JP2019508584A - 優れた鋳造性を有する無鉛快削黄銅合金及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents

優れた鋳造性を有する無鉛快削黄銅合金及びその製造方法並びにその用途 Download PDF

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Abstract

本発明は、65〜75重量%の銅、22.5〜32.5重量%の亜鉛、0.5〜2.0重量%のシリコン、及び他の不可避的不純物を含有し、黄銅合金中の銅及び亜鉛の合計含有量が97.5重量%以上であることを特徴とし、優れた機械加工性、防漏性、再鋳造性、及び機械的特性を有する無鉛快削黄銅合金である。
【選択図】図1

Description

本発明は、無鉛快削黄銅に関し、特に優れた機械加工性、防漏性、再鋳造性、及び機械的特性を有する無鉛快削黄銅に関する。
従来の有鉛銅合金は、良好な機械加工性及び機械的特性を有する。有鉛銅合金は、工業材料、例えば、制水バルブ又は商品の金物部品に広く使用されている。ボールバルブのようなバルブを製造する銅合金の場合、その合金鋳物の良好な機械加工性が必要である。様々な流体環境で使用するための銅合金の防食性に加えて、鉛は、例えば配管設備又は船舶部品の銅合金鋳造バルブにとって重要な添加元素である。鉛は、銅合金の機械加工性を改善するために、機械加工工程中における銅合金の切削屑を脆化させることができる。しかしながら、環境保護の問題への意識から、合金の機械加工性を改善するために従来添加されている鉛の他の合金元素による代替が検討されている。有鉛銅合金作製プロセス中に、人間の健康に有害であり、また環境に対する重金属汚染の問題を引き起こす鉛含有蒸気が生成され得る。このような状況において、先進国は、最近、環境保護の問題によりいっそう重点を置いている。NSFの飲料水システム基準と議定書が北米で公布されている。特定の有害物質(RoHS 2.0)の使用制限がヨーロッパで公布されている。そして、銅合金の鉛含有量と飲料水の鉛浸出量を厳しく制限するために、カリフォルニア州で鉛フリー法が成立した。
有鉛銅合金中の鉛含有量を減少させることを目的として、ビスマスが、有鉛銅合金の機械加工性を改善するための鉛を代替するためによく使用される。特許文献1及び特許文献2は、0.3〜3.5重量%のビスマスを含有する高ビスマス含有黄銅の機械加工性が、有鉛黄銅の機械加工性に非常に近いことを開示している。しかしながら、ビスマスの融点はわずか271℃であるので、高ビスマス含有黄銅は、鋳造後の凝固過程において熱間割れを起こす傾向がある。また、高ビスマス含有黄銅は、溶接温度がビスマスの融点より高くなると、高温割れがよく起こる結果、高圧ガス又は流体の輸送中に弁漏れが頻繁に発生するので、溶接用の理想的なバルブ材ではない。
ビスマスの使用を減少させるために、安価で容易に入手できるシリコンでビスマスを置き換えることが新しい傾向である。従来、無鉛黄銅合金のための適切な添加元素は、シリコン、ビスマス、グラファイト、スズ、鉄、カルシウム等を含む。適切な量のシリコンを黄銅合金に加えることは、固溶強化を生じさせ、鋳造中の流動性及び合金の溶接性を改善することに関連する利点を有する。従って、環境に優しい黄銅合金を開発するための主な態様の一つは、黄銅合金にシリコンを3.8〜4.2重量%添加した従来のASTM C87800シリコン青銅合金のような無鉛黄銅合金を製造するための添加剤としてシリコンを添加することである。優れた機械的強度及び腐食防止性能を有する高シリコン含有無鉛青銅合金が達成される。しかしながら、従来のASTM C87800合金におけるシリコン含有量の増加に起因して、その合金の半凝固領域の範囲は著しく拡大する。ASTM C87800合金は、材料ハンドブック(米国金属学会により出版された銅及び銅合金、銅合金の章、参照)において、95℃の広い凝固温度範囲を有する合金として分類される。この性質は、ASTM C87800合金から形成される鋳物に、凝固工程中において緩慢な微細組織を有する欠陥を容易に生じさせることがあり、そのように製造される鋳物は防漏性が低下し、漏れを引き起こす。
従来のC87800シリコン青銅合金は、Cu−14Zn−4Siからなる三元合金である。その合金はシリコンと15重量%未満の亜鉛とを含むので、赤銅と同様の優れた脱亜鉛腐食防止性能を有する。しかしながら、C87800合金のシリコン含有量が4重量%を超えると、シリコン青銅の凝固温度範囲が広がり、凝固工程中において緩慢な凝固タイプになる。ダイカスト法では、永久鋳型が熱を迅速に散逸させ、鋳物の凝固方向性を誘導するために適切な湯道の設計が使用可能である。他のほとんどの銅合金メーカーは砂型鋳造法を使用しているが、C87800合金の鋳物は、緩やかに凝固する結果、実用要件を満たさない緩慢な微細組織を有する鋳物を形成する。
特許文献3及び特許文献4には、無鉛黄銅合金に主要強化元素としてシリコンを2〜4重量%添加して、溶融物の流動性を向上させることにより、鋳造性を向上させているが、シリコンによって生成されるκ又はγ相の固い析出物は、切削工具の工具寿命を低下させることがある。従って、工具の機械加工性を向上させるために微量の鉛(0.4重量%未満)が依然として添加されている。
非特許文献1は、従来の有鉛シリコン黄銅(Cu:60重量%、Si:0.25〜5.5重量%、Pb:0.15〜0.5重量%)に基づいて研究を行った。彼らは、鉛を代替するためマンツ金属合金に1〜4重量%のSi及び0.5重量%のAlを添加し、シリコン含有量が3〜4重量%に達すると、η−CuZnSi及びχ−CuZnSiが析出することがあることを見出した。従って、合金の微細組織がより微細になり、合金の強度及び流動性が向上する。しかしながら、鋳物の多孔性もまた増加する。非特許文献2は、Cu−Zn−XSi−0.6Sn(X=0.5,1,2,3)合金では、シリコン含有量が増加する場合には、γ相が等軸のβ相の相境界で析出して、網状構造を形成することがあることを見出した。スズの添加は、合金のβ相及びγ相を、スズを添加しないものよりも均一に分布させることがある。その硬度はHV398まで上昇する。γ相の形成は、γ相の硬く脆い特性が工具の摩耗をより深刻にすることがある一方で、切削屑の切断を容易にすることがある。
以上のことから、シリコン添加による固溶強化効果が期待されている。従って、過剰な硬質γ相の形成を防止するために適切な量のシリコンを制御することを目的として、非特許文献3は、β相及び平衡μ相が析出せずにα、γ、及びκ相からなる、75.5Cu−3Si−0.1P−Znを含む無鉛シリコン黄銅合金を発明した。その合金は、良好な鍛造性、鋳造性、脱亜鉛防止性能、及び機械加工性を有する。
広い凝固温度範囲が凝固中の液相の充填挙動に影響を与える。液相が複雑な樹枝状晶の間の空間を効果的に充填できない場合、鋳物中に微細な気孔が形成される。従って、合金の凝固温度範囲の範囲を理解することは非常に重要である。非特許文献4は、熱電対を用いて、無鉛CAC403(Cu−10Sn−2Zn)合金の凝固温度範囲が、有鉛CAC406(Cu−5Sn−5Pb−5Zn)合金よりも大きいことを示している。これは、銅合金から鉛を除去することが合金の鋳造性に影響を与えることを示している。従って、銅合金の溶融及び鋳造条件は厳密に制御されるべきである。
以上のことから、従来の有鉛銅合金を代替するためには、鉛フリー規格と大量生産に必要な利便性とを両立させた新規な無鉛黄銅合金が望まれている。そのような無鉛黄銅は、鋳造プロセス中にいかなる緩慢な微細組織を生じさせることなく、優れた鋳造性及び機械加工性を有する必要がある。そのような合金から作製された高品質のバルブ鋳物は、優れた防漏性と脱亜鉛腐食防止性能を有し、ガス又は液体を輸送するための要件を満たす。
これに関連して、本発明は、広い凝固温度範囲に関連する問題に対処するために従来のシリコン青銅の組成を変更することを対象とする。特に、本発明の合金組成物は、砂型を用いた鋳造法を対象としているため、半凝固領域に起因する緩慢な微細組織や引け巣傾向のような欠陥を低減することができ、鋳物の品質を改良することができる。
中国特許第102828064号明細書 中国特許第102071336号明細書 台湾特許第577931号明細書 台湾特許第421674号明細書
Tahaら[Ain Shams Engineering Journal, vol. 3, 2012, pp. 383-392.] Puathaweeら[Advanced Materials Research, Vol. 802, 2013, pp. 169-173] 大石ら(Sambo Copper Alloy Co. Ltd., Japan)[Materials Transactions, vol. 67, 2003, pp. 219-225] 小林武および丸山徹("Lead-free copper alloy for casting", Materia Japan, vol. 43, 2004, pp. 647 to 650)
環境的に持続可能な成長及び工業的用途の要件を満たすためには、許容可能な機械的強度及び鋳造性を有する鉛フリー製品を製造することが必要である。本発明は、従来のカートリッジ黄銅を基材として用いた上で、主要な合金元素としてシリコンを用い、アルミニウム、アンチモン、スズ、マンガン、ニッケル、ホウ素等のような他の合金元素を微量に複合添加することにより、無鉛シリコン黄銅合金の特性を改善することから開始する。
本発明の一つの態様は、従来のASTM C87800高シリコン含有青銅合金の広い凝固温度範囲に起因する長時間の凝固プロセスを回避する無鉛快削黄銅合金を提供することである。広い凝固温度範囲は、合金の凝固プロセスを延長させるので、そのような凝固温度範囲で製造される鋳物は、多孔質の微細組織で充填され、その結果、防漏性が低下する。一方、特許文献3及び特許文献4は、銅合金に高含有量のシリコンを添加すると、硬質κ相及びγ相を生成することがあるので、切削工具の工具寿命が短縮され、切削又は機械加工工程の加工時間が長くなることがあることを開示している。上記課題は、本発明においても対処される。
本発明の別の態様は、鋳造性、機械加工性、及び溶接性に優れた無鉛黄銅合金であって、65〜75重量%の銅、22.5〜32.5重量%の亜鉛、0.5〜2.0重量%のシリコン、及び他の不可避的不純物を含む無鉛黄銅合金を提供することである。本発明の合金組成物は、高品質のバルブを製造するための材料の要件を満たす。
本発明によるシリコンの添加は、樹枝状結晶間に少量の析出を形成することがある。析出物は、切削加工中の切削屑における亀裂開始の位置であるために、溶接されにくく、機械加工性に乏しい高シリコン含有黄銅合金の欠点を解決することができる。
驚くべきことに、本発明の黄銅合金においては、亜鉛含有量が22.5〜32.5重量%に調整され、シリコン含有量が0.5〜2.0重量%に低減され、さらに銅及び亜鉛の合計含有量が97.5重量%以上、好ましくは97.5〜98.5重量%である場合には、そのような黄銅合金が二相領域の液相からαCuを連続的に結晶化させることがある。そうしている間に、合金の内部温度の低下を防止するように、凝固潜熱が連続的に放出されることがある。従って、非平衡凝固条件下では、液相中の残留亜鉛原子の濃度が包晶反応を開始するための閾値に達すると、α相は溶質に富む液相を消費し、核生成し、最初のαCu結晶の表面から成長する。従って、包晶反応、すなわちL+αCu→α相の反応が生じる。冷却曲線では、包晶反応の反応プラトーが、液相線より低く、包晶反応が完了する859.7℃の温度まで低下する。半凝固温度領域は僅か31.7度である。従って、黄銅合金の凝固温度範囲が狭くなる。言い換えると、本発明においては、無鉛快削黄銅合金の亜鉛含有量を増加させることによって、合金の液相線を著しく低下させることがある。しかしながら、黄銅合金に銅及び亜鉛以外の合金元素を添加すると、α相及びβ相以外の結晶相の分率が増加することがある。これにより、半凝固領域を50℃以上に拡大させることがある。驚くべきことに、銅及び亜鉛の合計含有量が97.5重量%以上、好ましくは97.5〜98.5重量%である本発明の黄銅合金の半凝固領域が、従来の黄銅合金に関しては、約30℃にまで著しく低下することがあることが見出された。
一方、本発明の黄銅合金は、銅及び亜鉛の合計含有量が97.5重量%以上、好ましくは97.5〜98.5重量%であり、シリコン含有量が0.5〜2.0重量%である場合、黄銅合金の微細組織はα相とβ相とからなる。当業者であれば、高延性を示すα相と、相境界で過剰のシリコンリッチなγ相の凝集に起因する切削屑の機械加工性の改善と、の間にバランスがあることを理解する。驚くべきことに、そのような本発明の合金組成の改質によると、無鉛快削黄銅合金は、適度な延性を示すα相の十分な分率、及び許容可能な機械加工性を発揮するγ相の適切な分率の両方を有することが見出された。さらに、本発明の無鉛快削黄銅合金のγ相は、α相及びβ相の境界面に形成され、析出量が著しく減少する。β相境界に沿って析出した網状γ相の量は著しく減少し、γ相は微粒状に形成され、α相及びβ相の間で均一に分布する。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金の合金組成は、合金が適切な機械的強度を有し、良好な機械加工性の効果を達成するようにする。
(a)は、ASTM C87800シリコン青銅の比較例(従来技術)から構成される鋳物類の断片から鋳造し直された鋳塊の断面画像を示す。(b)は、本発明の無鉛快削黄銅合金であるS73M5から構成される鋳物類の断片から鋳造し直された鋳塊の断面画像を示す。S73M5の断面画像は、良好に収縮した相対的に高密度の微細組織を示す。 本発明の無鉛快削黄銅合金であるT73Mの光学顕微鏡画像を示す。(a)はT73M5、(b)はT73M5B、(c)はT73M5Nである。 本発明の無鉛快削黄銅合金の機械加工による短いC字型の不連続切削屑を示す。(a)はT73M5、(b)はT73M5B、(c)はT73M5Nである。 本発明の無鉛快削黄銅合金(T73M5B)から得られるバルブ鋳物の溶接ビード周辺の亀裂のない外観を示す。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、アルミニウム、スズ、マンガン、ニッケル、アンチモン、及びホウ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含有してもよく、上記元素の合計含有量は2.5重量%以下である。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、スズ、マンガン、ニッケル、及びアンチモンから選択される少なくとも1種の元素をさらに含有してもよく、スズ、マンガン、若しくはアンチモンの含有量が0.01〜0.55重量%であるか、又はニッケルの含有量が0.01〜0.8重量%であり、上記元素の合計含有量が2.5重量%以下である。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、0.1〜1.0重量%のアルミニウム、0.01〜0.55重量%のスズ、0.01〜0.55重量%のマグネシウム、0.01〜0.8重量%のニッケル、0.01〜0.55重量%のアンチモン、及び0.001〜0.1重量%のホウ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含有してもよく、上記元素の合計含有量が2.5重量%以下である。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、銅及び亜鉛の合計含有量が97.5重量%以上であり、好ましくは銅及び亜鉛の合計含有量が97.5〜98.5重量%である。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、銅含有量の下限が65重量%、67重量%、又は68重量%であるのに対して、銅含有量の上限は70重量%、73重量%、又は75重量%である。銅含量の範囲は、好ましくは65〜75重量%又は68〜70重量%のような上記下限及び上限の任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、シリコン含有量の下限が0.5重量%、0.75重量%、1重量%、1.1重量%、1.15重量%、1.3重量%、又は1.45重量%であるのに対して、シリコン含有量の上限が1.35重量%、1.5重量%、1.75重量%、又は2.0重量%である。シリコン含有量の範囲は、好ましくは1.0〜1.5重量%又は1.1〜1.35重量%のような上記下限及び上限の任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、アルミニウムをさらに含有してもよく、アルミニウムの含有量の下限が0.1重量%、0.15重量%、0.2重量%、又は0.25重量%であるのに対して、アルミニウムの含有量の上限が0.30重量%、0.45重量%、0.5重量%、0.6重量%、又は1.0重量%である。アルミニウム含有量の範囲は、0.1〜1.0重量%、好ましくは0.2〜0.5重量%、より好ましくは0.15〜0.30重量%のような上記下限及び上限の任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、0.01〜0.55重量%のスズをさらに含有してもよく、スズ含有量の下限が0.01重量%、0.05重量%、0.075重量%、0.10重量%、0.20重量%、又は0.25重量%であるのに対して、スズ含有量の上限が0.10重量%、0.20重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.40重量%、0.45重量%、又は0.55重量%である。スズの含有量の範囲は、好ましくは0.01〜0.2重量%、より好ましくは0.01〜0.1重量%のような上記下限及び上限の任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、0.01〜0.55重量%のマンガンをさらに含有してもよく、マンガン含有量の下限が0.01重量%、0.05重量%、0.075重量%、0.10重量%、0.20重量%、又は0.25重量%であるのに対して、マンガン含有量の上限が0.10重量%、0.20重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.40重量%、0.45重量%、又は0.55重量%である。マンガン含有量の範囲は、好ましくは0.01〜0.25重量%、より好ましくは0.10〜0.20重量%のような上記下限及び上限の任意の組み合わせであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、0.8重量%以下のニッケルをさらに含有してもよく、ニッケル含有量の下限が0.01重量%、0.05重量%、0.075重量%、0.10重量%、0.20重量%、又は0.25重量%であるのに対して、ニッケル含有量の上限が0.10重量%、0.20重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.40重量%、0.45重量%、0.55重量%、0.65重量%、0.78重量%、又は0.80重量%である。ニッケル含有量の範囲は、0.01〜0.55重量%、好ましくは0.01〜0.25重量%、より好ましくは0.10〜0.20重量%のような上記下限と上限との任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、0.01〜0.55重量%のアンチモンをさらに含有してもよく、アンチモンの含有量の下限が0.01重量%、0.05重量%、0.075重量%、0.10重量%、0.20重量%、又は0.25重量%であるのに対して、アンチモンの含有量の下限が0.10重量%、0.20重量%、0.25重量%、0.3重量%、0.40重量%、0.45重量%、又は0.55重量%である。アンチモン含有量の範囲は、0.1〜0.45重量%、好ましくは0.15〜0.45重量%、より好ましくは0.20〜0.45重量%のような上記下限と上限との任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、0.001〜0.1重量%のホウ素をさらに含有してもよく、ホウ素含有量の下限が0.001重量%、0.005重量%、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、又は0.09重量%であるのに対して、ホウ素含有量の上限は0.005重量%、0.01重量%、0.015重量%、0.025重量%、0.035重量%、0.045重量%、0.055重量%、0.065重量%、0.075重量%、0.085重量%、0.095重量%、又は0.1重量%である。ホウ素含有量の範囲は、好ましくは0.001〜0.05重量%、より好ましくは0.001〜0.02重量%のような上記下限と上限との任意の組合せであり得る。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、不可避的な鉛の含有量が0.15重量%以下であり、好ましくは0.1重量%以下である。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、不可避的な鉄の含有量が0.15重量%以下である。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、例えば、ビスマス、鉛、鉄、硫黄、リン、又はセレンから選択される少なくとも1種の元素であるが、これに限定されないその他の不可避的不純物を含有する。不可避的不純物の合計含有量は、0.5重量%以下であり、好ましくは0.3重量%以下である。
本発明の無鉛快削黄銅合金の一つの好ましい実施形態によれば、黄銅合金は、0.2〜0.5重量%のアルミニウム、0.01〜0.2重量%のスズ、0.01〜0.25重量%のマンガン、0.01〜0.55重量%のニッケル、0.1〜0.45重量%のアンチモン、及び0.001〜0.05重量%のホウ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含有し、上記元素の合計含有量が2.5重量%以下であり、亜鉛及び銅の合計含有量が97.5重量%以上である。
本発明は、さらに鋳物を製造するために、生砂鋳型、フラン鋳型、又は金型で上記黄銅合金を鋳造するために、上記黄銅合金の溶融物が使用される鋳造方法に関する。
本発明の鋳造方法は、930〜1200℃、好ましくは950〜1100℃、より好ましくは1000〜1080℃の鋳造に適した温度で行われる。
本発明の鋳造方法では、鋳物に機械加工を施すことにより、機械加工品及びその切削屑が作製される。
本発明の鋳造方法において、黄銅合金の溶融物は、本発明の方法によって作製された機械加工品又はその切削屑の再溶融物をさらに含む。
上記のように、本発明の無鉛快削黄銅合金は優れた鋳造性を有する。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金は、例えば、船の一部、水廻り部材、配管部品及びその付属品、ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含むか若しくは含まないゲートバルブ、バタフライバルブのようなバルブ、Y−ストレーナのようなフィルタ、ポンプ、又はベアリング、スクリュー、ナット、ブッシング、歯車、若しくは油圧部品のような複雑な形状を有する部品といった砂型鋳造、重力鋳造、金型鋳造の方法により作製された鋳造製品のような任意の鋳造製品に特に適している。また、本発明の無鉛快削黄銅合金は、高圧バルブ、ノズル、高圧管、又は圧力ポンプのような任意の耐圧製品に特に適している。
本発明の無鉛快削黄銅合金の最終的かつ最も重要な要求特性は、鋳造材料に関連する防漏性である。従って、本発明は、例えば、ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含まないゲートバルブ、リフトロッドを含むゲートバルブ、若しくはバタフライバルブといったバルブ、配管部、又は例えば、Y字型ストレーナといったフィルタのような本発明の無鉛快削黄銅合金から構成される無鉛黄銅合金鋳造製品にさらに関連する。
本発明に係る無鉛黄銅合金鋳造製品は、900psi以上の圧力で漏れない、ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含まないゲートバルブ、リフトロッドを含むゲートバルブ、若しくはバタフライバルブといったバルブ、配管部、又は例えば、Y字型ストレーナといったフィルタを含むものである。
本発明に係る無鉛黄銅合金鋳造製品は、引張強さの下限が、280MPa以上、331MPa以上、355MPa以上、409MPa以上、または450MPa以上である、ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含まないゲートバルブ、リフトロッドを含むゲートバルブ、若しくはバタフライバルブといったバルブ、配管部、又は例えば、Y字型ストレーナといったフィルタを含むものである。
本発明に係る無鉛黄銅合金鋳造製品は、破断伸度の下限が8%以上、9%以上、16%以上、20%以上、25%以上、又は32%以上である、ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含まないゲートバルブ、リフトロッドを含むゲートバルブ、若しくはバタフライバルブといったバルブ、配管部、又は例えば、Y字型ストレーナといったフィルタを含むものである。
本発明の無鉛快削黄銅合金は、以下の特徴及び利点を有する。1.本発明の合金は、有鉛黄銅と同様の機械加工性を有する。2.本発明の合金は、再鋳造性及び溶融利便性に優れている。3.本発明の合金は、機械的特性に優れているため、従来のビスマス含有黄銅合金とは異なり赤熱脆性を生じるおそれなく溶接工程に使用でき、良好な防漏性を有する。4.本発明の合金は、優れた脱亜鉛腐食防止性能を有する。上述した特性は、全て、高価値で高品質のバルブを使用するための要件を満たす。
(無鉛快削黄銅合金の凝固温度範囲)
本発明の実施形態によれば、0.1〜1.0重量%のアルミニウムと0.01〜0.55重量%のスズを無鉛快削黄銅合金に同時に添加する場合、アルミニウム、スズ等の微量元素は銅に対する低融点元素であるために、低融点を有する溶質の液相は全凝固プロセスが完了するまで連続的に潜熱を放出することがある。従って、黄銅合金は、ずっと低い温度で液相から完全な固相に状態が変化することがある。アルミニウムとスズの複合添加物を有する黄銅合金の二相領域の温度差は約60℃である。
本発明の実施形態によれば、無鉛快削黄銅合金に0.1〜1.0重量%のアルミニウムをさらに添加してもよいので、二相領域の温度差は依然として35℃のままである。また、アルミニウム含有量を1.0重量%まで増加させることにより、黄銅合金の固相線温度をさらに低下させることができ、それに応じて包晶反応を完結させる温度を低下させることができる。
本発明の実施形態によれば、無鉛快削黄銅合金に0.01〜0.55重量%のマンガンをさらに添加してもよい。黄銅合金の二相領域の温度差は、約30℃にまで低減されることがある。
これに対して、シリコン、アルミニウム、スズ、及びマンガンからなる群から選択される少なくとも1種の元素を本発明の無鉛快削黄銅合金に添加して、溶融中の望ましくないガスを除去して溶融物を浄化することができる。従って、凝固プロセス中にガス孔を形成する酸素、窒素、水素、又は二酸化炭素等のガス源を減少させることができる。よって、本発明の無鉛快削黄銅合金が狭い凝固温度範囲を有するのに加えて、本発明の溶融物の形状充填能力は向上可能である。鋳造及び凝固プロセス後、本発明の無鉛快削黄銅合金は、高密度の鋳物微細組織を形成することができる。従って、得られる鋳物の歩留まり及び防漏性が著しく改善される。
(無鉛快削黄銅合金の機械的特性)
本発明の無鉛快削黄銅合金の好ましい実施形態によれば、シリコン含有量は、機械的特性に悪影響を与えることがある過剰なγ相が結晶粒界で析出することを抑制するために、0.5〜2.0重量%まで低減され、好ましくは1.1〜1.35重量%である。本発明の実施形態では、0.1〜1.0重量%のアルミニウムを固溶強化元素として無鉛快削黄銅合金にさらに添加してもよい。
本発明の無鉛快削黄銅合金の好ましい実施形態によれば、シリコン含有量が0.5〜2.0重量%まで低減され、好ましくは1.1〜1.35重量%である時には、X線粉末回折分析結果が、本発明の無鉛快削黄銅合金の微細組織が、主に二相のα相及びβ相からなることを示す。また、本発明の無鉛快削黄銅合金の実施形態によれば、黄銅合金に0.1〜1.0重量%のアルミニウムをさらに添加することができれば、X線粉末回折解析の結果は、β相に関連する43.4°近傍の回折ピークが、その他の回折ピークよりもずっと高い強度を有することを示す。このX線粉末回折分析の結果は、β相の分率が他のものより高いことを示す微細組織の評価の結果と一致する。
本発明の無鉛快削黄銅合金の機械的強度に関しては、黄銅合金のシリコン含有量が0.5〜2.0重量%、好ましくは1.1〜1.35重量%に低減されているが、シリコン含有量の不足分は、亜鉛含有量を22.5〜32.5重量%に増加させるか、又は0.1〜1.0重量%のアルミニウムを追加的に添加することにより補われる。これにより、当初のシリコン元素により得られる固溶強化効果を依然として維持することができる。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金は、市販のC87800シリコン青銅に非常に近い機械的強度を有する。
(無鉛快削黄銅合金の機械加工性)
従来、切削工具の工具寿命を延ばすとともに、機械加工工程のコストを低減し、不連続な切削屑を形成することを目的として、合金の機械加工性を改質するために、鉛及び/又はビスマスの元素が合金に添加されている。しかしながら、そのような目的は、銅及び亜鉛の合計含有量を97.5重量%以上とすると同時に、本発明の黄銅合金中の亜鉛の含有量を22.5〜32.5重量%とすることによっても達成することができる。さらに、切削屑の機械加工性を改善するために、亜鉛含有量を増加させることによって、無鉛快削黄銅合金の硬度を高めることがでる一方で、延性の低いβ相もまた、割れが始まる弱点を提供する。さらに、無鉛快削黄銅合金の実施形態によれば、0.5〜2.0重量%、好ましくは1.1〜1.35重量%のシリコンを添加することによって硬質γ相及びκ相を形成することにより、切削屑の機械的特性を改善することもできる。
本発明の別の実施形態によれば、0.001〜0.1重量%、好ましくは0.001〜0.05重量%、より好ましくは0.001〜0.02重量%のホウ素、又は0.01〜0.8重量%のニッケルをさらに本発明の無鉛快削黄銅合金に添加することができる。黄銅合金中にニッケルを添加すると、ウィドマンステッテン組織から樹枝状晶組織にα相が変態することがある。ホウ素又はニッケルを添加しない無鉛快削黄銅合金の微細組織と比較して、ホウ素又はニッケル含有黄銅合金のγ相は、α相及びβ相内に微粒状に分布する。特に、黄銅合金にホウ素を添加すると、γ相が結晶粒界に沿って析出することがある。これに対して、シリコンリッチな溶質の液体は、黄銅合金にニッケルを添加することにより、凝固α相樹枝状晶の隙間に放出されることがある。従って、0.001〜0.1重量%のホウ素又は0.01〜0.8重量%のニッケルを合金に添加することにより、樹枝状晶間にβ相及びγ相の金属間化合物を形成することができる。EDS分析から、γ相の亜鉛及びシリコンの濃度が母相のそれより高いことが確認された。
0.001〜0.1重量%のホウ素又は0.01〜0.8重量%のニッケルを添加して生成されたγ相は、合金に添加される鉛やビスマスのような従来の快削元素が欠如しているため、黄銅合金の延性に悪影響を及ぼすことがあるにもかかわらず、微細組織の連続性を破壊するために合金内に化合物相の硬質析出物を生成する必要がある。析出物は、合金の機械的特性の向上を大きく妨げることなく、切削屑の機械加工性を向上させるために、銅合金に添加された鉛のように作用することができる。以上のことから、γ相は、合金の機械的特性及び機械加工性の両方に影響を及ぼす。黄銅合金に0.001〜0.1重量%のホウ素又は0.01〜0.8重量%のニッケルを添加すると、そのように生成された微粒状のγ相が、α相及びβ相の間に均一に分布し、理想的な析出型を形成することができる。
(無鉛快削黄銅合金の脱亜鉛腐食防止性能)
本発明の無鉛快削黄銅合金は、22.5〜32.5重量%の亜鉛を含む。黄銅合金中のβ相の分率は、亜鉛含有量の増加とともに増加する。亜鉛含有量が15重量%を超えると、亜鉛の著しい選択溶解に関連する問題が生じることがある。従って、多孔質で緩慢な純銅が、表面の脱亜鉛層に存在することがある。すなわち、脱亜鉛腐食現象である。
本発明は、上記脱亜鉛腐食防止性能を有する無鉛快削黄銅合金を提供する。本発明の黄銅合金は、黄銅合金の脱亜鉛腐食防止性能を向上させるために微量のホウ素、ニッケル、又はアンチモンをさらに含有することができる。
本発明の無鉛快削黄銅合金の実施形態によれば、黄銅合金は、0.001〜0.1重量%、好ましくは0.02重量%以下のホウ素、及び/又は0.01〜0.8重量%、好ましくは0.01重量%〜0.55重量%のニッケルを含有し、脱亜鉛腐食防止性能を改善する。本発明の無鉛快削黄銅合金の別の実施形態によれば、無鉛快削黄銅に0.01〜0.55重量%、好ましくは0.15〜0.45重量%、より好ましくは0.25〜0.45重量%のアンチモンを無鉛快削黄銅合金に添加することにより、脱亜鉛腐食防止性能を改善することができる。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金は、100μm未満の腐食基準を規定するISO6509−1:2014の規格を満たし、黄銅合金の脱亜鉛腐食防止性能を著しく改善する。本発明の黄銅合金は、無鉛黄銅合金の鉛フリー規格に準拠するだけでなく、より良好な脱亜鉛防止性能も有する。さらに、本発明の黄銅合金は、黄銅合金の亜鉛含有量が15重量%より高いと、脱亜鉛腐食現象を著しく抑制する。
(無鉛快削黄銅合金の再鋳造性)
本発明の一つの態様は、良好で便利な再鋳造性を有する黄銅合金を提供することである。上述したように、本発明の無鉛快削黄銅合金は、より狭い凝固温度範囲を有する。これは、黄銅合金の相変態プロセスが、凝固中に半凝固領域を迅速に通過することを可能にする。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金は、優れた鋳造利便性を得ることができる。ここで、「鋳造利便性」とは、合金を製造するための切削屑、湯道、鋳物リターン材等の原材料が炉内に投入される時に、合金の相対的に低い融点特性のために、溶融時間及び電力消費量の両方が低減され得る状況をいう。加えて、本発明の快削合金が再鋳造される時に、精錬プロセス中にガスを除去するために追加の機械又は化学薬品は使用されることがない。本発明の溶融物は、優れた流動性と純度を有する。本発明の無鉛快削黄銅合金の鋳造方法に関しては、鋳物の切削屑及び鋳物リターン材を効果的に再利用することができるので、リサイクルコストを大幅に低減することができる。図1(a)に示す比較例から、従来のシリコン黄銅合金から再鋳造された鋳物は多孔質欠陥を含んでいることが明らかであるのに対して、本発明の無鉛快削黄銅合金から再鋳造された鋳物は、良好な収縮挙動だけではなく、いかなる緩慢な組織の欠陥を形成していない緻密な微細組織を表す。図1(b)に示されるように、ASTM C87800高シリコン含有黄銅合金又は特許文献3に開示されている材料と比較して、本発明の無鉛快削黄銅合金は相対的に低い銅含有量を有するので、原材料のコストを有利に低減することができる。さらに、本発明の新規な無鉛黄銅合金は、凝固プロセスから生じる欠陥の形成に関連する技術的問題への解決策を提供する。従って、本発明の合金組成物は、鋳造法によって製造された高圧バルブ用の従来のシリコン黄銅合金の漏れ問題を解決する。
無鉛快削黄銅合金にホウ素又はニッケルを添加すると、凝固温度範囲は約35℃のままであり、二相領域の温度差は増加しない。
本発明の別の実施形態によれば、無鉛快削黄銅合金は、0.01〜0.8重量%、好ましくは0.01〜0.55重量%のニッケルをさらに含有する。本発明におけるニッケルの添加は、合金の凝固タイプに影響を及ぼすことがある。本発明の無鉛快削黄銅合金は、最初に903℃でα相Cuを結晶化した後に、888℃でβ相を結晶化すると考えられる。温度が、β相と液相の包晶反応が完了したことを示す合金の固相線温度、869℃まで低下すると、α相及びβ相の2つの結晶化シーケンスに対応するDSC曲線から2つの発熱ピークが観測される。ニッケルは、合金のα相の安定化のための元素であり、相対的に高い融点を有するので、それに応じてα相の結晶化温度を高くすることができる。
本発明の無鉛快削黄銅合金の一つの好ましい実施形態によれば、合金は65〜75重量%の銅を含有し、合計で97.5〜98.5重量%の銅及び亜鉛を含有する。上述したように、シリコンは黄銅合金に固溶強化効果を積極的に与えることができる。従って、本発明の合金は、良好な機械的強度及び延性を有する。添加元素は、1.0〜1.5重量%のシリコン及び0.1〜0.6重量%のアルミニウム、並びに0.01〜0.2重量%のスズ、0.15〜0.45重量%のアンチモン、及び0.01〜0.25重量%のマンガンからなる群から選択される少なくとも1種の元素を含む。
本発明の無鉛快削黄銅合金の一つの好ましい実施形態によれば、良好な機械加工性と機械的強度を併せ持つ無鉛快削黄銅合金は、65〜75重量%の銅および1.0〜1.5重量%のシリコンに加えて、0.01〜0.55重量%のアンチモンをさらに含有する。αCu固溶体中に均一に析出している銅−シリコン−アンチモン化合物は、機械加工工程中に鉛又はビスマスが添加された黄銅合金と同様の快削効果を生み出すことがある。また、本発明の無鉛快削黄銅合金は、単相組織から構成され、30〜35℃である二相領域の温度差を有することに関連する利点がある。
黄銅合金に固溶強化元素として多量のマンガンを添加して金属間化合物を生成させる原理は、本発明の無鉛快削黄銅合金にも適用することができる。本発明の無鉛快削黄銅合金の好ましい実施形態によれば、合金は、65〜75重量%の銅、22.5〜32.5重量%の亜鉛、0.5〜2.0重量%のシリコン、及び0.1〜0.55重量%のマンガンを含有し、合計で97.5重量%以上の銅及び亜鉛を含有する。驚くべきことに、本発明の無鉛快削黄銅合金に添加される0.1〜0.55重量%のマンガンが、α相の母相、及び硬質MnSi金属間化合物が合金内に分布する少量のβ相を形成した上で、良好な耐磨耗性を提供することができることが見出された。合金は、依然として、相対的に狭い約30〜35℃の二相領域の温度差を有する。
以下、本発明の実施例について説明する。商業的な無鉛銅材料に関連する技術的問題に関して、本発明の無鉛快削黄銅合金の好ましい実施形態の以下の詳細な開示及び図面が、従来技術の材料に対する利点及び特徴を明確に説明する。
本発明の実施形態は以下の通りである。
[実施例1:無鉛快削黄銅合金の製造]
C1100純銅、C87800シリコン青銅合金鋳塊、及びカートリッジ黄銅が、溶融用原材料として用いられる。炉から排出する前に、アルミニウム(99.9%)、スズ(99.8%)、アンチモン(99.8%)、ホウ素銅、マンガンを30〜70重量%含有する99%マンガン銅合金、又はC7541銅−ニッケル−亜鉛合金(銅−亜鉛−15%ニッケル合金)の必要量が、溶融物に追加的に添加可能である。所望の合金組成設計に従って、所望量の上記溶融材料を混ぜて重み付けした後に、それらは高融点から低融点までの順番で高周波誘導加熱炉の黒鉛るつぼに投入され、溶融される。溶融プロセス中に亜鉛の消費量を減少させるために、930℃の温度で純亜鉛が添加される。その後、温度は、溶融物を排出するために1050°C±25°Cに上昇される。表面酸化物のスラグを除去した後、溶融物は950℃で予備成形された生砂鋳型に注がれる。成形後の鋳物の組成は、スペクトロメーター(SPECTROMAXx、ドイツ)を用いて評価される。組成分析の結果が表1に示される。
本発明に記載された実施例において使用される溶融材料は、必要に応じて当業者が改変し、選択することができる。銅、亜鉛及びシリコンを除いて、アルミニウム又はマンガンのような他の成分は、本発明の必須要素ではない。
表1:本発明の無鉛快削黄銅合金の化学組成分析の結果(重量%)
[実施例2:シリコン含有量の効果]
比較例の黄銅合金73M4(Si>2.0%)の微細組織は、α相、β相、及びγ相を主として構成され、γ相がβ相の相境界及びβ相内において析出する。γ相は硬くて脆いので、γ相が過剰に析出すると合金の強度が過度に大きくなる一方で、延性が著しく低下することがある。EDS分析結果は、γ相が亜鉛リッチかつシリコンリッチな化合物を対象にすることを示している。大量の粗いγ相がβ相境界に析出するので、合金の機械的特性に悪影響を与えることがある。特に、シリコン含有量が2.0重量%を超えると、シリコンリッチなγ相が過剰に結晶粒界に析出し始めると考えられる。しかしながら、驚くべきことに、本発明の無鉛快削黄銅合金S73M5又はSA73M5のシリコン含有量を2.0重量%以下(約1.24〜1.25重量%)に減少させると、回折スペクトルは、無鉛快削黄銅合金S73M5又はSA73M5が、主としてα相及びβ相の二相から構成されることを示す。さらに、SA73M5の回折スペクトルは、43.4°におけるβ相のピークの強度が他の回折ピークよりも高いことを示している。この結果は、SA73M5の微細組織と一致しており、これはβ相の分率が増加することを表している。
これに対し、S73M5及びSA73M5の微細組織の評価は、合金のα相がウイドマンステッテン組織を形成する一方、その残りがβ相であることを明らかにしている。これらの結果は、回折分析の結果と一致する。さらに、回折パターンに見つかることがあるγ相に関連する回折ピークは存在しない。S73M5のSEM像は、γ相の大部分がα相及びβ相の相間境界で形成され、析出量が著しく減少していることを示している。従って、β相境界に沿って析出されるγ相の網状析出物の量が著しく減少している。よって、γ相はグラニュラー構造となり、結晶粒界に均一に分布している。以上のことから、実験結果は、本発明の無鉛快削黄銅合金のシリコン含有量の減少がγ相の量を減少させることができることを示している。言い換えると、本発明によれば、シリコン含有量を2.0重量%以下にすることにより、黄銅合金の強度及び延性を向上させることができ、本発明の黄銅合金は適度な機械的特性を有するものとなる。
[実施例3:機械加工性の評価]
実施例3においては、通常の旋盤を使用して、同一の機械加工条件下で異なる銅合金組成物から作製される切削屑の機械加工性を測定する。ノーズ半径が0.4mmである市販の使い捨てのタングステンカーバイドが、旋削工具として使用される。切削屑の機械加工性を評価するために、切削入口の深さが1mm、送り速度が0.09mm/rev、旋回速度が550rpmである旋削条件が使用される。旋削工程が完了する時に、20本の切削屑がランダムに選択されて秤量され、それらの切削屑の長さが測定される。これらの測定結果は、銅合金の機械加工性を評価するために、切削屑のISO3685規格に従って分類される。
従来のC36000鉛快削黄銅合金の微細組織は、α相及びβ相の二相と、α相及びβ相の結晶粒界に分布する純粋な鉛と、から構成されている。従来のC36000合金の微細組織の特徴は、実用上の機械加工性及び機械的強度の要求を満たすことが可能であった。そこで、従来のC36000鉛快削黄銅は、標準試料と考え、100%の機械加工性を有する基準製品として定義する。環境保護政策の要求に応じるため、本発明は、T73M5、T73M5B、又はT73M5N合金のような無鉛快削黄銅合金の微細組織に形成されたγ相析出物を使用して、切削屑の機械加工性を向上させる。図3は、T73M5、T73M5B、及びT73M5N合金の切削屑が不連続なC字形を有することを示している。
合金の機械的強度及び機械加工性のトレードオフを考慮して、本発明は機械的強度に与える影響がより少ない合金組成の設計に向けられている。シリコン含有量を変更することにより、硬質γ相を制御して、相境界で微粒状に分布させることができる。従って、合金の機械的強度に対する硬質析出物の有害な影響を最小限にすることができる。その結果、本発明の黄銅合金の機械加工性は、C84400鉛黄銅(90%の機械加工性を有する)と同等の値を示し、加工時間は従来の鉛黄銅に近い。無鉛快削黄銅合金は、表2に示すように、他の2つのシリコン黄銅合金と比較して、明らかに量産に有利である。図3は、無鉛快削黄銅合金(T73M5、T73M5B、及びT73M5N合金)の切削屑が不連続なC字形状を有することを示している。この結果から、本発明の無鉛快削合金は、優れた機械加工性を有し、切削加工プロセス時に発生する切削屑が切削工具に付着しない可能性が高いことが明らかとなった。以上のことから、本発明の合金の加工時間は、微細組織内に存在する硬質κ相及びγ相を有するものと比較して、著しく最小限にすることができる。
表2:同一のサイズのバルブに機械加工するための加工時間
[実施例4:銅合金の脱亜鉛腐食防止性能の評価]
実施例4においては、ISO規格の試験方法であるISO6509−1:2014を使用して、銅合金の脱亜鉛腐食防止性能を測定した。この規格の試験方法は、亜鉛含有量が15重量%以上の銅合金の脱亜鉛腐食防止性能を評価するのに特に適している。そのISO規格の試験法によれば、12.7gの塩化銅(II)二水和物(CuCl・2HO)が1000mlの脱イオン水(<20μS/cm)に溶解された後、塩化銅溶液が、湯沸により、75±5℃の温度に加熱され、同温度に維持された。次に、試験溶液用の試料の露光面積が100mmとなるように、試料が10×10×5mmのサイズに切断された。装着後、試料の表面が#1000サンドペーパーで研磨された。試料は24時間±30分間溶液に浸漬された。脱イオン水を使用して試料の表面を洗浄した後に、試料はビーカーの底面に垂直な方向に沿って切断された。試料からの脱亜鉛層の剥離を避けるために、#2500のサンドペーパーを用いて断面の面を研磨することにより、脱亜鉛層を腐食していない基材と区別できるようにした。従って、脱亜鉛層の厚さ及び均一な腐食深さを決定することができた。
比較例のカートリッジ黄銅の部分脱亜鉛層の合計厚さは332μmである。比較例C87800の塩化銅エッチング溶液により生じる均一な腐食深さは174μmであるが、比較例C87800は部分脱亜鉛層を有さない。比較例C87850の塩化銅エッチング溶液により生じる均一な腐食深さは133μmである一方、部分脱亜鉛層の厚さは72μmである。従って、腐食層の全深さは205μmである。
無鉛快削黄銅合金T73M5Bの部分脱亜鉛層の厚さは181μmである。BS73Mの均一な腐食深さは45μmである一方、部分脱亜鉛層の厚さはわずか9μmである。従って、BS73Mの全腐食深さはわずか54μmである。以上のことから、T73M5Bの塩化銅エッチング溶液により生じる部分脱亜鉛層の厚さは、比較例のカートリッジ黄銅における332μmの部分脱亜鉛層の合計厚さよりもはるかに薄い。さらに、BS73Mの腐食深さは、比較例のC87800における174μmの腐食深さよりもはるかに薄い。本発明によるBS73M合金の均一腐食防止性能は、比較例C87800のそれよりもずっと良好である。しかし、BS73M合金の部分脱亜鉛腐食防止性能は、C87800よりもやや悪くなる。BS73Mの全腐食深さは、比較例C87800のそれよりも薄い。本発明による均一腐食及び部分脱亜鉛腐食に対するBS73M合金の抵抗性能は、両方とも比較例C87850より良好である。
実施例T73M5B及びBS73Mを銅70重量%及び亜鉛30重量%を有する比較例のカートリッジ黄銅合金と比較することにより、部分脱亜鉛腐食深さを332μmから比較的低いレベルに減少させることができる。上述した結果は、本発明による無鉛快削黄銅合金が、脱亜鉛腐食防止性能を改善したことを既に明らかにしている。以上のことから、本発明の無鉛快削黄銅合金は、黄銅合金の脱亜鉛防止性能の基準に関するAS2345及びISO6509の両方の要件を満たす。
[実施例5:合金の再鋳造性の評価]
再鋳造前の比較例C87800合金のマクロ組織は、大部分が柱状結晶粒組織からなる。また、樹枝状晶組織中には未充填の多孔質組織が存在する。同様のマクロ組織は、比較例C87800、比較例C87850、及び本発明の実施例T73M5Nに見ることができる。合金を再鋳造後、比較例C87800の再鋳造鋳塊は凝固中に引け巣傾向を示さない代わりに、鋳塊の上面が拡大し、多量の緩慢な欠陥が鋳塊内部に存在することが分かった。鋳物リターン材及び切削屑の再溶融物への水分及び切削油の付着とともに比較例C87800合金の広い凝固温度範囲が原因となり、合金液体のガス含有量が増加し、鋳物の多孔性が増加する。C87800合金の広い凝固温度範囲は、合金の鋳造利便性を大幅に低下させ、再鋳造C87800合金の機械的特性は、当初のC87800合金と同一のレベルを達成することができない。驚くべきことに、本発明の再鋳造無鉛快削黄銅合金は、凝固プロセス中に正常な引け巣傾向を示すことが分かった。再鋳造前又は再鋳造後の実施例T73M5及びT73M5Bのマクロ組織は、共に多孔性の存在しない高密度の等軸粒から構成されていることが分かった。これは、実施例T73M5及びT73M5B合金が優れた再鋳造性及び許容可能な機械的強度を有することを意味する。
本発明の無鉛快削黄銅合金の再溶融物は、湯道を数回通過してもよく、切削油が付着した機械加工品及び切削屑を含んでもよく、精製又は脱ガス剤を溶融物に添加することなくリサイクル溶融プロセス中に炉に直接投入されてもよい。還元反応に関連する化学的脱ガスプロセスも、溶融物の温度を低下させる物理的脱ガスプロセスもリサイクル溶融プロセス中には必要ではない。無鉛快削黄銅合金のリサイクルプロセスが完了した後、その温度に達すると溶融物を直接排出することができる。鋳造工程は、930〜1200℃、好ましくは950〜1100℃、より好ましくは1000℃〜1080℃の鋳造に適した温度で行われる。溶融物を砂型に注入した後、溶融物は、通常の引け巣傾向、優れた鋳造性、鋳造利便性、及び良好な鋳型充填性を示す。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金は、優れた再鋳造性と鋳型充填性を有する。
[実施例6:引張特性の評価]
無鉛快削黄銅合金T73M5のシリコン含有量は約1.3重量%まで低下するが、それに応じて亜鉛含有量が増加してシリコンが寄与する固溶強化効果の不足を補う。従って、実施例T73M5合金は、比較例C87800シリコン青銅の機械的強度に非常に近い機械的強度を有する。
実施例T73M合金の亜鉛含有量が高くなるように設計されているので、α相及びβ相に固溶するシリコンの量は減少する。試料断面の微細組織の特徴は、合金に添加されたマットシリコンがα相及びβ相に完全に溶解できないことを示している。従って、シリコン濃度が母相の最大固溶度よりも高い場合、硬くて脆い亜鉛及びシリコンリッチのγ相が析出することがある。実施例T73M5の断面画像から、α相の引張変形に起因する窪みの特徴が見出され得る。さらに、微粒状のγ相は微細窪みの特徴に見出すことができる。この結果は、微粒状のγ相がα相及びβ相の境界に均一に分布していることを示している。従って、実施例T73M5合金は優れた延性を達成する。さらに、驚くべきことに、本発明の無鉛快削黄銅合金にホウ素(T73M5B)又はニッケル(T73M5N)を添加した後に、伸びが著しく減少し得ることが見出された。破断面は、本発明の無鉛快削黄銅合金のα相及びγ相の境界面に沿って生成される。さらに、ニッケルの添加は、破断面を、通常は靱性が低い各樹枝状晶組織の境界面に沿って延ばすことができる。従って、β相及びγ相の破砕跡は、α相の明らかなすべり帯を形成することなく、樹枝状晶組織の表面上に見出すことができる。
[実施例7:無鉛黄銅合金バルブの応用製品]
本発明の一態様は、防漏性を有する無鉛快削黄銅合金を提供することである。T73M5B、T73M5N、BS73Mの無鉛快削黄銅合金は、鋳造された後に、ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含むか若しくは含まないゲートバルブ、バタフライバルブ、配管部品、Y型ストレーナ、又はバルブキャップのようなバルブを形成するために機械加工される。鋳造プロセス中に鋳物の外観に形成されたスラグ及び砂の空隙を除いて、他の空隙又は亀裂欠陥は見つけることができない。T73M5B、T73M5N、及びBS73Mの無鉛快削黄銅合金から形成された鋳物は、全て、88psi以上の気圧試験又は900psi以上の水圧試験の要件を満たす(実際の試験水圧は、MS SSP−110 ボールバルブ、ねじ込み、ソケット溶接、はんだ接合、溝付き、及びフレア状の端の基準に従って、約1,150psi〜1,450psiである。)。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金の微細組織の特徴は、900psi以上の耐圧強度を必要とするバルブ製品の使用に特に適している。
実施例7は、T73M5B、T73M5N、及びBS73Mの無鉛快削黄銅合金(T73M5B、T73M5N、及びBS73Mと同一の合金組成を有する40%の切削屑及び60%の鋳物リターン材を含む)の再溶融物を使用して、砂型プロセスにより鋳物を製造することをさらに説明する。そのバルブは、最初にT73M5B、T73M5N及びBS73M合金を鋳造し、そのように製造される鋳物を機械加工及び溶接することによって形成される。図4は、T73M5Bの無鉛快削黄銅合金から作製されたバルブの外観を示している。鋳物が溶接されていることが分かる。溶接ビードの周囲に亀裂は見られない。実施例7は、T73M5B、T73M5N及びBS73Mの無鉛快削黄銅合金の再溶融物を鋳造することによって形成されたバルブが、微細組織に亀裂を生じさせることなく漏れの基準を満たすことをさらに示している。従って、本発明の無鉛快削黄銅合金から製造されたバルブは、それらが防漏性の利点を有することを十分に証明している。表3は、他の従来の合金と比較した本発明のT73M5Bの特徴をまとめたものである。
実質的に、無鉛快削黄銅合金であるT73M5B、T73M5N、及びBS73Mの再溶融物を用いて形成されたバルブは、それぞれ355MPa以上、411MPa以上、450MPa以上の引張強さに到達することができ、それぞれ25%以上、20%以上、16%以上の破断伸度に到達することができる。上述した機械的特性は、本発明の無鉛快削黄銅合金の引張強さ及び延性が、適切な量の合金元素を添加することによって著しく改善可能であることを十分に証明している。さらに、本発明の無鉛快削黄銅合金を鋳造することによって形成されたバルブは、全て、漏れを生じさせることなく、900psi以上、好ましくは1150psi以上、より好ましくは1500psi以上の圧力試験に合格する。
以上のことから、合金元素を添加することにより改善される、本発明の無鉛快削黄銅合金の鋳物の微細組織、機械加工性、再鋳造性、機械的特性、脱亜鉛防止性能、溶接性、防漏性を検討すると、それらの全ての特性が本発明を従来の銅合金と区別する。上述した例は、流体を輸送するためのバルブに関するものであるが、これらの好ましい実施形態の変形例は、上述した説明を読めば当業者には明らかになるであろう。本発明者らは、当業者がこのような変形例を適切に使用することを期待しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載された以外の態様で実施されることを意図する。従って、本発明は、準拠法によって許容されるように、本明細書に添付された特許請求の範囲に記載された発明に含まれる全ての変形及びその発明の均等物を含む。さらに、本明細書中で他に指示されない限り、あるいは文脈によって明らかに否定されない限り、本発明の全ての可能な変形例における上述した要素の任意の組み合わせが、本発明に包含される。
表3:他の従来の銅合金と比較した、本発明の無鉛快削黄銅合金(T73M5B)の特徴の概要

Claims (20)

  1. 銅:65〜75重量%、
    亜鉛:22.5〜32.5重量%、
    シリコン:0.5〜2.0重量%、及び
    他の不可避的不純物を含有する無鉛快削黄銅合金であって、
    前記無鉛快削黄銅合金における銅及び亜鉛の合計含有量が97.5重量%以上である無鉛快削黄銅合金。
  2. 0.1〜1.0重量%のアルミニウム、0.01〜0.55重量%のスズ、0.01〜0.55重量%のマンガン、0.01〜0.8重量%のニッケル、0.01〜0.55重量%のアンチモン、及び0.001〜0.1重量%のホウ素からなる群から選択される少なくとも1種の元素をさらに含有し、
    前記元素の合計含有量が2.5重量%以下である請求項1に記載の黄銅合金。
  3. 前記黄銅合金のγ相が、前記黄銅合金のα相及びβ相の相境界の間に粒状に均一に分布している請求項1に記載の黄銅合金。
  4. 1.1〜1.35重量%のシリコンを含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の黄銅合金。
  5. 0.2〜0.5重量%のアルミニウムを含有する請求項2又は3に記載の黄銅合金。
  6. 0.01〜0.2重量%のスズを含有する請求項2又は3に記載の黄銅合金。
  7. 0.01〜0.25重量%のマンガンを含有する請求項2又は3に記載の黄銅合金。
  8. 0.01〜0.55重量%のニッケルを含有する請求項2又は3に記載の黄銅合金。
  9. 0.1〜0.45重量%のアンチモンを含有する請求項2に記載の黄銅合金。
  10. 0.001〜0.05重量%のホウ素を含有する請求項2又は3に記載の黄銅合金。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の黄銅合金の溶融物を、生砂鋳型、フラン鋳型、又は金型に注いで鋳物を形成する工程を備える鋳造方法。
  12. 前記鋳込み工程が930〜1200℃の温度で行われる請求項11に記載の鋳造方法。
  13. 前記鋳物に機械加工工程を施して、機械加工品及びその切削屑を作製する請求項11又は12に記載の鋳造方法。
  14. 前記黄銅合金の溶融物が、請求項13に記載の機械加工工程によって作製された前記機械加工品又はその切削屑からの再溶融物をさらに含む、請求項13に記載の鋳造方法。
  15. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の黄銅合金を含む無鉛黄銅合金鋳造製品。
  16. バルブ、配管部品、又はフィルタを含む、請求項15に記載の無鉛黄銅合金鋳造製品。
  17. ボールバルブ、ゲートバルブ、チェックバルブ、リフトロッドを含むか若しくは含まないゲートバルブ、バタフライバルブ、又はY型ストレーナを含む、請求項15に記載の無鉛黄銅合金鋳造製品。
  18. 前記黄銅合金が900psi以上の圧力下で漏らさない請求項15〜17のいずれか一項に記載の無鉛黄銅合金鋳造製品。
  19. 前記黄銅合金の引張強さが280MPa以上である請求項15〜17のいずれか一項に記載の無鉛黄銅合金鋳物製品。
  20. 前記黄銅合金の破断伸度が8%以上である請求項15〜17のいずれか一項に記載の無鉛黄銅合金鋳物製品。
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