本発明の目的、技術方案及び利点をさらに明らかにするために、以下、図面及び実施形態に合わせて、本発明について詳しく説明する。ここに記載されている具体的な実施形態は、本発明を解釈するものに過ぎず、本発明を限定するものではないと理解すべきである。
本発明の実施形態による積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターは、高調波サプレッサー、VHF/UHF発信機/受信機、DC回路基板における無線妨害抑制又はDAコンバーターなどのデバイスに適用可能であり、また、マイクロ波通信、レーダー航法、電子妨害、衛星通信などの分野にも適用可能である。
上述した問題点に対して、本発明は、新規の積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルター及びその製作方法を提供する。本発明にかかるフィルターは、誘電体の材料として高周波セラミック材料が採用され、内部素子の容量やインダクタンスが微調整可能であり、モノリシック構造が容易に実現され、製作プロセスが成熟し、一貫性が良く量産に適しているので、当該フィルターは、高い遮断周波数(無線周波数)、広い動作周波数範囲及び高い帯域外除去比を備えるうえに、矩形度に優れ、信頼性が高く、無線周波数帯域の使用の一貫性が良いといった利点がある。しかも、本発明にかかるフィルターの製作プロセスは、通常のチップ型の素子やデバイスのプロセスや、低温同時焼成セラミック(LTCC)プロセスと両立され、さらに別の装置を追加する必要がない。
本発明にかかるフィルターは、LC構造の形式(等価回路については図1を参照)を採用し、内部構成回路が、主に、異なる誘電体層の3次元空間における複数の内蔵コンデンサ17と複数の内蔵インダクタ10から構成される(図2、図3を参照。ただし、図3は、本発明にかかるフィルターの構造の1種に過ぎず、そのフィルターオーダーが7である)。本発明は、各インダクタンスと各容量との間の割合を調整する(無論、寄生パラメーターも考慮する)ことにより、また、3次元立体空間において高密度・高集積化するように複数のコンデンサ17と複数のインダクタ10を巧みにレイアウトする(電磁界シミュレーションソフトウェアによりフルシミュレーションを行うことで、インダクタ10やコンデンサ17の電極の形状や、両方の間での構造的不整合などを調整し、寄生インダクタ及び寄生容量の「寄生効果」を低減し、各内部素子の間に種々の相関するカップリングの影響をフィッティングする)ことにより、異なる性能パラメーターの要求に応じる無線周波数フィルターの設計を図ることができる。内部のコンデンサ及びインダクタの個数(並びに対応する配合比率)を調整することにより、異なるフィルターオーダーの設置が図れ、3次元立体回路の接続構造の巧みなレイアウトと合わせることで、本発明は、30MHz〜40000MHzという遮断周波数の調節範囲を実現することができる。
本発明にかかるフィルターの内蔵インダクタ10は、垂直3次元スパイラル構造(この分野における公知の構造である)を採用することにより、寄生容量が低減される。同じ実効インダクタンス値において、垂直スパイラル構造のインダクタ10素子は、平面スパイラル式の構造よりも高い自己共振周波数(S無線周波数)と品質因子(Q)を有するとともに、デバイスの小型化に有利である。無線周波数フィルターは、一般的に容量が小さいため、内蔵コンデンサ17が従来のような金属−誘電体−金属という形の平行板コンデンサの構造を採用することにより、目的を達成することができる。
さらに、インダクタ10及びコンデンサ17の誘電体層は、いずれも高周波低損失のセラミック材料を利用するので、異質材料の不調和による信頼性の問題が完全に回避され、製品の信頼性が大きく向上する。
本発明の実施形態においては、フィルターのテクニカル指標の要求に応じて、電磁環境両立性に基づき、LTCC技術を結合し、電磁気シミュレーションソフトウェアHFSSにより無線周波数ローパスフィルターの構造設計を行う。
またさらに、テクニカル指標(挿入損失法は、主に、公称周波数及び遮断周波数というパラメーターの指標によるものである)に合わせてフィルターオーダーを決定し、ローパスプロトタイプフィルターにデノーマライゼーション処理を行い、各素子のL、Cの初期パラメーター値を得る。
バタワース関数をフィルターの伝達関数(近似関数)とすると、本発明のフィルターの近似関数は、その振幅二乗関数について一連の計算や導出を行うことにより、次のようにその挿入減衰関数を得る。
理論によりフィルターオーダー、内蔵インダクタ10、コンデンサ17のパラメーター値を算出した後、3次元電磁界シミュレーションソフトウェアHFSS無線周波数フィルターを利用してシミュレーションを行う。理論的に算出した結果とシミュレーションした状況を結合して、最適化設計を繰り返し行うことで、製品の設計が完成する。
本発明の実施形態による積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターは、2ポートのネットワークであり、2つの端電極(それぞれ入力端正極16、出力端正極15を意味する)と、2つの中心電極(共通グランド端14)とを含む4つの引き出し端電極を有し、詳しくは、図2bに示す通りである。
本発明の積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターの内部回路は、異なる誘電体層の3次元空間における複数の内蔵コンデンサ17と複数の内蔵インダクタ10とから構成される内部電極13(図2、図3を参照。ただし、図3は、本発明にかかるフィルターの構造の1種に過ぎず、そのフィルターオーダーが7である)を含み、インダクタ10及びコンデンサ17の誘電体の材料は、いずれも高周波低損失のセラミック材料を同様に採用する。
インダクタ10及びコンデンサ17のレイアウトの方式1:誘電体層は、順次積層して配置される上積層部分、第1の離隔層、中間積層部分、第2の離隔層、及び下積層部分を含み、中間積層部分は、数巻き(巻き数は、必要に応じて調整可能である。)の4つのインダクタ10を直列に接続することによって構成され、それぞれ入力端正極16と出力端正極15に引き出される。上積層部分と下積層部分とは、同一種類のセラミック材料で作製される積層チップ型のコンデンサ17を備え、並列接続の方式を採用し、それぞれのコンデンサ17は、いずれも、一端が、直列に接続される2つのインダクタ10の接続点に接続され(「穴抜き/電極充填」というやり方により、インダクタ10とコンデンサ17との間の離隔層を透過して接続を実現する)、或いは、上記入力端正極16又は出力端正極15に接続され、他端がグランドに接続される。インダクタ10とコンデンサ17とは、インダクタ10とコンデンサ17との間のカップリングや干渉が低減されるように、比較的に厚い高周波セラミック誘電体層で離隔される。
インダクタ10及びコンデンサ17のレイアウトの方式2:誘電体層は、順次積層して配置される上積層部分、離隔層、及び下積層部分を含み、上積層部分は、直列に接続される複数のインダクタ10を備え、下積層部分は、それぞれ複数の上記コンデンサ17を備え、各上記コンデンサ17は、一端が上記離隔層を通過して2つの上記インダクタ10の互いに接する接続点に接続され、他端がグランドに接続される。コンデンサ17は、「穴抜き又は電極充填」というやり方により、離隔層を透過してインダクタ10との接続を実現する。インダクタ10とコンデンサ17との間の接続方式は、レイアウトの方式1に類似する。
インダクタ10及びコンデンサ17のレイアウトの方式3:出力端正極15及び上記入力端正極16には、それぞれ、直列に配置される複数のインダクタ10が分布し、共通グランド端14には、複数の上記コンデンサ17が分布し、コンデンサ17は、一端が2つの上記インダクタ10の互いに接する接続点に接続され、他端がグランドに接続され、インダクタ10とコンデンサ17との間の接続方式は、レイアウトの方式1に類似する。
ただし、内蔵インダクタ10の電極(図4を参照。ただし、図4は、本発明にかかるフィルターの構造の1種に過ぎず、そのフィルターオーダーが7である)は、その電極が横方向、縦方向の中心線に対して軸対称となるように、3次元空間において配線される。
内蔵コンデンサ17の電極も、インダクタ10(図5を参照。ただし、図5は、本発明にかかるフィルターの構造の1種に過ぎず、そのフィルターオーダーが7である)と同様に、その電極が横方向、縦方向の中心線に対して軸対称となるように配置される。
このようにすれば、インダクタ10及びコンデンサ17において入力端正極16、出力端正極15での電極の配向の完全な一貫性を確保することができ、入力端正極16と出力端正極15とは、完全に互いに取り替えることができ、取り付けや取り扱いに便利である。
フィルターの構造設計及びプロセス設計が完了した後、LTCCの生産ラインにおいて、ドープの配合、流延、切断、穴抜き、導体層の印刷、積層、静水圧プレス、切断、バインダーの除去、焼結、銀塗り、銀の焼き付け、電気めっき、テストなどのプロセス工程を実行することにより、無線周波数ローパスフィルターの製品の開発を行う。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択する。まず、高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4以下でなければならない。次に、無線周波数フィルターの内部電極は、銀パラジウムの内部電極ペーストを採用することが好ましくないので、焼結温度が900℃よりも低いセラミック材料を選択しなければならない。さらに、誘電率の選択範囲は、3〜100とする。
誘電率の好適な条件:遮断周波数が460MHz未満であるフィルターを製作する場合は、誘電率が20〜50である材料が好ましく、遮断周波数が460〜1300MHzである場合は、誘電率が10〜20である材料が好ましく、遮断周波数が1300〜3600MHzである場合は、誘電率が6〜10である材料が好ましく、遮断周波数が3600MHz以上である場合は、誘電率が6以下である材料を選択すれば望ましい。
無論、当該セラミック材料が選択できるかどうかを判定するには、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などの性能パラメーターを調整しなければならない。
ステップ2:流延ドープの配合。作製された流延ドープが均一に分散し、塊にならずに安定性が良くなるとともに、フィルムチップの積層の際に泡がなく、容易に剥離されて容易に接着され、展延性が適度であるといったことが確保されるように、選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行う。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延することにより、フィルムチップの厚さを5〜100ミクロンに調整可能である。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行う。そして、銀ペーストで穴埋めを行う。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが5〜12ミクロンの範囲に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行う。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行う。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行う。静水圧プレスプロセスのパラメーター条件は、圧力20〜40MPa、温度50〜90℃、保圧5〜30Minとする。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度は200℃〜500℃とされる。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了すると、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入る。本製品の焼結温度は800〜950℃である。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行う。中間端電極の銀塗りは、本発明のフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
本発明にかかるフィルターは、銀を焼き付けた後に、端部の銀層に不純物又は銀の焼き付けによるガラス相が付着され、電気めっき層の効果に影響を与えるので、電気めっきに先立って製品を表面処理して製品の表面における残留物を除去する。そして、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行う。
本発明によるフィルター及びその製作方法をさらに説明するために、以下、具体的な実施例と合わせて詳細に説明する。
実施例1〜3:それぞれ、遮断周波数が145MHz、350MHz、459MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、860℃であった。
3つの実施例の対応する誘電率の選択の状況は、表2の通りであった。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択し、ペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが35ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが6±0.5ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極及びグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力18MPa、温度70℃、保圧30Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を430℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は860℃程度であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
遮断周波数が350MHzであるフィルターの挿入損失のテストについての図は、図7に示される。
実施例4〜6:遮断周波数が、それぞれ、460MHz、700MHz、1200MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、880℃であった。
3つの実施例の対応する誘電率の選択の状況は、表4の通りであった。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが30ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが7±0.5ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力20MPa、温度65℃、保圧25Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を500℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は880℃程度であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
遮断周波数が700MHzであるフィルターの挿入損失のテストについての図は、図7に示される。
実施例7〜9:遮断周波数が1750MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、880℃であった。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが30ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。銀ペーストの厚さが8±0.5ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力28MPa、温度70℃、保圧18Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を450℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は880℃程度であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
遮断周波数が1750MHzであるフィルターの挿入損失のテストについての図は、図7に示される。
実施例10〜11:遮断周波数が、それぞれ、3600MHz、4850MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、900℃であった。
誘電率の選択において、フィルターの遮断周波数がそれぞれ、3600MHz、4850MHzであるフィルターは、選択される誘電体の材料の誘電率がそれぞれ、5.7、4.3である。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが25ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが8±0.5ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力30MPa、温度60℃、保圧10Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を460℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は900℃程度であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
遮断周波数が4850MHzであるフィルターの挿入損失のテストについての図は、図8に示される。
実施例12:遮断周波数が7600MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、900℃であった。
誘電率の選択において、フィルターの遮断周波数が7600MHzであるフィルターは、遮断周波数が3600MHz以上であり、ここで選択される誘電体の材料の誘電率が4.0であった。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが35ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが8±1ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部にで内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力25MPa、温度60℃、保圧18Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を450℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は900℃程度であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
当該フィルターの挿入損失のテストについての図は、図8に示される。
実施例13:遮断周波数が9100MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、900℃であった。
誘電率の選択において、フィルターの遮断周波数が9100MHzであるフィルターは、遮断周波数が3600MHz以上で、ここで選択される誘電体の材料の誘電率が3.7であった。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが35ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが8±1ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力20MPa、温度60℃、保圧20Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を450℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は900℃程度であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
当該フィルターの挿入損失のテストについての図は、図8に示される。
実施例14:遮断周波数が30800MHzである無線周波数ローパスフィルターを製作した。
ステップ1:高周波セラミック材料の選択。フィルターの性能パラメーターの必要に応じて、適切な高周波セラミック材料を選択した。選択された高周波セラミック材料の誘電体損失角の正接値は、6*10−4未満、セラミック材料の焼結温度は、890℃であった。
誘電率の選択において、フィルターの遮断周波数が30800MHzであるフィルターは、遮断周波数が3600MHz以上であり、ここで選択される誘電体の材料の誘電率は3.5であった。
無論、材料の絶縁強度、容量温度係数、その銀ペーストとの調和性、その使用周波数などのセラミック材料の性能パラメーターも調整した。
ステップ2:流延ドープの配合。選択されたセラミック粉末粒子の比表面及び帯電特性に応じて、適切な溶媒系(有機溶媒、可塑剤、結合剤、及び分散剤を含む)を選択し、そして、各有機添加剤の割合の最適化設計を行った。
ステップ3:ボールミル、流延。ステップ2で配合された流延ドープを、適当なボールミルプロセスを選択してペーストを作製してから、設計されたフィルムチップの必要に応じて、フィルムチップの厚さが45ミクロンとなり、誤差が±0.5ミクロン内に収められるように、流延装置で所望の厚さのセラミックグリーンフィルムチップを流延した。
ステップ4:穴抜き、穴埋め。ステップ3で得られたセラミックグリーンフィルムチップの一部に、インダクタとコンデンサとの間の接続や、インダクタ同士の間の接続の必要に応じて、穴抜きを行った。そして、銀ペーストで穴埋めを行った。
ステップ5:導体の印刷。印刷された銀ペーストの厚さが8±1ミクロンの範囲内に収められるように、穴埋めを行ったセラミックグリーンフィルムチップにインダクタの導体の印刷を行い、穴抜きを行っていないセラミックグリーンフィルムチップの一部に内蔵コンデンサの正電極とグランド電極の印刷を行った。
ステップ6:積層、プレス。電極が印刷されたセラミックグリーンフィルムチップ、及び電極が印刷されていないフィルムチップの一部に、本発明に設計された構造に従って、積層、プレスを行った。
ステップ7:静水圧プレス。積層し終えたチップ型のフィルターセラミックグリーンシートを真空引きされたシール袋に入れて、静水圧プレス装置に置いて静水圧プレスを行った。静水圧プレスの好適なパラメーターは、圧力20MPa、温度60℃、保圧20Minであった。
ステップ8:バインダーの除去。バインダーの除去工程は、有機接着剤のガス化及び焼き取りの工程であり、焼結の前に行う必要な工程で、その温度を450℃とした。バインダーの除去工程は、低温同時焼成型の無線周波数フィルター(LTCC無線周波数フィルター)の品質に大きく影響し、バインダーの除去が不十分であれば、焼結後に、多層体に泡、歪みや層間はく離などを発生することがあり、バインダーの除去が過量になれば、メタライズパターンの脱落を引き起こすなどの恐れもある。従って、バインダーの除去工程を厳しく制御する必要があり、特に、昇温速度を制御しなければならない。
ステップ9:バインダーの除去が終了した後、一定の雰囲気において、LTCC製品を高温条件で緻密化する工程である焼結工程に入った。本製品の焼結温度は890℃であった。焼結プロセスにおいては、焼結メカニズムが複雑であり、メタライズペーストとテープとの同じ程度の収縮をいかに確保するかは、焼結プロセスの鍵となり、そのプロセスパラメーターには、主に加熱速度、加熱時間、保温時間、降温時間などがあり、いずれも厳しく制御しなければならない。例えば、LTCCフィルターのサンプルにおいて小穴が外へ「膨れた」ことの現象も、メタライズペーストとテープとの異なる収縮の程度のためである。
ステップ10:銀塗り、終端。銀塗り箇所は側縁中部で、終端箇所は製品の両端部であり、図2中の3つの図面に示すように、黒い部分が電極である。本発明にかかる無線周波数フィルターは、4つの引き出し端を備えるが、中間端電極は、ロールで銀塗りし(図6を参照)、両側の端電極は、銀貼りで終端を行った。中間端電極の銀塗りは、本発明にかかるフィルターの製作を達成する難点の1つであり、端電極の外形寸法と厚さの精密度を確保するために、製品の形状とサイズに応じて銀塗りローラーを設計することが必要である。
ステップ11:端部処理。
ステップ10で製品に銀を焼き付けた後、製品のめっき層の要求に応じて、適切な電気めっきプロセスの条件において電気めっきラインで電気めっきを行った。
電気めっきが終了した後、本発明に記載される積層チップ型のセラミック無線周波数ローパスフィルターを得ることができた。
当該フィルターの挿入損失のテストについての図は、図9に示される。
以上、本発明の好適な実施形態のみを挙げて説明したが、本発明を制限するものではなく、本発明の精神と原則においてなされた当業者が容易に想到できる修飾、等価置換や改良などは、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれる。