JP2017003160A - 薄板ヒートパイプ型熱拡散板 - Google Patents

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Abstract

【課題】多量かつ迅速に熱を拡散させることのできる熱拡散板を提供する。
【解決手段】薄板型のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体が封入されている薄板ヒートパイプ型熱拡散板1であって、コンテナは、互いに接合された下板2と上板3とを有し、下板2と上板3との少なくともいずれか一方の板が他方の板に対向する面に、互いに交差して連通する複数本の溝4が形成され、複数本の溝4のうちの少なくともいずれか一本の溝に液相の作動流体が浸透することにより毛管力を発生するウイック5が配置されるとともに、ウイック5と他方の板との間に気相の作動流体が通過可能な通気性介在層8が挟み込まれている。
【選択図】図2

Description

本発明は、多機能携帯電話(スマートフォン)やタブレット型パソコンなどの携帯型の情報端末あるいは電子機器における発熱体である電子素子の熱を拡散させる用途に好適な薄板ヒートパイプ型の熱拡散板に関するものである。
携帯型の情報端末や電子機器では、情報処理量の増大に伴って発熱量が多くなっており、熱による動作不良や情報処理速度の低下などを防止するために、CPUなどの電子素子の温度上昇を抑制する必要性が高くなってきている。また一方で、携行性を良好にするために薄型化や小型化、さらには軽量化が求められている。
従来、この種の情報端末や電子機器における放熱や冷却のための手段が種々提案されており、例えば特許文献1には、集積回路の熱を拡散させる手段としてグラファイトシートを使用し、その熱を受け取る受熱手段としてバッテリを使用した携帯端末装置が記載されている。グラファイトシートはタッチパネルディスプレイの裏面に貼り付けられ、集積回路およびバッテリはそのグラファイトシートの下側に接触して配置されている。集積回路で発生した熱は、グラファイトシートに伝達されるとともにグラファイトシートの全体に拡散する。バッテリの熱容量が大きいことにより、グラファイトシートによって拡散させられた熱はバッテリに伝達されるので、集積回路の温度の上昇が抑制され、ヒートスポットが緩和される。
特開2014−22798号公報
特許文献1に記載された構成では、グラファイトシートによって集積回路の熱を拡散させるから、集積回路の近辺に熱が溜まったり、それに伴ってヒートスポットの温度が高くなったりすることを抑制することができる。しかしながら、グラファイトシートによる熱の拡散は、グラファイトシート自体の熱伝導によって行われるから、拡散することのできる熱量が必ずしも十分に多くはない。そのため、集積回路や電子素子などの高集積化や高容量化に伴って発熱量が増大している昨今の状況では、グラファイトシートによる熱拡散では十分でなく、新たな熱拡散のための技術を開発する余地が多分にある。
本発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、熱伝導率に優れ、しかも熱の拡散方向の制約や偏りが少なく、したがって携帯端末や携帯型電子機器などにおけるヒートスポットの抑制に好適な薄板ヒートパイプ型熱拡散板を提供することを目的とするものである。
本発明は、上記の目的を達成するために、薄板型のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体が封入されている薄板ヒートパイプ型熱拡散板において、前記コンテナは、互いに接合された上板と下板とを有し、前記上板と前記下板との少なくともいずれか一方の板が他方の板に対向する面に、互いに交差して連通する複数本の溝が形成され、前記複数本の溝のうちの少なくともいずれか一本の溝に液相の前記作動流体が浸透することにより毛管力を発生するウイックが配置されるとともに、前記ウイックと前記他方の板との間に気相の作動流体が通過可能な通気性介在層が挟み込まれていることを特徴とするものである。
本発明では、前記ウイックおよび前記通気性介在層は、前記溝の幅方向の中央部に前記溝の長手方向に沿って配置されて前記ウイックおよび前記通気性介在層を挟んだ両側に気相の作動流体が流通する蒸気流路が形成されていてよい。
本発明では、前記ウイックは、内部に多数の空孔を有する多孔質焼結体によって形成され、前記通気性介在層は、前記多孔質焼結体の前記空孔より大きいふるい目の開きの寸法のメッシュ材によって形成されていてよい。
本発明では、前記複数の溝のうちのいずれかの溝が環状に形成され、環状の前記溝の内部に配置された前記通気性介在層は、環状の前記溝の外周側の側壁面もしくは内周側の壁面に接触して位置決めされていてよい。
本発明では、前記複数の溝のうちのいずれかの溝はコーナ部が湾曲した角形状に形成され、角形状の前記溝の内部に配置された前記通気性介在層は、前記コーナ部における前記溝の外側の側壁面もしくは内側の側壁面に接触して位置決めされていてよい。
本発明では、前記通気性介在層は、前記通気性介在層が配置されている前記溝の内壁面に当接して前記通気性介在層の位置を決める位置決め用突起部を備えていてよい。
本発明では、前記コンテナは、薄い直方体状に形成され、前記複数の溝は、前記コンテナの長手方向に沿う縦溝と、前記縦溝に交差する横溝とを含み、前記ウイックと前記通気性介在層とは、前記縦溝の内部と、前記コンテナの長手方向における両端側に位置する前記横溝の内部とにのみ配置されていてよい。
本発明では、前記コンテナは、薄い直方体状に形成され、前記複数の溝は、前記コンテナの長手方向に沿う縦溝と、前記縦溝に交差する横溝とを含み、前記ウイックと前記通気性介在層とは、前記縦溝および前記横溝の内部に配置されていてよい。
本発明によれば、上板もしくは下板のいずれかの箇所に熱が伝達されて当該箇所の温度が高くなると、溝の内部に封入されている作動流体が蒸発する。その蒸気は溝の内部を通って、温度および圧力の低い箇所に向けて流動する。複数本の溝は互いに連通しているので、入熱のある箇所以外の広い範囲に作動流体蒸気が流動する。また、上板と下板とが接近するように薄板化しても、上板はウイックに直接接触せずに、ウイックとの間に通気性介在層を挟み込んだ状態となる。すなわち、ウイックと上板との間に通気路が形成されるので、ウイックが配置されている溝だけでなく、複数本の溝の全体が分断されることなく連通した状態になる。その結果、気相の作動流体の流動方向や流動位置の制約が少なくなることにより、熱の拡散性が良好になって広い範囲に亘って良好に熱拡散させることができる。温度および圧力の低い箇所に流動した作動流体蒸気は外部に放熱して凝縮し、その結果生じた液相作動流体はウイックに浸透する。ウイックのうち作動流体の蒸発が生じている箇所ではメニスカスの低下によって毛管力が生じており、その毛管力によって液相の作動流体は、外部からの入熱で作動流体の蒸発が生じている箇所に還流する。
本発明の一例を示す図であって、上板をの一部を除去した状態の平面図である。 図1のII−II線に沿う矢視拡大断面図である。 本発明の他の例を示す図であって、図2と同様の拡大断面図である。 通気性介在層を位置決めするための構造の他の例を示す、上板を取り去った状態の平面図である。 通気性介在層を位置決めするための構造の更に他の例を示す、上板を取り去った状態の平面図である。 横溝にもウイックおよび通気性介在層を配置した例を示す、上板を取り去った状態の平面図である。 横溝にもウイックおよび通気性介在層を配置した他の例を示す、上板を取り去った状態の平面図である。 横溝にもウイックおよび通気性介在層を配置した更に他の例を示す、上板を取り去った状態の平面図である。
図1は本発明の一実施例を示しており、ここに示す熱拡散板1は、平面視で矩形状をなす薄い直方体状(薄板状)に形成されている。熱拡散板1は、内部にヒートパイプ構造体を有しており、下板2と上板3とによって中空構造に構成されている。すなわち、下板2と上板3とによってヒートパイプ構造体のコンテナが構成されている。図2に断面図として示してあるように、下板2には溝4が形成されている。この溝4は、下板2にエッチング加工などの加工を施して形成してもよく、あるいは溝に相当する部分を貫通させた中間板を平板の上に接合して形成してもよい。
溝4は、複数本形成されており、図1に示す例では、ほぼ矩形環状の外周溝4aと、外周溝4aの内側に外周溝4aに交差して連通するとともに互いに交差して連通した複数の縦溝4bおよび横溝4cとから構成されている。なお、縦溝4bは、熱拡散板1の長手方向(図1の上下方向)に沿って形成された直線状の溝であり、横溝4cは縦溝4bにほぼ直交するように形成された溝である。したがって、外周溝4aのうちコンテナの長手方向の両端部に位置する部分は、横溝ということもでき、また幅方向の両端部に位置する部分は、縦溝ということもできる。なお、これらの溝4a,4b,4cは、断面形状がほぼ矩形であって、深さは同じである。各溝4a,4b,4cの幅は、等しくてもよく、あるいは異なっていてもよい。図1に示す例では、外周溝4aと縦溝4bとの幅は同一であり、これに対して横溝4cの幅は外周溝4aや縦溝4bの幅より狭くなっている。
外周溝4aと縦溝4bとの内部(すなわち縦溝4bと、コンテナの長手方向での両端部に位置する横溝との内部)には、ウイック5が配置されている。ウイック5は毛管力を発生させるための多孔質体であり、金属やセラミックなどの微粉末を焼結させた多孔質焼結体を用いることができる。ウイック5は、外周溝4aや縦溝4bの幅より狭い幅で、かつ外周溝4aや縦溝4bの深さより低い(薄い)形状をなしている。外周溝4aにおいては、外周溝4aの外側の側壁面6にウイック5が接触しており、これに対して縦溝4bにおいては、図2に拡大して示すように、縦溝4bの幅方向での中央部にウイック5が配置されている。ウイック5の幅は、外周溝4aおよび縦溝4bの幅よりも狭いから、いずれの溝4a,4bにおいても、それらの溝4a,4bの内部にウイック5に沿った空所が形成され、その空所が後述する作動流体蒸気の流路(以下、蒸気流路と記す)7が形成されている。なお、外周溝4aにおいては、ウイック5の片側に蒸気流路7が形成され、縦溝4bにおいてはウイック5を挟んだ両側に蒸気流路7が形成されている。
ウイック5の高さ(厚さ)が外周溝4aや縦溝4bの深さより小さいことにより生じる上板3との間のスペースに通気性介在層8が設けられている。通気性介在層8は、ウイック5が溝4あるいは蒸気流路7を分断することを避けるために設けたものであって、作動流体蒸気が流通できるように構成されている。例えば、ふるい目の開きの寸法が、ウイック5の内部に形成されている空孔より大きいメッシュ材によって通気性介在層8を構成することができる。また、通気性介在層8は、ウイック5の表面に設けられた支柱として機能する突起によって構成してもよい。なお、「ふるい目の開き寸法」とは、メッシュ材において粒子が通過する「ふるい目」の部分の内法もしくは内径であり、メッシュ材によって粒子を選別するとした場合には「ふるい目」を通過する粒子の最大径に相当する寸法を意味している。
メッシュ材からなる通気性介在層8は、ウイック5の上板3側の面を覆うように配置されている。したがって、通気性介在層8は、ウイック5の形状と同様に、外周溝4aと縦溝4bとによる格子形状をなしている。また、通気性介在層8は、ウイック5と上板3との間に挟み付けられて固定されていて、焼結などの接合手段は施されていない。その通気性介在層8の位置決めは、外周溝4aに嵌め込むことにより行われている。すなわち、通気性介在層8の外周側の輪郭は、外周溝4aの外周側の側壁面6が形作る輪郭形状と等しく、通気性介在層8は、その外周面を外周溝4aの側壁面6に接触させることにより、位置が決められている。なお、通気性介在層8は、その全体が一体に形成されているから、縦溝4bの内部においても、縦溝4bの幅方向でのほぼ中央部に位置するように位置決めされる。
下板2に上板3が接合されて溝4が密閉されている。その状態で前記通気性介在層8は上板3とウイック5との間に挟み付けられて固定されている。上板3によって密閉された溝4の内部には、空気などの非凝縮性ガスを排気した状態で、作動流体(図示せず)が封入されている。作動流体は、蒸発することにより潜熱の形で熱を輸送する熱輸送媒体であり、熱拡散板1の使用温度範囲で蒸発および凝縮する流体が採用される。具体的には、水が一般的であり、それ以外にアルコールなどを使用することも可能である。作動流体として水を使用する場合、下板2や上板3は、作動流体の濡れ性や耐食性あるいは気密性などを考慮して銅板によって形成することが好ましく、さらに強度や剛性を考慮すれば、銅板とステンレス板とを積層したクラッド材によって形成することが好ましい。また、下板2と上板3とは、銀などを使用した拡散接合によって接合することができる。さらに、作動流体を封入するには、前述した溝4に連通したノズルを設けておき、そのノズルから溝4の内部に液相の作動流体を注入し、その状態で作動流体を加熱して蒸発させることにより、蒸気と共に空気などの非凝縮性ガスを排出し、その後、ノズルを押し潰すとともに溶接して密封すればよい。
上板3によって閉じられている溝4は、上記のように非凝縮性ガスが脱気された状態で作動流体が封入されているから、ヒートパイプ構成体となっている。したがって、上記の熱拡散板1の一部を演算素子などの発熱体に接触させると、作動流体が加熱されて蒸発する。作動流体蒸気は、前述した蒸気流路7を通って、温度および圧力の低い箇所に流動する。蒸気流路7はウイック5に沿って形成されているとしても、ウイック5によって分断されずに、前記通気性介在層8によって連通されている。例えば、前述した各横溝4cは、縦溝4bに交差し、その交差部には縦溝4bと直交する方向にウイック5が配置されているが、そのウイック5と上板3との間には、作動流体蒸気が流通できる通気性介在層8が設けられているので、縦溝4bを挟んだ左右の横溝4cは通気性介在層8によって連通した状態になる。そのため、作動流体蒸気はウイック5を横切って流動することが可能であるから、流動方向や経路などの制約を特に受けることなく、温度および圧力の低い箇所に向けて迅速に流動する。そして、作動流体蒸気は、温度の低い箇所で放熱して凝縮する。このようにして発熱体の熱は、熱拡散板1の全体に、作動流体によって運ばれて拡散させられる。このような熱拡散は、作動流体がその潜熱として熱を輸送することにより行われるから、単なる熱伝導によるよりも多量の熱を拡散させることができ、したがって発熱体の発熱量が多くても、ヒートスポットの温度を下げることができる。特に、上記の熱拡散板1では、前記通気性介在層8を設けたことにより作動流体蒸気の流動の制約が少なくなって、熱拡散を促進できるから、ヒートスポットの温度を更に効果的に低下させることができる。
凝縮した作動流体は、ウイック5に浸透する。作動流体が蒸発する箇所では、ウイック5の空孔部分で生じているメニスカスが低下することにより毛管力が増大し、液相の作動流体を吸引する作用が生じる。凝縮した作動流体はこの毛管力によって蒸発の生じる箇所に還流する。液相の作動流体は、このようにウイック5の内部を通って還流し、そのウイック5と上板3との間には作動流体蒸気の流通できるスペースが通気性介在層8によって確保されているから、作動流体蒸気が前述した凝縮の生じる箇所に流通し、拡散することが阻害されることがない。ウイック5を介して還流した液相の作動流体は、前述した発熱体から熱を受けて再度蒸発し、その蒸発潜熱の形で熱を輸送し、熱拡散板1の全体に熱を拡散させる。このように本発明に係る熱拡散板1は、作動流体の潜熱の形で熱を輸送して広い範囲に拡散させることに加え、作動流体蒸気の流動がウイック5によって阻害もしくは抑制されることがないので、多量の熱を迅速に広い範囲に拡散させることができる。電子部品などの集積度が高く、また情報処理量が多い携帯端末などの情報機器に使用した場合には、電子部品などの発熱によるヒートスポットを抑制し、その温度を低下させることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されないのであり、例えば溝4の形状は図3に示す形状としてもよい。図3は、ウイック5が配置されている縦溝4bの例を示しており、幅方向の中央部に凹部9が形成され、その凹部9にウイック5が嵌め込まれている。通気性介在層8はその凹部9より上側に配置されており、その通気性介在層8を挟んだ両側の空間部分が蒸気流路7となっている。本発明における「ウイックおよび前記通気性介在層を挟んだ両側に気相の作動流体が流通する蒸気流路が形成されている」構成は、図3に示す構成を含んでいる。
また、本発明における通気性介在層8の位置決めのための手段は、通気性介在層8の外周部の一部に形成した突起部であってもよい。その例を図4および図5に示してある。図4に示す例は、通気性介在層8の四つのコーナ部に外側に突き出た突起部8aを設けた例である。複数の溝のうちの一つの溝である前記外周溝4aは、コーナ部が湾曲した角形状をなしており、突起部8aが外周溝4aのコーナ部の内面に突き当たることにより、通気性介在層8が対角線方向に拘束されて位置決めされ、かつ固定されている。図5に示す例は、通気性介在層8の四辺の中央部に外側に突き出た突起部8aを設けた例である。この突起部8aが外周溝4aにおける四辺の中央部内面に突き当たることにより、通気性介在層8が前記縦溝4bと平行な方向および横溝4cと平行な方向に拘束されて位置決めされ、かつ固定されている。
通気性介在層8を位置決めかつ固定する図1、図4、図5に示す構造のうち、図1に示す構造では、通気性介在層8が溝4aの側壁面に接触する面積が最も広くなるので、通気性介在層8の固定強度が高く、熱拡散板1に外力が作用した場合に通気性介在層8の位置がずれることを確実に防止することができる。また、図4や図5に示す構造では、図1に示す構造と比較して、通気性介在層8と溝4aの側壁面との接触面積が少なくなる分、蒸気流路7を広くすることができる。なお、図4に示す構造と図5に示す構造とでは、通気性介在層8が外周溝4aの側壁面に接触している位置が異なっていることにより、作動流体蒸気の流動の仕方が異なる。また、熱拡散板1に対する発熱体の接触位置(熱拡散板1の加熱部の位置)に応じて、作動流体蒸気の流動の仕方が異なる。したがって、図4に示す構造と図5に示す構造とは、加熱部の位置に応じた作動流体蒸気の流動の円滑さに基づいて選択すればよい。
なお、通気性介在層8はその全体が繋がった一体構造になっているので、溝4a,4b,4cの内部に位置決めして固定する場合、前述したように、通気性介在層8の外周側の部分を外周溝4aの側壁面6に接触させる替わりに、通気性介在層8の内周側の部分をいずれかの溝4a,4b,4cの内周側の側壁面に接触させて、通気性介在層8を位置決めかつ固定することとしてもよい。
さらに、本発明においは、ウイック5を全ての溝4の内部に配置し、かつそれら全てのウイック5同士を連通させ、あるいは一体に形成してもよい。その場合、全てのウイック5と上板3との間の全体に通気性介在層8を配置する。図6ないし図8はその例を示しており、図6に示す例は、前述した図1に示す構成において、横溝4cにウイック5および通気性介在層8を配置した例である。図7に示す例は、前述した図4に示す構成において、横溝4cにウイック5および通気性介在層8を配置した例である。図8に示す例は、前述した図5に示す構成において、横溝4cにウイック5および通気性介在層8を配置した例である。
上述した図1、図4、図5に示す構成では、外周溝4aと縦溝4bとにウイック5が配置されていて、熱拡散板1の長手方向における熱の輸送が促進される。したがって、これら図1、図4、図5に示す構造の熱拡散板1は、加熱部が熱拡散板1の長手方向に位置する場合、すなわち熱拡散板1の長手方向に熱を拡散させる場合に好適である。これに対して、図6ないし図8に示す構造では、横溝4cに配置したウイック5によって、熱拡散板1の幅方向にも熱の拡散を促進することができる。したがって、これら図6ないし図8に示す構造の熱拡散板1は、熱拡散板1の中央部に加熱部があって四方に熱を拡散させる場合に好適である。
なお、上述した実施形態における「下板」および「上板」は、図に示す上下の関係で付した名称であり、熱拡散板1は携帯端末などに組み込まれて様々な姿勢で使用されるから、上述した「下板2」が重力方向で上側に位置する場合もある。すなわち、本発明において、「下板」および「上板」の名称は、本発明の構成を限定するものではない。したがって、溝やウイックは「下板」および「上板」のいずれか一方に設けられていればよい。
1…熱拡散板、 2…下板、 3…上板、 4…溝、 4a…外周溝、 4b…縦溝、 4c…横溝、 5…ウイック、 6…内壁面、 7…蒸気流路、 8…通気性介在層、 8a…突起部。

Claims (8)

  1. 薄板型のコンテナの内部に、加熱されて蒸発しかつ放熱して凝縮する作動流体が封入されている薄板ヒートパイプ型熱拡散板において、
    前記コンテナは、互いに接合された上板と下板とを有し、
    前記上板と前記下板との少なくともいずれか一方の板が他方の板に対向する面に、互いに交差して連通する複数本の溝が形成され、
    前記複数本の溝のうちの少なくともいずれか一本の溝に液相の前記作動流体が浸透することにより毛管力を発生するウイックが配置されるとともに、
    前記ウイックと前記他方の板との間に気相の作動流体が通過可能な通気性介在層が挟み込まれている
    ことを特徴とする薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  2. 前記ウイックおよび前記通気性介在層は、前記溝の幅方向の中央部に前記溝の長手方向に沿って配置されて前記ウイックおよび前記通気性介在層を挟んだ両側に気相の作動流体が流通する蒸気流路が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  3. 前記ウイックは、内部に多数の空孔を有する多孔質焼結体によって形成され、
    前記通気性介在層は、前記多孔質焼結体の前記空孔より大きいふるい目の開きの寸法のメッシュ材によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  4. 前記複数の溝のうちのいずれかの溝は環状に形成され、
    環状の前記溝の内部に配置された前記通気性介在層は、環状の前記溝の外周側の側壁面もしくは内周側の壁面に接触して位置決めされている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  5. 前記複数の溝のうちのいずれかの溝はコーナ部が湾曲した角形状に形成され、
    角形状の前記溝の内部に配置された前記通気性介在層は、前記コーナ部における前記溝の外側の側壁面もしくは内側の側壁面に接触して位置決めされている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  6. 前記通気性介在層は、前記通気性介在層が配置されている前記溝の内壁面に当接して前記通気性介在層の位置を決める位置決め用突起部を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  7. 前記コンテナは、薄い直方体状に形成され、
    前記複数の溝は、前記コンテナの長手方向に沿う縦溝と、前記縦溝に交差する横溝とを含み、
    前記ウイックと前記通気性介在層とは、前記縦溝の内部と、前記コンテナの長手方向における両端側に位置する前記横溝の内部とにのみ配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
  8. 前記コンテナは、薄い直方体状に形成され、
    前記複数の溝は、前記コンテナの長手方向に沿う縦溝と、前記縦溝に交差する横溝とを含み、
    前記ウイックと前記通気性介在層とは、前記縦溝および前記横溝の内部に配置されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の薄板ヒートパイプ型熱拡散板。
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