JP2016527676A - 収容装置、バッテリ、及び車両 - Google Patents

Abstract

少なくとも１つの電極複合体（２０）のための収容装置が記載される。収容装置は、金属製のハウジング（１３０）と金属製のカバーとを備え、金属製のハウジング（１３０）と金属製のカバーとはそれぞれ、角柱形状を成し、かつ、底面と、側壁と、底面に対向する開口部と、を含む。カバーの底面は、少なくとも、カバーの側壁の肉厚に対応して、ハウジング（１３０）の底面よりも大きい。収容装置は、ハウジング（１３０）又はカバーの開口部の縁端に少なくとも１つの測定値を測定する装置（１８０）が配置され、測定値は電圧及び／又は電流の強度及び／又は温度であることを特徴とする。【選択図】図７、図９

Description

本発明は、バッテリの電極複合体のための収容装置、バッテリ、及び車両に関する。バッテリセルは、好適にリチウムイオンバッテリセルである。

バッテリセルの電極のための収容装置は、所謂ハードケース（＝Ｈａｒｄｃａｓｅ）の形態により利用されている。このような収容装置は、金属で構成され角柱形状を成したハウジング（＝Ｃａｎ）であって、底面と、側壁と、底面に対向する開口部と、を含む上記ハウジングを備えうる。角柱形状のハウジングの中のバッテリセルは、プリズムバッテリセルとも呼ばれる。

ハウジングに合わせて、ハードケースは、カバー（＝Ｃａｐ Ｐｌａｔｅ）を備える。カバーは、製造過程において、例えばレーザ溶接によってハウジングに溶接される。その際に、ハウジングの側壁の肉厚は通常０．４〜１．５ｍｍであり、カバーの厚さは一般に０．６〜２ｍｍである。

ハードケース内では、バッテリセルの電極は、巻回型の電極（Ｅｌｅｋｔｒｏｄｅｎｗｉｃｋｅｌ）として実現され、その際に、電極は、電極間に配置されたセパレータによって分けられている。巻回型の電極は、１の側では陽極の一部が突き出て他の側では陰極の一部が突き出ており、これらの突き出た部分が集電器のターミナルラグとして機能するように、実現される。この集電器は、絶縁された状態でカバーの開口部を通って案内される端子と接続されている。

ハードケースによって、特にリチウムバッテリ（但しリチウムバッテリに限られない）が弱い外部からの影響、例えば湿気、衝撃、浸透、又は空気から良好に防護される。

ハードケースの代替としては、貼られた金属箔によって電極が包まれているバッテリセルが知られている。金属箔により包まれた電極を備えるバッテリセルは、ポーチセル（Ｐｏｕｃｈｃｅｌｌ）とも呼ばれる。電極は、１対の電極から成る電極スタック（Ｅｌｅｋｔｒｏｄｅｎｓｔａｐｅｌ）であってもよく、又は、巻回型の電極であってもよい。ハードケースに比較して、ポーチセルでは、バッテリセルが必要とするボリューム（Ｖｏｌｕｍｅｎ）の大部分を活物質で充填することが可能となる。

独国特許出願公開第１０２００８０１０８３７号明細書、及び、当該公報の優先権を主張する国際特許出願第２００９／１０３５２２号パンフレットには、バッテリハウジングを備えたリチウムイオン高圧バッテリが記載されている。バッテリハウジングは、ハウジング下部と、当該ハウジング下部から張り出した状態で（ｕｅｂｅｒｋｒａｇｅｎｄ）ハウジング下部に重置することが可能なハウジング上部と、を備える。その際に、ハウジング下部とハウジング上部との間には、ハウジングを密封しハウジング部分を互いに固定するために用いられるガスケットが配置されてもよい。電子ユニット上に配置され、ハウジング下部の凹部を通って外部へと突き出る高圧プラグによって、バッテリは、制御された状態で、エネルギーを受取り又は供給することが可能となる。その際に、電子ユニットは、セル電圧の監視、バッテリ制御に用いられ、及び／又は、安全要素として機能する。

交流電圧を生成するための高電力バッテリシステムは、インバータ（Ｉｎｖｅｒｔｅｒ）とも呼ばれる変換器であって、並列の電流分岐線上に直列に配置される電力開閉器を備えた上記変換器を備えることが多い。このようなバッテリシステムのインバータが、３つ以上の並列の電流路を備える場合には、バッテリシステム自体が、ハイブリッド自動車及び電気自動車を駆動するための機械であって、回転トルク生成に適した上記機械の電力供給のために構成されうる。このようなバッテリシステムは、トラクションバッテリシステム、又は、略してトラクションバッテリと呼ばれる。

その際に、電力開閉器内では、バッテリに蓄えられたエネルギーであって、寄生インダクタンスに蓄えられた上記エネルギーの一部が、切り替え過程において熱に変換される。この熱への変換は、冷却によって妨げられる。

本発明によれば、収容装置、バッテリ、及び、車両が提供される。収容装置は、少なくとも１つの電極複合体のために適しており、収容装置は、金属製のハウジングと金属製のカバーとを備え、金属製のハウジングと金属製のカバーとはそれぞれ、角柱形状を成し、かつ、底面と、側壁と、底面に対向する開口部と、を含む。カバーの底面は少なくとも、ハウジングのカバーの側壁の肉厚に対応して、ハウジングの底面よりも大きい。収容装置は、ハウジング又はカバーの開口部の縁端に少なくとも１つの測定値を測定する装置が配置され、その際に、測定値は電圧及び／又は電流の強度及び／又は温度であることを特徴とする。

カバーとハウジングとが対応して角柱形状をしていること、及び、カバーの底面の底面が、対応してハウジングの底面より大きいことによって、ハウジングから張り出した状態でカバーをハウジングに重置することが可能である。従って、ハウジング内に電極複合体が配置された後で、ハウジングは、カバーが重置されその後で密封されることで、密閉され、その際に、電極複合体の端子は、測定装置の両側でカバーとハウジングとの間を絶縁された状態で外部へと案内され、従って、端子への測定装置の接続が容易に可能である。

一実施形態において、電極複合体の端子が外部へとさらに容易に案内されうるように、上記縁端の測定装置の両側に凹部が配置される。

凹部内には、当該凹部を通って外部へと案内される端子を、ハウジング及び／又はカバーから電気的に絶縁させるために適した電気的絶縁部が配置されうる。その場合に、端子は、収容装置に対して容易に絶縁される。

本発明に基づき提示されるバッテリは、本発明に基づき提示される収容装置内に少なくとも１つの電極複合体を備える。その際に、ハウジングは、カバーによって密封され、電極複合体の端子は、カバーとハウジングとの間を、絶縁された状態で外部へと案内される。

バッテリの一実施形態において、電極複合体の各電極は、タブテープ（Ｌａｐｐｅｎｓｔｒｅｉｆｅｎ）（＝Ｔａｂ、タブ）を有し、同じ極性の電極の各タブテープは端子に接続されうる。これは、バッテリの端子を実現するための特に簡単な形態である。

追加的又は代替的に、電極複合体は、積層状の包装フィルムに包まれていてもよい。好適に、包装フィルムは障壁層として機能する。

ハウジングは、レーザ溶接又はナノモールディングテクノロジ（＝ＮＭＴ：Ｎａｎｏ Ｍｏｕｌｄｉｎｇ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ）によって、カバーと接合されうる。これは、簡単で効果的な密閉形態である。

上記密封には、バルク金属ガラス及び／又は金属合金を含む封止フランジがさらに含まれてもよい。封止フランジによって、より低出力でのレーザ溶接が可能となる。

上記密封には、ペーストがさらに含まれ、その際に、ペーストは、セラミックペースト又はガラスペーストである。これは、代替的な、簡単で効果的な密閉形態である。

本発明に基づき提示される車両は、本発明に基づき提示される少なくとも１つのバッテリを備える。

好適に、電極複合体は、リチウムイオンバッテリセルの電極を含む。

本発明の好適な発展形態は、従属請求項で示され、以下の明細書において記載される。

本発明の実施形態が、図面を用いて、以下の明細書の記載によって詳細に解説される。
従来技術によるポーチセルを示す。 従来技術によるプリズムセルを示す。 従来技術によるプリズムセルのハウジングを示す。 従来技術によるプリズムセルのカバーを示す。 端子と集電器とを備えた、従来技術によるプリズムセルのカバーを示す。 従来技術による電極スタックを示す。 本発明に係る収容装置のハウジングの例示的な実施形態を電極スタックと共に示す。 本発明に係る収容装置のハウジングの例示的な実施形態を巻回型電極と共に示す。 本発明に係る収容装置のハウジングの例示的な実施形態を、例示的に重置されたカバーと共に示す。

図１には、従来技術による電極複合体１０が示されており、この電極複合体１０は、積層状に（ｍｅｈｒｌａｇｉｇ）金属箔３０に包装された電極スタック２０の形態をしている。電極スタック２０は、陽極箔と陰極箔とを含む。各陽極箔及び各陰極箔は、非絶縁型のタブテープ（＝タブ）４１、５１を有する。同じ極性のタブ４１、５１が、電極スタックの端子に接続される。

図２には、従来技術の電極複合体１１０が示されており、この電極複合体１１０は、ハウジング１３０内にカバー１６０と共に配置された巻回型の電極１２０の形態をしている。巻回型の電極１２０は、陽極箔１５０と、陰極箔１４０と、陽極箔１５０と陰極箔１４０との間に配置されたセパレータ箔と、で構成される。その際に、陽極１５０と陰極１４０とは、集電器を介して負端子１５０又はハウジング１３０と接続される。カバーには、負端子１５１のための開口部１６１が存在し、その際に、密封フランジ１６２が、負端子１５１に対してカバー１６０を絶縁させる。さらに、カバーには、安全弁のための開口部が存在する。

図３は、従来技術によるプリズムセルのハウジングを示している。このようなハウジング１３０は、「Ｃａｎ」とも呼ばれ、金属で構成される。その形状は角柱形状であり、示される例では矩形で、角が丸みを帯びている。底面に対向して開口部が存在し、この開口部は、側壁の肉厚１３１の上方端によって形成され、側壁の肉厚１３１の下方端は底面に接している。

図４は、従来技術によるプリズムセルのカバー１６０を示しており、このカバー１６０は、収容装置内で発生した圧力が限界値を越えた際に当該圧力を下げることが可能な弁１６２のための開口部を有する。更なる別の開口部は、電極の端子を案内するために用いられる。

図５は、端子１４１、１５１を備えた従来技術によるプリズムセルのカバー１６０を示す。端子１４１、１５１は、気密絶縁体（Ｄｉｃｈｔｉｓｏｌｉｅｒｕｎｇ）１７０を介してカバーから電気的に分離され、かつ、集電器１６３と電気的に接続されている。集電器自体は、巻回型の電極１１０の電極１４０、１５０と接続されうる。

図６は、従来技術による電極スタックの詳細を示している。電極スタック２０は、個々のセル１５から成り、個々のセル１５自体は、陽極箔と、陰極箔と、陽極５０と陰極４０との間に配置されたセパレータ箔４５と、で構成される。各陰極箔と各陽極箔とは、非絶縁型のタブテープ（＝タブ）４１、５１を有する。同じ極性のタブ４１、５１が電極スタックの端子に接続される。

図７は、本発明に係る収容装置のハウジング１３０の例示的な実施形態を、ハウジング１３０内の電極スタック２０と共に示している。ハウジング１３０は、靴箱（＝Ｓｈｏｅ ｂｏｘ）のような角柱形状を成し、底面と、底面に直交する側壁と、底面に対向する開口部と、を有する。示される例では、底面は側面よりも大きく、従って、底面に対応した大きさの電極を中に格納することが可能である。その場合、格納方向は、底面の法線に対して平行である。側面に対して平行な構成も可能であり、従って、平行な側面にその大きさが対応する電極の電極スタックを、底面の法線に対して直交する格納方向にハウジング内へと移動させることが可能である。

ハウジング１３０は、開口部の縁端に又は当該縁端の近傍に、少なくとも１つの測定値、例えばセル電圧を測定する装置１８０を有し、この測定装置１８０は、接点１８１、１８２を介して、電極スタック２０の電極のタブ４１、５１と電気的に接続され、例えば半田によって、例えば超音波を用いて、又は溶接によって、又は他の方法によって接続される。例えば、温度及び／又は電流の強度のような他の測定も可能である。タブ４１、５１は、装置１８０の可能な限り近傍の当該装置１８０の両側を、ハウジング１３０の開口部の縁端の上方へと外部に案内される。ハウジングは、タブ４１、５１が外部へと案内される領域内に（図示されない）絶縁被覆を有する。代替的又は追加的に、タブ４１、５１には絶縁コーティングが施される。装置１８０が定めた測定値を伝達することが可能な信号接続部も同様に示されていない。

図８は、本発明に係る収容装置のハウジング１３０の例示的な実施形態を、ハウジング１３０内の巻回型の電極１２０と共に示している。ハウジング１３０は、当該ハウジング１３０の開口部の縁端に、少なくとも１つの測定値を測定する装置１８０を有する。長いタブ４１、５１が、巻回型の電極１２０の電極のターミナルラグと接続されている。ここでもタブ４１、５１は、装置１８０の可能な限り近傍の当該装置１８０の両側を、ハウジング１３０の開口部の縁端の上方へと、絶縁被覆がある箇所で外部に案内される。代替的又は補足的に、タブ４１、５１には絶縁コーティングが施される。温度及び／又は電流の強度を測定する他の装置も可能である。信号接続線１８３を介して、装置１８０により定められた測定値が、示されない上位の制御ユニットに伝達される。

上記の実施例では、タブ４１、５１との接点１８１、１０２の間隔が非常に短く、タブ４１、５１間の間隔も同様に短い。タブ４１、５１間の間隔が短いことによって、寄生インダクタンスがより小さくなり、例えば車両内で、インバータと共に利用した際の熱損失も小さくなる。

図９は、本発明に係る収容装置のハウジング１３０の例示的な実施形態を、例示的に張り出した状態で重置されたカバー１６０と共に示している。タブ４１、５１と信号接続線１８３とには、外部から接触可能である。その際に、タブ４１、５１が、収容装置の内部の電極スタック又は巻回型の電極に接続しているかどうかは重要ではない。

ここでは、収容装置は永続的に密閉されている。収容装置は、例えば、レーザ溶接又はナノモールディングテクノロジ（＝ＮＭＴ：Ｎａｎｏ Ｍｏｕｌｄｉｎｇ Ｔｅｃｈｎｏｇｙ）によるカバー１６０とハウジング１３０との接合によって密閉されうる。カバー１６０を用いたハウジング１３０の密封には、バルク金属ガラス及び／又は金属合金を含む封止フランジが含まれてもよい。代替的に、収容装置は、ペーストを用いて密封され、その際に、ペーストは、セラミックペースト又はガラスペーストである。

収容装置は、少なくとも１つの装置を含んでもよく、この少なくとも１つの装置は、安全器、サージ保護装置、又は、気体を放出するための弁であってもよい。

バッテリセルのための本発明に係る収容装置の例示的な実施形態は、ハウジングと、カバーと、を含む。ハウジングは、角柱形状を成し、底面と、底面に対向する開口部と、を有する。カバーは、開口部を密閉するために適している。その際に、カバーは角柱形状を成し、その際に、カバーの底面の大きさは、当該カバーが形状結合により（ｆｏｒｍｓｃｈｌｕｅｓｓｉｇ）開口部の上に被せられるように、ハウジングの底面の大きさとは異なっている。

図４は、従来技術によるプリズムセルのカバー１６０を示しており、このカバー１６０は、収容装置内で発生した圧力が限界値を越えた際に当該圧力を下げることが可能な弁のための開口部を有する。更なる別の開口部は、電極の端子を案内するために用いられる。

図９は、本発明に係る収容装置のハウジング１３０の例示的な実施形態を、例示的に張り出した状態で重置されたカバー１６０と共に示している。タブ４１、５１と図８に示す信号接続線１８３とには、外部から接触可能である。その際に、タブ４１、５１が、収容装置の内部の電極スタック又は巻回型の電極に接続しているかどうかは重要ではない。

Claims (10)

1. 少なくとも１つの電極複合体（２０、１２０）のための収容装置であって、前記収容装置は、金属製のハウジング（１３０）と金属製のカバー（１６０）とを備え、前記金属製のハウジング（１３０）と前記カバー（１６０）とはそれぞれ、角柱形状を成し、かつ、底面と、側壁と、前記底面に対向する開口部と、を含み、前記カバー（１６０）の前記底面は、少なくとも、前記カバー（１６０）の前記側壁の肉厚（１３１）に対応して、前記ハウジング（１３０）の前記底面よりも大きい、前記収容装置において、前記ハウジング（１３０）又は前記カバー（１６０）の前記開口部の縁端には少なくとも１つの測定値を測定する装置（１８０）が配置され、前記測定値は、電圧及び／又は電流の強度及び／又は温度であることを特徴とする、収容装置。
2. 凹部が、前記縁端の前記測定装置（１８０）の両側に配置され、前記凹部を通って、前記電極複合体（２０、１２０）の端子（４１、５１）が外部へと案内されうる、請求項１に記載の収容装置。
3. 前記凹部内には、当該凹部を通って外部へと案内される端子を、ハウジング（１３０）及び／又はカバー（１６０）から電気的に絶縁させるために適した電気的絶縁部が配置される、請求項２に記載の収容装置。
4. 請求項１〜３のいずれか１項に記載の収容装置内に少なくとも１つの電極複合体（２０、１２０）を備えたバッテリであって、前記ハウジング（１３０）は、前記カバー（１６０）によって密封され、前記電極複合体（２０、１２０）の端子（４１、５１）は、カバー（１６０）とハウジング（１３０）との間を、絶縁された状態で外部へと案内される、バッテリ。
5. 前記電極複合体は、電極スタック（２０）であり、前記電極複合体の各電極は、タブテープ（＝タブ）を有し、同じ極性の前記電極の各前記タブテープは端子（４１、５１）に接続される、請求項４に記載のバッテリ。
6. 前記電極複合体は、積層状の包装フィルム（３０）に包まれていることを特徴とする、請求項４又は５に記載のバッテリ。
7. 前記ハウジング（１３０）は、レーザ溶接又はナノモールディングテクノロジ（＝ＮＭＴ：Ｎａｎｏ Ｍｏｕｌｄｉｎｇ Ｔｅｃｈｎｏｌｏｇｙ）によって、前記カバー（１６０）と接合される、請求項４〜６のいずれか１項に記載のバッテリ。
8. 前記密封には、バルク金属ガラス及び／又は金属合金を含む封止フランジがさらに含まれる、請求項４〜６のいずれか１項に記載のバッテリ。
9. 前記密封には、ペーストがさらに含まれ、前記ペーストは、セラミックペースト又はガラスペーストである、請求項４〜６のいずれか１項に記載のバッテリ。
10. 請求項４〜９のいずれか１項に記載の少なくとも１つのバッテリを備えた車両。
    

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