JP2014029784A - 3ゾーン抵抗体からなる結線構造体を具備したヒータ - Google Patents

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成伸 先田
Nobuhiro Nishimoto
悦弘 西本
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晃 三雲
Hirohiko Nakada
博彦 仲田
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Abstract

【課題】 各ゾーンにおける抵抗体の抵抗値を簡易に測定することが可能な3ゾーンの抵抗体からなる結線構造体を具備したヒータを提供する。
【解決手段】 円板状の基板10に3本の抵抗体A、B、Cが敷設されたヒータであって、これら3本のうちの1本の抵抗体Bは、その両端部B1、B2が他の2本の抵抗体A、Cの一端部A2、C1にそれぞれ接続して計2つの短絡部A2B2、B1C1を形成しており、これら2つの短絡部A2B2、B1C1と前記他の2本の抵抗体の他端部A1、C2の合計4箇所から電流リード線の取り出しが行われる。3本の抵抗体A、B、Cは、例えば基板10の周縁部に沿ってそれぞれ略1/3周ずつ敷設されて全体として1つの同心円を形成している。
【選択図】 図4

Description

本発明は、交流3相デルタ結線及び単相3並列に対応した3ゾーン抵抗体からなる結線構造体を具備したヒータに関する。
半導体製造装置には、成膜処理や検査工程の際に半導体ウエハを載置して加熱するヒータが用いられている。このヒータには、たとえば特許文献1に記載されているように、半導体ウエハを載置する載置面とは反対側の面又は内部に、半導体ウエハを加熱する抵抗発熱体(以降、抵抗体とも称する)が設けられている。
近年、半導体ウエハは大口径のものに置き換えられつつあり、上記ヒータも8インチウエハ対応から12インチウエハ対応に、さらには12インチウエハ対応から18インチウエハ対応に大面積化することが行われている。その際、たとえば8インチウエハ対応のヒータの昇温速度を維持して12インチウエハ対応のヒータを作製するには、単純な2.25倍の面積比以上の電力が必要となる。同様に、12インチウエハ対応のヒータの昇温速度を維持して18インチウエハ対応のヒータを作製する場合も、単純な2.25倍の面積比以上の電力が必要となる。
このように2.25倍の面積比の変化に対応させて大容量の電力を与えるためには、たとえば抵抗体の抵抗値を1/3に下げて3倍の電流を流したり、抵抗体の数を3倍に増やしたりすることが必要になる。具体的には、図1(a)のようなワンループパターンの抵抗体Pで2kWの電力を与えることができるとすると、その3倍の6kWの電力を与えるには、図1(b)のようにパターンの幅を3倍にした抵抗体Qを用いて抵抗値を1/3に下げるか、図1(c)のように加熱するゾーンを3つに分けて、これら3ゾーンに3つの抵抗体A、B及びCをそれぞれ敷設して並列回路とすることが必要になる。
しかしながら、図1(b)の場合は局所半径が小さなコーナー部が存在した場合、大電流が流れると異常な発熱が起こる可能性があった。また、図1(c)の場合は端子部から取り出すリード線の数が多くなって材料コストや加工コストが増えるうえ、構造的な制約から抵抗体のパターンニングに大きな制約が課せられることがあった。なお、各抵抗体の両端に丸印で示されている部分は端子部を示している。
特開2011−210931号公報
図1(c)に示す3ゾーンの抵抗体(A、B、C)からなるヒータシステムは、図2(a)に示すような電気等価回路(a、b、c)で示すことができる。各ゾーンの抵抗体の両端部、すなわち抵抗体aの端部a1及びa2、抵抗体bの端部b1及びb2、抵抗体cの端部c1及びc2は、各々端子部になっており、それらから合計6本のリード線(図示せず)が取り出される。
ここでリード線の数を最小に減らすには、図2(b)に示すように、電気モータなどで良く使われる3相デルタ結線が考えられ、3本のリード線で3ゾーンを制御することが可能となる。しかし、この場合は3ゾーンの抵抗体A、B、Cの各抵抗値を測定することができないため、ヒータ製作工程内での歩留まりを上げるのが難しかった。また、ヒータ製品として効率よく温度制御するのが難しかった。本発明は3ゾーン抵抗体が有するかかる問題に鑑みてなされたものであり、各ゾーンにおける抵抗体の抵抗値を簡易に測定することが可能な3ゾーンの抵抗体からなる結線構造体を具備したヒータを提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明者らは3ゾーン抵抗体の結線方法について鋭意研究を行った結果、特定の結線構造を採用してその端子部から電流リードを取り出すことにより、各ゾーンにおける抵抗体の抵抗値を簡易に確認することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の半導体製造装置用ヒータは、円板状の基板に3本の抵抗体が敷設されたヒータであって、これら3本の抵抗体のうちの1本の抵抗体は、その両端部が他の2本の抵抗体の一端部にそれぞれ接続して計2つの短絡部を形成しており、これら2つの短絡部と前記他の2本の抵抗体の他端部の合計4箇所から電流リード線の取り出しが行われることを特徴としている。
本発明によれば、各ゾーンの抵抗値を確認することできるうえ、交流3相デルタ結線や単相3並列結線に対応した結線構造にすることができるので、大容量の電力を効率良く与えることが可能となる。
従来のヒータに設けられた抵抗体の結線構造を模式的に示す平面図である。 従来の3ゾーン抵抗体の結線構造を示す電気等価回路図であり、(a)は3並列回路を(b)は3相デルタ結線回路を示している。 本発明のヒータに設けられた3ゾーン抵抗体の結線構造の電気等価回路図である。 本発明のヒータに設けられた3ゾーン抵抗体からなる結線構造体の一具体例を示す平面図である。 図4のヒータの変形例を示す平面図である。 本発明のヒータに設けられた3ゾーン抵抗体からなる結線構造体の他の具体例を示す平面図である。 図6のヒータの変形例を示す平面図である。 本発明のヒータ構造の具体例を示す縦断面図である。
先ず、本発明のヒータが具備する3ゾーン抵抗体の結線構造の具体例を、図3を参照しながら説明する。図3では、本発明のヒータが具備する3ゾーン抵抗体A、B、Cが、電気的等価回路a、b、cで模式的に示されている。抵抗体aは端部a1及びa2を、抵抗体bは端部b1及びb2を、抵抗体cは端部c1及びc2を有している。これら端部のうち、a2とb2とが接続して短絡部a2b2が形成されており、b1とc1とが接続して短絡部b1c1が形成されている。そして、これら2箇所の短絡部a2b2及びb1c1と、2箇所の端部a1及びc2の合計4箇所から4本のリード線がそれぞれ引き出されるようになっている。
これにより、3ゾーンの抵抗体A、B、Cの各抵抗値を簡単に測定することが可能となる。すなわち、2端子抵抗測定器のプラス入力及びマイナス入力を、それぞれ端部a1及び短絡部a2b2に接続して抵抗体aの抵抗値を測定することが出来る。同様に、プラス入力及びマイナス入力をそれぞれ短絡部a2b2及び短絡部b1c1に接続して抵抗体bの抵抗値を測定することが出来、プラス入力及びマイナス入力をそれぞれ短絡部b1c1及び端部c2に接続して抵抗体cの抵抗値を測定することが出来る。
上記の結線構造を有する3ゾーン抵抗体は、たとえば図4のようなパターンで基板10に敷設される。具体的には、この図4に示すヒータでは、3本の抵抗体A、B、Cは、互いに異なる半径で基板10の中心に対して同心円をなしており、且つ基板10の同じ角度範囲内でほぼ全周に亘って敷設されている。そして、3本の抵抗体A、B、Cのうち中間に位置する抵抗体Bの両端部が、それぞれ基板10の半径方向で隣接する他の2本の抵抗体A、Cの一端部に接続して短絡部を形成している。すなわち、抵抗体Bの端部B2とその基板10の半径方向の内側で隣接する抵抗体Aの端部A2とが接続して短絡部A2B2を形成しており、抵抗体Bの端部B1とその基板10の半径方向の外側で隣接する抵抗体Cの端部C1とが接続して短絡部B1C1を形成している。
これら2つの短絡部A2B2及びB1C1はそれぞれ端子部になっており、また、2つの端部A1及びC2もそれぞれ端子部になっている。そして、これら合計4箇所の端子部から4本のリード線(図示せず)がそれぞれ引き出されるようになっている。前述したように、3本の抵抗体A、B、Cは、基板10の同じ角度範囲に亘って敷設されているので、上記4本のリード線は基板10の同じ角度範囲内から引き出すことが可能となる。また、抵抗体A、B、Cの各抵抗値を個別に変えることで、たとえば基板10の内周側と外周側で発熱密度を変えることが可能となる。
上記3ゾーン抵抗体からなる結線構造体に対して交流3相電源を接続する場合は、当該交流3相電源の3端子(R、S、T)のうちの1つを端部A1及び端部C2に接続し、残る2つをそれぞれ短絡部A2B2及び短絡部B1C1に接続する。これにより、3つの抵抗体A、B、Cは交流3相デルタ結線となり、たとえば三相電力調整器(以下、三相サイリスタとも称する)などの調整手段を用いて1つの抵抗体として制御することが可能となる。
あるいは、上記3ゾーン抵抗体からなる結線構造体に対して単相電源を接続する場合は、当該単相電源の2端子(プラス、マイナス)のうちの一方を端部A1及び短絡部B1C1に接続し、他方を短絡部A2B2及び端部C2に接続する。これにより、3つの抵抗体A、B、Cで構成される単相3並列の抵抗回路として制御することが可能となる。
このように、本発明の3ゾーン抵抗体からなる結線構造体をヒータに採用することにより、大容量の電力を効率良く与えることが可能になる。特に、上記結線構造体を交流3相デルタ結線にした場合、リード線に流れる電流を抑えることができるので、単相3並列結線で使用するリード線よりも細くできるメリットが生じる。これらの結線構造は、CVDサセプタヒータ、検査装置プローバ用のウエハチャックヒータ、ウエハ洗浄装置用の加熱ヒータやコータデベロッパ用ヒータ等で代表される半導体製造装置用ヒータに有用である。
なお、図4に示すヒータは、基板10に3ゾーン抵抗体を1組敷設したものであったが、これに限定されるものではなく、基板10に複数組の3ゾーン抵抗体を敷設してもよい。たとえば図5には2組の3ゾーン抵抗体が基板10それぞれの内周側と外周側に同心円状に敷設された例が示されている。このように複数組の3ゾーン抵抗体を使用することにより、基板10面をよりきめ細かく温度制御することが可能となる。
次に、基板10に敷設される3ゾーン抵抗体の他のパターンを図6に示す。この図6に示すパターンでは、抵抗体A、B、Cは、基板10の周縁部に沿ってそれぞれ略1/3周ずつ敷設されて全体として1つの同心円を形成している。この図6の場合は、抵抗体Aの端部A2とこれに基板10の周方向で隣接する抵抗体Bの端部B2とが接続して短絡部A2B2を形成しており、抵抗体Bの端部B1とこれに基板10の周方向で隣接する抵抗体Cの端部C1とが接続して短絡部B1C1を形成している。
これら2つの短絡部A2B2及びB1C1からはそれぞれ基板10の中心部に向かって延長部Eが延在しており、それらの先端に端子部が取り付けられている。同様に、抵抗体Aの端部A1及び抵抗体CのC2からもそれぞれ基板10の中心部に向かって延長部Eが延在しており、それらの先端に端子部が取り付けられている。これにより、合計4箇所の端子部を全て基板10の中心部に配置することが可能となり、たとえばヒータを円筒状の支持部材でウエハ載置面の反対側から支持する場合、4つの端子部及びそれらからそれぞれ引き出される4本のリード線を当該支持部材の内側に収納することが可能となる。
この図6に示す3ゾーン抵抗体からなる結線構造体も、図4と同様に交流3相電源を接続する場合は、その3端子(R、S、T)のうちの1つを端部A1及び端部C2に接続し、残る2つをそれぞれ短絡部A2B2及び短絡部B1C1に接続ことにより、3つの抵抗体A、B、Cを交流3相デルタ結線にすることができる。また、単相電源を接続する場合は、その2端子(プラス、マイナス)のうちの一方を端部A1及び短絡部B1C1に接続し、他方を短絡部A2B2及び端部C2に接続することにより、3つの抵抗体A、B、Cで構成される単相3並列の抵抗回路として制御することが可能となる。
この図6に示す3ゾーン抵抗体は、各抵抗体が基板10の外周側と内周側との間を交互に行き来するジグザグ状に形成されてもよい。たとえば図7(a)には、3本の抵抗体の各々を構成する7個の外周部O1と6個の内周部I1とが1つずつ交互に接続されてジグザグ状を形成した例が示されている。この図7(a)では、内周部I1は外周部O1より太い線で示されており、これは内周部I1は外周部O1より発熱密度が低いことを意味している。図7(b)には図7(a)の変形例が示されており、図7(a)とは逆に内周部I2が外周部O2より細い線で示されており、これは内周部I2は外周部O2より発熱密度が高いことを意味している。
内周部と外周部とで発熱密度を異ならせる方法としては、たとえば基板10の周方向における各外周部の長さと各内周部の長さに差をつけるか、あるいは基板10の半径方向で切断した各外周部の断面積と各内周部の断面積に差をつける方法を挙げることができる。このように、各抵抗体を構成する外周部と内周部において互いに断面積や長さを変えることにより、基板10の半径方向の発熱密度分布を変える事が可能になる。
上記3ゾーン抵抗体からなる結線構造体は、たとえば図8(a)〜(c)に示す形態でヒータに具備することができる。図8(a)の形態は、基板11のウエハ載置面11aとは反対側の面に、スクリーン印刷法でペーストを塗布して3ゾーン抵抗体からなる結線構造体12用の回路パターンを形成し、これを所定の温度で焼成することによって得られる。基板11の材質には、たとえば窒化アルミニウムや酸化アルミニウムなどの電気絶縁体を使用することができる。また、ペーストの材質には、たとえば金属のWやMoに樹脂を混ぜたものを使用することができる。
図8(b)の形態は、基板21のウエハ載置面21aとは反対側の面に、上記と同様にスクリーン印刷法でペーストを塗布して3ゾーン抵抗体からなる結線構造体22用の回路パターンを形成し、これを所定の温度で焼成する。得られた結線構造体22の表面に背面プレート23を配置し、これら基板21と背面プレート23とをたとえばホットプレス法で接合することによって得られる。背面プレート23の材質は電気絶縁体であれば特に問わないが、基板21との熱膨張差を考慮して基板21と同じ材質を選択するのが好ましい。
図8(c)の形態は、回路パターンが形成された金属箔からなる抵抗体32の上下を電気絶縁体シート33で挟み、これをウエハ載置面31aを備えた基板31及び背面プレート34で挟み込んでネジ等の締結手段(図示せず)で固定することによって得られる。
金属箔の材質は特に問わないが、ニッケル、ステンレス、銀、タングステン、モリブデン、クロム、又はこれら金属の少なくともいずれかの合金を使用することができる。この中では、ステンレスやニクロムが好ましい。ステンレスやニクロムは、抵抗体の回路パターンを加工する際、エッチングなどの手法により比較的精度良く形成することができるからである。また、安価な点や、耐酸化性を有するので使用温度が高温であっても長期間の使用に耐え得る点においてもステンレスやニクロムが好ましい。
電気絶縁体シート33の材質は、電気絶縁性に加えて耐熱性を有するものであれば特に制約はなく、例えばマイカやポリイミド、シリコン樹脂やエポキシ樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。電気絶縁性の樹脂を用いる場合は、金属箔からなる抵抗体32で発生した熱をよりスムースに基板31に伝え得るようにするため、樹脂中にフィラーを分散させてもよい。これは、樹脂中にフィラーを分散させることによって、シリコン樹脂等の熱伝導性を高めることができるからである。フィラーの材質としては、樹脂との反応性が無ければ特に制約はなく、たとえば窒化硼素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカなどの物質を使用することができる。
基板31及び背面プレート34の材質は、金属や、金属とセラミックスとの複合体等を使用することができるが、高い熱伝導率を有するものが好ましい。金属であれば、アルミニウムや銅、アルミニウム合金や銅合金を挙げることができる。金属とセラミックスとの複合体であれば、アルミニウムと炭化ケイ素との複合体、又はシリコンと炭化ケイ素との複合体が好ましい。締結手段としてネジを使用する場合は、限定するものではないが、タングステン、コバール、ステンレスなどの金属を使用することができる。
以上、本発明のヒータについて具体例を挙げて説明したが、本発明は係る具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲の種々の態様で実施可能である。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲及びその均等物に及ぶものである。
[実施例1]
図4に示す結線構造を有する3つの抵抗体A、B、Cを具備するヒータを作製した。ヒータの構造は図8(a)に示す形態にした。具体的には、直径300mm、厚み10mmの窒化アルミニウム製の基板11のウエハ載置面11aとは反対の面に、スクリーン印刷法でWペーストからなる回路パターンを形成した後、焼成して3ゾーン抵抗体からなる結線構造体12を形成した。抵抗体A、B、Cの抵抗値は全て20Ωとした。
2つの短絡部A2B2及びB1C1、並びに2つの端部A1及びC2に取り付けた4箇所の端子部から4本のリード線を取り出した。そして、三相サイリスタの3端子(R、S、T)のうちの1つを端部A1及び端部C2からのリード線に接続し、残る2つをそれぞれ短絡部A2B2及び短絡部B1C1からのリード線に接続した。
この状態で抵抗体A、B、CにAC200Vを印加した。その結果、3相デルタ結線として各抵抗体に電流を10Aずつ流すことができ、6kWの電力を投入できることが確認できた。また、室温から500℃までの昇温に97分かかった。500℃安定時におけるヒータの温度分布は、温度レンジ2℃となり、比較的フラットな分布が得られることが分かった。
[比較例1]
実施例1との比較のため、3つの抵抗体A、B、Cに代えて図1(b)に示す1本の抵抗体Qを基板11のウエハ載置面11aとは反対の面に形成した以外は実施例1と同様にしてヒータを作製した。この抵抗体Qの抵抗値は6.67Ωとし、その両端に設けた端子部に、単相200Vを印加した。その結果、電流を30A流すことができたが、しばらくすると抵抗値が急に下がり、電流が流れすぎてブレーカーが落ちた。この原因は、抵抗体Qを構成する回路のうち、局所的に抵抗が高い部分で異常発熱を起こし、その付近の窒化アルミニウムの抵抗値が下がったため、リーク電流が流れたことによるものと考えられる。
[比較例2]
実施例1との比較のため、基板11に直径200mm、厚み10mmの窒化アルミニウム製部材を使用し、抵抗体Qの抵抗値を16.7Ωとした以外は比較例1と同様にしてヒータを作製した。この抵抗体Qの両端に設けた端子部に、単相200Vを印加した。その結果、電流は12A流れ、投入電力は2.4kWであった。室温から500℃までの昇温時間は100分かかった。この比較例2と実施例1の結果から、電力比を6kW:2.4kW=2.5:1とすることによって、ほぼ同じ昇温時間で室温から500℃まで加熱できることが証明された。この電力比は面積比2.25倍とほぼ同じである。
[実施例2]
図4に示す結線構造に代えて図6に示す結線構造にした以外は実施例1と同様にして3つの抵抗体A、B、Cを具備するヒータを作製した。この抵抗体A、B、Cのリード線に、実施例1と同様に三相サイリスタの3端子(R、S、T)を接続し、AC200Vを印加した。その結果、3相デルタ結線として各抵抗回路に電流を10Aずつ流すことができ、6kWの電力を投入できることが確認できた。また、室温から500℃までの昇温に97分かかった。
[実施例3]
3つの抵抗体A、B、Cへの投入電力の比が外側から内側に向かって3:2:1となるようにするため、抵抗体A、B、Cの抵抗値をそれぞれ40Ω、20Ω、13Ωとした以外は実施例1と同様にしてヒータを作製した。この抵抗体A、B、Cのリード線に、実施例1と同様に三相サイリスタの3端子(R、S、T)を接続し、AC200Vを印加した。
その結果、抵抗体Aに5A、抵抗体Bに10A、抵抗体Cに15.4Aの電流が流れた。すなわち、抵抗体Aに1000W、抵抗体Bに2000W、抵抗体Cに3076Wの電力を投入でき、合計約6kWの電力を投入できることが確認できた。このように抵抗値の比を変えることで、外周側領域と内周側領域とで発熱量(発熱密度)に差異を生じさ得ることが確認できた。
[実施例4]
図4に示す結線構造に代えて図7(a)に示すジグザグ状の結線構造にした以外は実施例1と同様にして3つの抵抗体A、B、Cを具備するヒータを作製した。ここで、各抵抗体の内周部I1の太い部分の幅は外周部O1の2倍にし、各抵抗体の抵抗値は全て20Ωとした。この抵抗体A、B、Cからなる結線構造体のリード線に、実施例1と同様に三相サイリスタの3端子(R、S、T)を接続し、AC200Vを印加した。
その結果、3相デルタ結線として各抵抗体に電流を10Aずつ流すことができ、6kWの電力を投入できることが確認できた。また、室温から500℃までの昇温に97分かかった。500℃安定時におけるヒータの温度分布は外周部が高くて内周部が低い、いわゆるセンタークールな分布となり、温度レンジは5℃となった。
[実施例5]
図7(a)に代えて図7(b)に示すように各抵抗体の外周部O2の太い部分の幅が内周部I2の2倍となるようにした。それ以外は実施例4と同様にして3つの抵抗体A、B、Cを具備するヒータを作製し、実施例4と同様に3つの抵抗体A、B、Cのリード線に三相サイリスタの3端子(R、S、T)を接続してAC200Vを印加した。その結果、3相デルタ結線として各抵抗体に電流を10Aずつ流すことができ、6kWの電力を投入できることが確認できた。また、室温から500℃までの昇温時間は97分かかった。500℃安定時におけるヒータの温度分布は内周部が高くて外周部が低い、いわゆるセンターホットな分布となり、温度レンジは5℃となった。
[実施例6]
図5に示すように、3つの抵抗体A、B、Cからなる結線構造体が基板の内周側領域と外周側領域に1組ずつ設けられたヒータを作製した。ヒータの構造は図8(a)で示す形態にした。具体的には、直径450mm、厚み10mmの窒化アルミニウム製の基板11のウエハ載置面11aとは反対の面に、スクリーン印刷法でWペーストからなる回路パターンを形成した後、焼成して3ゾーン抵抗体からなる結線構造体12を2組形成した。抵抗体A、B、Cの抵抗値は全て20Ωとした。
また、各々の結線構造体12において、端子部からのリード線の取り出し、及びその該リード線への三相サイリスタの3端子(R、S、T)の接続も実施例1と同様にした。この状態で抵抗体A、B、Cからなる結線構造体にAC200Vを印加した。その結果、抵抗体A、B、Cの各々に電流を10Aずつ流すことができ、12kWの電力を投入できることが確認できた。また、内周側の3つの抵抗体A、B、Cと外周側の3つの抵抗体A、B、Cとをそれぞれ2つの三相サイリスタを用いて独立に制御することができ、内周側と外周側で電力比を変えることも可能であった。
[実施例7]
図5に示すように、3つの抵抗体A、B、Cからなる結線構造体が基板の内周側領域と外周側領域に1組ずつ設けられたヒータを作製した。ヒータの構造は図8(b)で示す形態にした。具体的には、直径450mm、厚み10mmの窒化アルミニウム製の基板21のウエハ載置面11aと反対の面に、スクリーン印刷法でWペーストからなる回路パターンを形成した後、焼成して3ゾーン抵抗体からなる結線構造体22を2組形成した。抵抗体A、B、Cの抵抗値は全て20Ωとした。そして、もう一枚の直径450mm、厚み10mmの窒化アルミニウム製の背面プレート23をホットプレス接合してヒータを作製した。
各々の結線構造体22において、抵抗体A、B、Cの結線構造、端子部からのリード線の取り出し及びその三相サイリスタとの接続については実施例6と同様にし、抵抗体A、B、Cからなる結線構造体にAC200Vを印加した。その結果、抵抗体A、B、Cの各々に電流を10Aずつ流すことができ、12kWの電力を投入できることが確認できた。また、内周側の3つの抵抗体A、B、Cと外周側の3つの抵抗体A、B、Cとをそれぞれ2つの三相サイリスタを用いて独立に制御することができ、内周側と外周側で電力比を変えることも可能であった。
[実施例8]
図5に示すように、3つの抵抗体A、B、Cからなる結線構造体が基板の内周側領域と外周側領域に1組ずつ設けられたヒータを作製した。ヒータの構造は図8(c)で示す形態にした。具体的には、最大外径440mm、厚み50μmのステンレス箔にエッチングして抵抗体の回路パターンを作製した。抵抗体A、B、Cの抵抗値は全て20Ωとした。電気絶縁体シート33には、直径450mm、厚み0.5mmの樹脂中に窒化硼素をフィラー分散させた電気絶縁性の樹脂を用いた。
基板31には直径450mm、厚み4mmの銅製の円板を使用し、背面プレート34には、直径450mm、厚み4mmのシリコンと炭化ケイ素との複合体を使用した。基板31のP.C.D.430mmの位置に、12個の螺刻された有底穴を均等に配置し、これらに対応する背面プレート34の位置に貫通穴を設けた。これら貫通穴に、ステンレス製のM3ネジ12本をそれぞれ挿通し、基板31の螺刻された有底穴に螺合させた。
各々の結線構造体32において、抵抗体A、B、Cの結線構造、端子部からのリード線の取り出し及びその三相サイリスタとの接続については実施例6及び7と同様にし、抵抗体A、B、Cからなる結線構造体にAC200Vを印加した。その結果、抵抗体A、B、Cの各々に電流を10Aずつ流すことができ、12kWの電力を投入できることが確認できた。また、内周側の3つの抵抗体A、B、Cと外周側の3つの抵抗体A、B、Cとをそれぞれ2つの三相サイリスタを用いて独立に制御することができ、内周側と外周側で電力比を変えることも可能であった。
10、11、21、31 基板
12、22、32 結線構造体
23、34 背面プレート
33 電気絶縁体シート
A、B、C 抵抗体
A1、A2 端部
B1、B2 端部
C1、C2 端部
A2B2、B1C1 短絡部
E 延長部

Claims (2)

  1. 円板状の基板に3本の抵抗体が敷設されたヒータであって、これら3本の抵抗体のうちの1本の抵抗体は、その両端部が他の2本の抵抗体の一端部にそれぞれ接続して計2つの短絡部を形成しており、これら2つの短絡部と前記他の2本の抵抗体の他端部の合計4箇所から電流リード線の取り出しが行われることを特徴とするヒータ。
  2. 前記3本の抵抗体は、前記基板の周縁部に沿ってそれぞれ略1/3周ずつ敷設されて全体として1つの同心円を形成していることを特徴とする、請求項1に記載のヒータ。
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