JP2016523812A - タンパク質のピログルタミン酸形成を増加させるための方法 - Google Patents

タンパク質のピログルタミン酸形成を増加させるための方法 Download PDF

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Abstract

タンパク質のピログルタミン酸形成を増加させるための方法。精製プロセス中のタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換のための方法。【選択図】なし

Description

本発明は、精製プロセス中のタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換のための方法に関する。その上、本発明はN末端ピログルタミン酸を含むタンパク質の精製のための方法にも関する。本発明の方法は、N末端ピログルタミン酸を有するタンパク質を調製するため、特に医薬製品のための医薬品有効成分(API)を調製するための、製造プロセスに含まれ得る。
組換え治療用タンパク質の大部分は、一又は複数の翻訳後修飾を表示する。これらの修飾は、そのリボソーム合成の間又は(より一般的には)合成が完了した後に生じ得る。今まで多くの翻訳後修飾の特徴が明らかにされてきており、これらの修飾は影響を受けるタンパク質のいくつかの構造的特徴又は機能的役割を与え得る。治療用タンパク質に関連する一般的な翻訳後修飾は、カルボキシル化及びヒドロキシル化、アミド化及び硫酸化、ジスルフィド結合形成及びタンパク質分解処理、並びにグリコシル化、異性化、酸化、N末端グルタミン又はグルタミン酸のピログルタミン酸への環化、断片化、及び凝集を含む。したがって、翻訳後修飾はタンパク質の酵素的修飾又は非酵素的変換のいずれかにより引き起こされ得、翻訳後修飾は、細胞培養中、又はタンパク質の精製若しくは保管中に発現宿主内で生じ得る。
組換えモノクローナル抗体は、バイオテクノロジー産業にとって大きな価値となっており、数多くの抗体が様々な疾患を治療するために承認されてきた。抗体は一般的にCHO細胞等の哺乳動物細胞で産生されるため、多くの異なる翻訳後修飾を有し得、生成物に不均一性をもたらす。不均一性は、抗体の表面電荷における変化により、荷電残基の数の変化のように直接的に、あるいは、グリコシル化、重鎖のC末端リジンのカルボキシペプチダーゼクリッピング又はN末端グルタミン若しくはグルタミン酸残基のピログルタミン酸への環化等の表面電荷分布を変更する化学的又は物理的変成のように間接的に引き起こされ得る。
抗体は典型的には基本的な構造ユニットで作製されており、それぞれはジスルフィド架橋及び非共有結合的相互作用を介して接合される二の大きな重鎖及び二の小さな軽鎖を有する。抗体重鎖にはいくつかの異なる型があり、それらが持つ重鎖に基づく異なるアイソタイプに分類される抗体にはいくつかの異なる種類がある。例えば、重鎖定常領域に関する遺伝子に応じて、ヒトIgG(1から4)の4つのアイソタイプがある。軽鎖定常ドメインは、二つの遺伝子(κ又はλ)によりコードされる。結果として、各IgGアイソタイプは、κ又はλ、例えばIgG1κのいずれかであり得る。細胞株の異なる型において産生される抗体にはいくつかの型があるが、臨床的に最も重要な抗体はIgG1又はIgG2タイプの完全長抗体である。
多くのヒトIgG1又はIgG2型抗体は、軽鎖若しくは重鎖のいずれか又は両方のN末端でグルタミン酸(Glu)及び/又はグルタミン(Gln)残基を含む。軽鎖遺伝子の重要な部分は、グルタミン酸又はグルタミンのいずれかをコードする。そのようなN末端グルタミン酸及び/又はグルタミン残基は、環化を受けて図1に示されるようにピログルタミン酸塩(pGlu)を形成することがある。したがって、ピログルタミン酸塩形成は、事実上全ての臨床的に重要な抗体において生じ、プロセスの完全性の異なるレベルは不均一性の共通ソースである。この不均一性は治療抗体において望ましくなく、これらの変更は荷電群の数を変更することにより直接的に、又は構造変成を誘導することにより間接的に、抗体の表面電荷特性を変えることができる。そのような修飾は生物活性を減少させ、薬物動態及び抗原性を変える潜在力を有する。
グルタミンの環化中、N末端第一級アミン(中性pHでプラスに帯電)は中性アミドに変換され、抗体の正味電荷の変更をもたらす。反応は、アンモニアの損失(17Da)に付随して生じる。結果として、環化の欠如は、主ピークが完全に環化した種の典型であるため、陽イオン交換クロマトグラフィーにより基本変異体として、又はN末端アミンの損失後の疎水性の増加に起因する逆相HPLCによる遅延溶出ピークとして検出され得る。
グルタミン酸の環化は側鎖のカルボキシル基及びN末端アミンを介して生じ、それ故、中性アミド及び放出水を形成する(18Da)。一酸性基及び一塩基性基は反応中に凝結するため正味電荷は同一のままであるが、二の荷電残基の損失は分子の疎水性を増加させ、逆相HPLCによる検出を可能にする。
抗体におけるピログルタミン酸形成の機序は、完全には理解されていない。環化は自発的に生じ得るか又は酵素グルタミニルシクラーゼにより補助され得る。抗体産生に最も一般的に使用されるグルタミニルシクラーゼがCHO細胞株で活性であるかについては明らかになっていないが、自発環化の割合は、その反応が非酵素的である可能性が高いことを示す。
例えば、Yu et al. (Journal of Pharmaceutical and Biomedical Analysis 2006; 42:455‐463)は、モノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の両方のN末端でのグルタミン酸(Glu又はE)からの非酵素的ピログルタミン酸塩形成を3ヵ月の期間研究した。Yu et al.は、mAbsのpGluへのGluのこの非酵素的環化は、プロセス開発中のpH及び温度条件に応じて、mAb産生及び保管において発生する主要な分解経路のうちの一つであり得ると述べている。そのようなピロGluが更なる修飾を誘導し、mAb生物活性又は治療効力を変え得るかどうかは明らかではないと彼らは結論付け、N末端GluでのmAb治療の質を保証することは重大であり得るため、N末端pGlu形成を密にモニターすることを提案した。
Chelius et al. (Anal. Chem. 2006, 78, 2370‐2376)もまた、いくつかのモノクローナル抗体の軽鎖及び重鎖の両方のN末端でのグルタミン酸からの非酵素的ピログルタメート形成を研究し、この非酵素的反応は非常によく生じること並びに37℃及び45℃での数週間のインキュベーション後に検出され得ることを発見した。この反応の割合は、異なるpH値を有するいくつかの水性バッファー中で測定され、pH6.2でピログルタミン酸の最小の形成を示し、pH4及びpH8でピログルタミン酸の形成の増加を示した。
グルタミン(Gln又はQ)のピログルタメートへの変換を考慮して、Dick et al. (Biotechnology and Bioengineering, Vol. 97, No. 3, June 15, 2007)は、組換えモノクローナル抗体のN末端グルタミンのそのような環化は自発的に生じることを示し、多くの最終容器モノクローナル抗体で観察される完成が近い変換はバイオリアクターインキュベーションとバイオリアクター中で生じる大部分の修飾を含む精製条件との組合せにより生じる可能性が最も高いことを結論付けた。この研究は、多くの組換え抗体で一般に観察されるピロQ変異体は精製プロセスからの僅かな貢献のみを有するバイオリアクター内で生じ、高温及び溶媒組成により促進されることを証明する。特に、より高い変換は37℃で、75mMのNaClを含む35mMのリン酸バッファー(pH6.2)中にみられる。
したがって、N末端グルタミン又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への環化等の翻訳後修飾は、産生及び精製条件のわずかな変化により、バッチ間で異なり得る、発現したタンパク質の不均一性をもたらす。したがって、バイオシミラータンパク質を産生するための一又は複数の難題は、革新的な生成物の不均一性に合致させることである。故に、薬学的タンパク質、例えば抗体を厳密な精製要件を満たすために、分析支援を有するよりロバストで再現性のよい産業的な大規模精製プロセスが必要とされる。
本発明の第一の態様は、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基の環化を促進させる条件下でタンパク質をインキュベートする工程を含む、精製プロセス中のタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換のための方法に関する。
本発明の第二の態様は、前記タンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のN末端ピログルタミン酸への変換の工程を含む、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を含むタンパク質の精製のための方法に関する。そのような変換は、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基の環化を促進する条件下でなされる。
本発明の第三の態様は、第一又は第二の態様並びにそれらの実施態様のうちのいずれか一つの精製方法を含む、医薬製品のためのAPIとしてN末端ピログルタミン酸を有するタンパク質を調製する方法に関する。
本発明の目的は、所望の製品不均一性を低減する又は獲得するために、増加したか又は制御されたN末端ピログルタミン酸レベルを有するタンパク質を調製する代替的なプロセスを提供することである。
発明者は、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を有するタンパク質、特にモノクローナル抗体の精製工程中、ピログルタミン酸にN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のインキュベーション/変換の工程を導入することにより、不均一性のレベルを所望のレベルになるよう操作することができることを発見した。
本発明の更なる目的は、本明細書、図面及び請求項を読むことにより明らかとなるであろう。
定義
本明細書で使用される用語「同一性」とは、二のアミノ酸配列間又は二のヌクレオチド配列間の関連性を指し、パラメーター「配列同一性」により表される。本発明の目的上、二のアミノ酸配列間の配列同一性の程度は、EMBOSSパッケージのNeedleプログラム(EMBOSS: The European Molecular Biology Open Software Suite, Rice et al., 2000, Trends Genet. 16: 276‐277)、好ましくはバージョン3.0.0以降で実行されるように、Needleman−Wunschアルゴリズム(Needleman and Wunsch, 1970, J. Mol. Biol. 48: 443‐453)を使用して決定される。使用される任意選択的なパラメーターは、10のギャップ開始ペナルティ、0.5のギャップ伸長ペナルティ、及びEBLOSUM62(BLOSUM62のEMBOSSバージョン)置換行列である。「最長同一性」として標識されたNeedle出力(−nobriefオプションを使用して得られる)は、同一性のパーセントとして使用され、次のように計算される:(同定残基x100)/(アライメント長−アライメント中の全ギャップ数)。
本明細書で使用される用語「N末端(N−terminal)」、「N末端(N−terminus)」又は「アミノ末端」とは、タンパク質又はポリペプチドの末端部分における遊離アミノ基(−NH)を指す。タンパク質又はポリペプチド配列を記す通常の方法は、左にN末端を置きNからC末端へ配列を記すことである。タンパク質又はポリペプチドがメッセンジャーRNAから翻訳される場合、N末端からC末端へ作り出される。
本明細書で使用される用語「グルタミン」、「2−アミノ−4−カルバモイルブタン酸」、「Gln」又は「Q」は、標準的な遺伝子コードによりコードされる20アミノ酸の一つである。その側鎖は、グルタミン酸の側鎖カルボキシルをアミド官能基で置き換えることにより形成されるアミドである。したがって、それはグルタミン酸のアミドと考えられ得る。
本明細書で使用される用語「グルタミン酸」、「2−アミノペンタン二酸」、「Gln」又は「E」は、標準的な遺伝子コードによりコードされる20アミノ酸の一つである。側鎖カルボン酸官能基は、生理的pHでそのマイナスに帯電した脱プロトン化カルボキシレート体中に存在する。
本明細書で使用される用語「ポリペプチド」とは、ペプチド結合により連結されたアミノ酸モノマーの単一直鎖を指す。ポリペプチドに含まれているアミノ酸は「残基」と称され;全てのポリペプチドはポリペプチドのそれぞれの端部で一のN末端及び一のC末端残基を有する。本明細書で使用されるポリペプチドは、約20を超える連続アミノ酸を含むより長いペプチドである。
本明細書で使用される用語「タンパク質」とは、典型的には球状又は繊維状に折られた一又は複数のポリペプチドからなる生化学化合物を指し、生物学的機能を促進する。タンパク質はペプチド結合以外の結合により連結されてもよく、例えばタンパク質を作り出すそのようなポリペプチドはジスルフィド結合により連結されてもよい。本明細書で使用される用語「タンパク質」は、約20を超える連続アミノ酸残基である抗体、タンパク質及び抗体の断片、タンパク質及び抗体の切断型等を包含することが意図される。その上、本明細書で使用されるタンパク質は、天然に存在するポリペプチド及び組換え産生されたポリペプチドを包含することが意図される。
本明細書で使用される用語「ピログルタミン酸」、「5−オキソプロリン」、「ピドル酸」、又は「ピログルタメート」は、グルタミン酸又はグルタミンの遊離アミノ基がラクタムを形成するために環化する稀なアミノ酸誘導体を指す。多くのタンパク質(例えばバクテリオロドプシン、フィブリン、フィブリノゲン)において、神経ペプチド及びホルモン(例えばニューロテシン、ガストリン、アペリン及びオレキシンA)並びに抗体(例えばインフリキシマブ、セツキシマブ、リツキシマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、パニツムマブ、アダリムマブ、ラニビズマブ)が発見されている。N末端グルタミン及びグルタミン酸残基は、自発的に環化してピログルタメートとなり得る。これはブロックされたN末端のいくつかの形態のうちのひとつであり、ピログルタミン酸には存在しない遊離第一級アミノ基を要するエドマン科学を使用したN末端配列の問題を提示する。エンザイムピログルタメートアミノペプチダーゼは、ピログルタメート残基を切断することにより遊離N末端を修復し得る。
本明細書で使用される「精製プロセス」とは、タンパク質を複合混合物から単離することを意図された一のプロセス又は一連のプロセスを指す。タンパク質は、一又は複数のアイソフォームで構成されていてもよく、即ち不均一性を呈する。用語「精製プロセス」とは、タンパク質及び抗体精製を包含するがこれに限定されない。出発物質は典型的には細胞培養物(例えば哺乳動物細胞培養物、酵母培養物又は微生物培養物)であり、精製プロセス中の様々な工程が、それを限定し、混合物のタンパク質及び非タンパク質部分を分離し、最終的に全ての他のタンパク質から所望のタンパク質を分離するマトリックスからタンパク質を放出し得る。タンパク質が抗体である場合、典型的な分離はプロテインAアフィニティークロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水性相互作用及び/又はヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーを含む。
本明細書で使用される用語「抗体」とは、ジスルフィド結合により相互連結された二本の重(H)鎖及び二本の軽(L)鎖の四本のタンパク質鎖を含む免疫グロブリン分子を指す。各重鎖は重鎖可変領域(本明細書ではHCVR又はVHと略される)及び重鎖定常領域(CH)に含まれる。重鎖定常領域は三つのドメイン、CH1、CH2及びCH3に含まれる。各軽鎖は軽鎖可変領域及び軽鎖定常領域に含まれる。軽鎖定常領域は一つのドメイン、CLに含まれる。VH及びVL領域は、フレームワーク領域(FR)と称されるより保全された領域で空間を満たす相補性決定領域(CDR)と称される超可変領域に更に細分化され得る。各VH及びVLは、次の順序:FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、FR4でアミノ末端からカルボキシ末端に配置される三つのCDR及び四つのFRからなる。抗体は、例えばポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、Fab及びその単一鎖Fv(scFv)断片、二重特異性抗体、ヘテロコンジュゲート、ヒト及びヒト化抗体を含む。そのような抗体は、ハイブリドーマ培養物、細菌又は哺乳動物細胞培養物中の組換え発現、及び遺伝子組換え動物中の組換え発現を含む様々な方法で産生され得る。また抗体は、線状ファージ、細菌、酵母又はリボソーム等のディスプレイ系で発現する配列のライブラリーから配列を選択することにより産生され得る。例えばChadd and Chamow, Curr. Opin. Biotechnol., 12:188‐194 (2001)の特定の酸性方法を選択するための文献に十分な手引が存在する。製造方法の選択は、所望の抗体構造、抗体の炭化水素部分の重要性、培養及び精製の容易さ並びに費用を含むいくつかの要因に基づく。多くの異なる抗体構造は、完全長抗体、抗体断片、例えばFab及びFv断片、並びに異なる種からの成分を含むキメラ抗体を含む標準的な発現技術を使用して生成され得る。
本明細書で使用される用語「医薬製品」とは、哺乳動物、例えばヒト対象への投与に適した医薬品有効成分(API)を含む投与形態を意味し、その投与形態は好適な担体及び/又は賦形剤を含んでもよく、臨床治験において使用されているか又は国、地域又は国際機関により販売が承認されている。本発明の方法のいずれか一つにより調製されるタンパク質、例えばタンパク質又は抗体を含む医薬製品は、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, edited by E. W. Martin, Mack Publishing Company, 19th edition, Easton, Pa.に記載されるような従来の技術により調製されてもよい。医薬製品は、例えばカプセル、錠剤、凍結乾燥されたケーキ若しくは粉末、エアロゾル、溶液、懸濁液又は局所適用、特に注射、例えば皮下若しくは静脈内注射の従来の形態で見られる。医薬製品は様々な薬学的に許容される製剤中に見られ、一又は複数の生理的に許容される担体と組み合わされてもよい。用いられる薬学的担体又は希釈剤は、慣習的な固体又は液体の担体又は希釈剤であってもよい。固体担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、アガー、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ、ピーナッツオイル、オリーブオイル、リン脂質、ステロール、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレン、等張緩衝液、水及び無菌生理食塩水である。
N末端グルタミン及びN末端グルタミン酸の環化中のピログルタミン酸形成の機序の配置図である。 二つの市販のリツキシマブバッチ参照ロットM86188及び参照ロットB6109B01、並びに本明細書中で産生されるD83 BSR4リツキシマブ調製物の陽イオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC)プロファイルを示す。ピーク前、主ピーク及びピーク後はクロマトグラムプロファイル中で示される。主ピークは、二つのC末端リジン残基を欠き、ピログルタメートに変換された4つ全てのグルタミン残基を有するリツキシマブ分子からなるように見られる。本明細書中で産生されるD83 BSR4リツキシマブ調製物と比較した場合の、市販のリツキシマブ抗体調製物のピーク後の出現の有意差は、主にN末端グルタミン残基の不完全な環化により引き起こされるとみられる。 AEX(陰イオン交換)及びCEX(陽イオン交換)における全ピーク範囲間の相関並びに異なる温度でのインキュベーションの時間を示す四つのグラフである。上のグラフは常温又は室温のインキュベーションに相当し、下のグラフは37℃のインキュベーションに相当する。FTはクロマトグラフィーのフロースルーに相当する。 リン酸ナトリウムを35mMに追加し、pH6.25に滴定した溶液中常温(4−1)、37℃(4−2)及び45℃(4−3)での低タンパク質濃度(1.85mg/mL;左パネル)、中タンパク質濃度(3.7mg/mL;中間パネル)及び高タンパク質濃度(9.25mg/mL;右パネル)のリツキシマブピーク後アイソフォームの主ピークアイソフォームへの変換の動態を示す。 リツキシマブのピーク後アイソフォームの主ピークアイソフォームへの変換動態上のpH5.8及び6.2での異なるホスフェート濃度(30、60及び90mM)、塩化ナトリウム濃度(50及び25mM)の効果を示す。
発明者は、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を有するタンパク質の精製工程中、ピログルタミン酸にN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のインキュベーション/変換の工程を導入することにより、不均一性のレベルが所望のレベルへ減少され、同時に所望のタンパク質の算出を増加するよう操作され得ることを発見した。
タンパク質のN末端グルタミン及びグルタミン酸は図1に示されるようなピログルタメートを形成する環化を受けることができる。グルタミンの環化中、N末端第一級アミン(中性pHでプラスに帯電)は中性アミドに変換され、タンパク質の正味電荷の変更をもたらす。反応はアンモニア(17Da)の損失に付随して生じ、結果として、環化の欠如は、主ピークが完全に環化した種の典型であるため、陽イオン交換クロマトグラフィーにより基本変異体として、又はN末端アミンの損失後の疎水性の増加に起因する逆相HPLCによる遅延溶出ピークとして検出され得る。
グルタミン酸の環化は側鎖のカルボキシル基及びN末端アミンを介して生じ、中性アミド及び放出水を形成する(18Da)。一酸性基及び一塩基性基は反応中に凝結するため正味電荷は同一のままであるが、二の荷電残基の損失は分子の疎水性を増加させ、逆相HPLCによる検出を可能にする。
多くのヒト抗体はそのN末端にグルタミン酸及び/又はグルタミン残基を含むため、ピログルタメート形成は多くの臨床的に重要な抗体の調製中に生じることがあり、しばしば発現した抗体の不均一性をもたらし、これは産生及び精製条件のわずかな変化によりバッチ間で異なり得る。これは産業規模等の大規模でのタンパク質の精製における重要な問題であるため、ポリペプチドを含むタンパク質に同じことが当てはまる。
第一の態様において、本発明は、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基の環化を促進させる条件下でタンパク質をインキュベートする工程を含む、精製プロセス中のタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換のための方法に関する。
第二の態様において、本発明は、前記タンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のN末端ピログルタミン酸への変換の工程を含む、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を含むタンパク質の精製のための方法に関する。そのような変換は、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基の環化を促進する条件下でなされる。
本明細書で使用される生成プロセスは、当該技術分野で知られる方法に従って実施され得、特定のタンパク質により様々である。タンパク質精製スキームは、精製されるタンパク質と望ましくないタンパク質夾雑物との間の大きさ、電荷及び溶解度の分子特性における差異を前提としている。これらのパラメーターに基づくプロトコールは、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、示差沈殿等を含む。
抗体を精製するためのプロセスは、一般的に捕獲のためのアフィニティークロマトグラフィー、典型的にはプロテインAアフィニティークロマトグラフィーである。プロテインAアフィニティークロマトグラフィーとは、プロテインAを使用した物質及び/又は粒子の分離又は精製を指し、プロテインAは一般的に固体相上に固定化されている。プロテインAアフィニティークロマトグラフィープロセスの後には、典型的にはイオン交換及び/又は疎水性相互作用及び/又は混合モードクロマトグラフィー工程が続く。そのようなプロセスは、一般的に二つのウイルス減少工程、典型的にはアフィニティ工程からの溶出における低pHによる減少及びプロセスの好適な位置でのウイルスフィルターの実行を含む。抗体精製プロセス中に除去された不純物は、半抗体、抗体断片、ダイマー、及び凝集体、DNA、ウイルス、HCP(宿主細胞タンパク質)、プロテインA漏出、エンドトキシン並びにその他関連する不純物を含む。
本発明の一実施態様において、タンパク質は酵素、ホルモン又は抗体から選択される。タンパク質の好適な例は、バクテリオロドプシン、フィブリノゲン、コラーゲン、キニン、ニューロテンシン、ガストリン、アペリン及びオレキシンA抗体又は抗体断片を含む、一又は複数のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を含む任意のタンパク質を含む。抗体の例は、限定するものではないが、トラスツズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ダクリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、オファツムバブ、ベルツズマブ又はオクレリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、イビリツモマブ、チウキセタン、アビシキシマブ、エクリズマブ、アレムツズマブ、オゾガマイシン、エファリズマブ、パリビズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ及びトシリズマブを含む。
本発明の更なる実施態様において、抗体は、配列番号3の軽鎖配列及び配列番号4の重鎖配列を有するトラスツズマブ並びに配列番号5の軽鎖配列及び配列番号6の重鎖配列を有するベバシズマブである。
本発明の更なる実施態様において、抗体は抗CD20モノクローナル抗体である。抗CD20抗体の好適な例は、リツキシマブ、オファツムマブ、ベルツズマブ又はオクレリズマブである。
本発明の好ましい実施態様において、抗体はリツキシマブと同一配列、例えばリツキシマブである。
更なる実施態様において、タンパク質は、それぞれ配列番号1及び配列番号2であるリツキシマブの軽鎖及び重鎖配列と同一配列を含む。
本発明の更なる実施態様において、タンパク質は、配列番号1に対して少なくとも90%の同一性、例えば95%、97%、98%、99%の同一性を、及び配列番号2に対して少なくとも90%の同一性、例えば95%、97%、98%、99%の同一性を有する配列を含む。
本発明の更なる実施態様において、タンパク質は、変換前に1から4のN末端グルタミン及び/又は1から4のN末端グルタミン酸残基を有する。したがって、タンパク質が単一鎖タンパク質である場合、一のN末端グルタミン残基又は一のN末端グルタミン酸残基を含んでもよい。しかしながら、タンパク質が一以上のサブユニットからなる場合、一のN末端グルタミン残基及び一のN末端グルタミン酸残基又は二のN末端グルタミン残基又は二のN末端グルタミン酸残基を含んでもよい。上で説明したように、抗体は、ジスルフィド結合により相互連結された四本のポリペプチド鎖(即ち、サブユニット)、二本の重(H)鎖及び二本の軽(L)鎖を含む。各重鎖配列は、一のN末端グルタミン残基又は一のN末端グルタミン酸残基のいずれかをコードしてもよい。同様に、各軽鎖配列は、一のN末端グルタミン残基又は一のN末端グルタミン酸残基のいずれかをコードしてもよい。
したがって、更なる実施態様において、タンパク質は、2のN末端グルタミン残基、4のN末端グルタミン残基、2のN末端グルタミン酸残基、4のN末端グルタミン酸残基、又は2のN末端グルタミン残基及び2のN末端グルタミン酸残基から選択される、本発明の方法に従って変換される2若しくは4のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を有する抗体である。
N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換は、自発的に生じ得るか又はグルタミニルシクラーゼ等の酵素により補助され得る。グルタミニルシクラーゼは、様々なペプチドホルモンン及びタンパク質に関するグルタミン及びグルタミン酸環化に関与しており、酵素活性は異なる組織において検出されている。高温で保管された精製抗体におけるグルタミン及びグルタミン酸の自発的環化もまた検出されている(Schilling et al., FEBS Lett., 2004, 563,191-196; Kumar and Bachhawat, Current Science, Vol. 102, No. 2, 25 January 2012)。
本発明の一実施態様において、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換は、非酵素的変換である。典型的には、非酵素的変換は高温で好適な期間で生じ、pHの変化は変換に寄与し得る。これらのパラメーターの二又は三の任意の組合せだけではなく、これらのパラメーターのいずれか一つも本発明の一実施態様と考えられる。
N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換に好適な温度は、20−50℃の範囲、例えば25−45℃、例えば35−40℃、例えば37℃である。N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換に好適な期間は、4から120時間、例えば12から96時間、例えば24から72時間、例えば8から48時間である。
N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換に好適なpH範囲は、3.5−9.0の範囲、例えば4.0−8.0、例えば4.5−7.5、例えば5.0−7.0、例えば5.8−6.5、例えばpH6.2である。
本発明の典型的な実施態様において、変換は20−50℃の温度で4から120時間、例えば30−45℃、例えば37−40℃の温度で12から72時間生じる。
N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への非酵素的変換は、数多くの異なる培地で生じ得る。タンパク質が溶液又は懸濁液に存在する好適な培地は、水、細胞培地、バッファー、例えばリン酸バッファー、トリス−HClバッファー又は炭酸アンモニウムバッファーから選択され得る。変換は精製プロセス中、タンパク質がクロマトグラフィー樹脂又は膜に結合している間に生じ得る。
典型的にはN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への非酵素的変換は、リン酸バッファー等の溶液中で生じ得る。本発明の更なる実施態様において、変換は細胞培地中で行われる。
本発明の更なる実施態様において、変換はリン酸バッファー又は炭酸アンモニウムバッファー等のバッファー中で行われる。
典型的には、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換は、採取され、部分的に精製された後に、50Lを超える細胞培地を保持し得る大規模産生バイオリアクター由来のタンパク質上で実施される。変換は典型的には、静止状態下又は中程度の撹拌を伴う10mlから10Lの容量で実施され得、本発明の一実施態様において、変換は少なくとも10mlの容量で行われる。
N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への非酵素的変換に特に好適な培地は、5から150mM、例えば10から125mM、例えば25から100mMのバッファー濃度を含む培地である。バッファーは、塩、例えばNaClを含んでもよく、5から150mMの範囲、例えば10から125mM、例えば25から100mM、例えば50から85mMの濃度を有する。
本発明の更なる実施態様において、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への非酵素的変換に関するバッファーの濃度は、20mMから150mMの範囲より選択される。本発明の典型的な実施態様において、バッファーの濃度は約90mMである。
特に好ましいバッファーは、pH3.5で75mMのNaClを含む35mMリン酸バッファー、pH6.2で75mMのNaClを含む35mMリン酸バッファー、pH7.0の100mMのトリス−HClバッファー、pH8.6の100mM炭酸アンモニウムバッファー、pH6.2の35mMリン酸バッファー、pH6.2で75mMのNaClを含む35mMリン酸バッファー、pH6.2で50mMのNaClを含む60mMリン酸バッファー、pH6.2で25mMのNaClを含む60mMのリン酸バッファー、pH6.2で25mMのNaClを含む90mMリン酸バッファー又はpH6.2で50mMのNaClを含む90mMのリン酸バッファーである。
N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換の割合は、選択されたバッファー、変換が生じる温度及び変換の進行が許可される期間に応じて変化し得る。当業者は、分解又は不要な翻訳後修飾を生じることなく最適な変換をもたらす条件を同定することに気付くであろう。多くの場合において、ピログルタミン酸に変換される可能な限り多くのN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸を得ることは利点となるであろう。
本発明の一実施態様において、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸のピログルタミン酸への変換は少なくとも50%に達し、即ちタンパク質中の少なくとも50%のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸がピログルタミン酸である。例えば、タンパク質組成中のピログルタミン酸残基の総数が50%以上である限り、二のN末端グルタミン残基を有するタンパク質又は抗体は、変換後、0、1、又は2のピログルタミン酸を有するタンパク質を含む不均一な組成物をもたらし得る。
本発明の更なる実施態様において、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸からのピログルタミン酸への変換は、少なくとも53%、例えば53%から68%に達する。
本発明の更なる実施態様において、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸からのピログルタミン酸への変換は、少なくとも68%、例えば少なくとも75%、例えば少なくとも80%、例えば少なくとも85%、例えば少なくとも90%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも99%に達する。
当業者は、ピログルタミン酸に変換されているN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸の量を同定し測定することを理解している。それにもかかわらず、ピログルタミン酸形成のレベルを測定するための好適な方法は、Lyubarskaya et al. 2006 (Analytical Biochemistry 348, 24-39)及びDick et al. 2007 (Biotechnology and Bioengineering, Vol. 97, No. 3, June 15, 2007)に記載されている。環化したN末端グルタミンの直接的決定もまた、エレクトロスプレーQ−TOF質量分析を使用して最近達成された(Gadgil et al., 2006 J. Am. Soc. Mass Spectrom. 17: 867‐872)。
上に記載されたように、抗体を精製するためのプロセスは一般的にアフィニティークロマトグラフィー、典型的には後にイオン交換クロマトグラフィー工程が続くプロテインAアフィニティークロマトグラフィーに基づいており、プロセスの好適な位置にウイルス減少工程を含む。
本発明の方法の更なる実施態様において、該方法は次の工程を更に含む:好適な樹脂でのプロテインA捕獲、陰イオン交換クロマトグラフィー及び陽イオン交換クロマトグラフィー工程の前に、好ましくは陽イオン交換クロマトグラフィー工程の直前に変換の工程が生じる、好適な樹脂での陽イオン交換クロマトグラフィー。
本発明の方法の更なる実施態様において、該方法は次の工程を含む:
(a)好適な樹脂でのプロテインA捕獲、
(b)低pHでのウイルス不活性化、
(c)陰イオン交換クロマトグラフィー、
(d)タンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸のピログルタミン酸への変換、
(e)生成物アイソフォームを分離するための好適な樹脂及び勾配溶出での陽イオン交換クロマトグラフィー、
(f)ウイルス濾過、及び
(g)限外濾過/透析濾過(UF/DF)。
本発明の方法の更なる実施態様において、工程(a)−(g)はその特定の順序で続く。
本発明の方法の更なる実施態様において、受動冷却の工程は、工程(d)の後、典型的には工程(e)の前に挿入される。
本発明の文脈では、プロテインA捕獲工程a)は任意の好適なプロテインA樹脂フィルター又は培地を使用して実施され得る。プロテインAは、主にそのFc領域を通じて哺乳動物IgGに結合する細菌細胞壁タンパク質である。プロテインAは、天然状態で五つのIgG結合ドメイン並びに未知の機能のその他のドメインを有する。プロテインA樹脂に関するいくつかの商業的供給源がある。当業者は、何が好適なプロテインA樹脂フィルター又は培地になり得るか及び修飾されたプロテインA樹脂、フィルター又は培地になり得るかを理解している。それにもかかわらず、好適なプロテインA樹脂、フィルター又は培地は、限定するものではないが、GE HealthcareのMabSelectTM Sure及びMilliporeのProSep Ultra PlusTMを含む。大量精製に使用され得るMabSelectTMでパックされた好適なカラムの非制限的な例は、例えばベッド容量が約6.6Lである20cm×21cmカラムであり得る。カラムに関係なく、パックはMabSelectTM又はProSep Ultra PlusTM等の好適な樹脂を使用してパックされ得る。
本発明の文脈では、プロテインA捕獲工程は、典型的には結合/溶出モードで、浄化された採取溶液を、タンパク質を結合する樹脂にロードすることにより実施される。当業者はまた、何がプロテインA樹脂又は培地から不純物を除去するための適切な洗浄条件になり得るかを理解している。それにもかかわらず、洗浄バッファーはしばしば20−100mMのトリス及び7.0−8.0のpHを有する20から1.0MのNaClを含むバッファーから選択される。好適な溶出バッファーの一例は、約200mMのアセテート、50mMのNaCl及び約3.5のpHを含む溶出バッファーであり得る。
タンパク質は、大腸菌及び桿菌等の細菌、サッカロミセス、ピチア、アスペルギルス、フザリウム及びクリュイベロミセス等の酵母、藻類、植物細胞、昆虫細胞並びにCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞、ハイブリドーマ、BHK(ベビーハムスター腎臓)細胞、骨髄腫細胞、HEK−293細胞、ヒトリンパ芽球様細胞及びマウス細胞等の哺乳動物細胞を含む様々な細胞中で発現し得る。抗体等の多くの複合タンパク質は、CHO細胞、NSO及びNS1細胞等のマウス骨髄腫細胞、又はPER.C6TM等のヒト胎児網膜芽細胞においてしばしば発現する。そのような哺乳動物細胞は内因性のレトロウイルス様粒子を含むため、臨床的使用のための目的の哺乳動物細胞ベースのタンパク質産生にレトロウイルス不活性化工程、例えば工程b)が必要とされる。当業者はどのようにレトロウイルス不活性化工程を実行するかを理解している。それにもかかわらず、プロテインA捕獲工程からの溶出液のpHを低下させることにより、ウイルス不活性化はしばしばプロテインA捕獲工程から溶出液上で実行される。したがって、溶出液のpHは、5分から24時間の期間、3.0−4.0の範囲のpH、例えば3.1から4、例えば3.2から4、例えば3.3から4、例えば3.4から4、例えば3.5から4、例えば3.6から4、例えば3.7から4、例えば3.8から4、例えばpH4まで、又は3から3.9、例えば3.1から3.9、例えば3.2から3.9、例えば3.3から3.9、例えば3.4から3.9、例えば3.5から3.9、例えば3.6から3.8、例えば3.6のpHまで低下されてもよい。
上で述べられるように、プロテインA捕獲工程からの溶出液は、5分間から24時間、例えば10分間から240分間、例えば20から90分間の期間、これらのpH値のいずれかで保たれてもよく、プロテインAアフィニティ―精製工程は、pH値の前記低下前及び/又はpHの再調整後に濾過されてもよい。低pHウイルス不活性化工程の最後に、製品はその後の処理の必要に応じて中性化され再調整されてもよい。例えば、溶出液のpHは7.5から8.5のpHに調整されてもよい。
プロテインA捕獲工程の後に、イオン交換樹脂を軽く撹拌した試料溶液中に沈めて更にその後液体媒体を交換することによる、特定の流速のカラムモード又はバッチ操作モードで操作される陰イオン交換クロマトグラフィー工程が続いてもよい。しかしながら、好ましい実施態様において、この陰イオン交換クロマトグラフィー工程c)は、フロースルーモードで操作されるクロマトグラフィー工程である。この点において、第一のイオン交換体をロードするためのpH及びイオン強度の好適な条件をどのように定義するかを当業者は理解しており、不活性化ウイルス粒子及びその他不純物が陰イオン樹脂に結合され、したがって抗体溶液から除去される一方、その条件はフロースルー中の抗体の保持をもたらす。
陰イオン交換クロマトグラフィー樹脂、フィルター又は培地の好適な例は当該技術分野で知られており、アガロースベースの樹脂及びビーズ、デキストランビーズ、ポリスチレンビーズ並びにポリスチレン/ジビニルベンゼン樹脂を含む。好ましくは、陰イオン交換樹脂はSepharose CL−6B又はSepharose Fast Flow(FF)等のアガロースマトリックスに取り付けられた第四級アミンベースの陰イオン交換体である。好ましい陰イオン交換物質であるAmersham−Biosciences/PharmaciaのそのようなSepharose Q、Sartorius Sartobind Q又はPall Mustang Q.Aの例は、GE HealthcareのQ−Sepharose Fast Flow樹脂である。
本発明による陰イオン交換クロマトグラフィーにおける平衡バッファーは、好ましくは置換剤塩の塩濃度、例えば1から150mM、より好ましくは5から110mM、最も好ましくは20から100mM塩の範囲の塩化ナトリウムを有する。平衡バッファーのpHは、好ましくはpH6.5からpH9.0の範囲、より好ましくはpH7.5からpH8.5の範囲、最も好ましくはpH7.9からpH8.2の範囲である。本発明による平衡バッファーは、好ましくは1から100mM、より好ましくは5から50mM、最も好ましくは10から30mMトリスの範囲のトリスを含む。好ましくは、本発明による平衡バッファーの伝導度は、pH8.0で10mS/cmを下回る。
本発明によると、第一の陰イオン交換クロマトグラフィー工程の後には、典型的には非環化N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタメートへの変換を可能にするピログルタメート変換工程が続く。精製プロセス中のタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換のための好適な条件は上に記載されている。しかしながら、本発明によると変換が約25℃を超える温度で実施される場合、N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のピログルタメートへの変換は、任意選択的な冷却工程の後に続いてもよい。この冷却工程は、能動冷却工程によって、即ち、例えば水ベースの冷却工程又はフロースルー熱交換体を使用して;又はポンプ及びファンのようなエネルギーを消費する機械的構成要素が温度を下げるために使用されていない受動冷却プロセスによって、実施されてもよい。冷却プロセスは、得られた変換溶液が約18から30℃の温度に達するまで継続してもよい。冷却プロセスは、1から120時間、例えば12から96時間、例えば24から72時間、例えば24から48時間の範囲の期間で行われてもよい。本発明の好ましい実施態様において、変換は12から72時間の受動冷却の工程を含む。
ピログルタメート変換工程の最後に、バッファー条件はその後の処理の必要に応じて調整されてもよい。例えば、変換溶液のpHは、酢酸で約pH5.5に調整されてもよい。
本発明によると、生成物アイソフォームを分離するための好適な樹脂及び勾配溶出での陽イオン交換クロマトグラフィーは、ピログルタメート変換工程の後に続いてもよい。陽イオン交換体の好適な例は、S−SepharoseFF又はSP−SepharoseHP(Pharmacia)、SP−SepharoseFF(Sigma)及びPoros HS50(Applied Biosystems)を含む。好ましい陽イオン交換体は、Applied BiosystemsのPoros HS50である。
ピログルタメート変換工程からのタンパク質溶液は、酢酸で約pH5.5のpHに調整され、陽イオン交換体にロードされてもよい。好適な洗浄バッファーは、5から50mMの範囲の酢酸ナトリウム及び5から50mMの範囲のNaClを含み、5.0から7.0の範囲のpHを有してもよい。結合タンパク質は、数多くの画分への13のカラム洗浄にわたる15から180mMのNaClの勾配溶出を使用して溶出されてもよい。溶出後、タンパク質画分は分析され、プールされてもよい。
陽イオン交換クロマトグラフィー工程前に変換を実行することの特に有利な点は、変換種の異なる電荷にある。したがって、N末端グルタミンがピログルタミン酸に完全に変換されていないタンパク質分子は、よりプラスに帯電している。よって、例えば、抗体の一画分が、ピログルタミン酸に変換された一のN末端グルタミン残基、及びピログルタミン酸に変換された二のN末端グルタミン残基を含む第二の画分、及びピログルタミン酸に変換された三のN末端グルタミン残基を含む第三の画分、及び四全てのN末端グルタミン残基がピログルタミン酸に変換された第四の画分を有する、4のN末端グルタミン残基を有する抗体は、四つの異なる電荷を有する四つの異なるアイソフォームをもたらすであろう。そのような異なる電荷のアイソフォームは、陽イオン交換クロマトグラフィーにより分離され得、好ましくないアイソフォームが除去され得る。
本発明によると、ウイルス濾過工程は陽イオン交換体工程の後に実施される。ウイルス不活性化は、好適なフィルターの使用を介して達成され得る。本発明のある実施態様は第一の回収段階でそのような濾過を用いるが、他の実施態様においては、精製の最後から二番目又は最終工程のいずれかを含む精製プロセスの他の段階で用いられる。ある実施態様において、代替的なフィルターがウイルス不活性化に用いられ、例えば限定されないが、ViresolveTMフィルター(Millipore)、Zeta Plus VRTMフィルター(CUNO)、PlanovaTMフィルター(旭化成ファーマ)及びUltipor DV50TMフィルター(Pall Corporation)がある。好ましいフィルターは、Planova 20Nパルボウイルス評価フィルターである。
ウイルス濾過の後、タンパク質溶液は、濃縮及びバッファー交換のため限外濾過/透析濾過(UF/DF)を受ける。バッファー交換は、30kDa分子量カットオフ膜を使用し、最終製剤バッファーの洗浄剤不要バージョンへ透析濾過して、接線流濾過(TFF)により実施されてもよい。
本発明の第三の態様は、N末端ピログルタミン酸を含む医薬製品のためのタンパク質を調製する方法であって、該方法は精製プロセス中にタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基をピログルタミン酸へ変換するための方法を含み、該精製プロセスはN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基の環化を促進させる条件下でタンパク質をインキュベートする工程を含む、方法に関する。
本発明の第四の態様は、APIとしてのN末端ピログルタミン酸を含む医薬製品のためのタンパク質を調製する方法であって、該方法はN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基を含むタンパク質の精製のための方法を含み、精製のための方法がN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基の環化を促進させる条件下でタンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸残基のN末端ピログルタミン酸への変換の工程を含む、方法に関する。
本発明の第一又は第二の態様に関連する上の実施態様のいずれか一つもまた、第三及び第四の態様の実施態様である。
一実施態様において、医薬製品は、典型的にはトラスツズマブ、インフリキシマブ、バシリキシマブ、ダクリズマブ、アダリムマブ、オマリズマブ、ゲムツズマブ、リツキシマブ、ベバシズマブ、セツキシマブ、オファツムバブ、ベルツズマブ又はオクレリズマブ、パニツムマブ、ラニビズマブ、イビリツモマブ、チウキセタン、アビシキシマブ、エクリズマブ、アレムツズマブ、オゾガマイシン、エファリズマブ、パリビズマブ、ナタリズマブ、オマリズマブ及びトシリズマブから選択される抗体を含む。好ましい実施態様において、抗体は抗CD20抗体である。
刊行物、特許出願及び特許を含む、本明細中に引用される全ての参考文献は、各参考文献が個別に且つ特に参照により援用されるよう示され、本明細書中に全文が明記されるのと同程度に、参照により本明細書中に援用される。
全ての見出し及び小見出しは、便宜のためのみに使用され、決して本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
本明細書中で別途指示がない限り、又は文脈により明確に相反しない限り、考えられる全ての変更における上で説明された要素の任意の組合せは、本発明に包含される。
本発明を記載する文脈中で使用される用語「a」及び「an」及び「the」並びに類似の指示語は、本明細書中で別途指示がない限り、又は文脈により明確に相反しない限り、単数形及び複数形の両方を含むと解釈される。例えば、「a」又は「an」は「一又は複数」を意味する。
本明細書における値域の記述は、本明細書中で別途指示がない限り、範囲内の別々の値に個別に言及する簡潔にした方法として機能することが単に意図され、別々の値は本明細書中に個別に記述されるかのように、本明細書中に包含される。別途指定のない限り、本明細書中で提供される全ての厳密値は、対応するおおよその値の代表である(例えば、特定の要因又は測定値に関して提供された全ての厳密な例示的な値は、必要に応じて「約」で修飾された対応するおおよその測定値を提供するとも考えられ得る)。
本明細書中に記載された全ての方法は、本明細書中に別途指示がない限り、又は文脈により別途明確に相反しない限り、任意の適切な順序で実施され得る。
本明細書中で提供されるいかなる例、又は例示的な言語の使用(例えば「等」)も、単に本発明の理解をより容易にすることを意図され、別途指示がない限り、本発明の範囲を限定するものとはならない。本明細書中のいかなる言語も、同様のことが明記されていない限り、本発明の実行に不可欠な要素を示すものとして解釈されるべきではない。
本明細書中の特許文献の引用及び援用は便宜のためのみになされ、そのような特許文献の正確性、特許性及び/又は権利行使可能性を反映しない。
要素(単数又は複数)に関する用語「含む(comprising)」「有する」、「含む(including)」又は「含む(containing)」等を使用した本発明のあらゆる態様又は実施態様の本明細書中の記載は、別途指定のない限り、又は文脈により明確に相反しない限り、その特定の要素(単数又は複数)「からなる(consists of)」、「から実質的になる(consists essentially of)」、又は「を実質的に含む(substantially comprises)」本発明の同様の態様又は実施態様への支持を提供することが意図される(例えば、特定の工程を含むような本明細書に記載される精製方法の変換の方法は、別途指定のない限り、又は文脈により明確に相反しない限り、その工程からなる方法を記載すると理解されるべきである)。
この発明は、適用法により許可される最大限の範囲で、本明細書中で提示される態様又は請求項に記述される対象事項の全ての修正点及び等価物を含む。
本発明は以下の実施例により更に説明されるが、保護の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。前述の記載及び以下の実施例で開示される特徴は、個別に及びその組み合わせの両方で、本発明をその多様な形態で実現するために重要であり得る。
実施例1
リツキシマブモノクローナル抗体(Rituxanの商標下でも知られる)を発現するCHO産生細胞株を選択して使用し、ストレートフェッドバッチ発酵プロセスを使用して、撹拌タンク設計を備えた10L使い捨てバイオリアクター中でリツキシマブ抗体を産生させた。
リツキシマブは、マウス可変ドメイン並びにヒトIgG1重鎖及びカッパ軽鎖定常領域を含むキメラ抗体である。リツキシマブの重鎖及び軽鎖の両方は、そのN末端にグルタミンを有し(分泌シグナルペプチドの除去後)、重鎖はそのC末端にリジンを有する。N末端グルタミンは細胞酵素及び化学変換の両方によりピログルタミン酸に環化することができ、細胞カルボキシペプチダーゼによるC末端リジンクリッピングは非常に一般的である。これらの修飾の両方は、プロテイン上の正電荷の数を減少させ、これらのN及びC末端修飾の不均一性は、複合陽イオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC)プロファイルに寄与する(図2に示される)。
浄化した採取試料を初めにMabSelect SuRe樹脂を使用したプロテインAアフィニティークロマトグラフィー工程にロードし、結合/溶出モードで実行した。結合リツキシマブ抗体を4.5カラム容積の200mMのアセテート、50mMのNaCl、pH3.5±0.1で溶出する前に、MabSelect SuReを5カラム容積の20mMのトリス、1M NaCl、pH8.0で洗浄し、続いて2.5カラム容積の20mMのトリス、50mMのNaCl、pH8.0で洗浄して、低pHで105±15分間常温でのインキュベーションによりウイルス不活性化を施した。
ウイルス不活性化後、0.6Mのトリス、50mMのNaCl、pH8.5を使用して溶液をpH8に中性化し、フロースルーモードで操作されるQ−Sepharose Fast Flow樹脂を使用した陰イオン交換クロマトグラフィーにより更に精製した。この手順は良好なDNA及びウイルス排除を提供すると知られている。それまでの経験に基づき、良好なウイルス排除は、伝導度が≦10mS/cmである場合、pH8.0でのAEX−FTから予想され得る。これは注射用水(WFI)での単純希釈だけではなく、プロセス容積の増加そして時間の経過の結果よっても達成され得る。単純2倍希釈が10mS/cm未満の最終AEXロードを確実にもたらすことを保証するため、プロテインA洗浄及び溶出バッファーのNaCl濃度を半分に低減させることが望ましいとされた。
Agilent高速液体クロマトグラフィー系を使用してDionex Propac WCX−10カラム上で実施される陽イオン交換高速液体クロマトグラフィー(IEX−HPLC)により、得られたフロースルー溶液を分析して、図2で示されるように参照ロットM86188及び参照ロットB6109B01に指定された市販のリツキシマブ抗体調製物の二つの異なるバッチと比較した。
参照ロットM86188及び参照ロットB6109B01の市販のリツキシマブ抗体調製物の両方の質量分析によるペプチドマッピング並びに本明細書中で産生されたD83 BSR4リツキシマブ調製物の結果は、IEX−HPLCアッセイの主ピークは二のC末端リジン残基を欠き、環化されたピログルタメートに変換された4の全てのグルタミン残基を有するリツキシマブ分子からなることを示した。その上、IEX−HPLC分析は、本明細書中で産生されたD83 BSR4リツキシマブ調製物と比較して、市販のリツキシマブ抗体調製物のピーク後の見掛けにおける有意差を明らかにした。
ペプチドマッピング及び質量分析によるリツキシマブのロットの組成物の分析は、市販のリツキシマブと本明細書中で産生されたD83 BSR4リツキシマブ調製物との間のピーク後の見掛けにおける差異は、主にN末端グルタミンの不完全な環化によるものであったことを明らかにした。
ピーク後のリツキシマブアイソフォームの量を減少させる一つの方法は、後に続く陽イオン交換精製工程中、過剰な遊離N末端グルタミンと共に生成物を除去及び廃棄することかもしれない。しかしながら、ピーク後のリツキシマブアイソフォームはD83 BSR4等の調製物中全リツキシマブアイソフォームの50%までを占めるため、収量はおよそ半分低下する。
したがって、リツキシマブ主ピークアイソフォームの収量を改善するために、後に続く実験を実施し、操作的に妥当な温度で陰イオン交換溶液のグルタミン環化を促進させる最適条件を同定した。
実施例2
第一の試験条件は、陰イオン交換フロースルー溶液(AEX FT)又は後に続く陽イオン交換ローディング溶液(CEXロード)のいずれかが常温又は37℃でグルタミン環化を促進させるかどうかを単に決定することであった。
陰イオン交換フロースルー工程の最後に試料を採取し(pH8)、陽イオン交換ロードのための調製を実施した後(pH5.5)、時点に関して複製チューブにアリコートし、常温又は37℃のいずれかで保持した。13日間にわたり周期的に、各条件から一つのチューブを−70℃の冷凍庫に移し、経時変化の最後に全ての試料を解凍してIEX−HPLCで分析した(図3)。(常温での保持のためにCEXロードの少数のアリコートを作製した。)
図3に示されるように、リツキシマブAEX FT溶液を常温又は37℃でインキュベートした場合、リツキシマブピーク後アイソフォームの主ピークアイソフォームへの変換は観察されなかった。反対に、リツキシマブ抗体をCEX−ロード溶液中でインキュベートした場合、リツキシマブピーク後アイソフォームは、常温及び37℃でのインキュベートの場合の両方で、主ピークアイソフォームに変換されることが発見された。しかしながら、ピーク後の合計パーセントが8日間のインキュベーション後〜10%減少したように、常温及び37℃の両方での変換速度はやや遅いことが発見され、これは主ピークに変換されるピーク後の出発量の〜20%に相当した。
実施例3
本明細書中で観察されるよりも速い変換速度が、pH6.2での35mMのリン酸バッファーの存在下、Dick et al.(2007, Biotechnol, Bioeng. v97 p544)により報告されている。したがって、新たな実験を実施して、常温、37℃及び45℃での変換の動態及びタンパク質濃度が有し得る変換速度に対する影響を調査した。
製造プロセスで実行するための最も操作的に簡潔な手法として、濃縮された貯蔵溶液からリツキシマブAEX FT溶液をリン酸ナトリウムで35mMにスパイクし、酢酸でpH6.25に滴定した。
リツキシマブAEX FTリン酸ナトリウム溶液を3アリコートに分け、一つは1.85mg/mLタンパク質の濃度で未変化のままにし、他の二つはおよそ3.7と9.25mg/mLになるよう、Millipore 30kDa MWCOスピン濃縮器を使用して、2倍(中間パネル)及び5倍(右パネル)に濃縮した。各試料を0.2μmシリンジフィルターで濾過滅菌し、個別の時点に関してエッペンドルフ型チューブにサブアリコートした。いくつかの複製アリコートを常温(1)、37℃(2)、及び45℃(3)で3日間まで保持した(図4)。示された時点で、各条件からの一つのチューブを2−8℃に移し、実験の最後に全ての試料を同じアッセイで共に分析した。各パネルは、各インキュベーション条件に関する経時変化にわたるIEX−HPLCピーク前、主ピーク及びピーク後の割合を示す。比較のため、市販のリツキシマブ参照基準に関するピーク前、主ピーク及びピーク後の割合を各列の最初のグラフに示した。
結果は、ピログルタミン酸変換は各条件でピーク前形成よりも常に高速であったが、ピログルタミン酸変換及びピーク前形成の両方の速度はより高温で明確に増加したことを示した(図4)。45℃では、主ピーク%は第一日目までに60−70%の最大値に達し、ピーク前形成が更なるピーク後変換を上回るにつれて下降し始めた。37℃では、変換はより遅く、第3日目までに同一の最大主ピーク%に達した。いくつかの変換が常温で明白であるのに対し、常温での変換速度は37℃で観察されたものの半分未満であった。いかなる温度でもタンパク質濃度の明らかな影響は観察されなかった。
実施例4
次いで、後に続く陽イオン交換POROS HS50カラム上へのローディングをより助長するであろう、様々なpH及び希釈要因(即ち[NaCl]の低下)を含むホスフェート濃度(30、60、90mM)の影響を評価した。
リツキシマブAEX−FT溶液(D83)を50mMのNaCl(〜50mMのNaCl最終になる−上部パネル)又は注射用水(WFI)(〜25mMのNaCl最終になる−下部パネル)のいずれかで2倍に希釈し、濃縮したストックからリン酸ナトリウムでスパイクして、30、60、又は90mMのいずれかの最終溶液を調製し、酢酸でpH6.2又はpH5.8のいずれかに滴定した。これらの溶液を37℃で2日間インキュベートし、実施例3にあるようにIEX−HPLCで分析した。比較のため、同一の市販のリツキシマブ参照基準及びコントロールD83 T=0試料を各グラフに示す。
結果は、37℃での2日間のインキュベーション後に、より高濃度のホスフェートがピーク後にはわずかに大きな減少をもたらし、主ピークにはより高い増加をもたらしたことを示した(図5)。同様に、pH6.2はpH5.8よりもわずかに改善した変換を促進させた。25mMのNaClを使用したことと50mMのNaClを使用したこととの間に明らかな差異は見られなかった。
この時点で全ての実験は小型チューブ中静止状態で実施したが、実験を大規模製造に適するように、撹拌した振盪フラスコモデル中で繰り返し、37℃で3日間にわたる均一の温度を保証するよう、インペラーでの混合を実施した。これらの結果は、変換動態から以外のより小さな静止モデルで得られた前回観測が、振盪フラスコモデル中90mMホスフェートでわずかに速かったことを裏付けた。
実施例5
ナノ濾過及び全ての微生物抑制対策を含むフルスケール完全プロセス製造実施を、500Lバイオリアクターを使用して実施し、実施例1に記載されるように本質的に精製した。リツキシマブ抗体を37℃でおよそ28時間インキュベートした後、48時間かけて徐々に室温に冷却した。得られたリツキシマブ溶液を陽イオン交換クロマトグラフィーPOROS HS樹脂上にロードし、4カラム容積の15mMのNaCl、20mMの酢酸Na、pH5.5及び5.5カラム容積の15mMのNaCl、20mMのリン酸Na、pH6.5で洗浄した。一画分につき0.5カラム容積の分取での13カラム容積にわたる15から180mMのNaClの直線勾配を使用して、リツキシマブ抗体を溶出した。以下の表1は、画分1から9の総タンパク質含有量と、個別の画分及びプールされた画分1から6並びにリツキシマブ参照に指定されている市販のリツキシマブ調製物に関するIEX−HPLCアッセイとを示す。
表1からわかるように、プールされた画分1から6は、全体的に溶出したタンパク質、即ちリツキシマブの96%に相当し、ピーク前、主ピーク及びピーク後%(16.3;63.0;20.7)は市販のリツキシマブ調製物(20.2;66.5;13:4)とかなり類似している。言い換えれば、プールされた画分1から6のリツキシマブアイソフォーム組成物は、市販のリツキシマブ調製物に酷似している。
これは、ピーク後リツキシマブアイソフォームの量が総リツキシマブアイソフォームの50%までを占める実験1の結果とは大きく異なる。
Figure 2016523812
結論
実施例1から5に示されるように、製造規模でのN末端グルタミン又はグルタミン酸残基のピログルタミン酸への変換のためのロバストでより再現性のある手順が開発されてきた。プロセスはバッチ間の変動を減少させ、イオンプロファイルに関して市販の製品と同様の製品を作製するよう設計されている。
プロセスは、未環化のN末端グルタミン残基を含むタンパク質を含有する陰イオン交換フロースルー溶液を、精製手順中の未環化のN末端グルタミン残基のピログルタミン酸への非酵素的変換のための、約6.2のpHを有する最適量のホスフェート及びNaClを含有する組成物に容易且つ迅速に移動させるために、最適化されている。
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Claims (15)

  1. N末端グルタミン及び/又はN末端グルタミン酸を含むタンパク質の精製のための方法であって、前記タンパク質のN末端グルタミン及び/又はN末端グルタミン酸のN末端ピログルタミン酸への環化を促進させる条件下で、前記タンパク質をインキュベートする工程を含む、方法。
  2. タンパク質が抗体である、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質が抗CD20抗体である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 抗CD20抗体が配列番号1と同一の軽鎖配列及び配列番号2と同一の重鎖配列を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 変換が20から45℃の温度で生じる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 変換が細胞培地中又はバッファー中で行われる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. バッファーの濃度が20mMから150mMの範囲より選択される、請求項6に記載の方法。
  8. pHが3.5から9.0の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. N末端グルタミン及び/又はグルタミン酸からのピログルタミン酸への変換が少なくとも50%に達する、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 変換工程がN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸のピログルタミン酸への非酵素的変換を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. タンパク質が、変換前に1から4のN末端グルタミン残基及び/又は1から4のN末端グルタミン酸残基を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 好適な樹脂でのプロテインAクロマトグラフィー及び好適な樹脂でのイオン交換クロマトグラフィーの工程を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. (a)好適な樹脂でのプロテインA捕獲、
    (b)3.0から4.0の範囲のpHでのウイルス不活性化、
    (c)陰イオン交換クロマトグラフィー、
    (d)タンパク質のN末端グルタミン及び/又はグルタミン酸のピログルタミン酸への変換、
    (e)生成物アイソフォームを分離するための好適な樹脂及び勾配溶出での陽イオン交換クロマトグラフィー、
    (f)ウイルス濾過、及び
    (g)限外濾過/透析濾過(UF/DF)
    の工程を含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 工程(d)の後に12から72時間の受動冷却の工程を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 医薬製品のための医薬品有効成分としてN末端ピログルタミン酸を有するタンパク質を調製する方法であって、請求項1から14のいずれか一項に記載の精製方法を含む、方法。
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