JP2016531076A - 誘導加熱されるエンクロージャを含む、ガラスシート製造方法および装置 - Google Patents

誘導加熱されるエンクロージャを含む、ガラスシート製造方法および装置 Download PDF

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Abstract

溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャを既定の熱プロファイルに従って加熱するものを含む、ガラス製造方法および装置である。エンクロージャは、少なくとも1つの誘導加熱システムで加熱される、少なくとも第1の側壁および第2の側壁を備え、誘導加熱システムは、側壁の少なくとも一部分にエネルギーを熱的に結合させるように構成されている。

Description

関連出願の説明
本出願は、その内容が引用されその全体が参照することにより以下に完全に明記されたかのように本書に組み込まれる、2013年8月20日に出願された米国仮特許出願第61/867,707号の優先権の利益を主張するものである。
本明細書は、一般にガラスシートの製造に関し、より具体的には、溶融ガラス成形装置を収容したエンクロージャを用いて、ガラスシートを作製する装置および方法に関する。
ガラスシートの製造では、ガラス成形環境のロバストな温度制御を維持することが重要である。例えばフュージョンドロープロセスを用いたガラスシートの製造では、ガラス成形装置の寿命および完全性の維持、ガラスの品質および寸法均一性(例えば、厚さ)の制御などの様々な理由で、ガラス成形装置(またはアイソパイプ)を囲む環境のロバストな温度制御を維持することが重要である。
定常状態の製造作業中にはガラス成形装置の周囲の環境を、放射が主要な熱伝達形態である温度で、維持することがしばしば必要となる。このような温度を維持するために、エンクロージャが、ガラス成形装置とエンクロージャの壁を介した放射熱伝達を助けるよう設計された構成要素との付近に組み立てられ得る。例えば電気抵抗材料のロッドをエンクロージャの壁に極近接させて配置し、熱がロッドからエンクロージャの壁へ、さらにエンクロージャの壁から溶融ガラスおよびガラス成形装置へと放射される温度までこのロッドを抵抗加熱するのに十分な電流を、ロッドに対してかけることができる。
製造の運転率の増加と製造温度が、これらのプロセスの長期の定常状態の動作に必要とされるロバストかつ継続的な温度制御の維持に、抵抗加熱材料を使用するという制限を歪ませ始めた。例えば、よりロバストな製造環境を補うために抵抗加熱ロッドのサイズを増加させたとき、その費用が増加した一方で、信頼性および有用耐用年数は減少する傾向にあった。従って、ガラス成形装置の環境においてロバストな温度制御を維持するための、代わりのまたはさらなる方法の考案が望まれる。
一実施の形態によれば、本開示は、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャを既定の熱プロファイルに従って加熱する方法に関する。エンクロージャは第1の側壁と第2の側壁とを有し、エンクロージャを加熱するステップは、第1の側壁と第2の側壁とのうちの少なくとも一方の少なくとも一部分を、少なくとも1つの誘導加熱システムで加熱するステップを含む。
別の実施形態において、本開示は、ガラスシートを作製するプロセスにおいて有用な装置に関する。この装置は、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャを含む。エンクロージャは第1の側壁と第2の側壁とを含み、また溶融ガラス成形装置はこのエンクロージャ内に位置している。この装置は、第1の側壁と第2の側壁とのうちの少なくとも一方の少なくとも一部分にエネルギーを結合させるように構成された、少なくとも1つの誘導加熱システムをさらに含んでいる。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、種々の実施形態を説明したものであること、また請求される主題の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供するよう意図されたものであることを理解されたい。添付の図面は、種々の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は本書で説明される種々の実施形態を示し、そしてその説明とともに、請求される主題の原理および動作の説明に役立つ。
各側壁の一部に熱的に結合された抵抗加熱ロッドおよび誘導加熱システムを備えている、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャの斜視図 エンクロージャ内に収容された溶融ガラス成形装置を示している、図1の実施形態の断面透視端面図 各側壁に熱的に結合された誘導加熱システムを備えている、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャの斜視図 エンクロージャ内に収容された溶融ガラス成形装置を示している、図4の実施形態の断面透視端面図 エンクロージャの各側壁に近接して位置付けられた中間サセプタと、隣接する各サセプタに熱的に結合された誘導加熱システムとを示している、代わりの実施形態の断面透視端面図 誘導加熱システムのアレイの概略図 誘導加熱システム用の代わりのコイル構成の断面透視端面図 誘導加熱システム用の代わりのコイル構成の断面透視端面図 コイル密度およびコイルのサセプタまでの距離が、誘導加熱システムの様々な領域で異なっている誘導加熱システムの概略図 誘導加熱システムの種々の要素の概略図
ここで、ガラスシートの製造に使用される種々の実施形態と、これを組み込んだガラス製造プロセスを詳細に参照する。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部分の参照に同じ参照番号を使用する。ガラスシート材料は一般に、ガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成し、その後この溶融ガラスをガラスシートに成形することによって成形され得る。例示的なプロセスとして、フロートガラスプロセス、スロットドロープロセス、およびフュージョンダウンドロープロセスが挙げられる。
図1は、本書の実施形態による、ガラスシート作製プロセスにおいて有用な装置の斜視図を示している。この装置は、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャ100を含む。エンクロージャは、第1の側壁102と第2の側壁104とを含む。第1、第2、および第3の抵抗加熱ロッド202、204、および206が、第1の側壁102に熱的に結合され、また第4、第5、第6の抵抗加熱ロッド208、210、および212が、第2の側壁104に熱的に直接結合されている。さらに、第1の誘導加熱システム302が第1の側壁102に熱的に結合され、また第2の誘導加熱システム310が第2の側壁104に熱的に結合されている。
図2は、エンクロージャ100内に収容された溶融ガラス成形装置(アイソパイプ)400を示している、図1の実施形態の断面透視端面図を示したものである。
エンクロージャ100は典型的には、耐火セラミック材料などの耐火性材料から作製される。エンクロージャ100の作製に使用され得る耐火セラミック材料の例としては、動作温度でその構造的完全性を維持すると同時にガラスと否定的な反応をしない、炭化ケイ素など、任意の高密度の熱伝導材料が挙げられる。エンクロージャ100に使用され得る例示的な炭化ケイ素材料としては、サンゴバン(Saint-Gobain)から入手可能なヘキサロイ(Hexoloy)(登録商標)の系統の炭化ケイ素材料と、M-Cubed Technologiesから入手可能な反応結合炭化ケイ素とから選択された材料が挙げられる。
例示的な実施形態において、エンクロージャの耐火性材料は、その強度特性並びに化学的および物理的安定性を、例えば1,200℃超、さらには1,400℃超など、またさらには1,600℃超など、例えば1,200℃から1,900℃、さらには1,400℃から1,800℃など、またさらには1,600℃から1,700℃など、1000℃を上回る温度で実質的に保持するものを含み得る。
側壁102および104の厚さは、限定するものではないが、1インチ(2.54cm)から2.5インチ(6.35cm)など、例えば0.25から6インチ(6.35mmから15.24cm)までに及び得る。
抵抗加熱ロッド202、204、206、208、210、および212は、エンクロージャの側壁に定常状態の放射加熱能力を与えるような十分な抵抗加熱容量と機械的ロバスト性とを有する、任意の材料から作製され得る。抵抗加熱ロッドに使用され得る材料の例としては、炭化ケイ素、二ケイ化モリブデン、ニクロム、白金合金、および当業者に周知の種々の市販の加熱器構成が挙げられる。市販されている抵抗加熱ロッドとしては、I Squared R Element社から入手可能な炭化ケイ素スターバー(Starbars)(商標登録)およびサンドビック(Sandvik)から入手可能なグローバ(Globars)(商標)が挙げられる。
抵抗加熱ロッドの寸法は、限定するものではないが、例えば直径が1から2.5インチ(2.54から6.35cm)など0.5から3インチ(1.27から7.62cm)であり、かつ軸方向(長手方向)の長さが30から250インチ(76.2から635cm)など15から300インチ(38.1から762cm)のものまでに及び得る。抵抗加熱ロッドの直径は、その軸方向(長手方向)の長さに沿って一定のものでもよいし、あるいは変化するものでもよい。
抵抗加熱ロッドは、エネルギーを効率的に側壁に結合させると同時に、電気的に加熱されたロッドを通って流れる電流で側壁をショートさせることのないよう、側壁に適切に近接させて置いてもよい。限定するものではないが、抵抗加熱ロッドと側壁との間の最短距離は、1から4インチ(2.54から10.16cm)など、例えば0.125から8インチ(3.175mmから20.32cm)までに及ぶものとしてもよい。
例示的な実施形態では、抵抗加熱ロッドと側壁との間で十分な放射熱伝達が起こることを可能にするためには、抵抗加熱ロッドは、ロッドと側壁との間、さらに側壁と溶融ガラスおよび溶融ガラス成形装置との間で適切なレベルの熱伝達が起こることを可能にする定常状態の動作温度で、維持されるべきである。この点で抵抗加熱ロッドは、プロセス条件、ガラス組成、および所望のガラス特性および形状次第で、略同じ温度または異なる温度で維持され得る。例えば特定の例示的な実施形態では、抵抗加熱ロッドの温度がその位置が低くなるにつれて低くなるように、相対的に高い位置の抵抗加熱ロッドを、相対的に低い位置の抵抗加熱ロッドの温度よりも相対的に高い温度で維持してもよい。他の例示的な実施形態では、抵抗加熱ロッドの温度がその位置が低くなるにつれて高くなるように、相対的に高い位置の抵抗加熱ロッドを、相対的に低い位置の抵抗加熱ロッドの温度よりも相対的に低い温度で維持してもよい。さらに他の例示的な実施形態では、抵抗加熱ロッドの温度が、より高い位置から中間レベルの位置まで増加し、その後中間レベルの位置からより低い位置まで減少するように、相対的に中間レベルの高さの抵抗加熱ロッドを、より高い位置およびより低い位置の抵抗加熱ロッドの温度よりも相対的に高い温度で維持してもよい。さらに他の例示的な実施形態では、抵抗加熱ロッドの温度が、より高い位置から中間レベルの位置まで減少し、その後中間レベルの位置からより低い位置まで増加するように、相対的に中間レベルの高さの抵抗加熱ロッドを、より高い位置およびより低い位置の抵抗加熱ロッドの温度よりも相対的に低い温度で維持してもよい。抵抗加熱ロッドはさらに、プロセスによる要求に応じて、その長手方向の長さに沿って温度勾配を提供するように構成するおよび/または組み立てることもできる。
任意の上述した実施形態に基づく定常状態の動作で、抵抗加熱ロッドの温度は、900℃から1450℃など、100℃から1650℃までに及び得る。例えば相対的に高い温度で維持される抵抗加熱ロッドは、例えば少なくとも900℃でもよいし、また900℃から1650℃までに及ぶものでもよく、一方相対的に低い温度で維持される抵抗加熱ロッドは、例えば900℃未満でもよいし、また100℃から900℃までに及ぶものでもよい。
誘導加熱システム302および310は、例示的な実施形態において、断熱材に直接埋め込まれた少なくとも1つの誘導コイルを含み得る。断熱材は、誘導コイル内の導電材料を過熱から保護することができ、さらに誘導コイルの構造的および機械的完全性の維持を可能にする助けになり得る。例示的な実施形態において、誘導コイルは、既定の熱プロファイルに従ってエンクロージャ100を加熱するのを可能にする形で断熱材内に構成される。
既定の熱プロファイルに従ってエンクロージャ100を加熱するためには、定常状態動作中のエンクロージャの所望の熱プロファイルに少なくとも対応する温度で誘導加熱を受けやすい材料などの、誘導加熱を受けやすい材料に、誘導コイルおよび断熱材を適切に近接させて構成しなければならない。
本書において「誘導を受けやすい」とは、5kWから250kWの出力を有する電源で供給したときに10kHzから250kHzの周波数を有する交流電流から、材料が1から50ミリメートルの範囲内である場合、誘導加熱によって少なくとも500℃加熱することが可能な材料を意味する。
図1および2に示されている実施形態において、誘導加熱システム302および310は第1の側壁102および第2の側壁104に熱的に直接結合されており、この第1の側壁102および第2の側壁104は、少なくとも、定常状態動作中のエンクロージャの所望の熱プロファイルに対応する温度で誘導加熱を受けやすい。
特定の例示的な実施形態例において第1の側壁102および第2の側壁104は、少なくとも50℃、さらには少なくとも100℃を含め、少なくとも20℃の温度などで、例えば20℃から1,900℃、さらには50℃から1,800℃など、またさらには100℃から1,700℃などの、広範な温度範囲に亘って誘導を受けやすい。この実施形態において第1の側壁102および第2の側壁104は、50℃未満、さらには20℃未満を含め、100℃未満の温度で誘導を受けやすいものとすることもできる。
このような実施形態では、第1の側壁102および第2の側壁104を少なくとも部分的に誘導加熱システム302および310により加熱して、エンクロージャ100を含めて装置を、低温始動条件(室温など)から加熱してもよい。エンクロージャ100を含めて装置を、所望の熱プロファイルに対応する定常状態の動作温度で加熱し続けてもよく、このとき第1の側壁102および第2の側壁104は、少なくとも部分的に誘導加熱システム302および310によって加熱され続ける。
他の例示的な実施形態において第1の側壁102および第2の側壁104は、定常状態動作中のエンクロージャの所望の熱プロファイルに対応する温度をより厳密に包含する温度範囲に亘って、誘導を受けやすい。この温度範囲は、少なくとも600℃、さらには少なくとも700℃、またさらには少なくとも800℃、またさらには少なくとも900℃など、例えば500℃から1,900℃、さらには600℃から1,800℃など、またさらには700℃から1,700℃など、またさらには800℃から1,600℃など、またさらには900℃から1,500℃など、少なくとも500℃の温度を含み得る。
このような実施形態では、第1の側壁102および第2の側壁104を、初期のステップでは少なくとも1つの抵抗加熱ロッド(例えば、少なくとも抵抗加熱ロッド202、204、206、208、210、および212など)で加熱し、次いで後のステップでは、一旦側壁102および104の温度が誘導を受けやすくなる十分な温度に達すると誘導加熱システム302および310を駆動させて、エンクロージャ100を含めて装置を、低温始動条件(室温など)から加熱してもよい。その時点から第1の側壁102および第2の側壁104は、少なくとも部分的に、所望の熱プロファイルに従って誘導加熱システム302および310によって加熱され続ける。
あるいは第1の側壁102および第2の側壁104を、初期のステップでは少なくとも1つの抵抗加熱ロッド(例えば、少なくとも抵抗加熱ロッド202、204、206、208、210、および212など)で加熱し、次いで後のステップでは、一旦側壁102および104の温度が誘導を受けやすくなる十分な温度に達すると少なくとも1つの抵抗加熱ロッドを少なくとも1つの誘導加熱システム302および310に置き換えて、エンクロージャ100を含めて装置を、低温始動条件(室温など)から加熱してもよい。その時点から第1の側壁102および第2の側壁104は、少なくとも部分的に、所望の熱プロファイルに従って誘導加熱システム302および310によって加熱され続ける。
特定の実施形態例では、一旦側壁102および104の温度が誘導を受けやすくなる十分な温度に達すると、全ての抵抗加熱ロッドを誘導加熱システムに交換してもよい。その時点から第1の側壁102および第2の側壁104は、所望の熱プロファイルに従って誘導加熱システムによって加熱され続ける。
第1および第2の側壁が室温で誘導を受けやすいものなどの、代わりの実施形態では、エンクロージャ100を低温始動(室温など)条件から加熱することができるように最初に誘導加熱システムを第1の側壁102および第2の側壁104に沿って設けてもよく、このとき第1の側壁102および第2の側壁104は、低温始動条件から所望の熱プロファイルに従って定常状態の動作条件まで、誘導加熱システムで加熱される。その時点から第1の側壁102および第2の側壁104は、所望の熱プロファイルに従って誘導加熱システムによって加熱され続ける。
上記のように、第1の側壁102および第2の側壁104を含めてエンクロージャ100は、高密度焼結炭化ケイ素および反応結合炭化ケイ素を含む、炭化ケイ素などのセラミック材料から作製され得る。炭化ケイ素材料は、高温環境での優れた耐溶融性と比較的優れた熱伝導率を示し、エンクロージャ100からガラスシートに伝達され得る欠陥は極低レベルになる。
第1の側壁102および第2の側壁104を含めてエンクロージャ100が、炭化ケイ素を含む場合、このエンクロージャおよび壁は実質的に炭化ケイ素から成るものでもよい。特定の実施形態において、第1の側壁102および第2の側壁104を含めてエンクロージャ100は、二ケイ化モリブデン、スズ、酸化物、およびランタンクロマイト、から成る群から選択される、少なくとも1つのセラミック材料をさらに含み得る。
第1および第2の側壁が室温で誘導を受けやすいものである、例示的な実施形態において使用され得る側壁材料の例としては、M-Cubed Technologiesから入手可能な反応結合炭化ケイ素、および、シリコン金属および/または他の意図的に導入される導電性成分を含有した、炭化ケイ素材料が挙げられる。
第1および第2の側壁がより上昇した温度のみで(定常状態動作中のエンクロージャの所望の熱プロファイルに対応する温度を、より厳密に包含する温度範囲などに亘って)誘導を受けやすいものである、例示的な実施形態において使用され得る側壁材料の例としては、サンゴバンから入手可能なヘキサロイの系統の炭化ケイ素材料など、高密度焼結炭化ケイ素が挙げられる。
昇温でのみ誘導を受けやすい、炭化ケイ素などのセラミック材料は、例えば少なくとも1600℃の温度で、さらには少なくとも1700℃など、またさらには少なくとも1800℃など、またさらには少なくとも1900℃など、1600℃から2200℃を含め、高温で優れた耐溶融性を有し得る。このような材料を、より低い温度で誘導を受けやすくなるように設計することもできるが、これは高温での耐溶融性をいくらか減少させることになり得る。
例えば特定の実施形態では、導電性の第2相材料を炭化ケイ素系母材などのセラミック系母材内に、反応結合、共焼結、および温度積層/反応、から成る群から選択された少なくとも1つの方法によって取り込んでもよい。一例の導電性第2相材料は、シリコンである。導電性第2相材料により高い溶融点を付与するよう、導電性第2相材料を、少なくとも1つの耐火性の元素金属と化合させてもよい。耐火性の元素金属の例としては、チタン、バナジウム、クロム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、およびイリジウム、から成る群から選択されたものが挙げられる。
図3は、複数の誘導加熱システム302、304、306、308、310、312、314、および316が、第1の側壁102および第2の側壁104に直接結合されている実施形態を示している。図3に示されている実施形態では、第1の側壁102および第2の側壁104の表面の略全体が誘導加熱システムに直接結合している。図3の実施形態は、エンクロージャ100の上部の上に延在している断熱材を示しているが、本書における実施形態は、断熱材がエンクロージャ100の上部の上まで延在していないもの、またはエンクロージャ100の上部の上に部分的にのみ延在しているものを含むことを理解されたい。さらに本書における実施形態は、エンクロージャの上部が誘導を受けやすいものであり、少なくとも1つの誘導加熱システムがエンクロージャの上部に熱的に直接結合されているものを含むことを理解されたい。
図4は、エンクロージャ100内に収容された溶融ガラス成形装置(アイソパイプ)400を示している、図3の実施形態の断面透視端面図を示したものである。
例示的な実施形態では、既定の熱プロファイルに従ってエンクロージャ100を加熱するために、第1の側壁102および第2の側壁104に対して適切なレベルの誘導加熱を可能にする形で誘導加熱システムは構成されるべきである。この点で誘導加熱システムは、第1の側壁102および第2の側壁104の温度プロファイルが既定の熱プロファイルに従って、その長さおよび/または高さに亘って略一定となり得るよう、あるいはその長さおよび/または高さに亘って変化し得るよう、同じまたは異なる量のエネルギーを第1の側壁102および第2の側壁104に対して結合させるように構成され得る。例えば特定の例示的な実施形態では、側壁の温度が上部から下部へと減少するように、相対的に高い位置の誘導加熱システムは相対的に低い位置の誘導加熱システムよりも多くのエネルギーを第1および第2の側壁に結合させてもよい。他の例示的な実施形態では、側壁の温度が上部から下部へと増加するように、相対的に高い位置の誘導加熱システムは相対的に低い位置の誘導加熱システムよりも少ないエネルギーを第1および第2の側壁に結合させてもよい。さらに他の例示的な実施形態では、側壁の温度が、より高い位置から中間レベルの位置まで増加し、次いで中間レベルの位置からより低い位置まで減少するように、相対的に中間レベルの高さの誘導加熱システムは、より高い位置およびより低い位置の誘導加熱システムよりも多くのエネルギーを第1および第2の側壁に結合させてもよい。さらに他の例示的な実施形態では、側壁の温度が、より高い位置から中間レベルの位置まで減少し、次いで中間レベルの位置からより低い位置まで増加するように、相対的に中間レベルの高さの誘導加熱システムは、より高い位置およびより低い位置の誘導加熱システムよりも少ないエネルギーを第1および第2の側壁に結合させてもよい。
図5は、本書で開示される代わりの実施形態の断面透視端面図を示している。図5の実施形態では、第1の隣接サセプタ152が第1の側壁102に近接して位置付けられており、かつ第2の隣接サセプタ154が第2の側壁104に近接して位置付けられている。誘導加熱システム302、304、306、および308は第1の隣接サセプタ152の直接に結合されており、誘導加熱システム310、312、314、および316は第2の隣接サセプタ154に直接に結合されている。第1の隣接サセプタ152は、誘導加熱システム302、304、306、および308と第1の側壁102との間に位置付けられ、また第2の隣接サセプタ154は、誘導加熱システム310、312、314、および316と第2の側壁104との間に位置付けられている。溶融ガラス成形装置(アイソパイプ)400はエンクロージャ100内に収容されている。
第1の隣接サセプタ152および第2の隣接サセプタ154は、少なくとも20℃の温度を含む室温、50℃未満の温度、例えば20℃から1,900℃の温度などで、誘導を受けやすいものであることが好ましい。このような実施形態では、第1の隣接サセプタ152および第2の隣接サセプタ154を低温始動(室温など)条件から加熱することができ、このとき第1の隣接サセプタ152および第2の隣接サセプタ154は、低温始動条件から所望の熱プロファイルに従って定常状態の動作条件まで誘導加熱システムで加熱され、これがさらに第1の側壁102および第2の側壁104を、低温始動条件から所望の熱プロファイルに従って定常状態の動作条件まで加熱することを可能にする。その時点から第1の側壁102および第2の側壁104は、第1および第2の隣接サセプタと誘導加熱システムとにより、所望の熱プロファイルに従って加熱され続ける。
図5に示されている実施形態において、第1の側壁102および第2の側壁104は誘導を受けやすいものでもよいし、誘導を受けやすくないものでもよい。例えば図5に示されている実施形態において、第1の隣接サセプタ152および第2の隣接サセプタ154は室温で誘導を受けやすいものとされ得、一方第1の側壁102および第2の側壁104は、第1および第2の側壁が昇温(例えば、500℃以上など)でのみ誘導を受けやすい場合、あるいは一般に全くの誘導の影響を受けないなど、室温で誘導を受けやすいものではない。
図6は誘導加熱システムのアレイの概略図であり、例えば、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャの側壁に、または誘導加熱システムのアレイと溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャの側壁との間に位置付けられた隣接サセプタに、直接結合され得る誘導加熱システムのアレイなどである。図6は(鉛直方向に4つの誘導加熱システムと、水平または長手方向に3つの誘導加熱システムとを備えている)4×3配列の12の誘導加熱システムのアレイを示しているが、本書で開示される実施形態の範囲内で、いずれの方向も任意の数の誘導加熱システムから成るアレイが意図されていることを理解されたい。図6は、互いに間隔を空けて配置された誘導加熱システムのアレイを示しているが、本書で開示される実施形態は、1以上の誘導加熱システムが少なくとも1つの他の誘導加熱システムと接触している、または重なり合っているものを含むことを理解されたい。
誘導加熱システムのアレイは、種々のプロセス条件、ガラス組成、および/または所望のガラス特性および形状、に基づいて選択され得る、ある既定の熱プロファイルまたは任意数の既定の熱プロファイルに従って、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャを加熱するように構成された、加熱システムを含み得る。例えば誘導加熱システムのアレイは、アレイ内の各誘導加熱システムが、1以上の他の誘導加熱システムと同じまたは異なる量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に対して既定の熱プロファイルに応じて結合させるように構成および/または操作され得る。さらに誘導加熱システムのアレイは、アレイ内の各誘導加熱システムが、経時的に同じまたは異なる量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるように構成および操作され得る。例えば始動手順の際には、低温始動条件から定常状態の動作条件までの期間など、結合させるエネルギーを時間に応じて変化させて誘導を受けやすい材料にエネルギーを結合させるように、アレイ内の1以上の誘導加熱システムを構成および操作してもよい。その点でアレイ内の各誘導加熱システムは、1以上の他の誘導加熱システムと同じまたは異なる量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に時間に応じて結合させてもよい。
例えば、一連の好適な実施形態において誘導加熱システムのアレイは、アレイの最も外側の水平方向両端部の誘導加熱システムが、平均で、アレイの最も外側の水平方向両端部の誘導加熱システム間に位置する誘導加熱システム(すなわち、水平方向または長手方向において、より中心に位置している誘導加熱システム)よりも少ないエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるように構成され得る。このような実施形態において誘導加熱システムは、誘導を受けやすい材料に、そのアレイの鉛直位置に応じて同じまたは異なる量のエネルギーを結合させてもよい。例えばいくつかの実施形態では、アレイのより高い位置で構成された誘導加熱システムが、その真下で構成された誘導加熱システムよりも少ないエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるよう、誘導加熱システムはその高さに応じて減少する量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させてもよい。あるいは他の実施形態では、アレイのより高い位置で構成された誘導加熱システムが、その真下で構成された誘導加熱システムよりも多いエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるよう、誘導加熱システムはその高さに応じて増加する量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させてもよい。
代わりの実施形態において、誘導加熱システムのアレイは、アレイの最も外側の水平方向両端部の誘導加熱システムが、平均で、アレイの最も外側の水平方向両端部の誘導加熱システム間に位置する誘導加熱システム(すなわち、水平方向または長手方向において、より中心に位置している誘導加熱システム)よりも多いエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるように構成され得る。このような実施形態において誘導加熱システムは、誘導を受けやすい材料に、そのアレイの鉛直位置に応じて同じまたは異なる量のエネルギーを結合させてもよい。例えばいくつかの実施形態では、アレイのより高い位置で構成された誘導加熱システムが、その真下で構成された誘導加熱システムよりも少ないエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるよう、誘導加熱システムはその高さに応じて減少する量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させてもよい。あるいは他の実施形態では、アレイのより高い位置で構成された誘導加熱システムが、その真下で構成された誘導加熱システムよりも多いエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させるよう、誘導加熱システムはその高さに応じて増加する量のエネルギーを、誘導を受けやすい材料に結合させてもよい。
誘導加熱システムから誘導を受けやすい材料に結合され得るエネルギーの量は、いくつかの実施形態において、誘導加熱システムの幾何学的形状に応じたものになり得る。図7Aおよび7Bは、誘導加熱システムのための代わりのコイル構造の断面透視端面図である。図7Aおよび7Bの夫々では、断熱材380が誘導を受けやすい材料180(例えば、側壁)に直接結合されており、この構造は追加の断熱材384およびブラケット182をさらに含んでいる。誘導コイル382は、奇数の断面領域(例えば、1、3、5、7)の電流が、偶数の断面領域(例えば、2、4、6)の電流と反対方向に流れるように構成されている。図7Aに示されている実施形態において誘導コイルは、コイル断面領域間の鉛直間隔が略一定となるように構成されている。図7Bに示されている実施形態において誘導コイルは、電流が反対方向に流れている最も近接したコイル断面領域間に、鉛直距離dが存在するように構成されおり、このときdは、電流が同じ方向に流れている任意の2つのコイル断面領域間の鉛直距離よりも大きい。例えばdは、電流が同じ方向に流れている任意の2つのコイル断面領域間の鉛直距離の、例えば少なくとも2倍、さらには少なくとも3倍など、少なくとも1.5倍大きいものでもよく、1.5倍から3倍大きいものを含み得る。
図8は、コイルの密度とコイルから誘導を受けやすい材料までの距離とが、誘導加熱システムの様々な領域内で異なっている、誘導加熱システムの概略図である。図8に示されているように誘導加熱システム320は、断熱材322と、第1のセグメント324および第2のセグメント326を有する誘導コイルとを含む。第1のセグメント324の単位面積当たりのコイル密度は、第2のセグメント326よりも高く、一方第2のセグメント326は第1のセグメント324よりも、誘導を受けやすい材料(図示なし)に近接しているように構成されている。別の言い方をすると、第1のセグメント324はX−Y方向において、より大きいコイル密度を有し、一方第2のセグメント326はZ方向において、誘導を受けやすい材料により近接している。
図8は、第1のセグメント324の単位面積当たりのコイル密度がより高く、かつ第2のセグメント326が誘導を受けやすい材料により近接して構成されている実施形態を示しているが、本書で開示される実施形態は、限定するものではないが、誘導コイル全体が誘導を受けやすい材料(サセプタ)から略同じ距離であるが、単位面積当たりのコイル密度が誘導加熱システムの様々な領域で変化するものなど、他の構成を含むことを理解されたい。本書における実施形態は、誘導コイル全体の単位面積当たりのコイル密度は略同じであるが、誘導加熱システムの様々な領域でサセプタから距離が異なるように構成されたものをさらに含み得る。さらに本書における実施形態は、誘導コイル全体の単位面積当たりのコイル密度が略同じであり、かつ誘導コイル全体のサセプタからの距離が、誘導加熱システムの全領域を通じて略同じであるものを含み得る。例えば本書における実施形態は、第1のセグメントの単位面積当たりのコイル密度が第2のセグメントよりも高く、同時に第1のセグメントが第2のセグメントよりもサセプタに近接して構成されているものを含み得る。このような実施形態によれば、同じまたは異なる量のエネルギーを、サセプタの異なる部分に結合させることが可能になり得る。例えばこのような実施形態は、サセプタの少なくとも一部分をサセプタの少なくとも1つの他の部分とは異なる温度まで加熱するように構成され得る。
少なくとも1つの誘導加熱システムは、例えば同じまたは異なる量のエネルギーをサセプタに結合させるように構成された、少なくとも2つの誘導コイルを備えたものでもよい。例えば、この少なくとも2つの誘導コイルは、サセプタの少なくとも一部分をサセプタの少なくとも1つの他の部分とは異なる温度まで加熱するように構成され得る。
誘導加熱システムとサセプタとの間で結合されるエネルギーの量は、例えば、誘導加熱システム内の単位面積当たりのコイル密度および/またはサセプタまでの誘導加熱システム内のコイルの近接度に応じて、様々な誘導加熱システムで変化してもよい。例えば図6の実施形態において、誘導加熱システムのアレイは、アレイ内の少なくとも1つの誘導加熱システムの単位面積当たりのコイル密度および/またはサセプタまでのコイルの距離が、アレイ内の少なくとも1つの他の誘導加熱システムのものよりも、大きくまたは小さくなるように構成され得る。例えば、1以上の誘導加熱システムが他の誘導加熱システムよりも多くのエネルギーをサセプタに結合させることが望ましい場合(始動手順または定常状態の動作中の、既定の熱プロファイルの維持などにおいて)、より多くのエネルギーをサセプタに結合させるように意図されている1以上の誘導加熱システムは、より少ないエネルギーをサセプタに結合させるように意図されている誘導加熱システムよりも、単位面積当たりのコイルが大きく、および/またはサセプタまでのコイルの近接度がより近くなるように構成され得る。
本書における実施形態は、複数の誘導加熱システム(図6に示されている誘導加熱システムのアレイなど)が夫々、単位面積当たりのコイル密度とコイルからサセプタまでの近接度に関して、略同じコイル構成を有するように構成されているものをさらに含み得、このとき各誘導加熱システムからサセプタに結合されるエネルギーの量は、各誘導加熱システムに供給される電力の量に基づいて変化する。各誘導加熱システムに供給される電力は、単位面積当たりのコイル密度および/またはサセプタまでのコイルの近接度が様々な誘導加熱システム間で変化する、上記段落で論じた実施形態においても変化し得る。このような実施形態によれば、同じまたは異なる量のエネルギーを、サセプタの異なる部分に結合させることが可能になり得る。例えばこのような実施形態は、サセプタの少なくとも一部分をサセプタの少なくとも1つの他の部分とは異なる温度に加熱するように構成され得る。
例示的な実施形態において誘導コイルの管は、十分な電気伝導を可能にすると同時に、管を通る冷却流体流に対して優れた耐侵食性を有する、任意の材料とすることができる。例えば誘導コイルは、銅、ニッケル、白金、金、銀、およびこれらの少なくとも1つを含む合金、から成る群から選択された、少なくとも1つの材料を含み得る。特に好適な実施形態において、誘導コイルは銅を含み、冷却流体は水を含む。
例示的な実施形態において断熱材は、サセプタ材料(例えば、側壁102および104)と誘導コイルとの間に十分な断熱を提供すると同時に、誘導コイルに対する構造的および機械的な支持を可能にする、任意の材料を含み得る。例えば断熱材は、少なくとも1つのアルミナ、シリカ、およびジルコニアの化合物を含む耐火断熱材など、広範囲の高温工業用途に適した任意の非導電性耐火性材料を含み得る。
本書で開示される実施形態において、誘導コイルは、断熱材の表面上に構成してもよいし、または断熱材に完全にまたは部分的に埋め込んでもよい。誘導コイルが断熱材に埋め込まれる場合、断熱材は、所望の誘導コイルの構成に従って誘導コイルを受け入れるようパターンが形成された、窪んだ表面領域を有し得る。誘導コイルが部分的に断熱材に埋め込まれている場合、断熱材は部分的に誘導コイルを囲み得る。誘導コイルが断熱材内に完全に埋め込まれている場合、断熱材は完全に誘導コイルを囲み得る。
図9は、誘導によるサセプタ(図示なし)の直接加熱を助けるために使用され得る、例示的な誘導加熱システム1000の概略図を示している。誘導加熱システム1000は、交流電流電源500、ヒートステーション550、冷却流体を供給するための冷却装置600、およびコントローラ700を含んでいる。誘導加熱システム1000は、冷却流体流を冷却装置600から交流電流電源500、ヒートステーション550、および誘導コイル330へと導くための、冷却流体入力ライン602の他、冷却流体流を誘導コイル330から冷却装置600に戻すよう導くための、冷却流体出力ライン652をさらに含んでいる。さらに誘導加熱システム1000は、交流電流電源500とヒートステーション550と誘導コイル330との間に、電気回路502、504、506、および508を含んでいる。誘導加熱システム1000はさらに、コントローラ700がサセプタの誘導加熱の制御の管理を実現することを可能にする、制御ループ702を含む。図9は、冷却流体がシステムの構成要素に直列で提供されるものを示しているが、本書で開示される実施形態は、冷却流体がシステムの構成要素に並列で提供されるものを含むことを理解されたい。
さらに図9では、冷却流体が継続的に誘導加熱システム1000内を循環するよう、単一の冷却流体源(例えば、冷却装置600)に冷却流体が供給されかつこれに冷却流体が戻されるように示されているが、本書における実施形態は、2以上の供給源(例えば、冷却装置600と家庭用水との組合せ)を備えて、いくらか(全てではないが)の冷却流体は入力ライン602および出力ライン652を通って循環した後に冷却装置600に戻されない、冷却流体が冷却装置600以外の供給源から供給されるものを含み得ることを理解されたい。
動作時には、交流電流が電気回路502、504、506、および508を介して交流電流電源500からヒートステーション550および誘導コイル330に供給され、同時に冷却流体が、冷却装置600から冷却流体入力ライン602および冷却流体出力ライン652を介して、交流電流電源500、ヒートステーション550、および誘導コイル330を通って導かれる。交流電流の量および周波数並びに冷却流体の流量は、サセプタの誘導加熱の制御の管理を実現するように、コントローラ700および制御ループ702によって同時に制御され得る。このような制御は、例えばコンピュータ処理装置を含み得、あるいはコンピュータ処理装置に送ることができ、またこのコンピュータ処理装置は、当業者に既知のプロセス制御方法に従って、例えばフィードバック制御またはフィードフォワード制御を処理することができる。
図6に示されているアレイなど、複数の誘導加熱システムが採用される場合、各誘導加熱システムは、例えば既定の熱プロファイルなどに従ってサセプタの誘導加熱の制御の管理を実現するよう、上述した手法などで独立して制御することができる。
さらにこの制御によれば、サセプタの表面の少なくとも一部分の最低温度を、定常状態で一定温度にできる限り近い状態で維持するように、誘導によってサセプタを直接加熱することが可能になり得る。例えばサセプタの表面の少なくとも一部分の最低温度は、既定の期間の間、例えば±5℃以内、さらには±2℃以内、またさらには±1℃以内など、±10℃を超えて変動しない既定の温度で定常状態で維持され得る。この既定の期間は、限定するものではないが、例えば10時間から5年、さらには20時間から1年など、1時間から10年を含め、例えば少なくとも10時間、さらには少なくとも25時間など、少なくとも1時間とすることができる。
この最低温度は、限定するものではないが、好適な実施形態において既定の熱プロファイルに対応する動作温度で少なくとも維持されるべきである。例えば特定の好適な実施形態において、サセプタの表面は、1,000℃から1,400℃を含め、例えば1,100℃超、さらには1,200℃超など、1,000℃超で維持される。
サセプタ、誘導コイル330、および誘導加熱システム1000は、サセプタの少なくとも一部分の最低温度を、例えばこの温度を変化させることを要求する既定の因子に応えて迅速に変化させることができるように、構成することもできる。例えば溶融ガラス成形装置上を流れるガラスの組成が、その液相温度も変化するように変化した場合、サセプタの少なくとも一部分の最低温度を対応して変化させることもある。あるいは溶融ガラス成形装置上を流れるガラスの流量が変化した場合、サセプタの少なくとも一部分の最低温度を対応して変化させることもある。この点でコントローラ700を、誘導加熱システムを制御するだけではなくガラス成形プロセス全体を制御する役割も果たす制御アルゴリズムに統合してもよく、この場合サセプタの温度を、限定するものではないが、ガラス組成、ガラス温度、ガラス失透温度、ガラス粘度、およびガラス流量を含む、任意の数のプロセスパラメータあるいは測定されたまたは所望のガラス特性に応えて、またはこれを予想して、変化させてもよい。
例えば本書で開示される実施形態は、サセプタの少なくとも一部分の最低温度を、1,000℃から1,400℃の温度など少なくとも1,000℃の温度で、1分当たり少なくとも10℃を含め、例えば1分当たり5℃から1分当たり30℃までなど、少なくとも1分当たり5℃の速さで変化させ得るものを含む。
本書で開示される実施形態は、サセプタ表面の最高温度がサセプタ表面の最低温度よりも例えば少なくとも50℃高い、さらには少なくとも100℃高いなど、少なくとも25℃高いものであるような温度プロファイルが、サセプタ(例えば、側壁)上に存在しているものを含む。例えば本書で開示される実施形態は、サセプタの表面の最高温度と最低温度の間の差が、50℃から250℃など、25℃から500℃であるものを含み得る。この温度プロファイルは、サセプタの表面上における温度対位置の関数として、略線形または非線形になり得る。
各誘導加熱システム内の誘導コイルは好適には、サセプタから実質的に絶縁されている一方でサセプタの温度を所望の熱プロファイルに対応させることができるくらい十分にサセプタに近接するように、構成されるべきである。これは、用途、エンクロージャの構成、さらに誘導コイルとサセプタとの間の断熱材の種類および量次第で変化するであろうが、好適な実施形態において誘導コイルは、サセプタに最も近接しているコイルの部分が、例えば5ミリメートルから25ミリメートルの間など、1ミリメートルから50ミリメートルの間となるように構成され得る。
特定の実施形態例において、誘導加熱システムの1以上の誘導コイルは、例えば熱的、電気的、機械的、および/または侵食の保護を提供する、少なくとも1つの材料で、被覆、絶縁、またはスリーブしてもよい。例えば特定の例示的な実施形態において、誘導コイルは、アルミナおよびシリカから成る群から選択される少なくとも1つの材料を含む、繊維材料内にスリーブされ得る。
本書における実施形態は、誘導コイルが、外径が例えば4から10ミリメートル、さらには4から7ミリメートルなどの、外径が2から15ミリメートルの銅管を備えたものを含む。この実施形態において、銅管の半径方向の厚さは、例えば0.5から1ミリメートルでもよい。管は最も典型的には円形または楕円形の断面のものであるが、本書における実施形態は、管が正方形または長方形の断面のものを含むことを理解されたい。
限定するものではないが、好適な実施形態は、各誘導加熱システムに対する電源が、例えば少なくとも7.5kWの電力、さらには少なくとも10kWの電力、またさらには少なくとも15kWの電力など、例えば5kWから250kWの電力などの、少なくとも5kWの電力と、例えば少なくとも20kHz、さらには少なくとも50kHz、例えば10kHzから250kHzなどの、少なくとも10kHzの周波数を有する交流電流とを提供するものを含む。
冷却流体は、誘導コイルの望ましくない軟化、変形、または溶解を防ぐと同時に、交流電流電源を十分に低温で保つような、流量および温度で提供され得る。例えば冷却装置から誘導コイルに冷却水を、約25℃を含む、約0℃から約50℃の温度で提供してもよい。冷却流体の流量は、例えば1分当たり約1リットルから1分当たり約10リットルなど、例えば、1分当たり約0.5リットルから1分当たり約20リットルまでに及び得る。
本書における実施形態は、例えばエンクロージャの加熱の実現を抵抗加熱ロッドだけに頼るものなど溶融ガラス成形装置のエンクロージャを加熱する他の方法を、上回る利点を提供することができる。この利点としては、より高温および高運転率で動作する能力、操業コストの削減(例えば、抵抗加熱ロッドの維持および交換に関連するコストの削減)、製造混乱リスクの低減、既存の製造用資産の利用改善、さらに、溶融ガラス成形装置を収容するためのエンクロージャの側壁の温度を既定の熱プロファイルに従ってより正確に制御および調製することができることを含む、また始動から冷却までのプロセス全範囲の間のより正確な制御を含む、ガラス成形装置を囲む環境をより正確に制御および調製する能力、を挙げることができる。
請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、本書において説明された実施形態の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。従って、本書において説明された種々の実施形態の改変および変形が、添付の請求項およびその同等物の範囲内であるならば、本明細書はこのような改変および変形を含むと意図されている。
100 エンクロージャ
102 第1の側壁
104 第2の側壁
152、154 サセプタ
302、310 誘導加熱システム
400 溶融ガラス成形装置

Claims (10)

  1. ガラスシートを作製する方法であって、
    溶融ガラス成形装置を収容するための、第1の側壁と第2の側壁とを備えたエンクロージャを、既定の熱プロファイルに従って加熱するステップ、
    を有してなり、前記エンクロージャを加熱する前記ステップが、前記第1の側壁と前記第2の側壁とのうちの少なくとも一方の少なくとも一部分を、少なくとも1つの誘導加熱システムで加熱するステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第1の側壁および前記第2の側壁の、少なくとも一部分が、誘導加熱を受けやすいものでありかつ前記少なくとも1つの誘導加熱システムに熱的に直接結合されていることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの誘導加熱システムが、該少なくとも1つの誘導加熱システムと前記第1の側壁および前記第2の側壁の少なくとも一方との間に位置付けられた、中間サセプタに熱的に直接結合されていることを特徴とする請求項1または2記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの誘導加熱システムが、断熱材に直接埋め込まれた少なくとも1つの誘導コイルを備えていることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の方法。
  5. 前記エンクロージャを加熱する前記ステップが、前記第1の側壁と前記第2の側壁とのうちの少なくとも一方の少なくとも一部分を、少なくとも1つ抵抗加熱ロッドで加熱するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の方法。
  6. ガラスシートを作製するプロセスにおいて有用な装置であって、
    溶融ガラス成形装置を収容するための、第1の側壁と第2の側壁とを備えたエンクロージャ、および、
    前記エンクロージャ内に位置している、溶融ガラス成形装置、
    を備え、前記第1の側壁と前記第2の側壁とのうちの少なくとも一方の少なくとも一部分にエネルギーを熱的に結合させるように構成された、少なくとも1つの誘導加熱システムをさらに備えていることを特徴とする装置。
  7. 前記第1の側壁および前記第2の側壁の少なくとも一部分が、誘導加熱を受けやすいものでありかつ前記少なくとも1つの誘導加熱システムに熱的に直接結合されていることを特徴とする請求項6記載の装置。
  8. 前記エンクロージャが、誘導加熱を受けやすい上部をさらに備え、該上部が、少なくとも1つの誘導加熱システムに熱的に直接結合されていることを特徴とする請求項6または7記載の装置。
  9. 前記少なくとも1つの誘導加熱システムが、該少なくとも1つの誘導加熱システムと前記第1の側壁および前記第2の側壁の少なくとも一方との間に位置付けられた、中間サセプタに熱的に直接結合されていることを特徴とする請求項6から8いずれか1項記載の装置。
  10. 前記少なくとも1つの誘導加熱システムが、断熱材に直接埋め込まれた少なくとも1つの誘導コイルを備えていることを特徴とする請求項6から9いずれか1項記載の装置。
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