JP2016527778A - Canバス接続ユニットの内部遅延時間を定めるための装置、および測定方法 - Google Patents

Canバス接続ユニットの内部遅延時間を定めるための装置、および測定方法 Download PDF

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Abstract

少なくとも2つの加入者局(10、20、30)を有するバスシステム(4)内で直列データ伝送が正しく機能しているか検査するために、CANバス接続ユニット(11、21、31)の内部遅延時間を定めるための装置(5)および測定方法であって、加入者局(10、20、30)は、バス接続ユニット(11、21、31)を介してバス(40)に接続され、およびバス(40)を介してメッセージ(41)を交換し、メッセージ(41)ごとのバス(40)への送信アクセス権は、CAN規格ISO11898−1に準拠した調停方法によって1の加入者局(10、20、30)に付与され、当該1の加入者局(10、20、30)はメッセージ(41)のための送信者となる、上記装置(5)および上記測定方法が提供される。装置(5)は、送信信号(CAN_TX)と受信信号(CAN_RX)との間の遅延時間(DELTA_T)を定める遅延カウンタ(305)であって、受信信号(CAN_RX)がドミナントレベルにありかつ遅延カウンタ(305)のカウンタ値が所定の設定値(T_MIN)よりも大きくまたは所定の設定値(T_MIN)と等しい場合には停止される上記遅延カウンタ(305)を用いて、内部遅延時間(DELTA_T)を定めるため、または、バス接続ユニット(11、21、31)の最大遅延時間および最小遅延時間に基づいて、内部遅延時間(DELTA_T)を定めるためのユニットを有する。最小カウンタ値の後で遅延カウンタが停止されることで、例えば信号反射による信号歪みがある際に測定精度が高められる。【選択図】図1

Description

本発明は、CANバス接続ユニットまたはCANトランシーバの内部遅延時間を定めるための装置、および測定方法に関する。
独国出願公開第10000305号明細書には、CAN(Controller Area Network)と、TTCAN(Time Trigger CAN=時間同期型CAN)と呼ばれるCANの拡張版とが記載されている。CANで利用される媒体アクセス制御方法は、ビットごとの調停に基づいている。CANの場合、このビットごとの調停は、バスを介して伝送されるメッセージ内の先頭の識別子を用いて行われる。
既に独国特許出願公開第102012200997号明細書で記載されているように、ビットごとの調停の際には、複数の加入者局が同時にバスシステムを介してデータを伝送することが可能であり、そのことによってデータ伝送が妨げられることはない。加入者局は、バスを介したビット(送信信号)の送信の際に、並行して、バスの論理的状態(0または1)(受信信号)を定めることが可能である。これに加えて、送信チャネルで伝達される送信信号は、常に受信信号と比較される。特定の時点、すなわちサンプル点に一致がみられない場合には、バス加入者は送信アクションを終了する。なぜならば、他のバス加入者が、優先度がより高くまたは識別子がより低いメッセージを伝達しようと試みていることを想定する必要があるからである。
受信信号は、調停の間にバスへのアクセスを実現しようと試みる全てのバス加入者のメッセージビットの重ねあわせである。バス線上での信号の移動時間、および、バス接続ユニット(Transceiver、トランシーバ)内での固有の遅延時間のために、上記信号の重ね合わせの結果は、ビット周期内の遅い時期に初めて獲得され、したがって、サンプル点がビット周期内の比較的後ろの方に存在する必要がある。特に、この事実によって、CANの許容可能なビット長が低めに制限される。さらに、短縮は簡単には可能ではない。
独国特許出願公開第102012200997号明細書には、CANバス上でのビットエラーを検出するために、どのように第2のサンプル点(SSP=Secondary Sample Point)が利用されるのかが記載されている。SSPの位置を設定するために、CANバス接続ユニットまたはCANトランシーバの内部遅延時間DELTA_Tは、独国特許出願公開第102012200997号に記載された特定の方法を用いて測定することが可能である。
独国特許出願公開第102012200997号明細書に記載された方法の実験室での評価は、CANバス上での信号の歪みが強い場合には、CANバス接続ユニットまたはCANトランシーバの内部遅延時間を定める際に測定エラーが生じることを示している。
したがって、本発明の課題は、先に挙げた従来技術の問題を解決するCANバス接続ユニットの内部遅延時間を定めるための装置および方法を提供することである。特に、CANトランシーバまたはCANバス接続ユニットの内部遅延時間を定める際に測定エラーを発生させない、CANトランシーバまたはCANバス接続ユニットの内部遅延時間を定めるための装置および方法が提供されるべきである。
本課題は、請求項1に記載の特徴を備えた、CANバス接続ユニットの内部遅延時間を定める装置によって解決される。これにより、少なくとも2つの加入者局を有するバスシステム内で直列データ伝送が正しく機能しているかが検査されうる。その際に、各加入者局は、バス接続ユニットを介してバスに接続され、およびバスを介してメッセージを交換することが可能であり、メッセージごとのバスへの送信アクセス権は、CAN規格ISO11898−1に準拠した調停方法によって1の加入者局に付与され、当該1の加入者局がメッセージのための送信者となる。本装置は、送信信号と受信信号との間の遅延時間を定める遅延カウンタであって、受信信号がドミナントレベルにありかつ遅延カウンタのカウンタ値が所定の設定値よりも大きくまたは所定の設定値と等しい場合には停止される上記遅延カウンタを用いて、内部遅延時間を定めるため、または、バス接続ユニットの最大遅延時間および最小遅延時間に基づいて、内部遅延時間を定めるためのユニットを備える。
したがって、本発明では、CANバス上での特定の障害を隠す(ausblenden)ことが可能な測定方法を実行できる装置が記載される。この測定方法により、CANバス上での信号の歪みが強くても、CANトランシーバまたはCANバス接続ユニットの内部遅延時間を定める際に測定エラーが発生しない。
本発明によれば、どのタイムスロットでCANバス上での障害を隠すのかを設定する新しい設定パラメータが導入される。このことには、新しいパラメータの値が、CANバスまたはCANネットワークの分析に基づいて適切な値に設定されるという利点がある。これにより、システムの堅牢性が高められる。
本装置の好適なさらなる別の利点は、従属請求項において示される。
最小遅延時間は、設定値に依存する値でありうる。
本装置の場合、バス接続ユニット宛てに送信された送信信号とバス接続ユニットにより受信された受信信号との比較が行われるSSPの位置は、予め設定可能である。
本装置は、伝送中にデータ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない送信信号または所定の時間遅延量分だけ遅らされた送信信号を生成する遅延ユニット、および/または、バス接続ユニット宛てに送信された送信信号とバス接続ユニットにより受信された受信信号とを比較する比較ユニットをさらに備えてもよい。
さらに本装置は、比較ユニットが、データ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない送信信号または所定の時間遅延量分だけ遅らされた送信信号を利用できるように、遅らされていない送信信号と所定の時間遅延量分だけ遅らされた送信信号とを切り替える切り替えユニットをさらに備えうる。
さらに、先に挙げた課題は、請求項6に記載の特徴を備えた、CANバス接続ユニットの内部遅延時間を定めるための測定方法によって解決される。これにより、少なくとも2つの加入者局を有するバスシステム内で直列データ伝送が正しく機能しているかが検査されうる。その際に、各加入者局は、バス接続ユニットを介してバスに接続され、およびバスを介してメッセージを交換することが可能であり、メッセージごとのバスへの送信アクセス権は、CAN規格ISO11898−1に準拠した調停方法によって1の加入者局に付与され、当該1の加入者局がメッセージのための送信者となる。本方法では、送信信号と受信信号との間の遅延時間を定める遅延カウンタであって、受信信号がドミナントレベルにありかつ遅延カウンタのカウンタ値が所定の設定値よりも大きくまたは所定の設定値と等しい場合には停止される上記遅延カウンタを用いて、内部遅延時間を定め、または、バス接続ユニットの最大遅延時間および最小遅延時間に基づいて、内部遅延時間を定める。
本測定方法は、以前に記載した装置によって実行され、したがって上記装置と同じ効果を奏する。
測定方法の好適なさらなる別の構成は、従属請求項において示される。
本測定方法では、最小遅延時間は、設定値に依存する値であってもよい。
バス接続ユニット宛てに送信された送信信号とバス接続ユニットにより受信された受信信号との比較が行われるSSPの位置は、予め設定されうる。
本測定方法では、遅らされていない送信信号または所定の時間遅延量分だけ遅らされた送信信号を生成する工程、および/または、バス接続ユニット宛てに送信された送信信号とバス接続ユニットにより受信された受信信号とを比較する工程がさらに実施されてもよい。
本測定方法の上記比較する工程では、データ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない送信信号または所定の時間遅延量分だけ遅らされた送信信号が利用されうる。
本発明のさらなる別の実現は、以前または以下に実施例に関して記載される特徴または実施例の、明示的には挙げられない組み合わせも含む。当業者は、本発明の各基本形態への改良または補足として、個々の観点を追加するであろう。
以下では、本発明が、添付の図面を用いて、実施例によってより詳細に記載される。
第1の実施例に係るバスシステムの簡素化されたブロック図を示す。 CAN上での送信信号と受信信号との相違を解説するタイミングチャートを示す。 第1の実施例に係る装置の概略的なブロック図を示す。
図では、特に明記されない限り、同一または機能的に同一の要素には同一の符号が付される。
図1は、バスシステム4を示し、このバスシステム4は、CANバスシステムであってもよく、車両内、特に、原動機付きの車両内、飛行機内等、または病院内等で利用されうる。バスシステム4は、装置5と、トランシーバまたはバス接続ユニット11、21、31によってそれぞれがバス40に接続された複数の加入者局10、20、30とを有する。バス40を介して、例えばメッセージ41または信号の形態によるデータが、個々の加入者間で、ISO11898のCAN仕様書に従って伝送されうる。ノードとも呼ばれる加入者局10、20、30は、例えば、原動機付き車両の制御装置または表示装置であってもよい。
図2は、特定のCANバストポロジの伝送特性についての実験室で調査結果を示している。図2において、符号1で表される信号TXDは、加入者局10、20、30のうちの1つのトランシーバのデジタル入力信号または送信信号(CAN_TX)である。図2に符号2で表される信号RXDは、加入者局10、20、30のうちの1つのトランシーバのデジタル出力信号または受信信号(CAN_RX)であり、CANバスレベルを示している。下のレベルは、ここではドミナント(dominant)であり、上のレベルはリセッシブ(rezessiv)である。送信信号CAN_TXおよび受信信号CAN_RXは、加入者局10、20、30のうちの1つのデジタル・プロトコルコントローラとアナログ・トランシーバまたはバス接続ユニット11、21、31と(これらは、大抵のCANノードまたは加入者局では、2つの別々のIC(集積回路)である)の間のインタフェース信号である。CAN_TXは、プロトコルコントローラの出力であって、バス接続ユニット11、12、13のうちの1つへの入力であり、CAN_RXは、バス接続ユニット11、21、31のうちの1つの出力であって、プロトコルコントローラへの入力である。トランシーバは、さらに、RX信号から再びTX信号を復元するが、遅延して復元する。この遅延量が、プロトコルコントローラ内で、以下に詳細に記載する方法に従って測定される。
図2の場合、個々のリセッシブビットの送信者または伝達者が、当該送信者または伝達者は例えば加入者局10、20、30のうちの1つなのであるが、当該リセッシブビット内での反射により、ドミナント方向への短期の急低下(Einbruch)3を検知する。急低下3があるこのような個々のリセッシブビットは、以下では、誤りがあるビット(gestoertes Bit)とも呼ばれる。
独国特許出願公開第102012200997号明細書によればCANトランシーバの遅延時間DELTA_Tがその終りで測定されるEDLビットが、このような個々のリセッシブビットである。独国特許出願公開第102012200997号明細書に記載されるように、EDLビットの前にはドミナントビットIDEまたはr1/RTRがきて、EDLビットの後にはr0がくる。
図2は、誤りがあるそのようなビットを示している。図2の信号では、ロー(Low)レベルはドミナントであり、ハイ(High)レベルはリセッシブである。図2では、信号RXDは、立ち上がりエッジの後の急低下3を示している。入力信号または送信信号CAN_TXから出力信号または受信信号CAN_RXまでの遅延時間DELTA_Tが明確に分かる。
図2の左側に示される第1のリセッシブビットでは、ドミナント方向への急低下が少し早く生じ、図2の中央に示される第2のリセッシブビットでは、ドミナント方向への急低下が少し遅く生じる。第2のケースは、遅延時間DELTA_Tの測定が妨害されるケースである。この場合、受信信号CAN_RXでの急低下3の立下りエッジは、送信信号CAN_TXの立下りエッジとほぼ同時に生じる。独国特許出願公開第102012200997号明細書では、送信信号CAN_TXの立下りエッジから受信信号CAN_RXの立下りエッジまでの測定が行われるため、この場合の測定結果は0となるであろう。
図3は、本実施例に係る方法を実施することが可能な装置5を示している。装置5は、各バス接続ユニット11、21、31に含まれてもよく、または、バス接続ユニット11、21、31に加えて設けられてもよい。装置5は、送信シフトレジスタ300と、遅延カウンタ305と、遅延ユニット310と、比較ユニット320と、切り替えユニット330と、評価ユニット340と、標準比較器350とを備える。当然のことながら、これらの構成要素の各々は、組み合わされまたは一体化されて実現されてもよい。
ビットクロックCLK_BITとの接続線を介して駆動される送信シフトレジスタ300から、各ビットクロックに、すなわちビット長ごとに一度、伝送される直列データストリームの1ビットが、送信信号CAN_TXとして、対応する接続線を介してバス接続ユニットへと出力される。接続線を介してバス接続ユニットまたはトランシーバにより受信される受信信号CAN_RXは、比較ユニット320および標準比較器350に印加される。例えば、送信信号CAN_TXおよび受信信号CAN_RXのEDLとr0との間のエッジのような、適切なエッジの評価によって、装置5内では、遅延カウンタ305のための開始信号が生成される。これに加えて、さらなる別の設定値が予め設定され、すなわち、T_MINの値が予め設定される。遅延カウンタ305は、CAN_RXがドミナントであり、かつ、カウンタ値がT_MINより大きくまたはT_MINと等しい場合には停止される。その場合には、遅延カウンタ305は、例えば、既存の発振器の発振周期をカウントすることによって、時間遅延量または遅延時間DELTA_Tを定めることが可能である。
システム開発時の測定の後で、T_MINの値は、カウンタ値T_MINに達した場合にはCAN_RXでの急低下が確実に終わっているように、選択される。
さらに、遅延カウンタ305は、測定された遅延時間DELTA_Tに従って比較点T_CMPを生成する。例えば、この比較点T_CMPは、定められた遅延時間DELTA_Tと、ビット長の予め設定されまたは予め設定可能な比率、特に半ビット長との和として生成されうる。比較点T_CMPは、遅らされた送信信号CAN_TX_DELと受信信号CAN_RXとの間のXOR結合が、どの時点で比較ユニット320内で評価されるのかを定める。
遅延ユニット310は、送信信号CAN_TXと、遅延カウンタ305により自身に伝達された遅延時間DELTA_Tとから、時間遅延量T_DELAY分だけ遅らされた送信信号CAN_TX_DELを生成する。特に簡素な実現では、時間遅延量T_DELAYは、(短い)ビット長の整数倍であってもよく、したがって、遅延ユニット310は、1ビットまたは複数ビット分だけビット列をずらす。このことは、適切なハードウェアレジスタによって特に簡単に実施される。比較ユニット320は、受信信号Can_RXと、遅らされた送信信号CAN_TX_DELとを獲得する。さらに、比較ユニット320は、遅延カウンタ305から、受信信号CAN_RXと遅らされた送信信号CAN_TX_DELとの間の比較結果がサンプリングされる適切な比較点についての情報T_CMPを獲得する。これにより、比較ユニット320は、比較結果を反映した出力信号を生成し、この出力信号は、切り替えユニット330、例えばマルチプレクサへと転送される。これと並行して、例えばXORゲートとして構成可能な標準比較器350が、CAN_TXとCAN_RXとの間の比較結果を反映した第2の出力信号を生成し、この第2の出力信号も同様に、切り替えユニット330へと転送される。
装置5では、例えば、適切な信号SWTによって、および/または、予め設定されまたは予め設定可能なビットへの到達または当該ビットの評価等を含みうる該当する設定に基づいて、切り替えユニット330が2つの信号を切り替え、したがって、標準比較器350の出力信号、または、比較ユニット320の出力信号が、評価装置340に印加される。例えば、装置5では、切り替えユニット330は、より短いビット長への切り替えがある場合にはCAN信号のBRSビットの後で切り替える。その場合には、評価ユニット340では、設定されたサンプル点T_SMPに、切り替えユニット330により結合された(durchgeschaltet)信号がサンプリングされ、一致が検出されなかった場合には、場合によってビットエラー信号BERRが生成される。
先に示したように、示される実現では、装置5によって、ビット長が短い際およびビットに誤りがある際にも、データ伝送が正しいかどうかについての信頼性の高い検査が可能である。
本実施例にしたがって、測定方法と、装置5を備えた少なくとも2つのバス加入者、例えば加入者局10、20、30を有するバスシステム4内で直列データ伝送が正しく機能しているかについての検査とが示される。バス加入者または加入者局10、20、30は、トランシーバまたはバス接続ユニット11、21、31を介してバス40に接続され、バス40を介してメッセージ41を交換することが可能であり、その際に、メッセージ41ごとのバス40への送信アクセス権は、CAN規格ISO11898−1に準拠した調停方法によって、1つのバス加入者、すなわち加入者局10、20、30に付与され、当該1つのバス加入者が、メッセージ41のための送信者となる。その際に、メッセージ41は、CAN規格に準拠した論理的構造を有し、すなわち、スタートオフフレームビット(Start−of−Frame−Bit)、アービトレーションフィールド(Arbitration Field)、コントロールフィールド(Control Field)、データフィールド(Data Field)、CRCフィールド(CRC Field)、アクノレッジフィールド(Acknowledge Field)、および、エンドオブフレームフィールド(End−of−Frame−Field)で構成される。その際に、バス接続ユニット11、21、31宛てに送信された送信信号CAN_TXと、バス接続ユニット11、21、31により受信された受信信号CAN_RXとの比較によって、伝送中にデータ伝送が正しく機能しているかが検査され、その際には、送信者内で、送信信号CAN_TXに対して遅延時間DELTA_T分だけ遅らされた送信信号CAN_TX_DELが提供され、その際に、データ伝送が正しく機能しているかについての検査のための切り替えに従って、遅らされていな送信信号CAN_TX、または、時間遅延量T_DELAY分だけ遅らされた送信信号CAN_TX_DELが利用される。その際に、設定値T_MINが予め設定され、したがって、遅延時間DELTA_Tの最小値として、設定値T_MINに依存する値が利用される。
第2の実施例によれば、遅延時間DELTA_Tの測定は全く行われない。その代りに、第2のサンプル点(Secondary Sample Point)SSPの位置が、固定で予め設定される。固定の位置を予め設定するためには、CANトランシーバの最大内部遅延時間DELTA_Tおよび最小内部遅延時間DELTA_Tが分かっている必要があり、この2つの値は、互いに離れ過ぎてはならない。従来では、トランシーバのデータシートには最大値に関する記載だけがあった。したがってこの場合には、最小値もデータシートに示される。
したがって本実施例によれば、測定も行われず、バス接続ユニット11、21、31のデータシートから分かる最小遅延時間と最大遅延時間の間にその値が存在する遅延時間DELTA_Tが予め設定される。
本明細書で記載される、各加入者局10、20、30のCANコントローラの拡張版は、特に、CAN FD(CAN
with Flexible Data−Rate)ネットワークのため、および、TTCAN(TTCAN with Flexible Data−Rate)ネットワークのために利用されうる。
バスシステム4、装置5、加入者局10、20、30、および測定方法の先に記載した全ての構成は、個別に、または、可能なあらゆる組み合わせにおいて利用されうる。第1の実施例および第2の実施例の特徴を任意に組み合わせることが可能である。さらに、特に以下の変更が構想されうる。
上記実施例のバスシステム4内での加入者局10、20、30の数および配置は任意である。
上述した装置5、および、装置5により実施される測定方法は、2011年5月2日にインターネットサイトhttp://www.semiconductors.bosch.de/で公開された文書「CAN with Flexible Data−Rate、White
Paper、Version1.0」で公開された変更されたデータプロトコルであって、データフィールドの拡張と、メッセージの一部について、調停が行われた後のビット長の短縮と、を特に可能とする上記データプロトコルにも適用可能である。

Claims (10)

  1. 少なくとも2つの加入者局(10、20、30)を有するバスシステム(4)内で直列データ伝送が正しく機能しているか検査するために、CANバス接続ユニット(11、21、31)の内部遅延時間(DELTA_T)を定める装置(5)であって、
    各前記加入者局(10、20、30)は、バス接続ユニット(11、21、31)を介してバス(40)に接続され、および前記バス(40)を介してメッセージ(41)を交換することが可能であり、メッセージ(41)ごとの前記バス(40)への送信アクセス権は、CAN規格ISO11898−1に準拠した調停方法によって1の加入者局(10、20、30)に付与され、前記1の加入者局(10、20、30)は前記メッセージ(41)のための送信者となり、
    前記装置(5)は、
    送信信号(CAN_TX)と受信信号(CAN_RX)との間の前記内部遅延時間(DELTA_T)を定める遅延カウンタ(305)であって、前記受信信号(CAN_RX)がドミナントレベルにありかつ前記遅延カウンタ(305)のカウンタ値が所定の設定値(T_MIN)よりも大きくまたは所定の設定値(T_MIN)と等しい場合には停止される前記遅延カウンタ(305)を用いて、前記内部遅延時間(DELTA_T)を定めるためのユニット、または、
    前記バス接続ユニット(11、21、31)の最大遅延時間および最小遅延時間に基づいて、前記内部遅延時間を定めるためのユニット
    を有する、装置(5)。
  2. 前記最小遅延時間は、前記設定値(T_MIN)に依存する値である、請求項1に記載の装置。
  3. 前記バス接続ユニット(11、21、31)宛てに送信された送信信号(CAN_TX)と前記バス接続ユニット(11、21、31)により受信された受信信号(CAN_RX)との比較が行われるSSP(Secondary Sample Point)の位置は、予め設定可能である、請求項1または2に記載の装置。
  4. 伝送中に前記直列データ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない送信信号(CAN_TX)または所定の時間遅延量分だけ遅らされた送信信号(CAN_TX_DEL)を生成する遅延ユニット(310)と、前記バス接続ユニット(11、21、31)宛てに送信された送信信号(CAN_TX)と前記バス接続ユニット(11、21、31)により受信された受信信号(CAN_RX)とを比較する比較ユニット(320)との一方または双方をさらに備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. 前記比較ユニット(320)が、前記直列データ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない前記送信信号(CAN_TX)または所定の時間遅延量(T_Delay)分だけ遅らされた前記送信信号(CAN_TX_DEL)を利用できるように、遅らされていない前記送信信号(CAN_TX)と前記所定の時間遅延量(T_Delay)分だけ遅らされた前記送信信号(CAN_TX_DEL)とを切り替える切り替えユニット(330)をさらに備える、請求項4に記載の装置。
  6. 少なくとも2つの加入者局(10、20、30)を有するバスシステム(4)内の直列データ伝送が正しく機能しているか検査するために、CANバス接続ユニット(11、21、31)の内部遅延時間(DELTA_T)を定めるための測定方法であって、
    各前記加入者局(10、20、30)は、バス接続ユニット(11、21、31)を介してバス(40)に接続され、および前記バス(40)を介してメッセージ(41)を交換することが可能であり、メッセージ(41)ごとの前記バス(40)への送信アクセス権は、CAN規格ISO11898−1に準拠した調停方法によって1の加入者局(10、20、30)に付与され、前記1の加入者局(10、20、30)は前記メッセージ(41)のための送信者となり、
    前記方法は、
    送信信号(CAN_TX)と受信信号(CAN_RX)との間の前記内部遅延時間(DELTA_T)を定める遅延カウンタ(305)であって、前記受信信号(CAN_RX)がドミナントレベルにありかつ前記遅延カウンタ(305)のカウンタ値が所定の設定値(T_MIN)よりも大きくまたは所定の設定値(T_MIN)と等しい場合には停止される前記遅延カウンタ(305)を用いて前記内部遅延時間を定める、または、
    前記バス接続ユニット(11、21、31)の最大遅延時間および最小遅延時間に基づいて、前記内部遅延時間を定める、
    測定方法。
  7. 前記最小遅延時間は、前記設定値(T_MIN)に依存する値である、請求項6に記載の測定方法。
  8. 前記バス接続ユニット(11、21、31)宛てに送信された送信信号(CAN_TX)と前記バス接続ユニット(11、21、31)により受信された受信信号(CAN_RX)との比較が行われるSSP(Secondary Sample Point)の位置は、予め設定される、請求項6または7に記載の測定方法。
  9. 伝送中に前記直列データ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない送信信号(CAN_TX)または所定の時間遅延量(T_DELAY)分だけ遅らされた送信信号(CAN_TX_DEL)を生成する工程と、前記バス接続ユニット(11、21、31)宛てに送信された送信信号(CAN_TX)と前記バス接続ユニット(11、21、31)により受信された受信信号(CAN_RX)とを比較する工程との一方または双方をさらに含む、請求項6〜8のいずれか1項に記載の測定方法。
  10. 前記比較する工程では、前記直列データ伝送が正しく機能しているかを検査するために、遅らされていない前記送信信号(CAN_TX)または前記所定の時間遅延量(T_DELAY)分だけ遅らされた前記送信信号(CAN_TX_DEL)が利用される、請求項9に記載の測定装置。
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