JP2016524818A5 - - Google Patents
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Description
本発明は通信技術分野に関し、特に、光学素子、レーザー、光ネットワークシステムおよびモニタリング方法に関する。
現在、40Gの時間波長分割多重化(Time and wavelength division multiplexing、TWDM)パッシブ光ネットワークが、次世代パッシブ光ネットワークの標準的なアーキテクチャとして最初に決定されている。40GのTWDM PONにおいて、重要な技術のひとつは、調整可能な光ネットワークユニットを実現することである。
調整可能な光ネットワークユニットの最も重要な部分は、波長を調整可能な可調レーザーである。現在、可調範囲の比較的小さい応用では、分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector、DBR)レーザーが一般に用いられる。
現在のDBRレーザーは出荷前に校正されて、DRBレーザーの動作条件を満たす。出荷後、各セクションの動作電流はテーブルルックアップ方式で選択され、それにより、DBRレーザーは目標動作波長に設定される。
しかしながら、劣化等の理由により、DBRレーザーが一定時間動作した後に離調が発生するおそれがある。DBRレーザーの劣化が比較的重大である場合、DBRレーザーのマスターモードがDBR反射ピーク波長からずれるという問題が顕著になり、DBRレーザーのマスターモードとサイドモードの損失差の減少につながる。これにより、DBRレーザーのサイドモード抑圧比が劣化し、DBRレーザーの精度と耐用年数に深刻な影響を及ぼす。
これに鑑みて、本発明において主に解決される技術的課題は、容易かつ効果的にサイドモード抑圧比をモニタリングできる光学素子、レーザー、光ネットワークシステムおよびモニタリング方法を提供することである。
第1の態様は光学素子を提供する。本光学素子は、フィルタ、第1の検出器、第2の検出器、光ビームスプリッタおよびプロセッサを備える。光ビームスプリッタの入力端はフィルタの一端に接続され、光ビームスプリッタの出力端は第1の検出器の入力端に接続され、フィルタの他端は第2の検出器の入力端に接続され、プロセッサは第1の検出器の出力端と第2の検出器の出力端の両方に接続される。フィルタは、入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号が光ビームスプリッタに入射し、且つ、透過光信号が第2の検出器に入射するようにするように構成される。光ビームスプリッタは、フィルタによって反射された光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを第1の検出器に入射させるように構成される。第1の検出器は、光ビームスプリッタによって送出された反射光信号をモニタリングして、反射光信号の光パワーを取得し、反射光信号の光パワーをプロセッサに送信するように構成される。第2の検出器は、フィルタによって送出された透過光信号をモニタリングして、透過光信号の光パワーを取得し、透過光信号の光パワーをプロセッサに送信するように構成される。プロセッサは、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを受信し、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするように構成される。
第1の態様の実施方式に関して、第1の可能な実施方式では、プロセッサは、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするために、具体的には注入電流の電流値を調整することにより、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整する。
第1の態様の実施方式に関して、第2の可能な実施方式では、光ビームスプリッタは、Y字型スプリッタ、マルチモードインターフェースカプラまたは傾斜分光エッチング溝である。
第2の態様はレーザーを提供する。本レーザーは、位相領域、ゲイン領域および上記の光学素子を備える。
第2の態様の実施方式に関して、第1の可能な実施方式では、光学素子のプロセッサは、具体的には、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率が最小に達しないとき、位相領域の注入電流の電流値を調整することにより、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整するように構成される。位相領域は、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするために注入電流の電流値を調整することにより、光学素子のフィルタに入射する光信号の光パワーを調整するように構成される。
第3の態様は光ネットワークシステムを提供する。光ネットワークシステムは、少なくとも光回線終端装置と、光分配ネットワークと、光ネットワークユニットとを備える。光回線終端装置は、光分配ネットワークを用いて光ネットワークユニットに接続される。光回線終端装置および/または光ネットワークユニットは上記の光学素子を有する。
第4の態様はレーザーに適用されるモニタリング方法を提供する。本モニタリング方法は、入射した光信号を反射および透過させるステップと、1つの反射光信号のビームを少なくとも2つの反射光信号のビームに分割するステップと、少なくとも2つの反射光信号のうちいずれか1つの反射光信号のビームをモニタリングして、反射光信号の光パワーを取得するステップと、透過光信号をモニタリングして、透過光信号の光パワーを取得するステップと、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするステップと、を有する。
第4の態様の実施方式に関して、第1の可能な実施方式では、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整するステップは、具体的には、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率が最小に達しないと決定された場合、注入電流の電流値を調整することにより、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整するステップ、を含む。
上述の解決策を用いることにより、本発明の有益な効果は以下のとおりである。すなわち、本発明では、フィルタは入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号が光ビームスプリッタに入射するようにし、透過光信号が第2の検出器に入射するようにする。光ビームスプリッタは、フィルタによって反射された光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを第1の検出器に入射させる。第1の検出器は、光ビームスプリッタよって送出された反射光信号をモニタリングし、反射光信号の光パワーをプロセッサに送信する。第2の検出器は、フィルタによって送出された透過光信号をモニタリングし、透過光信号の光パワーをプロセッサに送信する。プロセッサは、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にする。上述の方式を用いることにより、本発明は、サイドモード抑圧比を効果的にモニタリングし、レーザーの耐用年数を延長することができる。
本発明の実施形態における技術的解決策をより明確に説明するために、以下、実施形態の説明に必要な添付の図面を簡単に紹介する。当然ながら、添付の図面は以下の説明において本発明の実施形態の一部を示すに過ぎない。当業者であれば、これらの添付の図面から創意工夫なく、他の図面を更に導出できるであろう。
本発明の第1の実施形態に係る光学素子の概略構造図である。
本発明の第2の実施形態に係る光学素子の概略構造図である。
本発明の第3の実施形態に係るレーザーの概略構造図である。
本発明の第4の実施形態に係る光ネットワークシステムの概略構造図である。
本発明の第5の実施形態に係るモニタリング方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態において添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態における技術的解決策を明確且つ完全に説明する。当然ながら、説明される実施形態は本発明の実施形態の一部に過ぎず、全部ではない。当業者が本発明の実施形態に基づいて創意工夫なく得た他の実施形態は全て、本発明の保護範囲に包含されるものとする。
図1を参照する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る光学素子の概略構造図である。図1に示されるように、本発明の光学素子10は、フィルタ101、第1の検出器102、第2の検出器103、光ビームスプリッタ104およびプロセッサ105を備える。光ビームスプリッタ104の入力端はフィルタ101の一端に接続され、光ビームスプリッタ104の出力端は第1の検出器102の入力端に接続され、フィルタ101の他端は第2の検出器103の入力端に接続され、プロセッサ105は第1の検出器102の出力端と第2の検出器103の出力端の両方に接続される。
本実施形態では、フィルタ101は、入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号が光ビームスプリッタ104に入射するようにし、透過光信号が第2の検出器103に入射するようにするように構成される。フィルタ101は、分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector、DBR)、アレイ導波路回折格子(arrayed waveguide grating、AWG)等であってよい。
光ビームスプリッタ104は、フィルタ101によって反射された光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを第1の検出器102に入射させるように構成される。光ビームスプリッタ104は、Y字型スプリッタ、マルチモードインターフェースカプラまたは傾斜分光エッチング溝である。マルチモードインターフェースカプラを用いることにより、光ビームスプリッタの偏差許容性を改善することができる。
第1の検出器102は、光ビームスプリッタ104によって送出された反射光信号をモニタリングして、反射光信号の光パワーを取得し、反射光信号の光パワーをプロセッサ105に送信するように構成される。第1の検出器102は光電子検出器等であってよい。
第2の検出器103は、フィルタ101によって送出された透過光信号をモニタリングして、前記透過光信号の光パワーを取得し、前記透過光信号の前記光パワーをプロセッサ105に送信するように構成される。第2の検出器103は光電子検出器等であってよい。
プロセッサ105は、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを受信し、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするように構成される。
更に、プロセッサ105は、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするために、具体的には注入電流の電流値を調整することにより、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整する。プロセッサ105が注入電流を調整して透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとを変化させる具体的なプロセスは、以下の第3の実施形態で説明される。これ以上の詳細の説明は省略する。
本発明の光学素子10において、フィルタ101は入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号を光ビームスプリッタ104に入射するようにし、透過光信号を第2の検出器103に入射するようにする。光ビームスプリッタ104は、フィルタ101によって反射された光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを第1の検出器102に入射させる。第1の検出器102は、光ビームスプリッタ104によって送出された反射光信号をモニタリングし、反射光信号の光パワーをプロセッサ105に送信する。第2の検出器103は、フィルタ101によって送出された透過光信号をモニタリングし、透過光信号の光パワーをプロセッサ105に送信する。プロセッサ105は、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にする。したがって、本発明は、容易かつ効果的にサイドモード抑圧比をモニタリングすることができる。
図2を参照する。図2は、本発明の第2の実施形態に係る光学素子の概略構造図である。図2に示されるように、光学素子20は、図1に示されるフィルタ101、第1の検出器102、第2の検出器103およびプロセッサ105を備え、また、傾斜分光エッチング溝104’を備える。傾斜分光エッチング溝104’の機能は図1の光ビームスプリッタ104の機能と同じであり、傾斜分光エッチング溝104’は光ビームスプリッタ104の具体的な実現である。傾斜分光エッチング溝104’の傾斜度は、好ましくは45度である。傾斜分光エッチング溝104’は、レーザーのキャビティ長の影響を低減することができる。他のコンポーネントの機能については、図1の説明を参照されたい。ここでは詳細の説明を省略する。
図3を参照する。図3は、本発明の第3の実施形態に係るレーザーの概略構造図である。図3に示されるように、本発明のレーザー30は、位相領域31、ゲイン領域32および光学素子33を備える。光学素子33は、少なくとも図1または図2に示されるフィルタ101、第1の検出器102、第2の検出器103、光ビームスプリッタ104およびプロセッサ105を備える。
更に、レーザー30の動作時、フィルタ101の反射ピーク波長は、位相領域31に電流を注入することにより、ターゲット波長に調整される。ゲイン領域32は、レーザー30にゲインを提供するように構成される。
更に、位相領域31は、注入電流の電流値を調整することにより、光学素子33のフィルタ101に入射する光信号の光パワーを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小化するように構成される。
具体的には、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率が最小に達しないと判定した場合、光学素子33のプロセッサ105は、位相領域31の注入電流の電流値を調整することにより、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整する。
更に、位相領域31は、位相領域31の注入電流を変化させることにより、レーザー30の位相を微調整し、これにより、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にする。反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率が最小である場合、レーザー30のマスターモードはフィルタ101の反射ピーク波長とアラインされる。すなわち、レーザー30の位相領域31の電流を制御することにより、レーザー30のマスターモードとフィルタ101のサイドモードとのサイドモード抑圧比(Side Mode Suppression Ratio、SMSR)が速く簡単にモニタリングされ、それにより、レーザー30のSMSRが最高点に達する。よって、レーザー30の単波長動作が実現され、レーザー30の耐用年数が延長される。
更に、プロセッサ105が更に位相領域31の電流を調整して透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとを変化させるプロセスは、以下のとおりである。
第1のケースでは、位相領域31の現在の電流値が増大した場合、プロセッサ105が、第1の検出器102および第2の検出器103によって返された反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとの比率が、プロセッサ105が位相領域31の電流を調整する前に取得された比率に比べて減少したと判定すると、プロセッサ105は、透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が最小に達するまで、位相領域31の電流値を増やし続ける。
第2のケースでは、位相領域31の現在の電流値が増大した場合、プロセッサ105が、第2の検出器103および第1の検出器102に返された透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が、プロセッサ105が位相領域31の電流を調整する前に取得された比率に比べて増大したと判定すると、プロセッサ105は、透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が最小に達するまで、位相領域31の電流値を減少させる。
第3のケースでは、位相領域31の現在の電流値が減少した場合、プロセッサ105が、第2の検出器103および第1の検出器102によって返された透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が、プロセッサ105が位相領域31の電流を調整する前に取得された比率に比べて減少したと判定すると、プロセッサ105は、透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が最小に達するまで、位相領域31の電流値を減少させる。
第4のケースでは、位相領域31の現在の電流値が減少した場合、プロセッサ105が、第2の検出器103および第1の検出器102によって返された透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が、プロセッサ105が位相領域31の電流を調整する前に取得された比率に比べて増大したと判定すると、プロセッサ105は、透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとの比率が最小に達するまで、位相領域31の電流値を増大させる。
位相領域31の現在の電流値が調整されてから、プロセッサ105は、透過光信号の光パワーの反射光信号の光パワーに対する比率が、位相領域31の電流を調整する前に得られた比率と比べてどのように変化したかを判定して、透過光信号の光パワーの反射光信号の光パワーに対する比率が最小に達するまで、位相領域31の電流値を更に調整する。したがって、サイドモード抑圧比を容易かつ効果的にモニタリングすることができ、また、レーザー30の耐用年数を延長することができる。
図4を参照する。図4は、本発明の第4の実施形態に係る光ネットワークシステムの概略構造図である。具体的には、光ネットワークシステム400は、多波長パッシブ光ネットワーク(Multiple Wavelength PON、MWPON)システムであってよい。光ネットワークシステム400は、少なくとも1つの光回線終端装置(Optical Line Terminal、OLT)410と、複数の光ネットワークユニット(Optical Network Unit、ONU)420と、光分配ネットワーク(Optical Distribution Network、ODN)430とを備える。光回線終端装置410は、ポイントツーマルチポイント方式で光分配ネットワーク430を用いて、複数の光ネットワークユニット420に接続される。複数の光ネットワークユニット420は、光分配ネットワーク430の光伝送媒体を共有する。光分配ネットワーク430は、フィーダー光ファイバー431と、光パワースプリッタモジュール432と、複数の分配光ファイバー433とを有してよい。光パワースプリッタモジュール432は遠隔ノード(Remote Node、RN)に設けられてよい。一態様では、光パワースプリッタモジュール432は、フィーダー光ファイバー431を用いて光回線終端装置410に接続される。別の態様では、光パワースプリッタモジュール432は、複数の分配光ファイバー433を用いて複数の光ネットワークユニット420に接続される。OLTからONUへの方向をダウンリンクと呼び、ONUからOLTへの方向をアップリンクと呼ぶ。
更に、光ネットワークシステム400では、光回線終端装置410と複数の光ネットワークユニット420の間の通信リンクは、複数の波長パスを含んでよい。複数の波長パスは、波長分割多重化(Wavelength-Division Multiplexing、WDM)方式で、光分配ネットワーク430の光伝送媒体を共有する。各光ネットワークユニット420は多波長パッシブ光ネットワークシステム400のうち1つの波長パスで動作してよく、各波長パスは、1以上の光ネットワークユニット420のサービスを伝送してよい。加えて、同じ波長パスで動作する光ネットワークユニット420は、時分割多重(Time-Division Multiplexing、TDM)方式で波長パスを共有してよい。本実施形態では、図4に示されるように、多波長パッシブ光ネットワークシステム400が4つの波長パスを有する例を用いて紹介する。留意すべきこととして、実際の応用では、光ネットワークシステム400の波長パスの数はネットワーク要件に従って設定されてよい
更に、光回線終端装置410は、光カプラ411と、第1の波長分割マルチプレクサ412と、第2の波長分割マルチプレクサ413と、複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4と、複数のアップリンク光受信器Rx1〜Rx4とを有してよい。複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4は、第1の波長分割マルチプレクサ412を用いて光カプラ411に接続され、複数のアップリンク光受信器Rx1〜Rx4は、第2の波長分割マルチプレクサ413を用いて光カプラ411に接続される。光カプラ411は更に、光分配ネットワーク430のフィーダー光ファイバー431に接続される。
複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4の送信波長は、互いに異なる。複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4の各々は、光ネットワークシステム400の1つの波長パスに対応してよい。例えば、複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4の送信波長は、それぞれλd1〜λd4であってよい。複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4は、送信波長λd1〜λd4を用いて、ダウンリンクデータをそれぞれ対応する波長パスに送信して、ダウンリンクデータが波長パスで動作する光ネットワークユニット420によって受信されるようにしてよい。これに応じて、複数のアップリンク光受信器Rx1〜Rx4の受信波長は互いに異なってよい。同様に、複数のアップリンク光受信器Rx1〜Rx4の各々は、多波長パッシブ光ネットワークシステム400の1つの波長パスに対応する。例えば、複数のアップリンク光受信器Rx1〜Rx4の受信波長は、それぞれλu1〜λu4であってよい。アップリンク光受信器Rx1〜Rx4は、それぞれ受信波長λu1〜λu4を用いて、対応する波長パスで動作する光ネットワークユニット420によって送信されたアップリンクデータを受信してよい。
第1の波長分割マルチプレクサ412は、波長がそれぞれλd1〜λd4であり複数のダウンリンク光送信器Tx1〜Tx4によって送信されるダウンリンクデータに対して、波長分割多重化処理を実行し、光分配ネットワーク430を用いてダウンリンクデータを光ネットワークユニット420に提供するために、光カプラ411を用いてダウンリンクデータを光分配ネットワーク430のフィーダー光ファイバー431に送信するように構成される。加えて、光カプラ411は更に、波長がそれぞれλd1〜λd4である複数の光ネットワークユニット420からのアップリンクデータを、第2の波長分割マルチプレクサ413に提供するように構成されてよい。第2の波長分割マルチプレクサ413は、波長がそれぞれλd1〜λd4であるダウンリンクデータをアップリンク光受信器Rx1〜Rx4に逆多重化して、アップリンク光受信器がデータを受信できるようにしてよい。
更に、OLTのダウンリンク光送信器および/またはアップリンク光受信器は、図3に示されるレーザー30を更に有する。レーザー30は、少なくとも、図1または図2に示される光学素子を有する。
具体的には、光学素子は、フィルタ101、第1の検出器102、第2の検出器103、光ビームスプリッタ104およびプロセッサ105を備える。光ビームスプリッタ104の入力端はフィルタ101の一端に接続され、光ビームスプリッタ104の出力端は第1の検出器102の入力端に接続され、フィルタ101の他端は第2の検出器103の入力端に接続され、プロセッサ105は第1の検出器102の出力端と第2の検出器103の出力端との両方に接続される。
本実施形態において、フィルタ101は、入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号が光ビームスプリッタ104に入射するようにし、透過光信号が第2の検出器103に入射するようにするように構成される。フィルタ101は、分布ブラッグ反射器(Distributed Bragg Reflector、DBR)、アレイ導波路回折格子(arrayed waveguide grating、AWG)等であってよい。
光ビームスプリッタ104は、フィルタ101によって反射された光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを第1の検出器102に入射させるように構成される。光ビームスプリッタ104は、Y字型スプリッタ、マルチモードインターフェースカプラまたは傾斜分光エッチング溝である。
第1の検出器102は、光ビームスプリッタ104によって送出された反射光信号をモニタリングして、反射光信号の光パワーを取得し、反射光信号の光パワーをプロセッサ105に送信するように構成される。第1の検出器102は光電子検出器等であってよい。
第2の検出器103は、フィルタ101によって送出された透過光信号をモニタリングして、透過光信号の光パワーを取得し、透過光信号の光パワーをプロセッサ105に送信するように構成される。第2の検出器103は光電子検出器等であってよい。
プロセッサ105は、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを受信し、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするように構成される。
更に、プロセッサ105は、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にするために、具体的には注入電流の電流値を調整することにより、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整する。プロセッサ105が注入電流を調整して透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとを変更する具体的なプロセスは、上述の第3の実施形態と同様であるので、ここでは詳細の説明を省略する。
本発明では、フィルタ101は入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号が光ビームスプリッタ104に入射するようにし、透過光信号が第2の検出器103に入射するようにする。光ビームスプリッタ104は、フィルタ101によって反射された光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを第1の検出器102に入射させる。第1の検出器102は、光ビームスプリッタ104によって送出された反射光信号をモニタリングし、反射光信号の光パワーをプロセッサ105に送信する。第2の検出器103は、フィルタ101によって送出された透過光信号をモニタリングし、透過光信号の光パワーをプロセッサ105に送信する。プロセッサ105は、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にする。したがって本発明は、容易かつ効果的にサイドモード抑圧比をモニタリングし、レーザー30の耐用年数を延長することができる。
図5を参照する。図5は、本発明の第5の実施形態に係るモニタリング方法のフローチャートである。モニタリング方法は、上記の第3の実施形態におけるレーザー30に適用される。図5に示されるように、本発明のモニタリング方法は以下のステップを有する。
ステップS1:入射した光信号を反射および透過させる。
ステップS2:反射光信号の1つのビームを分割して、少なくとも2つの反射光信号のビームとする。
ステップS3:少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームをモニタリングして、反射光信号の光パワーを取得する。
ステップS4:透過光信号をモニタリングして、透過光信号の光パワーを取得する。
ステップS5:反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーとを調整して、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率を最小にする。
ステップS5において、具体的には、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率が最小に達しないとき、反射光信号の光パワーと透過光信号の光パワーは、注入電流の電流値を調整することによって調整される。注入電流を調整して透過光信号の光パワーと反射光信号の光パワーとを変更する具体的なプロセスは、上記の第3の実施形態と同じであり、ここでは詳細の説明を省略する。
上述の方式を用いることにより、本発明において提供される本実施形態は、効果的にサイドモード抑圧比をモニタリングし、レーザーの耐用年数を延長することができる。
上述の説明は単なる本発明の実施形態であり、本発明の保護範囲はそれらに限定されない。本発明の本明細書および添付の図面の内容によってなされる均等な構成またはプロセスの変更、或いは、他の関連する技術分野での直接的または間接的な適用は、全て本発明の保護範囲に包含されるものとする。
Claims (8)
- 光学素子であって、フィルタ、第1の検出器、第2の検出器、光ビームスプリッタおよびプロセッサを備え、前記光ビームスプリッタの入力端は前記フィルタの一端に接続され、前記光ビームスプリッタの出力端は第1の検出器の入力端に接続され、前記フィルタの他端は前記第2の検出器の入力端に接続され、前記プロセッサは前記第1の検出器の出力端と前記第2の検出器の出力端の両方に接続され、
前記フィルタは、入射した光信号を反射および透過させ、反射光信号が前記光ビームスプリッタに入射し、且つ、透過光信号が第2の検出器入射するようにするように構成され、
前記光ビームスプリッタは、前記フィルタによって反射された前記光信号を分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとし、前記少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームを前記第1の検出器に入射させるように構成され、
前記第1の検出器は、前記光ビームスプリッタによって送出された前記反射光信号をモニタリングして、前記反射光信号の光パワーを取得し、前記反射光信号の前記光パワーを前記プロセッサに送信するように構成され、
前記第2の検出器は、前記フィルタによって送出された前記透過光信号をモニタリングして、前記透過光信号の光パワーを取得し、前記透過光信号の前記光パワーを前記プロセッサに送信するように構成され、
前記プロセッサは、前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを受信し、前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを調整して、前記反射光信号の前記光パワーの前記透過光信号の前記光パワーに対する比率を最小にするように構成される、
光学素子。 - 前記プロセッサは、前記反射光信号の前記光パワーの前記透過光信号の前記光パワーに対する前記比率を最小にするために、レーザーの位相領域への注入電流の電流値を調整することにより、前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを調整する、
請求項1に記載の光学素子。 - 前記光ビームスプリッタは、Y字型スプリッタ、マルチモードインターフェースカプラまたは傾斜分光エッチング溝である、
請求項1に記載の光学素子。 - レーザーであって、少なくとも位相領域と、ゲイン領域と、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子とを備えるレーザー。
- 前記光学素子の前記プロセッサは、反射光信号の光パワーの透過光信号の光パワーに対する比率が最小に達しないとき、前記位相領域の注入電流の電流値を調整することにより、前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを調整するように構成され、
前記位相領域は、前記反射光信号の前記光パワーの前記透過光信号の前記光パワーに対する前記比率を最小にするために、前記注入電流の前記電流値を調整することにより、前記光学素子の前記フィルタに入射する光信号の光パワーを調整するように構成される、
請求項4に記載のレーザー。 - 光ネットワークシステムであって、少なくとも光回線終端装置と、光分配ネットワークと、光ネットワークユニットとを備え、前記光回線終端装置は前記光分配ネットワークを用いて前記光ネットワークユニットに接続され、前記光回線終端装置および/または前記光ネットワークユニットは請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子を有する、光ネットワークシステム。
- レーザーに適用されるモニタリング方法であって、
入射した光信号を反射および透過させるステップと、
反射光信号の1つのビームを分割して少なくとも2つの反射光信号のビームとするステップと、
前記少なくとも2つの反射光信号のビームのうちいずれか1つの反射光信号のビームをモニタリングして、前記反射光信号の光パワーを取得するステップと、
透過光信号をモニタリングして、前記透過光信号の光パワーを取得するステップと、
前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを調整して、前記反射光信号の前記光パワーの前記透過光信号の前記光パワーに対する比率を最小にするステップと、
を有する、モニタリング方法。 - 前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを調整する前記ステップは、
前記反射光信号の前記光パワーの前記透過光信号の前記光パワーに対する前記比率が前記最小に達しないとき、レーザーの位相領域への注入電流の電流値を調整することにより、前記反射光信号の前記光パワーと前記透過光信号の前記光パワーとを調整するステップ、
を含む、請求項7に記載のモニタリング方法。
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