JP2016539248A - 抗菌性白色銅合金 - Google Patents

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Abstract

白色/銀色銅合金は、機械加工でき、砂型および永久成形および鋳造に使用するのに十分な物理的および機械的性質を有する。合金は、0.09質量%未満の鉛を含み、飲料水供給への使用を可能にする。合金はまた、病院で使用するために抗菌性を呈するのに十分な銅も含有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、全内容が参照により本明細書に組み込まれる、2013年10月7日出願の米国仮特許出願第61/887,765号の優先権を請求する。
本発明は、一般に、合金の分野に関する。具体的には、本発明の実施形態は、バラ色、銀色、白色等を含むが、これらに限定されない落ち着いた銅色を呈し、また抗菌性も有する銅合金に関する。
銅合金は、多くの商業的応用例において使用されている。これらの応用例の多くは、鋳型または鋳造を利用して溶融合金を粗い形態に成形することを要する。次いで、この粗い形態を、最終的な形態に機械加工してよい。したがって、銅合金の機械加工性は重要であると考えられ得る。さらに、最大抗張力(「UTS」)、降伏強さ(「YS」)、伸びパーセント(「%E」)、ブリネル硬度(「BHN」)、および弾性係数(「MoE」)など、その他の物理的および機械的性質は、銅合金の最終的用途に応じて様々な重要度であり得る。
銅によって銅合金に付与される一特性は、抗菌効果である。一般に、60%超の含有率で銅を含有する合金が抗菌効果を示すと考えられている。この抗菌効果は、複数の経路を通るように見え、生体にとって抵抗菌株を発達することを非常に困難にする。
銅合金、特に高レベルの銅を有する銅合金は、典型的には、銅のような色を呈する。この色は、消費者の好みまたは最終製品に使用される他の材料との適合性のために、最終製品には望ましくない場合がある。
さらに、銅は多くの有用な特性を銅ベース合金に付与するが、銅(および高銅合金)は変色しやすい。曝露された銅または銅合金の表面は退色し、緑青が発生し得る。これにより、望ましくない視覚的特徴がもたらされ得る。
黄銅合金の特性を維持しながら、白色/銀色金属の色をもたらす「ホワイトブラス」を開発する試みが成されてきた。当産業において白色Tombasil(商標)として知られている、銅開発協会(Copper Development Association)登録番号C99700は、やや銀色をもたらす加鉛黄銅合金である。しかし、C99700には、多くの問題がある。まず、所望の機械加工性を維持するために比較的高含有率(約2%)の鉛を必要とし、商用または住宅用水の使用には極めて高すぎる含有率である。さらに、合金は、機械加工が困難であり、流し込みが困難であり、目的とする銀色は退色(黒化)しやすい。
銅合金が変色する傾向の結果として、銅合金から作られた消費財の多くは、より引き立つ色を与え、変色の悪影響を防止するために、塗布またはめっきされる。その一例として、衛生器具がある。しかし、銅合金をめっきする必要があり、これを望むと、消費財の表面は、下層の銅合金ではなく、めっき材料になるため、銅合金が与える抗菌効果も防止してしまう。
本発明の一実施形態は、機械加工性であり、成形および鋳造における使用に十分な物理的特性を有する白色/銀色銅合金に関する。合金は、水の供給における使用を可能にさせる0.09%未満の鉛を含み、抗菌特性を示すのに十分な銅も含有する。従来市販されている合金と比べて鉛が低含有率であるにもかかわらず、白色合金の機械加工性は、非常に良好に保たれている。
本開示のさらなる特徴、利点、および実施形態を、以下の詳細な説明、図面、および特許請求の範囲を考慮して、説明できる。その上、本開示の前述の概要および以下の詳述は両方とも、例示に過ぎず、特許請求される本開示の範囲をこれ以上限定せずに、さらに説明を加えることを意図したものである。
添付の図面と関連付けて以下の説明を参照することにより、前述のその他の本開示の目的、態様、特徴、および利点がより明らかになり、より良好に理解されるであろう。
市販の合金組成物を列挙した表である。 砂型鋳造用の標的C99761合金を、それに対応する実際の試験ヒート(heat)と共に列挙した表である。 特定のヒートについての銅、ニッケル、亜鉛、イオウ、マンガン、スズ、アンチモン、およびアルミニウム含有率ならびにUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した、図2Aの標的合金についての表である。 永久鋳型用途の第1の標的C99761合金を、それに対応する実際の試験ヒートと共に列挙した表である。 特定のヒートについての銅、ニッケル、亜鉛、イオウ、マンガン、スズ、アンチモン、およびアルミニウム含有率ならびにUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した、図3Aの標的合金についての表である。 砂型鋳造用の標的C99771合金およびそれに対応する実際の試験ヒートを列挙した表である。 特定のヒートについての銅、ニッケル、亜鉛、イオウ、マンガン、スズ、アンチモン、およびアルミニウム含有率ならびにUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した、図4Aの標的合金についての表である。 特定のヒートについての銅、ニッケル、亜鉛、イオウ、マンガン、スズ、アンチモン、およびアルミニウム含有率ならびにUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した、図4Aの標的合金についての表である。 永久鋳型用途の標的C99771合金を、それに対応する実際の試験ヒートと共に列挙した表である。 特定のヒートについての銅、ニッケル、亜鉛、イオウ、マンガン、スズ、アンチモン、およびアルミニウム含有率ならびにUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した、図5Aの標的合金についての表である。 特定のヒートについての銅、ニッケル、亜鉛、イオウ、マンガン、スズ、アンチモン、およびアルミニウム含有率ならびにUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した、図5Aの標的合金についての表である。 硫化アンチモンなどの様々な硫化物の自由エネルギー図である。 硫化アンチモンの分解を示すグラフである。 平衡条件下でSbを含まないC99761の変形形態の相図である。 0.6質量%のSbを含むC99761の実施形態の相図である。 平衡条件下でSbを含まないC99761の実施形態の相集合図(phase assemblage diagram)である。 Sbを含まないC99761の変形形態の拡大相集合図である。 0.6質量%のSbを含むC99761の相集合図である。 0.6質量%のSbを含むC99761の拡大相集合図である。 Sbを含まないC99761の変形形態の相集合図(Scheil冷却)である。 0.6質量%のSbを含むC99761の相集合図(Scheil冷却)である。 平衡条件下のC99771の実施形態の相図である。 0.6質量%のSbを含むC99771の実施形態の相図である。 平衡条件下でSbを含まないC99771の実施形態の相集合図である。 Sbを含まないC99771の変形形態の拡大相集合図である。 0.6質量%のSbを含むC99771の相集合図である。 0.6質量%のSbを含むC99771の拡大相集合図である。 Sbを含まないC99771の変形形態の相集合図(Scheil冷却)である。 0.6質量%のSbを含むC99771の相集合図(Scheil冷却)である。 図10B〜Cに示した試験に利用したC99761脱亜鉛配合を列挙した表である。 金属組織部分の薄い部分における、最大深さ(水平線)が、曝露面(水平な上面)から0.0002インチ(5.1ミクロン)の脱亜鉛腐食を示す写真である。 金属組織部分の厚い部分において、有意な脱亜鉛腐食がないことを示す写真である。 図11B〜11Cに示した試験に利用したC99771脱亜鉛配合を列挙した表である。 供試試料から横方向で調製された金属組織の薄い部分における曝露面(水平な上面)から0.0002インチ(5.1ミクロン)の最大深さ(赤色の線)を示す脱亜鉛腐食の試験を示す写真である。エッチングは施していない。(494X)。 供試試料から縦方向で調製された金属組織の厚い部分における曝露面(水平な上面)から0.0002インチ(5.1ミクロン)の最大深さ(赤色の線)を示す脱亜鉛腐食の試験を示す写真である。 砂型鋳造合金C99761の実施形態の組成(62.6Cu、8.17Ni、16.94Zn、10.36Mn、0.012S、0.492Sb、0.882Sn、0.126Fe、0.350Al、0.040P、0.009Pb、0.002Si、0.002C)を示す表である。 顕微鏡写真である。 注釈付き位置および対応するEDSスペクトルを示すBE画像である。 合金C99761の実施形態のSEM画像である。 図13Aに示す部分のイオウの元素マッピングを示す画像である。 図13Aに示す部分のリンの元素マッピングを示す画像である。 図13Aに示す部分の亜鉛の元素マッピングを示す画像である。 図13Aに示す部分の銅の元素マッピングを示す画像である。 図13Aに示す部分のマンガンの元素マッピングを示す画像である。 図13Aに示す部分のスズの元素マッピングを示す画像である。 図13Aに示す部分のアンチモンの元素マッピングを示す画像である。 図12Aの砂型鋳造C99761合金の後方散乱電子画像(200倍)である。 図12Aの砂型鋳造C99761合金の後方散乱電子画像(1000倍)である。 図12Aの砂型鋳造C99761試料の顕微鏡写真(500倍)である。 砂型鋳造合金C99771の実施形態の組成(69.2Cu、3.21Ni、8.10Mn、17.56Zn、0.014S、0.685Sb、0.319Fe、0.616Sn、0.006Pb、0.224Al)を示す表である。 顕微鏡写真である。 注釈付き位置および対応するEDSスペクトルを示すBE画像である。 合金C99771の実施形態のSEM画像である。 図16Aに示す部分のリンの元素マッピングを示す画像である。 図16Aに示す部分のイオウの元素マッピングを示す画像である。 図16Aに示す部分の亜鉛の元素マッピングを示す画像である。 図16Aに示す部分の銅の元素マッピングを示す画像である。 図16Aに示す部分のマンガンの元素マッピングを示す画像である。 図16Aに示す部分のスズの元素マッピングを示す画像である。 図16Aに示す部分のアンチモンの元素マッピングを示す画像である。 図15Aの砂型鋳造C99771合金の後方散乱電子画像(200倍)である。 図15Aの砂型鋳造C99771合金の後方散乱電子画像(1000倍)である。 図15Aの砂型鋳造C99771試料の顕微鏡写真(500倍)である。 永久鋳型鋳造用の合金C99761の実施形態の組成を示す表である。 図18AのC99761合金の200倍の後方散乱電子画像である。 図18AのC99761合金の1000倍の後方散乱電子画像である。 図18A合金のC99761合金の顕微鏡写真(500倍)である。 5つの印が付いた領域に関して注釈付けられた、図18AのC99761合金の倍率5000倍の顕微鏡写真である。 図19Bは、図19Aの注釈付きの位置1に対応するEDSスペクトルであり、図19Cは、図19Aの注釈付きの位置2に対応するEDSスペクトルであり、図19Dは、図19Aの注釈付きの位置3に対応するEDSスペクトルであり、図19Eは、図19Aの注釈付きの位置4に対応するEDSスペクトルである。 図19Aの注釈付きの位置5に対応するEDSスペクトルである。 図20Aは、図18AのC99761合金のSEM画像であり、図20Bは、図20Aに示す部分の銅の元素マッピングを示す画像であり、図20Cは、図20Aに示す部分のマンガンの元素マッピングを示す画像である。 図20Dは、図20Aに示す部分の鉛の元素マッピングを示す画像であり、図20Eは、図20Aに示す部分のスズの元素マッピングを示す画像であり、図20Fは、図20Aに示す部分の亜鉛の元素マッピングを示す画像である。 図20Aに示す部分のニッケルの元素マッピングを示す画像である。 図20Hは、図20Aに示す部分のアルミニウムの元素マッピングを示す画像であり、図20Iは、図20Aに示す部分のアンチモンの元素マッピングを示す画像である。 永久鋳型鋳造用の合金C99771の実施形態の組成を示す表である。 図21AのC99771合金の後方散乱電子画像(200倍)である。 図21AのC99771合金の後方散乱電子画像(1000倍)である。 図21A合金のC99771合金の顕微鏡写真(500倍)である。 5つの印が付いた領域に関して注釈付けられた、図21AのC99771合金の倍率5000倍の顕微鏡写真である。 注釈付きの位置1に対応する、図22AのEDSスペクトルである。 注釈付きの位置2に対応する、図22AのEDSスペクトルである。 注釈付きの位置3に対応する、図22AのEDSスペクトルである。 注釈付きの位置4に対応する、図22AのEDSスペクトルである。 注釈付きの位置5に対応する、図22AのEDSスペクトルである。 図23Aは、図21AのC99761合金のSEM画像であり、図23Bは、図23Aに示す部分の銅の元素マッピングを示す画像であり、図23Cは、図23Aに示す部分のマンガンの元素マッピングを示す画像である。 図23Dは、図23Aに示す部分の鉛の元素マッピングを示す画像であり、図23Eは、図23Aに示す部分のスズの元素マッピングを示す画像である。 図23Fは、図23Aに示す部分のニッケルの元素マッピングを示す画像であり、図23Gは、図23Aに示す部分の亜鉛の元素マッピングを示す画像であり、図23Hは、図23Aに示す部分のアルミニウムの元素マッピングを示す画像である。 図23Aに示す部分のアンチモンの元素マッピングを示す画像である。 機械的性質の試験に使用する砂型鋳造C99761合金のヒート組成を列挙した表である。 図24AのC99761の砂型鋳造合金についての機械的性質のグラフである。 機械的性質の試験に使用する永久鋳型C99761合金のヒート組成を列挙した表である。 図25AのC99761の永久鋳型合金についての機械的性質のグラフである。 機械的性質の試験に使用する砂型鋳造C99771合金の組成を示す図である。 図26AのC99771の砂型鋳造合金についての機械的性質のグラフである。 機械的性質の試験に使用する永久鋳型C99771合金の組成を示す図である。 図27AのC99771の永久鋳型合金についての機械的性質のグラフである。 C99761合金およびC99771合金の機械加工性を他の既知の合金(CDA登録番号)と比較するグラフである。 C99761の実施形態(61.72Cu、8.80Ni、16.69Zn、10.69Mn、0.011S、0.732Sb、0.736Sn、0.245Fe、0.305Al、0.044P、0.009Pb、0.002Siおよび0.002Cを有する99761−091113−P14H8−1)の機械加工性試験のチップを示す表である。 C99761合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99761合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99761合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99761合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99761合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99771の実施形態(65.04Cu、3.04Ni、19.30Zn、10.63Mn、0.004S、0.675Sb、0.776Sn、0.177Fe、0.291Al、0.046P、0.008Pb、0.002Si、0.001Cを有する999771−082713−P11H19−1)の機械加工性試験のチップを示す表である。 C99771合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99771合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99771合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99771合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 C99771合金の代替実装形態のチップ形態を示す写真である。 アンチモンを含まない以外は図30A〜Fの組成と同様の組成を示す表である。 図31Aの組成のチップ形態を示す写真である。 C99761およびC99771と、対照のクロムめっき部分との比色データのグラフである。
以下の詳細な説明において、その一部を構成する添付の図面について述べる。図面中、別段の指示がない限り、類似の記号は典型的には、類似の成分を同一のものとする。詳細な説明、図面、および特許請求の範囲の中に記載される例示的実施形態は、限定されることを意図しない。本明細書で挙げられる主題の趣旨または範囲から逸脱せずに、他の実施形態を利用してもよく、また他の変更を加えてもよい。本明細書中で概説され、図中に示される本開示の態様が、明確に企図されて本開示の一部を成す種々様々な異なる構成のすべてにおいて、配置され、置換され、組み合わされ、設計されることが可能であることは容易に理解されよう。
図2A(C99761砂型鋳造)、3A(C99761永久鋳型)、4A(C99771砂型鋳造)、および5A(C99771永久鋳型)の表に記載する、参照しやすいようにC99761およびC99771と称する2種の合金の様々な実施形態を、本明細書において記載する。それぞれ砂型鋳造および永久鋳型向けのC99761およびC99771各合金のための2種の別々の標的組成物を参考図に記載する。記載されている合金は、抗菌性である。どちらの合金も、抗菌性の特徴をもたらす従来技術による合金と比べて、比較的少量の銅を利用する。これらの合金は、ビスマスなど、ある種の不要な元素を含まないまたはほんの微量しか含まないために、再利用が容易になる。Biチップと他の非鉛合金との混合は、鍛錬用合金に亀裂の問題を起こす。ビスマスを含む合金を機械加工すると、ビスマスチップの任意の不純物が、汚染チップの価値を33%と同等分低減し、その分、製品の製造費が嵩む。
合金の融点は、同様の適用例に有用な従来型の合金に比べて比較的低い。より低い融点は、より低コストの製品を可能にするであろう。合金はまた、クロムめっきの必要をなくす仕上げおよび色も与え、その結果、より環境にやさしい製品を生成する。
一実施形態は、抗菌効果を示すのに十分な量の銅を含有し、銅の平均質量%が好ましくは60%超である、銅合金の組成物に関する。銅合金は、銅の他に、以下:亜鉛、ニッケル、マンガン、イオウ、鉄、アルミニウム、スズ、アンチモンを含む黄銅でもよい。銅合金は、少量のリン、鉛、および炭素をさらに含有してもよい。好ましくは、銅合金は、鉛を含有しない、または0.09%未満の鉛を含有することで、飲料水の適用例における浸出の有害な影響を低減する。一実施形態において、合金は、0.09%未満の鉛を供給し、一方で少なくとも60%の銅を含んで抗菌特性を付与し、これまでのめっき赤黄銅合金と実質的に同等の最終色および光沢、すなわちニッケルまたはクロムめっきに一般に関連する白色または銀色を有する機械加工性最終製品を生成する。一実装形態において、合金の鋳放しの色は灰色であるが、バフ研磨および/または艶出しの後に銀白色の輝きを得ることができる。しかし、灰色の鋳放し条件は、この合金が、鉛が少なく、他の加鉛合金とは視覚的に異なり、加鉛率が低い合金であることを識別するため、特定の適用例において有益である。この要因は、スクラップストリームにおける合金の選別および再溶融のための未来の識別を助けるであろう。
本発明の一実施形態の銅合金は、白色/銀色を与える。この色と、合金の表面の抗菌態様とにより、合金製の製品のめっきが必要なくなる。黄銅合金のめっきの必要をなくせば、環境負荷を実質的に低減する機会が与えられる。一般に使用される電気めっきプロセスには大量のエネルギーが必要とされ、このプロセスは、刺激の強い化学薬品の使用も要する。
合金組成物
上述したように、目下、合金群C99761および第2の合金群C99771について記載する。本明細書に記載の組成物に関するすべてのパーセンテージ範囲は、質量パーセンテージである。
合金の一実施形態は、最低限約60%の銅、約8〜10%のニッケル、約16〜21%の亜鉛、約8〜12%のマンガン、約0.25%のイオウ、約0.1%〜1%のアンチモン、約0.2%〜1.5%のスズを含む。さらなる実施形態において、合金は、約0.6%の鉄、約0.1〜2.0%のアルミニウム、約0.1%の炭素、約0.05%のリン、0.09%未満の鉛、および0.05%未満のケイ素のうちの1つ以上を含む。このような実施形態は一般に、本明細書においてC99761合金と称され、例えば、図2Aおよび3Aに列挙されたヒートの標的配合物である。
第1の合金群99761は、58〜64質量%の銅と、8〜10質量%のニッケル、16〜21質量%の亜鉛、8〜12質量%のマンガン、0質量%超〜0.25質量%未満のイオウ、0.1〜1.0質量%のアンチモン、0.2〜1.5質量%のスズ、0質量%超〜0.6質量%未満の鉄、0.1〜2.0質量%のアルミニウムとのバランスを含む砂型鋳造用の標的合金を生成する。この砂型鋳造用標的C99761合金は、0質量%超〜0.05質量%未満のリン、0.09質量%未満の鉛、0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素、および0質量%超〜0.1質量%未満の炭素をさらに含んでよい。
第2の合金群99761は、少なくとも58〜64質量%の銅と、8〜10質量%のニッケル、16〜21質量%の亜鉛、8〜12質量%のマンガン、0質量%超〜0.25質量%未満のイオウ、0.1〜1.0質量%のアンチモン、0.2〜1.5質量%のスズ、0質量%超〜0.6質量%未満の鉄、0.1〜2.0質量%のアルミニウムとを含む永久鋳型鋳造用の標的合金を生成する。この永久鋳型用の標的C99761合金は、0質量%超〜0.05質量%未満のリン、0.09質量%未満の鉛、0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素、および0質量%超〜0.1質量%未満の炭素をさらに含んでよい。
上記の砂型鋳造および永久鋳型両方の実施形態では、特定の一実装形態においてアルミニウム含有率を0.2%超に選択して、給排弁などの特定の用途向けに機械的性質を改善することができる。SnとAlの好ましい量は1.8%であり、0.8%のSnおよび1%のAlが最も好ましい。
合金の一実施形態は、最低限約62〜70%の銅、約2〜4%のニッケル、約16〜21%の亜鉛、約8〜12%のマンガン、約0.25%のイオウ、約0.1%〜1%のアンチモン、約0.2%〜1.5%のスズを含む。さらなる実施形態において、合金は、約0.6%の鉄、約0.1〜2.0%のアルミニウム、約0.1%の炭素、約0.05%のリン、0.09%未満の鉛、および0.05%未満のケイ素のうちの1つ以上を含む。このような実施形態は一般に、本明細書においてC99771合金と称され、例えば、図4Aおよび5Aに列挙されたヒートの標的配合物である。
第1の合金群99771は、少なくとも62〜70質量%の銅と、2〜4質量%のニッケル、16〜21質量%の亜鉛、8〜12質量%のマンガン、0質量%超〜0.25質量%未満のイオウ、0.1〜1.0質量%のアンチモン、0.2〜1.5質量%のスズ、0質量%超〜0.6質量%未満の鉄、0.1〜2.0質量%のアルミニウムとを含む砂型鋳造用の標的合金を生成する。この砂型鋳造用の標的C99771合金は、0質量%超〜0.05質量%未満のリン、0.09質量%未満の鉛、0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素、および0質量%超〜0.1質量%未満の炭素をさらに含んでよい。
第2の合金群99771は、少なくとも62〜70質量%の銅と、2〜4質量%のニッケル、16〜21質量%の亜鉛、8〜12質量%のマンガン、0質量%超〜0.25質量%未満のイオウ、0.1〜1.0質量%のアンチモン、0.2〜1.5質量%のスズ、0質量%超〜0.6質量%未満の鉄、0.1〜2.0質量%のアルミニウムとを含む永久鋳型鋳造用の標的合金を生成する。この永久鋳型鋳造用の標的C99771合金は、0質量%超〜0.05質量%未満のリン、0.09質量%未満の鉛、0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素、および0質量%超〜0.1質量%未満の炭素をさらに含んでよい。
上記の砂型鋳造および永久鋳型両方の実施形態では、特定の一実装形態においてアルミニウム含有率を0.2%超に選択して、給排弁などの特定の用途向けに機械的性質を改善することができる。一実施形態において、Sn+Alは1.8質量%であり、約0.8%のSnおよび1%のAlが最も好ましい。
本発明の合金は、いくつかの所望の性質のバランスを示し、従来の合金より優れた特性および性能を示す。図2Bおよび3Bは、本発明のC99761合金のいくつかのヒートについてのUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した表である。図4Bおよび5Bは、本発明のC99771合金のいくつかのヒートについてのUTS、YS、伸び%、BHN、および弾性係数を列挙した表である。
合金は、主要成分として銅を含む。銅は、抗菌性および耐腐食性などの基本的性質を合金に与える。純粋な銅は、降伏強さおよび最大抗張力が比較的弱く、一般の合金分類の青銅および黄銅と比べてさほど硬くない。したがって、合金化によって、銅の性質を多くの適用例における使用向けに改善することが望ましい。銅は、典型的にはベースインゴット(base ingot)として添加される。ベースインゴットの組成純度は、採鉱源および採鉱後の処理によって様々である。また、銅は、再利用物質を供給源とすることもでき、これらは組成物中でばらつきが大きい可能性がある。したがって、本発明の合金は、本発明の趣旨および範囲から逸脱せずに、ある種の微量な元素を有していてもよい。さらに、インゴット化学特性が様々であり得ることから、一実施形態において、ベースインゴットの化学特性が考慮されることを理解すべきである。例えば、合金に望ましい最終組成物にするにはどの程度の亜鉛を添加するかを決定する際、ベースインゴット中の亜鉛の量を考慮に入れる。少量の様々な不純物は一般的であり、所望の性質に重大な影響は与えないことから、ベースインゴット中の二次的元素および最終合金中におけるこれらの意図的存在を考えながら、ベースインゴットを、合金に必要な銅を供給するように選択すべきである。
多量の亜鉛の存在は、固溶体強化により、またCu3ZnなどのCu−Zn金属間層を形成することにより、強度および硬度を高めるが、延性を低減すると考えられている。また、凝固範囲も増加する。鋳造流動性は、亜鉛含有率と共に増加する。Znの存在はSnと類似しているが、上記の言及した特性の改善に比べて影響は小さく、ある種の実施形態では、約2%のZnは大体1%のSnと同等である。Znは十分な量で、銅をアルファ相ではなくベータ相に存在させることが知られている。ベータ相は、より硬い材料をもたらすため、Znは固溶体硬化によって強度および硬度を増加する。しかし、Cu−Zn合金は、狭い凝固温度範囲を有する。亜鉛は、慣例的にスズよりも安価であるため、より容易に使用されてきた。ある種の量、典型的には約14%の上記の亜鉛は、脱亜鉛の影響を受けやすい合金を生成し得る。さらに、より多くの量の亜鉛は、イオウがまとまって溶融するのを防ぐことを発見した。Znの幾分かは、Cu含有固溶体中に残存すると考えられている。幾分かのZnは、いくつかの金属間層と関連する。残分はSと反応してZnSを形成する。一実施形態において、C99761およびC99771合金は16%〜21%のZnを含む。この量の亜鉛の悪影響、例えば脱亜鉛感受性は、合金中の他の置換基、特にアンチモンによって軽減される。したがって、C99761およびC99771合金は、高含有率の亜鉛に関連する有益な性質を示し、同時に従来の合金が示す欠点を最小限に抑える。亜鉛と比較した元素の相対的インパクトに関して以下に考察する「亜鉛同等物」の観点から多くの元素が言及される。
典型的には、アンチモンは、スズの粗悪品、低品質のインゴットおよびスクラップから取り出される。多くの黄銅合金にとって、アンチモンは不純物として見なされてきた。しかし、本出願のいくつかの実施形態は、アンチモンを利用して、脱亜鉛研究に関して以下にさらに記載される脱亜鉛耐性を高める。アンチモンは、一実施形態において、合金化元素として使用される。相図分析(図8および9)は、SbがNiSb化合物を形成することを示す。図3A〜3Bは、アンチモンを有する実施形態が、良好な機械的性質を有することを示し、図29B〜Fおよび30B〜Fは、0.01〜0.025%のSの存在にもかかわらず、良好な機械加工性を示す。これは、Sbに起因するものと考えられる。硫化物およびNiSbの存在が良好な機械加工性に寄与していると考えられる。しかし、Sb含有率が増加すると、強度および伸び%が低減するとさらに考えられている。
イオウを本発明の合金に添加し、加鉛銅合金の利用についての特定の欠点を克服する。イオウは、鉛が銅合金に付与すると思われるものと同様の性質、例えば機械加工性を、鉛に関連する健康問題なしに与える。溶解物中に存在するイオウは、典型的には、同様に溶解物中に存在する遷移金属と反応して、遷移金属硫化物を形成する。例えば、硫化銅および硫化亜鉛が形成され得、またはマンガンが存在する実施形態では、硫化マンガンを形成し得る。図6は、本発明の実施形態において形成し得る、いくつかの遷移金属硫化物の自由エネルギー線図を示す。銅の融点は、セルシウス1,083であり、硫化銅はセルシウス1130、硫化亜鉛はセルシウス1185、硫化マンガンはセルシウス1610、硫化スズはセルシウス832である。したがって、本発明の範囲を限定せずに、形成自由エネルギーに照らして、有意な量の硫化物形成は、硫化マンガンであると考えられる。銅が固化し始めた後に硫化物が固化するため、溶融物中で樹枝状結晶を形成したと考えられる。これらの硫化物は、樹枝状結晶間領域または粒界に集合する。硫化物の存在は、金属組織に破断をもたらし、粒界領域でチップを形成する点を与え、機械加工潤滑性を改善して、機械加工性全般を改善させる。本発明の合金中で主体を成す硫化物は、潤滑性を付与する。
さらに、硫化物が良好に分布すると、機械加工性のみならず、耐圧性も改善する。硫化物の良好な分布は、ガス燃焼炉中での手攪拌と、誘導溶融する間に行なう機械攪拌と、銅はくで包まれた硫化アンチモンの投入との組み合わせによって実現できると考えられている。硫化アンチモンをアンチモンとイオウに分離すると、イオウ粉末を投入する場合に比べて、硫化銅および硫化亜鉛の均一な形成が容易になり、したがって樹枝状結晶間領域における硫化物の分布が均一になる。一実施形態において、イオウ含有率は0.25%未満である。イオウは、上記の有益な性質をもたらすが、イオウ含有率が増加すると、他の望ましい性質が低減する恐れがある。このような低減を起こす一機構は、溶融中における二酸化イオウの形成であり得、これにより最終合金製品に気泡が入る。
鉛は、典型的には、特に機械加工性が重要な要素である配管などの用途向けに、銅合金中の成分として含まれてきた。鉛は、銅合金に共通する他の多くの元素よりも融点が低い。したがって、銅合金中の鉛は、溶解物が冷却すると、樹枝状結晶間領域または粒界領域に移動する傾向がある。樹枝状結晶間領域または粒界領域における鉛の存在は、機械加工性および耐圧性を大きく改善することができる。しかし、ここ数十年の間、鉛の重大な悪影響により、多くの銅合金の適用例において鉛の使用が望ましくないものになってしまった。具体的には、樹枝状結晶間領域または粒界領域における鉛の存在、すなわち一般に機械加工性の改善が認められる特徴が、一部、鉛が銅合金から滲出しやすいという不要な特徴に関与する。本発明の合金は、鉛の量を最小限に抑えるように、例えば約0.09%未満のみ使用するように努める。
Znの存在はSnと類似しているが、上記の言及した特性の改善に比べて影響は小さく、ある種の実施形態では、約2%のZnは大体1%のSnと同等であると考えられている。多量のスズが存在すれば、固溶体強化により、またCu3SnなどのCu−Sn金属間層を形成することにより、強度および硬度を高めるが、延性を低減すると考えられている。また、凝固範囲も増加する。鋳造流動性は、スズ含有率と共に増加し、スズは耐腐食性も高める。ある種の実施形態のスズ含有率は、従来技術に比べて非常に低い(1.5%未満)。このような低レベルで、Snは固溶体を保ち、Cu3Sn金属間化合物は形成しない。また、これは、凝固範囲を影響しない(拡げない)。このような実施形態は、Zn、NiおよびMn含有率が高いため、凝固範囲が広い合金である。Cu−Zn二元合金は、凝固範囲が狭い。Cu−Ni二元合金は、Ni含有率に応じて狭い〜中程度の凝固範囲を有する。Cu−Mn二元合金は、Mn含有率に応じて中程度〜広い凝固範囲を有する。したがって、本発明の特定のCu−Zn−Mn−Ni合金は、凝固範囲が広い。
ある種の合金に関して、鉄は、溶融および鋳込み(pouring)の操作中に攪拌棒、スキマーなどから取り出される不純物またはベースインゴット中の不純物として見なされ得る。このような不純物カテゴリーは、合金の性質に重大な影響はない。しかし、本発明の実施形態は、好ましくは約0.6%の範囲で、合金化成分として鉄を含む。ある種の実施形態において、鉄は、微量の非意図的成分としてのみ存在し得る。
いくつかの実施形態において、ニッケルは、強度および硬度を高めるために含まれる。一方、Niは、1.3の陰性亜鉛当量を有する。そのため、10%のNiは、Zn当量を13%低減する。一般に、高い亜鉛当量は、合金の高強度に関連する。他の合金化元素、例えばAl、Sn、Mnは、亜鉛当量にプラス効果を与える。さらに、ニッケルは、合金中の硫化物粒子の分布を助ける。一実施形態において、ニッケルの添加は、鋳造の冷却プロセス中に硫化物の沈降を促進する。浮遊硫化物が、鋳造後の機械加工操作の間、チップ破断および機械加工潤滑性のための鉛の代わりとして作用するので、硫化物の沈降は望ましい。本発明の範囲を限定せずに、低含有率の鉛で、硫化物の沈降は、機械加工性を低下させる影響を最小限にすると考えられている。さらに、ニッケルの添加、および2〜10%のニッケル含有率で合金が所望の性質を維持する能力は、高レベルのニッケルに関連したコスト増加および特性の低減をもたらさずに、銅金属ではなく、ニッケル金属により類似した色、例えば白色から銀色を示す銅合金を生成する。Cu−Ni二元合金は、完全な溶解性を有する。Ni含有率が増加すると、強度が向上し、同時に鋳造成分の色も強くなる。一般に、3種類のキュプロニッケル合金が市販されている[90/10(C96200)、80/20(C96300)および70/30(C96400)]。銀白色はNi含有率と共に増加する。キュプロニッケルは、1150〜1240Cの非常に高い融点を有するが、強度に寄与するケイ化ニオブを形成するNbおよびSiの添加に起因して、そのUTSおよびYSも高い。キュプロニッケル合金は、典型的には、多くの用途に法外な費用がかかる。また、キュプロニッケルは、機械加工がより難しい。洋白合金(C97300、C97400など)は、11〜17%のNiおよび17〜25%のZnを有し、典型的には、相当量の鉛を含む。洋白は、C97300中に8〜11%のPbを含有し、C97400中に4.5〜5.5%のPbを含有する。これらは、微量のMnを含有し、そのためC99761およびC99771に比べて融点が比較的高く、例えばC97300で1040Cまたは1904Fであり、C97400で1100Cまたは2012Fである。C99761およびC9971の融点は、それぞれ、1024Cまたは1875Fおよび995Cまたは1823Fである。洋白には27%のNiおよび4%未満のZnを含むものがある。洋白は銀を含有しない。銀白色は、Niに由来する。ニッケルの量が少ないと、強度特性が弱くなるので、高含有率のニッケルを利用する。本発明の実装形態において、白色/銀色はNiおよびZnに由来し、図2A、3A、4Aおよび5Aに記載の量の亜鉛の存在が、強度特性を改善すると考えられている。一般に、Ni量が多いと、より元素ニッケルの色に近い銀色/白色になる。
脱酸素をもたらすためにリンを添加してもよい。リンの添加は、液体合金中のガス含有量を低減する。ガスの除去は、一般に、溶解物中のガス含有量を低減し、完成合金における多孔率を低減することによって高品質の鋳造を実現する。しかし、過剰のリンは、金型反応に貢献し得、低い機械的性質および多孔質鋳造を誘発する。ある種の実施形態では、約0.05%に限定すべきである。
いくつかの黄銅合金中のアルミニウムは、不純物として扱われる。このような実施形態において、アルミニウムは、耐圧性および機械的性質に対して有害な影響を持つ。しかし、ある種の鋳造応用例において、アルミニウムは、鋳造流動性を選択的に改善できる。アルミニウムは、このような実施形態で微細羽毛状樹枝状結晶構造を促進し、液体金属を流れやすくすると考えられている。ある種の実施形態では、アルミニウムは合金化元素である。合金の亜鉛当量に寄与することによって強度をかなり高める。1%のAlは、6の亜鉛当量を有する。好ましくは、アルミニウムは2%を最大として含まれる。
ケイ素は一般に不純物として見なされる。複数の合金を用いる鋳造工場において、ケイ素ベース材料は、非ケイ素含有合金中のケイ素汚染を招き得る。少量の残留ケイ素が、半赤黄銅合金を汚染し得、複数の合金の製造をほとんど不可能にしてしまう。更に、ケイ素の存在は、半赤黄銅合金の機械的性質を低減し得る。本発明の実施形態の場合、ケイ素は合金成分ではなく、不純物と考えられる。これは、0.05%未満、好ましくは0に限定されるべきである。
ある種の実施形態では、マンガンを添加してもよい。マンガンは、硫化物の分布を助けると考えられている。具体的には、マンガンの存在は、溶解物中での硫化亜鉛の形成および保持を助けると考えられている。一実施形態において、マンガンは耐圧性を向上する。一実施形態において、マンガンをMnSとして添加する。相図は、ある種の実施形態の場合、MnSは1%のみしか形成されないことを示す。したがって、これらの実施形態の場合、MnSは主体の硫化物ではなく、むしろZnSおよびCu2Sが主体の硫化物であると考えられている。これは、イオウの多くがドロスに失われたさらなる結果である。図8および9に示すように、ある種の従来の合金に比べてニッケルおよびマンガンのレベルが高いので、マンガンの多くは、MnNi2(C99761中8質量%)およびMn3Ni(C99761およびC99771中の両方で約10質量%)として存在する。ある種の実施形態において、Mn含有率を高いまま維持して、合金の融点を低下させる。
マンガンは、いくつかの重要な役割を働く。第1に、融点を低下し、第2に、Niを有する金属間化合物を形成する。Cu−11Mn二元合金の融点は、Cuの融点より約85C低くなる。同様に、Cu−13Znの融点は、約25C低下する。対照的に、Niは合金の融点を上げる。Cu−10Ni合金の場合、上昇分は約50Cである。Cu−Ni−Zn−Mnの4元合金を考慮した場合、全体の融点が低下することを予測できる。この予測は、例えば、相図が、4%Ni合金(C99771)における約995Cの融点を示すことで、観察された。したがって、本発明の実施形態は、比較的低温度で鋳込みされ得る。これは、溶解損失および電気使用量(およびエネルギー費)の低減において重要な要因である。一実施形態において、約10%のNiを有し、融点は約1024Cであり、975Cに近い。これは、図8の相図および示差走査熱量測定のデータによって支持される。
Mnの第2の効果は、Niを有する金属間化合物の形成であり、これは場合により強度および延性に寄与する。
Mnの第3の可能な効果は、+0.5の亜鉛等価係数であり得る。したがって、11%のMnは、5.5%のZnの添加に相当する。一方、Niは、1.3の陰性亜鉛当量を有する。したがって、10%のNiはZn当量を13%低減する。比較のために、Sn、FeおよびAlのZn当量は、それぞれ+2、+0.9、および+6である。一般に、Zn当量が高いほど、合金の強度は高くなる。
従来の合金に比べて、C99761およびC99771の実施形態のニッケル含有率が低いほど、融点は低くなる。比較的多量の亜鉛の存在は、通常、脱亜鉛の問題が生じ得るが、アンチモンおよび本明細書に記載の他の成分の存在によって解決される。
合金適用例
C99761およびC99771は両方とも砂型鋳造または永久鋳型鋳造に利用できる。永久鋳型鋳造の利点は微粒子構造であり、その理由は、急速冷却条件および良好な変色耐性のためである。
一実装形態において、合金をステンレス鋼の代わりに使用してもよい。具体的には、合金は、ステンレス鋼を使用する医療用途において使用してよく、合金は抗菌機能をもたらす。C99761およびC99771合金の抗菌特性は、特に典型的なステンレス鋼と比較して優れている。例えば、研磨中にまたは乱暴な取り扱いによってステンレス鋼部品上にスクラッチまたは割れ目が形成し得る。微生物がそこに留まり得、これは多くの用途において望ましくない。
ステンレス鋼の代わりとして使用する実施形態は、一般に高いUTS、YS、および伸び%を示す。一実施形態において、銅合金は60%超の銅を含む、抗菌効果および落ち着いた彩色の銅または白色/銀色を示す。しかし、ステンレス鋼は、約69ksi超のUTS、約30ksi超のYS、および約55%超の伸び%を有する。ステンレス鋼は、UTS/YS/伸び%=70ksi/30ksi/30を最低限必要とする。ステンレス鋼の改善されたUTSおよびYSを要するが、ステンレス鋼の伸び%は必要としない適用例の場合、C99761またはC99771において0.6%超のアルミニウムを利用する実施形態を使用する。表2B、3B、4B、および5Bのデータで見ることができるように、アルミニウムの増加は、伸び%の減少を犠牲にしてUTSおよびYSを高めることに関与する。中程度の機械的性質、例えば40ksiのUTS、20ksiのYSおよび15〜20%の伸び%を有する、より一般的な適用例の場合、SnおよびAlの範囲は、それぞれ0.5〜1.2%および0.2〜1.4%でよい。高レベルのSnで、低含有率のAlを使用して平均的な機械的性質を得ることができ、その逆も同様である。しかし、低伸び%を犠牲にした高いUTSおよびYS(50ksi超のUTSおよび30ksi超のYS)が、特定の適用例に望ましい場合、SnおよびAl範囲(1〜1.5%のSnおよび1〜2%のAl)のハイエンドを用いることができる。一般に、平均的な機械的性質で、Sn+Al含有率は約1.5総質量%である。高強度特性かつ低伸び%では、Sn+Alは2.5総質量%超である。
一実装形態において、合金は、従来の合金より十分に高い機械的性質を有し、鋳造用成分の厚さを薄くすることが可能であり、これにより原料の費用増し分を補うとさらに考えられている。このような合金は、広い凝固範囲にもかかわらず、永久鋳型鋳造を受けやすい。永久鋳型鋳造に従う機械的性質は、相対的に高い(40〜62ksiのUTS、20〜35ksiのYSおよび7〜20%の伸び%)。さらに、改善された機械的性質の結果として、永久鋳型鋳造における成分の断面厚さはさらに低減することができる。
機械的性質
上で参照したように、合金の機械的性質は、異なる用途に使用する上での実現性に重要である。C99761砂型鋳造(図2A)、C99761永久鋳型(図3A)、C99771砂型鋳造(図4A)、およびC99771永久鋳型(図5A)の機械的性質を、それぞれ、図2B、3B、4B、および5Bの表において説明する。
C99761について図2Bで記録された平均的な砂型鋳造機械的性質は、42ksiのUTS、29ksiのYSおよび13%の伸び%である。図3Bに記録したように、永久鋳型鋳造性質は、それぞれ47ksiのUTS、29ksiのYS、および11%の伸び%である。
砂型鋳造(図4B)C99771の平均的性質は、43ksiのUTS、21ksiのYS、および24%の伸び%である。永久鋳型鋳造C99771(図5B)の場合、平均は、51ksiのUTS、28ksiのYS、および13%の伸び%である。
本発明の合金C99761およびC99771の実施形態は、関連出願14/175802に記載の従来の合金に比べて高含有率範囲のスズおよびアルミニウムを有する。本発明の合金の一実装形態は、伸び%を犠牲にして、改善されたUTSおよびYSを可能にする。このような合金は、特に永久鋳型鋳造において、鋳造成分の厚さを低減させる。機械的性質の結果を、以下の表にまとめる。761および771型は、比較的低いCuおよび高いZnを有する。したがって、合金の費用は低い。
図24A〜B、25A〜B、26A〜B、および27A〜Bは、各合金へのアルミニウムおよびスズの添加の効果を示す。各合金において、アルミニウムおよびスズの個々の総含有率について明記されたそれぞれの限定を適用しながら、アルミニウムおよびスズの含有率が増加するに従い、UTSおよびYSは増加するが、伸び%は低下する。上記のように、好ましい実施形態において、合金は、スズおよびアルミニウム全体の量を含んでよい。永久鋳型適用例は、一般に、少なくとも5の伸び%を要し、例えば、銅の永久鋳型鋳造におけるASTM B806を見ると、Bi含有黄銅の最低伸び%は5%と規定されている。スズ+アルミニウム総含有率がより高い、例えば少なくとも2.5%のC99761およびC99771の実施形態は、合計1.5質量%のスズおよび2.0質量%のアルミニウムの範囲内にさらに限定され、伸び%が低下して許容レベルを下回らないようにしなければならない。図からわかるように、永久鋳型鋳造用のC99761およびC99771の最低伸び%は、それぞれ7%および9%である。
砂型鋳造の場合、15%を超える伸び%が望ましい。C99761は、この基準を満たさない。この場合、伸び%は、4から30%の間で変動し、非常に低い伸び%は高レベルのSnおよびAl(2.6超のSn+Al)にあり、所望の伸び%(15%超)は1〜1.5のレベルのSn+Al含有率である。
図2Bから、2未満のAl+Sn総含有率が、砂型鋳造に所望の伸び%をもたらし、同時に他の機械的性質を最大化することがわかる。好ましくは、Al+Sn含有率1〜1.5%であり、最も好ましくは1〜1.25%である。
図3Bから、2.5超のAl+Sn総含有率が、永久成形(permanent molding)に所望の伸び%をもたらし、同時に他の機械的性質を最大化することがわかる。最も好ましくは、Al+Sn含有率は3%超である。
図4Bから、試験されたヒートのAl+Sn総含有率が、砂型鋳造に所望の伸び%をもたらし、同時に他の機械的性質を最大化することがわかる。
図5Bから、試験されたヒートのAl+Sn総含有率が、永久成形に所望の伸び%をもたらし、同時に他の機械的性質を最大化することがわかる。
機械加工性
本出願に記載の機械加工性の試験は、以下の方法を用いて実施した。供給された冷却材、2軸、CNCターニングセンターによって片部を機械加工した。切削工具は、カーバイドインサートであった。機械加工性は、上述のCNCターニングセンターでターニング中に用いられたエネルギー比率に基づく。計算式を以下のように書くことができる。
F=(E1/E2)×100
F=切削力
1=「既知」の合金C36000(CDA)のターニング中に使用されるエネルギー
2=新規な合金のターニング中に使用されるエネルギー
供給量=.005IPR
スピンドル速度=1,500RPM
カッティング深さ=半径方向の切込み深さ=0.038インチ
電気計器を使用して、切削工具が荷重下にある間の電気的引張力(electrical pull)を測定した。この引張力は、ミリアンペア測定を介して捕らえられた。
図28は、C99761合金の実施形態およびC99771合金の実施形態の機械加工性を、他の既知の合金(CDA登録番号)と比較したグラフを示す。C99761およびC99771試験実施形態の機械加工性は、同時係属出願14/175802に記載の「白色」合金C99760よりも優れた性能を持つ、同様の使用向けである合金に相当する。
図29Aは、機械加工性の評価に利用したC99761合金の特定のヒートの組成を列挙している。図29B〜Fは、図29AのC99761ヒートの機械加工性試験からのチップを示す。
図30Aは、機械加工性の評価に利用したC99771合金の特定のヒートの組成を列挙している。図30B〜Fは、図30AのC99771ヒートの機械加工性試験からのチップを示す。
図31A〜Bは、微量のアンチモンおよびイオウ以外はすべて含まない銅ベース合金の比較例を提供する。見てわかるように、C99761実施形態およびC99771実施形態は両方とも、図29B〜Fおよび30B〜Fに見られる良好なチップ形態を示した。チップは、本明細書で説明したように、頻繁なチップ破壊を示し、これは、硫化物の形成と、樹枝状結晶間領域および粒界におけるSbの存在によって生じると思われる。対照的に、図31Aの表に記載した、Sbを含まない合金は、図31Bにおいて、チップ形成が乏しく、ターニングが長く、めったにチップ破壊が生じないことを示す。C99771およびC99761のアンチモン含有率は、チップ形態において実証済みの改善された機械加工性に寄与すると考えられている。
相図
本発明のある種の実施形態の相を研究した。図6は、様々な硫化物の自由エネルギー図である。図7は、融解状態の硫化アンチモンの分解のグラフである。図8A〜Hから9A〜Hは、それぞれ、C99761およびC99771に対応する相図を示す。
アンチモンの影響
図7は、アンチモンおよびイオウを形成する硫化アンチモンの分解ならびに他の金属の硫化物の形成を示す。融解状態の2モルの硫化アンチモンを、1モルの銅および1モルの亜鉛(両方とも融解している)に添加した。硫化アンチモンは分解して、セルシウス約1260で硫化亜鉛を生成し、セルシウス約630でアンチモンが沈降し、セルシウス約520で硫化銅が沈降する。
C99761合金の一実施形態では、全体で100kgの合金は、各相をkgで表す、以下の量を含有する。
液相線および固相線の温度は、アンチモンを含まないC99761合金の変形形態および0.6%のアンチモンを有するC99761の実施形態の両方について決定した。

C99771合金の一実施形態では、全体で100kgの合金は、各相をkgで表す、以下の量を含有する。
液相線および固相線の温度は、アンチモンを含まないC99771合金の変形形態および0.6%のアンチモンを有するC99771の実施形態の両方について決定した。
相図は、アンチモンを含まないC99761合金の変形形態と比較したC99761(図8A〜H)、およびアンチモンを含まないC99771合金の変形形態と比較したC99771(図9A〜H)の両方の実施形態についての平衡条件および非平衡条件について描かれたものである(Scheil計算)。評価された実施形態は、合金C99761の組成:61Cu、18Zn、9Ni、10Mn、0.6Sb、0.1S、0.6Sn、0.4Al、0.2Feおよび合金C99771の組成:66Cu、3Ni、18Zn、10Mn、0.6Sb、0.3S、0.6Sn、および0.5Alを有する。0.6%Sbを添加した効果も示す。
これらは、半赤黄銅ファミリーに比べて中程度の凝固温度範囲の合金であることが明白である。本発明のある種の実施形態では、凝固温度範囲は約75〜85Cである。半赤黄銅ファミリーでは、凝固温度範囲は80C超である。したがって、本発明のこれらの実施形態の永久鋳型鋳造は好ましく、試験バーとテイル鋳物(tail castings)は両方の合金において成功裏に鋳造された。いくつかの適用例では、ほとんどの配管部品は、重力と低圧の両方の永久鋳型鋳造によって製造される。より急速な冷却速度に起因するより微粒な構造は、永久鋳型鋳造の機械的性質を向上した。
さらなる液相線実験をSetaram SetSys2400 DSCで実施して、以下の表の合金の固相線および液相線温度を評価した。
固相線および液相線温度を調べるために、試料を室温から最高1100Cまで加熱し、800Cに冷却し、2回目に1100Cに加熱し、再度800Cに冷却した。最後に、装置を室温まで下げた。これらの実験は、アルゴン雰囲気下で実施し、この雰囲気は、DSCチャンバを真空ポンプにより排気することによって先行して作っておいた。こうして2つのサイクルからデータを収集した。加熱は10C/分で行ない、冷却は15C/分で行なった。両サイクルから得られた固相線および液相線温度を、以下の表に列挙する。
これらの実験の前と後に試料を計量した。減量パーセントは以下の通りであった。
・合金99761:20.2%
・合金99771:18.8%
これは、第1および第2のサイクルにおける固相線および液相線のシフトを説明し得る。
第1のサイクルから得たデータは、より代表的な合金のものである。
亜鉛当量
合金が約15%超含有するとき、銅合金は、ある種の環境において、脱亜鉛を経ることが知られている。しかし、多量の亜鉛は、銅の相を全アルファから二相またはベータ相に変更し得る。他の元素も、銅の相を変更することが知られている。複合材料「亜鉛当量」は、銅相へのインパクトを予測するために用いる。
Zn当量=(100*X)/(X+Cu%)
式中、xは、添加した合金化元素プラス合金中に存在する実際の亜鉛のパーセンテージによって寄与される亜鉛当量の合計である。32.5%のZn下の亜鉛当量は、典型的には、単一のアルファ相を生成する。この相は、ベータ相に比べて比較的軟らかい。
亜鉛当量値は、以下の表に示すC99761およびC99771の配合について計算し、一般に両方とも、図2Aおよび4Aそれぞれにおける範囲の中域組成である。亜鉛当量は、上式を用いて計算した。
これらの組成のZE値は、それぞれ、25.6%(C99761)および29.6%(C99771)であることが判明した。C99771のZEは、C99761よりも4%高く、若干良好な機械的性質を示すべきである。これは、特にPM鋳造実施形態で観察される機械的値と一致する。これはまた、我々が、少なくともPM鋳造で観察したものでもある(23〜24頁のデータを参照)。
表2は、本明細書に記載のある種の合金化元素の亜鉛当量の値を列挙する。見てわかるように、すべての元素が同等に亜鉛当量に寄与するわけではない。実際、ニッケルなどの特定の元素は、負の亜鉛値を有し、したがって亜鉛当量数は減り、関連する機械的性質のレベルは高くなる。
脱亜鉛
図10A〜Cおよび11A〜Cの情報を基準にして、脱亜鉛の試験を行なった。C99761およびC99771合金の組成は、予想より多量の亜鉛を含み、同時に脱亜鉛に対する良好な耐性も依然として示す。驚くべき性能により、銅、または亜鉛を使うほどには合金をさほど改善せずに費用が嵩む他の成分を、少量にすることが可能である。例えば、同時係属出願14/175802に開示されるC99760およびC99770合金と比較して、本発明の合金は、それから予想され得る脱亜鉛の悪影響なしに、下範囲の銅(上範囲の亜鉛で相殺される)を生成する。図10Aおよび11Aは、試験合金についての配合を列挙している。約8%のNiを有する第1系試験合金(図2AのC99761)が、2%のNiを有する第2系試験合金(図4AのC99771)よりも白くないことが観察された。Znが、典型的には15%過剰で存在するときに、塩素化水中で選択的に浸出すると、脱亜鉛が生じる。原子結合が弱いため、亜鉛の反応性は高い。Zn−Sb相図は、SbがSb3Zn4などの金属間化合物を形成することができ、Znの原子結合の強さを高めることを示す。溶液中のCu++の、黄銅表面上におけるCuへの還元は、陽極脱亜鉛反応を伴った陰極反応であると考えられている。Sbの添加は、陰極還元反応を阻害またはその作用を損なわせ、これにより効果的に脱亜鉛をなくす。したがって、原子結合の強さが強まれば、選択的な浸出に対する耐性が向上し、脱亜鉛が最小限に抑えられると考えられている。本明細書に記載のC99761(位置1&3)およびC99771(位置4)のEDS分析はこれをさらに支持する。図12B〜C(C99761)および図15B〜C(C99771)は、Cu、Ni、およびMnに加えて、ZnおよびSbの存在を示す。
C99761
以下に示すように、最高20.6%までの高含有率のZnにもかかわらず、脱亜鉛はない。これは、Sbの存在に起因する。C99761試験合金の配合を図10Aに示す。
この試験では、研削断面(ground cross section)を、75±5℃で、1%塩化銅溶液中に24時間浸漬する。この浸漬時間の終わりに、露出面に対して垂直に研磨断面を作製し、任意の脱亜鉛腐食の深さを測定する。この分析を、ISO規格に準拠して鋳造の薄い領域および厚い領域の両方において実施した。
薄い部分の露出面を図10Bに示す。厚い部分には脱亜鉛腐食は見られなかった(図10C)。ISO6509には、脱亜鉛許容量の合否基準は含まれていないが、これらの深さは、同様の豪州規格AS2345、「銅合金の脱亜鉛耐性」に明記される最大100ミクロンを超えない。結果は、試料が脱亜鉛腐食の影響を最小限に受けやすいことを示す。
C99771
以下に示すように、最高21%までの高含有率のZnにもかかわらず、脱亜鉛はない。これは、Sbの存在に起因する。C99771試験合金の配合を図11Aに示す。
この試験では、研削断面を、75±5℃で、1%塩化銅溶液中に24時間浸漬する。この浸漬時間の終わりに、露出面に対して垂直に研磨断面を作製し、任意の脱亜鉛腐食の深さを測定する。この分析を、ISO規格に準拠して鋳造の薄い領域および厚い領域の両方において実施した。供試部分は、均一な断面を示し、したがって、2つの試料は、横断面(図11B)および縦断面(図11C)上の典型的な領域から作製した。
図11Bおよび11Cに示すように、脱亜鉛腐食は、供試試料の横方向および縦方向で作製した部分の露出面から広がる。腐食は、両方の金属組織部分の面において最長深さ0.0002インチ(5.1ミクロン)まで広がる。ISO6509には、脱亜鉛許容量の合否基準は含まれていないが、これらの深さは、同様の豪州規格AS2345、「銅合金の脱亜鉛耐性」に明記される最大100ミクロンを超えない。
この検査は、供試試料が、ISO6509、「金属および合金の腐食−黄銅の脱亜鉛耐性の決定」に従って試験したとき、若干の脱亜鉛腐食を呈することを示す。ISO6509には、いずれの合否基準も含まれていないが、この試料の脱亜鉛深さは、同様の豪州規格AS2345、「銅合金の脱亜鉛耐性」に含まれる最大脱亜鉛深さ100ミクロンを超えない。これらの結果は、この試料が脱亜鉛腐食の影響を最小限に受けやすいことを示す。対照的に、65〜67Cu、0.5〜1.5Sn、1.5〜3.8Pb、24〜32Zn、1Ni、0.35Al、および0.05Siを有するCDA合金C85400は、脱亜鉛深さが、厚い領域中で335から1151ミクロンの間で変動することを示す。62〜66Cu、0.3〜1.0Al、0.5〜2.0Sn、16〜22Zn、12〜15Mn、0.5〜2.0Bi、4〜6Niを有するC99780と同等の合金と同様に、厚い部分中の脱亜鉛深さは332〜932ミクロンだった。
金属組織学
C99761−砂型鋳造
図12Aに列挙した組成を有する、C99761砂型鋳造合金試料の実施形態の試料を薄片に分割し、導電性エポキシ樹脂に取り付け、金属組織学的に調製して0.04ミクロンの完成品にした。試験合金は、62.6Cu、8.17Ni、16.94Zn、10.36Mn、0.012S、0.492Sb、0.882Sn、0.126fe、0.350Al、0.040P、0.009Pb、0.002Si、0.002Cの配合を有していた。走査型電子顕微鏡とエネルギー分散分光法(SEM/EDS)を用いて、試料を検査した。この機器は、炭素および原子番号がより大きい元素を検出できる(すなわち、水素、ヘリウム、リチウム、およびベリリウムは検出できず、ホウ素の検出はかろうじてできる)軽元素検出器を備えている。二次電子(SE)および後方散乱電子(BE)検出器を用いて画像を得た。後方散乱電子の画像化において、より大きい原子番号の元素が、より明るく見える。20kVの加速電圧を使用して試料を検査した。
200倍および1000倍で撮影した微細構造の代表的なBE画像を、それぞれ図14Aおよび14Bに示す。EDSによるBE画像化を実施して、銅合金中に存在する様々な二次相の化学特性を決定した。
図12Bは、SEM/EDSスペクトルによって5つの別々の位置でさらに分析する、C99761合金の実施形態のBE画像を示す。位置4の基材のSEM/EDSスペクトル結果は、高濃度の銅と、少量のマンガン、ニッケル、および亜鉛からなる(図12Bの位置4を参照)。明るい白色の相は、高濃度の鉛、リン、およびマンガンと、少量の銅、ニッケル、亜鉛、スズ、およびアンチモンを示す(図12B、位置1を参照)。この合金は、僅か0.009%のPbしか含有していない。位置1における高濃度のPbは、鉛粒子のエントラップメントを示す。暗色の相は、高濃度のリンおよびマンガンと、少量のニッケル、銅、亜鉛、スズ、およびアンチモンを示す(図12B、位置2を参照)。位置3の明るい相は、高濃度のスズ、アンチモン、およびマンガンと、少量のニッケル、銅、および亜鉛を示す(図12B、位置3を参照)。位置5における暗色の相は、高濃度のイオウおよびマンガンと、少量のニッケル、銅、亜鉛、およびセレンを示す(図12B、位置5を参照)。半定量化学分析データを、上記の位置について、以下の表に記録する。
この同じ領域の元素マッピングを図13B〜Hに示す。図13Aは、合金C99761の実施形態のSEM画像であり、図13Bは、図13Aに示す部分のイオウの元素マッピングを示し、図13Cは、図13Aに示す部分のリンの元素マッピングを示し、図13Dは、図13Aに示す部分の亜鉛の元素マッピングを示し、図13Eは、図13Aに示す部分の銅の元素マッピングを示し、図13Fは、図13Aに示す部分のマンガンの元素マッピングを示し、図13Gは、図13Aに示す部分のスズの元素マッピングを示し、図13Hは、図13Aに示す部分のアンチモンの元素マッピングを示す。これらは、銅富化マトリックス中の分散粒子からなる観測された試料で見ることができる。他の非銅金属の多くは、別個のかたまりに位置する。
収縮孔が材料全体にわたって確認された。1つの500倍画像で画像分析を行なった(図14Cを参照)。最小、最大、および平均の粒径を以下の表に記録する。
後方散乱電子画像(C99761については図14Aおよび14B)は、樹枝状結晶間領域中にいくつかの収縮孔を有する樹枝状結晶微細構造を示す。これらは、凝固温度範囲が広い合金の特徴である。粒界および樹枝状結晶間領域に存在する相を、C99761について上記に示すEDSにより分析した。
C99771−砂型鋳造
金属組織学の研究を、図15Aに列挙した合金(69.2Cu、3.21Ni、8.10Mn、17.56Zn、0.014S、0.685Sb、0.319Fe、0.616Sn、0.006Pb、0.224Al)について行なった。走査電子顕微鏡法(SEM)は、光学顕微鏡が可視光を用いるのと同じように、画像化のために電子を用いる。微細なトポグラフィー特徴の最高の解像度のために二次電子(SE)を使用して画像化を実施した。後方錯乱電子(BE)によるさらなる画像化は、原子番号に基づいたコントラストを与え、微視的組成変数ならびにトポグラフィー情報を分解する。エネルギー分散X線分光分析(EDS)とSEMを用いて、定性および定量化学分析を実施した。この機器は、炭素および原子番号がより大きい元素を検出できる(すなわち、水素、ヘリウム、リチウム、ベリリウム、およびホウ素を検出できない)軽元素検出器を備えている。各試料を導電性エポキシ樹脂に取り付け、金属組織学的に0.04μmの完成品に調製し、BE画像化を用いて検査し、観測粒子をさらに識別した。
図15Bは、SEM/EDSスペクトルによって5つの別々の位置でさらに分析されるC99771合金の実施形態のBE画像を示す。C99771試料基材のSEM/EDSスペクトル結果は、多量の銅と、少量のマンガン、鉄、ニッケル、および亜鉛からなる(図15B、位置1を参照)。明色相は、マンガン、鉄、ニッケル、銅、および亜鉛に加えて、アンチモンおよびスズを示す(図15B、位置2を参照)。濃い灰色の相は、多量のイオウおよびマンガン、ならびに少量の鉄、ニッケル、銅、亜鉛、セレン、およびアンチモンを示す(図15B、位置3を参照)。位置4の明るい灰色の相は、マンガン、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、およびスズに加えて、リン、スズ、およびアンチモンを示す(図15B、位置4を参照)。半定量化学分析データを、上記の位置について、以下の表に記録する。
図16Aは、合金C99771の実施形態のSEM画像であり、図16Bは、図16Aに示す部分のリンの元素マッピングを示し、図16Cは、図16Aに示す部分のイオウの元素マッピングを示し、図16Dは、図16Aに示す部分の亜鉛の元素マッピングを示し、図16Eは、図16Aに示す部分の銅の元素マッピングを示し、図16Fは、図16Aに示す部分のマンガンの元素マッピングを示し、図16Gは、図16Aに示す部分のスズの元素マッピングを示し、図16Hは、図16Aに示す部分のアンチモンの元素マッピングを示す。これらは、銅富化マトリックス中の分散粒子からなる観測された試料で見ることができる。他の非銅金属の多くは、別個のかたまりに位置する。
200倍および1000倍で撮った微細構造の代表的なBE画像を、それぞれ図17Aおよび17Bに示す。EDSによるBE画像化を実施して、銅合金中に存在する様々な二次相の化学特性を決定した。観測された試料は、銅富化マトリックス全体にわたって分散された粒子からなる。次いで、画像分析を実施して、粒径を決定した。最小、最大、および平均を以下の表に記録する。粒径の画像分析を、図17Cの顕微鏡写真上で実施した。
後方散乱電子画像(C99771については図17Aおよび17B)は、樹枝状結晶間領域中の収縮孔がいくつかある樹枝状結晶微細構造を示す。これらは、凝固温度範囲が広い合金の特徴である。粒界および樹枝状結晶間領域中に存在する相を、C99771について上記に示すEDSによって分析した。
C99761−永久鋳型
走査型電子顕微鏡とエネルギー分散分光法(SEM/EDS)を用いて、C99761永久鋳型試料を検査した。この機器は、炭素および原子番号がより大きい元素を検出できる(すなわち、水素、ヘリウム、リチウム、およびベリリウムは検出できず、ホウ素の検出はかろうじてできる)軽元素検出器を備えている。二次電子(SE)および後方散乱電子(BE)検出器を用いて画像を得た。後方散乱電子の画像化において、より大きい原子番号の元素が、より明るく見える。20kVの加速電圧を使用して試料を検査した。200倍および1000倍で撮った、図18Aに列挙したC99761ヒートの微細構造の代表的なBE画像を、それぞれ図18B〜Dに示す。
EDSによるBE画像化を実施して、図18Aの99761組成を有する試料の銅合金中に存在する様々な二次相の化学特性を決定した。図19は、BE画像およびEDSに指定された位置を示す。基材のSEM/EDSスペクトル結果は、高濃度の銅と、少量のマンガン、ニッケル、アルミニウム、および亜鉛からなる(図19F、位置5を参照)。明るい灰色の相は、高濃度の銅と、低濃度のアルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、およびスズを示す(図19B、位置1を参照)。暗色相は、高濃度の銅およびマンガンと、低濃度のアルミニウム、リン、鉄、ニッケル、亜鉛およびスズを示す(図19C、位置2を参照)。位置3の明るい白色の相は、高濃度の鉛と、低濃度のアルミニウム、マンガン、ニッケル、銅、亜鉛、およびスズを示す(図19D、位置3を参照)。この領域はまた、いくらかのビスマスも示し、これは、半定量分析では捕らえられなかったが、元素マッピングで確認された。この合金は、僅か0.009%のPbしか含有していない。位置1における高濃度のPbは、鉛粒子の捕捉を示す。位置4における明色層は、高濃度の銅と、少量のアルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、スズ、およびアンチモンを示す(図19E、位置4を参照)。半定量化学分析データを、上記の位置について、以下の表に記録する。
観測された試料は、銅富化マトリックス中の分散粒子からなる。収縮孔が、材料全体にわたって確認された。1つの500倍画像に対して画像分析を実施した(図18Dを参照)。最小、最大、および平均の粒径を以下の表に記録する。
C99771−永久鋳型
走査型電子顕微鏡とエネルギー分散分光法(SEM/EDS)を用いて、C99771永久鋳型試料を検査した。この機器は、炭素および原子番号がより大きい元素を検出できる(すなわち、水素、ヘリウム、リチウム、およびベリリウムは検出できず、ホウ素の検出はかろうじてできる)軽元素検出器を備えている。二次電子(SE)および後方散乱電子(BE)検出器を用いて画像を得た。後方散乱電子の画像化において、より大きい原子番号の元素が、より明るく見える。20kVの加速電圧を使用して試料を検査した。200倍および1000倍で撮った、図21Aに列挙したC99771(永久鋳型)ヒートの微細構造の代表的なBE画像を、それぞれ21B〜Cに示す。
EDSによるBE画像化を実施して、図21AのC99771の銅合金中に存在する様々な二次相の化学特性を決定した。基材のSEM/EDSスペクトル結果は、高濃度の銅と、少量のアルミニウム、ケイ素、マンガン、ニッケル、亜鉛、およびスズからなる(図22E、位置4を参照)。明るい白色の相は、高濃度の銅と、少量のアルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、スズ、および鉛を示す(図22B、位置1を参照)。この合金は、僅か0.010%のPbしか含有していない。位置1における高濃度のPbは、鉛粒子の捕捉を示す。第2の明るい白色の相は、高濃度の銅と、少量のアルミニウム、ケイ素、マンガン、ニッケル、亜鉛、スズ、およびビスマスを示す(図22C、位置2を参照)。位置3のより明るい相は、高濃度の銅と、低濃度のアルミニウム、マンガン、ニッケル、亜鉛、およびスズを示す(図22D、位置3を参照)。位置5の暗色相は、高濃度の銅と、少量のアルミニウム、ケイ素、マンガン、ニッケル、亜鉛、およびスズとからなる(図22F、位置5を参照)。この位置は、卑金属の化学特性に類似しているように見え、収縮孔性の傾向である。半定量化学分析データを、上記の位置について、以下の表に記録する。
観測された試料は、銅富化マトリックス中の分散粒子からなる。収縮孔が、材料全体にわたって確認された。図21AのC99771において、第2の相の大部分は、ほぼ連続した共晶混合物からなる。1つの500倍画像に対して画像分析を実施した(図21Dを参照)。最小、最大、および平均の粒径を以下の表に記録する。
比色
C99761およびC99771合金の新規な一態様は、白色または銀色を呈すると同時に、上記の抗菌性と所望の機械的性質を与えるこれらの能力である。C99761およびC99771を六価クロムめっき(CP)部分と比較する試験を行なった。この目的を達するために、標準の六価クロムめっき(CP)カバーを使用する。これを、試験にとってのベースとするゼロとして設定する。図32は、磨かれたC99761およびC99771の明るさ、赤色または緑色の値、および青色または黄色の値と、ベースラインカバーとの比較を示す。これらのデータは、合金C99761が、CP部分よりも僅か3.18単位だけ暗く、1.35単位だけ赤色が強く、9.93単位だけ黄色が強いことを示す。これらのデータは、合金C99771が、CP部分よりも僅か2.28単位だけ明るく、1.49単位だけ赤色が強く、9.42単位だけ黄色が強いことを示す。磨かれた状態のホワイトメタルを使用するため、これらのデータは、2種のホワイトメタルが、CPカバーに対して都合よく比較したものであることを示す。
例示的実施形態の先の記述は、例示および説明を目的として記載されたものである。これは、開示した厳密な形態に徹底または限定することを意図せず、上記の教示に照らし合わせて、または開示された実施形態の実践を通して取得し得る修正および変更を加えることが可能である。本発明の範囲は、本明細書に添付の特許請求の範囲およびその同等物によって定義されることを意図する。

Claims (21)

  1. 少なくとも60質量%の銅と、
    8質量%〜10質量%のニッケルと、
    16質量%〜21質量%の亜鉛と、
    8質量%〜12質量%のマンガンと、
    0.1質量%〜1質量%のアンチモンと、
    0.2質量%〜1.5質量%のスズと、
    0.1質量%〜2.0質量%のアルミニウムと、
    0質量%超〜0.25質量%未満のイオウと、
    0質量%超〜0.6質量%未満の鉄と、
    0質量%超〜0.1質量%未満の炭素と、
    0質量%超〜0.05質量%未満のリンと、
    0質量%超〜0.09質量%未満の鉛と、
    0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素と
    から本質的になる組成物。
  2. スズおよびアルミニウムの総質量%が約1.5%である、請求項1に記載の組成物。
  3. スズおよびアルミニウムの総質量%が2.5%超である、請求項1に記載の組成物。
  4. 58質量%〜64質量%の銅と、
    8質量%〜10質量%のニッケルと、
    16質量%〜21質量%の亜鉛と、
    8質量%〜12質量%のマンガンと、
    0.1質量%〜1質量%のアンチモンと、
    0.2質量%〜1.5質量%のスズと、
    0.1質量%〜2.0質量%のアルミニウムと、
    0質量%超〜0.25質量%未満のイオウと、
    0質量%超〜0.6質量%未満の鉄と、
    0質量%超〜0.1質量%未満の炭素と、
    0質量%超〜0.05質量%未満のリンと、
    0質量%超〜0.09質量%未満の鉛と、
    0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素と
    から本質的になる組成物。
  5. スズおよびアルミニウムの総質量%が約1.5%である、請求項4に記載の組成物。
  6. スズおよびアルミニウムの総質量%が2.5%超である、請求項4に記載の組成物。
  7. 58質量%〜64質量%の銅と、
    8質量%〜10質量%のニッケルと、
    16質量%〜21質量%の亜鉛と、
    8質量%〜12質量%のマンガンと、
    0.1質量%〜1質量%のアンチモンと、
    0.2質量%〜1.5質量%のスズと、
    0.1〜2.0質量%のアルミニウムと
    を含む組成物。
  8. 0質量%超〜0.6質量%未満の鉄をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
  9. 0質量%超〜0.1質量%未満の炭素をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
  10. 0質量%超〜0.05質量%未満のリンをさらに含む、請求項7に記載の組成物。
  11. 0質量%超〜0.09質量%未満の鉛をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
  12. 0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素をさらに含む、請求項7に記載の組成物。
  13. スズおよびアルミニウムの総質量%が約1.5%である、請求項7に記載の組成物。
  14. スズおよびアルミニウムの総質量%が2.5%超である、請求項7に記載の組成物。
  15. 62質量%〜70質量%の銅と、
    2質量%〜4質量%のニッケルと、
    16質量%〜21質量%の亜鉛と、
    8質量%〜12質量%のマンガンと、
    0.1質量%〜1.0質量%のアンチモンと、
    0.2質量%〜1.5質量%のスズと、
    0.1質量%〜2.0質量%のアルミニウムと、
    0質量%超〜0.25質量%未満のイオウと、
    0質量%超〜0.6質量%未満の鉄と、
    0質量%超〜0.1質量%未満の炭素と、
    0質量%超〜0.05質量%未満のリンと、
    0質量%超〜0.09質量%未満の鉛と、
    0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素と
    から本質的になる組成物。
  16. 62質量%〜70質量%の銅と、
    2質量%〜4質量%のニッケルと、
    16質量%〜21質量%の亜鉛と、
    8質量%〜12質量%のマンガンと、
    0.25質量%のイオウと、
    0.1質量%〜1質量%のアンチモンと、
    0.2質量%〜1.5質量%のスズと、
    0.1〜2.0質量%のアルミニウムと
    を含む組成物。
  17. 0質量%超〜0.6質量%未満の鉄をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  18. 0質量%超〜0.1質量%未満の炭素をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  19. 0質量%超〜0.05質量%未満のリンをさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  20. 0質量%超〜0.09質量%未満の鉛をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
  21. 0質量%超〜0.05質量%未満のケイ素をさらに含む、請求項16に記載の組成物。
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