JP2017007346A - 複合材の成形治具及び複合材の成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な構造を有する複合材の被成形品を簡易に成形することが可能な複合材の成形治具を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る複合材の成形治具は、複合材で構成される被成形品の成形後における形状に対応する形状を有する剛体の第1の治具と、前記第1の治具及び前記被成形品との間を真空にすることによって前記第1の治具及び前記被成形品に圧力を負荷するための非剛体の第2の治具とを備える。前記第2の治具は、前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる治具と、前記第1の治具及び前記被成形品を覆う治具とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、複合材の成形治具及び複合材の成形方法に関する。
従来、航空機部品等の複合材を加熱硬化することによって成形する際には、様々な方法で複合材がセットされる。例えば、成形後の形状に合わせたマンドレルと呼ばれる治具を製作し、マンドレルに複合材をセットして加熱硬化する成形方法が知られている(例えば特許文献1参照)。また、空気を封入したブラダーバッグを複合材の合間に設け、バギングフィルムで覆った状態で複合材周辺を真空状態にして加熱硬化する成形方法が知られている(例えば特許文献2参照)。
特開2002−187599号公報 特開平06−206263号公報
航空機部品に代表される複合材部品は、構造が複雑化する傾向にある。このため、製造目的となる複合材部品を更に複数の部品で構成し、複数の部品をそれぞれ成形した後に接着することによって複合材部品が製造される。例えば、上面パネルと下面パネルとを複数の桁で連結した航空機部品であれば、上面パネル、下面パネル及び複数の桁をそれぞれ成形した後に接着工程によって航空機部品が組み立てられる。
そこで、本発明は、複雑な構造を有する複合材の被成形品を簡易に成形することが可能な複合材の成形治具及び複合材の成形方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る複合材の成形治具は、複合材で構成される被成形品の成形後における形状に対応する形状を有する剛体の第1の治具と、前記第1の治具及び前記被成形品との間を真空にすることによって前記第1の治具及び前記被成形品に圧力を負荷するための非剛体の第2の治具とを備える。前記第2の治具は、前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる治具と、前記第1の治具及び前記被成形品を覆う治具とを有する。
また、本発明の実施形態に係る複合材の成形方法は、複合材で構成される被成形品の成形後における形状に対応する形状を有する剛体の第1の治具並びに前記被成形品をセットするステップと、前記第1の治具及び前記被成形品に非剛体の第2の治具をセットするステップと、前記第1の治具及び前記被成形品と、前記第2の治具との間を真空にすることによって前記第1の治具及び前記被成形品に圧力を負荷するステップと、前記第1の治具及び前記第2の治具をセットした状態で前記被成形品を加熱硬化させるステップとを有する。前記第2の治具は、前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる治具と、前記第1の治具及び前記被成形品を覆う治具とを有する。
本発明の実施形態に係る複合材の成形治具及び複合材の成形方法によれば、複雑な構造を有する複合材の被成形品を簡易に成形することができる。
本発明の実施形態に係る複合材の成形治具の構成を示す正面図。 図1に示す成形治具の上面図。 図1に示すマンドレルの位置決め治具の構成を示す正面図。 図3に示す位置決め治具の側面図。 図3に示す位置決め治具の上面図。 図1に示すマンドレルに設けられる傾斜面を示す拡大図。 図1に示す筒状のバギングフィルムとマンドレルとの間に溶着防止用のシートを設けた例を示す図。 図1に示す上面パネルとバギングフィルムとの間に剛体のプレートを設けた例を示す図。 図1に示す複合材の成形治具を用いた被成形品Wの成形手順を示す図。
本発明の実施形態に係る複合材の成形治具及び複合材の成形方法について添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の実施形態に係る複合材の成形治具の構成を示す正面図であり、図2は図1に示す成形治具の上面図である。
図1及び図2は、複合材で構成される被成形品Wの一例としての航空機部品を成形治具1にセットした状態を示す。成形治具1は、第1の治具2、第2の治具3及び設置用治具4を有する。但し、図2では、第2の治具3の図示が省略されている。
第1の治具2は、被成形品Wの成形後における形状に対応する形状を有し、かつ剛体とみなせる加熱硬化成形用の治具である。このような第1の治具2は、一般にはマンドレルと呼ばれる。マンドレルは、複合材の加熱硬化の際に変形せずに使用できる耐熱性のある材料で構成される。
第2の治具3は、第1の治具2及び被成形品Wの少なくとも一方との間を大気圧よりも圧力が低い真空状態にすることによって第1の治具2及び被成形品Wの少なくとも一方に圧力を負荷するための加熱硬化成形用の治具である。すなわち、第2の治具3は、第1の治具2及び被成形品Wの少なくとも一方との間に形成される空間に対して真空引きを行うことによって第1の治具2及び被成形品Wの少なくとも一方にフィットする非剛体とみなせる治具である。このような第2の治具3の代表例としては、形状が柔軟に変形するバギングフィルム及びブラダーバッグが挙げられる。
図1及び図2は、第1の治具2としてマンドレル5を、第2の治具3としてバギングフィルム6を、それぞれ備えた成形治具1の例を示している。被成形品Wとなる航空機部品は、複数のパネル間を複数の桁で連結した構造を有する。より具体的には、航空機部品は、上面パネル7と下面パネル8とを横断面がI型の複数の桁9で接続したボックス構造を有する。上面パネル7及び下面パネル8は、平板状又はモールド面を有する曲面状のパネルである。更に、ボックス構造を有する部分の両側には、空気抵抗を減らすための航空機部品であるフェアリングバー10が設けられている。
従って、マンドレル5は、航空機部品の少なくとも一部を支持する構造を有している。図1に示す例では、各桁9を両側から支持するための複数のマンドレル5が設けられている。すなわち、上面パネル7と下面パネル8の2枚のパネルと複数の桁9とによって形成される複数の空間に、それぞれ2枚の平板状のマンドレル5が設置される。そして、下面パネル8の桁9のない面を設置面として下面パネル8を含む被成形品W並びにマンドレル5が設置用治具4の上にセットされる。
下面パネル8及びマンドレル5を設置用治具4の上にセットする際には、マンドレル5の位置決めを行うための位置決め治具を用いることができる。これにより、マンドレル5のセット位置の精度を向上させることが可能となる。
図3は図1に示すマンドレル5の位置決め治具の構成を示す正面図、図4は図3に示す位置決め治具11の側面図、図5は図3に示す位置決め治具11の上面図である。
図3、図4及び図5に示すように被成形品Wの構造に応じたマンドレル5の位置決め治具11を準備することができる。図3、図4及び図5に示す例では、被成形品Wを構成する下面パネル8を設置用治具4の上にセットした状態でマンドレル5をセットするように位置決め治具11が構成されている。
具体的には、位置決め治具11は、板状のマンドレル5の端部を挟み込んで固定する固定部11Aと、位置決め治具11を設置用治具4に固定するための設置部11Bとを有している。更に、設置用治具4とマンドレル5との相対的な位置決めのみならず、マンドレル5間における相対的な位置決めを行うための治具を位置決め治具11として用いることができる。図3、図4及び図5は、位置決めピン11Cと、位置決めピン11Cの外径に合わせた長孔を設けた位置決めプレート11Dを、隣接するマンドレル5間における位置決め治具11として用いた例を示す。
また、必要に応じて位置決め治具11を設置用治具4又は下面パネル8に固定するために真空チャックを用いてもよい。そして、このような専用のロケータによってマンドレル5を正確に位置決めすることができる。更に、マンドレル5をセットする際におけるハンドリング性を向上させるために適宜タップ12を設けることもできる。また、マンドレル5を設置用治具4又は下面パネル8に固定するためにも、必要に応じて真空チャックを用いることができる。
図3、図4及び図5に示す例では、断面がI型の板状の桁9が2つのマンドレル5によって挟み込まれる。桁9のように板厚が薄い部分を加熱硬化すると、スプリングインと呼ばれる成形後における変形が生じる場合がある。そこで、被成形品Wの成形後における変形による理想的な形状からの誤差を低減するための傾斜面をマンドレル5に設けることができる。
図6は、図1に示すマンドレル5に設けられる傾斜面を示す拡大図である。
図6に示すように、マンドレル5に傾斜面を設け、被成形品Wを成形後の理想的な形状に対して傾斜させることができる。すなわち、スプリングインが生じる方向と逆方向に被成形品Wが変形するようにマンドレル5の形状を定めることができる。これにより、被成形品Wにスプリングインが生じて変形したとしても、変形後の被成形品Wを成形後の理想的な形状に近づけることが可能となる。
試験の結果、I型の桁9の端部における理想的な面に対して0.1度から0.5度の角度αでマンドレル5に傾斜面を設けることが好適であることが確認された。図3、図4及び図5に示す例では、桁9の端部における内側の理想的な面は、水平方向となっている。従って、桁9の矩形状の部分に対応するマンドレル5のエッジ部分における好適な角度βは、90.1度から90.5度の範囲ということになる。
一方、第2の治具3としてのバギングフィルム6によってマンドレル5で支持された桁9を含む被成形品Wが保護される。すなわち、上面パネル7、下面パネル8、フェアリングバー10及びマンドレル5の周囲が、バギングフィルム6によって覆われる。
上面パネル7、下面パネル8及びマンドレル5は、断面が矩形の筒状の閉曲面を形成する。従って、筒状の閉曲面を有するバギングフィルム6が上面パネル7、下面パネル8及びマンドレル5で囲まれた領域にセットされる。また、上面パネル7及びフェアリングバー10の外側の表面がバギングフィルム6で覆われ、バギングフィルム6の端部がシーラント12によって設置用治具4に接着される。
尚、第2の治具3として、閉曲面を有するバギングフィルム6の代わりにブラダーバッグを使用してもよい。閉曲面を有するバギングフィルム6を用いる場合には、バギングフィルム6の賦型としてマンドレル14を使用することができる。図3、図4及び図5に示す例では、外表面が閉曲面となったマンドレル14がバギングフィルム6の賦型用に用いられている。
そして、バギングフィルム6の内側が真空状態とされる領域となる。従って、バギングフィルム6の内側は、配管15を通して真空ポンプ16と接続される。バギングフィルム6の内側が真空状態になると大気圧によってバギングフィルム6から上面パネル7、下面パネル8、フェアリングバー10及びマンドレル5に均等な圧力Pが負荷される。この結果、マンドレル5及びバギングフィルム6からの圧力Pによって被成形品Wが成形後の形状に保持される。
すなわち、図1に示すように、バギングフィルム6は、成形後における形状を有する上面パネル7、下面パネル8及びフェアリングバー10等の被成形品W並びにマンドレル5にフィットする。従って、被成形品W及びマンドレル5の表面には、バギングフィルム6から垂直方向に圧力Pが負荷される。この結果、被成形品Wは、成形加工における目標となる成形後の形状に保持される。そして、バギングフィルム6及びマンドレル5によって所定の形状に保持された複合材の被成形品Wを加熱硬化させることができる。
但し、成形のための加熱によってバギングフィルム6がマンドレル5又は被成形品Wに溶着する恐れがある。そこで、マンドレル5及び被成形品Wの少なくとも一方とバギングフィルム6との間に、バギングフィルム6の溶着防止部材を設けることができる。これは、第2の治具3としてブラダーバッグを用いる場合も同様である。
図7は、図1に示す筒状のバギングフィルム6とマンドレル5との間に溶着防止用のシートを設けた例を示す図である。
図7に示すように、閉曲面を有する筒状のバギングフィルム6は、1枚のバギングフィルム6を筒状に折り曲げて端部をシーラント17で接着することによって製作することができる。また、筒状のバギングフィルム6の賦型用のマンドレル5を筒状のバギングフィルム6の内側にセットすることができる。
一方、筒状のバギングフィルム6の外側、すなわちバギングフィルム6と桁9用のマンドレル5との間、バギングフィルム6と上面パネル7との間及びバギングフィルム6と下面パネル8との間には、シート状の溶着防止部材18を設けることができる。バギングフィルム6は、筒状構造を有しているため、溶着防止部材18も筒状のシートとすることが実用的である。
また、筒状のバギングフィルム6の外側と同様に、上面パネル7及びフェアリングバー10を覆うバギングフィルム6の内側にも、溶着防止部材18を設けることができる。すなわち、バギングフィルム6と上面パネル7との間及びバギングフィルム6とフェアリングバー10との間に、それぞれ個別に、或いは共通の溶着防止部材18を設けることができる。
溶着防止部材18の材質は、少なくとも加熱硬化の際に溶融しない程度の耐熱性を有する材質とすることが必要である。加熱硬化の際には、被成形品Wを構成する複合材の温度が概ね180℃程度まで上昇する。このため、180℃の温度下において溶融しない材質で溶着防止部材18を構成することが必要である。
そのような耐熱性を有する材料としては、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)等のフッ素樹脂やブリーザーと呼ばれるフィルムが挙げられる。ブリーザーは、オートクレーブ内において使用できるように不織ポリエステル又はナイロン繊維によって構成されるシートである。
溶着防止部材18として用いられるシートの厚さ、枚数及び材質は、加熱硬化の条件に応じて調整することができる。図7に示す例では、溶着防止部材18として2枚の筒状のシートが設けられ、マンドレル5及び被成形品W側のシートにはFEPフィルム18Aが、バギングフィルム6側のシートにはブリーザー18Bが、それぞれ用いられている。
上述のような溶着防止部材18の他、マンドレル5及び被成形品Wの少なくとも一方とバギングフィルム6との間の任意の位置には、必要に応じて圧力Pをより均一に負荷するためのプレートを設けることができる。これは、第2の治具3としてブラダーバッグを用いる場合も同様である。
図8は、図1に示す上面パネル7とバギングフィルム6との間に剛体のプレートを設けた例を示す図である。
図8に示すように上面パネル7とバギングフィルム6との間にプレート19を設けることによって、上面パネル7に均一に圧力を負荷することが可能となる。図8に示す例では、上面パネル7全体をカバーできるサイズのプレート19が設置されている。このように、バギングフィルム6やブラダーバッグ等の非剛体の第2の治具3に加え、剛体の治具を用いて第1の治具2及び被成形品Wの少なくとも一方に圧力を負荷することができる。
尚、均一に圧力を負荷するためのプレート19等の剛体の治具と溶着防止部材18の双方を設ける場合には、剛体の治具と非剛体の第2の治具3との間に溶着防止部材18を設ければよい。
上述のような構成要素の他、成形治具1には、ダミーブロック20を設けることができる。ダミーブロック20は、被成形品Wの形状に起因して生じる空間を埋めることによって被成形品Wを安定化させるための構成要素である。例えば、図2に示すように、桁9の長さが、上面パネル7及び下面パネル8の幅よりも短い場合には、桁9及びマンドレル5の両端において上面パネル7と下面パネル8との間に空隙が生じる。そこで、桁9及びマンドレル5の両端に矩形のダミーブロック20を設けることによって被成形品Wを安定化させることができる。尚、図1では、ダミーブロック20の図示が省略されている。
次に図1に示す成形治具1を用いた複合材の成形方法について説明する。
図9は、図1に示す複合材の成形治具1を用いた被成形品Wの成形手順を示す図である。
まず工程1において、設置用治具4上において複合材が積層され、下面パネル8がセットされる。
次に、工程2において、位置決め治具11が設置用治具4上及び下面パネル8上の少なくとも一方に固定される。位置決め治具11の固定方法としては、真空チャックやボルト等による締付具を用いる方法が挙げられる。
次に、工程3において、位置決め治具11を用いて設置用治具4上及び下面パネル8上の少なくとも一方の所定の位置にマンドレル5がセットされる。具体的には、各桁9の両側となる位置にそれぞれ2つのマンドレル5が固定される。マンドレル5の固定方法としても、真空チャックやボルト等による締付具を用いる方法が挙げられる。
次に、工程4において、マンドレル5を用いて桁9用の複合材の積層が行われる。すなわち、2つのマンドレル5間に複合材が積層される。このように、複合材の加熱硬化用のマンドレル5を、複合材のレイアップ用の治具としても用いることができる。
次に、工程5において、フェアリングバー10及び上面パネル7等の必要な部品がセットされる。この結果、設置用治具4及び下面パネル8上にマンドレル5、桁9及びフェアリングバー10がセットされる。
尚、被成形品Wの構造に応じて被成形品Wを構成する部品及びマンドレル5をセットする順序を任意に決定することができる。すなわち、マンドレル5及び被成形品Wを任意の順序でセットすることができる。また、マンドレル5又は被成形品Wに均一に圧力を負荷するために、必要に応じて図8に例示されるようなプレート19等の剛体の治具を、任意の位置にセットすることができる。
次に、工程6において、マンドレル5及び被成形品Wの表面がバギングフィルム6でカバーされる。すなわち、マンドレル5及び被成形品Wのバギングが行われる。尚、バギングフィルム6に代えて、或いはバギングフィルム6に加えてブラダーバッグをセットしてもよい。また、好適には、バギングフィルム6とマンドレル5及び被成形品Wとの間に、図7に示すような溶着防止部材18が設けられる。バギングフィルム6の賦型としてマンドレル14を使用することもできる。
次に、工程7において、真空ポンプ16が動作し、マンドレル5及び被成形品Wとバギングフィルム6との間が真空にされる。この結果、バギングフィルム6及びマンドレル5から被成形品Wに均等に圧力Pが負荷される。そして、被成形品Wを構成する桁9の移動が抑止される。また、桁9には、バギングフィルム6やブラダーバッグではなく、剛体であるマンドレル5から圧力が負荷される。このため、桁9の変形を防止することができる。
次に、工程8において、マンドレル5及びバギングフィルム6をセットした状態で被成形品Wが加熱硬化される。すなわち、マンドレル5及びバギングフィルム6をセットした被成形品Wがオートクレーブ21内に搬入され、被成形品Wのオートクレーブ成形が行われる。この結果、所望の形状を有する被成形品Wが製造される。特に、上面パネル7と下面パネル8とを複数の桁9で連結した構造のように、複雑な構造を有する被成形品Wであっても、単一の被成形品Wとして接着工程を経ることなく1回の加熱硬化で製造することができる。
つまり以上のような複合材の成形治具1は、成形型として機能するハードツールと形状に応じて柔軟に変形するソフトツールとを備えたものである。より具体的には、成形治具1は、マンドレル5及びバギングフィルム6又はブラダーバッグの双方を備えている。
このため、複合材の成形治具1によれば、複雑な構造を有する被成形品Wであっても簡易に成形することができる。例えば、2枚のパネルを桁で連結した複合材の航空機部品を単一の被成形品Wとして一体的に加熱硬化することができる。このため、従来は、パネル及び桁等の部品をそれぞれ加熱硬化した後に接着するという製造工程或いは部品同士を予備接合した後に加熱硬化するという製造工程が必要であったが、接着工程又は予備接合工程を省くことができる。そして、1回の加熱硬化によって所望の被成形品Wを製造することができる。
被成形品Wの構造が複雑である場合において、仮に、マンドレルのみを使用すると、マンドレルの構造が複雑になり、かつマンドレルの数が増加する。この結果、治具の重量が増加して段取り及び治具の取外しに多大な労力を要する。更に、治具の重量が大きくなると、重量が大きな治具を扱うことが可能なクレーンやオートクレーブ等の特別な設備が必要となる。
但し、マンドレルを使用すると、被成形品Wの位置決め精度が向上する。加えて、被成形品Wのうねり等の変形を防止し、平面度を向上させることができる。このため、良好な品質で被成形品Wを製造することが可能である。
一方、バギングフィルムやブラダーバッグ等の柔軟に変形するソフトツールを使用すれば、重量が軽く、クレーン等の大規模な設備が不要となる。また、ソフトツールの着脱作業が容易となる。このため、ソフトツールを使用すれば、低コスト化に繋がる。但し、ソフトツールのみを使用すると、位置決め精度の低下及び被成形品Wの変形といった品質上の問題がある。
これに対して、成形治具1は、位置決め精度が特に要求される部分には、ハードツールとしてのマンドレル5を使用する一方、変形の恐れが少ない箇所や品質への影響が少ない箇所にはソフトツールを使用する構成となっている。このため、両者の利点を活用することができる。すなわち、必要な品質で被成形品Wを製造する機能を維持しつつ、成形治具1全体の構造の簡易化、軽量化及び低コスト化を図ることができる。
以上、特定の実施形態について記載したが、記載された実施形態は一例に過ぎず、発明の範囲を限定するものではない。ここに記載された新規な方法及び装置は、様々な他の様式で具現化することができる。また、ここに記載された方法及び装置の様式において、発明の要旨から逸脱しない範囲で、種々の省略、置換及び変更を行うことができる。添付された請求の範囲及びその均等物は、発明の範囲及び要旨に包含されているものとして、そのような種々の様式及び変形例を含んでいる。
1 成形治具
2 第1の治具
3 第2の治具
4 設置用治具
5 マンドレル
6 バギングフィルム
7 上面パネル
8 下面パネル
9 桁
10 フェアリングバー
11 位置決め治具
11A 固定部
11B 設置部
11C 位置決めピン
11D 位置決めプレート
12 タップ
13 シーラント
14 マンドレル
15 配管
16 真空ポンプ
17 シーラント
18 溶着防止部材
18A FEPフィルム
18B ブリーザー
19 プレート
20 ダミーブロック
21 オートクレーブ
W 被成形品
P 圧力

Claims (8)

  1. 複合材で構成される被成形品の成形後における形状に対応する形状を有する剛体の第1の治具と、
    前記第1の治具及び前記被成形品との間を真空にすることによって前記第1の治具及び前記被成形品に圧力を負荷するための非剛体の第2の治具と、
    を備え、
    前記第2の治具は、
    前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる治具と、
    前記第1の治具及び前記被成形品を覆う治具と、
    を有する複合材の成形治具。
  2. 前記第1の治具及び前記被成形品の少なくとも一方と、前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる前記治具との間に、前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる前記治具の溶着防止部材を設けた請求項1記載の複合材の成形治具。
  3. 前記第1の治具及び前記被成形品の少なくとも一方と、前記第1の治具及び前記被成形品を覆う前記治具との間に、均一に圧力を負荷するための剛体の治具を設けた請求項1又は2記載の複合材の成形治具。
  4. 前記第1の治具に、前記被成形品の成形後における変形による理想的な形状からの誤差を低減するための、前記被成形品の成形後の前記理想的な形状に対して傾斜した傾斜面を設けた請求項1乃至3のいずれか1項に記載の複合材の成形治具。
  5. 前記第1の治具は、複数のパネル間を複数の桁で連結した構造を有する被成形品の少なくとも一部を支持する構造を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の複合材の成形治具。
  6. 前記第1の治具の位置決めを行うための位置決め治具を更に備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載の複合材の成形治具。
  7. 複合材で構成される被成形品の成形後における形状に対応する形状を有する剛体の第1の治具並びに前記被成形品をセットするステップと、
    前記第1の治具及び前記被成形品に非剛体の第2の治具をセットするステップと、
    前記第1の治具及び前記被成形品と、前記第2の治具との間を真空にすることによって前記第1の治具及び前記被成形品に圧力を負荷するステップと、
    前記第1の治具及び前記第2の治具をセットした状態で前記被成形品を加熱硬化させるステップと、
    を有し、
    前記第2の治具は、
    前記第1の治具及び前記被成形品で囲まれた領域にセットされる治具と、
    前記第1の治具及び前記被成形品を覆う治具と、
    を有する複合材の成形方法。
  8. 前記第1の治具を用いて前記複合材を積層する請求項7記載の複合材の成形方法。
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