JP2017001236A - 回転繰出式多芯筆記具 - Google Patents

回転繰出式多芯筆記具 Download PDF

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Kyokuichiro Yokosuka
極一郎 横須賀
佐々木 和彦
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Abstract

【課題】軸筒2が回転する箇所の前後位置に設けた目印を位置合わせした際には筆記先端部6aの突出状態が完全となり、また筆記先端部6aが完全に突出した状態においては軸筒2が回転する前後方向に設けた目印の位置がずれることのない回転繰出式多芯筆記具1を得る。【解決手段】摺動ケース5の前方に雌螺子部51を形成した筒部52を設けて後軸4の前方より突出させ、前軸3の後方に筒部52と螺合させる雄螺子部31を形成し、後軸4に後方目印4eを設けると共に摺動ケース5の筒部52に前方目印5bを設け、後軸4を前軸3に対して回転する際に、前方目印5bと後方目印4eとの位置合わせを行うことにより、目的とする筆記先端部6aの突出を可能とさせた。【選択図】図2

Description

本発明は、後軸を前軸に対して回転することにより後軸内に配した回転カムが回転し、軸筒内に収納した筆記体の後端に設けたカム係止突起が回転カムのカム面に沿って移動することで、摺動体および筆記体が前後動し、筆記先端部を前軸の先端開口部より出没可能とした回転繰出式多芯筆記具に関するものである。
従来、特許文献1にあるように、軸筒を互いに回転可能に連設した前軸と後軸とで構成し、外方に開口部を有した複数の摺動溝を設けた摺動ケースを、後軸に連動して回転や前後に移動することのないよう前軸に連結して当該後軸内に配設し、カム係止突起が形成された摺動体および該摺動体に連結した筆記体を、摺動ケースの摺動溝にバネで後方へ弾発して収容し、摺動体のカム係止突起を、摺動溝から外方へ突出させて収容すると共に、後軸内に該後軸と一体にまたは別部材で形成し当該後軸に連動して回転可能に設けた回転カムのカム斜面に当接させ、後軸を前軸に対して回転することにより後軸に連動した回転カムが摺動ケースに対して回転し、カム係止突起がカム面に沿って移動することで摺動体および筆記体を前後動させ、筆記先端部を前軸の先端開口部より出没させる構造の回転繰出式筆記具はよく知られている。
また、軸筒内に複数の筆記体を収容した回転繰出式多芯筆記具では、軸筒の後方に収容部を設けて、マーカー、糊、印鑑、消しゴム、修正テープ等のカートリッジを着脱可能に装着できる構造が、例えば特許文献2に記載されている。前記構造の回転繰出式多芯筆記具は、一本の筆記具で複数の筆記体を使い分けすることができ、また軸筒の後方に装着したカートリッジを用いて筆記以外の別用途にも利用することができ、利便性が高いことから実際に商品化もされている。
また、前述の回転繰出式多芯筆記具では、前軸の外面および後軸の外面のそれぞれに目印を形成し、軸筒内に複数収容された筆記体の筆記先端部を突出させる際に、前軸と後軸の目印を互いに合わせる構造として、目的とする筆記先端部の突出を選択して行うことが可能な回転繰出式多芯筆記を得ることができ、特に後軸に収容部を設けてカートリッジを収容させる構造の回転繰出式多芯筆記では、部品点数が多いことから、目的とする筆記先端部を選択して突出させる構造を安価に得られる前記構造が、実際の商品で採用されている。
しかしながら、特許文献2に記載された回転繰出式多芯筆記具に見られる構造では、後軸側に固定した摺動ケースの前方外面に形成した雄螺子部と、前軸の前方内面に形成した雌螺子部とを螺合させる構造になっていることから、軸筒内に収容した筆記体の交換等における前軸と後軸との螺脱後、再度前軸と後軸とを螺合させた際に、螺合の締め付けの強さによって、前軸に形成した目印の位置が、後軸に形成した目印の位置とずれてしまうことがあることから、前軸の目印と後軸の目印を合わせても筆記先端部の突出状態が完全でなかったり、筆記先端部の突出を完全とした状態において前軸の目印と後軸の目印との位置がずれてしまう場合があった。
特開2010−64405号公報 特開2005−96244号公報
本発明は、前記問題を鑑みてなされたものであって、軸筒が回転する箇所の前後位置に設けた目印を位置合わせした際には筆記先端部の突出状態が完全となり、また筆記先端部が完全に突出した状態においては軸筒が回転する前後方向に設けた目印の位置がずれることのない回転繰出式多芯筆記具を得ることを目的とする。
本発明は、
「軸筒を互いに回転可能に連設した前軸と後軸とで構成し、外方に開口部を有した複数の摺動溝を設けた摺動ケースを、前記後軸に連動して回転や前後に移動することのないよう前記前軸に連結して該後軸内に配設し、カム係止突起が形成された摺動体および該摺動体に連結した複数の筆記体を前記摺動ケースの摺動溝にバネで後方へ弾発して収容し、前記摺動体のカム係止突起を、前記摺動溝から外方へ突出させて収容すると共に、前記後軸の内面に形成した回転カムのカム斜面に当接させ、前記後軸を前記前軸に対して回転することにより該後軸に連動して前記回転カムが前記摺動ケースに対して回転し、前記カム係止突起が前記カム斜面に沿って移動することで前記摺動体および前記筆記体を前後動させ、筆記先端部を前記前軸の先端開口部より出没させる回転繰出式多芯筆記具において、前記摺動ケースの前方に雌螺子部を形成した筒部を設けて前記後軸の前方より突出させ、前記前軸の後方に前記筒部と螺合させる雄螺子部を形成し、前記後軸に後方目印を設けると共に前記摺動ケースの筒部に前方目印を設け、前記後軸を前記前軸に対して回転する際に、前記前方目印と前記後方目印との位置合わせを行うことにより、目的とする筆記先端部の突出を可能とさせた回転繰出式多芯筆記具。」である。
本発明の回転繰出式多芯筆記具は、前軸と螺合する摺動ケースに前方目印を設け、前記摺動ケースに回転可能に連結した後軸に後方目印を設けることから、その位置関係は常に一定となる。したがって、後軸の後方目印と摺動ケースの筒部の前方目印とを合わせた際には、筆記先端部が完全に突出した状態となる。尚、摺動ケースの筒部に設ける前方目印または後軸に設ける後方目印は、軸筒内に収容した複数の筆記体の筆記色に応じたものとすることが好適であり、前方目印あるいは後方目印の一方を一つとし、他方は軸筒内に収容する筆記体の本数に応じた数で設ける構成とすることができる。
また、摺動ケースの筒部は指で摘まめる長さとすることで、軸筒内に収容した筆記体の交換等における前軸と摺動ケースの筒部との脱着が行いやすいものとなり、摺動ケースの筒部を摘み部として持って前軸と螺合すれば、後軸内に形成した回転カムで摺動ケースを回転させて回転繰出機構に負荷を掛けてしまうことなく螺合を行うことができる。
本発明の回転繰出式多芯筆記具によれば、軸筒が回転する箇所の前後位置に設けた目印を位置合わせした際には筆記先端部の突出状態が完全となり、また筆記先端部が完全に突出した状態においては軸筒が回転する前後方向に設けた目印の位置がずれることのない回転繰出式多芯筆記具を得ることができた。
本実施例の回転繰出式多芯筆記具の側面図で、全ての筆記先端部が軸筒内に没入した状態である。 図1の回転繰出式多芯筆記具の前軸を外した状態を示す図である。 図1のA−A線拡大端面図である。 本実施例の回転繰出式多芯筆記具の側面図で、筆記先端部を軸筒の先端開口部より突出させた状態である。
以下、図面を参照して本実施例の回転繰出式多芯筆記具について説明をするが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。本実施例では、軸筒内に三本の筆記体を備えた回転繰出式多芯筆記具について説明を行い、筆記先端部がある側を前方と表現し、その反対側を後方と表現し、また軸筒の軸心に対して直交し摺動体の中心を通る仮想線を軸径方向と表現する。尚、三本の筆記体は各々異なるインキ色のボールペン体であるが、本実施例の説明においては同一符号を付してある。
図1は全ての筆記先端部が軸筒内に没入した状態であり、図2は図1の回転繰出式多芯筆記具の前軸を外した状態を示す図であり、図3は図1のA−A線拡大端面図である。
回転繰出式多芯筆記具1は、軸筒2を透明樹脂で成形した前軸3と後軸4と、前軸3と後軸4とを連結する摺動ケース5とで構成し、後軸4を前軸3に対して回転可能に配設してある。前軸3には不透明なグリップ30を被覆してある。また、後軸4の後方には、螺合により着脱可能なキャップ40を設けてあり、キャップ40を取り外すことで、後軸4の内部にテープ転写具や蛍光マーカー等の他の物品を収容できる構造とした。本実施例では、軸筒2内にボールペン体である三本の筆記体6を収納してある。また軸筒2内には、筆記体6の筆記先端部6aを軸筒2の先端開口部2aから繰出すための回転繰出機構を設けてある。
図2に示すように、回転繰出式多芯筆記具1は、摺動ケース5の前方に、内面に雌螺子部51を形成した筒部52を後軸4の前方より突出させて設けてあり、前記雌螺子部51と、前軸3の後方に形成した雄螺子部31とを螺合して図1の軸筒2が形成される。
本実施例では、摺動ケース5の筒部52を指で摘まめる長さとしてあることから、軸筒2内に収容した筆記体6の交換時において、前軸3と摺動ケース5の筒部52の脱着が行いやすくなっており、摺動ケース5の筒部52を摘み部として持って前軸3と螺合することで、後軸4内に形成した回転カム4aで摺動ケース5を回転させて回転繰出機構に負荷を掛けてしまうことなく螺合を行うことができた。
次に前記回転繰出機構について詳述を行う。本実施例では、前軸3の雄螺子部31に螺合した摺動ケース5の後端部5aを後軸4の内方に突設した突起部4bに係合させ、後軸4を前軸3に対して回転可能に連設してある。摺動ケース5には前後が開口し軸心に沿った方向へ延びる三つの摺動溝50を同形状で形成してある。
各々の摺動溝50には、前方に筆記体6を連結した前記摺動体7を収容し、前記各摺動体をコイルスプリング8によって後方へ弾発してある。摺動体7の側面には、後方に向かって尖った頂部7aを有したカム係止突起7bを形成してある。後軸4の内側面には、軸心に沿った方向へ変位するように形成したカム斜面4cを有した回転カム4aを設け、前記カム係止突起7bが当接するようにしてあり、後軸4を前軸3に対して回転することで、回転カム4aを回転させて、カム斜面4cと該カム斜面4cに当接した各摺動体7のカム係止突起7bとのカム作用で筆記体6を前後動させ、回転カム4aの先端に形成した係止凹部4dに摺動体7の尖った頂部7aを係止させ、図4に示すように筆記体6の筆記先端部6aを軸筒の先端開口部2aより出没させた状態で維持することができる。
次に前記図3を用いて摺動ケースと摺動体との関係について詳述を行う。摺動溝50は、軸筒2の中心側に形成した半円形状の湾曲壁50aと、湾曲壁50aに連設した軸径方向に対して平行な二つの垂直壁50bと、開口部50c側に設けた内方突起50dとを設けてある。内方突起50dには平坦面50eを設けてあり、孔部7cに筆記体5を嵌合させた摺動体7の平坦な両側面7dを摺接させることで、摺動体7が摺動溝60内を滑らかに摺動できるようにしてある。
本実施例の回転繰出式多芯筆記具1は、図1および図4に示すように、後軸4の前方外面における回転カム4aの係止凹部4dの位置に、後方目印4eを一つ突設し、また摺動ケース5の筒部52の後方外面における三つの摺動溝50の外方位置に、各々の筆記体の筆記色と同色で印刷した前方目印5bを設けてある。
したがって、摺動ケース5の筒部52に形成した雌螺子部51と前軸3に形成した雄螺子部31との螺合の締め付けの強さにより、円周上における摺動ケース5と前軸3とのずれが発生した場合でも、後軸4の後方目印4eと摺動ケース5の前方目印5bの位置関係は常に一定であることから、後軸4の後方目印4eと摺動ケース5の筒部52の前方目印5bとを合わせた際には、筆記先端部6aが完全に突出した状態となり、また筆記先端部6aが完全に突出した状態においては後軸4の後方目印4eと摺動ケース5の筒部52の前方目印5bとの位置がずれることがなかった。
1…回転繰出式多芯筆記具、
2…軸筒、2a…先端開口部、
3…前軸、30…グリップ、31…雄螺子部、
4…後軸、40…キャップ、
4a…回転カム、4b…突起部、4c…カム斜面、
4d…係止凹部、4e…後方目印、
5…摺動ケース、5a…後端部、5b…前方目印、
50…摺動溝、50a…湾曲壁、50b…垂直壁、
50c…開口部、50d…内方突起、
50e…平坦面、
51…雌螺子部、52…筒部、
6…筆記体、6a…筆記先端部、
7…摺動体、7a…尖った頂部、7b…カム係止突起、
7c…孔部、7d…平坦な両側面、
8…コイルスプリング。

Claims (1)

  1. 軸筒を互いに回転可能に連設した前軸と後軸とで構成し、外方に開口部を有した複数の摺動溝を設けた摺動ケースを、前記後軸に連動して回転や前後に移動することのないよう前記前軸に連結して該後軸内に配設し、カム係止突起が形成された摺動体および該摺動体に連結した複数の筆記体を前記摺動ケースの摺動溝にバネで後方へ弾発して収容し、前記摺動体のカム係止突起を、前記摺動溝から外方へ突出させて収容すると共に、前記後軸の内面に形成した回転カムのカム斜面に当接させ、前記後軸を前記前軸に対して回転することにより該後軸に連動して前記回転カムが前記摺動ケースに対して回転し、前記カム係止突起が前記カム斜面に沿って移動することで前記摺動体および前記筆記体を前後動させ、筆記先端部を前記前軸の先端開口部より出没させる回転繰出式多芯筆記具において、前記摺動ケースの前方に雌螺子部を形成した筒部を設けて前記後軸の前方より突出させ、前記前軸の後方に前記筒部と螺合させる雄螺子部を形成し、前記後軸に後方目印を設けると共に前記摺動ケースの筒部に前方目印を設け、前記後軸を前記前軸に対して回転する際に、前記前方目印と前記後方目印との位置合わせを行うことにより、目的とする筆記先端部の突出を可能とさせた回転繰出式多芯筆記具。
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