JP2005201635A - 車両用ナビゲーションシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】 ドライバのわき見を低減し、ナビが案内している経路をドライバが勘違いすることがない車両用ナビゲーションシステムを提供する。
【解決手段】 車両の現在位置を検出する車両検出手段と、三次元的な地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、車両検出手段によって検出された車両位置と、ドライバの目の位置に基づいて、ドライバの見ている運転席前方の道路と一致するように三次元地図情報を計算する三次元地図情報計算手段と、設定された目的地への推奨ルートをドライバに示して、車両を目的地まで誘導する経路誘導手段と、三次元地図情報に基づいて、推奨ルートをドライバに運転席前方の道路上に重なって見えるように車両フロントガラスに表示する表示手段とを有する。ドライバの目の位置に基づいて、地図情報を計算することで、実際の道路に重なって見えるように推奨ルートを表示することができる。
【選択図】図1



Description

本発明は、車両用ナビゲーションシステムに関する。
自動車等の車両内に設置し、現在位置を表示し、目的地までの経路を表示するナビゲーションシステムが知られている。車両の走行に伴ってGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等により現在位置を検出し、その現在位置を表示装置上に道路地図と共に表示して、現在地から目的地までの適切な経路を設定し、表示装置や音声出力装置などによって案内する車両用ナビゲーション装置は、運転者の効率的で安全な運転に貢献している。この装置によって、道に迷うことが少なくなり、快適な運転をすることができる。
しかし現在市販されているカーナビゲーションのほとんどは、コンソールパネルに設置されているため、走行中にドライバがナビゲーションを見ようとした場合、前方を注視しない時間が発生し危険である。この対策として、フロントガラスの一部(特にドライバ側)にナビの情報を表示する技術が開示されている(特許文献1)。これによれば、目線の動きが軽減され、前方を注視しない時間は減少する。しかしながら、依然ナビを見ている間は、前方を見ていない状態であり、危険が伴う。
一方、現在のナビのほとんどは地図データが2次元であるため、実際の道路との対応が困難な場合がある。この対策として表示方法を3次元にする方法がある。さらにカメラにより実写映像を取り込み、そこに直接経路案内を表示する技術(特許文献2)も開示されている。
特開2000−203309号公報 特開平11−108684号公報
しかしながら前者の場合、2次元よりも若干分かりやすくはなるが、やはり実際とは異なるため勘違いする可能性が残るという問題がある。また後者の場合は実写映像に直接表示するため経路の勘違いは低減されるが、カメラという新たな設備が必要となりコストアップの要因となる問題がある。カメラより取り込んだ映像を解析し、ナビが所有する地図データと整合を取る必要もあり、これもコストアップの要因となる。
そこで本発明の課題は、ドライバのわき見を低減し、ナビが案内している経路をドライバが勘違いすることがない車両用ナビゲーションシステムを提供することである。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記課題を解決するための本発明のナビゲーションシステムは、
車両の現在位置を検出する車両検出手段と、
三次元的な地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
車両検出手段によって検出された車両位置と、ドライバの目の位置に基づいて、ドライバの見ている運転席前方の道路と一致するように三次元地図情報を計算する三次元地図情報計算手段と、
設定された目的地への推奨ルートをドライバに示して、車両を目的地まで誘導する経路誘導手段と、
三次元地図情報に基づいて、推奨ルートをドライバに運転席前方の道路上に重なって見えるように車両フロントガラスに表示する表示手段と、
を有することを特徴とする。
車両検出手段によって車両の現在位置を検出することができる。そしてドライバの目の位置が車両内のどの位置にあるかを設定しておけば、車両の現在位置から、ドライバの目の三次元的な位置を計算することができる。そして三次元的な道路の情報(建物などの情報を含んでもよい)を三次元地図情報手段に記憶しておくことで、その三次元地図情報とドライバの目の位置からドライバの見ている前方の道路状態(ドライバからの道路の見え方)を計算することができる。そしてドライバからの道路の見え方を計算して求めることで、ドライバが設定した目的地への推奨ルートを、車両のフロントガラスに、実際の道路上に重なって見えるように表示することができる。従来のようにナビゲーション装置の表示部が、コンソールパネルに設置されていた場合、ドライバが運転中にナビゲーション装置を注視し、前方を見ていない空白時間が生じ危険であったが、上記構成によれば、フロントガラス上に推奨ルートが表示されるため、前方を見ていない空白時間がなくなり、危険を生じることがなくなる。さらにドライバには、実際の道路上に推奨ルートが示されているように見えるため、進路が分かり易く、道を間違えることがなくなる。
ドライバの見ている道路に重なるようにフロントガラスに推奨ルートを表示するために、予めドライバの目の位置を設定しておく方法以外に、以下のようにすることもできる。すなわち、ドライバの目の位置を三次元的に記憶するドライバ目線位置記憶手段を有し、ドライバ目線位置記憶手段によって記憶されたドライバの目の位置に基づいて、車両フロントガラスに表示するべき三次元地図情報を計算する。そしてドライバ目線位置記憶手段は、例えば、ドライバの眼部に装着することによって、ドライバの目の三次元的な位置を検出し記憶するものである。あるいは、ドライバ目線位置記憶手段は、車両フロントガラスに表示された三次元地図情報を前方の道路上に重なって見えるようにドライバによる操作によって位置を移動させられる操作部を有するものであってもよい。ドライバの目線位置を決める方法は、これら以外の方法であってもよい。
また表示手段によって、車両フロントガラスに、推奨ルートとともに三次元地図情報を運転席前方の道路上に重なって見えるように表示してもよい。三次元地図情報とは、道路や建物などの景色などの情報を意味する。すなわち、ドライバから見える実際の道路に一致するようにフロントガラス上に地図情報としての道路を表示する。さらに建物などの地図情報も予め記憶させておき、三次元地図情報計算手段によってドライバの見ている景色と一致するように表示させることもできる。このように道路や景色なども、ドライバの見ている実際の風景に一致するようにフロントガラスに表示することで、ドライバは推奨進路をよりはっきりと認識することができる。これにより道を誤ることがほとんどなくなる。
そして表示手段は、車両のフロントガラスの内面にまたは手前に配置されて、半透明状態で推奨ルートまたは地図情報を表示するスクリーン部と、スクリーン部に投写を行うプロジェクタとを含む。この表示手段により、三次元地図情報をプロジェクタによりスクリーン部へ投写し、スクリーン部で半透明状態で表示することができる。ここで半透明状態とは、スクリーン部に映し出されたナビゲーション情報に、フロントガラス(スクリーン部)外部の実際の道路や景色が透けて見える状態を指す。そしてスクリーン部に表示する推奨ルートまたは地図情報の表示色の濃度を変化することができるようにしてもよい。スクリーン部の表示色の濃淡が変化させられることによって、ドライバにとって推奨ルートや地図情報と、実際の道路との両方がよく見えるようにすることができる。
推奨ルートとして、前方の道路上に進行方向を指示する方向指示記号が描かれているかのように見えるように、車両フロントガラスに方向指示記号を表示する。方向指示記号とは、例えば、矢印であり、矢印の向きによって進路方向を示す。あるいは、推奨ルートとして、前方の道路が進行方向を指示するため着色されているかのように見えるように、車両フロントガラスに表示された進行するべき道路を着色して表示する。着色されたように見える道路上を進むことによって、目的地に到達することができる。このように矢印などの方向指示記号が描かれているように見えたり、着色されているように見えたりすることにより、ドライバは、推奨経路を間違えることなく、目的地に到達することができる。
以下図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。まず図1に本発明の車両用ナビゲーションシステムの構成図を示す。車両用ナビゲーション装置本体部100は、車両の現在位置を検出するための位置検出器1、本装置に道路等の地理的情報を入力するための地図データ入力装置6、本装置を操作するための操作スイッチ群7、搭乗者に音声で知らせる音声出力装置9、情報を記録する外部メモリ10、リモートコントロール(以下リモコンと称する)センサ12、音声認識ユニット14、これらに接続された制御装置8を備える。さらに制御装置8には、ドライバの目線位置を記憶するドライバ目線位置記憶装置15、推奨ルートや地図情報を投写するプロジェクタ17、スクリーン部の電圧を制御する電圧制御部16が接続され、電圧制御部16は、スクリーン部18に接続されている。プロジェクタ17によって投写された情報は、スクリーン部18にて表示され、ドライバによって知覚される。
位置検出器1は、絶対方位(基準方位)を検出するために地磁気を検出する地磁気センサ2、ジャイロスコープ3、距離センサ4、GPS受信機5を備えている。地磁気センサ2は、地磁気を検出する。この検出結果に基づいて方位を計測することができる。すなわち地球磁場を検出することにより、移動体(自動車等)の絶対方位を計測する。ジャイロスコープ3は、移動体の方位変化量(回転角速度)を検出する。GPS(Global Positioning System)受信機5は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を検出する。これらのセンサ等は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成されている。なお、精度によっては前述したうちの一部センサで構成してもよく、さらに、ステアリングの回転センサや各転動輪の車輪センサ等を用いてもよい。
地図データ入力器6は、位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ,地図データを含む各種データを入力するための装置である。媒体としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード,ハードディスク等の大容量の記憶媒体を用いてもよい。
操作スイッチ群7は、例えばタッチスイッチもしくはメカニカルなスイッチ等が用いられる。タッチスイッチは、スクリーン部18の画面上に縦横に微細に配置された赤外線センサより構成されており、例えば指やタッチペンなどでその赤外線を遮断すると、その遮断した位置が2次元座標値(X,Y)として検出される。これら操作スイッチ群7によって、種々の指示を入力することが可能である。
また、外部メモリ10には、本ナビゲーション装置の動作に必要な情報およびデータが記憶されている。なお、外部メモリ10は、車両のアクセサリスイッチがオフ状態(即ち、ナビゲーション装置がオフ状態)になっても、記憶内容が保持されるようになっている。
そして、音声認識ユニット14は、利用者が音声を入力することによって、操作スイッチ群あるいはリモコンを操作したときと同様に目的地などを指示することができるようにするための装置である。
なお制御回路8は通常のコンピュータとして構成されており、図2に示すように、周知のCPU81,ROM82,RAM83,入出力回路であるI/O84およびこれらの構成を接続するバスライン85が備えられている。CPU81は、ROM82およびRAM83に記憶されたプログラムおよびデータにより制御を行なう。ROM82は、プログラム格納領域82aとデータ記憶領域82bとを有している。プログラム格納領域82aにはナビゲーションプログラム(以下、ナビプログラムと称する)が格納される。データ記憶領域82bにはナビプログラムの動作に必要なデータが格納されている。三次元地図情報もここに記憶される。また、ナビプログラムは、RAM83上にてワークメモリ83wを作業領域とする形で作動する。なお、地図データ入力器6にHDDを用いる場合は、ROM82およびRAM83の機能をHDDによって実施してもよい。その場合、三次元地図情報もHDDによって記憶されることになる。
このような構成を持つことにより、本ナビゲーション装置は、制御回路8のCPU81によりナビプログラムが起動され、運転者が操作スイッチ群7を操作して、目的地を入力すると、GPS受信機5から得られる衛星のデータに基づき車両の現在地が求められ、現在地から目的地までの最適な経路を求める処理が行われる。そして、スクリーン部18上の道路地図に誘導経路を重ねて表示し、運転者に適切な経路を案内する。また、スクリーン部18および音声出力装置9のスピーカによって、操作時のガイダンスや動作状態に応じたメッセージの送出、信号情報の報知などを行なう。
表示手段としての車両用ヘッドアップディスプレイは、プロジェクタ17、スクリーン部18、および電圧制御部16などから構成され、制御回路8に接続されている。プロジェクタ17は、制御回路8からの信号により、地図情報や推奨ルートなどをスクリーン部18へ投写する。
スクリーン部18は、車両のフロントガラス内部に形成されている。図3(a)にフロントガラス42の断面図を示す。図のように、このスクリーン部44は、光透過率可変ガラスが通常のフロントガラス用ガラス43によって、挟まれた構造である。光透過率可変ガラスは、その内部に、導電剤を添加したネマティック液晶層を有する。この導電剤を添加したネマティック液晶は、電圧制御部により電圧を印加すると透明状態から白濁化する。図3(b)に示すようにフロントガラスの上部に上部電極45が、下部に下部電極46が設置されており、電圧を印加することができる。この電極45,46によってネマティック液晶層に電圧を印加することにより、ネマティック液晶層を白濁化させ、地図情報をフロントガラス42上に表示することができる。電圧の印加の調整によって、表示される地図情報や推奨ルートなどの濃淡を変化させることができる。半透明の状態で、地図情報を表示させるため、フロントガラス42上に表示された道路や建物などの情報を通して、実際の道路等を見ることができる。
図4において車両に設置されたナビゲーションシステムについて説明する。(a)に示すように、ナビゲーション装置本体部100、GPSにより現在位置を検出するためのアンテナ25、ドライバ50の目の位置を検出し記憶するためのドライバ目線位置記憶手段としてのゴーグル15が備えられている。ナビゲーション装置本体部100は、図1において説明したものである。アンテナ25により、車の現在位置を検出する。またナビゲーション装置本体部100に接続されたゴーグル15は、ドライバの目線位置を検出し記憶するものである。ゴーグル15は、(b)に示すような形状で、ナビゲーション装置本体部100と接続されている。
運転席に着席したドライバ50は、ナビゲーションシステムを使用する際に、目線(目の位置)を決定するためにゴーグル15を装着する。ゴーグル15は、位置検出可能でかつ送信機能を備えている。ゴーグル15はドライバの目線情報をナビゲーション装置本体部100の制御装置8へ送信する。情報の送信が終了すればゴーグルは外してよい。またゴーグルには送信機能のみで、位置検出機能は、ナビゲーション装置本体部100に有するようにしてもよい。なおドライバの目の位置の検出は、ゴーグルを使用する方法に限られない。
またナビゲーション装置は、アンテナ25とフロントガラス42の位置情報、及び車両41の外形情報を把握している。具体的には、ナビゲーション装置は、アンテナ25の車両41側面からの位置、前面からの位置、高さの位置情報を(A1,A2,A3)と把握している。またゴーグル15の装着により、ドライバ50の目の位置を、同様に、車両側面からの位置、前面からの位置、高さの位置情報を(D1,D2,D3)として、ナビゲーション装置は把握する。これよりナビゲーション装置は、アンテナ25とドライバ50の目線、さらにフロントガラス42の相対的な位置関係をデータとして持つことになる。
図5において、それぞれの位置関係を説明する。運転を開始すると、ナビゲーション装置はGPSを用いてアンテナ25の位置(A1,A2,A3)を検出する。さらにナビゲーション装置は、車両内におけるドライバ50の目線(D1,D2,D3)を検出し、アンテナ25の位置(A1,A2,A3)とドライバ50の目線位置(D1,D2,D3)との相対的な関係から、地図情報上のドライバの目の位置(D1’,D2’,D3’)を特定することができる。ナビゲーション装置本体部100に記憶された地図情報は、三次元の地図情報を有し、この目線情報を、地図情報に反映することで、ナビゲーション装置はドライバ50がフロントガラス42を通して見ている外部の景色と地図データを関連づけ、フロントガラス42のどこに何が映っているかドライバ50の視線で表示することができる。
さらに具体的に説明すると、ドライバ50の目線位置(D1’,D2’,D3’)と、地図情報として表示する位置(N1,N2,N3)とナビゲーション装置に記録されたフロントガラス42の位置から、ドライバ50の目線位置(D1’,D2’,D3’)と、地図情報として表示する位置(N1,N2,N3)を直線で結んだフロントガラス42との交点(Xn,Yn,Zn)を計算手段によって、計算する。同様にドライバの目線位置(D1’,D2’,D3’)と、地図情報として表示する位置(N1’,N2’,N3’)とナビゲーション装置に記録されたフロントガラス42の位置から、ドライバ50の目線位置(D1’,D2’,D3’)と、地図情報として表示する位置(N1’,N2’,N3’)を直線で結んだフロントガラス42との交点(Xn’,Yn’,Zn’)を計算手段によって、計算する。そして表示したい交差点の情報(N1,N2,N3)と(N1’,N2’,N3’)をフロントガラス42上で(Xn,Yn,Zn)と(Xn’,Yn’,Zn’)として表示すれば、ドライバ50からは、フロントガラス42上に表示されたナビゲーション情報としての道路と、実際の外部の道路とが一致したように見える。このようにすることでドライバ50が見る道路や景色とナビゲーションの地図情報とを一致するようにフロントガラス42に表示することができる。
図6においてナビゲーション装置によるフロントガラス上の位置算出シーケンスを説明する。まずS1で、位置検出器により、車両の現在位置(A1,A2)を検出する。またA3は、アンテナの高さとして、ナビゲーション装置に予め設定されている。これにより、車の位置情報を得ることができる。そしてS2でドライバがゴーグルを装着することにより、ドライバの目線位置を検出する。これは車内におけるドライバの目の位置として(D1,D2,D3)を検出する。
次にS3で、車内におけるドライバの目線位置(D1,D2,D3)と、車両の現在位置(A1,A2,A3)から、地図上のドライバの目線位置(D1’,D2’,D3’)を計算する。S4で、地図情報上で、(D1’,D2’,D3’)と表示する地図情報(N1,N2,N3)とを直線で結び、S6で、その直線とフロントガラスとの交点(Xn,Yn,Zn)を求める。同様に他の表示点についても計算により、フロントガラス上の交点を計算する。この交点がフロントガラスに映す地図情報の位置を示す。このようにしてフロントガラスに表示する地図情報の位置を求めて、S7でフロントガラス上に表示する。
なお車両が走行すれば、車両の現在位置(A1,A2,A3)は、刻一刻と変化するため、S1から同様のステップによって、フロントガラス上に地図情報を表示する。ただしS2の車内におけるドライバの目線位置(D1,D2,D3)は、すでにナビゲーション装置に記録されているためスキップして、地図上のドライバの目線位置(D1’,D2’,D3’)を計算することができる。
図7にフロントガラスにおける表示の例を示す。フロントガラス42には、実際の道路と、一致するように地図情報が表示される。これは、車の現在位置と、ドライバの目の位置とから、記録された三次元地図情報を用いて、計算を行うことにより可能となる。またフロントガラス42の透過率が高いため、フロントガラス42に表示された地図情報を通して、実際の道路や景色を見ることができる。予め目的地をナビゲーション装置にインプットしておくと、ナビゲーション装置は、目的地に到達するように、車の進むべき進路を推奨ルートとして(a)に示すように、実際の道上にあたかも矢印が引かれているかのように、フロントガラス上に、矢印71を表示する。これにより、ドライバは、その矢印71による案内に従って運転を続ければよい。従来、コンソールパネルに設置されたナビゲーション装置が、進行経路を示していたが、これを確認するためにドライバは、前方を注視することができなくなっていた。しかし本発明のナビゲーション装置では、実際の道に矢印が引かれているかのように、矢印をフロントガラス上に表示することができるため、ドライバは、前方を見ながら運転していても、行くべき進路が分かる。したがって安全に間違えなく目的地に到達することができる。なおフロントガラスには、矢印71のみを表示して、道路を表示しない方法でもよいし、道路も表示する方法でもよい。矢印以外に点などによって進路を表示するようにしてもよい。
さらに図7(b)に示すように、フロントガラスの道路の進行経路72に、色を付けて表示するようにしてもよい。この着色された道路72に従って、運転することにより、目的地に到達することができる。このような3次元道路情報は、建物や景色の情報を必ずしも含まなくてもよい。道路の情報が三次元的に記録されていれば、ドライバの視点から見た道路情報をフロントガラスに表示することができる。道路を表示せずに、矢印や色による推奨ルートを表示するのみであってもよい。
図8,9により目線の合わせ方の他の実施例を説明する。まず図9にドライバ目線位置検出手段としてのジョイスティック115を示す。ジョイスティック115は、ナビゲーション装置本体部100に接続されている。ドライバが、ジョイスティック115を操作することにより、ジョイスティック115から制御装置8へ信号が伝達され、さらに制御装置8から、プロジェクタ17を経て、スクリーン部18へ信号が伝達される。
まず図8(a)に示すように、ナビゲーション装置は、GPSからの信号を元に、目前の三次元道路情報をフロントガラス42に表示する。しかしながら、ドライバから見る実際の道路74と、スクリーン部42に表示された道路73とは、若干ずれを生じている。そこでドライバが、ジョイスティック115を操作して、(b)に示すように、スクリーン部42に表示された道路情報73を実際に見える道路74と一致するように移動させる。この移動により、ナビゲーション装置が、ドライバの目線位置を把握することになる。そして目線の設定が終了すれば、以後ナビゲーション装置は、GPSによる車両の現在位置と、ドライバの目線位置から、ドライバが見ている道路に一致するように、道路情報をフロントガラス42に表示することができる。
さらにドライバ座席位置(図4(a)におけるD1,D2)を予めナビゲーション装置に記憶させておく方法を用いてもよい。そしてフロントガラス42に道路情報を表示させる。左右方向は、D1,D2によりほとんど一致する。道路の前後方向のずれを、車両を走行させ修正する。一致したところを目線位置として設定すれば、以後、ドライバの見る外観の道路と、フロントガラスに表示される道路情報は一致する。
ドライバの目の位置の設定方法は、上記の実施例に限られない。他の方法を用いてドライバの目の位置を設定し、ドライバの見ている道路とフロントガラスに表示される道路情報とが重なって見えるように表示するようにしてもよい。
本発明の一実施例としての車両用ナビゲーションシステムの全体構成を示すブロック図。 制御回路の構成を説明するための図。 フロントガラスの構造を説明する図。 車両内における設置形態を説明する図。 表示情報の位置関係を説明する図。 位置算出シークエンス。 推奨ルートの表示方法を説明する図。 操作部によってナビゲーションの道路情報と実際の道路とを一致させることを説明する図。 操作部の一例を説明する図。
符号の説明
1 位置検出器
8 制御装置
15 ドライバ目線検出器
41 車両
42 フロントガラス
100 ナビゲーション装置本体部

Claims (8)

  1. 車両の現在位置を検出する車両検出手段と、
    三次元的な地図情報を記憶する地図情報記憶手段と、
    前記車両検出手段によって検出された車両位置と、ドライバの目の位置に基づいて、ドライバの見ている運転席前方の道路と一致するように三次元地図情報を計算する三次元地図情報計算手段と、
    設定された目的地への推奨ルートを前記ドライバに示して、前記車両を目的地まで誘導する経路誘導手段と、
    前記三次元地図情報に基づいて、前記推奨ルートをドライバに運転席前方の前記道路上に重なって見えるように車両フロントガラスに表示する表示手段と、
    を有することを特徴とする車両用ナビゲーションシステム。
  2. 前記ドライバの目の位置を三次元的に記憶するドライバ目線位置記憶手段を有し、
    前記ドライバ目線位置記憶手段によって記憶されたドライバの目の位置に基づいて、前記三次元地図情報を計算する請求項1に記載の車両用ナビゲーションシステム。
  3. 前記ドライバ目線位置記憶手段は、ドライバの眼部に装着することによって、ドライバの目の三次元的な位置を検出し記憶するものである請求項2に記載の車両用ナビゲーションシステム。
  4. 前記ドライバ目線位置記憶手段は、前記車両フロントガラスに表示された前記三次元地図情報を前方の前記道路上に重なって見えるようにドライバによる操作によって位置を移動させられる操作部を有する請求項2に記載の車両用ナビゲーションシステム。
  5. 前記推奨ルートとともに、前記三次元地図情報を運転席前方の前記道路上に重なって見えるように表示する表示手段を有する請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーションシステム。
  6. 前記表示手段は、前記車両フロントガラスの内面にまたは手前に配置されて、半透明状態で前記推奨ルートまたは前記三次元地図情報の少なくとも一方を表示するスクリーン部と、
    前記スクリーン部に前記推奨ルートまたは前記三次元地図情報の少なくとも一方を投写するプロジェクタと、
    を含む請求項1ないし5のいずれか1項に記載の車両用ナビゲーションシステム。
  7. 前記推奨ルートとして、前方の道路上に進行方向を指示する方向指示記号が描かれているかのように見えるように、前記車両フロントガラスに前記方向指示記号を表示する請求項1ないし6に記載の車両用ナビゲーションシステム。
  8. 前記推奨ルートとして、前方の道路が進行方向を指示するため着色されているかのように見えるように、前記車両フロントガラスに表示された進行するべき道路を着色して表示する請求項1ないし6に記載の車両用ナビゲーションシステム。


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