JP2017007563A - 車両用乗員判定装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートクッションの左端部には、一対の荷重センサ2FL、2RLが配置されている。乗員検知ECU6の乗員判定部61は、荷重センサ2FL、2RLによって検出された荷重W1、W2に基づき、車両シートの乗員の種別を判定している。遷移禁止部62は、車幅方向の正値の加速度GLが、左方向加速度閾値GLth(+)以上または負値の加速度GLが、右方向加速度閾値GLth(−)以下である場合、遷移禁止部62によって、乗員の種別の判定結果の遷移を禁止する遷移禁止状態にしている。禁止解除部63は、車輪速センサ4FR、4FL、4RR、4RLによって検出された4輪の回転速度V1、V2、V3、V4に基づいて、車両VEが停止していることを検出した場合、遷移禁止状態を解除した禁止解除状態にする。
【選択図】図2
Description
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、車幅方向に加速度が発生した場合にも、車両シート上における乗員の種別を正確に判定可能な車両用乗員判定装置を提供することにある。
尚、上述した本発明の構成において、「検出された加速度が、所定の加速度閾値以上である場合」には、加速度をその向きによって、正値と負値とに区別した場合に、「検出された正値の加速度が正値の加速度閾値以上である場合、および検出された負値の加速度が負値の加速度閾値以下である場合」、すなわち、「検出された加速度の絶対値が、加速度閾値の絶対値以上である場合」をも含んでいる。
また、走行状態検出装置が検出する車両の走行状態には、車両の停止状態も含んでいる。
(車両シートの構成)
図1に基づき、車両シート9の構成について説明する。説明中において、車両シート9上における乗員BH(図3A乃至図3D示)の有無、チャイルドシート(以下、省略してCRSと言う)の固縛の有無および乗員BHの種別を包括して乗員の種別と言う。また、説明中において、車両シート9の乗員BHにとっての前方を車両シート9の前方(図1において、矢印にて示す)とする。また、図1における矢印方向を見た場合の右方を、説明中において右方として説明し、矢印方向を見た場合の左方を、説明中において左方として説明する。尚、以下、車両シート9は右ハンドル車両の助手席用シートとして説明しているが、本実施形態による車両用乗員判定装置1(以下、乗員判定装置1と言う)は、左ハンドル車両の助手席用シートまたは助手席用シート以外の車両シートにも適用可能である。
また、シートクッション91の下方には、乗員検知ECU6が配置されている。乗員検知ECU6の詳細については、後述する。
次に、図2に基づいて、乗員判定装置1の全体構成について説明する。
加速度センサ3(加速度検出装置に該当する)は、静電容量型加速度センサ、ピエゾ抵抗式加速度センサ、熱検知方式の加速度センサ等により形成され、車両VEにおいて横方向(以下、車幅方向と言う)に発生する加速度GLを検出している。
車輪速センサ4FR、車輪速センサ4FL、車輪速センサ4RR、車輪速センサ4RL(各々が、車両の走行状態を検出する走行状態検出装置に該当する)は、車両VEの4輪(図示せず)にそれぞれ取り付けられている。以下、車輪速センサ4FR、車輪速センサ4FL、車輪速センサ4RR、車輪速センサ4RLを包括して、車輪速センサ4FR、4FL、4RR、4RLと言う。車輪速センサ4FR、4FL、4RR、4RLは、それぞれ、4輪の回転速度V1、V2、V3、V4を検知することにより、車両VEの速度を検出している。走行状態検出装置として、車輪速センサ4FR、4FL、4RR、4RLに代えて、車両VEの図示しないトランスミッションのアウトプットシャフトの回転速度を検出する装置またはトランスミッションがPレンジにあることを示すシフトポジションスイッチを使用してもよい。さらに、走行状態検出装置として、フットブレーキが作動されていることを検出するフットブレーキスイッチまたはパーキングブレーキが作動されていることを検出するパーキングブレーキスイッチのいずれかを適用してもよい。
バックルスイッチ5は前述したバックル95e内に設けられ、乗員によるシートベルト装置95の装着を検出するために、タングプレート95dとバックル95eとの係合状態の有無を検出している。バックルスイッチ5は、タングプレート95dとバックル95eとが係合しているか否かを示すバックル信号BSWを発信する。
一方、図3Bに示したように、乗員BHが存在する車両シート9に対し、車両VEの旋回走行等によって、左向きに加速度GLが発生している場合、荷重センサ2FL、2RLは、荷重W(+GL)を検出している。荷重W(+GL)は、荷重W1と荷重W2との和に等しい。荷重W(+GL)は、前述した車両シート9に加速度GLが発生していない場合に検出される荷重W(0)よりも大きい値となる(W(+GL)>W(0))。
さらに、図3Dに示したように、乗員BHが存在する車両シート9が、右向きに傾斜している場合、図3Cに示した場合と同様に、荷重センサ2FL、2RLは、荷重W(0)よりも小さい値である荷重W(−GL)を検出している。尚、この時に発生する荷重W(−GL)と、図3Cに示した場合に発生する荷重W(−GL)とは、同一の符号を使用しているが、必ずしも双方が等しくなるわけではない。
図示は省略しているが、乗員BHが存在する車両シート9が、左向きに傾斜している場合、図3Bに示した場合と同様に、荷重センサ2FL、2RLは、荷重W(0)よりも大きい値である荷重W(+GL)を検出する。尚、この時に発生する荷重W(+GL)と、図3Bに示した場合に発生する荷重W(+GL)とは、同一の符号を使用しているが、必ずしも双方が等しくなるわけではない。
乗員検知ECU6に接続された乗員保護ECU7は、乗員検知ECU6と同様に、入出力装置、CPU、RAM等により形成された制御装置である。乗員保護ECU7は、保護装置制御部71および衝突判定部72を含んでいる。保護装置制御部71は、衝突判定部72および乗員保護装置8に接続されている。乗員保護装置8には、各種のエアバッグ装置、シートベルトプリテンショナ等が含まれている。保護装置制御部71は、衝突判定部72によって、車両VEにおける衝突の発生が検出された場合、乗員保護装置8を作動させて、車両VEの乗員を保護する。
保護装置制御部71は、乗員検知ECU6の乗員判定部61に接続されており、乗員判定部61による乗員の種別の判定結果に基づいて、乗員保護装置8に含まれるエアバッグ装置の作動方法を選択する。具体的には、車両シート9上が空席であると判定された場合または車両シート9上にCRSが固縛されていると判定された場合、エアバッグ装置は展開されない。また、車両シート9上には小柄な大人が着座していると判定された場合、エアバッグ装置は弱展開状態とされる。さらに、車両シート9上に大柄な大人が着座していると判定された場合、エアバッグ装置は強展開状態とされる(図4示)。
以下、図5A乃至図5Dに基づき、乗員判定装置1の制御方法について説明する。乗員判定装置1が起動されると、乗員判定部61において、車両シート9上の乗員の種別の判定結果は空席とされる(ステップS101)。次に、検出された荷重W1、W2、バックル信号BSW、加速度GL、回転速度V1、V2、V3、V4が入力される(ステップS102)。その後、禁止解除部63により、回転速度V1、V2、V3、V4に基づいて、前述した車両状態判定処理が行われ、車両が停止しているか否かが検出される(ステップS103)。次に、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、空席とされているか否かが判定される(ステップS104)。現在、空席とされていない場合、ステップS201(図5B示)へと進む。
一方、ステップS106において、車両VEが停車状態であると判定された場合、バックルスイッチ5がオン状態であるか否か、すなわち、シートベルト装置95のバックル95eとタングプレート95dとが係合しているか否かが判定される(ステップS107)。バックルスイッチ5がオン状態であると判定された場合、遷移禁止部62により、再度、乗員判定部61による乗員の種別の判定結果を遷移させることが禁止され、車両シート9上が空席であるという判定結果が維持される(ステップS113)。バックルスイッチ5がオン状態でないと判定された場合、禁止解除状態が実行され、乗員判定部61が車両シート9上の乗員の種別の判定を行う(ステップS108)。尚、ステップS106において、車両VEが停車状態であると判定された時点において、禁止解除部63により、遷移禁止状態を解除した禁止解除状態とされる。
また、ステップS201において、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、大柄な大人が着座しているとされていない場合、図5Cに示したステップS301へ進む。ステップS301においては、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、小柄な大人が着座しているとされているか否かが判定される。小柄な大人が着座しているとされている場合、図5Cに示したフローによって、上述した場合と同様に乗員の種別の判定が実行される。
また、ステップS301において、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、小柄な大人が着座しているとされていない場合、図5Dに示したステップS401へ進む。現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、CRSが固縛されているとされている場合、図5Dに示したフローによって、上述した場合と同様に乗員の種別の判定が実行される。
このように、図5B乃至図5Dに示したフローは、図5Aに示したものと同様であるため、これらについて、これ以上の説明は省略する。
次に、図5Eに基づいて、禁止解除部63による、上述した車両状態判定処理(ステップS103)の処理方法について説明する。最初に、本ルーチンがイニシャルルーチンであるか否かが判定される(ステップS501)。本ルーチンがイニシャルルーチンであると判定された場合、禁止解除部63において、車両VEは停車状態とされる(ステップS502)。その後、現在の車両状態判定の判定結果が、車両VEの停車状態であるか否かが判定される(ステップS503)。また、ステップS502において、本ルーチンがイニシャルルーチンでないと判定された場合、車両VEは停車状態とされることなく、ステップS503へと進む。
本実施形態において、車輪速センサ4FR、4FL、4RR、4RLのいずれかの異常を検出した場合、車両VEは走行状態であると判定され、乗員検知ECU6による乗員の種別の判定は継続する。これにより、当該異常検出時に、検出された正値の加速度GLが、左方向加速度閾値GLth(+)以上または検出された負値の加速度GLが、右方向加速度閾値GLth(−)以下である場合、乗員の種別の判定結果を遷移させることを禁止することができる。したがって、実際の乗員の種別と大きく異なる判定結果になることを防止することができる。
本実施形態によれば、加速度センサ3によって検出された正値の加速度GLが、左方向加速度閾値GLth(+)以上または検出された負値の加速度GLが、右方向加速度閾値GLth(−)以下である場合、遷移禁止状態にする遷移禁止部62を備えている。遷移禁止状態において、遷移禁止部62は、乗員判定部61による乗員の種別の判定結果を遷移させることを禁止する。これにより、車両VEの旋回走行中には、遷移禁止部62によって遷移禁止状態にされるため、車両シート9上において乗員BHの位置または姿勢が変化しても、乗員の種別に変化があったと誤判定することを防ぐことができる。また、検出された正値の加速度GLが、左方向加速度閾値GLth(+)以上または検出された負値の加速度GLが、右方向加速度閾値GLth(−)以下である時に、車両VEが停止していることが検出された場合、遷移禁止状態を解除する禁止解除部63を備えている。これにより、車両VEが車幅方向に傾斜した状態で停車されている時には、禁止解除部63によって、遷移禁止状態が解除される。このため、車両シート9に対して乗り降りがあった場合、その乗員の種別の変化を検出し、実際の乗員の種別と大きく異なる判定結果になることを防止することができる。
また、加速度センサ3および車輪速センサ4FR、4FL、4RR、4RLを用いるのみで、乗員の種別の判定結果を適正に遷移させることができる。したがって、ヨーレイトセンサ等の特別な検出装置を必要とせず、構成が簡単で低コストの乗員判定装置1にすることができる。
また、禁止解除部63は、車両VEの停止を検出している時に、4輪の回転速度V1、V2、V3、V4が全て所定の車輪速閾値Vth以上であることを検出した場合に、車両VEが走行したことを検出している。そして、車両VEの走行を検出している時に、4輪の回転速度V1、V2、V3、V4が全て車輪速閾値Vth未満であることを検出した場合に、車両VEが停止したことを検出している。これにより、禁止解除部63による車両状態判定において、車両VEの停車状態から走行状態への判定結果の変更と、車両VEの走行状態から停車状態への判定結果の変更を精度よく行うことができる。特に、車両VEにABS装置が装備されていれば、停車時以外に4輪が同時に停止することはなく、誤って車両VEが停車状態と判定することを防止することができる。
図6に基づいて、実施形態の第1変形例の構成について説明する。尚、本変形例および後述する第2変形例乃至第4変形例において、乗員判定装置1および車両シート9は、それぞれ上述した実施形態と同様の構成を備えている。本変形例においては、遷移禁止部62は、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、空席とされている場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。したがって、ステップS606において、車両VEが停車状態であると判定された場合、バックルスイッチ5がオン状態であるか否かは判定されない。その場合、禁止解除部63により、遷移禁止状態を解除した禁止解除状態とされ、乗員判定部61が車両シート9上の乗員の種別の判定を行う(ステップS607)。
本変形例によれば、遷移禁止部62は、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、空席とされている場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。これについて、車両シート9上が空席状態であって、かつ、バックル95eとタングプレート95dとが係合されている状態で、車両シート9へ乗員が着座することは可能である。したがって、本変形例によれば、このような場合に、車両シート9上の乗員の種別の判定結果の遷移を的確に行うことができる。
また、本変形例によって、実際に車両シート9上が空席状態であった場合に、隣接したCRSの固縛状態であると判定したとしても、ともに、エアバッグ装置は展開されないため、その作動に支障は生じない。
図7に基づいて、実施形態の第2変形例の構成について、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、大柄な大人が着座しているとされている場合を例にとって説明する。本変形例においては、遷移禁止部62は、遷移先の乗員の種別の判定結果が空席以外である場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。したがって、図5Bに示したフローチャートにおける遷移要否判定(ステップS205)を、図7に示したフローチャートにおいては、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、大柄な大人が着座しているとされているか否かを判定した(ステップS704)直後に行っている(ステップS705)。
本変形例によれば、遷移禁止部62は、遷移先の乗員の種別の判定結果が空席以外である場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。これにより、遷移先の乗員の種別の判定結果が空席以外である場合において、車両シート9上の乗員の種別の判定結果の遷移を的確に行うことができる。これに対し、遷移先の乗員の種別の判定結果が空席である場合においても、再度、遷移禁止状態にしないことにすると、車両シート9の傾斜に起因した荷重Wの減少によって、空席に遷移させることがあり、この場合、実際の車両シート9の乗員の種別と大きく異なることになる。本変形例においては、当該問題を防止するため、遷移先の乗員の種別の判定結果が空席以外である場合のみ、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。
図8に基づいて、実施形態の第3変形例の構成について、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、小柄な大人が着座しているとされている場合を例にとって説明する。本変形例においては、遷移禁止部62は、検出された荷重Wが、現在の乗員の種別を判定した時に比べて、遷移先の乗員の種別の判定をした時の方が大きい場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。したがって、図5Cに示したフローチャートにおける遷移要否判定(ステップS305)を、図8に示したフローチャートにおいては、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、小柄な大人が着座しているとされているか否かを判定した(ステップS804)直後に行っている(ステップS805)。
本変形例によれば、遷移禁止部62は、今回の乗員の種別の判定結果が、重量大側への遷移を必要としている場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。これについて、車両シート9が傾斜しているために、乗員の種別の判定を正確にできない場合には、乗員の種別の判定結果を重量大側へ遷移させ、エアバッグ装置を展開させる側に遷移させるという、乗員判定装置1の設計上の考え方がある。本変形例は、当該設計上の考え方を満足している。
図9に基づいて、実施形態の第4変形例の構成について、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、小柄な大人が着座しているとされている場合を例にとって説明する。本変形例においては、遷移禁止部62は、検出された荷重Wが、現在の乗員の種別を判定した時に比べて、遷移先の乗員の種別の判定をした時の方が小さい場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。したがって、図5Cに示したフローチャートにおける遷移要否判定(ステップS305)を、図9に示したフローチャートにおいては、現在、乗員判定部61が認識している乗員の種別の判定結果が、小柄な大人が着座しているとされているか否かを判定した(ステップS904)直後に行っている(ステップS905)。
本変形例によれば、遷移禁止部62は、今回の乗員の種別の判定結果が、重量小側への遷移を必要としている場合には、バックルスイッチ5によって、バックル95eとタングプレート95dとが係合されていることが検出された場合でも、再度、遷移禁止状態にしていない。これについて、車両シート9が傾斜しているために、乗員の種別の判定を正確にできない場合には、乗員の種別の判定結果を重量小側へ遷移させ、エアバッグ装置を展開させない側に遷移させるという、乗員判定装置1の設計上の考え方がある。本変形例は、当該設計上の考え方を満足している。
これまで説明したように、変形例1乃至変形例4においては、遷移禁止部62が、現在の乗員の種別の判定結果または遷移先の乗員の種別の判定結果によって、再度、遷移禁止状態にするか否かを決定している。これにより、乗員の種別の判定結果を遷移させることの可否について柔軟性を持たせることができ、乗員の種別の判定結果が、実際の乗員の種別と大きく異なる判定結果になることを防止することができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。
本発明による乗員判定装置1において、車両VEが停車していることを検出する場合、車両VEが完全に停止している時のみならず、停止している場合と同視できるような低速で走行している場合を検出することも含むものである。
また、車両シート9に設けられる荷重センサ2FL、2RLの数はいくつであってもよく、シートクッション91の右部分および左部分のいずれかであれば、その取付位置も状況に応じて選択することが可能である。
また、車両シート9において、乗員の種別の判定を行うための荷重センサ2FL、2RLに対して、左右の反対側に乗員の種別の判定に使用しない荷重センサを設けてもよい。
また、車両VEにおいて、左向きの加速度GLを検出する加速度センサ3と、右向きの加速度GLを検出する加速度センサ3とを別々に設け、加速度GLを検出している加速度センサ3がいずれであるかによって、加速度GLの向きを判定するようにしてもよい。この場合、左向きの加速度GLも右向きの加速度GLも正値となり、いずれかの加速度が、その加速度閾値以上の場合に遷移禁止状態となる。
また、ベルト装着検出装置として、バックルスイッチ5に代えて、車室内を撮影するカメラ装置を使用してもよい。
また、乗員検知ECU6が実行する機能の一部または全部を、一つあるいは複数のIC等により、ハードウェア的に構成してもよい。
また、本発明による乗員判定装置1は、シートベルト装置95が未装着時において、乗員に対して警告するウォーニング装置に適用してもよい。
Claims (9)
- 車両シート(9)の座部(91)の左部分および右部分のうちのいずれか一方の荷重を検出する荷重検出装置(2FL、2RL)と、
該荷重検出装置によって検出された荷重(W1、W2)に基づいて、前記車両シート上における乗員の種別のうちのいずれであるかを判定し、前記乗員の種別の判定結果を維持または遷移させる乗員判定部(61)と、
車両(VE)に発生した車幅方向の加速度(GL)を検出する加速度検出装置(3)と、
該加速度検出装置によって検出された加速度が、所定の加速度閾値(GLth(+)、GLth(−))以上である場合、前記乗員判定部による前記乗員の種別の判定結果を遷移させることを禁止した遷移禁止状態にする遷移禁止部(62)と、
を備えた車両用乗員判定装置(1)であって、
前記車両の走行状態を検出する走行状態検出装置(4FR、4FL、4RR、4RL)と、
前記加速度検出装置によって検出された加速度が、前記加速度閾値以上であり、かつ、前記走行状態検出装置による検出値に基づき、前記車両が停止していることを検出した場合、前記遷移禁止状態を解除した禁止解除状態にする禁止解除部(63)と、
をさらに備えた車両用乗員判定装置。 - 前記遷移禁止部は、
前記禁止解除状態にある時に、前記車両シートにおいて、シートベルト装置(95)の装着が検出された場合、再度、前記遷移禁止状態にする請求項1記載の車両用乗員判定装置。 - 前記遷移禁止部は、
現在の前記乗員の種別の判定結果または遷移先の前記乗員の種別の判定結果によって、再度、前記遷移禁止状態にするか否かを決定する請求項2記載の車両用乗員判定装置。 - 前記遷移禁止部は、
現在の前記乗員の種別の判定結果が空席である場合には、前記シートベルト装置の装着が検出された場合でも、再度、前記遷移禁止状態にしない請求項3記載の車両用乗員判定装置。 - 前記遷移禁止部は、
遷移先の前記乗員の種別の判定結果が空席以外である場合には、前記シートベルト装置の装着が検出された場合でも、再度、前記遷移禁止状態にしない請求項3記載の車両用乗員判定装置。 - 前記遷移禁止部は、
前記荷重検出装置によって検出された荷重が、現在の前記乗員の種別を判定した時に比べて、遷移先の前記乗員の種別を判定した時の方が大きい場合には、前記シートベルト装置の装着が検出された場合でも、再度、前記遷移禁止状態にしない請求項3記載の車両用乗員判定装置。 - 前記遷移禁止部は、
前記荷重検出装置によって検出された荷重が、現在の前記乗員の種別を判定した時に比べて、遷移先の前記乗員の種別を判定した時の方が小さい場合には、前記シートベルト装置の装着が検出された場合でも、再度、前記遷移禁止状態にしない請求項3記載の車両用乗員判定装置。 - 前記走行状態検出装置は、
前記車両の4輪にそれぞれ取り付けられた車輪速センサ(4FR、4FL、4RR、4RL)を有する請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載の車両用乗員判定装置。 - 前記禁止解除部は、
前記車両の停止を検出している時に、前記車輪速センサによって、前記4輪の車輪速(V1、V2、V3、V4)が全て所定の車輪速閾値(Vth)以上であることを検出した場合に、前記車両が走行したことを検出し、
前記車両の走行を検出している時に、前記車輪速センサによって、前記4輪の車輪速が全て前記車輪速閾値未満であることを検出した場合に、前記車両が停止したことを検出する請求項8記載の車両用乗員判定装置。
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