JP2016531559A - ダイズ形質転換法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、一部は、ダイズ形質転換プロセスの際に組織培養において使用される発根培地内に選択物質を組み込むことによって、ダイズ形質転換体の集団からダイズ生殖系列形質転換体を同定するための方法に関する。ダイズ生殖系列形質転換体は、非生殖系列および生殖系列ダイズ形質転換体の組合せからなるダイズ形質転換体の集団から選択される。ダイズ非生殖系列形質転換体は、形質転換プロセスの早期に同定され、排除される。ダイズ生殖系列形質転換体は、成熟ダイズ植物体に栽培するために同定され、選択される。方法は、ダイズ形質転換プロセスの早期段階でダイズ生殖系列形質転換体をスクリーニングし、得るために容易に適用可能である。

Description

関連出願の相互参照
本願は、35U.S.C.§119(e)のもと、参照によりその全文が本明細書に組み込まれる2013年10月4日に出願された米国特許仮出願番号第61/886,945号の優先権を主張する。
電子的に提出された書類の参照による組込み
本明細書と同時に提出され、2014年9月30日に作製され、「231578_ST25」と名付けられた1つの8KB ACII(テキスト)ファイルのように同定されるコンピュータによって読み取り可能なヌクレオチド/アミノ酸配列表は、その全文が参照により組み込まれる。
本開示は、ダイズ細胞を形質転換するための方法に関する。種々の態様では、ダイズ生殖系列形質転換体は、非生殖系列および生殖系列形質転換体を含むダイズ形質転換体の集団から製造され、同定される。したがって、ダイズ非生殖系列形質転換体は、形質転換プロセスの早期に同定され、排除され得る。ダイズ生殖系列形質転換体は、生存可能な根を生成する形質転換されたダイズシュートを同定することによって検出され、次いで、成熟ダイズ植物体に栽培するために選択され得る。種々の実施形態では、方法は、形質転換プロセスの早期段階でダイズ生殖系列形質転換体をスクリーニングし、得るために容易に適用可能である。
過去30年にわたって、形質転換法の改善は、ダイズの形質転換効率の増大をもたらしてきた。結果として、農学的に価値のある形質が、ダイズゲノム中に日常的に組み込まれ得る。例えば、Enlist(商標)ダイズなどの新規トランスジェニックダイズ製品は、世界中で市販されており、雑草によって引き起こされる増え続ける課題の改善された解決策を提供している。このような革新的な製品は可能ではないであろうが、ダイズ形質転換法の開発および改善についてはそうではない。ダイズ形質転換プロセス内の早期段階でダイズ生殖系列形質転換体を検出および選択するために利用され得る新規の改善されたダイズ形質転換法が、ダイズ形質転換プロセスの効率の改善を継続するために重要である。
形質転換プロセスにおけるダイズ生殖系列形質転換体の早期同定および選択は、これらのダイズ生殖系列形質転換体が、その後の世代において遺伝性である安定に組み込まれた導入遺伝子を含むので高度に望ましい。しかし、形質転換プロセスの比較的非効率性のために、望ましくないダイズ非生殖系列形質転換体から望ましいダイズ生殖系列形質転換体を同定し、選択するために、多数の形質転換体が製造されなければならない。すべての単離された形質転換体のうち、平均して約40〜70パーセントが、キメラまたはダイズ非生殖系列形質転換体などの望ましくないダイズ非生殖系列形質転換体であり、これは、望ましいダイズ生殖系列形質転換体を選択して、「選別」(すなわち、廃棄)されなくてはならない。しかし、伝統的な方法を使用すると、選別プロセスは、形質転換体が形質転換プロセスを通じて維持され、成熟に向けて進んだ後にのみ生じる。伝統的な方法を使用すると、非生殖系列ダイズ形質転換体などの望ましくない形質転換体の維持が、資源の非効率的な使用および非生殖系列形質転換体からトランスジェニック植物を製造するために費やされる費用の望ましくない増大をもたらす。このような費用は、金銭的懸念を超え、科学者の時間、材料および実験室空間の使用を含む。本開示は、望ましい特性を示す方法を提供し、ダイズ生殖系列形質転換体の同定および選択の関連する利点を提供する。本開示は、植物形質転換の早期段階でのダイズ生殖系列形質転換体の同定および選択は、選択物質を含有する選択発根培地を使用して達成され得ることを実証する。選択発根培地の使用によって、望ましくないキメラまたはダイズ非生殖系列形質転換体が、形質転換プロセスを通じて維持する必要なく、成熟に至るまで進むことなく選別され得る。結果として、トランスジェニック植物の製造は、より効率的であり得、トランスジェニック植物を製造するための資源の配分の改善が実現され得る。
関連する技術分野の前記の例およびそれに関連する制限は、例示的なものであり、排他的なものではないよう意図される。関連する技術分野のその他の制限は、本明細書を読んだ際に当業者に明らかとなる。
ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法が本明細書に開示される。一実施形態として、ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換する。その後の実施形態では、形質転換された細胞の集団を、シュートに再生する。さらなる実施形態では、シュートを細胞の集団から生成し、単離する。一実施形態では、シュートを、グルホシネートを含有する選択発根培地と接触させる。さらに別の実施形態では、再生され単離されたシュートをグルホシネートの存在下で培養し、形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートを、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出し、形質転換された非生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートは、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出さない。その後の実施形態では、シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する。
別の態様では、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法が本明細書に開示される。一実施形態では、ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換し、ここで、形質転換された細胞の集団は、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含む。さらなる一実施形態では、形質転換された細胞の集団からシュートを再生する。さらに別の実施形態では、形質転換された細胞の集団によって生成されたシュートを単離する。その後の実施形態では、再生され単離されたシュートを選択発根培地に付し、ここで、形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離され付されたシュートが、生存可能な根を作り出し、形質転換された非生殖系列細胞によって生成された、再生され単離され付されたシュートは、生存可能な根を作り出さない。さらなる一実施形態では、シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する。
さらなる態様では、ダイズ生殖系列形質転換体を同定する方法が本明細書に開示される。一実施形態では、ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換する。その後の実施形態では、導入遺伝子を含むダイズ植物の形質転換された細胞の集団からシュートを再生する。さらなる実施形態では、ダイズ植物の形質転換された細胞の集団から、再生されたシュートを単離し、ここで、ダイズ植物の形質転換された細胞の集団は、導入遺伝子を含む。付加的実施形態では、再生され単離されたシュートを、1種または複数の選択物質を含む発根培地と接触させる。最後の実施形態では、再生され単離されたシュートを、生存可能な根を生成するように発根培地で培養し、生存可能な根の生成は、ダイズ生殖系列形質転換体を同定する。
別の態様では、ダイズ生殖系列形質転換体またはダイズ非生殖系列形質転換体を製造する方法が本明細書に開示され、方法は、1つまたは複数の再生されたシュートを、選択物質を含む発根培地で培養するステップを含み、ここで、1つまたは複数の再生されたシュートが、導入遺伝子を用いて形質転換されたダイズ細胞の集団から単離され、ダイズ非生殖系列形質転換体を含む1つまたは複数の再生されたシュートは、生存可能な根を生成せず、ダイズ生殖系列形質転換体を含む1つまたは複数の再生されたシュートは、生存可能な根を生成する。
さらなる態様では、形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団からの生存可能な根の生成を止めるための方法が、本明細書に開示される。一実施形態では、ダイズ細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換し、ここで、形質転換されたダイズ細胞の集団は、形質転換された生殖系列ダイズ細胞の集団および形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団を含む。さらなる実施形態では、形質転換されたダイズ細胞の集団から、1つまたは複数のシュートを再生する。その後の実施形態では、形質転換されたダイズ細胞の集団から生成された、1つまたは複数の再生されたシュートを単離する。一実施形態では、1つまたは複数の再生され単離されたシュートを、選択物質を含む発根培地と接触させる。さらに別の実施形態では、1つまたは複数の再生され単離されたシュートを発根培地上で培養し、形質転換された生殖系列ダイズ細胞の1つまたは複数の再生され単離されたシュートは、選択物質を含む発根培地の存在下で生存可能な根を生成し、形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の1つまたは複数の再生され単離されたシュートは、選択物質を含む発根培地の存在下で、生存可能な根の生成を止める。
上記の例示的態様および実施形態に加えて、以下の記載の研究によってさらなる態様および実施形態が明らかとなる。
pDAB9381のプラスミドマップを示す図である。 Clark S., (2001) Nature Reviews; Molecular Cell Biology 2;276-284に記載されるようなダイズシュート頂端分裂組織の中央垂直切片を示す図である。 ダイズ組織層における黄色蛍光タンパク質導入遺伝子発現を示すダイズステムの断面図を示す図である。L1ダイズ組織層内の黄色蛍光タンパク質導入遺伝子の発現は、非生殖系列形質転換体を示し、L2/L3ダイズ組織層は、生殖系列形質転換体を示す。L1組織層形質転換体は、共焦点顕微鏡を使用して観察されるように、上皮細胞層のみにおいて黄色蛍光タンパク質を産生する。L2/L3組織層形質転換体は、共焦点顕微鏡を使用して観察されるように、上皮およびコア細胞において黄色蛍光タンパク質を産生する。 L2/L3組織層を含む皮層細胞における黄色蛍光タンパク質の発現および1mg/Lのグルホシネートを含む発根培地におけるその後の根構造の発達を示す図である。 1mg/Lのグルホシネートを含む発根培地において培養されたダイズ植物の表現型を示す図である。非生殖系列形質転換体は、3種の表現型をもたらした:(1)根が生成しなかった;(2)根が生成したが、褐変した;(3)根が生成し、黒変した。比較的、生殖系列(gemline)形質転換体が、健常な生存可能な根が生成した表現型をもたらした。 グルホシネート選択を伴うおよび伴わない発根培地において発達した根における黄色蛍光タンパク質の発現を示す図である。 ダイズ形質転換プロセスを示し、開示された方法を、ダイズの形質転換のために現在使用される方法と比較する図である。 ダイズ形質転換プロセスを示し、開示された方法を、ダイズの形質転換のために現在使用される方法と比較する図である。
1.概要
本開示は、種々の態様において、ダイズ生殖系列形質転換体の同定および前進ならびにダイズ非生殖系列形質転換体の排除または選別を提供する方法を提供する。手短には、ダイズ細胞は、形質転換され、形質転換体からのシュートの再生および選択物質を含む発根培地における培養が続く。開示される方法によれば、安定に組み込まれた導入遺伝子を含む得られたダイズ形質転換体は、ダイズ形質転換プロセスにおいて早期に同定され、選択され得る。ダイズ生殖系列形質転換体は、ダイズシュートのコア(例えば、L2およびL3)層内の導入遺伝子の発現に従って同定され得る。同定されたダイズ生殖系列形質転換体は、次いで、選択され、成熟ダイズ植物体に栽培され得る。さらに、ダイズ非生殖系列形質転換体は、開示された方法を使用して同定され得、伝統的な方法と比較して早期段階で形質転換プロセスから選別され得る。そのようなものとして、ダイズ植物形質転換体は、生殖系列組織内に挿入された導入遺伝子を有する特定の形質転換体を同定および選択するために、選択物質を含む発根培地で培養され得る。
ダイズ形質転換プロセスにおいて早期段階でダイズ生殖系列形質転換体を同定するために使用され得るダイズ形質転換法の開発は、方法がダイズ形質転換プロセスの効率を改善し得るので好ましい。
このような方法が、本願において開示され、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法が提供される。方法は、a)ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、形質転換された細胞の集団が、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含むステップと、b)形質転換された細胞の集団からシュートを再生するステップと、c)形質転換された細胞の集団によって生成されたシュートを単離するステップと、d)シュートを、グルホシネートを含有する選択発根培地と接触させるステップと、e)再生され単離されたシュートを、グルホシネートの存在下で培養するステップであって、(i)形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートが、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出し、(ii)形質転換された非生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートが、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出さないステップと、f)シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定するステップとを含む。
本開示の別の実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する第2の方法が提供される。方法は、a)ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、形質転換された細胞の集団が、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含むステップと、b)形質転換された細胞の集団からシュートを再生するステップと、c)形質転換された細胞の集団によって生成されたシュートを単離するステップと、d)再生され単離されたシュートを、選択発根培地に付すステップであって、(i)形質転換された生殖系列細胞によって生成され、再生され単離され付されたシュートが、生存可能な根を作り出し、(ii)形質転換された非生殖系列細胞によって生成され、再生され単離され付されたシュートが、生存可能な根を作り出さないステップと、e)シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定するステップとを含む。
本開示のなおさらなる実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体を同定するための方法が提供される。方法は、a)ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップと、b)導入遺伝子を含むダイズ植物の形質転換された細胞の集団からシュートを再生するステップと、c)ダイズ植物の形質転換された細胞の集団から再生されたシュートを単離するステップであって、ダイズ植物の形質転換された細胞の集団が導入遺伝子を含むステップと、d)再生され単離されたシュートを、1種または複数の選択物質を含む発根培地と接触させるステップと、e)生存可能な根を生成するように、再生され単離されたシュートを発根培地で培養するステップであって、生存可能な根の生成が、ダイズ生殖系列形質転換体を同定するステップとを含む。
本開示の別の実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体またはダイズ非生殖系列形質転換体を製造する方法が提供される。方法は、1つまたは複数の再生されたシュートを、選択物質を含む発根培地で培養するステップを含み、ここで、1つまたは複数の再生されたシュートが、導入遺伝子を用いて形質転換されたダイズ細胞の集団から単離され、ダイズ非生殖系列形質転換体を含む1つまたは複数の再生されたシュートは、生存可能な根を生成せず、ダイズ生殖系列形質転換体を含む1つまたは複数の再生されたシュートは生存可能な根を生成する。
本開示のなおさらなる実施形態では、形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団からの生存可能な根の生成を止めるための方法が提供される。方法は、a)ダイズ細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、ダイズ細胞の形質転換された集団が、形質転換された生殖系列ダイズ細胞の集団および形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団を含むステップと、b)ダイズ細胞の形質転換された集団から1つまたは複数のシュートを再生するステップと、c)ダイズ細胞の形質転換された集団から生成された、1つまたは複数の再生されたシュートを単離するステップと、d)1つまたは複数の再生され単離されたシュートを、選択物質を含む発根培地と接触させるステップと、e)1つまたは複数の再生され単離されたシュートを発根培地で培養するステップであって、(i)形質転換された生殖系列ダイズ細胞の1つまたは複数の再生され単離されたシュートが、選択物質を含む発根培地の存在下で生存可能な根を生成し、(ii)形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の1つまたは複数の再生され単離されたシュートが、選択物質を含む発根培地の存在下で生存可能な根の生成を止めるステップとを含む。
別の実施形態では、開示される方法は、ダイズ生殖系列組織内に挿入された導入遺伝子を含む形質転換体の同定および選択のために、発根培地内への選択物質であるグルホシネートの組込みを使用する。種々の実施形態では、生殖系列組織内に挿入された導入遺伝子を含むダイズ形質転換体の同定および選択のための、器官形成を起こしているダイズ組織外植片(例えば、分割種子、頂端分裂組織など)の発根培地への、特定の濃度の選択物質であるグルホシネートの組込みが、初めて開示されている。一実施形態では、器官形成形質転換系を使用して形質転換されたダイズ組織の発根段階培地へのグルホシネートの組込みは、阻害性でないとわかり、小植物発達を干渉しなかった。一実施形態では、器官形成形質転換系は、子葉節、半粒種子または分割種子形質転換のアグロバクテリウム媒介性形質転換およびシュート成長点の微粒子銃を含み得る。さらに、別の実施形態では、開示された方法は、非生殖系列形質転換体から生殖系列形質転換体を同定および選択するための、根表現型の目視観察に基づく小植物の表現型選択を可能にする。
II.用語
他に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が関連する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。矛盾する場合には、定義を含む本願が支配する。文脈によって必要とされない限り、単数形の用語は、複数形を含むものとし、複数形の用語は、単数形を含む。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許およびその他の参考文献は、個々の刊行物または特許出願の各々が、具体的に、個別に、参照によって組み込まれるよう示されるかのように、すべての目的のためにその全文が参照により組み込まれる。
本開示をさらに明確にするために、以下の用語、略語および定義が提供される。
本明細書において、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、「含有する(contains)」または「含有している(containing)」およびそれらの任意の他の変形は、非排他的である、または制約がないものとする。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、項目または装置は、必ずしもそれらの要素のみに限定されず、明確に列挙されていないか、またはこのような組成物、混合物、プロセス、方法、項目または装置に特有ではないその他の要素を含み得る。さらに、反対に明確に記載されない限り、「または」とは、包含的なまたはを指し、排他的なまたはを指さない。例えば、条件AまたはBは、以下のいずれによっても満たされる:Aが真であり(または存在し)、Bは偽である(または存在しない)、Aが偽であり(または存在しない)、Bは真である(または存在する)、ならびにAおよびBの両方とも真である(または存在する)。
また、本開示の実施形態の要素または成分に先行する不定冠詞「a(1つの)」および「an(1つの)」は、要素または成分の例(すなわち、出現)の数に関して非制限的であるものとする。したがって、「a(1つの)」または「an(1つの)」は、1つまたは少なくとも1つを含むと読み取られなくてはならず、要素または成分の単数形の語形はまた、数が単数形であると明白に意図されない限り複数形を含む。
用語「発明」または「本発明」は、本明細書において、非制限的用語であり、特定の発明のいずれか単一の実施形態を指すものではなく、本願において開示されるようなすべての可能性ある実施形態を包含する。
本明細書において使用される場合、用語「植物」は、全植物体および植物の任意の子孫、細胞、組織または一部を含む。用語「植物の部分」は、例えば、限定するものではないが:種子(成熟種子および未熟種子を含む);植物を切り取ったもの;植物細胞;植物細胞培養物;植物器官(例えば、花粉、胚、花、果実、シュート、葉、根、茎および外植片)を含めた植物の任意の部分(複数可)を含む。植物組織または植物器官は、種子、プロトプラスト、カルスまたは構造的もしくは機能的単位に組織されている植物細胞の任意のその他の群であり得る。植物細胞または組織培養物は、細胞または組織が得られた植物の生理学的および形態学的特徴を有する植物を再生できるもの、またその植物と実質的に同一の遺伝子型を有する植物を再生できるものであり得る。対照的に、一部の植物細胞は、植物体を生成するよう再生され得ない。植物細胞または組織培養物中の再生可能な細胞は、胚、プロトプラスト、成長点細胞、カルス、花粉、葉、葯、根、根端、トウモロコシの毛、花、穀粒、穂、トウモロコシの穂軸、外皮または柄であり得る。
植物の部分は、後代植物の増殖に有用な収穫可能な部分(単数または複数)を含む。増殖に有用な植物の部分として、例えば、限定するものではないが、種子、果実、切り取ったもの、実生、塊茎および台木が挙げられる。植物の収穫可能な部分は、例えば、限定するものではないが、花、花粉、実生、塊茎、葉、茎、果実、種子および根を含めた植物の任意の有用な部分であり得る。
植物細胞は、植物の構造的および生理学的単位であり、プロトプラストおよび細胞壁を含む。植物細胞は、単離された単細胞または細胞の凝集体(例えば、もろいカルスおよび培養細胞)の形態であり得、また、高度に組織化された単位(例えば、植物組織、植物器官および植物体)の一部であり得る。したがって、植物細胞は、全植物体に再生できるプロトプラスト、生殖体生成細胞、または細胞もしくは細胞の集合であり得る。そのようなものとして、複数の植物細胞を含み、全植物体に再生できる種子が、本明細書における実施形態において「植物細胞」と考えられる。
本明細書において、「単離された」生物学的成分(核酸またはポリペプチドなど)とは、成分の化学的または機能的変化をもたらしながら、成分が天然に存在する生物の細胞中のその他の生物学的成分(すなわち、その他の染色体および染色体外DNAおよびRNAならびにタンパク質)から、実質的に分離された、離れて製造された、または精製された成分を意味する(例えば、核酸は、核酸を染色体中の残存するDNAと接続する化学結合を破壊することによって染色体から単離され得る)。「単離されている」核酸分子およびタンパク質として、標準精製方法によって精製された核酸分子およびタンパク質が挙げられる。この用語はまた、宿主細胞において組換え発現によって調製された核酸およびタンパクならびに化学的に合成された核酸分子、タンパク質およびペプチドを包含する。
本明細書において、用語「ポリヌクレオチド」、「核酸」および「核酸分子」は、同義的に使用され、単数形の核酸、複数形の核酸、核酸断片、その変異体または誘導体および核酸構築物(例えば、メッセンジャーRNA(mRNA)およびプラスミドDNA(pDNA))を包含し得る。ポリヌクレオチドまたは核酸は、非翻訳5’および/または3’配列およびコード配列(複数可)を含む全長cDNA配列またはその断片のヌクレオチド配列を含有し得る。ポリヌクレオチドまたは核酸は、非修飾リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドまたは修飾リボヌクレオチドもしくはデオキシリボヌクレオチドを含み得る、任意のポリリボヌクレオチドまたはポリデオキシリボヌクレオチドからなり得る。例えば、ポリヌクレオチドまたは核酸は、一本鎖および二本鎖DNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖RNA、一本鎖および二本鎖領域の混合物であるRNAからなり得る。DNAおよびRNAを含むハイブリッド分子は、一本鎖、二本鎖または一本鎖および二本鎖領域の混合物であり得る。前記の用語はまた、ポリヌクレオチドまたは核酸の、化学的に、酵素によって、または代謝によって修飾された形態も含む。
特定のDNAとは、配列が、デオキシリボヌクレオチド塩基対合のルールに従って決定されるその相補体も指すと理解される。
本明細書において使用される場合、用語「遺伝子」とは、機能的生成物(RNAまたはポリペプチド/タンパク質)をコードする核酸を指す。遺伝子は、機能的生成物をコードする配列に先行する調節配列(5’非コード配列)、および/またはそれに続く調節配列(3’非コード配列)を含み得る。
本明細書において使用される場合、用語「コード配列」とは、特定のアミノ酸配列をコードする核酸配列を指す。「調節配列」とは、関連するコード配列の転写、RNAプロセシングまたは安定性または翻訳に影響を及ぼす、コード配列の上流に(例えば、5’非コード配列)、その中に、または下流に(例えば、3’非コード配列)位置するヌクレオチド配列を指す。調節配列として、例えば、限定するものではないが、プロモーター、翻訳リーダー配列、イントロン、ポリアデニル化認識配列、RNAプロセシング部位、エフェクター結合部位およびステム−ループ構造が挙げられる。
本明細書において使用される場合、用語「ポリペプチド」は、単数形のポリペプチド、複数形のポリペプチドおよびその断片を含む。この用語は、アミド結合(ペプチド結合としても知られる)によって直線的に連結しているモノマー(アミノ酸)からなる分子を指す。用語「ポリペプチド」とは、2個以上のアミノ酸の任意の鎖(単数または複数)を指すものであって、特定の長さまたは大きさの生成物を指すものではない。したがって、ペプチド、ジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド、タンパク質、アミノ酸鎖および2個以上のアミノ酸の鎖を指すために使用される任意のその他の用語が、「ポリペプチド」の定義内に含まれ、前記の用語は、本明細書において「ポリペプチド」と同義的に使用される。ポリペプチドは、天然の生物学的供給源から単離されても、組換え技術によって製造されてもよいが、特定のポリペプチドは、必ずしも特定の核酸から翻訳されない。ポリペプチドは、例えば、限定するものではないが、化学物質合成によって、任意の適した方法で作製され得る。
本明細書において使用される場合、用語「天然」とは、存在する場合には、その自身の調節配列とともに天然に見られるポリヌクレオチド、遺伝子またはポリペプチドの形態を指す。用語「内因性」とは、生物においてその天然の位置に、または生物のゲノム中にあるポリヌクレオチド、遺伝子またはポリペプチドの天然形態を指す。
対照的に、用語「異種性」とは、参照(宿主)生物においてその位置に普通は見られないポリヌクレオチド、遺伝子またはポリペプチドを指す。例えば、異種核酸は、異なるゲノム位置で参照生物において普通見られる核酸であり得る。さらなる例として、異種核酸は、参照生物において普通見られない核酸であり得る。異種(hetereologous)ポリヌクレオチド、遺伝子またはポリペプチドを含む宿主生物は、異種ポリヌクレオチド、遺伝子またはポリペプチドを宿主生物に導入することによって製造され得る。特定の例では、異種ポリヌクレオチドは、対応する天然ポリヌクレオチドとは異なる形態で、供給源生物中に再導入される天然コード配列またはその一部を含む。特定の例では、異種遺伝子は、対応する天然遺伝子とは異なる形態で供給源生物中に再導入される天然コード配列またはその一部を含む。例えば、異種遺伝子は、天然宿主中に再導入される非天然調節領域を含むキメラ遺伝子の一部である天然コード配列を含み得る。特定の例では、異種ポリペプチドは、対応する天然ポリペプチドとは異なる形態で供給源生物中に再導入される天然ポリペプチドである。
異種遺伝子またはポリペプチドは、キメラもしくは融合ポリペプチドまたはそれをコードする遺伝子を生成するよう、別の遺伝子もしくはポリペプチドと融合している、機能的ポリペプチドまたは機能的ポリペプチドをコードする核酸配列を含む遺伝子またはポリペプチドであり得る。特定の実施形態の遺伝子およびタンパク質は、具体的に例示された全長配列およびこれらの配列の部分、セグメント、断片(連続断片および全長分子と比較して内部および/または末端欠失を含む)、変異体、突然変異体、キメラおよび融合物を含む。
本明細書において使用される場合、用語「修飾」は、参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの低減された、実質的に排除された、または排除された活性をもたらす特定の参照ポリヌクレオチドにおける変化を指し得る。修飾はまた、参照ポリペプチドの低減された、実質的に排除された、または排除された活性をもたらす参照ポリペプチドにおける変化も指し得る。あるいは、用語「修飾」は、参照ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドの増大または増強された活性をもたらす参照ポリヌクレオチドにおける変化ならびに参照ポリペプチドの増大または増強された活性をもたらす参照ポリペプチドにおける変化を指し得る。前記のものなどの変化は、例えば、限定するものではないが、参照分子の一部を欠失すること、参照分子を突然変異させること(例えば、自発性突然変異誘発によって、ランダム突然変異誘発によって、変異誘発遺伝子によって引き起こされる変異原性によって、トランスポゾン突然変異誘発によって)、参照分子の一部を置換すること、参照分子中に要素を挿入すること、参照分子の発現を下方制御すること、参照分子の細胞位置を変更すること、参照分子の状態を変更すること(例えば、参照ポリヌクレオチドのメチル化によって、および参照ポリペプチドのリン酸化またはユビキチン化によって)、参照分子の補因子を除去すること、参照分子をターゲッティングするアンチセンスRNA/DNAの導入、参照分子をターゲッティングする干渉RNA/DNAの導入、参照分子の化学物質修飾、参照分子の共有結合修飾、UV照射またはX線を用いる参照分子の照射、参照分子を変更する相同組換え、参照分子を変更する有糸分裂組換え、参照分子のプロモーターの置換および/または前記のいずれかの組み合わせを含めた、当技術分野で周知のいくつかの方法のいずれかによって行われ得る。
特定の例において、どのヌクレオチドまたはアミノ酸残基が修飾され得るかを決定することにおける指針は、参照ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列を、相同(例えば、相同酵母または細菌)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドのものと比較することおよび高相同性の領域(保存された領域)またはコンセンサス配列において行われる修飾の数を最大化することによって見出され得る。
用語「プロモーター」とは、核酸コード配列または機能的RNAの発現を制御できるDNA配列を指す。複数の例では、制御されるコード配列は、プロモーター配列の3’に位置する。プロモーターは、全体として、天然遺伝子に由来し得るか、プロモーターは、天然に見られる異なるプロモーターに由来する異なる要素からなり得るかまたはプロモーターは、合成DNAセグメントをさらに含み得る。異なるプロモーターは、異なる組織または細胞種における、または異なる発達段階での、または異なる環境条件もしくは生理学的条件に応じた遺伝子の発現に向けることができるということは当業者によって理解される。前記のプロモーターのすべての例は、当技術分野で公知であり、異種核酸の発現を制御するために使用される。ほとんどの時点でのほとんどの細胞種における遺伝子の発現に向けるプロモーターは、一般に「構成的プロモーター」と呼ばれる。さらに、当業者は、調節配列の正確な境界を描写しようと試みており(多くの場合には、不成功に)、種々の長さのDNA断片が、同一のプロモーター活性を有し得るということが理解されるようになった。特定の核酸のプロモーター活性は、当業者に精通している技術を使用してアッセイされ得る。
用語「作動可能に連結された」とは、一方の核酸配列の機能が別のものによって影響を受ける、単一の核酸での核酸配列の結合を指す。例えば、プロモーターは、プロモーターが、そのコード配列の発現を達成できる(例えば、コード配列が、プロモーターの転写制御下にある)場合に、コード配列と作動可能に連結される。コード配列は、センスまたはアンチセンス方向で調節配列と作動可能に連結され得る。
用語「発現」は、本明細書において使用される場合、DNAに由来するセンス(mRNA)またはアンチセンスRNAの転写および安定な蓄積を指し得る。発現はまた、mRNAのポリペプチドへの翻訳も指し得る。本明細書において使用される場合、用語「過剰発現」とは、同一遺伝子または関連遺伝子の内因性発現よりも高い発現を指す。したがって、異種遺伝子は、その発現が、匹敵する内因性遺伝子のものよりも高い場合に「過剰発現」される。
本明細書において、用語「形質転換」または「形質転換している」とは、遺伝的に安定な継承をもたらす、宿主生物への核酸またはその断片の転移および組込みを指す。形質転換核酸を含有する宿主生物は、「トランスジェニック」、「組換え」または「形質転換された」生物と呼ばれる。形質転換の既知方法として、例えば、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはA.リゾゲネス(A. rhizogenes)媒介性形質転換、リン酸カルシウム形質転換、ポリブレン形質転換、プロトプラスト融合、エレクトロポレーション、超音波法(例えば、ソノポレーション)、リポソーム形質転換、マイクロインジェクション、裸のDNAを用いる形質転換、プラスミドベクターを用いる形質転換、ウイルスベクターを用いる形質転換、微粒子銃形質転換(微粒子銃)、シリコンカーバイドWHISKERS媒介性形質転換、エアゾールビーミングおよびPEG媒介性形質転換が挙げられる。
本明細書において使用される場合、用語「導入された」(細胞へ核酸を導入することとの関連で)は、細胞の形質転換ならびに従来の植物育種技術を利用して実施され得るような、第2の植物が核酸を含有するよう、核酸を含む植物を、第2の植物を交配することを含む。このような育種技術は、当技術分野で公知である。植物育種技術の考察については、Poehlman (1995) Breeding Field Crops, 4th Edition, AVI Publication Co., Westport CTを参照のこと。
戻し交配法を使用して、植物に核酸を導入してもよい。この技術は、植物に形質を導入するために数十年使用されてきた。戻し交配(およびその他の植物育種方法論)の説明の一例は、例えば、Poelman (1995)、前掲;およびJensen (1988) 、Plamt Breeding Methodology, Wiley, New York, NYに見出すことができる。例示的戻し交雑プロトコールでは、対象とする元の植物(「反復親」)を、導入されるべき核酸を保持する第2の植物(「非反復親」)と交配する。この交配種から得られた後代を、次いで、反復親と再度交配し、変換された植物が得られるまでこのプロセスを反復し、これでは、非反復親から得られた核酸に加えて、反復親の所望の形態学的および生理学的特徴の本質的にすべてが、変換された植物中において回収される。
用語「プラスミド」および「ベクター」とは、本明細書において、細胞の中央代謝の一部ではない1種または複数の遺伝子を保持し得る染色体外要素を指す。プラスミドおよびベクターは、通常、環状二本鎖DNA分子である。しかし、プラスミドおよびベクターは、一本鎖または二本鎖DNAまたはRNAの直鎖または環状核酸である場合もあり、任意の供給源に由来し得、これでは、いくつかのヌクレオチド配列が、任意の適当な3’非翻訳配列とともにプロモーター断片およびコーディングDNA配列を細胞に導入できる独特の構造に結合または組み換えられている。複数の例では、プラスミドおよびベクターは、自立複製配列、ゲノム組込み配列および/またはファージまたはヌクレオチド配列を含み得る。
ポリペプチドおよび「タンパク質」は、本明細書において同義的に使用され、ペプチド結合によって連結された2個以上のアミノ酸の分子鎖を含む。この用語は、特定の長さの生成物を指すものではない。したがって、「ペプチド」および「オリゴペプチド」は、ポリペプチドの定義内に含まれる。この用語は、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化などを含む。さらに、タンパク質断片、類似体、突然変異したタンパク質または変異体タンパク質、融合タンパク質などが、ポリペプチドの意味内に含まれる。この用語はまた、既知タンパク質工学技術を使用して合成され得るか、または組換え発現され得るように1種もしくは複数のアミノ酸類似体または非標準または非天然アミノ酸が含まれる分子も含む。さらに、本発明の融合タンパク質は、周知の有機化学技術によって本明細書において記載されるように誘導され得る。
用語「融合タンパク質」は、タンパク質が、2種以上の親タンパク質またはポリペプチドに由来するポリペプチド成分を含むことを示す。通常、融合タンパク質は、1種のタンパク質に由来するポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列が、異なるタンパク質に由来するポリペプチド配列をコードするヌクレオチド配列と、任意選択で、リンカーによって分けられてインフレームで付加される融合遺伝子から発現される。次いで、融合遺伝子は、組換え宿主細胞によって、単一タンパク質として発現され得る。
III.本発明の実施形態
本開示の一実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法が提供される。方法は、a)ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、形質転換された細胞集団が、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含むステップと、b)形質転換された細胞の集団からシュートを再生するステップと、c)形質転換された細胞の集団によって生成されたシュートを単離するステップと、d)シュートを、グルホシネートを含有する選択発根培地と接触させるステップと、e)再生され単離されたシュートを、グルホシネートの存在下で培養するステップであって、(i)形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートが、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出し、(ii)形質転換された非生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートが、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出さないステップと、f)シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定するステップとを含む。
この実施形態では、ダイズ植物の細胞の集団は、当技術分野で公知のいくつかの形質転換法のうちいずれかによって、導入遺伝子を用いて形質転換される。ダイズ植物細胞中に導入された核酸は、ダイズに所望の農業形質を付与するように使用され得る。様々なダイズ植物および植物細胞系が、核酸および種々の形質転換法を使用して、本明細書に記載される所望の生理学的および農学的特徴のために操作され得る。本明細書における実施形態は、当技術分野で公知である植物の形質転換(および遺伝的に修飾された植物の製造)のために既知方法のいずれかを使用し得る。双子葉植物および単子葉植物のための植物形質転換のために、生物学的および物理的形質転換プロトコールを含めた多数の方法が開発されている(例えば、Goto-Fumiyuki et al. (1999) Nat. Biotechnol. 17:282-6;Miki et al. (1993) Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology (Glick, B.R. and Thompson, J.E., Eds.), CRC Press, Inc., Boca Raton, FL, pp. 67-88)。さらに、細胞および組織形質転換および植物体の再生のためのベクターおよびin vitro培養方法は、例えば、Gruber et al. (1993)、前掲中、pp.89-119に記載されている。
核酸を植物宿主細胞中に導入するために利用可能な植物形質転換方法として、例えば、限定するものではないが、形質転換剤としてアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)またはA.リゾゲネス(rhizogenes)を使用する武装解除したT−DNAを用いる形質転換;リン酸カルシウムトランスフェクション;ポリブレン形質転換;プロトプラスト融合;エレクトロポレーション(D'Halluin et al. (1992) Plant Cell 4:1495-505);超音波法(例えば、ソノポレーション);リポソーム形質転換;マイクロインジェクション;裸のDNAとの接触;プラスミドベクターとの接触;ウイルスベクターとの接触;微粒子銃(例えば、DNA粒子銃(例えば、Klein et al. (1987) Nature 327:70-3)および微粒子銃(Sanford et al. (1987) Part. Sci. Technol. 5:27; Sanford (1988) Trends Biotech. 6:299、Sanford (1990) Physiol. Plant 79:206;およびKlein et al. (1992) Biotechnology 10:268);シリコンカーバイドWHISKERS(商標)媒介性形質転換(Kaeppler et al. (1990) Plant Cell Rep. 9:415-8);ナノ粒子形質転換(例えば、米国特許公開US2009/0104700A1);エアゾールビーミング;およびポリエチレングリコール(PEG)媒介性取り込みが挙げられる。特定の実施例では、導入遺伝子は、これまでに記載された形質転換プロトコールのうち1種によってダイズ植物細胞のゲノムDNA中に直接的に導入され得る。
導入遺伝子を含む遺伝子発現カセットを、植物中に導入するために広く利用される方法は、アグロバクテリウムの天然の形質転換系に基づいている。Horsch et al. (1985) Science 227:1229。A.ツメファシエンス(tumefaciens)およびA.リゾゲネス(rhizogenes)は、植物細胞を遺伝的に形質転換するために有用であることがわかっている植物病原性土壌菌である。A.ツメファシエンス(A. tumefaciens)およびA.リゾゲネス(A. rhizogenes)のTiおよびRiプラスミドは、それぞれ、植物の遺伝子形質転換に関与する遺伝子を保持する。Kado (1991) Crit. Rev. Plant. Sci. 10:1。アグロバクテリウムベクター系およびアグロバクテリウム媒介性遺伝子導入のための方法に関する詳細はまた、例えば、Gruber et al., 前掲、Miki et al., 前掲、Moloney et al. (1989) Plant Cell Reports 8:238および米国特許第4,940,838号および同5,464,763号において入手可能である。
形質転換にアグロバクテリウムが使用される場合には、挿入されるべきDNAは、通常、特定のプラスミドに、中間体ベクターまたはバイナリーベクターのいずれかにクローニングされる。中間体ベクターは、アグロバクテリウム中では自身で複製できない。中間体ベクターは、ヘルパープラスミド(コンジュゲーション)によってA.ツメファシエンス(A.tumefaciens)中に転移され得る。日本たばこスーパーバイナリー系は、このような系の一例である(Komari et al. (2006) Methods in Molecular Biology (K. Wang、ed.) No. 343; Agrobacterium Protocols, 2nd Edition, Vol. 1,Humana Press Inc., Totowa, NJ, pp.15-41;およびKomori et al. (2007) Plant Physiol. 145:1155-60に総説されている)。バイナリーベクターは、大腸菌(e. coli)およびアグロバクテリウムの両方において自身を複製できる。バイナリーベクターは、右および左のT−DNA境界領域によって囲まれている、選択マーカー遺伝子およびリンカーまたはポリリンカーを含む。それらは、アグロバクテリウム中に直接、形質転換され得る(Holsters、1978)。アグロバクテリウムは、vir領域を保持するプラスミドを含む。TiまたはRiプラスミドはまた、T−DNAの転移に必要なvir領域を含む。vir領域は、T−DNAの、植物細胞への転移にとって必要である。さらなるT−DNAが含有される場合もある。
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主の病原性機能は、細胞が、バイナリーT DNAベクター(Bevan (1984) Nuc. Acid Res. 12:8711-21)または同時培養手順(Horsch et al. (1985) Science 227:1229-31)を使用して細菌に感染すると、遺伝子発現カセットおよび隣接するマーカーを含有するT−鎖の、植物細胞DNAへの挿入を指示する。一般に、アグロバクテリウム形質転換系は、双子葉植物を操作するために使用される。Bevan et al. (1982) Ann. Rev. Genet 16:357-84;Rogers et al. (1986) Methods Enzymol. 118:627-41。アグロバクテリウム形質転換系はまた、単子葉植物および植物細胞を形質転換するため、ならびに単子葉植物および植物細胞に核酸を転移するために使用され得る。米国特許第5,591,616号;Hernalsteen et al. (1984) EMBO J 3:3039-41;Hooykass-Van Slogteren et al. (1984) Nature 311:763-4; Grimsley et al. (1987) Nature 325:1677-9;Boulton et al. (1989) Plant Mol. Biol. 12:31-40;およびGould et al. (1991) Plant Physiol. 95:426-34を参照のこと。
本明細書における組換え宿主の遺伝子操作は、標準組換えDNA技術およびスクリーニングを使用して実施され得、遺伝子操作に適している任意の宿主細胞において実施され得る。いくつかの実施形態では、組換え宿主細胞は、遺伝子改変および/または組換え遺伝子発現に適した任意のダイズ植物または品種であり得る。いくつかの実施形態では、組換え宿主は、ダイズ生殖系列形質転換体植物であり得る。本明細書において使用される標準組換えDNAおよび分子クローニング技術は、当技術分野で周知であり、例えば、限定するものではないが、Sambrook et al. (1989)、前掲;Silhavy et al. (1984) Experiments with Gene Fusions, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY;およびAusubel et al. (1987) Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Assoc. and Wiley-Interscience, New York, NYに記載されている。
いくつかの実施形態では、ダイズ植物組織は、修飾された半粒種子外植片のアグロバクテリウム媒介法(Paz M., et al., (2005) Plant Cell Rep., 25: 206-213)、子葉結節形質転換法(Zeng P., et al., (2004), Plant Cell Rep., 22(7): 478-482)または部分胚軸を有する分割種子のダイズ形質転換法(米国特許出願番号第61/739,349号)によって形質転換される。これらの方法のいずれかまたはその他の既知ダイズ形質転換法を使用して、導入遺伝子は、外側マントル組織(L1層)を含むダイズ植物組織に送達されるか、またはコア組織(L2およびL3層)などの植物内深くに局在する下層組織に送達される。マントル組織(L1層)は分裂して、非生殖系列細胞を含む表皮および基本組織を形成する。コア組織は、分裂して、生殖系列細胞を含む成長点および維管束組織を形成する。形質転換された生殖系列細胞を有するトランスジェニック事象のみが、導入遺伝子を次の世代に継承できる。
この実施形態では、形質転換された細胞集団は、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含む。成長点および維管束植物細胞を含むコア細胞(L2およびL3層)の形質転換のための導入遺伝子の使用は、ダイズ生殖系列細胞の形質転換をもたらす。生殖系列細胞は、再生して、成熟したトランスジェニック植物体(すなわち、生殖系列形質転換体)を生成できる。
基本および表皮植物細胞を含むマントル細胞(L1層)の形質転換のための導入遺伝子の使用は、ダイズ非生殖系列細胞の形質転換をもたらす。非生殖系列細胞は、再生して、成熟したトランスジェニック植物体(すなわち、非生殖系列形質転換体)を生成できない。
この実施形態では、シュートは、形質転換された細胞の集団から再生される。植物シュートは、当業者にはよく知られており、地上維管束植物部分(それだけには限らないが、ステム、枝、芽、生殖器、葉および走根、球茎、根茎または塊茎などのシュート由来構造を含む)、植物組織および種子または切断部分から発達する植物細胞を含む。
上記の形質転換技術のいずれかによって製造される形質転換されたダイズ植物細胞を、培養して、形質転換された遺伝子型、ひいては、所望の表現型を有する成熟ダイズ植物体を再生できる。このような再生技術は、組織培養成長培地中の特定の植物ホルモンの操作に頼るものであり、通常、所望のヌクレオチド配列と一緒に導入されている殺生物剤および/または除草剤マーカーに頼る。培養されたプロトプラストからの植物再生は、Evans, et al., "Protoplast Isolation and Culture" in Handbook of Plant Cell Culture, pp. 124-176, Macmillian Publishing Company, New York, 1983;およびBinding, Regeneration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985に記載されている。再生はまた、植物カルス、外植片、器官、花粉、胚またはその一部からも得られ得る。このような再生技術は、Klee et al. (1987) Ann. Rev. of Plant Phys. 38:467-486に全般的に記載されている。
植物を再生するための方法論は、当業者に公知であり、例えば、Plant Cell and Tissue Culture, 1994, Vasil and Thorpe Eds. Kluwer Academic Publishersにおいて、およびPlant Cell Culture Protocols (Methods in Molecular Biology 111, 1999 Hall Eds Humana Press)において見出すことができる。一般に、本明細書において記載される修飾されたダイズ植物は、発酵培地において培養し、土壌などの適した培地において成長させてもよい。いくつかの実施形態では、高等植物の適した成長培地は、それだけには限らないが、土壌、砂、根成長または水耕培養を支持する任意のその他の粒状培地(例えば、バーミキュライト、パーライトなど)ならびに高等植物の成長を促進する適した光、水および栄養補助物質を含めた、植物のための任意の成長培地であり得る。
この実施形態では、形質転換された細胞の集団によって生成されたシュートが単離される。本明細書において、用語「単離された」または「単離すること」とは、その他の植物構造または組織からのシュートの回収を指し、その結果、回収されたシュートは、その他の植物構造または組織を実質的に含まない。そのようなものとして、シュートは、シュートが、全体的にまたは一部分において、組織培養において普通関連しているその他の成分を持たない。
この実施形態では、シュートは、グルホシネートを含有する選択発根培地と接触される。本明細書において、用語「接触された」または「接触している」とは、単離されたシュートを選択発根培地と接触させることを指す。したがって、「接触された」または「接触している」とは、単離されたシュートを発根培地と物理的に極接近させるよう、単離されたシュートが発根培地と触れることをもたらし得る。さらに、「接触された」または「接触している」とは、発根培地内に埋め込まれている単離されたシュートをもたらし得る。本明細書において、用語「選択発根培地」とは、基礎塩、炭素供給源、ビタミン、ミネラルおよび植物の植物ホルモンを含む組織培養培地を指す。実施形態では、植物の植物ホルモンは、種々の濃度または割合で提供され得、これでは、根組織が、選択発根培地上に置かれた未分化細胞から発達し、増殖する。実施形態では、選択発根培地は、グルホシネートを含有する。実施形態では、選択発根培地は、2,4−Dを含有する。
この実施形態では、再生され単離されたシュートは、グルホシネートの存在下で培養される。本明細書において、用語「培養された」または「培養している」とは、組織培養条件下で意図的に成長された(細胞の大きさ、細胞内含量および/または細胞活性の増大)およびまたは増殖された(有糸分裂による細胞数の増大)、植物、植物部分または植物細胞を指す。実施形態では、形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートは、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出す。実施形態では、形質転換された非生殖系列細胞によって生成された、再生され単離されたシュートは、グルホシネートの存在下で生存可能な根を作り出さない。本明細書において、用語「生存可能な根」とは、選択発根培地内で増殖可能である根を指す。したがって、生存可能な根は、選択発根および培地内で組織再生および成長可能である。植物の根は、当業者に周知であり、地中または組織培養培地の表面の下に残り、その後、植物中いたるところに転位置される栄養分を得る植物の部分(それだけには限らないが、一次根、二次根、三次根、四次根、側根、根毛、冠根および支柱根を含む)を指す。
特定の実施形態では、非生殖系列形質転換体は、褐色である非生存可能な根を生成する。その他の実施形態では、非生殖系列形質転換体は、黒色である非生存可能な根を生成する。さらなる実施形態では、非生殖系列形質転換体は、根構造を全く生成しない。
この実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートは、シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって同定される。本明細書において、用語「同定された」または「同定している」とは、どの植物シュート(単数または複数)がダイズ生殖系列形質転換体から作り出されるかを決定することおよびダイズ非生殖系列形質転換体から作り出されるその他の植物シュート(単数または複数)からこれらの植物シュート(単数または複数)選択することを指す。
本開示は、ダイズ非生殖系列形質転換体、特に、L1組織層に由来する形質転換体を含む特定のトランスジェニックダイズ植物を同定するために利用され得る。特に、開示されたダイズ形質転換法によって製造されたダイズ非生殖系列形質転換体は、発達中の根を肉眼で観察することによって形質転換プロセスにおいて早期に同定される。特定の実施形態では、非生殖系列形質転換体は、褐色である非生存可能な根を生成する。その他の実施形態では、非生殖系列形質転換体は、黒色である非生存可能な根を生成する。さらなる実施形態では、非生殖系列形質転換体は、根構造を全く生成しない。L1組織層内に組み込まれた導入遺伝子を含む、開示されたダイズ形質転換法によって製造されたダイズ非生殖系列形質転換体は、導入遺伝子をダイズ植物のその後の世代に伝達可能ではない。
形質転換されたダイズ植物細胞、カルス、組織または植物は、操作された植物材料を、形質転換DNA上に存在するマーカー遺伝子によってコードされる形質について選択またはスクリーニングすることによって同定および単離され得る。例えば、選択は、形質転換遺伝子構築物がそれに対する抵抗性を付与する抗生物質または除草剤の阻害量を含有する培地で、操作された植物材料を成長させることによって実施され得る。さらに、形質転換された植物および植物細胞はまた、組換え核酸構築物上に存在し得る、任意の目に見えるマーカー遺伝子(例えば、ベータ−グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼまたはgfp遺伝子)の活性についてスクリーニングすることによって同定され得る。このような選択およびスクリーニング方法論は、当業者には周知である。
本開示に従う導入遺伝子を含有するトランスジェニックダイズ植物は、例えば、分子を含む第1の親植物および第2の親植物を、雌雄を掛け合わせ、それによって、複数の第1の後代植物を製造することを含めた選択育種によって製造され得る。次いで、選択マーカー(例えば、グルホシネート、それに対する抵抗性は、本明細書における異種分子によって後代植物に付与され得る)に対して抵抗性である第1の後代植物が選択され得る。次いで、第1の後代植物は、自家受粉され、それによって、複数の第2の後代植物が製造され得る。次いで、選択マーカーに対して抵抗性である第2の後代植物が選択され得る。これらのステップは、第1の後代植物または第2の後代植物を、第2の親植物または第3の親植物物と戻し交雑することをさらに含み得る。
2種の異なるトランスジェニックダイズ植物も、2種の独立に分離する、付加された外因性遺伝子を含有する子孫を製造するために交配され得るということは理解されるべきである。適当な後代の自家受粉は、付加された、外因性遺伝子の両方についてホモ接合体である植物をもたらす。栄養繁殖と同様に、親植物に戻し交雑すること非トランスジェニック植物と外交配することも考慮される。異なる形質および作物のために一般に使用されるその他の育種方法は、当技術分野で公知である。戻し交雑育種は、単純に遺伝される、高度に遺伝性の形質について、反復親である望ましいホモ接合体栽培品種または近交系に遺伝子を転移させるために使用されてきた。得られた植物は、反復親(例えば、栽培品種)の特質およびドナー親から転移された望ましい形質を有すると予測される。最初の交配後、ドナー親の表現型を有する個体が、選択され、反復親に反復して交配される(戻し交雑)。得られた親は、反復親(例えば、栽培品種)の特質およびドナー親から転移された望ましい形質を有すると予測される。
導入遺伝子はまた、相同組換えによって、植物ゲノムの所定の領域中に導入され得る。相同組換えによって、植物細胞の特定の染色体部位内にポリヌクレオチド配列を安定に組み込むための方法は、当技術分野内で記載されている。例えば、米国特許出願公開番号第2009/0111188 A1号に記載されるような部位特異的組込みは、ドナーポリヌクレオチド配列の染色体標的への導入を媒介するための、リコンビナーゼまたはインテグラーゼの使用を含む。さらに、国際特許公開番号WO2008/021207には、1種または複数のドナーポリヌクレオチド配列をゲノムの特定の位置内に安定に組み込むためのジンクフィンガー媒介性相同組換えが記載されている。米国特許第6,720,475号に記載されるようなFLP/FRTまたは米国特許第5,658,772号に記載されるようなCRE/LOXなどのリコンビナーゼの使用が、ポリヌクレオチド配列を特定の染色体部位に安定に組み込むために利用され得る。最後に、ドナーポリヌクレオチドを特定の染色体位置へターゲッティングするためのメガヌクレアーゼの使用は、Puchta et al., PNAS USA 93 (1996) pp. 5055-5060)に記載されている。
植物細胞内の部位特異的組込みのためのその他の種々の方法は、一般に、公知であり、適用可能である(Kumar et al., Trends in Plant Sci. 6(4) (2001) pp. 155-159)。さらに、いくつかの原核生物および下等真核生物において同定されている部位特異的組換え系は、植物における使用に適用され得る。このような系の例として、それだけには限らないが、酵母ザイゴサッカロミセス・ルキシー(Zygosaccharomyces rouxii)のpSR1プラスミドに由来するR/RSリコンビナーゼ系(Araki et al. (1985) J. Mol. Biol. 182: 191-203)およびファージMuのGin/gix系(Maeser and Kahlmann (1991) Mol. Gen. Genet. 230: 170-176)が挙げられる。
本明細書に開示されるいくつかの実施形態では、形質転換は、アグロバクテリウム形質転換、微粒子銃、リン酸カルシウム形質転換、ポリブレン形質転換、プロトプラスト融合形質転換、エレクトロポレーション形質転換、超音波形質転換、リポソーム形質転換、マイクロインジェクション形質転換、裸のDNA形質転換、プラスミドベクター形質転換、ウイルスベクター形質転換、シリコンカーバイド媒介性形質転換、エアゾールビーミング形質転換またはPEG形質転換からなる群から選択される(elected)形質転換法を使用する。いくつかの実施形態では、形質転換は、アグロバクテリウム形質転換法を使用する。
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、ダイズ植物の細胞の集団は、ダイズ植物組織を含む。その他の実施形態では、ダイズ植物組織は、L2/L3組織層またはL1組織層を含む。いくつかの実施形態では、L2/L3組織層は、生殖系列細胞を含む。いくつかの実施形態では、L1組織層は、非生殖系列細胞を含む。
別の実施形態では、L2/L3組織層は、成長点ダイズ植物組織、根ダイズ植物組織および維管束ダイズ植物組織からなる群から選択される。成長点組織は、頂端分裂組織、一次分裂組織または側部分裂組織を含む。これらの未分化組織は、新規細胞の分裂を経て、これらは植物組織の成長または修復のために使用され、活発に分裂する細胞の領域として特性決定される。細胞分裂は成長点組織においてのみ起こる。茎頂に局在する頂端分裂組織は、シュート伸長に直接関与している。維管束分裂組織などの側部分裂組織は、内部成長に関与する。側部分裂組織細胞は確立された植物茎を取り囲み、それらを側面方向に成長させる。維管束組織は、柔組織細胞、厚壁組織細胞、線維細胞および輸送に関与しているその他の細胞(例えば、導管、仮導管、木部または師部)からなる分化した細胞の混合物である。これらの種類の細胞は、水および栄養素などの流体を植物細胞内で内部的に輸送する。
さらに別の実施形態では、L1組織層は、表層ダイズ植物組織、基本ダイズ植物組織およびマントルダイズ植物組織からなる群から選択される。表層および基本組織は、柔組織細胞、厚壁組織細胞および厚角組織細胞で構成されている非成長点組織(すなわち、非分裂組織)である。表層組織は、植物の葉、根、茎、果実または種子の最外細胞層を含む。基本組織は、柔組織細胞、厚壁組織細胞、緑色組織および厚角組織細胞で構成されている単純な非成長点組織である。これらの細胞型は、一般に、茎の髄および皮層を形成する。
いくつかの実施形態では、成長点ダイズ植物組織は、頂端分裂組織、一次成長点または側部成長点のうち1種または複数を含む。その他の実施形態では、維管束ダイズ植物組織は、木部または師部からなる群から選択される。別の実施形態では、表層ダイズ植物組織は、表皮を含む。さらに別の実施形態では、表層ダイズ植物組織は、周皮を含む。
いくつかの実施形態では、導入遺伝子は、少なくとも1種の遺伝子発現カセット内に含有される。導入遺伝子を含む遺伝子発現カセットを植物中に導入するために広く利用される方法は、先に記載されるようなアグロバクテリウムの天然形質転換系に基づいている。いくつかの実施形態では、遺伝子発現カセットは、選択マーカー遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、選択マーカー遺伝子は、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子である。その他の実施形態では、遺伝子発現カセットは、形質遺伝子を含む。いくつかの実施形態では、遺伝子発現カセットは、RNAi遺伝子を含む。
一実施形態では、選択物質は、グルホシネートを含む。グルホシネート(DL−ホスフィノトリシン)は、広範囲の一年生および多年生の草および広葉雑草を制御する非選択性、接触除草剤である。グルホシネートは、グルタミンシンセターゼ阻害剤であり、グルタミンシンセターゼ酵素内のグルタミン酸部位と不可逆的に結合する。patおよびdsm−II遺伝子によって付与される、グルホシネートに対する耐性によって、効果的な除草剤耐性管理戦略の一部としてのさらなる作用様式の使用が可能となる。グルホシネート除草剤はまた、除草剤耐性植物を選択して、種子形質純度を維持するために育種苗床において選択物質として使用され得る。グルホシネートは、商標LIBERTY(登録商標)、BASTA(登録商標)およびIGNITE(登録商標)の下で市販され得る。いくつかの実施形態では、選択発根培地内のグルホシネート濃度は、少なくとも1.0mg/Lである。その他の実施形態では、選択発根培地中のグルホシネート濃度は、1.0mg/L〜10.00mg/Lである。別の実施形態では、選択発根培地中のグルホシネート濃度は、1.0mg/L〜6.0mg/Lである。さらに別の実施形態では、選択発根培地中のグルホシネート濃度は、1.0mg/Lである。
一実施形態では、選択物質は、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)を含む。2,4−Dの適用は、ほとんどの多年生の草が、2,4−Dに対して耐性であるので、広葉雑草を制御するために主に使用される。2,4−Dのほとんどの製剤が、植物の葉状部分に適用され、吸収され、植物組織中いたるところに転位置される。aad−1およびaad−12遺伝子によって付与される2,4−Dに対する耐性によって、効果的な除草剤耐性管理戦略の一部としてのさらなる作用様式の使用が可能となる。2,4−Dは、商標WEEDAR64(登録商標)、BARRAGE(登録商標)およびFRONTLINE(登録商標)の下で市販され得る。いくつかの実施形態では、選択発根培地内の2,4−D濃度は、少なくとも2.0mg/Lである。その他の実施形態では、選択発根培地中の2,4−D濃度は、2.0mg/L〜120.0mg/Lである。
種々の実施形態では、選択発根培地は、基礎塩、ビタミン、ミネラルおよび炭素供給源を含む。いくつかの実施形態では、発根培地中の基礎塩は、GamborgのB−5基礎塩(Gamborg, O.L., et al., Nutrient requirements of suspension cultures of soybean root cells. Exp. Cell Res. 50,151-158 (1968))、Schenk&Hildebrandt基礎塩(Schenk, R.U., and Hildebrandt A.C., Medium and techniques for induction and growth of monocoryleonous and dicotyledonous plant cell 50(1): 199-204 (1972))、Whiteの基礎塩(White, P.R., The Cultivation of Animal and Plant Cells, 2nd edition, Ronald Press, New York (1963))、Chu(N6)基礎塩(Chu, C.C., et al., Establishment of an efficient medium for anther culture of rice, through comparative experiments on the nitrogen sources Scientia Sin. 18,659-66 8 (1975))、DKW/Juglans基礎塩(Driver, J.A., and Kuniyuki, A.H., In vitro propagation of Paradox walnut Juglans hindsii x Juglans regia rootstock. HortScience 19, 507-509)、HoaglandのNo.2基礎塩(Hoagland, D.R., and Arnon, D.I.、The water-culture method for growing plants without soil Univ. Calif. Coll. Agric. Exp. Sta. Circ. Berkeley,CA 347-353 (1938))、Murashige&Skoog基礎塩(Murashige, T., and Skoog, F., A revised medium for rapid growth and bioassays with tobacco tissue cultures Physiol. Plant. 15,473-497 (1962))およびそれらの組合せを含む。
一実施形態では、基礎塩は、Murashige&Skoog基礎塩である。別の実施形態では、ビタミンは、GamborgのB−5ビタミン、MEMビタミン、Murashige&Skoogビタミン、Schenk&Hildebrandtビタミンおよびそれらの組合せからなる群から選択される。さらに別の実施形態では、ビタミンは、GamborgのB−5ビタミンである。
種々の実施形態では、発根培地中の炭素供給源は、グルコース、デキストロース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、グルクロン酸塩、ラクトースまたはグリセロールを含む。さらなる実施形態では、液体培地中において使用されるビタミンは、GamborgのB−5ビタミン(Gamborg, O.L., et al., Nutrient requirements of suspension cultures of soybean root cells. Exp. Cell Res. 50,151-158 (1968))、MEMビタミン(Sigma-Aldrich, St. Louis, MO)、Murashige&Skoogビタミン(Murashige, T., and Skoog, F., A revised medium for rapid growth and bioassays with tobacco tissue cultures. Physiol. Plant. 15,473-497 (1962))またはSchenk&Hildebrandtビタミン(Schenk, R.U., and Hildebrandt A.C., Medium and techniques for induction and growth of monocotyledonous and dicotyledonous plant cell 50(1): 199-204 (1972))を含む。その他の実施形態は、ミネラル、抗菌化合物、ホルモン、選択物質、塩、アミノ酸、第2の基礎塩、第2の炭素供給源および/または第2のビタミンを含む発根培地を提供する。最後に、本開示の実施形態は、液体または固体形態の発根培地を提供する。組成物を固化するために、寒天またはPHYTAGEL(商標)(Sigma−Aldrich、St.Louis、Mo.)が発根培地に添加され得る。種々の濃度の寒天またはPHYTAGEL(商標)を組み込んでもよく、当業者には公知である。一実施形態では、炭素供給源は、スクロースである。
特定の実施形態では、選択発根培地は、液体培地である。その他の実施形態では、選択発根培地は、固体培地である。
本開示の別の実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定するための第2の方法が提供される。方法は、ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、形質転換された細胞の集団が、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含むステップと、b)形質転換された細胞の集団からシュートを再生するステップと、c)形質転換された細胞の集団によって生成されたシュートを単離するステップと、d)単離され再生されたシュートを、選択発根培地に付すステップであって、(i)形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離され付されたシュートが、生存可能な根を作り出し、(ii)形質転換された非生殖系列細胞によって生成された、再生され単離され付されたシュートが、生存可能な根を作り出さないステップと、e)シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定するステップとを含む。ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法のこれまでに記載された実施形態はまた、本明細書において記載されるダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する第2の方法に適用可能である。
本開示のなおさらなる実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体を同定するための方法が提供される。方法は、a)ダイズ植物の細胞の集団を導入遺伝子を用いて形質転換するステップと、b)導入遺伝子を含むダイズ植物の形質転換された細胞の集団からシュートを再生するステップと、c)ダイズ植物の形質転換された細胞の集団から再生されたシュートを単離するステップであって、ダイズ植物の形質転換された細胞の集団が、導入遺伝子を含むステップと、d)再生され単離されたシュートを、1種または複数の選択物質を含む発根培地と接触させるステップと、e)生存可能な根を生成するために、再生され単離されたシュートを発根培地で培養するステップであって、生存可能な根の生成が、ダイズ生殖系列形質転換体を同定するステップとを含む。ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法のこれまでに記載された実施形態はまた、本明細書に記載されるダイズ生殖系列形質転換体を同定する方法に適用可能である。
本開示の別の実施形態では、ダイズ生殖系列形質転換体またはダイズ非生殖系列形質転換体を製造する方法が提供される。方法は、1つまたは複数の再生されたシュートを、選択物質を含む発根培地中で培養するステップを含み、これでは、1つまたは複数の再生されたシュートが、導入遺伝子を用いて形質転換されたダイズ細胞の集団から単離され、ダイズ非生殖系列形質転換体を含む1つまたは複数の再生されたシュートは、生存可能な根を生成せず、ダイズ生殖系列形質転換体を含む1つまたは複数の再生されたシュートは、生存可能な根を生成する。ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法およびダイズ生殖系列形質転換体を同定する方法のこれまでに記載された実施形態はまた、本明細書に記載されるダイズ生殖系列形質転換体またはダイズ非生殖系列形質転換体を製造する方法に適用可能である。
本開示のなおさらなる実施形態では、形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団からの生存可能な根の生成を止める方法が提供される。方法は、a)ダイズ細胞の集団を導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、ダイズ細胞の形質転換された集団が、形質転換された生殖系列ダイズ細胞の集団および形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団を含むステップと、b)ダイズ細胞の形質転換された集団から1つまたは複数のシュートを再生するステップと、c)ダイズ細胞の形質転換された集団から生成された、1つまたは複数の再生されたシュートを単離するステップと、d)1つまたは複数の再生され単離されたシュートを、選択物質を含む発根培地と接触させるステップと、e)1つまたは複数の再生され単離されたシュートを発根培地上で培養するステップであって、(i)形質転換された生殖系列ダイズ細胞の1つまたは複数の再生され単離されたシュートが、選択物質を含む発根培地の存在下で生存可能な根を生成し、(ii)形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の1つまたは複数の再生され単離されたシュートが、選択物質を含む発根培地の存在下で生存可能な根の生成を止めるステップとを含む。ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法、ダイズ生殖系列形質転換体を同定するための方法およびダイズ生殖系列形質転換体またはダイズ非生殖系列形質転換体を製造する方法のこれまでに記載された実施形態はまた、本明細書に記載される形質転換された非生殖系列ダイズ細胞の集団からの生存可能な根の生成を止めるための方法に適用可能である。
IV.農業形質をコードする配列
本明細書におけるいくつかの実施形態は、遺伝子発現カセットを含むポリペプチドをコードする導入遺伝子を提供する。このような導入遺伝子は、トランスジェニックダイズ植物を製造するためのさまざまな適用のいずれかにおいて有用であり得る。遺伝子発現カセットを含む導入遺伝子の特定の例が、本明細書において例示目的で提供され、形質遺伝子、RNAi遺伝子または選択マーカー遺伝子を含む遺伝子発現が挙げられる。
ダイズ植物における発現のための遺伝子の操作では、予定される宿主植物(複数可)のコドンバイアスは、例えば、植物ゲノムまたは種々の植物遺伝子のタンパク質コーディング領域のコドン分布についての情報を見出すために公的に入手可能なDNA配列データベースの使用によって決定され得る。
植物発現のための核酸中のコーディング領域の設計では、植物によって好まれる主要な(「第一選択」)コドンが決定されなければならず、複数の選択が存在する場合には、好ましいコドンの第2、第3、第4などの選択が同様であり得る。次いで、同一ペプチドのアミノ酸配列をコードする新規DNA配列が設計され得るが、新規DNA配列は、元のDNA配列とは、アミノ酸配列内の各位置でアミノ酸を特定する植物の(第1に好ましい、第2に好ましい、第3に好ましい、または第4に好ましいなど)コドンの置換によって異なる。
次いで、新規配列は、修飾によって作製された可能性がある制限酵素部位について分析され得る。同定された部位は、コドンを、第1、第2、第3、第4選択の好ましいコドンと置換することによってさらに修飾され得る。対象とする遺伝子の転写または翻訳に影響を及ぼし得る、配列中のその他の部位として、ステム−ループ構造、エクソン:イントロン接合部(5’または3’)、ポリA付加シグナルおよびRNAポリメラーゼ終結シグナルがあり;これらの部位は、植物コドンの置換によって除去され得る。配列は、TAまたはCGの対を低減するよう、さらに分析および修飾され得る。これらの対に加えて、同一である約6個を超える残基を有するGまたはC配列ブロックは、配列の転写または翻訳に影響を及ぼし得る。したがって、これらのブロックは、第1または第2選択のコドンを、次に好ましい選択のコドンと置換することによって修飾され得る。
最適化された(例えば、植物に最適化された)DNA配列が、書類上で、またはコンピュータで設計されると、設計された配列と正確に配列において対応するよう、実際のDNA分子が実験室で合成され得る。このような合成核酸分子(単数または複数)は、クローニングされてもよく、そうではなく、天然のまたは生来の供給源に由来するかのように正確に操作されてもよい。
本明細書における核酸は、複製および/または発現のための原核細胞または真核細胞への形質転換のためにベクター中にクローニングされ得る。ベクターは、原核生物ベクター、例えば、プラスミドまたはシャトルベクター、昆虫ベクターまたは真核生物ベクターであり得る。本明細書において核酸は、例えば、植物細胞への投与のために発現ベクター中にクローニングされ得る。特定の適用では、大腸菌(E. coli)において機能的であるベクターを有することが好ましいことであり得る(例えば、抗体を作製するためのタンパク質の製造、DNA配列分析、インサートの構築、核酸の量を獲得すること)。
一実施形態では、発現されるべき導入遺伝子は、対象適用において開示される。遺伝子発現カセットは、選択マーカー遺伝子、形質遺伝子またはRNAi遺伝子を含み得る。選択マーカー遺伝子、形質遺伝子およびRNAi遺伝子の例は、以下にさらに提供される。本願に開示される方法は、それらが、導入遺伝子のタンパク質産物の特定の機能またはその他の機能に左右されない生殖系列形質転換体を選択するための方法を提供する点で有利である。
有害生物または疾患に対して抵抗性を付与する導入遺伝子またはコード配列
(A)植物疾患抵抗性遺伝子。植物防御は、植物中の疾患抵抗性遺伝子(R)の生成物と、病原体中の対応する病原性(Avr)遺伝子の生成物間の特定の相互作用によって活性化されることが多い。ある植物の種類が、クローニングされた抵抗性遺伝子を用いて形質転換され、特定の病原体株に対して抵抗性である植物に操作できる。このような遺伝子の例として、クラドスポリウム・フルブム(Cladosporium fulvu)に対する抵抗性のための、トマトCf−9遺伝子(Jones et al., 1994 Science 266:789)、トマト斑葉細菌病に対する抵抗性のためのプロテインキナーゼをコードする、トマトPto遺伝子(Martin et al., 1993 Science 262:1432)およびシュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)に対する抵抗性のための、アラビドプシス属(Arabidopsis)RSSP2遺伝子(Mindrinos et al.、1994 Cell 78:1089)が挙げられる。
(B)Bt δ−エンドトキシン遺伝子のヌクレオチド配列などの、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)タンパク質、その誘導体またはそれをモデルにした合成ポリペプチド(Geiser et al., 1986 Gene 48:109)および栄養型殺虫性(VIP)遺伝子(例えば、Estruch et al. (1996) Proc. Natl. Acad. Sci. 93:5389-94を参照のこと)。さらに、δ−エンドトキシン遺伝子をコードするDNA分子は、American Type Culture collection (Rockville、Md.)からATCC受託番号40098、67136、31995および31998の下で購入できる。
(C)いくつかのクンシラン(Clivia miniata)マンノース結合レクチン遺伝子のヌクレオチド配列などの、レクチン(Van Damme et al., 1994 Plant Molec. Biol. 24:825)。
(D)昆虫有害生物に対する殺うじ剤として有用であるアビジンおよびアビジン相同体などの、ビタミン結合タンパク質。米国特許第5,659,026号を参照のこと。
(E)酵素阻害剤、例えば、プロテアーゼ阻害剤またはアミラーゼ阻害剤。
このような遺伝子の例として、イネシステインプロテイナーゼ阻害剤(Abe et al., 1987 J. Biol. Chem. 262:16793)、タバコプロテイナーゼ阻害剤I(Huub et al., 1993 Plant Molec. Biol. 21:985)およびα−アミラーゼ阻害剤(Sumitani et al., 1993 Biosci. Biotech. Biochem. 57:1243)が挙げられる。
(F)昆虫特異的ホルモンまたはフェロモン、例えば、エクジステロイドおよび幼若ホルモンその変異体、それをベースとしたミメティックまたはそのアンタゴニストもしくはアゴニスト、例えば、クローニングされた幼若ホルモンエステラーゼのバキュロウイルス発現、幼若ホルモンの不活化(Hammock et al., 1990 Nature 344:458)。
(G)発現すると、影響を受ける有害生物の生理学を撹乱する、昆虫特異的ペプチドまたはニューロペプチド(J. Biol. Chem. 269:9)。このような遺伝子の例として、昆虫利尿ホルモン受容体(Regan, 1994)、ディプロプテラ・プンクタータ(Diploptera punctata)において同定されたアロスタチン(allostatin)(Pratt,1989)および昆虫特異的、麻痺性神経毒(米国特許第5,266,361号)が挙げられる。
(H)蛇、スズメバチなどによって天然に産生される昆虫特異的毒液、例えば、サソリ昆虫毒ペプチド(Pang, 1992 Gene 116:165)。
(I)モノテルペン、セスキテルペン、ステロイド、ヒドロキサム酸、フェニルプロパノイド誘導体または殺虫活性を有する別の非タンパク質分子の高度集積に関与している酵素
(J)生物学的に活性な分子の翻訳後修飾を含めた、修飾に関与している酵素、例えば、天然または合成にかかわらず、解糖酵素、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、ヌクレアーゼ、シクラーゼ、トランスアミナーゼおよびエステラーゼ、ヒドロラーゼ、ホスファターゼ、キナーゼ、ホスホリラーゼ、ポリメラーゼ、エラスターゼ、キチナーゼおよびグルカナーゼ。このような遺伝子の例として、callas遺伝子(PCT公開出願WO93/02197)、キチナーゼをコードする配列(例えば、ATCCから受託番号3999637および67152の下で入手できる)、タバコ鉤虫キチナーゼ(Kramer et al., 1993 Insect Molec. Biol. 23:691)およびパセリubi4−2ポリユビキチン遺伝子(Kawalleck et al., 1993 Plant Molec. Biol. 21:673)が挙げられる。
(K)シグナル変換をシミュレートする分子。このような分子の例として、リョクトウカルモジュリンcDNAクローンのヌクレオチド配列(Botella et al., 1994 Plant Molec. Biol. 24:757)およびトウモロコシカルモジュリンcDNAクローンのヌクレオチド配列(Griess et al., 1994 Plant Physiol. 104:1467)が挙げられる。
(L)疎水性モーメントペプチド。米国特許第5,659,026号および同5,607,914号を参照のこと;後者は、疾患抵抗性を付与する合成抗菌ペプチドを教示している。
(M)膜透過酵素、チャネル形成剤またはチャネル遮断剤、例えば、トランスジェニックタバコ植物をシュードモナス・ソラナセアラム(Pseudomonas solanacearum)に対して抵抗性にする、セクロピン−ベータ溶菌性ペプチド類似体(Jaynes et al., 1993 Plant Sci. 89:43)。
(N)ウイルス侵襲性タンパク質またはそれに由来する複合毒素。例えば、形質転換植物細胞におけるウイルスコートタンパク質の蓄積は、ウイルス感染および/またはコートタンパク質遺伝子が由来するウイルスによって、ならびに関連ウイルスによって達成される疾患発生に対する抵抗性を与える。アルファルファモザイクウイルス、キュウリモザイクウイルス、タバコ条斑ウイルス、ジャガイモウイルスX、ジャガイモウイルスY、タバコエッチウイルス、タバコ茎えそウイルスおよびタバコモザイクウイルスに対して、コートタンパク質媒介性抵抗性が形質転換植物に付与されている。例えば、Beachy et al. (1990) Ann. Rev. Phytopathol. 28:451を参照のこと。
(O)昆虫特異的抗体またはそれに由来する免疫毒素。したがって、昆虫腸において重大な代謝機能にターゲッティングされる抗体は、影響を受ける酵素を不活化し、昆虫を死滅させる。例えば、Taylor et al. (1994) Abstract #497、Seventh Int'l. Symposium on Molecular Plant-Microbe Interactionsは、一本鎖抗体断片の製造によるトランスジェニックタバコにおける酵素性不活性化を示す。
(P)ウイルス特異的抗体。例えば、組換え抗体遺伝子を発現するトランスジェニック植物は、ウイルス攻撃から保護されるということを示すTavladoraki et al. (1993) Nature 266:469を参照のこと。
(Q)病原体または寄生生物によって天然に生成される発達遅延性タンパク質。したがって、真菌エンドα−1,4−Dポリガラクツロナーゼは、植物細胞壁ホモ−α−1,4−D−ガラクツロナーゼを可溶化することによって、真菌コロニー形成および植物栄養放出を促進する(Lamb et al., (1992) Biotechnology 10:1436。マメエンドポリガラクツロナーゼ阻害性タンパク質をコードする遺伝子のクローニングおよび特性決定が、Toubart et al. (1992 Plant J. 2:367)に記載されている。
(R)植物によって天然に生成される発達遅延性タンパク質、例えば、真菌疾患に対する増大した抵抗性を提供するオオムギリボソーム不活化遺伝子(Longemann et al., 1992)。Biotechnology 10:3305。
(S)RNA分子が、標的遺伝子の発現を阻害するために使用される、RNA干渉。一例では、RNA分子は、部分的または完全に二本鎖であり、サイレンシング反応を引き起こし、dsRNAの低分子干渉RNAへの切断をもたらし、次いで、これが、相同mRNAを破壊するターゲッティング複合体中に組み込まれる。例えば、Fire et al.、米国特許第6,506,559号;Graham et al. 6,573,099を参照のこと。
除草剤に対する抵抗性を付与する遺伝子
(A)成長点または分裂組織を阻害する除草剤、例えば、イミダゾリノン(imidazalinone)、スルホンアニリドまたはスルホニル尿素除草剤に対する抵抗性または耐性をコードする遺伝子。このカテゴリー中の例示的遺伝子は、突然変異体ALS酵素をコードし(Lee et al., 1988 EMBOJ. 7:1241)、これは、AHAS酵素としても知られている(Miki et al., 1990 Theor. Appl. Genet. 80:449)。
(B)突然変異体EPSPシンターゼおよびaroA遺伝子によって、またはGAT(グリホサートアセチルトランスフェラーゼ)もしくはGOX(グリホサートオキシダーゼ)などの遺伝子およびグルホシネート(patおよびbar遺伝子;DSM−2)などのその他のホスホノ化合物ならびにアリールオキシフェノキシプロピオン酸およびシクロヘキサンジオン(ACCアーゼ阻害剤をコードする遺伝子)による代謝不活性化によって与えられる、グリホサートに対する抵抗性または耐性をコードする1種または複数のさらなる遺伝子。例えば、グリホサート抵抗性を付与できるEPSPの形態のヌクレオチド配列を開示する米国特許第4,940,835号を参照のこと。突然変異体aroA遺伝子をコードするDNA分子は、ATCC受託番号39256の下で得ることができ、突然変異体遺伝子のヌクレオチド配列は、米国特許第4,769,061号に開示されている。欧州特許出願番号0333033および米国特許第4,975,374号には、L−ホスフィノトリシンなどの除草剤に対する抵抗性を付与するグルタミンシンセターゼ遺伝子のヌクレオチド配列が開示されている。ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は、欧州特許出願0242246に提供されている。De Greef et al. (1989) Biotechnology 7:61には、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ活性のためにキメラbar遺伝子コーディングを発現するトランスジェニック植物の製造が記載されている。アリールオキシフェノキシプロピオン酸およびセトキシジムおよびハロキシフォップなどのシクロヘキサンジオンに対する抵抗性を付与する遺伝子の例示的なものとして、Marshall et al. (1992) Theor. Appl. Genet. 83:435に記載される、Accl−S1、Accl−S2およびAccl−S3遺伝子がある。
(C)光合成を阻害する除草剤、例えば、トリアジンに対する抵抗性または耐性をコードする遺伝子(psbAおよびgs+遺伝子)およびベンゾニトリル(ニトリラーゼ遺伝子)。Przibilla et al. (1991) Plant Cell 3:169には、クラミドモナス(Chlamydomonas)を形質転換するための突然変異体psbA遺伝子をコードするプラスミドの使用が記載されている。ニトリラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列は、米国特許第4,810,648号に開示されており、これらの遺伝子を含有するDNA分子は、ATCC受託番号53435、67441および67442の下で入手可能である。グルタチオンS−トランスフェラーゼのDNAコーディングのクローニングおよび発現は、Hayes et al. (1992) Biochem. J. 285:173に記載されている。
(D)ヒドロキシフェニルピルビン酸ジオキシゲナーゼ(HPPD)、パラ−ヒドロキシフェニルピルビン酸(HPP)がホモゲンチジン酸に形質転換される反応を触媒する酵素と結合する除草剤に対する抵抗性または耐性をコードする遺伝子。これは、イソキサゾール(EP418175、EP470856、EP487352、EP527036、EP560482、EP682659、米国特許第5,424,276号)、特に、トウモロコシの選択的除草剤であるイソキサフルトール、ジケトニトリル(EP496630、EP496631)、特に、2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO2CH3−4−CF3フェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび2−シアノ−3−シクロプロピル−1−(2−SO2CH3−4−2,3Cl2フェニル)プロパン−1,3−ジオン、トリケトン(EP625505、EP625508、米国特許第5,506,195号)、特に、スルコトリオンおよびピラゾリネートなどの除草剤を含む。例えば、米国特許第6,268,549号および同6,245,968号および米国特許出願公開番号第20030066102号に記載される遺伝子を含めた、植物において過剰量のHPPDを生成する遺伝子は、このような除草剤に対する耐性または抵抗性を提供し得る。
(E)遺伝子。フェノキシオーキシン除草剤、例えば、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)に対する抵抗性または耐性をコードし、アリールオキシフェノキシプロピオネート(AOPP)除草剤に対する抵抗性または耐性も付与する遺伝子。このような遺伝子の例として、米国特許第7,838,733号に記載される、α−ケトグルタレート依存性ジオキシゲナーゼ酵素(aad−1)遺伝子が挙げられる。
(F)2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D)などのフェノキシオーキシン除草剤に対する抵抗性または耐性をコードし、フルロキシピルまたはトリクロピルなどのピリジルオキシオーキシン除草剤に対する抵抗性または耐性も付与し得る遺伝子。このような遺伝子の例として、WO2007/053482 A2に記載されるα−ケトグルタレート依存性ジオキシゲナーゼ酵素遺伝子(aad−12)が挙げられる。
(G)ジカンバに対する抵抗性または耐性をコードする遺伝子(例えば、米国特許公開第20030135879号を参照のこと)。
(H)プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(PPO)を阻害する除草剤に対する抵抗性または耐性を提供する遺伝子(米国特許第5,767,373号を参照のこと)。
(I)光化学系II反応中心(PS II)のコアタンパク質と結合する、トリアジン除草剤(アトラジンなど)および尿素誘導体(ジウロンなど)除草剤に対する抵抗性または耐性を提供する遺伝子(Brussian et al., (1989) EMBO J. 1989, 8(4): 1237-1245を参照のこと)。
価値が付加された形質を付与するか、またはそれに貢献する遺伝子
(A)植物のステアリン酸含量を増大させるために、例えば、アンチセンス遺伝子またはステアロイル−ACP不飽和化酵素を用いて、トウモロコシまたはアブラナ属(Brassica)を形質転換することによって修飾された脂肪酸代謝(Knultzon et al., 1992)、Proc. Nat. Acad. Sci. USA 89:2624。
(B)減少したフィチン酸含量
(1)クロコウジカビ(Aspergillus niger)フィターゼ遺伝子などのフィターゼをコードする遺伝子の導入(Van Hartingsveldt et al., 1993 Gene 127:87)は、フィチン酸の分解を増強し、より多くの遊離リン酸を形質転換植物に付加する。
(2)フィチン酸含量を低下させる遺伝子は、導入され得る。トウモロコシでは、これは、例えば、クローニングすることおよび次いで、低レベルのフィチン酸を特徴とするトウモロコシ突然変異体と関連している単一の対立遺伝子と関連しているDNAを再導入することによって達成され得る(Raboy et al., 1990 Maydica 35:383)。
(C)例えば、植物を、デンプンの分岐パターンを変更する酵素の遺伝子コーディングを用いて形質転換することによって達成される修飾された炭水化物組成物。このような酵素の例として、ストレプトコッカス・ミューカス(Streptococcus mucus)フルクトース転移酵素遺伝子(Shiroza et al., 1988) J. Bacteriol. 170:810、バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis)レバンスクラーゼ遺伝子(Steinmetz et al., 1985 Mol. Gen. Genel. 200:220)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)α−アミラーゼ(Pen et al., 1992 Biotechnology 10:292)、トマトインベルターゼ遺伝子(Elliot et al.、1993)、オオムギアミラーゼ遺伝子(Sogaard et al., 1993 J. Biol. Chem. 268:22480)およびトウモロコシ胚乳デンプン分岐酵素II(Fisher et al., 1993 Plant Physiol. 102:10450)が挙げられる。
ダイズ細胞において選択マーカー遺伝子、形質遺伝子またはRNAi遺伝子を発現するために、タンパク質をコードする核酸は、通常、転写を指示するようにプロモーターを含有する発現ベクター中にサブクローニングされる。適した細菌および真核細胞プロモーターは、当技術分野で周知であり、例えば、Sambrook et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual (2nd ed. 1989; 3rd ed., 2001);Kriegler, Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual (1990); and Current Protocols in Molecular Biology (Ausubel et al., 前掲)に記載されている。本明細書における核酸を発現させるための細菌発現系は、例えば、大腸菌(E. coli)、バチルス属種(Bacillus sp.)およびサルモネラ(salmonella)において入手可能である(Palva et al., Gene 22:229-235 (1983))。このような発現系のキットは、市販されている。哺乳類細胞、酵母および昆虫細胞のための真核生物発現系は、当業者には周知であり、同様に市販されている。
遺伝情報を細胞中に輸送するために使用される特定の発現ベクターは、意図される使用(例えば、植物、動物、細菌、真菌および原虫における発現)に関して選択される。標準細菌および動物発現ベクターは、当技術分野で公知であり、例えば、米国特許公開20050064474A1および国際特許公報WO05/084190、WO05/014791およびWO03/080809に詳細に記載されている。多量のタンパク質を発現する細菌細胞株を製造するために、標準トランスフェクション法が使用され得、次いで、それは、標準技術を使用して精製され得る。
本明細書における核酸の発現を指示するために使用されるプロモーターの選択は、個々の適用に応じて変わる。植物における遺伝子の発現を指示するいくつかのプロモーターは、本明細書における実施形態において使用され得る。このようなプロモーターは、構成的プロモーター、化学調節性プロモーター、誘導性プロモーター、組織特異的プロモーターおよび種子優先(seed-preferred)プロモーターから選択され得る。例えば、宿主細胞に適している強力な構成的プロモーターが、発現されたタンパク質の発現および精製のために使用され得る。植物プロモーターの限定されない例として、シロイヌナズナ(A.thaliana)ユビキチン−10(ubi-10)(Callis, et al., 1990, J. Biol. Chem., 265:12486-12493);A.ツメファシエンス(A.tumefaciens)マンノピンシンターゼ(Δmas)(Petolino et al.、米国特許第6,730,824号);および/またはキャッサバ葉脈モザイクウイルス(CsVMV)(Verdaguer et al., 1996, Plant Molecular Biology 31:1129-1139)に由来するプロモーター配列が挙げられる。
構成的プロモーターとして、例えば、コアカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーター(Odell et al. (1985) Nature 313:810-812);イネアクチンプロモーター(McElroy et al. (1990) Plant Cell 2:163-171);トウモロコシユビキチンプロモーター(米国特許第5,510,474号;Christensen et al. (1989) Plant Mol. Biol. 12:619-632およびChristensen et al. (1992) Plant Mol. Biol. 18:675-689);pEMUプロモーター(Last et al. (1991) Theor. Appl. Genet. 81:581-588);ALSプロモーター(米国特許第5,659,026号);トウモロコシヒストンプロモーター(Chaboute et al. Plant Molecular Biology, 8:179-191 (1987))などが挙げられる。
利用可能な植物適合プロモーターの範囲は、組織特異的および誘導性プロモーターを含む。誘導性調節エレメントは、誘導物質に応じて1種または複数のDNA配列または遺伝子の転写を直接的または間接的に活性化できるものである。誘導物質の不在下で、DNA配列または遺伝子は転写されない。通常、誘導性調節エレメントと特異的に結合して転写を活性化するタンパク質因子は、不活性形態で存在し、これは、次いで、誘導物質によって、直接的または間接的に活性形態に変換される。誘導物質は、熱、冷温、塩または毒性要素によって直接的に、またはウイルスなどの病原体もしくは病因物質の作用によって間接的に課せられる、タンパク質、代謝生成物、成長調節物質、除草剤またはフェノール系化合物などの化学物質または生理学的ストレスであり得る。通常、誘導性調節エレメントと特異的に結合して、転写を活性化するタンパク質因子は、不活性形態で存在し、これは、次いで、誘導物質によって、直接的または間接的に活性形態に変換される。誘導性調節エレメントを含有する植物細胞は、噴霧、灌水、加熱または同様の方法によってなど、細胞または植物に誘導物質を外的に適用することによって誘導物質に曝露され得る。
本明細書における実施形態では、任意の誘導プロモーターが使用され得る。Ward et al. Plant Mol. Biol. 22: 361-366 (1993)を参照のこと。誘導プロモーターとして、例えば、限定するものではないが、エクジソン受容体プロモーター(米国特許第6,504,082号);銅に反応するACE1系に由来するプロモーター(Mett et al. PNAS 90: 4567-4571 (1993));ベンゼンスルホンアミド除草剤解毒剤に反応するトウモロコシ由来のIn2−1およびIn2−2遺伝子(米国特許第5,364,780号;Hershey et al., Mol. Gen. Genetics 227: 229-237 (1991)およびGatz et al., Mol. Gen. Genetics 243: 32-38 (1994));Tn10由来のTetレプレッサー(Gatz et al., Mol. Gen. Genet. 227: 229-237 (1991);転写活性が糖質コルチコステロイドホルモンによって誘導される、ステロイドホルモン遺伝子に由来するプロモーター、Schena et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 88: 10421 (1991)およびMcNellis et al., (1998) Plant J. 14(2):247-257;発芽前除草剤として使用される疎水性求電子性化合物によって活性化されるトウモロコシGSTプロモーター(米国特許第5,965,387号および国際特許出願公開番号WO93/001294);およびサリチル酸によって活性化されるタバコPR−1aプロモーター(Ono S,, Kusama M, Ogura R, Hiratsuka K., "Evaluation of the Use of the Tobacco PR-1a Promoter to Monitor Defense Gene Expression by the Luciferase Bioluminescence Reporter System", Biosci Biotechnol Biochem. 2011 Sep 23;75(9):1796-800)が挙げられる。その他の化学物質によって調節される対象とするプロモーターとして、テトラサイクリン誘導性およびテトラサイクリン抑制性プロモーター(例えば、Gatz et al., (1991) Mol. Gen. Genet. 227:229-237および米国特許第5,814,618号および同5,789,156号を参照のこと)が挙げられる。
対象とするその他の調節可能なプロモーターとして、転写が、それぞれ、冷温または熱に対する曝露に応じて達成され得る、冷温反応性調節エレメントまたは熱ショック調節エレメント(Takahashi et al., Plant Physiol. 99:383-390, 1992);嫌気性条件によって誘導可能な、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーター(Gerlach et al., PNAS USA 79:2981-2985 (1982);Walker et al., PNAS 84(19):6624-6628 (1987))、エンドウマメrbcS遺伝子またはエンドウマメpsaDb遺伝子に由来する光誘導性プロモーター(Yamamoto et al. (1997) Plant J. 12(2):255-265);光誘導性調節エレメント(Feinbaum et al., Mol. Gen. Genet. 226:449, 1991;Lam and Chua, Science 248:471, 1990;Matsuoka et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90(20):9586-9590;Orozco et al. (1993) Plant Mol. Bio. 23(6):1129-1138);植物ホルモン誘導性調節エレメント(Yamaguchi-Shinozaki et al., Plant Mol. Biol. 15:905, 1990; Kares et al., Plant Mol. Biol. 15:225, 1990)などが挙げられる。誘導性調節エレメントはまた、ベンゼンスルホンアミド除草剤解毒剤に応答するトウモロコシIn2−1またはIn2−2遺伝子のプロモーター(Hershey et al., Mol. Gen. Gene. 227:229-237, 1991; Gatz et al., Mol. Gen. Genet. 243:32-38, 1994)およびトランスポゾンTn10のTetレプレッサー(Gatz et al., Mol. Gen. Genet. 227:229-237, 1991)であり得る。
ストレス誘導性プロモーターとして、P5CSなどの塩/水ストレス誘導性プロモーター(Zang et al. (1997) Plant Sciences 129:81-89);cor15aなどの冷温誘導性プロモーター(Hajela et al. (1990) Plant Physiol. 93:1246-1252)、cor15b(Wilhelm et al. (1993) Plant Mol Biol 23:1073-1077)、wsc120(Ouellet et al. (1998) FEBS Lett. 423-324-328)、ci7(Kirch et al. (1997) Plant Mol Biol. 33:897-909)およびci21A(Schneider et al. (1997) Plant Physiol. 113:335-45);Trg−31(Chaudhary et al. (1996) Plant Mol. Biol. 30:1247-57)およびrd29(Kasuga et al. (1999) Nature Biotechnology 18:287-291)などの乾燥誘導性プロモーター;Rab17などの浸透圧誘導性プロモーター(Vilardell et al. (1991) Plant Mol. Biol. 17:985-93)およびオスモチン(Raghothama et al. (1993) Plant Mol Biol 23:1117-28);熱ショックタンパク質などの熱誘導性プロモーター(Barros et al. (1992) Plant Mol. 19:665-75;Marrs et al. (1993) Dev. Genet. 14:27-41)、smHSP(Waters et al. (1996) J. Experimental Botany 47:325-338);およびパセリユビキチンプロモーターに由来する熱ショック誘導性エレメント(WO03/102198)が挙げられる。その他のストレス誘導性プロモーターとして、rip2(米国特許第5,332,808号および米国特許公開第2003/0217393号)およびrd29a(Yamaguchi-Shinozaki et al. (1993) Mol. Gen. Genetics 236:331-340)が挙げられる。アグロバクテリウムpMASプロモーター(Guevara-Garcia et al. (1993) Plant J. 4(3):495-505)およびアグロバクテリウムORF13プロモーター(Hansen et al., (1997) Mol. Gen. Genet. 254(3):337-343)を含めた特定のプロモーターは、創傷によって誘導可能である。
組織優先プロモーターは、特定の植物組織内での増強された転写および/または発現を標的とするために利用され得る。これらの種のプロモーターの例として、ファゼオリンプロモーターによって提供されるものなどの種子優先発現(Bustos et al. 1989. The Plant Cell Vol. 1, 839-853)およびトウモロコシグロブリン−1遺伝子、Belanger, et al. 1991 Genetics 129:863-972が挙げられる。双子葉植物について、種子優先プロモーターとして、それだけには限らないが、マメβ−ファゼオリン、ナピン(napin)、β−コングリシニン、ダイズレクチン、クルシフェリンなどが挙げられる。単子葉植物について、種子優先プロモーターとして、それだけには限らないが、トウモロコシ15kDaゼイン、22kDゼイン、27kDaゼイン、γ−ゼイン、ワキシー(waxy)、シュランケン(shrunken)1、シュランケン(shrunken)2、グロブリン1などが挙げられる。種子優先プロモーターとしてまた、例えば、γ−ゼインの胚乳優先プロモーターなどの種子内の特定の組織に遺伝子発現を主に向けるプロモーター、タバコ由来の隠れた(cryptic)プロモーター(Fobert et al. 1994. T-DNA tagging of a seed coat-specific cryptic promoter in tobacco. Plant J. 4: 567-577)、トウモロコシ由来のP遺伝子プロモーター(Chopra et al. 1996. Alleles of the maize P gene with distinct tissue specificities encode Myb-homologous proteinss with C-terminal replacements. Plant Cell 7:1149-1158, Erratum in Plant Cell. 1997, 1:109)、トウモロコシ由来のグロブリン−1プロモーター(Belenger and Kriz. 1991. Molecular basis for Allelic Polymorphism of the maize Globulin-1 gene. Genetics 129: 863-972)および種子皮またはトウモロコシ穀粒の殻に発現を向けるプロモーター、例えば、果皮特異的グルタミンシンセターゼプロモーター(Muhitch et al., 2002. Isolation of a Promoter Sequence From the Glutamine Synthetase1-2 Gene Capable of Conferring Tissue-Specific Gene Expression in Transgenic Maize. Plant Science 163:865-872)が挙げられる。
プロモーターに加えて、発現ベクターは、通常、原核生物または真核生物いずれかの宿主細胞における核酸の発現に必要なさらなる要素のすべてを含有する転写単位または発現カセットを含有する。したがって、通常の発現カセットは、例えば、タンパク質をコードする核酸配列と作動可能に連結されたプロモーターおよび例えば、転写物の効率的なポリアデニル化、転写終結、リボソーム結合部位または翻訳終結に必要なシグナルを含有する。カセットのさらなる要素は、例えば、エンハンサーおよび異種スプライシングシグナルを含み得る。
ベクターのその他の成分はまた、遺伝子の意図される用途に応じて含まれ得る。例として、選択マーカー、ターゲッティングまたは調節配列、最適化された輸送ペプチド配列などの輸送ペプチド配列(米国特許第5,510,471号を参照のこと)RB7 MARなどの安定化配列(Thompson and Myatt, (1997) Plant Mol. Biol., 34: 687-692およびWO9727207を参照のこと)またはリーダー配列、イントロンなどが挙げられる。植物発現ベクターおよびリポーター遺伝子の一般的な説明および例は、Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology, Glick et al. eds; CRC Press pp. 89-119 (1993)中のGruber, et al., "Vectors for Plant Transformation"に見出すことができる。
適当な発現ベクターの選択は、宿主および発現ベクターを宿主に導入する方法に応じて変わる。発現カセットは、対象とする異種ヌクレオチド配列の3’末端に、植物において機能的である転写および翻訳終結領域を含み得る。終結領域は、対象とするDNA配列に関して天然である場合も、別の供給源に由来する場合もある。オクトピンシンターゼおよびノパリンシンターゼ(nos)終結領域などの好都合な終結領域は、A.ツメファシエンス(tumefaciens)のTiプラスミドから入手可能である(Depicker et al., Mol. and Appl. Genet. 1:561-573 (1982)およびShaw et al. (1984) Nucleic Acids Research vol. 12, No. 20 pp7831-7846(nos));Guerineau et al. Mol. Gen. Genet. 262:141-144 (1991);Proudfoot, Cell 64:671-674 (1991);Sanfacon et al. Genes Dev. 5:141-149 (1991);Mogen et al. Plant Cell 2:1261-1272 (1990);Munroe et al. Gene 91:151-158 (1990);Ballas et al. Nucleic Acids Res. 17:7891-7903 (1989); Joshi et al. Nucleic Acid Res. 15:9627-9639 (1987)も参照のこと。
発現カセットは、5’リーダー配列を含有し得る。このようなリーダー配列は、翻訳を増強するよう作用し得る。翻訳リーダーは、当技術分野で公知であり、例として、ピコルナウイルスリーダー、EMCVリーダー(脳心筋炎5’非コーディング領域)、Elroy-Stein et al. Proc. Nat. Acad. Sci. USA 86:6126-6130 (1989);ポティウイルスリーダー、例えば、TEVリーダー(タバコエッチウイルス)Carrington and Freed Journal of Virology, 64:1590-1597 (1990)、MDMVリーダー(トウモロコシ萎縮モザイクウイルス)、Allison et al.、Virology 154:9-20 (1986);ヒト免疫グロブリン重鎖結合タンパク質(BiP)、Macejak et al. Nature 353:90-94 (1991);アルファルファモザイクウイルスのコートタンパク質mRNA由来の非翻訳リーダー(AMV RNA 4)、Jobling et al. Nature 325:622-625 (1987);タバコモザイクウイルスリーダー(TMV)、Gallie et al. (1989) Molecular Biology of RNA、237-256頁;およびトウモロコシ退緑斑紋ウイルスリーダー(Maize chlorotic mottle virus leader)(MCMV)Lommel et al. Virology 81:382-385 (1991)が挙げられる。Della-Cioppa et al. Plant Physiology 84:965-968 (1987)も参照のこと。
構築物はまた、イントロンなどの翻訳および/またはmRNA安定性を増強する配列を含有し得る。1種のこのようなイントロンの例として、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)のヒストンH3.III変異体の遺伝子IIの第1のイントロンがある。Chaubet et al. Journal of Molecular Biology, 225:569-574 (1992)。
特定のオルガネラ、特に、プラスチド、アミロプラストに、または小胞体に向けられるか、または細胞の表面もしくは細胞外に分泌される異種核酸配列の発現生成物を有することが望ましい場合には、発現カセットは、輸送ペプチドのコード配列をさらに含み得る。このような輸送ペプチドは、当技術分野で周知であり、それだけには限らないが、アシル担体タンパク質の輸送ペプチド、RUBISCO、植物EPSPシンターゼおよびヒマワリ(Helianthus annuus)の小サブユニット(Lebrun et al.米国特許第5,510,417号)、トウモロコシBrittle−1葉緑体輸送ペプチド(Nelson et al. Plant Physiol 117(4):1235-1252 (1998); Sullivan et al. Plant Cell 3(12):1337-48; Sullivan et al., Planta (1995) 196(3):477-84; Sullivan et al., J. Biol. Chem. (1992) 267(26):18999-9004)などが挙げられる。さらに、最適化された輸送ペプチドなどのキメラ葉緑体輸送ペプチドは、当技術分野で公知である(米国特許第5,510,471号を参照のこと)。さらなる葉緑体輸送ペプチドが、米国特許第5,717,084号、同5,728,925号において、これまでに記載されている。当業者ならば、特定のオルガネラへ産物を発現させることにおいて利用可能な多数の選択肢を容易に理解する。例えば、オオムギアルファアミラーゼ配列は、発現を小胞体に向けるために使用されることが多い。Rogers, J. Biol. Chem. 260:3731-3738 (1985)。
当業者には、組換えDNA技術は、例えば、宿主細胞内の核酸分子のコピー数、核酸分子が転写される効率、得られた転写物が翻訳される効率および翻訳後修飾の効率を操作することによって、トランスフェクトされた核酸分子の発現の制御を改善し得るということは理解される。さらに、プロモーター配列は、天然プロモーターと比較して、発現のレベルを改善するよう遺伝子操作され得る。核酸分子の発現の制御に有用な組換え技術として、それだけには限らないが、1種または複数の宿主細胞染色体中への核酸分子の安定な組込み、プラスミドへのベクター安定性配列の付加、転写制御シグナル(例えば、プロモーター、オペレーター、エンハンサー)の置換または修飾、翻訳制御シグナル(例えば、リボソーム結合部位、シャイン・ダルガーノ配列またはコザック配列)の置換または修飾、宿主細胞のコドン使用に対応するための核酸分子の修飾および転写物を不安定化する配列の欠失が挙げられる。
形質転換された細胞または組織または植物部分または植物の選択のためのリポーターまたはマーカー遺伝子が、形質転換ベクター中に含まれ得る。選択マーカーの例として、除草剤または抗生物質などの代謝拮抗剤に対する抵抗性を付与するもの、例えば、メトトレキサートに対する抵抗性を付与するジヒドロ葉酸レダクターゼ(Reiss, Plant Physiol. (Life Sci. Adv.) 13:143-149, 1994;Herrera Estrella et al., Nature 303:209-213, 1983;Meijer et al., Plant Mol. Biol. 16:807-820, 1991);アミノグリコシドネオマイシン、カナマイシンおよびパロマイシン(paromycin)に対する抵抗性を付与するネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(Herrera-Estrella, EMBO J. 2:987-995, 1983およびFraley et al. Proc. Natl. Acad. Sci USA 80:4803 (1983));ハイグロマイシンに対する抵抗性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(Marsh, Gene 32:481-485, 1984;Waldron et al.. Plant Mol. Biol. 5:103-108, 1985;Zhijian et al., Plant Science 108:219-227, 1995も参照のこと);細胞がトリプトファンの代わりにインドールを利用することを可能にするtrpB;細胞がヒスチジの代わりにヒスチノールを利用することを可能にするhisD(Hartman, Proc. Natl. Acad. Sci., USA 85:8047, 1988);細胞がマンノースを利用することを可能にするマンノース−6−ホスフェートイソメラーゼ(WO94/20627);オルニチンデカルボキシラーゼ阻害剤、2−(ジフルオロメチル)−DL−オルニチンに対する抵抗性を付与するオルニチンデカルボキシラーゼ(DFMO; McConlogue, 1987, In: Current Communications in Molecular Biology, Cold Spring Harbor Laboratory ed.);およびブラストサイジンSに対する抵抗性を付与する、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)由来のデアミナーゼ(Tamura, Biosci. Biotechnol. Biochem. 59:2336-2338, 1995)が挙げられる。
さらなる選択マーカーとして、例えば、イミダゾリノンまたはスルホニル尿素抵抗性を付与する突然変異体アセト乳酸シンターゼ(Lee et al., EMBO J. 7:1241-1248, 1988)、アトラジンに対する抵抗性を付与する突然変異体psbA(Smeda et al., Plant Physiol. 103:911-917, 1993)または突然変異体プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(米国特許第5,767,373号を参照のこと)またはグルホシネートなどの除草剤に対する抵抗性を付与するその他のマーカーが挙げられる。適した選択マーカー遺伝子の例として、それだけには限らないが、クロラムフェニコール(Herrera Estrella et al., EMBO J. 2:987-992, 1983);ストレプトマイシン(Jones et al., Mol. Gen. Genet. 210:86-91, 1987);スペクチノマイシン(Bretagne-Sagnard et al., Transgenic Res. 5:131-137, 1996);ブレオマイシン(Hille et al., Plant Mol. Biol. 7:171-176, 1990);スルホンアミド(Guerineau et al., Plant Mol. Biol. 15:127-136, 1990);ブロモキシニル(Stalker et al., Science 242:419-423, 1988);グリホサート(Shaw et al., Science 233:478-481, 1986);ホスフィノトリシン(DeBlock et al., EMBO J. 6:2513-2518, 1987)に対する抵抗性をコードする遺伝子などが挙げられる。
選択遺伝子の使用のための1つの選択肢は、グルホシネート抵抗性をコードするDNAであり、一実施形態では、キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーターの制御下の、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(pat)、トウモロコシ最適化pat遺伝子またはbar遺伝子である。これらの遺伝子は、ビアラホスに対する抵抗性を付与する。(Wohlleben et al., (1988) Gene 70: 25-37を参照のこと);Gordon-Kamm et al., Plant Cell 2:603; 1990; Uchimiya et al., Biotechnology 11:835, 1993; White et al., Nucl. Acids Res. 18:1062, 1990; Spencer et al., Theor. Appl. Genet. 79:625-631, 1990;およびAnzai et al., Mol. Gen. Gen. 219:492, 1989)を参照。pat遺伝子の1つのバージョンとして、トウモロコシ最適化pat遺伝子があり、米国特許第6,096,947号に記載されている。
さらに、ポリヌクレオチドをコードするマーカーを含有する植物細胞の同定を容易にするマーカーが使用され得る。配列の存在が、測定可能な産物をもたらし、植物細胞の破壊を伴わずに産物をもたらし得る場合には、スコア化可能なまたはスクリーニング可能なマーカーは有用である。例として、種々の発色基質が公知である酵素をコードするβ−グルクロニダーゼまたはuidA遺伝子(GUS)(例えば、米国特許第5,268,463号および同5,599,670号);クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(Jefferson et al. The EMBO Journal vol. 6 No. 13 pp. 3901-3907);およびアルカリホスファターゼが挙げられる。好ましい実施形態では、使用されるマーカーは、ベータ−カロテンまたはプロビタミンA(Ye et al., Science 287:303-305-(2000))である。この遺伝子は、イネの栄養を増強するために使用されてきたが、この例では、代わりに、スクリーニング可能なマーカーとしてとして使用され、対象とする遺伝子と連結している遺伝子の存在は、提供される金色によって検出される。遺伝子が、植物へのその栄養的な貢献のために使用される状況とは異なり、マーキング目的には、少量のタンパク質で十分である。その他のスクリーニング可能なマーカーとして、例えば、中でも、植物組織におけるアントシアニン色素(赤色)の製造を調節する生成物をコードする、R−遺伝子座遺伝子(Dellaporta et al., in Chromosome Structure and Function, Kluwer Academic Publishers, Appels and Gustafson eds., pp. 263-282 (1988));トウモロコシC1遺伝子(Kao et al., Plant Cell (1996) 8: 1171-1179;Scheffler et al., Mol. Gen. Genet. (1994) 242:40-48)およびトウモロコシC2(Wienand et al., Mol. Gen. Genet. (1986) 203:202-207)などのフラボノイド色素の生合成を制御する遺伝子;B遺伝子(Chandler et al., Plant Cell(1989) 1:1175-1183)、p1遺伝子(Grotewold et al., Proc. Natl. Acad. Sci USA (1991) 88:4587-4591;Grotewold et al., Cell (1994) 76:543-553;Sidorenko et al., Plant Mol. Biol. (1999) 39:11-19);bronze遺伝子座遺伝子(Ralston et al., Genetics (1988) 119:185-197;Nash et al., Plant Cell (1990) 2(11): 1039-1049)を含めた、全般的に、アントシアニン/フラボノイド遺伝子が挙げられる(Taylor and Briggs, The Plant Cell (1990) 2:115-127での考察を参照のこと)。
適したマーカーのさらなる例として、シアン蛍光タンパク質(CYP)遺伝子(Bolte et al. (2004) J. Cell Science 117: 943-54およびKato et al. (2002) Plant Physiol 129: 913-42)、黄色蛍光タンパク質遺伝子(Evrogen製のPHIYFP(商標);Bolte et al. (2004) J. Cell Science 117: 943-54を参照のこと);ルシフェラーゼをコードし、例えば、X線フィルム、シンチレーション計数、蛍光分光光度測定、微光ビデオカメラ、光子計数カメラまたはマルチウェルルミノメトリーを使用してその存在が検出され得る、lux遺伝子(Teeri et al. (1989) EMBO J. 8:343);緑色蛍光タンパク質(GFP)遺伝子(Sheen et al., Plant J. (1995) 8(5):777-84);およびマーカー遺伝子で形質転換された植物細胞が、赤色であり、したがって、視覚的に選択可能である、DsRed2(Dietrich et al. (2002) Biotechnologys 2(2):286-293)が挙げられる。さらなる例として、種々の発色基質(例えば、PADAC、発色性セファロスポリン)が公知である酵素をコードするβ−ラクタマーゼ遺伝子(Sutcliffe, Proc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A. (1978) 75:3737);発色性カテコールを変換できるカテコールジオキシゲナーゼをコードするxylE遺伝子(Zukowsky et al., Proc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A. (1983) 80:1101);α−アミラーゼ遺伝子(Ikuta et al., Biotech. (1990) 8:241)およびチロシンをDOPAおよびドーパキノンに酸化でき、順に、これが縮合して、容易に検出可能な化合物メラニンを形成する酵素をコードするチロシナーゼ遺伝子(Katz et al., J. Gen. Microbiol. (1983) 129:2703)が挙げられる。明確に、多数のこのようなマーカーが利用可能であり、当業者に公知である。
V.導入遺伝子または導入遺伝子の発現された産物の検出のアッセイ
本開示の特定の実施形態に記載される導入遺伝子を検出するために種々のアッセイが使用され得る。以下の技術は、種々の状況において有用であり、一実施形態では、植物細胞における、核酸分子および/またはポリペプチドをコードする導入遺伝子の存在の検出において有用である。例えば、分子の存在は、配列のプライマーまたはプローブを使用すること、コードされるタンパク質を検出するためのELISAアッセイ、タンパク質を検出するためのウエスタンブロットまたはRNAもしくはDNAを検出するためのノーザンもしくはサザンブロットを含めた種々の方法で決定され得る。酵素DGT−14を検出するための酵素アッセイを使用してもよい。さらに、DGT−14タンパク質の存在を検出し得る抗体が、当技術分野によって認識される手順を使用して作製され得る。in situハイブリダイゼーション、酵素染色および免疫染色などのさらなる技術も、特定の植物器官および組織中の組換え構築物の存在または発現を検出するために使用され得る。導入遺伝子は、植物の一部の組織において、または一部の発達段階で選択的に発現され得るか、または導入遺伝子は、実質的にその全生活環に沿って、実質的にすべての植物組織において発現され得る。しかし、任意の組合せ発現様式も適用可能である。
サザン解析は、一般的に使用される検出方法であり、これでは、DNAが、制限エンドヌクレアーゼを用いて切断され、分子量によってDNAを分離するためにアガロースゲルで分画され、次いで、ナイロンメンブレンに転写される。次いで、32P(またはその他のプローブ標識)を用いて放射標識されたプローブ断片とハイブリダイズされ、SDS溶液で洗浄される。
同様に、ノーザン解析は、同様のプロトコールを示し、これでは、制限エンドヌクレアーゼを用いてRNAが切断され、分子量によってRNAを分離するためにアガロースゲルで分画され、次いで、ナイロンメンブレンに転写される。次いで、32P(またはその他のプローブ標識)を用いて放射標識されたプローブ断片とハイブリダイズされ、SDS溶液で洗浄される。対象の組織から単離されたRNA(例えば、mRNA)の解析は、相対発現レベルを示し得る。通常、mRNAが存在する場合には、またはmRNAの量が増大した場合には、対応する導入遺伝子が発現されていると考えられ得る。導入された導入遺伝子または天然遺伝子の発現レベルを調べるために、ノーザン解析またはその他のmRNA解析プロトコールが使用され得る。
ウエスタン解析では、DNA/RNAを単離する代わりに、対象のタンパク質が抽出され、アクリルアミドゲル上に置かれる。次いで、タンパク質は、メンブレン上にブロッティングされ、標識物質と接触される。例えば、Hood et al., "Commercial Production of Avidin from Transgenic Maize; Characterization of Transformants, Production, Processing, Extraction and Purification" Molecular Breeding 3:291-306 (1997);Towbin et al, (1979) "Electrophoretic transfer of proteins from polyacrylamide gels to nitrocellulose sheets: procedure and some appliations" Proc Natl Acad Sci USA 76(9): 4350-4354; Renart et al. "Transfer of proteins from gels to diazobenzyloxymethyl-paper and detection with antisera: a method for studying antibody specificity and antigen structure" Proc Natl Acad Sci USA 76(7):3116-3120。
本開示の実施形態の核酸分子またはそのセグメントは、PCR増幅のプライマーとして使用され得る。PCR増幅の実施では、プライマーおよび鋳型間で、ある程度のミスマッチは許容され得る。したがって、例示されたプライマーの突然変異誘発、欠失および挿入(特に、5’末端へのヌクレオチドの付加)は、本開示の範囲内に入る。突然変異誘発、挿入および欠失は、当業者に公知の方法によって所与のプライマー中にもたらされ得る。
方法検出の別の例は、Winge(Innov. Pharma. Tech. 00: 18-24, 2000)によって記載されるようなピロ配列決定技術である。この方法では、隣接するゲノムDNAおよびインサートDNA接合物と重複するオリゴヌクレオチドが設計される。オリゴヌクレオチドは、対象の領域から得られた一本鎖PCR産物(挿入された配列中の1種のプライマーおよびそれぞれの両端に位置するゲノム配列中の1種)とハイブリダイズされ、DNAポリメラーゼ、ATP、スルフリラーゼ、ルシフェラーゼ、アピラーゼ、アデノシン5’−ホスホ硫酸およびルシフェリンの存在下で、インキュベートされる。DNTPが、個別に添加され、組込みが、軽いシグナルをもたらし、これが測定される。軽いシグナルは、増幅、ハイブリダイゼーションの成功による導入遺伝子インサート/それぞれの両端に位置する配列の存在および一塩基または複数塩基伸長を示す。(この技術は、最初の配列決定のために使用され、公知である場合には特定の遺伝子の検出には使用されない)。
配列検出において使用するための分子ビーコンが記載されている。手短には、それぞれの両端に位置するゲノムおよびインサートDNA接合部と重なるFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブの独特の構造が、蛍光および消光部分を極近接して維持する二次構造を含有するものをもたらす。FRETプローブおよびPCRプライマー(インサートDNA配列中の1種のプライマーおよびそれぞれの両端に位置するゲノム配列中の1種)が、熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環される。PCR増幅の成功後、FRETプローブ(単数または複数)の標的配列とのハイブリダイゼーションは、プローブ二次構造の除去ならびに蛍光および消光部分の空間的分離をもたらす。蛍光シグナルは、増幅およびハイブリダイゼーションの成功によって、それぞれの両端に位置するゲノム/導入遺伝子インサート配列の存在を示す。
別に、TAQMAN(登録商標)(Life Technologies、Foster City、Calif.)として知られる、加水分解プローブアッセイは、DNA配列の存在を検出および定量する方法である。手短には、事象特異的検出のために、導入遺伝子内の1つのオリゴおよびそれぞれの両端に位置するゲノム配列中に1つを有するFRETオリゴヌクレオチドプローブが設計される。FRETプローブおよびPCRプライマー(インサートDNA配列中の1種のプライマーおよびそれぞれの両端に位置するゲノム配列中の1種)が、熱安定性ポリメラーゼおよびdNTPの存在下で循環される。FRETプローブのハイブリダイゼーションは、蛍光部分の、FRETプローブ上の消光部分からの切断および放出をもたらす。蛍光シグナルは、増幅およびハイブリダイゼーションの成功によるそれぞれの両端に位置する/導入遺伝子インサート配列の存在を示す。
ELISAまたは酵素結合免疫測定法は、1971年以来知られている。一般に、バッファーに可溶化された抗原が、プラスチック表面上にコーティングされる。血清が添加されると、抗体は、固相上の抗原と結合し得る。酵素にコンジュゲートされるとこれらの抗体の有無が実証され得る。適当な基質の添加により、定量化され得る結合しているコンジュゲートの量が検出される。一般的なELISAアッセイは、ビオチン化抗(タンパク質)ポリクローナル抗体およびアルカリホスファターゼコンジュゲートを使用するものである。例えば、ラッカーゼレベルの定量的決定のために使用されるELISAは、商業的に得られるポリクローナルウサギ抗体を使用する抗体サンドイッチアッセイであり得る。抗体は、検出のためにアルカリホスファターゼとコンジュゲートされる。別の例では、トリプシンまたはトリプシノーゲンを検出するためのELISAアッセイは、ビオチン化抗トリプシンまたは抗トリプシノーゲンポリクローナル抗体およびストレプトアビジン−アルカリホスファターゼコンジュゲートを使用する。
本開示の実施形態を、以下の実施例においてさらに例示する。これらの実施例は、単に例示のために示されると理解されなくてはならない。上記の実施形態および以下の実施例から、当業者ならば、この開示の本質的な特徴を、その趣旨および範囲から逸脱することなく確認でき、本開示を種々の使用および条件に適応させるために、本開示の実施形態の種々の変法および改変を行うことができる。したがって、本明細書において示され、記載されるものに加えて、本開示の実施形態の種々の修飾は、以下の記載から当業者に明らかとなる。このような修飾はまた、添付の特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。以下は、例示として提供され、本発明の範囲を制限するものではない。
[実施例]
変動する濃度のグルホシネートに対するダイズ成長反応
非トランスジェニックダイズシュートを使用して、変動する濃度の選択物質に対する成長反応研究を実施した。この実施例では、例示的選択物質としてグルホシネートを使用した。分割種子ダイズ組織からダイズシュートを再生し、シュートが発達し、発根培地に移す準備ができるまで、シュート誘導培地上で培養した。いくつかの異なる濃度のグルホシネート(0、0.25mg/L、0.50mg/L、1mg/L、2mg/L、3mg/L、4mg/L、5mg/Lおよび6mg/L)を、発根培地(MS塩、B5ビタミン、28mg/Lの第一鉄、38mg/LのNaEDTA、20g/Lのスクロースおよび0.59g/LのMES、50mg/Lのアスパラギン、100mg/LのL−ピログルタミン酸および7g/LのNOBLE(商標)寒天、pH5.6)中に組み込み、どの濃度のグルホシネートが根発達を阻害したかを調べた。グルホシネートを含まない発根培地で培養した場合には、ダイズシュートのうち100%が根を生成したが、1〜6mg/Lのグルホシネートを補給した発根培地中で培養されたダイズシュートについては、根形成は観察されなかった。しかし、それぞれ、0.25mg/Lおよび0.5mg/Lの濃度のグルホシネートを含有する発根培地中で培養されたダイズシュートの90%および50%が、根を生成した(表1を参照のこと)。ダイズシュート成長および発達の阻害のための効果的なグルホシネート濃度は、少なくとも1.0mg/Lのグルホシネートであると決定した。より高濃度のグルホシネート(例えば、1.0mg/Lより高い濃度)は、根発達の阻害において効果的であった。
DNA構築物
pDAB9381(図1)と表示される単一のバイナリーベクターを、当技術分野で認識される手順を使用して構築した。Sambrook et al. (1989)およびAusubel et al. (1997)を参照のこと。pDAB9381は、2つの植物転写単位(PTU)を含有する。第1のPTU(配列番号1)は、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、光特異的組織誘導性LS−1遺伝子(ST−LS1イントロン;Genbank受託番号X04753)から単離されたイントロンを含有し、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)オープンリーディングフレーム−23 3’非翻訳領域(AtuORF23 3’UTR; 欧州特許第222493号)によって終結する、黄色蛍光タンパク質コード配列を駆動する(PhiYFP;Shagin, et al., (2004) Mol. Biol. Evol. 21(5), 841-850)シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ユビキチン10プロモーター(AtUbi10プロモーター;Callis J, et al., (1990) J. Biol. Chem. 265:12486−12493)からなる。第2のPTU(配列番号2)は、A.ツメファシエンス(tumefaciens)オープンリーディングフレーム−1 3’非翻訳領域(AtuORF1 3’UTR; Huang ML et al., (1990) J. Bacteriol., 172:1814-1822)によって終結される、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼコード配列(PAT; Wohlleben W, et al., (1988) Gene 70:25-38)を駆動するために使用されるキャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター(CsVMV プロモーター; Verdaguer B, et al., (1996) Plant Mol. Biol. 31:1129−1139)からなるイソペンテニルトランスフェラーゼコード配列(ipt CDS;Genbank受託番号X00639.1)内にクローニングした。得られたバイナリーベクターは、視覚的リポーター遺伝子および抗生物質選択マーカー遺伝子を含有しており、続いて、ダイズの形質転換のために使用した。アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株EHA105(Hood E., Helmer G., Fraley R., Chilton M., (1986) J. Bacteriol., 168:1291-1301)を、バイナリーベクターpDAB9381を用いてエレクトロポレーションした。抗生物質スペクチノマイシンを含有するYEP培地上で増殖した単離されたコロニーを同定した。単一のコロニーを単離し、制限酵素消化によってpDAB9381バイナリーベクターの存在を確認した。
植物材料の調製
ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max)栽培品種マーベリック(Maverick))の成熟種子を、大きなPYREX(商標)デシケーター中で塩素ガスを使用して約16時間表面滅菌した。滅菌後、種子をラミナーフローフードに約30分間入れて、過剰な塩素ガスを除去した。滅菌種子を、PETRI(商標)ディッシュ中の滅菌水に、24℃で約16時間浸漬した。PETRI(商標)ディッシュをブラックボックス中に入れて、ダイズ種子を暗所で維持した。
植物形質転換
子葉節ダイズ形質転換
ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max)栽培品種マーベリック(Maverick))のアグロバクテリウム媒介性形質転換を、Zeng P., et al., (2004), Plant Cell Rep., 22(7): 478-482の改変された手順によって、バイナリーベクターを保持するアグロバクテリウム株を使用して実施した。この実施例では、例示的選択物質としてグルホシネートを使用した。プロトコールは、選択物質として除草剤グルホシネートを含むよう改変した。さらに、別の改変は、3g/LのPHYTAGEL(商標)(Sigma−Aldrich, St. Louis, Mo.)を用いて固化したB5基本培地(Gamborg et al., (1968) Exp Cell Res. Apr; 50(1):151-8)での滅菌ダイズ種子の発芽を含んでいた。プロトコールへの最終改変は、5〜6日齢の実生から調製し、Zhang et al., (1999) Plant Cell Tiss. Org. 56:37-46によって記載されるようにアグロバクテリウムに感染させた子葉節外植片の使用を用いる。Zeng et al., (2004)に記載されるように、同時培養を同時培養培地で5日間実施する。シュート開始、シュート伸長および発根培地は、50mg/Lセフォタキシム(商標)、50mg/Lチメンチン(商標)、50mg/Lバンコマイシン(商標)を補給し、3g/LのPHYTAGEL(商標)を用いて固化する。
半粒種子ダイズ形質転換法
ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max)栽培品種マーベリック(Maverick))のアグロバクテリウム媒介性形質転換を、Paz M., et al., (2005) Plant Cell Rep., 25: 206-213の改変された手順によって、バイナリーベクターを保持するアグロバクテリウム株を使用して実施した。簡単には、ダイズ種子を、へそに沿って長軸方向切断によって半分に切断して、種子を分割し、種皮を除去した。胚軸を切除し、あらゆる軸のシュート/芽を子葉節から除去した。得られた半粒種子外植片をアグロバクテリウムに感染させ、シュート開始、シュート伸長および発根培地に、50mg/Lのセフォタキシム(商標)、50mg/LのTIMENTIN(商標)、50mg/Lのバンコマイシン(商標)を補給し、3g/LのPHYTAGEL(商標)を用いて固化した。グルホシネート選択を使用して、非形質転換シュートの成長を阻害した。
部分胚軸を有する分割種子ダイズ形質転換法
ダイズ(グリシン・マックス(Glycine max)栽培品種マーベリック(Maverick))のアグロバクテリウム媒介性形質転換を、参照により本明細書に組み込まれる米国出願番号第61/739,349号に記載される部分胚軸を有する分割種子外植片のダイズ形質転換プロトコールによって、pDAB9381バイナリーベクターを保持するアグロバクテリウム株を使用して実施した。形質転換後、以下に記載される組織培養法を使用してダイズ組織を培養した。
組織培養
形質転換されたダイズ種子を、参照により本明細書に組み込まれる米国出願番号第61/739,349号に記載されるような培養プロトコールを使用して培養した。ダイズ植物種子の、pDAB9381プラスミドを含有するアグロバクテリウム株との同時培養を、濾紙で覆った培養培地上で5日間実施した。同時培養培地上で5日間インキュベートした後、外植片を液体シュート誘導(SI)培地で約5〜10分間洗浄した。次いで、外植片をシュート誘導−I(SI−I)培地上で培養した。ダイズ種子は、ダイズ種子の平坦面を上にし、ダイズ子葉の節の末端をSI−I培地中に埋めるよう方向づけた。24℃、18時間の明期で2週間培養した後、6mg/Lグルホシネートを補給したシュート誘導II(SI−II)培地に外植片を移した。SI−II培地で2週間後、外植片から子葉を除去し、子葉の基部に切り目を入れることによって、生き生きとしたシュートパッドを切り出し、単離したシュートをシュート伸長(SE)培地に移した。培養物を2週間ごとに新鮮SE培地に移した。PETRI(商標)ディッシュは、シュート誘導およびシュート伸長段階を通じて濾紙で包まなかった。照明源は、シュート誘導およびシュート伸長の間、80〜90μmole sec−1m−2の照明で形質転換された組織に提供した。
伸長したシュートを、1mg/Lのインドール3−酪酸(IBA)中に約1〜3分間浸漬して、発根を促進し、その後、単離したシュートを、phytaトレイ中の発根培地(MS塩、B5ビタミン、28mg/Lの第一鉄、38mg/LのNaEDTA、20g/Lのスクロースおよび0.59g/LのMES、50mg/Lのアスパラギン、100mg/LのL−ピログルタミン酸および7g/LのNOBLE(商標)寒天、pH5.6)に移した。サブセットの形質転換実験のために、1mg/Lの濃度のグルホシネートの選択物質を発根培地中に組み込んだ。
24℃、18時間の明期で発根培地において1〜2週間培養した後、健常な生存可能な根を生成したダイズシュートを土壌に移した。健常な生存可能な根を含むダイズシュートを、開放プラスチックサンデーカップ中に入れた土壌中に入れた。移された、根を含むダイズシュートを含有するプラスチックサンデーカップを、ダイズ小植物の順化のためにCONVTRON(商標)中に入れた。発根したダイズ小植物を、開放サンデーカップ中で数週間順化させ、次いで、小植物を温室に移した。
発根培地における選択物質の使用
非生殖系列、キメラダイズ形質転換事象およびエスケープの形成を低減するために、グルホシネートを含む選択物質(section agent)のダイズ組織培養発根培地への組込みを試験した。バイナリーベクター、pDAB9381を用いたダイズ(栽培品種マーベリック(Maverick))のアグロバクテリウム媒介性形質転換後に、ダイズシュートを再生し、グルホシネートを含む選択物質を含有する発根培地上で培養した。グルホシネートを含む発根培地で根発達が開始した後、根を導入遺伝子発現(黄色蛍光タンパク質)について試験した。発達した根内の活発に発現する導入遺伝子の存在は、L/L組織層が形質転換され、それによって、ダイズ生殖系列形質転換体が得られたことを示した。
上記の形質転換法を使用して合計531種のトランスジェニックダイズシュートが生成し、選択物質グルホシネートを含有する発根培地上に移した。シュートを根発達について観察し、生存可能な白色根を生成したシュートを、顕微鏡によって黄色蛍光タンパク質導入遺伝子の発現についてさらにアッセイした(表2を参照のこと)。黄色蛍光タンパク質導入遺伝子発現と、生存可能な白色根形成の間に相関が観察され、生存可能な白色根の大部分は、根組織において黄色蛍光タンパク質導入遺伝子を発現した(図2、図3および図5を参照のこと)。顕微鏡結果によって、選択物質を含む発根培地から生じたダイズ植物の約92%は、これらのダイズ植物が、黄色蛍光タンパク質導入遺伝子を発現したのでトランスジェニックであると確認された(図2、図3および図5を参照のこと)。
これらの結果は、選択物質を含有しない発根培地で培養されたダイズシュートにおいて観察された結果に匹敵していた。選択物質が発根培地中に含まれないという対照条件は、健常な根を生成するダイズシュートをもたらした。しかし、発根した植物のうちわずか51%が、根組織において黄色蛍光タンパク質導入遺伝子を発現した(図5および表2を参照のこと)。
逆に、非生殖系列またはキメラの形質転換されたシュートが、選択物質を含む発根培地に移された場合には、シュートは、根を発達させなかったか、またはわずかな根を発達させたが、これらは褐変または黒変した。褐色根または黒色根を生成したシュートは、根組織において黄色蛍光タンパク質導入遺伝子を発現せず、それによって、生殖系列組織が、黄色蛍光タンパク質導入遺伝子を用いて形質転換されなかったことが示された。これらの結果は、非生殖系列ダイズ形質転換事象は、選択物質(例えば、グルホシネート)を含む発根培地において培養された場合に、根を形成しないか、または褐色/黒色根を発達させることを示した。非生殖系列が形質転換されたダイズシュートは、生存しないか、または視覚的に区別され得(例えば、褐色/黒色根の生成によって同定される)、組織培養の発根培地選択段階で選別され得る(図5を参照のこと)。
選択物質を含む発根培地で生じたトランスジェニックダイズ事象の遺伝率
合計153種のトランスジェニックダイズ事象を単離し、成熟に向けて成長させた。これらのダイズ事象を、自家受粉させ、種子を製造し、これを得て、遺伝率について解析した。153種トランスジェニックダイズ事象のすべてが、親のTダイズ植物における分子解析によって、黄色蛍光タンパク質およびホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ導入遺伝子を含有すると確認された。153種のトランスジェニックダイズ事象の各々について、15個の種子を得、従来の温室条件下で土壌において発芽させた。トランスジェニックダイズ植物は、発達のVI段階に成長させ、この実施例において例示的選択物質として使用される411g ae/haのグルホシネートを用いて噴霧した。グルホシネートを用いて処理した後、ダイズ植物を観察し、グルホシネートに対して耐性または感受性として段階分けした。少なくとも1個のT実生を生じたトランスジェニックダイズ事象を遺伝性事象であると決定した。
解析した153種のトランスジェニックダイズ事象のうち、48%の事象が、グルホシネートに対して耐性である少なくとも1個のダイズ種子を生じ、遺伝性事象であると決定した。試験したTトランスジェニックダイズ事象のうち、153のうち76種のトランスジェニックダイズ事象が、グルホシネートを含む発根培地に移された場合に褐色/黒色根を発達させたダイズシュートから生じた。これらのトランスジェニックダイズ事象のうち合計93%が、グルホシネートの適用に対して感受性であるダイズ植物を生成し、非遺伝性事象であると決定した(表3を参照のこと)。試験したTトランスジェニックダイズ事象のうち、153のうち77種のトランスジェニックダイズ事象が、グルホシネートを含む発根培地に移された場合に健常な白色根を発達させたダイズシュートから生じた。これらのトランスジェニックダイズ事象のうち合計90%が、グルホシネートの適用に対して耐性であるダイズ植物を生成し、遺伝性事象であると決定した(表3を参照のこと)。したがって、組織培養の発根培地段階内でグルホシネート選択を使用することおよび健常な白色根を含む生殖系列が形質転換されたダイズ事象を進めることによって、遺伝性ダイズ事象の頻度が48%から90%に増大する。逆に、褐色/黒色根を含むダイズ形質転換体を同定および排除することによって、非生殖系列が形質転換された事象の約93%が、形質転換の発根段階で同定され、選別され得る(表3を参照のこと)。
表4に示されるように、遺伝性であり、黄色蛍光タンパク質導入遺伝子のコピーを有すると分子的確認解析によって確認された特定のTダイズ事象は、選択物質を含む発根培地において培養され、顕微鏡によって黄色蛍光タンパク質導入遺伝子を発現すると確認されたTダイズ植物に由来していた。研究の結果は、T植物の根における黄色蛍光タンパク質導入遺伝子発現と、T植物の黄色蛍光タンパク質導入遺伝子の遺伝子の間に相関があることを示す。ダイズ根が、生殖系列組織から発達した(図3および図4を参照のこと)ことを考慮すると、発根培地内への選択物質の組込みが、ダイズ生殖系列形質転換体の発達を選択し、ダイズ非生殖系列形質転換体を選別するために使用され得る。
非生殖系列ダイズ形質転換事象の検出および排除
ダイズ形質転換プロセスにおいて早期段階での非生殖系列またはキメラのダイズ形質転換体の排除のための、新規および効率的な方法が開示される。方法論は、生殖系列ダイズ形質転換体の選択のための発根培地への選択物質の組込みを配置する。この実施例では、例示的選択物質として1mg/Lのグルホシネートを使用した。再生されたダイズシュートが、グルホシネートを含む発根培地で培養される場合には、非生殖系列またはキメラのダイズ形質転換事象は、生存可能な根を生成しない。非生殖系列またはキメラのダイズ形質転換事象は、健常ではない褐色/黒色根を生成するか、または根を全く生成しない。そのようなものとして、非生殖系列またはキメラダイズ形質転換事象は、視覚的に区別され、ダイズ形質転換プロセスにおいて早期段階で選別され得る。比較上、生殖系列ダイズ形質転換事象は、グルホシネートの存在下で健常な生存可能な根を生成し、T1種子製造のために温室に進めるために、発根した小植物が同定および選択され得る。生殖系列ダイズ形質転換体の選択のための発根培地における選択物質としてグルホシネートを評価した。少なくとも1mg/L選択の濃度の選択物質としてグルホシネートの使用は、根表現型(褐色/黒色根または根の発達なし)に基づいて非生殖系列(キメラ)事象の約93%を排除するのに有効であるとわかった。比較上、少なくとも1mg/L選択の濃度の選択物質としてのグルホシネートの使用は、生殖系列ダイズ形質転換事象を同定するのに有効であり、選択物質を含むダイズ培地において生存可能な健常な根を生成した、進められたダイズ形質転換事象の約90%が、生殖系列ダイズ形質転換体であると確認された(図6)。
グリホサート選択物質の使用による非生殖系列ダイズ形質転換事象の検出および排除
dgt−28導入遺伝子を含むバイナリーベクターは、当技術分野で認識される手順を使用して構築され得る。dgt−28導入遺伝子は、市販の濃度のグリホサートの適用に対して頑強な耐性を提供し得る。dgt−28導入遺伝子を含む例示的バイナリーベクターは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願番号第13/757,536号にさらに記載されている。dgt−28抗生物質選択マーカー遺伝子を含有するバイナリーベクターは、続いて、ダイズの形質転換のために使用され得る。アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株の株が、dgt−28抗生物質選択マーカー遺伝子を含むバイナリーベクターを用いてエレクトロポレーションされ得る。単一コロニーが単離され、バイナリーベクターの存在が、制限酵素消化によって確認され得る。
植物形質転換は、任意の既知ダイズ形質転換プロトコールを使用して実施され得る。例示的ダイズ形質転換法として、Zeng P. (2004)の修飾された子葉節ダイズ形質転換手順、Paz M. (2005)の修飾された半粒種子ダイズ形質転換または米国特許出願番号第61/739,349号の部分胚軸を有する分割種子のダイズ形質転換法が挙げられる。形質転換後、ダイズ組織は、以下に記載される組織培養法を使用して培養される。
形質転換されたダイズ種子は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願番号第61/739,349号に記載されるような修飾された組織培養プロトコールを使用して培養され、選択物質はグリホサートである。ダイズ植物種子の、アグロバクテリウムとの同時培養は、濾紙で覆った同時培養培地上で5日間実施され得る。同時培養培地上で5日間インキュベートした後、外植片は、液体シュート誘導(SI)培地で約5〜10分間洗浄され得る。次いで、外植片は、シュート誘導−I(SI−I)培地上で培養され得る。ダイズ種子は、ダイズ種子の平坦面を上にし、ダイズ子葉の節の末端をSI−I培地中に埋めるよう方向づけられ得る。24℃、18時間の明期で2週間培養した後、外植片は、0.01mM〜1.0mMのグリホサートを補給したシュート誘導II(SI−II)培地に移され得る。SI−II培地で2週間後、外植片から子葉が除去され得、子葉の基部に切り目を入れることによって、生き生きとしたシュートパッドが切り出され得、単離されたシュートがシュート伸長(SE)培地に移され得る。培養物は2週間ごとに新鮮SE培地に移され得る。PETRI(商標)ディッシュは、シュート誘導およびシュート伸長段階を通じて濾紙で包まれなくてもよい。照明源は、シュート誘導およびシュート伸長の間、80〜90μmole sec−1m−2の照明で形質転換された組織に提供され得る。
伸長されたシュートは、1mg/Lのインドール3−酪酸(IBA)中に約1〜3分間浸漬されて、発根を促進され得、その後、単離されたシュートは、phytaトレイ中の発根培地(MS塩、B5ビタミン、28mg/Lの第一鉄、38mg/LのNaEDTA、20g/Lのスクロースおよび0.59g/LのMES、50mg/Lのアスパラギン、100mg/LのL−ピログルタミン酸および7g/LのNOBLE(商標)寒天、pH5.6)に移され得る。サブセットの形質転換実験のために、0.01mM〜1.90mMの濃度のグリホサートの選択物質が発根培地中に組み込まれ得る。
24℃、18時間の明期で発根培地において1〜2週間培養した後、健常な生存可能な根を生成したダイズシュートが土壌に移され得る。健常な生存可能な根を含むダイズシュートは、開放プラスチックサンデーカップ中に入れた土壌中に入れられ得る。移された、根を含むダイズシュートを含有するプラスチックサンデーカップが、ダイズ小植物の順化のためにCONVTRON(商標)中に入れられ得る。発根したダイズ小植物は、開放サンデーカップ中で数週間順化され得、次いで、小植物は温室に移される。
非生殖系列、キメラダイズ形質転換事象およびエスケープを排除するために、グリホサートを含む選択物質(section agent)のダイズ組織培養発根培地への組込みが試験され得る。dgt−28導入遺伝子を含有するバイナリーベクターを用いたダイズ(栽培品種マーベリック(Maverick))のアグロバクテリウム媒介性形質転換後に、ダイズシュートが再生され、グリホサートを含む選択物質を含有する発根培地上で培養され得る。シュートは、根発達について観察され得、生存可能な白色根を生成したシュートは、顕微鏡によって導入遺伝子の発現についてさらにアッセイされ得る。根は導入遺伝子の存在について分子的確認によってさらに試験され得る。発達した根内の活発に発現する導入遺伝子の存在は、L/L組織層が形質転換され、それによって、ダイズ生殖系列形質転換体が得られたことを示し得る。導入遺伝子発現と、生存可能な白色根形成の間に相関が観察され得、生存可能な白色根の大部分は、根組織において導入遺伝子を発現し得る。
これらの結果は、選択物質を含有しない発根培地で培養されたダイズシュートに匹敵し得る。選択物質が発根培地中に含まれないという対照条件は、健常な根を生成するダイズシュートをもたらし得る。しかし、発根した植物のうちわずか約50%が、根組織において導入遺伝子を発現し得る。
逆に、非生殖系列またはキメラの形質転換されたシュートが、選択物質を含む発根培地に移された場合には、シュートは、根を発達させないこともあり、またはわずかな根を発達させ得、これらは褐変または黒変し得る。褐色根または黒色根を生成するシュートは、根組織において導入遺伝子を発現しないこともあり、それによって、生殖系列組織が、導入遺伝子を用いて形質転換されないこともあることを示す。これらの結果は、非生殖系列ダイズ形質転換事象は、選択物質を含む発根培地において培養された場合に、根を形成しないか、または褐色/黒色根を発達させることを示し得る。非生殖系列が形質転換されたダイズシュートは、生存しない場合もあり、または褐色/黒色根の生成によって同定されるように視覚的に区別され得、したがって、組織培養の発根培地選択段階で選別され得る。
2,4−D選択物質の使用による非生殖系列ダイズ形質転換事象の検出および排除
aad−12導入遺伝子を含むバイナリーベクターは、当技術分野で認識される手順を使用して構築され得る。aad−12導入遺伝子は、市販の濃度の2,4−Dの適用に対して頑強な耐性を提供する。aad−12導入遺伝子を含む例示的バイナリーベクターは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,283,522号にさらに記載されている。aad−12抗生物質選択マーカー遺伝子を含有するバイナリーベクターは、続いて、ダイズの形質転換のために使用され得る。アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)株の株が、aad−12抗生物質選択マーカー遺伝子を含むバイナリーベクターを用いてエレクトロポレーションされ得る。単一コロニーが単離され、バイナリーベクターの存在が、制限酵素消化によって確認される。
植物形質転換は、任意の既知ダイズ形質転換プロトコールを使用して実施され得る。例示的ダイズ形質転換法として、Zeng P. (2004)の修飾された子葉節ダイズ形質転換手順、Paz M. (2005)の修飾された半粒種子ダイズ形質転換または米国特許出願番号第61/739,349号の部分胚軸を有する分割種子のダイズ形質転換法が挙げられる。形質転換後、ダイズ組織は、以下に記載される組織培養法を使用して培養され得る。
形質転換されたダイズ種子は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願番号第61/739,349号に記載されるような修飾された組織培養プロトコールを使用して培養され得、選択物質は、2,4−Dである。ダイズ植物種子の、アグロバクテリウムとの同時培養は、濾紙で覆った同時培養培地上で5日間実施され得る。同時培養培地上で5日間インキュベートした後、外植片は、液体シュート誘導(SI)培地で約5〜10分間洗浄され得る。次いで、外植片は、シュート誘導−I(SI−I)培地上で培養され得る。ダイズ種子は、ダイズ種子の平坦面を上にし、ダイズ子葉の節の末端をSI−I培地中に埋めるよう方向づけられ得る。24℃、18時間の明期で2週間培養した後、外植片は、2〜120mg/Lの2,4−Dを補給したシュート誘導II(SI−II)培地に移され得る。SI−II培地で2週間後、外植片から子葉が除去され得、子葉の基部に切り目を入れることによって、生き生きとしたシュートパッドが切り出され、単離されたシュートがシュート伸長(SE)培地に移される。培養物は2週間ごとに新鮮SE培地に移され得る。PETRI(商標)ディッシュは、シュート誘導およびシュート伸長段階を通じて濾紙で包まれなくてもよい。照明源は、シュート誘導およびシュート伸長の間、80〜90μmole sec−1m−2の照明で形質転換された組織に提供され得る。
伸長されたシュートは、1mg/Lのインドール3−酪酸(IBA)中に約1〜3分間浸漬されて、発根を促進され得、その後、単離されたシュートは、phytaトレイ中の発根培地(MS塩、B5ビタミン、28mg/Lの第一鉄、38mg/LのNaEDTA、20g/Lのスクロースおよび0.59g/LのMES、50mg/Lのアスパラギン、100mg/LのL−ピログルタミン酸および7g/LのNOBLE(商標)寒天、pH5.6)に移される。サブセットの形質転換実験のために、約2〜120mg/Lの濃度の2,4−Dの選択物質が発根培地中に組み込まれる
24℃、18時間の明期で発根培地において1〜2週間培養した後、健常な生存可能な根を生成したダイズシュートが土壌に移され得る。健常な生存可能な根を含むダイズシュートは、開放プラスチックサンデーカップ中に入れた土壌中に入れられ得る。移された、根を含むダイズシュートを含有するプラスチックサンデーカップは、ダイズ小植物の順化のためにCONVTRON(商標)中に入れられ得る。発根したダイズ小植物は、開放サンデーカップ中で数週間順化され得、その後、小植物は温室に移される。
非生殖系列、キメラダイズ形質転換事象およびエスケープを排除するために、2,4−Dを含む選択物質(section agent)のダイズ組織培養発根培地への組込みが試験され得る。aad−12導入遺伝子を含有するバイナリーベクターを用いたダイズ(栽培品種マーベリック(Maverick))のアグロバクテリウム媒介性形質転換後に、ダイズシュートが再生され、2,4−Dを含む選択物質を含有する発根培地上で培養され得る。シュートは、根発達について観察され得、生存可能な白色根を生成したシュートは、顕微鏡によって導入遺伝子の発現についてさらにアッセイされ得る。根は導入遺伝子の存在について分子的確認によってさらに試験され得る。発達した根内の活発に発現する導入遺伝子の存在は、L/L組織層が形質転換され、それによって、ダイズ生殖系列形質転換体が得られたことを示す。導入遺伝子発現と、生存可能な白色根形成の間に相関が観察され得、生存可能な白色根の大部分は、根組織において導入遺伝子を発現する。
これらの結果は、選択物質を含有しない発根培地で培養されたダイズシュートに匹敵し得る。対照条件は、選択物質を発根培地中に含まないこともあり、健常な根を生成するダイズシュートをもたらし得る。しかし、発根した植物のうちわずか約50%が、根組織において導入遺伝子を発現し得る。
逆に、非生殖系列またはキメラの形質転換されたシュートが、選択物質を含む発根培地に移された場合には、シュートは、根を発達させないこともあり、またはわずかな根を発達させ得、これらは褐変または黒変し得る。褐色根または黒色根を生成するシュートは、根組織において導入遺伝子を発現しないこともあり、それによって、生殖系列組織が、導入遺伝子を用いて形質転換されないこともあることを示す。これらの結果は、非生殖系列ダイズ形質転換事象は、選択物質を含む発根培地において培養された場合に、根を形成しないか、または褐色/黒色根を発達させることを示し得る。非生殖系列が形質転換されたダイズシュートは、生存しない場合もあり、または褐色/黒色根の生成によって同定されるように視覚的に区別され得、したがって、組織培養の発根培地選択段階で選別され得る。
本発明の態様は、特定の実施形態において説明されてきたが、それらは、本開示の精神および範囲内でさらに変更されてもよい。したがって、本出願は、その一般原理を用いた本発明の実施形態の任意のバリエーション、用途、または適応をカバーすることを意図している。さらに、本出願は、これらの実施形態が関与し、添付の特許請求の範囲の限定に含まれる当該技術分野における公知または慣行に含まれるように本開示からのこのような逸脱をカバーすることを意図している。

Claims (24)

  1. ダイズ生殖系列形質転換体から作り出されたシュートを同定する方法であって、
    a.ダイズ植物の細胞の集団を、導入遺伝子を用いて形質転換するステップであって、形質転換された細胞の前記集団が、形質転換された生殖系列細胞および形質転換された非生殖系列細胞を含むステップと、
    b.形質転換された細胞の前記集団からシュートを再生するステップと、
    c.形質転換された細胞の前記集団によって生成された前記シュートを単離するステップと、
    d.再生され単離された前記シュートを選択発根培地に付すステップであって、(i)前記形質転換された生殖系列細胞によって生成された、再生され単離され付された前記シュートが、生存可能な根を作り出し、(ii)前記形質転換された非生殖系列細胞によって生成され、再生され単離され付された前記シュートが、生存可能な根を作り出さないステップと、
    e.前記シュートが生存可能な根を作り出すか否かを検出することによって、ダイズ生殖系列形質転換体から作り出された前記シュートを同定するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記形質転換が、アグロバクテリウム形質転換、微粒子銃、リン酸カルシウム形質転換、ポリブレン形質転換、プロトプラスト融合形質転換、エレクトロポレーション形質転換、超音波形質転換、リポソーム形質転換、マイクロインジェクション形質転換、裸のDNA形質転換、プラスミドベクター形質転換、ウイルスベクター形質転換、シリコンカーバイド媒介性形質転換、エアゾールビーミング形質転換またはPEG形質転換からなる群から選択される形質転換法を使用する、請求項1に記載の方法。
  3. ダイズ植物の細胞の前記集団が、ダイズ植物組織を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記ダイズ植物組織が、L2/L3組織層またはL1組織層である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記L2/L3組織層が、生殖系列細胞を含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記L1組織層が、非生殖系列細胞を含む、請求項4に記載の方法。
  7. 前記L2/L3組織層が、成長点ダイズ植物組織、根ダイズ植物組織および維管束ダイズ植物組織からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  8. 前記L1組織層が、表層ダイズ植物組織、基本ダイズ植物組織およびマントルダイズ植物組織からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。
  9. 前記導入遺伝子が、少なくとも1種の遺伝子発現カセット内に含有される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記遺伝子発現カセットが、選択マーカー遺伝子を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記選択マーカー遺伝子が、ホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ遺伝子である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記遺伝子発現カセットが、形質遺伝子を含む、請求項9に記載の方法。
  13. 前記遺伝子発現カセットが、RNAi遺伝子を含む、請求項9に記載の方法。
  14. 前記選択発根培地が、グルホシネートまたは2,4−Dを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記選択発根培地内の前記グルホシネート濃度が、少なくとも1.0mg/Lである、請求項12に記載の方法。
  16. 前記選択発根培地中の前記グルホシネート濃度が、1.0mg/L〜10.00mg/Lである、請求項12に記載の方法。
  17. 前記選択発根培地中の前記グルホシネート濃度が、1.0mg/Lである、請求項12に記載の方法。
  18. 前記選択発根培地が、基礎塩、ビタミン、ミネラルおよび炭素供給源を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記基礎塩が、GamborgのB−5基礎塩、Schenk&Hildebrandt基礎塩、Whiteの基礎塩、Chu(N6)基礎塩、DKW/Juglans基礎塩、HoaglandのNo.2基礎塩、Murashige&Skoog基礎塩およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 前記基礎塩が、Murashige&Skoog基礎塩である、請求項19に記載の方法。
  21. 前記ビタミンが、GamborgのB−5ビタミン、MEMビタミン、Murashige&Skoogビタミン、Schenk&Hildebrandtビタミンおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  22. 前記ビタミンが、GamborgのB−5ビタミンである、請求項21に記載の方法。
  23. 前記炭素供給源が、グルコース、デキストロース、マンノース、フルクトース、ガラクトース、グルクロン酸塩、ラクトース、グリセロールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  24. 前記炭素供給源がスクロースである、請求項23に記載の方法。
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