JP2016522188A - 癌の処置方法 - Google Patents

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Abstract

本明細書には、被験体の癌を処置する方法が記載される。特に、方法は、エンチノスタットとEGFR阻害剤の組み合わせによる肺癌の処置、又は、エンチノスタットとアロマターゼ阻害剤の組み合わせによる乳癌の処置のために提供される。更に、食効は、エンチノスタットの経口投与に関して明白であった。【選択図】図1a

Description

本出願は、2013年3月3日に出願された米国仮特許出願第61/819,505号の利益を主張し、該仮特許出願は、その全体において参照により本明細書に組み込まれる。
<技術分野>
本発明は、HDAC阻害剤の共同投与に基づく癌の処置方法に関連する。
癌、腫瘍、腫瘍関連の障害、及び腫瘍性疾患状態は重篤であり、頻繁に生命を脅かす疾病である。急速に増殖する細胞増殖を特徴とする、これら疾患及び障害は、その処置に効果的な治療剤の同定に向けられる研究努力の対象であり続けている。そのような薬剤は、患者の生存を延長し、新生物に関連した急速に増殖する細胞増殖を阻害し、又は、新生物の緩解に影響する。
一般的に、外科手術と放射線治療は、局所的に制限されると考えられる癌の処置のために考慮される、第1モダリティであり、最良の予後を提供する。特定の癌の化学療法処置は典型的に、失望的な生存率をもたらすが、今なお延命効果を提供する。例えば、肺癌患者において、エルロチニブとゲフィチニブの使用などの上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤の化学療法レジメンが、利用される。患者がEGFR阻害剤の処置に反応しなければ、更なる従来の処置が、現在利用されるように、利益の制限をもたらす。乳癌患者において、レトロゾール、アナストロゾール、又はエキセメスタンの使用などのアロマターゼ阻害剤の化学療法レジメンが、利用される。患者がアロマターゼ阻害剤の処置に反応しなければ、更なる従来の処置が、利益の制限をもたらす。
様々なEGFR阻害剤は、肺癌の処置のために承認されてきたが、EGFR阻害剤治療は、その使用の結果として生じる副作用などの制限に遭遇する。より大きな懸念は、腫瘍の処置のためのEGFR阻害剤の利用が最初に腫瘍の大きさを縮め得る一方で、腫瘍の大きさは最終的には拡大し、とりわけ、抵抗性の発達を示すという見解が強まりつつあることである。エルロチニブ(広く使用されるEGFR阻害剤)は、その使用が癌に対する効果を持つという点で、癌処置に使用されている治療剤のタイプの典型であり得るが、(全く知られていない)他の因子により、腫瘍は抵抗性と進行を発達させる。
早期及び後期の乳癌の処置用の様々なアロマターゼ阻害剤が承認されているにも関わらず、大半の治療剤のように、その使用から副作用が生じる。例えば、共通の副作用は、ほてり、血管拡張、及び吐き気を含む。より大きな懸念は、腫瘍の処置のためのアロマターゼ阻害剤の利用が最初に腫瘍の大きさを縮め得る一方で、腫瘍の大きさは最終的には拡大し、とりわけ、抵抗性の発達を示すという見解が強まりつつあることである。レトロゾール(広く使用されるアロマターゼ阻害剤)は、その使用が癌に対する効果を持つという点で、癌の処置に使用されている治療剤のタイプの典型であり得るが、(全く知られていない)他の因子により、腫瘍は抵抗性と進行を発達させる。
ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤は、クロマチンの再構築及び遺伝子発現調節を通じて、血液及び固形の悪性腫瘍の分化及びアポトーシスを促進する、新たな種類の治療剤である。様々なHDAC阻害剤が同定され、ベンズアミド(エンチノスタット)、短鎖脂肪酸(即ち、ナトリウムフェニル酪酸);ヒドロキサム酸(即ち、ヒドロキサム酸サブエロイルアニリド及びトリコスタチンA);2−アミノ−8−オキソ−9,10−エポキシ−デカノイル部分(即ち、トラポキシンA)、及び、2−アミノ−8−オキソ−9,10−エポキシ−デカノイル部分が無い環式ペプチド(即ち、FK228)を含む、環状テトラペプチドを含む。エンチノスタットは、固形腫瘍及び血液の癌の多数の型において臨床試験を受ける、ベンズアミドHDAC阻害剤である。エンチノスタットは急速に吸収され、約100時間の半減期を持ち、及び重要なことに、ヒストンアセチル化における変化は、エンチノスタットの投与後に数週間持続する。
故に、必要とされるのは、薬剤の効力を増加させ、典型的に従来の処置に関連する副作用を減少及び/又は除去することが可能な治療上の組み合わせに見出される相乗効果を利用する、癌の処置のための組成物及び/又は方法である。
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットが摂食条件(fed condition)下で投与される場合と比較して、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットが絶食条件下で投与される場合に増加する。
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットが絶食条件下で投与される場合と比較して、エンチノスタットのTmaxは、エンチノスタットが摂食条件下で投与される場合に増加する。
1つの実施形態は、必要とする患者の乳癌を処置する方法を提供し、該方法は、エキセメスタンとエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。
1つの実施形態は、必要とする患者の非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、該方法は、エルロチニブとエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、摂食条件下のエンチノスタットの投与と比較して、絶食条件下のエンチノスタットの投与はCmaxの増加を結果としてもたらし、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率は、少なくとも約2:1である。
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、絶食条件下のエンチノスタットの投与と比較して、摂食条件下のエンチノスタットの投与はTmaxの増加を結果としてもたらし、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約2:1である。
<参照による組み込み>
本明細書に記載される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、あたかも個々の刊行物、特許、又は特許出願が参照によって組み込まれるよう具体的且つ個別に示されるかのように、同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。特許出願PCT国際特許出願PCT/US2012/053551;米国特許出願第14/342,354号;及び、米国特許出願公開第2013/0150386号が、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の新規な特徴は、特に、添付の特許請求の範囲内に明記される。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される、具体例を明記する後述の詳細な説明、及び以下の添付図面を参照することによって得られる。
実施例1に記載される食効研究の薬物動態解析を提供する。 実施例1に記載される食効研究の薬物動態解析を提供する。
本明細書には、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤及びアロマターゼ阻害剤の投与に基づく、乳癌の処置方法が提供される。該方法は、食物無しでHDAC阻害剤を投与する工程を含む。処置方法は、処置中に観察されたタンパク質リジンアセチル化のレベルに基づいた患者の選択を組み込み得る。該方法は、HDAC阻害剤及びアロマターゼ阻害剤の投与が1以上の治療剤又は治療により補足される処置を、更に含み得る。
本明細書には、HDAC阻害剤及び上皮成長因子受容体(EGFR)阻害剤の投与に基づく、肺癌の処置方法が提供される。該方法は、食物無しでHDAC阻害剤を投与する工程を含む。該方法は、HDAC阻害剤及びEGFR阻害剤の投与が1以上の治療剤又は治療により補足される処置を、更に含み得る。
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、摂食条件下のエンチノスタットの投与と比較して、絶食条件下のエンチノスタットの投与はCmaxの増加を結果としてもたらし、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率は、少なくとも約2:1である。別の実施形態は、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約3:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約4:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約5:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約6:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約7:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、癌は肺癌である。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、癌は非小細胞肺癌である。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、癌は乳癌である。別の実施形態は、EGFR阻害剤の経口投与を更に含む、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、EGFR阻害剤はエルロチニブである。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エルロチニブはエンチノスタットとは異なる時間に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、エルロチニブの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、エルロチニブの投与後の1時間以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、約150mgのエルロチニブが投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エルロチニブは1日1回投与される。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤の経口投与を更に含む、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンはエンチノスタットとは異なる時間に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは食後に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは食事と共に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、約25mgのエキセメスタンが投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは1日1回投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は約10mgのエンチノスタットを投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は約5mgのエンチノスタットを投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は約1mg乃至約20mgのエンチノスタットを投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与後の2時間以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は摂食条件下で高脂肪の食事を摂取する。
1つの実施形態は、必要とする患者の癌を処置する方法を提供し、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、絶食条件下のエンチノスタットの投与と比較して、摂食条件下のエンチノスタットの投与はTmaxの増加を結果としてもたらし、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約2:1である。別の実施形態は、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約2:1乃至約5:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約5:1乃至約8:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約8:1乃至約12:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約12:1乃至約15:1である、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、癌は肺癌である。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、癌は非小細胞肺癌である。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、癌は乳癌である。別の実施形態は、EGFR阻害剤の経口投与を更に含む、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、EGFR阻害剤はエルロチニブである。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エルロチニブはエンチノスタットとは異なる時間に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、エルロチニブの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、エルロチニブの投与後の1時間以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、約150mgのエルロチニブが投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エルロチニブは1日1回投与される。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤の経口投与を更に含む、癌を処置する方法を提供する。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンはエンチノスタットとは異なる時間に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは食後に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは食事と共に投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、約25mgのエキセメスタンが投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは1日1回投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は約10mgのエンチノスタットを投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は約5mgのエンチノスタットを投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は約1mg乃至約20mgのエンチノスタットを投与される。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与後の2時間以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は、絶食条件下のエンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、癌を処置する方法を提供し、患者は摂食条件下で高脂肪の食事を摂取する。
本明細書で説明される開示の理解を促進するため、多くの用語を以下に定義する。
本明細書で使用されるように、「異常細胞増殖」は、正常細胞の異常増殖及び異常細胞の増殖を含む、通常の調節機構(例えば、接触阻害の損失)から独立した細胞増殖を指す。
本明細書に記載されるように、「新形成」は、自律的増殖と体細胞変異により正常細胞を区別する細胞の、異常な、規制の無い、且つまとまりのない増殖である。新生細胞が増殖して分割すると、それらは、子孫細胞に遺伝子変異及び増殖の特徴を伝える。新生物、又は腫瘍は、新生細胞の蓄積である。幾つかの実施形態において、腫瘍は良性又は悪性であり得る。
「転移」は、本明細書で使用されるように、リンパ管又は血管を介する腫瘍細胞の伝搬を指す。転移は、漿膜腔、又はくも膜下腔、或いは他の腔を介する、直接の拡張による腫瘍細胞の移動も指す。転移のプロセスを介して、身体の他の領域への腫瘍細胞の移動は、最初の発生部位から離れた領域に新生物を確立させる。
本明細書で考察されるように、「血管新生」は腫瘍の形成と転移において顕著である。血管新生因子は、横紋筋肉腫、網膜芽細胞腫、ユーイング肉腫、神経芽腫、及び骨肉腫などの様々な固形腫瘍に関連すると見出された。腫瘍は、栄養素を提供し且つ細胞の廃棄物を取り除くための血液供給なしでは、拡張することができない。血管新生が重大である腫瘍は、腎細胞癌、肝細胞癌、及び聴神経腫などの良性腫瘍、並びに神経線維腫などの固形腫瘍を含む。血管新生は、白血病などの血液由来の(blood−born)腫瘍に関連している。血管新生は、白血病を生じさせる骨髄の異常において役割を果たすと考えられている。血管新生の予防は、腫瘍の存在により、癌の腫瘍の増殖及び被験体に結果として生じる損傷を止めることができる。
用語「被験体」は、限定されないが、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、又はマウスを含む動物を指す。用語「被験体」及び「患者」は、例えば、ヒト被験体などの哺乳動物被験体を参照する際に、本明細書で互換的に使用される。
用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」、及び「処置(treatment)」は、障害、疾患、又は疾病を緩和又は抑止すること;又は、障害、疾患、又は疾病に関連した1以上の症状を軽減又は抑止すること;或いは、障害、疾患、又は疾病自体の原因を緩和又は根絶することを含むことを意味する。
用語「治療上有効な量」は、投与された時、処置される障害、疾患、又は疾病の1以上の症状の進行を予防する、又はある程度軽減するのに十分な化合物の量を指す。用語「治療上有効な量」はまた、研究者、獣医、医者、又は臨床医によって求められている細胞、組織、系、動物、又はヒトの生物学的又は医学的反応を誘発するのに十分な化合物の量を指す。
用語「薬学的に許容可能な担体」、「薬学的に許容可能な賦形剤」、「生理的に許容可能な担体」、又は「生理的に許容可能な賦形剤」は、液体又は固体の充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒、又はカプセル化材料などの、薬学的に許容可能な材料、組成物、又はビヒクルを指す。各構成要素は、医薬製剤の他の成分に適合可能であるという意味では、「薬学的に許容可能」でなければならない。それはまた、合理的なベネフィット・リスク比と相応している、過度の毒性、刺激作用、アレルギー反応、免疫原性、又は他の問題或いは合併症のない、ヒト及び動物の組織又は臓器に接する使用に、適していなければならない。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition; Lippincott Williams & Wilkins: Philadelphia, PA, 2005; Handbook of Pharmaceutical Excipients, 5th Edition; Rowe et al., Eds., The Pharmaceutical Press and the American Pharmaceutical Association: 2005;Handbook of Pharmaceutical Additives, 3rd Edition; Ash and Ash Eds., Gower Publishing Company: 2007; Pharmaceutical Preformulation and Formulation, Gibson Ed., CRC Press LLC: Boca Raton, FL, 2004)を参照。
用語「医薬組成物」は、本明細書に開示される化合物と、希釈剤又は担体等の他の化学成分との混合物を指す。医薬組成物は、生体への化合物の投与を促進する。化合物を投与する複数の技術は、限定されないが、経口投与、注入、エアロゾル投与、非経口投与、及び局所投与を含み、当該技術分野に存在する。医薬組成物はまた、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの無機酸又は有機酸と化合物を反応させることにより、得ることが出来る。
用語「絶食すること(fasting)」、「絶食した(fasted)」、又は「食物無し(without food)」は、総じて、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約30分前から、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約30分後までの期間中に、食物を摂取していない状態を意味すると定義される。幾つかの例において、食物は、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約2時間前から、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約1時間後まで、摂取されない。幾つかの例において、食物は、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約1時間前から、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約1時間後まで、摂取されない。幾つかの例において、食物は、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約1時間前から、本明細書に記載される治療剤の投与の少なくとも約2時間後まで、摂取されない
用語「摂食条件」は、食事を取った条件を指す。幾つかの例において、食物は高脂質又は高カロリーの食事である。高カロリーの食事は、限定されないが、500カロリー以上、約300乃至800カロリー、約500カロリー乃至約1,000カロリー、及び約800カロリー乃至約1,500カロリーを含む食事を、含み得る。幾つかの例において、高脂質の食事は、限定されないが、約20%乃至約50%、約30%乃至約60%、及び約40%乃至約70%の毎日のカロリー摂取の脂肪率からのカロリーを含む。幾つかの実施形態において、食事は高脂質ではない。幾つかの実施形態において、食事は高カロリーではない。
用語「バイオアベイラビリティ」は一般的に、活性成分が治療剤から吸収され、作用の部位にて利用可能になる割合と範囲を意味する。経口投薬形態では、バイオアベイラビリティは、活性成分が経口投薬形態から放出され、作用の部位に移動するプロセスに関係する。定量的に、用語「経口バイオアベイラビリティ」又は「%F」は、AUCoral/AUCivとして定義され、ここで、AUCoralは経口投与後に判定されたAUCであり、AUCivはiv投与後に判定されたAUCである。
「AUC」は、薬物濃度曲線の下の領域を指す。「AUC0−t」は、ゼロから時間tまでの、薬物濃度曲線の下の領域を指す。「AUClast」は、ゼロから薬物濃度曲線の最後のデータポイントまでの、薬物濃度曲線の下の領域を指す。「AUC0−∞」又は「AUCinf」は、ゼロから無限時間までの、薬物濃度曲線の下の領域を指す。
「t1/2」は、示された種の排除半減期を指す。「tmax」は、示された種の最大濃度の時間を指す。「Cmax」は、示された種の最大濃度を指す。
<乳癌の処置>
<ヒストン脱アセチル化酵素>
HDACは、3つの分類(分類I、II、及びIII)にグループ分けした、少なくとも18の酵素を含むファミリーである。分類IのHDACは、限定されないが、HADC 1、2、3、及び8を含む。分類IのHDACは、核の中で見出すことができ、転写調節抑制因子に関与すると考えられる。分類IIのHDACは、限定されないが、HDAC 4、5、6、7、及び9を含み、細胞質と核の両方において見出すことができる。分類IIIのHDACは、NAD依存性タンパク質であると考えられ、限定されないが、タンパク質のサーチュイン・ファミリー(Sirtuin family)のメンバーを含む。サーチュインタンパク質の制限しない例はSIRT1−7を含む。本明細書で使用されるように、用語「選択的なHDAC」は、3つのHDACの分類全てと相互作用しないHDAC阻害剤を指す。
<HDAC阻害剤>
HDAC阻害剤は、パンHDAC阻害剤及び選択的なHDAC阻害剤に広く分類することができる。既知のHDAC阻害剤の大きな構造多様性が存在するが、それらは共通の特徴を共有する:酵素活性部位と相互作用する部分、及び活性部位に通じる経路の内部に位置する側鎖。これは、ヒドロキサマート基が活性部位と相互作用すると考えられる場合、SAHAなどのヒドロキサマートと共に見ることができる。デプシペプチドの場合、ジスルフィド結合の細胞内の減少が、4−炭素アルケニル鎖に付けられた遊離チオール基(活性部位と相互作用する)を作ると考えられている。HDAC阻害剤間の差異は、活性部位に対する経路の対向端部にある、HDACチャネルの縁と相互作用する方法にある。それは、少なくとも部分的に、SAHAなどのパン−HDAC阻害剤と、デプシペプチドなどの選択的なHDAC阻害剤との間のHDAC選択性における幾つかの観察された差異を占めると考えられている、HDAC阻害剤とチャネルの縁との間のこの相互作用である。特に好ましいHDAC阻害剤はエンチノスタットである。エンチノスタットは、化学名N−(2−アミノフェニル)−4−[N−(ピリジン−3−イル)メトキシカルボニルアミノ−メチル]−ベンズアミド及び以下に示される化学構造を有する。
<アロマターゼ>
エストロゲンは、女性ホルモンの1つであり、身体に多くの機能を有する。乳癌腫瘍の約80%が、エストロゲン受容体を過剰発現させ、エストロゲンの存在に対し正に反応することが見出された。閉経後の女性において、卵胞ホルモン生産は減少し、血漿エストロゲンレベルは一般的に、更年期前の女性よりも低い。
閉経後の女性におけるエストロゲンの残留源は、アロマターゼによって触媒される、アンドロゲンからのエストロゲンの合成である。アロマターゼ活性の阻害は、エストロゲンのレベルの減少、及び故に、エストロゲンの存在に対し正に反応する乳癌腫瘍の増殖の減少を引き起こさなければならない。アロマターゼは、シトクロムP450ファミリーの酵素、及び、CYP19遺伝子の生成物である。アロマターゼの化学的機能は、テストステロンをエストラジオールに変換し、アンドロステンジオンをエストロンに変換することである。
<アロマターゼ阻害剤>
アロマターゼ阻害剤は、酵素アロマターゼがアンドロゲンをエストロゲンに変えることを阻止することにより、身体のエストロゲンを減少させる。初期の乳癌の処置では、特定のアロマターゼ阻害剤は、タモキシフェンの代わりに、又はタモキシフェンの2年以上後に、アジュバント療法として使用され得る。転移性乳癌の処置では、アロマターゼ阻害剤は、それらをタモキシフェンによるホルモン療法と比較するために臨床試験において試験されている。
本明細書に記載されるように、「アロマターゼ阻害剤」はアロマターゼ酵素の活性を阻害する分子である。アロマターゼの阻害剤である化合物は、例えば、1,2−3H−アンドロステンジオンのエストロンへの変換の阻害を測定する、標準的な薬理試験手順などの方法を使用して、当業者によって容易に同定することができる。
簡潔に、ミクロソーム画分は、「Thompson and Siiteri (J. Biol. Chem., Vol. 249, p. 5364 (1974))」に記載されるような方法により、ヒトの胎盤から調製される。そうして得られるミクロソームの調製物は、凍結乾燥され、−40℃で保存される。ヒトの胎盤のミクロソームは1,2−H−アンドロステンジオンに加えられ、37℃で20分間インキュベートされる。標識化した基質の芳香族化の量は、インキュベーション培地へのOの損失によって検知される。基質は、クロロホルム抽出、その後の懸濁液中のチャコールへの吸着によって取り除かれる。チャコールは、遠心分離によって取り除かれ、ステロイド遊離培地は液体シンチレーション計数器中で数えられる。組成物は、ミクロソームの追加前にインキュベーション培地に加えることにより、アロマターゼ阻害活性に関して試験される。組成物の有無にかかわらず得られた相対的なcpmは、エストロンに対するアンドロステンジオンの芳香族化のパーセント阻害を計算するために使用される。IC50値は、エストロンに対するアンドロステンジオンの芳香族化が制御値の50%に減らされる、試験組成物の濃度として図表で判定することが出来る。
皮下脂肪は、アロマターゼ活性の主要部位であり、血漿エストロゲンレベルが体容量指数と相関することが示唆されてきた(Longcope et al , Metabolism 1986, 35, 235−7)。閉経期では、血漿エストロゲンレベルが、約110pg/mLから約7pg/mLの十分に低いレベルにまで落ちることが示唆されてきた。しかし、閉経後の女性において、エストラジオールの内部腫瘍の濃度は、恐らくは腫瘍内のアロマターゼ活性により、血漿のものより約10倍高いことが見出された。
乳癌のための処置の選択肢としてのアロマターゼの阻害は、幾つかの成果と共に研究された。現在、3つのアロマターゼ阻害剤が、閉経後の女性において様々な段階で、乳癌の処置のために米国の市場において承認されている。レトロゾール(Femara(登録商標))は、タモキシフェンの処置前に5年を伴う閉経後の女性の早期乳癌の拡張したアジュバント処置、ホルモン受容体陽性の(又は未知の)局所的に進行した又は転移性の乳癌を患う閉経後の女性の処置、及び、抗エストロゲン治療を受けた後に疾患進行が生じる閉経後の女性の進行性乳癌の処置を含む、様々な処置の選択肢について示される。
アナストロゾール(Arimidex(登録商標))は、ホルモン受容体−(+)早期乳癌を患う閉経後の女性のアジュバント処置、ホルモン受容体−(+)の(又は未知の)局所的に進行した又は転移性の乳癌を患う閉経後の女性の第一線処置、及び、タモキシフェン治療を受けた後に疾患進行が生じる閉経後の女性の進行性乳癌の処置を含む、様々な処置の選択肢について示される。
エキセメスタン(Aromasin(登録商標))は、2−3年のタモキシフェン処置を受けたことがあるエストロゲン受容体−(+)早期乳癌を患う閉経後の女性のアジュバント処置、及び、タモキシフェン治療を受けた後に疾患進行が生じる閉経後の女性の進行性乳癌の処置を含む、様々な処置の選択肢について示される。
これら薬物は、2つの分類にグループ分けされる:(タイプ1)エキセメスタンはステロイド化学構造に基づき、(タイプ2)レトロゾールとアナストロゾールは非ステロイド性化学構造に基づく。臨床試験は、レトロゾールが、進行したER(+)の疾患の処置においてタモキシフェンよりも優れていることを示した。初期の疾患において、アナストロゾールによるアジュバント療法は、再発のリスクを減らすことにおいてタモキシフェンによる治療よりも優れているように思われる。近年の臨床試験結果は、乳癌処置のためのケアの標準として、タモキシフェンに取ってかわるアロマターゼ阻害剤に繋がった。
<乳癌>
今日、アメリカ合衆国の女性の中で、乳癌は最も頻繁に診断された癌であり続けている。アメリカ合衆国において8人の女性の内1人は乳癌を発症するリスクがある。年齢、家族歴、食事、及び遺伝因子が、乳癌に係る危険因子であると確認された。乳癌は女性における死亡の第2の主要原因である。
<HER2/neu陽性乳癌>
HER2/neuの過剰発現に関連する癌は、乳癌、卵巣癌、子宮内膜癌、前立腺癌、胃癌、唾液腺癌、膵臓癌、結腸直腸癌、口腔癌、及び肺非小細胞癌を含む。乳癌は、抗HER2/neuの処置の焦点であった。
乳癌の約25−30パーセントは、HER2/neu遺伝子の増幅、又は、そのタンパク質生成物の過剰発現を有している。乳癌におけるこの受容体の過剰発現は、疾患再発の増加及び更に悪化する予後に関係する。
<ホルモン陽性の癌>
多くの乳癌が、ホルモンエストロゲンの増殖を必要とする。閉経期の女性において、エストロゲンの主な源は、アンドロゲンのエストロゲンへの転換を介する。上述のように、このプロセスは、アロマターゼ酵素によって行なわれる。
<トリプルネガティブ乳癌>
癌がエストロゲン受容体陰性、プロゲステロン受容体陰性、及びHER2陰性である、トリプルネガティブ乳癌の処置において、本明細書に記載される組成物及び治療は、他の治療剤と組み合わせられ得る。そのような薬剤は、ほんの一例であるが、セツキシマブ、パクリタキセル、ドセタキセル、タキサン製剤、例えば、Abraxane(登録商標)(ABI−007)、パクリタキセル−クレモホールEL、パクリタキセルポリグルメックス、及びパクリタキセルを注入可能なエマルジョン(PIE)を含む。HER2過剰発現と関連する癌が存在するが、HER2発現の定量化に利用される試験における技術的な制限により検出されない場合、これらの組み合わせは、都合の良い場合がある。
ホルモン療法は、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌(BC)の処置の中心的支柱である。臨床的活性、及びホルモン剤の全体的な好ましい副作用の特性並びに耐容性の両方により、ケアの標準は典型的に、抵抗性及び/又は内臓クリーゼの何れかの進行が化学療法への切り換えを必要とするまでの、ホルモン剤の順序付け(sequencing)に関与する。閉経後の女性において、アロマターゼ阻害剤(AI)は、内因性エストロゲン合成を妨げることにより機能する、好ましい分類の抗エストロゲン治療である。エキセメスタンは、非ステロイド性のAI、NSAI;即ち、レトロゾール又はアナストロゾールに対する、進行後の転移性のセッティングにおいて実証された効果により、アロマターゼ酵素に不可逆的に結合し、且つそれを不活性化する、ステロイドのAIである(Chia S, Gradishar W, Mauriac L, et al: Double−blind, randomized placebo controlled trial of fulvestrant compared with exemestane after prior nonsteroidal aromatase inhibitor therapy in postmenopausal women with hormone receptor−positive, advanced breast cancer: results from EFECT. J Clin Oncol 26:1664−1670, 2008)。
進行したBCにおけるホルモン療法に対する抵抗性の発達は、重大な負荷(challenge)を表わす。抵抗性の推定上のメカニズムは、エストロゲン非依存性増殖、低いエストロゲン濃度に対する感受性、サイクリンD1過剰発現、構成上の核因子カッパB(NFκB)活性化、成長因子シグナル経路のアップレギュレーション、及びエストロゲン受容体アルファ(ERα)発現のダウンレギュレーションを含む。これらの経路と機構は、治療介入に可能な標的を提供する。エンチノスタットは、分類1のHDACに対する高特異性、及び、毎週の投薬を可能にする独特な薬理学的特性を有する、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の新規な経口阻害剤である。HDAC阻害は、活性の代用可能な薬力学的マーカーとして機能する腫瘍と末梢血赤血球において、タンパク質リジンアセチル化の上昇を引き起こす。エンチノスタットの分類1の特異性は、それを、アメリカ合衆国(US)食品医薬品局(FDA)に承認されたHDAC阻害剤(HDACi)ボリノスタット(vorinstat)(Zolinza(登録商標))及びロミデプシン(Istodax(登録商標))と区別する。臨床前に、エンチノスタットは、エストロゲン非依存性成長因子シグナル経路のダウンレギュレーション、ERαレベルの標準化、及びアロマターゼ酵素レベルの増加の結果として、ERα陽性の腫瘍増殖の阻害及びホルモン感受性の回復を実証した。(Sabnis GJ, Goloubeva O, Chumsri S, et al: Functional activation of the estrogen receptor−α and aromatase by the HDAC inhibitor entinostat sensitizes ER−negative tumors to letrozole. Cancer Res 71:1893−903, 2011; Sabnis GJ, Kazi A, Goloubeva O, Brodie AMH. HDAC Inhibitor Entinostat Restores Responsiveness of Letrozole Resistant MCF−7Ca Xenografts to AIs through Modulation of Her 2. Presented at the 33rd Annual San Antonio Breast Cancer Symposium, San Antonio, TX, December 8−12, 2010)。本明細書に記載される特定の臨床試験の結果は、ER+乳癌におけるエンチノスタットとエキセメスタンとの組み合わせが、ホルモン療法抵抗性のメカニズムを阻害し、それにより、エキセメスタンによる抗エストロゲン治療に対して細胞を感作することを実証する。
<付加療法>
本明細書に開示される治療と組み合わせて都合良く利用され得る、乳癌に利用可能な付加的な処置は、限定されないが、放射線治療、化学療法、抗体療法、及びアジュバント療法としてチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
放射線治療は、癌細胞を死滅させる又はそれらの増殖を維持するために、高エネルギーのX線又は他のタイプの放射線を使用する癌処置である。化学療法は、細胞を死滅させること、又は、それらの分割を止めることの何れかにより、癌細胞の増殖を止めるための薬物を使用する癌処置である。化学療法が口によって得られるか、又は、血管或いは筋肉へ注入される場合、薬物は血流に侵入し、身体の全体にわたって癌細胞に到達することができる(全身化学療法)。化学療法が脊椎、臓器、又は腹部などの体腔に直接入れられる場合、薬物は主として、それらの領域にある癌細胞に影響を及ぼす(局所的化学療法)。化学療法が与えられる方法は、処置されている癌のタイプ及び段階に依存する。
異なる化学療法剤は、乳癌の処置に関して当該技術分野において既知である。乳癌の処置に使用される細胞毒性薬剤(Cytoxic agents)は、ドキソルビシン、シクロホスファミド、メトトレキサート、5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、ミトキサントロン、パクリタキセル、タキサン製剤(ほんの一例として、Abraxane(登録商標)(ABI−007)、パクリタキセル−クレモホールEL、パクリタキセルポリグルメックス、及びパクリタキセル注入可能なエマルジョン(PIE)など)、ゲムシタビン、ドセタキセル、カペシタビン、及びエピルビシンを含む。
乳癌に対する他の化学療法は、ベンダムスチン、カルボプラチン(例えばParaplatin(登録商標))、カルムスチン(例えばBCNU(登録商標))、クロラムブシル(例えばLeukeran(登録商標))、シスプラチン(例えばPlatinol(登録商標))、シクロホスファミド注入(例えばCytoxan(登録商標))、経口シクロホスファミド(例えばCytoxan(登録商標))、ダカルバジン(例えばDTIC(登録商標))、イホスファミド(例えばifex(登録商標))、ロムスチン(例えばCCNU(登録商標))、メクロレタミン(例えばナイトロジェンマスタード、Mustargen(登録商標))、メルファラン(例えばAlkeran(登録商標))、プロカルバジン(例えばMatulane(登録商標))、ブレオマイシン(例えばBlenoxane(登録商標))、ドキソルビシン(例えばAdriamycin(登録商標)、Rubex(登録商標))、エピルビシン、イダルビシン(例えばIdamycin(登録商標))、ミトキサントロン(例えばNovantrone(登録商標))、ゲムシタビン(例えばGemzar(登録商標))、経口メルカプトプリン(例えばPurinethol(登録商標))、メトトレキサート、ペントスタチンIV(例えばNipent(登録商標))、経口チオグアニン(例えばLanvis(登録商標))、経口エトポシド(例えばVP−16、VePesid(登録商標)、Etopophos)−エトポシドIV(例えばVP−16、VePesid(登録商標)、Etopophos)、ビンブラスチン(例えばVelban(登録商標))、ビンクリスチン(例えばOncovin(登録商標))、ビノレルビン(例えばNavelbine(登録商標))、デキサメタゾン(例えばDecadron(登録商標))、メチルプレドニゾロン(例えばMedrol(登録商標))、及びプレドニゾン(例えばDeltasone(登録商標))の1以上による処置を含む。
モノクローナル抗体療法は、単式の免疫系細胞から、研究所で作られた抗体を使用する癌処置である。これら抗体は、癌細胞上の物質、又は癌細胞が増殖するのを支援し得る通常の物質を同定することができる。抗体は、物質に付着し、癌細胞を死滅させ、癌細胞の増殖を阻止し、又はそれらの拡散を維持する。モノクローナル抗体は点滴により与えられる。それらは単独で使用され得、又は、癌細胞へ直接、薬物、毒素、又は放射性物質を運ぶために使用され得る。モノクローナル抗体も、アジュバント療法として化学療法と組み合わせて使用される。
トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))は、乳癌細胞に増殖信号を送信する成長因子タンパク質HER2の効果を阻止する、モノクローナル抗体である。
トラスツズマブは、単一の薬剤として臨床反応を引き起こし、及び、進行したHER2陽性の乳癌のための化学療法に加えられた場合、生存を向上させる。しかし、幾つかの患者はトラスツズマブに反応せず、結局、臨床的抵抗性を発達させる。内因性及び後天性のトラスツズマブ抵抗性の機構は、あまり理解されていない。抵抗性に関連した遺伝及びタンパク質の変調を描写するために、細胞株ベースの方法を利用した1つの研究が報告された(D. Tripathy et al Journal of Clinical Oncology, 2005 Vol 23, No 16S, 3121)。これらの研究者は、インビトロの抵抗性が文書化されるまで、トラスツズマブの存在下で連続的に継代された2つのHER2陽性の乳癌細胞株(BT474及びSKBR3)を研究した。抵抗性細胞株は12か月後に出現し、トラスツズマブの欠如下で3倍より早い成長速度を示した。トラスツズマブ曝露の後、G/G期停止は、S期におけるより少数の細胞(3対14%)と共に、抵抗性細胞(84対68%)と比較して感受性であると観察された。抵抗性細胞株は、感受性細胞と比較して、ケモカイン受容体CXCR4及び有糸分裂チェックポイントレギュレータのアップレギュレーション、及びPTENのダウンレギュレーションと同様に、トラスツズマブによる遺伝子発現の少ない変化を示した。
本明細書に開示された組成物及び治療と都合良く組み合わせられ得る、追加の実例となる処置は、単独で、又は、カペシタビン、ドセタキセル、エピルビシン、エポチロンA、B、又はD、酢酸ゴセレリン、パクリタキセル、パミドロネート、ベバシズマブ、又はトラスツズマブと組み合わせた、限定されないがラパチニブを含む薬剤の投与を含み得る。
幾つかの実施形態において、付加療法は、ドキソルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル、ラパチニブ、カペシタビン、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ゲムシタビン、エリブリン、又はnab−パクリタキセルの1つ以上を被験体に投与する工程を含む化学療法を含む。
<乳癌の処置方法>
1つの実施形態は、患者の乳癌を処置する方法を提供し、該方法は、(i)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施す前にタンパク質リジンアセチル化のレベルを測定する工程、(ii)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施す工程、(iii)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施した後にタンパク質リジンアセチル化のレベルを測定する工程、(iv)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施した後のタンパク質リジンアセチル化のレベルを、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施す前のタンパク質リジンアセチル化のレベルと比較する工程、及び、(v)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施した後のタンパク質リジンアセチル化のレベルが、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施す前のタンパク質リジンアセチル化のレベルよりも高い場合に、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法による処置を継続する工程を含む。幾つかの例において、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。
1つの実施形態は、患者の乳癌を処置する方法を提供し、該方法は、(i)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施す工程、及び(ii)治療前のタンパク質リジンアセチル化レベルと比較した、前記治療中のタンパク質リジンアセチル化レベルの変化を判定する工程を含む。幾つかの例において、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。
1つの実施形態は、患者の乳癌の処置方法を提供し、該方法は、(i)タンパク質リジンアセチル化を施す前のレベルを判定する工程、(ii)エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法を施す工程、及び(iii)治療中にタンパク質リジンアセチル化のレベルを判定する工程を含む。幾つかの例において、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。
患者に対する治療効果の範囲を増加させるために、エンチノスタットなどの治療剤の経口バイオアベイラビリティを増加させることが、望ましい。一般的に、食物は治療剤のバイオアベイラビリティに対する可変的な効果を持つ。治療剤と食物の間の相互作用は、減少した、遅延した、又は増加した全身性の薬物アベイラビリティを結果としてもたらすこともある。食物は、以下の段階で治療剤と相互作用することがある:(i)消化管吸収の前、及びその間;(ii)分布中;(iii)代謝中;及び(iv)排泄中。1つの実施形態において、エンチノスタットのバイオアベイラビリティは、食物と共に投与された場合に減少する。
食物は、胃内容排出を遅延して、腸管輸送時間を延長することにより、ピーク曝露(Cmax)、及びピーク曝露までの時間(Tmax)に影響を及ぼし得る。幾つかの例において、食物は、総曝露、又は、濃度時間曲線の下の領域(AUC)に影響を及ぼす。幾つかの実施形態において、Cmaxは、エンチノスタットが食物無しで投与される場合、エンチノスタットが食物と共に投与される場合のCmaxと比較して、さらに高い。幾つかの実施形態において、摂食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxに対する、絶食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxの比率は、少なくとも約2:1である。1つの実施形態において、摂食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxに対する、絶食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxの比率は、少なくとも約3:1である。1つの実施形態において、摂食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxに対する、絶食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxの比率は、少なくとも約4:1である。1つの実施形態において、摂食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxに対する、絶食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxの比率は、少なくとも約5:1である。1つの実施形態において、摂食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxに対する、絶食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxの比率は、少なくとも約6:1である。1つの実施形態において、摂食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxに対する、絶食条件下のエンチノスタットの投与後のCmaxの比率は、少なくとも約7:1である。
幾つかの実施形態において、Tmaxは、エンチノスタットが食物無しで投与される場合、エンチノスタットが食物と共に投与される場合のTmaxと比較して、さらに低い。幾つかの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約2:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約3:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約4:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約5:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約6:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約7:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約8:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約9:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約10:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約11:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約12:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約13:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約14:1である。1つの実施形態において、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約15:1である。
幾つかの実施形態において、エキセメスタンはエンチノスタットとは異なる時間に投与される。1つの実施形態において、エキセメスタンは食後に投与される。1つの実施形態において、エキセメスタンは食事と共に投与される。
別の実施形態は、前記治療中のタンパク質リジンアセチル化レベルの変化を判定する工程が、治療の約2日後、治療の約5日後、治療の約7日後、治療の約15日後、又は治療の約21日後に行われる方法を提供する。
別の実施形態は、タンパク質リジンアセチル化レベルが、B細胞、T細胞、又は単球から選択される組織サンプルから得られる方法を提供する。
別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤がエキセメスタンである方法を提供する。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤がアナストロゾール(anasrozole)である方法を提供する。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤がレトロゾールである方法を提供する。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤が毎日投与される方法を提供する。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤がエキセメスタンであり、毎日投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタット(etinostat)が28日間のサイクルで7日毎に投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットが28日間のサイクルで14日毎に投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法が、28日間のサイクルで7日毎のエンチノスタットの経口投与、及び毎日のエキセメスタンの経口投与を含む方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法が、28日間のサイクルで14日毎のエンチノスタットの経口投与、及び毎日のエキセメスタンの経口投与を含む方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットが28日間のサイクルで7日毎に、絶食状態の患者に投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットが28日間のサイクルで14日毎に、絶食状態の患者に投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法が、28日間のサイクルで7日毎の絶食状態の患者へのエンチノスタットの経口投与、及び毎日のエキセメスタンの経口投与を含む方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法が、28日間のサイクルで14日毎の絶食状態の患者へのエンチノスタットの経口投与、及び毎日のエキセメスタンの経口投与を含む方法を提供する。
別の実施形態は、治療中にタンパク質リジンアセチル化レベルを判定する工程が、1回より多く行なわれる方法を提供する。別の実施形態は、治療中にタンパク質リジンアセチル化レベルを判定する工程が、1回行われる方法を提供する。
別の実施形態は、タンパク質リジンアセチル化レベルのレベルが治療中に増加する場合に、更なる処置のために患者を選択する工程を更に含む方法を提供する。
別の実施形態は、タンパク質リジンアセチル化レベルのレベルが治療中の第1週の間に増加する場合、更なる処置のために患者を選択する工程を更に含む方法を提供する。別の実施形態は、タンパク質リジンアセチル化レベルのレベルが治療中の第1週及び第2週の間に増加する場合、更なる処置のために患者を選択する工程を更に含む方法を提供する。
1つの実施形態は、更なるエンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法のために患者を選択する方法を提供し、該方法は、治療開始後に得た組織サンプルにおけるタンパク質リジンアセチル化レベルを、治療開始前に判定されるタンパク質リジンアセチル化レベルと比較する工程を含む。
1つの実施形態は、更なるエンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法のために患者を選択する方法を提供し、該方法は、治療開始後に得た組織サンプルにおけるタンパク質リジンアセチル化レベルを、治療開始前に判定されるタンパク質リジンアセチル化レベルと比較する工程を含み、ここで、治療開始後のタンパク質リジンアセチル化レベルの増加は、患者が更なる治療から利益を得ることを示す。
別の実施形態は、治療開始後に得た組織サンプルにおけるタンパク質リジンアセチル化レベルが1回より多く判定される方法を提供する。別の実施形態は、治療開始後のタンパク質リジンアセチル化レベルの増加が1週間にわたり生じる方法を提供する。別の実施形態は、治療開始後のタンパク質リジンアセチル化レベルが、2日目、8日目、及び15日目に判定される方法を提供する。
別の実施形態は、増加が約10%から約500%までである方法を提供する。別の実施形態は、増加が約10%から約400%までである方法を提供する。別の実施形態は、増加が約10%から約300%までである方法を提供する。別の実施形態は、増加が約10%から約200%までである方法を提供する。別の実施形態は、増加が約10%から約100%までである方法を提供する。別の実施形態は、増加が約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、又は約60%である方法を提供する。別の実施形態は、増加が約25%、約50%、約75%、約100%、約125%、又は約150%である方法を提供する。
別の実施形態は、組織サンプルが、B細胞、T細胞、又は単球から選択される方法を提供する。
別の実施形態は、治療開始後に得た組織サンプルが、治療開始の少なくとも2日後に得られる方法を提供する。別の実施形態は、治療開始後に得た組織サンプルが、治療開始後の2日目と28日目の間に得られる方法を提供する。別の実施形態は、治療開始後に得た組織サンプルが、治療開始の2日後、3日後、4日後、5日後、6日後、7日後、8日後、9日後、10日後、11日後、12日後、13日後、14日後、又は15日後に得られる方法を提供する。
1つの実施形態は、更なるエンチノスタット−アロマターゼ阻害剤の併用療法のために患者を選択する方法を提供し、該方法は、治療開始後に得た組織サンプルにおけるタンパク質リジンアセチル化レベルのパーセント変化を、治療開始前に判定されるタンパク質リジンアセチル化レベルと比較する工程を含み、ここで、約5%乃至約50%の、治療開始後のタンパク質リジンアセチル化レベルのパーセント減少は、患者が更なる治療から利益を得ないことを示す。
1つの実施形態は、アロマターゼ阻害剤の治療前に抵抗性を表わす乳癌の処置方法を提供し、該方法は、エンチノスタットとアロマターゼ阻害剤を含む組み合わせを患者に投与する工程を含み、ここで、患者は、アロマターゼ阻害剤による前処置中に6か月より多くの間、完全寛解、部分寛解、又は安定した疾患を実証しなかった。幾つかの例において、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。
別の実施形態は、アジュバント療法として与えられる、以前の非ステロイド性のアロマターゼ阻害剤の完了の6か月目又は6か月以内の処置中に、患者が元の状態に返った方法を提供する。
別の実施形態は、以前の非ステロイド性のアロマターゼ阻害剤での処置の少なくとも3か月後に、患者が進行性の疾患を実証した方法を提供する。
別の実施形態は、乳癌がER−陽性である方法を提供する。
別の実施形態は、エンチノスタットと組み合わせて投与されるアロマターゼ阻害剤がレトロゾールである方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットと組み合わせて投与されるアロマターゼ阻害剤がアナストロゾールである方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットと組み合わせて投与されるアロマターゼ阻害剤がエキセメスタンである方法を提供する。
別の実施形態は、エンチノスタットとアロマターゼ阻害剤が、順番に又は同時に、連続して投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットとアロマターゼ阻害剤が同時に投与される方法を提供する。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤が最初に投与される方法を提供する。別の実施形態は、アロマターゼ阻害剤が毎日投与され、エンチノスタットが周期的に投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットが毎週投与され、アロマターゼ阻害剤が毎日投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットが、治療中に継続しているアロマターゼ阻害剤に導入される方法を提供する。
別の実施形態は、エンチノスタットと、次のものから成る群から選択されたアロマターゼ阻害剤との組み合わせを加えた1以上の治療を被験体に施す工程を更に含む方法を提供する:レトロゾール、アナストロゾール、又はエキセメスタン、或いはそれらの薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、又はプロドラッグ。
別の実施形態は、1以上の治療が、放射線治療、化学療法、幹細胞移植による高用量化学療法、及びモノクローナル抗体療法の1つ以上を含む方法を提供する。別の実施形態は、放射線治療が内的及び/又は外的な放射線療法を含む方法を提供する。別の実施形態は、化学療法が、ドキソルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル、ラパチニブ、カペシタビン、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ゲムシタビン、エリブリン、又はnab−パクリタキセルの1つ以上を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。
1つの実施形態は、必要とする患者の乳癌を処置する方法を提供し、該方法は、エキセメスタンとエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのTmaxは投与後1時間未満である。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのTmaxは投与後90分未満である。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのTmaxは投与後2時間未満である。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのTmaxは投与後30分と2時間の間である。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも150ng/mLである。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも125ng/mLである。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも100ng/mLである。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも80ng/mLである。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも50ng/mLである。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、約5mgのエンチノスタットが投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、約10mgのエンチノスタットが投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、約1mg乃至約20mgのエンチノスタットが投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットは1週間に1回投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エンチノスタットは28日のサイクルの間に投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、患者は、エンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、患者は、エンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない。
別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、患者は、エンチノスタットの投与後の2時間以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、患者は、エンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは食後に投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、エキセメスタンは食事と共に投与される。別の実施形態は、乳癌を処置する方法を提供し、約25mgのエキセメスタンが、1日1回投与される。
<肺癌の処置>
<上皮成長因子受容体>
過去数年において、癌の挙動に関連した、分子メカニズムと細胞形質転換に関する知識が増加した。プロセスに対して特異的な標的化した治療の発展が、多くのタイプの癌の発癌性に関係したので、より多くの関心が生み出されてきた。1990年代の間、上皮成長因子受容体(EGFR)が腫瘍の生態と挙動において重要な役割を果たしたことが、発見された。EGFR刺激は、細胞増殖と動員、血管新生、及び他の機構に影響を及ぼす、細胞内シグナル伝達及びカスケードを活性化する。正常細胞は外部要因による影響を受け、腫瘍細胞においては、この受容体により媒介される細胞増殖の活性化が外部刺激をもはや必要としないが、独立して且つ自律的に作用するということが、見出された。NSCLCの場合、この受容体の過剰発現、同様に、チロシンキナーゼ活性を伴う細胞内ドメイン(エキソン18と21の間)に生じる特異的な体細胞変異(予後に影響を及ぼし得るものである)は、段階的な、生存の、且つ化学治療の反応に著しく関連していることが、示された。これらのデータは、様々な物質の発達及び研究へと繋がり、該物質は、EGFR(例えばゲフィチニブ及びエルロチニブ)のチロシンキナーゼ細胞内ドメイン(チロシンキナーゼ阻害剤、TKI)を阻害する、EGFR(例えばセツキシマブ、Erbitux(登録商標))及び小分子の細胞外ドメインに向けられるモノクローナル抗体を含む。これらTKIと共に実施された無作為臨床試験の予備段階の結果は、進行疾患を患う患者へのそれらの使用が効果的であり、特に、患者が禁煙中の女性患者の、アジア民族の、及び、(特に細気管支肺胞上皮癌の存在下で)腺癌の組織学的な亜型を患う患者の亜群においてかなり頻繁に見出されるEGFRの変異を抱く場合に、これら患者の生存を著しく増加する。これらの結果の中には、この現象が指摘され(Lazarus効果)、アメリカ合衆国と欧州において、NSCLC患者の第2線及び第3線の処置のためのエルロチニブの承認;及び、EGFR変異を抱く患者のための欧州におけるゲフィチニブの承認に繋がるほど、印象的なものもあった(del Mello, et al., World J Clinc Oncol, Vol. 2, p. 367 (2011))。
ErbB1又はHer1としても知られるEGFRは、染色体7(7p12.1−12.3)に位置する遺伝子によってコード化された膜貫通糖タンパク質である。EGFRは1186のアミノ酸(a.a.)と26のエキソンを含む。エキソン1−14は細胞外ドメインをコード化し、エキソン15は細胞膜貫通領域をコード化し、エキソン16−26は細胞内ドメインをコード化する。この糖タンパク質は、ErbB受容体ファミリーに属し、これは、ErbB2(HER2/neu)、ErbB3(HER3),及びErbB4(HER4)からも成る。これらタンパク質の各々は構造上、細胞外ドメイン、疎水性膜貫通ドメイン、及び、内因性のチロシンキナーゼ(TK)活性(ErbB3を除く)を伴う細胞内ドメインで構成される。これら受容体は、不活性なモノマーとして存在し、EGFファミリーの増殖因子との、細胞外ドメインを介する相互作用によって活性化される。ErbB受容体分子の、これらリガンドの1つへの結合は、同じファミリーの他のモノマーとのその相互作用に繋がる(受容体二量体化)。この二量体化は、2つの同一の受容体の間で(ホモ二量体化、例えばErbB1−ErbB1)、又は、2つの異なる受容体の間で(ヘテロ二量体化、例えばErbB1−ErbB3)、生じる場合がある。特異的なリガンドによって引き起こされる刺激は、二量体化の独特なパターンを引き起こし、それは、現象が生じる組織/腫瘍に特異的でもある。受容体の二量体化は、TKの活性化、及び、細胞内の生化学的プロセスのカスケードの活性化による、自己リン酸化に繋がり、前記プロセスは、増殖、分化、アポトーシス、及び細胞移動のように、そのような多様な活性を調節する。
<E−カドヘリン>
カドヘリン−1、CAM 120/80、又はウボモルリンとしても知られる上皮細胞のカドヘリン(E−カドヘリン)は、ヒトにおいてCDH1遺伝子によってコード化されるタンパク質である。E−カドヘリンは、カドヘリンスーパーファミリーの古典的メンバーである。E−カドヘリンは、細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、p120−カテニンとベータ−カテニンを結合する細胞内ドメイン、及び高度保存された細胞質尾部における5つの細胞外のカドヘリンの繰返し(EC1−EC5)で構成されるカルシウム依存性の細胞間接着糖タンパク質である。細胞内ドメインは、ベータ−カテニン結合、及び故に、E−カドヘリン機能に不可欠である高度にリン酸化した領域を含有する。ベータ−カテニンは、アルファ−カテニンにも結合することができる。アルファ−カテニンは、アクチンを含有する細胞骨格フィラメントの調節に関与する。上皮細胞において、E−カドヘリンを含有する細胞間の接合部は大抵、細胞骨格のアクチンを含有するフィラメントに隣接している。
この遺伝子の変異は、胃、乳房、結腸直腸、甲状腺、及び卵巣の癌に関連付けられる。機能又は発現の損失は、癌及び転移の進行に寄与すると考えられる。E−カドヘリンのダウンレギュレーションは、組織内の細胞の接着の強度を弱め、その結果として細胞運動性の増加をもたらす。これは次に、癌細胞が基底膜を越え、周囲の組織に侵入することを可能にすることもある。
<E−カドヘリンレベルを判定する方法>
E−カドヘリンタンパク質レベルは、ELISAによって定量的に測定することができる。TaKaRAによって提供される、E−カドヘリンEIAキットなどの幾つかのE−カドヘリンELISAキットは、2つの工程のインキュベーション方法を使用してヒトE−カドヘリンを検出するために、2つのマウスのモノクローナルE−カドヘリン抗体(そのうち1つはプレート上に塗られ、他方はPOD標識化される(POD−labeled))を利用する、固相サンドイッチEIAである。第1の工程において、サンプルは、抗体を塗ったマイクロタイタープレートにおいてインキュベートされる。第2の工程の間、プレートは洗浄され、POD標識化したE−カドヘリン抗体でインキュベートされる。基質を加えて、PODと基質(H2O2、TMBZ)との間の反応の結果、発色現像がもたらされる。サンプルの可溶性のe−カドヘリンの量は、EIAプレートリーダを使用して吸収率を測定することにより判定される。正確な可溶性のe−カドヘリンサンプルの濃度は、それらの比吸収度を、標準曲線上でプロットされた標準について得られた吸収度と比較することにより、判定することができる。幾つかの実施形態において、E−カドヘリンタンパク質レベルは、ELISAによって定量的に測定することができる。
E−カドヘリンタンパク質レベルは、免疫組織化学によって検出することができる。浸漬固定細胞におけるE−カドヘリンレベルを検知するために、細胞は、室温で3時間、10μg/mLで、ヒトE−カドヘリン抗原親和性の精製ポリクローナル抗体(R&D Systems(登録商標) カタログ# AF648)でインキュベートされる。その後、細胞は、NorthernLights(商標)557−共役の抗ヤギIgG二次抗体(R&D Systems(登録商標) カタログ# NL001)を使用して染色し、DAPIで対比染色した。E−カドヘリンとDAPIは、蛍光顕微鏡、及び、使用されるラベルに適切なフィルターセットを使用して視覚化される。幾つかの実施形態において、E−カドヘリンタンパク質レベルは、免疫組織化学によって検出される。
E−カドヘリンのタンパク質レベルは免疫細胞化学によって検出することができる。免疫細胞化学(ICC)のためのカバーガラスはゼラチンを使用して調製することができる。いくつかの実施形態では、ICCのためのはカバーガラスを調製する方法は、a)24−ウェルプレートのウェルに滅菌されたカバーガラスを置く工程、b)400μLのゼラチンコーティング溶液を加える工程、およびc)カバーガラスを室温で10分間インキュベートする工程、を含む。その後、ゼラチンコーティング溶液を取り除き、カバーガラスを15分間風乾する。乾いたカバーガラスは、使用するまで室温で保存きる。カバースリップを調製すると、細胞を調製することができ、次のように固定できる。ゼラチンでコーティングされたカバーガラスを含む細胞培養プレートのウェルへ、およそ5000個の細胞を含む500μL培養培地を加えることによって、細胞を培養する。細胞が所望の密度/年齢に達したとき、各ウェルから培養培地を除去し、PBSで2度洗浄する。各ウェルに300−400μLの2−4%ホルムアルデヒド固定溶液を加えて、室温で20分インキュベートする。PBSで2度ウェルを洗浄し、400μLの洗浄バッファーで覆う。カバーガラスは、3ヶ月間2−8℃で保存することができ、またはそれらはすぐに染色されてもよい。細胞が調製されると、細胞は、次のように、ICCのために染色され得る。固定された細胞を含むカバーガラスを、400μLの洗浄バッファー中で2回洗浄する。ブロッキング・バッファーを取り除く。リンスは必須ではない。製造者の説明書に従って、希釈緩衝液中で非共役の一次抗体(または蛍光共役型の一次抗体)を希釈する。R&D Systemsの抗体を用いて、カバーガラス上の細胞の蛍光ICC染色のために、室温で1時間インキュベートすることが推奨される。あるいは、2−8°Cで一晩インキュベートする。400μLの洗浄バッファー中で2回洗う。蛍光性の共役体を直接有する一次抗体を使用する場合、工程8へ進む。製造者の説明書に従って、希釈バッファー中に二次抗体を希釈する。ウェルに400μLを加え、暗所で1時間室温にてインキュベートする。この工程から、前方の試料は光から保護されるべきである。400μLの洗剤バッファー中で2回すすぐ。300μLの希釈されたDAPI溶液を各ウェルに十分に加え、室温で2−5分をインキュベートする。DAPIはDNAに結合し、都合のよい核の対比染色である。DAPIは358nmの吸収極大を有し、461nmの発光極大で青色の蛍光を発する。PBSで一度、水で一度すすぐ。注意深く、ウェルからカバーガラスを取り除き、ブロット(blot)して任意の過剰な水を取り除いた。カバーガラスあたり1滴の退色防止封入剤を、顕微鏡スライド上に分注する。細胞が顕微鏡スライドに面した状態で、カバーガラスをマウントする。使用する標識に適切な蛍光顕微鏡とフィルターセットを使用して可視化する。スライドは、後の試験のために、<−20℃にてスライドボックス内に保存することができる。いくつかの実施形態において、E−カドヘリンタンパク質のレベルを免疫組織化学によって検知する。
E−カドヘリン遺伝子の発現はE−カドヘリンのメチル化の測定により判定することができる。Millipore(登録商標)によって提供されるCpG WIZ(登録商標) E−カドヘリン増幅キットなどの、E−カドヘリンメチル化キットは、メチル化特異的なPCR(MSP)によってE−カドヘリンプロモータのメチル化状態を判定する。キットは、配列が重亜硫酸塩処理の後に最も異なるプロモータの領域を標的とするプライマーを含む。PCRのパラメータが同定され、その結果、キット中の全プライマーセットは同じ条件下で増幅する。(メチル化および非メチル化された)E−カドヘリンのための対照ゲノムDNAの試料も、含まれている。いくつかの実施形態において、E−カドヘリン遺伝子の発現は、E−カドヘリンのメチル化の測定により判定することができる。
一実施形態は、従来の治療で進行していたEGFR阻害剤未処置の患者の癌を処置する方法を提供し、前記患者はE−カドヘリンの高い発現レベルを示し、前記方法は、エンチノスタットとEGFR阻害剤を含む組み合わせを、患者に対し投与する工程を含む。別の実施形態は、E−カドヘリンの高い発現レベルが、ELISA、免疫組織化学、免疫細胞化学、またはE−カドヘリンのメチル化レベルの判定によって特徴づけられる方法を提供する。別の実施形態は、E−カドヘリンの高い発現レベルが免疫組織化学で判定される方法を提供する。別の実施形態は、E−カドヘリンの高い発現レベルを、免疫組織化学で判定して+3として採点する方法を提供する。
<肺癌>
肺癌は、アメリカ合衆国において、および世界中で、女性と男性の両方において癌による死亡の主要原因である。肺癌は、女性における癌による死亡の主要原因として乳癌を越えた。2010年、アメリカ合衆国では、(結腸直腸の、乳房の、および前立腺の癌とそれらの組み合わせによる死亡者数よりも多い)157,300人が、肺癌で死ぬと見積もられた。身体の他の部位に拡がった肺癌と診断された患者のうちわずか約2%のみが、診断の5年後に生存しているが、最も初期の段階で診断された肺癌の生存率はより高く、約49%の患者が5年以上の間生存する。
正常細胞が形質転換を受けて、制御なしで成長および増殖すると、癌が生じる。細胞は、腫瘍が生じる周囲の組織とは異なるかたまり(mass)または腫瘍を形成する。腫瘍は、正常細胞から酸素、養分、および空間を奪うので、浸潤して正常組織の機能する能力を破壊するか低下させるので、危険である。
ほとんどの肺腫瘍は悪性である。これは、それらがその周囲の正常組織に浸潤し、これを破壊し、身体じゅうに広がり得ることを意味する。腫瘍は、近くのリンパ節に、または他の臓器への血流を介して広がり得る。このプロセスは転移と呼ばれる。肺癌が転移する場合、肺での腫瘍は原発腫瘍と呼ばれ、身体の他の部位での腫瘍は二次腫瘍または転移性腫瘍と呼ばれる。
肺での幾つかの腫瘍は、身体の他の場所の癌からの転移である。肺は転移について一般的な部位である。その場合、癌は肺癌であるとは見なされない。例えば、前立腺癌が肺への血流を介して広がる場合、それは肺において転移性の前立腺癌(二次癌)であり、肺癌とは呼ばれない。
肺癌は一群の異なる型の腫瘍を含む。肺癌は、通常すべての事例の約95%を占める2つの主要な群に分けられる。群の中の区分は、癌を構成する細胞の型に基づく。2つの主要な型の肺癌は、顕微鏡下で観察すると、腫瘍の細胞サイズによって特徴付けられる。それらは、肺小細胞癌(SCLC)と非小細胞肺癌(NSCLC)と呼ばれる。NSCLCは、腫瘍のいくつかの亜型を含む。SCLCはそれほど一般的ではないが、NSCLCより速く成長し、より転移する可能性が高い。しばしば、SCLCは、癌の診断時には身体の他の部分に既に拡がっている。肺癌の約5%はカルチノイド腫瘍、リンパ腫およびその他を含むまれな細胞型である。本明細書で使用されるように、用語「肺癌」は、限定されないが、SCLC、NSCLC、カルチノイド腫瘍、リンパ腫、およびそれらの様々な亜型を含む。
<非小細胞肺癌>
NSCLCは、小細胞癌腫(燕麦細胞癌)型ではない肺癌である。用語「非小細胞肺癌」は、多様な型の気管支原性の癌腫(気管支の裏打ちから生じるもの)にあてはまる。特定の型のNSCLCの例は、限定されないが、腺癌、扁平上皮癌、および大型細胞癌(すなわち大型細胞未分化癌腫)を含む。
腺癌は、臓器の裏打ちまたは内部表面において発達する癌である。腺癌は、肺癌のすべての症例の30%−40%を占める最も一般的な型の肺癌である。腺癌の亜型は、気管支肺胞細胞癌腫(bronchoalveolar cell carcinoma)と呼ばれ、それは胸部X線上で肺炎のような外形を生じる。
扁平上皮癌は扁平上皮細胞において発生する癌である。扁平上皮細胞は、顕微鏡下で魚の鱗のように見える平らな細胞である。扁平上皮細胞は、皮膚の表面、身体の管腔器官の裏打ち、および気道と消化管の通路を形成する組織において見られる。扁平上皮細胞癌腫はこれらの組織の何れにおいても生じ得る。扁平上皮細胞癌腫は、すべての症例の約30%を占める、2番目に一般的な型の肺癌である。
大細胞癌腫は、鱗状か腺の成熟の証拠を示さない。したがって、他のすべての可能性が除外された場合、これらの腫瘍はしばしばデフォルトで診断される。これらの腫瘍は、生検前にそれらの診断を示唆するための任意の診断上の特徴を欠く。それらは、急速に成長し初期に転移する傾向があり、喫煙に強く関係している。大型細胞腫瘍は通常、広範囲な出血およびネクローシスを伴って、大きく、かさばっており、境界明瞭で、ピンクグレーのかたまりである。それらは一般に中心壊死を有するが、めったに空洞形成しない。それらは、中央から辺縁の肺領域において現れる傾向がある。それらは区域性のまたは亜区域性の気管支(segmental or subsegmental bronchi)に関連するように局所的に拡大し得る。大細胞癌腫の変種は巨細胞癌腫である。この亜型は特に活動的で、非常に不良な予後をもたらす。これらの腫瘍は、一般的に、局所性の壊死の成分を伴って大きな辺縁のかたまりとして現れる。直接の拡大によらない場合、それらは大きな気道に関与しない。大型細胞癌は、肺癌のすべての症例の10%−20%を占める。
<肺小細胞癌>
SCLCも燕麦細胞肺癌と呼ばれ、細胞が顕微鏡下で小さく丸く見える肺癌の一種である。SCLCは、それらの臨床的および生物学的特徴のために、他の肺癌とは異なっていると考えられる。肺小細胞癌は、急速な成長、遠位部位への初期の広がり、化学療法と放射線への鋭敏な感受性、および異なる腫瘍随伴症候群との常習的な関連を伴って、活発な振る舞いを示す。小細胞癌腫は気管支周囲の場所で生じ、気管支粘膜下組織に浸潤する。広範囲の転移が疾患の経過の初期に生じて、共通して隔リンパ節、肝臓、骨、副腎、および脳に広がる。さらに、様々なペプチドホルモンの産生は、広範囲の傍腫瘍性症候群を導き;これらに最も共通するのは、抗利尿ホルモン分泌異常症候群(SIADH)および異所性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生症候群である。さらに、自己免疫の事象は、ランバート−イートン症候群のような様々な神経性の症候群を導き得る。SCLCは、すべての症例の20%を占める。
<カルチノイド腫瘍>
カルチノイド腫瘍は、大量のセロトニンホルモンを分泌する腫瘍である。カルチノイド腫瘍はまた、嗜銀腫とも呼ばれる。腫瘍は通常、胃と直腸の間(好発部位が付録にある)のどこにでも、胃腸管において発生し、そこから肝臓に転移し得る。肝臓では腫瘍は、セロトニンを大量に生成し、全身の血流に放出する。結果は、カルチノイド症候群と呼ばれる。結果はカルチノイド症候群と呼ばれる。それは直接セロトニンによるものであり、紅潮と赤面、(特に目の周りの)顔の腫れ、皮膚の平らな血管腫(拡大した血管の小さな集合)、下痢、気管支痙攣、頻脈、低血圧、および、多くの場合逆流を伴う、三尖弁と肺動脈弁の狭窄症(心臓の三尖弁及び肺動脈弁の狭窄)を含む。次の4種類の処置のうちの1つ以上が、カルチノイド腫瘍のために使用される:手術(がんを取り出すため);放射線療(癌細胞を殺すために高線量のX線を使用する);生物学的療法(癌と戦うために身体の自然免疫系を使用);化学療法(癌細胞を死滅させる薬物を使用する)。カルチノイド腫瘍は、ホルモン(セロトニン)を分泌するので、内分泌腫瘍の1種と考えられている。それらは、1型の多発性内分泌新生物(MEN)および1型の神経線維腫症(NF1またはフォンレックリングハウゼン病)などの特定の遺伝障害の一部として生じ得る。カルチノイド腫瘍は、すべての症例の1%を占める。
<リンパ腫>
リンパ腫は、リンパ球と呼ばれる免疫系の細胞に関する一種の癌で、身体のリンパ系に関与する細胞を主として表わす。リンパ腫は、BまたはT細胞またはその亜型の悪性形質転換である。リンパ腫は次の2つの主なカテゴリーのうちの1つに分けられる:ホジキンリンパ腫(以前にホジキン病と呼ばれたHL)および他のすべてのリンパ腫(非ホジキンリンパ腫またはNHL)。これらの2つの型が同じ場所において生じ、同じ症状に関係していてもよく、身体検査で多くの場合類似した外観を有している。しかし、それらは、顕微鏡検査を介して容易に識別可能である。ホジキン病は特定の異常なBリンパ球の系譜から発達する。NHLは異常なB細胞またはT細胞のいずれかに由来していてもよく、特有の遺伝マーカによって判別される。ホジキン病には5つの亜型があり、非ホジキンリンパ腫には約30の亜型がある。リンパ腫には非常に様々な亜型があるので、リンパ腫の分類は複雑である(それは遺伝マーカと分子マーカと同様に両方の顕微鏡像も含む)。NHL亜型の多くは類似しているように見えるが、それらは機能的に完全に異なっており、治癒の異なる可能性を備えた異なる治療法に反応する。HL亜型は顕微鏡下で異なっており、分類は、疾患の範囲と同様に顕微鏡下での差異に基づく。
<EGFR阻害剤>
EGFR阻害剤は標的細胞において上皮細胞成長因子受容体(EGFR)を介してシグナル伝達を妨げる。エルロチニブなど特定のEGFR阻害剤は、転移性のNSCLCの処置のために承認された。進行したNSCLCのために、ゲフィチニブなどのEGFR阻害剤が承認された。さらに、幾つかのEGFR阻害剤が、NSCLCおよび付加的な肺癌の処置に関して臨床試験において試験されている。
本明細書に記載されるように、「EGFR阻害剤」はEGF受容体の活性を阻害する分子である。EGFRの阻害剤である化合物は、例えばADPがキナーゼ反応から形成されるEGFRキナーゼアッセイなどの方法を使用して、当業者により容易に同定され得る。
肺癌のための処置の選択肢としてのEGFRの阻害は、幾つかの成果を伴って研究されてきた。現在、3つのEGFR阻害剤、エルロチニブ、ゲフィチニブおよびセツキシマブが、肺癌の処置のために米国において市場化のために承認されている。
エルロチニブ(Tarceva(登録商標))は、外科手術によって取り除くことができない又は転移した、転移性の非小細胞肺癌および膵癌を処置するために承認されている。この小分子薬物は、EGFRのチロシンキナーゼ活性を阻害する。
ゲフィチニブ(Iressa(登録商標))は進行した非小細胞肺癌により患者を処置するために承認されている。この小分子薬物は、患者を処置する医師の見解において、ゲフィチニブ処置から現在利益を得ているか、以前に利益を得た患者において使用するように制限されている。ゲフィチニブは、多くの型の癌細胞によって過剰生産される、上皮成長因子受容体(EGFR)のチロシンキナーゼ活性を阻害する。
セツキシマブ(Erbitux(登録商標))は、頭頸部の扁平上皮癌腫または結腸直腸癌を有する患者を処置するために承認されている、モノクローナル抗体である。その治療はEGFRの外の部分に結合し、それによって、受容体が成長シグナルによって活性化されるのを妨げ、それはシグナル伝達を阻害し、抗増殖性の効果を導き得る。
EGFR阻害剤の付加的な例は、限定されないが、パニツムマブ、バンデタニブ、ラパチニブ、カネルチニブ、アファチニブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、PF299804、RO5083945、ABT−806およびAP26113を含む。
パニツムマブ(Vectibix(登録商標))は、転移性結腸癌を備える患者を処置するために承認されている。このモノクローナル抗体はEGFRに付着しており、それが成長シグナルを送るのを妨げる。
バンデタニブ(Caprelsa(登録商標))は手術には不適当な転移性の髄様甲状腺癌の患者を治療するために承認されている。この小分子薬物は、EGFR、血管内皮成長因子(VEGF)のためのいくつかの受容体、およびRETを含むいくつかのチロシンキナーゼ酵素に結合し、増殖促進活性を妨げ得る。
ラパチニブ(Tykerb (登録商標))は、特定の型の進行性又は転移性の乳癌の処置のために承認されている。この小分子薬物は、HER−2のチロシンキナーゼ活性を含むいくつかのチロシンキナーゼを阻害する。ラパチニブ処置は、HER−2シグナルが細胞増殖を活性化するのを妨げる。
カネルチニブは、EGFR、HER−2、ErbB−3およびErbB−4を標的とする、経口で生物利用できる不可逆性のパン−ErbBチロシンキナーゼ阻害剤である。それは、MAPKとAKTの両方のリン酸化の阻害を伴い、EGFRとHER2の両方を共同発現する、食道扁平上皮癌の増殖を効果的に阻害する。ヒト癌細胞株のインビトロの研究は、カネルチニブがチロシンキナーゼ活性の迅速な、強力な、持続的な阻害を結果としてもたらすことを示す。
アファチニブは不可逆のEGFR/HER2である。無細胞のインビトロのキナーゼアッセイにおいて、アファチニブは、L858RのEGFRについてのゲフィチニブの効力に類似して、EGFRとHER2の野生型と突然変異型に対する強力な活性を示が、ゲフィチニブ耐性のL858R−T790M のEGFR二重突然変異体に対してよりも、約100倍よりも多くの活性を示す。アファチニブは、野生型(H1666)の、またはL858R/T790M(NCI−H1975)のEGFRを有する肺癌細胞株の生存を阻害するのに効果的であった。類表皮癌細胞株A431の標準異種移植片モデルにおいて評価された。25日間、20mg/kgのアファチニブでの毎日の経口処置は、累積の処置/対照の腫瘍容積比率(T/C比率)で2%の、劇的な腫瘍退縮を結果としてもたらした。アファチニブは、ラパチニブとネラチニブのように、ヒト上皮成長因子受容体2(Her2)および上皮成長因子受容体(EGFR)キナーゼを不可逆的に阻害する次世代チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)である。アファチニブは、エルロチニブまたはゲフィチニブのような第一世代TKIによって標的とされてきたEGFR変異に対してのみならず、これらの標準的治療に感受性でないものに対しても活性がある。それは、Her2に対する付加的な活性のために、EGFRおよびHer2により起きる他の癌と同様に、乳癌について調査される。
ネシツムマブは、潜在的な抗悪性腫瘍薬活性をもつ上皮成長因子受容体(EGFR)に対して向けられた、完全にヒトのIgG1モノクローナル抗体である。ネシツムマブはEGFRのリガンド結合部位に結合および遮断し、それによって、受容体の活性化と後の二量体化を妨げる。これは、EGFR依存性の下流経路の阻害を導き、ゆえにEGFR依存性の腫瘍細胞の増殖および転移の阻害を導く。
ニモツズマブは、潜在的な抗悪性腫瘍薬活性を備え、上皮成長因子受容体(EGFR)に対して向けられた、ヒト化されたモノクローナル抗体である。ニモツズマブは、EGFR(EGFRを過剰発現腫瘍細胞の増殖阻害における結果として生じる)に結合し阻害する。この薬剤は、放射線治療と共に相乗的に働いてもよい。
PF299804は、ヒト上皮成長因子受容体(HER)−1/EGFR、−2、および−4のチロシンキナーゼ(TK)の強力な不可逆的阻害剤であり、E−感受性および−耐性の前臨床モデルにおいてアクティブである。PF299804は、EGFR TK阻害剤抵抗性のNSCLCにおける、フェーズI/II試験において、臨床的な活性を有していた。
RO5083945は、免疫エフェクター細胞上に発現されるすべてのFcγRIIIa変異体はについて、増大した結合親和性を示す、糖を操作された抗EGFR IgG1mAbである。RO5083945は、セツキシマブとパニツムマブに比べて、ADCCベースアッセイにおいて有意に改善された細胞の死滅を示し、in vivoモデルでの高い活性を示す。したがって、RO5083945はKRAS変異CRCを含む、固形腫瘍を有する患者において臨床活性を示す可能性を有する。
ABT−806は、抗腫瘍活性を有するヒト上皮成長因子受容体(EGFR)に対するヒト化モノクローナル抗体(MoAb)である。MoAb ABT−806は、野生型EGFRと同様に細胞に発現しており、受容体を過剰発現する、EGFR欠失変異体de2−7 EGFRを標的にしており、ゆえに、活性化とそれに続く二量体化を防ぎ、受容体の活性化および二量体化の減少は、シグナル伝達および抗増殖作用における阻害を結果としてもたらす。このMoAbは、異常なEGFRを発現する細胞を標的しているため、放射性同位元素または毒素共役体の生成のための理想的な候補となる。
AP26113は、潜在的な抗腫瘍活性を有する受容体チロシンキナーゼ未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)および上皮成長因子受容体(EGFR)の経口投与可能な阻害剤である。ALK/EGFRの二重阻害剤AP26113は、EGFRと変異型と同様に、ALKキナーゼ及びALK融合タンパク質に結合し阻害する。これは、ALKキナーゼおよびEGFRキナーゼの阻害を導き、それらのシグナル伝達経路を阻害し、最終的には感受性腫瘍細胞における腫瘍細胞増殖の阻害を導く。また、AP2611は、突然変異ベースの抵抗性を克服するように見える。ALKは、インスリン受容体スーパーファミリーに属し、神経系の発達に重要な役割を果たしている。ALKの調節不全と遺伝子再配列は、一連の腫瘍に関連している。EGFRは、種々の癌細胞型で過剰発現されている。
<付加的な療法>
本明細書に開示される治療と組み合わせて有利に利用され得る、肺がんに利用可能な付加的な処置は、限定されないが、放射線治療、化学療法、抗体療法、及びアジュバント療法としてチロシンキナーゼ阻害剤を含む。
放射線治療は、癌細胞を死滅させる又はそれらの増殖を維持するため、高エネルギーのX線又は他の型の放射を使用する癌処置である。化学療法は、細胞を死滅させること、又はそれらの分割を止めることの何れかにより、癌細胞の増殖を止めるための薬物を使用する癌処置である。化学療法が口によって得られる、又は血管或いは筋肉へ注入される場合、薬物は血流に侵入し、身体の全体にわたって癌細胞に到達することができる(全身化学療法)。化学療法が脊椎、臓器、又は腹部などの体腔に直接入れられる場合、薬剤は主として、それらの領域にある癌細胞に影響を及ぼす(局所的化学療法)。化学療法が与えられる方法は、処置されている癌の型及び段階に依存する。
異なる化学療法剤は、肺がんの処置に関して当該技術分野において既知である。肺癌を処置するために用いられる細胞傷害性薬物(Cytoxic agents)は、カルボプラチン(例えばParaplatinR、Paraplat(登録商用))、シスプラチン(例えばPlatinol(登録商用)、Platinol−Aq(登録商用))、クリゾチニブ(例えばXalkori(登録商用))、エトポシド(例えばToposar(登録商用)、VePesid(登録商用))、エトポシドホスファート(例えばEtopophos(登録商用))、塩酸ゲムシタビン(例えばGemzar(登録商用))、ゲムシタビン・シスプラチン、メトトレキサート(例えばAbitrexate(登録商用)、Folex(登録商用)、Folex Pfs(登録商用)、Methotrexate、Lpf(登録商用)、Mexate(登録商用)、Mexate−Aq(登録商用))、パクリタキセル(例えばTaxol(登録商用))、ペメトレキセド二ナトリウム(例えばAlimta(登録商用))およびトポテカン塩酸塩(例えばHycamtin(登録商用))を含む。
モノクローナル抗体療法は、単式の免疫系細胞から、実験室で作られた抗体を使用する癌処置である。これら抗体は、癌細胞上の物質、又は癌細胞が増殖するのを支援する通常の物質を識別することができる。抗体は、物質に付着し、癌細胞を死滅させ、癌細胞の増殖を阻止し、又はそれらの拡散を維持する。モノクローナル抗体は点滴により与えられる。それらは単独で使用され得、又は癌細胞へ薬物、毒素、又は放射性物質を直接運ぶために使用され得る。モノクローナル抗体も、アジュバント療法として化学療法と組み合わせて使用される。
ベバシズマブ(AvastinR)は、血管内皮成長因子(VEGF)、脈管原性支持のサイトカインに対して向けられた、組み換え型のヒト化モノクローナル抗体である。ベバシズマブはVEGFに結合し、VEGF受容体結合を阻害し、それによって、腫瘍血管の増殖と維持を妨げる。ベバシズマブは現在、特定の型の結腸直腸癌、肺癌、乳癌および腎臓癌および神経膠芽腫を処置するために使用される。
本明細書に開示された組成物及び治療と有利に組み合わせられ得る、追加の実例となる処置は、単独で又はカペシタビン、ドセタキセル、エピルビシン、エポチロンA、B、又はD、酢酸ゴセレリン、パクリタキセル、パミドロネート、ベバシズマブ、又はトラスツズマブと組み合わせて、限定されないがラパチニブを含む薬剤の投与を含み得る。
幾つかの実施形態において、付加療法は、ドキソルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル、ラパチニブ、カペシタビン、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ゲムシタビン、エリブリン、又はnab−パクリタキセルの1つ以上を被験体に投与する工程を含む化学療法を含む。
<肺癌の処置方法>
一実施形態は、従来の治療で進行していたEGFR阻害剤未処置の患者において癌を処置する方法を提供し、該方法は、:(1)患者におけるE−カドヘリン発現レベルを判定する工程;(2)+3として採点されるE−カドヘリンの高い発現レベルを示す患者を選択する工程;および(3)エンチノスタットとEGFR阻害剤を含む組み合わせを患者に投与する工程を含む。幾つかの例において、エンチノスタットは絶食している患者に投与される。
いくつかの実施形態において、Cmaxは、エンチノスタットが食物なしで投与される場合、エンチノスタットが食物と共に投与される場合のCmaxと比較して、高い。いくつかの実施形態では、摂食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxに対する、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxの比率は、少なくとも約2:1である。一実施形態では、摂食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxに対する、絶食条件エンチノスタット下での投与後のCmaxの比率は、少なくとも約3:1である。一実施形態では、摂食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxに対する、絶食条件エンチノスタット下での投与後のCmaxの比率は、少なくとも約4:1である。一実施形態では、摂食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxに対する、絶食条件エンチノスタット下での投与後のCmaxの比率は、少なくとも約5:1である。一実施形態では、摂食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxに対する、絶食条件エンチノスタット下での投与後のCmaxの比率は、少なくとも約6:1である。一実施形態では、摂食条件下でのエンチノスタット投与後のCmaxに対する、絶食条件エンチノスタット下での投与後のCmaxの比率は、少なくとも約7:1である。
いくつかの実施形態において、エンチノスタットが食物と共に投与される場合のTmaxと比較して、エンチノスタットが食物なしで投与される場合のTmaxは低い。いくつかの実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約2:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約3:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約4:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約5:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約6:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約7:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約8:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約9:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約10:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約11:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約12:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約13:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約14:1である。一実施形態では、絶食条件下でのエンチノスタット投与後のTmaxに対する、摂食条件エンチノスタット下での投与後のTmaxの比率は、少なくとも約15:1である。
いくつかの実施形態において、EGFR阻害剤はエンチノスタットとは異なる時間に投与される。1つの実施形態では、EGFR阻害剤は絶食している患者に投与される。
別の実施形態は、先の治療が1つの化学療法である方法を提供する。
別の実施形態は、先の治療が2以上化学療法である方法を提供する。
別の実施形態は、E−カドヘリンの高い発現レベルが、ELISA、免疫組織化学、免疫細胞化学、またはE−カドヘリンのメチル化レベルの判定によって特徴づけられる方法を提供する。別の実施形態は、E−カドヘリンの高い発現レベルが免疫組織化学で判定される方法を提供する。別の実施形態は、E−カドヘリンの高い発現レベルを、免疫組織化学で判定して+3として採点する方法を提供する。
別の実施形態は、癌が肺癌である方法を提供する。
別の実施形態は、癌が非小細胞肺癌である方法を提供する。
別の実施形態は、EGFR阻害剤が組み合わせて投与され、エンチノスタットがエルロチニブである方法を提供する。
別の実施形態は、エンチノスタットとEGFR阻害剤が、順番に又は同時での何れかで連続して投与される方法を提供する。別の実施形態は、エンチノスタットとEGFR阻害剤が同時に投与される方法を提供する。別の実施形態は、EGFR阻害剤が最初に投与される方法を提供する。別の実施形態は、EGFR阻害剤が毎日投与され、エンチノスタットが周期的に投与される方法を提供する。別の実施形態は、EGFR阻害剤が毎日投与され、エンチノスタットが周期的に投与される方法を提供する。
別の実施形態は、従来の治療で進行していたEGFR阻害剤未処置の患者において癌を処置する方法を提供し、前記患者はE−カドヘリンの高い発現レベルを示し、前記方法は、エンチノスタットとEGFR阻害剤を含む組み合わせを、患者に対し投与する工程を含む。
別の実施形態は、従来の治療で進行していたEGFR阻害剤未処置の患者において癌を処置する方法を提供し、前記患者はE−カドヘリンの高い発現レベルを示し、前記方法は、エンチノスタットとEGFR阻害剤の組み合わせに加えて1以上の付加的な治療を被検体に対し投与する工程をさらに含む。別の実施形態は、1つ以上の治療が、放射線治療、化学療法、幹細胞移植による高用量化学療法、及びモノクローナル抗体療法の1つ以上を含む方法を提供する。別の実施形態は、放射線治療が内的及び/又は外的の放射線療法を含む方法を提供する。別の実施形態は、化学療法が、ドキソルビシン、シクロホスファミド、パクリタキセル、ラパチニブ、カペシタビン、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ゲムシタビン、エリブリン、又はnab−パクリタキセルの1つ以上を被験体に投与する工程を含む方法を提供する。別の実施形態は、化学療法が被験者に1つの以上のIGF−1R阻害剤を投与する工程を含む方法を提供する。別の実施形態は、IGF1R阻害剤がAEW541である方法を提供する。
1実施形態は、患者の非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、該方法は、エルロチニブとエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのTmaxは投与後1時間より小さい。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのTmaxは投与後90分より小さい。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのTmaxは投与後2時間より小さい。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのTmaxは投与後30分から2時間の間である。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのCmaxはエンチノスタットの経口投与に続いて少なくとも150ng/mLである。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのCmaxはエンチノスタットの経口投与に続いて少なくとも125ng/mLである。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのCmaxはエンチノスタットの経口投与に続いて少なくとも100ng/mLである。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのCmaxはエンチノスタットの経口投与に続いて少なくとも80ng/mLである。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットのCmaxはエンチノスタットの経口投与に続いて少なくとも50ng/mLである。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで約10mgのエンチノスタットが投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで約1mg乃至約20mgのエンチノスタットが投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットは14日毎に投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エンチノスタットは1か月毎に投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、患者はエンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、患者はエンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、患者はエンチノスタットの投与後の1時間以内に食物を摂取しなかった。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、患者はエンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しなかった。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エルロチニブはエンチノスタットとは異なる時間に投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、エルロチニブは絶食している患者に毎日一回投与される。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、ここで、患者はエルロチニブの投与前の2時間以内に食物を摂取していない。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、患者は、エルロチニブの投与後の1時間以内に食物を摂取しない。別の実施形態は、非小細胞肺癌を処置する方法を提供し、約150mgのエルロチニブが投与される。
<経口製剤>
本明細書に記載される医薬品活性成分を含む経口製剤は、次のものを含む、従来使用された任意の経口剤型を含み得る:錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、パステル剤、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、果粒剤、混合散剤、発泡性又は非発泡性の粉末剤又は果粒剤、溶液、乳剤、懸濁液、溶液、ウェーファー、スプリンクル(sprinkles)、エリキシル剤、シロップ剤、バッカル形態、及び経口液体。
カプセル剤は、薬学的に許容可能なデンプン(例えば、トウモロコシ、ジャガイモ、又はタピオカのデンプン)、糖、人工甘味料、結晶性及び微結晶性セルロースなどの粉末セルロース、小麦粉、ゼラチン、ゴムなどの、活性化合物と不活性充填剤及び/又は希釈剤との混合物を含み得る。有用な錠剤製剤は、従来の圧縮、湿式造粒法又は乾式造粒法によって作られ、限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアゴム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、複合のケイ酸塩、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥したデンプン、及び粉糖を含む、薬学的に許容可能な希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面変性剤(界面活性剤を含む)、懸濁化剤又は安定化剤を利用し得る。幾つかの実施形態において、表面変性剤は、非イオン性及び陰イオン性の表面変性剤を含む。例えば、表面変性剤は、限定されないが、ポロクサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ろう、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸塩、硫酸ドデシルナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、及びトリエタノールアミンを含む。
本明細書における経口製剤は、活性化合物の吸収を変更するために標準的な遅延放出又は時間放出の製剤を利用し得る。経口製剤はまた、必要とされるような適切な可溶化剤又は乳化剤を含む、水又は果汁の中の活性成分の投与から成り得る。
<経口投与>
本明細書に記載されるように、本明細書に記載される併用療法は、同時に与えることができ、又は、スタガードレジメン(staggered regimen)において与えることができ、エンチノスタットは、EGFR阻害剤とは化学療法中の異なる時間で与えられる。この時間の差は、数分、数時間、数日、数週間、又は2つの化合物の投与の間より長く変動し得る。それ故、用語の組み合わせは必ずしも、同時に又は単一の用量として投与されることを意味しないが、構成成分の各々は、所望の治療期間中に投与される。
薬剤も、異なる経路によって投与され得る。化学療法レジメンには典型的であるように、一連の化学療法は、数週間後に繰り返され、2つの化合物の投与のため同じタイムフレームに従い、又は患者の反応に基づいて修飾され得る。
他の実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、経口投与のため固体、半固体、又は液体の剤形で提供され得る。本明細書で使用されるように、経口投与はまた、バッカル、舌側、及び舌下の投与を含む。適切な経口剤形は、限定されないが、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、パステル剤、カシェ剤、ペレット剤、薬用チューインガム、果粒剤、混合散剤、発泡性又は非発泡性の粉末剤又は果粒剤、溶液、乳剤、懸濁液、溶液、ウェーファー、スプリンクル、エリキシル剤、及びシロップを含む。活性成分に加えて、医薬組成物は、限定されないが、結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、染料移行阻害剤、甘味料、及び香味料を含む、1以上の薬学的に許容可能な担体又は賦形剤を含み得る。
結合剤又は造粒機は、圧縮の後に無傷で残る錠剤を確認するため、錠剤に粘着性を与える。適切な結合剤又は造粒機は、限定されないが、トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、及び予めゼラチンで覆われたデンプン(例えば、STARCH 1500)などのデンプン;ゼラチン;スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、及びラクトースなどの糖;アカシア、アルギン酸、アルギン酸塩、アイルランドゴケの抽出物、Panwarゴム、ghattiゴム、 isabgol husksの粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツarabogalactan、トラガント粉末、及びグアーガムなどの天然及び合成のゴム;エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などのセルロース;AVICEL−PH−101、AVICEL−PH−103、AVICEL RC−581、AVICEL−PH−105(FMC Corp., Marcus Hook, PA)などの微結晶性セルロース;及びそれらの混合物を含む。適切な充填剤は、限定されないが、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末セルロース、デキストラート、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、予めゼラチンで覆われたデンプン、及びそれらの混合物を含む。結合剤又は充填剤は、本明細書で提供される医薬組成物において約50乃至約99重量%までに存在し得る。
適切な希釈剤は、限定されないが、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥したデンプン、及び粉糖を含む。マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、及びイノシトールなどの特定の希釈剤は、口の中で噛み砕くのを許容する幾つかの圧縮錠剤に特性を与えることができる。そのような圧縮錠剤は、咀嚼錠として使用することができる。
適切な崩壊剤は、限定されないが、寒天;ベントナイト;メチルセルロース及びカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;木製品;天然スポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;グアーガム及びVeegum HVなどのゴム;シトラスパルプ;クロスカルメロースなどの架橋結合セルロース;クロスポビドンなどの架橋結合ポリマー;架橋結合デンプン;炭酸カルシウム;ナトリウムデンプングリコラートなどの微結晶性セルロース;ポラクリリン(polacrilin)カリウム;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、及び予めゼラチンで覆われたデンプンなどのデンプン;粘土;アライン(polacrilin );及びそれらの混合物を含む。本明細書で提供される医薬組成物における崩壊剤の量は、製剤のタイプに基づいて変わり、当業者に容易に識別可能である。本明細書で提供される医薬組成物は、崩壊剤の約0.5乃至約15重量%まで、又は約1乃至約5重量%までを含み得る。
適切な潤滑剤は、限定されないが、ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油;グリセリン;ソルビトール;マンニトール;ベへン酸グリセリン及びポリエチレングリコール(PEG)などのグリコール;ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;落花生油、綿実油、ヒマワリ油、胡麻油、オリーブ油、トウモロコシ油、及びダイズ油などの硬化植物油;ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;寒天;デンプン;セキショウシ;AEROSIL(登録商標) 200(W.R. Grace Co., Baltimore, MD)及びCAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)などのシリカ又はシリカゲル;及びそれらの混合物を含む。本明細書で提供される医薬組成物は、潤滑剤の約0.1乃至約5重量%を含み得る。
適切な流動促進剤は、コロイド状二酸化ケイ素、CAB−O−SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、及びアスベストの無いタルクを含む。着色剤は、承認され、認証された、水溶性FD&C色素、及びアルミナ白上で懸濁される水不溶性FD&C色素、及びレーキ顔料、並びにそれらの混合物を含む。レーキ顔料は、重金属の水和酸化物への水溶性色素の吸着による組み合わせであり、色素の不溶性形態をもたらす。着香料は、果実などの植物から抽出された天然香味料、及びペパーミント並びにサリチル酸メチルなどの、心地よい味覚をもたらす化合物の合成混合物を含む。甘味料は、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ剤、グリセリン、並びにサッカリン及びアスパルテームなどの人工甘味料を含む。適切な乳化剤は、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、及び、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(TWEEN(登録商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート80(TWEEN(登録商標)80)、及びトリエタノールアミンオレアートなどの界面活性剤を含む。懸濁化剤と分散剤は、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、ナトリウムカルボメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びポリビニルピロリドンを含む。保存剤は、グリセリン、メチル、及びプロピルパラベン、安息香酸添加剤(benzoic add)、安息香酸ナトリウム及びアルコールを含む。湿潤剤は、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレアート、モノラウリン酸ジエチレングリコール、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルを含む。溶媒は、グリセリン、ソルビトール、エタノール、及びシロップを含む。乳剤において利用される非水性の液体の例は、鉱油及び綿実油を含む。有機酸はクエン酸及び酒石酸を含む。二酸化炭素の源は、重炭酸ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含む。
多くの担体及び賦形剤は、同じ製剤の中でさえ、様々な機能を果たし得ることを理解されたい。
更なる実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、湿製錠剤、チュアブルロゼンジ、速溶錠剤、有核錠、又は腸溶コーティング錠剤、糖衣錠剤、或いはフィルムコーティング錠剤として提供され得る。腸溶性錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、内部で溶ける又は崩れて、それにより、胃の酸性環境から活性成分を保護する物質で覆われた圧縮錠剤である。腸溶コーティングは、限定されないが、脂肪酸、脂肪(サリチル酸フェニル)、ろう、セラック、アンモニア化セラック、及び酢酸フタル酸セルロースを含む。糖衣錠は、糖衣に囲まれた圧縮錠剤であり、それは、不愉快な味又は臭いを隠す際に、及び酸化から錠剤を保護する際に有益であり得る。フィルムコーティング錠剤は、水溶性の物質の薄い層又はフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングは、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、及び酢酸フタル酸セルロースを含む。フィルムコーティングは糖衣と同じ一般的な特徴を与える。有核錠は、1より多くの圧縮サイクルによって作られた圧縮錠剤であり、層を成した錠剤、及びプレスコーティング錠剤又は有核錠を含む。
錠剤の剤形は、単独で、又は、結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、潤滑剤、希釈剤、及び/又は着色剤を含む、1以上の本明細書に記載される担体又は賦形剤と組み合わせて、粉末状、結晶状、又は顆粒上の形態で、活性成分から調製され得る。着香料及び甘味料は、咀嚼錠とロゼンジの組成において特に役立つ。
本明細書で提供される医薬組成物は、柔カプセル剤又は硬カプセル剤として提供され得、それは、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、又はアルギン酸カルシウムから作ることができる。乾燥充填カプセル(dry−filled capsule)(DFC)としても知られる硬ゼラチンカプセル剤は、2つのセクションから成り、その1つが他方の上を滑り、故に、活性成分を完全に包む。軟カプセル剤(SEC)は、ゼラチン殻などの柔軟で球状の殻であり、それは、グリセリン、ソルビトール、又は類似のポリオールの付加によって可塑化される。柔軟なゼラチン殻は、微生物の増殖を防ぐため防腐剤を含み得る。適切な保存剤は、メチルパラベン及びプロピルパラベン、並びにソルビン酸を含む、本明細書に記載されるようなものである。本明細書で提供される液体、半固体、及び固体の剤形は、製剤形態は、カプセルの中に閉じ込められ得る。適切な液体及び半固体の剤形は、炭酸プロピレン、植物油、又はトリグリセリド中に溶液及び懸濁液を含む。こうした溶液を含むカプセルは、米国特許第4,328,245号;第4,409,239号;及び第4,410,545号に開示されるように調製され得る。カプセルは、活性成分の溶解を修飾又は持続するために、当業者に知られるように覆われることもある。
他の実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、乳剤、溶液、懸濁液、エリキシル剤、及びシロップ剤を含む、液体及び半固体の剤形で提供され得る。エマルジョンは二相系であり、そこでは、1つの液体が、水中油型又は油中水型であり得る別の液体を通じて小さな小球の形態で分散する。エマルジョンは、薬学的に許容可能な非水性の液体又は溶媒、乳化剤、及び防腐剤を含み得る。懸濁液は、薬学的に許容可能な懸濁化剤及び防腐剤を含み得る。アルコール性水溶液は、低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタールなどの薬学的に許容可能なアセタール(用語「低級」は、1〜6の炭素原子を有するアルキルを意味する)(例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール);及び、プロピレングリコール並びにエタノールなどの1つ以上のヒドロキシル基を有する水混和性の溶媒を含む。エリキシル剤は、透明で、甘くなった、水アルコール性の溶液である。シロップ剤は、糖(例えば、スクロース)の濃縮水溶液であり、防腐剤も含み得る。液体剤形に関して、例えば、ポリエチレングリコール中の溶液は、投与のため都合良く測定されるのに十分な量の薬学的に許容可能な液体担体(例えば、水)で希釈され得る。
他の有用な液体及び半固体の剤形は、限定されないが、1,2−ジメトキシメタン、ダイグライム、トリグライム、テトラグライム、ポリエチレングリコール−350−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−550−ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール−750−ジメチルエーテルを含む、本明細書で提供される活性成分、及びジアルキル化したモノ−又はポリ−アルキレングリコールを含み、ここで、350、550、及び750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す。これら製剤は、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、プロピルガレート、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、ケファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸及びそのエステル、並びにジチオカルバマートなどの1つ以上の酸化防止剤を更に含む。
経口投与用の本明細書で提供される医薬組成物も、リポソーム、ミセル、微粒子、又はナノシステムの形態で提供され得る。ミセル剤形は、米国特許第6,350,458号に記載されるように調製することができる。
他の実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、液体の剤形へと再構成されるため、非発泡性又は発泡性の、果粒剤及び粉末剤として提供され得る。非発泡性の顆粒剤又は粉末剤に使用される薬学的に許容可能な担体及び賦形剤は、希釈剤、甘味料、及び湿潤剤を含み得る。非発泡性の顆粒剤又は粉末剤に使用される薬学的に許容可能な担体及び賦形剤は、有機酸、及び二酸化炭素の源を含み得る。
着色料及び着香料は、上記の剤形の全てにおいて使用され得る。
本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、は調剤されるかもしれない、放出剤形、ターゲット放出、及びプログラム放出の形態を含む、即時放出又は放出修飾(modified release)の製剤として処方され得る。
更なる実施形態において、本明細書で提供される医薬組成物は、所望の治療効果を損なわない他の活性成分と、又は所望の作用を補足する物質と共に共同処方され得る。
実施例1
局所再発性または転移性のER+乳がんを有する閉経後の女性、および、進行性の非小細胞肺癌を有する男性と女性におけるエンチノスタットの薬物動態に対する食物の効果を評価する、フェーズ1の無作為のオープンラベルの研究
<プロトコル>
タイトル:局所再発性または転移性のER+乳がんを有する閉経後の女性、および、進行性の非小細胞肺癌を有する男性と女性におけるエンチノスタットの薬物動態に対する食物の効果を評価する、フェーズ1の無作為のオープンラベルの研究
研究のフェーズ:フェーズ1
適応症:乳癌;非小細胞肺癌
主な目的:
・乳癌を有する女性、および非小細胞肺癌(NSCLC)を有する男性と女性のエンチノスタットの薬物動態に対する食物の効果を評価すること。
第二の目的:
・安全性:有害事象、実験室のパラメータや心電図の評価によって測定されるように、エキセメスタンまたはエルロチニブを併用したエンチノスタットの安全性および耐用性を評価すること。
探索の目的:
・エンチノスタット投与によって誘導されるタンパク質のリジンアセチル化の変化の程度に対する食物の影響を判定すること。
・エンチノスタットの血漿中濃度と治療期間に関連するように、エンチノスタットを受け取る患者のアセチル化の程度を評価すること。
・エキセメスタンまたはエルロチニブの付加がエンチノスタット投与によって誘導されるアセチル化の変化の程度に対して、影響するかどうかを判定すること。
<研究デザイン>
これは、エンチノスタットの、フェーズ1の、無作為の、オープンラベルの、2期間の、2シーケンスクロスオーバーの、研究である。患者は、サイクル1の第1日(C1D1)にて、食物の有無にかかわらずエンチノスタット10mgを受け取るように1:1の比率で無作為化される。C1D1にて食物とともにエンチノスタットを受けた患者は、サイクル1の第15日(C1D15)にて、第二の濃度のエンチノスタット10mgを食物なしで受け取るように無作為化される。同様に、C1D1にて、食物なしでエンチノスタットを受け取るように無作為化される患者は、CID15にて、食物とともに第二の濃度のエンチノスタット10mgを受け取るように無作為化される。無作為化は性別によりで階層化される。研究における各サイクルは、持続した28日間である。血液サンプルをプレ服用として得て、連続する血液サンプルを各服用の後に得て、薬物動態を評価する。さらに、血液サンプルは、エンチノスタットのアセチル化の評価のために引きぬかれる。
サイクル2および後のすべてのサイクルに関して、すべての患者は各サイクルの1日目および15日目に10mgのエンチノスタットを受ける。乳癌を有する患者は、サイクル2の1日目から、一日1回(qd)経口で(po)25mgのエキセメスタンを受ける。
NSCLCを有する患者は、またサイクル2の1日目から、150mgのpoエルロチニブをqdで受ける。
患者は、標準的な臨床のおよび実験室の評価を用いた研究の登録中に、スクリーニングで、および事前規定の時間で評価される。患者は、各2サイクルの後に腫瘍反応についても評価される。腫瘍発達はCT、MRIまたは他の適切な放射線学的な研究で評価される。研究者によって判定されるような、治療の中止を必要とする腫瘍進行または有害事象が生じるまで、患者は、研究処置の適切なサイクルを受け続ける。
エンドポイント:
一次的薬物動態学エンドポイント
・Cmax、最大血漿濃度
・Tmax、最大血漿濃度の時間
・AUClast、時間ゼロから最新の測定可能濃度までの、血漿濃度−時間曲線より下の面積
AUCinf、すなわち以下のAUClast+Clast/λzを介して、推測の時間ゼロから無限大の血漿濃度−時間曲線より下の面積
・λz、すなわち最終消失速度定数(Terminal elimination rate constant)
薬力学的な二次的エンドポイント
・末梢血単核球によって測定されるような、タンパク質のリジンアセチル化におけるベースラインからの変化
安全性のエンドポイント
・治療中の有害反応、重篤な有害事象、試験薬の恒久的な停止を結果として生じる有害事象、および試験薬の最新の服用の30日間以内に起こる死亡、の発生
・実験室、生命徴候および心電図の結果におけるベースラインからの変化
標本数:28人までの患者(最低4人の男性患者を伴う、乳癌を有するおよそ14人の患者およびNSCLCを有する14人の患者)が登録されて、24人の患者(処置シーケンス当たりおよそ12人)が研究処置のサイクル1を完了するのを確実にする。被験体適格基準の概要:研究では、初期診断時にエストロゲン受容体陽性(ER+)乳癌が組織学的または細胞学的に確認され、患者がエキセメスタンを受ける候補であることを研究者が判定するほど疾患が進行した、閉経後女性を登録する。さらに、エルロチニブ治療について適格な候補であるステージIIIbまたはIVの、細胞学的または組織学的に確認されたNSCLCを有する成人を登録する。患者はみな、0または1の米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)の状態を有する、少なくとも18歳でなければならない。
治験薬:
エンチノスタットは、分子式C21H20N4O3と376.41の分子量を備えた合成小分子である。エンチノスタットは、ヌクレオソームのヒストンの超アセチル化の促進によりヒストンデアセチラーゼの阻害剤として特異的に機能する、抗腫瘍薬として分類される。エンチノスタットは経口で生物利用でき、5.0mgの有効成分を含む黄色のコーティング錠として供給される。
研究処置:
1サイクルは28日間の研究処置として定められる。
全患者:サイクル1のみ
・グループA:試験の絶食条件下において1日目に、および試験の摂食条件下において15日目に、poで、10mgのエンチノスタット。
・グループB:試験の摂食条件下において1日目に、および試験の絶食条件下において15日目に、poで、10mgのエンチノスタット。
乳癌患者のみ:サイクル2とすべての後のサイクルで。
・エキセメスタン25mgはサイクル2の1日目から、1日1回投与される。
・エンチノスタットは、1日目と15日目の朝食の少なくとも2時間後に10mgの用量でpoで投与され、その後少なくとも1時間の絶食をする。
NSCLC患者のみ:サイクル2とすべての後のサイクル
・エルロチニブ150mgがサイクル2の1日目から、1日1回投与される。
・エンチノスタットは、1日目と15日目の朝食の少なくとも2時間後に10mgの用量でpoで投与され、その後少なくとも1時間の絶食をする。
薬物動態学の評価、すべての患者(サイクル1のみの研究1日目および研究15日目)
患者は、無作為化に従って2つの処置のうち1つで投与される:試験の摂食条件下における10mgのエンチノスタット、試験の絶食条件下における10mgのエンチノスタット。すべての処置は、240mLの水による単回投与として与えられる。水は、すべての処置群において、服用前の2時間まで所望できるよう許容され、その後、摂食処置群における朝食中の流体摂取を除いて、服用の2時間後までは制限される。血液は以下の時間にエンチノスタット濃度の判定のために採取される:服用前(投与の60数分以内)、およびその後、服用の0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、10、12、24、72、120、168、240、および336時間後。ECGは、服用前の−60および−45分で、その後、PK血液サンプルとしても3回繰り返して採取される。ホルターモニターは、服用前から服用後12時間にわたって、サイクル1の1日目と15日目のために使用される。
薬力学的評価、すべての患者
サイクル1の1日目および15日目の研究
血液は、以下の時間にて、エンチノスタットによるアセチル化の判定のために得られる:服用前(服用の60分以内)、およびその後、服用の12、24、168、および336時間後。
サイクル3の1日目の研究
血液は、サイクル3の1日目にて、タンパク質アセチル化の服用前の判定のために採取する。
研究評価の終わり
血液は最終の研究の訪問で、タンパク質アセチル化の判定のために採取される。
研究期間
進行性の疾患、または受け入れがたいか耐えられない毒性に遭遇するまで、患者はプロトコルの治療を受け続ける。
統計学的な考察:
インターバル仮説に対するSchuirmannの2片側検定の手順は、摂食および絶食状態を平均のバイオアベイラビリティの違いについて比較するために使用される。
平均バイオアベイラビリティにおける差は、AUClastとCmaxに基づくエンチノスタットの曝露の範囲よって判定される。
仮説の次のセットは、対数変換されたデータに基づいて絶食状態を摂食状態と比較するために試験される。
式中、μFedおよびμFastedは、摂食および絶食条件それぞれについて、AUClast、AUCinf、またはCmaxの母集団の平均を表す。治療シーケンスあたり12人の、評価可能な24人の患者は、90%の検出力および1型の誤差率5%で前記の摂食および絶食状態の間の平均バイオアベイラビリティの差を検知する必要がある。患者内の変動係数(CV)は22%であると推定される。摂食および絶食条件の間の真の平均比率は1.0であると推定される。
それらが無作為化(つまり、物を食べるか絶食した)によって明確だった条件に従った各治療期間におけるエンチノスタットを受ければ、患者は、PK分析には検討できると考慮される。患者は、またPKパラメーター(例えばCmax、AUClast)の意味のある評価を提供するために、各処置期間から十分な血漿濃度−時間データを有していなければならない。
個々の患者の濃度−時間データはリストされ、線形および対数スケールで図表として表示される。濃度−時間データは、表やグラフ形式(線形および対数スケール)で記述的に要約される。非コンパートメント(noncompartmental)法を用いて推定されるPKパラメータは、WinNonlinバージョン5.1以降を使用して計算される。このような推定値は、表およびグラフ形式で記述的にリストされ、および要約される。
選択したPKパラメータの場合(例えば、Cmax、AUClast)は、摂食および絶食条件間の比較は、線形混合効果ANOVAモデルを使用して行われる。モデルは、処置(摂食、絶食)、期間、および固定効果としてシーケンスに関する用語、およびランダムな効果としてのシーケンス内の患者を含む。バイオイクイバレンスの評価は、区間仮説のためSchuirmannの2片側検定の手順に操作上同等である古典的な(最短)信頼区間アプローチに基づいて行われる。ANOVAモデルからの推定値は、摂食および絶食条件についての真の平均AUCの比率のための、90%信頼限界を計算するために使用される。比(逆変換)のための90%信頼区間が全体の80%と125%の等価範囲内に含まれている場合、平均バイオアベイラビリティのバイオイクイバレンスを結論付けることになる。
エンチノスタットの観察された最大血漿濃度までの時間(Tmax)は、記述的な統計と図表の表示を使用して、摂食および絶食条件について要約される。摂食条件と絶食条件との間での、個々の患者のTmaxの差が計算され、中央値の差について、対称のノンパラメトリック信頼区間が提供される。摂食条件と絶食条件の間のTmaxの推論比較は、ウィルコクソンの符号付き順位検定を使用して行われる。
タンパク質のリジンアセチル化の変化(この研究の主要な薬力学的パラメータ)は、PK分析のために上記のものと同じまたは類似の方法で分析される。
アセチル化によるPKの共同解析を行ってもよい。
安全性データ分析は、エンチノスタットを少なくとも1用量受けるすべての患者について行なわれる。分析は、臨床的なおよび実験室のパラメータ、および有害事象についてのデータの要約から成る。別段の定めがない限り、安全性解析は一次の診断によって実行される。1つ以上の有害事象を有する患者の数とパーセンテージは、個々の研究処置との関係、および重症度グレードによって要約される。重症度グレードは、NCI−CTCAE(バージョン4.0)を使用して判定される。有害事象は国際医薬用語集用語(MedDRA)を使用してコード化される。実験室パラメータは、ベースラインに対する変化、および臨床的に著しい異常性のデータ・リストによって、記述統計を使用して要約される。
バイタルサインとECGのデータは、記述統計を使用してベースラインの値からの変化によって要約される。
<結果>
食物効果の研究の結果が本明細書に提示される。図1は、絶食条件または摂食条件下におけるエンチノスタット10mgの投与に続く平均濃度時間プロフィールを示す。薬物動態パラメータの要約が表1において示される。
食物とエンチノスタット10mgの同時投与は、薬物吸収の遅延およびTmaxの遅れ(絶食条件下で中央値TMAX=0.76時間;摂食条件下で中央値TMAX=11時間)を結果としてもたらす。最高薬物濃度における著しい減少(Cmaxの71%の減少)が観察された。全体的な暴露は、AUClastとAUCINFによって推定すると、エンチノスタットが高脂肪食と投与された場合、約15から17パーセントまで減少した。エンチノスタットの平均消失半減期は、絶食条件下で140時間および摂食条件下で178時間と推定された。摂食群の半減期推定値の変動性の度合が高い(%CV= 70%)のは、サンプルサイズが小さいことに起因する可能性が高い。数人の個体が連邦捜査官群に著しく長引かれたt1/2値を持っていた。t1/2の中央値は、二つの群が同等であることを示唆している。
結論:食物の効果は、エンチノスタットと高脂肪の食事が同時投与される場合明らかであり、結果としてtmaxは遅れ、CmaxとAUCは減少する。
<実施例2>
エンチノスタット、および非ステロイド系アロマターゼ阻害剤、エキセメスタンを投与することにより、局所再発性または転移性のエストロゲン受容体陽性乳癌を有する閉経後の女性を処置するための方法
この研究の目的は、進行性乳癌の処置におけるエキセメスタンと組み合わせたエンチノスタットの安全性と効果を評価することである。
主要評価項目は、無作為化の日付から測定された無増悪生存率(PFS)の期間までに判定されるように、エキセメスタン単独の効果を、エキセメスタンにエンチノスタット加えたものと比較することである。
副次的評価項目は、客観的奏効率(ORR)と臨床的有用率(CBR)を比較することであり、有害事象および実験室の安全性パラメータによって測定されるように、エキセメスタンと組み合わせたエンチノスタットの安全性および耐用性を評価することである。
研究設計:
適格基準
研究に適格な年齢:18歳以上
研究に適格な性別:女性
健康なボランティアの受け入れ:無し
包含基準:
・閉経後の女性患者
・組織学的にまたは細胞学的に確認されたER+乳癌
・AIによる以前の処置で再発したか進行した。
・転移性疾患は測定可能でなければならない。
・非標的病変に緩和的放射線を受けた患者は、登録前に処置完了後に2週間のウオッシュアウト期間を設けなくてはならない。
・患者は、以前のAIの開始前に受ける限りは、第1ラインの処置の一部として、1つの従来の化学療法を受けていてもよい。
・ECOGパフォーマンスの状態:0から1
・実験室パラメータ:a)造血の成長因子の使用なしで、ヘモグロビン≧9.0g/dL;血小板≧100.0×10/L;ANC≧1.5×10/L、b)機関の標準の上限の2.5倍未満のクレアチニン、c)機関の標準の上限の2.5倍未満のASTおよびALT
・書面によるインフォームドコンセントを理解し、かつそれを与え、研究手順に準拠することができる
除外基準;
・アジュバント設定において、患者のために12か月未満の後に非ステロイド性のAIによる処置において、再発する。
・転移性疾患を有する患者のための最近のAIによる、3ヶ月未満の治療後において、進行性の疾患
・急速な進行性であり、生命を脅かす転移
・測定可能な病変への任意の緩和的放射線治療
・エンチノスタット、またはバルプロ酸を含む他のHDAC阻害剤による以前の処置
・ベンズアミドまたは試験薬の不活性の成分に対するアレルギー
・エキセメスタンの任意の活性または不活性成分に対するアレルギーの履歴
・適切な試験処置の遵守を妨げる任意の付随する医学的状態
・患者が現在別の治験薬の研究に登録されている(または研究薬物投与前30日以内に完了した)。
・患者が現在、バルプロ酸、ゾリンザ(ボリノスタット)または他のHDAC阻害剤、またはDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤による処置、又は任意の全身性の抗癌処置(リュプロンは例外)を受けている。
<実施例3>
エルロチニブとエンチノスタットの組合せを投与することにより、エルロチニブで進行している非小細胞肺癌を有する患者を処置するための方法
主要評価項目
疾患制御率(完全寛解、部分的応答、または少なくとも3ヶ月間安定する疾病)
副次的評価項目:
4か月での無増悪生存率割合
2か月での無増悪生存率割合
研究設計:
適格基準
研究の対象年齢:18歳以上
研究の対象性別:両方
健康なボランティアの受け入れ:無し
選択基準:
・細胞学的または組織学的に確認された、ステージIllb(胸水)またはIVのNSCLC
・疾患は、少なくとも2つのスキャン(研究登録の4週間以内に行われた最新のもので、患者のスクリーニングのためのベースラインスキャンとして役立ち得る)に基づいて、エルロチニブ処置において進行している(処置に対して応答しないか、客観的反応後の再発のいずれか)。
・最新のがん処置に関連した任意の毒性から回復(CTCAEスケールでグレード1よりも、または以前のベースライン条件よりも大きくない毒性)
・従来のCTスキャンにより測定可能な≧20ミリメートルの、またはスパイラルCTスキャンにより測定可能な≧10ミリメートルの、少なくとも1つの病変
・0、1、又は2のECOGパフォーマンススコアと、少なくとも3ヶ月の平均余命
・相関研究のために利用可能なパラフィン包埋腫瘍標本
・18歳以上の男性または女性
・造血成長因子を使用せずに、ヘモグロビン≧9.0グラム/dL、血小板≧75×10/L;ANC≧1.0×10/L
・正常範囲内凝固試験
・機関の標準の上限の2倍未満のビリルビンおよびクレアチニン
・機関の標準の上限の3倍未満のASTおよびALT
・機関の標準の範囲内のカリウム、マグネシウム、リン(補充が許されている)
・研究中(必要に応じて、男性と女性の両方)、およびエンチノスタットの最新服用の3カ月後に、認められた効果的な避妊法の使用希望する
・患者または法律上許容可能な代表が実行される(特別なスクリーニング試験を含む)の研究に固有の手順の前に、書面によるインフォームドコンセントを与えました
・研究に固有の任意の手順(特別なスクリーニング試験を含む)が実行される前に、患者または法的に許容可能な代表者は、書面によるインフォームドコンセントを与えた
除外基準:
・事前の幹細胞移植
・症候性のCNSの関与
・HDAC阻害剤による事前処置
・非標的研究病変に対する放射線治療を除く、同時の抗癌治療、
・禁止薬物リストの薬(複数可)を現在摂取している
・登録前28日以内の、治験薬による全身化学療法または処置
・バルプロ酸を現在使用している
・未処置または不安定な脳の転移、あるいは研究薬物投与の4週間以内にこの疾病のためにステロイドを摂取している
・現在アテクィブな二次悪性腫瘍、または硬化基底か扁平上皮細胞皮膚癌腫、上皮内子宮頚癌、または表在性膀胱癌以外の過去5年以内の任意の悪性腫瘍
・経口薬を飲み込むことができない、または胃腸の吸収不良の状態
・HIV感染、またはアクティブなB型あるいはC型肝炎感染として知られ、IV抗生物質、抗ウイルス剤、または抗真菌剤を必要とする、未制御の感染症
・MUGAスキャンで、ECG(多焦点のPVC、ST−T波が心筋梗塞または急性虚血、500ミリ秒よりも大きいQTcと一致して変化する)、頻脈、または40%未満の左心室駆出率における臨床的に有意な所見として定められる異常な心臓機能
・高血圧、糖尿病、または抑制された免疫系など、登録の3ヶ月以内での、別の深刻なまたは未制御の医学的状態
・ベンズアミドに対する既知の過敏症
・病的肥満
・現在妊娠中または授乳している女性
・現在、別の調査薬物の研究に登録されている患者(または28日以内に完了している)
・研究やフォローアップの評価に利用できない患者
・試験参加のためのリスクを増加させるか、あるいは、書面にしたインフォームドコンセントを与え、および/または研究手順と要件に準拠する能力を損なわせる、医療の、精神科の、または行動の任意の種類の障害を有する患者。

Claims (109)

  1. 必要とする患者の乳癌を処置する方法であって、該方法は、エキセメスタンとエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される、ことを特徴とする方法。
  2. エンチノスタットのTmaxは投与後1時間未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. エンチノスタットのTmaxは投与後90分未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. エンチノスタットのTmaxは投与後2時間未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. エンチノスタットのTmaxは投与後30分と2時間の間である、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも150ng/mLである、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
  7. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも125ng/mLである、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
  8. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも100ng/mLである、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
  9. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも80ng/mLである、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
  10. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも50ng/mLである、ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1つに記載の方法。
  11. 約5mgのエンチノスタットが投与される、ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の方法。
  12. 約10mgのエンチノスタットが投与される、ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の方法。
  13. 約1mg乃至約20mgのエンチノスタットが投与される、ことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1つに記載の方法。
  14. エンチノスタットは1週間に1回投与される、ことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1つに記載の方法。
  15. エンチノスタットは28日のサイクルの間に投与される、ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか1つに記載の方法。
  16. 患者は、エンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1つに記載の方法。
  17. 患者は、エンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項1乃至15の何れか1つに記載の方法。
  18. 患者は、エンチノスタットの投与後の2時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項1乃至17の何れか1つに記載の方法。
  19. 患者は、エンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項1乃至17の何れか1つに記載の方法。
  20. エキセメスタンは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される、ことを特徴とする請求項1乃至19の何れか1つに記載の方法。
  21. エキセメスタンは、食後に投与される、ことを特徴とする請求項1乃至20の何れか1つに記載の方法。
  22. エキセメスタンは、食事と共に投与される、ことを特徴とする請求項1乃至20の何れか1つに記載の方法。
  23. 約25mgのエキセメスタンが1日1回投与される、ことを特徴とする請求項1乃至22の何れか1つに記載の方法。
  24. 必要とする患者の非小細胞肺癌を処置する方法であって、該方法は、エルロチニブとエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットは絶食状態の患者に投与される、ことを特徴とする方法。
  25. エンチノスタットのTmaxは投与後1時間未満である、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  26. エンチノスタットのTmaxは投与後90分未満である、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  27. エンチノスタットのTmaxは投与後2時間未満である、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  28. エンチノスタットのTmaxは投与後30分と2時間の間である、ことを特徴とする請求項24に記載の方法。
  29. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも150ng/mLである、ことを特徴とする請求項24乃至28の何れか1つに記載の方法。
  30. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも125ng/mLである、ことを特徴とする請求項24乃至28の何れか1つに記載の方法。
  31. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも100ng/mLである、ことを特徴とする請求項24乃至28の何れか1つに記載の方法。
  32. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも80ng/mLである、ことを特徴とする請求項24乃至28の何れか1つに記載の方法。
  33. エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットの経口投与後、少なくとも50ng/mLである、ことを特徴とする請求項24乃至28の何れか1つに記載の方法。
  34. 約10mgのエンチノスタットが投与される、ことを特徴とする請求項24乃至33の何れか1つに記載の方法。
  35. 約1mg乃至約20mgのエンチノスタットが投与される、ことを特徴とする請求項24乃至33の何れか1つに記載の方法。
  36. エンチノスタットは14日ごとに投与される、ことを特徴とする請求項24乃至35の何れか1つに記載の方法。
  37. エンチノスタットは1か月間投与される、ことを特徴とする請求項24乃至36の何れか1つに記載の方法。
  38. 患者は、エンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項24乃至37の何れか1つに記載の方法。
  39. 患者は、エンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項24乃至37の何れか1つに記載の方法。
  40. 患者は、エンチノスタットの投与後の1時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項24乃至39の何れか1つに記載の方法。
  41. 患者は、エンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項24乃至39の何れか1つに記載の方法。
  42. エルロチニブは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される、ことを特徴とする請求項24乃至41の何れか1つに記載の方法。
  43. エルロチニブは、絶食状態の患者に1日1回投与される、ことを特徴とする請求項24乃至42の何れか1つに記載の方法。
  44. 患者は、エルロチニブの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項24乃至43の何れか1つに記載の方法。
  45. 患者は、エルロチニブの投与後の1時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項24乃至44の何れか1つに記載の方法。
  46. 約150mgのエルロチニブが投与される、ことを特徴とする請求項24乃至45の何れか1つに記載の方法。
  47. 必要とする患者の癌を処置する方法であって、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、摂食条件下のエンチノスタットの投与と比較して、絶食条件下のエンチノスタットの投与はCmaxの増加を結果としてもたらし、摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率は、少なくとも約2:1である、ことを特徴とする方法。
  48. 摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約3:1である、ことを特徴とする請求項47に記載の方法。
  49. 摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約4:1である、ことを特徴とする請求項47又は48に記載の方法。
  50. 摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約5:1である、ことを特徴とする請求項47乃至49の何れか1つに記載の方法。
  51. 摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約6:1である、ことを特徴とする請求項47乃至50の何れか1つに記載の方法。
  52. 摂食条件下の投与後のCmaxに対する、絶食条件下の投与後のCmaxの比率が、少なくとも約7:1である、ことを特徴とする請求項47乃至51の何れか1つに記載の方法。
  53. 癌は肺癌である、ことを特徴とする請求項47乃至52の何れか1つに記載の方法。
  54. 肺癌は非小細胞肺癌である、ことを特徴とする請求項53に記載の方法。
  55. 癌は乳癌である、ことを特徴とする請求項47乃至52の何れか1つに記載の方法。
  56. EGFR阻害剤の経口投与を更に含む、請求項53又は54に記載の方法。
  57. EGFR阻害剤はエルロチニブである、ことを特徴とする請求項56に記載の方法。
  58. エルロチニブは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される、ことを特徴とする請求項57に記載の方法。
  59. 患者は、エルロチニブの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項57又は58に記載の方法。
  60. 患者は、エルロチニブの投与後の1時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項57乃至59の何れか1つに記載の方法。
  61. 約150mgのエルロチニブが投与される、ことを特徴とする請求項57乃至60の何れか1つに記載の方法。
  62. エルロチニブは1日1回投与される、ことを特徴とする請求項57乃至61の何れか1つに記載の方法。
  63. アロマターゼ阻害剤の経口投与を更に含む、請求項55に記載の方法。
  64. アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである、ことを特徴とする請求項63に記載の方法。
  65. エキセメスタンは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される、ことを特徴とする請求項64に記載の方法。
  66. エキセメスタンは食後に投与される、ことを特徴とする請求項64又は65に記載の方法。
  67. エキセメスタンは食事と共に投与される、ことを特徴とする請求項64又は65に記載の方法。
  68. 約25mgのエキセメスタンが投与される、ことを特徴とする請求項64乃至67の何れか1つに記載の方法。
  69. エキセメスタンは1日1回投与される、ことを特徴とする請求項64乃至68の何れか1つに記載の方法。
  70. 患者は約10mgのエンチノスタットを投与される、ことを特徴とする請求項47乃至69の何れか1つに記載の方法。
  71. 患者は約5mgのエンチノスタットを投与される、ことを特徴とする請求項47乃至69の何れか1つに記載の方法。
  72. 患者は約1mg乃至約20mgのエンチノスタットを投与される、ことを特徴とする請求項47乃至69の何れか1つに記載の方法。
  73. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項47乃至72の何れか1つに記載の方法。
  74. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項47乃至72の何れか1つに記載の方法。
  75. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与後の2時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項47乃至74の何れか1つに記載の方法。
  76. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項47乃至74の何れか1つに記載の方法。
  77. 患者は摂食条件下で高脂質の食事を摂取する、ことを特徴とする請求項47乃至76の何れか1つに記載の方法。
  78. 必要とする患者の癌を処置する方法であって、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、絶食条件下のエンチノスタットの投与と比較して、摂食条件下のエンチノスタットの投与はTmaxの増加を結果としてもたらし、絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率は、少なくとも約2:1である、ことを特徴とする方法。
  79. 絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約2:1乃至約5:1である、ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
  80. 絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約5:1乃至約8:1である、ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
  81. 絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約8:1乃至約12:1である、ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
  82. 絶食条件下の投与後のTmaxに対する、摂食条件下の投与後のTmaxの比率が、約12:1乃至約15:1である、ことを特徴とする請求項78に記載の方法。
  83. 癌は肺癌である、ことを特徴とする請求項78乃至82の何れか1つに記載の方法。
  84. 肺癌は非小細胞肺癌である、ことを特徴とする請求項83に記載の方法。
  85. 癌は乳癌である、ことを特徴とする請求項78乃至82の何れか1つに記載の方法。
  86. EGFR阻害剤の経口投与を更に含む、請求項83又は84に記載の方法。
  87. EGFR阻害剤はエルロチニブである、ことを特徴とする請求項86に記載の方法。
  88. エルロチニブは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される、ことを特徴とする請求項87に記載の方法。
  89. 患者は、エルロチニブの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項87又は88に記載の方法。
  90. 患者は、エルロチニブの投与後の1時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項87乃至89の何れか1つに記載の方法。
  91. 約150mgのエルロチニブが投与される、ことを特徴とする請求項87乃至90の何れか1つに記載の方法。
  92. エルロチニブは1日1回投与される、ことを特徴とする請求項87乃至91の何れか1つに記載の方法。
  93. アロマターゼ阻害剤の経口投与を更に含む、請求項85に記載の方法。
  94. アロマターゼ阻害剤はエキセメスタンである、ことを特徴とする請求項93に記載の方法。
  95. エキセメスタンは、エンチノスタットとは異なる時間に投与される、ことを特徴とする請求項94に記載の方法。
  96. エキセメスタンは食後に投与される、ことを特徴とする請求項94又は95に記載の方法。
  97. エキセメスタンは食事と共に投与される、ことを特徴とする請求項94又は95に記載の方法。
  98. 約25mgのエキセメスタンが投与される、ことを特徴とする請求項94乃至97の何れか1つに記載の方法。
  99. エキセメスタンは1日1回投与される、ことを特徴とする請求項94乃至98の何れか1つに記載の方法。
  100. 患者は約10mgのエンチノスタットを投与される、ことを特徴とする請求項78乃至99の何れか1つに記載の方法。
  101. 患者は約5mgのエンチノスタットを投与される、ことを特徴とする請求項78乃至99の何れか1つに記載の方法。
  102. 患者は約1mg乃至約20mgのエンチノスタットを投与される、ことを特徴とする請求項78乃至99の何れか1つに記載の方法。
  103. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与前の2時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項78乃至102の何れか1つに記載の方法。
  104. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与前の1時間以内に食物を摂取していない、ことを特徴とする請求項78乃至102の何れか1つに記載の方法。
  105. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与後の2時間以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項78乃至104の何れか1つに記載の方法。
  106. 患者は、絶食条件下でのエンチノスタットの投与後の30分以内に食物を摂取しない、ことを特徴とする請求項78乃至104の何れか1つに記載の方法。
  107. 患者は摂食条件下で高脂質の食事を摂取する、ことを特徴とする請求項78乃至106の何れか1つに記載の方法。
  108. 必要とする患者の癌を処置する方法であって、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットが摂食条件下で投与される場合と比較して、エンチノスタットのCmaxは、エンチノスタットが絶食条件下で投与される場合に増加する、ことを特徴とする方法。
  109. 必要とする患者の癌を処置する方法であって、該方法はエンチノスタットの経口投与を含み、ここで、エンチノスタットが絶食条件下で投与される場合と比較して、エンチノスタットのTmaxは、エンチノスタットが摂食条件下で投与される場合に増加する、ことを特徴とする方法。
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