JP2016521158A - 食品調製用カプセル - Google Patents

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Abstract

本発明は、飲料原材料を収容し、食品調製マシン(1)内に機能的に挿入されるように構成され、原材料をマシンにより圧力下で内部に注入される流体と混合して飲料が調製されるキャビティを定める壁(12)を含み、供給開口部(13)と、キャビティ内の圧力上昇により開く開放手段とをさらに含むカプセル(11)であって、開放手段は、キャビティを供給開口部(13)に接続できる流れ案内チャネル(14)と、(i)キャビティの圧力が第1の所定の圧力PCを下回り、ピストンばね(16)が静止し、ピストンプラグ(15)がチャネル壁に対して封止する閉鎖位置と、(ii)キャビティの圧力がPCに等しいか又はこれを上回り、ピストンばねが弾性変形され、ピストンプラグがチャネル壁から離れるように動かされ、飲料がチャネルを通してカプセルの外に流出できる供給位置との間をチャネル内で移動可能なばね式ピストンプラグとを含む、カプセルに関する。【選択図】図10

Description

本発明は、食品又は飲料調製マシンで用いるためのカプセル、より正確には、液垂れ防止特性(anti−dripping property)を有するカプセルに関する。
食品科学及び消費財の領域では、飲料調製マシンがよく知られている。このようなマシンにより、消費者が、自宅で所与のタイプの飲料、例えばエスプレッソ又は抽出式コーヒーなどコーヒー・ベースの飲料を調製することが可能になる。
今日、家庭内飲料調製用の飲料調製マシンの殆どが、飲料の調製用に小分けされた原材料を収容できるマシンからなるシステムを備える。このような小分け分(portion)は、柔軟なポッド若しくはパッド、又は小袋(schet)とすることができるが、硬質のポッド若しくはカプセルなど、半硬質又は硬質の小分け分を使用するシステムがますます多くなっている。以下では、本発明の飲料マシンが、例えばカプセル、小袋、ポッド、パッドなどの硬質又は半硬質のカプセルで動作する飲料調製マシンであることを考慮することになる。
このマシンは、前述のカプセルを収容するための容器又はキャビティと、流体、好ましくは水を圧力下でカプセル内に注入するための流体注入システムとを含む。本発明によるコーヒー飲料を調製するために、圧力下でカプセル内に注入される水は、熱いことが好ましく、すなわち70℃を超える温度であることが好ましい。しかしながら、幾つかの特定の場合では、水は周囲温度であるか又は冷却されることさえある。カプセルの内容物の抽出及び/又は溶解中のカプセル・チャンバ内部の圧力(大気圧に対する)は、カプセルが開くまで、通常、溶解生成物では約1〜約8バールまで、焙煎され粉砕されたコーヒーの抽出では約2〜約12バールまで増大する。このような調製プロセスは、抽出には流体(例えば熱湯)によって原材料を長時間浸出させることが必要になる点で、飲料調製(特に、紅茶及びコーヒー)のいわゆる「抽出」プロセスとはかなり異なるが、この飲料調製プロセスにより、消費者が、飲料、例えばインスタント・コーヒーを数秒間で調製することが可能になる。
圧力下で密閉カプセルの内容物を抽出及び/又は溶解する原理が知られており、これは、一般的に、マシンの容器又はキャビティ内にカプセルを挿入することと、一般に、マシン上に取り付けられた流体注入針などの穿孔注入要素でカプセルの表面を穿孔した後に、ある一定量の加圧水をカプセルに注入し、その結果、カプセル内部に加圧環境を生成して、物質を抽出するか又は溶解し、次いで抽出された物質又は溶解された物質を、カプセルを通して放出することとからなる。この原理の適用を可能にするカプセルは、例えば、本出願人の欧州特許第1472156B1号及び欧州特許第1784344B1号に既に記載されている。
この原理の適用を可能にするマシンは、例えば、スイス国特許第605293号及び欧州特許第242556号に既に記載されている。これらの文書によれば、このマシンは、カプセル用の容器又はキャビティ、並びに、少なくとも1つの液体注入オリフィスをその遠位領域に含む中空針の形で作製された穿孔及び注入要素を含む。この針は、一方ではカプセルの上部を開口し、他方では水の入口チャネルをカプセル内に形成するという点で、2重の機能を有する。
このマシンはさらに、カプセル内に含まれる(1つ又は複数の)原材料を、圧力下で溶解及び/又は浸出及び/又は抽出するために使用される流体を貯蔵するための流体タンク(殆どの場合、この流体は水である)を含む。このマシンは、ボイラー又は熱交換器などの加熱要素を含み、これは、内部で使用される水を、動作温度(典型的には、80〜90℃までの温度)に温めることができる。最後に、このマシンは、随意的には加熱要素を介してタンクからカプセルに水を循環されるためのポンプ要素を含む。マシン内部を水が循環する方式は、例えば、本出願人の欧州特許第2162653B1号に記載されたタイプの蠕動バルブなどの選択バルブ手段によって選択される。
調製される飲料がコーヒーのとき、コーヒーを調製するための1つの興味深い方式は、焙煎され粉砕されたコーヒー粉末を含むカプセルを消費者に提供することであり、このコーヒー粉末が、内部に注入される熱湯で抽出される。
多くの場合、このマシンは、カプセルを保持するためのカプセル・ホルダを含み、このホルダは、マシンの対応するキャビティ又は容器に挿入されて、そこから取り外されることを意図している。カプセル・ホルダにカプセルが機能的に装填されてマシン内部に挿入されると、上述のように、マシンの水注入手段が、カプセルに流体接続して、食品調製のためにその内部に水を注入することができる。カプセル・ホルダは、例えば、本出願人の欧州特許第1967100B1号に記載されている。
食品調製、具体的には飲料調製の用途向けのカプセルが開発されてきており、それらのカプセルが、本出願人の欧州特許第1784344B1号又は欧州特許出願第2062831号に記載され、特許請求されている。
要するに、このようなカプセルは一般的に、
中空本体、並びに液体及び空気を透過せず、本体に取り付けられ、例えばマシンの注入針によって孔を開けるように構成された注入壁と、
抽出される焙煎され粉砕されたコーヒーのベッド、又は可溶性原材料若しくは可溶性原材料の混合物を含むチャンバと、
カプセルの下端部に配置されて、チャンバ内の内圧を保持するためにカプセルを閉鎖するアルミニウム膜と、
を含む。
このアルミニウム膜は、カプセルと一体であるか、又は該カプセルの外側、例えばマシンのカプセル・ホルダ内に配置される穿孔手段で穿孔するように設計されている。
この穿孔手段は、チャンバ内部の内圧がある所定の値に達すると、アルミニウム膜に供給用孔を開けるように構成される。
また、随意的に、このカプセルは、流体の噴流を中断して、カプセルに注入される流体の噴流の速度を低下させ、低下した速度で流体を物質のベッドに分散させるように構成された手段を含むことができる。
場合によっては、調製され、供給される製品が飲料であるとき、この飲料の粘度、提供温度及び調製圧力のような幾つかのパラメータに応じて、供給段階の最後に何らかの液垂れ(dipping)が生じることがある。こうした場合、マシンのポンプが停止した後及び飲料がカプセルからカップ内に供給された後、カプセル内に残っている何らかの液体が、このカプセルの底部開口部を通ってポタポタと落ちることがある。
これは、消費者が既にマシンの下からカップを取り出している場合、又は消費者が使用済みのカプセルをゴミ箱に移動させた場合には汚く不潔であるため、さらに、カップが依然としてマシンの下に置かれている場合には、付加的な量の飲料がカップに供給され、それは一杯分の分量(serving size)に対応しないため、望ましくない。
従って、本発明の目的は、周知のカプセルの欠点を除去し、どのような飲料供給の調製条件でも、液垂れが生じないことを保証するシステムを含むカプセルを提供することである。それだけでなく、カプセルの内外の温度差及び圧力差に影響を受けないシステムを提供することも、目的である。解決法はまた、食品が安全であり、製造が安価なものであるべきである。
本発明は、本発明は、飲料原材料を収容し、食品調製マシン内に機能的に挿入されるように構成され、原材料をマシンにより圧力下で内部に注入される流体と混合することによって飲料を調製するキャビティを定める壁を含み、供給開口部と、キャビティ内の圧力上昇の効果を受けて開く開放手段とをさらに含むカプセルであって、この開放手段は、
カプセルのキャビティを供給開口部に接続することができる剛性の流れ案内チャネルと、
(i)キャビティの圧力が第1の所定の圧力Pを下回り、ピストンばねが静止し、ピストンプラグがチャネル壁に対して封止する閉鎖位置と、
(ii)キャビティの圧力がPに等しいか又はこれを上回り、ピストンばねが弾力的に変形され、ピストンプラグがチャネル壁から離れるように動かされ、飲料がチャネルを通してカプセルの外に流れることができる供給位置と
の間をチャネル内で移動可能なばね式ピストンプラグと、
を含むカプセルに関する。
理解されるように、Pは限界圧力であり、限界圧力の後でカプセルは自動的に開き、飲料を流出させる。Pは、好ましくは0.003バールと5バールとの間、より好ましくは0.1バールと3バールとの間、最も好ましくは0.5バールと2バールとの間に含まれる。
興味深いことに、ばね式ピストンは、例えば温度及び圧力などの飲料調製条件に影響を受けない単に機械的な要素であるという利点を有する。チャネルを通して供給される高温の飲料の場合でさえも、ばねは確実であり、例えばゴム製スリット弁のような当技術分野において周知の他の弁解決法と違って、その変形能に影響を受けない。そうしたスリット弁を用いた場合、温度及び圧力が弁リップの幾何学的形状及び変形特性に影響を与えることがあり、例えば供給圧が高く(3バールと15バールとの間)、温度が60〜70℃を超える場合、再閉鎖性(reclosability)は保証されない。さらに、可撓性ゴム又はシリコーン製スリット弁などの周知の解決法は、本発明による機械的ピストンプラグとは異なり、高価である。さらに、本発明の別の利点は、圧力が大きいほど、より広く供給開口部が開くことである。
重要なことに、「ばね式ピストンプラグ」では、ピストンプラグを作動させるばねをピストン全体の一体部分とすることが意図されるが、ばねは、それ自体を独立した部分とすることができ、又はカプセル壁と共に一体的に形成することもできる。しかしながら、ばね部分は、ピストンプラグと共に一体的に作製され、次に、ピストン全体(プラグにばねを加えたもの)がカプセル壁に組み付けられることが好ましい。
このピストンプラグは、前述のチャネルの垂直対称軸線に沿って並進移動可能であることが好ましい。
本発明の第1の実施形態において、ばねは、各々がプラグの長手方向軸線に対して実質的に平行な長手方向軸線を有する、プラグと一体的に形成された複数の変形可能な波形アームを含む。
本発明の第2の実施形態において、ばねは、ピストンプラグから外方に延びる複数の変形可能な湾曲アームを含む。
好ましくは本発明の後者の実施形態において、ばねは、湾曲アームの末端に接続され、ピストンプラグ及びばねを、該プラグ及びばねがカプセルに対して移動可能なように、カプセルの残りの部分に接続するためのリングをさらに含む。
いずれの場合も、ばねは、弾性的に圧縮可能である又は伸長可能である。どちらの可能性においても、カプセル・キャビティ内の圧力が高まると、ばねは、弾性的かつ弾力的に変形される。
本発明の好ましい実施形態において、カプセルは、カプセル・キャビティと供給チャネルとの間に封止される穿孔可能な壁と、キャビティ内又はキャビティの外に位置し、キャビティ内の圧力上昇の影響を受けて穿孔可能な壁を穿孔するように構成された穿孔手段とをさらに含む。
こうした穿孔可能な壁及び穿孔手段を用いた場合、従って、カプセルの開口は、2つの別個のステップで構成される。カプセル内の圧力が高まると、穿孔可能な壁及び穿孔手段が互いに接触し、穿孔可能な壁が穿孔される。カプセル・キャビティ内で調製される飲料は、圧力下で、ピストンプラグにより閉鎖されるカプセル供給チャネルに向かって流れる。ひとたび流体圧がピストンに印加されると、ばねが変形し、ピストンプラグがチャネルに対して動かされるので、これら2つの間に流路が形成され、それを通して飲料が、カプセルの外に、供給チャネルを通して、カプセルの下に置かれたカップ内に流れることができる。
第1の可能な実施において、穿孔手段は、少なくとも1つの穿孔突出部で覆われた表面を有するプレートであり、このプレートは、カプセルの残りの部分とは独立した要素であり、内部に配置される。この場合、ばね式ピストンプラグは、穿孔プレートの流れ案内チャネル内に機能的に組み付けることができる。
第2の代替的な実施形態において、穿孔手段は、少なくとも1つの穿孔突出部で覆われた表面を有するプレートであり、このプレートは、カプセル壁の残りの部分と一体的に形成される。
有利なことに、ピストンプラグ及びばねは、これらに限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ガラス繊維強化又はガラス繊維非強化ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はこれらの組み合わせのような熱可塑性プラスチックから一体成形される。
本発明の付加的な特徴及び利点が、この好ましい実施形態の記述に説明されており、またそれらから明らかになり、これらの実施形態を、図面を参照しながら以下に説明する。
飲料調製システムの概略的な斜視図である。 本発明によるカプセルの底部部分の概略的な拡大断面側面図である。 図2に類似した上面図である。 本発明によるピストン弁の概略的な底面斜視図である。 閉鎖構成における、本発明によるピストン弁を有するカプセル供給開口部の概略的な拡大断面図である。 開放構成における、本発明によるピストン弁を有するカプセル供給開口部の概略的な拡大断面図である。 開放構成における、本発明によるピストン弁を有するカプセル供給開口部の概略的な拡大断面図である 本発明によるピストンの代替的実施形態の概略的な上面斜視図である。 本発明によるピストンの代替的実施形態の概略的な底面斜視図である。 図8及び図9に示される代替的実施形態によるピストン弁を特徴付けるカプセルの概略的な断面側面図である。 閉鎖構成における、図8、図9及び図10に示される代替的実施形態によるピストン弁を有するカプセル供給開口部の概略的な拡大断面図である。 開放構成における、図8、図9及び図10に示される代替的実施形態によるピストン弁を有するカプセル供給開口部の概略的な拡大断面図である。 ピストン弁がカプセルの付加的な開放手段と組み付けられた、本発明のさらに別の実施形態の概略的な部分断面図である。 ピストン弁がカプセルの付加的な開放手段と組み付けられた、本発明のさらに別の実施形態の概略的な部分断面図である。
本発明によるカプセルは、図1に示される飲料調製マシンと共に使用され、従って、飲料調製システムを形成するものである。
図1に示されるように、マシン1は、マシン本体2と、補給するためにマシン本体2から取り外すことができる水リザーバ3とを含む。本体2は、オン/オフ式押しボタン4を含む。マシン1は、抽出ヘッド5をさらに含む。ヘッド5は、2つのボタン6(一方は熱い飲料を選択するためのボタン、他方は冷たい飲料を選択するためのボタン)の形をとる熱湯又は冷水用の水温セレクタ、ロッキング・レバー7、及びカプセル・ホルダ8を挿入するための開口部を含む。マシン1は、抽出ヘッドの下でカップを保持するためのカップ・トレイ9をさらに含む。マシンは、例えば供給される飲料の量を選択するためのセレクタ・ホイール、並びに飲料調製設定についてのデータが表示されるスクリーンを含む制御パネル10をさらに含む。
図2及び図3に示されるように、本発明によるカプセル11は、飲料原材料が収容されるカプセル・キャビティを定めるカプセル壁12を含む。この原材料は、圧力下で、マシンによりカプセル内部に注入される水と混合されるのに適した形のものである。一般的には、原材料は粉末であるが、原材料は、液体濃縮物、ゲル状物、圧縮された粉末(例えば、タブレット)、又は凝集若しくは圧縮された、1mm未満の直径を有する小さい原材料の塊のような個別の要素の塊とすることもできる。
カプセルは、キャビティ内の圧力上昇の影響を受けて開く開放手段を有する供給開口部13を含む。
本発明の本質的な原理によると、開放手段は、供給チャネル14と、
(i)図2及び図5に示されるような、キャビティの圧力が1.2バールを下回り、ピストンばねが静止し、ピストンプラグがチャネル壁に対して封止する閉鎖位置と、
(ii)図6及び図7に示されるような、キャビティの圧力が1.2バールに等しいか又はこれを上回り、ピストンばねが弾力的に変形され、ピストンプラグがチャネル壁から離れるように動かされ、飲料が供給チャネルを通してカプセルの外に流れることができる供給位置と、
の間をチャネル内で移動可能なばね式ピストンプラグ15とを含む。
ピストンプラグ15は、チャネルの対称軸線に沿って、チャネル14内で並進移動可能である。チャネルの対称軸線は、必ずしもではないが、好ましくは垂直である。ピストンの開口方向は、図示のように下向きに配向されるが、例えば上下反対など、別の方向に配向されてもよい。
図2〜図7に示される本発明の第1の実施形態において、ばね16は、一対の変形可能な波形ばねアーム17を含む。このばねアーム17は、ピストンプラグの残りと共に射出成形により一体的に形成され、これらのアーム17の各々は、プラグ15の長手方向軸線に対して実質的に平行な長手方向軸線を有する。
図4により詳細に示されるように、プラグ15は、図5に示されるような供給チャネル14の対応する封止部分19の内面に対して封止する働きをする封止部分18を含む。ピストンプラグは、飲料の流れをカプセルの外へ、消費者のカップの方向に向け、漏出を大きく減らす働きをする流れ案内部分20をさらに含む。図4に示されるように、ピストンプラグの流れ案内部分20は、十字形の断面を有することが好ましい。
図5〜図7に示されるように、アーム17の自由末端21は、供給チャネル14の支持縁部22に載るように意図されている。
ひとたびカプセル11がマシン内に挿入され、消費者が飲料調製サイクルを開始すると、水が圧力下でカプセル内に注入されて、内部に収容される飲料原材料と混合される。カプセルのキャビティ内の流圧が上昇する。圧力が高まると、ピストン封止部分18の上面に力がかかり、それにより、図6及び図7に示されるように、ピストン封止部分18が供給チャネル14内に下方に押し下げられると同時に、ばねアーム17が圧搾される。ピストン15の摺動運動が十分な場合、封止部分18は、図6及び図7に示されるように、供給チャネルの封止部分19を脱出し、従って、下に置かれたカップ(図示せず)の方向に向けられる飲料の流れのための経路が生成される。
ひとたび飲料調製が完了すると、マシンはカプセル内への水の注入を停止し、飲料が供給されるとき、カプセル内の圧力は、限界圧力に達するまで低下し、限界圧力より下では、ばね16はピストンプラグ15を再び初期静止位置に戻す。この静止位置において、ピストン封止部分18は、図5に示されるように供給チャネルの封止部分19に隣接し、供給チャネルは閉じられる。幾らかの液体がカプセル内に残った場合、それはカプセル内に保持され、液垂れは生じない。
さらに、驚くことに、本出願人は、カプセルが使用された後にピストンがその閉鎖位置に戻ったとき、カプセルの上壁を通ってマシンの水注入針により穿孔された開口部を通して、漏出が生じないことを観察した。
図8〜図12に示される本発明の第2の実施形態において、ばね16は、ピストンプラグ15から外方に延びる3つの変形可能な湾曲アーム23を含む。ばねは、湾曲アーム23の末端25に接続されたリング24をさらに含む。このリング24は、ピストンプラグ15及びばね16をカプセルの残りの部分に対して、該プラグ及びばねがカプセルに対して可動であるように接続する働きをする。
このばねの実施形態の機能は、上述の第1の実施形態のものに類似している。同様に、ひとたびカプセル11がマシン内に挿入され、消費者が飲料調製サイクルを開始すると、水が圧力下でカプセル内に注入されて、内部に収容される飲料原材料と混合される。カプセルのキャビティ内の流圧が上昇する。圧力が高まると、ピストン封止部分18の上面に力がかかり、それにより、図12に示されるように、ピストン封止部分18が供給チャネル14内に下方に押し下げられると同時に、ばねアーム17が変形される。ピストン15の摺動運動が十分であると、封止部分18は、図12に示されるように供給チャネルの封止部分19を脱出し、従って、下に置かれたカップ(図示せず)の方向に向けられた飲料の流れのための経路が生成される。
ひとたび飲料調製が完了すると、マシンはカプセル内への水の注入を停止し、飲料が供給されるとき、カプセル内の圧力は、限界圧力に達するまで低下し、限界圧力より下では、ばね16はピストンプラグ15を再び初期静止位置に戻す。この静止位置において、ピストン封止部分18は、図11に示されるように供給チャネルの封止部分19に隣接し、供給チャネルは閉じられる。幾らかの液体がカプセル内に残った場合、それはカプセル内に保持され、液垂れは生じない。
図2及び図10に示されるように、カプセルは、カプセル・キャビティと供給チャネルとの間に封止される穿孔可能な壁26と、キャビティ内又はキャビティの外に位置し、キャビティ内の圧力上昇の影響を受けて穿孔可能な壁を穿孔するように構成された穿孔手段27とを含むことができる。この穿孔手段は、少なくとも1つの穿孔突出部28で覆われた表面を有するプレートである。
本発明の第1の実施形態においては、図2に示されるように、このプレートは、カプセルの残りの部分と共に一体成形される。
本発明の第2の代替的な実施形態において、穿孔プレートは、カプセルの残りの部分とは別個の要素であり、図10に示されるように、内部に組み付けられる。
しかしながら、重要なことに、穿孔プレートがカプセルの残りの部分と一体であるか、又はこれとは別個であるという事実は、ピストンプラグと共に使用されるばねのタイプとは無関係である。何らかの形で同等の技術的効果を用いて、これらの要素の全ての組み合わせを生成することができる。
穿孔プレートが、上述され、図10に示されるカプセルの別個の要素である場合、図13に示されるように、ピストンプラグ及びばねを穿孔プレートに直接組み付けることができる。この場合、ばね式ピストンプラグ15は、穿孔プレート27の流れ誘導チャネル29内に機能的に組み付けられる。上述のように、圧力がカプセル内で高まると、ピストンプラグ15が押し下げられ、図14の矢印により示されるように流路が開く。カプセル内の圧力が低下すると、ピストンプラグは、図13に示されるその閉鎖位置に戻る。理解できるように、この場合、2つの異なる開口システムが組み合わせられる。第1のものは、穿孔可能膜及び穿孔可能プレートで作製され、これは恒久的な開口システムであり、ひとたび開けられると、穿孔された膜を再封止することはできないが、この膜は、カプセルの貯蔵及び保存期間の間、完全なシールを保証する。第2のものは、本発明による再閉鎖可能なばね式ピストンプラグ・システムである。
本発明が液垂れの技術問題を解決するという事実は、カプセル壁表面によるピストンプラグの封止効果に起因するものであり、ピストンプラグは、ピストンが閉鎖位置にあるとき、このカプセル壁表面の上に載る。カプセル壁(又は供給チャネル壁)へのピストンプラグの封止効果は、
毛管効果:この場合、ピストンの閉鎖位置においてピストンプラグとカプセル壁との間に機能的な遊び(一般的には、約10〜300ミクロンの)が存在するので、プラグはカプセルに対して相対的に動くことができ、2つの間の距離は、液体が2つの間を流れるのを防止するために、毛管効果の発生を可能にするのに十分に狭いものである、又は、
カプセル及び/又はピストンプラグ上の、例えばゴムなどのシール材料で作製された表面を通じたプラグ及びカプセルの直接接触により達成される能動的封止、
のいずれかにより達成することができる。
本明細書で説明される現在のところ好ましい実施形態に対する種々の変更及び修正が、当業者には明らかであろう。このような変更及び修正は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、そして、結果として伴う利点を損なうことなく、行うことができることを理解されたい。従って、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲により網羅されることが意図される。

Claims (14)

  1. 飲料原材料を収容し、食品調製マシン(1)内に機能的に挿入されるように構成されたカプセル(11)であって、前記飲料原材料を前記食品調製マシンにより圧力下で内部に注入される流体と混合することによって飲料が調製されるキャビティを定める壁(12)を含み、供給開口部(13)と、前記キャビティ内の圧力上昇の効果を受けて開く開放手段とをさらに含むカプセル(11)において、前記開放手段は、
    前記カプセルのキャビティを前記供給開口部(13)に接続することができる流れ案内チャネル(14)と、
    ばね式のピストンプラグ(15)であり、
    (i)前記キャビティの圧力が第1の所定の圧力Pを下回り、ピストンばね(16)が静止し、前記ピストンプラグ(15)が前記流れ案内チャネルの壁の封止部分(19)に対して封止する、閉鎖位置と、
    (ii)前記キャビティの圧力がPに等しいか又はこれを上回り、前記ピストンばね(16)が弾性的に変形され、前記ピストンプラグ(15)が前記流れ案内チャネルの壁から離れるように動かされ、前記飲料が前記流れ案内チャネル(14)を通って前記カプセルの外に流れることができる、供給位置と、
    の間を前記流れ案内チャネル内で移動可能である、
    ばね式のピストンプラグ(15)と、
    を含むことを特徴とする、カプセル(11)。
  2. 前記圧力Pは、0.003バールと5バールとの間、より好ましくは0.1バールと3バールとの間、最も好ましくは0.5バールと2バールとの間に含まれる、請求項1に記載のカプセル(11)。
  3. 前記ピストンプラグ(15)は、前記流れ案内チャネル(14)の垂直対称軸線に沿って並進移動可能である、請求項1又は2に記載のカプセル(11)。
  4. 前記ピストンばね(16)は、前記プラグと一体的に形成された複数の変形可能な波形アーム(17)を含み、前記波形アームの各々が前記ピストンプラグの長手方向軸線に対して実質的に平行な長手方向軸線を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
  5. 前記ピストンばね(16)は、前記ピストンプラグから外方に延びる複数の変形可能な湾曲アーム(23)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
  6. 前記ピストンばね(16)は、前記湾曲アーム(23)の末端(25)に接続されたリング(24)であり、前記ピストンプラグ及び前記ピストンばねを前記カプセルの残りの部分に接続するためのリング(24)をさらに含む、請求項5に記載のカプセル(11)。
  7. 前記ピストンばね(16)は弾性的に圧縮可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
  8. 前記ピストンばね(16)は弾性的に伸長可能である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
  9. 前記カプセルのキャビティと前記供給開口部(13)との間に封止される穿孔可能な壁(26)と、前記キャビティ内又は前記キャビティの外に位置し、前記キャビティ内の圧力上昇の影響を受けて前記穿孔可能な壁を穿孔するように構成された穿孔手段(27)とをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
  10. 前記穿孔手段は、少なくとも1つの穿孔突出部(28)で覆われた表面を有するプレート(27)であり、前記プレートは、前記カプセルの残りの部分から独立した要素であり、前記カプセルの内部に配置されている、請求項9に記載のカプセル(11)。
  11. 前記ばね式のピストンプラグ(15、16)は、穿孔プレート(27)の流れ案内チャネル内に機能的に組み付けられている、請求項10に記載のカプセル(11)。
  12. 前記穿孔手段は、少なくとも1つの穿孔突出部(28)で覆われた表面を有するプレート(27)であり、前記プレートは、前記カプセルの壁の残りの部分と一体的に形成されている、請求項9に記載のカプセル(11)。
  13. 前記ピストンプラグ(15)は、封止部分(18)と、流れ案内部分(19)とを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
  14. 前記ピストンプラグ(15)及び前記ピストンばね(16)は、これらに限定されるものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリオキシメチレン(POM)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ガラス繊維強化若しくはガラス繊維非強化ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はこれらの組み合わせのような熱可塑性プラスチック材料から一体成形されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載のカプセル(11)。
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