JP2016523312A - 電圧安定化ポリマー組成物 - Google Patents

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Abstract

改善された電気絶縁破壊強度を有するポリマー組成物を開示する。ポリマー組成物は、ポリ−α−オレフィン、ならびに少なくとも1つの芳香環及び1〜2つのカルボキシルアルキルエステル置換基を含む有機カルボキシルエステルを含む電圧安定化剤(voltage−stabilizing agent)を含む。代替的に、電圧安定化剤は、トリオクチルトリメリテートを含み得る。本発明のポリマー組成物は、電力ケーブルの絶縁層及び/または遮蔽層として適用される場合、改善された電気絶縁破壊強度を呈する。【選択図】図1

Description

関連出願の相互参照
本願は、2013年6月26日に出願された米国仮出願第61/839,422号の利益を主張する。
典型的な電力ケーブルは、1層以上のポリマー材料によって包囲されるケーブルコアに1つ以上の導体を含む。中圧(6〜36kV)、高圧(36kV超)、超高圧(220kV超)ケーブルは、典型的には、内部半導電層、続いて絶縁層、次いで外部半導電層、及び最外層(またはシース)によって包囲されたコアを含む。
ケーブルシステムの負荷容量は、一部、導体から離れる熱移動によって制限される。ポリエチレンなどのポリ−α−オレフィンは、絶縁層及び/または半導電層に頻繁に利用される。ポリエチレンは、低誘電率及び比較的高い電気絶縁破壊強度を有する。
電力ケーブルの絶縁層の電気絶縁破壊強度を増大させるポリオレフィン組成物用の電圧安定化剤(voltage−stabilizing agent)が既知である。しかしながら、従来の電圧安定化剤(多環式芳香族のファミリー、例えば、アセンなど)は、ポリ−α−オレフィンとの相溶性が乏しい。当該技術分野は、(i)ケーブル絶縁材料の電気絶縁破壊強度を増大させる、(ii)既存のケーブル設計による信頼性を高める、及び/または(iii)増加したエネルギー量を送達することができる高負荷設計を提供するために、ポリ−α−オレフィンと相溶性がある電圧安定化剤に対する継続的な必要性を認識している。
一実施形態は、ポリマー組成物であり、
ポリ−α−オレフィンポリマーと、
少なくとも1つの芳香環及び1〜2つのカルボキシルアルキルエステル置換基を含む有機カルボキシルエステルと、を含む。
別の実施形態は、被覆導体であり、
導体と、
誘電性絶縁層であって、
ポリ−α−オレフィンポリマー、及び
トリオクチルトリメリテートを含む、誘電性絶縁層とを含み、
該トリオクチルトリメリテートは、該ポリ−α−オレフィンポリマー及び該トリオクチルトリメリテートの合計重量に基づき、0.1〜1重量パーセントの範囲の濃度で存在する。
本開示の実施形態による電力ケーブルの斜視図である。
本発明は、ポリマー組成物を提供する。ポリマー組成物は、(i)ポリマー成分、(ii)電圧安定化剤、及び(iii)任意に、他の添加剤を含む。本開示は、そのようなポリマー組成物を含む被覆導体をさらに提供する。
ポリマー成分
本明細書において有用なポリマー成分は、ポリ−α−オレフィンポリマーを含む。好適なポリ−α−オレフィンの非限定的な例は、ホモポリマー及び1つ以上のC−C20(すなわち、2〜20個の炭素原子)α−オレフィンを含むコポリマーである。本開示の目的において、エチレンは、α−オレフィンとみなされる。好適なα−オレフィンの非限定的な例としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンが挙げられる。好適なポリ−α−オレフィンの非限定的な例としては、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。「エチレン系ポリマー」または「ポリエチレン」、及び同様の用語は、エチレンに由来する少なくとも50モルパーセント(mol%)単位を含むポリマーである。「プロピレン系ポリマー」または「ポリプロピレン」、及び同様の用語は、プロピレンに由来する少なくとも50mol%単位を含むポリマーである。
ある実施形態では、ポリマー成分は、エチレン系ポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマーまたはエチレン/α−オレフィンインターポリマーであってよい。α−オレフィン含量は、インターポリマーの重量に基づき、約5、約10、約15、約20、または約25重量パーセント(「重量%」)〜50未満、約45未満、約40未満、または約35重量%未満であってよい。α−オレフィン含量は、Randall(Rev.Macromol.Chem.Phys.,C29(2&3))に記載される手順を使用して、13C核磁気共鳴(NMR)分光法により測定される。一般に、インターポリマーのα−オレフィン含量が大きいほど、密度は低く、インターポリマーはより非晶質であり、これは、以下に記載されるように、保護絶縁層の望ましい物理的及び化学的性質に変わり得る。
様々な実施形態では、エチレン/α−オレフィンインターポリマーにおけるα−オレフィンは、任意のC3−20直鎖状、分枝状、または環状α−オレフィンであってよい。好適なC3−20α−オレフィンの非限定的な例としては、プロペン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、及び1−オクタデセンが挙げられる。α−オレフィンは、シクロヘキサンまたはシクロペンタンなどの環状構造を有する、または含むこともでき、3−シクロヘキシル−1−プロペン(アリルシクロヘキサン)及びビニルシクロヘキサンなどのα−オレフィンをもたらす。本用語の古典的な意味ではα−オレフィンではないが、本開示の目的において、ノルボルネン及び関連オレフィンなどのある特定の環状オレフィン、具体的には、5−エチリデン−2−ノルボルネンはα−オレフィンであり、上述のα−オレフィンのいくつかまたは全ての代わりに使用され得る。同様に、スチレン及びその関連オレフィン(例えば、α−メチルスチレン等)は、本開示の目的においてα−オレフィンである。
好適なエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、以下のコポリマー:エチレン/プロピレン、エチレン/ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテン、エチレン/スチレン、エチレン/酢酸ビニル、エチレン/プロピオン酸ビニル、エチレン/イソ酪酸ビニル、エチレン/ビニルアルコール、エチレン/アクリル酸メチル、エチレン/アクリル酸エチル、エチレン/メタクリル酸エチル、エチレン/アクリル酸ブチルコポリマー(「EBA」)、エチレン/アリルベンゼン、エチレン/アリルエーテル、及びエチレン/アクロレイン、ならびにエチレン/プロピレン(「EPR」)ゴムが挙げられる。
好適なターポリマーの非限定的な例としては、エチレン/プロピレン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ブテン、エチレン/ブテン/1−オクテン、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー(「EPDM」)、及びエチレン/ブテン/スチレンが挙げられる。コポリマー/インターポリマーは、ランダムまたはブロック状であってよい。
様々な実施形態では、エチレン系ポリマーは、単独で、またはエチレン系ポリマーの1つ以上の他の種類との組み合わせ(例えば、モノマー組成及び含量、調製の触媒方法等により互いに異なる2つ以上のエチレン系ポリマーのブレンド)で使用され得る。エチレン系ポリマーのブレンドが採用される場合、ポリマーは、任意の反応器内プロセスまたは反応器後プロセスによってブレンドされ得る。
ある実施形態では、エチレン系ポリマーは、低密度ポリエチレン(「LDPE」)であってよい。LDPEは一般に、高度に分枝状のエチレンホモポリマーであり、高圧プロセス(すなわち、HP−LDPE)を介して調製され得る。本明細書での使用に好適なLDPEは、0.91〜0.94g/cmの範囲の密度を有し得る。様々な実施形態では、エチレン系ポリマーは、少なくとも0.915g/cmであるが、0.94g/cm未満、または0.93g/cm未満の密度を有する高圧LDPEである。本明細書で提供されるポリマー密度は、ASTMインターナショナル(「ASTM」)法D792に従って決定される。本明細書での使用に好適なLDPEは、20g/10分未満、または0.1〜10g/10分、0.5〜5g/10分、1〜3g/10分の範囲のメルトインデックス(I)、または2g/10分のIを有し得る。本明細書で提供されるメルトインデックスは、ASTM法D1238に従って決定される。特に記載されない限り、メルトインデックスは、190℃及び2.16Kg(すなわち、I)で決定される。一般に、LDPEは、比較的高い多分散指数(「PDI」、すなわち、重量平均分子量に対する数平均分子量の割合)をもたらす広範な分子量分布(「MWD」)を有する。
ある実施形態では、エチレン系ポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレン(「LLDPE」)であってよい。LLDPEは一般に、コモノマー(例えば、α−オレフィンモノマー)の不均質分布を有するエチレン系ポリマーであり、短鎖分枝状を特徴とする。例えば、LLDPEは、上述のものなど、エチレン及びα−オレフィンモノマーのコポリマーであってよい。本明細書での使用に好適なLLDPEは、0.916〜0.925g/cmの範囲の密度を有し得る。本明細書での使用に好適なLLDPEは、1〜20g/10分、または3〜8g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有し得る。
ある実施形態では、エチレン系ポリマーは、非常に低密度のポリエチレン(「VLDPE」)であってよい。VLDPEは、当該技術分野において超低密度ポリエチレンまたはULDPEとしても知られ得る。VLDPEは一般に、コモノマー(例えば、α−オレフィンモノマー)の不均質分布を有するエチレン系ポリマーであり、短鎖分枝状を特徴とする。例えば、VLDPEは、上述のこれらのα−オレフィンモノマーのうちの1つ以上など、エチレン及びα−オレフィンモノマーのコポリマーであってよい。本明細書での使用に好適なVLDPEは、0.87〜0.915g/cmの範囲の密度を有し得る。本明細書での使用に好適なVLDPEは、0.1〜20g/10分、または0.3〜5g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有し得る。
ある実施形態では、エチレン系ポリマーは、高密度ポリエチレン(「HDPE」)であってよい。HDPEは、0.940g/cmよりも大きい密度を有するエチレン系ポリマーである。ある実施形態では、HDPEは、ASTM D−792に従って決定される、0.945〜0.97g/cmの密度を有する。HDPEは、少なくとも130℃、または132〜134℃のピーク融解温度を有し得る。HDPEは、ASTM D−1238(190℃/2.16kg)に従って決定される、0.1g/10分、もしくは0.2g/10分、もしくは0.3g/10分、もしくは0.4g/10分、最大5.0g/10分、または4.0g/10分、もしくは3.0g/10分、もしくは2.0g/10分、もしくは1.0g/10分、もしくは0.5g/10分の範囲のメルトインデックス(I)を有し得る。また、HDPEは、ゲル透過クロマトグラフィーにより決定される、1.0〜30.0の範囲、または2.0〜15.0の範囲のPDIを有し得る。
ある実施形態では、エチレン系ポリマーは、上述のエチレン系ポリマーの任意の2つ以上の組み合わせを含み得る。
エチレン系ポリマーを調製するために使用される製造プロセスは、幅広く、多種多様であり、当該技術分野において既知である。上述の性質を有するエチレン系ポリマーを製造するための任意の従来の、または今後開発される製造プロセスは、本明細書に記載されるエチレン系ポリマーを調製するために採用され得る。一般に、重合は、Ziegler−NattaまたはKaminsky−Sinn型の重合反応に関して当該技術分野において既知の条件、つまり、0〜250℃、または30もしくは200℃の温度、及び大気〜10,000気圧(1,013メガパスカル(「MPa」))の圧力で達成され得る。大半の重合反応において、採用される触媒に対する重合可能化合物のモル比は、10−12:1〜10−1:1、または10−9:1〜10−5:1である。
市販のエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、The Dow Chemical Company社製のFLEXOMER(登録商標)エチレン/1−ヘキセンポリエチレン(VLDPE)、Mitsui Petrochemicals Company LimitedのTAFMER(登録商標)、及びExxon Chemical CompanyのEXACT(登録商標)(均一に分枝状、直鎖状のエチレン/α−オレフィンコポリマー)、The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(登録商標)及びENGAGE(登録商標)ポリエチレン(均一に分枝状、実質的に直鎖状のエチレン/α−オレフィンポリマー)、ならびにThe Dow Chemical Companyから入手可能なINFUSE(登録商標)ポリエチレン(オレフィンブロックコポリマー)が挙げられる。
様々な実施形態では、ポリ−α−オレフィンは、架橋され得る。架橋されたポリ−α−オレフィンを使用することが望ましい場合、架橋は、以下の非限定的な手順:遊離ラジカル架橋(例えば、ペルオキシド架橋)、放射線架橋(例えば、電子促進器、ガンマ線、X線、マイクロ波等の高エネルギー放射線)、熱架橋、及び/または湿分硬化架橋(例えば、シラングラフト)のうちの1つ以上により達成され得る。
電圧安定化剤
ポリマー成分に加えて、ポリマー組成物は、電圧安定化剤(「VSA」)も含む。本明細書で使用される「電圧安定化剤」は、電界に曝されると、ポリマー材料に対する損傷を低減する化合物である。理論に拘束されることは望まないが、VSAは、絶縁材料における電気トリーを阻害するため、ないしは別の方法で、高局所磁場(欠損または汚染物質の付近)の有効なスクリーニングを提供し、それによりポリオレフィンに損傷を与える可能性がある注入電子のエネルギー及び/または周波数を低減するために、電子を捕捉または不活性化する可能性があると考えられている。VSAをポリマー成分とブレンドすることにより、トリーを阻害するか、ないしは別の方法で遅延させる。特定の理論により拘束されないが、VSAは、ポリマー成分における欠損を充填及び/または包囲すると考えられ、欠損はトリー発生点である。欠損は、ポリマー成分中に存在する空隙及び/または不純物を含む。
様々な実施形態では、本開示のVSAは、少なくとも1つの芳香環及び1〜2つのカルボキシルアルキルエステル置換基を含む有機カルボキシルエステルを含む。VSAの芳香族成分は、単環式(例えば、ベンゼン)または多環式(例えば、ナフタレン、アントラセン)であってよく、任意にヘテロ原子(例えば、フラン、ピリジン)を含み得る。2つのカルボキシルエステル置換基を含む多環式芳香族成分が採用される場合、エステル基は、同一または異なる芳香環上に位置し得る。1つ以上の実施形態では、VSAの芳香族成分は、単環式である。さらに、ある特定の実施形態では、VSAの芳香族成分は、ベンゼン環である。様々な実施形態では、有機カルボキシルエステルは、以下の構造:
Figure 2016523312
のうちのいずれかを有し得、式中、R及びRは、独立したアルキル部分である。本明細書で使用される、用語「アルキル」は、水素原子を非芳香族炭化水素から除去することにより形成された一価の基(例えば、エチル)を指す。ある実施形態では、R及びRの各々は、独立して、C〜C20、C〜C12、C〜C10、またはC〜Cアルキル部分である。様々な実施形態では、R及びRは、同一または異なる数の炭素原子を有し得る。様々な実施形態では、R及びRは、同一のアルキル基である。R及びRでの使用に好適なアルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、またはこれらの2つ以上の組み合わせが挙げられる。様々な実施形態では、R及びRの各々のアルキル基は、オクチル基またはノニル基である。
さらに、R及び/またはRは、ポリマー鎖に連結され得る。例えば、R及び/またはRの前駆体は、エチレンとの共重合、またはポリエチレンとの架橋もしくはグラフトに関与し得るビニル基を含んでいる場合がある。あるいは、R及びRは、ポリエチレン鎖を表す場合があり、この場合、エステルは、ポリエチレン鎖上のヒドロキシル基の、カルボン酸またはエステルとの反応により形成され、ポリマー結合エステルの形成をもたらす。以下に記載される実施例に示される観察された絶縁破壊強度において同様のまたは明白な利益を達成するために、同様のアプローチがトリエステルを用いても利用することができる。
様々な実施形態では、有機カルボキシルエステルは、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、安息香酸ヘキシル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。代替の実施形態では、VSAは、トリオクチルトリメリテートを含み得る。ある実施形態では、ポリマー組成物は、ポリ−α−オレフィンポリマー及び有機カルボキシルエステルの合計重量に基づき、約0.1重量%、約0.2重量%、または約0.5重量%〜最大約2重量%、約1.5重量%、もしくは約1重量%のVSAを含む。
前段のVSAは、予想外に、本発明のポリマー組成物を含む絶縁層における交流(「AC」)絶縁破壊強度を改善する。AC絶縁破壊強度における改善は、以下に記載される実施例に示される増加したAC絶縁破壊強度において見ることができる。絶縁破壊強度におけるそのような改善は、直交(「DC」)用途においても評価され、そのようなVSAの利益は、DC用途においても予想される。
さらに、本発明のVSAは、ポリオレフィンマトリックスにおいて良好な溶解性及び低移動傾向を呈する。本発明のVSAは、ポリマー組成物の他の成分と共に、特に架橋剤に有効に利用され得る。
様々な実施形態では、上記のVSAのうちの1つ以上を含むポリマー組成物は、少なくとも2,200kV/mm、少なくとも2,300kV/mm、または少なくとも2,400kV/mm、及び最大3,000kV/mm、2,900kV/mm、または2850kV/mmのAC絶縁破壊強度を有し得る。AC絶縁破壊強度は、以下の試験方法の項で提供される手順に従って決定される。
ある実施形態では、上記のVSAのうちの1つ以上を含むポリマー組成物は、同じ組成物を有するがVSAを欠く比較ポリマー組成物よりも少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%大きいAC絶縁破壊強度を有し得る。ある実施形態では、上記のVSAのうちの1つ以上を含むポリマー組成物は、同じ組成を有するがVSAを欠く比較ポリマー組成物よりも10%〜40%、または15%〜35%大きい範囲であるAC絶縁破壊強度を有し得る。
添加剤
前段のポリマー組成物のいずれも任意に1つ以上の添加剤を含み得る。好適な添加剤の非限定的な例としては、抗酸化剤、安定剤、加工助剤、スコーチ防止剤、及び/または架橋ブースターが挙げられる。抗酸化剤としては、立体障害型または半障害型フェノール、芳香族アミン、脂肪族立体障害型アミン、有機亜リン酸塩、チオ化合物、及びこれらの混合物を挙げることができる。典型的な架橋ブースターは、ビニル基またはアリル基を有する化合物、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、及びジ−、トリ−、またはテトラ−アクリレートを含み得る。さらなる添加剤としては、難燃添加剤、酸掃酸剤、無機充填剤、水トリー遅延剤、及び他の電圧安定化剤を挙げることができる。
本明細書で使用される、「スコーチ防止剤」は、該スコーチ防止剤なしで押出された同じポリマー組成物と比較した場合、使用される典型的な押出温度でのポリマー組成物の押出中の早期架橋(すなわち、「スコーチ」)を低減する化合物である。スコーチの防止性質に加え、スコーチ防止剤は、同時に、増強のようなさらなる効果をもたらし得る(すなわち、架橋ステップ中の架橋性能を強化する)。
ポリマー組成物は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
被覆導体
本開示は、本発明のポリマー組成物を含む物品を提供する。ある実施形態では、物品は、導体と、導体上の被覆とを含む。これは、被覆導体を形成する。導体は、単一ケーブルであり得るか、または一緒に束ねられた複数のケーブルであり得る(すなわち、ケーブルコアまたはコア)。被覆導体は、可撓性、半剛性、または剛性であってよい。好適な被覆導体の非限定的な例としては、消費者電子機器用の可撓性配線、電力ケーブル、携帯電話及び/またはコンピュータ用の電力充電器線、コンピュータデータコード、電源コード、家庭電化製品の配線材料、及び消費者電子付属品コードなどの可撓性配線を含む。
導体上に位置する被覆は、絶縁層及び/または遮蔽層及び/または半導電層などの1つ以上の内部層であってよい。被覆は、1つ以上の外層(複数可)(「ジャケット」または「シース」とも称される)も含み得る。被覆は、本明細書に開示される本発明のポリマー組成物のいずれかを含む。本明細書で使用される、「上(on)」は、被覆(または層)と導体との間の直接的接触または間接的接触を含む。「直接的接触」は、被覆が導体にすぐ隣接して接触し、被覆と導体との間に位置する介在層(複数可)及び/または介在材料(複数可)がない構成である。「間接的接触」は、介在層(複数可)及び/または介在構造(複数可)もしくは材料(複数可)が導体と被覆との間に位置する構成である。被覆は、完全にまたは部分的に覆われるか、ないしは別の方法で導体を包囲または収納する。被覆は、導体を包囲する単独成分であってよい。代替的に、被覆は、導体を収納する1層の多層構造、ジャケット、またはシースであってよい。
ある実施形態では、被覆導体が提供され、導体、内部層、及び最外不透明層(またはシース)を含む。最外不透明層は、露出層または周囲環境と接触する層である。内部層は、導体と最外層との間に位置する。換言すれば、内部層は、周囲環境に露出されない、及び/または太陽光に露出されない。内部層は、ポリオレフィン及び上記に開示されるVSAを含むポリマー組成物を含む。VSAは、本明細書に開示される有機カルボキシルエステルのうちの任意の1つ以上であってよい。
ある実施形態では、内部層(ポリオレフィン及びVSAを含む)は、太陽光に露出される層(複数可)を除く。
ある実施形態では、内部層のポリマー組成物は、ポリエチレンを含む。
ある実施形態では、内部層のポリマー組成物は、架橋されたポリエチレンを含む。
ある実施形態では、被覆導体は、1kVよりも大きい、または6kV超〜36kV(中圧)、または36kVよりも大きい(高圧)、または220kVよりも大きい(超高圧)電圧で作動する電力ケーブルである。
図1は、金属導体12、内部遮蔽層14、絶縁層16、外部遮蔽層18、巻線または導電バンドの金属スクリーン20、及び最外層22(シースとしても知られる)を含む絶縁された電力ケーブル10(すなわち、被覆導体)を示す。最外層22は不透明である。
ある実施形態では、内部遮蔽層14及び/または絶縁層16及び/または外部遮蔽層18は、ポリ−α−オレフィン(例えば、ポリエチレン)及び上述のVSAのうちの1つ以上を含むポリマー組成物から構成される。換言すれば、内層は、絶縁層及び/または遮蔽層であってよく、そのうちの1つまたは両方は、本発明のポリマー組成物を含む。
本発明の被覆導体は、本明細書に開示される2つ以上の実施形態を含み得る。
定義
絶縁体の「AC絶縁破壊強度」は、絶縁体の一部分が電気的に導電性になる最小電圧であり、以下の試験方法の項に提供される手順に従って測定される。
「ケーブル」及び同等の用語は、保護絶縁材、ジャケット、またはシース内の少なくとも1本の線、または光ファイバである。典型的には、ケーブルとは、典型的には、通常の保護絶縁材、ジャケット、またはシース内に一緒に束ねられた2本以上の線または光ファイバである。ジャケットの内側の個々の線またはファイバは、裸であるか、被覆されるか、または絶縁され得る。結合ケーブルは、電線及び光ファイバの両方を含み得る。ケーブル等は、低圧、中圧、または高圧用途用に設計され得る。典型的なケーブル設計は、米国特許第5,246,783号、同第6,496,629号、及び同第6,714,707号に図示される。
「組成物」及び同様の用語は、2つ以上の成分の混合物またはブレンドを意味する。本明細書で使用される、用語「組成物」は、組成物を含む材料の混合物、ならびに組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物を含む。
用語「含む」及びその派生語は、任意の追加の成分、ステップ、または手順が本明細書において開示されるか否かに関わらず、これらの存在を除外することが意図されない。あらゆる疑念を回避するために、用語「含む」の使用を通して本明細書において主張される全ての組成物は、特に反対のことが明記されない限り、ポリマーであるか、否かに関わらず、任意の追加の添加物、アジュバント、または化合物を含み得る。対照的に、用語「本質的に〜からなる」は、動作性に必須ではないものを除き、任意の他の成分、ステップ、または手順を任意の後続の列挙の範囲から除外する。用語「〜からなる」は、具体的に記述または列記されない任意の成分、ステップ、または手順を除外する。特に記載されない限り、用語「または」は、個々にならびに任意の組み合わせで列記される構成員を指す。
「導体」は、任意の電圧(DC、AC、または一過性)でエネルギーを移動させるための細長い形状(線、ケーブル、ファイバ)の要素である。導体は、典型的には、少なくとも1本の金属線または少なくとも1本の金属ケーブル(アルミニウムまたは銅など)であるが、光ファイバを含み得る。
「架橋された」、「硬化」、及び同様の用語は、物品に成形される前及び成形された後のポリマーが架橋を誘発する処理を受けたか、もしくはそれに曝され、90重量パーセント以下(すなわち、10重量パーセント以上のゲル含量)のキシレンまたはデカレン(decalene)抽出物を有することを意味する。
「絶縁層」は、1010ohm−cmよりも大きい、または1012ohm−cmよりも大きい体積抵抗率を有する層である。
本明細書で使用される「層」は、導体を包囲するポリマー系層、例えば、電気的絶縁層、半導電層、シース、保護層、水遮断層、または組み合わせ機能を担う層、例えば、導電性充填剤で充填された保護層である。
用語「中圧」は一般に、6kV〜約36kVの電圧を意味し、一方、「高圧」は、36kVよりも高い電圧を意味し、「超高圧」は一般に、220kVよりも大きい電圧を意味する。当業者は、これらの一般的な電圧範囲が米国外では異なり得ることを理解する。
本明細書で使用される、用語「不透明」は、少なくとも自然光(すなわち、太陽光)を遮断する材料である。換言すれば、不透明材料は、約250nm〜約800nmの波長を有する光エネルギーに不透過性である。
用語「ポリマー」は、同一または異なる種類のモノマーを重合することにより調製された高分子化合物である。「ポリマー」は、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマーなどを含む。用語「インターポリマー」は、少なくとも2種類のモノマーまたはコモノマーの重合により調製されたポリマーである。これは、コポリマー(通常、2つの異なる種類のモノマーまたはコモノマーから調製されたポリマーを指す、ターポリマー(通常、3つの異なる種類のモノマーまたはコモノマーから調製されたポリマーを指す)、テトラポリマー(通常、4つの異なる種類のモノマーまたはコモノマーから調製されたポリマーを指す)などを含むが、これらに限定されない。
「遮蔽層」は、半導電性または抵抗性であってよい。半導電性質を有する遮蔽層は、90℃で測定された場合、1000Ω−m未満、または500Ω−m未満の体積抵抗値を有する。抵抗性質を有する遮蔽層は、半導電層よりも大きい体積抵抗値を有する。抵抗性質を有する遮蔽層は、典型的には、約10よりも大きい誘電定数を有する。
試験方法
AC絶縁破壊強度測定
AC絶縁破壊強度測定は、先端半径が1μm(直径0.5mm、長さ1.5インチ)であり、大きい平坦な銅板を備える針を利用する機器を用いて行われる。各試験において、最大15kVの利用可能な電圧までの適用電圧で、または絶縁破壊が検出されるまで増加する階段式ステップランプ法(staircase step ramp method)(30分ごとに1kV)が使用される。「絶縁破壊」は、電源によって読み取られる電圧が設定値の10%を下回って急に降下する点として定義される。このAC絶縁破壊試験手順は、ASTM D3756−97(AC試験)に非常に類似する。AC絶縁破壊強度は、試料が厚さに対して正規化されない電圧である。ASTM法は、適切な標準偏差に関して試料当たり5回の測定を提案しているが、初期の試験は、およそ10回以上の試験が実施されるまで標準偏差が等しくならない一方で、標準誤差はさらに降下し続けることを明らかにした。標準誤差と時間との間の妥協案として、各試料に関して10回の測定が行われ、材料のAC絶縁破壊強度として平均値が提供される。EBD(針の先端の絶縁破壊電界)の値は、以下の方程式を用いて計算される:
Figure 2016523312
式中、VBDは、観察された絶縁破壊電圧であり、rは、針先端半径(r=1μm)であり、dは、針先端から平坦な電極までの距離(d=2mm)である。データは、特性絶縁破壊強度値を計算するために2パラメータワイブル故障分布モデルを使用して適合される。
ケーブル絶縁破壊測定
ICEA S−94−649−2004基準に列記される高圧時間試験手順に従い、製造されたケーブルが試験される。
試料調製
ポリエチレン(「PE」)(密度:0.92g/cc;メルトインデックス(I):2.0g/10分)は、適切な取り込みを確実にするために、電圧安定化添加剤が200℃の標的混合温度及び60rpmで10分間ポリエチレンに溶融混錬された後、Brabender混合ボウル中で溶融フラックスされる。材料は、その後、混合ボウルから取り出され、電気性質評価のために、4インチ×4インチ×0.25インチのスラブに圧縮成形される(200℃で5分間、5,000lb、次いで、200℃で5分間、12,000lbで押圧、次いで、200℃で5分間、20,000lbに押圧)。
1インチの正方形の試験片をスラブから打ち抜き、主軸のうちの1つに沿って0.5インチの深さに予め穿設される。タングステン針(1μmの先端半径)が予め穿設された穴の中に挿入され、高温での挿入を完了するためにジグ内に設置される。ジグ全体は、105℃で1時間、空気循環炉内で調整され、その後、針は、105℃の炉内に維持されながら、5分ごとに約1mmの速度で軟化したポリマー内に前進する。針は、約2mmの点平面距離をもたらす停止部まで前進される。
実施例1〜5及び比較試料A
実施例1は、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO,USAから市販されている0.5重量%のジ−n−フタル酸オクチルを含むLDPEである。この実施例に採用されたLDPEは、The Dow Chemical Company,Midland,MI,USAのLDPE DXM−446である。
実施例2は、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO,USAから市販されている0.5重量%のフタル酸ジノニルを含むLDPEである。この実施例に採用されたLDPEは、実施例1に記載されるものと同じである。
実施例3は、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO,USAから市販されている0.5重量%の安息香酸ヘキシルを含むLDPEである。この実施例に採用されたLDPEは、実施例1に記載されるものと同じである。
実施例4は、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO,USAから市販されている1.0重量%の安息香酸ヘキシルを含むLDPEである。この実施例に採用されたLDPEは、実施例1に記載されるものと同じである。
実施例5は、Sigma Aldrich Corporation,St.Louis,MO,USAから市販されている0.5重量%のトリオクチルトリメリテートを含むLDPEである。この実施例に採用されたLDPEは、実施例1に記載されるものと同じである。
比較試料Aは、電圧安定化剤を含まないLDPEである。比較試料Aに採用されたLDPEは、実施例1に記載されるものと同じである。
実施例1〜5及び比較試料Aは、上述の手順に従い、AC絶縁破壊強度に関して分析される。結果は、下の表1に提供される。
Figure 2016523312
検証された電圧安定化添加剤の各々は、純ポリマーと比較して、ポリエチレンのAC絶縁破壊強度において大幅な改善をもたらす。
ケーブル調製
1+2押出構成方法を用いて15−kVのケーブルコアを製造するために、比較試料A及び実施例5の組成物が利用される。1/0−19wアルミニウム導体が使用され、目標は、15ミルの導体シールド、175ミルの絶縁材、40ミルの絶縁シールドである。導体シールドが2.5インチの押出機で最初に押出され、続いて、4.5インチ及び3.5インチの押出機で、それぞれ、絶縁材及び絶縁シールドを同時押出し、続いて、乾燥窒素硬化される。電気試験を行う目的のため、重銅メッシュ中性物質が適用される。あらゆる架橋副産物を除去するために、90℃で72時間、予備調整が行われる。しかしながら、物流の問題によりケーブル製造とケーブル試験との間にかなりの時間差があるため、予備調整と老化されないケーブルとの間に相違は予想されない。したがって、特性絶縁破壊強度を計算するために、結果は、集団として分析される。公称絶縁破壊結果が、下の表2に提供される。
Figure 2016523312
表2のデータは、2パラメータワイブル故障分布モデルを使用して適合され、停止故障試料は、保留と見なされる。実施例5の特性絶縁破壊強度は、比較試料Aの693V/ミルと比較して948V/ミルであることがわかる。これは、AC絶縁破壊強度において37%の改善を示す。
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び図示に限定されず、以下の特許請求の範囲内に入る実施形態の一部及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含むこれらの実施形態の修正形態を含むことが特に意図される。

Claims (10)

  1. ポリマー組成物であって、
    ポリ−α−オレフィンポリマーと、
    少なくとも1つの芳香環及び1〜2つのカルボキシルアルキルエステル置換基を含む有機カルボキシルエステルと、を含む、前記ポリマー組成物。
  2. 前記ポリ−α−オレフィンポリマーが、エチレン系ポリマーである、請求項1に記載の前記ポリマー組成物。
  3. 前記エチレン系ポリマーが、低密度ポリエチレンである、請求項2に記載の前記ポリマー組成物。
  4. 前記ポリ−α−オレフィンポリマーが、架橋される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記ポリマー組成物。
  5. 前記有機カルボキシルエステルが、単一芳香環を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記ポリマー組成物。
  6. 前記芳香環が、ベンゼン環である、請求項5に記載の前記ポリマー組成物。
  7. 前記カルボキシルアルキルエステル置換基の前記アルキル基が、C〜C12アルキル基から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記ポリマー組成物。
  8. 前記有機カルボキシルエステルが、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジノニル、安息香酸ヘキシル、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記有機カルボキシルエステルが、前記ポリ−α−オレフィンポリマー及び前記有機カルボキシルエステルの合計重量に基づき、0.1〜2重量パーセントの範囲の量で前記ポリマー組成物に存在する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記ポリマー組成物。
  9. 被覆導体であって、
    導体と、
    誘電性絶縁層と、を含み、
    前記誘電性絶縁層が、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記ポリマー組成物を含む、前記被覆導体。
  10. 被覆導体であって、
    導体と、
    誘電性絶縁層であって、
    ポリ−α−オレフィンポリマーと、
    トリオクチルトリメリテートと、を含む誘電性絶縁層と、を含み、
    前記トリオクチルトリメリテートが、前記ポリ−α−オレフィンポリマー及び前記トリオクチルトリメリテートの合計重量に基づき、0.1〜1重量パーセントの範囲の濃度で存在する、前記被覆導体。

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