JP2017001634A - 徐行区間注意喚起システム - Google Patents

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和也 弓倉
Kazuya Yumikura
和也 弓倉
村上 秀人
Hideto Murakami
秀人 村上
暦業 岡田
Koyonari Okada
暦業 岡田
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Abstract

【課題】鉄道における徐行区間を確実に運転士に認識させ、徐行区間での速度超過を防止することができる徐行区間注意喚起システムを提供する。【解決手段】鉄道における徐行区間を運転士に認識させる徐行区間注意喚起システム100において、少なくとも徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶された情報装置2と、運転士が着用し、緯度経度検出部17で検出された情報に基づき現在走行中の区間を特定し、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を通信部15により情報装置2から取得して表示部13に表示させると共に振動出力部16を振動させるウェアラブル端末1とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道における徐行区間を確実に運転士に認識させることにより速度超過を防止して安全な列車の運行を行うことができる徐行区間注意喚起システムに関する。
従来、徐行区間には、カーブ等の線路の敷設条件に基づき安全上定められている徐行区間の他に、状況に応じて別途徐行区間が設定される。例えば、工事等により徐行区間が設定されたり、強風や大雨等の気象状況に伴い徐行区間が設定されたりする場合がある。
このような徐行区間は、運転士が線路に敷設された速度制限標識等を視認することにより、減速して徐行運転を行うことになる。或いは、運転席の操作盤に警告音と共に表示される情報に基づき速度制限を認識して減速して徐行運転を行うことになる。
また、所定の路線上に任意に設定された各チェックポイント毎に自動的に運転士に停車駅の案内や予定時刻とのずれの程度、車速の制限などの注意喚起などの各種の運行案内を的確なタイミングで行って運転士をサポートできる鉄道車両運行管理システム等が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−001347号公報
しかしながら、特許文献1の鉄道車両運行管理システムでは、所定の路線上に任意に設定された各チェックポイント毎にしか車速の制限などの注意喚起ができないので、緊急工事や、強風や大雨等の気象状況に伴って急遽徐行区間を設定しなければならない場合には対応ができないといった問題点があった。
また、工事や気象等の状況に応じて別途設定される徐行区間は、日々変更される等変更頻度が高いので、運転士が誤認や失念しやすく、徐行区間に関する情報が運転席の操作盤に警告音と共に表示された場合であっても、当該警告音が周囲の雑音に埋もれてしまい、運転士は認識しにくい場合があり、徐行区間における速度超過が発生してしまう虞があるといった問題点があった。
本発明の課題は、鉄道における徐行区間を確実に運転士に認識させ、徐行区間での速度超過を防止することができる徐行区間注意喚起システムを提供することにある。
上記課題を達成するため、この発明は、
鉄道における徐行区間を運転士に認識させる徐行区間注意喚起システムにおいて、
少なくとも徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶された情報装置と、
運転士が着用し、緯度経度検出部で検出された情報に基づき現在走行中の区間を特定し、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を通信部により前記情報装置から取得して表示部に表示させると共に振動出力部を振動させるウェアラブル端末と、
を備えるようにしたものである。
運転士が身体に着用したウェアラブル端末の表示部に現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報が表示されると共に振動出力部が振動するので、列車を運転しながら現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を容易に確認でき、変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、徐行区間での速度超過を防止することができる。
また、望ましくは、前記ウェアラブル端末は、メガネ型若しくは腕時計型であるようにしたものである。
運転士が、ウェアラブル端末を顔や腕に対して容易に着用できるので、列車を運転しながら現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を容易に確認することができる。
また、望ましくは、前記情報装置には、対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報が記憶され、前記ウェアラブル端末は、前記通信部を制御して前記情報装置から少なくとも対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報のうちのひとつを取得して、現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報と共に前記表示部に表示させるようにしたものである。
現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報のみならず、対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報の少なくともひとつが併せてウェアラブル端末の表示部に表示されるので、運転士は、現在走行中の区間における徐行区間情報及び徐行速度情報以外の情報を確認することができる。
また、望ましくは、前記ウェアラブル端末は、緯度経度検出部を備え、前記緯度経度検出部で検出された情報に基づき徐行区間情報を有する区間に接近したと判断した場合に、徐行区間情報及び徐行速度情報を前記表示部に表示させると共に前記振動出力部を振動させるようにしたものである。
徐行区間情報を有する区間に接近した場合に、運転士が身体に着用したウェアラブル端末において、徐行区間情報及び徐行速度情報が表示されると共にウェアラブル端末が振動するので、列車を運転しながら区間への接近を容易に確認でき、変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、徐行区間での速度超過を防止することができる。
また、望ましくは、前記情報装置は、運転士が携帯するタブレット端末、或いは、列車外に設置されたサーバ装置であるようにしたものである。
徐行区間情報等を記憶する情報装置が運転士が携帯するタブレット端末、或いは、列車外に設置されたサーバ装置であることにより、記憶容量の少ないウェアラブル端末に全ての徐行区間情報等を記憶させる必要がなくなるので、記憶容量不足により徐行区間情報等の情報数が制限されるといった弊害を防ぐことができる。
本発明によれば、鉄道における徐行区間を運転士に認識させる徐行区間注意喚起システムにおいて、少なくとも徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶された情報装置と、運転士が着用し、緯度経度検出部で検出された情報に基づき現在走行中の区間を特定し、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を通信部により前記情報装置から取得して表示部に表示させると共に振動出力部を振動させるウェアラブル端末とを備えることにより、運転士は、列車を運転しながら現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を容易に確認できるので、変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、徐行区間での速度超過を防止することができる。
本実施の形態に係る徐行区間注意喚起システムの構成の一例を示す概略構成図である。 ウェアラブル端末の動作の一例を示すフローチャートである。 ウェアラブル端末の表示画面の一例を示す説明図である。 情報装置の動作の一例を示すフローチャートである。 ウェアラブル端末の他の動作の一例を示すフローチャートである。
(実施形態)
[1.構成の説明]
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態である徐行区間注意喚起システムを詳細に説明する。但し、発明の範囲は、図示例に限定されない。
[1−1.システム構成の説明]
本発明の実施形態の徐行区間注意喚起システムの構成について図1を参照して説明する。図1は、徐行区間注意喚起システム100(以下、単にシステム100と呼ぶ。)の機能をブロック図として表した概略構成図である。
図1に示すように、システム100は、運転士が着用し、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を取得して表示部13に表示させると共に振動出力部16を振動させるウェアラブル端末1、少なくとも徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶された情報装置2、徐行区間情報及び徐行速度情報を列車のフロントガラスの内面に投影させる投影出力装置3、を有する構成である。
システム100において、ウェアラブル端末1、情報装置2及び投影出力装置3は通信ネットワークNにより互いに通信可能に接続される。具体的には、通信ネットワークNは、インターネットや電気通信事業者等の電話回線網や携帯電話通信網等であり、ウェアラブル端末1、情報装置2及び投影出力装置3は無線通信により当該通信ネットワークNに通信可能に接続される。
ウェアラブル端末1は、メガネや腕時計の形態を有し、運転士が身体に着用可能な装置である。このようなウェアラブル端末1は、具体的には、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等を用いて通信ネットワークNに接続して情報装置2との間で相互に通信を行う。
情報装置2は、予め区間毎の徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶されており、ウェアラブル端末1から区間を指定した徐行区間情報及び徐行速度情報要求を受信した場合、予め記憶された各区間の徐行区間情報及び徐行速度情報から該当する区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を抽出してウェアラブル端末1に送信する。このような情報装置2は、PC(Personal Computer)、WS(Work Station)、タブレット端末等の情報機器であってよい。
投影出力装置3は、列車の乗務員室の運転台に設置されて、ウェアラブル端末1から送信されてくる、徐行区間情報及び徐行速度情報を列車のフロントガラスの内面に投影する。このような投影出力装置3は、通信ネットワークNを介して通信可能な通常のプロジェクタ等であってよい。
[1−2.ウェアラブル端末1の構成の説明]
次に、ウェアラブル端末1の詳細について説明する。
ウェアラブル端末1は、制御部11、操作入力部12、表示部13、記憶部14、通信部15、振動出力部16、緯度経度検出部17を有する。また、ウェアラブル端末1において、制御部11、操作入力部12、表示部13、記憶部14、通信部15、振動出力部16及び緯度経度検出部17は内部バス等により互いに接続される。
制御部11は、ウェアラブル端末1の動作を中央制御する。具体的には、制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部14に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
操作入力部12は、ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作入力に応じた操作信号を制御部11へ出力する。例えば、スマートフォンやタブレット端末等のように操作入力部12は、表示部13と一体的に形成されたタッチパネルなどであってもよい。
表示部13は、制御部11から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部13は、LCD(Liquid Crystal Display)、有機EL(Electro Luminescence)素子を用いたFPD(Flat Panel Display)などであってよい。また、スマートフォンやタブレット端末等のように表示部13は、操作入力部12と一体的に形成されたタッチパネルなどであってもよい。
記憶部14は、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部11から読み書き可能に記憶する。例えば、記憶部14は、半導体メモリなどであってよい。
通信部15は、アンテナや通信回路を有し、制御部11による制御の下で外部機器との間の無線通信を行う。具体的には、通信部15は、通信ネットワークNを介してデータ通信を行う無線通信IC(Integrated Circuit)などであってよい。
振動出力部16は、制御部11による制御の下で振動してウェアラブル端末1を着用した運転士に対して、振動により情報を伝える。例えば、振動出力部16は、モータの軸に重心を偏らせた重りを取り付け、回転させることで振動を生むバイブレータなどであってよい。注意喚起の効果を高めるため、徐行区間の接近を知らせる振動はこれらにユニークな(徐行区間の接近を知らせることに特徴付けられた)振動であることが望ましい。
緯度経度検出部17は、ウェアラブル端末1の現在位置の緯度及び経度を検出して制御部11に出力する。例えば、緯度経度検出部17は、GPS(Global Positioning System)機能を実現するGPSチップなどであってよい。
[1−3.情報装置2の構成の説明]
次に、情報装置2の詳細について説明する。
情報装置2は、制御部21、操作部22、表示部23、記憶部24、通信部25、各駅の発車時刻情報が予め格納されたデータベース26を有する。また、情報装置2において、制御部21、操作部22、表示部23、記憶部24、通信部25及びデータベース26は内部バス等により互いに接続される。
制御部21は、情報装置2の動作を中央制御する。具体的には、制御部21は、CPU、ROM、RAMなどを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部24に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
操作部22は、ユーザからの操作入力を受け付け、当該操作に応じた操作信号を制御部21へ出力する。例えば、操作部22は、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを備えたキーボード、マウス等のポインティングデバイスなどであってよい。また、スマートフォンやタブレット端末等のように操作部22は、表示部23と一体的に形成されたタッチパネルなどであってもよい。
表示部23は、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を表示画面に表示する。例えば、表示部23は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCDなどであってよい。また、スマートフォンやタブレット端末等のように表示部23は、操作部22と一体的に形成されたタッチパネルなどであってもよい。
記憶部24は、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部21から読み書き可能に記憶する。例えば、記憶部24は、HDD、半導体メモリなどであってよい。
通信部25は、制御部21の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。具体的には、通信部25は、通信用ICと通信コネクタなどを有する通信インターフェイスである。
データベース26は少なくとも、予め設定された各区間における徐行区間情報及び徐行速度情報のデータを制御部21から読み書き可能に記憶する。例えば、データベース26は、HDD、半導体メモリなどであってよい。また、データベース26には、必要に応じて、対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報等の情報を記憶させるものであってもよい。
[1−4.投影出力装置3の構成の説明]
次に、投影出力装置3の詳細について説明する。
投影出力装置3は、制御部31、投影出力部32、記憶部33、通信部34を有する。また、投影出力装置3において、制御部31、投影出力部32、記憶部33及び通信部34は内部バス等により互いに接続される。
制御部31は、投影出力装置3の動作を中央制御する。具体的には、制御部31は、CPU、ROM、RAMなどを有しており、RAMの作業領域に展開されたROMや記憶部33に記憶されたプログラムデータとCPUとの協働により各部を統括制御する。
投影出力部32は、制御部31の制御の下、所定の情報(例えば、徐行区間情報及び徐行速度情報)を列車のフロントガラスの内面に投影する。例えば、投影出力部32は、CRTプロジェクタ、液晶プロジェクタ等のディスプレイ装置であってよい。
記憶部33は、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部31から読み書き可能に記憶する。例えば、記憶部33は、HDD、半導体メモリなどであってよい。
通信部34は、制御部31の制御の下、所定の通信プロトコルを用いて通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。具体的には、通信部34は、通信用ICと通信コネクタなどを有する通信インターフェイスである。
[2.動作の説明]
本発明の実施形態におけるシステム100の具体的な動作の説明を図2〜図4を用いて詳細に行う。以下、説明の便宜上、ウェアラブル端末1、情報装置2や投影出力装置3の制御部が主体となる処理は、「ウェアラブル端末1」、「情報装置2」、「投影出力装置3」をその処理の主体として説明する。
[2−1.ウェアラブル端末1の動作の説明]
ここで、ウェアラブル端末1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
ウェアラブル端末1は、緯度経度検出部17から現在の緯度及び経度を取得し(ステップS21)、取得した緯度及び経度から現在走行中の区間を特定する(ステップS22)。
次に、ウェアラブル端末1は、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報の要求を通信ネットワークNを介して情報装置2に送信する(ステップS23)。徐行区間情報及び徐行速度情報は、計画的に設定されるもの(例えば、計画工事による運転規制)や臨時で設定されるもの(風や雨による運転規制など)など、いずれであってもよい。
そして、ウェアラブル端末1は、情報装置2から特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を受信したか否かを判断し(ステップS24)、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を受信していないと判断した場合(ステップS24:No)、ステップS24に戻り、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を受信したと判断した場合(ステップS24:Yes)、受信した徐行区間情報及び徐行速度情報を表示部13に表示させると共に、振動出力部16を振動させる(ステップS25)。
例えば、図3(a)に示すように、ウェアラブル端末1の表示部13には、情報装置2から取得した、緯度経度により特定された区間の徐行区間情報「徐行区間」と徐行速度情報「徐行 45km/h」が併せて表示される。
また、例えば、必要に応じて情報装置2から対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報をさらに取得して、図3(b)に示すように、ウェアラブル端末1の表示部13に、徐行区間情報及び徐行速度情報のみならず、対象駅間情報「A駅〜B駅間」、徐行区間キロ程情報「36k100m〜36k600m」を表示させてもよい。さらに、表示項目を適宜選択して、図3(c)に示すように、ウェアラブル端末1の表示部13に、徐行区間情報「徐行区間」、構内名情報「B駅構内」、徐行速度情報「徐行 25km/h」を表示させてもよい。
すなわち、運転士が身体に着用したウェアラブル端末1の表示部13に現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報が表示されると共に振動出力部16が振動するので、列車を運転しながら現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を容易に確認でき、工事や気象等の状況に応じて別途設定される変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、確実に認識することができるので、徐行区間での速度超過を防止することができる。
[2−2.情報装置2の動作の説明]
また、ここで、情報装置2の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。
情報装置2は、通信部25がウェアラブル端末1から徐行区間情報及び徐行速度情報要求を受信したか否かを判断する(ステップS41)。もし、情報装置2が、ウェアラブル端末1から徐行区間情報及び徐行速度情報要求を受信していないと判断した場合(ステップS41:No)、ステップS41に戻る。
一方、情報装置2が、ウェアラブル端末1から徐行区間情報及び徐行速度情報要求を受信したと判断した場合(ステップS41:Yes)、情報装置2は、受信した徐行区間情報及び徐行速度情報要求で指定されている走行区間に基づき、データベース26に予め格納されている徐行区間情報及び徐行速度情報を参照し、指定された走行区間における徐行区間情報及び徐行速度情報を読み出し(ステップS42)、読み出された徐行区間情報及び徐行速度情報を通信ネットワークNを介してウェアラブル端末1に送信する(ステップS43)。
以上のように、鉄道における徐行区間を運転士に認識させる徐行区間注意喚起システム100において、少なくとも徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶された情報装置2と、運転士が着用し、緯度経度検出部17で検出された情報に基づき現在走行中の区間を特定し、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を通信部15により情報装置2から取得して表示部13に表示させると共に振動出力部16を振動させるウェアラブル端末1とを備えることにより、運転士が身体に着用したウェアラブル端末1の表示部13に現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報が表示されると共に振動出力部16が振動するので、変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、徐行区間での速度超過を防止することができる。
(変形例1)
[3−1.徐行区間への接近]
実施形態の説明に際しては、運転士が着用しているウェアラブル端末1は、現在走行中の区間を特定し、当該特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を取得して表示部13に表示させると共に振動出力部16を振動させているが、徐行区間情報を有する区間に接近した時点で、徐行区間情報及び徐行速度情報を表示すると共に振動出力部16を振動させてもよい。
ここで、図5に示すウェアラブル端末1の他の動作の一例を示すフローチャートを用いて説明する。ウェアラブル端末1は、緯度経度検出部17から現在走行中の地点の緯度及び経度を取得し(ステップS51)、取得した緯度及び経度から進行方向であって徐行区間情報を有する区間を特定する(ステップS52)。
次に、ウェアラブル端末1は、特定された徐行区間情報を有する区間に接近したか否かを判断する(ステップS53)。具体的には、ウェアラブル端末1は、緯度経度検出部17から取得した緯度及び経度に基づき徐行区間情報を有する区間までの距離を求め、当該距離が所定距離以下になった場合、特定された徐行区間情報を有する区間に接近したものと判断する。
ウェアラブル端末1は、特定された徐行区間情報を有する区間に接近していないと判断した場合(ステップS53:No)、ステップS51に戻り、特定された徐行区間情報を有する区間に接近したと判断した場合(ステップS53:Yes)、特定された徐行区間情報を有する区間における徐行区間情報及び徐行速度情報の要求を情報装置2に送信する(ステップS54)。
そして、ウェアラブル端末1は、情報装置2から徐行区間情報を有する区間における徐行区間情報及び徐行速度情報を受信したか否かを判断し(ステップS55)、徐行区間情報を有する区間における徐行区間情報及び徐行速度情報を受信していないと判断した場合(ステップS55:No)、ステップS55に戻り、徐行区間情報を有する区間における徐行区間情報及び徐行速度情報を受信したと判断した場合(ステップS55:Yes)、受信した徐行区間情報及び徐行速度情報を表示部13に表示させると共に、振動出力部16を振動させる(ステップS56)。
以上のように、緯度経度検出部17で検出された情報に基づき徐行区間情報を有する区間に接近したと判断した場合に、徐行区間情報及び徐行速度情報を表示部13に表示させると共に振動出力部16を振動させることにより、徐行区間情報を有する区間に接近した場合に、運転士が身体に着用したウェアラブル端末1において、徐行区間情報及び徐行速度情報が表示されると共にウェアラブル端末1が振動するので、列車を運転しながら区間への接近を容易に確認でき、工事や気象等の状況に応じて別途設定される変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、確実に認識することができるので、徐行区間での速度超過を防止することができる。
(変形例2)
[3−2.情報の投影]
実施形態及び変形例1の説明では、運転士が着用しているウェアラブル端末1の表示部13に情報を表示させているが、列車のフロントガラスの内面に情報を投影させてもよい。
ここで、システム100の情報投影における動作について簡単に説明する。
投影出力装置3は、列車の乗務員室の運転台に設置されて、制御部31の制御の下、通信部34が受信した情報を、投影出力部32から列車のフロントガラスの内面に投影して情報を表示させる。
そして、ウェアラブル端末1は、通信部15を制御して、徐行区間情報及び徐行速度情報を投影出力装置3に送信することにより、列車のフロントガラスの内面に徐行区間情報及び徐行速度情報を投影して表示させる。
以上のように、列車のフロントガラスの内面にウェアラブル端末1が取得した情報を投影させることにより、ウェアラブル端末1を着用した運転士のみならず、列車の乗務員室に同乗している他の者に対しても、工事や気象等の状況に応じて別途設定される変更頻度が高い徐行区間を、誤認や失念することなく、確実に認識させることができる。
なお、実施形態の説明に際しては、情報装置2の設置位置を特定していないが、情報装置2は、運転士が携帯するタブレット端末であってもよいし、列車外に設置されたサーバ装置であってもよい。
情報装置2が、運転士が携帯するタブレット端末、或いは、列車外に設置されたサーバ装置であることにより、記憶容量の少ないウェアラブル端末1に全ての徐行区間情報及び徐行速度情報を記憶させる必要がなくなるので、記憶容量不足により徐行区間情報及び徐行速度情報の情報数が制限されるといった弊害を防ぐことができ、工事や気象等の状況に応じて別途設定される変更頻度が高い徐行区間であっても、誤認や失念することなく、確実に認識することができるので、徐行区間での速度超過を防止することができる。
また、ウェアラブル端末1の表示部13に表示させる情報としては、徐行区間情報、徐行速度情報、対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報を例示したが、勿論、これら情報に限定されるものではなく、必要に応じて各種情報を適宜選択可能である。
また、実施形態の説明に際しては、緯度経度検出部17はウェアラブル端末1に備えられたものとして説明したが、緯度経度検出部17は情報装置2(例えば、運転士が携帯するタブレット端末等)に備えられたもの(GPSチップなど)を利用するものであってもよい。
1 ウェアラブル端末
11 制御部
12 操作入力部
13 表示部
14 記憶部
15 通信部
16 振動出力部
17 緯度経度検出部
2 情報装置
21 制御部
22 操作部
23 表示部
24 記憶部
25 通信部
26 データベース
3 投影出力装置
31 制御部
32 投影出力部
33 記憶部
34 通信部
N 通信ネットワーク

Claims (5)

  1. 鉄道における徐行区間を運転士に認識させる徐行区間注意喚起システムにおいて、
    少なくとも徐行区間情報及び徐行速度情報が記憶された情報装置と、
    運転士が着用し、緯度経度検出部で検出された情報に基づき現在走行中の区間を特定し、特定された区間の徐行区間情報及び徐行速度情報を通信部により前記情報装置から取得して表示部に表示させると共に振動出力部を振動させるウェアラブル端末と、
    を備えることを特徴とする徐行区間注意喚起システム。
  2. 前記ウェアラブル端末は、メガネ型若しくは腕時計型であることを特徴とする請求項1に記載の徐行区間注意喚起システム。
  3. 前記情報装置には、対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報が記憶され、
    前記ウェアラブル端末は、前記通信部を制御して前記情報装置から少なくとも対象駅間情報、構内名情報、徐行区間キロ程情報のうちのひとつを取得して、現在走行中の区間の徐行区間情報及び徐行速度情報と共に前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の徐行区間注意喚起システム。
  4. 前記ウェアラブル端末は、緯度経度検出部を備え、前記緯度経度検出部で検出された情報に基づき徐行区間情報を有する区間に接近したと判断した場合に、徐行区間情報及び徐行速度情報を前記表示部に表示させると共に前記振動出力部を振動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の徐行区間注意喚起システム。
  5. 前記情報装置は、運転士が携帯するタブレット端末、或いは、列車外に設置されたサーバ装置であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の徐行区間注意喚起システム。
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