JP2016531289A - 圧力損失に対するタイヤの耐性を試験する方法 - Google Patents
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Abstract
パンク後の圧力損失に対するタイヤの耐性を試験する方法であって、− タイヤのウォールに複数のパンク誘発物を挿入することによって複数のパンクを形成するステップと、− パンク誘発物がタイヤ内に存在する状態で、調整した膨張圧で所与の距離にわたってタイヤを走行させるステップと、− 走行を停止するステップと、− 各パンクについて、パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、を含み、第1段階において、複数のパンク誘発物を釘などの壁部が滑らかな尖った物体で構成し、物体が走行中に排出されないように走行を行い、第2段階において、複数のパンク誘発物をねじなどの尖ってはいるが壁部にねじ山がある物体で構成し、80km/h未満の速度で走行を行う方法。【選択図】図4
Description
本発明は、タイヤに関し、具体的には、タイヤのパンク後の圧力損失に対する耐性を試験する方法に関する。
タイヤのウォールにねじ又は釘などのパンク誘発物が突き刺さり、すなわち「パンク」すると、パンクを通じてタイヤの膨張空気が漏出し、結果として生じる圧力損失によってタイヤが潰れ、車両が止まってしまうことがある。
パンク行為からタイヤが潰れるまでの間に経過する時間は非常に様々であり、特にパンク誘発物のサイズだけでなく、パンク誘発物がタイヤのウォール内に存在する状態で走行し続けたか否かにも依存する。この走行によってパンク誘発物とタイヤのウォールとの間に相対的な動きが生じ、多くの場合、これによってパンクが拡大し、漏出率が高くなる。
空気タイヤが取り付けられたホイールの使用開始時に直ちに遡ってこのパンクの問題に対処するための通常の解決策は、停止して、影響を受けたホイールをスペアホイールと交換することである。
スペアホイールを使用する必要性を避けるための他の解決策も考えられており、市場で入手することができる。
米国特許第5916931号には、繊維製品及び推進剤ガスを含む様々な製品と混合した水性ラテックス乳剤を含むエアロゾル容器が記載されている。この容器は、タイヤが潰れた場合にタイヤバルブに固定され、タイヤの内部キャビティに推進剤ガス及び封止/補修乳剤を放出するように設計されている。その後、タイヤは少なくとも部分的に再び膨張し、乳剤がパンクを塞ぎ、最初はタイヤの内面全体にわたって乳剤を正しく分散させるために低速で、その後は通常通りに走行を再開することができる。
また、修理キットも存在し、スペアホイールの代わりにこれらのキットを提供する自動車メーカーもある。修理キットの利点は、車重、従って燃費を削減し、荷物室の床下空間を節約する点である。
パンクキットは、コンプレッサ、シーラントのシリンダ、リード線及び空気ホースで構成される。シーラントのシリンダをコンプレッサに固定し、シリンダ及びタイヤのバルブに空気ホースをねじ込み、車両のシガレットライタにリード線を差し込めば、後はバッテリが枯渇しないようにエンジンを動かしたままコンプレッサを「オン」にするだけでよい。
シーラントは、約30秒でタイヤに流入し、その間に空気ホースの圧力は、約6バールに上昇する。次に、空気によってタイヤが膨張し、10分以内で理論的膨張圧に達する。この圧力に達すると、後はコンプレッサをオフにしてキットを取り外すだけでよい。
再びタイヤが膨張したら、タイヤ圧を必要レベルにするために、すばやく運転席に戻って10km運転し、コンプレッサ及び空気ホースを用いてタイヤ圧をチェックする必要がある。
パンクしたタイヤを一旦修理したら、80km/hの速度を超えるべきではなく、直後にタイヤをチェック又は交換すべきである。タイヤ修理キットは、一時的な修理でしかない。
タイヤメーカーは、パンクを塞ぐことができる「セルフシール製品」と呼ばれる弾性、粘性又はペースト状製品の層が内側ウォール又は構造内に施されたタイヤも提案している。国際公開第2008/080556号には、このようなタイヤの一例が開示されている。これらのタイヤは、それ自体が耐パンク性ではなく、セルフシール製品によってパンクが正常に閉じられ、すなわち塞がれる。
これらの様々な解決策のメーカーは全て、特にパンクの直後にパンク誘発物が取り除かれた場合に、自社の製品を用いた優れたパンク密封結果を提供する。しかしながら、通常の運転状態に対応する試験方法は存在せず、従ってこれらの様々な解決策が実際にどれほど効果的であるかを判定し、これらの解決策を互いに比較することは非常に困難である。
本発明の主題は、パンク後の圧力損失に対するタイヤの耐性を試験する方法であって、
− タイヤのウォールに複数のパンク誘発物を挿入することによって複数のパンクを形成するステップと、
− パンク誘発物がタイヤ内に存在する状態で、調整した膨張圧で所与の距離にわたってタイヤを走行させるステップと、
− 走行を停止するステップと、
− 各パンクについて、パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、
を含み、
− 第1段階において、複数のパンク誘発物を釘などの壁部が滑らかな尖った物体で構成し、物体が走行中に排出されないように走行を行い、
− 第2段階において、前記複数のパンク誘発物をねじなどの尖ってはいるが壁部にねじ山がある物体で構成し、80km/h未満の速度で走行を行う、
方法である。
− タイヤのウォールに複数のパンク誘発物を挿入することによって複数のパンクを形成するステップと、
− パンク誘発物がタイヤ内に存在する状態で、調整した膨張圧で所与の距離にわたってタイヤを走行させるステップと、
− 走行を停止するステップと、
− 各パンクについて、パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、
を含み、
− 第1段階において、複数のパンク誘発物を釘などの壁部が滑らかな尖った物体で構成し、物体が走行中に排出されないように走行を行い、
− 第2段階において、前記複数のパンク誘発物をねじなどの尖ってはいるが壁部にねじ山がある物体で構成し、80km/h未満の速度で走行を行う、
方法である。
この試験方法は、複数のパンク誘発物の存在下で走行を行うため、選択性が高いという利点を有する。この走行により、パンク誘発物とタイヤのウォールとの間には、パンクを拡大し、パンクを塞いだり又は塞いだ状態を保持したりすることを困難にする恐れがある相対的な動きが生じる。複数の様々なタイプの直径のパンク誘発物の使用を調整圧での走行と組み合わせることは、1つのタイヤを用いて数多くのパンク耐性結果を取得することができ、従って必要な試験回数が制限されることを意味する。走行中、特にパンク誘発物が排出された場合に生じ得るあらゆる漏出を補償するために、試験するタイヤは、膨張圧を調整することが有利である。このことは、タイヤ内に存在する他のパンク誘発物に関連するパンクの性能を研究できることを意味する。
この試験方法は、セルフシール製品を含むタイヤ、例えば内側ウォール上又はウォール内に配置されたセルフシール製品の層を含むタイヤにとって特に有用である。
タイヤがセルフシール製品を含まない場合には、走行を停止して圧力損失耐性指数を求める前に、タイヤの内部キャビティにシール製品を導入する。
従って、この試験方法では、パンクの際にスペアホイールに取って代わる代替解決策、特にタイヤインフレータ及び修理キットを現実的条件下で試験することができる。当然ながら、このタイヤの内部キャビティへのシーラントの導入は、試験する各シール解決策に固有の正しい手順に従って行う必要がある。
本発明の1つの主題による試験方法は複数の段階を含み、各段階では、適合するようにされた異なるタイプのパンク誘発物及び試験条件を使用する。
この理由は、出願人の企業が、セルフシール製品又はセルフシール製品の層の性能がパンク誘発物の形状によって異なり得ることを発見したためである。
パンク誘発物が釘などの壁部が滑らかな尖った物体である時には、低速での性能は一定であるが、ある速度閾値を超えると次第に性能が低下することが分かった。このような釘をパンク誘発物として使用する試験方法の第1段階は、試験が選択的であるためには十分に高いがパンク誘発物の目立った排出を引き起こすほどには高くはない速度でパンク耐性を試験するという利点を有する。この第1段階の走行速度V1は一定であって80km/hを上回ることが好ましく、90〜120km/hであることが非常に好ましい。
80km/hを下回ると、この試験方法では、同様のセルフシール製品の解決策を分類することができず、120km/hを超えると、排出される釘の割合が過大になる。
具体的には、パンク誘発物が排出された後のセルフシール製品又はセルフシール層の性能が、特に釘の場合に非常にランダムになることが分かった。従って、数多くのパンク誘発物が排出された場合、選択的かつ反復可能な試験を行うことが不可能になる。
この試験方法は、複数のパンク誘発物をねじなどの壁部にねじ山のある尖った物体で構成する第2段階を含む。
このようなパンク誘発物の存在下におけるセルフシール性能は、停止時及び低速時にはそれほど良好でないが、走行時の速度の関数として好転することが分かる。
このようなねじタイプのパンク誘発物の存在下では、これらの物体を挿入する際にタイヤを摂氏50〜60度に予熱すると、走行前及び走行後の性能が向上することが分かる。このような予熱は、ほとんどのパンクはタイヤの走行中、従って高温時に発生するという使用条件に近い限り、この第2段階の一部を有利に形成することができる。
第2段階での走行は、80km/h未満の速度で行われることが好ましい。これにより、ねじによって生じたパンクがタイヤのクラウンに存在する際に、様々なセルフシール解決策がどのように挙動するかについての明確な差別化を行うことが可能になる。走行速度V2は、50〜75km/hであることが有利である。
この試験方法の第2段階は、ねじタイプのパンク誘発物を用いて、80km/hを上回る一定の高速V2-2で試験を行うことによって補完されることが有利である。
これにより、各解決策についてセルフシール性能の改善勾配を速度の関数として評価することが可能になる。
このような試験方法により、パンク誘発物の2つの相補的事例におけるセルフシール解決策の圧力損失耐性を評価することが可能になる。これらの2つの事例では、解決策の分類が互いに無関係であることが分かる。
この試験方法は、
− 前記タイヤの前記ウォールに複数のパンク誘発物を挿入することによって複数のパンクを形成するステップと、
− 前記タイヤのウォールから複数のパンク誘発物を引き抜くステップと、
− パンク誘発物を引き抜いた後に、調整した膨張圧で所与の距離にわたって120km/hを上回る速度V3でタイヤを走行させるステップと、
− 走行を停止するステップと、
− 各パンクについて、前記パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、
を含む第3段階をさらに含むことが有利である。
− 前記タイヤの前記ウォールに複数のパンク誘発物を挿入することによって複数のパンクを形成するステップと、
− 前記タイヤのウォールから複数のパンク誘発物を引き抜くステップと、
− パンク誘発物を引き抜いた後に、調整した膨張圧で所与の距離にわたって120km/hを上回る速度V3でタイヤを走行させるステップと、
− 走行を停止するステップと、
− 各パンクについて、前記パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、
を含む第3段階をさらに含むことが有利である。
速度V3は一定であり、180km/h未満であることが好ましい。
この第3段階は、上述した最初の2つのシナリオとは無関係な第3のシナリオにおけるセルフシール解決策の性能を特徴付けるという利点を有する。この段階では、パンク誘発物が引き抜かれた後にパンクを塞ぐセルフシール製品のプラグの高速機械耐性を試験する。この第3段階の結果は、最初の2つの結果を補完する。
試験方法の各段階の走行距離は、200kmを上回ることが有利であり、500kmを上回ることが非常に有利である。
当然ながら、各段階で使用される状況及びパンク誘発物の数によっては、試験方法の3つの段階全てに同じタイヤを使用することも、又は各々がこのセルフシール解決策を試験するために同じセルフシール解決策を備えた複数のタイヤを使用することもできる。
試験方法は、全てのパンクについて平均圧力損失耐性指数(IM1、IM2、IM3)を計算するさらなるステップを含むことが有利である。
また、パンク誘発物のスコアを組み合わせ、物体が顧客ベース内で出現する頻度を示す曲線を用いてこれらのスコアに重み付けすることによって各指数を求めることも有利である。
例えば、所与の国で見つかった釘及び/又はねじ直径の分布を示す曲線を参照することができる。これにより、所与の国における実際の使用条件に近い条件での動作が可能になる。
このようにして取得されたIM1、IM2、IM3という3つの指数により、タイヤが最初からセルフシール製品を備えているか否かに関わらず、パンク後の圧力損失に対するタイヤの耐性を高度に選択的に特徴付けることが可能になる。
タイヤは、回転道路上を走行することができる。
タイヤは、パンク誘発物をタイヤのウォールに挿入する前に膨張させることが好ましい。これにより、パンク誘発物の挿入が容易になる。
走行中には、タイヤの膨張圧が調整されることが好ましく、試験するタイヤのタイプによって1.8〜5バールの圧力に調整されることが非常に好ましい。
複数のパンク誘発物は、様々な直径及び/又は様々な長さのねじ及び釘を含むことが有利である。
パンク誘発物の直径は、3〜5mmであることが好ましい。
複数のパンク誘発物は、10〜50個のパンク誘発物を含むことが有利であり、20〜40個の物体を含むことが好ましい。
パンク誘発物は、タイヤのトレッドパターンの溝の外面からタイヤのクラウンに挿入することができる。
パンク誘発物は、タイヤのトレッドパターンのトレッドブロックに挿入することもできる。
各パンクの漏出率を視覚化して定性的に評価するために、界面活性剤を使用することが有利である。
パンクの漏出率を評価するために、
− 100:泡が見えず、漏出なし、
− 80:拡大鏡を用いてしか確認できない0.1mm未満の直径の非常に小さな泡が存在するナノ漏出、
− 60:0.1〜1mmの直径の裸眼で見える小さな泡が存在するマイクロ漏出、
− 0:1mmを超える直径の成長する泡が存在し、又は流量が大き過ぎて泡が全く存在しない漏出、
というスコア付けスキームを使用することができる。
− 100:泡が見えず、漏出なし、
− 80:拡大鏡を用いてしか確認できない0.1mm未満の直径の非常に小さな泡が存在するナノ漏出、
− 60:0.1〜1mmの直径の裸眼で見える小さな泡が存在するマイクロ漏出、
− 0:1mmを超える直径の成長する泡が存在し、又は流量が大き過ぎて泡が全く存在しない漏出、
というスコア付けスキームを使用することができる。
以下の添付図に、内側ウォール上にセルフシール層を含むタイヤにおける、圧力損失に対するタイヤの耐性を試験する方法の様々な態様を示す。
上述した国際公開第2008/080556号に記載されるような、セルフシール製品の層が施された205/55R16のサイズのMichelin Energy Saverタイヤ1を試験する。
図8に、所与のセルフシール解決策の性能に対する走行速度の影響を非常に概略的に示す。これらの走行条件は、本発明の1つの主題による試験方法の様々な段階のものである。
グラフ(a)は、側壁が滑らかな尖ったパンク誘発物である釘タイプのパンク誘発物の事例(段階1)を示す。性能は、低走行速度では優れているが、その後、速度が約70km/h以上になると次第に低下する。
グラフ(b−1)は、側壁にねじ山のある尖ったパンク誘発物であるねじタイプのパンク誘発物の事例(段階2)を示す。低温状態、すなわち摂氏約20度の大気温度でタイヤのクラウンにねじを挿入したものである。停止時及び低速時の性能は良くないが、その後、速度と共に次第に向上する。
グラフ(b−2)は、ねじタイプのパンク誘発物を高温で挿入した時の、すなわち、タイヤを摂氏約50〜60度のクラウン温度に上昇させた時のねじタイプのパンク誘発物の事例を示す。試験した速度範囲全体にわたって圧力損失耐性性能の向上が観察される。
最後に、グラフ(c)は、パンク誘発物をタイヤのクラウンに挿入した直後に抜き取ってから行った走行中に得られた性能(段階3)を示す。この場合も、低速度性能は優れており、約130km/hの高速をわずかに超えた辺りで平均性能が低下し始めると考えられる。このことは、セルフシール製品のプラグの高温機械強度を特徴付ける。
図1に、この試験方法に一般的に使用されるパンク誘発物の例をいくつか示す。これらは、直径3mmの釘21、直径4mmの釘22及び直径5mmの釘23、並びに直径3.5mmで長さ30又は40mmのねじ25である。
これらのパンク誘発物の直径は、実際の走行条件下で遭遇するパンク誘発物に対して完全に実際的なものである。図2には、中国及び米国の道路上で見つかった釘の分布を累積度数として示す。遭遇するパンク誘発物の90%よりも多くを直径5mm以下の釘が全体として占めることが認められる。
タイヤ1を適当なホイールに取り付けて2.5バールに膨張させたら、これらのタイヤ及びホイールを図示していない回転ハブにしっかりと取り付け、タイヤ1のクラウン3に複数のパンク誘発物を挿入する。
図3は、タイヤ1のクラウン3を上から見た部分ビューである。このタイヤのトレッドパターンは、内側、中央7及び外側9の3つの縦溝と、横溝又は空隙11を有する外側ショルダー部5とを含む。内側又は外側は、車両の内向き又は車両の外向きに取り付けられように意図されたタイヤの側を意味し、このタイヤのトレッドパターンは非対称である。図3には、中央縦溝(CG)7、外側縦溝(OG)9及び外側ショルダー部5の横溝(TV)11内に配置された釘21による3つのパンクを示している。
試験方法の第1段階、すなわち「釘手順」では、クラウン全体に、直径が3mmで長さが45〜60mmの釘を12本、直径が4mmで同様の長さの釘を6本、及び直径が5mmで同様の長さの釘を6本挿入した。
タイヤのクラウンを摂氏約50〜60度の温度に上昇させた試験方法の第2段階、すなわち「ねじ手順」では、クラウン全体にわたり、直径が3.5mmで長さが30mmのねじを12本、及び直径が3.5mmで長さが40mmのねじを12本挿入した。パンク誘発物は、クラウンの外周に均一に分散させる。
その後、膨張したタイヤとホイールの組立体を、5〜6メートルの展開長さを有するローラのハブに固定する。
走行条件として、膨張圧を例えば2.5バールに調整し、与える荷重をタイヤの定格荷重の約70%にし、回転道路室内の温度を約20℃に調整し、トルクを与えずにコーナリング又はキャンバを適用しない直線で走行させる。
速度条件は、以下の手順に依存し、
− 釘手順では、実際に釘の排出が観察されないV1=100km/hで6時間にわたって走行を行い、
− ねじ手順では、速度V2=70km/hで6時間にわたって1回目の走行を行い、その後、1回目の走行結果を分析したら、速度V2-2=130km/hで6時間にわたって2回目の走行を行い、
− 第3段階、すなわち「プラグ手順」では、150km/hで6時間にわたって走行を行う。
− 釘手順では、実際に釘の排出が観察されないV1=100km/hで6時間にわたって走行を行い、
− ねじ手順では、速度V2=70km/hで6時間にわたって1回目の走行を行い、その後、1回目の走行結果を分析したら、速度V2-2=130km/hで6時間にわたって2回目の走行を行い、
− 第3段階、すなわち「プラグ手順」では、150km/hで6時間にわたって走行を行う。
最も大きな釘は、走行中に排出される可能性がある。試験の分析条件(新品の錆びていない真っ直ぐに立たせた釘)によって排出の発生が促される。排出が生じた場合、排出された釘は、最終スコアの計算時に考慮しない。引き抜くのに必要な力はねじ山によって増大するので、ねじは走行中に排出されない。
走行後には、最低2時間にわたって持続する冷却段階を観察する。
これらの結果を半クラウン毎に分析する。
試験の結果は、引き抜き前、引き抜き後及び引き抜きから約10分後の各パンクによる漏出の定性的観察である。
例えば「1000泡」形成エアロゾルキャニスタなどの界面活性剤を用いて漏出を評価する。この製品をパンク上に噴霧し、評価者は、明るい照明下で拡大鏡を用いて泡の存在、サイズ及び数を確認する。
図4〜図7に、パンク誘発物が存在する状態(図4、図5(a)、図6及び図7(a))、及びパンク誘発物が引き抜かれた又は排出された後(図5(b)、図7(b))に観察された様々な事例を示す。
図4には、タイヤの縦溝9内に位置するパンク41を貫通する釘21を示す。泡は確認されず、漏出はなく、このパンクのスコアは10又は100%である。
図5(a)には、タイヤの縦溝9内に位置するパンク51を貫通するパンク誘発物21を示す。界面活性剤の塗布により、拡大鏡下でしか見えない直径0.1mm未満の非常に多くの極めて小さな泡51が確認される。この漏出は、スコアが8又は80%のごくわずかな漏出である。
図5(b)には、排出又は抜き取られたパンク誘発物によって形成されたパンク52を示す。パンク52も、同様にタイヤの外側縦溝9内に位置する。界面活性剤を塗布すると、やはり拡大鏡下で見える直径0.1mm未満の非常に多くの極めて小さな泡51が確認される。この漏出にも、同じ8又は80%のスコアが与えられる。
図6には、タイヤの外側縦溝9内に位置するパンク61を貫通するパンク誘発物21を示す。ここでは、界面活性剤の塗布により、大まかに0.1mm〜1mmで構成される直径の小さな泡63の集合が確認される。この漏出は、スコアが6又は60%のわずかな漏出である。
図7(a)には、タイヤの縦溝内に位置するパンク71を貫通するパンク誘発物21を示す。界面活性剤の塗布により、直径1mmを超える単一の大きな泡73が確認される。この漏出は、スコアが0又は0%の漏出である。
図7(b)には、タイヤの縦溝内の、パンク誘発物が走行中に排出された、又は停止後に抜き取られたパンク72を示す。同様に、直径が1mmを超える単一の大きな泡73を1つだけ確認することができる。この漏出は、スコアが0又は0%の漏出である。
以下の表に、釘手順の結果を示す。
表1:釘手順−走行前スコア
表中、
− OG:外側溝9内に配置された釘、
− CG:中央溝7内に配置された釘、
− CT:横方向空隙11内に配置された釘、
である。
表1:釘手順−走行前スコア
表中、
− OG:外側溝9内に配置された釘、
− CG:中央溝7内に配置された釘、
− CT:横方向空隙11内に配置された釘、
である。
タイヤ1のクラウンブロックの半分に含まれる12本の釘では漏出が観察されず、性能は100%である。
表2:釘手順−走行後スコア
表2:釘手順−走行後スコア
100km/hで6時間走行した後、12本の釘はいずれも排出されなかったことが判明した。直径3mmの釘では非常にわずかな漏出が観察され、直径4mmの釘ではスコア6のわずかな漏出と、スコア8の非常にわずかな漏出とが観察され、直径5mmの釘ではスコア6のわずかな漏出が2つ観察された。
従って、性能は、直径3mmの釘の97%から、直径4mmの釘では80%に、直径5mmの釘では73%に減少する。
表3:釘手順−抜き取り後のスコア
表3:釘手順−抜き取り後のスコア
上記の表3には、釘を引き抜いた後に観察された結果を示す。引き抜いた直後(T0)と10分後に(T10)における2段階採点を行った。T0とT10の間で変化するスコアもあることが分かる。結果は、80〜90%の良好なものである。
表2の結果からは、釘が顧客ベース内で出現する頻度を示す曲線を用いて様々な釘直径に重み付けすることにより、「配置されたままの釘」の全体的なスコアを計算することができる。同様に、表3の結果からは、「引き抜かれた釘」の全体的なスコアを計算することができる。
以下の表には、ねじ試験の結果を示す。
表4:ねじ手順−走行前スコア
表4:ねじ手順−走行前スコア
上記の表4には、タイヤのクラウンに長さ40mmのねじを挿入した時に観察された結果を示している。1/2のタイヤに12本のねじを挿入した。高温時のスコア(「高温タイヤ」の行)、及びその後にタイヤを冷却した後(「低温タイヤ」の行)のスコアを付ける。この例では、ねじの挿入によって系統的に様々な程度の漏出の出現が引き起こされている点に注目されたい。性能指数は、高温タイヤでは25%、タイヤの冷却後では30%である。走行中には、これらの漏出の全部又は一部が消失する。
表5:ねじ手順−70km/hにおける走行後のスコア
表5:ねじ手順−70km/hにおける走行後のスコア
表5には、70km/hにおけるねじ手順の1回目の走行終了時に得られた結果を示す。得られた指数は、前回の走行前の2つの指数に非常に近い32%である。
表6:ねじ手順−130km/hにおける走行後のスコア
表6:ねじ手順−130km/hにおける走行後のスコア
上記の表6には、130km/hにおける2回目の走行終了時に観察された結果を示している。この事例では、ねじが存在する状態での1回目の走行と2回目の走行との間でスコアがIM=60%とかなり改善されたことに気付くであろう。
表6には、ねじを引き抜いた後に観察された結果も示している。釘の場合と同様に、引き抜いた直後(T0)と10分後(T10)における2段階採点を行った。ねじを引き抜いた後に得られたスコアは、T0で72%、T10で90%である。
以下の表には、プラグ試験の結果を示す。
表7:プラグ手順−挿入して引き抜いた後のスコア
表7:プラグ手順−挿入して引き抜いた後のスコア
上記の表7には、釘を挿入して引き抜いた段階の後に観察された結果を示している。スコアが0の場合には、穴を充填し、タイヤのクラウンに沿って少し離れた箇所で新たな挿入を行う。
表8:プラグ手順−150km/hでの走行後のスコア
表8:プラグ手順−150km/hでの走行後のスコア
使用したのは主に直径5mmの釘であり、最も好ましくない場合に試験した製品のあらゆる弱点を検出することが望まれる。
上記の表8には、走行終了時に観察された結果を示す。引き抜いた直後(T0)と10分後(T10)における2段階採点を行った。ほとんどのスコアが10であることに注目されたい。
説明した試験は、セルフシール製品の層を備えた、標準装備として装備されるタイヤに関するものである。上述したように、説明した試験では、タイヤインフレータ及び修理キットなどの他の解決策を試験することもできる。
これらの他の解決策を用いて試験を行った。パンク誘発物を直ちに除去したパンクの場合、全ての解決策についてシール性能が実質的に100%であることが分かった。対照的に、パンク誘発物が存在する状態でタイヤを走行させた場合、わずか200〜300kmの走行後にタイヤインフレータの性能はゼロになり、製品がパンクを通じて漏出する。修理キットに関する限りは、より良好な性能を発揮するが、やはりパンク誘発物が存在したまま走行を行った場合には、その長さと共に性能が非常に大きく悪化する。
このような試験は、選択性が高く、圧力損失よりもむしろ各パンクの漏出率の分析に基づき、これにより1つのタイヤで数多くの結果を取得できるという利点を有する。
9 外側縦溝
21 釘
41 パンク
21 釘
41 パンク
Claims (20)
- パンク後の圧力損失に対するタイヤの耐性を試験する方法であって、
− 前記タイヤのウォールに、当該ウォールを通して複数のパンク誘発物を挿入することにより、複数のパンクを形成するステップと、
− 前記パンク誘発物が前記タイヤ内に存在する状態で、調整した膨張圧で所与の距離にわたって前記タイヤを走行させるステップと、
− 走行を停止するステップと、
− 各パンクについて、前記パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、
を含み、
− 第1段階において、前記複数のパンク誘発物が釘などの壁部が滑らかな尖った物体で構成され、前記物体が走行中に排出されないように走行を行い、
− 第2段階において、前記複数のパンク誘発物が、ねじなどの尖ってはいるが、壁部にねじ山がある物体で構成され、80km/h未満の速度で走行を行う、
ことを特徴とする試験方法。 - 前記第2段階における前記パンク誘発物の前記挿入は、前記タイヤが摂氏約50〜60度の温度の時に行われる、
請求項1に記載の試験方法。 - 前記第1段階における前記走行は、90〜120km/hの一定速度V1で行われる、
請求項1又は2に記載の試験方法。 - 前記第2段階における前記走行は、50〜75km/hの一定速度V2で行われる、
請求項1から3の1項に記載の試験方法。 - 前記第2段階は、80km/hを上回る一定速度V2-2における第2の試験をさらに含む、
請求項1から4のいずれか1項に記載の試験方法。 - − 前記タイヤのウォールに、当該ウォールを通して複数のパンク誘発物を挿入することによって複数のパンクを形成するステップと、
− 前記タイヤの前記ウォールから前記複数のパンク誘発物を引き抜くステップと、
− 前記パンク誘発物を引き抜いた後に、調整した膨張圧で所与の距離にわたって120km/hを上回る速度V3で前記タイヤを走行させるステップと、
− 走行を停止するステップと、
− 各パンクについて、前記パンクの漏出率の推定に基づいて圧力損失耐性指数を求めるステップと、
を含む第3段階をさらに含む、
請求項1から5のいずれか1項に記載の試験方法。 - 前記速度V3は一定であり、180km/h未満である、
請求項6に記載の試験方法。 - 前記タイヤがセルフシール製品を含まない場合、走行を停止した際、かつ、前記圧力損失耐性指数を求める前に、前記タイヤの内部キャビティにシール製品を導入する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の試験方法。 - − 前記パンクの全てについて前記段階毎に平均圧力損失耐性指数(IM1、IM2、IM3)を計算するさらなるステップを含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の試験方法。 - − 各パンク誘発物のスコアを組み合わせ、前記物体が顧客ベース内で出現する頻度を示す曲線を用いて前記スコアに重み付けすることによって計算される圧力損失耐性指数(IM1、IM2、IM3)を前記パンクの全てについて前記段階毎に計算するステップをさらに含む、
請求項1から8のいずれか1項に記載の試験方法。 - ウォールに複数のパンクを含む前記タイヤが走行する前記距離は200kmを上回り、好ましくは500kmを上回る、
請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。 - 前記タイヤは、回転道路上を走行する、
請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。 - 前記複数のパンク誘発物を前記タイヤの前記ウォールに挿入する前に、前記タイヤを膨張させる、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方法。 - 走行中の前記膨張圧は、タイヤのタイプに従って1.8〜5バールの圧力に調整される、
請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。 - 前記複数のパンク誘発物は、様々な直径及び/又は様々な長さのねじ及び釘を含む、
請求項1から14のいずれか1項に記載の方法。 - 前記複数のパンク誘発物は、10〜50個のパンク誘発物、好ましくは20〜40個の物体を含む、
請求項1から15のいずれか1項に記載の方法。 - 1又は複数の前記パンク誘発物の前記直径は、3〜5mmである、
請求項1から16のいずれか1項に記載の方法。 - 1又は複数の前記パンク誘発物は、前記タイヤの前記クラウンに挿入される、
請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。 - 各パンクの前記漏出率を視覚化して定性的に評価するように界面活性剤を使用する、
請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。 - パンクの前記漏出率を評価するために、
− 100:泡が見えず、漏出なし、
− 80:拡大鏡を用いてしか確認できない0.1mm未満の直径の非常に小さな泡が存在するナノ漏出、
− 60:0.1〜1mmの直径の裸眼で見える小さな泡が存在するマイクロ漏出、
− 0:1mmを超える直径の成長する泡が存在し、又は流量が大き過ぎて泡が全く存在しない漏出、
というスコア付けスキームを使用する、
請求項19に記載の方法。
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