JP2016525925A - 制御された膜分離ユニットを用いた均一系触媒の分離 - Google Patents

制御された膜分離ユニットを用いた均一系触媒の分離 Download PDF

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Abstract

本発明は、少なくとも1つの膜分離ユニットを用いて反応混合物から均一系触媒を分離する方法であって、ここで、前記均一系触媒を含有しかつ反応ゾーンから生じる反応混合物を供給液として前記膜分離ユニットに送り込み、前記均一系触媒が前記膜分離ユニットの透過液中では減損しかつ保持液中では富化し、並びに前記膜分離ユニットの前記保持液を前記反応ゾーン内に返送する方法に関する。本発明の基礎を成している課題は、反応ゾーンから排出された反応混合物の体積流量が変動したときに前記反応ゾーン内への新たな触媒の添加を簡素化しかつ前記反応ゾーン内での流体力学的乱れを回避する、反応混合物から均一系触媒を分離する方法を提供することである。この課題は、前記膜分離ユニットの前記保持液の体積流量と前記膜分離ユニットの保持力との両方を制御によって一定に保つことによって解決される。

Description

本発明は、少なくとも1つの膜分離ユニットを用いて反応混合物から均一系触媒を分離する方法に関し、当該方法において、均一系触媒を含有しかつ反応ゾーンから生じる反応混合物を供給液(Feed)として膜分離ユニットに送り込み、均一系触媒が膜分離ユニットの透過液中では減損しかつ保持液中では富化し、並びに膜分離ユニットの保持液を反応ゾーン内に返送する方法、並びに関連する装置に関する。
この種類の方法が、なかでもWO2013/034690A1から公知である。
ここで触媒反応について言及するときは、少なくとも1つの反応物を触媒の存在下に少なくとも1つの生成物に変換する化学反応を意味する。反応物及び生成物は、共に反応関与体(Reaktionsteilnehmer)と呼ぶ。触媒は、通常の老化現象及び分解現象を除き、反応中に本質的に消費されない。
反応は、局所的に制限された反応ゾーン内で実施される。最も簡単なケースにおいては、これは任意の構造の反応器であり、当該反応器は互いに接続された多数の反応器であってもよい。
反応関与体を恒常的に反応ゾーン内に導入したり若しくは再び取り出したりする場合、これは連続的なプロセスと呼ぶ。反応関与体を反応ゾーン内に入れ、かつ主要反応物の更なる添加及び生成物の取出しを伴うことなく反応の間そこに残る場合、バッチプロセスと呼ぶ。本発明は、両方の実施態様に適用可能である。
反応ゾーンから連続的若しくは不連続的に取り出した材料は、ここでは反応混合物と呼ぶ。反応混合物は、少なくとも反応の目標生成物を含む。工業的な反応操作次第では、当該目標生成物は、反応しなかった反応物、後続反応及び/若しくは副反応からの多少とも所望の副生成物又は随伴生成物並びに溶媒を含んでいてよい。そのうえまた、反応混合物は触媒も含んでいてよい。
触媒を用いて実施された化学反応は、用いられた触媒の物理的状態に関して2つのグループに分けることができる:ここで、1つ目に、触媒が固体として反応ゾーン内に存在しかつ反応関与体により取り囲まれている不均一系触媒反応が挙げられるべきである。これに対して、均一系触媒作用の場合、触媒は反応混合物中に溶解される。均一に溶解された触媒は、たいていの場合、不均一系触媒より触媒作用がずっと効果的である。
触媒を用いて実施されたどの反応の場合においても、反応混合物から触媒を分離する必要がある。それというのも、触媒は反応中に実質的に消費されず、それゆえ再利用することができるからである。そのうえ触媒は、たいていの場合、当該触媒を用いて製造された生成物よりずっと価値が高い。それゆえ、触媒損失は可能な限り回避されるべきである。
触媒分離は、不均一系触媒による反応の場合、技術的に簡単に行うことができる:固体触媒は、ただ単純に反応ゾーン内に残り、他方で、液状及び/又はガス状の反応混合物を反応器から取り出す。したがって、反応混合物からの均一系触媒の分離は、機械的にかつ反応ゾーン内で直接行う。
それにも関わらず、反応混合物からの均一系触媒の分離にはずっと高い要求が課せられる。なぜなら、均一系触媒は、反応混合物中に溶解しているからである。それにより、単純な機械的分離は考慮されない。それゆえ、均一系触媒によるプロセスの場合、反応混合物中に溶解した触媒が反応ゾーンから取り出され、かつ別個の工程において反応混合物から分離される。触媒分離は、通例、反応ゾーンの外側で行われる。分離された触媒は、反応ゾーン内に返送される。反応混合物からの均一系触媒の分離は、完全にうまくいくものでは決してないので−ほんのわずかな触媒損失を見込まなければならない−触媒損失を、新しい触媒の添加によって常に補われなければならない。
これとの関連において、触媒損失とは、プラントから触媒活性材料を移すことだけでなく、触媒活性の損失も意味する:例えば、いくつかの反応は、効果の高い、或いはまた高感度の均一系触媒系、例えば有機金属錯体化合物の存在下に実施される。触媒系中に含まれる金属は、ほぼ完全に分離することができ、かつプラント中にとどまらせることができる。しかしながら、この錯体化合物は、分離を適切に行わなかった場合、破壊され易く、そのため、とどまらせた触媒は不活性であり、ひいては消費され得ない。
したがって、均一に溶解した触媒系を可能な限りわずかな材料損失及び活性損失のもと反応混合物から分離することは、要求の高いプロセス工学的な課題である。
この課題は、殊にロジウム触媒によるヒドロホルミル化の領域で生まれる。
ヒドロホルミル化−オキソ反応とも呼ばれる−は、オレフィン(アルケン)を合成ガス(一酸化炭素と水素の混合物)と反応させてアルデヒドに変えることを可能にする。そのとき相応して得られたアルデヒドは、用いられたオレフィンより炭素原子を1個多く有する。このアルデヒドの引き続く水素化によってアルコールが発生し、当該アルコールは、その発生由来に基づき“オキソアルコール”とも呼ばれる。
基本的に、すべてのオレフィンがヒドロホルミル化に供されるが、実際には、たいていの場合、炭素原子2〜20個までを有するオレフィンが基材としてヒドロホルミル化において用いられる。ヒドロホルミル化及び水素化によって得られるアルコールは多岐にわたって用いられることができるので−例えば、PVC用可塑剤として、洗剤中の界面活性剤として及び香料として−ヒドロホルミル化は大規模工業的に行われる。
工業的なヒドロホルミル化法を区別するための重要な基準は、用いられた基材の他に、触媒系、反応器中の相分割(Phasenaufteilung)及び反応生成物を反応器から排出する技法である。工業的に関連した更なる観点は、実施された反応段階の数である。
工業的に用いられるのは、コバルト若しくはロジウムベースの触媒系であり、その際、ロジウムベースの触媒系は、有機リン配位子、例えばホスフィン化合物、ホスファイト化合物又はホスホラミダイト化合物で錯化される。これらの触媒系はすべて、反応混合物中に溶解した均一系触媒として存在する。
ヒドロホルミル化反応は、たいていの場合、二相で、すなわち、オレフィン、溶解した触媒及び生成物を含有する液相、並びに実質的に合成ガスから形成される気相により実施される。それから有価生成物が、液状で反応器から抜き出される(液体再循環)か又はガス状で合成ガスとともに排出される(ガス再循環)。ガス再循環プロセスに、この発明を適用することはできない。特別なケースは、ルール化学/ローヌプランプロセスであり、当該プロセスの場合、触媒は水相に存在する。
いくつかのヒドロホルミル化法は、溶媒の存在下でも実施される。これらは、例えば、出発混合物に含まれているアルカンである。
本発明は、本質的には、反応混合物から均一系触媒を分離することに関するものであるので、ヒドロホルミル化の化学作用及び反応体系について広範な先行技術を引き合いに出すことができる。特に読む価値があるのは、以下のものである:
Falbe,Juergen:New Syntheses with Carbon Monoxide.Springer,1980(ヒドロホルミル化に関する標準的な著作物)
Pruett,Roy.:Hydroformylation.Advances in Organometallic Chemistry.第17巻,第1頁〜第60頁,1979年(レビュー論文)
Frohning,Carl D.and Kohlpaintner,Christian W.:Hydroformylation(Oxo Synthesis,Roelen Reaction).Applied homogeneous catalysis with organometallic compounds.Wiley,1996年,第29頁〜第104頁(レビュー論文)
Van Leeuwen,Piet W.N.M and Claver,Carmen(Edit.):Rhodium Catalyzed Hydroformylation.Catalysis by Metal Complexes.Volume 22.Kluwer,2000(Rh触媒によるヒドロホルミル化に関するモノグラフ。化学作用への重点、或いはまたプロセス工学的な側面も論じられる)
R.Franke,D.Selent and A.Boerner:“Applied Hydroformylation”,Chem.Rev.,2012,DOI:10.1021/cr3001803(現状調査の概観)
Rhベースの均一系触媒によるヒドロホルミル化を大規模工業的に成功裡に実施するための重要な鍵は、触媒分離のコントロールである。
この理由の一つに、Rhは非常に高価な貴金属であり、その損失を可能な限り回避する必要があるからである。そのためロジウムは、生成物流から出来る限り完全に分離しかつ回収しなければならない。一般的なヒドロホルミル化反応におけるRh濃度は20〜100ppmに過ぎず、かつ一般的な“世界的規模の”オキソプラントは200000トンの年産量に達するので、一方では大量の処理量を可能にし、かつ他方ではこの僅かな量でのみ含まれるRhを確実に分離させる分離装置を用いなければならない。そのうえ厄介なのは、触媒錯体の一部を成す有機リン配位子が状態の変化に非常に影響されやすく、かつ急速に失活することである。失活した触媒は、せいぜい煩雑にしか再活性化することができない。それゆえ、触媒分離は、特に注意深く行わなければならない。さらに重要な発展目標が、分離操作のエネルギー効率である。
プロセスエンジニアは、分離操作が、複数の成分を含有する物質混合物を少なくとも2つの物質混合物に変える措置(その際、得られた物質混合物は、出発混合物とは異なる定量的組成を有する)であることを理解している。得られた物質混合物は、一般に所望の成分の特に高い濃度を有し、最良のケースでは純粋な生成物である。精製度又は分離度は、たいていの場合、目的に関して、処理能及び要求される装置的な複雑性及びエネルギー投入量と相反している。
分離法は、分離のために利用される物理的効果に従って区別することができる。ヒドロホルミル化混合物の後処理においては、実質的に3つのグループの分離法、すなわち、吸着分離法、熱分離法及び膜分離法が知られている。
ヒドロホルミル化混合物の後処理において利用される1つ目のグループの分離法は吸着分離法である。この場合、液体から物質を、別の液体若しくは固体の物質、吸着剤により化学的若しくは物理的に吸着する効果を利用する。このために吸着剤を容器に入れ、かつ分離されるべき混合物を流過させる。液体と一緒に導かれる目的物質は、吸着剤と相互作用し、そうして当該吸着剤に付着したままになることから、吸着剤から出てくる物質流は吸着された物質分だけ減損する(取り除かれる)。吸着剤が入れられた容器は、技術的にはスカベンジャーとも呼ばれる。吸着剤が、吸着した材料を再び放出することができる(再生)か又は脱着不能に結合するか否かに応じて、可逆的な吸着剤と不可逆的な吸着剤とに区別される。吸着剤は物質流から非常に少量の固形分を吸着することができるので、吸着分離法は、殊に精密精製に適している。しかしながら、当該分離法は粗精製には適していない。なぜなら、不可逆的な吸着剤の一定の交換若しくは可逆的な吸着剤の一定の再生が技術的に煩雑だからである。
吸着分離法は特に固体の分離に適しているので、触媒残留物を反応混合物から分離するのに理想的には適している。吸着剤として、高多孔質材料、例えば活性炭又は官能化シリカが適している。
WO2010/097428A1の中では、反応混合物をまず膜分離ユニットに通し、それに続けて既にRhが減損した透過液を吸着工程に供給することによって、ヒドロホルミル化からの触媒活性を有するRh錯体の分離が行われる。
その分離挙動に基づき、吸着分離法は、活性触媒を大量に分離するためではなく、どちらかと言えば“監視フィルター”として、前段階の分離措置では反応混合物から分離することができなかった触媒材料を最後の段階でとどめるために利用される。
均一系触媒を大量に連続的に分離するためには、熱分離法又は膜分離法のみが考慮に入れられる。
熱分離法には、蒸留及び精留が含まれる。これらの大規模工業的に実証された分離法は、混合物を蒸発しかつ蒸発する成分を選択的に凝縮することによる、混合物中に含まれる成分の様々な沸点を利用するものである。殊に蒸留塔内での高い温度と低い圧力が、触媒の失活につながる。熱分離法の更なる欠点が、常に必要とされる高いエネルギー投入量である。
明らかにエネルギー効率的なのは膜分離法である:この場合、出発混合物が供給液として、異なる成分に対して異なる透過度を有する膜に加えられる。膜を特に良好に通り抜ける成分は、透過液として膜の透過側で捕集して排出される。膜によって有利にはとどめられる成分は、保持側で保持液として捕集して排出される。
膜技術においては、種々の分離効果が発揮される;成分の大きさの違い(機械的ふるい効果)だけでなく、溶解及び拡散効果も適用される。膜の分離活性層に厚みがあればあるほど、それだけ一層、溶解及び拡散効果が発揮される。膜技術に関して優れた解説を行っているのが、Melin/Rautenbach:Membranverfahren.Grundlagen der Modul− und Anlagenauslegung.Springer,Berlin Heidelberg 2004である。
ヒドロホルミル化混合物の後処理のための膜技術の使用の可能性について報告しているのが、Priske,M.et al.;Reaction integrated separation of homogeneous catalysts in the hydroformylation of higher olefins by means of organophilic nanofiltration.Journal of Membrane Science,第360巻,第1〜2号,2010年9月15日,第77頁〜第83頁;doi:10.1016/j.memsci.2010.05.002である。
熱分離法と比べた膜分離法の大きな利点が、より僅かなエネルギー投入量である:しかしながら、膜分離法の場合、触媒錯体の失活の問題が生じる。
この問題は、EP1931472B1に記載されたヒドロホルミル化混合物の後処理法によって解決され、その際、膜の供給液、透過液及びそれに保持液中で一定の一酸化炭素分圧が維持される。それによって、膜技術を工業的なヒドロホルミル化において効果的に用いることに初めて成功する。
均一系触媒による気/液反応、例えば殊にヒドロホルミル化の膜支持された更なる触媒分離法が、WO2013/034690A1から公知である。そこに示される膜技術は、反応ゾーンとして利用されるジェットループ型反応器の必要性に特に合わせられている。
ヒドロホルミル化混合物からの均一系触媒の膜支持された分離は、現時点でまだ公開されていない独国特許出願DE102012223572A1にも記載されている。そこに示される膜分離ユニットは、循環ポンプによって動作されるオーバーフロー循環路(Ueberstromkreislaeufe)を有し、かつバッファー貯蔵器から送り込まれる。しかしながら、これらのプラント部分の制御は明らかになっていない。
膜分離法の固有の欠点は、このまだ比較的最近の技術の成否が膜の利用可能性次第で決まってしまうことである。触媒錯体の分離に適している特別な膜材料は、依然として大量に調達することができない。しかし、大きな物質流の分離には、非常に大きな膜面積が必要であり、それに応じて多くの材料及び高い投資費を伴う。
吸着及び熱的な分離技術、並びに膜分離技術の利点は、まだ公開されていない特許出願DE102013203117A1の中で組み合わせられる。熱分離段階の比較的穏やかな運転法によって、触媒量の大部分が反応混合物から分離される。残りのほぼ完全な精製が、2つの膜分離ユニットを介して行われる。監視フィルターとして、スカベンジャーが用いられる。膜の特定の面積を下げ、かつそれにより材料費を抑えるために、1つ目の膜分離ユニットが単独のオーバーフロー循環路への“送り出し(feed and bleed)”系としての形態をとる。それに対して、2つ目の膜分離ユニットは、2段階の補強カスケードとしての形態をとり、かつ複数のオーバーフロー循環路を有する。公開されていないDE102013203117A1は、反応器の制御と触媒分離の制御との干渉の問題も取り扱っている。
外乱の影響下にある連続操作されるどの技術システムにも制御が必要である。これは化学反応の工業的な実施にも当てはまる。たしかに、反応は実質的に定常かつ公知の条件下で運転されることから、制御の煩雑性はマシン及びビークルと比べてより軽減されることになる。しかしながら、それでも外乱が出発混合物の組成の変動となってこの場合も現れる。したがって、ヒドロホルミル化の基材は、ヒドロホルミル化用のプラントに原料ソースのみから供給されない場合、様々なソースに由来していてよい。プラントが唯一の原料ソース、例えば石油のクラッカーに直接接続されている場合ですら、クラッカーによって送り込まれた反応混合物は、当該クラッカーが原料の需要に応じて様々に送られる場合、その組成に関して変動してよい。用いられた合成ガスの組成も、工業的実施においては変化しやすい。殊にこれは、合成ガスが、様々なソースに由来する廃棄物質から取得されるケースに当てはまる。
不安定な出発混合物は、オキソ合成に際して変換率の変動を生み、ひいては反応液相中で不均一な合成ガスの割合にも変動が生じる。それにより、反応ゾーンから排出された反応混合物の体積流量も変動する。しかし、体積流量のこれらの変動は、例えば撹拌槽反応器及び撹拌槽カスケード中で用いられるような撹拌ユニット及びポンプによっても引き起こされる可能性がある。気泡塔反応器又はジェットループ型反応器中では、反応器内部の流体力学的乱れが排出体積の変動を招く可能性がある。液相中に溶解した均一系触媒の濃度は常に同じであるので、結果的に触媒の(モル若しくは質量を基準とした)変動量も反応ゾーンから取り出される。反応ゾーン内の触媒の総量を一定に保つために、新たに触媒を添加して補う必要がある。しかしながら、新たな触媒を添加することによる制御は技術的に非常に煩雑である。なぜなら、反応器中での触媒含有量の測定は難しく、そして新たな触媒の添加は手作業で行われるからである。
非定常の合成ガス供給は、反応混合物からの触媒の分離も困難にするが、それというのも膜分離中のCO最小分圧の遵守が触媒活性を維持するために内在的に重要だからである(EP1931472B1)。
さらに、変動する供給液体積流量が膜の分離能−いわゆる保持力(Rueckhalt)−に影響を及ぼす。そのため、膜の保持力は一定ではなくかつ膜分離段階における運転条件に依存することが観察されていた。ここでの関連する運転パラメーターとして、膜間圧力(Transmembrandruck)、オーバーフロー速度及び膜温度が挙げられることができる。しかしながら、これらのパラメーターは、供給液体積流量により影響を及ぼされることから、流れ込んでくる反応混合物の体積流量の変動は膜の分離能にも作用を及ぼす。極端なケースにおいては、すなわち、体積流量が増大するにつれて膜の保持力は下がり、そうして特に多くの触媒が失われる。
反応器中での変動する運転条件が、膜分離段階における分離に不利な影響を及ぼすだけでなく、逆に不都合なフィードバック効果も存在する:
膜の保持力が変動すると、これは保持液体積流量の変動にもつながる。膜分離ユニットの保持液は反応ゾーン内に返送されるので、反応は触媒分離から一定の還流を受けずに、再循環液(Rezyklat)の変動を被る。これは、一方では、新たに触媒を添加することによる反応器中での触媒含有量の制御を困難にし、他方では、気相/液相反応の場合に反応物の変換に重大な影響を及ぼす反応器内の流体力学が乱される。
先行技術に照らして、本発明が基礎とする課題は、反応ゾーンから排出された反応混合物の体積流量が変動したときに新たな触媒の添加を簡素化しかつ反応ゾーン内での流体力学的乱れを回避する、反応混合物から均一系触媒を分離する方法を示すことである。
この課題は、膜分離ユニットの保持液体積流量と膜分離ユニットの保持力との両方を制御御(closed-loop control)によって一定に保つことによって解決される。
したがって、本発明の対象は、均一系触媒を含有しかつ反応ゾーンから生じる反応混合物を供給液として膜分離ユニットに送り込み、均一系触媒が膜分離ユニットの透過液中では減損しかつ膜分離ユニットの保持液中では富化し、膜分離ユニットの保持液を反応ゾーン内に返送し、並びに膜分離ユニットの保持液体積流量も膜分離ユニットの保持力も制御によって一定に保つ、少なくとも1つの膜分離ユニットを用いて反応混合物から均一系触媒を分離する方法である。
本発明はまず、膜分離ユニットの保持力を能動的に制御することができるという意想外の知見に基づく。
保持力は、供給液中に含まれる成分を保持液中で富化するか若しくは透過液中で減損する膜分離装置の能力の基準である。
保持力Rは、膜xpの該当成分の透過液側の物質量割合と、膜xRの該当成分の保持液側の物質量割合とから以下の通りに算出される:
R=1−xp/xR
ここで、xp及びxRの濃度は、2つの膜側で直接測定されるべきであり、膜分離ユニットの接続部では測定されるべきでない。
そして本発明により、膜分離ユニットの運転条件にかかわる適した措置によって保持力を技術的に調節し、かつそれにより一定に保ち得ることがわかった。反応ゾーンが膜分離ユニットに及ぼす乱れをならすことができ、そうして反応ゾーン内での不都合な運転条件ですら高い保持力ひいては僅かな触媒損失が保証される。
そのうえまた、保持液体積流量の制御は、反応ゾーン内への再循環液流入の安定化につながるため、反応の流体力学は乱されない。
最後に、一定の保持力及び一定の保持液体積流量は、反応ゾーンの触媒供給量(Katalysatorhaushalt)も調整することができ、これにより新たな触媒の計量添加が著しく簡素化される。
総じて、以下で詳細に記載した膜分離ユニットの制御は、反応ゾーン内でのプロセス操作を明らかに改善しかつ触媒損失を少なくする。
原則的に、本発明は、反応ゾーンからの乱れが触媒分離に影響を及ぼす、膜技術による触媒分離を伴う均一系触媒を用いて実施されたあらゆる反応を問題にしている。殊にこれは、多くの気/液反応において見られる、反応ゾーンから排出された反応混合物の体積流量が変動する場合に相当する。したがって本発明は、好ましくは、反応ゾーンから排出された反応混合物の体積流量が変動しかつ殊に気/液反応である方法に用いられる。
反応ゾーンから排出された反応混合物の体積が時間とともに大いに変動する場合、体積流量の変動を触媒分離に送る前にならすことが望ましい。これは、好ましくは、反応ゾーンから排出された反応混合物をバッファー容器中に初めに装入し、当該容器から、移送体積について調節可能な第一の移送装置を用いて反応混合物を供給液として膜分離ユニットに供給し、ここで、供給液の体積流量を、バッファー容器の充填レベルに応じた第一の移送装置の移送体積の調節によって、充填レベルが上がったときにかつ/又は充填レベルの上昇とともに体積流量を増大し、かつ充填レベルが下がったときにかつ/又は充填レベルの低下とともに体積流量を減少するように制御する。
バッファー容器を用いて体積流量の強い変動を、第一の移送装置を使って充填レベルを制御しながら膜分離ユニットのバッファー容器からの反応混合物を供給液として供給することにより和らげる:バッファー容器の充填レベルは、反応混合物の体積流量の時間積分である。体積流量が変化すると、この変化は充填レベルの変化となって現れる。それというのも、充填レベル制御の目的は、バッファー容器の充填レベルを一定に保つことだからである。バッファー容器の充填レベルが所定の値を超過するか又は概して上昇し始める場合、それに応じて移送装置の移送体積を高めて、より多くの量をバッファー容器から膜分離ユニットの方向に抜き出す。逆のケース−つまり充填レベルが低いか又は下がる場合−移送装置の移送能は相応して下げる。
本発明の重要な観点は、膜分離ユニットの保持力を調節可能にすることである。最も簡単なケースでは、これは膜分離ユニットの内部オーバーフロー循環路に影響を及ぼすことによってうまくいく。したがって、本発明の更なる発展形態は、膜分離ユニットが循環ポンプによって動作されるオーバーフロー循環路を含むことを定める。
膜分離ユニットの保持力を制御するために、原則的に2つの異なる試みが考慮に入れられるが、これらは好ましくは互いに組み合わせることも可能である:
例えば、膜分離ユニットの保持力の制御は、少なくとも部分的にオーバーフロー循環路の温度制御によって行うことができる。それというのも、オーバーフロー循環路の温度は、膜分離ユニットの保持力に影響を及ぼすことを見出したからである。それゆえ、オーバーフロー循環路の単純な温度制御によって、膜分離ユニットの保持力を調節することが可能である。
熱による制御の試みに代えて又は加えて、本発明は、膜分離ユニットの保持力の制御を少なくとも部分的にオーバーフロー循環路内の圧力の制御によって行うことを提案する。それというのも、膜間圧力−これは膜の保持液側と透過液側との圧力差−が膜の保持能力に著しく影響を及ぼすことを見出したからである。膜間圧力に影響を及ぼすために、オーバーフロー循環路内の圧力に影響を及ぼすことが考えられる。
さらに、オーバーフロー循環路における圧力の制御を、圧力が高まったときに膜分離ユニットの透過液中に配置された調節可能な流抵抗を下げることによって行うことが可能である。このようにして、オーバーフロー循環路の負荷を膜及び上述の流抵抗によりなくすことが可能である。
オーバーフロー循環路内で圧力が減少した場合、本発明は、膜分離ユニットの透過液の一部が送り込まれる制御貯蔵器から透過液を抜き出し、かつオーバーフロー循環路内又はバッファー容器中に移送することを提案する。この制御の試みは、膜分離ユニットの透過液の一部をバッファー容器中に捕集し、かつ捕集した透過液を制御用材料として使用するという思想に基づく。これは2つの手法で行うことができる:捕集した透過液は、オーバーフロー循環路内の圧力を高めるためにオーバーフロー循環路内に直接移送するか、又はその代わりに、捕集した透過液は、充填レベルを制御したバッファー容器中に移送し、これによりまた第一の移送装置がより大量の材料をバッファー容器からオーバーフロー循環路内に移送するようにもたらす。2つの選択肢のどちらを選択するかは、最終的には捕集した透過液の圧力レベルに依存する:バッファー容器中の圧力を上回る場合、当該容器に透過液を単純な弁を介して注入する:しかしながら、透過液が既に複数の膜分離工程を経て、その際に大きな圧力損失を被った場合、透過液を制御貯蔵器からオーバーフロー循環路内に直接ポンプ供給することが考えられる。このために、相応の高圧ポンプが必要である。
本発明の有利な発展形態は、透過液を制御貯蔵器からオーバーフロー循環路内若しくはバッファー容器中に移送するために、移送体積について調節可能な第二の移送装置を備えることを定め、当該透過液の移送体積は、膜分離ユニットのオーバーフロー循環路と透過液との差圧に応じて調節する。膜分離ユニットのオーバーフロー循環路と透過液との差圧は、膜の保持力に決定的な影響を及ぼす膜間差圧に相当する。膜間差圧に応じて移送体積を調節することによって、膜間差圧を、第二の移送装置を使って適宜調節することができる。
オーバーフロー循環路に関する2つの制御の試み、すなわち圧力制御と温度制御を互いに組み合わせることができることは既に言及していた。ここで極めて有利なのは、前述したようにオーバーフロー循環路の温度を一定に保つサーモスタット制御と圧力制御との組合せである。それというのも、圧力制御は温度制御よりずっと動的であり、それゆえより良好な制御品質を可能にするからである。しかしながら温度は保持力に影響も及ぼすので、この影響は、温度変動と圧力変動との干渉を回避するためにサーモスタット制御によって抑えられるべきである。
制御品質をさらに改善するために、膜分離ユニットのオーバーフロー循環路内のオーバーフロー速度を、体積変動を抑える目的で常に一定に保つことが望ましい。
最も簡単なケースでは、これは、かかるオーバーフロー速度を生むために、移送体積について調節可能でありかつオーバーフロー循環路にその速度を与える循環ポンプを使用することによって達成される。それから循環ポンプの移送体積は、オーバーフロー速度に応じて調整する。
既に上で説明したように、反応ゾーンの触媒供給量は、膜分離ユニットの保持力と保持液体積流量の両方を常に一定に保つことによってバランスをとる。保持液の体積流量は、好ましくは、保持液に配置された調節可能なかつ当該保持液の体積流量に応じて調節される流抵抗を使って一定に保つ。
本発明による制御コンセプトは、均一系触媒を用いた気相/液相反応からの触媒分離のために用いることに非常に優れており、その実施に際しては、反応排出物の液相中での変動するガス分を考慮することができる:これらに含まれるのは、以下の反応である:酸化、エポキシ化、ヒドロホルミル化、ヒドロアミノ化、ヒドロアミノメチル化、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシアルキル化、アミノ化、アンモ酸化、オキシム化、ヒドロシリル化、エトキシ化、プロポキシ化、カルボニル化、テロマー化、メタセシス、鈴木カップリング又は水素化。
上述の反応は、単独で又は互いに組み合わさって反応ゾーン内で進行してよい。
しかしながら、極めて有利には、本発明による制御コンセプトは、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有する少なくとも1つの物質を一酸化炭素及び水素と反応させるヒドロホルミル化反応からの有機金属錯体触媒の分離に用いられる。一般に、前述の物質は、ヒドロホルミル化の過程でアルデヒドに変換されるオレフィンである。
反応ゾーン内でヒドロホルミル化が実施される場合、そこでは原則的にヒドロホルミル化可能なあらゆるオレフィンを用いることができる。一般にこれらは、炭素原子2〜20個を有するオレフィンである。用いられる触媒系に応じて、末端オレフィンも非末端オレフィンもヒドロホルミル化することができる。ロジウム−ホスファイト系では、末端オレフィンも非末端オレフィンも基材として使用することができる。それゆえ、有機金属錯体触媒として、有利にはロジウム−ホスファイト系を用いる。
用いられるオレフィンはまた純物質として用いる必要はなく、むしろオレフィン混合物も反応物として利用することができる。オレフィン混合物は、一方では、一定数の炭素原子を有するオレフィンの様々な異性体の混合物を意味し、しかし他方では、オレフィン混合物は、異なる数の炭素原子を有するオレフィン及びそれらの異性体を含んでもよい。極めて有利には、炭素原子8個を有するオレフィンを本方法において用いて、それにより炭素原子9個を有するアルデヒドにヒドロホルミル化する。
極めて有利には、本発明は、金属触媒が配位子によって修飾されている、均一系触媒を用いたヒドロホルミル化法からの触媒分離のために用いる。極めて有利には、本発明による方法を使ってモノ−及びポリホスファイト配位子を有する触媒錯体を、安定剤を添加して又は添加しないで分離する。それゆえ特に有利には、本発明はそのような触媒系に適用される。なぜなら、かかる系は大いに失活しやすく、ひいては特に注意深く分離されなければならないからである。これは膜分離技術を使ってのみ達成される。
本発明の対象はまた、本発明による方法を実施するための装置である。この装置は、
a)均一系触媒を含有する反応混合物を製造するための反応ゾーン;
b)均一系触媒を反応混合物から分離して、均一系触媒が減損した透過液及び均一系触媒が富化した保持液を得るための膜分離ユニット;
c)均一系触媒が富化した保持液を反応ゾーン内に返送するための触媒還流路;
d)膜分離ユニットの保持力及び保持液体積流量の制御手段
を有する。
反応ゾーンは、反応混合物が生じる化学反応を実施するための少なくとも1つの反応器を意味する。
殊に反応器構造として、気相/液相反応を可能にする装置が考慮に入れられる。これらは、例えば撹拌槽反応器及び撹拌槽カスケードであってよい。有利には、気泡塔反応器を用いる。気泡塔反応器は、先行技術において一般的に知られており、かつUllmannに詳しく記載されている:
Deen,N.G.,Mudde,R.F.,Kuipers,J.A.M.,Zehner,P.and Kraume,M.:Bubble Columns.Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry.Published Online:15 January 2010.DOI:10.1002/14356007.b04_275.pub2
気泡塔反応器はその流挙動に基づき任意にはスケーリングすることができないので、非常に大きな生産能力を有するプラントの場合、1つの大きな反応器の代わりに、2つ以上の並列に接続したより小さい反応器を備える必要がある。それゆえ、30t/hの産出量を有する世界最大級のプラントの場合、それぞれ15t/h若しくは10t/hの能力を有する2つ若しくは3つの気泡塔を備えることができる。これらの反応器は、同じ反応条件で並行して作動する。複数の反応器の並列接続は、反応器の能力を比較的少なめに利用する場合、エネルギー的に不都合な部分負荷領域では運転する必要がないという利点も有する。その代わりに、反応器の1つを完全に停止し、かつ他の反応器は全負荷で運転する。三重接続では、相応して要求の変化にさらに柔軟に応えることができる。
つまり、ここで反応ゾーンについて話題にするときは、1つの装置に関するものだけでは必ずしない。複数の互いに接続された反応器も意味していてよい。
膜分離ユニットは、反応混合物からの触媒の分離のために利用する装置若しくはユニットのアセンブリ又は取付品を意味する。これらは、実際の膜に加えて、弁、ポンプ及び更なる制御ユニットである。
膜自体は、異なるモジュール構造の形態をとっていてよい。その際に有利なのは、スパイラル型エレメントである。
好ましくは、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、硝酸セルロース、再生セルロース、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリベンズイミダゾロン、ポリアクリロニトリル、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、末端若しくは側鎖の有機変性シロキサン、ポリジメチルシロキサン、シリコーン、ポリホスファゼン、ポリフェニルスルフィド、ポリベンズイミダゾール、ナイロン(R)6,6、ポリスルホン、ポリアニリン、ポリプロピレン、ポリウレタン、アクリロニトリル/グリシジルメタクリレート(PANGMA)、ポリトリメチルシリルプロピン、ポリメチルペンテン(Polymethylpentyne)、ポリビニルトリメチルシラン、ポリフェニレンオキシド、α−アルミナ、γ−アルミナ、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、シランで疎水化されたセラミック膜(例えばEP1603663B1に記載されている)、PIM−1といった固有微多孔性(PIM)を有するポリマー並びに、例えばEP0781166及び“Membranes”I.Cabasso著,Encyclopedia of Polymer Science and Technology,John Wiley and Sons,New York,1987の中で記載されているような他のものから選択された材料の分離活性層を有する膜が用いられる。上述の物質は、殊に分離活性層において、場合により助剤の添加によって架橋された形で存在してよいか、又はいわゆる混合マトリックス膜として、フィラー、例えばカーボンナノチューブ、金属−有機骨格又は中空球並びに無機酸化物の粒子又は無機繊維、例えばセラミック繊維若しくはガラス繊維が備わっていてよい。
特に有利には、分離活性層として末端若しくは側鎖の有機変性ポリマーシロキサン、ポリジメチルシロキサン又はポリイミドのポリマー層を有し、PIM−1といった固有微多孔性(PIM)を有するポリマーから形成されている膜が用いられ、又はここで分離活性層は、疎水化されたセラミック膜によって形成されている。
極めて有利には、末端若しくは側鎖の有機変性シロキサン又はポリジメチルシロキサンより成る膜が用いられる。かかる膜は市販されている。
上述の材料に加えて、膜はさらに別の材料を有してよい。殊に膜は、支持材料若しくは担体材料を有しよく、その上に分離活性層が設けられる。かかる複合膜の場合、実際の膜に加えて、さらに支持材料が存在する。支持材料の選択はEP0781166が記載しており、これを参照をもって明示的に引用する。
安定した膜用の市販の溶媒の選択肢は、Koch Membrane Systems,Inc.のMPF及びSelroシリーズ、Solsep BVの様々な型、Grace/UOPのStarmemTMシリーズ、Evonik Industries AGのDuraMemTM及びPuraMemTMシリーズ、AMS TechnologiesのNano−Proシリーズ、IKTSのHITK−T1、並びにGMT Membrantechnik GmbHのoNF−1、oNF−2及びNC−1並びにInopor GmbHのinopor(R)nano型である。
下記で本発明を、実施例によって詳細に説明する。
透過液をオーバーフロー循環路内に計量添加し戻す単段の膜分離の制御コンセプトを示す図 透過液をバッファー容器中に計量添加し戻す単段の膜分離の制御コンセプトを示す図 透過液をオーバーフロー循環路内若しくはバッファー容器中に計量添加し戻し、かつサーモスタットなしの二段階の膜分離の制御コンセプトを示す図
図1は、単段の膜分離の制御コンセプトを体現した本発明の第一の実施形態を示す。反応ゾーン1に、連続的に反応物2を送り込む。反応ゾーン1内でヒドロホルミル化を実施する場合、反応物は、オレフィン及び合成ガス並びにオレフィンを伴うアルカンの形をとる溶媒である。反応物は、液状及びガス状で存在し、殊にオレフィン及び溶媒は、液状で反応ゾーン1内に供給し、他方で合成ガスはガス状で送入する。ここで、単純化のために、反応物2全体を表す矢印1つだけを示す。
反応を促進するために、新たな触媒3を反応ゾーン1内に加える。触媒は、反応ゾーン1内に含まれる反応混合物4の中に均一に溶解している。液状反応混合物4は、連続的に反応ゾーン1から抜き出すが、ただし時間が経つにつれて体積流量は変動する。後で詳しく説明する保持液5は、反応ゾーン1に返送する。
反応ゾーン1から抜き出した反応混合物4の体積変動を和らげるために、液状反応混合物4をバッファー容器6中にまず初めに送入する。場合により、予めガス成分を液状反応混合物4から除去する(非図示)。
バッファー容器6は、充填レベル制御系7を有し、これはバッファー容器内の充填レベルを連続的に測定しかつ当該充填レベルを規定値の範囲で一定に保つ。これは、ポンプの形をとる第一の移送装置8によって連続的に反応混合物4をバッファー容器6から抜き出すことによって行う。第一の移送装置8は、その移送体積流量について調節可能である。移送速度の調節は、充填レベル制御系7によって行う:バッファー容器6中の充填レベルが設定した規定値を超えたら、充填レベルを減じるために第一の移送装置8の移送速度を高める。逆に、充填レベル制御系7は、バッファー容器6中の充填レベルが規定値を下回ったときに第一の移送装置8の移送体積流量を減らす。
充填レベル制御系7は、充填レベルが上昇したらすぐに第一の移送装置の移送速度を上昇させるか、又は低下したら当該移送速度を低下させるように運転することができる。この場合、制御パラメーターは、充填レベルではなく、充填レベルの時間的な変化である。充填レベルの時間的な変化は、実質的には反応ゾーン1からの変化する体積流量に相当することから、この制御パラメーターが好ましい。しかしながら、充填レベルの制御(反応混合物4の体積流量の時間積分に相当)は、技術的により簡単に実現され得ることから、この制御パラメーターも用いることができる。当然の事ながら、両方の制御パラメーターも同時に制御することができる。
総じて、充填レベル制御系7は、第一の移送装置8と一緒に、膜分離装置10の第一の移送装置8から送り込まれる供給液9を恒常化させる。
膜分離装置10は、以下で詳しく記載する多数の個々のユニット及び制御ユニットを含むアセンブリである。膜分離装置10の中心は、実際の膜11であり、ここで反応混合物から均一系触媒の分離を行う。このために、反応混合物4を供給液9として膜分離ユニット10の内部オーバーフロー循環路12の中に供給する。オーバーフロー循環路12は、循環ポンプ13により動作される。オーバーフロー循環路12内の材料の温度は、サーモスタット14により一定に保つ。サーモスタット14は、熱交換器15及び温度制御器16を含む。オーバーフロー循環路12内の温度が設定した規定値を下回りかつ/又は下がり始めたら、温度制御器16は、熱交換器15が熱を外側からオーバーフロー循環路12の中に導入するようにもたらす(非図示)。逆にオーバーフロー温度が高くなりすぎかつ/又は上昇した場合、オーバーフロー循環路12は熱交換器15によって冷却する。オーバーフロー循環路12内の温度を一定に維持することが、膜分離装置10の保持力の一定の維持に寄与する。
それからオーバーフロー循環流12は、内部圧力計17及び第一の流量制御器18を通過し、その後に当該循環流を実際の膜11に送り込む。内部圧力計17の機能は後述する;流量制御器18は、循環ポンプ13を用いたオーバーフロー速度(すなわちオーバーフロー循環路12内のオーバーフロー体積流量)の調節のために用いる。それというのも、循環ポンプ13は、その移送体積について調節可能だからである(ここで、移送体積の調節量は、第一の流量制御器18により定める)。オーバーフロー速度が低くなりすぎかつ/又は下がり始めたら、第一の流量制御器18は循環ポンプ13の移送能をより高いものにし、そうしてオーバーフロー速度が高まる。オーバーフロー速度が高くなりすぎかつ/又は上がり始めたら、流量制御器18は、循環ポンプ13の移送速度を低下させる。
サーモスタット14及び第一の流量制御器18は、理想的には、膜11を一定の体積流量及び一定の温度で貫流するようにする。
膜11は、その供給液の様々な成分に関して様々な透過性を有する。例えば、均一に溶解した触媒に対する膜11の透過性は、反応混合物のその他の成分に対する透過性より低い。これにより、触媒は膜の保持側では保持液5中に富化し、他方で、膜の他方の側、いわゆる透過液19中の触媒の濃度は減損する。保持液5は、部分的に新たな供給液9と混合して再びオーバーフロー循環路12内に返送する。保持液5の残部は、体積流量制御器20によって膜分離ユニット10から抜き出す。
体積流量制御器20は、保持液中に配置された調節可能な流抵抗21を弁として含み、その流抵抗は、第二の流量制御器22によって調節する。保持液体積流量が予め設定していた値を下回ると、これは第二の流量制御器22により検出され、かつ流抵抗21の低下に変換され、つまり弁21が開く。保持液体積流量が大きすぎる場合、流抵抗21は、弁を閉じることによって下げる。ここで特に有利には、流抵抗としてイコールパーセンテージ弁及びPID特性を有する制御器を用いる。膜分離ユニット10を出る保持液5は、ほぼ一定の保持液体積流量で反応ゾーン4内に返送する。
同様に膜分離装置10を出る透過液19は、外部圧力計23及び透過液中に配置された流抵抗24を通過して、最終的に制御貯蔵器25に達する。出口26より透過液19は触媒分離を抜けて、ここには図示していない後接続された生成物分離に供給する。生成物分離により、反応ゾーン4内で実施された反応の有価生成物を透過液から分離する。これに関して、まだ公開されていない特許出願DE102013203117A1又はEP1931472B1が特に参照される。透過液19は触媒分離の出口26で触媒コンポーネントを実質的に含んでいないことから、苛酷な条件下での触媒の安定性を考慮することなく生成物分離を行うことができる。
触媒分離をその出口26を通って出て行く透過液流は、膜分離ユニットを、その保持力が常に最適な範囲にあるよう制御していることから触媒を実質的に含まない。殊にこれは、以下で記載するように、膜分離ユニットの膜間圧力Δpの制御によって達成される。
膜間圧力Δpは、膜の供給液側若しくは保持液側の圧力と透過液側の圧力との圧力差である。供給液側の圧力は、本制御コンセプトの場合、内部圧力計17によって測定し、それに対して透過液側の圧力は、外部圧力計23により測定する。圧力差、つまり膜間圧力は、圧力差制御器27により測定する。圧力差制御器27は、内部圧力計17からオーバーフロー循環路12内の供給液側圧力を受け、その圧力から透過液側の圧力(これは外部圧力計23から受ける)を減じる。
膜間圧力Δpを一定に保つために、殊にオーバーフロー循環路12内の圧力は一定に保つ。これが低すぎる場合、圧力差制御器27は、第二の移送装置28が透過液を制御貯蔵器25からオーバーフロー循環路12内に導入するようにもたらす。オーバーフロー循環路12内の付加的な材料(透過液)によって、内部圧力計17で測定したオーバーフロー循環路12の圧力は上昇する。圧力の調節は、第二の移送装置28がその移送速度について調節可能であることによって可能である。それというのも、第二の移送装置28は、回転数が調節可能なポンプだからである。移送体積は、回転数に正比例する。選択的にポンプの排出量を調節してもよく、これにより、回転数が一定の場合は移送体積の変化を生む。しかしながら、第二の移送装置28の移送体積は、オーバーフロー循環路12内の圧力に応じて調節する。オーバーフロー循環路12内の圧力が高まった場合、第二の移送装置28の移送速度を下げる。
しかしながら有利には、膜間圧力が大きくなりすぎた場合、透過液中の流抵抗24を減少させる。これは膜分離ユニット10からの透過液19の流出を促し、そうして膜間圧力Δpを再び正確に調節する。透過液中の流抵抗24により透過液体積流量を制御することも可能である。この場合、オーバーフロー循環路12内の圧力は、第二の移送装置28によってのみ調節することになる。ここに記載した膜分離ユニットの制御装置は、反応ゾーン4の影響から大いに守られている。なぜなら、反応ゾーン4からの高まった体積流量はバッファー容器6により和らげられ、加えて第二の移送装置28の移送速度の減少が引き起こされるからである。したがって、2つの移送装置8及び28は逆に作動する:第一の移送装置8が多くの供給液を送る場合、第二の移送装置28により少量の透過液を制御貯蔵器25から返送する。それに応じて逆に、バッファー容器6の充填レベルが低いために第一の移送装置8により少量の反応混合物を膜分離ユニット10に送る場合、制御貯蔵器25から多くの透過液を第二の移送装置28によって取り出す。
図2は、一部変更を加えた制御コンセプトを表す本発明の第二の実施形態を示す。図2の第二のコンセプトは、図1に示した第一の制御コンセプトに実質的に相当する。違いは、第二の移送装置28により制御貯蔵器25から移送し戻された透過液を、オーバーフロー循環路12内にではなく、バッファー容器6中に移送し戻す点にある。これは、図1に示した実施形態と比べて、第二の移送装置28が、図1に示した実施形態における第二の移送装置より低い圧力レベルで作動し得るという利点を有する。したがって、第二の実施形態の第二の移送装置28は、第一の実施形態の移送装置より明らかに低コストで行える。したがって、オーバーフロー循環路12内の圧力は、第二の実施形態の場合、第一の移送装置8によって加え、当該第一の移送装置は、いずれの場合も高圧ポンプの形態をとる。
図2に示した制御コンセプトの場合、オーバーフロー循環路12内で下がる圧力が、バッファー容器6内の充填レベルを急速に高める。なぜなら、第二の移送装置28は、透過液を制御貯蔵器25からバッファー容器6中に移送するからである。それから充填レベル制御系7は、第一の移送装置8がより大量の供給液を膜分離ユニット10内に移送するように促す。
第一の制御コンセプトに対する第二の制御コンセプトの欠点は、中間接続されたバッファー容器6に基づきその応答に遅延が生じるからである。膜間圧力の制御は、図1に示した第一の実施形態の場合、そこで移送し戻された透過液がオーバーフロー循環路12内に直接圧し込まれるので“刺激的に”応答する。
図3は、基本的に2つの他の実施形態の組合せを表す本発明の第三の実施形態を示す。これは二段階の膜分離であり、第一の膜11の後方にさらに第二の膜29が配置されている。第一の膜11のオーバーフロー循環路12内の圧力は、第二の実施形態に従ってバッファー容器6を中間接続することによって制御する。これは第二の膜29のオーバーフロー循環路30の場合にも同様に当てはまる。ただしこの場合、第二のオーバーフロー循環路30内で圧力が高まったときは、第三の流抵抗の形をとる第三の移送装置31によって供給液を取り出し、かつバッファー容器6内に返送する。
触媒分離の出口26で取り出した透過液は、その体積流量について流出量制御器32により一定に保ち、当該制御器は、第二の膜分離段階の制御貯蔵器33に配置された充填レベル制御器34によって制御する。
1 反応ゾーン、 2 反応物、 3 新たな触媒、 4 反応混合物、 5 保持液、 6 バッファー容器、 7 充填レベル制御系、 8 第一の移送装置、 9 供給液、 10 膜分離装置、 11 膜、 12 オーバーフロー循環流(路)、 13 循環ポンプ、 14 サーモスタット、 15 熱交換器、 16 温度制御器、 17 内部圧力計、 18 第一の流量制御器、 19 透過液、 20 体積流量制御器、 21 保持液中の流抵抗、 22 第二の流量制御器、 23 外部圧力計、 24 透過液中の流抵抗、 25 制御貯蔵器、 26 触媒分離の出口、 27 圧力差制御器、 28 第二の移送装置、 29 第二の膜、 30 第二の膜のオーバーフロー循環流(路)、 31 第三の移送装置、 32 流出量制御器、 33 第二の膜分離段階の制御貯蔵器、 34 第二の膜分離段階の制御貯蔵器の充填レベル制御器

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの膜分離ユニットを用いて反応混合物から均一系触媒を分離する方法であって、前記均一系触媒を含有しかつ反応ゾーンから生じる反応混合物を供給液として前記膜分離ユニットに送り込み、前記均一系触媒が前記膜分離ユニットの透過液中では減損しかつ前記膜分離ユニットの保持液中では富化し、並びに前記膜分離ユニットの前記保持液を前記反応ゾーン内に返送する前記方法において、
    前記膜分離ユニットの前記保持液の体積流量と前記膜分離ユニットの保持力との両方を制御によって一定に保つことを特徴とする、前記方法。
  2. 前記反応ゾーンから排出された前記反応混合物の体積流量が変動することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記反応ゾーンから排出された前記反応混合物をバッファー容器中に初めに装入し、前記容器から、移送体積について調節可能な第一の移送装置を用いて前記反応混合物を供給液として前記膜分離ユニットに供給し、ここで、前記供給液の体積流量を、前記バッファー容器の充填レベルに応じた前記第一の移送装置の前記移送体積の調節によって、前記充填レベルが上がったときにかつ/又は前記充填レベルの上昇とともに前記体積流量を増大し、並びに前記充填レベルが下がったときにかつ/又は前記充填レベルの低下とともに前記体積流量を減少するように制御することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 前記膜分離ユニットが、循環ポンプによって動作されるオーバーフロー循環路を有することを特徴とする、請求項1、2又は3記載の方法。
  5. 前記膜分離ユニットの前記保持力の前記制御を、少なくとも部分的に前記オーバーフロー循環路の温度の制御によって行うことを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 前記膜分離ユニットの前記保持力の前記制御を、少なくとも部分的に前記オーバーフロー循環路内の圧力を制御することによって行うことを特徴とする、請求項4又は5記載の方法。
  7. 前記オーバーフロー循環路内の前記圧力の前記制御を、前記オーバーフロー循環路内で圧力が高まったときに前記膜分離ユニットの透過液中に配置された調節可能な流抵抗を下げることによって行うことを特徴とする、請求項6記載の方法。
  8. 前記膜分離ユニットの前記透過液の一部を制御貯蔵器中に捕集すること、及び前記オーバーフロー循環路内の前記圧力の前記制御を、前記オーバーフロー循環路内で圧力が下がったときに透過液を前記制御貯蔵器から前記オーバーフロー循環路内又は前記バッファー容器中に移送することによって行うことを特徴とする、請求項6又は7記載の方法。
  9. 前記制御貯蔵器から前記オーバーフロー循環路内又は前記バッファー容器中への前記透過液の前記移送を、移送体積について調節可能な第二の移送装置を用いて行うこと、前記膜分離ユニットの前記オーバーフロー循環路と前記透過液との差圧を測定すること、及び前記差圧に応じて前記第二の移送装置の前記移送体積を調節することを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記オーバーフローの速度を、前記膜分離ユニットの前記オーバーフロー循環路内で一定に保つことを特徴とする、請求項4から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. 前記オーバーフローの速度を、移送体積について調節可能な循環ポンプを用いて、前記循環ポンプの前記移送体積を前記オーバーフローの速度に応じて調節することにより一定に保つことを特徴とする、請求項10記載の方法。
  12. 前記膜分離ユニットの前記保持液の前記体積流量を、前記保持液中に配置された調節可能な流抵抗を用いて一定に保ち、前記保持液の前記流抵抗を、前記保持液の前記体積流量に応じて調節することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 前記反応ゾーン内で均一系触媒による少なくとも1つの気相/液相反応を実施し、殊に前記反応が、以下の反応のグループ:酸化、エポキシ化、ヒドロホルミル化、ヒドロアミノ化、ヒドロアミノメチル化、ヒドロシアノ化、ヒドロカルボキシアルキル化、アミノ化、アンモ酸化、オキシム化、ヒドロシリル化、エトキシ化、プロポキシ化、カルボニル化、テロマー化、メタセシス、鈴木カップリング又は水素化から選択されたものであることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 前記反応ゾーン内で、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有する少なくとも1つの物質を有機金属錯体触媒の存在下に一酸化炭素及び水素と反応させることによってヒドロホルミル化することを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. 請求項1から14までのいずれか1項記載の方法を実施するための装置であって、
    a)均一系触媒を含有する反応混合物を製造するための反応ゾーン;
    b)前記均一系触媒を前記反応混合物から分離して、均一系触媒が減損した透過液及び均一系触媒が富化した保持液を得るための少なくとも1つの膜分離ユニット;
    c)及び均一系触媒が富化した保持液を前記反応ゾーン内に返送するための触媒還流路を有する前記装置において、
    d)前記膜分離ユニットの前記保持力及び前記保持液の体積流量を制御する手段
    を有することを特徴する、前記装置。
JP2016513265A 2013-05-13 2014-04-17 制御された膜分離ユニットを用いた均一系触媒の分離 Active JP6333360B2 (ja)

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