JP2017003486A - ナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】表示部の誘導経路に沿ってユーザを目的地まで誘導している際に、ユーザの操作負担を軽減するナビゲーション装置及びナビゲーション制御プログラムを提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置では、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体に搭載することで、ユーザUsが地図画像を視認した際に、ユーザUsの重心移動に依存して乗用移動体の進行方向を変更する運転操作を行わせることができ、表示部3の誘導経路に沿ってユーザUsを目的地まで誘導している際に、ユーザUsの操作負担を軽減する。
【選択図】図3
【解決手段】ナビゲーション装置では、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体に搭載することで、ユーザUsが地図画像を視認した際に、ユーザUsの重心移動に依存して乗用移動体の進行方向を変更する運転操作を行わせることができ、表示部3の誘導経路に沿ってユーザUsを目的地まで誘導している際に、ユーザUsの操作負担を軽減する。
【選択図】図3
Description
本発明はナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラムに関する。
近年、1人または2人のユーザが搭乗し移動可能な乗用移動体として、セグウェイジャパン株式会社の「Segway(登録商標)」や、トヨタ自動車株式会社の「WINGLET(登録商標)」、本田技研工業株式会社の「UNI−CUB(ユニカブ)」、アイシン精機株式会社の「ILY−A(アイリーエー)」などその他種々のパーソナルモビリティが開発されている(例えば、非特許文献1〜4参照)。このようなパーソナルモビリティは、走行中にユーザが所望する進行方向に重心を移動させることにより、ユーザの所望する方向に移動し得るようになされている。
ところで、近年、乗用自動車や自動二輪車等の一般的な車両には、GPS(Global Positioning System)衛星から送信されるGPS信号を基に現在位置を算出し、地図画像内に自車の位置や進行方向を示し、現在位置から所望する目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置が広く普及している(例えば、非特許文献5参照)。
セグウェイジャパン株式会社ホームページ、インターネット(URL:http://www.segway-japan.net/lineup/index.html)
トヨタ自動車株式会社ホームページ、インターネット(http://www.toyota.co.jp/jpn/tech/personal_mobility/winglet.html)
本田技研工業株式会社ホームページ、インターネット(URL:http://www.honda.co.jp/UNI-CUB/)
アイシン精機株式会社、インターネット(URL: http://www.aisin.co.jp/news/2015/010250.html)
ウィキペディア「カーナビゲーション」(URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%93%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3)
そのため、将来、パーソナルモビリティが普及した際には、当該パーソナルモビリティにもナビゲーション装置を搭載させることが予想される。その際、パーソナルモビリティでは、ユーザの重心移動により所望の進行方向に移動する等その運動特性や操作特性等が一般車両とは全く異なるため、ユーザを誘導経路に沿って誘導している際に、パーソナルモビリティ特有の特性を考慮してユーザの運転操作の負担を軽減し得るナビゲーション装置の開発が望まれる。
また、自動車や自動二輪車等の一般車両においても、ナビゲーション装置によって表示部に表示された誘導経路に沿ってユーザを目的地まで誘導している際に、ユーザの種々の操作負担を軽減し得ることが望まれている。
そこで、本発明は以上の点を考慮してなされたもので、表示部の誘導経路に沿ってユーザを目的地まで誘導している際に、ユーザの操作負担を軽減し得るナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラムを提案することを目的とする。
本発明のナビゲーション装置は、地図データに基づいて現在位置を示す地図画像を画面に表示する表示部と、自車の現在位置から目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し、探索結果を基に前記自車の現在位置から前記目的地までの誘導経路を前記地図画像上に表示する誘導経路特定部と、前記地図画像内での前記自車の進行方向が前記表示部の画面上方向になるように前記地図画像を表示させる表示制御部と、前記地図画像内に表示された前記誘導経路の進行方向末端側を、ユーザに対して両眼視差により、前記誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる視差角変更部とを備えることを特徴とする。
また、本発明のナビゲーション制御プログラムは、地図データに基づいて現在位置を示す地図画像を表示部に画面に表示するナビゲーション装置に対して、誘導経路特定部によって自車の現在位置から目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し、探索結果を基に前記自車の現在位置から前記目的地までの誘導経路を前記地図画像上に表示する誘導経路特定ステップと、前記地図画像内での前記自車の進行方向が前記表示部の画面上方向になるように前記地図画像を表示させ、視差角変更部によって、前記地図画像内に表示された前記誘導経路の進行方向末端側を、ユーザに対して両眼視差により、前記誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる視差角変更ステップとを実行させることを特徴とする。
本発明のナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラムでは、表示部の画面に表示された地図画像をユーザに視認させるだけで、誘導経路の進行方向末端側に向けてユーザの重心を移動させることができるので、ユーザが地図画像を視認した際に、ユーザの重心移動に依存した所定の操作を行わせることができ、かくして、表示部の誘導経路に沿ってユーザを目的地まで誘導している際に、ユーザの操作負担を軽減し得る。
以下図面に基づいて本発明の実施の形態を詳述する。
(1)本発明のナビゲーション装置について
図1において、1は本発明のナビゲーション装置を示し、このナビゲーション装置1は、ユーザが重心を移動させた方向に移動する乗用移動体に設置されるものであり、現在位置から所望の目的地までの誘導経路をユーザに対して呈示し、当該ユーザを目的地まで誘導し得るようになされている。
図1において、1は本発明のナビゲーション装置を示し、このナビゲーション装置1は、ユーザが重心を移動させた方向に移動する乗用移動体に設置されるものであり、現在位置から所望の目的地までの誘導経路をユーザに対して呈示し、当該ユーザを目的地まで誘導し得るようになされている。
実際上、このナビゲーション装置1は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等からなるマイクロコンピュータ構成の制御部2を有しており、ROMに予め格納されているナビゲーション制御プログラム等の各種プログラムをRAMにロードして立ち上げることにより、ナビゲーション装置1における各種機能を統括的に制御してナビゲーション制御処理等の各種処理を実行し得る。
この場合、ナビゲーション装置1は、制御部2と、地図データ等が記憶された記憶部4と、GPS(Global Positioning System)衛星から得られる測位情報を受信するGPS受信部9と、スロープ型機能性デプスマップ(後述する)を用いた画像処理により視差角が調整された地図画像を生成する画像処理部8と、画像処理部8によって視差角が調整された俯瞰図等でなる地図画像が表示される表示部3と、乗用移動体の角速度や加速度を検知するジャイロセンサ7と、電源ボタンや目的地設定ボタンなどの各種ボタンからなる操作部6と、外部から各種情報を取り込む外部インターフェース(外部I/Fとも表記する)5とがバスBを介して相互に接続された構成を有している。
制御部2は、GPS受信部9で受信した測位情報を解析して、その測位結果を基に記憶部4から地図データを読み出し、当該地図データに基づいて生成された現在位置を示す地図画像を表示部3の画面に表示し得るようになされている。また、誘導経路特定部としての制御部2は、ユーザにより操作部6を介して目的地が設定されると、乗用移動体(自車)の現在位置から目的地までの誘導経路を地図データ上で探索し、探索結果を基に自車の現在位置から目的地までの誘導経路を、表示部3に表示した地図画像上に描画し得る。
ここで、図2Aは、表示部3の画面に表示される地図画像12aの一例を示す。例えば地図画像12aには、自車の現在位置周辺の道路Rd1,Rd2や、交差点Cr、ランドマーク(例えば「AB銀行」や「××小学校」等の建物)Ma、次の交差点等で誘導経路Lの進行方向を呈示する方向指示表記DM、自車の現在位置を示す自車マークMVが描画されており、ジャイロセンサ7から得られた検知情報の解析結果を基に、自車の進行方向や移動速度等に応じて地図画像12a内に新たな道路やランドマークが表示されてゆく。
現在位置から目的地までの経路を示す誘導経路Lは、地図画像12a内にある所定の道路Rd1,Rd2に沿ってライン状に描画されており、ユーザが地図画像12aを目視した際に瞬時に認識し得るように表示色や太さが選定されている。この実施の形態の場合、制御部2は、表示部3の画面に表示された地図画像12a内の誘導経路Lに従ってユーザを目的地まで誘導する際、当該地図画像12a内での自車マークMVの進行方向が表示部3の画面上方向yになるように当該地図画像12aの表示形態を制御し得る。
ここで、図2Aは、2つの道路Rd1,Rd2が交差した交差点Crを左折させる誘導経路Lが描画された地図画像12aの一例を示している。この場合、地図画像12aには、地図画像12a内で直進する道路Rd1に沿って画面上方向yに向かう誘導経路Lが、交差点Crを起点として画面左方向x1へ進行方向を変えており、誘導経路Lとして、交差点Crから画面左方向x1の画面側端部(以下、左画面側端部とも呼ぶ)Se1に向かう左折誘導経路Laが表示される。このようにして地図画像12aでは、画面上方向yに向かう道路Rd1と、画面左方向x1および画面右方向x2に延びる道路Rd2とが交わる次の交差点Crに到達した際に、当該交差点Crを左折して、交差点Crから画面左方向x1に延びる道路Rd2に沿って移動すべきことを予めユーザに対して呈示している。
これに加えて、この地図画像12aには、画像処理部8によって所定の画像処理が施されており、両眼視差によって、左画面側端部Se1にある左折誘導経路Laの進行方向末端LEを地図画像12a内でユーザから最も離間した位置に視認させ得る。この実施の形態の場合、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aは、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1の視差角が、左折誘導経路Laが表示されていない画面右方向x2の画面側端部(以下、右画面側端部とも呼ぶ)Se2の視差角よりも大きく選定されており、さらに、左折誘導経路Laが表示されていない右画面側端部Se2から、左折誘導経路Laが表示された左画面側端部Se1に向かうに従って視差角が緩やか大きくなるように調整されている。
ここで、視差角とは、図3Aに示すように、表示部3の画面上の所定位置とユーザUsの左眼とを結んだ線と、画面上の所定位置とユーザUsの右眼とを結んだ線とのなす輻湊角をθ1とし、一方、両眼視差により地図画像12aが画面から離れた空間に視認される虚像画面3aと左眼とを結んだ線と、当該虚像画面3aと右眼とを結んだ線とのなす輻湊角をθ2,θ3(θ2は画面中心から画面右方向x2の位置での輻湊角、θ3は画面中心から画面左方向x1の位置での輻湊角)とした場合、輻湊角θ1から輻湊角θ2(θ3)を減算した値であり、輻湊角θ1−輻湊角θ2(θ3)=視差角で表される。
よって、ユーザUsから離間した奥行方向(遠方)z1の位置に虚像画面3aが見えるに従って視差角の値は大きくなり、一方、ユーザUsに近接した手前方向(近方)z2の位置に虚像画面3aが見えるに従って視差角の値は小さくなる。ここで、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aでは、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1の視差角が、左折誘導経路Laが表示されていない右画面側端部Se2の視差角よりも大きく選定されていることから、両眼視差によって、右画面側端部Se2から左画面側端部Se1にゆくに従って道路Rd1,Rd2や、ランドマークMa、左折誘導経路Laの各表示がユーザから離間するように視認され得る。
この実施の形態の場合、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1の視差角と、左折誘導経路Laが表示されていない右画面側端部Se2の視差角とは、例えば乗用移動体に乗車したユーザUsが視認・融像できる範囲に選定されていることが望ましい。なお、この実施の形態の場合、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aにおける左画面側端部Se1および右画面側端部Se2間の視差角の差は、例えば0.5度以上に選定されている。
なお、この実施の形態の場合、地図画像12aでは、例えばアナグリフ方式の立体眼鏡をユーザUsに装着させ、左眼用地図画像と右眼用地図画像とをユーザUsの左右眼に分割して呈示し、道路Rd1,Rd2や、ランドマークMa、左折誘導経路Laの各表示が右画面側端部Se2から左画面側端部Se1にゆくに従ってユーザUsから離間した位置に視認され得るようになされている。但し、本発明は、地図画像12aを立体的に表示させる立体表示方式として、アナグリフ方式に限定されるものではなく、例えばレンチキュラ方式や、視差バリア方式、偏光フィルタ方式、フレームシーケンシャル方式等の種々の立体表示方式を適用してもよい。この場合、ナビゲーション装置1は、表示部3の構成や、記憶部4に記憶させておく地図画像データが、各種立体表示方式に合わせて適宜変更され得る。
ここで、図2Aに示すような、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aは、例えば、図2Bに示すようなスロープ型機能性デプスマップFDMaを利用して作製され得る。図2Bに示すようなスロープ型機能性デプスマップFDMaは、2次元地図画像の各画素に所定の奥行値(デプス値)を付与したものであり、当該デプス値に基づいて地図画像12aの視差角を調整し得る。この場合、スロープ型機能性デプスマップFDMaは、2次元地図画像の各画素のデプス値を画素毎に明暗(グレーの階調)で表しており、画素の色が暗くなるほどユーザUsから離間した奥行方向(遠方)z1にあることを表現し、画素の色が明るくなるほどユーザUsに近接した手前方向(近方)z2にあることを表現している。
例えば、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aの生成に用いるスロープ型機能性デプスマップFDMaは、図2Bに示すように、左折誘導経路Laの進行方向末端LE(図2A)が表示される左画面側端部Se1側の各画素が最も暗くなり、左折誘導経路Laの進行方向逆側にある右画面側端部Se2側の各画素が最も明るくなるようにデプス値が選定されている。また、このスロープ型機能性デプスマップFDMaは、右画面側端部Se2にある各画素から左画面側端部Se1にある各画素に向かうに従って次第に明から暗にグラデーション的に変化するデプス値が付与されている。
画像処理部8は、このようなデプス値が付与されたスロープ型機能性デプスマップFDMaに基づいて、2次元地図画像の各画素を左眼用にシフトした左眼用地図画像と、当該2次元地図画像の各画素を右眼用にシフトした右眼用地図画像を生成し得る。表示部3は、これら左眼用地図画像と右眼用地図画像とをユーザの左右眼に分割して呈示し、かつスロープ型機能性デプスマップFDMaのデプス値に対応した視差角を有するように合成された地図画像12aを表示し得る。
かくして、表示部3の画面に表示された地図画像12aは、スロープ型機能性デプスマップFDMaのデプス値を基に調整された視差角を有することで、両眼視差により、右画面側端部Se2から、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示される左画面側端部Se1にゆくに従って次第にユーザUsから離間した奥行方向z1(図3A)に視認され、当該左画面側端部Se1がユーザUsから最も離間した位置に視認され得る。
そして、本発明のナビゲーション装置1では、このように左折誘導経路Laが表示された地図画像12aを表示部3の画面に表示する際、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1を、地図画像12a内でユーザから最も離間した奥行方向z1の位置に視認させることにより、融像性の姿勢制御に伴い、図3Aに示すように、左折誘導経路Laが表示された画面左方向x1へのユーザの重心Cの移動を促し、左折誘導経路Laに従ったユーザの重心移動により誘導経路Lに沿った運転を行わせることができる。なお、このような左折誘導経路Laが表示された地図画像12aを呈示する際に、左画面側端部Se1をユーザUsから最も離間した奥行方向z1に視認させることで、当該ユーザUsの重心Cが画面左方向x1へと移動する効果については、後述する検証試験により確認されている。
一方、図4Aは、2つの道路Rd1,Rd2が交差した交差点Crを右折させる誘導経路Lが描画された地図画像12bの一例を示している。この場合、地図画像12bには、地図画像12b内で直進する道路Rd1に沿って画面上方向yに向かう誘導経路Lが、交差点Crを起点として画面右方向x2へ進行方向を変えており、誘導経路Lとして、交差点Crから右画面側端部Se2に向かう右折誘導経路Lbが表示される。このようにして地図画像12bでは、画面上方向yに向かう道路Rd1と、画面左方向x1および画面右方向x2に延びる道路Rd2とが交わる次の交差点Crに到達した際に、当該交差点Crを右折して、交差点Crから画面右方向x2に延びる道路Rd2に沿って移動すべきことを予めユーザに対して呈示している。
これに加えて、この地図画像12bにも、画像処理部8によって所定の画像処理が施されており、両眼視差によって、右画面側端部Se2にある右折誘導経路Lbの進行方向末端LEを地図画像12b内でユーザから最も離間した位置に視認させるようになされている。この実施の形態の場合、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bは、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示された右画面側端部Se2の視差角が、右折誘導経路Lbが表示されていない左画面側端部Se1の視差角よりも大きく選定されており、さらに、右折誘導経路Lbが表示されていない左画面側端部Se1から、右折誘導経路Lbが表示された右画面側端部Se2に向かうに従って視差角が緩やか大きくなるように調整されている。
この場合、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bでは、図3Bに示すように、両眼視差によって、左画面側端部Se1よりも、ユーザUsから離間した奥行方向(遠方)z1の位置に右画面側端部Se2が視認されることから、両眼視差により地図画像12bが画面から離れた空間に視認される虚像画面3bと左眼とを結んだ線と、当該虚像画面3bと右眼とを結んだ線とのなす輻湊角をθ4,θ5(θ4は画面中心から画面右方向x2の位置での輻湊角、θ5は画面中心から画面左方向x1の位置での輻湊角)とした場合、「輻湊角θ1−輻湊角θ4」で表される右画面側端部Se2側の視差角が、「輻湊角θ1−輻湊角θ5」で表される左画面側端部Se1側の視差角よりも大きくなっている。
このように、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bでは、両眼視差によって、左画面側端部Se1から右画面側端部Se2にゆくに従って道路Rd1,Rd2や、ランドマーク(例えば「○○会社」等の建物)Mb、右折誘導経路Lbの各表示がユーザUsから離間するように視認され得る。なお、この場合も、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示された右画面側端部Se2の視差角と、右折誘導経路Lbが表示されていない左画面側端部Se1の視差角とは、例えば乗用移動体に乗車したユーザUsが視認・融像できる範囲に選定されていることが望ましい。なお、この実施の形態の場合、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bは、左画面側端部Se1および右画面側端部Se2間の視差角の差が、例えば0.5度以上に選定されている。
なお、この実施の形態の場合、地図画像12bも地図画像12aと同様に、立体表示方式としてアナグリフ方式を適用しているが、これに限定されるものではなく、例えばレンチキュラ方式や、視差バリア方式、偏光フィルタ方式、フレームシーケンシャル方式等の種々の立体表示方式を適用してもよい。この場合、ナビゲーション装置1は、表示部3の構成や、記憶部4に記憶させておく地図画像データが、各種立体表示方式に合わせて適宜変更され得る。
ここで、図4Aに示すような、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bも、例えば、図4Bに示すようなスロープ型機能性デプスマップFDMbを利用して作製され得る。例えば、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bの生成に用いるスロープ型機能性デプスマップFDMbは、図4Bに示すように、右折誘導経路Lbの進行方向末端LE(図4A)が表示される右画面側端部Se2側の各画素が最も暗くなり、右折誘導経路Lbの進行方向逆側にある左画面側端部Se1側の各画素が最も明るくなるようにデプス値が選定されている。また、このスロープ型機能性デプスマップFDMbは、左画面側端部Se1にある各画素から右画面側端部Se2にある各画素に向かうに従って次第に明から暗にグラデーション的に変化するデプス値が付与されている。
画像処理部8は、このようなデプス値が付与されたスロープ型機能性デプスマップFDMbに基づいて、2次元地図画像の各画素を左眼用にシフトした左眼用地図画像と、当該2次元地図画像の各画素を右眼用にシフトした右眼用地図画像を生成し得る。表示部3は、これら左眼用地図画像と右眼用地図画像とをユーザの左右眼に分割して呈示し、かつスロープ型機能性デプスマップFDMbのデプス値に対応した視差角を有するように合成された地図画像12bを表示し得る。
かくして、表示部3の画面に表示された地図画像12bは、スロープ型機能性デプスマップFDMbのデプス値を基に調整された視差角を有することで、両眼視差により、左画面側端部Se1から、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示される右画面側端部Se2にゆくに従って次第にユーザUsから離間した奥行方向z1(図3B)に視認され、当該右画面側端部Se2がユーザUsから最も離間した位置に視認され得る。
そして、本発明のナビゲーション装置1では、このように右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bを表示部3の画面に表示する際にも、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示された右画面側端部Se2を、地図画像12a内でユーザUsから最も離間した奥行方向z1の位置に視認させることにより、融像性の姿勢制御に伴い、右折誘導経路Lbが表示された画面右方向x2へのユーザUsの重心Cの移動を促し、右折誘導経路Lbに従ったユーザUsの重心移動により誘導経路Lに沿った運転を行わせることができる。なお、このような右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bを呈示する際に、右画面側端部側Se2をユーザUsから最も離間した奥行方向z1に視認させることで、当該ユーザUsの重心Cが画面右方向x2へと移動する効果についても、上述と同様に後述する検証試験により確認されている。
(2)検証試験
(2−1)第1の検証試験
次に、上述したナビゲーション装置1を用いた検証試験について説明する。ここでは、まず始めに、上述したナビゲーション装置1を用いて、スロープ型機能性デプスマップに基づく視差角を与えた地図画像を被験者に呈示したとき、被験者の右左折方向判断に与える影響について確認する検証試験を行った。
(2−1)第1の検証試験
次に、上述したナビゲーション装置1を用いた検証試験について説明する。ここでは、まず始めに、上述したナビゲーション装置1を用いて、スロープ型機能性デプスマップに基づく視差角を与えた地図画像を被験者に呈示したとき、被験者の右左折方向判断に与える影響について確認する検証試験を行った。
この検証試験は、図5に示すように、65インチの画面を有した表示部(Panasonic社製,TH-P65VT2)21と、ステアリング装置22とを用いて被験者Hが、あたかも車両を運転しているかのような感覚を与えるドライビングシミュレータを用いた。実際上、ドライビングシミュレータでは、表示部21の画面前に被験者Hを着座させるとともに、ステアリング装置22のハンドル22aを被験者Hに握らせた状態で、被験者Hの正面にある表示部21に2次元映像25を表示した。表示部21の画面に表示される2次元映像25は、道路や建物、交差点風景をCGで構築し、一人称視点でのウォークスルーを可能とした遠近感のある2次元映像25を用いた。
2次元映像25で表示される建物等は、無彩色のプリイミティブ形状で構築した。また、ウォークスルーの操作法としては、ステアリング装置22のハンドルを回動させることによる右左折を選定させるようにした。この際、被験者Hから表示部21までの視距離を約125[cm]、視野角を約60度に設定した。また、この検証試験では、2次元映像が表示される表示部21とは別に、ナビゲーション装置の表示部3を卓上に設置した。この表示部3は、24インチの3Dモニタ(P240W, Hyundai)を用い、被験者Hと表示部3の画面との視距離を90[cm]、視野角を60度に設定した。
ここで、表示部3に表示させる地図画像としては、例えば、図6A、図6Bおよび図6Cに示すように、道路Rd1,Rd2や、建物等のランドマークMが表示され、誘導経路が表示されない俯瞰図でなる地図画像14a,14b,14cを用意した。図6Aに示す地図画像14aでは、2つの道路Rd1,Rd2が交差した交差点Crを表示し、交差点Crで左画面側端部Se1に向かう道路Rd2に左折することを禁止する禁止マーク15aを表示した。そして、この地図画像14aが呈示されたときには、被験者Hに対して、矢印Ar1のように、交差点Crを画面上方向yへ向けて直進する経路と、交差点Crから画面右方向x2に右折する経路との2通りの経路から一方の経路を直観的に選択させるようにした。
また、図6Bに示す地図画像14bでは、2つの道路Rd1,Rd2が交差した交差点Crを表示し、交差点Crから画面上方向yに向かう道路Rd1にそのまま進むことを禁止する禁止マーク15bを表示した。そして、この地図画像14bが呈示されたときには、被験者Hに対して、矢印Ar2のように、交差点Crを画面左方向x1へ向けて左折する経路と、交差点Crから画面右方向x2に右折する経路との2通りの経路から一方の経路を直観的に選択させるようにした。
さらに、図6Cに示す地図画像14cでは、2つの道路Rd1,Rd2が交差した交差点Crを表示し、交差点Crで右画面側端部Se2に向かう道路Rd2に右折することを禁止する禁止マーク15cを表示した。そして、この地図画像14cが呈示されたときには、被験者Hに対して、矢印Ar3のように、交差点Crを画面上方向yへ向けて直進する経路と、交差点Crから画面左方向x1に左折する経路との2通りの経路から一方の経路を直観的に選択させるようにした。なお、検証試験において、このような禁止マーク15a,15b,15cを表示した理由は、被験者Hが地図画像14a,14b,14cを見ないで、右左折判断や、直進判断を行うことを防止するためである。
また、検証試験では、上述した3種類の地図画像14a,14b,14cに加えて、地図画像14a,14b,14cの表示形態として3種類の表示形態を用意した。具体的に、表示部3に地図画像14a,14b,14cを表示させる表示形態としては、(i)両眼視差を与えずに2次元画像のまま地図画像14a,14b,14cを表示させる2次元表示形態と、(ii)図2Bに示すように、左画面側端部Se1の各画素が最も暗く、右画面側端部Se2にゆくに従って各画像が明るくなるようにデプス値が選定されたスロープ型機能性デプスマップFDMaに従って視差角が調整された地図画像14a,14b,14cを表示させる左傾斜表示形態と、(iii)図4Bに示すように、右画面側端部Se2の各画素が最も暗く、左画面側端部Se1にゆくに従って各画像が明るくなるようにデプス値が選定されたスロープ型機能性デプスマップFDMbに従って視差角が調整された地図画像14a,14b,14cを表示させる右傾斜表示形態との3つの表示形態を用意した。
なお、上述した(ii)左傾斜表示形態の地図画像14a,14b,14cが呈示された被験者Hには、両眼視差によって、右画面側端部Se2が被験者Hに最も近接した位置に視認され、左画面側端部Se1が被験者Hから最も離間した位置に視認され、右画面側端部Se2から左画面側端部Se1に非交差性視差が増加するように視認される。また、上述した(iii)右傾斜表示形態の地図画像14a,14b,14cが呈示された被験者Hには、両眼視差によって、左画面側端部Se1が被験者Hに最も近接した位置に視認され、右画面側端部Se2が被験者Hから最も離間した位置に視認され、左画面側端部Se1から右画面側端部Se2に非交差性視差が増加するように視認される。
(ii)左傾斜表示形態および(iii)右傾斜表示形態では、両眼視差によって被験者Hに最も近接した位置に見える一の画面側端部Se1(Se2)の視差角を0度とし、他の画面側端部Se2(Se1)での視差角を0.5度として、一の画面側端部Se1(Se2)から他の画面側端部Se2(Se1)に向けて視差角が緩やかに増加するように設定した。
このように、この検証試験では、3種類の地図画像14a,14b,14cと、3種類の表示形態とを用意し、これらを組み合わせた9条件に対して、地図画像14a,14b,14cを確認させながら、右左折判断や直進判断を被験者Hに対して行わせた。この検証試験では、被験者Hに対して3回の反復を求め、合計27試行を実施した。なお、被験者Hは、正常な視機能を有した男女47名であり、検証試験前に同意を得た。検証試験の結果を図7に示す。
図7は、直進禁止条件での右左折判断を求めた図6Bの地図画像14bを呈示したときのデータをまとめたものであり、(ii)左傾斜表示形態および(iii)右傾斜表示形態で地図画像14bを呈示したときに、被験者Hから離間する奥行方向に見える画面側端部側Se1(Se2)に右左折したときの選択回数を「傾斜方向」とし、被験者Hに近接する手前方向に見える画面側端部側Se2(Se1)に右左折したときの選択回数を「非傾斜方向」として表示している。
図7の結果から、Wilcoxonの順位検定を行った結果、「非傾斜方向」の選択回数が、「傾斜方向」の選択回数よりも有意に多いことが認められた(p<.05)。また、この検証試験の結果から、被験者Hは、地図画像14bにおける右左折判断において、両眼視差によって、被験者Hから離間する奥行方向z1に見える画面側端部Se1(Se2)側を選択し易いという傾向が認められた。このことは、俯瞰図として呈示された右左折が可能という情報に、両眼視差が付加されることで、何らかの認知的なバイアスがかかっていたことを示唆している。
(2−2)第2の検証試験
次に、さらに別の検証試験として、上述したナビゲーション装置1を用いて、スロープ型機能性デプスマップに基づく視差角を与えた地図画像を被験者に呈示したとき、被験者の重心移動に与える影響について確認する検証試験を行った。ここでは、図8Aに示すように、65インチの画面を有した表示部(Panasonic社製,TH-P65VT2)21と、ハンドル型インターフェース27とを用いて、被験者Hが立った状態であたかもパーソナルモビリティを運転しているかのような感覚を与えるドライビングシミュレータを用いた。実際上、ドライビングシミュレータでは、表示部21の画面前において、重心移動測定装置(Wii Fit(登録商標)(バランスWiiボード)、株式会社 任天堂製)28の上に被験者Hを立たせ、ハンドル型インターフェース27のハンドルを被験者Hに握らせた状態で、被験者Hの正面の表示部21に2次元映像25を表示した。
次に、さらに別の検証試験として、上述したナビゲーション装置1を用いて、スロープ型機能性デプスマップに基づく視差角を与えた地図画像を被験者に呈示したとき、被験者の重心移動に与える影響について確認する検証試験を行った。ここでは、図8Aに示すように、65インチの画面を有した表示部(Panasonic社製,TH-P65VT2)21と、ハンドル型インターフェース27とを用いて、被験者Hが立った状態であたかもパーソナルモビリティを運転しているかのような感覚を与えるドライビングシミュレータを用いた。実際上、ドライビングシミュレータでは、表示部21の画面前において、重心移動測定装置(Wii Fit(登録商標)(バランスWiiボード)、株式会社 任天堂製)28の上に被験者Hを立たせ、ハンドル型インターフェース27のハンドルを被験者Hに握らせた状態で、被験者Hの正面の表示部21に2次元映像25を表示した。
表示部21の画面に表示される2次元映像25は、図8Bに示すように、道路や建物、交差点風景をCGで構築し、一人称視点でのウォークスルーを可能とした遠近感のある2次元映像25を用いた。2次元映像25で表示される建物等は、無彩色のプリイミティブ形状で構築した。また、ウォークスルーの操作法としては、ハンドル型インターフェース27を用いずに、被験者Hの口頭によって右左折を選定した。この検証試験では、2次元映像が表示される表示部21とは別に、ナビゲーション装置の表示部3を、ハンドル型インターフェース27のハンドル上部に設置した。この表示部3は、3Dモニタを用いた。
ここで、表示部3に表示させる地図画像としては、例えば、図8C示すように、道路Rd1,Rd2や、建物等のランドマークMが表示され俯瞰図でなる地図画像12dを用意した。なお、地図画像12d内の領域ER4が、表示部21に表示された、図8Bの2次元映像25と対応している。
そして、この検証試験でも、地図画像12dの表示形態として3種類の表示形態を用意した。具体的に、表示部3に地図画像12dを表示させる表示形態としては、(i)両眼視差を与えずに2次元画像のまま地図画像12dを表示させる2次元表示形態と、(ii)図2Bに示すように、左画面側端部Se1の各画素が最も暗く、右画面側端部Se2にゆくに従って各画像が明るくなるようにデプス値が選定されたスロープ型機能性デプスマップFDMaに従って視差角が調整された地図画像12dを表示させる左傾斜表示形態と、(iii)図4Bに示すように、右画面側端部Se2の各画素が最も暗く、左画面側端部Se1にゆくに従って各画像が明るくなるようにデプス値が選定されたスロープ型機能性デプスマップFDMbに従って視差角が調整された地図画像12dを表示させる右傾斜表示形態との3つの表示形態を用意した。
よって、上述した(ii)左傾斜表示形態の地図画像12dが呈示された被験者Hには、両眼視差によって、右画面側端部Se2が被験者Hに最も近接した位置に視認され、左画面側端部Se1が被験者Hから最も離間した位置に視認され、右画面側端部Se2から左画面側端部Se1に非交差性視差が増加するように視認される。また、上述した(iii)右傾斜表示形態の地図画像12dが呈示された被験者Hには、両眼視差によって、左画面側端部Se1が被験者Hに最も近接した位置に視認され、右画面側端部Se2が被験者Hから最も離間した位置に視認され、左画面側端部Se1から右画面側端部Se2に非交差性視差が増加するように視認される。
(ii)左傾斜表示形態および(iii)右傾斜表示形態では、両眼視差によって被験者Hに最も近接した位置に見える一の画面側端部Se1(Se2)の視差角を0度とし、他の画面側端部Se2(Se1)での視差角を0.5度として、一の画面側端部Se1(Se2)から他の画面側端部Se2(Se1)に向けて視差角が緩やかに増加するように設定した。
このように、この検証試験では、正常な視機能を有し、かつ検証試験前に同意を得た男女20名に対して3種類の表示形態で地図画像12dを呈示し、各被験者Hに対し30回試行した。具体的には、ドライビングシミュレータの表示部21に表示された2次元映像25を被験者Hに視認させ、交差点Crの手前でナビゲーション装置の表示部3に表示された地図画像12dを視認させた。その後、ドライビングシミュレータの表示部21に表示された2次元映像25を再び被験者Hに視認させ、口頭にて右左折判断を行わせた。
そして、この際、被験者Hの重心の移動を、重心移動測定装置28により測定した。重心移動測定装置28による重心移動の測定には、株式会社 任天堂製の「バランスWiiボード」と、PCソフトウェア「FitTri」を用いた(参考文献: Yoshimura, M. :Using in windows personal computer,Introduction of body sway measurement soft on the Wii Fit balance board,Physiotherapy OSAKA, 22, pp. 60 (2010)[Japanese])。その結果、図9A、図9B、図10A、図10Bおよび図10Cに示すような結果が得られた。
ここで、図9Aおよび図9Bは、正常に地図画像12dの立体視ができていた被験者1例分の重心移動軌跡の測定結果を示している。図9Aは、両眼視差によって、左画面側端部Se1が右画面側端部Se2よりも被験者Hから離間した奥行方向に視認される左傾斜表示形態で地図画像12dを呈示していったときの重心移動軌跡の測定結果(「左側へのスロープ型視差」)を示す。一方、図9Bは、両眼視差によって、右画面側端部Se2が左画面側端部Se1よりも被験者Hから離間した奥行方向に視認される右傾斜表示形態で地図画像12dを呈示していったときの重心移動軌跡の測定結果(「右側へのスロープ型視差」)を示す。
図9Aおよび図9Bから、被験者Hから離間した奥行方向に視認される画面側端部側に被験者Hの重心が移動していることが確認でき、両眼視差によって、画面側端部を奥行方向に視認させることで被験者Hの重心移動に影響が生じることが確認できた。また、この検証試験では、被験者Hに対して地図画像12dを呈示した後、100[ms]以内に被験者Hの重心が移動することも確認できた。
次に、正常に地図画像12dの立体視ができていた被験者11例分の重心移動軌跡の測定結果を、図10A、図10Bおよび図10Cに示す。図10Aは、両眼視差によって、左画面側端部Se1が右画面側端部Se2よりも被験者Hから離間した奥行方向に視認される左傾斜表示形態で地図画像12dを呈示していったときの重心移動軌跡の測定結果(「左側へのスロープ型視差」)を示す。図10Bは、両眼視差によって立体視されない2次元地図画像を被験者Hに呈示していったときの重心移動軌跡の測定結果(「2D」)を示す。図10Cは、両眼視差によって、右画面側端部Se2が左画面側端部Se1よりも被験者Hから離間した奥行方向に視認される右傾斜表示形態で地図画像12dを呈示していったときの重心移動軌跡の測定結果(「右側へのスロープ型視差」)を示す。
図10A、図10Bおよび図10Cからも、被験者Hから離間した奥行方向に視認される画面側端部側に各被験者Hの重心が移動していることが確認できた。よって、ナビゲーション装置1では、表示部3の画面に表示された地図画像をユーザに視認させるだけで、被験者Hから離間した奥行方向に視認される画面側端部側に向けてユーザの重心を移動させることができることが確認できた。
(3)作用および効果
以上の構成において、本発明のナビゲーション装置1では、地図データに基づいて現在位置を示す地図画像12a,12bを表示部3の画面に表示し、自車の現在位置から目的地までの案内経路を地図データに基づいて探索した探索結果を基に、自車の現在位置から目的地までの誘導経路Lを地図画像12a,12b上に表示する。
以上の構成において、本発明のナビゲーション装置1では、地図データに基づいて現在位置を示す地図画像12a,12bを表示部3の画面に表示し、自車の現在位置から目的地までの案内経路を地図データに基づいて探索した探索結果を基に、自車の現在位置から目的地までの誘導経路Lを地図画像12a,12b上に表示する。
これに加えて、このナビゲーション装置1では、地図画像12a,12b内での自車の進行方向が表示部3の画面上方向yになるように地図画像12a,12bを表示し、地図画像12a,12b内で画面上方向yに向かう誘導経路Lに、左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lbが表示されると、ユーザUsに対して両眼視差により、左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lbの進行方向末端LEを、地図画像12a,12b内でユーザUsから最も離間した位置に視認させるようにした。
このように、ナビゲーション装置1では、地図画像12a,12b内に表示された誘導経路(左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lb)Lの進行方向末端LE側を、ユーザUsに対して両眼視差により、誘導経路Lの進行方向逆側よりもユーザUsから離間した位置に視認させるようにしたことにより、表示部3の画面に表示された地図画像12a,12bをユーザUsに視認させるだけで、融像性の姿勢制御に伴い、誘導経路Lの進行方向末端LE側に向けてユーザUsの重心Cを移動させることができる。
これにより、ナビゲーション装置1では、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体に搭載させることで、ユーザUsが地図画像12a,12bを視認しただけで、ユーザUsの重心移動に依存して、乗用移動体の進行方向を変更させる運転操作を行わせることができるので、その分、表示部3の誘導経路Lに沿ってユーザUsを目的地まで誘導している際に、ユーザUsの操作負担を軽減し得る。
また、このナビゲーション装置1では、表示部3の画面に表示された地図画像12a,12bをユーザUsに視認させるだけで、誘導経路Lの進行方向末端LE側に向けてユーザUsの重心Cを移動させ、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に乗用移動体を進めることができるので、目的地の方向とは異なる誤った方向に右左折してしまうことを抑制でき、その分、従来よりもユーザUsを誘導経路Lに沿って誘導し得る。
さらに、ナビゲーション装置1では、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体に搭載させた際、ユーザUsが地図画像12a,12bを視認すると同時に、ユーザUsの重心Cを移動させ、ユーザUsの重心移動に依存して乗用移動体の進行方向を即座に変更することもできるので、地図画像12a,12bを視認してから右左折方向を判断するまでの判断時間を短縮でき、その分、地図画像12a,12bを視認してから右左折方向に曲がるまでの間の反応時間を短縮できる。
さらに加えて、このナビゲーション装置1では、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体に搭載させた際、ユーザUsが地図画像12a,12bを視認すると同時に、ユーザUsの重心Cを移動させることができるので、ユーザUsに対して重心Cを移動させることによる乗用移動体の方向転換の仕方等を体感させることができ、乗用移動体の運転の上達速度を速めることもできる。
また、このナビゲーション装置1では、例えば、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示される左画面側端部Se1の視差角が、左折誘導経路Laの進行方向逆側にある右画面側端部Se2の視差角よりも大きく選定されており、さらに当該視差角が左画面側端部Se1から、右画面側端部Se2に向かって緩やかに変化するようにした。
これによりナビゲーション装置1では、ユーザUsが地図画像12aを視認した際に、両眼視差によって、左折誘導経路Laの進行方向逆側にある右画面側端部Se2から、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示される左画面側端部Se1に向けて、自然に引込まれるかのような奥行感をユーザUsに与え、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示される左画面側端部Se1側に、ユーザUsの重心Cを移動させることができる。なお、このような重心移動の効果については、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bについても同じである。
また、ナビゲーション装置1では、地図画像12a,12b内に表示された誘導経路(左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lb)Lの進行方向末端LE側を、ユーザUsに対して両眼視差により、誘導経路Lの進行方向逆側よりもユーザUsから離間した位置に視認させる際に、ユーザUsから離間して視認される位置を調整することにより、ユーザUsの重心移動の程度を制御できる。
例えば、ユーザUsに対して両眼視差により、誘導経路Lの進行方向末端LE側をユーザUsから大きく離間させた位置に視認させ、一方、誘導経路Lの進行方向逆側をユーザUsに極めて近接した位置に視認させて、誘導経路Lの進行方向逆側から、誘導経路Lの進行方向末端LE側に向けて大きく傾斜するように視認させた場合には、融像性の姿勢制御に伴い、ユーザUsの重心移動を大きくさせることができる。
一方、ユーザUsに対して両眼視差により、誘導経路Lの進行方向末端LE側をユーザUsから僅かに離間させた位置に視認させ、一方、誘導経路Lの進行方向逆側をユーザUsに僅かに近接した位置に視認させて、誘導経路Lの進行方向逆側から、誘導経路Lの進行方向末端LE側に向けて小さく傾斜するように視認させた場合には、融像性の姿勢制御に伴い、ユーザUsの重心移動を小さくさせることができる。
(4)他の実施の形態
図1との対応部分に同一符号を付して示す図11は、他の実施の形態によるナビゲーション装置31を示しており、このナビゲーション装置31は、上述したナビゲーション装置1に設けた画像処理部8が設けられておらず、駆動部35により表示部3の表示角度を変更して地図画像12a,12bの視差角を調整する視差角変更表示部33が設けられている点で、上述したナビゲーション装置1とは相違している。
図1との対応部分に同一符号を付して示す図11は、他の実施の形態によるナビゲーション装置31を示しており、このナビゲーション装置31は、上述したナビゲーション装置1に設けた画像処理部8が設けられておらず、駆動部35により表示部3の表示角度を変更して地図画像12a,12bの視差角を調整する視差角変更表示部33が設けられている点で、上述したナビゲーション装置1とは相違している。
このナビゲーション装置31では、上述したナビゲーション装置1とは異なり、表示部3に表示される地図画像12a,12bが、アナグリフ方式等の立体的な表示形式により形成されずに、単なる2次元画像でなる地図画像12a,12bが表示部3に表示され得る。なお、この実施の形態の場合、ナビゲーション装置31の表示部3に表示される地図画像12a,12bは、アナグリフ方式等の立体表示形式の構成を有していないが、道路Rd1,Rd2やランドマークMa,Mb、自車マークMV、誘導経路Lの各構成は、アナグリフ方式の地図画像12a,12b(図2Aおよび図4B)と同じであるため、ここでは説明の便宜上、図2Aおよび図2Bに示した地図画像12a,12bを用いて以下説明する。
この場合、制御部2は、表示部3の画面に表示される地図画像内に左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lbが表示されているか否かを、当該地図画像に付加された識別データから判断し得る、制御部2は、表示部3に表示された地図画像が、例えば左折誘導経路Laが表示された地図画像12aであると識別データを基に判断すると、左折用駆動データを生成し、これを視差角変更表示部33の駆動部35に送出する。ここで、例えば、駆動部35は、図12Aに示すように、表示部3の画面中心で上下方向に位置する中心軸を中心にして表示部3を回動し得るように設けられている。
この場合、駆動部35は、左折用駆動データを受け取ると、モータ等によって中心軸を中心に表示部3を時計回り方向に角度θaだけ回動させ、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示される左画面側端部Se1を奥行方向z1に移動させるとともに、左折誘導経路Laの進行方向逆側の右画面側端部Se2を手前方向z2に移動させる。これにより、表示部3は、左画面側端部Se1がユーザUsから最も離間した位置に配置され、一方、右画面側端部Se2がユーザUsに最も近接した位置に配置され得る。
かくして、表示部3に表示された地図画像12aは、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1の視差角(輻湊角θ1−輻湊角θ3)が、左折誘導経路Laの進行方向逆側の右画面側端部Se2の視差角(輻湊角θ1−輻湊角θ2)よりも大きくなり、さらに、右画面側端部Se2から左画面側端部Se1に向かうに従って視差角が緩やかに大きくなり得る。
この実施の形態の場合、表示部3が回動する角度θaが調整されることで、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1の視差角と、左折誘導経路Laが表示されていない右画面側端部Se2の視差角とは、例えば乗用移動体に乗車したユーザが視認・融像できる範囲に選定されていることが望ましい。なお、この実施の形態の場合、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aにおける左画面側端部Se1および右画面側端部Se2間の視差角の差は、例えば0.5度以上に選定されている。
このようにしてナビゲーション装置31では、地図画像12aが2次元画像により構成されているものの、左折誘導経路Laが表示された地図画像12aを表示部3の画面に表示する際、駆動部35によって表示部3を回動することにより、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1を、地図画像12a内でユーザから最も離間した奥行方向z1の位置に視認させ得る。これにより、ナビゲーション装置31では、融像性の姿勢制御に伴い、奥行感を与えた左折誘導経路Laが表示された画面左方向x1へユーザUsの重心Cの移動を促し、左折誘導経路Laに従ったユーザUsの重心移動により誘導経路Lに沿った運転を行わせることができる。
一方、制御部2は、表示部3に表示された地図画像が、例えば右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bであると識別データを基に判断すると、右折用駆動データを生成し、これを視差角変更表示部33の駆動部35に送出する。駆動部35は、図12Bに示すように、右折用駆動データを受け取ると、モータ等によって中心軸を中心に表示部3を逆時計回り方向に角度θbだけ回動させ、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示される右画面側端部Se2を奥行方向z1に移動させるとともに、右折誘導経路Lbの進行方向逆側の左画面側端部Se1を手前方向z2に移動させる。これにより、表示部3は、右画面側端部Se2がユーザUsから最も離間した位置に配置され、一方、左画面側端部Se1がユーザUsに最も近接した位置に配置され得る。
かくして、表示部3に表示された地図画像12bは、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示された右画面側端部Se2の視差角(輻湊角θ1−輻湊角θ4)が、右折誘導経路Lbの進行方向逆側の左画面側端部Se1の視差角(輻湊角θ1−輻湊角θ5)よりも大きくなり、さらに、左画面側端部Se1から右画面側端部Se2に向かうに従って視差角が緩やか大きくなり得る。
この実施の形態の場合、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示された右画面側端部Se2の視差角と、右折誘導経路Lbが表示されていない左画面側端部Se1の視差角とは、例えば乗用移動体に乗車したユーザが視認・融像できる範囲に選定されていることが望ましい。なお、この実施の形態の場合、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bにおける左画面側端部Se1および右画面側端部Se2間の視差角の差は、例えば0.5度以上に選定されている。
このようにしてナビゲーション装置31では、地図画像12bが2次元画像により構成されているものの、右折誘導経路Lbが表示された地図画像12bを表示部3の画面に表示する際、駆動部35によって表示部3を回動することにより、右折誘導経路Lbの進行方向末端LEが表示された右画面側端部Se2を、地図画像12b内でユーザから最も離間した奥行方向z1の位置に視認させ得る。これにより、ナビゲーション装置31では、融像性の姿勢制御に伴い、奥行感を与えた右折誘導経路Lbが表示された画面右方向x2へユーザUsの重心Cの移動を促し、右折誘導経路Lbに従ったユーザUsの重心移動により誘導経路Lに沿った運転を行わせることができる。
以上の構成において、このナビゲーション装置31でも、上述したナビゲーション装置1と同様に、ユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体に搭載させた際、ユーザUsが地図画像12a,12bを視認するだけで、ユーザUsの重心移動に依存して、乗用移動体を誘導経路Lに沿って進める運転操作を行わせることができるので、その分、表示部3の誘導経路Lに沿ってユーザUsを目的地まで誘導している際に、ユーザUsの操作負担を軽減し得る。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施の形態においては、道路Rd1,Rd2やランドマークMa,Mbを真上から見た地図画像12a,12bを適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、道路Rd1,Rd2やランドマークMa,Mbを斜め上方から見た鳥瞰図でなる地図画像を適用してもよい。
また、上述した実施の形態においては、2次元画像のデプス値を修正したスロープ型機能性デプスマップを生成し、当該スロープ型機能性デプスマップに基づいて所定の視差角の地図画像12a,12bを生成した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、デプス値を修正することなく、単に地図画像内の道路やランドマークを切り抜き、これら道路やランドマーク等を左眼用および右眼用に適宜シフトさせた左眼用画像および右眼用画像を生成し、左眼用画像および右眼用画像に基づいて立体的な表示を実現した地図画像12a,12bを適用してもよい。
また、上述した実施の形態においては、例えば、図3Aに示すように、両眼視差により、地図画像12a全体をユーザから離間した奥行方向z1に視認させ、そのうち左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1を最もユーザUsから離間した奥行方向の位置に視認させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、両眼視差によって、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1を表示部3の画面位置よりも奥行方向z1に視認させ、左折誘導経路Laの進行方向逆側の右画面側端部Se2を表示部3の画面位置よりも手前方向z2に視認され得るように視差角を調整してもよい。
また、地図画像12aにおける視差角の緩やかな変化については、例えば、表示部3の画面中心位置から、左折誘導経路Laが表示されていない右画面側端部Se2までを一定の視差角としつつ、当該表示部3の画面中心位置から、左折誘導経路Laの進行方向末端LEが表示された左画面側端部Se1までの間で視差角が緩やかに大きくなるように変化するように選定するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、地図画像内で画面上方向に向かう誘導経路が画面右方向または画面左方向へ進行方向を変えた右左折誘導経路として、誘導経路が画面右方向x2または画面左方向x1へ向けて直角に進行方向を変えた右左折誘導経路(左折誘導経路Laおよび右折誘導経路Lb)について述べたが、本発明はこれに限らず、地図画像内で画面上方向に向かう誘導経路が、画面右方向または画面左方向へ向けてなだらかに進行方向を変えた右左折誘導経路を適用してもよく、また、十字路やY字路、T字路等の2以上の道路が交わる種々の交差点で変化する右左折誘導経路に適用してもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、地図画像12a,12b内に表示された左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lbの進行方向末端LE側を、ユーザUsに対して両眼視差により、左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lbの進行方向逆側よりもユーザUsから離間した位置に視認させるようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、地図画像内に表示された直進した誘導経路の進行方向末端側(すなわち、画面上方向y側)を、ユーザUsに対して両眼視差により、誘導経路の進行方向逆側(すなわち、画面下方向側)よりもユーザUsから離間した位置に視認させるようにしてもよい。
なお、このように、直進する誘導経路の進行方向末端側がある画面上方向y側を、ユーザUsに対して両眼視差により、誘導経路の進行方向逆側がある画面下方向側よりもユーザUsから離間した位置に視認させる場合のスロープ型機能性デプスマップは、画面上方向にある画面側端部側の各画素が最も暗く、画面下方向にある画面側端部側の各画素が最も明るくなり、画面上方向から画面下方向へ向かうに従って次第に暗から明にグラデーション的に変化するデプス値が選定され得る。
また、その他の実施の形態としては、例えば地図画像の中心部を跨いで対向する2つの画面角部において、ユーザUsに対し両眼視差により、誘導経路の進行方向逆側となる一方の画面角部から、誘導経路の進行方向となる他方の画面角部に向けて画面斜め方向にユーザUsから次第に離間するように視認させ、誘導経路の進行方向となる一方の画面角部に奥行感を与えるようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態においては、ナビゲーション装置を搭載させる乗用移動体として、パーソナルモビリティのようにユーザUsが重心Cを移動させた方向に移動する乗用移動体を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、自動車や自動二輪車等の一般車両を適用してもよい。
このように自動車や自動二輪車等の一般車両にナビゲーション装置1,31を搭載した場合には、座席に設けた重心移動検知装置によってユーザの重心移動を検知し、これに応じて右左折を外部に通知するウインカーの点滅動作や、ヘッドランプの方向の変更動作等を自動的に行うようにしてもよい。
具体的には、地図画像12a,12b内に表示された誘導経路(左折誘導経路Laまたは右折誘導経路Lb)Lの進行方向末端LE側を、ユーザに対して両眼視差により、誘導経路Lの進行方向逆側よりもユーザから離間した位置に視認させ、融像性の姿勢制御に伴い、誘導経路Lの進行方向末端LE側に向けてユーザUsの重心Cを移動させ、座席に設けた重心移動検知装置によってユーザの重心移動を検知する。ウインカーは、重心移動検知装置の検知結果に基づいて右左折するであろう方向が重心移動した方向であると認識し、重心の移動方向側のウインカーを自動的に点滅し得る。このようにナビゲーション装置1,31を視認させることによって生じるユーザの重心移動を利用することで、ウインカーの点滅操作を不要とし、その分、表示部3の誘導経路Lに沿ってユーザを目的地まで誘導している際に、ユーザUsに対する操作負担を軽減し得る。
また、ヘッドライトでも、重心移動検知装置の検知結果に基づいて右左折するであろう方向が重心移動した方向であると認識させ、重心の移動方向側に自動的にヘッドライトの方向を向けさせるようにしてもよい。このようにナビゲーション装置1,31を視認させることによって生じるユーザの重心移動を利用することで、ヘッドライトの方向操作を不要とし、その分、表示部3の誘導経路Lに沿ってユーザを目的地まで誘導している際に、ユーザUsに対する操作負担を軽減し得る。
さらに、上述した実施の形態においては、予めROMや記憶部4に格納されたナビゲーション制御プログラムにしたがって地図画像12a,12bを呈示するナビゲーション制御処理を実行するようにした場合について説明したが、本発明はこれに限らず、ナビゲーション制御プログラムをCD−ROM、DVD、半導体メモリ等のリムーバブルメディア経由でインストールしたうえでナビゲーション制御処理を実行したり、インターネット経由でナビゲーション処理プログラムを格納したうえで、ナビゲーション制御処理を実行するようにしてもよい。
1、31 ナビゲーション装置
2 制御部(誘導経路特定部、表示制御部)
3 表示部
8 画像処理部(視差角変更部)
12a,12b 地図画像
35 駆動部(視差角変更部)
L 誘導経路
La 左折誘導経路(誘導経路、右左折誘導経路)
Lb 右折誘導経路(誘導経路、右左折誘導経路)
LE 進行方向末端
Se1 左画面側端部(画面側端部)
Se2 右画面側端部(画面側端部)
2 制御部(誘導経路特定部、表示制御部)
3 表示部
8 画像処理部(視差角変更部)
12a,12b 地図画像
35 駆動部(視差角変更部)
L 誘導経路
La 左折誘導経路(誘導経路、右左折誘導経路)
Lb 右折誘導経路(誘導経路、右左折誘導経路)
LE 進行方向末端
Se1 左画面側端部(画面側端部)
Se2 右画面側端部(画面側端部)
Claims (6)
- 地図データに基づいて現在位置を示す地図画像を画面に表示する表示部と、
自車の現在位置から目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し、探索結果を基に前記自車の現在位置から前記目的地までの誘導経路を前記地図画像上に表示する誘導経路特定部と、
前記地図画像内での前記自車の進行方向が前記表示部の画面上方向になるように前記地図画像を表示させる表示制御部と、
前記地図画像内に表示された前記誘導経路の進行方向末端側を、ユーザに対して両眼視差により、前記誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる視差角変更部と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。 - 前記視差角変更部は、前記地図画像内で画面上方向に向かう前記誘導経路が画面右方向または画面左方向へ進行方向を変えた右左折誘導経路が表示された際、前記ユーザに対して両眼視差により、前記右左折誘導経路の進行方向末端側を、前記右左折誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。 - 前記視差角変更部は、前記地図画像を画像処理により立体的に表示させることにより、前記ユーザに対して両眼視差により、前記誘導経路の進行方向末端側を、前記誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる画像処理部である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。 - 前記視差角変更部は、前記表示部を移動させて画面を傾斜させることにより、前記ユーザに対して両眼視差により、前記誘導経路の進行方向末端側を、前記誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる駆動部である
ことを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。 - 前記誘導経路の進行方向末端が表示される一の画面側端部の視差角が、前記誘導経路の進行方向逆側にある他の画面側端部の視差角よりも大きく選定されており、該視差角が前記一の画面側端部から前記他の画面側端部に向かって緩やかに変化している
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。 - 地図データに基づいて現在位置を示す地図画像を表示部に画面に表示するナビゲーション装置に対して、
誘導経路特定部によって自車の現在位置から目的地までの案内経路を前記地図データに基づいて探索し、探索結果を基に前記自車の現在位置から前記目的地までの誘導経路を前記地図画像上に表示する誘導経路特定ステップと、
前記地図画像内での前記自車の進行方向が前記表示部の画面上方向になるように前記地図画像を表示させ、視差角変更部によって、前記地図画像内に表示された前記誘導経路の進行方向末端側を、ユーザに対して両眼視差により、前記誘導経路の進行方向逆側よりも前記ユーザから離間した位置に視認させる視差角変更ステップとを実行させる
ことを特徴とするナビゲーション制御プログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119073A JP2017003486A (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | ナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015119073A JP2017003486A (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | ナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017003486A true JP2017003486A (ja) | 2017-01-05 |
Family
ID=57754118
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015119073A Pending JP2017003486A (ja) | 2015-06-12 | 2015-06-12 | ナビゲーション装置およびナビゲーション制御プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017003486A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7427702B2 (ja) | 2022-03-31 | 2024-02-05 | 本田技研工業株式会社 | 報知装置 |
-
2015
- 2015-06-12 JP JP2015119073A patent/JP2017003486A/ja active Pending
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