥を行った結果、重合体2.38gが得られた。重合活性は0.63kg-PP/mmol-Zr・hrであり、得られたプロピレン単独重合体(A−1)の極限粘度[η]は1.9dl/g、Tm=158℃(Tm1=152℃、Tm2=158℃)であり、ペンタッド分率(rrrr分率)は93.5%であり、融解熱量(△HC)は57J/gであり、Mw/Mn=2.0であった。MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は6.0g/10分であった。
充分に窒素置換した2000mlの重合装置に、833mlの乾燥ヘキサン、1−ブテン120gとトリイソブチルアルミニウム(1.0mmol)を常温で仕込んだ後、重合装置内温を60℃に昇温し、プロピレンで系内の圧力を0.33MPaになるように加圧した後に、エチレンで、系内圧力を0.63MPaに調整した。次いで、ジ(p−クロロフェニル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリド0.002mmolとアルミニウム換算で0.6mmolのメチルアルミノキサン(東ソー・ファインケム社製)を接触させたトルエン溶液を重合器内に添加し、内温60℃、系内圧力を0.63MPaにエチレンで保ちながら20分間重合し、20mlのメタノールを添加し重合を停止した。脱圧後、2Lのメタノール中で重合溶液から重合体を析出し、真空下130℃、12時間乾燥した。得られたプロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体(B−1)は97gであり、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]=2.3(dl/g)であった。MFR(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は1.3g/10分であった。すなわち、式(1)(条件(b))の左辺の値は、1.50×(1.3)(-0.20)=1.42、右辺の値は2.65×(1.3)(-0.20)=2.51であり、式(1)を満たしていることがわかる。DSCより得られたガラス転移点は−23.8℃であり、融解熱量(ΔHB)は1J/g以下であった。
ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定したMFR:7g/10分、融点:162℃のアイソタクティックポリプロピレン(株式会社プライムポリマー社製、商品名プライムポリプロ(登録商標)F107)を用いた。
ASTM D1238に準拠して、230℃、2.16kg荷重で測定したMFR:8g/10分、融点:85℃の実質的にアイソタクティック構造を有するプロピレン・エチレン共重合体(ダウケミカル社製、商品名VERSIFYTM3200)を用いた。
実施例及び比較例における紡糸条件を以下に示す。
口径30mm単軸押出機(ユニプラス機械社製)
紡糸ノズル ;穴直径1.8mm×3ホール
押出設定温度 ;(実施例;280〜290℃、比較例1;240〜250℃、比較例2;180〜200℃)
スクリュー回転数 ;16rpm
ギヤポンプ回転数 ;6.0〜9.5rpm(2.2cc/min)
ギヤポンプ回転数により吐出量を決定
冷却槽温度 ;10℃(チラー水循環)
・温水槽温度 ;20℃
・延伸倍率 ;通糸されるロール速度の差異により設定
・熱固定 ;第3ロール速度〜第4ロール速度の差異により決定(=リラックス率、%)
・熱固定温度 ;第3ロール〜第4ロール間を通糸する熱風オーブンによる(℃)
(A)プロピレン系重合体として前記(A−1)を15質量部、(B)プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体として前記(B−1)を85質量部それぞれ秤量し、溶融紡糸装置(ユニプラス機械社製)を用い、上記及び表1に記載の条件で紡糸、及び延伸してモノフィラメントを得た。このモノフィラメントについて、物性を評価した結果を表1に示す。
(A)プロピレン系重合体として前記(A−1)を15質量部、(B)プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体として前記(B−1)を85質量部、及び滑剤としてエルカ酸アミド(日本精化社製)を0.2質量部とを、それぞれ秤量して配合し、上記及び表1に記載の条件で紡糸、及び延伸してモノフィラメントを得た。このモノフィラメントについて、物性を評価した結果を表1に示す。
(A)プロピレン系重合体として前記(A−1)を12質量部、(B)プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体として前記(B−1)を68質量部、(C)アイソタクティックプロピレン系重合体として前記(C−1)を20質量部、及び滑剤としてエルカ酸アミドを0.2質量部とを、それぞれ秤量して配合し、上記及び表1に記載の条件で紡糸、及び延伸してモノフィラメントを得た。このモノフィラメントについて、物性を評価した結果を表1に示す。
実施例6において、(C)アイソタクティックプロピレン系重合体として前記(C−1)に代えて、前記(C−2)を用いた以外は実施例6と同様にして、モノフィラメントを得た。このモノフィラメントについて、物性を評価した結果を表1に示す。
(C)アイソタクティックプロピレン系重合体として前記(C−1)を100質量部、及び滑剤としてエルカ酸アミドを0.2質量部とを、それぞれ秤量して配合し、上記及び表1に記載の条件で紡糸、及び延伸してモノフィラメントを得た。このモノフィラメントについて、物性を評価した結果を表1に示す。
(C)アイソタクティックプロピレン系重合体として前記(C−2)を100質量部、及び滑剤としてエルカ酸アミドを0.2質量部とを、それぞれ秤量して配合し、上記及び表1に記載の条件で紡糸、及び延伸してモノフィラメントを得た。このモノフィラメントについて、物性を評価した結果を表1に示す。
Claims (4)
- 下記プロピレン系重合体(A)を5〜25質量部、下記プロピレン系共重合体(B)を35〜95質量部、および下記(C−1)及び(C−2)から選ばれる少なくとも1種の重合体(C)を0〜40質量部(ただし、(A)、(B)および(C)の合計を100質量部とする)を含むプロピレン系重合体組成物を溶融紡糸し、さらに延伸して得られるモノフィラメントであり、
該モノフィラメントのJIS L1013に準拠して測定される引張伸び率が80〜300%の範囲であり、
該モノフィラメントの直径が50〜2000μmである、ポリオレフィン弾性モノフィラメント。
(A)プロピレン系重合体:
13C−NMRにより測定されるシンジオタクティックペンタッド分率(rrrr分率)が85%以上であり、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が145℃以上であり、プロピレンから導かれる構成単位を90〜100モル%(ただし、該プロピレン系重合体(A)中の構成単位の全量を100モル%とする。)で含有する。
(B)プロピレン系共重合体:
プロピレンから導かれる構成単位を40モル%以上90モル%未満、炭素数2〜20のα−オレフィン(ただしプロピレンを除く。)から導かれる構成単位を10モル%を超えて60モル%以下で含有し(ただし、プロピレンから導かれる構成単位および炭素数2〜20のα−オレフィン(但し、プロピレンを除く)から導かれる構成単位の合計を100モル%とする)、以下の要件(b)を満たす。
要件(b)135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η](dl/g)と、ASTM D1238に準拠して、230℃、荷重2.16kgで測定したメルトフローレート(MFR)が下記の関係式を満たす。
1.50×MFR(-0.20)≦[η]≦2.65×MFR(-0.20)
(C−1)アイソタクティックポリプロピレン。
(C−2)示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が110℃未満か、または融点(Tm)が観測されず、プロピレン系共重合体(B)と異なる、アイソタクティックプロピレン・エチレン共重合体。 - 前記プロピレン系重合体組成物が、該組成物100質量部に対して、滑剤を0.1〜1.0質量部含む、請求項1に記載のポリオレフィン弾性モノフィラメント。
- 前記モノフィラメントのJIS L1013に準拠して測定される比重が0.91以下である、請求項1または2に記載のポリオレフィン弾性モノフィラメント。
- 前記モノフィラメントのJIS K7361−1に準拠して測定される全光線透過率が85%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン弾性モノフィラメント。
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