JP2016535084A - Thf−ジオールからの二酸、ジアルデヒド、またはジアミンの合成 - Google Patents

Thf−ジオールからの二酸、ジアルデヒド、またはジアミンの合成 Download PDF

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Abstract

再生可能バイオベース源、例えば、HMFおよび/またはその還元生成物、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン(bHMTHF)などから製造される環状二官能性分子の酸素化生成物、例えば、酸およびアルデヒドなど、または他の誘導体生成物、例えば、アミンおよびニトリルなどを合成するための単純でエレガントな化学的方法が記載されている。一般に、この方法は、a)スルホネートを使用してbHMTHFからテトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)を生成する工程と;b)テトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)からの少なくとも1つのスルホネート脱離基を求核的に置換してTHF−ジニトリルを形成する工程と;c)0以下のpKaを有する酸を用いてTHF−ジニトリルを酸化して二酸を生成する工程、またはd)THF−ジニトリルを部分的に還元してジアルデヒドを生成する工程、またはe)THF−ジニトリルを完全に還元してジアミンを生成する工程のいずれかとを伴う。

Description

優先権の主張
本願は、2013年10月17日に出願された米国仮出願第61/891,928号からの優先権の利益を主張するものである。
本願は、ポリマー合成におけるモノマーとして、および一般に中間体として有用な環状二官能性材料、ならびにこのような材料の製造方法に関する技術分野におけるものである。詳細には、本発明は、再生可能バイオマス資源からのニトリル、カルボン酸、アルデヒド、およびアミンの合成に関係する。
近年、石油または化石系炭化水素から慣例的に調製されている環状二官能性材料のための再生可能源に基づく代替案において関心が拡大しており、理由は、石油資源がますます乏しく、高価になっているためである。豊富なバイオベースまたは再生可能資源として、炭水化物は、このような材料を生産するための実行可能な代替供給原料を代表する。バイオマスは、再生可能炭化水素源から付加価値製品に変換することができる炭水化物または糖(すなわち、ヘキソースおよびペントース)を含有する。
近年、研究者は、彼らの取り組みを、バイオマスを様々な多用途有機化学物質プラットフォーム用の持続可能な供給原料に変換するための効果的なプロセスを発見することに向けている。可能な下流の化学処理技術を考慮すると、糖の付加価値化学物質への変換は、非常に重要である。最近、糖からのフラン誘導体の生産が、持続可能なエネルギー供給および化学物質の生産を実現する潜在性のために化学において刺激された状態になっている。
炭水化物から直ちに製造される重要な中間体物質として、化合物5−(ヒドロキシメチル)−フラン−2−カルバルデヒド(HMF)は、多面的な基質を例証する。HMFは、化学合成の中間体である様々なフラン環誘導体の形成にとって、かつ石油資源から通常得られているベンゼン系環化合物の潜在的な代替品として適当な出発材料である。大規模製造技術の最近の発展は、HMFを商業的により利用可能な状態にすることを可能にした。この進歩は、様々な二次または誘導体生成物が製造される機会を提供し、それは、法外なコストを招くことなく付加価値化学化合物の潜在性を増大させることができる。しかし、HMFは、誘導体を製造するための源として以外に化学物質自体として限られた用途を有する。さらに、HMF自体は、いくぶん不安定であり、長い貯蔵で重合および/または酸化する傾向がある。HMF自体の不安定性および限られた用途に起因して、研究が広がって、様々なHMF誘導体の合成および精製を含むようになってきた。
穏やかな条件下で、スキーム1に表したように、HMF Aを触媒で完全に還元(水素化)すると、90:10のシス:トランスジアステレオマー混合物で、そのIUPAC名:((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジメタノール Bおよび((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジメタノール C(2,5−ビスヒドロキシメチル−テトラヒドロフラン(本明細書でbHMTHFとも呼ばれる)と総称される)としても公知のTHF−ジオールが生成される。
Figure 2016535084
bHMTHFは、修飾されると、石油系源から慣例的に得られてきた様々な構造的に類似の分子の代替品として機能を果たすことができる多用途の分子である。
これまで、bHMTHFを使用する化学的誘導体の研究は、化合物の大きいコストおよび相対的な不足(例えば、商業的に1グラム当たり約$200)にある程度起因して、限られた注目を受けてきた。最近、bHMTHFおよびこれらの誘導体化合物の潜在性を解放する方法の必要性が生じており、理由は、これらの化学エンティティが、ポリマー、溶媒、添加剤、潤滑剤、および可塑剤などを調製するための有益なグリコール酸先行物として注目を獲得してきているためである。さらに、bHMTHFの固有の、不変の対掌性は、これらの化合物を、不斉有機合成の新興のキラル補助分野における医薬品用途または候補の潜在的な種として有用にする。潜在的な用途を考慮すると、bHMTHFから誘導体を合成することができるコスト効率的で単純な方法が、バイオマス由来炭素資源をより良好に利用する方法と同様に、工業化学物質および特殊化学物質の両方の製造者によって高評価されるはずである。
本開示は、一つには、再生可能バイオベース源、例えば、HMFおよび/またはその還元生成物、2,5−ビス(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン(bHMTHF)などから製造される環状二官能性分子の酸素化生成物、例えば、酸およびアルデヒドなど、または他の誘導体生成物、例えば、アミンおよびニトリルなどを合成するための単純でエレガントな化学的方法を記載する。一般に、本方法は、a)スルホネートを使用してbHMTHFを誘導体化して、テトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)を生成する工程と;b)テトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)からの少なくとも1つのスルホネート脱離基を求核体と置換する工程と;c)0以下のpKaを有する強ブレンステッド酸を用いて完全に加水分解して二酸を生成する工程、またはd)部分的に還元してジアルデヒドを生成する工程、またはe)完全に還元してジアミンを生成する工程のいずれかとを包含する。
別の態様では、本発明概念は、本方法の異なるシスおよびトランス異性体の前駆体または中間体、および生成物も包含する。
シアン化物がスルホネート脱離基の求核置換において使用されるとき、THF−2,5−ジアセトニトリル:2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル Aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル Bが生成される:
Figure 2016535084
THF−2,5−ジアセトニトリルを酸で酸化するとき、THF−2,5−二酢酸:2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸 A、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸 Bが生成される:
Figure 2016535084
THF−2,5−ジアセトニトリルを選択的に還元するとき、THF−2,5−ジアセトアルデヒド:2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒド A、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒド Bが生成される:
Figure 2016535084
THF−2,5−ジアセトニトリルを完全に還元するとき、THF−2,5−ジアミン:2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン A、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン Bが生成される:
Figure 2016535084
本精製方法の追加の特徴および利点を、以下の詳細な説明で開示する。上記の概要ならびに以下の詳細な説明および実施例はともに、本発明を単に代表するものであり、主張した本発明を理解するための全体像を提供するように意図されていることが理解される。
セクションI.− 説明
本合成方法は、THF−ジオールからの1)酸化生成物、2)部分還元生成物、または3)完全還元生成物のいずれかの潜在的な工業的大容量生産のための新しい経路を開くものである。一般に、異なる生成物の全体的な調製プロセスは、3工程反応シーケンスを伴う。生成物合成のそれぞれに共通して、最初の2つの反応工程では、THF−ジオールからジアセトニトリルバリアントが生成される。第3の反応工程は、所望の生成物に応じて変更することができ;特に、ジアセトニトリル種が酸化されるとき、対応する二酢酸種が生成され;ジアセトニトリルが部分的にまたは選択的に還元されるとき、対応するジアルデヒド種が生成され;ジアセトニトリル種が完全に(fully)または完全に(completely)還元されるとき、対応するジエチル−アミン種が生成される。
例えば、スキーム2に例示したような酸素化生成物についての一実施形態によれば、THF−ジオールが、最初にスルホン化によって誘導体化され;第2に、結果として生じるジスルホネートが、スルホネート脱離基を置換する求核体と反応され;第3に、結果として生じるジニトリルがそれぞれ酸化または部分的に還元されて、二酸またはジアルデヒドが生成される。本プロセスは、相対的に穏やかな条件下(例えば、試薬に応じて、約−20℃または−10℃〜約150℃)で実施され、THF−ジオールの対応する酸またはアルデヒドへの50%または60%より良好な変換という良好な収率を生じさせる。
Figure 2016535084
やはりスキーム2に示されている別の実施形態では、最初の2つの反応工程の後、ジニトリル種が完全に還元されるとき、ジアミンが製造される。スキーム3は、この完全な還元工程を例示する。このプロセスは、ジアミン種の50%超というかなりの収率を生じさせる。
Figure 2016535084
THF−ジアセトニトリル種は、対応するTHF−二酢酸、THF−ジアセトアルデヒド、またはTHF−ジアミンへの多用途の前駆体である。特に、得られる化合物は、例えば、a)2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸(総称して、THF−2,5−二酢酸);b)2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒド、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒド(総称して、THF−2,5−ジアセトアルデヒド);またはc)2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン(総称して、THF−2,5−ジアミン)でありうる。
これらの得られる化合物のそれぞれは、化学プラットフォームまたは供給原料;すなわち、ポリマー合成などの様々な用途において有用な構成単位として、または様々な他の化学材料および工業材料の前駆体として機能を果たすことができることが想定される。これらの前駆体の固定された不斉中心も、魅力的な特徴である。これらの類似体は、付加価値化学物質としてよりいっそうの魅力を獲得するので、これらの新規誘導体、三次生成物がさらに研究されて工業的可能性を伴った独特の性質が暴かれることになる可能性が高い。
A.スルホン化
本調製プロセスのスルホン化反応においてbHMTHFのジスルホネートを生成するために、様々なスルホネートを使用することができ、このスルホネートしては、それだけに限らないが、メシレート(メタンスルホネート)、CHSOO−
Figure 2016535084
(-OMs);トリフレート(トリフルオロメタンスルホネート)、CFSOO−
Figure 2016535084
(-OTfs);トシレート(p−トルエンスルホネート)、CHSOO−
Figure 2016535084
(-OTs);エシレート(エタンスルホンネート)、CSOO−
Figure 2016535084
(-OEs);ベシレート(ベンゼンスルホネート)、CSOO−
Figure 2016535084
(-OBs)、ならびに限定することなく他のアルキルおよびアリールスルホネートがある。
最も強力な脱離基として、トリフレート(TfO)がより好適である。この反応は、相対的に速いカイネティクスを呈し、活性化されたトリフル酸複合体(triflic complex)を生成する。この反応は、通常、反応カイネティクスをより容易に制御するために0℃未満(例えば、典型的には約−10℃または−12℃〜約−20℃または−25℃)の低温で行われる。遊離トリフレートは、完全に非求核性であるので、この反応は本質的に非可逆性である。次いで、トリフル酸複合体は、bHMTHFと直ちに反応し、求核性塩基(例えば、ピリミジン、ジメチル−アミノピリジン、イミダゾール、ピロリジン、およびモルホリン)を同時に放出およびプロトン化して、bHMTHF−トリフレートを形成する。
トシレート、メシレート、ブロシレート、ベンゼンスルホネート、エチルスルホネート、または他のスルホネート種は、核脱離を与え、トリフレートで実現されるものに見合った全収率をはっきり示すことにおいて、トリフレートと同じぐらい有効でありうる。しかし、これらの他のスルホネートは、トリフレートと比較してよりゆっくりと反応する傾向がある。これを補償するために、これらの他の種を使用するとき、より高い温度での操作がより良好な収率のために典型的には必要とされる。
対応するジスルホネートへのスルホネートとのbHMTHFの反応では、これらの他のスルホネート種についての作用温度パラメーターは、少なくとも5〜6時間、いくつかの例では最大で約24時間の反応時間にわたって、約0℃〜約50℃でありうる。一部の実施形態では、反応工程は、特定の種に応じて周囲室温またはそれ付近(例えば、約10℃、15℃、または20℃〜約30℃、または40℃;典型的には約17℃または18℃〜約22℃、25℃、または27℃)で実施することができる。
全体的に、本合成プロセスは、添付の実施例で実証したように、素晴らしい収率のbHMTHFのジスルホネートを生じさせることができる。本プロセスは、bHMTHFから少なくとも50%、典型的には、55%超または60%超の適度に高いモル収率でbHMTHFのジスルホネートの生産を可能にする。反応条件および時間を適切に制御すると、bHMTHFのジスルホネートは、70%以上、典型的には80%以上もしくは90%以上、またはそれより良好な収率で生成される。THF−ジオールまたはHMF出発材料は、商業的に得る、または相対的に安価な、広く利用可能な生物学的に誘導される供給原料から合成することができる。(類似の反応については、2013年4月29日に出願された米国仮出願第61/816,847号、K.Stensrud、「5-(Hydroxymethyl)Furan-2-Carbaldehyde(HMF)Sulfonates and Process for Synthesis Thereof」を参照。その内容は、参照により本明細書に組み込まれている。)
B.求核置換
求核置換は、合成プロセスの少なくとも2つの部分で行われる。第1に、上述したようにスルホン化反応中に、bHMTHFは、求核性塩基を放出およびプロトン化する。一実施形態では、求核体は、ピリミジンなどの窒素中心化合物であり、これは、bHMTHFのその対応するジスルホネートへの変換を触媒する塩基として使用される。
第2に、bHMTHFのジスルホネートは、一実施形態によればシアン化物である別の求核体と反応される。(ジアセトニトリルがシアン化物求核体で生成された後、bHMTHF自体は、シアン化物誘導体化bHMTHFとも呼ばれうる。)シアン化物種は、シアン化物塩でありえ、この塩としては、例えば、それだけに限らないが、シアン化リチウム、シアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化トリメチルシリル、シアン化セシウム、テトラブチルアンモニウムシアニド、テトラエチルアンモニウムシアニド、シアン化銅(I)、シアン化銀、シアン化金、シアン化水銀(II)、シアン化亜鉛、シアン化白金(II)、シアン化パラジウム(II)、シアン化コバルト(II)がある。これらのシアン化物種のそれぞれは、高い収率(例えば、85%以上または90%以上)でTHF−2,5−ジスルホネートからTHF−2,5−ジアセトニトリル前駆体を形成するのに有効であるが、より一般には、コストおよび利用可能性の理由で、シアン化カリウムまたはシアン化ナトリウム、シアン化トリメチルシリル、テトラブチルアンモニウムシアニド、シアン化銀、およびシアン化銅種が使用される。ある特定の例では、KCNがより好都合な種であり、理由は、カリウムがナトリウムより強い陰イオンとしてより大きい反応性を呈するためである。
シアン化物と反応されるとき、THF−ジスルホネートは、THF−2,5−ジアセトニトリルの9:1のジアステレオマー混合物に変換する。THF−2,5−ジアセトニトリルの収率は、70%超もしくは75%超、典型的には80%以上もしくは90%以上、またはそれ以上である。
THF−2,5−ジスルホネートの対応するジアセトニトリルへの変換では、使用される溶媒は、少なくとも75℃〜最大で約200℃の沸点を有する。このことは、ある特定の実施形態では、反応温度は、約120℃〜約175℃、典型的には約110℃〜約150℃に及ぶ場合があるが、より高いまたはより低い他の温度(例えば、約80℃、95℃、または100℃〜約140℃、または190℃;典型的には約90℃または110℃〜約130℃または150℃、170℃、または180℃)も可能であるので望ましい。
C.溶媒&操作可能な条件
本合成プロセスでは、非プロトン性溶媒が好都合であり、理由は、これらが求核体を、ほとんど溶媒和を伴わないで露出させ、したがって、Sn2反応を増強するためである。非プロトン性溶媒では、より大きい誘電率は、溶媒が一次試薬と反応することを防止するのに役立つことができ、したがって副生成物の形成を最小限にする。
本合成プロセスの反応は、ε25以上、典型的には約30以上または35以上の比誘電率を有する溶媒中で行われる。例えば、DMSOおよびDMFは、相対的に高い誘電率(例えば、約30または32)を呈する。高い沸点および誘電率を有する他の溶媒、例えば、NMPおよびDMAなどは、スルホネート置換反応のためのシアン化物において有効である。bHMTHFをスルホネートで誘導体化する反応は、110℃以上の沸点を有する溶媒の溶液中で実施される。
本明細書の反応は、bHMTHFの対応するジスルホネートへの定量的変換を実現するのに使用される。ある特定の好適な実施形態では、少なくとも30または35の誘電率を有する溶媒が、THF−2,5−ジスルホネートの対応するTHF−2,5−ジアセトニトリルへの変換において使用される。
D.生成物
本合成プロセスの第3の工程では、THF−2,5−ジアセトニトリルが酸化または還元されるときの各それぞれの実施形態によれば、シスおよびトランスbHMTHFの9:1のジアステレオマー混合物が、THF−2,5−二酢酸、THF−ジアセトアルデヒド、またはTHF−ジアミンの9:1のジアステレオマー混合物に変換される。
酸化反応は、スキーム4に例示されたものなどの対応するTHF−2,5−二酢酸を生じさせる。
Figure 2016535084
THF−2,5−ジイル−ジアセトニトリルは、濃縮水性ブレンステッド酸溶液を用いた加水分解に付され、それは、酸化生成物をもたらす。強ブレンステッド酸は、0以下のpKaを有し、これとしては限定することなく、例えば、水性の塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフル酸、メタンスルホン酸、またはベンゼンスルホン酸を挙げることができる。
THF−2,5−ジアセトニトリルのTHF−2,5−二酢酸への変換では、約0℃〜約100℃の温度で反応を操作することができる。THF−2,5−ジアセトニトリルからのTHF−2,5−二酢酸の収率は、85%以上または90%以上である。
第2のクラスの生成物は、THF−2,5−ジアセトニトリルが溶媒媒体によって促進される転換によって、部分的に還元されて対応するTHF−2,5−ジアセトアルデヒドになるとき形成される。約−78℃〜110℃の反応温度を使用することができる。THF−2,5−ジアセトニトリルからのTHF−2,5−ジアセトアルデヒドの収率は、50%以上である。一実施形態によれば、THF−2,5−ジアセトニトリルをTHF−2,5−ジアセトアルデヒドに選択的に還元するのにヒンダード有機金属(例えば、アルミニウム)水素化物を採用することができ、一方、代替の実施形態では、担持触媒、例えば、ニッケルまたはパラジウムなどが使用される。濃縮ギ酸が、THF−2,5ジアセトニトリルのTHF−ジアセトアルデヒドへの触媒還元において溶媒として使用される。水素化反応は、通常、反応器内で約250psiを超えない水素圧力での操作を伴う。一実施形態では、水性トリフルオロ酢酸マトリックスが、THF−2,5−ジアセトニトリルのTHF−ジアセトアルデヒドへの選択的還元において溶媒として使用される。
THF−ジエチル−アミンは、THF−2,5−ジアセトニトリルが完全に還元されるとき生成される第3のクラスの化合物である。反応は、約0℃〜約50℃の反応温度範囲で行われる。ジアセトニトリルからのジエチル−アミンの収率は、85%以上または90%以上、通常92%以上でありうる。一実施形態に準じると、不活性な無水マトリックス中のアンヒンダード有機金属(例えば、リチウム)水素化物が、THF−2,5−ジアセトニトリルの対応するTHF−2,5−ジエチル−アミンへの完全な還元に利用され;別の実施形態では、水素ガスで飽和した、エタノール性マトリックス中に閉じ込められた炭素担持パラジウム触媒が有効である。これらの事例における水素圧力は、約1200psiを超えない。
セクションII.− 実施例
本合成系を、A)二酢酸、B)ジアセトアルデヒド、およびC)ジエチル−アミン生成物を製造するための以下の実施例においてさらに例示する。
A.THF−2,5−二酢酸異性体の合成
実施例1は、2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸、4aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸、4bを合成するための一手法を実証する。
工程1:((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ビス(トリフルオロメタンスルホネート) 2a、および((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ビス(トリフルオロメタンスルホネート) 2bの合成。
Figure 2016535084
実験:1/2インチ×1/8インチのテーパー付きPTFE被覆磁気撹拌子を備えた、オーブン乾燥した25mLの単首丸底フラスコに、THF−ジオール 1 226mg(1.71mmol)、ピリジン410μL(約3当量)、および無水塩化メチレン10mLを装填した。首をゴムセプタムでキャップし、針をアルゴン入口に付け、フラスコを飽和ブライン/氷浴(−10℃)中に浸した。撹拌しながら、かつアルゴンブランケット下で、トリフル酸無水物574μL(3.42mmol)を、15分の期間にわたって滴加した。添加が完了した後、フラスコを氷浴から取り出し、周囲温度に加温し、反応をさらに2時間継続した。この時間の後、アリコートを取り出し、比較のためのTHFジオール出発材料からのスポットと隣接して、シリカゲル薄層クロマトグラフィープレート上に一部をスポットした。プレートを、100%酢酸エチル溶離液を使用して展開した。モリブデン酸セリウム(cerium molydate)で染色した後、生成物混合物は、1つの別個のスポット、Rf1=0.67(THF-ジオールジトリフレート)を露呈した。ベースライン(R=0)でバンドは観察されず、すべてのTHF−ジオール試薬が変換されていたことを示した。固形分を濾過し、溶媒を減圧下で除去し、2a、2b、黄色粘性油状物666mg(理論値の98%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz,主にcis異性体,2a)δ(ppm)4.58(m 2H)、4.47(m,2H)、4.44(m,2H)、4.32(m,2H)、2.15(m,2H)、1.87(m,2H);13C NMR(CDCl,100MHz 主にcis異性体)δ(ppm)120.44、84.2、73.5、30.3
工程2:2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 3a、および2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 3bの合成。
Figure 2016535084
実験:1/2インチ×1/8インチのテーパー付きPTFE被覆磁気撹拌子を備えた、オーブン乾燥した25mLの単首丸底フラスコに、2aおよび2b 650mg(1.64mmol)、シアン化ナトリウム161mg(3.28mmol)、ならびに無水DMSO 5mLを装填した。反応物を一晩活発に撹拌した。この時間の後、アリコートを取り出し、比較のための2a、2bからのスポットと隣接して、シリカゲル薄層クロマトグラフィープレート上に一部をスポットした。プレートを、溶離液としてヘキサン中50%酢酸エチルを使用して展開した。モリブデン酸セリウムで染色した後、生成物混合物は、1つの別個のスポット、Rf1=0.58(THF-ジオールジトリフレート)を露呈した。2a、2bに対応するR=0.41でバンドは観察されず、これらの反応物が完全に変換されていたことを示した。溶液を50mLの分液漏斗に移し、塩化メチレン15mLおよび水25mLで希釈した。有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、淡黄色油状物として3a、3b 222mg(理論値の90%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz,主にcis異性体,3a)δ(ppm)3.92(m 2H)、2.98(m,2H)、2.81(m,2H)、(m,2H)、2.01(m,2H)、1.77(m,2H);13C NMR(CDCl,100MHz 主にcis異性体)δ(ppm)114.23、69.8、30.2、20.1。
工程3:2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸 4aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸、4bの合成
Figure 2016535084
実験:八角形の磁気撹拌子を備えた25mLの丸底フラスコに、3a、3b 200mg(1.33mmol)、および3N水性HCl 10mLを装填した。混合物を2時間活発に撹拌し、その時間の後、アリコートを取り出し、13C NMR(400MHz、d−DMSO)によって分析した。114.23ppmでのシグネチャーニトリル信号(signature nitrile signal)の非存在と結合した173.4ppmでの顕著な信号は、完全な変換が起こっていたことの説得力のある証拠であった。次いで過剰の溶媒を真空で除去し、ベージュ色固体として4aおよび4b 231mg(92%)を得た。H NMR(DO,400MHz,主にcis異性体,4a)δ(ppm)4.01(m 2H)、2.42(m,2H)、2.19(m,2H)、(m,2H)、1.90(m,2H)、1.61(m,2H);13C NMR(DO,100MHz 主にcis異性体)δ(ppm)171.3、76.5、40.2、30.6。
実施例2は、代替のスルホネート種、シアン化物試薬、および/または溶媒を使用する繰り返しを実証する。
工程1.((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)およびジアステレオマーの合成
Figure 2016535084
実験:1/2インチ×1/8インチのテーパー付きPTFE被覆磁気撹拌子を備えた、オーブン乾燥した25mLの単首丸底フラスコに、THF−ジオール 1aおよび1b 300mg(2.27mmol)、p−塩化トルエンスルホニル866mg(塩化トシル、4.54mmol)、ピリジン550μL(約3当量)、ジメチルアミノピリジン2.7mg(DMAP、0.227mmol)、ならびに無水塩化メチレン10mLを装填した。首をゴムセプタムでキャップし、針をアルゴン入口に付け、アルゴンブランケット下で一晩活発に撹拌した。この時間の後、溶液を100mLの分液漏斗に移し、塩化メチレン20mLで希釈し、1N水性HCl溶液10mLで3回洗浄した。各洗浄後に、水層を取り出し、残留有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで濃縮し、減圧下で濾過した後、((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)およびジアステレオマーを表す薄黄色固体922mg(理論値の92%)を得た。H NMR(CDCl,400MHz,主にcis異性体)δ(ppm)7.79(d,J=8.0Hz,2H)、7.39(d,J=8.0Hz,2H)、4.36(m,2H)、4.33(m,2H)、4.21(m,2H)、2.51(s,6H)、2.11(m,2H)、1.80(m,2H);13C NMR(CDCl,100MHz 主にcis異性体)δ(ppm)146.7、142.6、132.1、129.3、84.0、72.5、30.6、22.1
工程2.2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリルおよびジアステレオマーの合成
Figure 2016535084
実験:1/2インチ×1/8インチのテーパー付きPTFE被覆磁気撹拌子を備えた、オーブン乾燥した25mLの単首丸底フラスコに、((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ビス(メチレン)ビス(4−メチルベンゼンスルホネート)およびジアステレオマー700mg(1.59mmol)、ならびに無水DMF 5mLを装填した。フラスコをアルゴンに付けられたゴムセプタムでキャップし、撹拌しながら、かつアルゴン下で、シアン化トリメチルシリル438μL(3.50mmol)を注入滴下した。次いでセプタムをアルゴン入口に取り付けられた還流冷却器と置き換え、溶液を150℃で一晩活発に撹拌した。この時間の後、アリコートを取り出し、比較のためのTHFジオール出発材料からのスポットと隣接して、シリカゲル薄層クロマトグラフィープレート上に一部をスポットした。プレートを、溶離液としてヘキサン中50%酢酸エチルを使用して展開した。モリブデン酸セリウムで染色した後、生成物混合物は、1つの別個のスポット、Rf1=0.58(THF-ジオールジトリフレート)を露呈した。反応物に対応するR=0.41でバンドは観察されず、これらが完全に変換されていたことを示した。溶液を50mLの分液漏斗に移し、塩化メチレン15mLおよび水25mLで希釈した。有機層を抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮し、淡黄色油状物として2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリルおよびジアステレオマー216mg(理論値の91%)を得た。H NMRおよび13C NMRスペクトルは、以前に記載したものと一致した。
工程3.2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)二酢酸およびジアステレオマーの合成
Figure 2016535084
これらの化合物を調製するための同じ反応条項は、以前に詳述した通りであった。
B.THF−2,5−ジニトリルの部分的還元によるTHF−2,5−ジカルバルデヒドの合成
ジカルバルデヒドを製造するためのプロセスは、第3の反応工程まで、二酸について記載したものと同様である。酸化の代わりに、THF−2,5−ジニトリルを部分的に還元する。以下の実施例は、ジアセトニトリルを対応するアルデヒドに変換するためのいくつかの異なる手法を実証する。
実施例1:低温で水素化ジイソブチルアルミニウムを使用する2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリルおよびジアステレオマーの、2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒドおよびジアステレオマーへの変換。
Figure 2016535084
実験:磁気撹拌子を備えた火炎乾燥した25mLの丸底フラスコに、2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 1aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 1bの9:1の混合物200mg(1.33mmol)、ならびに無水ジクロロメタン10mLを装填した。フラスコを、アルゴン入口に付けられたゴムセプタムでキャップし、次いで飽和ドライアイス/アセトンスラリー(−78℃)中に浸した。撹拌しながら、かつアルゴン下で、塩化メチレン中の1M水素化ジイソブチルアルミニウム溶液1.33mLを5分にわたって滴加し、反応を−78℃で1時間継続した。この時間の後、ドライアイス/アセトン浴を除去し、反応を最小量の水でクエンチした。固形分を濾過し、透過液を72時間にわたって真空で濃縮し、透明無色油状物198mgを生じさせた(理論値の95%)。H NMR(400MHz,CDCl,主にcis生成物)δ(ppm)9.75(m,2H)、4.02(m,2H)、2.71(m,2H)、2.33(m,2H)、1.84(m,2H)、1.57(m,2H);13C NMR(100MHz,CDCl,主にcis生成物)δ(ppm)198.4、73.2、50.7、29.7。
実施例2:ギ酸中のラネーニッケルを使用する2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリルおよびジアステレオマーからの2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒドおよびジアステレオマーの合成。
Figure 2016535084
実験:磁気撹拌子を備えた100ccの丸底フラスコに、2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 1aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 1bの9:1の混合物1g(6.66mmol)、ラネーニッケル2g、ならびに約88%のギ酸50mLを装填した。次いでフラスコにAllihn冷却器を取り付け、混合物を2時間加熱還流した。この時間の後、溶液を周囲温度に冷却し、次いでブフナー漏斗を使用して真空濾過した。次いで残遺物を48時間にわたって減圧下で濃縮し、緩い無色油状物を得た。次いでこれを水中に懸濁させ、30分間加熱して沸騰させた。この時間の後、過剰の水を除去し、粗生成物を既製のシリカゲルカラムに装填した。これは、ヘキサン/酢酸エチル勾配移動相(50%〜100%の酢酸エチル)を使用して透明無色油状物として表題化合物2aおよび2b 586mg(理論値の56%)を有効に隔離した。Hおよび13C NMRは、アルデヒド変換の上記実施例1で描写した上述の生成物分析と一致した。
実施例3:穏やかな加水分解条件下での2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリルおよびジアステレオマーの2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトアルデヒドおよびジアステレオマーへの部分触媒還元。
Figure 2016535084
実験:オーバーヘッド撹拌機を有する250ccのハステロイオートクレーブに、2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 1aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジアセトニトリル 1bの9:1の混合物2g(13.32mmol)、10% Pd/C 1g、ならびに50%水性トリフルオロ酢酸(TFA)溶液50mLを装填した。容器を密閉し、250psiに対応するHのボリュームで3回パージし、次いでゲージの読みが200psiになるまでHで加圧した。混合物を室温で一晩40℃にて撹拌し、この時間の後、過剰の触媒を真空濾過によって除去し、低減した温度下で残留溶液を蒸発させ、無色の緩い粗油状物を得た。これを最低量の塩化メチレンで希釈し、既製のシリカゲルカラムに装填した。これは、ヘキサン/酢酸エチル勾配移動相(50%〜100%の酢酸エチル)を使用して透明無色油状物として表題化合物2aおよび2b 1.02g(理論値の49%)を有効に隔離した。Hおよび13C NMRは、実施例1で描写した上述の生成物分析と一致した。
C.THF−2,5−ジアセトニトリルの完全な還元によるTHF−2,5−ジアミンの合成
酸素化生成物に関する上記実施例と同様に、THF−ジオールを最初にスルホン化に付し誘導体化する。次いで得られたTHF−スルホネートをシアン化物(cynide)などの求核体と反応させてジアセトニトリル種を生成する。以下は、ジアミン合成プロセスの実施形態を提示するものである。このプロセスは、ジアセトニトリル種の完全な還元への2つの実行可能な経路を有する。
実験経路1:金属水素化物を使用するbHMTHF 1aおよび1bからの2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン 2aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン 2bの合成。
Figure 2016535084
実験:PTFE被覆磁気撹拌子を備えた、火炎乾燥した単首10mLの丸底フラスコに、1aおよび1bの9:1の混合物125mg(0.832mmol)、ならびに無水THF 5mLを装填した。均質な混合物を飽和ブライン/氷浴中で−10℃に冷却し、撹拌しながらTHF中の水素化アルミニウムリチウムの1M溶液(LAH)1.67mLを10分にわたって滴加した(1.67mmol)。添加が完了した後、氷浴を除去し、反応を室温で2時間継続した。この時間の後、固形分を濾過し、濾液を0.5M HCl溶液2mLで洗浄した。次いで過剰の溶媒を真空で除去し、薄黄色シロップとして2aおよび2b 121mg(理論値の92%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl,主にcisシグナル)δ(ppm)4.95(s,4H)、3.51(m,2H)、2.79(m,4H)、2.03(m,2H)、1.70−1.67(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl,主にcisシグナル)δ(ppm)80.8、40.5、37.9、32.0ppm。
実験経路2:触媒水素化を介したbHMTHF 1aおよび1bからの2,2’−((2R,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン 2aおよび2,2’−((2S,5S)−テトラヒドロフラン−2,5−ジイル)ジエタンアミン 2bの合成。
Figure 2016535084
実験:300ccのステンレス鋼パーリアクター容器に、1aおよび1bの9:1の混合物250mg(1.65mmol)、10% Pd/C 200mg、ならびに無水エタノール100mLを装填した。容器を反応器装置に付け、密閉し、1000psiの水素ガス(H)に等しいボリュームで3回パージし、Hで1200psiまで加圧した。500rpmでオーバーヘッド撹拌しながら、水素化反応を室温で2時間続行した。この時間の後、固形分を濾過し、必要以上の量の溶媒を減圧下で除去し、透明粘性油状物として2aおよび2b 258mg(理論値の98%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl,主にcisシグナル)δ(ppm)4.95(s,4H)、3.51(m,2H)、2.79(m,4H)、2.03(m,2H)、1.70−1.67(m,6H);13C NMR(100MHz,CDCl,主にcisシグナル)δ(ppm)80.8、40.5、37.9、32.0ppm。
本発明を一般に、かつ実施例によって詳細に記載してきた。本発明は、具体的に開示した実施形態に必ずしも限定されないが、本発明の射程内で使用される場合のある現在公知の、または開発されることになる他の等価なコンポーネントを含めた以下の特許請求の範囲またはこれらの均等物によって定義される本発明の射程から逸脱することなく、改変およびバリエーションが行われうることを当業者は理解する。したがって、変更が本発明の射程から別段に逸脱しない限り、その変更は本明細書に含まれると解釈されるべきである。

Claims (26)

  1. 2,5−ビス(ヒドロキシメチル)−テトラヒドロフラン(bHMTHF)から酸素化生成物またはアミン生成物を調製するための方法であって、a)スルホネートを使用してbHMTHFを誘導体化して、テトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)を生成する工程と;b)前記テトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)からの少なくとも1つのスルホネート脱離基を求核体と置換する工程と;c)0以下のpKaを有する強酸を用いて完全に加水分解して二酸を生成する工程、またはd)部分的に還元してジアルデヒドを生成する工程、またはe)完全に還元してジエチル−アミンを生成する工程のいずれかとを含む、方法。
  2. 前記二酸がテトラヒドロフラン−2,5−ジイル−二酢酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ジアルデヒドがテトラヒドロフラン−2,5−ジアセトアルデヒドである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記スルホネートが、以下:メタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、エタンスルホンネート、ベンゼンスルホネート、およびp−トルエンスルホネートのうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記スルホネートを用いた前記誘導体化が、窒素中心化合物である求核性塩基触媒を伴う、請求項1に記載の方法。
  6. 前記スルホネート脱離基の前記置換反応が、シアン化物求核体を伴う、請求項1に記載の方法。
  7. 前記テトラヒドロフラン−2,5−ジイル−ビス(メチレン)−ビス(スルホネート)からの前記スルホネート脱離基の前記置換反応が、ジアセトニトリル誘導体を生成する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記ジアセトニトリル誘導体が、シスまたはトランス異性体:
    Figure 2016535084
    である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記bHMTHFの前記誘導体化が、110℃以上の沸点およびε25以上の比誘電率を有する溶媒の溶液中で実施される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記溶媒が、120℃以上の沸点およびε30以上の比誘電率を有する、請求項9に記載の方法。
  11. 前記スルホネート脱離基の前記置換反応が、非プロトン性溶媒中で実施される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記非プロトン性溶媒が、以下:ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ヘキサメチルホスホルアミド、およびニトロベンゼンのうちの少なくとも1種である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記強酸が、以下:水性の塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸、トリフル酸、メタンスルホン酸、およびベンゼンスルホン酸のうちの少なくとも1種である、請求項1に記載の方法。
  14. トリフルオロメタンスルホネート以外のスルホネート種で誘導体化するために、約10℃〜約180℃の温度範囲内で行われる、請求項1に記載の方法。
  15. トリフルオロメタンスルホネートで誘導体化するために約−25℃〜約0℃の温度範囲内で行われる、請求項1に記載の方法。
  16. 前記求核体と置換するために約0℃〜約200℃の温度範囲内で行われる、請求項1に記載の方法。
  17. 約125℃〜約180℃の温度範囲内で行われる、請求項16に記載の方法。
  18. HMFから得られるシスおよびトランスbHMTHFの9:1のジアステレオマー混合物が、a)THF−2,5−二酢酸の9:1のジアステレオマー混合物;またはb)THF−2,5−ジアセトアルデヒドの9:1のジアステレオマー混合物;またはc)THF−2,5−ジアミンの9:1のジアステレオマー混合物に変換される、請求項1に記載の方法。
  19. 前記THF−2,5−ジアセトニトリルが、1)ヒンダード有機金属水素化物または2)触媒を少なくとも使用して、部分的に還元されて前記THF−2,5−ジアセトアルデヒドになる、請求項1に記載の方法。
  20. 前記触媒が、a)水素の非存在下でのニッケル触媒である、またはb)パラジウム触媒である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記THF−2,5−ジアセトニトリルが、1)ヒンダード有機金属水素化物または2)触媒を少なくとも使用して、完全に還元されて前記THF−2,5−ジアミンになる、請求項1に記載の方法。
  22. Figure 2016535084
    である、請求項1によって調製されるテトラヒドロフラン−2,5−二酢酸のシスまたはトランス異性体。
  23. Figure 2016535084
    である、テトラヒドロフラン−2,5−ジアセトアルデヒドのシスまたはトランス異性体。
  24. 請求項1によって調製される、請求項23に記載のテトラヒドロフラン−2,5−ジアセトアルデヒド。
  25. Figure 2016535084
    である、テトラヒドロフラン−2,5−ジアミンのシスまたはトランス異性体。
  26. 請求項1によって調製される、請求項25に記載のテトラヒドロフラン−2,5−ジアミン。
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