JP5862348B2 - シート乗員判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷重センサによって検出された荷重値に基づいて、車両シートに乗員が着座しているか否かを判定するシート乗員判定装置に関し、特に、旋回走行に伴う荷重変動によって乗員なしと誤判定しないようにしたシート乗員判定装置に関するものである。
近年、自動車に装備されたシートベルトやエアバッグ等の各種安全装置の性能を向上させるため、シートに着座している乗員の体重に合わせてこれらの安全装置の動作をコントロールする技術がある。例えば、乗員がシートに着座してシートベルトを装着しないときには、着座検知後に「シートベルト未装着」の警告灯を表示することが一般的に行なわれている。また、北米法規においては、助手席に大人が着座している場合には、事故時にエアバッグを展開するように定められているとともに、助手席にチャイルドシートを後ろ向きに固縛して幼児が運転者と対面するようにした場合には、エアバッグの展開を禁止するよう定められている。このため、乗員の体重を検知して正しく判定することは、安全性の面で極めて重要である。
シートに作用する荷重を検知して乗員の有無を判別する乗員検知装置の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載の乗員検知装置においては、4カ所のシート取付け部のうち前後2カ所にのみに荷重センサを設置し、得られる2つの荷重値の和から乗員の有無を判別するようにしている。
特開平9−207638号公報
上記した乗員検知装置によれば、荷重センサをシート取付け部の左または右側の前後2か所に取付けることで、荷重センサの設置数を最小限に抑え、装置の低コスト化、軽量化を図りながら、乗員の有無を判別することができる。
しかしながら、シート取付け部の左または右側の前後2か所に荷重センサを設置する方法では、車両の旋回走行に伴って荷重センサによって検出される荷重値が変動し、誤った判定を行う恐れがでてくる。例えば、左ハンドル車の助手席側の内側の前後2カ所に荷重センサを設置した場合には、車両の左旋回走行に伴って車両シートに作用する遠心力により、荷重センサによって検出される荷重値が減少する。このため、助手席に大人が着座しているにも拘わらず、「着座なし」と誤判定してしまうことが起こり得る。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、車両の旋回走行に伴う入力荷重の変動によって「乗員なし」に誤判定されることを防止できるシート乗員判定装置を提供することを目的とするものである。
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明の特徴は、車両シートに乗員が着座している「乗員あり」状態であるか、車両シートに乗員が着座していない「乗員なし」状態であるかを判定するシート乗員判定装置であって、シートベルトのタングプレートがバックルに係合したことを検出するシートベルト装着検出部と、前記車両シートの下側における左右の一方側の前後に隔離配置され、前記車両シートに作用する荷重の一部をそれぞれ検出する前方荷重センサおよび後方荷重センサと、前記「乗員あり」との判定状態において、前記シートベルト装着検出部によってシートベルトの非装着状態が検出された状態で、前記荷重センサによって検出された荷重の変動を所定時間モニタリングし、荷重の変動が予め定められた閾値を越える場合には、車両の旋回走行による荷重の減少と判定して「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにし、荷重の変動が予め定められた閾値以下の場合には、乗員降車により前記車両シートに乗員が着座していないと判定して「乗員なし」との判定状態に遷移するようにした第1判定処理部とを備えたことである。
請求項2に係る発明の特徴は、請求項1において、前記「乗員あり」との判定状態にあって、荷重減少の傾きの緩急に基づいて、車両の旋回走行による荷重減少であるか、乗員降車による荷重減少であるかを判定する第2判定処理部を備えたことである。
請求項3に係る発明の特徴は、請求項1または請求項2において、前記荷重センサによって、負荷重が検出された場合は、旋回走行による荷重変動であると判定し、「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにした第3判定処理部を備えたことである。
請求項4に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記第1、第2および第3判定処理部によって、「乗員なし」との判定状態に遷移されなかった場合に、前記荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合には、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えたことである。
請求項5に係る発明の特徴は、請求項1において、前記荷重センサによって、負荷重が検出された場合は、旋回走行による荷重変動であると判定して「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにする第3判定処理部を備えるとともに、前記荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合には、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えたことである。
請求項6に係る発明の特徴は、請求項1において、前記第1判定処理部によって、「乗員なし」との判定状態に遷移されなかった場合に、前記荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合に、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えたことである。
請求項7に係る発明の特徴は、請求項1において、前記前方荷重センサおよび前記後方荷重センサの少なくとも一方、あるいは前記前方荷重センサで検出された前方荷重値と前記後方荷重センサで検出された後方荷重値とを加算もしくは減算した加減算荷重値の変動をモニタリングして「乗員あり」、「乗員なし」との判定状態を判定するようにしたことである。
請求項8に係る発明の特徴は、請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記バックルは前記車両シートの左右いずれかの側面に固定され、前記前方荷重センサおよび前記後方荷重センサは、前記車両シートの左右において前記バックルが設けられている側に配置されることである。
請求項1に係る発明によれば、「乗員あり」との判定状態において、シートベルト装着検出部によってシートベルトの非装着状態が検出された状態で、荷重センサによって検出された荷重の変動を所定時間モニタリングし、荷重の変動が予め定められた閾値を越える場合には、車両の旋回走行による荷重の減少と判定して「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにし、荷重の変動が予め定められた閾値以下の場合には、乗員降車により車両シートに乗員が着座していないと判定して「乗員なし」との判定状態に遷移するようにした第1判定処理部とを備えている。
この構成により、シートベルトが非装着であっても、荷重センサによって検出された荷重が減少した場合には、荷重の変動が安定しているか、変動しているかによって、荷重の減少が旋回走行による荷重抜けか、乗員降車による荷重抜けかを的確に判別することができる。
これによって、荷重センサを車両シートの左右の前後に配置したものであっても、乗員が降車したと誤判定することをなくすることができるので、エアバックをON状態に維持することができ、車両衝突時等にエアバックを作動させて、乗員の保護を確実に行うことができる。しかも、荷重センサの削減により、装置の低コスト化および軽量化を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、「乗員あり」との判定状態にあって、荷重減少の傾きの緩急に基づいて、車両の旋回走行による荷重減少であるか、乗員降車による荷重減少であるかを判定する第2判定処理部を備えているので、シートベルトが非装着であっても、荷重センサによって検出された荷重が減少した場合には、その荷重減少の傾きの緩急によって、旋回走行による荷重抜けか、乗員降車による荷重抜けかを的確に判別することができる。これによって、荷重センサによって検出された荷重が減少した場合でも、乗員が降車したと誤判定することをなくすることができる。
請求項3に係る発明によれば、荷重センサによって、負荷重が検出された場合は、旋回走行による荷重変動であると判定し、「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにした第3判定処理部を備えているので、シートベルトが非装着であっても、荷重センサによって検出された荷重が負の荷重である場合には、車両の急旋回による荷重抜けであると判断し、乗員が降車したと誤判定することをなくすることができる。
請求項4に係る発明によれば、第1、第2および第3判定処理部によって、「乗員なし」に遷移されなかった場合に、荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態がさらに所定時間継続された場合には、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えているので、乗員が降車したにも拘わらず、第1、第2および第3判定処理部によって乗員の降車を判定できなかった場合でも、第4判定処理部によって、乗員なしに遷移させることができる。
これにより、乗員が降車したにも拘わらず、エアバック表示ランプが点灯し続けることによって、エアバックが故障しているのではないかとのドライバの不安を払拭することができる。
請求項5に係る発明によれば、荷重センサによって、負荷重が検出された場合は、旋回走行による荷重変動であると判定して「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにする第3判定処理部を備えるとともに、荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合には、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えているので、第1および第3判定処理部によって、荷重の減少が、旋回走行によるものか、乗員降車によるものかを判別できるとともに、乗員の降車を第1および第3判定処理部によって判定できなかった場合でも、第4判定処理部によって判定できるようになる。
請求項6に係る発明によれば、第1判定処理部によって、「乗員なし」との判定状態に遷移されなかった場合に、荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合に、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えているので、第1判定処理部によって、荷重の減少が、旋回走行によるものか、乗員降車によるものかを判別できるとともに、乗員の降車を第1判定処理部によって判定できなかった場合でも、第4判定処理部によって判定できるようになる。
請求項7に係る発明によれば、前方荷重センサおよび後方荷重センサの少なくとも一方、あるいは前方荷重センサで検出された前方荷重値と後方荷重センサで検出された後方荷重値とを加算した加算荷重値の変動をモニタリングして「乗員あり」、「乗員なし」との判定状態を判定するようにしたので、2つの荷重センサ単品によって検出された荷重値と、2つの荷重センサによって検出された荷重の合計値に基づいて、旋回走行による荷重の変動を的確に検出することができる。従って、荷重の合計値が仮に所定範囲内にあっても、単品での荷重が所定範囲内にない場合には、荷重が安定していないと判断することができる。
請求項8に係る発明によれば、バックルは、車両シートの左右いずれかの側面に固定され、前方荷重センサおよび後方荷重センサは、車両シートの左右においてバックルが設けられている側に配置されているので、乗員が車両シートに着座することによって作用する荷重ばかりでなく、シートベルトを装着しようとする際のバックルにかかる荷重変化や、シートベルトを装着している状態でシートベルトを引張ることによる荷重変化を、荷重センサで検出することができる。
これによって、シートベルトによってチャイルドシートを車両シート上に固定する際に、シートベルトによる荷重変化に基づいて、車両シートにチャイルドシートが固縛されたことを判定することが可能となる。
本発明の実施の形態を示すシート乗員判定装置が設けられた車両シートの斜視図である。 シート乗員判定装置の概要を示すブロック図である。 シートベルト装着検出部を示す車両シートの正面図である。 旋回走行における荷重変動の実験データを示すグラフである。 旋回走行の第1判定処理を示すフローチャートである。 旋回走行における荷重減少傾向の実験データを示すグラフである。 荷重減少傾向の変形例を示すグラフである。 旋回走行の第2判定処理を示すフローチャートである。 第2判定処理の第1変形例を示す図である。 第2判定処理の第2変形例を示す図である。 旋回走行における負荷重の実験データを示すグラフである。 旋回走行の第3判定処理を示すフローチャートである。 複数の判定処理の全体を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る車両シート100用のシート乗員判定装置10の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書中において使用する「前後、左右、上下」の方向は車両シート100に着座した乗員から見た車両の各方向を基準として記述している。また、本実施の形態においては、車両は左ハンドル車とし、助手席に着座する乗員の有無を判定するものとする。
図1に示すように、助手席用の車両シート100は、乗員が着座するシートクッション11と、シートクッション11の後端部において前後方向に回動可能に取付けられ、乗員の背もたれとなるシートバック12とを備えている。また、シートバック12の上端には、乗員の頭部を支持するヘッドレスト13が取付けられている。
シートクッション11は、シートフレーム111、シートフレーム111の上方に配置されたパッド部材112、およびパッド部材112の表面を覆う表皮113により形成されている。シートフレーム111の下面には、左右一対のアッパレール14R、14Lが取付けられている。アッパレール14R、14Lは、車両のフロア40上に固定された一対のロアレール41R、41L上に、それぞれ前後方向に移動可能に係合している。これにより、車両シート100は、車両フロア40上を前後方向に移動可能で、乗員の所望する位置に固定できるようになっている。
次にシート乗員判定装置10について説明する。シート乗員判定装置10は、図略のALR機構(Automatic Locking Retractor)を備えた3点式のシートベルト装置60(図3参照)を有している。シート乗員判定装置10は、図2に示すように、前方荷重センサFLおよび後方荷重センサRLと、シートベルト装着検出部としてのバックルスイッチ65と、エアバック表示ランプ35と、コントローラ30とを有している。
前方および後方の一対の荷重センサFL、RLは、図1に示すように、シートフレーム111と左側(車両中央側)のアッパレール14Lとの間に、前後に所定距離だけ隔離配置されて介装されている。前方荷重センサFLは、シートクッション11の前後中心よりも前方部に設けられ、後方荷重センサRLは、シートクッション11の前後中心よりも後方部に設けられている。
前方および後方荷重センサFL、RLは、いずれも歪ゲージ等により構成された荷重センサである。なお、本発明において、荷重センサFL、RLは、その種類、型式、検出原理を、特定のものに限定するものではない。
前方荷重センサFLは、シートフレーム111の前方部分と左側のアッパレール14Lとの間に介装され、シートクッション11の前方左側部分が受け持つ前方荷重値Ffを検出する。同様に、後方荷重センサRLは、シートフレーム111の後方部分と左側のアッパレール14Lとの間であって、かつ車両シート100に支持されるバックル64の近傍に介装され、シートクッション11の後方左側部分が受け持つ後方荷重値Rfを検出する。
前方および後方荷重センサFL、RLは、車両シート100への乗員の着座等によって、シートクッション11に下方向の荷重が作用した場合には、正の検出信号を出力し、シートクッション11に上方向の荷重が作用した場合には、負の検出信号を出力する。なお、前方および後方荷重センサFL、RLは、共に車両出荷状態において各荷重値Ff、Rfが0になるように零点調整されている。
前方および後方荷重センサFL、RLは、図2に示すように、センサ部21F、21Rと、センサ部21F、21Rによって発生された検出信号を増幅するアンプ部22F、22Rとを備えている。センサ部21F、21Rは、それぞれ4個の歪ゲージからなるホイートストンブリッジ回路によって構成されている。
前方および後方荷重センサFL、RLは、コントローラ30に接続され、このコントローラ30に、シートベルト装着検出部(バックルスイッチ)65およびエアバック表示ランプ35等が接続されている。
コントローラ30は、前方および後方荷重センサFL、RLからのアナログ検出信号をデジタル変換するA/D変換器31と、前方および後方荷重センサFL、RLからの検出信号を入力する演算部32を備えている。演算部32は、前方荷重センサFLで検出された前方荷重値Ffと、後方荷重センサRLで検出された後方荷重値Rfとを加算して、前後和荷重値(Ff+Rf)を演算する前後和荷重値演算部を有している。
また、コントローラ30は、演算部32で演算された前後和荷重値等、着座状態を判定するための種々のデータを記憶する記憶部33と、記憶部33に記憶された種々のデータに基づいて、車両シート100に乗員が着座しているか否かを判定する判定部34を備えている。前方荷重値Ff、後方荷重値Rfおよび前後和荷重値(Ff+Rf)は、記憶部33に記憶された後、判定部34に送信される。
コントローラ30は、荷重センサFL、RLおよびシートベルト装着検出部(バックルスイッチ)65より信号を入力し、判定部34による後述する各種判定処理によって、車両シート100に乗員が着座している「乗員あり」状態であるか、車両シート100に乗員が着座していない「乗員なし」状態であるかを判定し、エアバック表示ランプ35を制御する。
シートベルト装置60は、車両シート100を前方から見た図3に示すように、一端部がタングプレート63により互いに接続されたショルダストラップ61およびラップストラップ62と、タングプレート63と着脱されることによりバックルスイッチ65を形成するバックル64を備えている。
車両シート100の右方に位置する図示しないピラー内にはリトラクタ(巻取り装置)が配置されている。ショルダストラップ61の上端はリトラクタと接続されており、ショルダストラップ61は、リトラクタによる巻取り力に抗して引き出し可能となっている。
一方、ラップストラップ62の他端部は、車両シート100の右側において車両フロア40に固定されている。バックル64は、車両シート100の左側後方に支持され、後述するタングプレート63を挿入するための開口穴が上方に向いて開口されている。ショルダストラップ61とラップストラップ62とに接続されたタングプレート63は、バックル64の開口穴から挿入され、係合固定される。
このように、バックル64を前方および後方荷重センサFL、RLが配置された側と同じ側に配置することにより、荷重センサFL、RLには、車両シート100に着座する乗員の体重ばかりでなく、シートベルト装置60の装着時にバックル64にかかる下方向の荷重や、シートベルト装置60の装着時にシートベルトを引張ることによる上方向の荷重も検出できる。
これによって、シートベルト装置60によって、例えばチャイルドシートを車両シート100上に固定する場合においても、シートベルト装置60による荷重の変化に基づいて、車両シート100にチャイルドシートが固縛されたことを判定することが可能となる。
シートベルト装置60のタングプレート63とバックル64とが非係合状態にあるとき、バックルスイッチ65は開状態(オフ)にある。タングプレート63とバックル64とが係合することにより、バックルスイッチ65は閉状態(オン)となり、コントローラ30はシートベルト装置60が装着されたことを検出する。
シート乗員判定装置10は、イグニッションがON状態で、シートベルト装置60のバックルスイッチ65がオンされているシートベルト装着状態において、「乗員あり」(車両シート100上に乗員が着座している)状態と判定する。
また、シートベルト装置60のバックルスイッチ65がオンされていないシートベルト非装着状態で、かつ荷重センサFL、RLから入力される荷重(車両シート100上に作用する荷重)が所定値以下の状態において、「乗員なし」(車両シート100上に乗員が着座していない)状態と判定する。
具体的には、バックル64が非装着であり、入力荷重(前後和荷重値Ff+Rf)が、第1閾値W1より大きく、第2閾値W2より小さい範囲(W1<入力荷重<W2)内にある条件が、所定時間t1継続された場合に、「乗員なし」状態と判定する。
ところで、本実施の形態においては、荷重センサFL、RLが、車両シート100の内側の前後にしか配置されていないため、荷重センサFL、RLの出力は、車両シート100に乗員が着座したか、あるいは乗員が降車するために車両シート100より離れたことによって変動することは勿論、車両走行時の左旋回あるいは右旋回によっても変動する。
すなわち、車両が左旋回走行された場合には、助手席側の車両シート100およびこれに着座する乗員が、遠心力によって右側に振られるので、荷重センサFL、RLの出力は小さくなる。逆に、車両が右旋回走行された場合には、荷重センサFL、RLの出力は大きくなる。
この場合、車両シート100に着座する乗員がシートベルト装置60を装着していれば、荷重センサFL、RLによって検出される荷重の減少に拘わらず、「乗員あり」との判定状態を確定でき、「乗員なし」との判定状態に遷移されることはない。しかしながら、乗員がシートベルト装置60を装着していない状態で、車両が左旋回走行されると、荷重センサFL、RLによって検出される荷重が減少し、一定時間t1の間、第2閾値W2を下回る状態が継続すると、「乗員なし」と誤判定する恐れがでてくる。
このような誤判定が発生した場合には、車両シート100に乗員が着座しているにも拘わらず、乗員有無の判定状態が「乗員あり」との判定状態から「乗員なし」との判定状態に遷移され、その結果、エアバックを作動させる装置がOFFとなり、運転席に設けられたエアバック表示ランプ35(図2参照)が消灯するとともに、車両衝突時にもエアバックは作動しなくなる。従って、上記した誤判定を防止するためには、左旋回走行による荷重の変動(減少)と、乗員の降車による荷重の変動(減少)とを見極めることが必要になる。
図4、図5は、旋回走行による誤判定を防止するための第1判定処理(荷重変動判定処理)を示すもので、第1判定処理においては、荷重センサFL、RLによって検出された入力荷重が安定しているか否かによって、左旋回走行による荷重の減少か、乗員の降車による荷重の減少かが判定される。
図4は、旋回走行中における入力荷重の変動の推移と、車両停車中における入力荷重の変動の推移を示したものである。図4のA部に示すように、左旋回走行中においては、荷重センサFL、RLが設置された側の車両シート100の荷重が抜けることにより、入力荷重(前後和荷重値(Ff+Rf))は大きく減少するが、前方および後方荷重センサFL、RLで検出された荷重は安定しない。
これは、旋回走行中における舵角あるいは車速を一定に維持することが難しく、しかも路面の凹凸により、荷重が変動するためである。なお、図4中のFfは前方荷重センサFLで検出された入力荷重、Rfは後方荷重センサRLで検出された入力荷重を示す。
これに対して、助手席に着座していた乗員が車両から降りた場合には、当然車両も停車中であるため、図4のB部に示すように、前後和荷重値(Ff+Rf)が減少するばかりでなく、入力荷重Ff、RfおよびFf+Rfとも荷重は安定している。そして、車両の停車中においては、電気ノイズの影響による荷重変動や、アイドル振動の影響による荷重変動が生ずるだけであるので、これらの変動は許容するように上限閾値および下限閾値を設定することにより、旋回走行による荷重の変動か、乗員降車による荷重の変動かを判別することが可能となる。
すなわち、前方荷重センサFLで検出された前方荷重値Ffと、後方荷重センサRLで検出された後方荷重値Rfと、これらを加算した前後和荷重値(Ff+Rf)の変動幅が、予め設定された閾値の範囲内にあるか否かを判断することにより、旋回走行による荷重の抜けか、乗員降車による荷重の抜けかを区別できる。
具体的には、前方および後方荷重センサFL、RLで検出された前方荷重値Ffおよび後方荷重値Rfの変動幅が、上記した電気ノイズ、アイドル振動による荷重変動幅を許容するように設定された変動範囲±Waの範囲内であるとともに、前後和荷重値(Ff+Rf)もまた降車判定荷重範囲±Wbの範囲内であれば、乗員降車による荷重減少と判定することができる。
これに対して、前方荷重値Ffまたは後方荷重値Rfが変動範囲±Waの範囲を逸脱している場合や、前後和荷重値(Ff+Rf)が降車判定荷重範囲±Wbの範囲を逸脱している場合には、旋回走行による荷重減少と判定することができる。
この場合、前方荷重値Ffおよび後方荷重値Rfと、前後和荷重値(Ff+Rf)との少なくとも一方の荷重の変動によっても、旋回走行か乗員降車かを区別することが可能である。ただし、前方荷重値Ffと後方荷重値Rfのいずれか一方が正(+)の荷重値となり、他方が負(−)の荷重値となった場合でも、前後和荷重値(Ff+Rf)の変動幅が閾値の範囲内となることがあるので、前方荷重値Ffおよび後方荷重値Rfの少なくとも一方、ならびに前後和荷重値(Ff+Rf)の2つの安定度を見ることにより、より信頼性の高い判定が可能となる。
図5は、コントローラ30の判定部34によって処理される第1判定処理のフローチャートを示すもので、このフローチャートは所定時間毎に繰り返し実行される。
まず、ステップS100においては、荷重センサFL、RLでよって検出された前方荷重値Ff、後方荷重値Rfおよび演算部32で演算された前後和荷重値(Ff+Rf)が入力され、続くステップS102においては、バックル64(シートベルト装置60)が非装着状態であるか否かが判断される。ステップS102の判断結果がY(YES)の場合、すなわち、バックル64が非装着の場合には、ステップS104に移行し、N(NO)の場合、すなわち、バックル64が装着状態にある場合には、ステップS108において、車両シート100に乗員が着座していると判定し、「乗員あり」との判定状態が確定される。これによって、エアバック表示ランプ35が点灯し続ける。
ステップS104においては、前後和荷重値(Ff+Rf)が、第1閾値W1よりも大きく、第2閾値W2よりも小さいか否かが判断され、Yの場合には、ステップS106に移行し、Nの場合には、上記ステップS108で「乗員あり」状態と判定される。
ステップS106においては、前方荷重値Ff、後方荷重値Rf、前後和荷重値(Ff+Rf)が共に安定している状態が所定時間t1継続したか否かが判断され、荷重が安定している(Y)の場合は、ステップS110において、乗員が降車したものと判断し、「乗員あり」との判定状態より「乗員なし」との判定状態に遷移させる。この「乗員なし」との判定状態への遷移に伴って、エアバック表示ランプ35が消灯される。
荷重が安定しているか否かは、前方および後方荷重センサFL、RLで検出された前方荷重値Ffおよび後方荷重値Rfの変動幅が、上記した電気ノイズ、アイドル振動による荷重変動幅を許容するように設定された変動範囲±Waの範囲内であるとともに、前後和荷重値(Ff+Rf)もまた降車判定荷重範囲±Wbの範囲内であるか否かで判別する。
上記とは逆に、前方荷重値Ffまたは後方荷重値Rfが変動範囲±Waの範囲を逸脱している場合や、前後和荷重値(Ff+Rf)が降車判定荷重範囲±Wbの範囲を逸脱している場合には、旋回走行による荷重の減少と判定し、「乗員なし」との判定状態へは遷移せず、エアバック表示ランプ35は点灯し続ける。
このように、荷重が安定しているかどうかを見ることによって、乗員の降車による荷重の減少か、旋回走行による荷重の減少かを的確に判定することが可能となる。これにより、旋回走行による荷重の減少を乗員降車と誤判定することを防止し得、乗員が着座しているにも拘わらず、エアバックが作動しなくなる不測の事態を防止できるようになる。しかも、乗員降車の判定を短時間t1で行うことができる。
次に、旋回走行による誤判定を防止するための第2判定処理(荷重減少傾向判定処理)を、図6、図7および図8に基づいて説明する。第2判定処理は、荷重減少の傾きが緩やかか、急かに基づいて、旋回走行による荷重減少であるか、乗員降車による荷重減少であるかを判別するものである。
すなわち、図6(A)に示すように、通常の旋回侵入時の荷重減少の傾きは緩やかで、減少に要した時間tは長く、これに対して、図6(B)に示すように、乗員降車時の荷重減少の傾きは比較的急で、減少に要した時間tは短い。ただし、ゆっくりと降車するような場合には、図7に示すように、途中で減少が停滞する領域Z0があって、減少に要した時間tが長くなることもあり得る。このことから、単純に、減少に要した時間が長いか、短いかだけでは、旋回侵入時か乗員降車時かを明確に区別することができない。
そのため、以下においては、荷重の減少に伴う荷重値の最小値を更新し、更新回数に基づいて旋回走行時か乗員降車時かを明確に判別できるようにした実施の形態について説明する。
かかる最小値を更新する方式は、検出された荷重値が、予め設定された第3閾値W3未満となった時点よりモニタを開始し、設定単位荷重ΔW以上の荷重減少があったデータ数をカウントする。そして、モニタ開始から所定時間t2の間のカウント値が、設定回数未満の場合には、「乗員なし」状態であると判定し、設定回数以上の場合には、「乗員あり」状態であると判定する。
以下、最小値更新方式の詳細を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
まず、ステップS200においては、荷重センサFL、RLによって検出され、演算部32で演算された荷重値(入力荷重Wn=Ff+Rf)が入力され、続くステップS202において、バックル64(シートベルト装置60)が非装着状態であるか否かが判断される。ステップS202の判断結果がY(YES)の場合、ステップS204に移行し、Nの場合は、ステップS220において、車両シート100に乗員が着座していると判定し、「乗員あり」との判定状態が確定される。
これに対して、バックル64が非装着の場合には、ステップS204において、入力荷重Wnが第3閾値W3以下(あるいは未満)まで減少したか否かが判断される。ステップS204における判断結果がYになると、ステップS206に進み、第3閾値W3を最小値Wminの初期値として、入力荷重Wnのモニタリングが開始される。ステップS204における判断結果がNの場合には、「乗員あり」状態と判定(ステップS222)される。
ステップS206においては、最小値Wmin(最初は第3閾値W3)より入力荷重Wnを減算し、それが設定単位荷重ΔWより大きいか否かが判断される。入力荷重Wnの減少が設定単位荷重ΔW未満の場合には、最小値の更新は行われず(ステップS208)、プログラムがリターンされる。
これに対して、ステップS206において、入力荷重Wnが、最小値Wminに対して設定単位荷重ΔW以上減少したと判断されると、続くステップS210において、最小値Wminが更新される。すなわち、最小値Wminより設定単位荷重だけ減算された(W3−ΔW)の値が新たな最小値Wminとして記憶される。
次いでステップS212において、最小値Wminが更新される毎に、コントローラ30の記憶部33に設けたカウンタのカウント値Nを+1(N=N+1)し、最小値更新回数をカウントする
そして、ステップS214において、最小値更新回数が予め設定された回数以下か否かが判断され、設定回数以下の場合には、ステップS224に進み、「乗員なし」と判定する。すなわち、荷重値の減少が、図6(B)に示すように急であるため、乗員降車による荷重の減少と判断し、「乗員あり」より「乗員なし」に遷移させ、エアバック表示ランプ35を消灯する。
反対に、最小値更新回数が設定回数を越えている場合には、ステップS226に進み、荷重値の減少傾向が、図6(A)に示すように緩やかであるため、旋回走行によるものと判断し、「乗員あり」を維持する。
このように、検出された荷重(前後和荷重値)が、最小値Wmin以下になった時点よりモニタリングを開始し、最小値Wminを順次更新する。そして、荷重が第1閾値W1より大きく、第2閾値W2より小さい状態が所定時間t2継続された際の最小値更新回数を設定回数と比較することにより、荷重の減少傾向が旋回走行によるものか、乗員降車によるものかを判定する。
このような最小値更新処理により、図7に示すように、乗員降車時にゆっくりと降車し、途中で荷重の減少が停滞して荷重の減少に要する時間が長くなっても、旋回侵入時と明確に区別することができ、誤判定を生じない。しかも、乗員降車の判定を比較的短時間t2で行うことができるため、乗員が降車したにも拘わらず、エアバック表示ランプ35が点灯し続けることにより、ドライバがエアバックの故障を懸念することもなくなる。
しかしながら、荷重減少の傾きが緩やかか、急かを判別する構成は、上記した最小値更新に限定されるものではなく、図9あるいは図10に示す方式によっても可能である。
図9は、第2判定処理の第1変形例を示すもので、荷重減少の時間を判別して、旋回走行か乗員降車かを判定できるようにしたものである。すなわち、荷重が閾値Aより大きく、閾値Bよりも小さい範囲をモニタ範囲とし、そのモニタ範囲において、設定単位荷重以上減少する時間ta、tb・・・を計測して累積する。そして、累積時間がある一定時間以内の場合には、荷重の減少が急であり、乗員降車による荷重減少と判断する。逆に、累積時間が一定時間を超える場合には、荷重の減少が緩やかであり、旋回走行による荷重減少と判断する。
一方、図10は、第2判定処理の第2変形例を示すもので、荷重減少の傾きを判別して、旋回走行か乗員降車かを判定できるようにしたものである。
この場合にも、荷重が閾値Aより大きく、閾値Bよりも小さい範囲をモニタ範囲とし、そのモニタ範囲において、例えば、Δt時間内に所定荷重以上の荷重の減少があったか否かを判断し、所定荷重以上の荷重の減少があった場合(図中、wl)には、荷重の減少が急であり、乗員降車による荷重減少と判断し、それ以外の場合(図中、ws)は、荷重の減少が緩やかであり、旋回走行による荷重減少と判断する。
このように、荷重減少の傾きが緩やかか、急かに基づいて、車両の旋回走行による荷重減少であるか、乗員降車による荷重減少であるかを判定する第2判定処理部は、最小値更新方式に限定されることなく、各種の方式によって判定することが可能である。
次に、旋回走行による誤判定を防止するための第3判定処理(負荷重判定処理)を、図11および図12に基づいて説明する。第3判定処理は、ハンドルを勢いよく切った場合、乗員も大きく振られ、乗員降車時には起こり得ない負の大荷重が検出されることを利用して、旋回走行による荷重減少であると判定するものである。
すなわち、図11(A)に示すように、左旋回侵入時には、乗員の体重が車両シート100の右端にかかるため、入力荷重が急激に減少して、乗員降車時には起こり得ない負の大荷重が入力される。これに対して、図11(B)に示すように、乗員降車時においては入力荷重はほぼ0までしか減少せず、負の大荷重が検出されることはない。
従って、高G旋回侵入時しか起こり得ない負の荷重値に基づいて、第4閾値W4を設定し、入力荷重が第4閾値(負の荷重値)より小さくなったか否かを判別することにより、旋回走行による荷重減少を判別することができる。
図12は、第3判定処理のフローチャートを示すもので、ステップS300においては、入力荷重(Ff+Rf)が入力され、続くステップS302においては、バックル64(シートベルト装置60)が非装着状態であるか否かが判断される。ステップS302の判断結果がY(YES)の場合、ステップS304に移行し、N(NO)の場合には、ステップS306において、車両シート100に乗員が着座していると判定し、「乗員あり」が確定される。
ステップS304においては、入力された荷重が、予め設定された第4閾値W4未満の負の大荷重であるか否かが判断される。ステップS304の判断結果がYの場合には、急旋回走行にしか起こり得ない荷重減少であると判断し、ステップS308で「乗員あり」を維持し、所定時間t2が経過するのを待つことなく、判定処理を直ちに終了する。
ステップS304における判断結果がNの場合には、続くステップS310において、入力荷重(Ff+Rf)が、第1閾値W1よりも大きく、第2閾値W2よりも小さい状態(W1<入力荷重<W2)が所定時間t2継続されたか否かが判断され、Yの場合には、車両シート100には乗員が着座していないと判断され、ステップS312で「乗員あり」との判定状態から「乗員なし」との判定状態に遷移される。これに対して、ステップS310の判別結果がNの場合には、上記ステップS306で「乗員あり」状態と判定される。
このように、本実施の形態においては、第1判定処理で述べたように、まず、荷重の変動が安定しているか否かに基づいて、左旋回走行による荷重の減少か、乗員の降車による荷重の減少かを、所定時間t1の間に判定し、乗員降車による荷重の減少と判定した場合には、「乗員なし」に遷移するとともに、「乗員あり」時に点灯していたエアバック表示ランプ35を消灯する。
しかしながら、第1の誤判定処理で「乗員なし」に遷移しない場合もあるので、第1の誤判定処理と並行して第2の誤判定処理を実行し、荷重減少の傾きが緩やかか、急かに基づいて、旋回走行による荷重減少か、乗員の降車による荷重の減少かを、所定時間t2の間に判定し、乗員降車による荷重の減少と判定した場合には、上記と同様に、「乗員なし」に遷移するとともに、エアバック表示ランプ35を消灯する。
さらに、第2の誤判定処理によっても「乗員なし」に遷移しない場合があるので、第1および第2の誤判定処理と並行して第3の誤判定処理を実行し、負の大荷重を検出したか否かによって、旋回走行による荷重減少であるか、乗員降車による荷重減少であるかを、所定時間t2以内に判別し、乗員の降車による荷重の減少と判定した場合には、「乗員なし」に遷移するとともに、エアバック表示ランプ35を消灯する。
ところで、乗員が降車したにも拘わらず、第1〜第3判定処理で述べた処理がいずれも不成立となった(乗員降車を判定できなかった)場合には、エアバック表示ランプ35が常時点灯し続けることになり、ドライバはエアバック表示ランプ35、延いてはエアバックが故障しているのではないかとの不安を抱く。
そこで、乗員が降車した後は必ず「乗員なし」へ遷移する条件を設定し、乗員降車後にエアバック表示ランプ35が点灯し続けることがないようにすることが望ましい。
そのために、第4判定処理(乗員降車判定処理)として、バックル64が非装着状態にあり、かつ入力荷重(Ff+Rf)が予め設定された第5閾値以下の状態が、所定時間t3継続された場合には、乗員降車と判断し、「乗員あり」との判定状態から「乗員なし」との判定状態に遷移させるようにした。
これにより、意地悪な降車モード、例えば、乗員が降車したにも拘わらず、強風で検出された荷重値が不安定となり、乗員降車と判定できなかった場合、あるいは、ゆっくりと降車した場合や、シートの右端に荷重をかけながら降車したような場合等、乗員降車と判定できなかった場合でも、所定時間t3後には確実に「乗員なし」へ遷移させることができるようになる。
そして、上記した旋回走行に伴う第1〜第4判定処理をOR条件で設定することにより、多くの場合には、時間t1あるいは時間t2の短時間で「乗員なし」へ遷移させて、ドライバに違和感を与えないようにし、最悪の場合でも、時間t3後には確実に「乗員なし」へ遷移させることができるようになる。
図13は、コントローラ30の判定部34により、第1〜第4判定処理を所定時間毎に同時並行的に実行して、「乗員あり」、「乗員なし」を判定するフローチャートを示す。
今、「乗員あり」および「エアバック表示ランプ点灯」の状態で、図13のフローチャートがスタートされるものとすると、ステップS400では、上記した図5に示す第1判定処理のプログラムが実行される。すなわち、ステップS400において、上記したようにバックル64が非装着で、入力荷重の範囲が、W1<入力荷重<W2にあり、かつ荷重安定の条件である荷重値の変動幅が所定の変動範囲Waの範囲内である状態が所定時間t1継続された条件が成立したか否かが判断される。そして、条件が成立した場合には、乗員が降車したものと判断し、「乗員なし」に遷移させるとともに、エアバック表示ランプ35を消灯する。反対に、条件が成立しなかった場合には、旋回走行による荷重の減少であると判断し、「乗員なし」に遷移させないとともに、エアバック表示ランプ35の点灯を継続する。
ステップS402では、上記した図8に示す第2判定処理のプログラムが実行される。すなわち、ステップS402において、バックル64が非装着で、入力荷重の範囲が、W1<入力荷重<W2にあり、かつ荷重減少の傾きが、例えば、最小値更新による更新回数に基づいて、荷重減少が乗員降車によるものか、旋回走行によるものかが判定される。
そして、上記ステップS402において、荷重の減少が、乗員降車によるものと判定された場合には、「乗員なし」に遷移させるとともに、エアバック表示ランプ35を消灯し、旋回走行によるものと判定された場合には、「乗員なし」に遷移させないとともに、エアバック表示ランプ35の点灯を継続する。
ステップS404では、上記した図12に示す第3判定処理のプログラムが実行される。すなわち、ステップS404において、バックル64が非装着で、入力荷重の範囲が、W1<入力荷重<W2であり、かつ所定時間t2以内の間に、乗員降車時には起こり得ない負の大荷重(第4閾値W4以下)が入力されたか否かが判断され、負の大荷重が入力された場合には、旋回走行中であると判定し、「乗員あり」を確定し、直ちに図13に示すフローチャートの処理を終了する。
ステップS406では、第4判定処理のプログラムが実行される。かかるステップS406においては、乗員降車後にエアバック表示ランプ35が点灯し続けることがないように、バックル64が非装着で、入力荷重が例えば、第5閾値W5を下回った状態が、所定時間t3継続した場合には、「乗員なし」へ遷移させ、エアバック表示ランプ35を消灯する。
これにより、意地悪な降車モード、例えば、強風で荷重が不安定となり、第1判定処理で乗員降車と判定できなかった場合、あるいは、乗員がゆっくり降車したことにより、第2判定処理で乗員降車と判定できなかった場合、さらには、車両シート100の右端に荷重をかけながら降車したことにより、第3判定処理で乗員降車と判定できなかった場合でも、最悪、所定時間t3経過後に「乗員なし」へ遷移させることが可能となる。
この結果、乗員降車後、遅くとも所定時間t3後には、「乗員なし」へ遷移させることができ、エアバック表示ランプ35を消灯できる。これにより、乗員が降車したにも拘わらず、エアバック表示ランプ35が点灯し続けることによって、エアバック表示ランプ35等が故障しているのではないかとのドライバの不安を払拭することができる。
上記したステップS400により、第1判定処理部(荷重変動判定処理部)を構成しており、同様にステップS402、S404、S406により、第2判定処理部(荷重減少傾向判定処理部)、第3判定処理部(負荷重判定処理部)および第4判定処理部(乗員降車判定処理部)をそれぞれ構成している。
上記した実施の形態によれば、バックル64が非装着であり、入力荷重が閾値W1<入力荷重<閾値W2の範囲内にあっても、その入力荷重が安定していない場合には、第1判定処理部によって、旋回走行による荷重の減少であると判定するようにしたので、旋回走行による入力荷重の減少によって、乗員降車による「乗員なし」と誤判定することを防止することができる。
上記した実施の形態によれば、バックル64が非装着であり、入力荷重が閾値W1<入力荷重<閾値W2の範囲内にあっても、その入力荷重が緩やかに減少する場合には、第2判定処理部によって、旋回走行による荷重の減少であると判定するようにしたので、旋回走行による入力荷重の減少によって、乗員降車による「乗員なし」と誤判定することを防止することができる。
上記した実施の形態によれば、バックル64が非装着であり、入力荷重が閾値W1<入力荷重<閾値W2の範囲内であっても、乗員降車時には起こり得ない負の大荷重が入力された場合には、第3判定処理部によって、旋回走行による荷重の減少であると判定するようにしたので、旋回走行による入力荷重の減少によって、乗員降車による「乗員なし」と誤判定することを防止することができる。
また、上記した実施の形態によれば、上記した第1〜第3判定処理によって、乗員降車と判定されなかった場合に、バックル64が非装着であり、入力荷重が予め定めた閾値より小さい状態が、所定時間t3継続された場合には、第4判定処理部によって、「乗員なし」へ遷移させるようにしたので、乗員が降車した後、長時間エアバック表示ランプ35が点灯し続けることを回避することができる。
上記した実施の形態においては、左ハンドル車の助手席側の内側の前後に、前方荷重センサFLおよび後方荷重センサRLを隔離配置した例について述べたが、前方荷重センサおよび後方荷重センサは、右ハンドル車の助手席側の内側の前後に隔離配置してもよく、この場合には、車両の右旋回走行によって荷重センサによって検出される荷重値が減少する。また、前方荷重センサFLおよび後方荷重センサRLは、助手席の外側(窓寄り)の前後に隔離配置してもよい。
100・・・車両シート、60・・・シートベルト装置、10・・・シート乗員判定装置、11・・・シートクッション、32・・・演算部、33・・・記憶部、34・・・判定部、35・・・エアバック表示ランプ、64・・・バックル、65・・・シートベルト装着検出部(バックルスイッチ)、FL・・・前方荷重センサ、RL・・・後方荷重センサ、Ff・・・前方荷重値、Rf・・・後方荷重値、S400・・・第1判定処理部、S402・・・第2判定処理部、S404・・・第3判定処理部、S406・・・第4判定処理部。

Claims (8)

  1. 車両シートに乗員が着座している「乗員あり」状態であるか、車両シートに乗員が着座していない「乗員なし」状態であるかを判定するシート乗員判定装置であって、
    シートベルトのタングプレートがバックルに係合したことを検出するシートベルト装着検出部と、
    前記車両シートの下側における左右の一方側の前後に隔離配置され、前記車両シートに作用する荷重の一部をそれぞれ検出する前方荷重センサおよび後方荷重センサと、
    前記「乗員あり」との判定状態において、前記シートベルト装着検出部によってシートベルトの非装着状態が検出された状態で、前記荷重センサによって検出された荷重の変動を所定時間モニタリングし、荷重の変動が予め定められた閾値を越える場合には、車両の旋回走行による荷重の減少と判定して「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにし、荷重の変動が予め定められた閾値以下の場合には、乗員降車により前記車両シートに乗員が着座していないと判定して「乗員なし」との判定状態に遷移するようにした第1判定処理部と、
    を備えたシート乗員判定装置。
  2. 請求項1において、前記「乗員あり」との判定状態にあって、荷重減少の傾きの緩急に基づいて、車両の旋回走行による荷重減少であるか、乗員降車による荷重減少であるかを判定する第2判定処理部を備えたシート乗員判定装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記荷重センサによって、負荷重が検出された場合は、旋回走行による荷重変動であると判定し、「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにした第3判定処理部を備えたシート乗員判定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記第1、第2および第3判定処理部によって、「乗員なし」との判定状態に遷移されなかった場合に、前記荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合には、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えたシート乗員判定装置。
  5. 請求項1において、前記荷重センサによって、負荷重が検出された場合は、旋回走行による荷重変動であると判定して「乗員なし」との判定状態に遷移しないようにする第3判定処理部を備えるとともに、前記荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合には、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えたシート乗員判定装置。
  6. 請求項1において、前記第1判定処理部によって、「乗員なし」との判定状態に遷移されなかった場合に、前記荷重センサによって検出された荷重値が、所定荷重以下の状態が所定時間継続された場合に、「乗員なし」との判定状態に遷移させる第4判定処理部を備えたシート乗員判定装置。
  7. 請求項1において、前記前方荷重センサおよび前記後方荷重センサの少なくとも一方、あるいは前記前方荷重センサで検出された前方荷重値と前記後方荷重センサで検出された後方荷重値とを加算もしくは減算した加減算荷重値の変動をモニタリングして「乗員あり」、「乗員なし」との判定状態を判定するようにしたシート乗員判定装置。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、前記バックルは前記車両シートの左右いずれかの側面に固定され、前記前方荷重センサおよび前記後方荷重センサは、前記車両シートの左右において前記バックルが設けられている側に配置されるシート乗員判定装置。
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