JP2017002486A - グラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法 - Google Patents

グラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水中における装着が容易で作業性がよいグラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法を提供する。
【解決手段】グラウトGを保持可能なシート状の基体2に注入口7を挿通して基体2に固定される管状の導管部8を設ける。導管部8は、弾性材により形成し、屈曲した際には屈曲する前の状態に復元させる復元力を有する構成にする。導管部8に注入ホース15を接続し、基体2を既存の杭13と鞘管14とを跨いで外周に巻き付けるようにして筒状に形成し、基体2の端部どうしを水密性を有する連結体で連結する。基体2の開口上下両端部をそれぞれを締付け体5、6によって縮径する方向に締付けて基体2を杭13および鞘管14に装着固定し、鞘管14下端部のすき間を覆う。注入ホース15からグラウトGを杭13の外周面と鞘管14の内周面とのすき間に注入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、グラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法に関し、さらに詳しくは、水中における装着が容易で作業性がよいグラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法に関するものである。
従来、老朽化や強度不足となった桟橋等を改修、補強等する場合に、既設の杭の下部が健全でまだ使用できる場合に、既存の杭を利用する工法が実施されている。例えば、既設の杭をそのまま、もしくは上端部を切断した後に鞘管を外挿し、鞘管下端部と既存の杭の外周面との隙間を塞ぐグラウトシールカバーを装着し、グラウトシールカバーに設けられた注入口部から既存の杭の外周面と鞘管の内周面とのすき間にセメントミルクやモルタル等のグラウトを注入して固化させて、既設の杭に新たな鞘管を固設するようにしている(特許文献1参照)。
グラウトシールカバーは、主にいわゆるジオテキスタイルと呼ばれる高分子材料からなる織布や不織布、編物等で形成される。そのため、グラウトシールカバーの装着位置が水中の場合には、例えば、グラウトシールカバーの注入口部に接続した注入ホースがよじれることや、グラウトシールカバーの下端部が浮遊することがあり、装着作業性の面で改善の余地があった。そのため、水中で装着作業を行なう場合であっても装着が容易で作業性がよいグラウトシールカバーが求められていた。
特開2006−200328号公報
本発明の目的は、水中における装着が容易で作業性がよいグラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明のグラウトシールカバーは、既設の杭の上端部に鞘管を外挿し、前記杭の外周面と前記鞘管の内周面とのすき間にグラウトを注入する際の前記鞘管下端部の前記すき間からのグラウトの流出を防止するグラウトシールカバーであって、グラウトを保持可能で筒状に形成可能なシート状の基体と、この基体を筒状に形成した際に対向する端部どうしを連結する水密性を有する連結体と、筒状に形成された前記基体の開口両端部のそれぞれを縮径する方向に締付ける締付け体と、前記開口両端部のそれぞれの締付け体の締付け位置の間に配置されて前記基体を貫通する注入口と、この注入口に連結されて前記基体を筒状に形成した際に、筒状外周側に所定長さ突出する導管部とを備え、前記導管部は少なくとも一部が弾性材により形成されて屈曲可能であり、屈曲した際には前記導管部を屈曲する前の状態に復元させる復元力が発生する構成にしたことを特徴とする。
本発明によれば、前記導管部が屈曲しても屈曲前の状態に復元しようとするので、
導管部がよじれにくい。これにより、水中で取付け作業をする場合などに導管部に接続した注入ホースが捩れたり絡んだりし難くなり、作業性が著しく向上する。さらに、導管部に注入ホースが安定して固定されるため、グラウト注入時の作業性も向上する。
前記基体の開口両端部のうち、この基体を前記杭と前記鞘管とを跨いで外周に巻き付けて筒状に形成した際に上側となる開口端部の内周面にシール材を設け、このシール材の上下方向中途の位置に鞘管の下端が配置される構成にすることもできる。この構成にすると、前記グラウトシールカバーを鞘管に装着した後に、グラウトシールカバーが潮の流れ等の影響を受けた場合であっても、鞘管の下端部と基体の開口上端部の締め付け体との間で生じる摩擦はシール材によって緩衝される。そのため、グラウトシールカバーの耐久性を向上させることができる。
前記基体の開口両端部のうち、この基体を前記杭と前記鞘管とを跨いで外周に巻き付けて筒状に形成した際に下側となる開口端部に重錘を吊り下げ可能な接続部を設けた構成にすることもできる。この構成にすると、接続部に重錘を接続することで取り付け作業時に基体が水中で意図しない動きをすることを抑制できる。そのため、グラウトシールカバーの水中での装着作業性が一段と向上する。
前記基体を筒状に形成した際に外周面となる基体表面に水質浄化機能を有する濾材部を設ける構成にすることもできる。この構成にすると、グラウト注入時にグラウトが漏れ出た場合には濾材部により漏れ出たグラウトが吸着される。そのため、グラウトが周辺水域に拡散することを回避し易くなる。また、グラウトシールカバーの装着作業を行なう水域が濁っている場合であっても、濾材部が濁りの原因となる浮遊物を吸着することにより、作業水域の視界が改善し、グラウトシールカバーの水中での装着作業性が向上する。
本発明のグラウトシールカバーを用いてグラウトを注入している状態を縦断面視で例示する説明図である。 筒状に形成した本発明のグラウトシールカバーを例示する斜視図である。 筒状に形成される前の本発明のグラウトシールカバーを例示する展開図である。 本発明のグラウトシールカバーの連結体を模式的に横断面視で例示する説明図である。 別の実施形態のグラウトシールカバーを用いてグラウトを注入している状態を導管部周辺を拡大して縦断面視で例示する説明図である。
以下、本発明のグラウトシールカバーおよびこれを用いたグラウトの注入方法を図に示した実施形態に基づいて説明する。尚、以下においては、図1および図2で示すように、グラウトシールカバー1を筒状に形成して杭13および鞘管14に装着した際の上下左右方向をそれぞれ上、下、左、右方向として説明する。
本発明のグラウトシールカバー1は、図3で示すように、シート状の基体2と、この基体2の左右の端部3に設けられる連結体4と、基体2の開口上下端部に設けられる締付け体5、6と、基体2を貫通する注入口7と、この注入口7に連結される導管部8とを備えている。
この実施形態のグラウトシールカバー1はさらに、基体2の開口上下端部に設けられるシール材9、10と、基体2の開口下端部に設けられる接続部11と、基体2の外周面に設けられる濾材部12とを備えている。
基体2は、下方を小径とするテーパを有する筒状に形成可能なシート状の部材である。基体2は、セメントミルクやモルタル等のグラウトGを保持可能な材質からなっており、いわゆるジオテキスタイルと呼ばれる土木等の用途に使用される高分子材料からなる織布や不織布、編物等で形成される。基体2としては、その他に、ゴム製シートや各種樹脂シートなどグラウトGを保持可能な材質で形成することができる。
基体2は、4つの分割体2a〜2dを縫合して扇形に形成されている。この基体2の左右両端部を構成する分割体2a、2dにはそれぞれ、一方を自由端とし、他方を基体2に固定したヒレ状体A〜Cが3つ設けられていて、3層構造となっている。
図4に示すように、それぞれのヒレ状体A〜Cの自由端側の端部は、基体2を筒状に形成した際に対向する端部3(3a〜3c)となる。即ち、展開した際の基体2の左右両端部には、基体2を筒状に形成した際に対向する3対の端部3a、3b、3cが設けられている。端部3a、3b、3cは基体2を筒状に形成した際に、周方向にそれぞれ重ならないようにずらした位置に形成されている。
具体的には、それぞれの対向する端部3a、3b、3cどうしを連結した際の連結周長に差が生じると共に、連結位置が周方向にずれるように形成されている。より詳しくは、最内周の対向する端部3aどうしを連結した際には、たるみが多く、最も周長が長くなるように形成され、内側から2番目に内周の対向する端部3bどうし、および最外周の対向する端部3cどうしを連結した際の連結周長は、ほぼ同一の周長となるように形成されている。3対の端部3a、3b、3cには、それぞれ対となる連結体4が設けられている。
連結体4は、基体2を筒状に形成した際にそれぞれ対となる端部3a、3b、3cどうしを連結させる部材である。端部3aどうしを連結する連結体4は、水密性を有するファスナー4aで構成されている。端部3bおよび端部3cどうしを連結する連結体4は、それぞれの端部3b、3cに設けられる通し穴4cと、結束ロープ4bとで構成されている。尚、本発明における水密性とは、水分を完全に封止するという意味だけでなく、液状のグラウトGの流出を防止できる程度に封止するという意味も含むものである。
締付け体5、6は、基体2を筒状に形成し、杭13および鞘管14に装着した際に基体2の開口上下両端部のそれぞれを縮径する方向に締付ける部材である。この実施形態の締付け体5、6はそれぞれ、締付けワイヤ5a、6aで構成され、この締付けワイヤ5a、6aを締め具で締付けることによって、基体2の開口上下両端部を縮径する方向に締付ける構成になっている。より詳しくは、基体2の開口上下両端部は袋状に形成されていて、その中に締付けワイヤ5a、6aが内蔵されている。締付け体5、6としては他にも、例えば、結束バンド等を採用することができる。
注入口7は、両締付け体5、6の締付け位置の間の位置に設けられる。注入口7の口径は例えば、25〜50mmである。
導管部8は、注入口7を挿通して基体2に固定される管状の部材であり、グラウトGを注入する注入ホース15が接続可能な構成になっている。導管部8は、基体2を筒状に形成した際に、筒状外周側に所定長さ突出するように形成される。導水部8が基体2に対して突出する所定長さは例えば、300〜500mmである。この実施形態では、導管部8が長手方向一方端部にフランジ状のベース8aを有している。このベース8aが基体2の内周面に接合されている。
導管部8は、少なくとも一部が弾性材により形成されて屈曲可能であり、屈曲した際には導管部8を屈曲する前の状態に復元させる復元力が発生するように形成される。換言すると、例えば導管部8が外力を受けて変形して折れ曲がった場合は、その外力が作用しなくなると再び外力を受ける前の状態(形状および位置)に戻ることができるように形成される。導管部8は、すべてを弾性材により形成することもできるし、例えば、注入口7(基体2)との連結部分周辺を弾性材により形成し、他の部分は非弾性材により形成することもできる。導管部8は、例えば、ゴムや樹脂等によって形成される。導管部8とベース8aとは一体成形されることが好ましい。
シール材9、10は、例えば、発泡ウレタンやゴム等の弾性材で形成され、基体2の開口上下両端部(締付け体5、6)の内周面に設けられる。シール材9、10を設けることにより、基体2を杭13および鞘管14に装着した際に、基体2の開口上下両端部の内周面と杭13および鞘管14の外周面とのシール性を向上させることができる。上部のシール材9は、例えば、基体2の上端から100〜300mm下側の位置まで延在される。シール材9の厚さ(層厚)は例えば、5〜20mmである。下部のシール材10は、例えば、基体2の下端から100〜300mm上側の位置まで延在される。シール材10の厚さ(層厚)は例えば、5〜20mmである。
接続部11には、重錘16が取り外し可能に接続される。この実施形態の接続部11は、環状に形成された紐状部材で構成され、重錘16をフック等で接続できるようになっている。接続部11は、基体2を管状に形成した際に周方向に等間隔に配置されるように設けるとよい。例えば、周方向に間隔をあけて3〜8ヶ所に接続部11を設けて、それぞれの接続部11に重錘16を接続する。重錘16の重さは1個当たり例えば1〜5kgである。
濾材部12は、水質浄化機能を有する部材であり、例えば、繊維状の濾材で形成される。具体的な材質としては炭素繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維などが例示できる。この実施形態の濾材部12は、平面状に形成した繊維状の濾材を、基体2を筒状に形成した際に外周面となる基体2表面に直接接着して基体2と一体化させている。濾材部12は、他にも例えば、フックや面ファスナー等によって基体2に着脱可能に間接的に取り付ける構成にすることもできる。
濾材部12は、例えば基体2の外周面の全体面積の30%以上の範囲に設ける。この実施形態では、両締付け体5、6の表面にも濾材部12が設けられているが、少なくとも両締付け体5、6の上下間の領域を網羅するように濾材部12を設けるとよい。
次に、このグラウトシールカバー1を用いて杭13の外周面と鞘管14の内周面とのすき間にグラウトを注入する方法を以下に説明する。
まず、陸上において、導管部8に注入ホース15を嵌合させるようにして接続する。そして、陸上または水中で接続部11に重錘16を接続する。そして、水中において、図1で示すように、基体2を既存の杭13とこの杭13に外挿した鞘管14とを跨ぐように外周に巻き付けて管状に形成する。この際、上側となる開口端部の内周に設けられたシール材9の上下方向中途の位置に鞘管14の下端部が配置されるようにする。
その後、開口上端部の締付け体5で基体2を鞘管14の外周面に締付けて固定する。詳しくは、締付けワイヤ5aを締め具で締付けることによって、基体2の開口上端部を縮径する方向に締付ける。
次に、最内周の対向する端部3aどうしをファスナ4aをしめて連結し、その後、内側から2番目に内周の対向する端部3bどうしを通し穴4cに通した結束ロープ4bで結束して連結し、最外周の対向する端部3cどうしも同様に結束ロープ4bで結束して連結する。最後に、開口下端部の締付け体6で基体2を杭13の外周面に締付けて固定させ、グラウトシールカバー1の装着固定が完了する。この装着で鞘管14下端部の杭13の外周面と鞘管14の内周面とのすき間がグラウトシールカバー1で覆われる。そして、グラウトシールカバー1を装着固定した状態で、注入ホース15から導管部8および注入口7を通して、グラウトGを杭13の外周面と鞘管14の内周面とのすき間に注入する。
尚、グラウトシールカバー1の装着手順はこれに限定されず、両締付け体5、6で締め付けた後に、連結体4であるファスナ4a、結束ロープ4bで対向する端部3を連結してもよい。また、ファスナ4a、結束ロープ4bで対向する端部3を連結した後で両締付け体5、6で締め付けることもできる。
本発明によれば、導管部8が何かに干渉したり、潮流や波動による力を受けて屈曲しても屈曲前の状態に復元しようとするので、導管部8がよじれにくい。これにより、水中で取付け作業をする場合などに導管部8に接続した注入ホース15が捩れたり絡んだりし難くなり、作業性が著しく向上する。さらに、導管部8に注入ホース15が安定して固定されるため、グラウトG注入時の作業性も向上する。
また、この実施形態では、接続部11に重錘16を接続した状態で水中作業を行なうので、基体2が潮流や波動により水中で意図しない動きをしようとしても、重錘16の重さによってその動きを抑制できる。これにより、グラウトシールカバー1の装着作業性が大幅に向上し、施工業者としては多大な効果が得られる。
この実施形態では、基体2を杭13と鞘管14とに装着した際に上側となる開口端部の内周面にシール材9を設け、シール材9の上下方向中途の位置に鞘管14の下端部が配置されている。そのため、グラウトシールカバー1を鞘管14に装着した後に、グラウトシールカバー1が潮の流れ等の影響を受けた場合であっても、鞘管14の下端部と基体2の開口上端部の締め付け体5との間で生じる摩擦はシール材9によって緩衝される。したがって、グラウトシールカバー1の耐久性を向上させるには有利になっている。
基体2の表面に水質浄化機能を有する濾材部12を設けているので、グラウト注入時にグラウトGが漏れ出た場合には濾材部12により漏れ出たグラウトGが吸着される。そのため、グラウトGが周辺水域に拡散することを回避し易くなる。また、グラウトシールカバー1の装着作業を行なう水域が濁っている場合であっても、濾材部12が濁りの原因となる浮遊物を吸着することにより、作業水域の視界が改善し、グラウトシールカバー1の装着作業性が向上する。
3対の端部3a、3b、3cは、端部3a〜3cどうしを連結した際の連結周長に差が生じると共に、連結位置が周方向にずれるように形成されているので、連結する際に、内周側の連結体4の突出によって外周側の連結がしにくくなることはない。
また、最内周の対向する端部3aどうしによる連結では、たるみが多く、最も周長が長く、内側から2番目に内周の対向する端部3bどうし、および最外周の対向する端部3cどうしの連結周長は、ほぼ同一の周長としているので、グラウトシールカバー1の内部にグラウトGが注入されて筒状の基体2に内圧が作用した場合、外側の2つの端部3b、3cどうしを連結する結束ロープ4bが内圧による引張り応力を負担し、最内周の端部3aどうしを連結するファスナ4aには引張り応力が作用しない。
そのため、最内周の端部3aどうしを連結するファスナ4aは内圧の影響を受けずに安定して水密性を確保できる。即ち、注入されたグラウトGを流出させずに保持することが容易になる。換言すると、ファスナ4aによる連結でグラウトGが流出しないように保持しているので、外側の2対の端部3b、3cを連結する連結体4には、水密性は不要となる。
尚、この実施形態では、筒状の基体2がテーパを有しているが、テーパの有無は問わない。したがって、筒状にする前のシート状の際に、扇形でなくともよく、一体物にすることもできる。基体2を筒状に形成した際に対向する端部3を一対、二対やその他の複数対としてもよい。
また、連結構造は、この実施形態で示したものに限定されず、グラウトGを注入した際に作用する内圧を負担する連結体4と内圧を負担しない連結体4とに分けて、内圧を負担しない連結体4に水密性をもたせるようにすればよい。連結体4は、ファスナ4aや結束ロープ4bによるものに限定されず、他の連結手段を用いることができる。複数の通し穴4cに代えて、例えば、複数のフック体を設置して、結束ロープ4bをジグザクに引っ掛ける手段等を採用することができる。
水密性を有するファスナ4aは線ファスナと面ファスナとを併用した構成にすることもできる。この場合には、基体2を筒状に形成した際に端部3aどうしが周方向で例えば数cm程度重なる面を有するように形成し、この重なる面にそれぞれ面ファスナを設ける。そして、端部3aどうしを重ねて面ファスナによって接着した状態で線ファスナにより端部3aどうしを連結できる構成にするとよい。
導管部8と注入ホース15との接続は、図5で示すような構成にすることもできる。この実施形態では、基体2には導管部8の外周面を覆って筒状外周側に突出した筒状部2Aが形成されている。導管部8に注入ホース15を接続する際には、注入ホース15の先端内部に接続内管17を嵌め込んだ状態で導管部8の内側に注入ホース15を嵌合させる。そして、導管部8と注入ホース15との接続部分に、筒状部24の外側からバンド18を巻き付けて注入ホース15を接続内管17とともに導管部8に固定する。
接続内管17には、例えば、縦断面でクサビ状の突起を外周面に有する金属製の管体を用いる。バンド18は、例えば、ゴムや樹脂等で形成される帯状体と締め付け具とで構成される。接続内管17は必ずしも設ける必要はないが、接続内管17を設けることで、導管部8と注入ホース15との接続部分は内側から支持される。そのため、バンド18によって強固に締め付ける場合であっても導管部8および注入ホース15は潰れることがなく、グラウトGが注入される流路を安定して確保できる。また、接続内管17の外周面に形成されたクサビ状の突起によって注入ホース15が引っ張られても導管部8から外れ難くなる。
この実施形態のように、基体2に筒状部2Aを設けて導管部8の外周面を覆うようにすると、筒状部2Aと導管部8とのすき間を最小限にして互いを密着させ易くなる。そのため、基体2と導管部8とのすき間からグラウトGが漏出する不具合を回避するには有利になる。
1 グラウトシールカバー
2 基体
2A 筒状部
2a、2b、2c、2d 分割体
3 (対向する)端部
3a (最内周の対向する)端部
3b (内側から2番目に内周の対向する)端部
3c (最外周の対向する)端部
4 連結体
4a ファスナ
4b 結束ロープ
4c 通し穴
5 締付け体(開口上端部)
5a 締付けワイヤ(開口上端部)
6 締付け体(開口下端部)
6a 締付けワイヤ(開口下端部)
7 注入口
8 導管部
8a ベース
9 シール材(上部)
10 シール材(下部)
11 接続部
12 濾材部
13 杭
14 鞘管
15 注入ホース
16 重錘
17 接続内管
18 バンド
A、B、C ひれ状体
G グラウト

Claims (5)

  1. 既設の杭の上端部に鞘管を外挿し、前記杭の外周面と前記鞘管の内周面とのすき間にグラウトを注入する際の前記鞘管下端部の前記すき間からのグラウトの流出を防止するグラウトシールカバーであって、グラウトを保持可能で筒状に形成可能なシート状の基体と、この基体を筒状に形成した際に対向する端部どうしを連結する水密性を有する連結体と、筒状に形成された前記基体の開口両端部のそれぞれを縮径する方向に締付ける締付け体と、前記開口両端部のそれぞれの締付け体の締付け位置の間に配置されて前記基体を貫通する注入口と、この注入口に連結されて前記基体を筒状に形成した際に、筒状外周側に所定長さ突出する導管部とを備え、前記導管部は少なくとも一部が弾性材により形成されて屈曲可能であり、屈曲した際には前記導管部を屈曲する前の状態に復元させる復元力が発生する構成にしたことを特徴とするグラウトシールカバー。
  2. 前記基体の開口両端部のうち、この基体を前記杭と前記鞘管とを跨いで外周に巻き付けて筒状に形成した際に上側となる開口端部の内周面にシール材を設け、このシール材の上下方向中途の位置に前記鞘管の下端が配置される請求項1に記載のグラウトシールカバー。
  3. 前記基体の開口両端部のうち、この基体を前記杭と前記鞘管とを跨いで外周に巻き付けて筒状に形成した際に下側となる開口端部に重錘を吊り下げ可能な接続部を設けた請求項1または2に記載のグラウトシールカバー。
  4. 前記基体を筒状に形成した際に外周面となる基体表面に水質浄化機能を有する濾材部を設けた請求項1〜3のいずれかに記載のグラウトシールカバー。
  5. 既設の杭に鞘管を外挿し、前記杭の外周面と前記鞘管の内周面とのすき間にグラウトを注入するグラウトの注入方法であって、請求項1〜4のいずれかに記載のグラウトシールカバーのシート状の基体を、前記杭と前記鞘管とを跨いで外周に巻き付けて筒状に形成し、一方の前記締付け体による前記基体の前記鞘管の外周面への締付け、他方の前記締付け体による前記基体の前記杭の外周面への締付けおよび水密性を有する連結体による対向する端部どうしの連結によって、前記鞘管下端部の前記すき間を覆って前記基体を装着固定し、前記導管部に接続された注入ホースを通じて供給されたグラウトを前記すき間に注入することを特徴とするグラウトの注入方法。
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