本開示は、プロテインキナーゼC(PKC)の阻害剤として有用であり、したがってPKCの活性によって媒介または持続される様々な疾患および障害を治療するのに有用な化合物に関する。本開示は、これらの化合物を含む医薬組成物、様々な疾患および障害の治療にこれらの化合物を使用する方法、これらの化合物を調製するための方法およびこれらの方法に有用な中間体にも関する。
本発明をさらに説明する前に、本発明が記載される特定の実施形態に限定されず、したがって当然ながら変化し得ることが理解されるべきである。また、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲のみによって限定されるため、本明細書に使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図していないことも理解されるべきである。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形(「a」、「an」および「the」)は、文脈上特に明示されない限り、複数形の指示対象を包含することが留意されるべきである。特許請求の範囲は、あらゆる任意選択の要素を除外するように作成され得ることがさらに留意される。したがって、この記載は、特許請求の範囲の要素の記載と関連する「単に(soley)」「のみ(only)」などの限定的な用語の使用、または「消極的な」限定の使用のための先行する根拠としての役割を果たすことが意図される。
値の範囲が提供される場合、文脈上特に明示されない限り、下限の単位の10分の1まで、その範囲の上限と下限との間の各介在値およびその規定範囲内の任意の他の規定値または介在値が特に考えられることが理解される。これらのより小さい範囲の上限および下限は、より小さい範囲に独立して含まれてもよく、また、本発明の範囲内に包含されるが、規定範囲内の任意の具体的に除外される限界値に制約される。規定範囲が限界値の一方または両方を含む場合、含まれる限界値のいずれかまたは両方を除外する範囲も本発明に含まれる。
本明細書に記載される刊行物は、単に本出願の出願日の前のその開示のために提供される。本明細書におけるいずれの刊行物も、本発明が先行発明によるこのような刊行物に先行する権利がないことの承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される公開日は、実際の公開日と異なる可能性があり、個別に確認する必要があり得る。
特に規定されない限り、本明細書に使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等のあらゆる方法および材料も本発明の実施または試験に使用することができるが、ここでは好ましい方法および材料が記載される。本明細書に記載される全ての刊行物は、刊行物が関連して引用される方法および/または材料を開示および説明するために参照により本明細書に援用される。
特に示される場合を除き、本発明の実施形態の方法および技術は、一般に、本明細書の全体を通して引用され、記載される様々な一般的およびより詳細な参考文献に記載されるような、当該技術分野で周知の従来の方法にしたがって行われる。例えば、Loudon,Organic Chemistry,Fourth Edition,New York:Oxford University Press,2002,pp.360−361,1084−1085;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure、Fifth Edition,Wiley−Interscience,2001;またはVogel,A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis,Fourth Edition,New York:Longman,1978を参照されたい。
本発明の化合物を命名するために本明細書に使用される命名法は、本明細書の実施例に示される。この命名法は、一般に、市販されているAutoNomソフトウェア(MDL,San Leandro,Calif.)を用いて得られた。
用語
以下の用語は、特に示されない限り、以下の意味を有する。定義されていない用語はいずれも当該技術分野で認識されている意味を有する。
「アルキル」は、1〜10個の炭素原子、好ましくは1〜6個の炭素原子を有する一価の飽和脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語には、例として、メチル(CH3−)、エチル(CH3CH2−)、n−プロピル(CH3CH2CH2−)、イソプロピル((CH3)2CH−)、n−ブチル(CH3CH2CH2CH2−)、イソブチル((CH3)2CHCH2−)、sec−ブチル((CH3)(CH3CH2)CH−)、t−ブチル((CH3)3C−)、n−ペンチル(CH3CH2CH2CH2CH2−)、およびネオペンチル((CH3)3CCH2−)などの直鎖状および分枝状ヒドロカルビル基が含まれる。
用語「置換アルキル」は、アルキル鎖中の1個以上の炭素原子が、−O−、−N−、−S−などのヘテロ原子、−S(O)n−(式中、nが0〜2である)、−NR−(式中、Rが水素またはアルキルである)で任意に置換されており、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、および−NRaRb(式中、RaおよびRbが同じかまたは異なっていてもよく、水素、任意に置換されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環から選択される)からなる群から選択される1〜5つの置換基を有する、本明細書に定義されるアルキル基を指す。
「アルキレン」は、−O−、−NR10−、−NR10C(O)−、−C(O)NR10−などから選択される1つ以上の基が任意に介在する直鎖状または分枝状のいずれかの1〜6個、より好ましくは1〜3個の炭素原子を好ましくは有する二価の脂肪族ヒドロカルビル基を指す。この用語には、例として、メチレン(−CH2−)、エチレン(−CH2CH2−)、n−プロピレン(−CH2CH2CH2−)、イソ−プロピレン(−CH2CH(CH3)−)、(−C(CH3)2CH2CH2−)、(−C(CH3)2CH2C(O)−)、(−C(CH3)2CH2C(O)NH−)、(−CH(CH3)CH2−)などが含まれる。
「置換アルキレン」は、以下の「置換」の定義中で炭素について記載される置換基で1〜3個の水素が置換されたアルキレン基を指す。
用語「アルカン」は、本明細書に定義されるアルキル基およびアルキレン基を指す。
用語「アルキルアミノアルキル」、「アルキルアミノアルケニル」および「アルキルアミノアルキニル」は、基R’NHR”−を指し、ここで、R’が、本明細書に定義されるアルキル基であり、R”が、本明細書に定義されるアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン基である。
用語「アルカリール」または「アラルキル」は、基−アルキレン−アリールおよび−置換アルキレン−アリールを指し、ここで、アルキレン、置換アルキレンおよびアリールが本明細書に定義される。
「アルコキシ」は、基−O−アルキルを指し、ここで、アルキルが本明細書に定義されるとおりである。アルコキシには、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシなどが含まれる。用語「アルコキシ」は、基アルケニル−O−、シクロアルキル−O−、シクロアルケニル−O−、およびアルキニル−O−も指し、ここで、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアルキニルが本明細書に定義されるとおりである。
用語「置換アルコキシ」は、基置換アルキル−O−、置換アルケニル−O−、置換シクロアルキル−O−、置換シクロアルケニル−O−、および置換アルキニル−O−を指し、ここで、置換アルキル、置換アルケニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニルおよび置換アルキニルが本明細書に定義されるとおりである。
用語「アルコキシアミノ」は、基−NH−アルコキシを指し、ここで、アルコキシが本明細書に定義される。
用語「ハロアルコキシ」は、アルキル基における1個以上の水素原子がハロ基で置換された基アルキル−O−を指し、例として、トリフルオロメトキシなどの基が含まれる。
用語「ハロアルキル」は、アルキル基における1個以上の水素原子がハロ基で置換された上記のような置換アルキル基を指す。このような基の例としては、限定はされないが、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチルなどのフルオロアルキル基が挙げられる。
用語「アルキルアルコキシ」は、基−アルキレン−O−アルキル、アルキレン−O−置換アルキル、置換アルキレン−O−アルキル、および置換アルキレン−O−置換アルキルを指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンが本明細書に定義されるとおりである。
用語「アルキルチオアルコキシ」は、基−アルキレン−S−アルキル、アルキレン−S−置換アルキル、置換アルキレン−S−アルキルおよび置換アルキレン−S−置換アルキルを指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルキレンおよび置換アルキレンが本明細書に定義されるとおりである。
「アルケニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜4個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つ、好ましくは1〜2つの二重結合不飽和部位を有する直鎖状または分枝状ヒドロカルビル基を指す。この用語には、例として、ビビニル、アリル、およびブタ−3−エン−1−イルが含まれる。この用語に含まれるのは、シスおよびトランス異性体またはこれらの異性体の混合物である。
用語「置換アルケニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5つの置換基、または1〜3つの置換基を有する、本明細書に定義されるアルケニル基を指す。
「アルキニル」は、2〜6個の炭素原子、好ましくは2〜3個の炭素原子を有し、かつ少なくとも1つ、好ましくは1〜2つの三重結合不飽和部位を有する直鎖状または分枝状の一価のヒドロカルビル基を指す。このようなアルキニル基の例としては、アセチレニル(−C≡CH)、およびプロパルギル(−CH2C≡CH)が挙げられる。
用語「置換アルキニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、および−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5つの置換基、または1〜3つの置換基を有する本明細書に定義されるアルキニル基を指す。
「アルキニルオキシ」は、基−O−アルキニルを指し、ここで、アルキニルが本明細書に定義されるとおりである。アルキニルオキシには、例として、エチニルオキシ、プロピニルオキシなどが含まれる。
「アシル」は、基H−C(O)−、アルキル−C(O)−、置換アルキル−C(O)−、アルケニル−C(O)−、置換アルケニル−C(O)−、アルキニル−C(O)−、置換アルキニル−C(O)−、シクロアルキル−C(O)−、置換シクロアルキル−C(O)−、シクロアルケニル−C(O)−、置換シクロアルケニル−C(O)−、アリール−C(O)−、置換アリール−C(O)−、ヘテロアリール−C(O)−、置換ヘテロアリール−C(O)−、ヘテロシクリル−C(O)−、および置換ヘテロシクリル−C(O)−を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。例えば、アシルには、「アセチル」基CH3C(O)−が含まれる。
「アシルアミノ」は、基−NR20C(O)アルキル、−NR20C(O)置換アルキル、NR20C(O)シクロアルキル、−NR20C(O)置換シクロアルキル、−NR20C(O)シクロアルケニル、−NR20C(O)置換シクロアルケニル、−NR20C(O)アルケニル、−NR20C(O)置換アルケニル、−NR20C(O)アルキニル、−NR20C(O)置換アルキニル、−NR20C(O)アリール、−NR20C(O)置換アリール、−NR20C(O)ヘテロアリール、−NR20C(O)置換ヘテロアリール、−NR20C(O)複素環、および−NR20C(O)置換複素環を指し、ここで、R20が水素またはアルキルであり、かつアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「アミノカルボニル」または用語「アミノアシル」は、基−C(O)NR21R22R21を指し、ここで、R21およびR22が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、かつR21およびR22が、それに結合される窒素と一緒に任意に結合されて、複素環または置換複素環式基が形成され、かつアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「アミノカルボニルアミノ」は、基−NR21C(O)NR22R23を指し、ここで、R21、R22、およびR23が、独立して、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルから選択され、または2つのR基が結合されて、ヘテロシクリル基が形成される。
用語「アルコキシカルボニルアミノ」は、基−NRC(O)ORを指し、ここで、各Rが、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロシクリルであり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルが本明細書に定義されるとおりである。
用語「アシルオキシ」は、基アルキル−C(O)O−、置換アルキル−C(O)O−、シクロアルキル−C(O)O−、置換シクロアルキル−C(O)O−、アリール−C(O)O−、ヘテロアリール−C(O)O−、およびヘテロシクリル−C(O)O−を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルが本明細書に定義されるとおりである。
「アミノスルホニル」は、基−SO2NR21R22を指し、ここで、R21およびR22が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、置換複素環からなる群から選択され、かつR21およびR22が、それに結合される窒素と一緒に任意に結合されて、複素環または置換複素環式基が形成され、かつアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「スルホニルアミノ」は、基−NR21SO2R22を指し、ここで、R21およびR22が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環からなる群から選択され、かつR21およびR22が、それに結合される原子と一緒に任意に結合されて、複素環または置換複素環式基が形成され、かつアルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「アリール」または「Ar」は、1つの環(フェニル基中に存在するものなど)または複数の縮合環を有する環系(このような芳香環系の例としては、ナフチル、アントリルおよびインダニルが挙げられる)(縮合環は芳香族であってもまたは芳香族でなくてもよいが、ただし、結合点が芳香環の原子を介するものである)を有する6〜18個の炭素原子を有する一価の芳香族炭素環式基を指す。この用語には、例として、フェニルおよびナフチルが含まれる。アリール置換基の定義によって特に制約されない限り、このようなアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリールおよびトリハロメチルから選択される1〜5つの置換基、または1〜3つの置換基で任意に置換され得る。
「アリールオキシ」は、フェノキシ、ナフトキシなどを例として含む、基−O−アリールを指し、ここで、アリールが、やはり本明細書に定義される任意に置換されるアリール基を含め、本明細書に定義されるとおりである。
「アミノ」は、基−NH2を指す。
用語「置換アミノ」は、基−NRRを指し、ここで、各Rが、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、置換アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルからなる群から選択され、ただし、少なくとも1つのRが水素でない。
用語「アジド」は、基−N3を指す。
「カルボキシル」、「カルボキシ」または「カルボキシレート」は、−CO2Hまたはその塩を指す。
「カルボキシルエステル」または「カルボキシエステル」あるいは用語「カルボキシアルキル」または「カルボキシルアルキル」は、基−C(O)O−アルキル、−C(O)O−置換アルキル、−C(O)O−アルケニル、−C(O)O−置換アルケニル、−C(O)O−アルキニル、−C(O)O−置換アルキニル、−C(O)O−アリール、−C(O)O−置換アリール、−C(O)O−シクロアルキル、−C(O)O−置換シクロアルキル、−C(O)O−シクロアルケニル、−C(O)O−置換シクロアルケニル、−C(O)O−ヘテロアリール、−C(O)O−置換ヘテロアリール、−C(O)O−複素環、および−C(O)O−置換複素環を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「(カルボキシルエステル)オキシ」または「カーボネート」は、基−O−C(O)O−アルキル、−O−C(O)O−置換アルキル、−O−C(O)O−アルケニル、−O−C(O)O−置換アルケニル、−O−C(O)O−アルキニル、−O−C(O)O−置換アルキニル、−O−C(O)O−アリール、−O−C(O)O−置換アリール、−O−C(O)O−シクロアルキル、−O−C(O)O−置換シクロアルキル、−O−C(O)O−シクロアルケニル、−O−C(O)O−置換シクロアルケニル、−O−C(O)O−ヘテロアリール、−O−C(O)O−置換ヘテロアリール、−O−C(O)O−複素環、および−O−C(O)O−置換複素環を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「シアノ」または「ニトリル」は、基−CNを指す。
「シクロアルキル」は、縮合環系、架橋環系、およびスピロ環系を含む1つまたは複数の環式環を有する3〜10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。好適なシクロアルキル基の例としては、例えば、アダマンチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどが挙げられる。このようなシクロアルキル基としては、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチルなどの単環構造、またはアダマンタニルなどの多環構造が挙げられる。
用語「置換シクロアルキル」は、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5つの置換基、または1〜3つの置換基を有するシクロアルキル基を指す。
「シクロアルケニル」は、1つまたは複数の環を有し、かつ少なくとも1つの二重結合、好ましくは1〜2つの二重結合を有する3〜10個の炭素原子の非芳香族環状アルキル基を指す。
用語「置換シクロアルケニル」は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される1〜5つの置換基、または1〜3つの置換基を有するシクロアルケニル基を指す。
「シクロアルキニル」は、1つまたは複数の環を有し、かつ少なくとも1つの三重結合を有する5〜10個の炭素原子の非芳香族シクロアルキル基を指す。
「シクロアルコキシ」は、−O−シクロアルキルを指す。
「シクロアルケニルオキシ」は、−O−シクロアルケニルを指す。
「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、基−OHを指す。
「ヘテロアリール」は、環中に1〜10個の炭素原子などの1〜15個の炭素原子ならびに酸素、窒素、および硫黄からなる群から選択される1〜10個のヘテロ原子を有する芳香族基を指す。このようなヘテロアリール基は、1つの環(ピリジニル、イミダゾリルまたはフリルなど)または環系中の複数の縮合環(例えば、インドリジニル、キノリニル、ベンゾフラン、ベンズイミダゾリルまたはベンゾチエニルなどの基にあるような)を有することが可能であり、ここで、環系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、環系中の少なくとも1つの環は芳香族であり、ただし、結合点が、芳香環の原子を介するものである。特定の実施形態において、ヘテロアリール基の窒素および/または硫黄環原子は、任意に酸化されて、N−オキシド(N→O)、スルフィニル、またはスルホニル部分が得られる。この用語には、例として、ピリジニル、ピロリル、インドリル、チオフェニル、およびフラニルが含まれる。ヘテロアリール置換基の定義によって特に制約されない限り、このようなヘテロアリール基は、アシルオキシ、ヒドロキシ、チオール、アシル、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、置換アルキル、置換アルコキシ、置換アルケニル、置換アルキニル、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アシルアミノ、アルカリール、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、カルボキシルアルキル、シアノ、ハロゲン、ニトロ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、アミノアシルオキシ、オキシアシルアミノ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、-SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリール、およびトリハロメチルから選択される1〜5つの置換基、または1〜3つの置換基で任意に置換され得る。
用語「ヘテロアラルキル」は、基−アルキレン−ヘテロアリールを指し、ここで、アルキレンおよびヘテロアリールが本明細書に定義される。この用語には、例として、ピリジルメチル、ピリジルエチル、インドリルメチルなどが含まれる。
「ヘテロアリールオキシ」は、−O−ヘテロアリールを指す。
「複素環」、「複素環式」、「ヘテロシクロアルキル」および「ヘテロシクリル」は、縮合環系、架橋環系およびスピロ環系を含む1つの環または複数の縮合環を有し、かつ1〜10個のヘテロ原子を含む3〜20個の環原子を有する飽和または不飽和基を指す。これらの環原子は、窒素、硫黄、または酸素からなる群から選択され、ここで、縮合環系において、環の1つ以上が、シクロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり得、ただし、結合点が、非芳香環を介するものである。特定の実施形態において、複素環式基の窒素および/または硫黄原子は、任意に酸化されて、N−オキシド、−S(O)−、または−SO2−部分が得られる。
複素環およびヘテロアリールの例としては、限定はされないが、アゼチジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、インドリジン、イソインドール、インドール、ジヒドロインドール、インダゾール、プリン、キノリジン、イソキノリン、キノリン、フタラジン、ナフチルピリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、フェナントロリン、イソチアゾール、フェナジン、イソオキサゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、イミダゾリジン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドリン、フタルイミド、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、4,5,6,7−テトラヒドロベンゾ[b]チオフェン、チアゾール、チアゾリジン、チオフェン、ベンゾ[b]チオフェン、モルホリニル、チオモルホリニル(チアモルホリニルとも呼ばれる)、1,1−ジオキソチオモルホリニル、ピペリジニル、ピロリジン、テトラヒドロフラニルなどが挙げられる。
複素環式置換基の定義によって特に制約されない限り、このような複素環式基は、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオケト、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオアリールオキシ、チオヘテロアリールオキシ、チオヘテロシクロオキシ、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、ヘテロシクリル、ヘテロシクロオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリール、−SO2−ヘテロアリール、および縮合複素環から選択される1〜5つ、または1〜3つの置換基で任意に置換され得る。
「ヘテロシクリルオキシ」は、基−O−ヘテロシクリルを指す。
用語「ヘテロシクリルチオ」は、複素環式基−S−を指す。
用語「ヘテロシクレン」は、本明細書に定義される複素環から形成されるジラジカル基を指す。
用語「ヒドロキシアミノ」は、基−NHOHを指す。
「ニトロ」は、基−NO2を指す。
「オキソ」は、原子(=O)を指す。
「スルホニル」は、基SO2−アルキル、SO2−置換アルキル、SO2−アルケニル、SO2−置換アルケニル、SO2−シクロアルキル、SO2−置換シクロアルキル、SO2−シクロアルケニル、SO2−置換シクロアルケニル、SO2−アリール、SO2−置換アリール、SO2−ヘテロアリール、SO2−置換ヘテロアリール、SO2−複素環、およびSO2−置換複素環を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。スルホニルには、例として、メチル−SO2−、フェニル−SO2−、および4−メチルフェニル−SO2−が含まれる。
「スルホニルオキシ」は、基−OSO2−アルキル、OSO2−置換アルキル、OSO2−アルケニル、OSO2−置換アルケニル、OSO2−シクロアルキル、OSO2−置換シクロアルキル、OSO2−シクロアルケニル、OSO2−置換シクロアルケニル、OSO2−アリール、OSO2−置換アリール、OSO2−ヘテロアリール、OSO2−置換ヘテロアリール、OSO2−複素環、およびOSO2置換複素環を指し、ここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、複素環、および置換複素環が本明細書に定義されるとおりである。
用語「アミノカルボニルオキシ」は、基−OC(O)NRRを指し、ここで、各Rが、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリール、または複素環であり、アルキル、置換アルキル、アリール、ヘテロアリールおよび複素環が本明細書に定義されるとおりである。
「チオール」は、基−SHを指す。
「チオキソ」または用語「チオケト」は、原子(=S)を指す。
「アルキルチオ」または用語「チオアルコキシ」は、基−S−アルキルを指し、ここで、アルキルが本明細書に定義されるとおりである。特定の実施形態において、硫黄が酸化されて−S(O)−になり得る。スルホキシドは、1つ以上の立体異性体として存在し得る。
用語「置換チオアルコキシ」は、基−S−置換アルキルを指す。
用語「チオアリールオキシ」は、基アリール−S−を指し、ここで、アリール基が、やはり本明細書に定義される任意に置換されるアリール基を含め、本明細書に定義されるとおりである。
用語「チオヘテロアリールオキシ」は、基ヘテロアリール−S−を指し、ここで、ヘテロアリール基が、やはり本明細書に定義される任意に置換されるアリール基を含め、本明細書に定義されるとおりである。
用語「チオヘテロシクロオキシ」は、基ヘテロシクリル−S−を指し、ここで、ヘテロシクリル基が、やはり本明細書に定義される任意に置換されるヘテロシクリル基を含め、本明細書に定義されるとおりである。
本明細書の開示に加えて、規定の基またはラジカルを修飾するのに使用される際の用語「置換」は、規定の基またはラジカルの1個以上の水素原子がそれぞれ、互いに独立して、以下に定義される同じかまたは異なる置換基で置換されることも意味し得る。
本明細書の個々の用語に関して開示される基に加えて、規定の基またはラジカル中の飽和炭素原子における1個以上の水素(1個の炭素におけるいずれか2個の水素が、=O、=NR70、=N−OR70、=N2または=Sで置換され得る)を置換するための置換基は、特に規定されない限り、−R60、ハロ、=O、−OR70、−SR70、−NR80R80、トリハロメチル、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、=N2、−N3、−SO2R70、−SO2O−M+、−SO2OR70、−OSO2R70、−OSO2O−M+、−OSO2OR70、−P(O)(O−)2(M+)2、−P(O)(OR70)O−M+、−P(O)(OR70)2、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−C(O)O−M+、−C(O)OR70、−C(S)OR70、−C(O)NR80R80、−C(NR70)NR80R80、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OC(O)O-M+、−OC(O)OR70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70CO2 −M+、−NR70CO2R70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR80R80、−NR70C(NR70)R70および−NR70C(NR70)NR80R80であり、ここで、R60が、任意に置換されるアルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールアルキルからなる群から選択され、各R70が、独立して、水素またはR60であり;各R80が、独立して、R70であるかあるいは、2つのR80’が、それらが結合される窒素原子と一緒になって、O、NおよびS(このうち、Nが、−HまたはC1〜C3アルキル置換を有し得る)からなる群から選択される同じかまたは異なるさらなるヘテロ原子を1〜4個任意に含み得る5員、6員または7員ヘテロシクロアルキルを形成し;各M+が、1つの正味の正電荷を有する対イオンである。各M+が、独立して、例えば、K+、Na+、Li+などのアルカリ金属イオン;+N(R60)4などのアンモニウムイオン;または[Ca2+]0.5、[Mg2+]0.5、または[Ba2+]0.5(添字0.5は、このような二価のアルカリ土類金属イオンの対イオンの1つが、本発明の化合物のイオン化形態および塩化物などの他の典型的な対イオンであり得るか、または本明細書に記載の2つのイオン化化合物が、このような二価のアルカリ土類金属イオンの対イオンとして働き得るか、または本発明の二価イオン化化合物が、このような二価のアルカリ土類金属イオンの対イオンとして働き得ることを意味する)などのアルカリ土類金属イオンであり得る。具体例として、−NR80R80が、−NH2、−NH−アルキル、N−ピロリジニル、N−ピペラジニル、4N−メチル−ピペラジン−1−イルおよびN−モルホリニルを含むことを意味する。
本明細書の開示に加えて、「置換」アルケン、アルキン、アリールおよびヘテロアリール基中の不飽和炭素原子における水素の置換基は、特に規定されない限り、−R60、ハロ、−O−M+、−OR70、−SR70、−S−M+、−NR80R80、トリハロメチル、−CF3、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO2、−N3、−SO2R70、−SO3 −M+、−SO3R70、−OSO2R70、−OSO3 −M+、−OSO3R70、−PO3-2(M+)2、−P(O)(OR70)O−M+、−P(O)(OR70)2、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−CO2 −M+、−CO2R70、−C(S)OR70、−C(O)NR80R80、−C(NR70)NR80R80、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OCO2 −M+、−OCO2R70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70CO2 −M+、−NR70CO2R70、-NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR80R80、−NR70C(NR70)R70および−NR70C(NR70)NR80R80であり、ここで、R60、R70、R80およびM+が、既に定義したとおりであり、ただし、置換アルケンまたはアルキンの場合、置換基は、−O−M+、−OR70、−SR70、または−S−M+でない。
本明細書の個々の用語に関して開示される基に加えて、「置換」ヘテロアルキルおよびシクロヘテロアルキル基中の窒素原子における水素の置換基は、特に規定されない限り、−R60、−O-M+、−OR70、−SR70、−S-M+、−NR80R80、トリハロメチル、−CF3、−CN、−NO、−NO2、−S(O)2R70、−S(O)2O-M+、−S(O)2OR70、−OS(O)2R70、−OS(O)2O-M+、−OS(O)2OR70、−P(O)(O-)2(M+)2、−P(O)(OR70)O-M+、−P(O)(OR70)(OR70)、−C(O)R70、−C(S)R70、−C(NR70)R70、−C(O)OR70、−C(S)OR70、−C(O)NR80R80、−C(NR70)NR80R80、−OC(O)R70、−OC(S)R70、−OC(O)OR70、−OC(S)OR70、−NR70C(O)R70、−NR70C(S)R70、−NR70C(O)OR70、−NR70C(S)OR70、−NR70C(O)NR80R80、−NR70C(NR70)R70および−NR70C(NR70)NR80R80であり、ここで、R60、R70、R80およびM+が、既に定義したとおりである。
本明細書の開示に加えて、特定の実施形態において、置換される基が、1つ、2つ、3つ、または4つの置換基、1つ、2つ、または3つの置換基、1つまたは2つの置換基、または1つの置換基を有する。
上で定義される全ての置換基において、それら自体に対してさらなる置換基で置換基を定義することによって達成されるポリマー(例えば、それ自体が置換アリール基で置換され、置換アリール基によってさらに置換される置換基として置換アリール基を有する置換アリールなど)は、本明細書における包含のために意図されないことが理解される。このような場合、このような置換基の最大数は3である。例えば、特に本明細書で検討される置換アリール基の一連の置換基は、置換アリール−(置換アリール)−置換アリールに限定される。
特に示されない限り、本明細書に明確に定義されない置換基の命名は、官能基の末端部分を命名し、続いて、結合点に向かって隣接する官能基を命名することによって行われる。例えば、置換基「アリールアルキルオキシカルボニル」は、基(アリール)−(アルキル)−O−C(O)−を指す。
1つ以上の置換基を含む本明細書に開示される基のいずれについても、当然ながら、このような基が、立体的に非実用的および/または合成的に実現不可能ないかなる置換または置換パターンも含まないことが理解される。さらに、本発明の化合物は、これらの化合物の置換から生じる全ての立体化学的異性体を含む。
用語「薬学的に許容できる塩」は、哺乳動物などの患者に投与するのに許容できる塩(所与の投与計画で許容できる哺乳動物の安全性を有する対イオンを有する塩)を意味する。このような塩は、薬学的に許容できる無機または有機塩基および薬学的に許容できる無機または有機酸から誘導することができる。「薬学的に許容できる塩」は、当該技術分野で周知の様々な有機および無機対イオンから誘導される、化合物の薬学的に許容できる塩を指し、あくまで例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなど;および分子が塩基性官能基を含む場合、塩酸塩、臭化水素酸塩、ギ酸塩、酒石酸塩、ベシル酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩などの、有機または無機酸の塩を含む。
用語「その塩」は、酸のプロトンが金属陽イオンまたは有機陽イオンなどの陽イオンで置換されるときに形成される化合物を意味する。該当する場合、塩は薬学的に許容できる塩であるが、このことは、患者に投与することを意図していない化合物の塩には必要とされない。例として、本発明の中間体化合物の塩としては、無機または有機酸によって化合物がプロトン化されて、塩の陰イオン成分としての無機または有機酸の共役塩基とともに、陽イオンが形成される塩が挙げられる。
「溶媒和物」は、溶媒分子と、溶質の分子またはイオンとの組合せによって形成される錯体を指す。溶媒は、有機化合物、有機化合物、または両方の混合物であり得る。溶媒のいくつかの例としては、限定はされないが、メタノール、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、および水が挙げられる。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
1つまたは複数の「立体異性体(“stereoisomer”and“stereoisomers”)」は、同じ原子結合性を有するが異なる原子空間配置を有する化合物を指す。立体異性体には、シス−トランス異性体、EおよびZ異性体、鏡像異性体、およびジアステレオマーが含まれる。
「互変異性体」は、エノール−ケトおよびイミン−エナミン互変異性体、またはピラゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、トリアゾール、およびテトラゾールなどの−N=C(H)−NH−環原子配置を含むヘテロアリール基の互変異性型などの、原子の電子的結合および/またはプロトンの位置のみが異なる分子の他の形態を指す。当業者は、他の互変異性型の環原子配置が可能であることを認識するであろう。
用語「あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体」は、本発明の化合物の立体異性体の薬学的に許容できる塩の溶媒和物などの、塩、溶媒和物および立体異性体の全ての置換体(permutation)を含むことが意図されることが理解されよう。
「薬学的に有効な量」および「治療的に有効な量」は、特定の障害または疾患あるいはその症状の1つ以上を治療し、および/または疾患または障害の発症を予防するのに十分な化合物の量を指す。腫瘍形成性の増殖性障害に関して、薬学的または治療的に有効な量は、特に、腫瘍を小さくするかまたは腫瘍の増殖速度を遅くするのに十分な量を含む。
「患者」は、ヒトおよび非ヒト対象、特に哺乳動物対象を指す。
本明細書に使用される際の「治療する」または「治療」という用語は、哺乳動物(特にヒト)などの患者の疾患または医学的病態を治療することまたはその治療を意味し、この治療としては:(a)疾患または医学的病態が発症するのを予防すること、例えば、対象の予防的治療;(b)疾患または医学的病態を改善すること、例えば、患者の疾患または医学的病態を解消するかまたはそれを軽減すること;(c)疾患または医学的病態を抑制すること、例えば、患者の疾患または医学的病態の発症を遅らせるかまたはそれを抑えること;あるいは(d)患者の疾患または医学的病態の症状を緩和することが含まれる。
代表的な実施形態
以下の置換基および値は、様々な態様および実施形態の代表例を提供することが意図される。これらの代表的な値は、このような態様および実施形態をさらに規定し、例示することが意図され、他の実施形態を除外し、または本発明の範囲を限定することは意図されない。これに関して、特定の値または置換基が好ましいという表現は、特に示されない限り、他の値または置換基を本発明から除外することは決して意図されない。
これらの化合物は、1つ以上のキラル中心を含んでもよく、したがって、実施形態は、特に示されない限り、ラセミ混合物;純粋な立体異性体(すなわち、鏡像異性体またはジアステレオマー);立体異性体富化(stereoisomer−enriched)混合物などに関する。特定の立体異性体が本明細書において示され、または命名される場合、特に示されない限り、少量の他の立体異性体が組成物中に存在してもよい(ただし、このような他の異性体の存在によって全体としての組成物の所望の有用性が損なわれないことを条件とする)ことが当業者によって理解されよう。
本開示の組成物は、以下に示される式I〜Vの化合物を含む。本開示の医薬組成物および方法は、式I〜Vの化合物も想定している。
式I
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(I):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Gが、ハロゲンまたは−NY
2Ar
1であり;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Ar
1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
式(I)において、Gが、ハロゲンまたは−NY2Ar1である。特定の実施形態において、Gがハロゲンである。特定の実施形態において、Gが−NY2Ar1である。
式(I)において、Ar1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、Ar1が、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態において、Ar1がアリールである。特定の実施形態において、Ar1が置換アリールである。特定の実施形態において、Ar1が、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Ar1がヘテロアリールである。特定の実施形態において、Ar1が置換ヘテロアリールである。
特定の実施形態において、式(I)の化合物は、式:
(式中、H
1およびH
2が水素である)
のものである。
特定の実施形態において、H1およびH2が、シス相対配置を有する水素である。特定の実施形態において、H1およびH2が、トランス相対配置を有する水素である。
式II
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(II):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Ar
1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IIa):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Ar
1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択され;
H
1およびH
2が、シス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IIb):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Ar
1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択され;
H
1およびH
2が、トランス相対配置を有する水素である)
の化合物
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
式(II)への言及は、式(II)および(IIa)〜(IIb)の化合物を含むことを意味する。
式(II)において、Ar1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、Ar1が、アリールまたは置換アリールである。特定の実施形態において、Ar1がアリールである。特定の実施形態において、Ar1が置換アリールである。特定の実施形態において、Ar1が、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールである。特定の実施形態において、Ar1がヘテロアリールである。特定の実施形態において、Ar1が置換ヘテロアリールである。
式(IIa)および(IIb)において、特定の実施形態において、化合物は光学活性である。特定の実施形態において、90%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、95%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、99%以上の鏡像体過剰率がある。
式III
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(III):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Qが、CまたはNであり;
R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IIIa):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Qが、CまたはNであり;
R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成し;
H
1およびH
2が、シス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IIIb):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Qが、CまたはNであり;
R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成し;
H
1およびH
2が、トランス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
式(III)への言及は、式(III)および(IIIa)〜(IIIb)の化合物を含むことを意味する。
式(III)において、Qが、CまたはNである。特定の実施形態において、QがCである。特定の実施形態において、QがNである。
式(IIIa)および(IIIb)において、特定の実施形態において、化合物は光学活性である。特定の実施形態において、90%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、95%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、99%以上の鏡像体過剰率がある。
式IV
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IV):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IVa):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成し;
H
1およびH
2が、シス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IVb):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成し;
H
1およびH
2が、トランス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(IVc):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル(oxyaminoacyl)、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12が、水素およびハロゲンから選択され;
R
13およびR
16が水素であり;
R
14が、ヒドロキシルで置換され、1つ以上のアルキル基で任意に置換されるアルコキシであり;
R
15が、置換ヘテロシクリルである)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
式(IVc)の化合物などの本発明の化合物のある実施形態において、R14が、式−O−Alk−OR25で表され、ここで、Alkが、任意選択的に置換されるアルキレン基であり、R25が、Hおよび任意選択的に置換されるアルキル基から選択される。ある実施形態において、Alkが、アルキレン基である。ある実施形態において、Alkが、置換アルキレン基である。このような化合物のある実施形態において、Alkが、任意選択的に置換されるエチレンまたはプロピレン部分を表す。特定の実施形態において、Alkが、エチレン部分である。特定の実施形態において、Alkが、プロピレン部分である。特定の実施形態において、Alkが、置換エチレン部分である。特定の実施形態において、Alkが、置換プロピレン部分である。ある実施形態において、Alkが、例として、アルキレン鎖の同じかまたは異なる炭素原子において置換される1つまたは2つのメチル基などの1つ、2つ、または3つのC1〜6アルキル基で置換される。
式(IV)への言及は、式(IV)および(IVa)〜(IVc)の化合物を含むことを意味する。
式(IVa)および(IVc)において、特定の実施形態において、化合物は光学活性である。特定の実施形態において、90%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、95%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、99%以上の鏡像体過剰率がある。
式V
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(V):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(Va):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成し;
H
1およびH
2が、シス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
その組成物の態様の1つにおいて、本発明の実施形態は、式(Vb):
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
R
12、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR
14およびR
15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成し;
H
1およびH
2が、トランス相対配置を有する水素である)
の化合物;
あるいはその塩または立体異性体を提供する。
式(V)への言及は、式(V)および(Va)〜(Vb)の化合物を含むことを意味する。
式(Va)および(Vb)において、特定の実施形態において、化合物は光学活性である。特定の実施形態において、90%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、95%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、99%以上の鏡像体過剰率がある。
式I〜Vの特定の実施形態
式I〜Vを参照すると、式
は、少なくとも2つのキラル中心、したがって、少なくとも4つの立体異性体を含む。分かりやすくするために、環系の番号付けは、任意の置換基が省略されて以下に示される。
式I〜Vを引き続き参照すると、(7,8a)シスジアステレオマーは、以下の構造を有し:
(7,8a)トランスジアステレオマーは、以下の構造を有する:
式I〜Vにおいて、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択され;またはR1およびR2が一緒にオキソ基を形成し;またはR3およびR4が一緒にオキソ基を形成し;またはR5およびR6が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アミノアシル、およびニトロから選択され;またはR1およびR2が一緒にオキソ基を形成し;またはR3およびR4が一緒にオキソ基を形成し;またはR5およびR6が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ハロゲン、およびヒドロキシルから選択され;またはR1およびR2が一緒にオキソ基を形成し;またはR3およびR4が一緒にオキソ基を形成し;またはR5およびR6が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R1およびR2がそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R1およびR2がそれぞれ、C1〜C6アルキル、またはC1〜C3アルキルなどのアルキルである。特定の実施形態において、R1およびR2がそれぞれメチルである。
特定の実施形態において、R3およびR4のうちの少なくとも一方が水素である。特定の実施形態において、R3およびR4がそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの少なくとも一方が、ハロゲンまたはヒドロキシルである。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの少なくとも一方がハロゲンである。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの一方がハロゲンである。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの少なくとも一方がFである。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの一方がFである。特定の実施形態において、R3およびR4がそれぞれハロゲンである。特定の実施形態において、R3およびR4がそれぞれFである。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの少なくとも一方がヒドロキシルである。特定の実施形態において、R3およびR4のうちの一方がヒドロキシルである。
特定の実施形態において、R5およびR6のうちの少なくとも一方が水素である。特定の実施形態において、R5およびR6がそれぞれ水素である。
特定の実施形態において、R1およびR2が一緒にオキソ基を形成し;またはR3およびR4が一緒にオキソ基を形成し;またはR5およびR6が一緒にオキソ基を形成する。特定の実施形態において、R1およびR2が一緒にオキソ基を形成する。特定の実施形態において、R3およびR4が一緒にオキソ基を形成する。特定の実施形態において、R5およびR6が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6がそれぞれ水素である。
特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、アルキル、および置換アルキルから選択される。特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、およびニトロから選択される。特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、およびアジドから選択される。特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、シアノ、ハロゲン、およびヒドロキシルから選択される。特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、および置換チオアルコキシから選択される。特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素およびアリールから選択される。特定の実施形態において、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6が、独立して、水素、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、R1およびR2が一緒にオキソ基を形成し;またはR3およびR4が一緒にオキソ基を形成し;またはR5およびR6が一緒にオキソ基を形成する。
式I〜Vにおいて、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択され;またはR7およびR8が一緒にオキソ基を形成し;またはR9およびR10が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、およびニトロから選択され;またはR7およびR8が一緒にオキソ基を形成する。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、およびハロゲンから選択され;またはR7およびR8が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R7およびR8がそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R7およびR8がそれぞれ、C1〜C6アルキル、またはC1〜C3アルキルなどのアルキルである。特定の実施形態において、R7およびR8がそれぞれメチルである。特定の実施形態において、R7およびR8が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R9およびR10のうちの少なくとも一方が水素である。特定の実施形態において、R9およびR10がそれぞれ水素である。特定の実施形態において、R9およびR10のうちの少なくとも一方が、C1〜C6アルキル、またはC1〜C3アルキルなどのアルキルである。特定の実施形態において、R9およびR10のうちの少なくとも一方がメチルである。特定の実施形態において、R9およびR10のうちの一方がメチルである。特定の実施形態において、R9およびR10が一緒にオキソ基を形成する。
特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、アルキル、および置換アルキルから選択される。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、アルコキシ、置換アルコキシ、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、およびニトロから選択される。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、およびアジドから選択される。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、シアノ、ハロゲン、およびヒドロキシルから選択される。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、および置換チオアルコキシから選択される。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素およびアリールから選択される。特定の実施形態において、R7、R8、R9、およびR10が、独立して、水素、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO2−アルキル、−SO2−置換アルキル、−SO2−アリールおよび−SO2−ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、R7およびR8が一緒にオキソ基を形成し;またはR9およびR10が一緒にオキソ基を形成する。
式I〜Vにおいて、R11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択される。
特定の実施形態において、R11が、アルコキシ、置換アルコキシ、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、およびニトロから選択される。特定の実施形態において、R11が、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、またはニトロである。特定の実施形態において、R11が、フルオロまたはシアノである。特定の実施形態において、R11がフルオロである。特定の実施形態において、R11がシアノである。特定の実施形態において、R11が、アシルまたはアミノアシルである。特定の実施形態において、R11がニトロである。
式I〜Vにおいて、R20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択される。特定の実施形態において、R20が水素である。特定の実施形態において、R20が、アルキルである。特定の実施形態において、R20が、置換アルキルである。
式I〜Vにおいて、Y1およびY2が、独立して、水素およびアルキルから選択される。特定の実施形態において、Y1およびY2が水素である。特定の実施形態において、Y1およびY2が、アルキルである。
式III〜Vにおいて、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アシル、アミノアシル、アミノカルボニルオキシ、五フッ化硫黄、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルキル、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、五フッ化硫黄、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択され、またはR14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、ハロゲン、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルコキシ、置換アルコキシ、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、およびシアノから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルキル、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、水素、アルキル、および置換アルキルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16のうちの少なくとも1つが水素である。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16のうちの1つが水素である。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16のうちの2つが水素である。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16のうちの3つが水素である。特定の実施形態において、R12およびR16が水素である。特定の実施形態において、R12、R13、およびR16が水素である。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アルキルおよび置換アルキルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、C1〜C6アルキル、またはC1〜C3アルキルなどのアルキルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、メチルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択される。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、アルコキシ、および置換アルコキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ハロゲンから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、フルオロから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、シアノから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ヒドロキシルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アルコキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、C1〜C6アルコキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、C1〜C3アルコキシ(メトキシ、イソプロポキシなど)から選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、置換アルコキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、C1〜C6置換アルコキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、C1〜C3置換アルコキシから選択される。特定の実施形態において、置換アルコキシ基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル(例えば、メチルを含む、C1〜C3アルキルなどのC1〜C6アルキル)から選択される1つ以上の基で置換される。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アミノおよび置換アミノから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アシルアミノ、アミノカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アシル、カルボキシル、カルボキシルエステル、アミノアシル、およびアミノカルボニルオキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アシルアミノおよびアミノカルボニルアミノから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アシルアミノから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アミノカルボニルアミノから選択される。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ニトロ、スルホニル、スルホニルアミノ、アミノスルホニル、および五フッ化硫黄から選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、五フッ化硫黄から選択される。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、置換ヘテロシクリル、ヘテロシクリルオキシ、および置換ヘテロシクリルオキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、アリールおよび置換アリールから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、シクロアルキルおよび置換シクロアルキルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、シクロアルキルから選択される。例えば、シクロアルキル基としては、限定はされないが、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピルなどの、C3〜C6シクロアルキルを含むC3〜C8シクロアルキルが挙げられる。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、シクロプロピルから選択される。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよび置換ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、置換ヘテロアリールから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ヘテロシクリルから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、置換ヘテロシクリルから選択される。複素環およびヘテロアリールの例としては、限定はされないが、テトラゾリル、および置換テトラゾリルが挙げられる。例えば、テトラゾリルは、オキソ、アルキル、例えば、メチルなどの、C1〜C3アルキルを含むC1〜C6アルキルなどの1つ以上の基で置換され得る。
特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、ヘテロシクリルオキシから選択される。特定の実施形態において、R12、R13、R14、R15、およびR16が、独立して、置換ヘテロシクリルオキシから選択される。特定の実施形態において、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシ基は、1個のヘテロ原子(例えば、酸素、窒素または硫黄)などの1〜5個のヘテロ原子、または1〜3個のヘテロ原子を含む、3〜6員環などの3〜8員環を含む。例えば、ヘテロシクリルオキシおよび置換ヘテロシクリルオキシ基としては、限定はされないが、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、オキセタン、ピペリジンなどの環が挙げられる。置換ヘテロシクリルオキシ基としては、アルキル、例えば、メチル、イソプロピルなどの、C1〜C3アルキルを含むC1〜C6アルキルなどの1つ以上の基で置換され得る。
特定の実施形態において、R14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロシクリル、または置換ヘテロシクリルを形成する。特定の実施形態において、R14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アリールまたはヘテロアリールの5〜10員環を形成する。特定の実施形態において、R14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、ヘテロシクリルまたは置換ヘテロシクリルの5〜10員環を形成する。例えば、R14およびR15が、それらが結合される炭素原子と一緒に、アルキル、例えば、メチルなどの、C1〜C3アルキルを含むC1〜C6アルキルなどの1つ以上の基で置換され得るテトラゾロオキサジニル基を形成し得る。
特定の実施形態において、R
12、R
13、R
14、R
15、およびR
16が、独立して、水素、メチル、フルオロ、ヒドロキシル、メトキシ、イソプロポキシ、シアノ、五フッ化硫黄、−OCHF
2、−OCH
2CH
2OH、−OCH
2CH(OH)CH
3、−OCH
2C(CH
3)
2OH、−OCH
2CH(CH
3)OH、−OC(CH
3)
2CH
2OH、
から選択される。
式(I〜V)の実施形態を含む特定の実施形態において、R12が、水素およびハロゲンから選択される。特定の実施形態において、R12が水素である。特定の実施形態において、R12がハロゲンである。特定の実施形態において、R12がフルオロである。
特定の実施形態において、R13およびR16が水素である。
特定の実施形態において、R14が、置換アルコキシである。特定の実施形態において、R14が、C1〜C3置換アルコキシなどのC1〜C6置換アルコキシである。特定の実施形態において、R14が、置換プロポキシである。特定の実施形態において、R14が、置換エトキシである。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルで置換され、1つ以上のアルキル基で任意に置換されるアルコキシである。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルで置換されるアルコキシである。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルおよびメチル基などのC1〜C3アルキル基などのC1〜C6アルキル基などのアルキル基で置換されるアルコキシである。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルおよび2つのアルキル基で置換されるアルコキシである。特定の実施形態において、アルキル置換基はそれぞれ、独立して、メチル基などのC1〜C3アルキル基などのC1〜C6アルキル基である。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルで置換されるエトキシ基である。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルおよびメチル基などのC1〜C3アルキル基などのC1〜C6アルキル基などのアルキル基で置換されるエトキシ基である。特定の実施形態において、R14が、ヒドロキシルおよび2つのアルキル基で置換されるエトキシ基である。特定の実施形態において、アルキル置換基はそれぞれ、独立して、メチル基などのC1〜C3アルキル基などのC1〜C6アルキル基である。
特定の実施形態において、R
15が、任意選択的に置換されるヘテロシクリルである。特定の実施形態において、R
15が、式
の任意選択的に置換されるテトラゾロンであり、ここで、R
26が、−H、ハロアルキル基またはメチル基などのC
1〜C
3アルキル基などのC
1〜C
6アルキル基などのアルキル基である。ある実施形態において、式(IVc)の化合物などの、式(IV)の化合物は、テトラゾロンであるR
15を有する。式(IVc)などの式(IV)の実施形態を含む特定の実施形態において、R
15が、テトラゾロン(例えば、上述される任意選択的に置換されるテトラゾロン)であり、R
12が、フルオロなどのハロ基である。
対象となる特定の化合物が、以下の表に示される。
対象となる特定の化合物、およびその塩または溶媒和物または立体異性体としては以下のものが挙げられる:
化合物1〜4:N2−(4,4−ジメチル−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−イル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物5:N2−(4,4−ジメチル−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−イル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物6〜10:(R/S,S/R,R/R,S/S)−N2−(4−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルオキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物11〜14:(R/S,S/R,R/R,S/S)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)N2−(3−メトキシ−5−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物16〜21:オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イル−アミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物17:1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イル−アミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物18:1−(5−(4−((7S,8aR)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物22:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチル−オクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物23:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチル−オクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物24:(±)−N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n4−(オクタヒドロインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物26:N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−イル)フェニルアミノ)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物27:(±)−1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)オン;
化合物28:(±)−N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n4−(オクタヒドロインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物30:N2−{4−シクロプロピル−6−フルオロ−[3−(4−メチル)−1,2,3,4−テトラゾール−5−オン−1−イル]}フェニル−5−フルオロ−N4(7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オン))2,4−ピリミジンジアミン;
化合物31〜33:1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物31:1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物32:1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物33:1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンホルメート;
化合物34および35:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物38:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物39〜40:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物41:5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル;
化合物42:1−(5−(4−((7S,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物43:N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−N4−((7S,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物44:(4−((7S,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−メチルベンゾニトリル;
化合物45:1−(5−(4−((7R,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物46:N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−N4−((7R,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物47:1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物48:1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物49:1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物50:1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物51:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−オキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物52:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物53:(±)−N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物54および55:(±)−N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物56:(±)−2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物57:2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル;
化合物58〜59:2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル;
化合物60:2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル;
化合物61〜62:2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル;
化合物63:5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル;
化合物64:1−(5−(4−((2R,7R,8aR)−2−フルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物65:1−(5−(4−((2R,7S,8aR)−2−フルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物66:4−((R/S,S/R)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物67:1−(5−(4−((2S,7R,8aR)−2−フルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物68:1−(5−(4−((2R,7R,8aR)−2−ヒドロキシ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物69〜70:5−フルオロ−N2−(4−フルオロ−3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−N4−(オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物69:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物70:5−フルオロ−N2−(4−フルオロ−3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−N4−(オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン;
化合物76:4−(R,S)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物77:1−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物78:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物79:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−((S)−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物80:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物81:1−(2−((S)−2−ヒドロキシプロポキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物82:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−((R)−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物83:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−3−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物84:4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−2−(2−フルオロ−4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル;
化合物85:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物86:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物87:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物88:1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;
化合物89:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン;および
化合物90:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−((R)−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル。
本開示は、式:
(式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Z
1が、OR
17、−NR
17R
18またはXであり;
Z
2がHであり、またはZ
1およびZ
2が一緒に、オキソ、=NR
19または=NNR
20R
21を形成し;
R
17が、H、アルキル、置換アルキル、アシル、アシルアミノ、−SO
2−アルキルまたは−SO
2−アリールであり;
R
18が、H、アルキル、置換アルキル、アシル、アシルアミノ、−SO
2−アルキル、−SO
2−アリール、アリールまたはヘテロアリールであり;
Xが、ハロまたはアジドであり;
R
19、R
20およびR
21がそれぞれ、独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールおよび置換ヘテロアリールから選択される)
で表される化合物であって;
光学活性である化合物を提供する。
特定の実施形態において、式(XI)では、90%以上の鏡像体過剰率がある。特定の実施形態において、式(XI)では、95%以上の鏡像体過剰率がある。
特定の実施形態において、式(XI)では、R
18が、式
(式中、R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;Y
1およびY
2が、独立して、水素、アルキルから選択され;
Ar
1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される)
を含む。
特定の実施形態において、式(XI)の化合物は、式
を含む。
特定の実施形態において、式(XI)の化合物は、式
を含む。
特定の実施形態において、式(XI)の化合物は、式
を含む。
特定の実施形態において、式(XI)の化合物は、式
を含む。
特定の実施形態において、式(XI)の化合物は、式
を含む。
記載される化合物は、1個以上の原子が自然界に従来見られる原子質量と異なる原子質量を有する同位体で標識された化合物も含む。本明細書に開示される化合物に組み込まれ得る同位体の例としては、限定はされないが、2H、3H、11C、13C、14C、15N、18O、17Oなどが挙げられる。したがって、開示される化合物は、これらの同位体の1つ以上がこのような同位体の天然存在度と比べて富化されていてもよい。例として、重水素(2H)は、約0.015%の天然存在度を有する。したがって、自然界に存在するおおむね6,500個の水素原子ごとに、1個の重水素原子が存在する。本明細書において特に想定されるのは、1つ以上の位置で重水素が富化された化合物である。したがって、本開示の重水素含有化合物は、0.015%より高い存在度で1つ以上の位置(場合により)で重水素を有する。
代表的な同位体が富化された(isotopically enriched)化合物としては以下のものが挙げられる:
本開示は、薬学的に許容できる担体と、治療的に有効な量の式I〜Vの化合物あるいはその薬学的に許容できる塩または溶媒和物または立体異性体とを含む医薬組成物も提供する。
開示される化合物は、単独の活性薬剤として単独で、または式I〜Vの1つ以上のさらなる化合物と組み合わせて、または他の剤とともに投与され得る。組合せとして投与される場合、治療剤は、同時にまたは異なる時間に投与される別個の組成物として製剤化され得るか、または治療剤は、2つ以上の治療剤を組み合わせた1つの組成物として一緒に投与され得る。したがって、式I〜Vの化合物を含有する本明細書に開示される医薬組成物は、他の治療剤を任意に含有する。したがって、特定の実施形態は、当業者に公知であるように選択される治療的に有効な量の剤をさらに含むこのような医薬組成物に関する。
本発明の化合物はPKC阻害特性を有するため、このような化合物は、研究手段としても有用である。したがって、本開示は、生物系または生体試料を研究するため、またはPKC阻害特性を有する新規な化学的化合物を発見するための研究手段として式I〜Vの化合物あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体を使用するための方法も提供する。
実施形態は、治療にまたは薬剤として使用するための式I〜Vの化合物あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体にも関する。
さらに、実施形態は、薬剤の製造のため;特にプロテインキナーゼC(PKC)活性の阻害のための薬剤の製造のための、式I〜Vの化合物あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体の使用に関する。実施形態は、PKC活性の活性によって媒介または持続される疾患または障害の治療のための薬剤の製造のための、式I〜Vの化合物あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体の使用にも関する。実施形態は、炎症性疾患、自己免疫疾患およびアレルギー性疾患を含む、T細胞の活性化と関連する疾患または障害の治療のための薬剤の製造のための、式I〜Vの化合物あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体の使用にも関する。
一般的な合成手順
開示される化合物を合成するのに有用な一般的に知られている化学的な合成スキームおよび条件を示している多くの一般的な参照文献が入手可能である(例えば、Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,Fifth Edition,Wiley−Interscience,2001;またはVogel,A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis,Fourth Edition,New York:Longman,1978を参照されたい)。
本明細書に記載される化合物は、HPLC、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー手段を含む、当該技術分野で公知の手段のいずれかによって精製され得る。イオン性樹脂だけでなく順相および逆相を含む任意の好適な固定相を使用することができる。最も典型的に、開示される化合物は、シリカゲルおよび/またはアルミナクロマトグラフィーによって精製される。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography,2nd Edition,ed.L.R.Snyder and J.J.Kirkland,John Wiley and Sons,1979;およびThin Layer Chromatography,ed E. Stahl,Springer−Verlag,New York,1969を参照されたい。
本発明の化合物の調製方法のいずれかの際に、関係する分子のいずれかにおける感応性基または反応性基を保護することが必要であり、および/または望ましいことがある。これは、J.F.W.McOmie,“Protective Groups in Organic Chemistry”,Plenum Press,London and New York 1973、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,Third edition,Wiley,New York 1999、“The Peptides”;Volume 3(editors:E.Gross and J.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、“Methoden der organischen Chemie”,Houben−Weyl,4th edition,Vol.,15/l,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974、H.−D.Jakubke and H.Jescheit,“Aminosauren,Peptide,Proteine”,Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach,and Basel 1982、および/またはJochen Lehmann,“Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide and Derivate”,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974などの標準的な論文に記載される従来の保護基によって達成され得る。保護基は、当該技術分野で公知の方法を用いて、好都合な後の段階で除去され得る。
本発明の化合物は、市販の出発材料および/または従来の合成方法によって調製される出発材料を用いて、様々な異なる合成経路によって合成され得る。本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグを合成するために通常適合され得る好適な例示的な方法が、開示内容が参照により本明細書に援用される米国特許第5,958,935号明細書に見出される。多くの2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグ、ならびにそのための中間体の合成を記載している具体例が、内容が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2004/0029902A1号明細書に記載される。活性な2,4−ピリミジンジアミン化合物を合成するために通常用いられ、および/または適合され得る好適な例示的な方法が、開示内容が参照により本明細書に援用される、国際公開第03/063794号パンフレット、米国特許出願第10/631,029号明細書(2003年7月29に出願された)、国際公開第2004/014382号パンフレット、米国特許出願公開第2005−0234049A1号明細書、および国際公開第005/016893号パンフレットにも見出される。本明細書に記載される化合物(プロドラッグを含む)の全ては、これらの方法の通常の適合によって調製され得る。
本明細書に記載される2,4−置換ピリミジンジアミンの例示的な合成方法が後述される。当業者は、本明細書に記載される特定の2,4−置換ピリミジンジアミンの合成のためのこれらの方法を容易に適合させることも可能であろう。
本発明の2,4−ピリミジンジアミン化合物を合成するのに用いられ得る様々な例示的な合成経路が、以下のスキームに表される。これらの方法は、本明細書に記載される2,4−ピリミジンジアミン化合物およびプロドラッグを合成するために通常適合され得る。
化合物の合成
特定の実施形態において、化合物は、以下のスキーム1に示される置換または非置換ウラシルから合成され得る。
スキーム1において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R20、Y1、Y2、Q、R12、R13、R14、R15、およびR16が、上に記載されるとおりである。
スキーム1によれば、ウラシルA−1が、標準条件下で、POCl3(オキシ塩化リン)などの標準的な脱水−ハロゲン化剤(または他の標準的なハロゲン化剤)を用いて、2位および4位で二ハロゲン化されて、2,4ジクロロピリミジンA−2を生成する。ピリミジンジアミンA−2の置換基に応じて、C4位置の塩化物は、C2位置の塩化物より求核試薬に対して反応性が高い。まず、2,4ジクロロピリミジンA−2を1当量のアミンA−3と反応させ、4N−置換−2−クロロ−4−ピリミジンアミンA−4を生成し、次にアミンA−5によって反応させて、2,4−ピリミジンジアミン誘導体A−6を生成することによって、この反応性の差を利用することができる。
典型的に、スキームに示されるように、C4ハロゲン化物は、求核試薬に対してより反応性が高い。しかしながら、当業者が認識するであろうように、置換基の属性により、この反応性は変化し得る。例えば、置換基がトリフルオロメチルである場合、4N−置換−4−ピリミジンアミンA−4と、それに対応する2N−置換−2−ピリミジンアミンとの50:50混合物が得られる。また、この反応の位置選択性は、当該技術分野で周知であるように、溶媒および他の合成条件(温度など)を調整することによって制御することができる。
特定の実施形態において、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物などの求電子性離脱基を有する化合物と、アミノ基を有する化合物とをカップリングするために、芳香族求核置換が用いられ得る。例えば、化合物A−2のハロゲン置換基および化合物A−3のアミノ基は反応し得る。また、例えば、化合物A−4のハロゲン置換基および化合物A−5のアミノ基も反応し得る。芳香族求核置換の条件は、化合物が極性非プロトン性溶媒または極性プロトン性溶媒中で反応することを含む。好適な溶媒としては、アルコール(イソプロパノール、メタノール、エタノールなど)、ギ酸、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、およびテトラヒドロフランが挙げられる。反応は、室温で行ってもまたは加熱してもよい。
特定の実施形態において、ハロゲン化物または擬ハロゲン化物などの求電子性離脱基を有する化合物と、アミノ基を有するアリール化合物とをカップリングするために、ブッフバルトカップリング反応などのカップリング反応が用いられ得る。ブッフバルトカップリング反応は、アリールアミンのパラジウム触媒による合成を含む。出発材料は、アリールハロゲン化物または擬ハロゲン化物(例えば、トリフレート)および第1級または第2級アミンである。このような反応は、当該技術分野で周知の様々な方法を用いて行うことができ、具体例は、後述する実施例を参照することによって得られる。
スキーム1に表される反応は、反応混合物がマイクロ波によって加熱されるとき、より迅速に進行し得る。この方法で加熱するとき、以下の条件が用いられ得る:密閉管(20バールの圧力で)に入れたSmith Reactor(Personal Chemistry,Uppsala,Sweden)中で、エタノール中で5〜20分間にわたって175℃まで加熱する。
出発材料として5−フルオロウラシル(Aldrich #32,937−1)を用いるスキーム1の特定の実施形態が、以下のスキーム2に示される。
スキーム2において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R20、Y1、Y2、Q、R12、R13、R14、R15、およびR16が、上に記載されるとおりである。
非対称の2N,4N−二置換−5−フルオロ−2,4−ピリミジンジアミンA−10は、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジンA−8を、1当量のアミンA−3(2−クロロ−N4−置換−5−フルオロ−4−ピリミジンアミンA−9を生成するために)、続いて、1当量以上のアミンA−5と反応させることによって得られる。
シアノ誘導体を形成するためのスキーム1の特定の実施形態が、以下のスキーム3に示される。
スキーム3において、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R20、Y1、Y2、Q、R12、R13、R14、R15、およびR16が、上に記載されるとおりである。
非対称の2N,4N−二置換−5−シアノ−2,4−ピリミジンジアミンA−15は、2,4−ジクロロ−5−カルバモイルピリミジンA−12を1当量のアミンA−3と反応させて(2−クロロ−N4−置換−5−カルバモイル−4−ピリミジンアミンA−13を生成する)ことによって得られる。化合物A−13のアミド基は、シアノ基に変換されて化合物A−14が得られ、次に、1当量以上のアミンA−5と反応される。アミド基のシアノ基への変換は、バージェス試薬または無水トリフルオロ酢酸の使用などによる脱水によって行うことができる。当業者によって認識され、本明細書に例示されるように、アニリンA−5はまた、中間体A−13と反応されてもよく、得られるN2,N4−二置換ジアミノピリミジン−5−カルバモイルピリミジンは脱水されて、対応する5−シアノ化合物A−15が得られる。
ウラシル出発材料および中間体
ウラシルA−1、A−7、およびA−11出発材料は、商業的供給源から購入されるか、または有機化学の標準的な技術を用いて調製され得る。本明細書に開示されるスキームの出発材料として用いられ得る市販のウラシルには、例として、限定はされないが、ウラシル(Aldrich #13,078−8;CAS Registry 66−22−8);5ブロモウラシル(Aldrich #85,247−3;CAS Registry 51−20−7;5フルオロウラシル(Aldrich #85,847−1;CAS Registry 51−21−8);5ヨードウラシル(Aldrich #85,785−8;CAS Registry 696−07−1);5ニトロウラシル(Aldrich #85,276−7;CAS Registry 611−08−5);5(トリフルオロメチル)−ウラシル(Aldrich #22,327−1;CAS Registry 54−20−6)が含まれる。さらなる5−置換ウラシルは、General Intermediates of Canada,Inc.(Edmonton,CA)および/またはInterchim(Cedex,France)から入手可能であるか、または標準的な技術を用いて調製することができる。好適な合成方法を教示している多くの参照文献のテキストが以下に示される。
アミノ出発材料および中間体
A−3およびA−5などのアミンは、商業的供給源から購入され得るか、あるいは標準的な技術を用いて合成され得る。例えば、好適なアミンは、標準的な化学技術を用いてニトロ前駆体から合成され得る。Vogel,1989,Practical Organic Chemistry,Addison Wesley Longman,Ltd.and John Wiley & Sons,Inc.も参照されたい。例として、アミンA−5が、それぞれが参照により本明細書に援用される、国際公開第2010/090875号パンフレット、国際公開第2010−083207号パンフレット、国際公開第2011/068898号パンフレットおよび国際公開第2012/012619号パンフレットに記載されるように調製され得る。
特定の実施形態において、化合物A−3が、以下のスキーム4に示されるように合成され得る。
スキーム4を参照すると、アミン化合物B−1が、エノン化合物B−2と反応して、化合物B−3を形成する。まず、化合物をそのまままたは溶媒中で混合することによって、化合物B−1と化合物B−2との縮合反応が起こる。次に、化合物B−1と化合物B−2との間の反応から中間体が形成される。保護基が中間体から除去される。例えば、限定的であることは意図されないが、スキーム4は、保護基としてジエチルアセタールを示す。ジエチルアセタール保護基を除去するための条件は、中間体を酸水溶液中で還流させることを含む。保護基が除去された後、さらなる反応により、化合物B−3が得られる。
スキーム4を引き続き参照すると、化合物B−3のカルボニル基が、ヒドロキシルアミンと反応して、化合物B−4を形成する。次に、化合物B−4のオキシム基の還元により、化合物A−3が得られる。オキシム基の還元に好適な条件は、水素化またはナトリウムアマルガム、ボラン、もしくはシアノ水素化ホウ素ナトリウムとの反応を含む。特定の実施形態において、オキシム基は、触媒を用いて水素化される。好適な水素化触媒としては、PtO2およびラネーNiが挙げられる。
化合物A−3の異性体が、当業者に公知の手順によって単離され得る。個々の異性体は、例えば、分解技術によってまたはキラルクロマトグラフィー技術によって得られる。
特定の実施形態において、化合物A−3が、以下のスキーム5に示されるように合成され得る。
スキーム5を参照すると、アミン化合物B−1が、エノン化合物B−2と反応して、化合物B−3を形成する。まず、化合物をそのまままたは溶媒中で混合することによって、化合物B−1と化合物B−2との間の縮合反応が起こる。次に、化合物B−1と化合物B−2との間の反応から中間体が形成される。保護基が中間体から除去される。例えば、限定的であることは意図されないが、スキーム5は、保護基としてジエチルアセタールを示す。ジエチルアセタール保護基を除去するための条件は、中間体を酸水溶液中で還流させることを含む。保護基が除去された後、さらなる反応により、化合物B−3が得られる。
スキーム5を引き続き参照すると、化合物B−3のカルボニルが、還元されて、化合物B−5が得られる。カルボニル基の還元に好適な条件は、水素化または金属水素化物との反応を含む。特定の実施形態において、カルボニル基は、L−セレクトリド((sec−Bu)BH)3BHLi)、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、ボラン、または水素化アルミニウムなどの金属水素化物を用いて還元される。
次に、化合物B−5の立体異性体が分離される。化合物B−5の異性体は、当業者に公知の手順によって単離され得る。個々の異性体は、例えば、分解技術によってまたはキラルクロマトグラフィー技術によって得られる。特定の実施形態において、化合物B−5の立体異性体は、酵素触媒アシル化を用いて単離され得る。異性体の1つのアシル化が、異性体を区別するために行われる。好適な酵素としては、Novozym 325(Aldrich)およびサブチリシンが挙げられる。アシル化試薬には、酢酸ビニルまたは酢酸エチルなどのアセテート基材が使用され得る。
次に、例えば、限定的であることは意図されないが、化合物B−7が、さらなる反応のために得られる。あるいは、どの立体異性体が所望されるかに応じて、化合物B−6も、さらなる反応のために得られる。しかしながら、化合物B−7は、例示の目的のためにさらなる反応のために上記のスキーム中に示される。スキーム5を引き続き参照すると、化合物B−7のヒドロキシル基は、化合物B−8を形成するために脱離基(−O−LG1)へと転化される。脱離基の例としては、ノナフレート、トリフレート、フルオロスルホネート、トシレート、およびメシレートが挙げられる。特定の実施形態において、化合物B−7のヒドロキシル基は、トシレートまたはメシレートへと転化される。あるいは、B−7からB−9への変換は、光延反応などによる、B−7ヒドロキシル基のその場での活性化により、当業者に公知のように行われ得る。
次に、化合物B−8の脱離基が、アジド(−N3)で置換されて、化合物B−9が形成される。化合物B−8とアジ化ナトリウムとの反応により、化合物B−9が形成され得る。次に、化合物B−10のアミンを形成するための化合物B−9のアジドの転化が、還元によって行われ得る。アジドは、シュタウディンガー反応で、水素化分解によってまたはホスフィン、例えばトリフェニルホスフィンを用いて還元され得る。水素化分解条件は、水素およびPd(OH)2またはPd/Cなどの触媒との反応を含む。
上に記載される合成スキームの多くは保護基の使用を示していないが、場合によっては、特定の置換基が、保護を必要とする官能基を含み得ることを当業者は認識するであろう。用いられる保護基の正確な属性は、特に、保護される官能基の属性および特定の合成スキームに用いられる反応条件に左右され、当業者に明らかであろう。特定の用途に適した保護基、その結合および除去を選択するための指針は、例えば、Greene & Wuts(上掲)に見出すことができる。
本明細書に記載されるプロドラッグは、上述した方法の通常の修飾によって調製され得る。あるいは、このようなプロドラッグは、好適に保護された2,4−ピリミジンジアミンを好適なプロ基(progroup)と反応させることによって調製され得る。このような反応を行うため、および生成物を脱保護して、本明細書に記載されるプロドラッグを得るための条件は周知である。
ピリミジンを一般に合成するのに有用な方法、ならびにスキーム(I)−(VII)に記載される出発材料を教示している多くの参照文献が、当該技術分野で公知である。具体的な指針については、読者は、Brown,D.J.,“The Pyrimidines”,The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 16(Weissberger,A.,Ed.),1962,Interscience Publishers,(A Division of John Wiley & Sons),New York(“Brown I”);Brown,D.J.,“The Pyrimidines”,The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 16,Supplement I(Weissberger,A.and Taylor,E.C.,Ed.),1970,Wiley−Interscience,(A Division of John Wiley & Sons),New York(Brown II”);Brown,D.J.,“The Pyrimidines”,The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 16,Supplement II(Weissberger,A.and Taylor,E.C.,Ed.),1985,An Interscience Publication(John Wiley & Sons),New York(“Brown III”);Brown,D.J.,“The Pyrimidines”,The Chemistry of Heterocyclic Compounds,Volume 52(Weissberger,A.and Taylor,E.C.,Ed.),1994,John Wiley & Sons,Inc.,New York,pp.1−1509(Brown IV”);Kenner,G.W.and Todd,A.,Heterocyclic Compounds,Volume 6,(Elderfield,R.C.,Ed.),1957,John Wiley,New York,Chapter 7(ピリミジン(pyrimidines));Paquette,L.A.,Principles of Modern Heterocyclic Chemistry,1968,W.A.Benjamin,Inc.,New York,pp.1−401(ウラシル合成(uracil synthesis)pp.313,315;ピリミジンジアミン合成(pyrimidinediamine synthesis)pp.313−316;アミノピリミジンジアミン合成(amino pyrimidinediamine synthesis)pp.315);Joule,J.A.,Mills,K.and Smith,G.F.,Heterocyclic Chemistry,3rd Edition,1995,Chapman and Hall,London,UK,pp.1−516;Vorbrueggen,H.and Ruh−Pohlenz,C.,Handbook of Nucleoside Synthesis,John Wiley & Sons,New York,2001,pp.1−631(アシル化によるピリミジンの保護(protection of pyrimidines by acylation)pp.90−91;ピリミジンのシリル化(silylation of pyrimidines)pp.91−93);Joule,J.A.,Mills,K.and Smith,G.F.,Heterocyclic Chemistry,4th Edition,2000,Blackwell Science,Ltd,Oxford,UK,pp.1−589;およびComprehensive Organic Synthesis,Volumes 1−9(Trost,B.M.and Fleming,I.,Ed.),1991,Pergamon Press,Oxford,UKを参照されたい。
実施形態は、式I〜Vあるいはその塩または溶媒和物または立体異性体の化合物を調製するのに有用な方法および新規な中間体にも関する。
したがって、本開示は、式
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され、
Y
1が、水素およびアルキルから選択される)
で表される化合物を作製するための方法であって;
式
の化合物を、式:
の化合物と接触させる工程を含む方法を提供する。
本開示は、式
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
11が、アルキル、置換アルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、置換アルコキシ、アミノ、置換アミノ、カルボキシル、カルボキシルエステル、シアノ、ハロゲン、アシル、アミノアシル、ニトロ、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、および置換アルキニルから選択され;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択され;
Y
1およびY
2が、独立して、水素およびアルキルから選択され;
Ar
1が、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、および置換ヘテロアリールから選択される)
で表される化合物を作製するための方法であって;
式
(式中、X
1がハロゲンである)
の化合物を、式HNY
2Ar
1の化合物と接触させる工程を含む方法を提供する。
特定の実施形態において、上記の方法において、方法は、キラルクロマトグラフィーを用いて異性体の分離を行う工程をさらに含む。特定の実施形態において、上記の方法において、方法は、分解技術を用いて異性体の分離を行う工程をさらに含む。
本開示は、光学活性化合物を調製するための方法であって、式
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、およびR
6が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
1およびR
2が一緒にオキソ基を形成し;またはR
3およびR
4が一緒にオキソ基を形成し;またはR
5およびR
6が一緒にオキソ基を形成し;
R
7、R
8、R
9、およびR
10が、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アミノ、置換アミノ、アミノアシル、アミノアシルオキシ、オキシアミノアシル、アジド、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシルアルキル、チオール、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアミノ、アルコキシアミノ、ニトロ、−SO−アルキル、−SO−置換アルキル、−SO−アリール、−SO−ヘテロアリール、−SO
2−アルキル、−SO
2−置換アルキル、−SO
2−アリールおよび−SO
2−ヘテロアリールから選択され;またはR
7およびR
8が一緒にオキソ基を形成し;またはR
9およびR
10が一緒にオキソ基を形成し;
R
20が、水素、アルキル、および置換アルキルから選択される)
の化合物のラセミ混合物をリパーゼと接触させる工程を含む方法を提供する。
一実施形態において、上記の方法は、式I〜Vの化合物の塩を形成する工程をさらに含む。実施形態は、本明細書に記載される他の方法;および本明細書に記載される方法のいずれかによって調製される生成物に関する。
医薬組成物
開示される化合物は、少なくとも、PKC活性の阻害およびPKC活性の活性によって媒介される疾患または障害の治療に有用である。したがって、少なくとも1つの開示される化合物を含む医薬組成物も本明細書に記載される。
本発明の化合物を含む医薬組成物が、単独で、または他の補助的な活性剤と組み合わせて、患者に投与され得る。医薬組成物は、限定はされないが、従来の混合、溶解、顆粒化、糖衣錠形成、研和、乳化、被包、封入、および凍結乾燥を含む様々な方法のいずれかを用いて製造され得る。医薬組成物は、限定はされないが、滅菌溶液、懸濁液、乳剤、凍結乾燥物(lyophilisate)、錠剤、丸薬、ペレット、カプセル剤、粉末、シロップ、エリキシル剤または投与に適した任意の他の剤形を含む様々ないずれかの形態を取り得る。
本発明の化合物は、病状または症状の所望の軽減をもたらすことが可能な任意の従来の手段を用いて、宿主に投与され得る。したがって、本発明の化合物は、治療目的の投与のための様々な製剤に組み込まれ得る。より特定的に、本発明の化合物は、適切な薬学的に許容できる担体または希釈剤と組み合わせることによって医薬組成物に製剤化され、錠剤、カプセル剤、粉末、顆粒、軟膏、溶液、坐剤、注射剤、吸入剤およびエアロゾルなどの、固体、半固体、液体または気体の形態の製剤に製剤化され得る。
医薬組成物のための製剤は、当該技術分野で周知である。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton Pa.,19th Edition,1995には、開示される化合物の薬物送達に適した例示的な製剤(およびその成分)が記載されている。本発明の化合物の少なくとも1つを含む医薬組成物は、ヒトまたは動物用医薬品に使用するために製剤化され得る。開示される医薬組成物の特定の製剤は、例えば、投与方法および/または治療される感染の位置に左右され得る。ある実施形態において、製剤は、本発明の化合物などの少なくとも1つの活性成分に加えて薬学的に許容できる担体を含む。他の実施形態において、例えば、治療されるべき病気に対して同様の関連するまたは補完的な効果のある他の薬物または薬剤も、医薬組成物の活性成分として含まれ得る。
開示される方法および組成物に有用な薬学的に許容できる担体は、当該技術分野で通常のものである。医薬担体の性質は、用いられる特定の投与方法に応じて決まることになる。例えば、非経口製剤は、通常、水、生理食塩水、平衡塩類溶液、水性デキストロース、グリセロールなどの薬学的におよび生理学的に許容できる流体を賦形剤として含む注射可能な流体を含む。固体の組成物(例えば、粉末、丸薬、錠剤、またはカプセル剤の形態)の場合、従来の非毒性の固体担体としては、例えば、医薬品グレードのマンニトール、ラクトース、でんぷん、またはステアリン酸マグネシウムが挙げられる。生物学的に中性の担体に加えて、投与される医薬組成物は、湿潤剤または乳化剤、防腐剤、およびpH緩衝剤など;例えば、酢酸ナトリウムまたはソルビタンモノラウレートなどの、少量の非毒性の補助物質(例えば、賦形剤)を任意に含有し得る。他の非限定的な賦形剤としては、クレモフォール(cremophor)などの非イオン性可溶化剤、あるいはヒト血清アルブミンまたは血漿製剤などのタンパク質が挙げられる。
薬学的に許容できる担体として機能し得る材料のいくつかの例としては:(1)ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの糖類;(2)コーンスターチおよびジャガイモでんぷんなどのでんぷん;(3)ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロース、およびその誘導体;(4)粉末状のトラガカント;(5)麦芽;(6)ゼラチン;(7)タルク;(8)カカオ脂および坐薬ワックスなどの賦形剤;(9)ラッカセイ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油などの油;(10)プロピレングリコールなどのグリコール;(11)グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコールなどのポリオール;(12)オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル;(13)寒天;(14)水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤;(15)アルギン酸;(16)発熱性物質除去蒸留水;(17)等張食塩水;(18)リンゲル液;(19)エチルアルコール;(20)pH緩衝液;(21)ポリエステル、ポリカーボネートおよび/またはポリ無水物;ならびに(22)医薬製剤に用いられる他の非毒性の相溶性物質が挙げられる。
開示される医薬組成物は、開示される化合物の薬学的に許容できる塩として製剤化され得る。薬学的に許容できる塩は、遊離塩基の所望の薬理学的活性を有する化合物の遊離塩基形態の非毒性の塩である。これらの塩は、無機または有機酸から誘導され得る。本発明の化合物とともに塩を形成するのに好適な無機酸の非限定的な例は、塩酸、硝酸、臭化水素酸、硫酸、ヨウ化水素酸、およびリン酸である。本発明の化合物とともに塩を形成するのに好適な有機酸の非限定的な例は、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、メチルスルホン酸、サリチル酸、ギ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、グルコン酸、アスパラギン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などである。他の好適な薬学的に許容できる塩の一覧は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,E.W.Martin,Mack Publishing Co.,Easton Pa.,19th Edition,1995に見出される。薬学的に許容できる塩は、組成物の浸透圧を調整する働きもし得る。
本発明の化合物は、錠剤、粉末、顆粒またはカプセル剤を作製するために、単独でまたは適切な添加剤、例えば、ラクトース、マンニトール、コーンスターチまたはジャガイモでんぷんなどの従来の添加剤;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、コーンスターチまたはゼラチンなどの結合剤;コーンスターチ、ジャガイモでんぷんまたはカルボキシメチルセルロースナトリウムなどの崩壊剤;タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤;ならびに必要に応じて、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、防腐剤および着香剤と組み合わせて用いられ得る。このような製剤は、経口投与に用いられ得る。
本発明の化合物は、植物油または他の同様の油、合成脂肪族酸グリセリド、高級脂肪族酸またはプロピレングリコールのエステルなどの、水性または非水性溶媒中で;必要に応じて、可溶化剤、等張剤、懸濁化剤、乳化剤、安定剤および防腐剤などの従来の添加剤とともにそれらを溶解、懸濁または乳化させることによって、注射用の製剤に製剤化され得る。製剤はまた、乳化されてもよく、またはリポソーム賦形剤中に封入される活性成分であってもよい。注射に適した製剤は、硝子体内、眼内、筋肉内、皮下、舌下、または他の投与経路、例えば、注射によって、歯肉組織または他の口腔組織に投与され得る。このような製剤は、局所投与にも適している。
ある実施形態において、本発明の化合物は、連続送達系によって送達され得る。用語「連続送達系」は、本明細書において「制御送達系」と同義的に用いられ、カテーテル、注射器具などとともに連続(例えば、制御)送達器具(例えば、ポンプ)を包含し、これらの多種多様なものが当該技術分野で公知である。
本発明の化合物は、吸入によって投与されるべきエアロゾル製剤に用いられ得る。本発明の化合物は、ジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの許容できる加圧噴射剤に製剤化され得る。
さらに、本発明の化合物は、乳化基剤または水溶性基剤などの様々な基剤と混合することによって坐剤になり得る。本発明の化合物は、坐薬によって直腸内に投与され得る。坐薬は、体温で融解するが室温で固化される、カカオ脂、カーボワックス(carbowax)およびポリエチレングリコールなどの賦形剤を含み得る。
本明細書で使用される際の用語「単位剤形」は、ヒトおよび動物被験体の単回用量として好適な物理的に分かれた単位を指し、各単位は、薬学的に許容できる希釈剤、担体または賦形剤とともに所望の効果をもたらすのに十分な量で計算された所定の量の本発明の化合物を含有する。本発明の化合物の規格は、用いられる具体的な化合物および得ようとする効果、および宿主における各化合物と関連する薬力学的特性に応じて決まる。
開示される医薬組成物の剤形は、選択される投与方法によって決まることになる。例えば、注射可能な流体に加えて、局所用または経口用の剤形を用いてもよい。局所用製剤としては、点眼剤、軟膏、スプレー剤などが挙げられる。経口用製剤は、液体(例えば、シロップ、溶液または懸濁液)、あるいは固体(例えば、粉末、丸薬、錠剤、またはカプセル剤)であってもよい。このような剤形を作製する方法は公知であり、すなわち当業者に明らかであろう。
本発明の化合物を含む医薬組成物の特定の実施形態が、正確な用量の個々の投与に適した単位剤形で製剤化され得る。投与される活性成分の量は、治療される被験体、病気の重症度、および投与方法に応じて決まることとなり、当業者に公知である。これらの制限内で、投与されるべき製剤は、ある量の抽出物または本明細書に開示される化合物を、治療される被験体に所望の効果を与えるのに有効な量で含有する。
各治療用化合物は、独立して、本明細書に記載されるものなどの任意の剤形であってもよく、本明細書に記載されるように、様々な方法で投与することもできる。例えば、化合物は、併用製品として単一の投与単位(すなわち、カプセル剤、錠剤、粉末、または液体などの1つの形態で一緒に組み合わせられる)で一緒に製剤化され得る。あるいは、単一の投与単位で一緒に製剤化されない場合、個々の本発明の化合物が、別の治療用化合物として同時にまたはその任意の順序で連続して投与され得る。
投与方法
本発明の化合物は、プロテインキナーゼC活性を阻害することができる。したがって、本発明の化合物は、被験体のPKC活性の活性によって媒介される疾患または障害を治療するのに有用である。したがって、本発明の化合物は、被験体のT細胞の活性化と関連する疾患または障害を治療するのに有用である。
投与経路は、必ずしも以下に限定されないが、治療される病態、用いられる製剤および/または器具、治療される患者などを含む様々な要因に応じて選択される。開示される方法に有用な投与経路としては、限定はされないが、経口経路ならびに静脈内(iv)、腹腔内(ip)、直腸、局所、眼内、経鼻、および経皮などの非経口経路が挙げられる。これらの剤形の製剤化は、本明細書に記載される。
本発明の化合物の有効な量は、少なくとも、特定の使用方法、治療される被験体、病気の重症度、および治療用組成物の投与方法に応じて決まることになる。組成物の「治療的に有効な量」は、治療される被験体(宿主)に所望の効果を与えるのに十分な規定の化合物の量である。例えば、これは、被験体のPKC活性の活性によって媒介される疾患または障害を予防し、抑制し、軽減し、または緩和するのに必要な本発明の化合物の量であり得る。理想的には、化合物の治療的に有効な量は、宿主細胞に大きな細胞傷害効果を引き起こさずに、被験体のPKC活性の活性によって媒介される疾患または障害を予防し、抑制し、軽減し、または緩和するのに十分な量である。
本発明の化合物または医薬組成物の治療的に有効な用量(または増殖抑制量)は、少なくとも本明細書に開示される該当する化合物のIC50程度の高さの局所(例えば、組織)濃度を達成することを目標として、当業者によって決定され得る。
用量範囲の一例は、経口で単回または分割投与量で、体重1kg当たり約0.1〜約200mgである。特定の例において、用量範囲は、経口で単回または分割投与量で、体重1kg当たり約1.0〜約50mg、体重1kg当たり約1.0〜約25mg、体重1kg当たり約1.0〜約10mg(約70kgの平均体重を仮定しているが;値は、平均より体重が重いかまたは軽い人の場合は対応して調整される)を含め、体重1kg当たり約1.0〜約100mgである。経口投与の場合、組成物は、治療される被験体に対する用量の対症調整(symptomatic adjustment)のために、例えば、約50〜約1000mgの活性成分、特に約75mg、約100mg、約200mg、約400mg、約500mg、約600mg、約750mg、または約1000mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供される。1つの例示的な経口投薬計画において、約500mg〜約1000mgの活性成分を含有する錠剤が、少なくとも3日間にわたってそれぞれ6〜24時間、1回(例えば、負荷用量)投与された後、1/2の用量の錠剤(例えば、約250〜約500mg)が投与される。
任意の特定の被験体に対する具体的な投与量および投与の頻度は、様々であり得、本発明の化合物の活性、代謝的安定性およびその化合物の作用の長さ、被験体の年齢、体重、全体的な健康、性別および食事、投与方法および投与時間、排せつ速度、複合薬、および治療を受ける宿主の病態の重症度を含む様々な要因に応じて決まることになる。
本開示は、1つ以上の開示される化合物と、疾患または障害の治療に有用な1つ以上の他の剤または治療法との組合せも想定している。場合によっては、疾患または障害は、被験体のPKC活性の活性によって媒介される。場合によっては、疾患または障害は、細胞増殖性疾患である。例えば、1つ以上の開示される化合物は、有効な用量の他の薬物および薬剤と併用して、またはホルモンまたは放射線治療などの他の非薬物的療法と併用して投与され得る。用語「〜と併用して投与」は、活性剤の同時投与および連続投与の両方を指す。
プロテインキナーゼC
プロテインキナーゼC
PKCは、セリン/トレオニンキナーゼとして機能する酵素ファミリーである。PKCのアイソザイムは、組織分布、酵素選択性、Ca2+要求性、および調節(regulation)の点で異なる。PKCは、細胞間シグナル伝達、遺伝子発現ならびに細胞の分化および増殖の制御に重要な役割を果たす。
本発明の化合物は、PKCの選択的阻害剤、例えば、1つ以上の他のプロテインキナーゼより、例えば1つ以上のチロシンキナーゼより、例えば、1つ以上の非受容体または受容体チロシンキナーゼより、例えばPKA、PKB、Abl、Met、Src、Ins−R、Flt−3、JAK−2、KDRおよび/またはRetタンパク質のうちの1つ以上より、PKCに対して選択的な阻害剤であり得る。選択的PKC阻害剤は、任意に、1つ以上のセリン/トレオニンキナーゼ、例えば、CDKファミリーに属さない1つ以上のセリン/トレオニンキナーゼより選択的であり得る。本発明の化合物は、1つ以上の他のプロテインキナーゼより、例えば1つ以上のチロシンキナーゼより、例えばFlt−3、JAK−2、KDRおよび/またはRetタンパク質より、あるいはCDKファミリーに属さない1つ以上のセリン/トレオニンキナーゼより少なくとも10倍、または20倍、または100倍、PKCに対する選択性を示し得る。
他のプロテインキナーゼに対するPKCの選択的阻害剤の選択性は、本明細書に記載されるアッセイにおいてPKCについて測定されるIC50の、別のキナーゼについて測定されるIC50に対する比率として計算され得る。場合によっては、BMアッセイで測定されるIC50値に対する、同種混合リンパ球反応(Allogeneic Mixed Lymphocyte Reaction)(MLR)アッセイで測定されるIC50値の比率が5、10、20、または30より高いPKC阻害剤が提供される。MLRおよびBMアッセイは、公知の方法、例えば、本明細書に開示されるものなどのマウスまたはヒトMLRおよびBMアッセイにしたがって行うことができる。
本開示は、アイソザイム選択的なPKC阻害剤であり得る、PKCの阻害剤を提供し、ここで、本発明の化合物は、他のPKCアイソフォームの1つ以上より、PKCのアイソフォームθおよびαに対する選択性を有する。場合によっては、本発明の化合物は、他のPKCアイソフォームの1つ以上より、PKCのアイソフォームθに対する選択性を有する。場合によっては、本発明の化合物は、他のPKCアイソフォームの1つ以上より、PKCのアイソフォームαに対する選択性を有する。一実施形態において、開示される化合物は、少なくとも1つのPKCアイソフォームより、PKCθおよびPKCαに対する選択性を示す。
本発明の化合物は、他のPKCアイソフォームの1つ以上より少なくとも10倍、または20倍、または100倍、PKCのアイソフォームθまたはαに対する選択性を示し得る。他のPKCアイソフォームの1つ以上に対する、PKCのアイソフォームθまたはαに対する選択性は、PKCのアイソフォームθまたはαについての本発明の化合物のIC50を、他のPKCアイソフォームについての本発明の化合物のIC50と比較することによって測定され得る。場合によっては、選択性は、PKCのθまたはαアイソフォームについての本発明の化合物のIC50に対する、PKCの他のアイソフォームについての本発明の化合物のIC50の比率を計算することによって測定され得る。場合によっては、本発明の化合物は、別のPKCアイソフォームより、少なくとも約2倍、例えば、約3倍〜約300倍、約10倍〜約100倍または約5倍〜50倍、PKCθ、αまたはその両方に対する選択性を示す。IC50値は、例えば、本明細書に記載されるPKCアッセイにしたがって得られる。本発明の化合物は、本明細書に開示されるアッセイにおいて、約1nM〜約250nM、100nM未満あるいは10nM未満などの、約300nM未満などの、1μM以下の、PKCのアイソフォームθまたはαについてのIC50値を示し得る。
本発明の化合物は、PKCの他のアイソフォームを超えるPKCのアイソフォームθまたはμの選択性、ならびに他のプロテインキナーゼの1つ以上を超える、例えば1つ以上のチロシンキナーゼを超える、またはCDKファミリーに属さない1つ以上のセリン/トレオニンキナーゼを超える、例えばPKA、PKB、Abl、Met、Src、Ins−it、Flt−3、JAK−2、KDRおよびRetタンパク質のうちの1つ以上を超える、例えばFlt−3、JAK−2、KDRおよびRetタンパク質のうちの1つ以上を超える選択性を示し得る。
PKCの特定のアイソザイムは、必ずしも以下に限定されないが、癌(PKCα、βI、βII、およびδ);心臓肥大および心不全(PKCβIおよびPKCβII)痛覚(PKCγおよびε);心筋梗塞を含む虚血(PKCεおよびδ);特にT細胞介在性の免疫応答(PKCθおよびα);および線維芽細胞成長および記憶(memory)(PKCδおよびζ)を含む様々な病状の機序に関係があるとされてきた。また、PKCεの役割は、疼痛知覚に関係があるとされている。PKC阻害剤は、炎症事象および/または血管新生事象を伴う眼疾患または眼障害を治療するのに使用することもできる。
本発明の化合物は、同じ由来源の健常な組織と比較して組織におけるPKCアイソザイムの異常な高い活性を特徴とする哺乳動物(特にヒト)の病状の治療に使用され得る。PKCアイソザイムならびにPKCアイソザイムの活性の阻害による治療に適した病状および/または生物学的機能としては、必ずしも以下に限定されないが:PKCα(癌などの過剰増殖性細胞疾患);PKCβIおよびPKCβII(心臓肥大および心不全);PKCγ(疼痛管理);PKCδ(虚血、低酸素症(例えば、心筋梗塞および卒中の際など);紫外線照射によって引き起こされるアポトーシス;および異常な線維芽細胞成長(例えば、創傷治癒の際に起こり得るような));PKCε(疼痛管理、心筋機能障害);PKCθ(免疫系疾患、特にT細胞介在性の応答に関与するもの);およびPKCζ(記憶および線維芽細胞成長)が挙げられる。
PKCθ
PKCθは、主にリンパ系組織および骨格筋において発現される。PKCθは、T細胞において選択的に発現され、成熟T細胞活性化に役割を果たす。PKCθは、T細胞受容体(TCR)介在性のT細胞活性化に関与するが、TCR依存性の胸腺細胞発生の際には不要であることが示されている。PKCθは、抗原特異的T細胞と抗原提示細胞(APC)との間の細胞接触の部位へ移行し、そこで、T細胞活性化の中核においてTCRとともに局在するが、他のPKCアイソフォームではそれは起こらない。PKCθは、FasLプロモーター−レポーター遺伝子を選択的に活性化し、mRNAまたは内因性FasLの細胞表面発現を上方制御することができるが、α、ε、またはζアイソザイムではそれができない。一方、PKCθおよびεは、Fas誘発アポトーシスから細胞を保護することによってT細胞の生存を助けることができ、この保護効果は、BCL−2ファミリーメンバーBADのp90Rsk依存性リン酸化を促進することによって媒介された。したがって、PKCθは、T細胞アポトーシスにおいて二重の調節的役割を果たすようである。
PKCθ阻害剤は、Tリンパ球が介在する障害または疾患、例えば、関節リウマチ、乾癬および紅斑性狼瘡などの自己免疫疾患、ならびに喘息および炎症性腸疾患などの炎症性疾患および/またはアレルギー疾患の治療または予防に利用することができる。
PKCθは、移植および自己免疫疾患における免疫抑制のための薬剤標的である(Isakov et al.(2002)Annual Review of Immunology,20,761−794)。PCT公報の国際公開第2004/043386号パンフレットでは、PKCθが、移植拒絶反応および多発性硬化症の治療の標的であることが確認されている。PKCθは、炎症性腸疾患(The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics(2005),313(3),962−982)、喘息(国際公開第2005062918号パンフレット)、および紅斑性狼瘡(Current Drug Targets:Inflammation & Allergy(2005),4(3),295−298)にも役割を果たす。
さらに、PKCθは、消化管間質腫瘍(Blay,P.et al.(2004)Clinical Cancer Research,10,12,Pt.1)において高度に発現され、PKCθが、消化管癌の治療のための分子標的であることが示唆されている(Wiedmann,M.et al.(2005)Current Cancer Drug Targets 5(3),171)。
PKCθノックアウトマウスで行われた実験では、PKCθの失活により、骨格筋でのインスリンシグナル伝達およびグルコース輸送における脂肪誘発欠陥が予防されたという結論に至った(Kim J.et al,2004,The J.of Clinical Investigation 114(6),823)。このデータは、PKCθが、2型糖尿病の治療のための治療標的であり、したがって、PKCθ阻害剤がこのような疾患を治療するのに有用であり得ることを示す。
治療用途
本発明の化合物は、治療を必要としている被験体のPKCの活性によって媒介される、すなわち悪化される疾患または障害を治療するのに有用である。また、化合物は、被験体における異常なまたは望ましくないT細胞活性化と関連する疾患または障害を治療するのに有用である。
したがって、本開示は、炎症を治療するために有効な量の本発明の化合物(その塩または溶媒和物または立体異性体を含む)を投与することによって、被験体の炎症性疾患を治療する方法を提供する。治療に想定される炎症性疾患としては、急性炎症および慢性炎症または両方によって特徴づけられるものが挙げられる。
本開示は、自己免疫疾患を治療するために有効な量の本発明の化合物(その塩または溶媒和物または立体異性体を含む)を被験体に投与することによって、被験体の自己免疫疾患を治療する方法も提供する。
本開示は、本発明の化合物(その塩または溶媒和物または立体異性体を含む)を有効な量で投与することによって、炎症事象および/または血管新生事象を伴う眼疾患または眼障害を治療する方法も提供する。
本開示に係る治療の対象となる疾患または病態としては、限定はされないが、アテローム性動脈硬化症、心不整脈、血管形成術などの血管損傷による血管閉塞、再狭窄、肥満、X症候群、耐糖能異常、多嚢胞性卵巣症候群、高血圧症、心不全、慢性閉塞性肺疾患、アルツハイマー病または筋萎縮性側索硬化症などのCNS疾患、パーキンソン病、双極性障害が挙げられ、軸索再生を誘発するのに使用され得る。さらに、化合物は、脳性マラリヤ、敗血症性ショックまたは成人呼吸窮迫症候群、虚血/再かん流傷害、心筋梗塞、卒中、腸虚血、腎不全、出血性ショック、および外傷性ショック、例えば外傷性脳損傷の発症を阻害することなどによって、癌、AIDS、マラリヤなどの感染症を治療するのに使用され得る。一態様において、本発明の化合物は、炎症性筋疾患ならびに、デュシェンヌ型筋ジストロフィーおよび筋強直性筋ジストロフィーなどのジストロフィー疾患(dystrophic disorder)を含む筋疾患または筋障害を治療するのに有用である。
本開示に係る開示される化合物で治療され得るさらなる疾病または病態としては、限定はされないが、関節リウマチ、変形性関節症、全身性紅斑性狼瘡、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、1型もしくは2型糖尿病およびそれに付随する障害、移植拒絶反応、移植片対宿主病、呼吸器疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、炎症性肺損傷、炎症性肝臓損傷、炎症性糸球体損傷、円板状ループスを含む皮膚ループスなどの免疫介在性障害もしくは疾病の皮膚症状、炎症性および過剰増殖性皮膚疾患(乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、刺激性接触皮膚炎および他の湿疹様皮膚炎、脂漏性皮膚炎など)、炎症性眼疾患(シェーグレン症候群、角結膜炎、ブドウ膜炎など)炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性大腸炎、ギラン・バレー症候群、およびアレルギーを含むがこれらに限定されない、T細胞介在性の急性もしくは慢性の炎症性、アレルギー性、自己免疫性の疾患または障害が挙げられる。開示される化合物は、上記の障害に付随する症状を治療するのに使用され得る。特に、本発明により開示される化合物は、糖尿病性心筋症、耐糖能異常、脂肪肝疾患、肝脂肪変性、特に、非アルコール性肝脂肪変性を含む、糖尿病の合併症またはインスリン抵抗性およびそれに付随する病態を治療するのに使用され得、インスリン感受性を向上させるのに使用され得る。さらに、本発明の化合物は、代謝効率を向上させるのにも使用されてもよく、例えば、それらは、例えば、末梢動脈疾患によって引き起こされる運動不耐性および間欠性跛行を治療するのに使用され得る。
本発明の化合物はまた、自己免疫性またはアレルギー性の炎症および/または血管新生を伴う眼疾患および眼障害を予防または治療するかまたは遅延させるのに使用され得る。炎症事象および/または血管新生事象を伴う眼疾患または眼障害としては、限定はされないが、黄斑変性症(AMD)、アレルギー性結膜炎、糖尿病性網膜症を含む糖尿病性眼疾患または眼障害、ブドウ膜炎、視神経炎、眼性浮腫、眼性血管新生、虚血性網膜症、前部虚血性視神経症、視神経障害および神経炎、黄斑浮腫、類嚢胞黄斑浮腫(CME)、網膜剥離などの網膜疾患または網膜障害、網膜色素変性症(RP)、スターガルト病、ベスト卵黄様網膜変性症、レーバー先天性黒内障および他の遺伝性網膜変性、ソースビー眼底変性症、病的近視、未熟網膜症(ROP)、レーバー遺伝性視神経症、角膜移植または角膜屈折矯正手術、角結膜炎、またはドライアイが挙げられる。
一般に、本明細書に開示される本発明の化合物で治療可能な細胞増殖性疾患は、異常な細胞増殖を特徴とするあらゆる障害に関する。これらには、良性または悪性、転移性または非転移性の、様々な腫瘍および癌が含まれる。組織侵襲性または転移などの、癌の特定の特性は、本明細書に記載される方法を用いて標的化され得る。本発明の化合物を用いて治療され得る細胞増殖性疾患には、特に、乳癌、卵巣癌、腎癌、消化管間質腫瘍を含む消化管癌、ユーイング肉腫、腎臓癌、膀胱癌、膵臓癌、肺扁平上皮癌、腺癌および大細胞癌を含む非小細胞肺癌を含む肺癌を含む様々な癌が含まれる。
ある実施形態において、治療される細胞増殖性疾患は、造血器腫瘍であり、これは、造血器系の細胞の異常増殖である。造血器悪性腫瘍は、多能性幹細胞、多能性前駆細胞、寡能性前駆細胞(oligopotent committed progenitor cell)、前駆細胞、および造血に関与する末端が分化した細胞に由来し得る。いくつかの悪性血液疾患は、自己再生能を有する造血幹細胞から生じると考えられている。例えば、急性骨髄性白血病(AML)の特定のサブタイプを発現することが可能な細胞は、移植の際、造血幹細胞の細胞表面マーカーを示し、これは、造血幹細胞が白血病細胞の発生源であることを示唆している。造血幹細胞に特徴的である細胞マーカーを有さない芽細胞は、移植の際に腫瘍を形成することができないようである(Blaire et al.,1997,Blood 89:3104−3112)。特定の悪性血液疾患が幹細胞由来であることも、特定のタイプの白血病と関連する特定の染色体異常が白血病芽細胞だけでなく造血系の正常細胞に見られるという観察に裏付けられる。例えば、約95%の慢性骨髄性白血病と関連する相互転座t(9q34;22q11)は、骨髄系、赤血球系、およびリンパ系の細胞に存在するようであり、これは、染色体異常が造血幹細胞で発生することを示唆している。特定のタイプのCMLの細胞のサブグループは、造血幹細胞の細胞マーカー表現型を示す。
造血器腫瘍は幹細胞に由来することが多いが、発生系(developmental lineage)の方向付けられた(committed)前駆細胞またはより末端が分化した細胞も、ある種の白血病の発生源であり得る。例えば、一般的な骨髄性前駆細胞または顆粒球/マクロファージ前駆細胞における融合タンパク質Bcr/Abl(慢性骨髄性白血病と関連する)の強制発現は、白血病様症状をもたらす。さらに、白血病のサブタイプと関連するある染色体異常は、造血幹細胞のマーカー表現型を有する細胞集団には見られないが、造血経路のより分化した状態のマーカーを示す細胞集団には見られる(Turhan et al.,1995,Blood 85:2154−2161)。したがって、方向付けられた前駆細胞および他の分化した細胞が、細胞分裂の限られた能力を有するに過ぎないのに対し、白血病細胞は、場合によっては、造血幹細胞の自己再生特徴に類似した、無制限に増殖する能力を獲得し得る(Passegue et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2003,100:11842−9)。
ある実施形態において、治療される造血器腫瘍は、異常細胞がリンパ系の細胞の特徴的な表現型に由来し、および/またはそれを示すリンパ系腫瘍である。リンパ系腫瘍は、B細胞腫瘍、T細胞およびNK細胞腫瘍、ならびにホジキンリンパ腫に細分類され得る。B細胞腫瘍は、前駆B細胞腫瘍および成熟/末梢B細胞腫瘍にさらに細分類され得る。例示的なB細胞腫瘍は、前駆Bリンパ芽球性白血病/リンパ腫(前駆B細胞急性リンパ芽球性白血病)であるのに対し、例示的な成熟/末梢B細胞腫瘍は、B細胞慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、B細胞前リンパ球性白血病、リンパ形質細胞性リンパ腫、脾性辺縁帯B細胞リンパ腫、有毛細胞白血病、形質細胞性骨髄腫/形質細胞腫、MALT型節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出液リンパ腫、およびバーキットリンパ腫/バーキット細胞白血病である。T細胞およびNk細胞腫瘍は、前駆T細胞腫瘍および成熟(抹消)T細胞腫瘍にさらに細分類される。例示的な前駆T細胞腫瘍が、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病(前駆T細胞急性リンパ芽球性白血病)であるのに対し、例示的な成熟(抹消)T細胞腫瘍は、T細胞前リンパ球性白血病、T細胞顆粒リンパ球性白血病、侵攻性NK細胞白血病、成人T細胞リンパ腫/白血病(HTLV−1)、節外性NK/T細胞リンパ腫、経鼻型、腸症型T細胞リンパ腫、肝脾ガンマ−デルタT細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、菌状息肉腫/セザリー症候群、未分化大細胞型リンパ腫、T/ヌル細胞、皮膚原発型、抹消T細胞リンパ腫、特に特徴付けられない限り、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、未分化大細胞型リンパ腫、T/ヌル細胞、全身原発型である。リンパ系腫瘍の第3のメンバーは、ホジキン病とも呼ばれるホジキンリンパ腫である。本化合物で治療され得るこのクラスの例示的な診断には、特に、結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫、および様々な古典的な形態のホジキン病が含まれ、その例示的なメンバーは、結節硬化型ホジキンリンパ腫(悪性度1および2)、リンパ球豊富型古典的ホジキンリンパ腫、混合細胞型ホジキンリンパ腫、およびリンパ球減少型ホジキンリンパ腫である。
ある実施形態において、治療される造血器腫瘍は、骨髄性腫瘍である。このグループは、骨髄系の細胞の特徴的な表現型に関連するかまたはそれを示す細胞増殖性疾患の大きいクラスを含む。骨髄性腫瘍は、骨髄増殖性疾患、骨髄異形成/骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、および急性骨髄性白血病に細分類され得る。例示的な骨髄増殖性疾患は、慢性骨髄性白血病(例えば、フィラデルフィア染色体陽性(t(9;22)(qq34;q11))、慢性好中球性白血病、慢性好酸球性白血病好酸球増加症候群、慢性特発性骨髄線維症、真性赤血球増加症、および本態性血小板血症である。例示的な骨髄異形成/骨髄増殖性疾患は、慢性骨髄単球性白血病、異型慢性骨髄性白血病、および若年性骨髄単球性白血病である。例示的な骨髄異形成症候群は、環状鉄芽球を伴うおよび環状鉄芽球を伴わない不応性貧血、多血球系異形成を伴う難治性血球減少(骨髄異形成症候群)、芽球増加を伴う不応性貧血(骨髄異形成症候群)、5q−症候群、およびt(9;12)(q22;p12)の骨髄異形成症候群(TEL−Syk融合;例えば、Kuno et al.,2001,Blood 97:1050を参照されたい)である。
ある実施形態において、組成物は、疾患の下位分類をそれ自身が有する骨髄性腫瘍の大きなクラスを代表する急性骨髄性白血病(AML)を治療するのに用いられ得る。これらの下位分類には、特に、再現性のある細胞遺伝学的転座(recurrent cytogenetic translocation)を伴うAML、多血球系異形成を伴うAML、および特に分類されていない他のAMLが含まれる。再現性のある細胞遺伝学的転座を伴う例示的なAMLには、特に、t(8;21)(q22;q22)のAML、AML1(CBF−α)/ETO、急性前骨髄球性白血病(t(15;17)(q22;q11−12)のAMLおよびその変異体、PML/RAR−α)、骨髄血中好酸球異常を伴うAML(inv(16)(p13q22)またはt(16;16)(p13;q11)、CBFb/MYH11X)、および11q23(MLL)異常を伴うAMLが含まれる。多血球系異形成を伴う例示的なAMLは、前骨髄異形成症候群と関連するかまたは関連しないものである。いずれかの定義可能な群に分類されていない他の急性骨髄性白血病には、最未分化型AML、未分化型AML、分化型AML、急性骨髄単球性白血病、急性単球性白血病、急性赤白血病、急性巨核球性白血病、急性好塩基球性白血病、および骨髄線維症を伴う急性汎骨髄症が含まれる。
他の態様において、細胞増殖性疾患は、ウイルス媒介腫瘍を含む。これらは、正常細胞を腫瘍細胞に変える能力を有する癌性ウイルスによる細胞の感染から生じ得る。ウイルス感染の速度は、細胞形質転換の実際の発生数をはるかに超えるため、ウイルス媒介形質転換は、一般に、形質転換された腫瘍細胞を生成するための他の細胞因子とともに作用する。したがって、ウイルス媒介腫瘍では、ウイルスが細胞増殖性疾患の唯一の原因物質である必要はなく、ウイルス感染またはウイルスの持続的な存在が、腫瘍の発生と関連している必要がある。一般に、原因物質がウイルスである腫瘍は、典型的に、限られた数のウイルス遺伝子の連続的な発現を有し、ウイルス感染の一環としてまたはウイルスの持続によって発現されるこれらのウイルス性の腫瘍遺伝子は、正常細胞の遺伝子発現およびシグナル伝達経路を破壊する。理論によって制約されるものではないが、細胞形質転換に関与するウイルス性の腫瘍遺伝子は、以下の4つの主な細胞過程を破壊するようである:増殖因子および細胞外基質と相互作用する細胞表面受容体、膜貫通シグナル伝達ネットワーク、可溶性タンパク質および二次メッセンジャーなどの細胞質要素、ならびにDNA結合タンパク質および遺伝子調節および複製に直接および間接的に機能する因子を含む核タンパク質。
機能特性の特性決定
以下は、対象となる化合物の活性を特性決定するのに有用な例示的なアッセイである。
A.インビトロ
1.プロテインキナーゼCアッセイ
異なる濃度の阻害剤で、蛍光偏光によってリン酸化ペプチドの生成を監視することによって、PKC活性の阻害を測定する。20mMのHEPES、pH7.4、5mMのMgCl2、0.2mMのCaCl2、1mMのDTT、0.02%のBrij−35、0.1mg/mlのホスファチジルセリン、0.02mg/mlのジオレオイル−sn−グリセロールおよびそれぞれ5μMのATPおよびペプチド基質を含む20μLの全体積を有する96ウェルプレートフォーマットで反応を行う。化合物をまずDMSOで連続的に希釈し、次に上記の濃度のHEPES、MgCl2、CaCl2、DTT、およびBrij−35を含む溶液に移して、2%のDMSOに溶解させた5倍の化合物溶液を生成し、次にそれを反応溶液に加える。以下の表に記載される典型的な濃度でPKCを加えることによって反応を開始し、次に室温で20分間インキュベートさせた。この時間の最後に、クエンチ試薬(EDTA)と検出試薬(ペプチドトレーサーおよび抗体)との組合せを、Invitrogen P2748のプロトコル(Carlsbad,CA)、プロテインキナーゼC Fluorescence polarization Assay Kitを用いて加えた。30分間のインキュベーションの後、生成されたリン酸化ペプチドの量を、Tecan Polarian instrument(Switzerland)を用いた蛍光偏光(Ex=485nm、Em=535nm)によって測定する。
2.IL−2 ELISA、ヒト初代T細胞、抗CD3+CD28+アッセイ
ヒト初代T細胞単離および培養:ヒト初代T細胞を以下のとおりに調製した。All Cells製の新鮮なPBMC(カタログ番号PB002)を、10%のFBSを含むRPMI(L−グルタミンを含むRPMI−1640;Mediatech,Inc.,Herndon VA、カタログ番号10−040−CM)中で再懸濁し、フラスコ中に播種し、37℃で2時間インキュベートして、単球を付着させた。次に、付着していない細胞を遠心分離し、40U/mlのIL2を含むRPMI培地中で再懸濁し、1μg/mlのaCD3および5ug/mlのaCD28(抗ヒトCD3、BD Pharmingenカタログ番号555336、抗ヒトCD28、Beckman Coulterカタログ番号IM1376)を予め塗布したフラスコ中に播種した。細胞を3〜4日間刺激し、次に新しいフラスコに移し、10%のFBSおよび40U/mlのIL−2を含むRPMI(L−グルタミンを含むRPMI−1640;Mediatech,Inc.,Herndon VA、カタログ番号10−040−CM)中で維持した。
初代T細胞の刺激およびIL2 ELISA:ヒト初代T細胞(ウェル当たり100,000個の細胞)を、L−グルタミンおよび10%のFBSを含むRPMI−1640中、37℃で1時間、試験化合物を用いるかまたは用いずにプレインキュベートした。次に、細胞を、1μg/mlのαCD3および5μg/mlのαCD28を予め塗布した丸底96ウェルプレートに移すことによって刺激した。カウンターアッセイの場合、その代わりに、L−グルタミンおよび10%のFBSを含むRPMI−1640に溶解させたPMAおよびイオノマイシンの8倍原液(最終濃度が0.5ng/mlのPMAおよび0.1μMのイオノマイシン、両方ともCalbiochem製)を加えることによって細胞を刺激した。細胞を37℃で24時間インキュベートしてから、R and D Systems製のHuman IL−2 Duoset ELISA Kit、カタログ番号DY202Eを用いたELISAによるIL−2の定量化のために、100μLの上清を採取した。
3.プロテインキナーゼCアッセイ
本発明の化合物は、以下の方法にしたがって、様々なPKCアイソフォームに対する活性について試験され得る。非結合表面を有する透明底を有する白色の(white with clear bottom)384ウェルマイクロタイタープレートにおいてアッセイを行う。反応混合物(25μl)は、Ala→Ser置換を有するPKCαの擬基質配列を模倣する1.5μMのトリデカペプチド受容体基質、10μMの33P−ATP、10mMのMg(NO3)2、0.2mMのCaCl2、タンパク質濃度が(用いられるアイソタイプに応じて)25〜400ng/mlと様々であるPKG、0.5mMの最終的な脂質濃度における脂質小胞(30mol%のホスファチジルセリン、5mol%のDAGおよび65mol%のホスファチジルコリンを含有する)を、20mMのトリス−HCl緩衝液pH7.4+0.1%のBSAに溶解させて含有する。室温で60分間、インキュベーションを行う。50μlの停止混合物(stop mix)(Ca、Mgを含まないリン酸緩衝生理食塩水に溶解させた、100mMのEDTA、200μMのATP、0.1%のTriton X−100、ウェル当たり0.375mgのストレプトアビジン被覆SPAビーズ)を加えることによって、反応を停止する。室温で10分間インキュベーションした後、懸濁液を、300gで10分間遠心分離させる。取り込まれた放射活性をTriluxカウンターで1分間測定する。1〜1000μMの範囲の濃度における阻害剤の連続希釈液をインキュベートすることによって、IC50測定を定法で行う。XL Fit(登録商標)ソフトウェアを用いた曲線適合によって、グラフからIC50値を計算する。
4.プロテインキナーゼCαアッセイ
ヒト組み換えPKCαをOxford Biomedical Researchから入手し、上記の項A.1に記載されるアッセイ条件下で使用する。
5.プロテインキナーゼCβ1アッセイ
ヒト組み換えPKCβ1をOxford Biomedical Researchから入手し、上記の項A.1に記載されるアッセイ条件下で使用する。
6.プロテインキナーゼCδアッセイ
ヒト組み換えPKCδをOxford Biomedical Researchから入手し、上記の項A.1に記載されるアッセイ条件下で使用する。
7.プロテインキナーゼCεアッセイ
ヒト組み換えPKCεをOxford Biomedical Researchから入手し、上記の項A.1に記載されるアッセイ条件下で使用する。
8.プロテインキナーゼCηアッセイ
ヒト組み換えPKCηをPanVeraから入手し、上記の項A.1に記載されるアッセイ条件下で使用する。
9.プロテインキナーゼCθアッセイ
ヒト組み換えPKCθを上記のアッセイ条件下で使用する。
10.CD28共刺激アッセイ
Baumann G et al.Transplant.Proc.1992;24:43−8によって記載されるようにヒトインターロイキン−2プロモーター/レポーター遺伝子構築物でトランスフェクトしたジャーカット細胞を用いてアッセイを行うが、β−ガラクトシダーゼレポーター遺伝子の代わりにルシフェラーゼ遺伝子を用いる(de Wet J.,et al.,Mol.Cell.Biol.1987,7(2),725−737)。固相結合抗体または酢酸ミリスチン酸ホルボール(PMA)およびCa++イオノフォアイオノマイシンによって、細胞を以下のとおりに刺激する。抗体介在刺激のために、Microlite TM1マイクロタイタープレート(Dynatech)に、ウェル当たり55μlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中の3μg/mlのヤギ抗マウスIgG Fc抗体(Jackson)を、室温で3時間塗布する。プレートを、抗体を除去した後、PBS(ウェル当たり300μl)中の2%のウシ血清アルブミン(BSA)で、室温で2時間インキュベートすることによってブロックする。ウェル当たり300μlのPBSで3回洗浄した後、10ng/mlの抗T細胞受容体抗体(WT31、Becton & Dickinson)および50μlの2%のBSA/PBS中の300ng/mlの抗CD28抗体(15E8)を刺激抗体として加え、4℃で一晩インキュベートする。最後に、プレートを、ウェル当たり300μlのPBSで3回洗浄する。アッセイ培地(50μMの2−メルカプトエタノール、100単位/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンを含有するRPMI 1640/10%のウシ胎仔血清(FCS))中の試験化合物の7回の3倍連続希釈液をデュプリケートで別のプレートで調製し、トランスフェクトしたジャーカット細胞(クローンK22 290_H23)と混合し、5%のCO2中で、37℃で30分間インキュベートする。次に、1×105個の細胞を含有する100μlのこの混合物を、抗体被覆アッセイプレートに移す。並行して、100μlを40ng/mlのPMAおよび2μMのイオノマイシンとインキュベートする。5%のCO2中で、37℃で5.5時間インキュベートした後、ルシフェラーゼのレベルを、生物発光測定によって測定する。プレートを500gで10分間遠心分離し、上清を軽打により除去する。25mMのトリス−リン酸、pH7.8、2mMのDTT、2mMの1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N−四酢酸、10%(v/v)のグリセロールおよび1%(v/v)のTriton X−100を含有する溶解緩液剤を加える(ウェル当たり20μl)。プレートを、室温で10分間、継続的に振とうさせながらインキュベートする。20mMのトリシン、1.07mMの(MgCO3)4Mg(OH)2×5H2O、2.67mMのMgSO4、0.1mMのEDTA、33.3mMのDTT、270μMのコエンザイムA、470μMのルシフェリン(Chemie Brunschwig AG)、530μMのATP、pH7.8を含有するルシフェラーゼ反応緩衝液をウェル当たり50μl自動添加した後、ルシフェラーゼ活性を生物発光リーダー(Labsystem,Helsinki,Finland)で評価する。遅延時間は0.5秒間であり、全測定時間は1または2秒間である。低い対照値は、抗T細胞受容体−またはPMA−刺激細胞からの光単位であり、高い対照は、試験試料なしの抗T細胞受容体/抗CD28−またはPMA/イオノマイシン−刺激細胞からのものである。低い対照を全ての値から引く。試験化合物の存在下で得られる阻害を、高い対照の阻害率として計算する。50%の阻害をもたらす試験化合物の濃度(IC50)を用量応答曲線から求める。
11.骨髄増殖(BM)アッセイ
CBAマウス由来の骨髄細胞(平底組織培養マイクロタイタープレートのウェル当たり、2.5×104個の細胞)を、10%のFCS、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(Gibco BRL,Basel,Switzerland)、50tJMの2−メルカプトエタノール(Fluke,Buchs,Switzerland)、WEHI−3馴化培地(7.5% v/v)およびL929馴化培地(3% v/v)を増殖因子の供給源として、ならびに連続希釈した化合物を含有する100μlのRPMI培地中でインキュベートする。試験化合物当たり、7回の3倍希釈工程をデュプリケートで行う。4日間のインキュベーションの後、1μCiの3H−チミジンを加える。さらに5時間のインキュベーション期間の後、細胞を採取し、取り込まれた3H−チミジンを、標準的な手順にしたがって測定する。馴化培地を以下のとおりに調製する。WEHI−3細胞l(ATCC TIB68)およびL929細胞(ATCC CCL 1)を、RPMI培地中で、それぞれ4日間および1週間、コンフルエンスまで増殖させる。細胞を採取し、同じ培養フラスコ中で、WEHI−3細胞については1%のFCSを含有する培地C(Schreier and Tees 1981)中で、およびL929細胞についてはRPMI培地中で再懸濁し、2日間(WEHI−3)または1週間(L929)インキュベートする。上清を回収し、0.2μmを通してろ過し、アリコートで、−80℃で貯蔵する。試験化合物なしおよびWEHI−3およびL929上清なしの培養物を、低い対照値として使用する。低い対照値を全ての値から引く。試料なしの高い対照を、100%の増殖とみなす。試料による阻害率を計算し、50%の阻害に必要な濃度(IC50値)を求める。
12.同種混合リンパ球反応(MLR)
2方向MLRを、標準的な手順にしたがって行う(J.Immunol.Methods,1973,2,279およびMeo T.et al.,Immunological Methods,New York,Academic Press,1979,227−39)。簡潔に述べると、CBAおよびBALB/cマウス由来の脾臓細胞(平底組織培養マイクロタイタープレートのウェル当たり各系統から1.6×105個の細胞、合計で3.2×105個)を、10%のFCS、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン(Gibco BRL,Basel,Switzerland)、50μMの2−メルカプトエタノール(Fluka,Buchs,Switzerland)および連続希釈した化合物を含有するRPMI培地中でインキュベートする。試験化合物当たり、7回の3倍希釈工程をデュプリケートで行う。4日間のインキュベーションの後、1μCiの3H−チミジンを加える。さらに5時間のインキュベーション期間の後、細胞を採取し、取り込まれた3H−チミジンを、標準的な手順にしたがって測定する。MLRの背景値(低い対照)は、BALB/c細胞単独の増殖である。低い対照を全ての値から引く。試料なしの高い対照を、100%の増殖とみなす。試料による阻害率を計算し、50%の阻害に必要な濃度(IC50値)を求める。
B.インビボ
心臓移植モデル
以下の系統の組合せを使用する:雄のLewis(RT1ハプロタイプ)およびBN(RT1ハプロタイプ)。吸入イソフルランを用いて動物に麻酔をかける。ドナーラットを、大動脈を介して同時に放血しながら、腹部下大静脈を通してヘパリン処理した後、開胸し、心臓を迅速に冷却する。大動脈を結紮し、最初の分枝の遠位で分割し、腕頭動脈を第一分岐点で分ける。左肺動脈を結紮し、分割し、右側は分けるが左側は開けたままにする。全ての他の血管を自由に切断し、結紮し、分割し、ドナーの心臓を氷冷生理食塩水中に取り出す。
腎動脈下腹部大動脈および大静脈の切開および遮断(cross−clamping)によってレシピエントを準備する。ドナーの腕頭動脈とレシピエントの大動脈との間およびドナーの右肺動脈とレシピエントの大静脈との間で、1010モノフィラメント縫合糸を用いた端側吻合で、移植片を移植する。クランプを外し、移植片を後腹部でつなぎ、腹腔内容物を温生理食塩水で洗浄し、動物を閉じ、加熱ランプ下で回復させる。腹壁を介したドナーの心拍を毎日触診することによって、移植片の生存を監視する。心拍が停止したとき、完全に拒絶されたとみなす。化合物で処置した動物において移植片の生存を監視する。
移植片対宿主モデル
Wistar/Fラット由来の脾臓細胞(2×107個)を、(Wistar/F×Fischer 344)F1交配ラットの右後足蹠に皮下注射する。左足蹠は処置せずにおく。動物を、連続4日間(0〜3)試験化合物で処置する。膝窩リンパ節を7日目に取り除き、2つの対応するリンパ節の重量差を求める。結果を、実験群のリンパ節の重量差を、試験化合物で処置せずにおいた動物の群に由来する対応するリンパ節の重量差と比較したリンパ節肥大の阻害(パーセントで示す)として表す。場合によっては、試験化合物は、選択的PKC阻害剤である。例えば、移植片対宿主病および関連障害を治療するのに特に有用な開示される化合物は、選択的PKCαおよびθ阻害剤である。
ラットのコラーゲン誘発関節炎モデル
関節リウマチ(RA)は、最終的には不可逆的軟骨破壊につながる慢性的な関節の炎症を特徴とする。RA患者の滑膜組織にはIgGを含有するICが豊富である。これらの複合体がこの疾患の病因および病理に果たす役割についてはいまだに論議が続いているが、ICは、FcγRを介して造血細胞と連絡している。
CIAは、パンヌス形成および関節の分解を特徴とする慢性炎症性滑膜炎を引き起こすRAの広く受け入れられた動物モデルである。このモデルにおいて、不完全フロイントアジュバントで乳化された天然II型コラーゲンによる皮内免疫により、10日または11日以内に炎症性多発性関節炎が、続いて3〜4週間で関節破壊が起こる。
試験プロトコル
0日目に、同種LOUラットを天然II型コラーゲンで免疫し、試験化合物の有効性を、予防計画および治療計画において評価する。予防プロトコルにおいて、賦形剤または様々な用量の試験化合物のいずれかを、免疫日(0日目)に開始される強制経口投与によって投与する。治療プロトコルにおいて、10日目に関節炎の臨床兆候が発生した後、試験化合物による処置を開始し(例えば、強制経口投与による300mg/kgを1日1回(qd))、28日目に死亡するまで続ける。両方のプロトコルにおいて、臨床スコアを毎日取得し、体重を週に2回測定する。28日目に、放射線スコアを取得し、II型コラーゲン抗体の血中濃度をELISAによって測定する。
結果の決定
免疫後10日目までに、ラットの関節炎スコアの増加によって判断されるように、ラットに臨床CIAが発症し得る。10日目以降に賦形剤のみで処置されるラットにおいて、平均関節炎スコアは徐々に増加し、28日目までには、平均臨床スコアは、約6.75に達し得る。免疫日(0日目)から試験化合物で処置された動物の平均臨床スコアは、10〜28日目に賦形剤の対照と比較して著しく減少し得る。発病時に試験化合物で処置されたラットにおいて、16日目辺りからの関節炎スコアが著しく下がり始め、この差異は、28日目の試験終了時まで見られる。
盲放射線スコア(blinded radiographic score)(スケール0〜6)をCIAの28日目に取得することができ、賦形剤群の動物と、予防群の動物と、治療群の動物とを比較する。
予防として(免疫時)または発病後のいずれであれ、試験化合物を投与された群は、びらんの進行が妨げられ得、軟組織の腫れが減少した。同様に、試験化合物を投与された群は、血清抗II型コラーゲン抗体が減少し得た。
マウスの実験的自己免疫性脳脊髄炎
自己免疫疾患に対する試験化合物の生体内での有効性が、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)のマウスモデルで実証され得る。
モデルの説明
EAEは、CNS白質の免疫細胞の浸潤によって引き起こされるCNSの自己免疫疾患である多発性硬化症(MS)の有用なモデルである。炎症、およびその結果起こるミエリンの破壊により、進行性麻痺が生じる。ヒトの疾患と同様に、EAEは、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、プロテオリピドタンパク質(PLP)、またはミエリン乏突起膠細胞タンパク質(MOG)などのミエリンタンパク質と自己反応性のT細胞の末梢の活性化と関連する。活性化された神経抗原特異的T細胞は、血液脳関門を通過し、病巣の単核細胞浸潤および脱髄を招く。アジュバントと組み合わせたミエリン特異的タンパク質で免疫することによって、影響を受けやすいマウス種にEAEを誘発することができる。これらの試験に使用されるSJLマウスモデルにおいて、免疫の10日後までに後肢および尾の麻痺が見られ、疾患重症度のピークは、10日目〜14日目に観察され、部分的な自然回復とその後の再発のサイクルが、35日目まで観察される。結果は、試験化合物が疾患重症度を抑制し、免疫細胞からのFcγR介在性のサイトカイン放出の結果であり得る病状の再発を予防する可能性を実証することができる。
試験プロトコル
EAEのSJLマウスモデルにおいて、各マウスをPLP/CFAにより感作させる(合計0.2mlの乳剤に対し、150μgのPLP139−151と、後部わき腹の4箇所のホモジネート0.05ml中の200μgのCFAが、EAEを誘発するのに使用される)。抑制のプロトコルにおいて、賦形剤または様々な用量の試験化合物のいずれかを、免疫日(0日目)に開始される強制経口投与によって投与する。治療プロトコルにおいて、発病時に、発病時の平均臨床スコアが近い群が得られるように動物を分け、賦形剤または様々な用量頻度の試験化合物を強制経口投与によって投与する。両方のプロトコルにおいて、臨床スコアを毎日監視し、体重を週に2回測定する。
結果の決定
PLP免疫の10日後までに、SJLマウスの平均臨床スコアの増加によって証明されるように、SJLマウスに臨床EAEが発症し得る。免疫日(0日目)から賦形剤のみで処置された動物の麻痺スコアは徐々に増加し得、14日目までには、平均スコアは、約5.1のピークに達し得る。疾患のピーク時(例えば、14日目)、毎日または1日2回処置された動物の平均臨床スコアは著しく減少し得る。16日目までには、動物は、部分的な平均臨床重症度の寛解を示すことができ、これはSJLモデルの特徴である。試験化合物で1日2回処置された動物のより低い臨床スコアは、実験の期間中、動物が30日目に死亡するまで有意なままであり得る。処置期間中にわたるこれらのより低いスコアは、著しく低い累積疾患指数(CDI)および累積重量指数(CWI)の増加に反映される。
発病時(例えば、11日目)に試験化合物で処置されたSJLマウスは、CDIの著しい減少を示し得る。さらに、賦形剤で処置された動物の再発数と比較して、試験化合物で処置された動物の再発数は減少し得る。
研究用途
本発明の化合物はPKC活性を阻害するため、このような化合物は、研究手段としても有用である。本開示は、生物系または生体試料を研究するため、またはPKC活性を阻害し得る新規な化学化合物を発見するための研究手段として本発明の化合物を使用する方法も提供する。
本開示は、PKCを含むことが知られている生物系または生体試料を研究する方法であって、(a)式I〜Vの化合物あるいはその塩または溶媒和物または立体異性体と生体試料を接触させる工程と;(b)生体試料に対する化合物によって生じる阻害効果を測定する工程とを含む方法を提供する。
PKCを有する任意の好適な生体試料は、インビボまたはインビトロのいずれかで行うことが可能なこのような試験に用いられ得る。このような試験に適した代表的な生体試料としては、限定はされないが、細胞、細胞抽出物、細胞膜、組織試料、摘出臓器、哺乳動物(マウス、ラット、モルモット、ウサギ、イヌ、ブタ、ヒトなど)などが挙げられ、哺乳動物が特に対象とされる。
研究手段として使用される際、PKCを含む生体試料を、典型的に、PKC活性を阻害する量の本発明の化合物と接触させる。生体試料を化合物に曝露した後、PKC活性の阻害の効果を、本明細書に開示されるアッセイなどの従来の手順および機器を用いて測定する。曝露は、生体試料を化合物と接触させる工程または化合物を被験体に投与する工程を包含する。測定工程は、応答を測定する工程(定量分析)を含んでもよく、または観察を行う工程(定性分析)を含んでもよい。応答を測定する工程は、例えば、放射性リガンド結合アッセイなどの従来の手順および機器を用いて生体試料に対する化合物の効果を測定する工程および機能アッセイでリガンド媒介変化を測定する工程を含む。アッセイの結果を用いて、活性レベル、ならびに所望の結果を得るのに必要な化合物の量、すなわち、PKC活性を阻害する量を決定することができる。
さらに、本発明の化合物は、他の化学化合物を評価するための研究手段として使用することができ、このため、例えば、PKC阻害活性を有する新規な化合物を発見するためのスクリーニングアッセイにも有用である。このように、本発明の化合物はアッセイにおいて標準として用いられて、試験化合物によって得られる結果と、本発明の化合物によって得られる結果との比較を可能にして、ほぼ同等のまたはより優れた活性を有する試験化合物がある場合に同定することができる。例えば、試験化合物または試験化合物の群のIC50データを、本発明の化合物のIC50データと比較して、所望の特性を有する試験化合物、例えば、本発明の化合物とほぼ同等のまたはより優れたIC50を有する試験化合物がある場合に同定する。
この態様は、別個の実施形態として、比較データの生成(適切なアッセイを用いる)および対象とする試験化合物を同定するための試験データの分析の両方を含む。したがって、試験化合物は、(a)試験化合物を用いて生物学的アッセイを行って、第1の分析値を得る工程と;(b)本発明の化合物を用いて生物学的アッセイを行って、第2の分析値を得る工程であって;工程(a)が、工程(b)の前、その後、または同時に行われる工程と;(c)工程(a)の第1の分析値を、工程(b)の第2の分析値とを比較する工程とを含む方法によって、生物学的アッセイにおいて評価され得る。PKCアッセイなどの、比較データの生成に使用され得るアッセイは、本明細書に開示される。
以下の実施例は、実施形態を作製し、使用する方法の完全な開示および説明を当業者に提供するために記載され、発明者らが本発明として認識する範囲を限定することも、以下の実験が行われる全てまたは唯一の実験であることを表すことも意図されていない。使用される数値(例えば、量、温度など)についての正確性を確保するための努力がなされたが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。有機合成および医薬品化学の当業者によって理解されるであろうように、以下に記載される具体的な条件が例示的なものであり、変更することができ、定法により他の試薬および製品に適合させることができる。特に示されない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。一般的な略語が用いられ得る。
実施例において言及される際、HPLCおよびLCMSプロトコルは、以下のとおりである。
キラルHPLC方法:
オクタヒドロインドリジン部分の合成
実施例1:(RS,SR,RR,SS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの合成
(R/S)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オンの調製:
全体が参照により本明細書に援用されるJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1986,447−453に記載されるように、化合物を調製した。
4−アミノブチルアルデヒドジエチルアセタール(6.4g、39.7mmol)および酸化メシチル(20ml、175.2mmol)をそのまま混合し、室温で1時間撹拌した。この後、反応混合物を2.5MのHClで抽出し、抽出物をエーテルで洗浄した。水層を3時間にわたって還流状態で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、体積を約50%だけ減少させた。濃縮された水層を氷上で冷却し、塩化メチレン(約100ml)で希釈した。混合物を、水酸化カリウム水溶液で塩基性化し、層を分離した。水層を塩化メチレン(100ml)でさらに抽出し、組み合わされた有機抽出物を炭酸カリウム水溶液で洗浄した。有機層を炭酸カリウム上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。純粋なEtOAcで溶離する、シリカゲルにおけるフラッシュカラムクロマトグラフィーによる精製により、生成物が淡黄色の油、3.2g(48%の収率)として得られた。混合物を、(カラムクロマトグラフィーの代わりに)K2CO3からの蒸留によって精製して、同様の収率のケトンを得ることもできる。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ:3.02(dt,J=8.8、3.6Hz、1H)、2.74〜2.84(m,1H)、2.38〜2.54(m,3H)、2.09〜2.24(m,2H)、1.86〜2.02(m,2H)、1.72〜1.82(m,1H)、1.45〜1.57(m,1H)、1.24(s,3H)、0.92(s,3H)。
(R/S)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン−オキシムの調製:
全体が参照により本明細書に援用されるJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1986,447−453に記載されるように、化合物を調製した。
EtOH(10ml)およびピリジン(10ml)中の(R,S)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン−オキシム(2.9g、17.3mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(1.2g、17.3mmol)との混合物を、加熱還流させ、混合物を2時間撹拌した。高粘度の沈殿物が発生する。反応混合物を室温に冷ました後、混合物を−18℃の冷凍庫に入れ、ここで、それを1時間放置した。次に、混合物をろ過し、ろ過ケーキを低温のEtOH(2×5ml)で洗浄したところ、オキシム(3.00g、95%)が固体として得られた。
LCMS(m/z):183(MH+)、RT=0.89分。(プロトコル−1)
(R/S,S/R,R/R,S/S)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの調製:
(R,S)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン−オキシム(3.2g、17.6mmol)をAcOH(30ml)に溶解させた。透明の溶液をParr水素化フラスコに移し、窒素下に置いた。PtO2(0.5g)を窒素下でParrフラスコに加えた。次に、混合物をParr水素化装置に移し、排気し、水素(×3)を充填した。LC/MSおよびTLCがアミンへの完全な反応を示すまで、混合物を(任意に、水素を補充しながら)55〜60psiで水素化した。完全な反応の後、混合物を窒素下に置き、Celiteの小さいパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをMeOH(×3)で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮したところ、オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンが塩として残り−収量は定量的であると推定される(yield assumed quantitative)、高真空下で乾燥させた後、アミンを置換反応に直接使用した。
(R/S,S/R,R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの調製:
MeOH/H2O(50:10)中の、オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン酢酸塩(4.1g、14.1mmol)と、ジクロロ−5−フルオロピリミジン(2.83g、17mmol)と、NaHCO3(3.6g、42.4mmol)との混合物を、45℃で12時間撹拌した。両方のジアステレオマーをLC/MSおよびTLCによって検出した。揮発物を除去し、100mlの、ジオキサン中4NのHClを、粗反応混合物に加えた。揮発物を除去し、粗混合物をシリカゲル上に吸着させた。溶離液としてDCM/MeOH中2NのNH3(90:10)を用いてジアステレオマーを分離するために、Combi−flashカラムクロマトグラフィーを行った。カラム精製により、生成物が74%の収率(3.1g)で2つのジアステレオマー[各ジアステレオマーが、2つの鏡像異性体の混合物である]の混合物としてが得られた。
全体が参照により本明細書に援用されるJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1986,447−453において使用されるNa/ペンタノール還元の使用によって、所望の異性体が約6:1の比率で調製され得ることに留意されたい。
実施例2:N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンのクロマトグラフィー
(R/S,S/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンおよび(S/SおよびR/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの調製:
MeOH/H
2O(50:10)中の、オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン酢酸塩(4.1g、14.1mmol)と、ジクロロ−5−フルオロピリミジン(2.8g、17mmol)と、NaHCO
3(3.6g、42.4mmol)との混合物を、45℃で12時間撹拌した。両方のジアステレオマーをLC/MSおよびTLCによって検出した。揮発物を除去し、100mlの、ジオキサン中4NのHClを粗反応混合物に加えた。揮発物を除去し、粗混合物をシリカゲル上に吸着させた。溶離液としてDCM/MeOH中2NのNH
3(95:5)を用いてジアステレオマーを分離するために、Combiflashカラムクロマトグラフィーを行った。カラム精製により、分離されたジアステレオマーD1およびD2が、HCl塩としてそれぞれ12%の収率(0.5g)および62%の収率(2.6g)で得られた。
少量の各ジアステレオマーを、1NのNaOH水溶液で中和し、分析した。1NのNaOH水溶液を、EtOAc(10ml)中のジアステレオマーHCl塩(50mg)に加え、層を分離した。水層をEtOAc(10ml)で2回、後処理し(work up)、組み合わされた有機層をNa2SO4上で乾燥させた。減圧下での揮発物の除去により、生成物が得られた。
(R/S,S/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D1):[単一のジアステレオマー、鏡像異性体の混合物]についてのデータ
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ:7.84(dd,J=2.8、1.4Hz、1H)、5.02(br.s,1H)、4.17〜4.27(m,1H)、2.97(dt,J=8.5、2.8Hz、1H)、2.57〜2.51(m,1H)、2.38(q,J=8.5Hz、1H)、2.26(dd,J=11.8、1.6Hz、1H)、1.79〜1.90(m,2H)、1.64〜1.78(m,2H)、1.33〜1.47(m,2H)、1.23〜1.26(m,1H)、1.19(s,3H)、1.06(s,3H)。
19F NMR(DMSO)δ:−159.91。
LCMS(m/z):299(MH+)(D1保持時間:4.75分間。一般的な方法のプロトコル−2を参照)。
(S/S,R/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D2):[単一のジアステレオマー、鏡像異性体の混合物]についてのデータ
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ:7.86(d,J=2.8Hz、1H)、5.35(br.d,J=3.6Hz、1H)、4.37〜4.40(m,1H)、3.02(dt,J=8.5、2.75Hz、1H)、2.58〜2.50(m,1H)、2.42(q,J=8.8Hz、1H)、2.05(dd,J=13.8、2.2Hz、1H)、1.86〜1.96(m,2H)、1.61〜1.82(m,2H)、1.37〜1.61(m,3H)、1.18(s,3H)、1.08(s,3H)。
LCMS(m/z):299(MH+)(D2保持時間:3.99分間。(一般的な方法のプロトコル−2を参照)。
実施例3:(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの合成
(±)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−(1H)−オン(化合物3−3)の調製
これは、文献の手順に基づくものである。−全体が参照により本明細書に援用されるF.D.King J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1986,447−453を参照されたい。
4−アミノブチルアルデヒドジエチルアセタール(化合物3−1)(94g、0.58mol)および酸化メシチル(化合物3−2)(290g、2.95mol)をそのまま混合し、室温で1時間撹拌した。この後、反応混合物を2.5MのHClで抽出し、抽出物をエーテルで洗浄した。水層を3時間にわたって還流状態で加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮して、体積を約50%だけ減少させた。濃縮された水層を氷上で冷却し、塩化メチレン(約300mL)で希釈した。混合物を、KOH水溶液で塩基性化し、層を分離した。水層をCH2Cl2(200mL)でさらに抽出し、組み合わされた有機抽出物をK2CO3水溶液で洗浄した。有機層をK2CO3上で乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮したところ、粗残渣が残った。純粋な塩化メチレンで溶離しながら、シリカゲルにおけるフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製したところ、生成物(45.5g、47%)が淡黄色の油として得られた。
1H NMR(CDCl3、300MHz):δ 2.96(dt,J=9.0、3.0Hz、1H)、2.79〜2.69(m,1H)、2.48〜2.32(m,3H)、2.18〜2.04(m,2H)、1.97〜1.63(m,3H)、1.51〜1.41(m,1H)、1.18(s,3H)、0.87(s,3H)。
13C NMR(CDCl3、75MHz):δ 210.1、56.8、54.7、54.1、47.3、44.3、31.5、30.2、21.2、16.6。
後処理の後、反応混合物を、(カラムクロマトグラフィーの代わりに)K2CO3からの蒸留によって精製して、同様の収率でケトン生成物を得ることもできることに留意されたい。
(±)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−オール(化合物3−4)の調製
THF(419.5mL、419.5mmol)中1.0MのL−セレクトリドの溶液を、約120分間にわたって、−78℃で無水THF(200mL)中の(±)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−(1H)−オン(化合物3−3)(50.0g、299mmol)の混合物に滴下して加えた。反応混合物を−78℃でさらに4時間撹拌した。混合物を浴から引き上げ、1時間にわたって−15℃に温めた。TLCによる粗反応物の分析により、アルコール(化合物3−4)への完全な転化が示された。反応混合物を−78℃に冷却し、MeOH(150mL)の滴下添加によってクエンチした。次に、反応混合物を室温に温め、一晩撹拌した。次に、溶媒を減圧下で除去したところ、粗残渣が残った。残渣を3NのHCl(200mL)に溶解させ、EtOAc(250mL、次に100mL)で抽出した。次に、12NのNaOHを用いて水層をpH14になるまで塩基性化し、CH
2Cl
2(4×500mL)で抽出した。組み合わされた有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、淡褐色の固体が残った。Et
2Oを用いて固体を研和したところ、生成物(29.2g)が得られた。ろ液を減圧下で濃縮し、Et
2O/ヘキサン(1:1)を用いて研和したところ、生成物のさらなる収量(5.8g)が得られた。アルコール生成物(化合物3−4)の合計収量は、35.0g(70%)であった。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 4.17(m,1H)、2.98(dt,J=8.7、3.0Hz、1H)、2.78〜2.68(m,1H)、2.43(q,J=8.7Hz、1H)、1.93〜1.83(m,2H)、1.80〜1.54(m,5H)、1.46〜1.34(m,2H)、1.16(s,3H)、1.14(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3、75MHz):δ 66.9、52.5、50.9、45.8、45.1、39.4、31.6、31.0、20.6、17.1。
過酸化水素およびNaOHを用いた別の後処理も可能である。(±)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−(1H)−オン(化合物3−3)(30.6g、0.18mol)を、無水THFに溶解させ、−78℃に冷却した。THF(260mL、0.26mol)中1.0MのL−セレクトリドを、90分間にわたって滴下して加えた。得られた混合物を、−78℃で4時間撹拌させた。反応物を、H2O(150mL)中30重量%の過酸化水素の滴下添加、続いて、3Nの水酸化ナトリウム溶液(150mL)の滴下添加によってクエンチした。冷浴を除去し、ぬるい湯浴と交換し−室温に達した後、得られた混合物を、1時間撹拌させた。白色の沈殿物が形成され、これを、Celiteのパッドを通した真空ろ過によって除去し、ろ過ケーキをEtOAc(×3)ですすいだ。ろ液をEtOAcおよびH2Oでさらに希釈し、層を分離した。有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、減圧下で濃縮したところ、生成物(27.6g)が固体として得られた。Et2O/ヘキサン溶液(1:1)を用いた研和により、生成物(21.5g、71%の収率)がオフホワイトの固体として得られた。
(7S,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−オール(化合物3−6)の調製
酢酸ビニル(400mL)中の(±)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−オール(化合物3−4)(20.4g、118.3mmol)とNovozym 435(20.4g)との混合物を、室温で16時間ゆっくりと撹拌した(150毎分回転数)。次に、反応混合物をろ過し、ろ過ケーキをEtOAc(400mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、粗残渣が残り、溶離液としてCH
2Cl
2/MeOH中2NのNH
3(95:5)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって、それを分離したところ、所望のキラルアルコール(化合物3−6)(9.0g、44%)が得られた。
[α]
D=−25.1
o(MeOH中c=0.34)。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 4.19〜4.17(m,1H)、2.98(td,J=8.7、3.0Hz、1H)、2.78〜2.68(m,1H)、2.44(q,J=8.7Hz、1H)、1.93〜1.82(m,2H)、1.80〜1.57(m,5H)、1.47〜1.34(m,2H)、1.16(s,3H)、1.14(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3、75MHz):δ 66.8、52.4、50.8、45.6、45.0、39.2、31.5、30.8、20.5、16.9。
m/z=170.17(M+H)
+。
あるいは、溶離液としてEtOAc/ヘキサン(0:1〜2:3)またはCH2Cl2/MeOH(1:0〜95:5)を用いた塩基性アルミナにおけるカラムクロマトグラフィーによって、生成物を精製した。
この分解からの収率および鏡像体過剰率に対する時間の影響が、以下に示される。
約150毎分回転数で撹拌しながら、室温で酢酸ビニル中のアルコール4(1当量)およびNovozym 435(アルコールと同じ重量)を用いて、反応を行った。
アルコール3−6と、CH2Cl2中のp−TsCl、Et3NおよびDMAPとの反応の後、キラルHPLCによってトシレート誘導体3−7の鏡像体過剰率を測定することによって、鏡像体過剰率を確認した。
ラセミ混合物3−4の分解のための他の手順
アスペルギルス・ニガー(Aspergilus niger)に由来するAmanoリパーゼAを用いた酵素的分解
アスペルギルス・ニガー(Aspergilus niger)に由来するAmanoリパーゼA(100mg;Aldrichカタログ番号534781)を、酢酸ビニル(20mL)中のラセミアルコール(1.0g、5.9mmol)の混合物に一度に加えた。混合物を密封し、次に、室温で一晩撹拌した。TLC分析により、アセテート生成物があまり形成されなかったことが示された。
40℃における、アスペルギルス・ニガー(Aspergilus niger)に由来するAmanoリパーゼAを用いた計画された酵素的分解:
アスペルギルス・ニガー(Aspergilus niger)に由来するAmanoリパーゼA(100mg;Aldrichカタログ番号534781)を、酢酸ビニル(10mL)中のラセミアルコール(0.5g、3.0mmol)の混合物に一度に加えた。混合物を密封し、次に、40℃まで加熱し、一晩撹拌した。TLC分析により、アセテート生成物が形成されなかったことが示された。
ムコール・ジャバニクス(Mucor javanicus)に由来するAmanoリパーゼMを用いた計画された酵素的分解
ムコール・ジャバニクス(Mucor javanicus)に由来するAmanoリパーゼM(100mg;Aldrichカタログ番号534803)を、窒素下で酢酸ビニル(10mL)中のラセミアルコール(0.5g、3.0mmol)の混合物に一度に加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。TLC分析により、アセテート生成物が形成されなかったことが示された。
(7S,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル−4−メチルベンゼンスルホネート(化合物3−7)の調製
塩化パラ−トルエンスルホニル(13.2g、69.2mmol)を、0℃でCH
2Cl
2(180mL)中の、(7S,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−オール(化合物3−6)(9.0g、53.25mmol、1.0当量)と、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(9.8g、79.9mmol)と、Et
3N(11.1mL、79.9mmol)との混合物に何回かに分けて加えた。混合物を室温に温め、次に、4日間撹拌した。EtOAc(600mL)を加え、得られた固体をろ過し、EtOAc(約150mL)で洗浄した。ろ液を水(600mL)で洗浄し、減圧下で濃縮したところ、粗残渣が残った。溶離液としてEtOAc/MeOH(9:1)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製したところ、生成物(14.5g、84%)が固体として得られた。
[α]
D=−6.1
o(MeOH中のc=0.43)。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 7.75(d,J=8.4Hz、2H)、7.30(d,J=8.1Hz、2H)、4.80〜4.78(m,1H)、2.92(td,J=9.0、3.3Hz、1H)、2.69〜2.60(m,1H)、2.41(s,3H)、2.39(q,J=8.7Hz、1H)、2.01〜1.96(m,1H)、1.88〜1.78(m,1H)、1.74〜1.68(m,2H)、1.65〜1.56(m,1H)、1.55〜1.49(m,1H)、1.40〜1.26(m,2H)、1.07(s,3H)、1.05(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3、75MHz):δ 144.5、134.3、129.8、127.6、78.7、52.5、50.9、44.9、42.9、36.7、31.0、30.6、21.6、20.4、16.6。
m/z=324.42(M+H)
+。
キラルHPLC条件:
カラム:ダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries)、Chiralcel OJ、4.6×250mm
移動相:1:1のメタノール/エタノール 0.1%のジエチルアミン(定組成)
流量:0.5ml/分
実行時間:15分間
温度:室温
検出:Water 996 PDA
HPLC:Waters 2690 Separations Module
(7R,8aS)−7−アジド−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン(化合物3−8)の調製
DMF(120mL)中の(7S,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル−4−メチルベンゼンスルホネート(化合物3−7)(14.5g、44.9mmol)とNaN
3(8.8g、134.7mmol)との混合物を、80℃で一晩加熱した。冷却した後、反応混合物をEtOAc(400mL)およびH
2O(300mL)で希釈した。水層および有機層を分離し、水層をEtOAc(200mL)で抽出した。組み合わされた有機層をH
2O(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、減圧下で濃縮したところ、生成物が残り、それを、次の工程に直接使用した−収量は定量的であると推定される(8.7g)。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 3.48〜3.40(m,1H)、3.00〜2.92(m,1H)、2.46〜2.40(m,1H)、2.35(q,J=8.7Hz、1H)、2.01〜1.96(m,1H)、1.89〜1.64(m,4H)、1.50〜1.40(m,2H)、1.20(s,3H)、0.96(s,3H)。
m/z=195.08(M+H)
+。
(7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(化合物3−9)の調製
MeOH(150mL)中の粗(7R,8aS)−7−アジド−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン(化合物3−8)(8.7gであると推定される)およびPd(OH)
2(炭素に担持されて20重量%;1.7g)の溶液を、室温で6時間、30psiで水素化した。反応混合物を、Celiteのパッドを通してろ過し、ろ過ケーキをMeOH(200mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、生成物が得られ、それを、次の工程に直接使用した−収量は定量的であると推定される(7.5g)。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 3.03〜2.96(m,1H)、2.55〜2.47(m,1H)、2.41(q,J=8.7Hz、1H)、2.08〜2.03(m,1H)、1.93〜1.80(m,2H)、1.77〜1.65(m,2H)、1.37〜1.20(m,2H)、1.21(s,3H)、1.10〜1.06(m,1H)、0.99(s,3H)。
m/z=169.10(M+H)
+。
(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(化合物3−10)の調製
MeOH(120mL)中の粗(7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(化合物3−9)(7.5gであると推定される、44.9mmol)とジクロロフルオロピリミジン(7.5g、44.9mmol)との混合物を、室温で20時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、溶離液としてCH
2Cl
2/MeOH中2NのNH
3(95:5)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって、残渣を精製したところ、生成物(10.8g、3工程にわたって80%)が得られた。
[α]
D=−1.7
o(MeOH中のc=0.35)。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 7.89(d,J=2.7Hz、1H)、5.83(d,J=5.7Hz、1H)、4.55〜4.38(m,1H)、3.55〜3.45(m,1H)、3.25〜3.10(m,1H)、2.82(q,J=8.1Hz、1H)、2.42〜2.38(m,1H)、2.32〜1.92(m,7H)、1.55(s,3H)、1.36(s,3H)。
13C NMR(CDCl
3、300MHz):δ 154.3(d,J=3.3Hz)、152.9(d,J=12.6Hz)、145.1(d,J=256.1Hz)、139.7(d,J=20.3Hz)、59.0、58.2、44.8、44.0、41.6、33.9、28.8、27.7、20.0、17.9。
19F NMR(CDCl
3、282MHz):δ −158.0(s)。
m/z=299.03(M+H)
+。
実施例4:7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オンの合成
7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オンの合成が、以下のスキームに示される。絶対立体化学が、中間体のいずれについても確立されていなかったが、
1H NMRスペクトルパターンの分析から、最終生成物および中間体が、単一のジアステレオマー(ラセミ体)であったことが示される。個々の鏡像異性体の絶対立体化学は確立されていなかった。
5,5−ジメチル−1−ピロリンの調製:
5,5−ジメチル−1−ピロリンを、全体が参照により本明細書に援用されるCan.J.Chem.1962,40,181を参照して調製した。
5,5−ジメチル−1−ピロリンN−オキシド(20g、177mmol)およびトリフェニルホスフィン(52.38g、200mmol)の懸濁液を、アルゴン下で、短いビグリューカラムで、100℃で30分間加熱した。形成された液体を、減圧下(20トル)で180℃までさらに加熱し、蒸留物を収集した。沸点は、20トルで46℃から58℃へと(文献値(lit.)104℃ 760トル)変化させたところ、5,5−ジメチル−1−ピロリン(8.60g、50%)が無色の液体として得られ、これは、冷却器に入れておいても、静置すると黄色がかってくる。
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ 7.31(s,1H)、2.48〜2.55(m,2H)、1.50〜1.55(m,2H)、1.11〜1.15(m,6H);m/z=98(M+H)+。
5−アリル−2,2−ジメチルピロリジンの調製:
無水THF(50ml)中の5,5−ジメチル−1−ピロリン(2.3g、23.7mmol)の溶液に、ジエチルエーテル(43.3ml、47.3mmol)中のアリルマグネシウムブロミドの1.0Mの溶液を、0℃で滴下して加えた。反応混合物を、0℃で1時間撹拌させ、室温にし、3時間撹拌した。LC−MSによる反応混合物の分析により、反応の完了が示された。反応混合物を0℃に冷却し、5mlの1NのHCl水溶液でクエンチし、50mlのEtOAcを用いて分けた。有機層を分離し、水層を、2×50mlのEtOAcを用いて後処理した。組み合わされた有機層をMgSO4上で乾燥させ、減圧下で濃縮したところ、生成物が淡黄色の油として44%の収率(1.5g)で得られた。粗生成物をさらに精製せずに次の工程に用いた。
LCMS(m/z)=140(M+H)+。
1−(5−アリル−2,2−ジメチルピロリジン−1−イル)プロパ−2−エン−1−オンの調製:
50mlの無水CH2Cl2中の5−アリル−2,2−ジメチルピロリジン(1.5g、10.5mmol)の溶液に、トリエチルアミン(3ml、21mmol)および塩化アクリロイル(0.94ml、11.6mmol)を0℃で加えた。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、室温に温め、一晩撹拌した。LCMSによる反応混合物の分析により、反応の完了が示された。飽和NaHCO3水溶液を反応混合物に加え、層を分離した。水層をCH2Cl2を用いて2回後処理し、組み合わされた有機層をNa2SO4上で乾燥させた。揮発物の除去およびカラムクロマトグラフィーによる粗製物の精製により、生成物が80%の収率(1.60g)で無色油として得られた。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 6.33〜6.52(m,2H)、5.68〜5.75(m,1H)、5.62(dd,J=7.0、2.6Hz、1H)、5.09(s,1H)、5.06〜5.07(m,1H)、3.97〜4.00(m,1H)、2.15〜2.33(m,2H)、1.88〜1.95(m,2H)、1.66〜1.83(m,2H)、1.60(s,3H)、1.45(s,3H);LCMS(m/z)=194(M+H)+。
2,3,8,8a−テトラヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5−(1H)−オンの調製:
5−アリル−2,2−ジメチルピロリジン(0.5g、2.6mmol)を、250mlの丸底フラスコに取り込み、窒素で3回フラッシュした。上記のフラスコに、100mlの無水CH2Cl2およびグラブス第二世代触媒(0.27g、0.3mmol)を室温で加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。LCMS分析により、反応の完了が示された。揮発物を減圧下で除去し、粗製物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、0.32g(収率=74%)の生成物が無色油として得られた。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 6.38〜6.46(m,dtであるようである、1H)、5.84(dd,J=9.7、3.2Hz、1H)、3.69〜3.80(m,1H)、2.40(td,J=17.3、6.2Hz、1H)、2.07〜2.14(m,1H)、1.97〜2.02(m,1H)、1.61〜1.84(m,3H)、1.56(s,3H)、1.44(s,3H);LCMS(m/z)=166(M+H)+。
7−アジド−3,3−ジメチルインドリジン−5−(1H)−オンの調製:
10mlのトルエン中の2,3,8,8a−テトラヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オン(0.3g、1.8mmol)の溶液を、25mlの丸底フラスコに取り込んだ。上記のフラスコに、アジド−トリメチルシラン(2.42ml、18.2mmol)、AcOH(1.2ml、20mmol)およびDBU(0.27ml、1.8mmol)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発物を減圧下で除去し、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーによって精製した。生成物が無色油として85%の収率(0.32g)で得られた。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 4.10〜4.13(m,1H)、3.68〜3.78(m,1H)、2.58(dd,J=17.9、5.6Hz、1H)、2.42〜2.49(m,1H)、2.14〜2.20(m,1H)、1.90〜1.96(m,1H)、1.72〜1.80(m,2H)、1.55(s,3H)、1.47〜1.49(m,2H)、1.42(s,3H);LCMS(m/z)=209(M+H)+。
上記の反応からの生成物は、単一のジアステレオマーであるようである−単一のジアステレオマー生成物を得るためのテトラヒドロインドリジン−5(1H)−オン系へのTMS−N3の同様の添加について、全体が参照により本明細書に援用されるJournal of Organic Chemistry,71,6630−6633;2006を参照されたい。
7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オンの調製:
7−アジド−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オン(0.3g、1.5mmol)をEtOH(20ml)に溶解させる。透明の溶液をParr水素化フラスコに移し、窒素下に置いた。10%のPd−C(0.25g)を窒素下でParrフラスコに加えた。次に、混合物をParr水素化装置に移し、排気し、水素(×3)を充填した。LC/MSおよびTLCがアミンへの完全な反応を示すまで、混合物を(任意に、水素を補充しながら)30psiで水素化した。完全な反応の後、混合物を窒素下に置き、Celiteの小さいパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをMeOH(×3)で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮したところ、7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5−(1H)−オンが89%の収率(0.25g)で残った。
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ 3.75〜3.92(m,1H)、3.50〜3.54(m,1H)、2.54(dd,J=16.9、5.9Hz、1H)、2.13(dd,J=17.6、1.8Hz、1H)、1.87〜1.95(m,2H)、1.67〜1.76(m,2H)、1.56(s,3H)、1.44〜1.53(m,2H)、1.42(s,3H);LCMS(m/z)=183(M+H)+。
実施例5:(R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミンおよび(R,S/S,R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミンの合成
(R/S)−オクタヒドロインドリジン−7−オンの調製
化合物を、全体が参照により本明細書に援用されるJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1986,447−453にしたがって調製した。
ブタ−3−エン−2−オン(5.4g、75mmol)の混合物を、窒素下で、0℃で、Et2O(30ml)中の4,4−ジエトキシブタン−1−アミン(9.6g、60mmol)の溶液に約10分間にわたって滴下して加えた。混合物を0℃でさらに60分間撹拌し、次に、2.5MのHCl(150ml)で抽出した。次に、酸性の水層を加熱還流させ、150分間撹拌した。室温に冷ました後、混合物を減圧下で元の体積の約3分の1まで濃縮した。混合物を0℃に冷却し、CH2Cl2(200ml)を加えた後、pH>10になるまで3NのNaOHを加えた。水層と有機層とを分け、有機層をK2CO3溶液(×1)で洗浄した。組み合わされた水層をCH2Cl2(2×150ml)で抽出し、次に、組み合わされた有機層を乾燥させ(K2CO3)、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルに乾燥充填し(dry−loaded)、CH2Cl2/MeOH(2%のMeOHの増分で100:0〜94:6)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、所望の生成物(2.0g、24%)が油として得られた。
1H NMR(300MHz;CDCl3)δ 3.37〜3.30(m,1H)、3.20〜3.14(m,1H)、2.68〜2.51(m,2H)、2.40〜2.19(m,5H)、2.03〜1.93(m,2H)、1.91〜1.80(m,1H)、1.60〜1.48(m,1H)。
13C NMR(75MHz;CDCl3)δ 209.3、64.2、53.3、50.3、47.4、40.7、31.5、22.6。
(R/S)−オクタヒドロインドリジン−7−オンオキシムの調製
化合物を、全体が参照により本明細書に援用されるJ.Chem.Soc.,Perkin Trans.1 1986,447−453にしたがって調製した。
EtOH(10ml)およびピリジン(10ml)中のオクタヒドロインドリジン−7−オン(1.8g、12.9mmol)とヒドロキシルアミン塩酸塩(0.8g、12.9mmol)との混合物を加熱還流させ、90分間撹拌した。冷却した後、混合物を減圧下で濃縮したところ、粗固体が残った(50℃の浴温度を用いて溶媒を除去した)。固体を、低温(−18℃)のEtOHを用いて研和し、ろ過し、ろ過ケーキをさらなるごく一部の低温(−18℃)のEtOHで洗浄した。固体を次の工程に直接使用し、収量は定量的であると推定された(=2.0g)。m/z=155.01(M+H)+;rt=0.90分間(HPLCプロトコル−1)。
(R/R,R/S,S/R,S/S)−オクタヒドロインドリジン−7−アミンの調製
AcOH(30ml)中のオクタヒドロインドリジン−7−オンオキシム(2.0g、12.9mmol)と酸化白金(IV)(0.5g)との混合物を、60psiで一晩水素化した。混合物を、Celiteを通してろ過し、ろ過ケーキをEtOH(3×30ml)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮したところ、生成物が酢酸塩として得られた。収量は定量的であると推定された(≡1.81gの遊離アミン)。
(R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミンおよび(R,S/S,R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミンの合成
MeOH(66ml)およびH
2O(22ml)中の、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(3.45g、20.7mmol)と、(R/R,R/S,S/R,S/S)−オクタヒドロインドリジン−7−アミン(1.81g、12.9mmol)と、NaHCO
3(2.71g、32.3mmol)との混合物を、55℃で加熱し、5時間撹拌した。冷却した後、MeOHを減圧下で除去した。CH
2Cl
2(100ml)およびH
2O(100ml)を残渣に加え、有機層と水層とを分けた。水層をCH
2Cl
2(2×50ml)で抽出し、組み合わされた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、原油が残った。粗残渣をシリカゲルに乾燥充填し、MeOH中2MのNH
3/CH
2Cl
2勾配系を用いたシリカゲル(ISCO Redisep Rf Goldカラム)におけるカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、純粋な第1溶出ジアステレオマー(少量)、混合画分、純粋な第2溶出ジアステレオマーおよび混合画分が得られた。
純粋な第2溶出ジアステレオマーについてのデータ:1H NMR(300MHz;CDCl3)δ 7.86(t,J=2.6Hz、1H)、5.33(br.d,J=7.4Hz、1H)、4.20〜4.07(m,1H)、3.25〜3.12(m,2H)、2.32〜2.10(m,5H)、1.99〜1.46(m,5H)、1.30(q,J=11.5Hz、1H);13C NMR(75MHz;CDCl3)δ 154.6(d,J=4.4Hz)、153.1(d,J=12.0Hz)、143.4(d,J=254.8Hz)、139.5(d,J=20.1Hz)、63.3、53.4、50.4、48.4、37.0、31.6、30.1、21.5;19F NMR(282MHz;CDCl3)δ −159.4;m/z=271.08 35Clについての(M+H)+;rt=1.91分間(HPLCプロトコル−1)。
第1のカラムからの混合画分を組み合わせて、同じシリカゲルおよび勾配系を用いて再度カラムにかけた(re−column)ところ、純粋な第1溶出ジアステレオマー、純粋な第2溶出ジアステレオマーおよび混合画分が得られた。
上記のカラムからの純粋な第1溶出ジアステレオマーについてのデータ:m/z=271.04 35Clについての(M+H)+;rt=2.35分間(HPLCプロトコル−1)。
上記のカラムからの純粋な第2溶出ジアステレオマーについてのデータ:m/z=269.05 35Clについての(M−H)+;rt=1.97分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例6:(±)−2−クロロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボキサミドの合成
MeOH(10ml)中の(±)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(0.65g、3.9mmol)の混合物を、窒素下で、0℃で、MeOH(30ml)およびH
2O(4ml)中の2,4−ジクロロピリミジン−5−カルボキサミド(0.75g、3.9mmol;米国特許出願公開第20110130415号明細書、41頁に記載される手順にしたがって調製された)の撹拌溶液に加えた。完全な添加の後、混合物をゆっくりと室温に温め、室温で一晩撹拌した。次に、混合物を減圧下で濃縮し、残渣を、EtOAc(150ml)と1NのNaOH(100ml)とに分けた。水層をEtOAc(1×100ml)で抽出し、組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を塩基性アルミナ(BrockmannグレードIV)に乾燥充填し、次に、溶離液としてCH
2Cl
2/MeOH(1:0〜95:5)を用いた塩基性アルミナ(BrockmannグレードIV)におけるカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、生成物(550mg)が得られた。
注記:生成物が塩基性アルミナカラムから非常に速く溶出し、副生成物も所望の化合物と同時に溶出した。この副生成物は、(±)−2−メトキシ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボキサミドであると考えられる。しかしながら、混合物(550mg)を、さらに精製せずに次の工程に直接使用した。
実施例7:(±)−2−クロロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの合成
無水トリフルオロ酢酸(460μL、3.24mmol)を、窒素下で、−40℃(内部温度)で、THF(15ml)中の(±)−2−クロロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボキサミド(500mg;(±)−2−メトキシ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボキサミドで汚染された)とEt
3N(970μL、7.0mmol)との撹拌混合物に、5〜10分間にわたって滴下して加えた。混合物を−40〜−50℃(内部温度)で30分間撹拌し、次に、−30℃(内部温度)に温め、混合物を15分間撹拌した。TLC分析により、反応の完了が示されたため、混合物を、氷−H
2O混合物(50ml)およびEtOAc(50ml)に注ぎ入れることによって後処理した。水層と有機層とを分け、水層をEtOAc(1×50ml)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、粗残渣が残った。残渣を塩基性アルミナ(BrockmannグレードIV)に乾燥充填し、溶離液としてCH
2Cl
2/MeOH(1:0〜93:7の勾配)を用いた塩基性アルミナ(Redisep 24gの塩基性アルミナカラム)におけるカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、生成物(128mg)が得られた。LC/MSにより、生成物が約70%の純度を有することが示され、それを次の工程に直接使用した(汚染物質は、N−(5−シアノ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンであった)。m/z=306.13
35Clについての(M+H)
+;rt=2.64分間(HPLCプロトコル−1)。
主に、N−(5−シアノ−2−メトキシピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(100mg)を含有する試料もカラムから得られた。属性を確認するために、これを高速液体クロマトグラフィーによって精製した。m/z=302.17(M+H)+;rt=2.87分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例8:7−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イルアミノ)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オンの合成
メチル3−(6,6−ジメチル−4−オキソピペリジン−2−イル)プロパノエートの調製
シュウ酸水素ジアセトンアミン(4.25g)および4−オキソブタン酸メチル(2g)をメタノール(20ml)に懸濁した。反応混合物を、100℃で3時間、次に、室温で一晩撹拌した。次に、それを蒸発させ、残渣を、Combiflashクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2.0Mのアンモニアメタノール=0〜30%)によって精製したところ、メチル3−(6,6−ジメチル−4−オキソピペリジン−2−イル)プロパノエート(1.35g、37%)が得られた。
1H NMR(300MHz;CDCl3)δ 3.62(s,3H)、3.21〜3.16(m,1H)、2.41〜2.32(m,4H)、2.20(dd,J=1.8、13.8Hz、2H)、1.85(p,J=6.6Hz、2H)、1.28(s,3H)、1.09(s,3H)。
ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3,7−ジオンの調製
メチル3−(6,6−ジメチル−4−オキソピペリジン−2−イル)プロパノエート(1.35g)をメタノール(25ml)に溶解させ、1.0Nの水酸化ナトリウム水溶液を加えた(7.6ml、1.2当量)。反応混合物を室温で一晩撹拌した。次に、それを蒸発させ、乾固するまで排水した(pumped to dryness)ところ、酸が得られた。
酸をTHF(20ml)およびジクロロメタン(100ml)に溶解させた。この溶液に、塩化チオニル(0.69ml、1.5当量)を滴下して加えた。次に、それを40℃で3時間撹拌し、蒸発させた。残渣を、Combiflashクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2.0Mのアンモニアメタノール=0〜30%)によって精製したところ、ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3,7−ジオンが得られた。
1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 3.24(m,1H)、2.59(dd,J=3.6、18.0Hz、1H)、2.34〜2.10(m,5H)、1.54〜1.47(m,2H)、1.41(s,3H)、1.32(s,3H)。
7−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イルアミノ)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オンの調製
ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3,7−ジオン(230mg)および酢酸アンモニウム(990mg、10当量)をメタノール(5ml)に溶解させた。反応混合物に、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(56mg、0.7当量)を加えた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。LC−MSにより、アミンの形成が示された。反応混合物を、pH2になるまで10NのHCl水溶液でクエンチした。次に、それを2時間撹拌した。
反応混合物に、pH7になるまで炭酸ナトリウムを加えた。次に、2,4−ジクロロ−5−フルオロピリミジン(500mg)を加えた。次に、それを室温で3日間撹拌し、蒸発させた。残渣を、Combiflashクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2.0Mのアンモニアメタノール=0〜30%)によって精製したところ、7−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イルアミノ)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オンの2つの異性体(a:55mg;b.110mg)が得られた。
実施例9:N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−アミンの合成
(S)−tert−ブチル4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートの調製
0℃で(S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−カルボン酸(3.77g、15mmol)のTHF(30ml)溶液に、BH
3・THF溶液(THF中1.0M、45ml)を20分間にわたって滴下して加えた。反応混合物を室温に温め、合計16時間にわたって撹拌し続けた。LC−MSによって監視した際に反応が完了していた。反応混合物を、室温でのNaHCO
3(60ml)の飽和水溶液の添加によってクエンチし、室温で4時間にわたって撹拌し続けた。大部分のTHFを減圧下で除去し、混合物をEtOAc(約60ml)で抽出し、2つの層を分離し、有機層を塩水(約50ml)で洗浄し、抽出/洗浄サイクルをもう1回繰り返した。有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、100:0〜50:50の勾配)によって精製した。化合物(S)−tert−ブチル4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレートが無色油:2.6473g(74%の収率)として得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 4.18(br s,1H)、3.88〜3.58(m,4H)、2.58〜2.41(m,1H)、2.15(br s,1H)、1.59〜1.33(m,9H、水のピークと重複);LRMS(M+H−「Boc」)m/z 137.96。
(R)−tert−ブチル2−(シアノメチル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレートの調製
0℃で(S)−tert−ブチル4,4−ジフルオロ−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(2.65g、11.2mmol)およびEt
3N(2.3ml、16.8mmol)のCH
2Cl
2(22ml)溶液に、塩化メチルスルホニル(0.95ml、12.3mmol)を、約2分間にわたって滴下して加え、氷浴を15分後に除去し、室温でさらに30分間撹拌し続けた。LC−MSによって監視した際に反応が完了していた。反応混合物を0℃に冷却し、NaHCO
3の飽和水溶液(約30ml)の添加によってクエンチし、0℃で5分間および室温で15分間撹拌し続けた。2つの層を分離し、水層をCH
2Cl
2(約30ml)で抽出した。有機層を組み合わせて、塩水(約25ml)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。化合物((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)メチルメタンスルホネートが、非常に淡い黄色の油:3.40g(96%の粗収率)として得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 4.42〜4.23(m,3H)、3.84(br s,1H)、3.64(dddd、J=12.6、12.6、12.6、0.9Hz、1H)、3.04(s,3H)、2.59〜2.43(m,2H)、1.49(s,9H);LRMS(M+H−「Boc」)m/z 215.97。粗生成物をさらに精製せずに次の反応に直接使用した。
((S)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)メチルメタンスルホネートおよびNaCN(1.59g、3.24mmol)のDMSO(40ml)溶液を、45℃で4時間および50℃で2日間撹拌し、反応の進行をLC−MSによって監視した。室温に冷ました後、反応物を、水(約60ml)の添加によってクエンチした。反応混合物をEtOAc(約40ml)で抽出し、2つの層を分離し、有機層を塩水(約25ml)で洗浄し、一連の抽出および洗浄をさらに2回繰り返した。有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、100:0〜80:20の勾配)によって精製した。化合物(R)−tert−ブチル2−(シアノメチル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレートが無色油:2.10g(2工程で76%の収率)として得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 4.31〜4.22(m,1H)、3.86〜3.63(m,2H)、2.88〜2.56(m,3H)、2.49〜2.34(m,1H)、1.48(s,9H);LRMS(M+H−「Boc」)m/z 146.94。
(R)−tert−ブチル2−((N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)メチル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレートの調製
(R)−tert−ブチル2−(シアノメチル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレート(2.10g、8.5mmol)のMeOH(20ml)溶液および0.5NのNaOH水溶液(34ml、17.0mmol)を、LC−MSによって監視した際に所望の生成物が大半になるまで、70℃で6日間加熱した。かなりの量の脱Boc生成物も観察された。室温に冷ました後、MeOHを減圧下で除去し、水性混合物をEt
2O(約30ml)で抽出し、それを廃棄した(注記:主に、カルボキサミド中間体)。pH≦2になるまで6NのHCl(水溶液)を用いて水層を酸性化し、EtOAc(約25ml×3)で抽出した。有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。淡褐色の油が得られた:1.62g;LRMS(M+H−「Boc」)m/z 166.89。
以下のようにBoc基を脱Boc副生成物に加えることによって、さらなる生成物を水層から回収した:固体NaHCO3の添加によって、水層をpH8になるまで塩基性化し、体積が約15mlになるまで濃縮し;この水性混合物に、THF(20ml)、続いて、Boc2O(1.2g、5mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、LC−MSにより、生成物の完全な形成が示された。反応混合物を、上述されるように後処理し、0.4gの生成物が得られた。
2−((R)−1−(tert−ブトキシカルボニル)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)酢酸およびヒドロキシルアミン塩化水素(713.8mg、7.32mmol)のCH2Cl2(10ml)溶液に、EDCI・HCl(1.64g、8.54mmol)およびNMM(1.5ml、13.4mmol)を加え、反応混合物を室温で15時間撹拌した。LC−MSによって監視した際に反応が完了しており、飽和NaHCO3水溶液(約25ml)の添加によってクエンチした。2つの層を分離し、水層をCH2Cl2(約20ml)で抽出した。有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、100:0〜70:30の勾配)によって精製した。化合物(R)−tert−ブチル2−((N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)メチル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレートが、淡黄色の油:1.20gとして得られ;さらなる生成物が、回収されたカルボン酸:0.2g(2工程で53%の合計の全収率)から得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 4.46〜4.40(m,1H)、3.80〜3.58(m,1H、重複)、3.69(s,3H、重複)、3.17(s,3H)、3.10〜2.93(m,2H)、2.73〜2.53(m,2H)、2.38〜2.26(m,1H)、1.47(s,9H);LRMS(M+H−「Boc」)m/z 208.98。
(R)−tert−ブチル4,4−ジフルオロ−2−(4−メチル−2−オキソペンタ−3−エニル)ピロリジン−1−カルボキシレートの調製
氷浴にわたって(R)−tert−ブチル2−((N−メトキシ−N−メチルカルバモイル)メチル)−4,4−ジフルオロピロリジン−1−カルボキシレート(1.4g、4.54mmol)のTHF(23ml)溶液に、2−メチル−1−プロペニルマグネシウムブロミド溶液(THF中0.5M、45ml、22.7mmol)を、1時間にわたって滴下して加えた。氷浴を除去し、さらに3時間撹拌し続けた。反応物を、0℃で1NのHCl(水溶液、30ml)でクエンチし、室温で30分間撹拌した。2つの層を分離し、水層をEtOAc(25ml×2)で抽出し、有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、100:0〜80:20の直線勾配)によって精製した。化合物(R)−tert−ブチル4,4−ジフルオロ−2−(4−メチル−2−オキソペンタ−3−エニル)ピロリジン−1−カルボキシレートが、淡黄色の油:1.10g(79.5%の収率)として得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 6.04(s,1H)、4.41〜4.35(m,1H)、3.75〜3.58(m,2H)、2.69〜2.51(m,2H)、2.27〜2.14(m,1H)、2.14(s,3H)、1.89(s,3H)、1.74(dt,J=19.4、10.4Hz、1H)、1.46(s,9H);LRMS(M+H−「Boc」)m/z 204.07。
(R)−2,2−ジフルオロ−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オンの調製
(R)−tert−ブチル4,4−ジフルオロ−2−(4−メチル−2−オキソペンタ−3−エニル)ピロリジン−1−カルボキシレート(1.10g、3.6mmol)のHCO
2H(20ml)溶液を、ごく微量のSMがLC−MSによって検出されるまで、室温で6時間撹拌した。溶媒を、23℃以下の浴温度で、減圧下で除去した。化合物1−((R)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)−4−メチルペンタ−3−エン−2−オンが、淡褐色の油として得られ、それを次の反応に直接使用した。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.08(s,>1H、HCO
2H)、7.39(br s,>2H、H
+)、6.06〜6.05(m,1H)、4.14〜4.04(m,1H)、3.68(dd,J=24.5、13.2Hz、1H)、3.54(td,J=13.9、10.4Hz、1H)、3.09(dd,J=18.2、7.4Hz、1H)、2.91(dd,J=18.2、5.2Hz、1H)、2.68〜2.55(m,1H)、2.42〜2.23(m,1H)、2.16(d,J=1.0Hz、3H)、1.93(d,J=1.0Hz、3H);LRMS(M+H)m/z 204.08。
1−((R)−4,4−ジフルオロピロリジン−2−イル)−4−メチルペンタ−3−エン−2−オンおよびK2CO3(2.5g、18mmol)のMeOH(350ml)溶液を40℃で15時間撹拌し、LC−MSによって監視した際に反応が完了していた。溶媒を減圧下で除去し、残りの材料をCH2Cl2に懸濁し、固体をろ過して取り除き、ろ液を収集し、溶媒を減圧下で除去した。生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc、100:0〜80:20の直線勾配)によって精製した。化合物(R)−2,2−ジフルオロ−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オンは、淡黄色の固体:637.4mg(3工程で69%の収率)として得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 3.39(ddd,J=14.2、10.8、7.6Hz、1H)、3.16〜3.06(m,1H)、2.87(ddd,J=19.1、14.5、10.8Hz、1H)、2.51〜2.39(m,3H)、2.32(dd,J=22.4、11.0Hz、1H)、2.20(dd,J=13.6、2.1Hz、1H)、2.15〜1.96(m,1H)、1.23(s,3H)、0.95(s,3H);LRMS(M+H)m/z 204.33。
(8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの調製
(R)−2,2−ジフルオロ−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン(487.8mg、2.4mmol)および(S)−1−フェニルエチルアミン(306μL、2.4mmol)のトルエン(12ml)溶液を、ディーン・スターク蒸留受器を備えたフラスコ中、還流下で加熱した。22時間後、ディーン・スターク蒸留受器によって、ほとんどの溶媒を蒸留して取り除き、残りの溶媒を減圧下で除去した。化合物(1S)−N−((R)−2,2−ジフルオロ−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−イリデン)−1−フェニルエタンアミンが褐色の油として得られ、それを次の反応に直接使用した。
氷浴にわたって、(1S)−N−((R)−2,2−ジフルオロ−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−イリデン)−1−フェニルエタンアミンのMeOH(10ml)溶液に、NaBH4(136mg、3.6mmol)を加えた。30分後、LC−MSによって監視した際に反応が完了していた。反応物を、飽和NaHCO3水溶液(10ml)の添加によってクエンチし、ほとんどのMeOHを減圧下で除去した。さらなる水(約10ml)を加え、水溶液をEtOAc(15ml×3)で抽出した。有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。淡褐色の油が得られ(690mg:LRMS(M+H)m/z 309.22)、それをMeOH(5ml)に溶解させた。このMeOH溶液を氷浴で冷却し、濃HCl水溶液(0.3ml)を加え、十分に混合した。揮発物を減圧下で除去したところ、褐色がかった緑色の油:869mgがHCl塩として得られ、それを次の反応に直接使用した。
(8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチル−N−((S)−1−フェニルエチル)インドリジン−7−アミン塩化水素およびPd(OH)2−C(活性炭に担持された20%、50%湿潤、0.2g)のMeOH(20ml)溶液を、45psiの水素下で、Parrフラスコ中で水素化した。さらなるPd(OH)2−C(約0.2g)を16時間および24時間の時点で加え、LC−MSによって監視した際に39時間の時点で反応が完了していた。固体を、MeOHで洗浄しながら、短いCeliteカラムを介したろ過によって除去した。ろ液を収集し、溶媒を減圧下で除去した。化合物(8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン塩化水素がオフホワイトの固体として得られ、それを次の反応に直接使用した:0.56g;LRMS](M+H)m/z 204.99。
N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−アミンの調製
(8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン塩化水素(上記の反応からの粗生成物、約2.4mmol)および5−フルオロ−2,4−ジクロロピリミジン(480.9mg、2.88mmol)のMeOH−H
2O(4:1、10ml)溶液に、ごく微量のアミン出発材料がLC−MSによって検出されるまで、30℃で25時間撹拌した。MeOHを減圧下で除去した。さらなるH
2O(約10ml)を加え、混合物をEtOAc(10ml×3)で抽出した。有機層を組み合わせて、乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。2組のジアステレオマーが、3.1:1の比率で観察された(使用される分析HPLC条件下で5.6分間および6.7分間の保持時間:C18カラム、0.05%のHCOOHとともにH
2Oおよび0.05%のHCOOHとともにアセトニトリルを含む溶媒、1.2ml/分の流量で9分間にわたって、90:10〜0:100の直線勾配)。あるレベルのジアステレオマーの分離が、分取TLC(CH
2Cl
2:MeOH中7NのNH
3=97:3)およびシリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH中2NのNH
3、100:0〜95:5の直線勾配)によって行われ、純粋なジアステレオマー1(7S,8aR)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンが、オフホワイトの固体:約300mg;
−59.4、MeOH中のc=0.96として得られた。
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 7.90(d,J=2.7Hz、1H)、5.30(br s,1H)、4.48〜4.36(m,1H)、3.35(ddd,J=13.8、10.7、7.4Hz、1H)、3.00〜2.90(m,1H)、2.82(ddd,J=19.5、15.1、10.7Hz、1H)、2.43〜2.29(m,1H)、2.10(ddd,J=13.7、4.5、2.4Hz、1H)、2.02〜1.77(m,3H)、1.66(ddd,J=13.8、11.8、4.3Hz、1H)、1.15(s,3H)、1.12(s,3H);LRMS](M+H)m/z 335.13。
ジアステレオマー2(7R,8aR)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンが、オフホワイトの固体:100mgとして得られた;1H NMR(300MHz、CDCl3)δ 7.88(d,J=2.8Hz、1H)、4.93(br d,J=8.0Hz、1H)、4.31〜4.18(m,1H)、3.30(ddd,J=14.4、10.7、6.6Hz、1H)、2.98〜2.89(m,1H)、2.77(ddd,J=19.2、15.3、10.7Hz、1H)、2.43〜2.27(m,2H)、2.05〜1.82(m,2H)、1.42(dd,J=12.2、12.2Hz、1H)、1.22〜1.14(m,1H、重複)、1.16(s,3H、重複)、1.08(s,3H);LRMS(M+H)m/z 335.13。
COSY実験による関連するプロトンの割り当ての後の1D−NOE技術の使用によって、ジアステレオマー−1およびジアステレオマー−2の相対立体化学が割り当てられた:ジアステレオマー−2では、H7とH8aの間、H7とCH3との間の正のNOEが観察され、これはジアステレオマー−1では存在しなかった。
実施例10:N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−アミンの合成
ヘキサヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7(1H)−オンの調製
ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン(ラセミ体)(1.41g、8.43mmol)を乾燥THF(50ml)に溶解させ;フラスコを窒素でフラッシュし、−78℃に冷却した。LDA(5.9ml、11.8mmol)をシリンジを介して加え、30分間撹拌した。その後、純粋なヨウ化メチル(1.30ml、21.1mmol)をシリンジを介して加えた。透明の淡黄色の溶液を一晩撹拌し、室温に温めた。次に、反応物を飽和NH
4Cl溶液でクエンチし、酢酸エチル(3×40ml)で抽出した。有機相をMgSO
4のプラグに通し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物(849mg)が黄褐色の油の形態で得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−アミンの調製
上記の反応からの粗生成物を、7MのメタノールNH3(20ml)溶液に溶解させ、室温で6時間撹拌した。NaBH4(849mg、12.6mmol)を別個のフラスコ中の乾燥THFに懸濁し、ドライアイス/MeCN浴を用いて−45℃に冷却した。次に、イミンを含有する溶液を、挿管によって、還元剤とともにフラスコ中に移した。反応混合物を−45℃で1時間撹拌し、次に、一晩、室温に温めた。水(1ml)を加えて、残りの水素化物をクエンチし、次に、溶媒を減圧下で除去した。反応混合物をMgSO4のプラグに通して、水および塩を除去した。溶媒の蒸発の後、残りの粗生成物(829mg)をさらに精製せずに次の反応に使用した。
N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−アミンの調製
上記の反応からの生成物(829mg、4.55mmol)を、2,4−ジクロロ−5−フルオロ−ピリミジン(911mg、5.45mmol)およびNaHCO3(457mg、5.45mmol)と組み合わせた。MeOH:H2Oの4:1の混合物(50ml)を加え、得られた懸濁液を室温で2日間撹拌した。HPLCによる分析により、3:1の比率の2つのジアステレオマーが形成されたことが示された。シリカゲルを反応混合物に加え、溶媒を減圧下で蒸発させた。得られた固体をカラムに充填し、DCM/MeOH−NH3(2M)(0→5%の勾配)で溶離しながら、フラッシュクロマトグラフィーによってさらに精製した。清浄な生成物画分を組み合わせることにより、210mgのジアステレオマーが富化された(diastereomerically enriched)モノ−SNAr生成物が得られた。MS(ES)313(M+H)、311(M−H)。
実施例11:N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7(1H)−アミンの合成
ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン
3,4−ジヒドロ−2,2−ジメチル−2H−ピロール(900mg、9.3mmol)を、水凝縮器を備えた250mlの丸底フラスコ中でアセトニトリル(90ml)に加えた。THF(23ml、11.6mmol)中のZnCl
2(0.5M)を溶液に加え、60℃に温めた。2−(トリメチルシロキシ)−1,3−ブタジエン(2.6g、mmol、18.4mmol)を混合物に加え、90℃で一晩加熱した。溶液を室温に冷まし、ジクロロメタン(90ml)および1NのHCl(90ml)で希釈した。2つの層を分離し、水層をH
2O中のNH
3(28%)で塩基性化し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を塩水で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。固体をろ過によって除去し、母液を減圧下で濃縮したところ、250mgの褐色の油が得られた。この油を、カラムクロマトグラフィー(100%の酢酸エチルから95%の酢酸エチル:5%のメタノール)によってさらに精製したところ、淡黄色の油(170mg、11%の収率)が得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 3.05〜2.99(m,1H)、2.69〜2.63(m,1H)、2.44〜2.11(m,5H)、1.87〜1.78(m,1H)、1.69〜1.54(m,2H)、1.41〜1.31(m,1H)、1.13(s,3H)、0.87(s,3H);
13C NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 209.7、60.44、48.69、42.63、41.17、39.67、38.60、28.83、28.10、19.87;m/z=168.08(M+H)
+。
ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7(1H)−ケトキシム
ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7(1H)−オン(825mg、4.9mmol)を、ピリジン(8ml)とエタノール(8ml)との混合物に加えた。ヒドロキシルアミン−HCl塩(412mg、5.9mmol)を溶液に加え、混合物を75℃で週末にわたって加熱した。混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮した。N−ヘプタン(20ml)を残渣に加え、減圧下で濃縮し、これを2回繰り返して、ピリジンのほとんどを除去した。エタノール(10ml)を残渣に加えて、乳状の混合物を形成し、これを超音波で分解し、ろ過し、収集された白色の固体を減圧下で乾燥させたところ、生成物(613mg、68%の収率)が得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 10.85(s,1H)、3.46〜3.42(m,1H)、3.35〜3.31(m,1H)、2.88〜2.78(m,2H)、2.67〜2.61(m,1H)、2.44〜2.35(m,2H)、2.17〜2.1(m,1H)、1.99〜1.85(m,2H)、1.8〜1.7(m,1H)、1.51(s,3H)、1.16(s,3H);m/z=184.04(M+H)
+。
オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7(1H)−アミン
ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7(1H)−ケトキシム(613mg、3.4mmol)を、酢酸(30ml)、続いて、Pt
2O(76mg)に加え、60psiのH
2下で一晩振とうした。さらに、34mgのPt
2Oを加えて、反応を確実に完了させた。メタノール(30ml)を混合物に加え、触媒を、Celiteの床を通してろ過して取り除いた。母液を減圧下で濃縮したところ、暗褐色の油が得られた。酢酸エチル(50ml)を油に加え、それをCeliteの床に通して、残りの触媒を除去した。母液を減圧下で濃縮したところ、720mgの生成物が酢酸塩として得られ、それをさらに精製せずに次の工程に使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 2.70〜2.67(m,1H)、2.34〜2.25(m,1H)、2.05〜1.98(m,1H)、1.82〜1.66(m,2H)、1.53〜1.45(m,3H)、1.22〜1.1(m,2H)、1.02(s,3H)、0.81(s,3H)、m/z=169.09(M+H)
+。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.19(s,1H)、8.07(d,J=7.57Hz、1H)、7.68(bd,J=5.4Hz、1H)、4.14(s,1H)、2.75〜2.72(m,1H)、2.61〜2.57(m,1H)、2.02〜1.97(m,1H)、1.87〜1.82(m,1H)、1.71〜1.66(m,2H)、1.53〜1.48(m,2H)、1.43〜1.33(m,1H)、1.22〜1.17(m,1H)、1.06(s,3H)、0.88(s,3H);m/z=299.09(M+H)
+;m/z=297.09(M−H)
+。
実施例12:N2−(4,4−ジメチル−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−イル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物1〜4)の合成
化合物1は、4つの異性体の混合物である。化合物2は、キラルHPLCによって分離される単一の鏡像異性体である。化合物3は、キラルHPLCによって分離される単一の鏡像異性体である。化合物4は、2つの鏡像異性体の混合物である(分離なし)。
化合物1、化合物2、化合物3、および化合物4の調製が、添付のスキームに示される。第2のSNAr反応において、(RS,SR,RR,SS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンのジアステレオマー混合物(D1:D2=1:3)を使用し、最終生成物に対してキラルHPLCを行った。個々の異性体の絶対立体化学はこの系列で確立されていなかった。
3mlのiPrOH中の(R/S,S/R,R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(0.12g、0.4mmol、両方のジアステレオマー1:3の混合物)の溶液、4,4−ジメチル−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−アミン(0.19g、0.5mmol;全体が参照により本明細書に援用される国際公開第2010/083207号パンフレット、73〜74頁にしたがって調製された)およびジオキサン(0.1ml)中4NのHClを加えた。反応混合物を、密封されたバイアル中で、4時間にわたって100℃まで加熱した。粗反応混合物のLCMS分析により、反応の完了が示された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、0.18g(95%の収率)の生成物が、4つの立体異性体の混合物として得られた。2つの鏡像異性体(化合物2および3)が、キラルHPLC精製後に単一の鏡像異性体として得られた。化合物4が、純粋なジアステレオマー(2つの鏡像異性体の混合物)として得られた。個々の異性体の絶対立体化学は決定されなかった。
化合物2:(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.40(s,1H)、8.43(s,1H)、7.92(d,J=8.9Hz、1H)、7.55〜7.7.63(m,2H)、7.19(d,J=8.9Hz、1H)、4.38(br.m,1H)、3.08(m,1H)、2.18〜2.30(m,2H)、1.92〜1.98(m,1H)、1.80〜1.90(m,3H)、1.74(s,6H)、1.38〜1.70(m,4H)、1.20(s,3H)、1.32(s,3H);LCMS(m/z):480(MH+)。キラルHPLC Pk1 RT=14.91分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物3:(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.40(s,1H)、8.43(s,1H)、7.92(d,J=8.9Hz、1H)、7.55〜7.63(m,2H)、7.19(d,J=8.9Hz、1H)、4.38(br.m,1H)、3.08(m,1H)、2.18〜2.30(m,2H)、1.92〜1.98(m,1H)、1.80〜1.90(m,3H)、1.74(s,6H)、1.38〜1.70(m,4H)、1.20(s,3H)、1.32(s,3H);LCMS(m/z):480(MH+)(一般的な方法のプロトコル−1を参照)。キラルHPLC Pk1 RT=17.64分間。(一般的な方法のプロトコル−4を参照)
化合物4:(2つの鏡像異性体の混合物)
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.51(s,1H)、8.72(s,1H)、7.99(d,J=8.7Hz、1H)、7.50〜7.65(m,2H)、7.15(d,J=8.7Hz、1H)、4.35(br.s,1H)、3.18(m,1H)、1.92〜2.35(m,6H)、1.75(s,3H)、1.72(s,3H)、1.50〜1.68(m,4H)、1.37(s,3H)、1.28(s,3H);LCMS(m/z):480(MH+)(一般的な方法のプロトコル−1を参照)。キラルHPLC Pk1 RT=19.19分間。(一般的な方法のプロトコル−4を参照)。
実施例13:(R/S,S/R,R/R,S/S)−N
2−(4−(1−イソプロピルピペリジン−4−イルオキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)フェニル)−5−フルオロ−N
4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物6〜10)の合成
化合物6、化合物7、化合物8、化合物9、および化合物10の合成が、添付のスキームに示される。第2のSNAr反応において、(R/S,S/R,R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンのジアステレオマー混合物(D1:D2=1:3)を使用し、最終生成物に対してキラルHPLCを行った。個々の異性体の絶対立体化学はこの系列で確立されていなかった。
3mlのiPrOH中の(R/S,S/R,R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(0.12g、0.40mmol、両方のジアステレオマー1:3の混合物)の溶液、4−(1−イソプロピルピペリジン−4イルオキシ)−3−(ジフルオロメトキシ)ベンゼンアミン(0.144g、0.48mmol;)およびジオキサン(0.1ml)中4NのHClを加えた。反応混合物を、密封されたバイアル中で、一晩、100℃まで加熱した。粗反応混合物のLCMS分析により、反応の完了が示された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、0.15g(63%の収率)の生成物が、4つの立体異性体の混合物(化合物6、(2つのジアステレオマーおよび各ジアステレオマーが、2つの鏡像異性体の混合物である)として得られた。混合物のキラルHPLC精製により、全ての4つの異性体(化合物7、化合物8、化合物9および化合物10)が得られた。個々の異性体の絶対立体化学は決定されなかった。
化合物7:(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz):δ 9.39(s,1H)、8.47(s,1H)、8.11(s,1H)、7.94(d,J=2.8Hz、1H)、7.56〜7.70(m,3H)、7.14(d,J=8.8Hz、1H)、5.74(s,1H)、4.32〜4.40(br.m,1H)、4.11〜4.13(m,1H)、3.08〜3.15(m,4H)、2.70〜2.81(m,2H)、2.44(s,3H)、2.21〜2.27(m,1H)、1.90〜1.97(m,2H)、1.69〜1.75(m,1H)、1.51〜1.55(m,2H)、1.32(d,J=6.60Hz、6H)、1.26〜1.41(m,2H)、1.13〜1.18(m,1H)、0.95(s,3H)、0.90(s,3H);LCMS(m/z):563(MH+)。キラルHPLC Pk1 RT=16.22分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物8:(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz):δ 9.42(s,1H)、8.66(s,1H)、8.11(s,1H)、7.92(d,J=2.9Hz、1H)、7.35〜7.61(m,3H)、7.09(d,J=8.9Hz、1H)、5.68(s,1H)、4.32〜4.40(br.s,1H)、4.05〜4.06(m,1H)、3.02〜3.09(m,4H)、2.65〜2.78(m,2H)、2.35(s,3H)、2.19〜2.25(m,1H)、1.88〜1.37(m,2H)、1.65〜1.70(m,1H)、1.50〜1.54(m,2H)、1.31(d,J=6.6Hz、6H)、1.20〜1.35(m,2H)、1.10〜1.16(m,1H)、0.93(s,3H)、0.87(s,3H);LCMS(m/z):563(MH+)。キラルHPLC Pk2 RT=21.28分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物9:(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz):δ 9.45(s,1H)、8.40(s,1H)、8.25(s,1H)、7.90(d,J=2.7Hz、1H)、7.55〜7.70(m,3H)、7.18(d,J=8.5Hz、1H)、5.72(s,1H)、4.30〜4.40(m,1H)、4.01〜4.10(m,1H)、3.05〜3.16(m,4H)、2.75〜2.82(m,2H)、2.46(s,3H)、2.20〜2.23(m,1H)、1.95〜2.15(m,2H)、1.69〜1.75(m,1H)、1.50〜1.65(m,2H)、1.42(d,J=6.5Hz、6H)、1.26〜1.41(m,2H)、1.14〜1.17(m,1H)、1.10(s,3H)、0.85(s,3H);LCMS(m/z):563(MH+)。キラルHPLC Pk3 RT=27.28分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物10:(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz):δ 9.43(s,1H)、8.39(s,1H)、8.24(s,1H)、7.85(d,J=2.5Hz、1H)、7.54〜7.64(m,3H)、7.20(d,J=8.5Hz、1H)、5.71(s,1H)、4.29〜4.35(m,1H)、4.10〜4.15(m,1H)、3.05〜3.16(m,4H)、2.73〜2.80(m,2H)、2.43(s,3H)、2.20〜2.23(m,1H)、1.95〜2.15(m,2H)、1.70〜1.75(m,1H)、1.61〜1.65(m,2H)、1.45(d,J=6.50Hz、6H)、1.25〜1.40(m,2H)、1.15〜1.18(m,1H)、1.09(s,3H)、0.89(s,3H);LCMS(m/z):563(MH+)。キラルHPLC Pk 4 RT=32.53分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
実施例14:(R/S,S/R,R/R,S/S)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)N2−(3−メトキシ−5−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物11〜14)の合成
化合物11、化合物12、化合物13および化合物14の合成が、添付のスキームに示される。第2のSNAr反応において、(R/S,S/R,R/R,S/S)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンのジアステレオマー混合物(D1:D2=1:3)を使用し、最終生成物に対してキラルHPLCを行った。個々の異性体の絶対立体化学は確立されていなかった。
3mlのiPrOH中の(R/S,S/R,R/R,SS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(0.100g、0.34mmol、2つのジアステレオマーの混合物(1:3))の溶液、3−メトキシ−5−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)アニリン(0.077g、0.4mmol;ChemBridge Building Blocks)およびジオキサン(0.1ml)中4NのHClを加えた。反応混合物を、密封されたバイアル中で、12時間にわたって100℃まで加熱した。粗反応混合物のLCMS分析により、反応の完了が示された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、0.14g(収率=88%)の生成物が、4つの立体異性体の混合物(2つのジアステレオマーおよび各ジアステレオマーが、2つの鏡像異性体の混合物である)として得られた。混合物のキラルHPLC精製により、全ての4つの異性体(化合物11、化合物12、化合物13および化合物14)が得られた。個々の異性体の絶対立体化学は確立されていなかった。
化合物11:単一のジアステレオマー;単一の鏡像異性体
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.98(s,1H)、9.42(s,1H)、8.11(s,1H)、7.88(d,J=3.9Hz、1H)、7.33(s,1H)、6.98(d,J=5.5Hz、1H)、6.94(s,1H)、4.19(br.s,1H)、3.75(s,3H)、2.72〜2.82(m,2H)、2.45(s,3H)、2.21〜2.25(m,1H)、1.92〜1.98(m,2H)、1.71〜1.75(m,1H)、1.49〜1.56(m,2H)、1.28〜1.39(m,2H)、1.15〜1.20(m,1H)、0.92(s,3H)、0.90(s,3H);LCMS(m/z):468(MH+);キラルHPLC Pk1 RT=17.92分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物12:単一のジアステレオマー;単一の鏡像異性体
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.98(s,1H)、9.42(s,1H)、8.11(m,1H)、7.87(d,J=3.9Hz、1H)、7.33(m,1H)、6.94(m,2H)、4.12(br.m,1H)、3.75(s,3H)、2.70〜2.81(m,2H)、2.44(s,3H)、2.21〜2.27(m,1H)、1.90〜1.97(m,2H)、1.70〜1.76(m,1H)、1.50〜1.57(m,2H)、1.26〜1.41(m,2H)、1.13〜1.18(m,1H)、0.91(s,3H)、0.88(s,3H);LCMS(m/z):468(MH+);キラルHPLC Pk2 RT=23.56分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物13:単一のジアステレオマー;単一の鏡像異性体
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.99(s,1H)、9.32(s,1H)、7.91(s,1H)、7.83(d,J=3.9Hz、1H)、7.40(s,1H)、7.25(d,J=8.5Hz、1H)、6.91(s,1H)、4.01〜4.16(br.m,1H)、2.73(m,1H)、3.74(s,3H)、2.44(s,3H)、2.16〜2.20(m,2H)、1.91〜2.03(m,1H)、1.49〜1.70(m,4H)、1.30〜1.40(m,1H)、1.02〜1.19(m,2H)、0.99(s,3H)、0.73(s,3H);LCMS(m/z):468(MH+);キラルHPLC Pk3 RT=28.18分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物14:単一のジアステレオマー;単一の鏡像異性体
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.99(s,1H)、9.33(s,1H)、7.90(s,1H)、7.84(d,J=3.9Hz、1H)、7.39(s,1H)、7.26(d,J=8.5Hz、1H)、6.92(s,1H)、4.00〜4.15(br.m,1H)、2.74(m,1H)、3.74(s,3H)、2.43(s,3H)、2.15〜2.21(m,2H)、1.90〜2.00(m,1H)、1.49〜1.70(m,4H)、1.30〜1.40(m,1H)、1.02〜1.19(m,2H)、0.98(s,3H)、0.72(s,3H);LCMS(m/z):468(MH+);キラルHPLC Pk4 RT=33.19分間。(一般的な方法のプロトコル−5を参照)。
化合物11および12は、互いに鏡像異性体であるようである。
化合物13および14は、互いに鏡像異性体であるようである。
実施例15:N2−{4−シクロプロピル−6−フルオロ−[3−(4−メチル)−1,2,3,4−テトラゾール−5−オン−1−イル]}フェニル−5−フルオロ−N4(7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オン))2,4−ピリミジンジアミン(化合物30)の合成
iPrOH(10ml)中の1−(5−(4−クロロ−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(全体が参照により本明細書に援用される、2011年6月9日に公開された国際公開第2011/068898号パンフレットに記載される;0.11g、0.3mmol)の溶液、ジイソプロピルエチルアミン(0.21ml、1.2mmol)および7−アミノ−ヘキサヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−5(1H)−オン(0.060g、0.329mmol)を加えた。反応混合物を100℃で12時間加熱した。LC−MS分析により、反応の完了が示された。揮発物を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲル上に吸着した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、生成物の白色の粉末が75%の収率(0.12g)で得られた。
1H NMR(DMSO d
6、300MHz)δ:8.61(s,1H)、8.02(d,J=7.6Hz、1H)、7.85(d,J=3.8Hz、1H)、7.78(d,J=6.7Hz、1H)、6.97(d,J=12.3Hz、1H)、4.33(br.s,1H)、3.60〜3.68(m,4H)、2.27(d,J=17.0Hz、1H)、2.16(d,J=12.0Hz、1H)、1.79〜1.85(m,1H)、1.58〜1.72(m,3H)、1.46(s,3H)、1.35〜1.43(m,3H)、1.32(s,3H)、0.80〜0.83(m,2H)、0.63〜0.65(m,2H);
19F NMR(DMSO)δ:−165.08、−121.69.;LCMS(m/z):526(MH
+)。
実施例16:1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル−アミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イル−アミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5−(4H)−オン(化合物17)の合成
iPrOH(120mL)中の、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(実施例3からの化合物3〜10)(10.8g、36.2mmol)と、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(12.6g、50.6mmol)と、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(12.4g、65.1mmol)との混合物を、加熱還流させ、16時間撹拌した。反応混合物を冷ました後、EtOAc(600mL)を加え、得られた混合物を、1NのNaOH(200mL)で洗浄した。有機層と水層とを分け、水層をEtOAc(200mL)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、粗残渣が残った。溶離液としてCH
2Cl
2/MeOH中2NのNH
3(95:5)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって、残渣を精製したところ、微量のTsOHを含有する生成物(12.7g)が得られた。生成物をEtOAc(500mL)に溶解させ、1NのNaOH(100mL)およびH2O(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(MgSO
4)、減圧下で濃縮したところ、生成物(12.1g)が固体として得られた。
1H NMR(DMSO−d
6、300MHz):δ 8.48(br.s,1H)、7.96(d,J=7.8Hz、1H)、7.82(d,J=3.6Hz、1H)、7.25(d,J=8.4Hz、1H)、6.98(d,J=12.3Hz、1H)、4.05〜3.90(m,1H)、3.61(s,3H)、2.81(td,J=8.4、3.0Hz、1H)、2.21(q,J=8.1Hz、1H)、2.20〜2.10(m,1H)、2.00〜1.90(m,1H)、1.75〜1.48(m,5H)、1.38(t,J=12.3Hz、1H)、1.22〜1.12(m,1H)、1.03(s,3H)、1.08〜1.00(m,1H)、0.83〜0.77(m,2H)、0.75(s,3H)、0.63〜0.57(m,2H)
19F NMR(DMSO−d
6、282MHz):δ−121.04(t)、−166.01(s)
m/z=511.0(M+H)
+
生成物の鏡像体過剰率を、以下に詳述される条件を用いてキラルHPLCによって測定する。
キラルHPLC条件:
カラム:ダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries)、Chiralcel OJ、4.6×250mm
移動相:2:2:1のメタノール/エタノール/ヘキサン 0.1%のトリエチルアミン(定組成)
流量:0.5ml/分
実行時間:15分間
温度:室温
検出:Water 996 PDA
HPLC:Waters 2690 Separations Module
カラムクロマトグラフィーの使用を避けた大規模反応:
1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(26.7g、107.3mmol)およびパラ−トルエンスルホン酸一水和物(30.6g、161.0mmol)を、iPrOH(300mL)中のクロロ−ピリミジン(実施例3からの化合物3〜10)(23.0g、68.25mmol)の撹拌混合物に加えた。反応混合物を加熱還流させ、16時間撹拌し、その後、LC−MS分析により、反応の完了が示された。反応混合物を室温に冷まし、ろ過したところ、褐色の固体が得られた。次に、ろ過ケーキをiPrOH(1×25mL)で洗浄した。ろ液を、減圧下でおよそ半分の体積になるまで濃縮し、現れた沈殿物をろ過した。上記の手順からの組み合わされたろ過ケーキを空気乾燥させ、次に、EtOAc(300mL)に溶解させ、1NのNaOH(1×200mL、次に、3×100mL)で洗浄した。有機層を(MgSO4)上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、生成物(27.2g、78%)が白色の粉末として残った。
実施例17:オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イル−アミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物16〜21)の合成
化合物16、17、18、19、20、および21の合成が、添付のスキームに示される。まず、ジアステレオマーD1およびD2の分離を、カラムクロマトグラフィーによって行い、両方のジアステレオマーを、別々にSNAr反応にかけた。最終生成物をキラルHPLCによって分離したところ、個々の鏡像異性体が得られた。
(R/S,S/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D1)は、2つの鏡像異性体のラセミ混合物である。D1を第2のSNAr反応にかけたところ、化合物16が形成された。化合物16(ラセミ体)の合成が、添付のスキームに記載されていた。化合物16をキラルHPLCによって分離したところ、化合物17(単一の鏡像異性体)および化合物18(単一の鏡像異性体)が得られた。
10mlのiPrOH中の(R/S,S/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D1)(0.1g、0.3mmol)の溶液に、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(0.092g、0.37mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.064g、0.3mmol)を加えた。反応混合物を120℃(浴温度)で16時間加熱した。LC−MS分析により、反応の完了が示された。反応混合物を室温に冷まし、ろ過して取り除いたところ、褐色の固体が得られた。ろ過ケーキを5mlのiPrOHで洗浄したところ、白色の固体が得られた。ろ液を、減圧下で体積が半分になるまで濃縮し、得られた固体をろ過して取り除いた。ろ過された固体を組み合わせて、空気下で乾燥させた。乾燥された固体を50mlのEtOAcに溶解させ、1NのNaOH水溶液(10ml)を用いて分けた。両方の層を分離し、有機層を1NのNaOH水溶液(10ml)で(3回)洗浄した。分離された有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濃縮したところ、0.12g(収率=71%)の生成物が白色の粉末(化合物16)として得られた。化合物16をキラルHPLCによって分離したところ、対応する鏡像異性体化合物17および化合物18(一般的な方法のプロトコル−3を参照)が得られた。
1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イル−アミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物17)(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:8.48(s,1H)、7.97(d,J=7.6Hz、1H)、7.82(d,J=3.8Hz、1H)、7.25(d,J=7.9Hz、1H)、6.99(d,J=12.0Hz、1H)、3.90〜4.10(br.m,1H)、3.61(s,3H)、2.81(dt,J=8.2、2.9Hz、1H)、2.10〜2.26(m,2H)、1.93(d,J=11.7Hz、1H)、1.49〜1.75(m,5H)、1.39(t,J=12.3Hz、1H)、1.14〜1.24(m,1H)、1.03(s,3H)、0.94〜1.01(m,1H)、0.77〜0.83(m,2H)、0.75(s,3H)、0.59〜0.63(m,2H);19F NMR(DMSO)δ:−165.99(d)、−121.09(t).;LCMS(m/z):512(MH+);キラルHPLC RT=18.89分間。(一般的な方法のプロトコル−4を参照)。
1−(5−(4−((7S,8aR)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物18)(単一の鏡像異性体)
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:8.48(s,1H)、7.97(d,J=7.6Hz、1H)、7.83(d,J=3.8Hz、1H)、7.25(d,J=8.2Hz、1H)、6.99(d,J=12.3Hz、1H)、3.90〜4.05(br.m,1H)、3.61(s,3H)、2.81(br.m,1H)、2.10〜2.26(m,2H)、1.93(d,J=11.7Hz、1H)、1.49〜1.75(m,5H)、1.39(t,J=12.0Hz、1H)、1.14〜1.24(m,1H)、1.03(s,3H)、0.94〜1.01(m,1H)、0.77〜0.82(m,2H)、0.75(s,3H)、0.58〜0.63(m,2H);19F NMR(DMSO)δ:−166.00(d)、−121.05(t);LCMS(m/z):512(MH+)。キラルHPLC RT=22.97(一般的な方法のプロトコル−4を参照)。
(S/S,R/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D2)は、2つの鏡像異性体の混合物である。D2を第2のSNAr反応にかけたところ、化合物19が形成された。化合物19(2つの鏡像異性体の混合物)の合成が、添付のスキームに記載されていた。化合物19をキラルHPLCによって分離したところ、化合物20(単一の鏡像異性体)および化合物21(単一の鏡像異性体)が得られた。
10mlのiPrOH中の(S/S,R/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D2)(0.10g、0.34mmol)の溶液に、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(0.092g、0.4mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物(0.064g、0.3mmol)を加えた。反応混合物を120℃(浴温度)で16時間加熱した。LC−MS分析により、反応の完了が示された。反応混合物を室温に冷まし、ろ過して取り除いたところ、褐色の固体が得られた。ろ過ケーキを1mlのiPrOHで洗浄したところ、白色の固体が得られた。ろ過された固体を組み合わせて、空気下で乾燥させた。乾燥された固体を50mlのEtOAcに溶解させ、1NのNaOH水溶液(10ml)を用いて分けた。両方の層を分離し、有機層を1NのNaOH水溶液(10ml)で(3回)洗浄した。分離された有機層をMgSO
4上で乾燥させ、濃縮したところ、0.13g(収率=74%)の生成物が白色の粉末(化合物19)として得られた。化合物19をキラルHPLCによって分離したところ、対応する鏡像異性体化合物20および化合物21(一般的な方法のプロトコル−4を参照)が得られた。
化合物20:(単一の鏡像異性体):
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:8.56(s,1H)、8.11(d,J=7.6Hz、1H)、7.84(d,J=3.8Hz、1H)、6.92〜6.99(m,2H)、4.04(br.s,1H)、3.61(s,3H)、2.70〜2.83(m,2H)、2.25〜2.35(m,1H)、1.75〜1.95(m,3H)、1.55〜1.65(m,3H)、1.15〜1.36(m,3H)、0.94(s,3H)、0.92(s,3H)、0.78〜0.83(m,2H)、0.60〜0.65(m,2H);19F NMR(DMSO)δ:−165.78(d)、−122.24(t);LCMS(m/z):512(MH+);キラルHPLC RT=29.88分間。(一般的な方法のプロトコル−4を参照)。
化合物21:(単一の鏡像異性体):
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:8.57(s,1H)、8.11(d,J=7.6Hz、1H)、7.84(d,J=3.8Hz、1H)、6.92〜6.99(m,2H)、4.04(br.s,1H)、3.61(s,3H)、2.71〜2.83(m,2H)、2.25〜2.35(m,1H)、1.76〜1.95(m,3H)、1.56〜1.68(m,3H)、1.15〜1.35(m,3H)、0.94(s,3H)、0.92(s,3H)、0.78〜0.83(m,2H)、0.60〜0.65(m,2H);19F NMR(DMSO)δ:−165.57(d)、−122.24(t);LCMS(m/z):512(MH+);キラルHPLC RT=34.50分間。(一般的な方法のプロトコル−4を参照)。
実施例18:N2−(4,4−ジメチル−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−イル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物5)の合成
8−フルオロ−2,2−ジメチル−6−ニトロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−チオンの調製:
25mlの無水THF中の8−フルオロ−2,2−ジメチル−6−ニトロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−オン(0.75g、3.1mmol)の溶液に、P
2S
5(2.8g、6.25mmol)を加え、反応混合物を12時間加熱還流させた。LC−MSの分析により、反応の完了が示された。揮発物を減圧下で除去し、粗反応混合物を、EtOAc(100ml)および飽和NH
4Cl水溶液(100ml)中に分けた。層を分離し、有機層を飽和NH
4Cl水溶液(50ml)で(2回)洗浄した。EtOAc層をNa
2SO
4上で乾燥させ、濃縮したところ、生成物が69%の収率(0.55g)で得られた。LCMS(m/z)257(MH
+)。
4,4−ジメチル−6−フルオロ−8−ニトロ−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジンの調製:
THF中の8−フルオロ−2,2−ジメチル−6−ニトロ−2H−ベンゾ[b][1,4]オキサジン−3(4H)−チオン(1.0g、3.9mmol)の溶液に、Hg(OAc)2を0℃で加えた。TMS−N3を0℃で反応混合物に加え、1時間撹拌した。反応混合物を室温に温め、3時間撹拌した。反応混合物のLCMS分析により、反応の完了が示された。3時間後、反応混合物を100mlのEtOAcで希釈し、飽和NH4Cl水溶液(100ml)を用いて分けた。層を分離し、水層をEtOAc(50ml)で2回洗浄した。組み合わされたEtOAc層をNa2SO4上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、生成物が57%の収率(0.57g)で得られた。LCMS(m/z)266(MH+)。
4,4−ジメチル−6−フルオロ−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−アミンの調製:
4,4−ジメチル−6−フルオロ−8−ニトロ−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン(0.82g、3.1mmol)をEtOH(20ml)に溶解させる。透明の溶液をParr水素化フラスコに移し、窒素下に置いた。10%のPd−C(0.25g)を窒素下でParrフラスコに加えた。次に、混合物をParr水素化装置に移し、排気し、水素(×3)を充填した。LC/MSおよびTLCがアミンへの完全な反応を示すまで、混合物を(任意に、水素を補充しながら)30psiで水素化した。完全な反応の後、混合物を窒素下に置き、Celiteの小さいパッドを通してろ過した。ろ過ケーキをEtOH(×1)で洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮したところ、4,4−ジメチル−6−フルオロ−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−アミンが72%の収率(0.53g)で残った。LCMS(m/z):236(MH+)。
N2−(4,4−ジメチル−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−イル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物5)の調製:
3mlのiPrOH中の(R/S,S/R)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(D1)(0.1g、0.3mmol、単一のジアステレオマー)の溶液、4,4−ジメチル−6−フルオロ−4H−ベンゾ[b]テトラゾロ[1,5−d][1,4]オキサジン−8−アミン(0.093g、0.4mmol)およびジオキサン(0.1ml)中4NのHClを加えた。反応混合物を、密封されたバイアル中で、12時間にわたって100℃まで加熱した。粗反応混合物のLCMS分析により、反応の完了が示された。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、0.12g(収率=72%)の生成物が、2つの鏡像異性体の混合物として得られた。
1H NMR(DMSO d6、300MHz)δ:9.58(s,1H)、8.40(s,1H)、7.90(d,J=8.5Hz、1H)、7.75(d,J=8.8Hz、1H)、7.10(d,J=5.5Hz、1H)、4.25(br.s,1H)、2.85(m,2H)、2.23〜2.335(m,1H)、2.15(m,2H)、1.88(s,6H)、1.40〜1.60(m,4H)、1.22(m,2H)、1.05(s,3H)、0.99(s,3H);LCMS(m/z):498(MH+)。
実施例19:4−((R/S,S/R)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物66)の合成
iPrOH(10ml)中の(±)−2−クロロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(70%の純度、0.068g、0.2mmol)の溶液、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(0.078g、0.3mmol)およびp−TSA(0.04g、0.2mmol)を加え、反応混合物を、一晩、82℃まで加熱した。LCMS分析により、反応の完了が示された。カラムクロマトグラフィーによる粗生成物の精製により、生成物がp−トルエンスルホン酸塩として得られた。塩を20mlのEtOAcに溶解させ、2NのNaOH水溶液を用いて分けた。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥させた。溶媒の除去および凍結乾燥により、生成物が11%の収率(0.015g)で得られた。
1H NMR(DMSO d
6、300MHz)δ:8.43(s,1H)、8.29(s,1H)、7.65(d,J=7.3Hz、1H)、7.42(d,J=7.6Hz、1H)、7.03(d,J=11.7Hz、1H)、3.99(br.s,1H)、3.61(s,3H)、2.76〜2.80(m,1H)、2.10〜2.26(m,2H)、1.79〜1.83(m,1H)、1.52〜1.70(m,4H)、1.34〜1.43(m,2H)、1.07〜1.22(m,4H)、1.01(s,3H)、0.82〜0.86(m,2H)、0.63〜0.67(m,2H);LCMS(m/z):519(MH
+)。
実施例20:(±)−N
2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n
4−(オクタヒドロインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物24)の合成
イソプロピルアルコール(3ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミン(90mg、0.34mmol)と、4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゼンアミン(87mg、0.35mmol;全体が参照により本明細書に援用される、2011年7月21日に出願された米国特許出願第13/188,222号明細書、現在の米国特許出願公開第2012/0022092号明細書にしたがって調製された)と、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(63mg、0.34mmol)との混合物を、密封されたバイアル中で組み合わせて、70℃まで加熱し、数日間にわたって撹拌した。冷却した後、沈殿物が現れ、それをろ過したところ、粗固体(50mg)が得られた。粗固体を分取高速液体クロマトグラフィーによってさらに精製したところ、固体が得られた。固体を、EtOAc(20ml)と1NのNaOH(20ml)とに分けた。水層をEtOAc(1×20ml)で抽出し、組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、生成物(10mg、7%)が固体として残った。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.83(t,J=0.9Hz、1H)、8.59(s,1H)、8.20(d,J=7.7Hz、1H)、7.80(d,J=6.5Hz、1H)、7.36(d,J=8.1Hz、1H)、7.04(d,J=12.2Hz、1H)、3.73〜3.59(m,1H)、2.82〜2.75(m,2H)、1.87(q,J=8.4Hz、1H)、1.82〜1.78(m,2H)、1.64〜1.41(m,5H)、1.39〜1.28(m,2H)、1.20〜1.03(m,2H)、0.71〜0.65(m,2H)、0.57〜0.52(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −122.1(t)、−165.5(d);m/z=454.29(M+H)
+;rt=3.37分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例21:(±)−1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)オン(化合物27)の合成
イソプロピルアルコール(3ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミン(54mg、0.2mmol)と、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5−オン(52mg、0.21mmol;全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第20110130415号明細書、43〜48頁にしたがって調製された)と、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(38mg、0.2mmol)との混合物を、密封されたバイアル中で組み合わせて、70℃まで加熱し、2日間撹拌した。冷却した後、混合物を減圧下で濃縮したところ、粗残渣が残った。残渣を分取高速液体クロマトグラフィーによって精製したところ、固体が得られた。固体を、EtOAc(20ml)と1NのNaOH(20ml)とに分けた。水層をEtOAc(2×20ml)で抽出し、組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、MeCN/H
2Oからの凍結乾燥の後、生成物(46mg、47%)が固体として残った。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.52(br.s,1H)、8.08(d,J=7.7Hz、1H)、7.83(dd,J=3.8、1.2Hz、1H)、7.38(br.d,J=7.7Hz、1H)、6.97(d,J=12.3Hz、1H)、3.85〜3.71(m,1H)、3.62(app.d,3H)、2.97〜2.87(m,2H)、1.93〜1.89(m,2H)、1.75〜1.50(m,7H)、1.31〜1.15(m,3H)、0.83〜0.77(m,2H)、0.64〜0.59(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −122.0(t)、−165.8(d);m/z=484.27(M+H)
+;rt=3.22分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例22:(±)−N
2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n
4−(オクタヒドロインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物28)の合成
イソプロピルアルコール(5ml)の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロインドリジン−7−アミン(179mg、0.66mmol)と、1−(2−シクロプロピル−4−フルオロ−5−ニトロフェニル)−5−メチル−1H−テトラゾール(140mg、0.66mmol;米国特許出願第13/188,222号明細書、現在の米国特許出願公開第2012/0022092号明細書にしたがって調製された)と、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(126mg、0.66mol)との混合物を、密封されたバイアル中で組み合わせて、70℃まで加熱し、3日間撹拌した。冷却した後、混合物を減圧下で濃縮したところ、粗残渣を、1NのNaOH(25ml)とEtOAc(30ml)とに分けた。水層をEtOAc(1×30ml)で抽出し、組み合わされた有機層を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、粗固体が残った。溶離液としてMeOH中2MのNH
3/CH
2Cl
2(0:1〜1:9の勾配系)を用いたシリカゲル(ISCO System)におけるカラムクロマトグラフィーによって固体を精製したところ、MeCN/H
2Oからの凍結乾燥の後、生成物(190mg、61%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.61(br.s,1H)、8.15(d,J=7.6Hz、1H)、7.86〜7.84(m,1H)、7.41(br.d,J=8.1Hz、1H)、7.04(d,J=12.3Hz、1H)、3.75〜3.64(m,1H)、2.92〜2.82(m,2H)、2.41(s,3H)、2.05〜2.91(m,1H)、1.88〜1.85(m,2H)、1.71〜1.40(m,6H)、1.27〜1.08(m,3H)、0.79〜0.70(m,2H)、0.68〜0.62(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −122.4(t)、−165.6(d);m/z=468.28(M+H)
+;rt=3.40分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例23:(±)−N
2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n
4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物53)の合成
イソプロピルアルコール(3ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン塩酸塩(168mg、0.5mmol)と、4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゼンアミン(153mg、0.7mmol;2011年7月21日に出願された米国特許出願第13/188,222号明細書、現在の米国特許出願公開第2012/0022092号明細書にしたがって調製された)と、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(95mg、0.5mmol)との混合物を、密封されたバイアル中で組み合わせて、70℃まで加熱し、4日間撹拌した。冷却した後、混合物をろ過し、ろ過ケーキを低温イソプロピルアルコールで洗浄した。ろ過ケーキをEtOAc(50ml)に懸濁し、1NのNaOH(50ml)を加えた。水層と有機層とを分け、水層をEtOAc(30ml)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、残渣が残り、それをMeCN/H
2Oから凍結乾燥したところ、生成物(162mg、67%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.86(m,1H)、8.59(s,1H)、8.09(d,J=7.6Hz、1H)、7.83(d,J=3.8Hz、1H)、7.26(br.d,J=8.0Hz、1H)、7.09(d,J=12.1Hz、1H)、4.00〜3.88(m,1H)、2.81〜2.74(m,1H)、2.16(q,J=8.2Hz、1H)、1.99〜1.83(m,2H)、1.72〜1.32(m,6H)、1.20〜0.94(m,2H)、1.01(s,3H)、0.75〜0.71(m,2H)、0.69(s,3H)、0.63〜0.55(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −165.7(s)、−120.9(t);m/z=482.33(M+H)
+;rt=3.44分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例24:(±)−N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−n4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物54および55)の分解
少量のラセミ体N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラオール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(40mg)を、以下の条件を用いてキラル高速液体クロマトグラフィーによって精製したところ、個々の鏡像異性体が得られた。
キラルHPLC条件:
カラム:ダイセル化学工業株式会社(Daicel Chemical Industries)、Chiracel OJ 4.6×250mm
移動相:0.1%のジエチルアミンを含有する1:1のMeOH/EtOH
流量:0.5ml/分
実行時間:30分間
温度:室温
検出:Waters 996 PDA
HPLC:Waters 2690 Separations Module
化合物54
第1溶出異性体の保持時間=9.30分間(15mg);キラルカラムからの第1溶出鏡像異性体についてのデータ:1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 9.87(s,1H)、8.59(br.s,1H)、8.08(d,J=7.5Hz、1H)、7.83(d,J=3.7Hz、1H)、7.33〜7.24(br.s,1H)、7.09(d,J=12.2Hz、1H)、4.03〜3.87(m,1H)、2.86〜2.72(m,1H)、2.29〜2.14(m,1H)、2.00〜1.83(m,2H)、1.73〜1.36(m,6H)、1.22〜1.03(m,5H)、0.78〜0.66(m,5H)、0.64〜0.56(m,2H);19F NMR(282MHz;d6−DMSO)δ −165.7、−120.8;m/z=482.44(M+H)+;rt=3.58分間(HPLCプロトコル−1)。
化合物55
第2溶出異性体の保持時間=11.74分間(18mg);第1溶出異性体と同じデータ。
実施例25:(±)−2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物56)の合成
イソプロピルアルコール(3ml)中の、(±)−2−クロロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(前の工程からの60mgの70%の純度の材料)と、4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)ベンゼンアミン(65mg、0.3mmol;2011年7月21日に出願された米国特許出願第13/188,222号明細書、現在の米国特許出願公開第2012/0022092号明細書にしたがって調製された)と、パラ−トルエンスルホン酸一水和物(37mg、0.2mmol)との混合物を、密封されたバイアル中で組み合わせて、80℃まで加熱し、4時間撹拌した。冷却した後、沈殿物が現れ、それをろ過した。ろ過ケーキをEtOAc(30ml)および1NのNaOH(50ml)に懸濁した。水層と有機層とを分け、水層をEtOAc(2×25ml)で抽出した。組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(MgSO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、固体が残った。固体をMeCN/H
2Oから凍結乾燥したところ、生成物(26mg)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.85(m,1H)、9.51(br.s,1H)、8.30(s,1H)、7.80(d,J=7.3Hz、1H)、7.44(d,J=7.3Hz、1H)、7.14(d,J=11.8Hz、1H)、4.08〜3.89(m,1H)、2.83〜2.71(m,1H)、2.28〜2.13(m,1H)、2.06〜1.88(m,1H)、1.84〜1.73(m,1H)、1.71〜1.50(m,3H)、1.47〜1.34(m,2H)、1.21〜1.07(m,3H)、1.00(s,3H)、0.75〜0.59(m,7H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −117.3(t);m/z=489.34(M+H)
+;rt=4.01分間(HPLCプロトコル−1)。
実施例26:N2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−イル)フェニルアミノ)−5−フルオロ−N4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物26)の合成
IPA(1ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7−アミン(ジアステレオマーD1 97%のジアステレオマー比(dr);52mg、0.174mmol、1当量)と、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(全体が参照により本明細書に援用される国際公開第2011/068898号パンフレットに記載される。43mg、0.174mmol、1当量)と、PTSA一水和物(33mg、0.174mmol、1当量)との混合物を4日間にわたって100℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物26)(>90%のジアステレオマー比、53mg、60%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.59(s,1H)、8.10〜8.09(d,J=8.4Hz)、7.85〜7.86(d,J=3.6Hz)、6.95〜7.00(m,2H)、4.11(bs,1H)、3.62(s,1H)、2.42〜2.71(m,2H)、1.49〜2.00(m,8H)、1.01〜1.22(m,2H)、1.03〜1.06(m,3H)、0.823〜0.871(m,5H)、0.630〜0.645(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −122.0(t)、−164.7(s);m/z=512(M+H)
+。
実施例27:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物34および35)のキラルHPLC分解
鏡像異性体への1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−3,3−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物26)(>90%のジアステレオマー比、35mg)のキラルHPLC分解を行った。
キラルHPLC方法:カラム:Chiralcel−OJ、4.6×250mm、ガード付き。移動相:95%のヘキサン、2.4%のメタノール、2.5%のエタノール 0.1%のトリエチルアミン。流量:0.5ml/分。注入量:3μL。濃度:約5mg/ml。検出:254nmにおけるUV。
化合物34
化合物34:(>99%の鏡像体過剰率、9.5mg)は、Rt=21.86分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.59(s,1H)、8.10〜8.09(d,J=8.4Hz)、7.85〜7.86(d,J=3.6Hz)、6.95〜7.00(m,2H)、4.11(bs,1H)、3.62(s,1H)、2.42〜2.71(m,2H)、1.49〜2.00(m,8H)、1.01〜1.22(m,2H)、1.03〜1.06(m,3H)、0.823〜0.871(m,5H)、0.630〜0.645(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −122.0(t)、−164.7(s);m/z=512(M+H)
+。
化合物35
化合物35:(>97%の鏡像体過剰率、10.7mg)は、Rt=26.56分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.59(s,1H)、8.10〜8.09(d,1H、J=8.4Hz)、7.85〜7.86(d,1H、J=3.6Hz)、6.95〜7.00(m,2H)、4.11(bs,1H)、3.62(s,1H)、2.42〜2.71(m,2H)、1.49〜2.00(m,8H)、1.01〜1.22(m,2H)、1.03〜1.06(m,3H)、0.823〜0.871(m,5H)、0.630〜0.645(m,2H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −122.0(t)、−164.7(s);m/z=512(M+H)
+。
実施例28:1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物31〜33)の合成
1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物31)の調製
イソプロパノール(1ml)中の、7−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イルアミノ)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン異性体A(シス)(50mg)と、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(50mg)と、TFA(5滴)との混合物を、密封されたバイアル中で、100℃で一晩加熱した。室温に冷ました後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、Combiflashクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2.0Mのアンモニアメタノール=0〜30%)によって精製したところ、生成物がラセミ混合物として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.55(s,1H)、7.88(d,J=7.8Hz、1H)、7.85(d,J=3.9Hz、1H)、7.34(d,J=7.8Hz、1H)、7.00(d,J=12.0Hz、1H)、4.06〜4.04(m,1H)、3.59(s,3H)、2.14〜1.94(m,5H)、1.64〜1.59(m,1H)、1.56(s,3H)、1.48〜1.12(m,4H)、1.02(s,3H)、0.81(dd,J=2.1、8.7Hz、2H)、0.61(q,J=4.5Hz、2H);LC−MS:純度:97.99%;MS(m/e):526.39(M+H)
+;m/z=524.33(M−H)
+。
1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物32)の調製
イソプロパノール(1ml)中の、7−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イルアミノ)−ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン異性体B(トランス)(100mg)と、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(100mg)と、TFA(5滴)との混合物を、密封されたバイアル中で、100℃で一晩加熱した。室温に冷ました後、溶媒を減圧下で除去し、残渣を、Combiflashクロマトグラフィー(ジクロロメタン中2.0Mのアンモニアメタノール=0〜30%)によって精製したところ、生成物がラセミ混合物として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.64(s,1H)、8.03(d,J=7.8Hz、1H)、7.88(d,J=3.9Hz、1H)、7.57(d,J=5.7Hz、1H)、6.99(d,J=12.3Hz、1H)、4.22(m,1H)、3.89(m,1H)、3.59(s,3H)、2.26〜1.53(m,9H)、1.32(s,3H)、1.24(s,3H)、0.81(d,J=8.4Hz、2H)、0.62(d,J=3.3Hz、2H);LC−MS:純度:98.22%;MS(m/e):526.37(M+H)
+;m/z=524.41(M−H)
+。
1−(5−(5−フルオロ−4−(ヘキサヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−3(5H)−オン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンホルメート(化合物33)の調製
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.58(s,1H)、8.04(d,J=7.8Hz、1H)、7.86(d,J=3.9Hz、1H)、7.50(d,J=7.2Hz、1H)、6.99(d,J=12.3Hz、1H)、4.21(m,1H)、3.90(m,1H)、3.59(s,3H)、2.26〜1.54(m,9H)、1.32(s,3H)、1.25(s,3H)、0.81(d,J=8.1Hz、2H)、0.61(d,J=3.6Hz、2H);LC−MS:純度:98.65%;MS(m/e):526.37(M+H)
+;m/z=524.37(M−H)
+。
実施例29:化合物の合成のためのアニリンの調製
本発明の化合物の合成のための特定のアニリンを、以下のスキームに示されるように調製した。
1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
アルゴンガス下で、THF(15ml)中の(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン(440mg、5mmol、2当量)を0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(617mg、5.5mmol、2.2当量)を一度に加え、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。次に、1−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(国際公開第2011/068898号パンフレットに記載される。598mg、2.5mmol、1当量)を一度に加え、反応混合物を0℃で10分間撹拌し、2時間にわたって周囲温度に温めた。反応混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水に取り込んだ。層を分離し、有機層を水(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(723mg、94%)が黄色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.41〜8.47(m,2H)、7.51〜7.54(d,1H、J=9Hz)、5.31〜5.4(t,1H、J=3.6Hz)、3.88〜3.93(dd,1H、J=4.2Hz、J=10.5Hz)、3.70〜3.74(m,3H)、3.62(s,3H)、2.20〜2.27(m,1H)、1.89〜1.93(m,1H);m/z=308(M+H)
+。
1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
アルゴンガス下で、THF(15ml)中の(S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン(440mg、5mmol、2当量)を0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(617mg、5.5mmol、2.2当量)を一度に加え、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。次に、フルオロテトラゾール(598mg、2.5mmol、1当量)を一度に加え、反応混合物を0℃で10分間撹拌し、2時間にわたって周囲温度に温めた。反応混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水に取り込んだ。層を分離し、有機層を水(×2)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(764mg、98%)が黄色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 8.41〜8.47(m,2H)、7.51〜7.54(d,1H、J=9Hz)、5.31〜5.4(t,1H、J=3.6Hz)、3.88〜3.93(dd,1H、J=4.2Hz、J=10.5Hz)、3.70〜3.74(m,3H)、3.62(s,3H)、2.20〜2.27(m,1H)、1.89〜1.93(m,1H);m/z=308(M+H)+。
1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
丸底フラスコに、1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(723mg、2.35mmol)、EtOH(25ml)、および10%のPd/C(水中50%、DegussaタイプE101;145mg、重量基準で20重量%の出発ニトロ化合物)を投入したところ、懸濁液が得られた。フラスコをゴム隔膜で密封し、脱気し、H2で満たされたバルーンからのH2(×3)でバックフィルした(back−filled)。反応混合物を、H2で満たされたバルーンを用いて2時間撹拌した。反応混合物を、Celiteのパッドを通してろ過し、CeliteのパッドをMeOHですすいだ。ろ液を蒸発乾固したところ、1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(646mg、99%)が暗褐色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 6.96〜6.99(m,1H)、6.89〜6.73(m,1H)、6.55〜6.60(m,1H)、5.06(bs,2H)、4.77〜4.85(m,1H)、3.55〜3.77(m,7H)、1.94〜2.03(m,1H)、1.78〜1.86(m,1H);m/z=278(M+H)+。
1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
丸底フラスコに、1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(764mg、2.49mmol)、EtOH(25ml)、および10%のPd/C(水中50%、DegussaタイプE101;153mg、重量基準で20重量%の出発ニトロ化合物)を投入したところ、懸濁液が得られた。フラスコをゴム隔膜で密封し、脱気し、H2で満たされたバルーンからのH2(×3)でバックフィルした。反応混合物を、H2で満たされたバルーンを用いて2時間撹拌した。反応混合物を、Celiteのパッドを通してろ過し、CeliteのパッドをMeOHですすいだ。ろ液を蒸発乾固したところ、1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(677mg、98%)が暗褐色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 6.96〜6.99(m,1H)、6.89〜6.73(m,1H)、6.55〜6.60(m,1H)、5.06(bs,2H)、4.77〜4.85(m,1H)、3.55〜3.77(m,7H)、1.94〜2.03(m,1H)、1.78〜1.86(m,1H);m/z=278(M+H)+。
5−ニトロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリルの調製
一般的な手順:アルゴンガス下で、THF(15ml)中の3−ヒドロキシオキセタン(370mg、5mmol、2当量)を0℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(617mg、5.5mmol、2.2当量)を一度に加え、反応混合物を0℃で20分間撹拌した。次に、2−フルオロ−5−ニトロベンゾニトリル(415mg、2.5mmol、1当量)を一度に加え、反応混合物を0℃で10分間撹拌し、1時間にわたって周囲温度に温めた。反応混合物を濃縮し、残渣をDCMおよび水に取り込んだ。層を分離し、有機層を水(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、5−ニトロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル(495mg、90%)が黄褐色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.74〜8.75(m,1H)、8.42〜8.47(m,1H)、7.09〜7.12(dd,1H、J=0.9Hz、J=9.3Hz)、5.56〜5.63(m,1H)、4.96〜5.00(m,2H)、4.59〜4.63(m,2H);m/z=221(M+H)
+。
上記の一般的な手順にしたがって、以下の化合物を調製した。
2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロベンゾニトリルの調製
(R)−(−)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランからの(544mg、93%)。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 8.67〜8.71(m,1H)、8.46〜8.50(m,1H)、7.45〜7.48(d,1H、J=9.6Hz)、5.33〜5.40(m,1H)、3.74〜3.95(m,4H)、2.27〜2.40(m,1H)、1.89〜2.06(m,1H);m/z=235(M+H)+。
2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロベンゾニトリルの調製
S)−(+)−3−ヒドロキシテトラヒドロフランからの(544mg、93%)。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 8.67〜8.71(m,1H)、8.46〜8.50(m,1H)、7.45〜7.48(d,1H、J=9.6Hz)、5.33〜5.40(m,1H)、3.74〜3.95(m,4H)、2.27〜2.40(m,1H)、1.89〜2.06(m,1H);m/z=235(M+H)+。
5−ニトロ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリルの調製
4−ヒドロキシテトラヒドロピランからの(510mg、82%)。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 8.68〜8.69(d,1H、J=3Hz)、8.43〜8.47(m,1H)、7.56〜7.59(d,1H、J=9.3Hz)、4.97〜5.05(m,1H)、3.82〜3.87(m,2H)、3.50〜3.60(m,2H)、1.99〜2.06(m,2H)、1.62〜1.72(m,2H);m/z=248(M+H)+。
5−アミノ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリルの調製
一般的な手順:丸底フラスコに、5−ニトロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル(495mg、2.25mmol)、EtOH(20ml)、および10%のPd/C(水中50%、DegussaタイプE101;100mg、重量基準で20重量%の出発ニトロ化合物)を投入したところ、懸濁液が得られた。フラスコをゴム隔膜で密封し、脱気し、H2で満たされたバルーンからのH2(×3)でバックフィルした。反応混合物を、H2で満たされたバルーンを用いて1時間撹拌した。反応混合物を、Celiteのパッドを通してろ過し、CeliteのパッドをMeOHですすいだ。ろ液を蒸発乾固したところ、5−アミノ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル(420mg、98%)が淡黄色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 6.77〜6.81(m,2H)、6.53〜6.60(m,1H)、5.18〜5.25(p,1H、J=6Hz)、5.12(bs,2H)、4.84〜4.89(t,2H、J=6.3Hz)、4.50〜4.51(t,2H、J=6.2Hz);m/z=191(M+H)+。
上記の一般的な手順にしたがって、以下の化合物を調製した。
2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノベンゾニトリルの調製
2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロベンゾニトリルからの(465mg、98%)。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 6.90〜6.99(m,1H)、6.77〜6.85(m,2H)、5.10(bs,2H)、4.93〜4.99(m,1H)、3.70〜3.87(m,4H)、2.07〜2.19(m,1H)、1.89〜1.96(m,1H);m/z=205(M+H)+。
2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノベンゾニトリルの調製
2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−ニトロベンゾニトリルからの(466mg、98%)。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 6.90〜6.99(m,1H)、6.77〜6.85(m,2H)、5.10(bs,2H)、4.93〜4.99(m,1H)、3.70〜3.87(m,4H)、2.07〜2.19(m,1H)、1.89〜1.96(m,1H);m/z=205(M+H)+。
5−アミノ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリルの調製
5−ニトロ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリルからの(361mg、81%)。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 7.00〜7.03(d,1H、J=8.7Hz)、6.73〜6.84(m,2H)、5.11(bs,2H)、4.42〜4.48(m,1H)、3.79〜3.85(m,2H)、3.40〜3.47(m,2H)、1.86〜1.98(m,2H)、1.50〜1.61(m,2H);m/z=219(M+H)+。
4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロベンゼンの調製
アセトン(1L)中の、5−フルオロ−2−ニトロフェノール(50.0g、318mmol、1当量)と、2−ヨードプロパン(96.0mL、955mmol、3当量)と、K
2CO
3(132.0g、955mmol、3当量)との混合物を、一晩(ON)にわたって加熱還流させた。室温に冷ました後、固体をろ過して取り除き、DCMですすぎ、次に、ろ液を濃縮乾固した。残渣を、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離し、有機層を1NのNaOHで1回洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固したところ、4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロベンゼン(49.3g、78%)が黄褐色の液体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 7.91〜7.96(dd,1H、J=6.3Hz、9.0Hz)、7.31〜7.35(dd,1H、J=2.4Hz、11Hz)、6.88〜6.95(m,1H)、4.77〜4.89(hep,1H、J=6.0Hz)、1.27〜1.29(d,6H、J=6.0Hz);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −102.4(六重項);m/z=200(M+H)
+。
4−フルオロ−2−イソプロポキシベンゼンアミンの調製
丸底フラスコに、4−フルオロ−2−イソプロポキシ−1−ニトロベンゼン(49.3g、248mmol)、EtOH(600mL)、および10%のPd/C(水中50%、DegussaタイプE101;10g、重量基準で20重量%の出発ニトロ化合物)を投入した。フラスコをゴム隔膜で密封し、脱気し、H
2で満たされたバルーンからのH
2(×3)でバックフィルした。反応物を、H
2で満たされたバルーンを用いて4日間撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、セライトのパッドをMeOHですすいだ。ろ液を蒸発乾固したところ、4−フルオロ−2−イソプロポキシベンゼンアミン(41.0g、98%)が褐色の液体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 6.67〜6.72(dd,1H、J=2.7Hz、11Hz)、6.55〜6.60(dd,1H、J=6.0Hz、8.7Hz)、6.43〜6.49(td,1H、J=2.7Hz、8.4Hz)、4.47〜4.55(m,3H)、1.23〜1.25(d,6H、J=6.0Hz);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −127.4(六重項);m/z=170(M+H)
+。
1−(4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
工程1:ホスゲン(トルエン中20%;63mL、118.2mmol、2当量)を、アルゴン下で−10℃(氷/MeOH)に冷却した。次に、4−フルオロ−2−イソプロポキシベンゼンアミン(10.0g、59.1mmol、1当量)を滴下して加え、反応混合物を−10℃で15分間撹拌し、次に、アルゴン下で3時間にわたって90℃まで加熱した。冷却した後、反応混合物を蒸発乾固し、粗4−フルオロ−1−イソシアナト−2−イソプロポキシベンゼンを減圧下で乾燥させた。
工程2:TMS−N3とのこの反応を、ブラストシールド(blast shield)の後ろで行った。粗4−フルオロ−1−イソシアナト−2−イソプロポキシベンゼンをアルゴン下に置き、トリメチルシリルアジド(16mL、118.2mmol、2当量)を加えた。反応混合物を、アルゴン下で一晩にわたって加熱還流させた。室温に冷ました後、反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣に飽和NaHCO3(100mL)を投入し、5〜10分間激しく撹拌し、次に、塩基性反応混合物をEtOAcで希釈した。層を分離し、有機層をTLCによって監視したところ、全ての生成物が飽和NaHCO3溶液によって抽出されたことが確認された。EtOAcを組み合わされた塩基性水性抽出物に加え、6NのHClを用いて、pHを3未満に調整した。水層と有機層とを分け、水層をEtOAcで3回抽出した。組み合わされた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、1−(4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(11.4g、81%)が褐色の油として得られ、それをさらに精製せずに使用した。1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 7.47〜7.52(dd,1H、J=6.0Hz、8.4Hz)、7.19〜7.24(dd,1H、J=2.7Hz、12Hz)、6.87〜6.94(td,1H、J=2.7Hz、8.1Hz)、4.63〜4.75(d,6H、J=6.0Hz)、1.17〜1.19(d,6H、J=6.0Hz);19F NMR(282MHz;d6−DMSO)δ −107.2(q);m/z=238(M+H)+。
1−(4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
DMF(40mL)中の、1−(4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(4.10g、17.2mmol、1当量)と、K
2CO
3(7.15g、52.0mmol、3当量)と、ヨードメタン(3.25mL、52.0mmol、3当量)との混合物を、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水とEtOAcとに分け、次に、層を分離した。水層をEtOAcで2回抽出し、組み合わされた有機層を塩水で1回洗浄した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固したところ、1−(4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(3.50g、81%)が褐色の油として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 7.46〜7.51(dd,1H、J=6.3Hz、8.4Hz)、7.20〜7.25(dd,1H、J=2.7Hz、11Hz)、6.87〜6.94(td,1H、J=2.7Hz、8.1Hz)、4.63〜4.75(hept,1H、J=6.0Hz)、3.59(s,3H)、1.16〜1.18(d,6H、J=6.0Hz);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −107.0(六重項);m/z=253(M+H)
+。
1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
H
2SO
4(35mL)中の1−(4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(3.50g、13.9mmol、1当量)の溶液を氷/水浴中で冷却した。冷却された溶液に、HNO
3(発煙>90%;715uL、15.3mmol、1.1当量)を滴下して加え、冷却された反応混合物を2時間にわたって室温に温めた。反応混合物を氷でクエンチし、EtOAcで3回抽出した。次に、有機層を飽和NaHCO
3で3回抽出した。6NのHClを用いて、塩基性水層をpH<3になるまで酸性化した。次に、酸性層をEtOAcで3回抽出し、有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固したところ、1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(2.94g、83%)が褐色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 12.5(bs,1H)、8.41〜8.44(d,1H、J=8.7Hz)、7.04〜7.08(d,1H、J=13Hz)、3.59(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −111.3(q);m/z=256(M+H)
+。
1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
丸底フラスコに、1−(4−フルオロ−2−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(500mg、1.96mmol)、EtOH(20mL)、HOAc(250uL)、および10%のPd/C(水中50%、DegussaタイプE101;100mg、重量基準で20重量%の出発ニトロ化合物)を投入した。フラスコをゴム隔膜で密封し、脱気し、H
2で満たされたバルーンからのH
2(×3)でバックフィルした。反応物を、H
2で満たされたバルーンを用いて2時間撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、セライトのパッドをMeOHですすいだ。ろ液を蒸発乾固し、生成物を、45℃で水浴とともに減圧下で乾燥させたところ、あらゆる残りのHOAcが除去されて、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(437mg、99%)が褐色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.46(s,1H)、6.67〜6.72(m,2H)、4.80(bs,2H)、3.56(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −128.6(t);m/z=225(M+H)
+。
実施例30:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物38)の合成
マイクロ波バイアルに、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;100mg、0.335mmol、1当量)、1−(5−アミノ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(国際公開第2011/068898号パンフレットに記載される。120mg、0.455mmol、1.36当量)、rac−BINAP(45mg、0.0726mmol、0.217当量)、Cs
2CO
3(327mg、1.00mmol、3当量)、Pd(OAc)
2(7mg、0.0291mmol、0.0870当量)、およびジオキサン(4ml)を加えた。マイクロ波バイアルに蓋をし、減圧下で5分間、超音波で分解した。反応混合物を、マイクロ波中で、120℃で2時間加熱した。冷却された反応混合物を、Celiteのパッドを用いてろ過し、ジオキサンですすぎ、ろ液を濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜95:5で溶離したところ、所望の生成物1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物38)(ラセミ体、単一のジアステレオマー;90mg、51%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.21(s,1H)、8.06(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.57〜7.60(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.23〜7.26(m,1H)、6.80〜6.83(d,1H、J=9.3Hz)、5.34〜5.27(p,1H、J=6.3Hz)、4.79〜4.84(t,2H、J=6Hz)、4.38〜4.42(t,2H、J=5.7Hz)、4.04(bs,1H)、3.62(s,3H)、2.84(bs,1H)、1.89〜2.42(m,4H)、1.13〜1.74(m,5H)、1.06〜1.13(m,4H)、0.815(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.5(s);m/z=526(M+H)
+。
実施例31:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物39〜40)のキラルHPLC分解
鏡像異性体への化合物1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物38)(ラセミ体、単一のジアステレオマー、55mg)のキラルHPLC分解を行った。
キラルHPLC方法:カラム:Chiralcel OJ−H、4.6×250mm、ガード付き。移動相:90%のCO2、0.1%のトリエチルアミンとともに10%のメタノール。流量:4ml/分。注入量:10μL。濃度:約5mg/ml。検出:254nmにおけるUV。
化合物39
化合物39:(>99%の鏡像体過剰率、15mg)は、Rt=6.14分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.21(s,1H)、8.06(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.57〜7.60(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.23〜7.26(m,1H)、6.80〜6.83(d,1H、J=9.3Hz)、5.34〜5.27(p,1H、J=6.3Hz)、4.79〜4.84(t,2H、J=6Hz)、4.38〜4.42(t,2H、J=5.7Hz)、4.04(bs,1H)、3.62(s,3H)、2.84(bs,1H)、1.89〜2.42(m,4H)、1.13〜1.74(m,5H)、1.06〜1.13(m,4H)、0.815(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.5(s);m/z=526(M+H)
+。
化合物40
化合物40:(>99%の鏡像体過剰率、12mg)は、Rt=7.39分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.21(s,1H)、8.06(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.57〜7.60(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.23〜7.26(m,1H)、6.80〜6.83(d,1H、J=9.3Hz)、5.34〜5.27(p,1H、J=6.3Hz)、4.79〜4.84(t,2H、J=6Hz)、4.38〜4.42(t,2H、J=5.7Hz)、4.04(bs,1H)、3.62(s,3H)、2.84(bs,1H)、1.89〜2.42(m,4H)、1.13〜1.74(m,5H)、1.06〜1.13(m,4H)、0.815(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.5(s);m/z=526(M+H)
+。
実施例32:5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル(化合物41)の合成
IPA(5ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;150mg、0.502mmol、1当量)と、5−アミノ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル(153mg、0.703mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(95mg、0.502mmol、1当量)との混合物を3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)ベンゾニトリル(化合物41)(ラセミ体、単一のジアステレオマー;182mg、76%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.11〜8.12(d,1H、J=2.4Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.71〜7.75(dd,2H、J=3Hz、J=9.3Hz)、7.28〜7.19(m,2H)、4.62〜4.67(m,1H)、4.14(bs,1H)、3.80〜3.87(m,2H)、3.44〜3.52(m,2H)、2.86(bs,1H)、2.31〜2.55(m,1H)、1.08〜2.06(m,15H)、0.985(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=481(M+H)
+。
2,2−ジフルオロ−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジンを用いた化合物の合成
最終化合物の合成のための典型的な手順:5%未満のクロロ−SMがLC−MSによって検出されるまで、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(33.5mg、0.1mmol)、アニリン(0.14mmol)およびp−TSA・H
2O(28.5mg、0.15mmol)のi−PrOH(2ml)溶液を、90℃で15〜96時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、生成物をRP−HPLCによって精製した。生成物がギ酸塩として得られ、それを以下の方法によって遊離塩基化した(free−based):塩のMeOH溶液をゆっくりとPL−HCO
3カラムに通し、カラムをMeOHでさらに洗浄し、ろ液を収集し、溶媒を減圧下で除去したところ、最終的な所望の生成物が得られた。
実施例33:1−(5−(4−((7S,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物42)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.57(d,J=7.8Hz、1H)、7.80(d,J=3.1Hz、1H)、7.06(d,J=3.4Hz、1H)、6.87(d,J=12.2Hz、1H)、5.08(d,J=4.6Hz、1H)、4.35〜4.29(m,1H)、3.74(s,3H)、3.34(ddd,J=14.3、10.6、6.9Hz、1H)、3.01〜2.92(m,1H)、2.81(ddd,J=19.3、15.3、10.8Hz、1H)、2.42〜2.28(m,1H)、2.11〜2.07(m,1H)、2.02〜1.79(m,3H)、1.70(dd,J=14.4、4.5Hz、1H)、1.59〜1.49(m,1H、水のピークと重複)、1.12(s,6H)、0.87〜0.81(m,2H)、0.60〜0.55(m,2H);LRMS(M+H)m/z 548.34。
実施例34:N
2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−N
4−((7S,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物43)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.90(s,1H)、8.73(d,J=7.7Hz、1H)、7.80(d,J=3.0Hz、1H)、7.10(d,J=3.4Hz、1H)、6.90(d,J=12.1Hz、1H)、5.13(d,J=5.7Hz、1H)、4.31〜4.24(m,1H)、3.34(ddd,J=13.8、10.7、7.8Hz、1H)、3.00〜2.88(m,1H)、2.81(ddd,J=19.7、14.9、10.8Hz、1H)、2.39〜2.26(m,1H)、2.08〜1.80(m,4H)、1.69(dd,J=14.4、4.5Hz、1H)、1.62〜1.49(m,1H、水のピークと重複)、1.12(s,3H)、1.11(s,3H)、0.91〜0.84(m,2H)、0.64〜0.58(m,2H);LRMS(M+H)m/z 518.33。
実施例35:5−(4−((7S,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−メチルベンゾニトリル(化合物44)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.16(d,J=2.4Hz、1H)、7.81(d,J=3.1Hz、1H)、7.41(dd,J=8.4、2.4Hz、1H)、7.20(d,J=12.1Hz、1H)、6.88〜6.86(m,1H)、5.10(d,J=5.6Hz、1H)、4.38〜4.32(m,1H)、3.35(ddd,J=13.8、10.7、7.1Hz、1H)、3.04〜2.94(m,1H)、2.83(ddd,J=19.6、15.1、10.8Hz、1H)、2.49(s,3H)、2.43〜2.29(m,1H)、2.15(br dd,J=13.6、2.1Hz、1H)、2.07〜1.82(m,3H)、1.70(ddd,J=13.6、11.8、4.3Hz、1H)、1.15(s,3H)、1.14(s,3H);LRMS(M+H)m/z 431.26。
実施例36:1−(5−(4−((7R,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物45)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.53(d,J=7.8Hz、1H)、7.79(d,J=3.1Hz、1H)、7.05(d,J=3.1Hz、1H)、6.89(d,J=12.2Hz、1H)、4.74(d,J=6.5Hz、1H)、4.17(tdt,J=11.3、7.3、3.8Hz、1H)、3.72(s,3H)、3.30(ddd,J=14.3、10.7、6.7Hz、1H)、2.85〜2.68(m,2H)、2.40〜2.26(m,2H)、2.00〜1.75(m,3H)、1.41(dd,J=12.3、12.3Hz、1H)、1.12(s,3H)、1.17〜1.06(m,1H)、0.98(s,3H)、0.85〜0.79(m,2H)、0.59〜0.53(m,2H);LRMS(M+H)m/z 548.35。
実施例37:N
2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−5−フルオロ−N
4−((7R,8aR)−2,2−ジフルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物46)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.89(s,1H)、8.67(d,J=7.7Hz、1H)、7.78(d,J=3.0Hz、1H)、7.07(d,J=3.5Hz、1H)、6.90(d,J=12.1Hz、1H)、4.77(d,J=8.3Hz、1H)、4.14(tdt,J=13.0、8.8、4.3Hz、1H)、3.28(ddd,J=14.5、10.6、5.8Hz、1H)、2.86〜2.71(m,2H)、2.42〜2.25(m,2H)、2.00〜1.78(m,2H)、1.56〜1.47(m,1H、水のピークと重複)、1.41(dd,J=12.3、12.3Hz、1H)、1.14(s,3H)、1.18〜1.06(m,1H)、0.95(s,3H)、0.89〜0.83(m,2H)、0.63〜0.57(m,2H);LRMS(M+H)m/z 518.34。
実施例38:1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物47)の合成
IPA(7ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;200mg、0.669mmol、1当量)と、1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(260mg、0.937mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(127mg、0.669mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物47)(2つのジアステレオマーの混合物;279mg、77%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.20(s,1H)、8.03(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.60〜7.63(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.22〜7.25(d,1H、J=7.8Hz)、7.14〜7.17(d,1H、J=9Hz)、4.94〜5.07(m,1H)、3.99〜4.11(m,1H)、3.79〜3.83(dd,1H、J=4.5Hz、J=9.9Hz)、3.59〜3.69(m,6H)、2.84(bs,1H)、1.41〜2.24(m,11H)、1.06〜1.22(m,4H)、0.813(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.6(s);m/z=540(M+H)
+。
実施例39:1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物49)の合成
IPA(7ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;200mg、0.669mmol、1当量)と、1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(260mg、0.937mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(127mg、0.669mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物49)(2つのジアステレオマーの混合物;315mg、87%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.20(s,1H)、8.03(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.60〜7.63(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.22〜7.25(d,1H、J=7.8Hz)、7.14〜7.17(d,1H、J=9Hz)、4.94〜5.07(m,1H)、3.99〜4.11(m,1H)、3.78〜3.83(dd,1H、J=4.5Hz、J=9.9Hz)、3.59〜3.69(m,6H)、2.84(bs,1H)、1.41〜2.24(m,11H)、1.06〜1.22(m,4H)、0.812(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.6(s);m/z=540(M+H)
+。
実施例40:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物51)の合成
IPA(7ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;200mg、0.669mmol、1当量)と、1−(5−アミノ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(国際公開第2011068898号パンフレットに記載される、273mg、0.937mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(127mg、0.669mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物51)(ラセミ体、単一のジアステレオマー;321mg、87%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.19(s,1H)、8.06(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.57〜7.61(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.22〜7.25(d,1H、J=7.8Hz)、7.18〜7.21(d,1H、J=9Hz)、4.44〜4.57(m,1H)、3.97〜4.12(m,1H)、3.61〜3.67(m,7H)、3.37〜3.44(m,2H)、2.84(bs,1H)、1.42〜2.24(m,11H)、1.06〜1.22(m,4H)、0.812(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.7(s);m/z=554(M+H)
+。
実施例41:2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物57)の合成
IPA(7ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;200mg、0.669mmol、1当量)と、2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノベンゾニトリル(191mg、0.937mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(127mg、0.669mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70
℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物57)(2つのジアステレオマー;295mg、95%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.10〜8.11(d,1H、J=2.7Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.75〜7.78(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.25〜7.28(d,1H、J=7.8Hz)、7.09〜7.12(d,1H、J=9Hz)、5.02〜5.11(m,1H)、4.11〜4.21(m,1H)、3.71〜3.91(m,4H)、2.85(bs,1H)、1.41〜2.42(m,11H)、1.08〜1.27(m,4H)、0.987(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=467(M+H)
+。
実施例42:2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物58〜59)のキラルHPLC分離
ジアステレオマー(各単一の鏡像異性体)への化合物2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物57)(2つのジアステレオマー55mg)のキラルHPLC分離を行った。
キラルHPLC方法:カラム:Chiralcel OJ−H、4.6×250mm、ガード付き。移動相:90%のCO2、0.1%のトリエチルアミンとともに10%のメタノール。流量:4ml/分。注入量:10μL。濃度:約5mg/ml。検出:254nmにおけるUV。
化合物58
化合物58:(>99%の鏡像体過剰率、16mg)は、Rt=3.90分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.10〜8.11(d,1H、J=2.7Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.75〜7.78(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.25〜7.28(d,1H、J=7.8Hz)、7.09〜7.12(d,1H、J=9Hz)、5.02〜5.11(m,1H)、4.11〜4.21(m,1H)、3.71〜3.91(m,4H)、2.85(bs,1H)、1.41〜2.42(m,11H)、1.08〜1.27(m,4H)、0.987(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=467(M+H)
+。
化合物59
化合物59:(>99%の鏡像体過剰率、16mg)は、Rt=4.95分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.10〜8.11(d,1H、J=2.7Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.75〜7.78(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.25〜7.28(d,1H、J=7.8Hz)、7.09〜7.12(d,1H、J=9Hz)、5.02〜5.11(m,1H)、4.11〜4.21(m,1H)、3.71〜3.91(m,4H)、2.85(bs,1H)、1.41〜2.42(m,11H)、1.08〜1.27(m,4H)、0.987(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=467(M+H)
+
実施例43:2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物60)の合成
IPA(7ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;200mg、0.669mmol、1当量)と、2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノベンゾニトリル(191mg、0.937mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(127mg、0.669mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物60)(2つのジアステレオマー;294mg、95%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.10〜8.11(d,1H、J=2.7Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.75〜7.78(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.25〜7.28(d,1H、J=7.8Hz)、7.09〜7.12(d,1H、J=9Hz)、5.02〜5.11(m,1H)、4.11〜4.21(m,1H)、3.72〜3.91(m,4H)、2.84(bs,1H)、1.40〜2.42(m,11H)、1.08〜1.27(m,4H)、0.982(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=467(M+H)
+。
実施例44:化合物60 2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物61〜62)のHPLC分離
構成要素である単一のジアステレオマーへの化合物2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)ベンゾニトリル(化合物60)(2つのジアステレオマーの混合物55mg)のHPLC分離を行った。
HPLC方法:カラム:Chiralcel OJ−H、4.6×250mm、ガード付き。移動相:90%のCO2、0.1%のトリエチルアミンとともに10%のメタノール。流量:4ml/分。注入量:10μL。濃度:約5mg/ml。検出:254nmにおけるUV。
化合物61
化合物61:(>96%のジアステレオマー過剰率、17mg)は、Rt=6.01分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.10〜8.11(d,1H、J=2.7Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.75〜7.78(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.25〜7.28(d,1H、J=7.8Hz)、7.09〜7.12(d,1H、J=9Hz)、5.02〜5.11(m,1H)、4.11〜4.21(m,1H)、3.71〜3.91(m,4H)、2.85(bs,1H)、1.41〜2.42(m,11H)、1.08〜1.27(m,4H)、0.987(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=467(M+H)
+。
化合物62
化合物62:(>97%のジアステレオマー過剰率、18mg)は、Rt=6.90分間を有する。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.14(s,1H)、8.10〜8.11(d,1H、J=2.7Hz)、7.84〜7.86(d,1H、J=3.9Hz)、7.75〜7.78(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.25〜7.28(d,1H、J=7.8Hz)、7.09〜7.12(d,1H、J=9Hz)、5.02〜5.11(m,1H)、4.11〜4.21(m,1H)、3.71〜3.91(m,4H)、2.85(bs,1H)、1.41〜2.42(m,11H)、1.08〜1.27(m,4H)、0.987(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.3(s);m/z=467(M+H)
+。
実施例45:5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル(化合物63)の合成
IPA(7ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(ラセミ体、単一のジアステレオマー;200mg、0.669mmol、1当量)と、5−アミノ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル(178mg、0.937mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(127mg、0.669mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(オキセタン−3−イルオキシ)ベンゾニトリル(化合物63)(ラセミ体、単一の鏡像異性体;163mg、54%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.16(s,1H)、8.14(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.71〜7.74(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.23〜7.26(m,1H)、6.74〜6.77(d,1H、J=9.3Hz)、5.24〜5.39(p,1H、J=6.3Hz)、4.88〜4.94(t,2H、J=6Hz)、4.49〜4.58(t,2H、J=5.7Hz)、4.15(bs,1H)、2.84(bs,1H)、1.42〜2.42(m,9H)、1.06〜1.28(m,4H)、0.974(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.2(s);m/z=453(M+H)
+。
実施例46:1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物48)の合成
IPA(1.5ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(単一の鏡像異性体;35mg、0.116mmol、1当量)と、1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(45mg、0.162mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(22mg、0.116mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(2−((R)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物48)(49mg、78%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.20(s,1H)、8.03(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.60〜7.63(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.22〜7.25(d,1H、J=7.8Hz)、7.14〜7.17(d,1H、J=9Hz)、4.94〜5.07(m,1H)、3.99〜4.11(m,1H)、3.79〜3.83(dd,1H、J=4.5Hz、J=9.9Hz)、3.59〜3.69(m,6H)、2.84(bs,1H)、1.41〜2.24(m,11H)、1.06〜1.22(m,4H)、0.813(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.6(s);m/z=540(M+H)
+。
実施例47:1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物50)の合成
IPA(2ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(単一のジアステレオマー、単一の鏡像異性体;53mg、0.178mmol、1当量)と、1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−アミノフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(69mg、0.249mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(34mg、0.178mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(2−((S)−テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)−5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物50)(75mg、78%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.20(s,1H)、8.03(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.60〜7.63(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.22〜7.25(d,1H、J=7.8Hz)、7.14〜7.17(d,1H、J=9Hz)、4.94〜5.07(m,1H)、3.99〜4.11(m,1H)、3.78〜3.83(dd,1H、J=4.5Hz、J=9.9Hz)、3.59〜3.69(m,6H)、2.84(bs,1H)、1.41〜2.24(m,11H)、1.06〜1.22(m,4H)、0.812(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.6(s);m/z=540(M+H)
+。
実施例48:1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物52)の合成
IPA(2ml)中の、N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(単一のジアステレオマー、単一の鏡像異性体;53mg、0.178mmol、1当量)と、1−(5−アミノ−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(国際公開第2011/068898号パンフレットに記載される、73mg、0.249mmol、1.4当量)と、PTSA一水和物(34mg、0.178mmol、1当量)との混合物を、3日間にわたって70℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固し、水、EtOAc、および1NのNaOHに取り込んだ。層を分離した。有機層を1NのNaOH(×2)で洗浄し、Na
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜96:4で溶離したところ、化合物1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−(テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物52)(48mg、50%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.19(s,1H)、8.06(s,1H)、7.83〜7.84(d,1H、J=3.9Hz)、7.57〜7.61(dd,1H、J=2.1Hz、J=8.7Hz)、7.22〜7.25(d,1H、J=7.8Hz)、7.18〜7.21(d,1H、J=9Hz)、4.44〜4.57(m,1H)、3.97〜4.12(m,1H)、3.61〜3.67(m,7H)、3.37〜3.44(m,2H)、2.84(bs,1H)、1.42〜2.24(m,11H)、1.06〜1.22(m,4H)、0.812(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.7(s);m/z=554(M+H)
+。
実施例49:1−(5−(4−((2R,7R,8aR)−2−フルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物64)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.57(d,J=7.8Hz、1H)、7.78(s,1H)、7.09(s,1H)、6.89(d,J=12.2Hz、1H)、5.18(dt,J=11.9、5.7Hz、1H)、4.75(d,J=8.2Hz、1H)、4.28〜4.12(m,1H)、3.73(s,3H)、3.52〜3.35(m,1H)、2.78(t,J=13.3Hz、1H)、2.71〜2.52(m,1H)、2.33(d,J=11.8Hz、1H)、2.19〜1.99(m,1H)、1.89〜1.75(m,2H)、1.74〜1.48(m,3H)、1.30(t,J=12.2Hz、1H)、1.15(s,3H)、1.00(s,3H)、0.87〜0.78(m,2H)、0.61〜0.51(m,2H)。
19F NMR(282MHz、CDCl3)δ −129.42(s)、−167.50(s)、−168.35〜−169.04(m)。
LCMS(m/z):530.5(MH
+)。
実施例50:1−(5−(4−((2R,7S,8aR)−2−フルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物65)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.59(d,J=7.8Hz、1H)、7.79(d,J=3.1Hz、1H)、7.10(d,J=3.2Hz、1H)、6.86(d,J=12.2Hz、1H)、5.30〜5.04(m,2H)、4.32(s,1H)、3.72(s,3H)、3.55〜3.37(m,1H)、3.01〜2.86(m,1H)、2.80〜2.60(m,1H)、2.08(d,J=13.6Hz、2H)、1.92〜1.75(m,3H)、1.63〜1.37(m,2H)、1.13(s,3H)、1.12(s,3H)、0.87〜0.79(m,2H)、0.60〜0.53(m,2H)。
19F NMR(282MHz、CDCl3
3)δ −129.67(s)、−167.84(s)、−168.37〜−168.79(m)。
LCMS(m/z):530.5(MH
+)。
実施例51:1−(5−(4−((2S,7R,8aR)−2−フルオロ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物67)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.54(d,J=7.8Hz、1H)、7.78(s,1H)、7.05(s,1H)、6.88(d,J=12.2Hz、1H)、5.23〜5.00(m,1H)、4.77(d,J=8.0Hz、1H)、4.19〜4.08(m,1H)、3.71(s,3H)、3.18(dd,J=22.9、11.3Hz、1H)、2.46〜2.27(m,4H)、1.84〜1.64(m,4H)、1.48(t,J=12.3Hz、1H)、1.26〜1.15(m,3H)、0.93(s,3H)、0.86〜0.78(m,2H)、0.59〜0.53(m,2H)。
19F NMR(282MHz、CDCl
3)δ −129.23(s)、−164.71〜−165.30(m)、−167.34(s)。
LCMS(m/z):530.5(MH
+)。
実施例52:1−(5−(4−((2R,7R,8aR)−2−ヒドロキシ−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物68)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.56(d,J=7.7Hz、1H)、7.78(s,1H)、7.12(s,1H)、6.90(d,J=12.2Hz、1H)、4.79(d,J=8.0Hz、1H)、4.40(s,1H)、4.21〜4.07(m,1H)、3.76(s,3H)、3.49(s,1H)、3.41(dd,J=9.9、6.8Hz、1H)、2.70(dd,J=16.6、10.3Hz、1H)、2.32(dd,J=9.8、4.0Hz、2H)、2.08(s,1H)、1.85〜1.63(m,4H)、1.35(t,J=12.3Hz、1H)、1.16(s,3H)、1.01〜0.88(m,3H)、0.81(d,J=8.3Hz、2H)、0.57(d,J=4.0Hz、2H)。
LCMS(m/z):528.4(MH
+)。
実施例53:5−フルオロ−N2−(4−フルオロ−3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−N4−(オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物69〜70)の合成
化合物69および70の合成
モノ−S
NAr生成物(50.0mg、0.159mmol)を、2ドラムバイアル中で4mlのイソプロピルアルコールに溶解させた。PTSA−一水和物(45.3mg、0.238mmol)および所望のアニリン(1.5当量)を加え、バイアルを密封した。陽極酸化アルミニウム加熱ブロックを用いて、105℃で一晩加熱した後、蓋を外すことによって溶媒を沸騰させて取り除いた。アセトニトリル/水勾配を用いて溶離しながら分取HPLCによって生成物を単離した。NMRの分析により、単離された生成物が未知の形態の単一のジアステレオマーであることが示された。
5−フルオロ−N2−(4−フルオロ−3−(5−メチル−1H−テトラゾール−1−イル)フェニル)−N4−(オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−イル)ピリミジン−2,4−ジアミン(化合物70)の合成
1H NMR(300MHz、d6−DMSO)δ 8.05〜7.88(m,1H)、7.87〜7.71(m,1H)、7.70〜7.50(m,2H)、6.50(s,1H)、5.46(s,1H)、4.17(s,1H)、3.70(s,1H)、3.02(s,1H)、2.61〜2.50(m,4H)、2.44(t,J=0.9Hz、1H)、2.23(d,J=20.1Hz、2H)、2.14(d,J=14.0Hz、1H)、1.89(s,2H)、1.43(d,J=12.9Hz、1H)、1.35(s,3H)、1.24(s,3H)、1.20(d,J=23.5Hz、3H)、0.97(d,J=6.8Hz、2H);MS(ES)470(M+H)、468(M−H)。
1−(5−(5−フルオロ−4−(オクタヒドロ−5,5,8−トリメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−2−イルアミノ)−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物69)の合成
1H NMR(300MHz、CDCl
3)δ 8.45(d,J=7.8Hz、1H)、8.36(s,1H)、7.78〜7.72(s br,1H)、7.21(s,1H)、6.81(d,J=12.1Hz、1H)、5.95(s br,2H)、5.18(s,1H)、4.34(s,1H)、3.67(s,3H)、3.13(m,1H)、2.84(m,1H)、2.60〜2.45(m,1H)、2.28(s,1H)、2.24〜2.03(m,4H)、2.05〜1.66(m,3H)、1.39(s,3H)、1.27(s,3H)、0.98(d,J=7.0Hz、3H)、0.78(d,J=8.3Hz、1H)、0.56〜0.46(m,2H);MS(ES)526(M+H)、524(M−H)。
実施例54:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチル−オクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物22)の合成
イソプロパノール(1.5ml)中の、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(49mg、0.16mmol、1当量)と、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(59mg、0.25mmol、1.5当量)と、pTsOH・H
2O(25mg、0.13mmol、0.8当量)との混合物を、密封されたバイアル中で、100℃で一晩加熱した。室温に冷ました後、溶媒を除去し、残渣をHPLCによって精製したところ、生成物が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.39(s,1H)、7.85(d,J=8.1Hz、1H)、7.78(d,J=3.9Hz、1H)、7.25(d,J=12.6Hz、1H)、7.18(d,J=8.1Hz、1H)、4.05〜3.90(m,1H)、3.75(s,3H)、3.59(s,3H)、2.85〜2.75(m,1H)、2.27〜2.15(m,2H)、1.93〜1.89(m,1H)、1.70〜1.50(m,3H)、1.41〜1.32(m,1H)、1.24〜1.15(m,1H)、1.11〜0.95(m,2H)、1.04(s,3H)、0.76(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −115.9(s)、−166.9(s);m/z=502.1(M+H)
+;m/z=500.4(M−H)
+。
実施例55:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチル−オクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−イソプロポキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物23)の合成
イソプロパノール(1.5ml)中の、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(52mg、0.18mmol、1当量)と、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(94mg、0.36mmol、2当量)と、pTsOH.H
2O(27mg、0.14mmol、0.8当量)との混合物を、密封されたバイアル中で、100℃で一晩加熱した。室温に冷ました後、溶媒を除去し、残渣をHPLCによって精製したところ、生成物が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.38(s,1H)、7.82(d,J=8.4Hz、1H)、7.78(d,J=3.9Hz、1H)、7.26(d,J=12.6Hz、1H)、7.20(d,J=8.1Hz、1H)、4.59(q,J=6.0Hz、1H)、4.05〜3.90(m,1H)、3.59(s,3H)、2.90〜2.80(m,1H)、2.30〜2.20(m,2H)、1.95〜1.91(m,1H)、1.72〜1.52(m,3H)、1.43〜1.35(m,1H)、1.22〜1.00(m,3H)、1.55(d,J=6.0Hz、6H)、1.05(s,3H)、0.78(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −116.2(s)、−167.0(s);m/z=530.2(M+H)
+;m/z=528.5(M−H)
+。
実施例56:化合物71の合成
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.76(s,1H)、8.42〜8.39(m,1H)、7.86(d,J=3.6Hz、1H)、7.58〜7.53(m,1H)、7.41(t,J=6.5Hz、1H)、7.27(br.d,1H)、4.04(m,1H)、2.81(m,1H)、2.42〜2.20(m,2H)、1.98〜1.89(m,1H)、1.74〜1.48(m,4H)、1.43〜1.35(m,1H)、1.30〜1.11(m,2H)、1.04(s,3H)、0.83(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −165.3(s)、−135.6(s)、−135.1(s)、−116.7(s)、−112.5(m);m/z=500.25(M+H)
+;rt=4.13分間(HPLC条件−プロトコル1)。
実施例57:化合物72の合成
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.66(s,1H)、8.17(d,J=11.9Hz、1H)、7.94〜7.92(m,2H)、7.43(br.d,J=7.4Hz、1H)、7.27(d,J=8.8Hz、1H)、4.24〜4.10(m,1H)、2.90〜2.79(m,1H)、2.36〜2.23(m,1H)、2.05〜2.10(m,1H)、1.70〜1.44(m,4H)、1.30〜1.15(m,3H)、1.09(s,3H)、0.98(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −164.3(s)、−136.7(s)、−136.1(s)、−113.7(m)、−109.5(s);m/z=500.37(M+H)
+;rt=4.57分間(HPLC条件−プロトコル1)。
実施例58:化合物76の合成
4−(R,S)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−シクロプロピル−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物76)の合成:
iPrOH(25mL)中の(R,S)−2−クロロ−4−(オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(実施例7;0.300g、1.0mmol)の溶液に、1−(5−アミノ−2−シクロプロピル−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(0.34g、1.4mmol)およびp−TSA(0.20g、1.1mmol)を加え、反応混合物を4時間にわたって75℃まで加熱した。LCMS分析により、反応の完了が示された。揮発物の除去およびカラムクロマトグラフィーによる粗製物の精製により、所望の生成物がp−トルエンスルホン酸塩として得られた。塩を50mLのEtOAcに溶解させ、2NのNaOH水溶液を用いて分けた。有機層を分離し、Na
2SO
4上で乾燥させた。減圧下での溶媒の除去により、所望の生成物が78%の収率(0.40g)で得られた。
1H NMR(DMSO d
6、300MHz)δ:9.43(s,1H)、8.29(s,1H)、7.65(d,J=7.2Hz、1H)、7.42(d,J=8.1Hz、1H)、7.02(d,J=12.0Hz、1H)、4.02(br.s,1H)、3.60(s,3H)、2.76〜2.81(m,1H)、2.15〜2.24(m,2H)、1.79〜1.83(m,1H)、1.50〜1.68(m,4H)、1.34〜1.43(m,2H)、1.07〜1.22(m,5H)、1.01(s,3H)、0.82〜0.86(m,2H)、0.63〜0.67(m,2H);LCMS(m/z):519(MH
+)。
実施例59:1−(2−((S)−2−ヒドロキシプロポキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物81)の合成
1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンを、上記の実施例29にしたがって調製した。N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンおよび1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンを共役させて(conjugate)、フェノール(化合物89)を形成した。フェノール(4.61g、9.45mmol)、(S)−1−ヨードプロパン−2−オール(7.02g、37.7mmol)(米国特許出願公開第2005/0054701号明細書にしたがって合成される)およびCs
2CO
3(7.68g、23.6mmol)を圧力容器に入れた。DMA(ジメチルアセトアミド)(50ml)を加え、容器を密封した。薄灰色の懸濁液を100℃まで加熱し、この温度で15時間撹拌した。室温に冷ました後、反応混合物をTLCおよびHPLCによって分析して、完了を確認した。DMAを蒸留して取り除き、水(100ml)を粗反応混合物に加えた。粗反応混合物をDCM(2×100ml)およびEtOAc(1×100ml)で抽出し、Na
2SO
4を通してろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させたところ、6.6グラムの粗生成物が得られた。粗生成物をDCMに再溶解させ、シリカゲル上に吸収させた。DCMおよびMeOH(2MのNH
3)(0%〜6%の勾配)で溶離されるCombiFlash Goldカラム(球状シリカ、220グラム)を用いてさらなる精製を行った。透明の画分を組み合わせたところ、3.04グラム(59%、オフホワイトの固体)の化合物81が得られた。逆相HPLCおよび
1H−NMRにより、実質的に純粋な生成物が示された。キラルSFC(12分間の方法)による分析により、生成物が、約1.2%の他のジアステレオマーおよび2つのジアステレオマー位置異性体(約1.0%および約3.4%)も含有することが示された。
1H NMR(300MHz、d6−DMSO)δ 8.41(s,1H)、7.88(d,J=8.4Hz、1H)、7.80(d,J=3.8Hz、1H)、7.27(d,J=12.5Hz、1H)、7.20(d,J=7.8Hz、1H)、4.74(d,J=4.1Hz、1H)、4.08〜3.94(m,1H)、3.93〜3.76(m,3H)、3.60(s,3H)、3.32(m,1H)、2.90〜2.75(m,1H)、2.30〜2.11(m,2H)、1.94(d,J=11.0Hz、1H)、1.78〜1.47(m,4H)、1.47〜1.33(m,1H)、1.30〜1.09(m,2H)、1.09〜0.99(m,6H)、0.77(s,3H);MS(ES)m/z 546(M+H)
+。
実施例60:1−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物77)の合成
フェノール(化合物89)(9.90g、20.3mmol)、2−ブロモエタノール(10.2g、81.2mmol)およびCs
2CO
3(16.5g、50.7mmol)を圧力容器に入れた。DMA(ジメチルアセトアミド)(100ml)を加え、容器を密封した。反応混合物を80℃まで加熱し、この温度で16時間撹拌した。次に、反応物を、TLCおよびHPLCによって分析して、完了を確認した。DMAを蒸留して取り除き、水(150ml)を加え、粗反応混合物をDCM(3×150ml)で抽出した。有機層を組み合わせて、Na
2SO
4を通してろ過し、溶媒を減圧下で蒸発させた。粗生成物を、DCMおよびMeOH(2MのNH
3)(0%〜6%の勾配)で溶離されるCombiFlashクロマトグラフィー(通常のシリカゲル、330グラム)を用いてさらに精製した。透明の画分を組み合わせたところ、6.40グラム(59%)の化合物77がオフホワイトの固体の形態で得られた。わずかに低い純度の画分を同様に組み合わせたところ、さらに3.35グラム(31%)の生成物が得られた。
1H NMR(300MHz、d6−DMSO)δ 8.39(s,1H)、7.89(d,J=8.4Hz、1H)、7.79(d,J=3.8Hz、1H)、7.28(d,J=12.5Hz、1H)、7.18(d,J=7.9Hz、1H)、4.71(t,J=5.6Hz、1H)、4.03(t,J=4.9Hz、2H)、3.97(dd,J=7.8、4.0Hz、1H)、3.65〜3.53(m,5H)、3.34(m,1H)、2.80(dd,J=8.4、5.4Hz、1H)、2.27〜2.09(m,2H)、2.05(s,1H)、1.92(d,J=11.4Hz、1H)、1.68(dd,J=11.1、6.6Hz、1H)、1.62〜1.45(m,3H)、1.37(t,J=12.2Hz、1H)、1.27〜1.05(m,1H)、1.03(s,3H)、0.75(s,3H);
19F NMR(300MHz、d6−DMSO)δ −116.5、−166.8;MS(ES)m/z 532(M+H)
+。
実施例61:化合物80の合成
(7R,8aS)−N−(5−アミノカルボニル−2−クロロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの調製
iPrOH(50mL)中の(7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(1.25g)と5−アミノカルボニル−2,4−ジクロロピリミジン(2.14g、1.5当量)との混合物を−10℃から室温で3日間撹拌した。固体をろ過して取り除き、メタノール(3×10mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で蒸発させ、残渣を、シリカゲル(MeOH中2NのNH
3/CH
2Cl
2=0〜30%)におけるCombiFlashクロマトグラフィーによって精製したところ、所望の生成物(1.3g、3工程で54%)が得られた。
m/z=324.11(M+H)
+。
(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−シアノピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミンの調製
THF(50mL)中の、(7R,8aS)−N−(5−アミノカルボニル−2−クロロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(1.3g)とトリエチルアミン(1.72mL)との混合物に、−78℃で無水トリフルオロ酢酸(1.33mL)を加えた。2時間撹拌した後、反応物を氷(150mL)でクエンチした。水溶液をEtOAc(6×150mL)で抽出した。有機層を減圧下で蒸発させ、残渣を、シリカゲル(MeOH中2NのNH
3/CH
2Cl
2=0〜20%)におけるCombiFlashクロマトグラフィーによって精製したところ、所望の生成物(1.1g、89%)が得られた。
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 8.29(s,1H)、5.41(d,J=6.0Hz、1H)、4.34〜4.29(m,1H)、3.01〜2.94(m,1H)、2.57〜2.52(m,1H)、2.39(q,J=8.7Hz、1H)、2.27〜2.20(m,1H)、1.94〜1.62(m,5H)、1.48〜1.35(m,2H)、1.21(s,3H)、1.06(s,3H);m/z=306.06(M+H)
+。
4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物80)の合成
IPA(2mL)中の、1−(5−アミノ−2−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(305mg)と、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−シアノピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(262mg)と、ベンゼンスルホン酸(160mg)との混合物を、一晩、80℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、CombiFlashクロマトグラフィー(MeOH中2NのNH
3/CH
2Cl
2=0〜30%)によって精製したところ、所望の生成物(386mg、80%)が得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.32(bs,1H)、8.26(s,1H)、7.68(d,1H、J=7.8Hz)、7.38(d,1H、J=7.2Hz)、7.27(d,1H、J=12.0Hz)、4.57(s,1H)、3.96(br,1H)、3.72(s,2H)、3.58(s,3H)、2.78(m,1H)、2.16(m,2H)、1.82〜1.42(m,6H)、1.22〜1.01(m,5H)、0.67(bs,3H);m/z=567.10(M+H)
+。
実施例62:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−((S)−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物79)の合成
IPA(2mL)中の、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(210mg)と、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−シアノピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(220mg)と、ベンゼンスルホン酸(200mg)との混合物を、一晩、80℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、CombiFlashクロマトグラフィー(MeOH中2NのNH
3/CH
2Cl
2=0〜30%)によって精製したところ、化合物1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−シアノピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(いくらかのベンゼンスルホン酸とともに540mg)が得られた。
m/z=495.08(M+H)
+。
DMA(5mL)中の、1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−シアノピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(600mg)と、(S)−1−ヨードプロパン−2−オール(1.13g)と、炭酸セシウム(1.19g)との混合物を、一晩、100℃まで加熱した。反応混合物を水(100mL)で希釈し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。有機層を蒸発させ、CombiFlashクロマトグラフィー(MeOH中2NのNH3/CH2Cl2=0〜30%)によって精製したところ、化合物79(400mg、78%)が得られた。
1H NMR(300MHz;d6−DMSO)δ 9.32(bs,1H)、8.26(s,1H)、7.64(d,1H、J=8.7Hz)、7.37(d,1H、J=7.8Hz)、7.30(d,1H、J=12.3Hz)、4.74(d,1H、J=4.2Hz)、3.90〜3.81(m,5H)、3.58(s,3H)、2.78(m,1H)、2.17(m,2H)、1.82〜1.42(m,6H)、1.18〜1.01(m,5H)、0.68(bs,3H);m/z=553.06(M+H)+。
実施例63:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物78)の合成
IPA(2mL)中の、1−(5−アミノ−2−(2−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシエトキシ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(200mg)と、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−シアノピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン(120mg)と、ベンゼンスルホン酸(120mg)との混合物を、一晩、80℃まで加熱した。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、CombiFlashクロマトグラフィー(MeOH中2NのNH
3/CH
2Cl
2=0〜20%)によって精製したところ、ベンゼンスルホン酸とともに所望の生成物が得られた。塩のメタノール溶液をイオン交換樹脂カラムに通して、酸を除去したところ、化合物78(120mg、57%)の遊離塩基が得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.33(bs,1H)、8.26(s,1H)、7.64(d,1H、J=7.5Hz)、7.37(d,1H、J=7.5Hz)、7.32(d,1H、J=12.3Hz)、4.71(t,1H、J=5.4Hz)、4.05(t,2H、J=4.8Hz)、4.01(br,1H)、3.58(m,5H)、2.78(m,1H)、2.17(m,2H)、1.79〜1.42(m,6H)、1.16〜1.08(m,2H)、1.01(s,3H)、0.69(bs,3H);m/z=539.11(M+H)
+。
実施例64:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−((R)−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物82)の合成
方法1:
6mLのアセトン中の、アニリノ−フェノール(300mg、1.33mmol、1当量)と、(R)−プロピレンオキシド(387mg、6.66mmol、5.0当量)と、K
2CO
3(221mg、1.60mmol、1.2当量)と、
nBu
4NBr(43mg、0.13mmol、0.1当量)との混合物を、密封容器中で、70℃で16時間加熱した。混合物を室温に冷まし、ろ過し、EtOAc(約50mL)で洗浄した。ろ液を濃縮し、溶離液としてヘキサン/EtOAc(1:4)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって、得られた残渣を精製したところ、280mg(Y=74%)の生成物AおよびB(約3:1)が得られた。この混合物を次の工程に直接使用した。
混合物の
1H NMR(CDCl
3、300MHz):δ 6.92(d,J=8.1Hz、1H、化合物B)、6.86(d,J=9.0Hz、1H、化合物A)、6.80(d,J=11.1Hz、1H、化合物B)、6.77(d,J=12.0Hz、1H、化合物A)、4.12〜4.05(m,3H、化合物A)、3.85〜3.70(m,3H、化合物B)、3.71(s,3H、化合物B)、3.70(s,3H、化合物A)、2.24(s,3H、化合物B)、2.18(s,3H、化合物B)、1.21(d,J=6.3Hz、3H、化合物B)、1.19(d,J=6.3Hz、3H、化合物A);m/z=283.93(M+H)
+。
2mLのジオキサン中の、上記のAおよびB(98mg、0.35mmol、1.3当量)と、モノ−SNAr生成物(80mg、0.27mmol、1当量)と、Pd(OAc)
2(6mg、0.03mmol、0.1当量)と、(±)BINAP(34mg、0.05mmol、0.2当量)と、Cs
2CO
3(264mg、0.81mmol、3当量)との混合物を、120℃で2時間マイクロ波にかけた(microwave)。混合物をろ過し、EtOAc(10mL)で洗浄した。ろ液を濃縮し、残渣をHPLCによって精製したところ、化合物82が得られた。
1H NMR(DMSO−d
6、300MHz):δ 8.39(s,1H)、7.86(d,J=8.1Hz、1H)、7.78(d,J=3.9Hz、1H)、7.25(d,J=12.6Hz、1H)、7.18(d,J=7.2Hz、1H)、4.05〜3.90(m,1H)、3.88〜3.78(m,3H)、3.59(s,3H)、2.80(td,J=8.4、3.0Hz、1H)、2.26〜2.16(m,3H)、1.93〜1.89(m,1H)、1.69〜1.50(m,4H)、1.37(t,J=12.6Hz、1H)、1.19〜1.14(m,1H)、1.03(s,3H)、1.01(d,J=5.7Hz、3H)、0.75(s,3H);
19F NMR(DMSO−d
6、282MHz):δ −116.18(s)、−166.94(s);m/z=546.05(M+H)
+。
方法2:
15mLのアセトン中の、出発フェノール(1.8g、3.69mmol、1当量)と、(R)−プロピレンオキシド(1.1mL、14.77mmol、4.0当量)と、K
2CO
3(1.0g、7.38mmol、2.0当量)と、
nBu
4NBr(0.12g、0.37mmol、0.1当量)との混合物を、密封容器中で、70℃で4日間加熱した。混合物を室温に冷まし、ろ過し、EtOAc(約100mL)で洗浄した。ろ液を塩水で洗浄し、濃縮した。溶離液としてDCM/MeOH中2NのNH
3(95:5)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって、得られた残渣を精製したところ、1.4g(Y=71%)の化合物82が得られた。
実施例65:化合物86の合成
1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−オールの調製
アルゴン下で、DCM(40mL)中の2−メチルプロパン−1,2−ジオール(1.08g、12.0mmol、1.0当量)を0℃に冷却した。TEA(2.50mL、18.0mmol、1.5当量)、DMAP(75.0mg、0.600mmol、0.05当量)、およびTBSCl(2.00g、13.2mmol、1.1当量)を、連続して加え、反応物を、一晩、周囲温度に温めた。反応剤から生成物への完全な転化を、EtOAcで溶離されるTLCによって確認し、KMnO
4を用いて視覚化した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水とEtOAcとに分けた。水層をEtOAcで2回抽出し、組み合わされた有機物を、Na
2SO
4を用いて乾燥させ、ろ過し、濃縮したところ、1−(tertブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−オール(2.05g、84%)が淡褐色の油として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 3.46(s,1H)、3.31(s,2H)、1.08(s,6H)、0.920(s,9H)、0.0710(s,6H)。
1−(2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
アルゴンガス下で、THF(30mL)中の1−(tertブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−オール(1.80g、8.81mmol、1.10当量)を、−78℃に冷却した。カリウムtert−ブトキシド(1.165g、9.61mmol、1.20当量)を一度に加え、反応混合物を−78℃で15分間撹拌した。次に、THF(10mL)中の1−(2−フルオロ−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(参照により本明細書に援用される国際公開第2011068898号パンフレットにしたがって調製される;1.915g、8.00mmol、1.00当量)の溶液をゆっくりと加え、反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、1時間にわたって周囲温度に温めた。反応混合物を濃縮し、残渣をEtOAcおよび水に取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、10%のEtOAc増分を用いてヘプタン:EtOAc=100:0〜30%のEtOAcで溶離したところ、1−(2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(2.28g、67%)が黄色の油として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.44〜8.53(m,2H)、7.54〜7.57(d,J=9.3Hz、1H)、4.04(s,2H)、3.63(s,3H)、1.23(s,6H)、0.770(s,9H)、0.00300(s,6H);m/z=424(M+H)
+。
1−(5−アミノ−2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
丸底フラスコに、1−(2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−ニトロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(2.54g、6.00mmol)、EtOH(60mL)、および10%のPd/C(水中50%、DegussaタイプE101;510mg、重量基準で20重量%の出発ニトロ化合物)を投入した。フラスコをゴム隔膜で密封し、脱気し、H
2で満たされたバルーンからのH
2で(3回)バックフィルした。反応物を、H
2で満たされたバルーンを用いて4時間撹拌した。反応混合物を、セライトのパッドを通してろ過し、セライトのパッドをEtOAc/MeOHですすいだ。ろ液を蒸発乾固したところ、1−(5−アミノ−2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(2.26g、96%)が淡褐色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 6.97〜7.00(d,J=9.0Hz、1H)、6.74〜6.78(m,1H)、6.64〜6.68(m,1H)、5.04(bs,2H)、3.66(s,2H)、3.60(s,3H)、1.17(s,6H)、0.803(s,9H)、0.00300(s,6H);m/z=394(M+H)
+。
1−(2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物86)の調製
IPA(80mL)中の、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン塩酸塩(775mg、2.31mmol、1.00当量)と、1−(5−アミノ−2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(1.00g、2.54mmol、1.10当量)と、PTSA一水和物(880mg、4.62mmol、2.00当量)との混合物を、LCMSによって監視した際に、3日間加熱還流させた。1日目の後、午前中に、LCMSにより、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1.5:1であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(220mg、1.16mmol、0.50当量)を加え、還流を続けた。午後に反応物をLCMSによって確認したところ、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1:1.2であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(220mg、1.16mmol、0.50当量)を加え、還流を続けた。2日目の午前中に、LCMSにより、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1:6.5であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(220mg、1.16mmol、0.50当量)を加え、還流を続けた。午後に反応物をLCMSによって確認したところ、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1:9であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(220mg、1.16mmol、0.50当量)を加え、還流を続けた。3日目、LCMSにより、反応が完了されたことが示された。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固した。残渣を、水、EtOAc、および1NのNaOH水溶液に取り込んだ。水層と有機層とを分け、水層をEtOAcで2回抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜94:6で溶離したところ、化合物1−(2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物86)(870mg、70%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.82(s,1H)、8.07(s,1H)、7.83〜7.84(d,J=3.6Hz、1H)、7.58〜7.61(m,1H)、7.21〜7.24(m,1H)、7.09〜7.12(d,J=9.3Hz、1H)、4.51(s,1H)、4.05(bs,1H)、3.65(s,2H)、3.59(s,3H)、2.83(m,1H)、0.803〜2.26(m,22H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −166.7(s);m/z=542(M+H)
+。
実施例66:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−3−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物83)の調製
IPA(20mL)中の、4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−クロロピリミジン−5−カルボニトリル塩酸塩(200mg、.584mmol、1.00当量)と、1−(5−アミノ−2−(1−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(255mg、0.643mmol、1.10当量)と、PTSA一水和物(225mg、1.17mmol、2.00当量)との混合物を、70℃で一晩加熱した。1日目の後、午前中に、LCMSにより、OTBS保護された生成物:生成物の比率=3:1であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(56mg、0.292mmol、0.50当量)を加え、温度を上昇させて還流させた。午後に反応物をLCMSによって確認したところ、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1.5:1であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(56mg、0.292mmol、0.50当量)を加え、還流を続けた。2日目の午前中に、LCMSにより、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1:4.5であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(112mg、0.585mmol、1.00当量)を加え、還流を続けた。午後に反応物をLCMSによって確認したところ、OTBS保護された生成物:生成物の比率=1:8であることが示された。ここで、さらなるPTSA一水和物(56mg、0.292mmol、0.50当量)を加え、還流を続けた。3日目、LCMSにより、反応が完了されたことが示された。周囲温度に冷ました後、粗混合物を濃縮乾固した。残渣を、水、EtOAc、および1NのNaOH水溶液に取り込んだ。水層と有機層とを分け、水層をEtOAcで2回抽出した。有機層を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜94:6で溶離したところ、化合物4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−3−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物83)(252mg、79%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.56(bs,1H)、8.30(s,1H)、8.04(bs,1H)、7.63〜7.66(m,1H)、7.46(bs,1H)、7.16〜7.19(d,J=9.3Hz、1H)、4.56(s,1H)、4.15(bs,1H)、3.68(s,2H)、3.59(s,3H)、2.81(m,1H)、0.760〜2.26(m,22H);m/z=549(M+H)
+。
実施例67:化合物84の合成
エチル2−(4−アミノ−5−フルオロ−2−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)フェノキシ)−2−メチルプロパノエートの調製
アセトン(220mL)中の、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(5.00g、22.2mmol、1.00当量)と、エチル2−ブロモ−2−メチルプロパノエート(6.50g、4.94mL、33.3mmol、1.50当量)と、K
2CO
3(6.15g、44.4mmol、2.00当量)と、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(716mg、2.22mmol、0.10当量)との混合物を、一晩、還流状態で加熱した。室温に冷ました後、反応混合物を濃縮乾固した。粗生成物を過剰な水およびEtOAcに取り込んだ。層を分離し、水層をEtOAcで2回抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%のMeOH増分を用いてDCM:MeOH=100:0〜98%のMeOHで溶離したところ、エチル2−(4−アミノ−5−フルオロ−2−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)フェノキシ)−2−メチルプロパノエート(5.60g、74%)が透明の褐色の油として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 6.81〜6.82(d,J=5.7Hz、1H)、6.76〜6.79(d,J=8.4Hz、1H)、5.26(bs,2H)、4.11〜4.18(q,J=7.2Hz、2H)、3.58(s,3H)、1.31(s,6H)、1.16〜1.21(t,J=6.9Hz、3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −128.5(q);m/z=340(M+H)
+。
1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オンの調製
アルゴン下で、Et
2O(155mL)中のエチル2−(4−アミノ−5−フルオロ−2−(4−メチル−5−オキソ−4,5−ジヒドロ−1H−テトラゾール−1−イル)フェノキシ)−2−メチルプロパノエート(5.60g、16.5mmol、1.00当量)の溶液を0℃に冷却した。氷冷溶液に、水素化ホウ素リチウム(791mg、36.3mmol、2.20当量)、続いて、MeOH(1.540mL)を投入し、それにより、自由流動性沈殿物が形成された。反応物を0℃で30分間撹拌し、次に、氷浴を除去し、反応物を周囲温度で1時間撹拌した。周囲温度で、反応物を1NのNaOH水溶液(100mL、100mmol、6.00当量)でゆっくりとクエンチし、それにより、自由流動性沈殿物を溶解させた。層を分離し、水層をDCMで2回抽出した。有機層をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固したところ、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(4.60g、94%)が白色の固体として得られ、それをさらに精製せずに使用した。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 7.05〜7.11(dd,J=3.9Hz、12.6Hz、1H)、6.73〜6.77(d,J=3.9Hz、9.3Hz、1H)、5.20(bs,2H)、4.81(bs,1H)、3.58(s,3H)、3.21(s,2H)、0.965(s,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −129.1(q);m/z=298(M+H)
+。
4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物84)の調製
マイクロ波バイアルに、4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−クロロピリミジン−5−カルボニトリル塩酸塩(100mg、0.292mmol、1.00当量)、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(130mg、0.438mmol、1.50当量)、rac−BINAP(37mg、0.0584mmol、0.200当量)、Cs
2CO
3(286mg、0.877mmol、3.00当量)、Pd(OAc)
2(7mg、0.0292mmol、0.100当量)、およびジオキサン(3mL)を加えた。マイクロ波バイアルに蓋をし、減圧下で5分間、超音波で分解した。反応混合物を、マイクロ波中で、120℃で3時間加熱した。冷却された反応混合物を、セライトのパッドを用いてろ過し、ジオキサンですすぎ、ろ液を濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜95:5で溶離したところ、4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物84)(65mg、39%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.32(bs,1H)、8.27(s,1H)、7.66〜7.69(d,J=8.4Hz、1H)、7.37〜7.41(m,1H)、7.25〜7.29(d,J=12Hz、1H)、4.57(s,1H)、3.98(bs,1H)、3.73(s,2H)、3.59(s,3H)、2.79(m,1H)、0.692〜2.21(m,22H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −113.6(s);m/z=567(M+H)
+。
実施例68:1−(2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物85)の合成
マイクロ波バイアルに、(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−フルオロピリミジン−4−イル)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−アミン塩酸塩(100mg、0.298mmol、1.00当量)、1−(5−アミノ−4−フルオロ−2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(133mg、0.447mmol、1.50当量)、rac−BINAP(38mg、0.0597mmol、0.200当量)、Cs
2CO
3(292mg、0.895mmol、3.00当量)、Pd(OAc)
2(7mg、0.0298mmol、0.100当量)、およびジオキサン(3mL)を加えた。マイクロ波バイアルに蓋をし、減圧下で5分間、超音波で分解した。反応混合物を、マイクロ波中で、120℃で3時間加熱した。冷却された反応混合物を、セライトのパッドを用いてろ過し、ジオキサンですすぎ、ろ液を濃縮した。粗生成物を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜95:5で溶離したところ、1−(2−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−2−イルオキシ)−5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物85)(85mg、51%)が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.47(s,1H)、7.94〜7.97(d,J=8.7Hz、1H)、7.81〜7.82(d,J=3.6Hz、1H)、7.31〜7.35(d,J=12.3Hz、1H)、7.20〜7.25(m,1H)、4.91〜4.95(t,J=5.7Hz、1H)、3.98(bs,1H)、3.58(s,3H)、3.29(s,2H)、2.81(m,1H)、0.767〜2.21(m,22H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −117.8(s)、−166.4(s);m/z=560(M+H)
+。
実施例69:1−(5−(4−((7R,8aS)−5,5−ジメチルオクタヒドロインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物87)の合成
容器中に、化合物89(10.2g、20.9mmol)、K
2CO
3(3.5g、25.1mmol)およびテトラ−ブチルアンモニウムブロミド(674mg、2.09mmol)を秤量した。アセトン(100mL)、次に、酸化イソブチレン(5.6mL、62.8mmol)を加え、容器を密封した。次に、混合物を、5日間にわたって78℃の浴温度まで加熱した。混合物を冷まし、次に、ろ過し、ろ過ケーキをアセトン(2×30mL)で洗浄した。ろ液を減圧下で濃縮し、残渣を、EtOAc(100mL)とH
2O(100mL)とに分けた。水層をEtOAc(2×75mL)で抽出し、組み合わされた有機抽出物を乾燥させ(Na
2SO
4)、ろ過し、溶媒を減圧下で除去したところ、粗残渣が残った。残渣をシリカゲルに乾燥充填し、次に、EtOAc/MeOH中2MのNH
3(0.02の、MeOH中2MのNH
3の増分で1:0〜9:1)を用いたシリカゲルにおけるカラムクロマトグラフィーによって精製したところ、化合物87(8.0g、68%)が固体として得られた。キラル固定相を用いた超臨界流体クロマトグラフィーにより、生成物材料が、より大きな立体障害を有する末端におけるエポキシドの開環から生じる位置異性体生成物に対応し得る約1.2%の不純物を含有することが示された。所望の生成物(約2g)を含有する混合画分もカラムから得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO):δ 8.39(br.s,1H)、7.91(d,J=8.4Hz、1H)、7.79(d,J=3.8Hz、1H)、7.24(d,J=12.5Hz、1H)、7.18(br.s,1H)、4.54(s,1H)、4.03〜4.90(m,1H)、3.71(s,2H)、3.58(s,3H)、2.83(br.t,J=8.7Hz、1H)、2.24〜2.10(m,2H)、1.94(m,1H)、1.74〜1.50(m,5H)、1.38(t,J=12.2Hz、1H)、1.24〜1.11(m,1H)、1.03(s,9H)、0.75(s,3H);
19F NMR(287MHz;d
6−DMSO):δ −166.9(d)、−116.2(s);m/z=560.15[M+H]
+。
実施例70:1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−(オキセタン−3−イルオキシ)フェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(化合物88)の合成
DMA中の、1−(5−(4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−5−フルオロピリミジン−2−イルアミノ)−4−フルオロ−2−ヒドロキシフェニル)−4−メチル−1H−テトラゾール−5(4H)−オン(900mg、1.85mmol、1当量)と、3−ヨードオキセタン(1.02g、5.54mmol、3当量)と、Cs
2CO
3(665mg、2.03mmol、1.1当量)との混合物を、一晩、70℃まで加熱した。室温に冷ました後、反応混合物過剰の水(200mL)およびEtOAc(200mL)で希釈した。層を分離し、水層をEtOAcで3回抽出した。組み合わされた有機物をNa
2SO
4上で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲル上に吸収させ、フラッシュクロマトグラフィーによって精製し、1%の2MのNH
3/MeOH増分を用いてDCM:2MのNH
3/MeOH=100:0〜95:5で溶離したところ、化合物88が固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 8.44(s,1H)、7.90〜7.93(d,1H、J=8.7Hz)、7.78〜7.79(d,1H、J=3.9Hz)、7.19〜7.21(s,1H、J=8.1Hz)、6.95〜6.99(s,1H、J=12Hz)、5.28〜5.36(p,1H、J=5.7Hz)、4.83〜4.88(m,2H)、4.39〜4.43(m,2H)、3.91〜4.09(m,1H)、3.61(s,3H)、2.75〜2.99(m,1H)、0.974〜2.25(m,13H)、0.750(bs,3H);
19F NMR(282MHz;d
6−DMSO)δ −115.8(t)、−166.8(s);m/z=544(M+H)
+。
実施例71:4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)−2−フルオロ−4−ヒドロキシル−フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリルの合成
イソプロピルアルコール(2.45ml、0.2M)中の(7R,8aS)−N−(2−クロロ−5−シアノピリミジニル−4−イル)−オクタヒドロ−5,5ジメチルインドリジン−7−アミン(150mg、1.0当量)の混合物に、5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)−2−フルオロ−4−ヒドロキシル−フェニルアミン(144mg、1.3当量)を加えた後、p−トルエンスルホン酸(112mg、1.2当量)を加え、窒素下で、80℃で一晩加熱した。反応の完了がLC/MSによって示されたら、混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルへと溶解させ、シリカゲルへと吸収させ、Combi−flashクロマトグラフィー(MeOH中2NのNH
3/EtOAc=0〜20%)によって精製したところ、160mgの所望の生成物が淡黄色の固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.24(bs,1H)、8.25(s,1H)、7.5(d,J=7.5Hz、1H)、7.33 bs、1H)、6.87(d,J=11.7Hz、1H)、3.57(s,3H)、2.82(bs,1H)、1.96〜1.67(m,8H)、1.13(m,6H)、0.76(m,2H);m/z=495.01(M+H)
+。
4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(4−((R)−2−ヒドロキシプロポキシ)−2−フルオロ−5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(化合物90)の合成
4−((7R,8aS)−オクタヒドロ−5,5−ジメチルインドリジン−7−イルアミノ)−2−(5−(4,5−ジヒドロ−4−メチル−5−オキソテトラゾール−1−イル)−2−フルオロ−4−ヒドロキシル−フェニルアミノ)ピリミジン−5−カルボニトリル(467mg、1.0当量)を、N,N−ジメチルアセトアミド(4.7ml、0.2M)、続いて、Cs
2CO
3(922mg、3.0当量)および3−ヨード−2−(R)−プロパノール(0.88g、5.0当量)に加え、一晩、窒素下で、100℃で加熱した。それを室温に冷まし、減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチル(10ml)で処理し、飽和NaHCO
3(10ml)で処理した。水層を酢酸エチル(2×10ml)で抽出し、組み合わされた有機溶液を塩水(10ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させた。固体をろ過して取り除き、有機溶液を減圧下で濃縮した。5mlの酢酸エチル残渣に加え、シリカゲルを加えて、高粘度のペーストを形成し、減圧下で濃縮した。このシリカゲル混合物をCombiflashクロマトグラフィーに充填し、MeOH中2NのNH
3(0〜20%)/酢酸エチル(100%〜80%)勾配を用いて生成物を溶離したところ、124mgの生成物が薄いベージュ色の固体として得られた。
1H NMR(300MHz;d
6−DMSO)δ 9.33(s,1H)、8.26(s,1H)、7.65(d,J=8.1Hz、1H)、7.37(d,J=7.5Hz、1H)、7.3(d,J=12Hz、1H)、4.75(d,J=4.2Hz、1H)、3.97〜3.8(m,3H)、3.58(s,3H)、2.76(m,1H)、2.20(m,2H)、1.83〜1.4(m,8H)、1.22〜1.07(m,2H)、1.03(m,6H)、1.0(bs,1H);m/z=553.04(M+H)
+。
生物学的実施例
実施例72:PKCアッセイ
PKC−α、PKC−β、PKC−δ、PKCεおよびPKC−θ活性の阻害を、ELISAによって以下のように測定する:NUNC MAXISORP(#436110)またはCostar High Binding(#3922)プレートを、4℃で18〜24時間、1×PBS(100μL/ウェル)に溶解させた0.01mg/mlのニュートラアビジン(Pierce #PI−31000)で被覆する。使用する準備をするとき、プレートを1×PBSTで洗浄し、次に、室温で最低1時間、1×PBST(100μL/ウェル)に溶解させた2%のBSAでブロックする。60μL/ウェルの体積中で反応を行う。開始する準備をするとき、プレートを1×PBSTで洗浄して、2%のBSAのブロッキング溶液(blocking solution)を除去する。次に、必要な緩衝液成分ならびに適切な濃度のATPおよびペプチド基質を含有する反応溶液を、各ウェルに加えた(表3を参照)。次に、適切な濃度の試験化合物を加える−加えられる体積は、キナーゼのDMSO耐性が約0.2%であることを考慮に入れる必要がある。次に、キナーゼの添加によって反応を開始する−そのおおよその最終濃度が、表3に記載されている(これは、酵素の活性のバッチ間変動に応じて変化し得ることが留意されるべきである)。反応を室温で20分間放置した後、次に、プレートを1×PBSTで洗浄する。
プレートから反応混合物を除去し、1×PBSTで洗浄した後、次に、1×PBSTに溶解させた0.1%のBSA溶液中、1:10,000希釈の適切な一次および二次抗体(表3)を含有する抗体発色液(antibody developing solution)を、各ウェルに加えた(100μL/ウェル)。次に、これを、室温で最低1時間放置する。この後、プレートを1×PBSTでもう1回洗浄する。次に、SuperSignal ELISA Pico Chemiluminescent substrate(Pierce #PI−37069)を加え(100μL/ウェル)、プレートを発光プレートリーダーで読み取る。
実施例73:PKCアッセイ
あるいは、異なる濃度の阻害剤で、蛍光偏光によってリン酸化ペプチドの生成を監視することによって、PKC活性の阻害を測定する。20mMのHEPES、pH7.4、5mMのMgCl2、0.2mMのCaCl2、1mMのDTT、0.02%のBrij−35、0.1mg/mlのホスファチジルセリン、0.02mg/mlのジオレオイル−sn−グリセロールおよびそれぞれ5μMのATPおよびペプチド基質を含む20μLの全体積を有する96ウェルプレートフォーマットで反応を行う。化合物をまずDMSOで連続的に希釈し、次に上記の濃度のHEPES、MgCl2、CaCl2、DTT、およびBrij−35を含む溶液に移して、2%のDMSOに溶解させた5倍の化合物溶液を生成し、次にそれを反応溶液に加える。表4に記載される典型的な濃度でPKCを加えることによって反応を開始し、次に室温で20分間インキュベートさせた。この時間の最後に、クエンチ試薬(EDTA)と検出試薬(ペプチドトレーサーおよび抗体)との組合せを、Invitrogen P2748のプロトコルを用いて加えた。インキュベーションの30分後、生成されたリン酸化ペプチドの量を、Tecan Polarian instrumentを用いた蛍光偏光(Ex=485nm、Em=535nm)によって測定する。
実施例74:カルシウム流入
HEK−FLPTREX細胞に、pcDNA5/FRT/TO+hTRPV4aを安定にトランスフェクトし、ラットTRPV1−HAまたはrTRPA1−HAを、10%のテトラサイクリンフリーウシ胎仔血清、ハイグロマイシン(50μg/ml)およびブラストサイジン(10μg/ml)を含有するダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium)(DMEM)中で成長させる。細胞をテトラサイクリン(0.1μg/ml、20時間)で処理して、TRP発現を誘発する。ラットまたはマウスの胸髄および腰髄に由来するDRGを、冷ハンクス平衡塩液(Hank’s Balanced Salt Solution)(HBSS)中でミンチし、1mg/mlのコラゲナーゼIA型および0.1mg/mlのDNAseIV型を含有するDMEM中で、37℃で60分間インキュベートし、ペレット化し、0.25%のトリプシンを用いて30分間インキュベートする。ニューロンをペレット化し、10%のウシ胎仔血清、10%のウマ血清、100U/mlのペニシリン、0.1mg/mlのストレプトマイシン、2mMのグルタミンを含有するDMEM中で懸濁し、溶液が混濁しかつ均一に見えるまで穏やかな混和によって解離させ、PolyOnitine/ラミニンで被覆したガラスのカバースリップ上に播種する。実験前に、ニューロンを3〜4日間培養する。
カバースリップまたは96マルチウェルプレート上で成長させた細胞を、Ca2+およびMg2+、20mMのHEPES緩衝液、0.1%のBSA、100U/mlのペニシリン、100μg/mlのストレプトマイシン、ならびに2.5〜5μMのFura−2AM(Invitrogen)を含有するHBSS(pH7.4)中、37℃で20〜45分間インキュベートする。細胞を洗浄し、蛍光を、F−2500分光光度計で、またはFlexstation 3 Microplate Reader III(細胞集団中のカルシウムの測定用)で、またはZeiss Axiovert microscope、ICCDビデオカメラおよびビデオ顕微鏡取得プログラム(video microscopy acquisition program)(単一のニューロンにおけるカルシウム流入の測定用)を用いて、340nmおよび380nmの励起ならびに510nmの発光で測定する。物質をチャンバに直接注入する(分光光度計では2ml中20ml;Flexstationでは200ml中20ml、単一の細胞用のチャンバでは350ml中50ml)。
実施例75:インビボの過形成
機械的な疼痛を、0.173mNのフォンフライヘア(von Frey hair)の5回の適用に応答して後足を引っ込める回数として、機械的な疼痛を定量化する。応答を百分率として表し(例えば、5回のうち3回の引っ込みを、60%として記録する)、機械的な痛覚過敏を、基礎測定値と比較した引っ込みの百分率の増加として定義する。2)足底中央の表面に5秒間または引っ込みの応答が起こるまでに適用されるフォンフライフィラメント(von Frey filament)に対する50%の応答閾値を決定する「アップダウンパラダイム(up−down paradigm)」を用いて、機械的な疼痛を定量化する。フォンフライフィラメントは、この強度範囲内にある:1.65、2.44、2.83、3.22、3.61、3.84、4.08。
足底試験装置を用いて、マウスの温熱性痛覚過敏を評価し、放射熱に対する足の引っ込みの潜時として定量化する。温熱性痛覚過敏を、基礎測定値と比較した引っ込みの潜時の減少として定義する。基礎レベルのマウスを測定した後、浅いハロタン麻酔(5%)下で、試験化合物を左足または右足に注射し(5〜10μlの足底内注射)、足の引っ込み測定を異なる時点で繰り返す。PAR2 TRPV1、TRPV4およびTRPA1が媒介する痛覚過敏ならびにTRPVが媒介する応答の増強を評価するために、マウスを、PAR2−APで15分間、続いてカプサイシン、4αPDDまたはHNEで処置する。プロテインキナーゼの役割を評価するために、アゴニストに曝露する前に、アンタゴニストまたは対応する賦形剤を、20〜30分間注射する。異なる処置によって誘発される効果を、同じラット内で、右足(例えば生理食塩水、または賦形剤を受ける)において記録される応答と、左足(例えばPAR2−APまたは4αPDDを受ける)において得られる応答とを比較して評価する。
疼痛行動を誘発するためにマウスまたはラットの前足の背面に皮内注射によって投与されるホルマリンの5%溶液を用いて、ホルマリン誘発性の痛覚過敏を評価する。疼痛を、姿勢に関連する4つのレベルのスケールで評価する:0、正常な姿勢;1、注射された足が地面に留まっているが、その動物を支えていない;2、注射された足が明らかに上がっている;および3、注射された足が舐められ、噛まれ、または揺らされている。注射の3分後(侵害受容器の直接刺激から得られる第1段階として定義される)、次に、注射の30〜60分後(炎症現象がその間に生じる増感(sensitization)の期間を含む第2段階として定義される)に、動物の行動を観察し、採点する。各3分間隔の侵害行動スコアを、各行動に費やされる秒数の加重平均として計算する。ホルマリンの2.5%溶液を、足底内注射によって投与し、30〜60分後に熱痛および機械的な疼痛を上記のように測定する。プロテインキナーゼの役割を評価するために、ホルマリンの20〜30分前に、アンタゴニストまたはその賦形剤(対照)を、右足に注射する。侵害行動を各ラットについて採点し、対照と比較する。
例示的な化合物は、1つ以上の疾病モデルでインビボ活性を示した。例えば化合物17は、SJLマウスのPLP誘発性の実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)モデルにおいて、前処置および処置投与の両方で、30mg/kgのED50を有していた。当業者に公知であるように、EAEは、ヒトの多発性硬化症のモデルであるとみなされる。他の例示的な化合物は、接触皮膚炎および/またはアジュバント誘発関節炎モデルのげっ歯類においてインビボ有効性を示した。
実施例76:IL−2ELISA、ヒト初代T細胞、抗CD3+CD28+
化合物1〜90を、PKC媒介性のIL−2の産生について、全細胞機能アッセイで以下のとおりに試験した。ヒト初代T細胞単離および培養:ヒト初代T細胞を以下のとおりに調製した。全血を健常な被験者から入手し、PBSと1:1で混合し、2:1の血液/PBS:フィコール比率におけるフィコール−ハイパック(Ficoll Hypaque)(Amersham Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ,カタログ番号17−1440−03)に層状に重ね、1750rpmで、4℃で30分間遠心分離した。血清:フィコール境界面において細胞を回収し、5体積のPBSで2回洗浄した。これらの新たに単離されたヒト末梢血単核細胞を、1μg/mlのαCD3および5μg/mlのαCD28(抗ヒトCD3、BD Pharmingenカタログ番号555336、抗ヒトCD28、Beckman Coulterカタログ番号IM1376)を予め塗布したフラスコ中で、40U/mlのIL2を含有するイッセル(Yssel’s)培地中で培養した。細胞を3〜4日間刺激し、次に新しいフラスコに移し、10%のFBSおよび40U/mlのIL−2を含むRPMI(L−グルタミンを含むRPMI−1640;Mediatech,Inc.,Herndon VA、カタログ番号10−040−CM)中で維持した。次に、初代T細胞をPBSで2回洗浄して、IL−2を除去した。
初代T細胞の刺激およびIL2 ELISA:ヒト初代T細胞(ウェル当たり100,000個の細胞)を、イッセル(Yssel’s)培地中、37℃で1時間、試験化合物を用いるかまたは用いずにプレインキュベートした。次に、細胞を、1μg/mlのαCD3および5μg/mlのαCD28を予め塗布した丸底96ウェルプレートに移すことによって刺激した。カウンターアッセイの場合、その代わりに、イッセル(Yssels)にPMAおよびイオノマイシンの8倍原液(最終濃度が0.5ng/mlのPMAおよび0.1uMのイオノマイシン、両方ともCalbiochem製)を加えることによって細胞を刺激した。細胞を37℃で24時間インキュベートしてから、R and D Systems製のHuman IL−2 Duoset ELISA Kit from R and D Systems、カタログ番号DY202Eを用いたELISAによるIL−2の定量化のために、100μLの上清を採取した。化合物1〜90は、10マイクロモル未満のEC50を有し、IL−2産生を阻害した。
表5は、上記のアッセイによる、化合物1〜90のEC50値を示す。表5において、AのEC50は、0.1μM未満であり、B<0.5μM、C<1μM、D<10μM、E>10μMである。
本発明を、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱せずに、様々な変形がなされ、均等物で代替され得ることが、当業者によって理解されるはずである。さらに、特定の状況、材料、組成物、プロセス、1つまたは複数のプロセス工程、本発明の目的、趣旨および範囲に適合させるために多くの変更が行われ得る。全てのこのような変更は、本明細書に添付される特許請求の範囲内であることが意図される。