JP2017003694A - 光ピンセット装置及び液体中の微粒子捕捉方法 - Google Patents

光ピンセット装置及び液体中の微粒子捕捉方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の光ピンセット装置では微粒子を捕捉できないくらい微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が小さい場合であっても微粒子を捕捉できる光ピンセット装置及び液体中の微粒子捕捉方法を提供する。【解決手段】捕捉用のビームLを出射する光源10(ビーム光源)と、光源10(ビーム光源)から出射されたビームLを液体中に設定した焦点位置Fに向けて集光するビーム集光レンズ28と、を有し、集光させたビームにて液体中の微粒子を捕捉する光ピンセット装置1であって、焦点位置Fを含めて焦点位置Fの周囲である捕捉領域(41B)における液体Qの屈折率を、捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域(41A、41C)における液体Qの屈折率よりも低下させる液体屈折率低下手段40を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、光ピンセット装置、及び液体中の微粒子捕捉方法に関する。
近年、光ピンセットと呼ばれる技術がある。透明な微粒子が浮遊している透明な液体中にレーザビームを集光して、光圧力によってビームの焦点位置の近傍に、非接触で微粒子を捕捉し、焦点位置を移動させて、捕捉している微粒子を移動させるという、光をピンセットのように扱う技術である。
例えば特許文献1には、レーザ光源からのビームを対物レンズで集光し、焦点位置の対象物を捕捉する装置において、レーザ光源と対物レンズとの間に、外部電圧印加によって液晶分子の配向制御を行なって焦点位置を可変とする液晶光学素子によるレンズを備えた微粒子移動制御装置が開示されている。特許文献1では、液晶光学素子によるレンズを備えることで、外部電圧を制御するだけで焦点位置を移動させることができるので、シンプルな構成で実現可能であり、微粒子移動制御装置を軽量・小型化することができる。
特開2006−235319号公報
光ピンセット装置を用いて、透明な液体中の透明な微粒子を捕捉する場合、微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を利用して、ビームの焦点位置の近傍の微粒子に光圧力を作用させて捕捉しており、一般的に、微粒子の屈折率のほうが大きい。例えば屈折率が約1.33の水(液体)の中に浮遊する、屈折率が約1.53のポリエチレン(微粒子)は、光ピンセット装置で比較的容易に捕捉することができる。しかし、例えば屈折率が約1.50のベンゼン(液体)の中に浮遊する、屈折率が約1.53のポリエチレン(微粒子)は、屈折率の差が非常に小さく、光圧力を充分に作用させることができず、捕捉することができない。
特許文献1に記載の発明では、外部電圧でビームの焦点位置を移動させることで光ピンセット装置を軽量・小型化できる。しかし、特許文献1に記載の発明では、例えば微粒子がポリエチレンで液体がベンゼンの場合等、微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が小さい場合では、微粒子を捕捉することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、従来の光ピンセット装置では微粒子を捕捉できないくらい微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が小さい場合であっても微粒子を捕捉できる光ピンセット装置及び液体中の微粒子捕捉方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る光ピンセット装置及び液体中の微粒子捕捉方法は、次の手段をとる。まず、本発明の第1の発明は、捕捉用のビームを出射する光源と、前記光源から出射された前記ビームを液体中に設定した焦点位置に向けて集光するビーム集光レンズと、を有し、集光させた前記ビームにて前記液体中の微粒子を捕捉する光ピンセット装置であって、前記焦点位置を含めて当該焦点位置の周囲である捕捉領域における前記液体の屈折率を、前記捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域における前記液体の屈折率よりも低下させる液体屈折率低下手段を備えている。
次に、本発明の第2の発明は、上記第1の発明に係る光ピンセット装置であって、前記液体屈折率低下手段は、前記捕捉領域における前記液体の密度を、前記非捕捉領域における前記液体の密度よりも小さな密度にすることで、前記捕捉領域における前記液体の屈折率を、前記非捕捉領域における前記液体の屈折率よりも低下させる。
次に、本発明の第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る光ピンセット装置であって、前記液体が所定方向に流される流路であって当該流路の面積が第1流路面積に設定されて前記非捕捉領域を構成する液体流路と、前記液体流路の途中に設けられた流路であって前記焦点位置が設定されて前記ビームが集光されるとともに当該流路の面積が前記第1流路面積よりも大きな第2流路面積に設定されて前記捕捉領域を構成する捕捉流路と、にて構成された前記液体屈折率低下手段を有している。そして、前記第1流路面積の前記液体流路内から前記第2流路面積の前記捕捉流路内に流れ込んだ前記液体は、前記捕捉流路内において密度が低下して屈折率が下げられている。
次に、本発明の第4の発明は、上記第3の発明に係る光ピンセット装置であって、前記捕捉流路を含めて前記液体流路は、環状に構成されており、前記液体流路内及び前記捕捉流路内を前記液体が所定方向に循環されている。
次に、本発明の第5の発明は、捕捉用のビームを出射する光源と、前記光源から出射された前記ビームを液体中に設定した焦点位置に向けて集光するビーム集光レンズと、を用いて、集光させた前記ビームにて前記液体中の微粒子を捕捉する液体中の微粒子捕捉方法であって、前記焦点位置を含めて当該焦点位置の周囲である捕捉領域における前記液体の密度を、前記捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域における前記液体の密度よりも小さな密度とすることで、前記捕捉領域における前記液体の屈折率を、前記非捕捉領域における前記液体の屈折率よりも低下させ、前記捕捉領域内において前記微粒子の屈折率と前記液体の屈折率との差を大きくする。
第1の発明によれば、捕捉領域における液体の屈折率を、非捕捉領域における液体の屈折率よりも低下させることで、捕捉領域内における微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を大きくする。液体全体の屈折率を低下させることは非常に困難であるが、比較的大量の液体を用いて、当該液体の一部分の屈折率をスポット的に低下させることは可能である。このように捕捉領域内で微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を大きくすることで、従来の光ピンセット装置では微粒子を捕捉できないくらい微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が小さい場合であっても微粒子を捕捉できる。
第2の発明によれば、捕捉領域における液体の密度を、非捕捉領域における液体の密度よりも小さな密度にする。液体の密度と屈折率の関係は、一般的に、密度が大きい場合は屈折率が大きくなり、密度が小さい場合は屈折率が小さくなる傾向にある。従って、捕捉領域内の液体の屈折率を、非捕捉領域内の液体の屈折率よりも小さくすることができる。これにより、捕捉領域内で微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を大きくすることができる。
第3の発明によれば、液体を、静止状態でなく流れている状態として、第1流路面積の液体流路から、第2流路面積の捕捉流路へと液体を流すことで、液体流路から捕捉流路内に流れ込んだ液体の密度を、液体流路内の液体の密度よりも小さくする。これにより、捕捉領域内における液体の屈折率を低下させることができるので、捕捉領域内で微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を大きくすることができる。
第4の発明によれば、捕捉流路を含めて液体流路を環状に構成することで、捕捉流路を含めた液体流路内で液体を循環させて、液体を流れている状態とする。これにより、液体を流れている状態とすることが容易であり、比較的安定した流速を維持することも容易である。すなわち、液体の密度の低下及び液体の屈折率の低下を安定的に維持することができる。
第5の発明によれば、捕捉領域における液体の密度を、非捕捉領域における液体の密度よりも小さな密度にすることで、捕捉領域内における液体の屈折率を低下させ、捕捉領域内で微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を大きくする。これにより、従来の光ピンセット装置では微粒子を捕捉できないくらい微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が小さい場合であっても微粒子を捕捉できる、液体中の微粒子の捕捉方法を実現することができる。
光ピンセット装置の全体構成を説明する斜視図である。 液体屈折率低下手段の構成を説明する斜視図である。 液体屈折率低下手段の構成を説明する断面図である。 液体の密度と屈折率の関係を説明する図である。 図3に示す液体屈折率低下手段の各位置における液体の屈折率の状態を説明する図である。 ビームの焦点位置の近傍の微粒子に作用する光圧力を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて順に説明する。なおX軸、Y軸、Z軸が記載されている図では、X軸とY軸とZ軸は互いに直交しており、Z軸方向は上方に向かう鉛直方向を示し、X軸方向は、液体Qが液体屈折率低下手段40内を流れる方向を示している。
●[光ピンセット装置1の全体構成(図1)]
光ピンセット装置1は、ビーム光源10、符号21〜27にて示す導光手段、ビーム集光レンズ28、照明光源30、照明集光レンズ31、液体屈折率低下手段40、接続流路43及び44、ポンプ45、移動ステージ46、撮像手段50、制御手段60等にて構成されている。液体屈折率低下手段40、接続流路43及び44、ポンプ45内には、透明な微粒子を含有する透明な液体Qが流されている。
ビーム光源10(光源に相当)は、例えばレーザビームを出射するレーザ装置であり、制御手段60からの制御信号に基づいて、液体Q中の微粒子を捕捉するための第1波長のビームLを出射する。
導光手段である符号21〜27は、ビーム光源10から出射された第1波長のビームLを、適切にビーム集光レンズ28へと導くためのものである。以下、導光手段を順に説明する。第1反射ミラー21は、ビーム光源10から出射されたビームLを第1絞り22に向けて反射する。第1反射ミラー21は、第1絞り22へ入射させるビームLの角度や位置を調整する。
第1絞り22は、入射されたビームLの径を第1所定径のビームに変換して第1コリメートレンズ23へと出射する。第1コリメートレンズ23は、第1所定径のビームの径を拡大して第2コリメートレンズ24へと出射する。第2コリメートレンズ24は、第1コリメートレンズ23にて径が拡大されたビームを平行光に変換して第2絞り25へと出射する。第2絞り25は、径が拡大されて平行光とされたビームの径を第2所定径の平行光のビームに変換して反射透過ミラー26に向けて出射する。
反射透過ミラー26は、第2絞り25から入射されたビーム(ビーム光源10からの第1波長のビーム)を第2反射ミラー27に向けて反射するとともに、照明光源30からの第2波長の照明光Sを透過する。反射透過ミラー26は、第2反射ミラー27へと入射するビームLの角度や位置を調整する。第2反射ミラー27は、反射透過ミラー26から入射されたビームLをビーム集光レンズ28に向けて反射するとともに、照明光源30から出射されて照明集光レンズ31と液体屈折率低下手段40及び液体とビーム集光レンズ28とを透過してきた照明光Sを反射透過ミラー26に向けて反射する。
ビーム集光レンズ28は、第2反射ミラー27から入射されたビームLを、液体屈折率低下手段40内に設定した焦点位置Fに向けて集光する。またビーム集光レンズ28は、照明集光レンズ31にて焦点位置Fに向けて集光された照明光Sが入射され、入射された照明光Sを平行光に変換して第2反射ミラー27に向けて出射する。
照明光源30は、例えばLED照明であり、制御手段60からの制御信号に基づいて、微粒子の捕捉状態を観測する撮像手段50への照明となる第2波長の照明光Sを出射する。照明集光レンズ31は、照明光源30から出射された照明光Sを、焦点位置Fに向けて集光する。
液体屈折率低下手段40は、上側に設けられた板状の第1プレート41と、第1プレート41の下側に設けられた板状の第2プレート42と、を上下に重ね合わせて構成されており、例えばアクリル樹脂等の透明な材質で形成されている。また液体屈折率低下手段40の内部には、液体流路41A、捕捉流路41B、液体流路41Cとなる空洞部が形成されており、液体流路41Aから液体流路41Cに向かって液体Qが流されている。捕捉流路41Bは、液体流路41A及び41Cの途中に設けられた流路である。なお液体屈折率低下手段40の詳細については後述する。
接続流路43は、内部に液体Qが流されており、液体流路41Aに接続されて液体流路41Aを延長している。接続流路44は、内部に液体Qが流されており、液体流路41Cに接続されて液体流路41Cを延長している。ポンプ45は、制御手段60からの制御信号に基づいて、液体屈折率低下手段40の側から流れてくる接続流路44内の液体Qを吸引して反対方向に吐出する。ポンプ45は、液体流路41Aから液体流路41Cへと向かう液体Qの流れを作り出し、液体Qの流速を調整する。液体Qの流速は、微粒子を捕捉できるレベルまで液体Qの屈折率を低下させる流速、かつ、捕捉した微粒子が流されない程度の流速、に調整される。また捕捉流路41Bを含めた液体流路41A及び41Cと、接続流路43及び44とを含んだ流路の全体は、環状に構成されている。環状に構成することで、液体Qを循環させることが容易となる。また比較的安定した流速を維持することも容易であり、液体の密度の低下及び液体の屈折率の低下を安定的に維持することも容易である。
移動ステージ46は、液体屈折率低下手段40に取り付けられており、制御手段60からの制御信号に基づいて、液体屈折率低下手段40をX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の少なくとも一方向に移動させる。すなわち移動ステージ46は、捕捉流路41B内に設定した焦点位置Fを、捕捉流路41Bに対して相対的に移動させる。
撮像手段50は、例えばCCD方式やCMOS方式のカメラであり、反射透過ミラー26を透過してきた照明光Sとともに、焦点位置Fの周囲を撮像する。つまり、撮像手段50の被写界深度(いわゆるピント)は、焦点位置Fに調整されている。反射透過ミラー26から撮像手段50に向かう光には、ビームLが含まれていないので、ビームLの光の色や強度等に影響されることなく、撮像手段50は、焦点位置Fの周囲における微粒子の像を、より正確に撮像することができる。撮像手段50は、撮像して得た画像データを制御手段60に出力する。
制御手段60は、例えばパーソナルコンピュータであり、上記に説明したように、ビーム光源10、照明光源30、ポンプ45、移動ステージ46に制御信号を出力し、撮像手段50から画像データを取り込む。また制御手段60は、移動ステージ46の位置に応じた位置検出手段(図示省略)からの検出信号を取り込むようにしてもよい。
●[ビームLの焦点位置の近傍で微粒子が捕捉される様子(図6)]
ここで図6を用いて、ビーム集光レンズ28にて集光したビームLの焦点位置の近傍に微粒子を捕捉する力である光圧力の概要について説明する。図6において、ビーム集光レンズ28に入射されるビームLの左端をビームa、右端をビームbと設定する。また、微粒子の屈折率をn2、微粒子の周囲に充填されている液体の屈折率をn1aとする。なお、屈折率n2>屈折率n1aとする。
ビームaは、ビーム集光レンズ28にて屈折されて第2プレート42の下面を屈折しながら透過した後、位置a1にて微粒子B内に入射される。第2プレート42の屈折率は、微粒子Bを捕捉する光圧力には影響しない。微粒子Bの表面の位置a1に入射されたビームaは、位置a1で屈折して微粒子B内を進み、微粒子Bの表面の位置a2で屈折して微粒子Bの外部に出射される。同様に、ビームbは、ビーム集光レンズ28にて屈折されて第2プレート42の下面を屈折しながら透過した後、位置b1にて微粒子B内に入射される。微粒子Bの表面の位置b1に入射されたビームbは、位置b1で屈折して微粒子B内を進み、微粒子Bの表面の位置b2で屈折して微粒子Bの外部に出射される。
位置a1では、微粒子Bの外側に向かう法線方向の光圧力Fatが発生し、位置b1では、微粒子Bの外側に向かう法線方向の光圧力Fbtが発生する。また位置a2では、微粒子Bの外側に向かう法線方向の光圧力Faoが発生し、位置b2では、微粒子Bの外側に向かう法線方向の光圧力Fboが発生する。そして、光圧力Fatと光圧力Faoとを合成した合成圧力Fa(Fa=Fat+Fao)は、図6中において右下方向に向かう力となる。また、光圧力Fbtと光圧力Fboとを合成した合成圧力Fb(Fb=Fbt+Fbo)は、図6中において左下方向に向かう力となる。この合成圧力Faと合成圧力Fbとを合成した力が、微粒子Bに印加される合成光圧力FF(FF=Fa+Fb)となる。従って、合成光圧力FFは、図6中において下方に向かう力となる。
そして微粒子Bが合成光圧力FFによって下方に移動していくと、微粒子Bへのビームaの入射する位置a1がずれて、位置a1におけるビームaの入射角度(入射方向)が、位置a1の法線方向に近づいていき、位置a1におけるビームaの屈折が小さくなっていく。同様に、位置a2、位置b1、位置b2においても、ビームa、ビームbの入射角度(入射方向)が法線方向に近づいていき、ビームa、ビームbの屈折が小さくなっていく。位置a1、a2、b1、b2における入射角(入射方向)が法線方向に近づくと光圧力Fat、Fao、Fbt、Fboのベクトル量は小さくなる。このため、入射角(入射方向)が法線方向に近づくと、図6中における光圧力Fat、Fbtの垂直下方向成分が小さくなる。つまり、図6中における合成圧力Fa、Fbの垂直下方向成分が小さくなるため、合成光圧力FFが小さくなる。微粒子Bの屈折率n2と、液体Qの屈折率n1aと、の差が大きいほど、光圧力Fao、Fboよりも光圧力Fat、Fbtのほうが、図6中における垂直下方向成分が大きくなり、合成光圧力FFが大きくなる。従って、図6の状態から、合成光圧力FFによって微粒子が下方に移動していくと、合成光圧力FFが徐々に小さくなり、微粒子に働く浮力や重力等と合成光圧力FFとが釣り合った位置となるビームa及びビームbの焦点位置の近傍で微粒子が捕捉される。
このように、微粒子が捕捉されるためには、位置a1、a2、b1、b2にてビームが屈折する必要があり、このビームの屈折は、微粒子の屈折率n2と液体の屈折率n1aとの差で発生する。そして屈折が大きいほど、すなわち、微粒子の屈折率n2と液体の屈折率n1aとの差が大きいほど、合成光圧力FFは大きくなり、合成光圧力FFが大きいほど、微粒子の中心Cがビームの焦点位置により近い位置に捕捉される。
例えば、微粒子がポリエチレン(屈折率=1.53)であり、液体がベンゼン(屈折率=1.50)である場合、従来の光ピンセット装置では、微粒子の屈折率(=1.53)と、液体の屈折率(=1.50)との差が小さく、ビームを集光しても微粒子を捕捉することができなかった。なお、微粒子の径は、例えば約0.1〜10[μm]である。
本実施の形態にて説明する光ピンセット装置1は、液体屈折率低下手段40を有して捕捉流路41B内の液体の屈折率を、強制的に、液体流路41A及び41C内の液体の屈折率よりも低下させている。これにより、例えば微粒子がポリエチレン(屈折率=1.53)で、液体がベンゼン(屈折率=1.50)等、微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が小さい場合であっても、捕捉流路41B内において微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を強制的に大きくして、微粒子を捕捉可能としている。
●[液体屈折率低下手段の構成(図2、図3)と、液体の密度と屈折率の関係(図4、図5)]
図2は液体屈折率低下手段40の外観斜視図を示し、図3は液体屈折率低下手段40の断面図を示している。液体屈折率低下手段40の上側である第1プレート41の下面には、液体流路41Aの上側半分と、捕捉流路41Bの上側半分と、液体流路41Cの上側半分と、を形成する空洞部が設けられている。同様に、液体屈折率低下手段40の下側である第2プレート42の上面には、液体流路41Aの下側半分と、捕捉流路41Bの下側半分と、液体流路41Cの下側半分と、を形成する空洞部が設けられている。この第1プレート41と第2プレート42とを上下に重ね合わせることで、液体屈折率低下手段40内には、液体流路41A、捕捉流路41B、液体流路41Cのそれぞれに相当する空洞部が形成されている。なお、捕捉流路41Bは、焦点位置Fを含めて焦点位置Fの周囲である捕捉領域に相当しており、液体流路41A及び41Cは、捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域に相当している。なお接続流路43及び44の内部(流路)も非捕捉領域に相当している。
図2に示すように、液体流路41Aの流路面積(流路の長手方向に直交する仮想平面で流路を切断した際の流路の開口部の面積)は、第1流路面積SAに設定されており、捕捉流路41Bの流路面積(最大部分の流路面積)は、第2流路面積SBに設定されている。第2流路面積SBは、第1流路面積SAよりも大きい。つまり、液体流路41A及び41Cに対して、捕捉流路41Bは、2次元状に膨張した形状または3次元状に膨張した形状とされている。またビーム集光レンズ28の焦点位置F(照明集光レンズ31の焦点位置Fでもある)は、捕捉流路41B内に設定されている。図3に示す例では、捕捉流路41B内の中央に焦点位置Fが設定された例を示している。なお、液体流路41Cの流路面積は第1流路面積SAに設定されており、接続流路43の流路面積は第1流路面積SAに設定されており、接続流路44の流路面積は第1流路面積SAに設定されている。
接続流路43内を液体流路41Aに向かって流れる液体Qは、液体流路41Aから捕捉流路41Bへ流れ込み、液体流路41Cを経由して接続流路44及びポンプ45(図1参照)へと流れる。この液体Qの流れる経路において、第1流路面積SAを有する液体流路41Aから第2流路面積SBを有する捕捉流路41Bに流れ込んだ液体Qは、第1流路面積<第2流路面積であることにより、流体(液体Q)の密度が低下する。
一般的に、液体の密度と屈折率の関係は、図4に示す傾向を有している。すなわち、液体の密度が密になる(密度が高くなる)に従って屈折率は徐々に大きくなり、液体の密度が疎になる(密度が低くなる)に従って屈折率は徐々に小さくなる傾向を有している。液体状態のベンゼンも、この傾向を有している。上記のとおり、液体流路41A内の液体Qの密度よりも、捕捉流路41B内の液体Qの密度を低くしているので、液体流路41A内の液体Qの屈折率よりも、捕捉流路41B内の液体Qの屈折率を強制的に低くすることができる。
ここで、図3に示すように、液体流路41A内に位置Paを設定し、捕捉流路41B内の焦点位置Fを位置Pfに設定し、液体流路41C内に位置Pcを設定した場合、各位置における屈折率は、図5の例に示すとおりとなる。微粒子Bがポリエチレン(屈折率[n2]=1.53)、液体Qがベンゼン(屈折率[n1]=1.50)である場合、液体流路41A内の位置Pa、及び液体流路41C内の位置Pcでは、微粒子の屈折率n2と液体の屈折率n1との差であるΔn21(=屈折率n2−屈折率n1)は、非常に小さく、図6に示す合成光圧力FFが非常に小さくなり、ビームLを集光しても微粒子を捕捉することはできない。
しかし、捕捉流路41B内の位置Pfでは、液体Qの密度が強制的に低くされて屈折率(n1a)が強制的に下げられているので、微粒子の屈折率n2と液体Qの屈折率n1aとの差であるΔn21a(=屈折率n2−屈折率n1a)が強制的に大きくされている。従って、図6に示す合成光圧力FFを、ビームLを集光して微粒子を捕捉するために充分な大きさとすることができる。
また図1〜図3に示すように、捕捉用のビームを出射するビーム光源10と、ビーム光源10から出射されたビームを液体Q中に設定した焦点位置Fに向けて集光するビーム集光レンズ28と、を用いて、集光させたビームにて液体Q中の微粒子を捕捉する液体中の微粒子捕捉方法とすることもできる。液体中の微粒子捕捉方法は、焦点位置Fを含めて焦点位置Fの周囲である捕捉領域(捕捉流路)における液体Qの密度を、捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域における液体Qの密度よりも小さな密度とする。これにより、捕捉領域における液体Qの屈折率を、非捕捉領域における液体Qの屈折率よりも低下させ、捕捉領域内において微粒子の屈折率と液体の屈折率との差を大きくする。
本発明の光ピンセット装置、及び液体中の微粒子捕捉方法は、本実施の形態にて説明した構成、構造、形状、捕捉方法等に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
本実施の形態にて説明した光ピンセット装置、及び液体中の微粒子の捕捉方法において、透明な液体Qはベンゼンに限定されるものではなく、透明な微粒子Bはポリエチレンに限定されるものではない。透明な微粒子、及び透明な液体、は種々のものを用いることが可能であり、微粒子の屈折率と液体の屈折率との差が、従来の光ピンセット装置では捕捉できない程度の小さな差であっても、本実施の形態の光ピンセット装置では、適切に捕捉することができる。
また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
1 光ピンセット装置
10 ビーム光源
21 第1反射ミラー
22 第1絞り
23 第1コリメートレンズ
24 第2コリメートレンズ
25 第2絞り
26 反射透過ミラー
27 第2反射ミラー
28 ビーム集光レンズ
30 照明光源
31 照明集光レンズ
40 液体屈折率低下手段
41 第1プレート
41A、41C 液体流路(非捕捉領域)
41B 捕捉流路(捕捉領域)
42 第2プレート
43、44 接続流路
45 ポンプ
46 移動ステージ
50 撮像手段
60 制御手段
F 焦点位置
L ビーム
S 照明光

Claims (5)

  1. 捕捉用のビームを出射する光源と、前記光源から出射された前記ビームを液体中に設定した焦点位置に向けて集光するビーム集光レンズと、を有し、集光させた前記ビームにて前記液体中の微粒子を捕捉する光ピンセット装置であって、
    前記焦点位置を含めて当該焦点位置の周囲である捕捉領域における前記液体の屈折率を、前記捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域における前記液体の屈折率よりも低下させる液体屈折率低下手段を備えている、
    光ピンセット装置。
  2. 請求項1に記載の光ピンセット装置であって、
    前記液体屈折率低下手段は、前記捕捉領域における前記液体の密度を、前記非捕捉領域における前記液体の密度よりも小さな密度にすることで、前記捕捉領域における前記液体の屈折率を、前記非捕捉領域における前記液体の屈折率よりも低下させる、
    光ピンセット装置。
  3. 請求項1または2に記載の光ピンセット装置であって、
    前記液体が所定方向に流される流路であって当該流路の面積が第1流路面積に設定されて前記非捕捉領域を構成する液体流路と、
    前記液体流路の途中に設けられた流路であって前記焦点位置が設定されて前記ビームが集光されるとともに当該流路の面積が前記第1流路面積よりも大きな第2流路面積に設定されて前記捕捉領域を構成する捕捉流路と、にて構成された前記液体屈折率低下手段を有しており、
    前記第1流路面積の前記液体流路内から前記第2流路面積の前記捕捉流路内に流れ込んだ前記液体は、前記捕捉流路内において密度が低下して屈折率が下げられている、
    光ピンセット装置。
  4. 請求項3に記載の光ピンセット装置であって、
    前記捕捉流路を含めて前記液体流路は、環状に構成されており、
    前記液体流路内及び前記捕捉流路内を前記液体が所定方向に循環されている、
    光ピンセット装置。
  5. 捕捉用のビームを出射する光源と、前記光源から出射された前記ビームを液体中に設定した焦点位置に向けて集光するビーム集光レンズと、を用いて、集光させた前記ビームにて前記液体中の微粒子を捕捉する液体中の微粒子捕捉方法であって、
    前記焦点位置を含めて当該焦点位置の周囲である捕捉領域における前記液体の密度を、前記捕捉領域とは異なる領域である非捕捉領域における前記液体の密度よりも小さな密度とすることで、前記捕捉領域における前記液体の屈折率を、前記非捕捉領域における前記液体の屈折率よりも低下させ、前記捕捉領域内において前記微粒子の屈折率と前記液体の屈折率との差を大きくする、
    液体中の微粒子捕捉方法。

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