JP2017002769A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸気湿度に変化が生じても、燃焼状態の悪化を抑制し、燃費改善や排気エミッション改善を実現することのできる内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】吸気湿度を検出する湿度検出部3によって得られた吸気湿度に基づいて、点火装置11への通電時間、一燃焼行程における点火装置11の点火回数、及び点火装置11の放電時間のうちの少なくとも一つを補正することで、点火装置11の点火エネルギーを制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
近年の自動車燃費規制や排出ガス規制に対応するため、燃費改善や排気エミッション改善が求められている。この燃費改善や排気エミッション改善のためには、エンジンの燃焼状態の悪化を抑制し、燃焼安定性を高めることが不可欠である。そして、エンジンの燃焼安定性を高めるには、燃焼させる筒内ガスの組成や燃焼状態に応じて、点火装置から供給する点火エネルギーを適切に調整する必要がある。
上記のような点火エネルギー調整の従来技術として、特許文献1では、着火に至るまでの放電期間の少なくとも一部の期間における放電電圧から抽出する所定周波数成分に基づいて、個々のサイクルでの筒内ガスの乱れ強さを示す乱れ強さ指標値や筒内の混合気の乱流状態での燃焼速度である乱流燃焼速度を推定し、その乱れ強さ指標値や乱流燃焼速度に応じて、当該サイクルにおける燃焼期間中に点火プラグに供給する点火エネルギーを調整する技術が提案されている。
国際公開第2014/087504号
特許文献1に記載の従来技術では、放電電圧から抽出する所定周波数成分に基づいて推定した、筒内ガスの乱れ強さ指標値や乱流燃焼速度に基づいて、点火プラグに供給する点火エネルギーを調整することで、サイクル間の燃焼変動を抑制している。
ところで、吸気湿度によって、安定した燃焼に必要な点火エネルギーは変化する。吸気湿度が高いと、点火装置から供給する点火エネルギーを大きくする必要があり、逆に、吸気湿度が低いと、点火装置から供給する点火エネルギーは小さくて済む。
しかし、特許文献1に記載の従来技術では、吸気湿度に起因する安定した燃焼に必要な点火エネルギーの変化に対して、点火装置から供給する点火エネルギーを調整することは考慮されていない。そのため、上記の吸気湿度に起因する点火エネルギーの過不足により、燃焼状態の悪化、燃費の悪化等が発生する可能性があった。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、吸気湿度に変化が生じても、燃焼状態の悪化を抑制し、燃費改善や排気エミッション改善を実現することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
上記する課題を解決するために、本発明に係る内燃機関の制御装置は、燃焼室に供給された混合気に点火する点火装置と、前記混合気を構成する吸気の湿度を検出する湿度検出部とを備えた内燃機関の制御装置であって、前記吸気の湿度に基づいて前記点火装置の点火エネルギーを制御することを特徴とする。
本発明によれば、吸気の湿度を検出する湿度検出部によって得られた吸気湿度に基づいて、点火装置の点火エネルギーを調整することで、点火エネルギーの過不足による燃焼状態の悪化を抑制し、燃費改善や排気エミッション改善を実現することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第1実施形態が適用された内燃機関の構成を示すシステム構成図。 図1に示すECUの内部構成を示すシステムブロック図。 図1に示すECUの内部構成を概略的に示すブロック図。 図3に示す通電時間算出部で算出される点火装置への通電時間と、湿度センサで検出された吸気湿度との関係の一例を示す図。 本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第2実施形態の内部構成を概略的に示すブロック図。 図5に示す点火回数算出部で算出される一燃焼行程における点火装置の点火回数と、湿度センサで検出された吸気湿度との関係の一例を示す図。 本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第3実施形態の内部構成を概略的に示すブロック図。 図7に示すECUによる制御処理における、点火コイルの一次電流、二次電圧、二次電流の挙動をそれぞれ説明したタイムチャート。 図7に示す重ね放電ユニットで算出される点火装置の放電時間と、湿度センサで検出された吸気湿度との関係の一例を示す図。 本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第1〜第3実施形態が適用される内燃機関の他例を示すシステム構成図。
以下、本発明に係る内燃機関の制御装置の実施形態を図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
まず、図1〜図4を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第1実施形態が適用された内燃機関(エンジン)の構成を示すシステム構成図である。
図示実施形態のエンジン100は、火花点火式燃焼を実施する自動車用のガソリンエンジンであり、吸入空気量を計測するエアフローセンサ1と、吸気湿度(吸入空気の湿度)を検出する湿度センサ(湿度検出部)3と、吸気管圧力を調整する電子制御スロットル2等が、燃焼室4に吸気を導入する吸気管13の適宜位置に備えられている。前記湿度センサ3は、相対湿度または絶対湿度が検出可能なセンサである。また、前記湿度センサ3は、前記吸気湿度を直接計測するセンサであってもよいし、所定の物理量を検出して前記吸気湿度を推定するセンサであってもよい。また、前記湿度センサ3は、システムに応じて、燃焼室4に供給される水分量を精度良く取得できる位置に設定することが望ましい。
また、エンジン100には、各気筒のシリンダ9の中(燃焼室4)に燃料を噴射する燃料噴射装置8と、燃焼室4に供給された混合気に点火すべく点火エネルギーを供給する点火装置11が気筒ごとに備えられている。また、図示しないが、燃料噴射装置8に高圧燃料を供給するための高圧燃料ポンプが燃料配管によって燃料噴射装置8と接続されており、その燃料配管中に、燃料噴射圧力を計測するための燃料圧力センサが備えられている。
さらに、排気を浄化する三元触媒6と、空燃比検出器の一態様であって、三元触媒6の上流側で排気の空燃比を検出する空燃比センサ5等が、排気管10の適宜位置に備えられている。
また、アクセルペダルの踏み込み量、すなわち、アクセル開度を検出するためのアクセル開度センサ7と、バッテリ電圧を計測するためのバッテリ電圧センサ12が適宜位置に備えられるとともに、図示しないが、クランク軸には、回転角度を算出するためのクランク角度センサが備えられている。
前記したエアフローセンサ1、湿度センサ3、空燃比センサ5、アクセル開度センサ7、バッテリ電圧センサ12等から得られる信号は、制御装置であるECU(エンジンコントロールユニット)20に送られる。
ECU20は、バッテリ電圧センサ12の出力信号に基づいて、点火装置11の通電時間を演算する。また、ECU20は、アクセル開度センサ7の出力信号に基づいて、要求トルクを演算する。すなわち、アクセル開度センサ7は、エンジン100への要求トルクを検出する要求トルク検出センサとして用いられる。また、ECU20は、不図示のクランク角度センサの出力信号に基づいて、エンジン100の回転速度を演算する。また、ECU20は、上記各種センサの出力信号から得られるエンジン100の運転状態に基づき、空気流量、燃料噴射量、点火時期、燃料圧力等のエンジン100の主要な作動量を最適に演算する。
ECU20で演算された燃料噴射量は開弁パルス信号に変換され、燃料噴射装置8に送られる。また、ECU20で演算された点火時期で点火されるように、点火信号が点火装置11に送られる。また、ECU20で演算されたスロットル開度は、スロットル駆動信号として電子制御スロットル2に送られる。
吸気管13から吸気バルブを経てシリンダ9内に流入した空気に対し、燃料噴射装置8から燃料が噴射されて、混合気が形成される。この混合気は、所定の点火時期で点火装置11から発生される火花により爆発し、その燃焼圧によりピストンが押し下げられてエンジン100の駆動力となる。更に、爆発後の排気ガスは、排気管10を経て、三元触媒6に送りこまれ、その排気成分が三元触媒6内で浄化されて、外部へと排出される。
図2は、図1に示すECU20の内部構成を示すシステムブロック図である。ECU20は、主に、入力回路20aと入出力ポート20bとRAM20cとROM20dとCPU20eとを有すると共に、点火装置11を駆動させるための駆動信号を生成する点火装置駆動回路20fを有する。
エアフローセンサ1、湿度センサ3、空燃比センサ5、アクセル開度センサ7、バッテリ電圧センサ12の出力信号は、ECU20の入力回路20aに入力される。但し、入力信号はこれらだけに限られない。入力された各センサの入力信号は、入出力ポート20b内の入力ポートに送られる。入出力ポート20bに送られた信号は、RAM20cに保管され、CPU20eで演算処理される。演算処理内容を記述した制御プログラムは、ROM20dに予め書き込まれている。
制御プログラムに従って演算された各アクチュエータの作動量を示す値は、RAM20cに保管された後、入出力ポート20b内の出力ポートに送られ、各駆動回路を経て各アクチュエータに送られるが、ここでは、点火装置11を制御する点火装置駆動回路(以下、点火制御部と称することがある)20fに送られる。
図3は、図1に示すECU20の内部構成を概略的に示すブロック図であり、ECU20内で実施される、点火装置11を制御するブロックの概要を示す図である。図示実施形態のECU20は、主に、通電時間算出部31と、前記点火装置駆動回路20fから構成される点火制御部32とを備え、通電時間算出部31は、通電時間基本値算出部33と、通電時間補正値算出部34とを有している。
通電時間算出部31では、バッテリ電圧センサ12で計測されたバッテリ電圧情報と、湿度センサ3で検出された吸気湿度情報から、一燃焼行程における点火装置11への通電時間を算出し、その算出結果を点火制御部32に送る。
詳細には、通電時間基本値算出部33において、バッテリ電圧情報に基づいて、通電時間のベースとなる通電時間基本値を算出する。ここでは、バッテリ電圧が低いほど、点火装置11から供給される点火エネルギーが小さくなるため、通電時間基本値が大きくなるように算出する。また、通電時間補正値算出部34において、吸気湿度情報に基づいて、前記通電時間基本値を補正するための通電時間補正値(点火装置11への通電時間の補正量)を算出する。ここでは、吸気湿度が高いほど、安定した燃焼に必要な通電時間が長くなるため、通電時間補正値が大きくなるように算出する。そして、前記通電時間基本値に前記通電時間補正値を加算または積算し、通電時間算出部31の出力となる通電時間を算出する。このような演算により、バッテリ電圧が低いほど、かつ、吸気湿度が高いほど、通電時間算出部31で算出される点火装置11への通電時間は長くなる。逆に言えば、バッテリ電圧が高いほど、かつ、吸気湿度が低いほど、通電時間算出部31で算出される点火装置11への通電時間を短くできる。
なお、本実施形態においては、通電時間算出部31の出力となる通電時間は、前記通電時間基本値に前記通電時間補正値を加算または積算して算出しているが、予め設定しておいたマップから値を取得するようにしてもよい。
点火制御部32では、一燃焼行程における点火装置11からの点火時期を算出するとともに、その点火時期と通電時間算出部31から出力される通電時間に基づいて、点火装置11への通電開始時期と通電終了時期を算出する。
前記通電開始時期に点火装置11への通電を開始し、前記通電終了時期に点火装置11への通電を終了するように点火装置11を制御することで、当該燃焼行程における点火装置11から供給する点火エネルギーを調整する。
なお、本実施形態においては、バッテリ電圧情報と吸気湿度情報を通電時間算出部31に入力しているが、通電時間算出部31への入力は、これに限られるものではなく、その他の情報を入力するようにしてもよい。
図4は、図3に示す通電時間算出部31で算出される点火装置11への通電時間(設定通電時間ともいう)と、湿度センサ3で検出された吸気湿度との関係の一例を示す図である。既に述べたように、本実施形態によるECU20では、湿度センサ3で検出された吸気湿度に基づいて、設定通電時間を調整して、点火装置11から供給する点火エネルギーを調整することで、安定した燃焼に必要な点火エネルギーを供給する。
図4に示すように、吸気湿度を考慮せずに点火装置11への通電時間を設定する従来技術では、吸気湿度によらず安定した燃焼をさせる場合、吸気湿度が最大(hmax)のときにも対応できるように、設定通電時間をTe(hmax)に設定する必要がある。
一方で、本実施形態によるECU20では、吸気湿度が最大(hmax)のときには設定通電時間をTe(hmax)に設定するが、吸気湿度がh(h<hmax)のときには設定通電時間をTe(h)(Te(h)<Te(hmax))に設定するため、吸気湿度がhのときには、従来技術と比較して、設定通電時間をTe(hmax)−Te(h)だけ短くすることができる。
これにより、吸気湿度に変化が生じても、燃焼状態を悪化させることなく、燃費や排気エミッションを改善することができる。
[第2実施形態]
次に、図5及び図6を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態において第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図5は、本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第2実施形態の内部構成を概略的に示すブロック図であり、ECU20内で実施される、点火装置11を制御するブロックの概要を示す図である。図示実施形態のECU20は、主に、通電時間算出部51と、点火制御部52と、点火回数算出部53とを備える。
通電時間算出部51では、バッテリ電圧センサ12で計測されたバッテリ電圧情報から、一燃焼行程における点火装置11への通電時間を算出し、その算出結果を点火制御部52に送る。ここでは、バッテリ電圧が低いほど、点火装置11から供給される点火エネルギーが小さくなるため、通電時間が長くなるように算出する。
点火回数算出部53では、湿度センサ3で検出された吸気湿度に基づいて、一燃焼行程における点火装置11の点火回数を算出する。ここでは、吸気湿度が高いほど、燃焼安定性が低くなるため、一燃焼行程における点火装置11の点火回数を増やすように算出する。逆に言えば、吸気湿度が低いほど、一燃焼行程における点火装置11の点火回数を減らすように算出する。
点火制御部52では、一燃焼行程における点火装置11からの点火時期を算出するともに、その点火時期と、通電時間算出部51から出力される通電時間と、点火回数算出部53から出力される点火回数に基づいて、点火装置11への通電開始時期と通電終了時期を当該燃焼行程における点火回数分算出する。なお、この点火制御部52では、通電時間算出部51から出力される通電時間を点火回数算出部53から出力される点火回数分設定してもよいし、通電時間算出部51から出力される通電時間を点火回数算出部53から出力される点火回数で分割して設定してもよい。
前記通電開始時期に点火装置11への通電を開始し、前記通電終了時期に点火装置11への通電を終了するように点火装置11を制御することで、当該燃焼行程における点火装置11から供給する点火エネルギーを調整する。
なお、本実施形態においては、バッテリ電圧情報を通電時間算出部51に入力しているが、通電時間算出部51への入力は、これに限られるものではなく、その他の情報を入力するようにしてもよい。
図6は、図5に示す点火回数算出部53で算出される一燃焼行程における点火装置11の点火回数(設定点火回数ともいう)と、湿度センサ3で検出された吸気湿度との関係の一例を示す図である。既に述べたように、本実施形態によるECU20では、湿度センサ3で検出された吸気湿度に基づいて、点火回数を調整して、点火装置11から供給する点火エネルギーを調整することで、安定した燃焼に必要な点火エネルギーを供給する。
吸気湿度の閾値をhとし、安定燃焼を確保できる一燃焼行程における点火装置11の点火回数を、吸気湿度がh未満の場合には1回、吸気湿度がh以上の場合には2回とする。従来技術では、吸気湿度を考慮せずに、点火回数を1回や2回に固定しており、たとえば、点火回数を1回に固定することで、吸気湿度が高い場合に燃焼安定性が低くなったり、点火回数を2回に固定することで、吸気湿度が低い場合に過剰な点火エネルギーを供給して燃費が悪化したりする。
一方で、本実施形態によるECU20では、上記条件に合わせて、吸気湿度の閾値hを設定し、吸気湿度がh未満の場合、一燃焼行程における点火装置11の点火回数を1回とし、吸気湿度がh以上の場合、一燃焼行程における点火装置11の点火回数を2回とする。
これにより、吸気湿度に変化が生じても、燃焼状態を悪化させることなく、燃費や排気エミッションを改善することができる。
なお、上記実施形態では、一燃焼行程における点火装置11の点火回数を1回または2回としているが、一燃焼行程における点火装置11の点火回数の上限がn回(n>2)のシステムにおいては、点火回数を0〜n回の範囲で設定してもよい。
[第3実施形態]
次に、図7〜図9を参照して、本発明に係る内燃機関の制御装置の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態において第1実施形態と同様の構成には同様の符号を付してその詳細な説明は省略する。
図7は、本発明に係る内燃機関の制御装置(ECU)の第3実施形態の内部構成を概略的に示すブロック図であり、ECU20内で実施される、点火装置11を制御するブロックの概要を示す図である。図示実施形態のECU20は、主に、通電時間算出部71と、点火制御部72とを備えるとともに、気筒切換え回路74と、重ね時間制御回路75と、昇圧回路76とで構成される重ね放電ユニット73が接続されている。
ここでの点火装置11は、点火コイル11bの二次コイルに昇圧回路76からの高圧電流を印加して着火性の向上と安定した燃焼を行うようにしている。すなわち、点火コイル11bの一次コイルに流れる一次電流を遮断することで、その二次コイルに発生する数kVの高電圧により点火プラグの放電間隙に放電破壊を起こし、点火コイル11bの二次コイルに放電電流が流れ始めた後に、この放電状態を維持し得る放電維持電圧値以上の直流電圧(通常は500V程度以上)をDC−DCコンバータによって保ちながら、DC−DCコンバータからの出力電流を点火コイル放電電流に加算的に重畳するものである。
図7に示すように、ECU20の点火制御部72からは、信号線77を介して気筒分の点火制御信号が出力されるとともに、信号線78を介して重ね要求信号が出力されている。重ね放電ユニット73は、ECU20とは別にエンジンルーム等に設けられ、昇圧回路76と各点火コイル11bの二次コイルとが高圧線79によって結線されており、約500Vの高電圧がその二次コイルに印加されるようになっている。各点火コイル11bに設けられたイグナイタ11aのスイッチングで、点火対象となる気筒に対して通常の点火時期で放電が開始されると、高圧線79を介して放電状態を維持するのに必要な高圧電流を二次コイルに供給するようになっている。燃焼室4内では、点火プラグを火花放電させて混合気に着火させると共に、この通常の放電に続く、いわゆる重ね放電が実行されることとなる。
重ね放電ユニット73の気筒切換え回路74は、点火制御部72から出力される点火制御信号に基づいて各気筒の点火時期を判断し、重ね時間制御回路75は、点火制御部72から出力される重ね要求信号に基づいて重ね放電に必要な重ね放電時間を制御する。気筒毎の点火制御信号と重ね要求信号の入力信号に合わせて、気筒毎に対応する点火コイル11bの二次コイルに重ね放電に必要な高圧電流が供給されることで、前記した重ね放電を行うことができる。
図8は、図7に示すECU20による制御処理における、点火コイル11bの一次電流、二次電圧、二次電流の挙動をそれぞれ説明したタイムチャートである。
点火制御信号からの出力がONする時刻t1で、イグナイタ11aのスイッチングにより点火コイル11bに一次電流が流れ始める。そして、その後の時刻t2で点火コイル11bの一次電流を遮断すると、二次コイル側に高電圧が発生し、点火プラグで放電が開始される。また、重ね要求信号の入力情報を受けて、重ね時間制御回路75は重ね放電を実行する時間を判断する。更に、対象気筒の点火時期を判断する気筒切換え回路74が、点火制御信号によって昇圧回路76で昇圧を実行する対象気筒を判断する。そして、一次電流を遮断する時刻t2の前の時刻t3に連動して、重ね放電に必要な高圧電流を対象となる気筒の点火コイル11bの二次コイルに流し、イグナイタ11aの制御回路と協働して重ね放電を発生させる。
そして、重ね時間制御回路75は、重ね放電を終了する時刻t4で、昇圧回路76からの高圧電流の流れを遮断して重ね放電を終了する。
本実施形態では、ECU20の点火制御部72にて、湿度センサ3で検出された吸気湿度情報に基づいて、予め設定しておいた、吸気湿度に対する重ね放電時間twのテーブルから値を取得し、重ね要求信号を調整することで、一燃焼行程における点火装置11の放電時間を補正する。第1実施形態で説明したように、吸気湿度が高いほど、安定した燃焼に必要な放電時間が長くなるため、放電時間が長くなるように補正する。逆に言えば、吸気湿度が低いほど、放電時間を短くするように補正する。
図9は、図7に示す重ね放電ユニット73で算出される点火装置の放電時間(設定放電時間ともいう)と、湿度センサ3で検出された吸気湿度との関係の一例を示す図である。既に述べたように、本実施形態によるECU20では、湿度センサ3で検出された吸気湿度に基づいて、重ね要求信号を調整し、点火装置11の設定放電時間を調整して、点火装置11から供給する点火エネルギーを調整することで、安定した燃焼に必要な点火エネルギーを供給する。
第1実施形態と同様、吸気湿度によらず安定した燃焼をさせるように、設定放電時間をTd(hmax)に設定した場合の従来技術と比較して、本実施形態では、吸気湿度がh(h<hmax)における設定放電時間がTd(h)(Td(h)<Td(hmax))に設定されるので、設定放電時間をTd(hmax)−Td(h)だけ短くすることができる。
これにより、上記第1及び第2実施形態と同様、吸気湿度に変化が生じても、燃焼状態を悪化させることなく、燃費や排気エミッションを改善することができる。
なお、上記した第1〜第3実施形態では、燃焼室4に対して一つの点火装置11が配備される場合について説明したが(特に図1参照)、図10に示すように、一つの燃焼室4に対して同種もしくは異種からなる複数(図示例では、二つの)点火装置11、11Aを配備してもよい。なお、別個に設けられた点火装置11Aとしては、火花点火を行う点火装置、プラズマジェット点火を行う点火装置等の各種の点火装置を採用できる。この場合、ECU20は、双方の点火装置11、11Aの通電時間及び点火時期を演算し、それぞれに点火信号を送るが、双方の点火装置11、11Aについて、湿度センサ3で検出された吸気湿度情報に基づいて点火エネルギーを補正(制御)してもよいし、そのうちの一つの点火装置について、湿度センサ3で検出された吸気湿度情報に基づいて点火エネルギーを補正(制御)してもよい(具体的な補正方法は、上記第1〜第3実施形態を参照)。
なお、本発明は上記した第1〜第3実施形態に限定されるものではなく、様々な変形形態が含まれる。例えば、上記した第1〜第3実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…エアフローセンサ
2…電子制御スロットル
3…湿度センサ(湿度検出部)
4…燃焼室
5…空燃比センサ
6…三元触媒
7…アクセル開度センサ
8…燃料噴射装置
9…シリンダ
10…排気管
11…点火装置
12…バッテリ電圧センサ
13…吸気管
20…ECU(制御装置)
20a…入力回路
20b…入出力ポート
20c…RAM
20d…ROM
20e…CPU
20f…点火装置駆動回路
31、51、71…通電時間算出部
32、52、72…点火制御部
33…通電時間基本値算出部
34…通電時間補正値算出部
53…点火回数算出部
73…重ね放電ユニット
74…気筒切換え回路
75…重ね時間制御回路
76…昇圧回路
77、78…信号線
79…高圧線
100…エンジン(内燃機関)

Claims (5)

  1. 燃焼室に供給された混合気に点火する点火装置と、前記混合気を構成する吸気の湿度を検出する湿度検出部とを備えた内燃機関の制御装置であって、
    前記吸気の湿度に基づいて前記点火装置の点火エネルギーを制御することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記吸気の湿度に基づいて、前記点火装置への通電時間、一燃焼行程における前記点火装置の点火回数、及び前記点火装置の放電時間のうちの少なくとも一つを補正することにより、前記点火装置の点火エネルギーを制御することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記吸気の湿度が低くなるに従って、前記点火装置への通電時間を短くするように、前記点火装置の点火回数を減らすように、又は、前記点火装置の放電時間を短くするように補正することにより、前記点火装置の点火エネルギーを制御することを特徴とする、請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 一つの燃焼室に対して前記点火装置が複数設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記複数の点火装置のうちの少なくとも一つの点火エネルギーを制御することを特徴とする、請求項4に記載の内燃機関の制御装置。
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