JP2017001844A - テープ巻付装置及びチューブ状外装部材取付装置 - Google Patents

テープ巻付装置及びチューブ状外装部材取付装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、線状の部材の周囲に連続的にテープを巻付け可能であって、テープの巻圧を容易に調節することができる技術を提供することを目的とする。【解決手段】テープ巻付装置は、回転体32と、回転体32に設けられた巻回体支持部37aを含む巻回体支持回転機構37と、回転体32を回転させる回転体回転駆動部36と、を備える。テープ巻付装置は、巻回体支持部37aがテープ巻回体18Bを支持した状態で、線状体周りに回転体32を回転させることでテープ巻回体18Bを線状体の周囲に回転させる。巻回体支持回転機構37は、回転体回転駆動部36により回転体32が回転している途中で巻回体支持部37aに支持されたテープ巻回体18Bが巻回体支持部37a周りでテープ繰出方向に回転可能となるようにテープ巻回体18Bを回転させる巻回体回転駆動部38を含む。【選択図】図5

Description

この発明は、電線等の線状体の周囲にテープを巻付ける技術に関する。
電線等の周囲にテープを巻回する技術が、例えば特許文献1および2に開示されている。
特許文献1に記載のテープ巻機は、切目の入った管に電線を挿入し、電線が挿入された管に対してその周囲にテープ巻回体を回転させることで、管に対してテープを巻付ける。
特許文献2に記載のテープ巻き装置は、粘着テープリールを回動自在に支持する軸部と、該軸部を中央に設けた回転板と、該回転板の外周寄りに突設され、該粘着テープリールから解かれた粘着テープの非粘着面を沿わせる一方向ベアリングと、該一方向ベアリングを自転させつつ該回転板と共に回転させる手段とを備えることを特徴とする粘着テープ繰り出し機構を採用することで、伸長性や粘着性の高い粘着テープを用いた場合でも、粘着テープの伸びや剥がれ難さを解消して、電線等の被結束体に粘着テープをスムーズ且つ綺麗に巻回させるとされている。
登録実用新案第3000128号公報 特開2008−168928号公報
しかしながら、特許文献1に記載のテープ巻機においてテープの巻圧が強すぎると、管のうち切目を挟んだ両端が重なってしまう等の問題が生じる恐れがある。
一方、特許文献2のテープ巻き装置では、連続的にテープを巻いていくこと及びテープの巻圧を調整することは難しい。
そこで、本発明は、線状の部材の周囲に連続的にテープを巻付け可能であって、テープの巻圧を容易に調節することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、第1の態様に係るテープ巻付装置は、粘着テープが巻回されたテープ巻回体を線状体の周囲に回転させることで、前記線状体の周囲に前記粘着テープを巻付けるテープ巻付装置であって、平板状に形成されると共に外周周りの一部から中心に向けて凹部が形成され、前記凹部に前記線状体が挿通された状態で前記線状体を中心として回転可能に設けられた回転体と、前記回転体を回転させる回転体回転駆動部と、前記回転体に設けられ、前記テープ巻回体を支持可能な巻回体支持部と、前記回転体回転駆動部により前記回転体が回転している途中で前記巻回体支持部に支持された前記テープ巻回体が前記巻回体支持部周りでテープ繰出方向に回転可能となるように前記テープ巻回体を回転させる巻回体回転駆動部とを含む巻回体支持回転機構と、を備える。
第2の態様に係るテープ巻付装置は、第1の態様に係るテープ巻付装置であって、前記巻回体支持回転機構は前記巻回体回転駆動部の回転駆動力を前記テープ巻回体に伝達するクラッチを含み、前記クラッチは、前記テープ巻回体を前記巻回体支持部の中心軸周りで少なくともテープ繰出方向に回転自在に支持する状態と、前記巻回体回転駆動部が前記テープ巻回体をテープ繰出方向に回転駆動させる状態との間で状態変更可能に設けられている。
第3の態様に係るテープ巻付装置は、第2の態様に係るテープ巻付装置であって、前記クラッチは、テープ繰出方向のみに前記巻回体回転駆動部の回転力を前記テープ巻回体に伝達するワンウェイクラッチを含み、前記ワンウェイクラッチがつながった状態で前記テープ巻回体が前記巻回体支持部にテープ繰出方向に回転自在に支持されると共に前記巻回体回転駆動部は前記テープ巻回体をテープ繰出方向に回転駆動させる。
第4の態様に係るテープ巻付装置は、第1から第3のいずれか1つの態様に係るテープ巻付装置であって、前記巻回体回転駆動部は、前記巻回体支持部に支持された前記テープ巻回体を前記巻回体支持部周りで前記テープ繰出方向とは反対方向にも回転可能に設けられている。
第5の態様に係るテープ巻付装置は、第1から第4のいずれか1つの態様に係るテープ巻付装置であって、前記線状体には延在方向に沿って周長が異なる部分が存在し、前記巻回体回転駆動部は、前記テープ巻回体を回転させる速度を変更可能に設けられ、前記線状体の周長の異なる部分に亘って前記粘着テープを巻付ける際に、前記巻回体回転駆動部が前記テープ巻回体を回転させる速度を変更する。
第6の態様に係るテープ巻付装置は、第1から第5のいずれか1つの態様に係るテープ巻付装置であって、前記回転体の回転に係る回転数に応じて、前記巻回体回転駆動部の駆動を制御する制御ユニットをさらに備える。
第7の態様に係るテープ巻付装置は、第1から第6のいずれか1つの態様に係るテープ巻付装置であって、前記回転体の前記凹部に挿通された前記線状体を前記線状体の延在方向に沿って引出す引出機構をさらに備える。
第8の態様に係るテープ巻付装置は、第7の態様に係るテープ巻付装置であって、前記引出機構は、電線とスリットが形成され前記電線に外装されたチューブ状外装部材とを含む前記線状体のうち前記チューブ状外装部材の部分を前記回転体の前記凹部に挿通させた状態で前記線状体の延在方向に沿って引出す。
第9の態様に係るチューブ状外装部材取付装置は、第7又は第8の態様に係るテープ巻付装置と、電線を案内する電線案内部と、スリットが形成されたチューブ状外装部材を前記スリットで広げつつ前記電線案内部を通って案内される前記電線に対して外装可能に案内するチューブ案内部とを含み、前記テープ巻付装置に対して前記電線の引出方向上流側に設けられたチューブ外装治具と、を備え、前記引出機構は、電線を前記電線案内部にセットすると共に、チューブ状外装部材を前記チューブ案内部にセットして、前記チューブ状外装部材の一端部を前記電線のうち前記電線案内部から延出する部分に外装した状態で、前記チューブ状外装部材及び前記電線を前記チューブ外装治具から引出し、前記引出機構により前記チューブ外装治具から引出された前記チューブ状外装部材の回りに、前記テープ巻回体を回転させることで、前記チューブ状外装部材周りに前記粘着テープを巻付ける。
第10の態様に係るチューブ状外装部材取付装置は、第9の態様に係るチューブ状外装部材取付装置であって、前記チューブ状外装部材は、太環状部と細環状部とが交互に連なるコルゲートチューブである。
第1から第10の態様によると、回転体に設けられ、テープ巻回体を支持可能な巻回体支持部と、回転体回転駆動部により回転体が回転している途中で巻回体支持部に支持されたテープ巻回体が巻回体支持部周りでテープ繰出方向に回転可能となるようにテープ巻回体を回転させる巻回体回転駆動部とを含む巻回体支持回転機構を備えるため、巻回体回転駆動部の駆動によりテープ巻回体をテープ引出方向に回転させることでテープ巻回体からの粘着テープの引出に要する力を弱めることができる。これにより、テープの巻圧を巻回体支持回転機構がない場合に比べて弱める方向に容易に調節することができる。このことは、スリットの設けられたコルゲートチューブに粘着テープを巻付ける際に、コルゲートチューブのうちスリットを挟んだ両端が重ならないように巻付ける場合等に有効であると考えられる。
特に、第2の態様によると、巻回体支持回転機構は巻回体回転駆動部の回転駆動力をテープ巻回体に伝達するクラッチを含み、クラッチは、テープ巻回体を巻回体支持部の中心軸周りで少なくともテープ繰出方向に回転自在に支持する状態と、巻回体回転駆動部がテープ巻回体をテープ繰出方向に回転駆動させる状態との間で状態変更可能に設けられているため、テープの巻圧が強すぎるときなど、巻回体回転駆動部がテープ巻回体を回転駆動させる必要が有るときのみ巻回体回転駆動部を回転駆動させつつ、必要ない時は回転駆動を停止させることができる。
特に、第3の態様によると、クラッチは、テープ繰出方向のみに巻回体回転駆動部の回転力をテープ巻回体に伝達するワンウェイクラッチを含み、ワンウェイクラッチがつながった状態でテープ巻回体が巻回体支持部にテープ繰出方向に回転自在に支持されると共に前記巻回体回転駆動部は前記テープ巻回体をテープ繰出方向に回転駆動させるため、クラッチを切替える必要がなくなり、制御が容易になる。
特に、第4の態様によると、巻回体回転駆動部は、巻回体支持部に支持されたテープ巻回体を巻回体支持部周りでテープ繰出方向とは反対方向にも回転可能に設けられているため、テープ巻回体をテープ繰出方向とは反対方向に回転させることでテープ巻回体からの粘着テープの引出しに要する力を強めることができる。これにより、テープの巻圧を巻回体支持回転機構がない場合に比べて弱める方向に容易に調節することができる。このことは、粘着テープを最初に電線に巻付けるとき、または、最後に電線に巻付けるときなど、しっかり結束したいときなどに有効であると考えられる。
特に、第5の態様によると、線状体には延在方向に沿って周長が異なる部分が存在する。この周長が異なる部分においては、回転体の一回転あたりの粘着テープの巻付け量が異なる。この場合でも、巻回体回転駆動部が、テープ巻回体を回転させる速度を変更可能に設けられているため、線状体の周長の異なる部分に亘って粘着テープを巻付ける際に、巻回体回転駆動部が巻回体支持部を回転させる速度を変更することで、線状体の周長の違いにより変化する回転体の一回転あたりのテープ巻付量に応じてテープ巻回体からのテープ繰出量を変更させることができる。これにより、線状体において周長が異なるそれぞれの部分に対して巻圧を調節することができる。
特に、第6の態様によると、回転体の回転に係る回転数に応じて、巻回体回転駆動部の駆動を制御する制御ユニットをさらに備えるため、回転体の回転数が大きい時に巻回体回転駆動部を駆動させるなどにより、容易に巻圧の調節を行うことができる。
特に、第7の態様によると、回転体の凹部に挿通された線状体を線状体の延在方向に沿って引出す引出機構をさらに備えるため、線状体の延在方向に沿って連続的に粘着テープを巻付ける場合、又は、線状体の延在方向に沿って間隔をあけて複数の位置に粘着テープを巻付ける場合等に線状体の引出に係る動作を容易に行うことができる。
特に、第8の態様によると、引出機構は、電線とスリットが形成され電線に外装されたチューブ状外装部材とを含む線状体のうちチューブ状外装部材の部分を回転体の凹部に挿通させた状態で線状体の延在方向に沿って引出すため、チューブ状外装部材の周囲に粘着テープが巻付けられる際にチューブ状外装部材のうちスリットを挟む両端部分が重なることを抑制することができる。
特に、第9の態様によると、電線を案内する電線案内部と、スリットが形成されたチューブ状外装部材をスリットで広げつつ電線案内部を通って案内される電線に対して外装可能に案内するチューブ案内部とを含み、テープ巻付装置に対して電線の引出方向上流側に設けられたチューブ外装治具を備えるため、テープ巻付時に電線の周囲にチューブ状外装部材を取り付ける動作を容易に行うことができる。
製造対象の一例であるチューブ状外装部材付電線モジュールを示す概略図である。 チューブ状外装部材取付装置の全体構成を示す概略平面図である。 取付ユニットとテープ巻付装置とを示す概略斜視図である。 テープ巻付装置を示す概略平面図である。 テープ巻付装置を示す概略正面図である。 ワンウェイクラッチを示す概念図である。 チューブ状外装部材取付装置によって粘着テープを螺旋状に巻付ける動作のフローチャートである。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置の動作を示す説明図である。 螺旋巻時の回転体の回転数の推移と巻回体回転駆動部の回転数の推移を示す説明図である。 チューブ状外装部材取付装置によって粘着テープを部分的に巻付ける動作のフローチャートである。 部分巻時の回転体の回転数の推移と巻回体回転駆動部の回転数の推移を示す説明図である。 第2実施形態に係るテープ巻付装置において螺旋巻時の回転体の回転数の推移とテープ巻回体の回転数の推移を示す説明図である。
{第1実施形態}
以下、第1実施形態に係るテープ巻付装置及びチューブ状外装部材取付装置について説明する。テープ巻付装置は、粘着テープが巻回されたテープ巻回体を線状体の周囲に回転させることで、線状体の周囲に粘着テープを巻付けるものである。ここでは、テープ巻付装置がチューブ状外装部材取付装置に組み込まれているものとして説明する。チューブ状外装部材取付装置は、電線等にスリットが設けられたチューブ状外装部材を取り付けるための装置である。テープ巻付装置は、チューブ状外装部材取付装置において、電線及びチューブ状外装部材の周囲に粘着テープを巻付ける役割を果たす。即ち、ここでは、線状体として、電線及びチューブ状外装部材が想定されている。
<製造対象について>
説明の便宜上、図1を参照してチューブ状外装部材取付装置によって製造されるチューブ状外装部材付電線モジュール10について説明する。
チューブ状外装部材付電線モジュール10は、電線12に対してチューブ状外装部材としてコルゲートチューブ16を取付けた構成とされている。
ここでは、チューブ状外装部材付電線モジュール10は、複数の端子付電線11と、コネクタ14とを含む電線モジュール10Bと、コルゲートチューブ16とを備える。
複数の端子付電線11のいずれかの端部は、コネクタ14に挿入接続されることで、一つのまとまった配線材を構成している。複数の端子付電線11の他の端部は、他のコネクタに接続されていてもよいし、他のコネクタに接続されないままの状態であることもあり得る。
ここでは、チューブ状外装部材付電線モジュール10が、車両配線用のワイヤーハーネスの一部を構成する仮結(サブアッシーとも呼ばれる)であることを想定している。すなわち、車両等において配線として用いられるワイヤーハーネスを製造するにあたっては、その完成品形態よりも小さい形態である仮結に分けて製造し、その仮結を複数組合わせてワイヤーハーネスの完成形態とする工法が採用されることがある。
コルゲートチューブ16が取付けられる前の電線モジュール10Bは、一つ又は複数の端子付電線11と、一つ又は複数のコネクタ14とを備えている。端子付電線11のいずれかの端部がコネクタ14に挿入接続されることで、一つ又は複数の端子付電線11と一つ又は複数のコネクタ14とが物理的に連結され、一つ又は複数の端子付電線11と一つ又は複数のコネクタ14とが一つにまとまった配線材として取扱われる。かかる電線モジュール10Bが、他の仮結、電線等と組合わされることで、ワイヤーハーネスが製造される。
ここでは、電線束部分11Bは、複数の端子付電線11が、2つのコネクタ14のいずれか又は両方に対して挿入接続された構成とされている。そして、端子付電線11のうち2つのコネクタ14に挿入接続される2つの電線束部分11Bに対してコルゲートチューブ16が外装されることで、チューブ状外装部材付電線モジュール10として構成される。
コルゲートチューブ16は、太環状部16aと細環状部16bとが交互に連なる樹脂製の筒状部材である(図8参照)。かかるコルゲートチューブ16は、比較的容易に曲げ変形できる。このため、コルゲートチューブ16は、保護対象となる電線束部分11Bを曲げ容易に保ちつつ当該電線束部分11Bを保護する部材として用いられる。コルゲートチューブ16には、延在方向に沿ってスリット17が形成されている(図14参照)。コルゲートチューブ16を当該スリット17で開いて電線束部分11Bに取付ける。なお、ここでは、複数の端子付電線11が束ねられた電線束部分11Bにコルゲートチューブ16を取付けて粘着テープ18を巻付ける例で説明するが、単一の電線に対してコルゲートチューブを取付けて粘着テープを巻付ける場合にも同様に実施可能である。
上記したように、コルゲートチューブ16には、粘着テープ18が巻付けられている。
ここでは、粘着テープ18は、コルゲートチューブ16の両端部と当該端部から延出する電線束部分11Bに巻付けられる。これにより、電線束部分11Bに対してコルゲートチューブ16が一定位置に位置決めされる。粘着テープ18がコルゲートチューブ16の両端部において、電線束部分11Bに巻付けられていることは必須ではない。
また、粘着テープ18は、コルゲートチューブ16の中間部に対しても巻付けられている。ここでは、粘着テープ18は、各巻付周回においてコルゲートチューブ16の延在方向において互いに重なるように螺旋状に巻付けられている(かかる巻き方は密巻きと呼ばれることがある)。例えば、粘着テープ18の幅方向において半分程度重なるように、粘着テープ18が巻付けられる(かかる巻き方はハーフラップ巻きと呼ばれることがある)。粘着テープ18は、各巻付周回においてコルゲートチューブ16の延在方向において互いに重ならないように隙間をあけて螺旋状に巻付けられていてもよい(かかる巻き方は荒巻と呼ばれることがある)。このように、粘着テープ18を巻付けることによって、コルゲートチューブ16のスリット17の開きが抑制されている。後に説明するチューブ状外装部材取付装置20においては、少なくともコルゲートチューブ16の中間部に対する粘着テープ18の巻付けが行われる。
なお、チューブ状外装部材がコルゲートチューブ16であることは必須ではない。チューブ状外装部材は、樹脂等で形成された曲げ容易な管状の部材であればよい。
また、チューブ状外装部材取付電線モジュールが、ワイヤーハーネスの一部を構成する仮結であることは必須ではない。チューブ状外装部材取付電線モジュールが、ワイヤーハーネスの全体を構成する配線材であってもよい。
<チューブ状外装部材取付装置の全体構成>
チューブ状外装部材取付装置20は、上記電線束部分11Bに対してコルゲートチューブ16を外装しつつ、当該コルゲートチューブ16に粘着テープ18を巻付けるための装置である。
図2はチューブ状外装部材取付装置20の全体構成を示す概略平面図であり、図3は取付ユニット50とテープ巻付ユニット30とを示す概略斜視図である。
チューブ状外装部材取付装置20は、電線保持部材22と、テープ巻付ユニット30と、複数の取付ユニット50とを備える。テープ巻付ユニット30は、テープ巻付装置の一つの例である。
電線保持部材22は、電線モジュール10Bのうちコルゲートチューブ16の取付対象となる部分以外を保持可能に構成されている。ここでは、電線保持部材22は、長尺部材に形成されており、その上向き部分に保持スリット23が形成された構成とされている。保持スリット23は、例えば、ゴム等の弾性部にスリットを形成すること、又は、一対の弾性片の先端部を突合わせた状態で、当該一対の弾性片の基端部を支持すること、等により構成されている。これにより、電線保持部材22は、電線12を弾性的に挟込んで着脱可能に支持することができる。
ここでは、電線保持部材22は、電線モジュール10Bのうちコルゲートチューブ16の取付対象となる端部以外の端部を支持する役割を果す。なお、電線保持部材22が設けられることは必須ではない。
チューブ状外装部材取付装置20は、ここでは、2つの取付ユニット50を備える。取付ユニット50は、電線保持部材22に対して間隔をあけて並列状態に配設されている。2つの取付ユニット50が並ぶ方向は、電線保持部材22の延在方向と同じであり、従って、2つの取付ユニット50は、それぞれ電線保持部材22に対して同じ間隔をあけて配設されている。
取付ユニット50は、後で説明するように、電線モジュール10Bの2つの電線束部分11Bに対してコルゲートチューブ16を外装するための部分である。従って、電線モジュール10Bの2つの電線束部分11Bが、それぞれ2つの取付ユニット50に向けて引出されている。なお、電線保持部材22と各取付ユニット50との間では、電線束部分11Bは弛んだ状態とされており、各電線束部分11Bを電線保持部材22から引っ張ることができるようになっている。
テープ巻付ユニット30は、各取付ユニット50において、コルゲートチューブ16に対して粘着テープ18を巻回可能に構成されている。
ここでは、テープ巻付ユニット30は、テープ巻付ユニット移動機構100によって、2つの取付ユニット50間を移動可能に支持されている。
テープ巻付ユニット移動機構100は、水平移動機構102と、昇降移動機構104とを備える。
水平移動機構102は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、2つの取付ユニット50の下方に、当該2つの取付ユニット50を結ぶ方向に沿って配設されている。この水平移動機構102によって、昇降移動機構104及びテープ巻付ユニット30が2つの取付ユニット50を結ぶ方向に沿って移動可能に支持されている。
昇降移動機構104は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、テープ巻付ユニット30を昇降移動可能に支持している。そして、水平移動機構102の駆動によって、昇降移動機構104が各取付ユニット50の下方に移動した状態で、当該昇降移動機構104がテープ巻付ユニット30を上昇させることで、テープ巻付ユニット30が取付ユニット50の上方に上昇移動し、各取付ユニット50において粘着テープ18の巻付作業を行えるようになる。また、当該昇降移動機構104がテープ巻付ユニット30を下降させることで、テープ巻付ユニット30が各取付ユニット50の下方で当該取付ユニット50との干渉を回避できる位置に下降する。これにより、水平移動機構102が、取付ユニット50の下方で、昇降移動機構104とテープ巻付ユニット30とを水平移動できるようになる。
なお、チューブ状外装部材取付装置20の各部の動作制御は、制御ユニット110によってなされる。制御ユニット110は、マイクロプロセッサと、マイクロプロセッサと結合された主記憶部と、補助記憶部とを備える。主記憶部は、RAM(Random Access Memory)等によって構成され、補助記憶部は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、ハードディスク装置等の非一時的な記憶装置によって構成されている。補助記憶部には、マイクロプロセッサに対する指示を記述したプログラムが格納されており、マイクロプロセッサは、当該プログラムを読込んで後述する各処理ステップを実行する。なお、制御ユニット110が実行する各種処理の一部又は全部がハードウェアによって実現されてもよい。ここでは、プログラムに、上記各駆動部の駆動タイミング(条件)、動作内容(移動位置、移動方向、回転量)等が記述されており、本装置の各部は、そのプログラムの記述に従って、後で説明する動作を実行する。
<取付ユニットについて>
図3を参照して取付ユニット50について説明する。なお、図3において、電線束部分11Bが配設されるラインLを2点鎖線で示している。
取付ユニット50は、チューブ外装治具60と、引出機構80とを備える。チューブ外装治具60は、コルゲートチューブ16が電線束部分11Bに外装されるように、電線としての電線束部分11B及びコルゲートチューブ16を案内可能に構成されている。引出機構80は、チューブ外装治具60から電線束部分11Bを引出し可能に構成されている。そして、電線束部分11B及びコルゲートチューブ16をチューブ外装治具60にセットした状態で、電線束部分11Bを引っ張ることで、コルゲートチューブ16が電線束部分11Bに対して順次外装されるようになっている。また、このように、コルゲートチューブ16及び電線束部分11Bを、チューブ外装治具60から引出す際に、チューブ外装治具60の下流側に上記テープ巻付ユニット30を配設しておいて、当該テープ巻付ユニット30によって粘着テープ18の巻付作業を実施することで、電線束部分11Bに対して外装されつつ引出されるコルゲートチューブ16に対して順次粘着テープ18を巻付けることができるようになっている。
上記チューブ外装治具60及び引出機構80は、ベース板51上に支持されている。
なお、引出機構80には、電線束部分に対して事前にコルゲートチューブ16が外装されたものがセットされ、これを引出す構成であってもよい。
各部構成についてより具体的に説明する。
チューブ外装治具60は、電線案内部63とチューブ案内部65とを備えており、ベース板51上に支持柱部51pを介して所定の高さ位置に支持されている。
チューブ外装治具60は、例えば、板状部材を略U字状に曲げた形状に形成されている。ここでは、チューブ外装治具60は、略二等辺三角形状の板状部材を、その底辺の垂直2等分線に沿って略U字状に折曲げたような形状に形成されているものとして説明する。
上記板状部材のうちの曲げ部分は、略U字状断面を有する半円筒状の電線案内部63に形成されている。この電線案内部63は、内部に挿入された電線束部分11Bを直線状に案内可能に構成されている。
また、上記板状部材のうち電線案内部63を挟む両側片部分の外辺部分にチューブ案内部65が設けられている。チューブ案内部65は、スリット17が形成されたコルゲートチューブ16を、スリット17で広げつつ、電線案内部63を通って案内される電線束部分11Bに対して外装可能に案内可能に構成されている。例えば、上記板状部材のうち電線案内部63を挟む両側片部分が、チューブ案内部65の延在方向に対して斜行する外辺部分を有する略板状に形成される。この両側片部分の外辺部分は、外方に向けて延出するように折曲げることで、フランジ部に形成されている。このフランジ部は、電線案内部63の延在方向に対して斜行する方向に延在すると共に、電線案内部63における電線束部分11Bの引出方向下流側に向けて順次近づくように設けられている。一対のフランジ部によってチューブ案内部65が構成されている。
そして、スリット17を広げた状態で、一対のフランジ部を、スリット17を通じてコルゲートチューブ16内に挿入することで、コルゲートチューブ16が、スリット17を広げられた状態で、電線案内部63の延在方向に斜行する方向に沿って案内される。
そして、チューブ案内部65によって案内されるコルゲートチューブ16の一端部を、電線束部分11Bのうち電線案内部63を通って案内されて引出方向下流側に引出された部分に被せておく。この状態で、電線案内部63で案内された電線束部分11B及びコルゲートチューブ16を引出すことで、上記のように広げられたスリット17を通じて電線束部分11Bがコルゲートチューブ16内に連続的に挿入されることになる。
なお、チューブ外装治具60は、ベース板51に対して着脱可能とされることが好ましい。これにより、チューブ外装治具60に対するコルゲートチューブ16及び電線束部分11Bのセットを容易に行える。
また、チューブ状外装部材取付装置20は、チューブ移動機構70を備える。チューブ移動機構70は、ここでは、テープ巻付ユニット移動機構100によってテープ巻付ユニット30と共に移動可能に設けられている。もっとも、チューブ移動機構70は、ベース板51に固定されていてもよい。
チューブ移動機構70は、粘着テープ18の先端部をチューブ外装治具60から引出される電線束部分11Bに巻付けた後、コルゲートチューブ16をチューブ外装治具60から引出す方向に移動可能に構成されている。このチューブ移動機構70は、粘着テープ18をスリット17の端部に配設するための機構である。
すなわち、チューブ移動機構70は、チューブ把持機構72と、チューブ把持機構72をチューブ外装治具60から引出す側に移動させる水平移動機構74とを備える。
チューブ把持機構72は、ソレノイドを利用した電磁チャック又はエアシリンダを利用したチャック等によって構成されており、開閉駆動可能な一対の把持部72aを備えている。そして、チューブ外装治具60の先端側で、一対の把持部72aを閉じることで、当該チューブ外装治具60から引出されるコルゲートチューブ16の端部を把持し、一対の把持部72aを開くことで、コルゲートチューブ16の把持を解除できるようになっている。
水平移動機構74は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、電線束部分11Bの引出方向に沿って設けられている。この水平移動機構74によって、支持部74Bを介してチューブ把持機構72が電線束部分11Bの引出方向に沿って移動可能に支持されている。
そして、コルゲートチューブ16が電線束部分11Bと共にチューブ外装治具60の先端側に引出された状態で、チューブ把持機構72の一対の把持部72aを閉じることで、コルゲートチューブ16の端部を把持することができる。この状態で、水平移動機構74の駆動によって、チューブ把持機構72を、電線束部分11Bの引出方向下流側に移動させることで、コルゲートチューブ16を電線束部分11Bの引出方向下流側に移動させることができるようになっている。これにより、後述するように、粘着テープ18をコルゲートチューブ16のスリット17内に容易に入り込ませることができるようになっている。
引出機構80は、電線束部分11Bを電線案内部63にセットすると共に、コルゲートチューブ16をチューブ案内部65にセットして、コルゲートチューブ16の一端部を電線束部分11Bのうち電線束部分11Bから延出する部分に外装した状態で、コルゲートチューブ16及び電線束部分11Bをチューブ外装治具60から引出可能に構成されている。
ここでは、引出機構80は、電線引出機構82を備える。引出機構80は、電線保持部材22に対して、チューブ外装治具60を挟んで反対側に設けられており、コルゲートチューブ16及び電線束部分11Bを電線保持部材22から離れる方向に引っ張るように構成されている。
電線引出機構82は、電線束部分11Bの端部に取付けられた端部取付部材としてのコネクタ14を引っ張ることで、電線束部分11Bを引っ張り可能に構成されている。電線束部分11Bの端部に取付られる端部取付部材としては、上記コネクタ14の他、電線の端部の露出芯線部に圧着または溶接等によって接続取付けされた端子である場合が考えられる。特に、端子が、相手側にボルト接続等される端子(例えば、アース端子)である場合には、当該端子自体比較的丈夫であるため、電線を引っ張るのに適する。
より具体的には、電線引出機構82は、引出駆動部84と、コネクタセット部86とを備える。
引出駆動部84は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、電線束部分11Bから側方に離れた位置でベース板51上に支持されている。引出駆動部84によって電線束部分11Bの延在方向に沿って移動可能に支持される可動部85が、引出駆動部84から電線束部分11Bに向けて延出するように支持されており、この可動部85の先端部上にコネクタセット部86が支持されている。
コネクタセット部86には、コネクタ14を嵌め込み可能な凹部86hが形成されており、コネクタ14を当該凹部86hに嵌め込むことで、コネクタ14がコネクタセット部86に対して一定位置に支持される。なお、コネクタセット部は、コネクタ14を挟込んで支持する構成であってもよい。また、電線引出機構は、電線束部分11Bを掴んだ状態で、電線束部分11Bを引っ張る構成であってもよい。
そして、コネクタセット部86にコネクタ14をセットした状態で、引出駆動部84によってコネクタセット部86を電線束部分11Bの延在方向に沿ってチューブ外装治具60から離れる方向に移動させることで、コネクタ14が同方向に移動し、もって、電線束部分11Bが電線束部分11Bの引出方向に沿ってチューブ外装治具60から離れる方向に引っ張られる。
なお、引出機構80が、電線引出機構82を備えていることは必須ではない。引出機構は、例えば、コルゲートチューブ16を引き出すチューブ引出機構を備えた構成であってもよい。コルゲートチューブ16の一端部と電線束部分11Bとが、粘着テープ18の巻始め部分によって固定されていれば、コルゲートチューブ16の一端部と電線束部分11Bとの一方を引っ張ることによって、それらの両方を引っ張ることができるからである。
なお、このチューブ状外装部材取付装置20では、チューブ外装治具60に対して電線束部分11Bの引出方向とは反対側、即ち、電線保持部材22側に、ガイド溝部26が設けられている。ガイド溝部26は、電線束部分11Bを案内可能に構成されている。例えば、間隔をあけて対向配置された一対のガイド面26aの間に電線束部分11Bを通すことにより、電線束部分11Bを案内することができる。これにより、電線束部分11Bを直線状に保つことができ、当該電線束部分11Bが外装治具内に容易に入り込んで通過することができる。
<テープ巻付ユニットについて>
図4は、テープ巻付ユニット30を示す概略平面図である。図5は、テープ巻付ユニット30を示す概略正面図である。図3及び図4に示すように、テープ巻付ユニット30は、チューブ外装治具60に対して電線束部分11Bの引出方向下流側に設けられている。そして、引出機構80によりチューブ外装治具60からコルゲートチューブ16が引出される際に、コルゲートチューブ16周りに粘着テープ18を巻付可能に構成されている。
より具体的には、テープ巻付ユニット30は、テープ巻付機構31とテープ保持部41とテープ貼付部47とテープカット部49とを備える。
テープ巻付機構31は、回転体32と、回転支持部34と、回転体回転駆動部36と、巻回体支持回転機構37とを備える。さらにここでは、テープ巻付機構31は、テープ押付部35を備える。
回転体32は、円板状部材の外周周りの一部から中心に向けてU字状の凹部32hを形成した構成とされている。回転体32の一方面側(引出方向下流側)には、弧状ガイド32aとテープ押付部35とが設けられている。
弧状ガイド32aは、一対設けられ、それぞれ板状部材が略四半円弧状に曲げられた形状に形成されている。一対の弧状ガイド32aは、回転体32の凹部32hの底の周縁に、凹面を凹部32hに向けた状態で回転体32に取り付けられている。この際、一方の弧状ガイド32aの一方側端部と他方の弧状ガイド32aの一方側端部とが間隔をあけて対向するように配設されている。そして、一対の弧状ガイド32aの間にテープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18の先端側部分が通されることで、線状体に貼り付けられる前の粘着テープ18の先端がテープ押付部35により線状体に貼付可能な位置に位置するように保持される。
テープ押付部35は、弧状ガイド32a及び回転体32に対して回動可能に設けられている。テープ押付部35は、粘着テープ18の先端がテープ押付部35と線状体との間に位置する状態で後述するテープ貼付部47の押圧部47aによって押圧されることで回動し、粘着テープ18の先端を線状体に向けて押しつける(図10参照)。具体的には、テープ押付部35は被押圧部35aと押付パッド35bとを含む。
被押圧部35aは、板状に形成され、一端側部分が一方の弧状ガイド32aの他端側より外方に延在するように取り付けられる。当該一端側部分は、例えば、回転体32の凹部32hの位置と回転支持部34の後述する凹部34hの位置とが一致している状態でテープ貼付部47の押圧部47aによって押圧可能な位置に位置し、その外面(線状体側とは反対側を向く面)が押圧部47aに押圧される。被押圧部35aの他端側部分は、例えば、ヒンジを介して回転体32及び弧状ガイド32aとの間に連結される。この際、被押圧部35aは、線状体側とは反対側に付勢されていることが考えられる。これにより、回転体32の回転中に被押圧部35aが線状体に向けて回動して粘着テープ18の巻付の邪魔になることを抑制することができる。
押付パッド35bは、被押圧部35aよりも柔軟な部材で形成され、テープを押しつける際の衝撃をやわらげる緩衝部材としての役割を果たす。押付パッド35bは、被押圧部35aの一端側部分の内面(線状体側を向く面)に取り付けられる。
回転支持部34は、平板状に形成されると共に、その一方側部から幅方向中央に向けて凹部34hが形成された構成とされている。そして、凹部34hに回転体32の凹部32hを回転可能に支持する軸受部34aが設けられると共に、回転体32周りの位置に、回転支持円板34c等が配設されることで、回転支持部34によって回転体32が回転可能に支持されている。回転体32を回転支持部34に対して回転させ、回転体32の凹部32hの位置と回転支持部34の凹部34hの位置とを一致させることで、回転体32の中心に電線束部分11Bを配設できるようになっている。また、この状態で、回転体32を回転させることで、回転体32の中心に電線束部分11Bを配設した状態で、その周りにテープ巻回体18Bを回転させることができるようになっている。
回転体回転駆動部36は、上記回転体32を回転駆動可能に構成されている。ここでは、回転体回転駆動部36は、モータ等によって構成されている。ここでは、回転体32周りに設けられた2つの回転支持円板34cが歯車によって構成されており、当該歯車が回転体32周りに形成された歯車に噛合っている。また、回転体回転駆動部36の駆動軸に取付けられた駆動歯車36aが2つの回転支持円板34cに噛合っている。そして、回転体回転駆動部36の回転駆動力が駆動歯車36aから2つの回転支持円板34cを介して回転体32に伝達され、これにより、回転体32が回転駆動するようになっている。この際、回転体32の凹部32hの位置に拘らず、2つの回転支持円板34cの少なくとも一方が回転体32周りに形成された歯車に噛合う。このため、回転体32を継続して360度以上回転させることができるようになっている。
そして、引出機構80によりチューブ外装治具60からコルゲートチューブ16を引出しつつ、このテープ巻付ユニット30によってテープ巻回体18Bをコルゲートチューブ16周りに回転させることで、コルゲートチューブ16に粘着テープ18を螺旋状に巻いていくことができる。
また、粘着テープ18の先端部をチューブ外装治具60から引出される電線束部分11Bに巻付けるように、電線束部分11B周りにテープ巻回体18Bを回転させることで、当該粘着テープ18の先端部をコルゲートチューブ16の一端部の外方で電線束部分11Bに巻付けることができる。そして、この状態で、コルゲートチューブ16を電線束部分11Bの延在方向に対して移動させて、電線束部分11Bより外方に向う粘着テープ18をコルゲートチューブ16のスリット17内に入り込ませ、この状態で、コルゲートチューブ16の一端部周りにテープ巻回体18Bを回転させると、粘着テープ18がコルゲートチューブ16の一端部にも巻付けられる。これにより、粘着テープ18が電線束部分11B及びコルゲートチューブ16の一端部に巻付けられ、コルゲートチューブ16の一端部と電線束部分11Bとを固定できる。
巻回体支持回転機構37は、テープ巻回体18Bを支持すると共に、テープ巻回体18Bをテープ巻回体18Bの中心軸周りにテープ繰出方向に回転させる部分である。粘着テープ18がテープ巻回体18Bから引出される際にテープ巻回体18Bがテープ巻回体18Bの中心軸周りにテープ繰出方向に回転することで、引出し時に粘着テープ18の亘部分18aにかかる張力を弱めることができる。具体的には、巻回体支持回転機構37は、巻回体支持部37aと、巻回体回転駆動部38とを含む。さらにここでは、巻回体支持回転機構37はクラッチを含む。
巻回体支持部37aは、回転体32の一方面側の外周側よりの部分に設けられている。巻回体支持部37aは、粘着テープ18を巻回収容したテープ巻回体18Bを支持する。
巻回体回転駆動部38は、回転体回転駆動部36により回転体32が回転している途中で巻回体支持部37aに支持されたテープ巻回体18Bが巻回体支持部37a周りでテープ繰出方向に回転可能となるようにテープ巻回体18Bを回転させる。ここでは、巻回体回転駆動部38は、モータ等によって構成されている。
クラッチは、巻回体回転駆動部38の回転駆動力をテープ巻回体18Bに伝達する。クラッチは、巻回体支持部37aと巻回体回転駆動部38との間に介在するように設けられ、巻回体支持部37aを介して巻回体回転駆動部38の回転駆動力をテープ巻回体18Bに伝達する。
クラッチは、テープ巻回体18Bを巻回体支持部37aの中心軸周りで少なくともテープ繰出方向に回転自在に支持する状態(以下、第1状態と称する)と、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bをテープ繰出方向に回転駆動させる状態(以下第2状態と称する)との間で状態変更可能に設けられている。このようなクラッチとして、ここでは、ワンウェイクラッチ39が採用されている。ワンウェイクラッチ39について、図6を用いて説明する。図6は、ワンウェイクラッチ39を示す概念図である。ワンウェイクラッチ39は、テープ繰出方向のみに巻回体回転駆動部38の回転駆動力を伝達する。具体的には、ワンウェイクラッチ39は、内側部材39aと外側部材39bと輪留部材39dと弾性部材39eとを含む。
内側部材39aは、略円板状に形成され、巻回体回転駆動部38に連結されることで、巻回体回転駆動部38により回転駆動される。内側部材39aの外周部には、内側に向かって凹む凹部39hが形成されている。当該凹部39hに輪留部材39dと弾性部材39eとが配設される。
外側部材39bは、略円筒状に形成され、内側部材39aの外側に配設される。外側部材39bの内周面には歯車39cが形成されている。当該歯車39cは、歯が傾けて形成されている。例えば、当該外側部材39bの周囲にテープ巻回体18Bが外側部材39bに対して回転不能に配設される。つまり、外側部材39bが巻回体支持部37aを兼ねている。
輪留部材39dは、棒状に形成され、凹部39hの底から外周側に向かって延びるように設けられている。また、輪留部材39dは、周方向に沿って凹部39hの一端側から他端側に向けて延びるように設けられている。輪留部材39dの基端部は、ピンなどにより内側部材39aに固定され、内側部材39aに対して当該ピン周りに回動可能に設けられている。
弾性部材39eは、例えば、引張ばね又は板バネ等で構成される。弾性部材39eは、内側部材39aの外周部のうち凹部39hの底に当たる部分と輪留部材39dの先端とを接続し、輪留部材39dの先端を外周側に付勢している。
そして、外側部材39bが内側部材39aに対して一方向(図6では、時計回り)に回転しようとするとき、輪留部材39dは歯車39cにかみ合い、回転を阻害する。これに対して、外側部材39bが内側部材39aに対して反対方向(図6では、反時計回り)に回転しようとするとき、輪留部材39dは歯車39cにかみ合わず、回転を阻害しない。この際、輪留部材39dの先端は、歯車39cのうち歯が最も内周側に突出している部分を通過する際に歯車39cによって内周側に押圧され、弾性部材39eの付勢力に抗して凹部39hに収まる。そして、輪留部材39dの先端は、歯車39cのうち歯が最も内周側に突出している部分を通過すると、弾性部材39eの付勢力によって歯車39cのうち突出量の最も小さい部分の内周側の空間に収まる。
従って、内側部材39aに対する外側部材39bの回転が阻害されない方向をテープ繰出方向とすることで、ワンウェイクラッチ39がつながっている状態(以降、クラッチがつながっている状態をオンとし、クラッチが切れている状態をオフと称する)にもテープ巻回体18Bは、テープ繰出方向に回転自在となる。また、ワンウェイクラッチ39がオン時に、内側部材39aの回転数が外側部材39bの回転数より大きくなると、巻回体回転駆動部38の回転駆動力がテープ巻回体18Bに伝達される。つまり、クラッチとしてワンウェイクラッチ39が採用がされることで、クラッチがオン時に第1状態と第2状態との間で状態変更可能となる。
以下では、ワンウェイクラッチ39は常時オンに設定され、制御ユニット110は、巻回体回転駆動部38に対しては、オンとオフとの切り替えのみの制御を行うものとして説明する。これにより、巻回体回転駆動部38の制御が容易になる。これについて、詳しくは後述する。
回転体32を回転させて線状体に粘着テープ18を巻付けていくと、回転体32の回転により亘部分18aが引っ張られる。この引張りにより亘部分18aの先端に亘部分18aの先端側に向かう張力がかかる。当該張力は、テープ巻回体18Bから粘着テープ18を引出す力として作用する。通常、回転体32の回転が速くなるにつれて当該張力は大きくなる。そして、当該張力が大きくなることで、テープ巻回体18Bからの粘着テープ18の引出が行われる。また、当該張力が大きくなると、粘着テープ18を線状体に巻付ける際の巻圧が強くなると考えられる。
ここで、テープ巻回体18Bから粘着テープ18を引き出すには、張力がある閾値を超える必要が有ると考えられる。この際、亘部分に張力がかかっている状態で巻回体回転駆動部38をオンにし、テープ巻回体18Bをテープ繰出方向に回転させる、つまり、内側部材39aに取り付けられた輪留部材39dが外側部材39bを押圧することで、粘着テープ18がテープ巻回体18Bから剥離しやすくなり、当該閾値を下げることができると考えられる。つまり、テープ巻回体18Bをテープ繰出方向に回転させることで、回転体32が回転することにより亘部分18aの先端にかかる張力が小さくても、テープ巻回体18Bから粘着テープ18を引出すことができ、もって線状体にかかる巻圧を押さえることができると考えられる。
なお、テープ巻回体18Bから粘着テープ18の引出しに係る力としては、上記張力の他に例えば、粘着テープ18の粘着力及び巻回体支持部37aの回転に係る摩擦力等が考えられる。
以上より、テープ巻回体18Bを巻回体支持回転機構37によりテープ繰出方向に回転させている際中は、テープ巻回体18Bが単に回転自在に支持されている場合と比較して上記張力は小さく抑えられる。これにより、テープ巻回体18Bを巻回体支持回転機構37によりテープ繰出方向に回転させている際中における線状体にかかる巻圧は小さくなると考えられる。
ここで、ワンウェイクラッチ39が設けられない場合であってクラッチがオンの場合、つまり、テープ巻回体18Bがテープ巻回体18Bが巻回体回転駆動部38の回転力を受けることによってのみテープ繰出方向に回転する場合には、繰出量は、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bを回転させる量と等しくなる。この場合、巻付量に対して巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bを回転させる量が少ないと、結果として亘部分18aがテープ巻回体18B側に引っ張られることになり、張力が大きくなる。これにより、巻圧が必要以上に大きくなる、又は、亘部分18aが延びる或いは破断する等の恐れがある。これを防ぐには、クラッチがオン時には、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bを回転させる量を巻付量に一致させるような制御が必要となる。
これに対して、ワンウェイクラッチ39が採用されると、繰出量は、巻回体回転駆動部38の回転量と等しくなるとは限らない。より詳細には、巻回体回転駆動部38の駆動時にテープ繰出方向における外側部材39bの回転数が内側部材39aの回転数よりも小さくなると、外側部材39bは内側部材39aに取り付けられた輪留部材39dによってテープ繰出方向に押圧される。この場合は、繰出量は、巻回体回転駆動部38の回転量と等しい。一方、ワンウェイクラッチ39がオン時であっても外側部材39bは内側部材39aに対してテープ繰出方向に回転自在、つまり、テープ巻回体18Bはテープ繰出方向に回転自在であるため、張力等を受けて外側部材39bの回転数が内側部材39aの回転数よりも大きくなる場合、即ち、外側部材39bが内側部材39aに対してテープ繰出方向に相対的に回転する場合もあり得る。この場合、繰出量は、巻回体回転駆動部38の回転量よりも多い。
つまり、巻回体回転駆動部38を駆動させた際に、外側部材39bの回転数が内側部材39aの回転数よりも大きければ、内側部材39aは外側部材39bを押すことなく、かつ、内側部材39aは外側部材39bの回転を阻害することなく、外側部材39bはそのまま回転を続ける。また、巻回体回転駆動部38を駆動させた際に、外側部材39bの回転数が内側部材39aの回転数よりも小さければ、外側部材39bが内側部材39aに押圧され、外側部材39bの回転数が内側部材39aの回転数と同じになる。このあと、外側部材39bの回転数が内側部材39aの回転数より大きくなった場合でも、内側部材39aは外側部材39bを押すことなく、かつ、内側部材39aは外側部材39bの回転を阻害することなく、外側部材39bはそのまま回転を続けることができる。
従って、ワンウェイクラッチ39が採用されることで亘部分18aがテープ巻回体18B側に引っ張られることが抑制される。このため、繰出量に対して巻回体回転駆動部の回転量が少ない場合も、張力等を受けて繰出量が巻付量と一致することができる。これにより、少なくとも巻圧を抑えたいときに巻回体回転駆動部38を駆動させればよく、また、巻圧を抑える必要がないとき、巻回体回転駆動部38のオンオフ及びクラッチのオンオフは問わない。以上より、ワンウェイクラッチ39を常時オンに設定され、制御ユニット110は、巻回体回転駆動部38をオンとオフとに切り替えるような制御を行う場合でも、巻圧を抑えることが可能となる。
この際、線状体に粘着テープ18を巻始める巻始めにおいてテープ巻回体18Bを巻回体支持回転機構37によりテープ繰出方向に回転させると、特に巻始めにおいて線状体にかかる巻圧を抑えることができる。これにより以下に示すメリットを得ることができる。
即ち、ここでは、スリット17の設けられたコルゲートチューブ16の周囲に粘着テープ18を巻付ける。この際、巻始めにおいては、コルゲートチューブ16のスリット17を挟む両端部が固定されていないため、巻圧が強くなると、容易に当該両端部が重なるように変形してしまう。特にここでは、コルゲートチューブ16を電線12に対して固定するために、先に電線束部分11Bにテープを巻付けた後、電線束部分11Bから延在する粘着テープ18をスリット17に通すことで電線束部分11Bのうち当該粘着テープ18が巻付けられた部分の周囲にコルゲートチューブ16を配設させる。そして、電線束部分11Bから延在する粘着テープ18がスリット17を通してコルゲートチューブ16の外方に延びる状態で、スリット17を挟むコルゲートチューブ16の両端部のうちの一方から粘着テープ18を巻付け始める。このような巻付け方においては、巻始めの巻圧が強いと、先に巻始める一方側端部が内側につぶれてしまい、そのまま巻き続けると他方側端部が一方側端部の外側に重なるような変形が生じやすい。一方、他方側端部が一方側端部の内側に入り込もうとしても、一方側端部と電線12との間には粘着テープ18が掛け渡されているため、他方側端部は一方側端部の内側に入りこみにくいと考えられる。以上より、巻始めの部分において巻圧を抑えられると、コルゲートチューブ16の一方側端部が内側につぶれにくくなり、もって、一方側端部と他方側端部との重なりを抑えやすいと考えられる。
この際、巻始めではない部分、つまり、既に粘着テープ18がコルゲートチューブ16の周囲に巻き付けられている部分においては、すでに巻付けられた粘着テープ18によりコルゲートチューブ16の形状がある程度保たれる。このため、多少巻圧が強くなっても、当該両端部が重なるような変形は生じにくいと考えられる。特に、粘着テープ18がスリット17を挟む両端に架け渡されるように巻付けられていると、粘着テープ18によりコルゲートチューブ16の形状がより確実に保たれる。
上記観点から、巻始めの部分では、巻圧を抑えられるように少なくとも1周ゆっくり回転させるように巻き、その後、螺旋状に巻いていく際に回転速度を速くするような巻付け方も有効であると考えられる。これにより、巻圧を抑えた状態でコルゲートチューブ16に少なくとも1周粘着テープ18を巻くことができ、確実にスリット17を挟んだ両端に粘着テープ18を架け渡すことができる。この結果、つづけて粘着テープ18を巻付けていく際にも、コルゲートチューブ16が変形し難くなる。
もっとも、クラッチがワンウェイクラッチ39を含むことは必須ではない。クラッチがワンウェイクラッチ39を含まない場合、クラッチは、例えば、オンとオフとが切り替え可能に設けられているとよい。これにより、例えば、以下のような構成を採用することで、第1状態と第2状態との間で状態変更可能となる。即ち、クラッチがオフ時にテープ巻回体18Bは巻回体支持部37aに少なくともテープ繰出方向に回転自在に支持される。このとき、巻回体回転駆動部38の回転駆動力は、テープ巻回体18Bに伝達されない。一方、クラッチがオン時に巻回体回転駆動部38はテープ巻回体18Bをテープ繰出方向に回転駆動させる。このとき、テープ巻回体18Bは、巻回体回転駆動部38の回転駆動力を受けることによってのみテープ繰出方向に回転する。
なお、粘着テープ18の巻付け力を小さくすることは、粘着テープ18をスリットの形成されたチューブ状外装部材に巻付ける際にだけではなく、電線束に巻付ける際にも有効である。巻付け力が強すぎると、粘着テープを巻付けている途中で電線束が大きく振り回される恐れがあり、粘着テープをきれいに巻き付けられないからである。
また、ここでは、テープ巻付機構31は、ガイド部40を備える。ガイド部40は、亘部分18aを迂回させるように亘部分18aをガイドする。具体的には、ガイド部40は、回転自在に支持され、テープ巻回体18Bからの粘着テープ18の引出に伴って従動回転しつつ亘部分18aをガイドするローラ40aを含む。もっとも、ガイド部40がローラ40aを含むことは必須ではなく、ガイド部40としては、回転しない部材が亘部分18aをガイドする構成であってもよい。
ローラ40aは、円柱状に形成され、その周面に亘部分18aが当接する。ローラ40aは、支持部40bに回転自在に設けられ、亘部分18aが線状体側に移動する際に、回転して送り出す。これにより粘着テープ18の引出しにかかる力が大きくなることを抑制する。
また、ローラ40aは、中心軸方向が線状体の延在方向と平行となる平行姿勢と、中心軸方向が線状体の延在方向と交差する傾斜姿勢との間で姿勢変更可能に設けられている(図17参照)。例えば、ローラ40aを支持する支持部40bが、ピンなどで線状体の延在方向に直交する軸周りに回動可能に取付台40cに取り付けられることで、ローラ40aが姿勢変更可能となる構成が考えられる。この際、支持部40bは、ローラ40aが平行姿勢と傾斜姿勢との間で自在に姿勢変更可能となるように、取付台40cに対して平行姿勢に対応する状態と傾斜姿勢に対応する状態との間で回動自在に取り付けられていることが考えられる。なお、傾斜姿勢の最大値は、例えば、ローラ40aの中心軸方向が線状体の延在方向に直交する方向と略30度をなす角度であることが考えられる。もっとも、ローラ40aは、姿勢変更しないように設けられていてもよい。また、ローラが姿勢変更する場合でも平行姿勢と傾斜姿勢との間で自在に姿勢変更可能であることは必須ではなく、ローラは、平行姿勢と傾斜姿勢とのうちどちらか一方の姿勢に向けて付勢されている場合もあり得る。
なお、ここでは、粘着テープ18は、粘着面がローラ40a側を向くように配設される。このため、ローラ40aは、粘着テープ18が粘着しにくい材料で形成されるか、その外周面に粘着テープ18が粘着しにくい材料でコーティング等されているとよい。もっとも、粘着テープ18は粘着面がローラ40a側とは反対側を向くように配設されていてもよい。
ここでは、テープ巻付機構31は、テープ巻付機構移動機構46によって移動可能に設けられている。
テープ巻付機構移動機構46は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、線状体の延在方向、つまり、電線12の引出方向と交差する方向(ここでは、直交する方向)に沿って配設されている。このテープ巻付機構移動機構46によって、回転体32を含むテープ巻付機構31が線状体の延在方向と交差する方向(ここでは、直交する方向)に沿って線状体に対して接近移動又は離間移動可能に支持されている。
テープ保持部41は、粘着テープ18が線状体に巻き付けられた状態で亘部分18aの一部を把持する部分である。より詳細には、テープ保持部41は、亘部分18aのうちテープカット部49によりカットされる部分とテープ巻回体18Bの間の部分を把持する。これにより、カットすることで隔てられた粘着テープ18の両端部のうちテープ巻回体18Bに連なる側の端部がカットの衝撃で所望しない方向に移動することを抑制する。
具体的には、テープ保持部41は、テープ把持機構42とテープ把持機構42をテープに向けて移動させるテープ把持機構移動機構とを含む。
テープ把持機構42は、ソレノイドを利用した電磁チャック又はエアシリンダを利用したチャック等によって構成されており、開閉駆動可能な一対の把持爪42aを備えている。そして、亘部分18aの延在方向に沿ってテープカット部49よりもテープ巻回体18B側で、一対の把持爪42aを閉じることで、当該亘部分18aの一部を把持し、一対の把持爪42aを開くことで、亘部分18aの把持を解除できるようになっている。
テープ把持機構移動機構は、例えば、水平移動機構43を備える。
水平移動機構43は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、線状体の延在方向に沿って設けられている。この水平移動機構によって、テープ把持機構42が線状体の延在方向に沿って移動可能に支持されている。
そして、粘着テープ18が線状体の周囲に巻付けられた状態で、テープ巻付機構移動機構46の駆動によってテープ巻付機構31を線状体から離間させることで、テープが引出される。そして、テープ把持機構移動機構の駆動によってテープ把持機構42が亘部分18aのうちテープカット部49によりカットされる部分とテープ巻回体18Bとの間に移動する。この状態で、一対の把持爪42aを閉じることで、亘部分18aの一部を把持することができる。これにより、粘着テープ18がカットされても、テープ巻回体18Bに連なる端部を把持しておくことができる。また、これにより、後述するように、次の取付作業に向けて亘部分18aの先端をテープ押付部35の上方に位置させることができるようになっている。
テープ貼付部47は、粘着テープ18を線状体に巻付ける際に、最初に粘着テープ18の先端を線状体に貼り付ける部分である。テープ貼付部47は、巻付位置にセットされた回転体32の凹部32hに対して引出方向下流側の下方に配設される。具体的には、テープ貼付部47は、押圧部47aと押圧部移動機構とを備える。
押圧部47aは、粘着テープ18を直接的又は間接的に押圧する押圧面を含む。ここでは、押圧部47aは、回転体32に設けられた被押圧部35aを介して粘着テープ18を押圧する。
押圧部移動機構は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、昇降移動機構104の移動方向に沿って設けられている。この押圧部移動機構によって、押圧部47aが昇降移動機構104の移動方向に沿って移動可能に支持されている。
そして、粘着テープ18がその粘着面を線状体に向けた態様で線状体の外方に位置する状態で、押圧部移動機構の駆動によって押圧部47aを線状体に向けて移動させることで、粘着テープ18のうち粘着面とは反対側の面が被押圧部35aを介して押圧部47aにより押圧される。これにより、粘着面が線状体に貼り付けられる。
テープカット部49は、粘着テープ18が線状体に巻付けられた状態で、亘部分18aの一部をカットする部分である。より詳細には、テープカット部49は、亘部分18aのうちテープ保持部41に保持される部分よりも線状体側をカットする。テープカット部49は、テープ貼付部47の側方に配設される。具体的には、テープカット部49は、切断刃49aと切断刃移動機構とを備える。
切断刃49aは、刃先を上方に向けた状態で配設される。切断刃49aは、例えば、粘着テープ18の幅寸法よりも大きい幅寸法に形成される。
切断刃移動機構は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、昇降移動機構104の移動方向に沿って設けられている。この切断刃移動機構によって、切断刃49aが昇降移動機構104の移動方向に沿って移動可能に支持されている。
そして、粘着テープ18が線状体に巻付けられた状態で、切断刃移動機構の駆動によって切断刃49aを亘部分18aに向けて移動させることで、亘部分18aのうちテープ保持部41によって保持される部分よりも線状体側がカットされる。
また、ここでは、チューブ状外装部材取付装置20は、線状体保持部90を備える。線状体保持部90は、線状体の周囲に粘着テープ18が巻付けられている際に、線状体を保持し、巻圧等により線状体にねじれ等の変形が生じることを抑制する。ここでは、線状体保持部90は、主にコルゲートチューブ16を保持してその変形を抑制するものとして説明する。もっとも、保持部は、電線束部分11Bを保持してもよい。線状体保持部90は、テープ巻付ユニット30と共にテープ巻付ユニット移動機構100によって移動可能に設けられている。具体的には、線状体保持部90は、上流側保持部91と下流側保持部95とを含む。
上流側保持部91は、テープ巻付機構31よりも上流側に配設され、一対のローラ92と、一対のローラ92を開閉駆動させる開閉駆動機構93とを含む。
ローラ92は、円柱状に形成され、その中心軸周りに回転自在に支持部92Bに取り付けられている。例えば、ローラ92は、中間部分に向けて徐々に径が小さくなるように形成される。これにより、一対のローラ92で線状体を挟み込んだ際に、線状体が一対のローラ92に対して径が小さくなる部分に位置しやすくなることによって、線状体を位置決めすることができる。
開閉駆動機構93は、ソレノイドを利用した電磁チャック又はエアシリンダを利用したチャック等によって構成されており、開閉駆動可能な一対の開閉部材93aを備えている。当該一対の開閉部材93aにそれぞれローラ92が取り付けられている。そして、一対のローラ92の間にコルゲートチューブ16が位置した状態で一対の開閉部材93aを閉じることで、一対のローラ92により当該コルゲートチューブ16の一部を挟み込んで保持し、一対の開閉部材93aを開くことで、コルゲートチューブ16の挟み込みを解除できるようになっている。この際、一対のローラ92を支持する支持部92Bは、弾性部94を介して開閉部材93aに取り付けられている。これにより、一対のローラ92が線状体を挟み込む力が大きくなりすぎることを抑制することができる。
下流側保持部95は、テープ巻付ユニット30よりも下流側に配設され、一対のローラ96と、一対のローラ96を開閉駆動させる開閉駆動機構97と、昇降移動機構とを含む。下流側保持部95は、平面視でコネクタセット部86の初期位置と重なる位置であって、コネクタセット部86よりも下方に設けられている。
ローラ96は、円柱状に形成され、その中心軸周りに回転自在に支持部96Bに取り付けられている。例えば、ローラ96は、中間部分に向けて徐々に径が小さくなるように形成される。これにより、一対のローラ96で線状体を挟み込んだ際に、線状体が一対のローラ96に対して径が小さくなる部分に位置しやすくなることによって、線状体を位置決めすることができる。
開閉駆動機構97は、ソレノイドを利用した電磁チャック又はエアシリンダを利用したチャック等によって構成されており、開閉駆動可能な一対の開閉部材97aを備えている。当該一対の開閉部材97aにそれぞれローラ96が取り付けられている。そして、一対のローラ96の間にコルゲートチューブ16が位置した状態で一対の開閉部材97aを閉じることで、一対のローラ96により当該コルゲートチューブ16の一部を挟み込んで保持し、一対の開閉部材97aを開くことで、コルゲートチューブ16の挟み込みを解除できるようになっている。この際、一対のローラ96を支持する支持部96Bは、弾性部98を介して開閉部材97aに取り付けられている。これにより、一対のローラ96が線状体を挟み込む力が大きくなりすぎることを抑制することができる。
下流側保持部の昇降移動機構は、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のリニアアクチュエータによって構成されており、昇降移動機構104の移動方向に沿って設けられている。この昇降移動機構によって、一対のローラ96及び開閉駆動機構97が昇降移動機構104の移動方向に沿って昇降移動可能に支持されている。
<動作>
本チューブ状外装部材取付装置20の動作について説明する。図7は、本チューブ状外装部材取付装置20を用いて、粘着テープ18を螺旋状に巻付ける際のフローチャートである。図8〜図21はチューブ状外装部材取付装置20の動作を示す説明図である。
まず、初期状態において、図2及び図8に示すように、作業者が、電線モジュール10B及びコルゲートチューブ16を本チューブ状外装部材取付装置20にセットする。より具体的には、電線モジュール10Bの2つの電線束部分11Bの中間部分を2つの取付ユニット50のそれぞれのチューブ外装治具60の電線案内部63に通すと共に、2つのコルゲートチューブ16を2つの取付ユニット50のそれぞれのチューブ外装治具60のチューブ案内部65にセットする。この際、コルゲートチューブ16の一端部をチューブ案内部65から引出して、電線束部分11Bのうち電線案内部63から引出される部分に外装する。この状態では、チューブ案内部65の一端側部分で、電線案内部63より引出される電線束部分11Bがスリット17を通じてコルゲートチューブ16内に導かれている。この状態で、コルゲートチューブ16及び電線束部分11Bがチューブ外装治具60に沿って案内される。
そして、2つの電線束部分11Bの端部のコネクタ14を、コネクタセット部86にセットする。また、電線束部分11Bのうちコネクタ14とは反対側の部分の中間部を、ガイド溝部26に通す。また、電線束部分11Bの中間部をガイド溝部26と電線保持部材22との間で弛ませた状態で、電線モジュール10Bの端子付電線11の他の部分を電線保持部材22により保持させる(図2参照)。
なお、初期状態では、テープ巻付ユニット30は、一方の取付ユニット50において、チューブ外装治具60に対して電線束部分11Bの引出方向下流側の側方位置にある。また、回転体32の凹部32hは電線束部分11Bに向けた位置に開口している。
各部材のセットが完了したら、作業者は開始スイッチ等を通じてチューブ状外装部材取付装置20に開始の指令を与える。
すると、ステップS1では、テープ巻付機構31を移動させると共に粘着テープ18の先端部を貼り付け、粘着テープ18の巻付けを開始する。
具体的には、図9に示すように、テープ巻付機構移動機構46の駆動により、テープ巻付機構31がチューブ外装治具60に対して電線束部分11Bの引出方向下流側で、電線束部分11Bに向けて移動する。これにより、電線束部分11Bのうち、チューブ外装治具60から引出され、かつ、コルゲートチューブ16から延出する部分が、テープ巻付機構31の回転体32の中心に配設される。
そして、テープ巻付機構31の移動が完了すると粘着テープ18の先端部が電線束部分11Bのうち、チューブ外装治具60から引出され、かつ、コルゲートチューブ16から延出する部分に貼付けられる。具体的には、図10に示すように、テープ貼付部47によって粘着テープ18の先端部を電線束部分11Bに貼付ける。より具体的には、押圧部移動機構により押圧部47aを上昇移動させ、被押圧部35aを押圧させる。これにより被押圧部35aが回動し、被押圧部35aに取り付けられた押付パッド35bが押付パッド35bの上方に位置する粘着テープ18を電線束部分11Bに押し付け、粘着テープ18の先端部が電線束部分11Bに貼付けられる。
そして、回転体回転駆動部36を駆動させて電線束部分11Bの周囲に粘着テープ18の巻付を開始する。
次ステップS2では、粘着テープ18を所定量巻付けた後テープの巻付を停止させると共に、コルゲートチューブ16を把持する。
具体的には、テープ巻付機構31がテープ巻回体18Bを電線束部分11Bの周りに所定量回転させることで、粘着テープ18が電線束部分11Bに巻付けられる。例えば、粘着テープ18を電線束部分11Bに対して5、6回程度巻付ける。この際、図11に示すように、電線束部分11Bから延在する粘着テープ18が電線束部分11Bに対して下方に延在するような位置に位置させた状態で、回転体回転駆動部36の回転を停止させ、粘着テープ18の巻付を中断する。
なお、電線束部分11Bに粘着テープ18を巻付ける際には、巻回体回転駆動部38は駆動しない。この場合でも、ワンウェイクラッチ39が採用されているため、テープ巻回体18Bは、張力等を受けてテープ繰出方向に回転して、順次粘着テープ18が繰出される。もっとも、電線束部分11Bに粘着テープ18を巻付ける際に、巻回体回転駆動部38が駆動してもよい。
この後、図12に示すように、チューブ移動機構70のチューブ把持機構72が一対の把持部72aを近接移動させて、コルゲートチューブ16のうちチューブ外装治具60から延出する端部を把持する。なお、チューブ把持機構72は、電線束部分11Bにテープ巻付けている最中、又は、電線束部分に粘着テープ18を巻付る前にコルゲートチューブを把持していてもよい。
次ステップS3では、コルゲートチューブ16を移動させると共に、移動後にコルゲートチューブ16の把持を解除する。
具体的には、図13に示すように、水平移動機構74の駆動により、チューブ把持機構72に把持されたコルゲートチューブ16をチューブ外装治具60から電線束部分11Bの引出方向下流側に移動させ、コルゲートチューブ16の端部をテープ巻付機構31の位置まで移動させる。
この際、図14に示すように、電線束部分11Bに巻付けられていた粘着テープ18のうち当該電線束部分11Bから外方に向う部分が、コルゲートチューブ16のスリット17内に入り込む。この後、チューブ移動機構70のチューブ把持機構72によるコルゲートチューブ16の把持を解除する。チューブ把持機構72は、コルゲートチューブ16の把持を解除した後、図15に示すように、水平移動機構74により初期位置に戻されるとよい。
次ステップS4では、上流側保持部91でコルゲートチューブ16を保持した状態でテープの巻付を再開する。さらに、巻回体回転駆動部の駆動を開始する。
具体的には、図15に示すように、上流側保持部91の開閉駆動機構93により、一対のローラ92を近接移動させて、一対のローラ92にコルゲートチューブ16を保持させる。
そして、テープ巻付機構31がテープ巻回体18Bをコルゲートチューブ16の端部の周りに回転させることで、粘着テープ18がコルゲートチューブ16の端部に巻付けられる。このように、粘着テープ18の巻始め部分が電線束部分11B及びコルゲートチューブ16の一端部に巻付けられることで、コルゲートチューブ16の一端部が電線束部分11Bに対して固定されることになる。
より詳細には、回転体回転駆動部36の駆動を開始すると、回転体32が回転を開始し、テープ巻回体18Bがコルゲートチューブ16の端部の周りに回転する。これによりテープ巻回体18Bから粘着テープ18が引き出され、テープ巻回体18Bから引き出された粘着テープ18が亘部分18aを経て順次コルゲートチューブ16に巻付けられる。
この際、回転体回転駆動部36の駆動の開始に合わせて、巻回体回転駆動部38の駆動を開始する。これにより、例えば、巻始めのときなど、内側部材39aの回転数が外側部材39bの回転数よりも大きいとき、内側部材39aが外側部材39bを押圧することで外側部材39bがテープ繰出方向に回転する。これにより、粘着テープ18がテープ巻回体18Bから剥離しやすくなり、特に巻始めのときなどに、コルゲートチューブ16に対する粘着テープの巻圧が強くなりすぎることを抑制することができる。なお、螺旋巻を開始するまで(ステップS5において引出を開始するまで)は、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bを回転させる量が巻付量と一致するように、回転体回転駆動部36及び巻回体回転駆動部38の回転数が設定されているとよい。
次ステップS5では、引出を開始する。
具体的には、電線引出機構82の引出駆動部84の駆動によってコネクタセット部86を引出方向下流側に移動させる。これによりコネクタ14が引出方向下流側に引っ張られることによって電線束部分11Bも引出方向下流側に引っ張られる。上述したように、コルゲートチューブ16の端部は巻付け済の粘着テープ18によって電線束部分11Bに対して固定されているため、電線束部分11Bが引っ張られると、コルゲートチューブ16も電線束部分11Bと共に引っ張られる。
引出機構80によって電線束部分11B及びコルゲートチューブ16を引出つつ、テープ巻付機構31がテープ巻回体18Bをコルゲートチューブ16の端部の周りに回転させる。すると、粘着テープ18がコルゲートチューブ16に対して順次螺旋状に巻付けられていく(図16参照)。なお、電線束部分11B及びコルゲートチューブ16の引出速度と、テープ巻回体18Bの回転速度とを適宜調整することで、粘着テープ18をコルゲートチューブ16に対して密に巻くこともできるし、粗く巻くこともできる。
ここで、粘着テープ18がコルゲートチューブ16に対して螺旋状に巻付けられるに当たり、図17に示すようにローラ40aが傾斜姿勢を取る。具体的には、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18がコルゲートチューブ16に貼り付けられた状態で、コルゲートチューブ16が引出方向下流側に引っ張られる。このため、亘部分18aの先端が引出方向下流側に引っ張られる。この引張力を受けて支持部40bが回動しローラ40aが傾斜姿勢を取るように首振りを行う。この際、上記したように、ローラ40aは所定の範囲内(ここでは、0度以上30度以下)で首振り自在に設けられているため、ローラ40aは引張力を受けて螺旋巻に追従するように首振りを行う。より詳細には、例えば、巻付角度が30度以下の場合には、ローラ40aはローラ40aより先端の亘部分18aの延在方向と引出方向に直交する方向とのなす角度が巻付角度と一致するように首振りし、巻付角度が30度より大きい場合には、ローラ40aは30度首振りする。
螺旋巻をしている際には、回転体回転駆動部36の回転数を大きくすることが考えられる。この場合でも、ここでは、巻回体回転駆動部38がオンオフの切替えのみの制御であるため、巻回体回転駆動部38の回転数は変更されない。このような場合でも、ワンウェイクラッチが採用されることでテープ巻回体18Bから粘着テープ18が滞りなく引き出される。この際、すでにコルゲートチューブ16に粘着テープが巻付けられているため、螺旋巻にかかる巻付け時にコルゲートチューブ16の変形は抑えられる。
次ステップS6では、電線が所定量引出されたのかどうかを判別する。ここで判別する所定の引出量とは、引出方向に沿ってテープ巻回体18Bと下流側保持部95との間隔と同程度の寸法である。即ち、当該ステップS6では、コルゲートチューブ16の下流側端部が引出方向に沿って下流側保持部95を通過する程度引っ張られたかどうかを判別する。そして、YESと判別されれば、次ステップS7に進み、NOと判別された場合には、YESと判別されるまで、繰り返し判別する。
次ステップS7では、下流側保持部95がコルゲートチューブ16を保持する。
具体的には、下流側保持部95の昇降移動機構の駆動によって一対のローラ96及び開閉駆動機構97を上方に移動させる。そして、この状態で、図16に示すように、下流側保持部95の開閉駆動機構97の駆動によって、一対のローラ96を近接移動させて、一対のローラ96にコルゲートチューブ16を保持させる。
各保持部91、95は、一対のローラ92、96によってコルゲートチューブ16を保持することで、コルゲートチューブ16のねじれを抑制する役割を果す。すなわち、コルゲートチューブ16周りに粘着テープ18を巻付けると、コルゲートチューブ16に対してその巻付方向にねじれる力が作用する。そこで、各保持部91、95の一対のローラ92、96によってコルゲートチューブ16を保持することで、コルゲートチューブ16のねじれを抑制でき、スリット17を直線的に延在させつつ、粘着テープ18の巻付を行える。この際、テープ巻付機構31に対して引出方向上流側と下流側との両方でコルゲートチューブ16を保持することで、コルゲートチューブ16のねじれをより確実に抑制できる。さらに、各保持部91、95をテープ巻付機構31に対してできるだけ近い位置に配設することで、コルゲートチューブ16のねじれをより確実に抑制できる。
次ステップS8では、電線が所定量引出されたかどうかを判別する。ここで判別する所定の引出量とは、テープを巻付ける対象の引出方向に沿った長さ寸法である。即ち、当該ステップS8では、所望の寸法分粘着テープ18を巻付けたかどうかを判別する。そして、YESと判別されれば、次ステップS9に進み、NOと判別された場合には、YESと判別されるまで、繰り返し判別する。
ここでは、粘着テープ18は、図18に示すように、コルゲートチューブ16の他端部及び当該他端部から延出する電線束部分11Bに対して巻付けられているものとして説明するが、このことは必須ではない。粘着テープ18は、コルゲートチューブ16の他端部から延出する電線束部分11Bに対して巻付けられていなくてもよい。この際、粘着テープ18は、コルゲートチューブ16の他端部まで巻付けられていてもよいし、コルゲートチューブ16の中間部まで巻付けられるものであってもよい。
次ステップS9では、電線の引出を停止させるとともに、テープの巻付けを停止する。
即ち、電線引出機構82の駆動を停止させると共に、回転体回転駆動部36の駆動を停止させる。さらに、巻回体回転駆動部38の駆動を停止する。テープの巻付けを停止させた状態では、図19のようになる。図19に示すように、線状体を凹部32hから排出可能となるように、凹部32hと凹部34hとが一致するように回転体32の姿勢を調整する。
次ステップS10では、テープカットを行うと共に、線状体保持部90の保持を解除する。
具体的には、図20に示すように、テープ巻付機構31をテープ巻付機構移動機構46の駆動によって電線束部分11Bから離間移動させる。これにより、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18が電線束部分11Bに貼り付けられた状態でテープ巻回体18Bが電線束部分11Bから離間することによって、粘着テープ18がテープ巻回体18Bから新たに引出され、亘部分18aの長さ寸法が大きくなる。さらに、図20に示すように、テープ把持機構移動機構の水平移動機構43の駆動によって一対の把持爪42aが開状態のテープ把持機構42をテープに向けて移動させる。この際、一対の把持爪42aは、テープカット部49とガイド部40との間の部分に位置するように移動する。そして、一対の把持爪42aの間に亘部分18aが位置する状態で、テープ把持機構42が一対の把持爪42aを閉じることで亘部分18aが把持される。
ここで、テープ巻付ユニット30は、線状体移動抑制部48をさらに備えることが考えられる(図20参照)。線状体移動抑制部48は、例えば、テープ貼付部47の押圧部47aの側方に突設され、押圧部移動機構の駆動によって押圧部47aと一体的に移動可能に設けられる。より詳細には、線状体移動抑制部48は、粘着テープ18の亘部分18aと干渉しないように設けられ、押圧部47aの下流側から側方に突出する第1部分48aと第1部分48aの先端から上方に突出する第2部分48bとを含み、略L字状に形成される。そして、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18が電線束部分11Bに貼り付けられた状態でテープ巻回体18Bが電線束部分11Bから離間する際に、線状体がテープ巻付機構31に引き付けられそうになった場合に、第2部分48bが線状体の移動を抑制する。
なお、テープ把持機構42が亘部分18aを把持してからテープ巻付機構31を線状体から離間移動させてもよい。つまり、亘部分18aのうち切断される部分よりも先端側が一定位置に支持された状態で、テープ巻付機構31が線状体から離間移動すればよい。
この後、切断刃移動機構の駆動によって切断刃49aを上方に移動させ、亘部分18aのうちテープ保持部41と電線束部分11Bの間の部分を切断する。
この後、テープ把持機構42の把持を解除すると、図21に示すように、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18の先端部が被押圧部35aの上方に位置し、続けてテープの貼付けを行える状態となる。
この後、線状体保持部90の各保持部91、95の保持を解除することで、テープ巻付ユニット30が他方の取付ユニット50側に移動可能となる。
そして、テープ巻付ユニット移動機構100の駆動によって、テープ巻付ユニット30が他方の取付ユニット50側に移動し、上記と同様にして、他方のコルゲートチューブ16に対して粘着テープ18の巻付を行う。
最後に、チューブ状外装部材付電線モジュール10に対する各把持等を解除する。この際、チューブ状外装部材付電線モジュール10の取外し作業の邪魔とならないように、テープ巻付ユニット30等を下降させることが好ましい。そして、作業者が、チューブ状外装部材付電線モジュール10を、各取付ユニット50から取外すと、チューブ状外装部材付電線モジュール10が完成する。そして、コネクタセット部86等を元の位置に戻し、チューブ状外装部材取付装置20を初期状態に戻す。
上記に示した一つの取付ユニット50にかかるテープ巻付において、回転体32の回転数の推移と巻回体回転駆動部38の回転数の推移とをグラフ化すると、図22のようになる。図22において、実線が巻回体回転駆動部38の回転数の推移を表し、仮想線(二点鎖線)が回転体32の回転数の推移を表している。
まずは、巻付開始前に電線等をセットする。そして、回転体32が時間t0で電線束部分11B周りに粘着テープ18を巻付けるために回転を開始すると、時間t1まで加速し、時間t1から時間t2まで一定の回転数r21を保ちつつ、時間t2から時間t3にかけて減速し、時間t3で止まる。この間、巻回体回転駆動部38は駆動しない。
時間t3から時間t4にかけて回転体32及び巻回体回転駆動部38は回転を停止している。この間に、コルゲートチューブ16の移動が行われ、電線束部分11Bから延在する粘着テープ18がコルゲートチューブ16のスリット17に挿し込まれる。
次に、回転体32及びテープ巻回体18Bは、コルゲートチューブ16周りに粘着テープ18を巻付けるために回転を開始する。上述したように、巻始めにコルゲートチューブ16に対して同じ位置でゆっくり数周巻き、その後、螺旋巻に移ると回転数を大きくし、早く巻いていく。つまり、時間t4から時間t6までが、巻始めに係る部分であり、時間t6から時間t9までが螺旋巻に係る部分である。この際、線状体の周長に比べてテープ巻回体18Bの周長の方が長いため、巻付け中の同じ時間において回転体の回転数に比べて巻回体回転駆動部38の回転数の方が小さくなっている。
より詳細には、回転体は時間t4で回転を再開すると、時間t4から時間t5にかけて加速し、時間t5から時間t6まで一定の回転数r21を保つ。巻回体回転駆動部38も回転体32に合わせて、時間t4で回転を開始すると、時間t4から時間t5にかけて加速し、時間t5から時間t6まで一定の回転数r11を保つ。このとき、回転体32において、例えば、時間t4から時間t6にかけての回転数の推移は、時間t0から時間t2にかけての回転数の推移と同じに設定される。
この後、回転体32は螺旋巻に移る際に時間t6で回転数を大きくし始めると、時間t6から時間t7にかけて加速し、時間t7から時間t8まで一定の回転数r22を保った後、時間t8から時間t9にかけて減速し、時間t9で止まる。一方、巻回体回転駆動部38は、時間t8まで回転数を変えずに時間t8から時間t9にかけて減速し、時間t9で止まる。
<他の動作例>
なお、粘着テープ18をコルゲートチューブ16の一端から他端にかけて連続的に螺旋状に巻付けていくことは必須ではない。例えば、粘着テープ18をコルゲートチューブ16の一端部分と中間部分と他端部分とのそれぞれの領域において、巻付けるたびに切断するように部分的に巻付けてもよい。このような巻付け動作にかかるフローチャートの一例を図23に示す。なお、本動作例においては、線状体保持部90にかかる動作は省略して説明するが、線状体保持部90は、粘着テープ18を螺旋状に巻く場合と同様にテープ巻付中にコルゲートチューブ16を保持可能である。
まず、螺旋巻の場合と同様に初期状態において、作業者が、電線モジュール10B及びコルゲートチューブ16を本チューブ状外装部材取付装置20にセットする。この状態で、本チューブ状外装部材取付装置20に開始の指令を出す。
まず、ステップS11では、コルゲートチューブ16の一端側に粘着テープ18を巻付ける。具体的には、上記ステップS1〜S4と同様の作業を行い、電線束部分11B及びコルゲートチューブ16の一端部に粘着テープ18を巻付ける。
次ステップS12では、巻回体回転駆動部38の駆動を停止し、テープカットを行う。テープカットついては上記ステップS10と同様に行う。つまり、コルゲートチューブ16にテープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18が巻付けられた状態で、テープ巻付機構31を電線束部分11Bから離間させることによって、粘着テープ18がテープ巻回体18Bから新たに引出される。この状態で、テープカットを行うことで、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18の先端部が被押圧部35aの上方に位置し、続けてテープの貼付けを行える状態となる。
次ステップS13では、電線束部分11B及びコルゲートチューブ16を所定量引き出す。ここでは、コルゲートチューブ16における次のテープ巻付位置が引出方向に沿ってテープ巻付機構31の位置に位置するように、引出駆動部84の駆動によってコネクタセット部86を引出方向下流側に移動させる。
次ステップS14では、中間部分の巻付けを行う。ここでは、上記ステップS1と同様にテープ巻付機構31を移動させた後、粘着テープ18の先端部をコルゲートチューブ16に貼り付ける。その後、回転体32を回転させ、粘着テープ18を所定量巻付ける。この間、回転体32が回転を開始するのに合わせて巻回体回転駆動部38も駆動を開始する。
次ステップS15では、巻回体回転駆動部38の駆動を停止し、テープカットを行う。テープカットついては、上記ステップS10と同様に行う。つまり、コルゲートチューブ16にテープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18が巻付けられた状態で、テープ巻付機構31を電線束部分11Bから離間させることによって、粘着テープ18がテープ巻回体18Bから新たに引出される。この状態で、テープカットを行うことで、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18の先端部が被押圧部35aの上方に位置し、続けてテープの貼付けを行える状態となる。
次ステップS16では、中間部分の巻付けが完了したかどうかを判別する。YESと判別されれば、次ステップS17に進み、NOと判別されれば、ステップS13に戻る。例えば、中間部分において1つの位置にしか粘着テープを巻付けない場合もあり得るし、複数の位置にそれぞれ粘着テープを巻付ける場合もあり得る。
次ステップS17では、電線束部分11B及びコルゲートチューブ16を所定量引き出す。ここでは、コルゲートチューブ16における他端が引出方向に沿ってテープ巻付機構31の位置に位置するように、引出駆動部84の駆動によってコネクタセット部86を引出方向下流側に移動させる。
次ステップS18では、他端側の巻付けを行う。ここでは、上記ステップS1と同様にテープ巻付機構31を移動させた後、粘着テープ18の先端部をコルゲートチューブ16に貼り付ける。その後、回転体32を回転させ、粘着テープ18を所定量巻付ける。回転体32が回転を開始するのに合わせて巻回体回転駆動部38も駆動を開始する。この際、引出駆動部84の駆動によってコネクタセット部86を引出方向下流側に移動させることで、電線束部分11Bまで螺旋状に巻き付ける場合もあり得る。
次ステップS19では、巻回体回転駆動部38の駆動を停止し、テープカットを行う。テープカットついては、上記ステップS10と同様に行う。つまり、コルゲートチューブ16又は電線束部分11Bにテープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18が巻付けられた状態で、テープ巻付機構31を電線束部分11Bから離間させることによって、粘着テープ18がテープ巻回体18Bから新たに引出される。この状態で、テープカットを行うことで、テープ巻回体18Bから延在する粘着テープ18の先端部が被押圧部35aの上方に位置し、続けてテープの貼付けを行える状態となる。
以上により、粘着テープ18がコルゲートチューブ16の一端部分と中間部分と他端部分とのそれぞれの領域において、部分的に巻付けられた電線モジュールが完成する。
上記に示した一つの取付ユニット50にかかるテープ巻付において、回転体32の回転数の推移と巻回体回転駆動部38の回転数の推移とをグラフ化すると、図24のようになる。図24において、実線が巻回体回転駆動部38の回転数の推移を表し、仮想線(二点鎖線)が回転体32の回転数の推移を表している。
図24において、回転体32及び巻回体回転駆動部38の時間t0から時間t6までの推移は、図22と同様である。時間t6の後は、回転体32及び巻回体回転駆動部38は、時間t10にかけて減速し、時間t10で停止する。これにより一端側部分のテープ巻付が完了する。以後は、t4からt6を経てt10までの推移と同じことを繰り返すことで、中間部分の巻付け及び他端側の巻付が完了する。
<効果等>
第1実施形態に係るテープ巻付ユニット30及びそれを備えたチューブ状外装部材取付装置20によると、回転体32に設けられ、テープ巻回体18Bを支持可能な巻回体支持部37aと、回転体回転駆動部36により回転体32が回転している途中で巻回体支持部37aに支持されたテープ巻回体18Bが巻回体支持部37a周りでテープ繰出方向に回転可能となるようにテープ巻回体18Bを回転させる巻回体回転駆動部38とを含む巻回体支持回転機構37を備えるため、巻回体回転駆動部38の駆動によりテープ巻回体18Bをテープ引出方向に回転させることでテープ巻回体18Bからの粘着テープ18の引出に要する力を弱めることができる。これにより、粘着テープの巻圧を巻回体支持回転機構37がない場合に比べて弱める方向に容易に調節することができる。このことは、スリット17の設けられたコルゲートチューブ16に粘着テープ18を巻付ける際に、コルゲートチューブ16のうちスリット17を挟んだ両端が重ならないように巻付ける場合等に有効であると考えられる。
また、巻回体支持回転機構37はクラッチを含み、クラッチは、テープ巻回体18Bを巻回体支持部37aの中心軸周りで少なくともテープ繰出方向に回転自在に支持する状態と、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bをテープ繰出方向に回転駆動させる状態との間で状態変更可能に設けられているため、テープの巻圧が強すぎるときなど、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bを回転駆動させる必要が有るときのみ巻回体回転駆動部38を回転駆動させつつ、必要ない時は回転駆動を停止させることができる。
また、巻回体支持回転機構37は、テープ繰出方向のみに巻回体回転駆動部38の回転力をテープ巻回体18Bに伝達するワンウェイクラッチ39を含み、ワンウェイクラッチ39がオン時にテープ巻回体18Bが巻回体支持部37aにテープ繰出方向に回転自在に支持されると共に巻回体回転駆動部38はテープ巻回体18Bをテープ繰出方向に回転駆動させるため、クラッチを切替える必要がなくなり、制御が容易になる。
{第2実施形態}
第2実施形態に係るテープ巻付装置について説明する。なお、本実施の形態の説明において、第1実施形態にかかるテープ巻付装置で説明したものと同様構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態に係るテープ巻付装置は、第1実施形態に係るテープ巻付ユニット30において、テープ巻回体18Bが巻回体回転駆動部38に対して回転不能に固定されている。このため、繰出量を巻付量と一致させるために、ここでは、第1実施形態とは異なる制御方法で巻回体回転駆動部38を制御する。
具体的には、制御ユニット110は、回転体32の回転に係る回転数に応じて、巻回体回転駆動部38の駆動を制御する。このような構成として、例えば、回転体32の回転数(ここでは、回転体回転駆動部36の回転数にギア比を乗じたもの)を検知するロータリエンコーダ等の検知部が設けられ、制御ユニット110が、検知部が検知した回転数に応じて巻回体回転駆動部38の駆動を制御する構成が考えられる。この際、巻回体回転駆動部38は、モータにかかる電圧を調整可能であることなどによってテープ巻回体18Bを回転させる速度を変更可能に設けられる。
さらに、コルゲートチューブ16の端部から電線束部分11Bが延在する部分のように線状体には延在方向に沿って周長が異なる部分が存在している。この際、周長が異なる部分に亘って粘着テープ18を巻付けるときに、回転体32の一回転あたりの粘着テープ18の巻付量は異なる。このため、制御ユニット110は、回転体32の回転に係る回転数に加えて、線状体の周長に応じて巻回体回転駆動部38の駆動を制御する。このような構成としては、例えば、予め線状体の長手方向の寸法と周長との対応関係が制御ユニット110に入力され、引出機構80の引出量に応じて制御ユニット110が巻回体回転駆動部38の駆動を制御する構成が考えられる。
<動作>
第2実施形態に係るテープ巻付ユニット30を用いて電線及びコルゲートチューブ16に粘着テープ18を螺旋巻する際の動作について図25を交えて説明する。図25は、回転体32の回転数と巻回体回転駆動部38により回転するテープ巻回体18Bの回転数との関係を示す図である。図25において、実線が巻回体回転駆動部38により回転するテープ巻回体18Bの回転数を示し、仮想線(二点鎖線)が回転体32の回転数を示す。なお、電線及びコルゲートチューブ16に粘着テープ18を螺旋巻するにあたって巻回体回転駆動部38以外の動作については、第1実施形態で説明した螺旋巻の動作と同様であるものとして、その説明を省略する。
回転体32については、図22と同様であるため、その説明は省略する。以下、巻回体回転駆動部38により回転するテープ巻回体18Bの回転数について説明する。
テープ巻回体18Bは回転体32に合わせて、時間t0で回転を開始すると、時間t1まで加速し、時間t1から時間t2まで一定の回転数r31を保ちつつ、時間t2から時間t3にかけて減速し、時間t3で止まる。この際、線状体の周長に比べてテープ巻回体18Bの周長の方が長いため、巻付量と繰出量とを一致させるために巻付け中の同じ時間において回転体32の回転数に比べてテープ巻回体18Bの回転数の方が小さくなっている。
次に、テープ巻回体18Bは、回転体32に合わせて、時間t4で回転を再開すると、時間t4から時間t5にかけて加速し、時間t5から時間t6まで一定の回転数r32を保つ。この時、テープ巻回体18Bにおいて、時間t4から時間t6にかけての回転数の推移は、時間t0から時間t2にかけての回転数の推移と異なる。より具体的には、回転数r32は回転数r31よりも大きい。これは、コルゲートチューブ16の周長が電線束部分11Bの周長よりも長いため、コルゲートチューブ16に粘着テープ18を巻付ける際には、テープ巻回体18Bは、電線束部分11Bに粘着テープ18を巻付けるときよりも大きい回転数で回転する必要が有るためである。
この後、テープ巻回体18Bは、回転体32に合わせて、時間t6で回転数を大きくし始めると、時間t6から時間t7にかけて加速し、時間t7から一定の回転数r33を保つ。しかしながら、テープ巻回体18Bは、は、時間t8より前の段階の時間t7Aで回転数を小さくし始めると、時間t7Bにかけて減速し、時間t7Bから時間t8まで、時間t7から時間t7Aまでの回転数より小さい回転数r34で一定に保った後、時間t8から時間t9にかけて減速し、時間t9で止まる。
テープ巻回体18Bが時間t7Aから時間t7Bにかけて減速し、時間t7Bから時間t8まで、時間t7から時間t7Aまでの回転数r33より小さい回転数r34で一定に保つのは、時間t7Aでコルゲートチューブ16の他方側端部まで粘着テープ18の巻付が終わり、その後コルゲートチューブ16の他方側端部から延びる電線束部分11Bの巻付けに移行するためである。より詳細には、コルゲートチューブ16よりも電線束部分11Bの方が、周長が短い。このため、粘着テープ18の巻付けがコルゲートチューブ16の他方側端部から電線束部分11Bに移行する際に、回転体32の回転数とテープ巻回体18Bの回転数との比率が一定に保たれると、テープの巻付量に比べて繰出量が多くなることで、亘部分18aが弛んでしまい、巻付時にしわができる恐れがある。また、亘部分18aの弛んだ部分でテープ同士が貼りついてしまう恐れがある。そのような事態を抑制するために、ここでは、コルゲートチューブ16から電線束部分11Bに移行する際に、回転体32の回転数に対してテープ巻回体18Bの回転数を小さくしている。
以上に示すように、テープ巻回体18Bが繰出方向に回転自在でない場合でも、巻回体回転駆動部38を制御することで、繰出量を巻付量と一致させることができる。
<効果等>
第2実施形態に係るテープ巻付ユニット30によると、回転体32の回転に係る回転数に応じて、巻回体回転駆動部38の駆動を制御する制御ユニット110をさらに備えるため、回転体32の回転数が大きい時に巻回体回転駆動部38を駆動させるなどにより、容易に巻圧の調節を行うことができる。
また、線状体には延在方向に沿って周長が異なる部分が存在する。この周長が異なる部分においては、回転体32の一回転あたりのテープ巻付量が異なる。この場合でも、巻回体回転駆動部38が、テープ巻回体18Bを回転させる速度を変更可能に設けられているため、線状体の周長の異なる部分に亘って粘着テープ18を巻付ける際に、巻回体回転駆動部38がテープ巻回体18Bを回転させる速度を変更することで、線状体の周長の違いにより変化する回転体32の一回転あたりのテープ巻付量に応じてテープ巻回体18Bからのテープ繰出量を変更させることができる。これにより、線状体において周長が異なるそれぞれの部分に対して巻圧を調節することができる。
{変形例}
各実施形態において、テープ巻付装置は、チューブ状外装部材取付装置20に組み込まれているものとして説明したがこのことは必須ではない。テープ巻付装置は、単独で運用されてもよい。この際、テープ巻付装置は、上記引出機構80のような、回転体の凹部に挿通された線状体を線状体の延在方向に沿って引出す引出機構を備えていることが考えられる。例えば、上記チューブ状外装部材取付装置20からチューブ外装治具60を除いた部分を、テープ巻付装置としてとらえた構成をこのような構成としてみなすことができる。この場合、予め電線束部分11Bが挿通されているコルゲートチューブ16にテープ巻付装置を用いて粘着テープ18を巻付けることもあり得る。
また、各実施形態において、亘部分18aをガイド部40によって迂回させた状態で線状体に貼付けているがこのことは必須ではない。亘部分18a全体を直線状に保って線状体に貼付けてもよい。例えば、ガイド部40に代えて巻回体支持部を配設することによって上記のような構成を実現することができる。
また、巻回体回転駆動部は、巻回体支持部に支持されたテープ巻回体をテープ繰出方向とは反対方向にも回転可能に設けられていてもよい。巻回体回転駆動部がテープ巻回体をテープ繰出方向とは反対方向に回転可能にする構成としては、例えば、モータが逆回転可能となるように回路が形成されること、又は、クラッチを採用する際にバックギヤを採用することなどが考えられる。そして、テープ巻回体をテープ繰出方向とは反対方向に回転させることでテープ巻回体からの粘着テープの引出しに要する力を強めることができる。これにより、テープの巻圧を巻回体支持回転機構がない場合に比べて弱める方向に容易に調節することができる。このことは、粘着テープを最初に電線に巻付けるとき、または、最後に電線に巻付けるときなど、しっかり結束したいときなどに有効であると考えられる。
また、第2実施形態において、制御ユニット110は、回転体32の回転数に応じて巻回体回転駆動部38を制御していたがこのことは必須ではない。例えば、制御ユニットは、亘部分の張力に応じて巻回体回転駆動部を制御する構成であってもよい。このような構成としては、テープ巻付装置が亘部分の張力を検知する検知部をさらに備え、制御ユニットが当該検知部で検知した張力に応じて、巻回体回転駆動部の駆動を制御することが考えられる。そして、張力が大きい時に巻回体回転駆動部を駆動させるなどの制御をすることによって、より確実に巻圧の調節を行うことができる。
また、実施形態において、2つの取付ユニット50を用いて1つのチューブ状外装部材付電線モジュール10を製造するものとして説明したがこのことは必須ではない。例えば、2つの取付ユニット50を用いてそれぞれ別のチューブ状外装部材付電線モジュールを製造してもよい。
なお、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
例えば、第1実施形に係るテープ巻付装置において、第2実施形態に係るテープ巻付装置のように、巻回体回転駆動部38の回転数を回転体32の回転数等に応じて細かく制御してもよい。
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
10 チューブ状外装部材付電線モジュール
11B 電線束部分
14 コネクタ
16 コルゲートチューブ
17 スリット
18 粘着テープ
18a 亘部分
18B テープ巻回体
20 チューブ状外装部材取付装置
30 テープ巻付ユニット
31 テープ巻付機構
32 回転体
32h 凹部
34 回転支持部
36 回転体回転駆動部
37 巻回体支持回転機構
37a 巻回体支持部
38 巻回体回転駆動部
39 ワンウェイクラッチ
41 テープ保持部
46 テープ巻付機構移動機構
50 取付ユニット
60 チューブ外装治具
63 電線案内部
65 チューブ案内部
70 チューブ移動機構
80 引出機構
90 保持部
91 上流側保持部
95 下流側保持部
100 テープ巻付ユニット移動機構

Claims (10)

  1. 粘着テープが巻回されたテープ巻回体を線状体の周囲に回転させることで、前記線状体の周囲に前記粘着テープを巻付けるテープ巻付装置であって、
    平板状に形成されると共に外周周りの一部から中心に向けて凹部が形成され、前記凹部に前記線状体が挿通された状態で前記線状体を中心として回転可能に設けられた回転体と、
    前記回転体を回転させる回転体回転駆動部と、
    前記回転体に設けられ、前記テープ巻回体を支持可能な巻回体支持部と、前記回転体回転駆動部により前記回転体が回転している途中で前記巻回体支持部に支持された前記テープ巻回体が前記巻回体支持部周りでテープ繰出方向に回転可能となるように前記テープ巻回体を回転させる巻回体回転駆動部とを含む巻回体支持回転機構と、
    を備える、テープ巻付装置。
  2. 請求項1に記載のテープ巻付装置であって、
    前記巻回体支持回転機構は前記巻回体回転駆動部の回転駆動力を前記テープ巻回体に伝達するクラッチを含み、
    前記クラッチは、前記テープ巻回体を前記巻回体支持部の中心軸周りで少なくともテープ繰出方向に回転自在に支持する状態と、前記巻回体回転駆動部が前記テープ巻回体をテープ繰出方向に回転駆動させる状態との間で状態変更可能に設けられている、テープ巻付装置。
  3. 請求項2に記載のテープ巻付装置であって、
    前記クラッチは、テープ繰出方向のみに前記巻回体回転駆動部の回転力を前記テープ巻回体に伝達するワンウェイクラッチを含み、
    前記ワンウェイクラッチがつながった状態で前記テープ巻回体が前記巻回体支持部にテープ繰出方向に回転自在に支持されると共に前記巻回体回転駆動部は前記テープ巻回体をテープ繰出方向に回転駆動させる、テープ巻付装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のテープ巻付装置であって、
    前記巻回体回転駆動部は、前記巻回体支持部に支持された前記テープ巻回体を前記巻回体支持部周りで前記テープ繰出方向とは反対方向にも回転可能に設けられている、テープ巻付装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のテープ巻付装置であって、
    前記線状体には延在方向に沿って周長が異なる部分が存在し、
    前記巻回体回転駆動部は、前記テープ巻回体を回転させる速度を変更可能に設けられ、
    前記線状体の周長の異なる部分に亘って前記粘着テープを巻付ける際に、前記巻回体回転駆動部が前記テープ巻回体を回転させる速度を変更する、テープ巻付装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のテープ巻付装置であって、
    前記回転体の回転に係る回転数に応じて、前記巻回体回転駆動部の駆動を制御する制御ユニットをさらに備える、テープ巻付装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のテープ巻付装置であって、
    前記回転体の前記凹部に挿通された前記線状体を前記線状体の延在方向に沿って引出す引出機構をさらに備える、テープ巻付装置。
  8. 請求項7に記載のテープ巻付装置であって、
    前記引出機構は、電線とスリットが形成され前記電線に外装されたチューブ状外装部材とを含む前記線状体のうち前記チューブ状外装部材の部分を前記回転体の前記凹部に挿通させた状態で前記線状体の延在方向に沿って引出す、テープ巻付装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のテープ巻付装置と、
    電線を案内する電線案内部と、スリットが形成されたチューブ状外装部材をスリットで広げつつ前記電線案内部を通って案内される電線に対して外装可能に案内するチューブ案内部とを含み、前記テープ巻付装置に対して前記電線の引出方向上流側に設けられたチューブ外装治具と、
    を備え、
    前記引出機構は、電線を前記電線案内部にセットすると共に、チューブ状外装部材を前記チューブ案内部にセットして、前記チューブ状外装部材の一端部を前記電線のうち前記電線案内部から延出する部分に外装した状態で、前記チューブ状外装部材及び前記電線を前記チューブ外装治具から引出し、
    前記引出機構により前記チューブ外装治具から引出された前記チューブ状外装部材の回りに、前記テープ巻回体を回転させることで、前記チューブ状外装部材周りに前記粘着テープを巻付ける、チューブ状外装部材取付装置。
  10. 請求項9に記載のチューブ状外装部材取付装置であって、
    前記チューブ状外装部材は、太環状部と細環状部とが交互に連なるコルゲートチューブである、チューブ状外装部材取付装置。
JP2015118911A 2015-06-12 2015-06-12 テープ巻付装置及びチューブ状外装部材取付装置 Pending JP2017001844A (ja)

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KR20210155064A (ko) * 2020-06-15 2021-12-22 권영진 배관파이프 테이프권취기

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