JP2016523876A - 脳および全身の再灌流障害を予防または軽減するための保護液 - Google Patents

脳および全身の再灌流障害を予防または軽減するための保護液 Download PDF

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Abstract

本発明は、脳の再灌流障害を予防または軽減するための保護液であって、マグネシウムイオンを含み、オスモル濃度が350〜600mOsm/Lであり、pH値が6.8〜7.8であり、1〜20重量%のアルブミンを含むことを特徴とする保護液に関する。

Description

突発的な循環停止は、欧州連合では人口10万人あたり60人もの発症率となっている。循環停止の治療法として、体外式心臓マッサージ、除細動、機械的人工呼吸、薬物療法などを含む心肺蘇生法(CPR)が確立されている。しかしながら、医療スタッフや現場に居合わせる可能性のある人に対する訓練の強化、機器の改良、および包括的な学際的ガイドラインの策定にもかかわらず、CPRは依然として簡単ではなく咄嗟の判断がある程度必要とされる。また、生存率や神経回復に関する転帰は満足できるものとは言えない。院内でCPRを受けた患者の死亡率は70%を上回っており、院外においてCPRを受けた場合にはその死亡率はこれよりもはるかに高いことが報告されている。その上、運良く生存したとしても脳損傷が見られることが多い。
Trummer et al., The Journal of Thoracic and Cardiovascular Surger, May 2010, p.1325-1332では、長時間に及ぶ心停止の後、蘇生に成功したことが報告されている。この報告によると、動物モデルとして使用したブタにおいて、心停止後15分以内であれば蘇生が可能であったことが報告されている。この報告における実験では、リンガー液とヘパリンをプライミング液として用いた体外血液循環が確立されている。
本発明は、心停止後の蘇生プロセスにおいて使用することができる保護液を提供することを目的とする。損傷、特に脳における損傷は可能な限り最小レベルに留めることが望ましい。心停止から長時間経過した後に蘇生された患者では、脳に重大な損傷が起こることが多いことが確認されている。このような損傷によって重度の精神障害が患者に引き起こされ、通常の生活に戻ることは不可能であった。
本明細書では、例えば国際公開第2011/045011号に詳細に説明されている蘇生方法において好適に使用できる保護液が開示される。血液循環は、心停止から比較的短時間で回復させなければならない。例えば心臓の外科治療中などにおいて院内で心停止が起こった場合、院外で心停止が突然起こった場合と比べて患者の状態を良好に制御できる。通常、医師や居合わせた人によって血液循環が回復されるまでには時間差が生じる。心停止によって最も重度の障害を受ける臓器は脳である。本明細書において開示される保護液は、心停止後の血液循環の回復によって引き起こされる損傷を予防または軽減するものである。
これまでのところ、血液循環が停止してから3〜5分間以内に通常のCPRが行われた場合に限って、脳機能および心筋機能を正常に回復させることができると一般に認識されている。したがって、CPRを行った後の患者の転帰を決定する因子としては時間が最も重要視され、心停止後に可能な限り早急にCPRを開始して蘇生後の脳損傷を回避するためにあらゆる試みがなされている。しかしながら、病態生理学的観点から見ると、心停止後の循環停止は、血液供給の再開により再灌流障害を引き起こす全身性虚血であると解釈することができる。この現象は、特定の臓器の組織に起こる「虚血再灌流障害」として知られている。しかしながら、重篤な虚血性障害を発症してから最初の再灌流において再灌流条件(血圧、血流、体温)および再灌流液の組成を制御することができれば、かなり長い時間が経過した後であっても臓器を守ることができる。この治療計画は、心筋組織、骨格筋組織、肝組織、肺組織および腎組織に対して有効であることが示されている。
循環停止後に全身および脳に起こる重篤な虚血再灌流障害によってCPR後の罹患率と死亡率が根本的に左右されると推定されることから、CPR後の全身性再灌流の条件に特に注意が払われてきた。動脈カニューレおよび静脈カニューレを介して患者を体外式生命維持装置(ECLS)につなぎ、体外循環により安定させるという方法は、CPR後の生存率を向上させるのに有用な手法であることが実証されている。CPRは、循環の回復および臓器(特に脳)への十分な血液供給を主体とするため、CPRの最中およびCPR後にECLSを使用すると、血圧、血流および再灌流液などの再灌流条件を制御できると考えられる。しかしながら、常温での心停止後に全身性再灌流を行うための効率的な条件はいまだ定義されていない。
蘇生法は脳における重篤な損傷を回避することを目的とするが、他の重要な臓器も致命的な損傷を受けてはならない。蘇生法を実施する際には、患者の生存を妨げるような損傷が重要な臓器、特に心臓、肝臓、肺、腎臓などに生じないように注意しなければならない。最適な条件は臓器によって異なる可能性があるため、場合によっては、脳への重篤な損傷を回避しつつ、心臓や肺などの他の重要な臓器への不可逆的な損傷を防ぐことのできる最も好ましい中間的な条件を選択しなければならない。
広範囲にわたる一連の動物実験において、確立されたブタモデルを使用して上記条件の関連性について調査した。この実験の結果は、高い信頼性でヒトに外挿することができる。この研究の主要な目的の1つは、最も傷つきやすい臓器である脳の損傷を回避することを優先して、全身灌流を制御することである。上述のように、様々な程度の脳浮腫として現れる虚血再灌流障害は可能な限り抑制しなければならない。本発明は、再灌流の物理的条件(体温、血圧、血流)の定義のみならず、再灌流液の組成を開示するものである。好ましい実施形態においては、低カルシウム濃度、高マグネシウム濃度および高浸透圧を利用して、再灌流組織における浮腫を回避する。また、本明細書に記載の保護液はプライミング液とも呼ばれる。
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、改良された再灌流液における上記要件の利用は以下の考察に基づく。
本発明のプライミング液の主な態様の1つは、高い浸透圧である。浸透は、溶液中のある物質が低濃度領域から高濃度領域へと膜を通過して平衡を保とうとする際に生じる。溶媒1リットル当たりの溶質のモル数で表される溶液中の溶解粒子の濃度は、「オスモル濃度」と呼ばれる。ヒト血漿において、溶解粒子の濃度は約0.290molである。したがって、ヒト血漿のオスモル濃度は290mOsm/Lである。正常ヒト血漿のオスモル濃度は、通常約250〜310mOsm/Lの範囲で変動する。
水は、低オスモル濃度領域から高オスモル濃度領域へと、オスモル濃度の差(勾配(radiant))に正比例した速度で平衡に達するまで流れる。血液と同じ濃度の粒子を含む溶液は、血液と等しい浸透圧を有する(血液と等張である)。医療分野においては、血液および静脈内皮と等しい浸透圧を有する0.9%塩化ナトリウム溶液がよく使用される。これよりも低いオスモル濃度(溶解粒子の濃度)を有する溶液は、低張液と呼ばれる。生理食塩水(0.9%塩化ナトリウム溶液)よりも高いオスモル濃度を有する溶液は、高張液または高浸透圧液と呼ばれる。
本発明の保護液は浸透圧が高く、そのオスモル濃度は300〜700mOsm/Lである。上記オスモル濃度は、400〜600mOsm/Lであることが好ましく、440〜550mOsm/Lであることが特に好ましい。保護液に溶解しているあらゆる粒子が、オスモル濃度に影響を及ぼす。
本明細書に開示される保護液のオスモル濃度を上昇させる成分の1つとしては、アルブミンが好ましく、該アルブミンは好ましくはヒトアルブミンである。ヒトアルブミンは、浸透圧の高い再灌流液を調製するために本発明のプライミング液の基本成分の1つとして選択された。アルブミンは、分子質量が比較的大きいことから、自体の血管外空間への移動を抑制する能力、および細胞内液と結合して細胞内浮腫を回避する能力を有する。
本発明のプライミング液に有用な添加物として、ヒトアルブミンに加えて、浸透圧の高い糖アルコール、例えばマンニトールなどを使用することもできる。別の実施形態において、オスモル濃度を高めるために他の物質を使用することもできる。しかしながら、本発明のプライミング液を輸液として使用する場合、上記のような成分が副作用を有する場合もあることも考慮に入れておかなければならない。例えば、マンニトールは利尿作用を有する。他の適切な成分としては、例えばグルコースなどの糖が挙げられる。他の成分を選択する場合、望ましくない副作用を避けるようにしなければならない。
本明細書に記載の保護液のさらに重要な態様として、保護液中のマグネシウムイオンの含有量が多いことが挙げられる。高濃度のマグネシウムイオン(Mg2+)は、保護効果を有すると考えられており、特に、再灌流障害によって引き起こされる損傷の予防または軽減に対して保護効果を有すると考えられている。高濃度マグネシウムの細胞保護効果は、摘出心におけるミトコンドリアの呼吸に関連して報告されている。さらに、再灌流障害の別の症状である「ノー・リフロー」現象に対して潜在的な効果を示すことから、血小板凝集が減少すると考えられる。したがって、本明細書に記載のプライミング液にはマグネシウムを加えることが好ましい。Mg2+イオンは、適切な塩の形態でプライミング液に加えてもよい。Mg2+濃度を上昇させる成分の1つとしては、クエン酸マグネシウムが好ましい。この好ましい実施形態において、このクエン酸アニオンは以下に記載するような有利な特性をさらに有する。Mg2+イオンの別の供給源として、硫酸マグネシウムまたはアスパラギン酸マグネシウムが好ましい。
虚血により、細胞膜におけるエネルギー依存性Na/Ca2+共役輸送が障害を受けるため、細胞質ゾル内のカルシウム濃度が過剰に上昇し、それに続いて細胞内液が増加する。このような細胞内液の増加は細胞内浮腫と同様の状態であり、最終的に細胞の機能不全を起こし、細胞死に至る可能性がある。したがって、細胞へのカルシウムの供給を減らすことにより、このような影響を低減することができる。本発明のプライミング液のカルシウム含有量は、プライミング液にクエン酸マグネシウムまたはクエン酸ナトリウムを加えることにより減らすことができる。また別の方法として、他のキレート剤、例えば2,3−ジメルカプト−1−プロパンスルホン酸(DMPS)、α−リポ酸(ALA)、エチレンジアミン四酢酸またはメチルアミンを使用してもよい。適切なキレート剤は、プライミング液に含まれる他の成分に依存して選択される。Mg2+よりもCa2+に対する結合力が強いキレート剤が特に好ましい。
本発明の保護液の別の好ましい成分として、リドカイン(2−(ジエチルアミノ)−N−(2,6−ジメチルフェニル)アセトアミド)が挙げられる。リドカインは、例えばキシロカイン(登録商標)として入手可能であり、局所麻酔薬および抗不整脈薬としてよく知られている。
好ましい一実施形態において、本発明の保護液は、高用量のリドカインを含む。リドカインの用量は治療を受ける患者の体重1kg当たり1〜20mgであり、患者の体重1kg当たり5〜15mgが好ましく、約10mg/kg体重のリドカインをプライミング液に加えることが特に好ましい。保護液中のリドカインの量は、治療を受ける患者の体重にある程度左右される。
本発明の保護液中のリドカイン濃度は通常、0.05〜1.0g/Lである。より好ましい実施形態において、リドカイン含有量は保護液1L当たり0.1〜0.7gである。さらに好ましくは、保護液1L当たり0.3〜0.7gである。緊急時においては患者の体重が不明であるため、例えば70kgなどの平均体重に基づきリドカイン濃度を算出してもよい。リドカインは、電位依存性のナトリウムチャネルをブロックし、最終的に細胞膜の安定化をもたらす。この効果は、心筋細胞およびニューロンに有益である。したがって、リドカインは本発明のプライミング液の成分として好ましい。
プライミング液のさらに好ましい添加物として、ヘパリンが挙げられる。ヘパリンは、十分な抗凝固を行うために使用され、このような処置は体外循環の実施に必須である。患者の多くはCPR時にヘパリン投与を受けていなかったり、あるいは、患者の血液凝固状態が明らかではないため、ヘパリンをプライミング液に添加することも考慮に入れられる。
好ましい一実施形態において、脳の再灌流障害を予防または軽減するための保護液のオスモル濃度は350〜600mOsm/Lであり、pH値は6.8〜7.8、好ましくは7.4〜7.6である。人体の生理的pH値は約7.4である。本発明の特に好ましい一実施形態において、本明細書に開示される保護液のpH値はこれよりもある程度低い。したがって、人体のpH値よりも低い約7.0〜7.4のpH値を使用することが好ましい。
pH値を維持するため、本明細書に開示される保護液は緩衝剤を含んでいてもよく、緩衝剤を添加することによって灌流時に保護液のpH値をアルカリ性に維持し、それによって細胞アシドーシスに拮抗することができる。適切な緩衝剤としては、リン酸塩緩衝剤、リン酸水素塩緩衝剤または重炭酸塩緩衝剤が挙げられる。このような緩衝剤は、1時間当たり0.1mmol/kg体重の用量で投与してもよく、最大用量として1時間当たり3mmol/kg体重の用量で投与してもよい。この緩衝剤濃度には、緩衝作用に関与するすべてのイオンが含まれる。リン酸塩緩衝溶液については、すべてのリン酸イオン(PO 3−、HPO 2−、HPO 、およびHPO)が緩衝剤濃度の計算に含まれる。
本発明の保護液の高い浸透圧に主として寄与する成分の1つは、アルブミンであり、ヒト血清アルブミンの使用が好ましい。本発明の保護液に加えるアルブミンの量は、溶液の重量に対して1〜20重量%、好ましくは2〜15重量%、より好ましくは5〜10重量%である。アルブミンは通常、高濃度アルブミン溶液として市販されており、例えば20%ヒトアルブミン溶液などがある。このような高濃度アルブミン溶液を本発明の保護液を調製するために使用する。他のものに由来するアルブミンを使用することもできるが、大量に入手可能であることから、ヒト血清アルブミンを使用することが好ましい。本発明において使用するヒト血清アルブミンは、ヒトへの利用のために特別に調製されたものでなくてはならない。これは、ヒト血清アルブミンが汚染ウイルスや、他の望ましくない微量の有毒成分を含まないことを意味する。
別の一実施形態において、本発明の保護液はさらなる糖アルコールを含む。糖アルコールはとしては、マンニトールが好ましい。しかしながら、エリトリトールを使用することも可能である。
本発明の保護液は、マグネシウムイオンの含有量が多いことを必須の態様とする。マグネシウム濃度は、0.1〜15mmol/L、好ましくは1.0〜8.0mmol/L、より好ましくは1.5〜4.5mmol/Lである。
本発明の保護液の別の一態様は、保護液中にカルシウムイオンが実質的に含まれていてはならないことである。血管中に含まれているカルシウムを除去するために、本発明の保護液はキレート剤を含む。キレート剤としては、クエン酸塩が好ましい。クエン酸塩は、0.1〜20mmol/Lで含まれていてもよく、1.0〜5.0mmol/Lで含まれていることが好ましい。特に好ましい一実施形態においては、クエン酸マグネシウムを用いて本発明の保護液を調製することによって、高いマグネシウム濃度を達成するとともに、保護液の効果を妨害する可能性のある対イオンを混入させることなくクエン酸塩アニオンを保護液に導入することができる。
別の好ましい一実施形態において、本発明の保護液は、大量のヘパリンを含む。ヘパリンの濃度は、好ましくは保護液1リットル当たり5,000〜50,000IU、より好ましくは保護液1リットル当たり15,000〜40,000IU、特に好ましくは保護液1リットル当たり20,000〜30,000IUである。
本発明の重要な一態様は、本明細書に開示される保護液の粘度である。本発明の保護液(プライミング液)を使用する蘇生方法では、保護液および保護液と患者血液との混合液は、患者の体全体に運ばれるとともに使用する機械を通過できるように送り出されなければならない。したがって、保護液の粘度は必須要件である。混合溶液の粘度は、正確に表すことが困難である。また、粘度は、保護液の温度に依存する。本明細書に記載される保護液の粘度は37℃において3mPa・s未満、32℃において5mPa・s未満であることが必須である。保護液がヒト血液と混合した場合、保護液の粘度は、37℃において4mPa・s未満、32℃において6mPa・s未満でなければならない。粘度は、当業者に周知の方法によって測定される。非常に一般的な粘度測定方法の1つとして、ブルックフィールド粘度計が挙げられる。別の方法として、毛細管粘度計または回転粘度計で粘度を測定してもよい。血漿の測定については、この測定に特化した毛細管粘度計(hardness viscometer)が推奨されている。他の方法としては、例えばHaidekker et al., Am J Physiol Heart Circ Physiol, 2002, H1609-H1614に記載されている方法が挙げられる。
本発明に開示される保護液は、心肺蘇生後に起こりうる脳の再灌流障害を予防または軽減するために使用することが好ましい。「心肺蘇生」という用語は、院内で(例えば心臓手術などの際に)実施される心肺蘇生や、日常生活または院外において(例えば心筋梗塞または特発性心室細動の発症後などに)自発的に実施される心肺蘇生を含む。
特に好ましい一実施形態において、脳の再灌流障害を軽減するための本発明の保護液は、国際公開第2011/04011号に詳細に記載されている装置において使用される。
本発明の保護液は、リドカイン0.05〜1.0g/L、糖アルコール(好ましくはマンニトール)1.0〜50g/L、マグネシウム1.0〜15mmol/L、ヘパリン5,000〜50,000IU/L、およびクエン酸イオン20〜100mmol/Lを含むことが好ましい。
前記保護液は、心肺蘇生後における脳の再灌流障害を予防または軽減するために使用することが好ましい。
別の好ましい一実施形態において、本発明の保護液は、0.1〜25.0mmol/Lのカリウムを含む溶液を併用して、心肺蘇生後における脳の再灌流障害を予防または軽減するために使用される。いくつかの実施形態において、前記溶液は、8mmol/Lを超える濃度のカリウムを含むことが好ましい。このような実施形態において、カリウム濃度は、8〜25mmol/Lである。カリウムが高濃度で含まれることによって、心除細動を回避できたり、心除細動の実施回数を減らすことができるという効果が得られる。前記溶液がカリウムを含むことによって、電気的かつ連続的な心筋活動がほぼゼロになる。これにより、心室細動による基質およびエネルギーの消費をなくすことができるという利点が得られる。すなわち、これは、基質が補充されれば、心拍動が良好に再開されるということを意味する。さらに、除細動を行った際に挿入されているカニューレが外れてしまうというリスクを低減することができる。
さらなる一実施形態において、本発明の保護液は、治療を受ける患者の体重1kg当たり0.05〜0.5μgのノルエピネフリンを含んでいてもよい。保護液は事前に調製されているため、保護液中のノルエピネフリンの最終濃度は、保護液1リットル当たり約1〜100mgであってもよい。
シクロスポリンは、ミトコンドリア膜透過性遷移孔の開口を抑制し、虚血性心筋細胞のミトコンドリア内膜を安定化させる。したがって、シクロスポリンAは、本発明の保護液の構成成分として好ましい。さらなる一実施形態において、本発明の保護液は、治療を受ける患者の体重1kg当たり1.0〜17.5mgのシクロスポリンAを含んでいてもよい。患者の体重1kg当たり2.5〜15.0がより好ましく、患者の体重1kg当たり4.0〜12.0のシクロスポリンAが含まれていることが特に好ましい。したがって、本発明の保護液は、1リットル当たり50〜1,300mgのシクロスポリンを含んでもよく、好ましくは1リットル当たり250〜850mgのシクロスポリンを含む。
特に好ましいプライミング液は、以下の成分を用いて調製される。
20%ヒトアルブミン 500mL
20%マンニトール 250mL
3.13%クエン酸ナトリウム 250mL
2%キシロカイン 25mL
10%マグネシウム 20mL
ヘパリン 15,000IE
実験室における分析により、以下の化学組成を有するプライミング液が特に好ましいことがわかった。
Figure 2016523876
通常、望ましくない不純物して溶液中に混入するカルシウムの含有量は、できるだけ少なくすることが望ましいが、最終的に得られるプライミング液にはある程度のカルシウムが含まれていてもよい。ヒトアルブミンは血液から得られるため、微量のカルシウムが不純物としてプライミング液に混入することもある。しかしながら、カルシウムの含有量は0.5mmol/L未満でなければならない。
このプライミング液は、例えば国際公開第2011/045011号に記載されている装置に患者をつなぐ前に、体外循環路を湿潤させ、フラッシングし、脱気するために使用される。該装置に患者をつなぎ、血液ポンプを作動させると、前記プライミング液は患者に戻される血液と混合され、動脈ラインを介して患者に再注入される。患者に戻される血液の分析結果に応じて、再注入される血液に一部変更が加えられる。このような変更の一部として、本発明者らのECLSの一部である投与システムにより投薬してもよい。この投与システムはメインラインを含み、このメインラインからプライミング液または他の静脈晶質液もしくは静脈膠質液が連続的にフラッシングされる。患者の個別の要件に応じて、別個のサイドラインを介して複数種の薬物を前記メインラインに加えてもよい。したがって、投与システムのメインラインの終端において可変的な医薬組成物が提供されると言える。
実施例1
動物モデルを用いて本発明の保護液を試験した。実験を行うために、Trummer et al., Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery (2010), p.1325 ffにおいて詳細に説明されているブタモデルを使用し、実験はこの文献に全面的に従った。実験では、プロポフォールを用いて体重約55kgのブタを麻酔した。麻酔および筋麻酔はフェンタニルを用いて維持した。2箇所を切開して、静脈を露出させた。実験中、全身血圧を監視しながら、心室細動を起こすことによって心停止を誘導し、心停止状態を20分間維持した。心停止が起こってから20分後、様々なプライミング液を使用して蘇生法を開始した。処置を行った後、動物モデルを7日間監視した。その後、安楽死を施した。その後直ちに脳を取り出し、組織学的検査のためホルマリン溶液に保存した。
前記実験動物の神経学的状態について、麻酔前および心肺蘇生後24時間ごとに評価を行った。この実験における神経学的検査は、以下に示す5つの項目について行った。
A.中枢神経機能(0〜100ポイント):瞳孔の大きさ(0〜10ポイント);眼球位置(0〜10ポイント);対光反射、眼瞼反射、および角膜反射(各0〜10ポイント);毛様体脊髄反射および眼球頭反射(各0〜10ポイント);聴覚反射および咽頭反射(各0〜10ポイント);気管分岐部反射(0〜10ポイント)
B.呼吸(0〜100ポイント):正常呼吸(0ポイント)、呼吸亢進(25ポイント)、異常呼吸(50ポイント)、無呼吸(100ポイント)
C.運動感覚機能(0〜100ポイント):伸張反射(0〜25ポイント)、痛みに対する運動反応(0〜25ポイント)、姿勢保持(0〜25ポイント)、筋緊張(0〜25ポイント)
E.意識レベル(0〜100ポイント):正常(0ポイント)、意識混濁(30ポイント)、せん妄(45ポイント)、昏迷(60ポイント)、昏睡(100ポイント)
F.行動(0〜100ポイント):水を飲む、咀嚼する、座る、立つ(各0〜15ポイント);歩行(0〜40ポイント)
総合スコアは、すべての細項目の合計である(0ポイント:正常、500ポイント:脳死)。括弧内の数値は、各パラメーターのスコアを示す。
ブタモデルを4つのグループに分け、1つを対照群とし、3つを実験群として使用した。
対照群には、プライミング液としてリンガー液を使用した。前記動物モデルは、Trummerら(Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery, 2010, pp 1325-1332)の記載に従って処置を行った。対照群における心停止から心肺蘇生法を開始するまでの時間は15分間とした。
本明細書に開示される保護液を使用することによって心停止から蘇生法を開始するまでの時間を延長できることを実証するために、実験群1〜3における心停止から蘇生法開始までの時間を20分間とした。非常に優れた施設であっても蘇生処置を開始できるまでにこれよりも長い時間が必要とされることが多いため、この5分の差は非常に重要である。
本発明による保護液として、試験液1、2、および3の3つの試験液を使用した。
試験液1のオスモル濃度は、440mOsm/Lであった。試験液1はマンニトールに加え、リドカインおよびヒトアルブミンを含んでいた。前記動物モデルの体温を32℃で30分間維持できるように低温処置を行った。
試験液2のオスモル濃度は、550mOsm/Lであった。試験液2は、ヒトアルブミン、マンニトール、リドカイン、高濃度のマグネシウム、および高濃度のクエン酸ナトリウムを含んでいた。前記動物モデルの体温を32℃で30分間維持できるように低温処置を行った。
試験液3のオスモル濃度は、550mOsm/Lであった。試験液3は、ヒトアルブミン、マンニトール、リドカイン、高濃度のマグネシウム、および高濃度のクエン酸ナトリウムを含んでいた。また、ナトリウム濃度は低くした。前記動物モデルは常温で処置を行った。この群において、体温の調節は行わなかった。このブタモデルの体温は約36℃に保たれていた。
実験結果を以下の表に示す。
Figure 2016523876
これらの実験から以下のことが明確に示された。すなわち、本明細書に記載の保護液により、
a)前記動物モデルの死亡率、および
b)脳の損傷が大幅に低減された。さらに、心停止から心肺蘇生法開始までに非常に長い時間(20分)が経過した後でも、前記動物モデルを回復させることができた。神経学的回復は、上述のスコアリングシステム(NDS)を用いて数値化した。「良好な回復」とは、動物モデルが意識清明であり、立ち上がり、歩行、摂食および飲水が可能であることを指す。
比較例から、本明細書に記載の試験液を使用することによって、心停止から蘇生法が開始されるまでの時間を延長することができることが明らかとなった。試験液を用いた群とは大きく異なり、対照群の15分後における神経学的損傷スコアの結果は低かった。しかしながら、重要な相違点は、15分間と20分間との時間の差である。また、この実験から、低温処置によりさらに結果が向上することがわかる。
いくつかの事例では、対照液を使用することによっても脳損傷を回避することが可能であった。蘇生開始までの時間が長くても実験動物モデルは重度の神経障害を負わなかったことから、本発明の保護液は優れた効果を示し、心臓性ショック、重度の循環障害、または心肺蘇生法によって起こる脳の損傷を回避するためにヒトに使用することができると考えられる。

Claims (11)

  1. 脳の再灌流障害を予防または軽減するための保護液であって、マグネシウムイオンを含み、オスモル濃度が350〜600mOsm/Lであり、pH値が7.5〜7.8であり、1〜20重量%のアルブミンを含むことを特徴とする保護液。
  2. 前記アルブミンがヒト血清アルブミンであることを特徴とする、請求項1に記載の保護液。
  3. 0.05〜1.0g/Lのリドカインを含む、請求項1または2に記載の保護液。
  4. 1.0〜50g/Lの糖アルコールを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の保護液。
  5. 前記糖アルコールがマンニトールであることを特徴とする、請求項4に記載の保護液。
  6. 前記マグネシウムが0.1〜15mmol/Lの濃度で含まれることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の保護液。
  7. 10,000〜50,000IU/Lのヘパリンを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の保護液。
  8. 20〜100mmol/Lのクエン酸イオンを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の保護液。
  9. 50〜1,300mg/Lのシクロスポリンを含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の保護液。
  10. 心肺蘇生後における脳の再灌流障害の予防または軽減に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の保護液。
  11. 心肺蘇生後における脳の再灌流障害の予防または軽減に使用するための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の保護液であって、0.1〜25.0mmol/Lのカリウムを含む溶液と併用することを特徴とする保護液。
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