JP2017004865A - コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】コネクタに収容された磁性材のガタ付きを抑えて磁性材の振動を抑制すること。
【解決手段】電線付き端子13を収容するコネクタハウジング11と、コネクタハウジングから電線5が引き出される開口部45に形成された保持面55に軸方向から当接させて位置された環状の弾性部材15と、弾性部材の保持面と反対側に位置された環状の磁性材17と、磁性材の弾性部材と反対側の面を押圧してコネクタハウジングに係止された樹脂製のホルダ19とを備える。ホルダ19の磁性材に当接する部位には、磁性材17と弾性的に当接する弾性部57が設けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ノイズを低減するコネクタに関する。
従来から、ノイズを低減するコネクタとして磁性材を収容したコネクタが知られている。この種のコネクタは、例えばインバータで変換された交流を負荷に供給する電線の一端に接続されている。特許文献1には、コネクタハウジングと、コネクタハウジングの収容凹部に突出して収容された端子と、端子の一端が挿通される挿通孔を有して収容凹部に収容された磁性材(フィライトコア)と、収容凹部の開口側に装着され磁性材を収容凹部の奥面に押圧する保持部材とを備えたコネクタが開示されている。
特開2014−149934号公報
ところで、特許文献1のコネクタには、保持部材の磁性材と対向する面に磁性材を弾性的に押圧する弾性部が設けられている。そのため、コネクタの振動が磁性材に伝播された場合、弾性部が磁性材の振動を吸収する。しかし、収容凹部の内面は、磁性材と弾性的に接触していないため、例えば、保持部材の弾性部と磁性材との間に隙間が生じると、収容凹部の内部でガタ付いた磁性材が振動することがあり、その結果、磁性材の破損や磁性材の特性低下を招くおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、コネクタに収容された磁性材のガタ付きを抑えて磁性材の振動を抑制することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明のコネクタは、電線付き端子を収容するコネクタハウジングと、コネクタハウジングから電線が引き出される開口部に位置された環状の磁性材とを備え、磁性材は、該磁性材の軸方向の両側にそれぞれ弾性部材を介して保持されていることを特徴とする。
これによれば、一対の弾性部材の間に磁性材を位置させて、各弾性部材をそれぞれ磁性材に当接させることにより、磁性材のガタ付きを確実に防ぐことができる。すなわち、一対の弾性部材の間に磁性材を保持することができる。これにより、磁性材の振動を一対の弾性部材によって効率よく吸収することができるから、磁性材の振動が抑制され、磁性材の損傷や特定低下を防ぐことができる。
また、上記に代えて、本発明のコネクタは、電線付き端子を収容するコネクタハウジングと、コネクタハウジングから電線が引き出される開口部に形成された保持面に軸方向から当接させて位置された環状の弾性部材と、弾性部材の保持面と反対側に位置された環状の磁性材と、磁性材の弾性部材と反対側の面を押圧してコネクタハウジングに係止された樹脂製のホルダとを備え、ホルダの磁性材に当接する部位に磁性材と弾性的に当接する弾性部を設けて構成することもできる。
これによれば、弾性部材とホルダの弾性部との間に磁性材が保持されるから、上記と同様に、磁性材の振動を確実に抑制することができる。ここで、弾性部材としては、電線に装着されて、電線の外周面とコネクタハウジングの内面との隙間をシールする既存のゴム栓を用いることができる。これによれば、磁性材の保持構造を簡単化することができる。
この場合において、弾性部は、ホルダと別体で形成されたものをホルダと磁性材との間に位置させることもできるが、ホルダと一体的に形成されたものであることが好ましい。これによれば、部品点数の抑えることができるから、高い組立性を確保することができる。この場合、弾性部は、例えば、ホルダに形成された一対のスリットの内側をアーチ状に膨出させて形成することができる。
また、インバータで変換された交流を負荷に供給する電線の少なくとも一端に上記のコネクタを適用することができる。これによれば、インバータから出力されたノイズを、コネクタを介して低減することができるから、ノイズの影響を少なくすることができる。
本発明によれば、コネクタに収容された磁性材のガタ付きが抑えられ、磁性材の振動を抑制することができる。
本発明が適用されるコネクタの分解斜視図である。 本発明が適用されるコネクタの外観斜視図である。 図2のA−A矢視断面図である。 リアホルダの外観斜視図である。
以下、本発明を実施するための一実施形態について図1ないし図4を参照して説明する。本実施形態のコネクタ1は、電気機器3(例えば、インバータ)に電線5(例えば3本の電源用の電線)を接続するためのものである。電気機器3には、図3に示すように、電気機器3内に設けられた図示されていない端子台に対向する器壁7にコネクタ11を取り付けるための横長の矩形状のコネクタ取付孔9が形成されている。器壁7には、コネクタ取付孔9の四隅の近傍にそれぞれ図示されていないボルト締結用の孔が形成されている。以下では、コネクタ11の器壁17に取り付ける方を前方として説明する。
本実施形態のコネクタ1は、図1に示すように、コネクタハウジング11と、3本の端子13と、ゴム栓15と、磁性材17と、リアホルダ19と、シールドシェル21と、編組23と、シールドリング24を備えて構成される。
コネクタハウジング11は、図1ないし図3に示すように、絶縁性を有する合成樹脂製であって、前方からみると矩形状に形成され、各端子13をそれぞれ収容する互いに仕切られた端子収容室25を有している。コネクタハウジング11は、器壁7のコネクタ取付孔9に挿入される凸部27と、凸部27の外面から周方向に突出する鍔部29と、鍔部29に対して凸部27と反対側に延びる円筒状の筒部31とを有している。凸部27は、各端子収容室25に対応して互いに離れて並列に設けられ、それぞれ角筒状に形成されている。筒部31は、その後端側において端子収容室25の仕切りがなくなり、後方から磁性材17が挿入されるようになっている。鍔部29の前端面には、凸部27を包囲するように矩形状のパッキン33が装着されている。
コネクタハウジング11には、図3に示すように、シールドシェル21が被さるように装着される。シールドシェル21は、金属製の角筒状に形成され、鍔部29の外周面に装着されるフランジ部35と、筒部31の外周面の前方寄りに装着される胴部37とを有している。フランジ部35の四隅にはそれぞれボルト孔39が設けられる。ボルト孔39に挿通されたボルト40が器壁7の孔に締結されると、コネクタハウジング11は、シールドシェル21に後方から押し付けられ、パッキン33を介して器壁7に固定されるようになっている。
端子13は、図3に示すように、導電性を有する平板材で形成され、電気機器3内の端子台にねじ部材(例えばボルト)により固定される取付孔41と、電線接続部43とを有している。端子13は、端子収容室25に延出する図示されていないランスに係止されて設定位置に保持されるとともに、電線接続部43の前側が凸部27に圧入支持されている。すなわち、各端子13は、コネクタ1が器壁7に固定されたとき、各取付孔41がそれぞれ端子台に設けられたねじ孔の位置に自然と位置合わせされるように突出位置が決められている。
端子13の電線接続部43に接続された電線5は、図3に示すように、コネクタハウジング11の後方、つまり、端子収容室25の後方の開口部45より引き出される。コネクタハウジング11の内部には、後述するように、各電線45に装着された3個の環状のゴム栓15と、環状の磁性材17が収容されており、それぞれ電線45が挿通されている。コネクタハウジング11の開口部45には、合成樹脂製のリアホルダ19が装着される。
リアホルダ19は、図4に示すように、横長の底板47と、底板47の縁部から枠状に立ち上げられた側板49とを有している。底板47には、電線45が挿通される3つの電線孔51が形成される。側板49は、コネクタハウジング11の筒部31の外周面を包囲する相似形の内周面を有しており、4箇所にロック孔53が形成される。すなわち、リアホルダ19は、各電線45をそれぞれ電線孔53に通した状態で、側板49が筒部31に被せられ、筒部31の外周面の図示されていないロック片がロック孔53に係止されることでコネクタハウジング11に固定される。
コネクタハウジング11に装着されたシールドシェル21とリアホルダ19の外周面には、図3に示すように、筒状に成形された導電性の編組23が装着される。編組23は、コネクタハウジング11に装着された状態で、コネクタハウジング11から引き出された電線45を包み込むように所定の長さに形成される。編組23は、シールドシェル21の外周面に位置する部位が環状のシールドリング24に外側から締め付けられる格好でコネクタハウジング11に保持される。
次に、本実施形態の特徴部である磁性材17の保持構造について説明する。本実施形態の磁性材17は、図3に示すように、コネクタハウジング11の開口部45に形成された保持面55に保持されており、詳しくは、磁性材17の軸方向の両側の保持面側と反保持面側とにそれぞれゴム栓15、リアホルダ19を当接させて保持される。保持面55は、各端子収容室25をそれぞれ包囲する内面の段部に位置され、軸方向と略直交して開口部45を臨む位置に形成される。
ゴム栓15は、絶縁性の合成ゴムで環状に形成され、各電線5の絶縁被覆の外周面に装着される。ゴム栓15の外周面には複数のリップが突設されている。ゴム栓15は、開口部45の保持面55に前端面を当接させて位置決めされ、電線5の外周面と端子収容室25の内周面との隙間を水密にシールして、コネクタハウジング11の開口部45から端子収容室25の前方(電線接続部43の近傍)に水が浸入するのを防止するようになっている。
磁性材17は、例えば、フェライト製であり、図1に示すように、横長の環状に形成され、外周面が端子収容室25の内周面と概ね相似形をなしている。磁性材17の前端面と後端面は、互いに略平行な平坦面を有している。なお、磁性材17は、フェライト以外の周知の磁性材料で形成することもできる。
リアホルダ19は、図4に示すように、底板47の磁性材17と当接する部位(4箇所)に磁性材17と弾性的に接触する弾性部57を有している。弾性部57は、一対のスリット59の内側を磁性材17に向かってアーチ状に膨出させて形成される。弾性部57は、断面が波型に形成され、磁性材17を押し付けたとき、後方に弾性変形するようになっている。
図3に戻って、磁性材17は、開口部45の保持面55にそれぞれ当接して位置決めされた3個のゴム栓15の保持面55と反対側の面とそれぞれ接するように筒部31に収容される。そして、筒部31にリアホルダ19が装着され、ロック孔53に筒部31のロック部が係止されたとき、磁性材17は、ゴム栓15と反対側の面が弾性部57を介してリアホルダ19に押圧される。すなわち、磁性材17は、ゴム栓15とリアホルダ19との間に挟持され、軸方向の一端面がゴム栓15に押圧され、他端面がリアホルダ19の弾性部57に押圧される。
本実施形態によれば、磁性材17が、ゴム栓15とリアホルダ19との間でガタ付きなく保持されるから、コネクタ1の振動が磁性材17に伝播された場合、ゴム栓15とリアホルダ19の弾性部57の両方がそれぞれ磁性材17の振動を効率よく吸収する。これにより、磁性材17の振動が抑制され、磁性材17の損傷や特定低下を防ぐことができる。なお、磁性材17は、外周面が端子収容室25の内周面に包囲されているから、組み付け時の位置ずれを防ぐことができ、ゴム栓15やリアホルダ19の弾性部57に対して正規の位置に配置することができる。これにより、磁性材17の振動吸収の効果を安定させることができる。
また、本実施形態では、既存のゴム栓15を用いるとともに、従来から搭載されていたリアホルダ19の一部を改良して磁性材17を弾性的に支持するようになっているから、部品点数の増加を抑え、コネクタ1の高い組立性を確保することができる。また、リアホルダ19は、従来のリアホルダの金型の一部を改良するだけでよいから、製作コストの増加を抑制することができる。
本実施形態のコネクタ1は、例えば、インバータで変換された交流を負荷に供給する電線5の少なくとも一端に設けて構成することができる。これによれば、インバータのサージ電圧の発生に伴う出力信号のノイズを低減することができるから、電線5を含む回路全体のインピーダンスの整合を図ることができる。
また、本実施形態のコネクタ1は、リアホルダ19を取り外すことで、磁性材17を簡単に交換することができるから、インバータのサージ電圧の大きさに応じて、所望の磁気特性の磁性材17を搭載することができる。この場合、磁性材17の厚みが異なるときは、ゴム栓15を厚みの異なるタイプに交換することで、異なる厚みの磁性材17の搭載が可能になる。
以上、本発明の実施形態を図面により詳述したが、本実施形態は本発明の例示にしか過ぎないものであり、請求項に記載された範囲内において変更・変形することが可能である。
例えば、本実施形態では、磁性材17の軸方向の両側にそれぞれ弾性部材(ゴム栓15とリアホルダ19)を介して保持面55に保持する例を説明したが、磁性材17の軸方向の両側をそれぞれ弾性的に押し付けて磁性材17を保持するものであれば、磁性材17やリアホルダ19に代えて他の弾性部材を用いることもできる。
また、本実施形態では、端子収容室25の内面の段部に保持面55を形成する例を説明したが、これに代えて、端子収容室25の内周面の周方向に帯状の保持面55を形成し、該保持面55にゴム栓15を圧入させて保持することもできる。
さらに、本実施形態では、3本の電線5を電気機器3に接続する3相型のコネクタ1に本発明と適用する例に説明したが、これに限られるものではなく、1本の電線を電気機器3に接続する単相型のコネクタにおいても、本発明を適用することができる。この場合も、電線5に装着されたゴム栓15とリアホルダ19との間に磁性材17を挟んで保持する構造を採用することで、本発明と同様の効果を得ることができる。
1 コネクタ
3 電気機器
5 電線
11 コネクタハウジング
13 端子
15 ゴム栓
17 磁性材
19 リアホルダ
45 開口部
55 保持面
57 弾性部

Claims (5)

  1. 電線付き端子を収容するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングから前記電線が引き出される開口部に位置された環状の磁性材とを備え、前記磁性材は、該磁性材の軸方向の両側にそれぞれ弾性部材を介して保持されているコネクタ。
  2. 電線付き端子を収容するコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングから前記電線が引き出される開口部に形成された保持面に軸方向から当接させて位置された環状の弾性部材と、前記弾性部材の前記保持面と反対側に位置された環状の磁性材と、前記磁性材の前記弾性部材と反対側の面を押圧して前記コネクタハウジングに係止された樹脂製のホルダとを備え、
    前記ホルダの前記磁性材に当接する部位に前記磁性材と弾性的に当接する弾性部を設けてなるコネクタ。
  3. 前記弾性部は、前記ホルダと一体的に形成されている請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記弾性部材は、前記電線に装着されて、前記電線の外周面と前記コネクタハウジングの内面との隙間をシールするゴム栓である請求項2に記載のコネクタ。
  5. インバータで変換された交流を負荷に供給する電線の少なくとも一端に、請求項1乃至4のいずれかに記載のコネクタが設けられている電線。
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