JP2017006246A - 磁気共鳴イメージング装置、及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】冠動脈MRAの撮像において、撮像の終了時刻の判断を支援して、より正確に残時間の推定を行うことが可能なMRI装置、及びその作動方法を提供する。
【解決手段】被検者からのエコー信号に基づき画像作成するよう制御する制御部は、被検者の横隔膜の位置を計測するナビゲート信号を取得する横隔膜ナビゲートシーケンスと、エコー信号を収集する撮像シーケンスとを、同一心拍で実行する計測シーケンスを毎心拍繰り返し、計測された横隔膜の位置を参照し、同一心拍で取得されたエコー信号の画像作成への適用可否の判断し、所定の時間間隔で得られたエコー信号中、適用可否の判断で適用可となったエコー信号の採用率を導出しS303、採用率と撮像開始からの経過時間を用いて、計測終了までの推定残時間を求め、推定残時間を表示部に表示する。
【選択図】図3

Description

本発明は、核磁気共鳴イメージング装置に係り、特に装置を用いた冠動脈撮像技術に関する。
被検体中のプロトンからの核磁気共鳴(以下、NMR)信号を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を画像化する核磁気共鳴イメージング(以下、MRI)装置は、被検体、特に人体の組織を構成する原子核スピンが発生するNMR信号(エコー信号)を計測し、その頭部、腹部、四肢等の形態や機能を二次元的に或いは三次元的に画像化する装置である。エコー信号は、傾斜磁場によって異なる位相エンコードが付与されるとともに周波数エンコードされて、時系列データとして計測される。計測されたエコー信号は、二次元又は三次元フーリエ変換されることにより画像に再構成される。
このようなMRI装置を用いた冠動脈撮像(冠動脈MRA)は、通常3分から15分程度の撮像時間を要し、通常の撮像より長時間となる。冠動脈MRAは、心電図と同期して、一般に拡張末期のエコー信号を取得するためである。これは、心拍による心臓の動きが最小となる期間中にエコー信号を取得し、心臓の動きの影響、例えば血管のぶれや種々のアーチファクトが、冠動脈画像に混入するのを防止するためである。例えば、心拍数が毎分60回(1心周期1秒)の場合の拡張末期は約200msである。従って、拡張末期のみからエコー信号を取得することで、撮像時間は5倍程度に延長される。
また、冠動脈MRAでは、呼吸動の影響がエコー信号に混入しないための対策も必要である。例えば非特許文献1に記載されている様に、横隔膜ナビゲートシーケンスを用いてナビゲート信号を発生させ、呼吸に伴う横隔膜の位置の変化を観察する。呼吸周期と深度が安定している場合、横隔膜の位置は、時間を変数とした周期関数として扱うことができ、横隔膜波形と呼ぶ。呼吸動の影響がエコー信号に混入させないために、横隔膜波形の値、すなわち横隔膜の位置に上限と下限を設定する。この上限と下限の位置を工夫することで、エコー信号を収集する呼吸周期の時相を制御することができ、一般的には、呼気の期間(以下、呼期と定義する)にエコー信号を収集する様に、上限と下限を設定する。呼期が、呼吸周期全体に占める呼期の割合が4分の1だとすると、撮像時間は4倍に延長されることになる。なお、以下の説明では、横隔膜の位置が、設定した上限と下限の間に含まれる状態を、閾値を満足すると表現する。
以上説明したように、冠動脈MRAでは、心周期における拡張末期と、呼吸周期における呼期に取得されたエコー信号を画像再構成に使用する。ナビゲート信号による横隔膜位置の検出を利用する方法として、例えば特許文献1が公知である。
特開2007-29250号公報
Motion in Cardiovascular MR Imaging, Radiology: Volume 250: Number 2−February 2009
上述した特許文献1においては、ナビゲート信号による横隔膜位置の検出を利用しているが、主に呼吸同期計測に適用されており、心電同期と呼吸同期とを実質的に併用する冠動脈MRAにおいては、実用性に乏しい。冠動脈MRAでは、独立した生理的な現象である心拍と呼吸のそれぞれに対して、所定の期間のみから選択的にエコー信号を収集する必要があるために、次のようにエコー信号を収集する。
撮像シーケンスは、横隔膜ナビゲートシーケンス部分と一般的な撮像シーケンス部分とで構成され、心電同期で実行される。MRI装置の心電同期ユニットにおいて、入力された心電波形からR波を検出してトリガが出力され、所定の待ち時間後に撮像シーケンスが実行され、拡張末期でのエコー信号収集が可能になる。並行して、収集されたナビゲート信号を用いて呼吸周期を判断する。この判断は、上述の閾値を満足するか否かの判断であり、呼期であれば取得したエコー信号を冠動脈MRAの画像再構成に採用し、呼期以外であればそのエコー信号を破棄する。以上により、心拍および呼吸動の小さい期間のエコー信号を画像再構成に用いることにより、動きの影響の小さい冠動脈MRA画像を得ることができる。
以上述べた冠動脈MRAの撮像における課題の一つとして、撮像の終了時刻の判断が困難であることが挙げられる。まず、エコー信号の全取得回数に対する採用されたエコー信号の割合である採用率は、実際に撮像を開始しなければ判断できない。更に、検査時間が長時間に及ぶと、被検体である被検者が疲労を感じて呼吸周期が乱れる場合があり、横隔膜の位置が大きく変化する現象が生じ易く、採用率が著しく低下する場合がある。
撮像の終了時刻を判断することは、予約された検査時間を遵守する観点で重要であり、また、検査時間が長時間に及ぶと画質劣化が生じ易いため、検査の途中で、検査を継続して設定した数のエコー信号を取得して画像を作成するのか、既に取得したエコー信号で画像を作成するのかを判断をする上での指針となる。
従来技術においては、まず、撮像条件として入力された心拍数と1心拍あたりに取得するエコー信号数、及び、画像再構成に用いる全エコー信号数(例えば、128×128)とから、全エコー信号を取得した場合の撮像時間を導出している。例えば、心拍数が毎分60回、一心拍あたりに取得するエコー信号数32個、画像再構成に使用する全エコー信号数が位相エンコード数128、スライスエンコード数64のトータル8192個の場合、撮像時間は、8192÷(32×60)で計算され、4分16秒となる。
したがって、撮像開始直後には、検査終了までの時間(以下、残時間)として4分16秒が表示される。また、例えば、採用されたエコー信号が32×72=2304個の場合、8192個との割合から、残時間は、(8192-2304)÷8192×4.27で求められ、3分4秒が操作者に示されていた。
しかし、この残時間には、上述した採用率が全く考慮されていない。例えば、撮像開始直後の残時間に着目すると、採用率が50%、30%の場合、残時間はそれぞれ8分32秒と14分13秒であり、両者は大きく異なる。また、採用率は、被検者により異なり、更には、同一被検者の一回の検査においても変動するため、上記のように求めた残時間を検査終了時刻の指標として用いるのは実用的でない。そのため、撮像の終了時刻を判断することができる指標やその実現技術が期待されている。
本発明の目的は、上述した課題を解決し、冠動脈MRAの撮像において、撮像の終了時刻の判断を支援して、より正確に残時間の推定を行うことが可能なMRI装置、及びその作動方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明においては、MRI装置であって、所定のパルスシーケンスに基づいて、複数の励起パルスと傾斜磁場パルスを被検者に印加し、受信される被検者からのエコー信号に基づき画像作成するよう制御する制御部と、表示部とを備え、制御部は、被検者の横隔膜の位置を計測するナビゲート信号を取得する横隔膜ナビゲートシーケンスと、エコー信号を収集する撮像シーケンスとを、同一心拍で実行する計測シーケンスを毎心拍繰り返し、計測された横隔膜の位置を参照し、同一心拍で取得されたエコー信号の画像作成への適用可否の判断し、所定の時間間隔で得られたエコー信号中、適用可否の判断で適用可となったエコー信号の割合を採用率として導出し、採用率と計測開始からの経過時間を用いて、計測終了までの推定残時間を求め、推定残時間を表示部に表示するよう制御するMRI装置を構成する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、複数の励起パルスと傾斜磁場パルスを被検者に印加し、受信される被検者からのエコー信号に基づき画像作成するMRI装置の作動方法であって、被検者の横隔膜の位置を計測するナビゲート信号を取得する横隔膜ナビゲートシーケンスと、エコー信号を収集する撮像シーケンスとを、同一心拍で実行する計測シーケンスを毎心拍繰り返し、計測された横隔膜の位置を参照し、同一心拍で取得されたエコー信号の画像作成への適用可否の判断し、所定の時間間隔で得られたエコー信号中、適用可否の判断で適用可となったエコー信号の割合を採用率として導出し、採用率と計測開始からの経過時間を用いて、計測終了までの推定残時間を求めて表示するMRI装置の作動方法を構成する。
本発明の適用により、冠動脈MRAの計測において残時間の正確な推定が可能になる。更に、推定された残時間を利用して、被検者への声かけや検査の継続または中止を判断することが可能になる。
実施例1、2に係る、MRI装置の全体構成の一例を示す図。 実施例1、2に係る、冠動脈MRAにおける心電同期計測とナビゲート信号を用いたエコー信号の採用・破棄の概要を説明するための図。 実施例1に係る、採用率を用いる場合の、推定残時間の導出手順を示すフローチャート図。 実施例1、2に係る、採用率と推定残時間の計測開始からの変化を纏めたリストを示す図。 実施例1に係る、横隔膜ナビゲート波形と検出点の例を示す図。 実施例1に係る、近似曲線を用いる場合の推定残時間の導出手順を示すフローチャート図。 実施例1、2に係る、推定残時間を導出するための設定を入力するUIの一例を示す図。
以下、本発明を実施するための形態である種々の実施例を順次説明する説明する。以下、各実施例を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、各実施例に共通したMRI装置の一構成例を示す図である。図1に示すように、各実施例に係るMRI装置100は、被検体101の周囲に静磁場を発生する磁石102と、該空間に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル103と、この領域に高周波磁場を発生するRFコイル104と、被検体101が発生するMR信号を検出するRFプローブ105と、信号検出部106と、信号処理部107と、解析部108と、傾斜磁場の電源109と、RF送信部110と、制御部111と、ベッド112と、表示部113と、を備える。被検体101である被検者の心電図と同期して撮像を行う場合、被検者の心電波形を電極114で検出し生体信号処理部115に入力する。生体信号処理部115の出力は、制御部111に入力される。
傾斜磁場コイル103は、X、Y、Zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、傾斜磁場の電源109からの信号に応じてそれぞれ傾斜磁場を発生する。RFコイル104はRF送信部110の信号に応じて高周波磁場を発生する。RFプローブ105で受信したエコー信号は、信号検出部106で検出され、信号処理部107で信号処理され、また、計算によりMR信号データに変換される。
解析部108は、MR信号データに演算処理を施し、画像、スペクトル波形等の表示データを生成する。生成された画像等は、表示部113に表示される。なお、解析部108は、MRI装置100とは独立したコンピュータなどの情報処理装置に構築されてもよい。好適には、表示部113は、操作者による操作で、被検者情報や撮像条件の入力や、撮像の実行と停止を入力するユーザインターフェース(UI)を兼ねる。
制御部111は、入力された撮像条件を磁場印加に関わるタイミングチャートに変換し、同タイミングチャートに従って、傾斜磁場の電源109、RF送信部110、信号検出部106を制御し、計測を実行する。制御のタイムチャートはパルスシーケンスと呼ばれている。ベッド112は被検者が横たわるためのものである。
本構成例の制御部111および解析部108、更には信号処理部107の各機能は、CPU、メモリおよび記憶装置を備え、予め記憶装置に格納されたプログラムを、CPUがメモリにロードし、実行することにより実現することができる。言い換えるなら、信号処理部107、解析部108、制御部111、表示部113を、記憶装置やディスプレイを備えたコンピュータなどで構成することができる。
また、本構成例のMRI装置では、被検者の生理的な信号である心電図と呼吸波形と同期して画像作成するため、被検者の心電図と同期して冠動脈MRAを撮像すること、及び、横隔膜ナビゲートシーケンスで取得したナビゲート信号を参照しエコー信号を取捨選択することが可能な構成を備えている。これらは、次の様に実現される。心電図と同期した撮像は、被検者に心電波形を計測するための電極114を装着し、電極114で検出した電気信号を生体信号処理部115に入力する。生体信号処理部115では、心電図波形に対して種々の処理を行い、R波を検出し、トリガ信号を発生する。発生したトリガ信号は制御部111に入力され、上述したタイミングチャートの変換時に使用される。これにより心電図を含めたタイミングチャートを生成することができ、心電同期撮像が実現される。
更に、ナビゲート信号を用いたエコー信号の取捨選択については、ナビゲート信号、エコー信号とも、信号検出部106で検出され、信号処理部107に入力される。信号処理部107で、ナビゲート信号は上述の閾値を満足するか否かが判断され、満足する場合は、同一心拍で取得したエコー信号は信号処理部107での処理を継続する。一方で閾値を満足しない場合は、同エコー信号は不要データとして破棄される。
MRI装置の撮像対象は被検者の主たる構成物質、プロトンであり、プロトン密度の空間分布や、励起されたプロトンの緩和現象の空間分布を画像化することで、人体頭部、腹部、四肢等の形態または機能を、2次元もしくは3次元的に撮像する。MRI装置100において、傾斜磁場により異なる位相エンコードを与え、それぞれの位相エンコードで得られるエコー信号を検出する。位相エンコードの数は通常1枚の画像あたり128、256、512、1024等の値が選ばれる。各エコー信号は通常128、256、512、1024個のサンプリングデータからなる時系列信号として得られる。MRI装置100では、これらのデータをフーリエ変換(以下、FT)して1枚のMR画像を作成したり、各種の解析を行ったりし、その結果を表示部113などで操作者に提示する。
一定の時間間隔で採用率を導出する。冠動脈MRAの撮像開始からの採用率の変化、或いは、採用率に関連した情報を用いて、現在以降の採用率を推定し、残時間を推定する。採用率に関連した情報としては、例えば、毎心拍の採用または不採用の結果や、横隔膜の位置の時間変数を関数とした横隔膜位置関数などが挙げられる。
図2に、各実施例のMRI装置における冠動脈MRAの撮像シーケンスと、ナビゲート信号を参照したエコー信号の取捨選択の概要を示す。まず心電図のR波201を検出し、R波からTD-TN後に横隔膜ナビゲートシーケンス203を実行しナビゲート信号を取得する。次いでR波からTD後に撮像シーケンス204を実行し、画像再構成用のエコー信号を取得する。このTDは心臓の拍動による位置・形状変化の大きい収縮期中のNMR信号取得を回避するための待ち時間であり、TNは横隔膜ナビゲートシーケンス203と撮像シーケンス204間の時間間隔である。撮像シーケンス204で取得されたエコー信号は、直前に取得されたナビゲート信号を用いて画像再構成への適用・破棄を判断される。すなわち、ナビゲート信号により検出される横隔膜の位置が、予め定めた約3〜5mm幅のゲートウィンドウ202に含まれる場合、上述の閾値を満足すると判断し、撮像シーケンス204で取得したエコー信号205を画像再構成に適用する。一方で、ナビゲート信号で検出される横隔膜位置が閾値を満足しない場合、同一心拍で取得したエコー信号は破棄される。横隔膜ナビゲートシーケンス203と撮像シーケンス204は心電図のR波201と同期して1心拍内に連続して実行され、画像再構成に必要となるエコー信号の取得が完了するまで繰り返される。
続いて、各実施例のMRI装置における、冠動脈MRAにおける撮像終了までの残時間表示について説明する。現状の残時間は、既に述べた様に、以下の式1、式2で導出される値で定義される。
・初期値(計測開始直後):
(全エコー信号数)÷{(1心拍で取得するエコー信号数)×(1分間の心拍数)}
‐‐‐(式1)
・残時間:
{1-(これまでに取得したエコー信号数)÷(全エコー信号数)}×(初期値)
‐‐‐(式2)
冠動脈MRAにおいて残時間の判断が難しい理由は、上述したエコー信号の適用・破棄の処理に起因する。すなわち、式1及び式2では採用率が考慮されていないため、式2で導出された残時間と、実際の検査での残時間とでは大きく異なる。
以下で説明する各実施例のMRI装置では、上述した採用率を考慮して残時間を見積り、その見積り結果を検査効率向上や画質向上に活用する構成を備える。
実施例1として、採用率を考慮した残時間の導出法を適用したMRI装置、及び冠動脈MRAの実施例を説明する。すなわち、本実施例は、MRI装置であって、所定のパルスシーケンスに基づいて、複数の励起パルスと傾斜磁場パルスを被検者に印加し、受信される被検者からのエコー信号に基づき画像作成するよう制御する制御部と、表示部とを備え、制御部は、被検者の横隔膜の位置を計測するナビゲート信号を取得する横隔膜ナビゲートシーケンスと、エコー信号を収集する撮像シーケンスとを、同一心拍で実行する計測シーケンスを毎心拍繰り返し、計測された横隔膜の位置を参照し、同一心拍で取得されたエコー信号の画像作成への適用可否の判断し、所定の時間間隔で得られたエコー信号中、適用可否の判断で適用可となったエコー信号の割合を採用率として導出し、採用率と計測開始からの経過時間を用いて、計測終了までの推定残時間を求め、推定残時間を表示部に表示するよう制御するMRI装置、及びその作動方法の実施例である。以下、MRI装置の制御部111が主に実行する、図3のフローチャートに示す操作手順に従って説明する。なお、従来の残時間と、採用率を考慮した残時間とを区別するために、採用率を考慮した本実施例の残時間を推定残時間と呼ぶ。
図3に示すように、MRI装置の操作者は、採用率に関わる種々の条件を設定する(S301)。種々の条件とは、例えば、図2に示したナビゲート信号に対するゲートウィンドウ幅、すなわち閾値の設定、及び、採用率の演算する時間間隔が挙げられる。この時間間隔は、以降の説明では30秒を想定するが、それ以外の値でも何ら差し支えない。
次に、操作者は冠動脈MRAの撮像を開始(S302)すると、制御部111は、撮像開始から設定された時間間隔である30秒経過後、撮像開始0〜30秒における採用率を計算する(S303)。本実施例において、制御部111が計算する採用率は、以下の式3で導出可能である。
(採用率)=(採用したエコー信号数)÷{(採用したエコー信号数)+(破棄したエコー信号数)} ‐‐‐(式3)
また、上記式の0〜30秒までの採用率を用いて、制御部111は、推定残時間(30)を以下の式4に従って計算する。
(推定残時間(30))=(残時間)÷(0〜30秒までの採用率)
={(全エコー信号数)―(これまでに取得したエコー信号数)}
÷{(1心拍で取得するエコー信号数)×(1分間の心拍数)}
÷(0〜30秒までの採用率) ‐‐‐(式4)
なお、計測開始からn秒における推定残時間、残時間、採用率のそれぞれを、推定残時間(n)、残時間(n)、採用率(n)と表現する。制御部111は、計算後に推定残時間(n)を表示部113のUI上に表示するよう制御し、冠動脈MRAの撮像を継続する。
制御部111は、上述のS303を30秒毎に撮像終了まで継続する(S304)。例えば撮像開始から60秒後における処理を説明すると、撮像開始から60秒経過後、撮像開始後30〜60秒における採用率を計算する。採用率の計算は、撮像開始後30〜60秒に取得したエコー信号を対象とする以外は、式3と同じである。計測開始から60秒後における推定残時間(60)の値を以下の式5に従って計算する。計算後に推定残時間(60)を表示部113のUI上に表示し、冠動脈MRAの撮像を継続する。
(推定残時間(60))={(全エコー信号数)―(60秒までに取得したエコー信号数)}
÷{(1心拍で取得するエコー信号数)×(1分間の心拍数)}
÷(30〜60秒までの採用率) ‐‐‐(式5)
このように、本実施例のMRI装置の制御部111は、30秒で例示した所定の時間間隔毎に得られたエコー信号に基づき採用率を更新し、更新した採用率と計測開始からの経過時間を用いて、推定残時間を更新し、更新された推定残時間を表示部113に表示するよう制御する。
更に、制御部111は、所定の時間間隔毎に計算した採用率と、推定残時間と、経過時間からなるリストを作成し、作成したリストを表示部113に表示するよう制御する。以上の様にして求められた採用率、推定残時間等のリストは、例えば図4に示すように表示部113に表示される。図4に示したリスト401の例では、入力した全エコー信号数、1心拍あたりに取得するエコー信号数、心拍数において、採用率が1.0ならば3分で撮像が終了する条件を用いている。図4に明らかなように、従来は残時間が3分以下で表示されるのに対して、本実施例の式3で示した採用率を考慮することで、より実際の検査終了時間に近い値を見積ることができる。なお、図4の進捗率については、実施例2で詳述する。
以上の説明においては、推定残時間を求める方法として、30秒毎に採用率(n)を導出し、推定残時間を求める方法を示したが、推定残時間は、様々な方法で推測することが可能になる。その一例として、横隔膜の検出点の近似曲線を利用する場合を説明する。
図5は実際のナビゲート信号の計測例である横隔膜ナビゲート波形501を示す図であり、縦軸は横隔膜の位置を、横軸は時間を示す。横隔膜の位置として検出された四角印の検出点503に着目すると、呼吸動による検出点503の時間変動は、例えば、近似曲線を用いて近似関数として表現することが可能である。また、近似関数において、毎心拍毎の検出点503は、心拍数で定義される時間間隔でのサンプリング点と見做す事ができる。この様に定義された近似関数とサンプリング点を用いて、図6のフローチャートに示す手順で推定残時間を求めることができる。
図6の最初のステップとして、計測開始から現在までの経過時間nの間に、横隔膜の位置として検出された検出点をサンプリング点とし、所定の次数の近似曲線を用いて近似関数を作成する(S601)。次いで、S601で求められた近似関数を外挿する(S602)。外挿する範囲は、例えば計測開始から20分に相当するサンプリング点の範囲が好ましい。
続いて、サンプリング点のうち、閾値を満足する、すなわち、図5におけるゲートウィンドウ502内に含まれるサンプリング点504を抽出する。そして、閾値を満足するサンプリング点の計測開始からの個数が、下式を満足するサンプリング点を導出する。
(サンプリング点の個数)>(全エコー信号数)÷(1心拍で取得するエコー信号数)
‐‐‐(式6)
このサンプリング点は、計測開始から計測終了までの残時間に相当するので、サンプリング点と推定残時間を対応付ける(S604)。対応付けられた推定残時間と、現在までの経過時間との差分を求める。これが現在時刻での推定残時間(n)に相当するので、推定残時間として表示する(S605)。最後に、S601からS605を一定の時間間隔、例えば30秒毎に、計測が終了するまで繰り返す(S606)。これにより、上述した採用率を用いる例と同様に、30秒毎に推定残時間を更新することが可能になる。
本実施例における推定残時間の導出法としてこれまで説明した方法は、好適な一例であり、これらに限定されるものではない。本実施例のMRI装置の特徴は、呼吸波形や心電波形に対して設定された閾値を参照して取得したエコー信号の採用・破棄が判断される事で撮像時間が変化する計測において、所定の推定アルゴリズムを用いて計測終了までの残時間を推定すること、更には、前記推定された残時間を、定期的に再度推定し更新することである。
従って、例えば推定アルゴリズムは1種類のみを全被検者に適用しても良いし、複数の推定アルゴリズムを使い分けても良い。使い分ける場合の例としては、呼吸が安定した被検者と乱れやすい被検者とで、異なる推定アルゴリズムを適用する例が挙げられる。呼吸の安定性は、被検者を寝台に寝かせ、受信コイルを設定する際にも判断することができるので、冠動脈MRAの撮像前に推定アルゴリズムを指定することは可能である。また、一般に、中から高度の肥満である被検者で呼吸が乱れやすい傾向がある為、被検者情報で入力される身長と体重の情報からBMI(Body Mass Index)を導出し、BMI値により導出法を自動的に割り当てても良い。
以上に述べた推定アルゴリズムの使い分けや、推定残時間の更新間隔は、例えば図7に示す様な残時間推定用のUI701を用いて、操作者が予め設定することが好ましい。UI701において、推定残時間の出力設定が種々選択可能であり、例えば、方式種類、推定時間の出力間隔、警告の出力、推定残時間リストの保存等が選択可能なように表示される。なお、推定残時間リストの保存については、実施例2で説明する。
以上、詳述した実施例1のMRI装置、及び冠動脈MRAの計測方法において、残時間の正確な推定が可能になり、推定された残時間を利用して、被検者への声かけや検査の継続または中止を判断することが可能となり、ユーザに取って利便性が高い装置、方法を実現することができる。
第2の実施例として、実施例1で実現された推定残時間を活用し、推定残時間が判断材料とし、高画質化、検査効率の向上に使われるMRI装置の実施例を説明する。
図4は、推定残時間表示の一例であるリスト401を示す図である。なお、図4で示した例では、入力した全エコー信号数、1心拍あたりに取得するエコー信号数、心拍数において、採用率が1.0ならば3分で撮像が終了する条件を用いている。図4において、これまでに定義されていない進捗率は、以下の式7で定義される。
(進捗率)=(これまでに取得したエコー信号数)÷(全エコー信号数)‐‐‐(式7)
制御部111は、図4に示す様なリスト401を表示部113のUIに表示し、操作者に提示することにより、操作者は、当該被検者における冠動脈MRAの撮像が、堅調に進行しているのか、呼吸の揺らぎが大きいのかを判断することが容易である。先に説明したように、呼吸の揺らぎは、冠動脈MRAの画質に大きな影響を及ぼす事が知られている。採用率が著しく低い、或いは、残検査時間が著しく長い場合に、操作者が検査の中断を決断する上で、図4のリスト401による情報提示は極めて重要である。
図4のリスト401を参照して高画質化を実現する方法として、例えば、採用率が例えば0.18のように低下した場合に、被検者に音声で注意を促すことが挙げられる。すなわち、操作者や制御部111が、上述した採用率が所定の割合より小さくなった場合に、被検者に対し、音声ガイダンスにより呼吸に関する指示を与えるようにすることができる。これは、検査中に被検者が眠ってしまうことにより、計測開始時に確認された覚醒時の呼吸波形から変化した場合に、特に有効である。音声による注意は、例えば、眠っていないかの確認や呼吸タイミングや深さの指示が挙げられる。これらは、操作者が実施しても良いし、所定の採用率を下回った場合に自動音声指示が行われる様に制御部として機能するCPU用に予めプログラミングしておいても良い。
本リスト401は、例えば、DICOM(Digital Imaging and Communication in Medicine)のキャプチャー画像としてメモリや記憶装置に保存する。すなわち、制御部111は、作成したリストを、DICOM形式の画像データとして記憶するよう制御する。保存されたリスト401は、例えば被検者に対して検査の様子を説明する資料として利用することもできる。これらの推定残時間が判断材料とした処理についても、その実施する・しない、及び実施する際の条件を、予め定めておくことが望ましい。上述した通り、図7のUI701には、警告の出力や、推定残時間リストの保存などの上記の項目も例示している。
以上説明した様に、本実施例のリストやUIを適用することにより、冠動脈MRAの計測において残時間の推定がより可能になる。更に、残時間の変化に着目することで、被検者への声かけや、検査の継続または中止を判断することがより簡単に可能になる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
更に、上述した各構成、機能、制御部等は、それらの一部又は全部を実現するプログラムを作成する例を説明したが、それらの一部又は全部を例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いことは言うまでもない。
100 MRI装置
101 被検体
102 静磁場発生磁石
103 傾斜磁場コイル
104 RFコイル
105 RFプローブ
106 信号検出部
107 信号処理部
108 解析部
109 傾斜磁場の電源
110 RF送信部
111 制御部
112 ベッド
113 表示部
114 心電計測用の電極
115 生体信号処理部
201 R波
202、502 ゲートウィンドウ
203 横隔膜ナビゲートシーケンス
204 撮像シーケンス
205 エコー信号
401 リスト
501 横隔膜ナビゲート波形
503 検出点
504 サンプリング点
701 UI

Claims (8)

  1. 磁気共鳴イメージング(以下、MRI)装置であって、
    所定のパルスシーケンスに基づいて、複数の励起パルスと傾斜磁場パルスを被検者に印加し、受信される前記被検者からのエコー信号に基づき画像作成するよう制御する制御部と、
    表示部とを備え、
    前記制御部は、
    前記被検者の横隔膜の位置を計測するナビゲート信号を取得する横隔膜ナビゲートシーケンスと、前記エコー信号を収集する撮像シーケンスとを、同一心拍で実行する計測シーケンスを毎心拍繰り返し、
    計測された前記横隔膜の位置を参照し、同一心拍で取得された前記エコー信号の画像作成への適用可否の判断し、
    所定の時間間隔で得られた前記エコー信号中、前記適用可否の判断で適用可となったエコー信号の割合を採用率として導出し、
    前記採用率と計測開始からの経過時間を用いて、計測終了までの推定残時間を求め、
    前記推定残時間を前記表示部に表示するよう制御する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  2. 請求項1に記載のMRI装置であって、
    前記制御部は、前記所定の時間間隔毎に得られた前記エコー信号に基づき前記採用率を更新し、更新した前記採用率と計測開始からの経過時間を用いて、前記推定残時間を更新し、
    更新された前記推定残時間を前記表示部に表示するよう制御する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  3. 請求項2に記載のMRI装置であって、
    前記制御部は、前記所定の時間間隔毎の前記採用率と、前記推定残時間と、前記経過時間からなるリストを作成し、作成した前記リストを前記表示部に表示するよう制御する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  4. 請求項3に記載のMRI装置であって、
    前記制御部は、作成した前記リストを、DICOM形式の画像データとして記憶部に保存する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  5. 請求項3に記載のMRI装置であって、
    前記制御部は、前記リストに、全エコー信号数に対する、これまでに取得したエコー信号数の割合を示す進捗率を更に含める、
    ことを特徴とするMRI装置。
  6. 請求項1に記載のMRI装置であって、
    前記制御部は、前記採用率が、所定の割合より小さくなった場合に、前記被検者に対し、音声ガイダンスにより呼吸に関する指示を与えるよう制御する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  7. 請求項2に記載のMRI装置であって、
    前記制御部は、前記採用率が、所定の割合より小さくなった場合に、前記被検者に対し、音声ガイダンスにより呼吸に関する指示を与えるよう制御する、
    ことを特徴とするMRI装置。
  8. 複数の励起パルスと傾斜磁場パルスを被検者に印加し、受信される前記被検者からのエコー信号に基づき画像作成するMRI装置の作動方法であって、
    前記被検者の横隔膜の位置を計測するナビゲート信号を取得する横隔膜ナビゲートシーケンスと、前記エコー信号を収集する撮像シーケンスとを、同一心拍で実行する計測シーケンスを毎心拍繰り返し、
    計測された前記横隔膜の位置を参照し、同一心拍で取得された前記エコー信号の画像作成への適用可否の判断し、
    所定の時間間隔で得られた前記エコー信号中、前記適用可否の判断で適用可となったエコー信号の割合を採用率として導出し、
    前記採用率と計測開始からの経過時間を用いて、計測終了までの推定残時間を求めて表示する、
    ことを特徴とするMRI装置の作動方法。
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