JP2016520827A - 移植拒絶反応、神経変性疾患又はうつ病と特に関連する潜在的炎症のインビトロ早期検出方法 - Google Patents

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Abstract

唾液中のキヌレニンのレベルが測定される、潜在的炎症、特に移植拒絶反応のインビトロ早期検出方法が開示される。この検査方法は簡便に実行することができ、潜在的な問題の早期検出を可能とする。【選択図】なし

Description

本発明は診断の分野に関する。現代の薬物療法は、薬物が疾患の治療、特に人体又は臓器の一部分を、外部起源に由来する器官との置換により取り替えることによる疾患の治療において大きな進歩を遂げているため、人々にますます影響を与えている。人体、特に臓器の一部分が適切に機能しない場合、臓器を移植すること又は人体の一部分を嵌植歯のような人工的な成分により置き換えることが可能である。そのような治療はしばしば人体の反応の原因となり、その反応はしばしば炎症から始まり、最終的に移植拒絶反応をもたらす。
EP2284540 (A1)(特許文献1)では臓器不全の診断方法が開示されている。この臓器不全は炎症に関連する(敗血症である)可能性がある。この方法では定量的メタボロミクスプロファイルの使用が記述されており、結果を一定量の内因性代謝産物の定量的参照メタボロミクスプロファイルと比較している。この背景にあるアイデアは、感染症/敗血症に起因する臓器不全を検出することだと思われる。その出願においては、移植、拒絶及び唾液中のパターンについては言及されていない。
しかしながら本発明は、早期炎症の検出及び診断する方法を開示する。本方法は定性的メタボロミクスプロファイルの使用について記述し、結果を定性的参照と比較する。背景にあるアイデアは、自然免疫反応の活性化の検出という意味における早期の炎症反応の検出である。この活性化はいくつかの疾患、特にその初期において見出される特有のものである。これは病原体あるいはアラーミン(alarmin)と呼ばれる分子に関する反応であり、炎症の活性化に至る。次の段階は、少なくとも6〜7日後の獲得免疫反応の活性化である。
人体は、体内に移植された成分が同一人体に由来するものではない場合、その成分を互換性がないものと認識する。したがって外部からの移植片とそのレシピエントの互換性は慎重に調べられ、拒絶反応の可能性は注意深く観察される。心臓、肝臓、肺臓、膵臓又は腎臓などの固形臓器が移植される場合、レシピエントの体の拒絶反応は、通常、薬物による適切な治療により抑制される。しかしながら移植片に対する人体の反応の抑制は、同時に、頻繁に免疫反応の抑制を引き起こすという好ましくない副作用となる。
その結果として、移植を受けた患者は、感染(例えば細菌又はウイルス)の可能性を、非常に注意深く観察されなければならない。そのような感染は、移植を受けた患者に対して致死的となる可能性があるためである。しかしながら、移植を受けた患者への複雑な薬物治療には、患者が感染及び/又は炎症の初期兆候を自覚しないという好ましくない副作用がある。移植拒絶反応は、移植後の薬物治療のため、初期段階は患者が通常分からないような炎症を引き起こす可能性がある。患者は、自分が炎症を患っていること、そしてその炎症が、移植拒絶反応を回避するため適切に治療し始めるには遅過ぎるかもしれないような好ましくない結果であることを、後になって初めて自覚する。したがって、炎症の可能性、特に移植臓器の拒絶反応の可能性を検出する簡便で信頼性のあるインビトロ早期検出方法が必要である。
本発明はキヌレニン経路に関する。トリプトファンは必須アミノ酸であり、異なる経路で代謝され得るが、主要な経路はキヌレニン経路である。この経路は図1で説明される。この経路の最初の酵素はインドールアミン‐2,3‐ジオキシゲナーゼであり、炎症性分子、特にインターフェロン‐γにより強力に活性化される。したがって、キヌレニン経路は、免疫反応が活性化する場合、しばしば系統的に増強される。この生物学的意義は、一方では、トリプトファンの枯渇とキヌレニンの生成が免疫反応において極めて重要な役割を果たすことである。他方で、唾液中で測定されたキヌレニンのレベルは、驚くべきことに、他の方法では容易に検出することのできない移植拒絶反応の可能性の早期検出に使用できることが見出された
トリプトファンの異化反応に関与する主要な酵素であるインドールアミン‐2,3‐ジオキシゲナーゼ(IDO)の活性化は、免疫の活性化を逆向きに調節する免疫抑制性の代謝産物を生成する。この調節回路への移植免疫学者の関心は、マウスモデルにおいて半同種の胎仔の免疫的認容に対してIDO活性が決定的に重要であることが示された後、急激に高まった。実験データからは、制御性T細胞が、IDO活性の起動により免疫抑制機能を発揮するという仮説に至った。この基礎的な研究結果は、トリプトファン代謝を臨床的移植やその他の疾患に対しても興味のあるものとした(Chen et al., Int. J. of Tryptophan Research 2009; 2, 1-19.(非特許文献1))。
炎症の進行の早期の測定と予測のための信頼性のある観察方法は、患者の治療にとって有益である。
内皮は、かつては比較的不活性と見なされてきたが、今日では線維素溶解、血液凝固、血管緊張、発育及び免疫反応などの様々な機能に関与していることが知られている。人体において最も一般的な反応は、自然免疫が介在する炎症反応において見られる可能性がある。
IFN-γ誘導性の細胞内酵素であるインドールアミン‐2,3‐ジオキシゲナーゼ(IDO)は、キヌレニン経路において、必須アミノ酸であるトリプトファンの分解における最初の律速段階を触媒する。IDOの免疫調節作用は、T細胞の増殖抑制、T細胞のアポトーシス促進、T細胞における無知の誘導、アナジー及び制御性T細胞の生成に代表される。IDOが免疫調節因子として明らかになると同時に、同種異系反応を調節するIDOの役割が明らかになる。
本願明細書において開示される方法は、炎症又は活性化された自然免疫反応を評価するための簡便な観察手段として使用することができる。IDOのT細胞調節分子機構の認識は拡大しているにも関わらず、同種免疫及び臨床的移植におけるIDOの生理的役割については意見が分かれたままである。入手できる実験データによれば、同種移植片へのIDO遺伝子の導入による遺伝子操作は生存期間の延長と関連すること、また、樹状細胞のような抗原提示細胞(APC)はIDO発現を増強し、免疫反応を調節することが示される。さらに、IDOは樹状細胞と制御性T細胞(Treg)との間の橋渡しをすることにより、完全なエフェクター機能を獲得させる。これらの研究結果は、IDOが、移植において免疫調節及び抗原特異的な寛容の誘導に対して重要な潜在力を有することを示す。このことはキヌレニンに同様に当てはまる。キヌレニンは、N‐ホルミルキヌレニンの後のトリプトファンの最初の分解産物である。キヌレニンは非常に早期に炎症反応の活性化を示し、拒絶症状の発現の早期検出に使用することができる。
EP2284540 (A1)
Chen et al., Int. J. of Tryptophan Research 2009; 2, 1-19.
本発明は、移植拒絶反応と特に関連する潜在的炎症のインビトロ早期検出方法を提供する。当該方法においては、唾液中のキヌレニンのレベルが測定される。本発明の方法においては、L‐キヌレニンのレベルが好ましく測定されるが、N‐ホルミルキヌレニン、ヒドロキシキヌレニン及びキヌレン酸のレベルを測定することもできる。検出方法によっては別の中間体を測定することもできる。別の中間体と反応する測定試験を使用することもできる。唾液中のキヌレニンの測定は、標準範囲外にあるキヌレニンのレベルの変化を検出することが重要であるため、好ましくは定量的に又は半定量的に行われる。このインビトロ検出方法は、医師や医学的に訓練された人々によらなくても実施できることが特に有利である。
本発明の方法は、好ましくは、移植臓器の拒絶反応に関連する可能性のある合併症を早急に検出することに使用される。本発明の好ましい実施態様において、移植臓器は、腎臓、肝臓、膵臓、心臓又は肺臓のような頻繁に移植される臓器から選ばれる。
他の実施態様において、本発明の方法は、人体の一部分が移植される場合に使用することができる。そのような人体の一部分には、角膜又は網膜のような眼の一部分がある。他に、軟骨、骨、骨髄又は皮膚のような人体の一部分も移植され得る。
さらなる実施態様においては、移植組織は他人又は動物に由来するものではない。係る実施態様において、移植組織は、人体又は動物の体に由来するものではない材料から調製される。そのような材料は、骨置換物、関節置換物、嵌植歯、乳房植込み物又はわずかに言及する陰茎植込み物でもよい。通常そのような材料は、人体の潜在的拒絶活性を最小限にするために選ばれる。
移植片の受容を観察すること、また最終的には移植拒絶反応に至る潜在的な合併症を早期に検出する方法は有用である。本発明のインビトロ検出方法は、好ましくは、移植後の患者の回復について、簡便に信頼性よく観察することに使用される。
本発明の特に好ましい実施態様において、本願明細書に記載される試験方法は治療管理に使用することができる。非常に早期の段階で、侵襲的測定の前提条件なしに炎症の最初の兆候を検出することが可能である。患者は自身の唾液を用いる試験を簡便に行うことができ、本願により提供される検査キットは、治療における潜在的なリスクを早期に指し示すことができる。
他の実施態様において、本発明は、本発明に基づく方法を実行するために適したキットを提供する。係るキットは唾液中のキヌレニンを測定するための手段を含む。係る手段は異なる原理で動作してもよい。キヌレニン及び/又はキヌレニン誘導体の存在を検出する特異的な発色試薬を使用することができる。またキットは、少なくとも1種の、好ましくは2種の特異的にキヌレニンに結合する抗体を含んでもよい。好ましくは、2種の抗体が使用される場合、係る抗体は、第一の抗体、キヌレニン又はその誘導体及び第二の抗体によってサンドイッチが形成されるように、同じエピトープには結合しない。
本発明の一実施態様において、キヌレニン又はその誘導体の測定は、発色反応により行われる。測定試験における試料は唾液である。キヌレニン又はその誘導体の含有量を測定する前に、誤りのない正確な試験結果に悪影響を与える成分を除去しなければならない。好ましい実施態様において、正確な試験結果を妨げる可能性のある好ましくない唾液成分は、好ましくは、測定結果を乱す係る成分を沈殿させることにより除去する。この沈殿は、トリクロロ酢酸を使用して行われる。トリクロロ酢酸を使用する以外に、唾液の除タンパク質を行う他の方法を使用することもできる。唾液中の妨害成分を沈殿により除去した後、遠心分離により相を分離することが必要である。次に、好ましくは上清を発色試薬、好ましくはエールリッヒ試薬と反応させる。試料は発色させた後、適切な波長の吸光度で測定することにより評価する。好ましくは、試験は定量的に又は半定量的に行う。この試験方法において偽陽性結果を回避するため、検量線を使用するか、又は検査キットにおいて閾値を準備する。
移植手術後の合併症のない経過を辿る患者と比較して、手術後急性拒絶症状の発現に苦しむ患者において、固形臓器の移植後早ければ1日で血清キヌレニンが顕著に増加することが見出された。トリプトファン代謝におけるこれらの変化は、固形臓器の同種移植片に対する急性拒絶反応の新しい予後検査の開発に用いられた。移植直後のキヌレニン含有量を分析することは、移植片保存治療を迅速に実施するというさらなる意味合いと共に、急性拒絶反応を経験する可能性が最も高い患者のサブグループを明確にすることに役立つ。
本発明の方法は、15,000以上の試料において、炎症活性が敗血症、感染症及び拒絶反応のような炎症と相関することを示した。
データから、活性化された自然免疫は、急性及び慢性の移植片生着不全に対する非常に重要な因子のひとつであることが示される。酸化ストレスに誘導されるサイトカインシグナル経路は、新たな免疫抑制剤のためのより特異的な標的を提供する。
本発明の他の実施態様において、唾液又は血漿中のキヌレニンレベルを測定する、神経変性疾患のインビトロ検出及び/又は観察方法が提供される。測定値を、罹患していない個人から得られた平均値と比較することにより、診断予測をすることができる。
好ましい実施態様において、神経変性疾患はアルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病及び術後認知障害からなる群より選ばれる。血漿及び/又は唾液中のキヌレニンレベルは、係る神経変性疾患に侵されていない同等の個人において測定された平均キヌレニンレベルと比較される。
アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)及び血管性認知症(VD)などの慢性進行性神経変性疾患は、進行する高齢化と伴に有病率が増加しており、このため最近の少なからぬ研究的興味を生み出している。神経変性過程の背景に関する大規模な研究にもかかわらず、正確な分子的機序は解明されないままである。脳における自然免疫反応は、主に炎症経過に影響を受けるという証拠が蓄積されている。
これらの破壊的な疾患は患者の生活の質に深刻な影響を与えるが、その管理は困難であることが多い。現在の治療は、大抵は症状を軽減させるだけであり、神経保護的な治療は得ることができない。種々の神経変性疾患の病理学的機序には多くの共通点がある。興奮毒性、神経炎症、ミトコンドリア障害及び酸化ストレスは、急性と慢性の両方の神経疾患に関係する。
神経変性過程にはいくつかの共通点があるが、疾患特異的ではない。今もなお解明が待たれる多くの細目があるが、広く受け入れられているいくつかの共通機構があり、ミトコンドリア障害、興奮毒性、神経炎症及び酸化ストレスが明らかになっている。
グルタミン酸興奮毒性は、虚血性脳梗塞、外傷性脳損傷及び種々の神経変性疾患の病理学的機序に関与している。
ADは、以前には血管性認知症(VD)とは明確に区別される異なった病変を伴うと考えられていた。しかしながら近年、脳血管障害はADの神経変性過程と関連しており、血管の危険因子はADの進行との関連で注目を集めるようになった。
VDとADとの重複は長い間認識されてきたが、近年、完全なパラダイムシフトが始まり、ADは主に血管系の疾患であると言われるようになった。AD症例のごく一部分のみが遺伝性であり、大部分は散発性である。ADの進行に最も重要な危険因子は加齢であり、年齢が上がると共に有病率と発生率が上昇する傾向が示されている。さらに、キヌレニンは血管調節過程で主要な役割を果たしている。
同様にADの動物モデルにおいて、脳血流量及び自動調節能が障害されることが観察されており、この障害が酸化ストレスと関係することが示されている。これらの発見は、Aβの存在を酸化ストレスと神経炎症とに関連付けている。今日、自然免疫反応についての新たな見方を受けて、そこには自然炎症反応の活性化があると想定される。別の話題は、キヌレニンは血管調節過程で主要な役割を果たしているということである。
AD及び他の神経疾患において、キヌレニン経路(KP)の役割及び可能性のある治療戦略としてのその調節は、下記でより詳細に説明する。
キヌレニン経路(KP)は哺乳動物におけるトリプトファン(TRP)分解の主要な代謝経路であり、ヒト脳におけるTRP異化の95%以上に関与している。代謝カスケードにおいて、生成されたキヌレニンと呼ばれる代謝産物は、神経伝達及び免疫反応を含む多数の生理的過程に関与している。またKPには、神経毒性作用及び神経保護作用のある代謝産物が伴い、それらの微妙なバランスの変化が複数の病理学的過程において示されている。KPの主要な中間体はL‐キヌレニン(L-KYN)であり、代謝経路はふたつの異なる枝に分かれる。L-KYNは神経保護的なキヌレン酸(KYNA)又は3‐ヒドロキシ‐L‐キヌレニン(3-OH-KYN)のどちらかに変換され、これはさらに一連の酵素反応で代謝され、最終的にNADを生成する。関連する詳細は図8に示される。
KPの変化はハンチントン病のような多数の神経疾患で示されている。KPの不均衡はADだけではなく、認識衰退がある他の疾患でも示されており、この微妙なバランスに影響を与えることには治療的な価値がある。
さらにキヌレニン代謝産物の変化は、梗塞体積、脳卒中患者の死亡率及び脳卒中後の認識機能障害と相関することが示唆されている。他の研究において、心臓手術を受けた患者の血清キヌレニンレベル及び炎症マーカーが測定され、その結果から、いくつかのキヌレニン代謝産物のレベルが手術後の認識能力と関連性があることが示された。
その結果より、キヌレニン、アントラニル酸及び3‐ヒドロキシアントラニル酸のレベルの低下を伴うトリプトファンレベルの上昇はバイパス形成手術と関連しており、キヌレン酸は遅れて増加することが示される。ネオプテリン及び脂質過酸化産物のレベルは非バイパス形成手術患者の手術後に上昇したが、TNF-α及びS100Bレベルはバイパス形成手術後に上昇した。ネオプテリンレベルの変化は非バイパス形成手術後により大きくなった。認識力検査により、トリプトファン、キヌレニン、キヌレン酸及びキヌレニン/トリプトファン比のレベルは手術後の認知機能の状況と相関し、また、前頭葉実行機能及び記憶に敏感な作業において、認識能力の重要な予測因子であることが示された。したがって麻酔や大手術は、手術後の認知機能を予測し、かつ重要な役割を果たす炎症変化(フリーラジカルの生成と比例する自然免疫反応の活性化)及びトリプトファン酸化的代謝の変化と関連する。
またKP代謝産物は、血管性認識機能障害に関係している。ADに関しては、相当量の証拠によりトリプトファン代謝の変化が示されている。
末梢キヌレニン代謝の状況から、AD患者の血清、赤血球及び脳脊髄液においてKYNAレベルの低下が測定されている。さらにAD患者の血清において、KYN/TRP比の増大を反映するようにIDO活性が亢進し、これは認識衰退の程度と逆相関することが示された。またIDO活性化は、血液中の免疫活性化を指し示すいくつかの免疫マーカーと相関性があり、ADの病理学的機序における神経炎症の役割をさらに支持する。またIDO活性の亢進は、AD患者の海馬における免疫組織化学により、キノリン酸(QUIN)免疫活性の亢進と共に確かめられた。
本発明の特に好ましい実施態様は、手術後の認知機能障害の診断及び観察である。手術後の認知機能障害(POCD)は、外科手術後の新たに発現した認知機能疾患として定義される。兆候は捉えにくく、多種多様なパターンを示す。この疾患に至るメカニズムはいまだに完全には解明されていない。実験結果は、神経炎症に至る自然免疫系の免疫反応を示した。免疫反応の活性化並びにTNF-α 及びNF-kBのシグナルカスケードは、他のサイトカイン分泌を介して血液脳関門の完全性を破壊している、
これは海馬へのマクロファージ遊走を可能とし、脳の記憶応答ができないようにする。抗炎症反応はこの炎症性の作用を阻害し、機能障害が予防される。
キノリン酸(QUIN)は脂質過酸化反応、活性酸素種の産生及びミトコンドリア障害を促進することが示されている。ラット皮質線条体系の器官型培養で行われた研究により、生理的濃度よりわずかに高い程度のQUIN濃度に数週間さらすと神経変性が引き起こされ得ることが示されている。脊髄ニューロンはQUIN変種に対して特に敏感に反応し、ナノモル濃度のこの代謝産物により細胞死が引き起こされることが見出された。
キヌレニン経路(KP)では必須アミノ酸であるトリプトファンが代謝され、キヌレニン類と呼ばれる多数の神経刺激性の代謝産物が生成する。少なくともふたつの異なる枝に分けられるが、しばしばKPの「神経毒性作用」及び「神経保護作用」アームと呼ばれ、これらは、それぞれキヌレニン‐3‐モノオキシゲナーゼ及びキヌレニンアミノトランスフェラーゼの2種類の酵素により調節されている。興味深いことに、この経路にあるいくつかの酵素は炎症メディエーターの厳密な制御下にあり、小さな変化であっても大きな傷害の原因となる。中枢神経系疾患における神経炎症に関する我々の理解は近年驚異的に増加している。神経炎症は自然免疫系やNAPLP3インフラマソームの役割と関連しているという証拠がある。これは、この種類の疾患における保護療法的方法の選択肢となり得る。
ある種の精神疾患の病態生理学において、免疫系の活性化が関与することは十分に証明されている。炎症性サイトカインのような炎症性分子は、キヌレニン経路であるトリプトファン分解経路の最初の律速酵素であるインドールアミン‐2,3‐ジオキシゲナーゼ(IDO)の酵素活性を促進する。
キヌレニン代謝産物とそれらの神経生理学的過程への関与に関する知識は、近年劇的に増加した。特に、内因性KYNAは中脳のドーパミンニューロンの発火を厳密に制御し、認知機能に関与していると思われる。このようにして、ラット大脳の内因性KYNAレベルの低下はこれらのニューロンの発火を減少させることや、キヌレニンアミノトランスフェラーゼIIを標的欠損させたマウスでは、内因性大脳KYNAレベルが低いと同時に認識力テストで能力が向上することが見出された。また、キヌレニンが精神疾患の病態生理学に関わることも示唆されている。KYNAレベルの上昇が、統合失調症患者の死後大脳だけではなく、脳脊髄液でも見出されている。トリプトファン代謝におけるキヌレニン経路を調節している遺伝因子及びホルモン因子に関する現在の最先端では、キヌレニン経路は、うつ病の遺伝機構及び環境機構の両方に介在することが示唆される。キヌレニン生成の律速酵素であるトリプトファン‐2,3‐ジオキシゲナーゼ(TDO)及びインドールアミン‐2,3‐ジオキシゲナーゼ(IDO)は、ストレスホルモン及び/又は炎症性サイトカインにより活性化される。炎症性サイトカイン遺伝子(例えばインターフェロン‐γ及び腫瘍壊死因子‐α)の高産生対立遺伝子が同時に存在することは、IPOの発現増加によって、うつ病に向かう遺伝性素因を決定するが、環境ストレスの影響はTDOのホルモン活性化を介してもたらされる。トリプトファン‐キヌレニン経路は、うつ病における遺伝子‐環境相互作用の主要な合流点であり、薬理学的介入にとっての新たな標的を意味する。したがって本願明細書で開示される方法は、うつ病の診断にも使用することができる。
本願明細書で開示される診断方法は、臨床的指標と共に使用されるべきである。キヌレニンの相対的価値は、他の臨床的指標と共に解釈されることが好ましい。本発明は、実質的には診断の予後値に寄与する。本発明の方法は、非常に多くの場合、診断すべき患者において測定されたキヌレニンの値を、うつ病を患っていない人々の同等のコホートから得られた平均値と比較することにより改良することができる。
本願明細書で開示するインビトロ検出方法を実行するためのキットは、異なる原理に基いてもよい。好ましい原理のひとつは、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイとして知られる。係るラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイは、医師又は医学的に訓練された人の助力なしに、患者によって容易に行うことができる。
また、ラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイとして知られるラテラルフロー検査は、標的検体試料の存在(又は不存在)を検出することを目的とする簡単な装置であり、読み取り装置に支援された多くの実験室ベースの用途は存在するが、特殊で高価である機器の必要はない。通常これらの検査は、家庭用検査、介護検査の目的、又は実験室用途のための医療診断に使用される。広く行き渡りよく知られた用途は、家庭での妊娠検査である。
この技術は、多孔質紙又は焼結ポリマーのような一連のキャピラリーベッドに基づく。これらの要素のそれぞれは、液体(例えば唾液)を自然に運ぶ能力がある。第一の要素(試料パッド)はスポンジの機能を果たし、過剰の試料液を保持する。液体は、ひとたび浸されると、すぐに第二の要素(複合体パッド)へと移動する。そこには、製造業者によりいわゆる複合体が保存されており、塩‐糖マトリックス中に生物活性粒子(下記参照)を有する乾燥構成となっている。このマトリックスには、標的分子(例えばキヌレニン)と、粒子表面上に固定化された標的分子の化学的パートナー(例えば抗体)との間の化学反応が最適化されることを保証するすべてのものが含まれている。試料液は、塩‐糖マトリックスを溶解すると同時に粒子を溶解し、一体化した輸送作用により多孔性構造を通して流れる間に、試料と複合体が混合される。このようにして、第三のキャピラリーベッドを通してさらに移動する間に、検体が粒子に結合する。この素材は、ひとつ以上の領域(しばしばストリップと呼ばれる)を有しており、そこには製造業者により第三の分子が固定化されている。試料‐複合体混合物がこれらのストリップに到達する時までに、検体は粒子に結合し、第三の「捕捉」分子がコンプレックスに結合する。しばらくして、より多くの液体がストリップを通過すれば、粒子が蓄積し、ストリップ領域が変色する。通常は、少なくとも2本のストリップがあり、1本(対照)はどの粒子も補足し、反応条件と技術とがうまく機能したことを示し、2本目は特異的な捕捉分子を含み、粒子上に検体分子が固定化されたその粒子のみを補足する。液体は、これらの反応域を通過した後、最終の多孔質物材料であり、単に廃液容器としての役割を果たす吸水体に入る。ラテラルフロー検査は、競合アッセイ又はサンドイッチアッセイとして機能する。
原則として任意の発色粒子が使用できるが、ラテックス(青色)又はナノメートルサイズの金粒子(赤色)が通常使用される。金粒子は局所的な表面プラズモン共鳴のために赤色である。蛍光又は磁気標識粒子も使用することができるが、これらは検査結果を評価するため電子読取機を使用することが必要である。
試料は最初に、標的検体を集める抗体で標識された発色粒子と出会う。検査線も同じ標的に対する抗体を含むが、その抗体は検体上の異なるエピトープに結合する。検査線は陽性試料で発色帯を示す。サンドイッチアッセイの例としてサンドイッチELISAがある。
厳密には必要ではないが、ほとんどの検査キットには、好ましくは、検査が正確に動作したことを確認するため、遊離のラテックス/金を拾い上げる抗体を含む第二の線が組み込まれる。
好ましい実施態様において、ラテラルフローアッセイの構成要素は、試料中に一定の閾値を上回るキヌレニンが存在する場合にのみ、キヌレニンの存在が示されるという方法に適している。
好ましい検査キットは下記の構成要素からなる。
(1)試料パッド:その上に試料(唾液)を加える吸収パッド。
(2)複合体又は試薬パッド:これは、発色粒子(通常コロイド金粒子又はラテックス微粒子)に結合した標的(キヌレニン)検体に特異的な抗体を含む。
(3)反応膜:捕捉帯又は検査線として反応膜を横切る線の中に、抗標的検体抗体が固定化された(複合体抗体に特異的な抗体を含む対照帯があってもよい。)、通常は、疎水性のニトロセルロース膜又は酢酸セルロース膜。
(4)吸水体又は廃液容器:毛管現象により反応膜を横切った試料を吸い上げて集めるように設計された追加的な吸収パッド。
通常、ストリップの構成要素は不活性な基材に固定化され、試料ポート並びに捕捉帯及び対照帯を示す反応窓がある簡便な尿試験紙形式、又はプラスチック枠に入れて提示される。
本発明の方法において使用される検査キット(ラテラルフローイムノアッセイ)には、ふたつの好ましい実施態様がある。
(a)二重抗体サンドイッチアッセイ
この形式においては、試料は、試料パッドから複合体パッドを通って移動し、そこでは、存在する標的検体は複合体に結合する。次に、試料は膜を横切って捕捉帯に到達するまで移動し続け、そこで標的/複合体コンプレックスは固定化抗体と結合し、膜上に目に見える線を形成する。試料はストリップに沿って対照帯に到達するまでさらに移動し、そこで過剰の複合体が結合し、膜上に目に見える第二の線を形成する。この対照線は、試料が目的通り膜を横切り移動したことを示す。膜上に2本のはっきりした線があれば、結果が確かであることを示す。対照帯に1本の線がある場合は、陰性の結果である。二重抗体サンドイッチアッセイは、細菌性病原体やウイルスなどの複数の抗原部位を有するより大きな検体に最適である。本発明において、抗体の適切な組み合わせは、キヌレニン上の異なるエピトープに結合するものから選ばなければならない。
係る方法を実行するのに適した検査法又はキットが、キヌレニンに特異的に結合する抗体を用いる場合、「抗体」という用語は、例えばウサギ、ヒツジ又はヤギのような実験動物の免疫により人工的に生産された抗体だけを意味するものではない。好ましい実施態様において、ハイブリドーマ技術により製造されたモノクロナール抗体が含まれる。さらに、「抗体」という用語は、組み換え技術により製造された抗原結合フラグメントのような、抗体の抗原結合フラグメントも含む。係る構成物は、ファージディスプレイ及びそれから派生する技術により製造することができる。
(b)競合アッセイ
競合アッセイは、主として低分子の検査に使用され、二重抗体サンドイッチ形式とは異なり、複合体パッドは標的検体又はその類似体と既に結合している抗体を含む。したがって、試料中に標的検体が存在すると、標的検体は複合体と結合せず、未標識のままである。試料が膜に沿って移動し、捕捉帯に到達すると、過剰の未標識検体は固定化された抗体に結合して複合体の捕捉を妨害し、目に見える線は生成されない。次に、未結合複合体は対照帯にある抗体と結合し、目に見える対照線が生成する。膜上に1本の対照線があれば陽性の結果である。捕捉帯と対照帯とに2本の目に見える線があれば陰性の結果である。しかしながら過剰の未標識標的検体が存在しなければ、捕捉帯に薄い線が生成され、不確定な結果であることを示す。競合アッセイはマイコトキシンなどの低分子の検査に最も適しており、2種以上の抗体と同時に結合することができない。ラテラルフロー技術には多数の変種がある。膜上の捕捉帯は、抗体よりもむしろ固定化した抗原又は酵素を含んでもよいが、これは標的検体によって決まる。多重検査を行うために多数の捕捉帯を使用することもできる。
ラテラルフローイムノアッセイは、訓練されていない操作者により容易に使用することができ、通常15分以内に結果が出る。このアッセイは非常に安定で、堅固であり、保存可能期間も長く、通常冷蔵庫が必要ない。また比較的安価に製造することができる。本アッセイは、これらの特徴により、介護検査の目的での使用や、現場や実験室での試料の検査に最適なものとなった。しかしながら感度は、割増濃度又は培養手順がなければ限られる。定量的検査が利用できるが、我々の目的は、一定の範囲内にある唾液の定性的検査である。したがって、好ましい検査キットは、キヌレニンが一定の濃度を超えて存在するかどうかのみを測定するように調整される。係る濃度未満であれば、検査キットは陰性の結果を示す。
本発明の方法は、好ましくは唾液を用いて実施される。唾液は臨床的に有益な体液であり、予後診断、検査室診断又は臨床診断、また患者の観察と管理の新たなやり方として有用である。唾液は複数のバイオマーカーを含み、唾液腺分泌の概説、唾液の回収方法及び一般的な唾液の使用に関する議論は「Annals of the New York Academy of Sciences Malamud D, Niedbala RS Oral-based diagnostics NY Acad Sci 2007; Boston Mass」で刊行された会議報告で見いだすことができる。
近年、新たなバイオテクノロジーと唾液診断法の組み合わせにより、唾液中の多くの医学的に価値のある検体が徐々に明らかとなり、その中のいくつかは、異なる疾患(がん、ウイルス疾患、HIV)に対するバイオマーカーを表す。
これらの進歩は、唾液に基づく診断範囲を、単なる口腔から全体の生理系へと広げた。
分子診断学の効果を有し、血清又は尿に基づく方法よりも無痛、安価、簡便そして安全な検査を提供するという目的は、本発明の方法により達成される。一実施態様において、本方法は、乾燥法(凍結乾燥)とそれに続く希釈により一部変更することができ、検出感度を0.2 μMとすることができる。本発明の方法はHPLC技術に匹敵し、同様の結果が得られた。
既に得られた結果は驚くべきものである。血清及び唾液において、移植患者と健常人との間には顕著な相違がある。さらに炎症反応が、CRPのような他のパラメーター又は臨床症状よりも早期(5日以下)に検出された。
本発明を図により説明する。
トリプトファン分解経路のステップと、それにより形成されるキヌレニン及び他の中間体の構造を示す図である。 健常人対照群の血清におけるキヌレニン標準値の評価を示す図である。性差による差異は認められなかった。健常人の血清におけるキヌレニン値の平均は、2.5〜3.0 μMである。 供血者の健常人対照群のふたつの独立コホートを比較する図である。第一のコホート(旧)では174人の供血者の血清が検査され、第二のコホート(新)では117人の供血者の血清が調べられた。両グループ間には統計学的差異はなく、ほとんど同一の値が測定された。 UTI(尿路感染)、気管支肺炎又は大きな創傷感染などの感染を経験した非移植患者から得られた血清中のキヌレニン濃度を示す図である。性差はないが、安定した移植患者とは有意差が認められた。キヌレニン値は、正常な患者の血清で測定された値より大幅に高かった。キヌレニンの平均値は7〜9 μMの範囲であった。 いずれも、正常な健常人対照から得られた血清及び唾液で測定したキヌレニンレベルを比較する図である。健常人の唾液中の平均キヌレニンレベルは、約0.5〜0.7 μM/Lであるが、血清中のキヌレニン濃度は約2.5〜3.0 μM/Lであった。したがって、正常な健常人対照から試料を得た場合、血清中のキヌレニン濃度は、唾液中より4〜5倍高い。 患者から試料を採取した後のキヌレニンの安定性を示す図である。試料中のキヌレニン濃度は、少なくとも相当の期間(時間)、不変であることが重要である。そのため、試料を採取し、保存して、キヌレニンの濃度を1時間の時間間隔で測定した。測定時間内(4時間以内)であれば、キヌレニン濃度の実質的な変化は観察されなかった。 唾液中のキヌレニン測定は、移植後の患者における潜在的な問題について、信頼性のある指標になることを示す図である。本図は、移植片の拒絶の可能性がある、炎症のない対照患者を明らかにする。対照群は、唾液中のキヌレニン濃度が平均約0.5 μM/Lを示す。炎症の早期の兆候を示す患者唾液中のキヌレニン値は著しく増加し、平均約7 μM/Lとなった。驚くべきことに、炎症反応は、なんらかの臨床症状が現れる5日前に検出された。これにより、係る患者の早期治療が可能となり、移植拒絶反応を回避することができた。 高等真核生物におけるトリプトファン分解の主要経路であるキヌレニン経路の概略を示す図である。酵素は斜体字で表示している。神経毒性代謝産物であるQUIN及び3-HKは実線で囲み、神経保護代謝産物であるKYNAは破線で囲っている。 4群(対照群n=116、心臓手術前の患者群n=51、手術後の脳障害の患者群(POCD)n=8、及び治療前の血管性認知症患者群(Vasc.-Dem.)n=9)におけるキヌレニン(血漿中及び唾液中で測定したもの)を比較する図である。対照群とPOCD群及びVasc.-Dem.群の間には有意差があった(p<0.001)。血漿及び唾液の両方で、同様の結果が心臓手術前の患者群とPOCD群及びVasc.-Dem.群の間に見られた(p<0.05)。
本発明は下記の実施例によりさらに説明されるが、本発明の範囲を限定するものではない。
炎症、特に移植における拒絶症状の発現の診断のためのキヌレニン検査
(1−1)比色分析の一般的技術
キヌレニンを経由するトリプトファン代謝産物は、数十年来知られている発色反応により、体液中において定量的に測定することができる(例えば、Coppini et al., Clinical Chemistry, Vol. 5, No. 5, 1959, p. 391-401)。一般的に、発色反応産物の形成による検出方法は、標準方法により実施される。
マイクロプレートリーダーは、マイクロタイタープレートを用いて、試料の生物学的、化学的又は物理的事象を検出するように設計された実験室用機器である。マイクロプレートリーダーは、研究、創薬、生物学的検定、品質管理、並びに製薬産業、バイオ技術産業及び学術機関における製造工程において広く使用される。試料の反応は、6〜1536ウェル形式のマイクロタイタープレートで分析される。大学研究室又は臨床検査研究室で使用される最も一般的なマイクロプレート形式は96ウェル(8×12列のマトリックス)であり、ウェルあたりの一般的な反応用量は100〜200 μLである。より高密度のマイクロプレート(384又は1536ウェルマイクロプレート)は、通常、処理能力(1日あたりに処理されるサンプル数)及びサンプルあたりの分析コストが決定的な要素になる場合のスクリーニング用途に使用され、一般的な分析用量はウェルあたり5〜50 μLである。
マイクロプレート分析に対する一般的な検出のやり方は、吸光度、蛍光強度、発光、時間分解蛍光、及び蛍光偏光である。
吸光度検出は、マイクロプレートリーダーにおいて三十年以上にわたり利用されており、ELISA分析、タンパク質や核酸の定量又は酵素活性分析などの試験に使用されている。光源は、特定波長(光学フィルター又は単色光分光器により選択される)を用いて試料に光を照射し、ウェルの反対側に位置する光検出器により、初期(100%)光のどのくらいが試料を通過するかを測定する。通過光の量は、通常、目的の分子濃度に関係する。
(1−2)検査の説明
本検査は、改良法として開発した。
発色試薬及びキヌレニンの標準溶液の希釈液を調製した。発色反応は、黄色を与えるいわゆるエールリッヒ試薬を用いて行った。20%塩酸に溶解した2重量%のジメチルアミノベンズアルデヒドを含む溶液をエールリッヒ試薬と呼ぶ。この発色試薬は、第1級アミノ基、ピロール誘導体及びインドール誘導体を検出する。濃度の比色定量は、単色光により行われる。キヌレニンの標準溶液は、L‐キヌレニン硫酸を用いて調製した。
100 μLの試料と等量のトリクロロ酢酸(30%)をよく混合した。遠心分離後、上清を測定した。各試料の492 nmでの吸光度を、同一試料の650 nm又は690 nmでの吸光度と比較した。次に、各ウェルの吸光度から対照群(平均5ウェル)の吸光度を差し引いた。標準曲線を作成することにより、各試料中のキヌレニン濃度を決定する。
血清値は、以下のようにして測定した。
予備研究において、術後経過がはっきりしている腎臓同種移植レシピエントの400例以上からの15000例以上の血清について、L‐キヌレニンレベルを測定した。キヌレニンレベルは、IDO活性化の程度を反映する。すべてのレシピエント群は、腎移植前には高いキヌレニンレベルを示した(16.5±5 nmol/mL、正常な安定移植患者群:5.3±1.2 nmol/mL、臓器ドナー群:6.5±5.5 nmol/mL、及び健常対照群:2.4±0.3 nmol/mL、群間差p<0.001)。キヌレニン値は血清を用いて測定した。速やかに機能している移植腎を持つレシピエントにおいて、キヌレニンレベルは、3〜5日以内に正常に戻った。移植片機能が回復していない全例で、キヌレニンレベルが高いことと関連しているが、このキヌレニンレベルは、移植片が機能した後に正常に戻った(透析及び低い尿排出の期間に活性化がある)。根本的に機能しない移植片を持つレシピエントでは、手術前の高いキヌレニンレベルは変化しなかった。もともと機能している移植片を持つレシピエントでは、移植片機能の機能停止は、キヌレニンレベルの顕著な上昇と直ちに関連する。これらの研究結果は、臨床腎移植におけるキヌレニン活性の重要性を証拠付ける。248例のレシピエントを登録した拡大研究により、キヌレニン活性の臨床的関連は、拒絶反応及び長期的な機能の予測要素であることを示した。
心臓手術後の術後脳障害があり、基準(26)を満たす患者8人(弁置換術、平均年齢62±6.3才)及び血管性認知症の患者9人(平均年齢73±8.3才、平均MMSスコア22)が、正常対照(n=116、平均年齢48.8才、年齢幅12〜88才)及び心臓手術前の患者(n=51、平均年齢51.3才、年齢幅42〜69才)を含む比較研究に登録された。目的は、この重要な外科手術後の炎症反応を、血漿中又は唾液中のキヌレニンを測定することにより検出することであった。キヌレニンは、術後5日でPOCD患者において顕著に高かった。血管性認知症患者は、薬物治療の開始前の血漿中及び唾液中のキヌレニンレベルが高いことが示された。
全体として、この非常に少人数の患者において、キヌレニン測定は、脳障害の識別し、脳障害を観察する手段であることが既に示されている。

Claims (12)

  1. 唾液中のキヌレニンレベルを測定する、特に移植拒絶反応における潜在的炎症のインビトロ早期検出方法。
  2. 唾液中のキヌレニンレベルを定量的に測定する、請求項1に記載の方法。
  3. 潜在的炎症が、肝臓、膵臓、心臓、肺臓及び腎臓からなる群より選ばれる移植臓器の拒絶反応に起因する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 潜在的炎症が、角膜移植組織、網膜移植組織、軟骨移植組織及び皮膚移植組織からなる群より選ばれる移植組織に起因する、請求項1又は2に記載の方法。
  5. 潜在的炎症が、人工移植組織の拒絶反応に起因する、請求項1又は2に記載の方法。
  6. 人工移植組織が、骨置換物、関節置換物、嵌植歯、軟骨植込み物、乳房植込み物及び陰茎植込み物からなる群より選ばれる、請求項5に記載の方法。
  7. 移植後の患者の回復について観察することに使用される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 唾液中のキヌレニンの測定が治療管理に使用される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 唾液中又は血漿中のキヌレニンレベルを測定する、神経変性疾患のインビトロ検出及び/又は観察方法。
  10. 神経変性疾患が、アルツハイマー病、血管性認知症、パーキンソン病、術後認知障害及びうつ病からなる群より選ばれる、請求項9に記載の方法。
  11. 唾液中のキヌレニンレベルを測定するのに適した手段を含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法を実行するために適したキット。
  12. 手段がラテラルフローイムノクロマトグラフィーアッセイであることを特徴とする、請求項11に記載のキット。


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