JP2016518374A - クロストリジウム・ディフィシルワクチン及び使用方法 - Google Patents

クロストリジウム・ディフィシルワクチン及び使用方法 Download PDF

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Abstract

本明細書に開示される実施態様は、TcdB毒素、又はそれに由来するトキソイドを含むワクチンを含む。TcdB毒素は、C.ディフィシルの高病原性株に由来してもよい。更なる実施態様は、対象にワクチン組成物を投与することにより、対象において、C.ディフィシル感染に対する活発な免疫を与える方法に関する。【選択図】図6A

Description

関連出願
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下、2013年4月22日出願の米国仮出願第61/814,740号の利益を主張し、当該仮出願の全内容は、本明細書に完全に記載されたのと同様に本明細書に参照により援用される。
クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficile)は、先進国における院内感染性下痢症の主要な原因である。この胞子形成性嫌気性細菌は病院環境を汚染し、そして、医療施設内で抗生物質治療を受ける患者に感染する。これらの問題があるものの、歴史的に、メトロニダゾール及びバンコマイシン等の抗生物質を用いた処置は、本疾患の有効な処置方法であった。しかし、罹患率と死亡率の増加、並びに、C.ディフィシル感染患者の再発の憂慮すべき傾向は、過去10年に渡って明白になってきている。これらの傾向は、C.ディフィシルの高病原性株に感染した患者数の増加と相関している。しばしばBI/NAP1/027株と呼ばれるこのC.ディフィシル株は、米国の大多数の州で発見され、そして、欧州及び中国の両国においても顕著である。これまで、抗生物質耐性、胞子形成能、及び毒素産生等の多くの因子が、従来型(histrical)C.ディフィシル及び高病原性C.ディフィシルにおける差異に貢献することが提案されてきた。しかし、これらの因子の関連性は未だ一般に議論されており、この新しく出現した株がどのように死亡率の増加と関連するのかについて、我々の理解は未だ乏しい。
C.ディフィシルは、2大クロストリジウム毒素であるTcdA及びTcdBを産生し、これらは、深刻な組織ダメージの原因となり、そして、最終的にヒトの疾患を引き起こす。我々の研究は、従来型株及び異常発生性の株により産生される毒素のバリエーションが、どのように、C.ディフィシルの病原性の程度を変化させるのかを理解することに注目してきた。特に着目しているのは、重要なC.ディフィシルの病原性因子に関連する、TcdBの配列及び活性における差異である。
TcdBは、一本鎖ポリペプチド毒素であり、グルコシルトランスフェラーゼドメインがN末端に位置し(GTD:1−543)、システインプロテアーゼドメイン(CPD:544−807)により分子内切断されるアミノ酸543及び544の間のオートプロセシングサイト、疎水性膜貫通ドメイン(TMD:956−1128)、及びC末端の予測受容体結合ドメイン、がそれに続く。TcdBをコードする遺伝子は、TcdA(エンテロトキシン)、TcdE、及び毒素遺伝子発現のレギュレーター(TcdC及びTcdRC)と共に、C.ディフィシルの染色体上の病原性(pathogenecity)ローカス内に位置する。TcdA、TcdE、TcdR、及びTcdCの配列は、従来型株及び高病原性株の間でほぼ同一であり、TcdBは変化がより大きい(96%類似性、92%同一性)。高病原性株からのTcdB(TcdBHV)は、従来型株からのTcdB(TcdBHIST)よりも、培養細胞において更に強力であることが見出されている。我々は、これと一致して、ゼブラフィッシュ胚モデルにおいて、TcdBHVがより深刻かつ広範囲の組織病理の原因となることも見出した。活性におけるこれらの差異に関し可能な基本的メカニズムとして、TcdBHVはより迅速に細胞に移行され、かつ、TcdBHISTよりも更に効率的にオートプロセスされることが見出されている。
興味深いことに、TcdBの2つの形態の間の最大の配列バリエーションは、我々がアミノ酸1651及び2366位の末端残基の間の毒素領域として定義する、C末端ドメイン(CTD)に見出される。TcdBHV1651−2366及びTcdBHIST1651−2366の間には、全体として88%の配列同一性がある。TcdBのCTDは、標的細胞上のグリカンの認識に関与すると考えられる複合的繰り返しオリゴヌクレオチド(CROPs)をコードし、CDTは、しばしば受容体結合ドメインと呼ばれる。しかし、CDT受容体結合ドメインとしての役割は、受容体が発見されていないために未だ議論されており、そして、TcdAの研究は、この領域が、細胞の毒素取り込みに寄与しているが、必須ではないことを示してきた。CDTは、抗原性であり、かつ、中和エピトープを含むことも知られている。しかし、TcdBHVのCTD及びTcdBHISTのCTDにおける配列の差異がこれら2つの形態の毒素の指向又は抗原性プロフィールを変化させるかどうかは知られていない。
致死性、及びTcdBHV及びTcdBHISTのインビボ病理における差異の試験において、データは、TcdBHVがTcdBHISTよりも実質的に低い致死用量を示すことを示した。加えて、両方の毒素は、腫瘍な器官における目立った出血の原因となるが、TcdBHVはインビボでの脳病理及び脳の微小血管細胞のインビトロでの細胞傷害性の増加の原因となる。
C.ディフィシル毒素のワクチンとしての使用は、他者により試みられてきたが、成功は限定的である。ワクチンの使用は抗体の産生をもたらすが、将来的なC.ディフィシル感染に対する防御と必ずしも相関しない。従って、将来的な感染に対する防御を付与することが可能なC.ディフィシルワクチンが求められている。
図1A及び1Bは、TcdBHIST及びTcdBHVが注射されたマウスの比較生存曲線を示す。カプラン・マイヤーグラフは、TcdBを静脈内投与されたBALB/cマウスの時間対死亡を示す。(A)1ug、500ng、100ng、及び50ngのTcdBHISTが注射されたマウス(n=4)の生存時間。(B)200ng、100ng、50ng、25ng、及び12.5ngのTcdBHVが注射されたマウス(n=4)の生存時間。 図2A及び2Bは、TcdBHIST及びTcdBHVのインビボ病理を示す。(A)上段−50ng、1000ng、500ng、及び100ngのTcdBHIST(左から右)が注射されたBALB/cマウスの肝臓の病理。下段−12.5ng、200ng、100ng、又は50ngのTcdBHV(左から右)が注射されBALB/cマウスの肝臓の病理。全写真は、H−E染色された切片の倍率20×での写真であり、生存時間により並べられている。(B)出血領域が矢印で示された、大脳及び小脳の病理である。100ngのTcdBHIST(上段)又は50ngのTcdBHV(下段)が注射されたBALB/cマウスのH−E染色された切片の代表的写真(20×)。 図3A及び3Bは、TcdBHIST及びTcdBHVの内皮細胞におけるインビトロ病理を示す。ラットの大動脈の内皮細胞(A)又はラットの脳微小血管細胞(B)は、TcdBHIST(●)又はTcdBHV(■)の3.7nMから3.7fMの10倍希釈に24時間曝露され、細胞生存率はWST−8染色によって決定された。エラーバーは、3回繰り返しを含む少なくとも3つの独立した実験の平均値からの標準偏差を示す。 図4Aから4Dは、αCTD抗血清を用いたTcdBの中和を示す。(A)TcdBHIST又はTcdBHV単独で24時間処理された、又は、αCTDHIST抗血清又はαCTDHV抗血清で30分間プレインキュベーション後の、CHO細胞のパーセント生存率。細胞生存率はWST−8染色により決定され、そして、エラーバーは、3つの試料における2つの独立した実験による平均値からの標準偏差を示す。***p<0.001。(B)405nmでの光学濃度により測定された、TcdBHIST及びTcdBHVに対するαCTD抗体の特異性を示すELISAデータ。(C)TcdBHIST単独又はαCTDHIST抗血清との組み合わせ、又はαCTDHIST抗血清プラス過剰量のCTDHIST又はCTDHVタンパク質断片で処理されたCHO細胞のパーセント生存率。細胞生存率はWST−8染色により決定され、そして、エラーバーは、3つの試料の平均値からの標準偏差を示す。(D)(a)0.1μg/mlのTcdBHIST単独、又は0.1μg/mlのTcdBHISTと(b)1:100CTDHIST抗血清、又は1:100CTDHIST抗血清プラス(c)過剰量のCTDHIST、又は(d)CTDHV(e)未処理コントロール。 図5は、合成ペプチドELISAを使用したエピトープマッピングを示す(配列番号2〜28で表される)。αCTDHIST(黒)及びαCTDHV(灰色)抗血清のペプチドELISAは、TcdB CTDの表示に対して並べられている。CTDは、アミノ酸1651から2366まで表示され、そして、白及び黒のボックスは24のCROPドメインの位置を示す。バーは、TcdBHISTのCTDからの重複したペプチド配列に対する、血清の反応性を示す。左側の矢印は、αCTDHISTとαCTDHVの間の反応性、又は配列の範囲について異なる、0.5を超えるODを有する少なくとも2つの連続したバーのピークを示す。各エピトープのアミノ酸位置、並びに、TcdBHIST(上段)及びTcdBHV(下段)におけるエピトープの配列が示され、全ての配列バリエーションが太字で示されている。 図6Aから6Cは、トキソイドBHVによる免疫後の、TcdBに対するインビボ及びインビトロでの免疫防御を示す。(A)TcdBHIST又はTcdBHV単独で24時間処理された、又は、αトキソイドBHIST抗血清又はαトキソイドBHV抗血清で30分間プレインキュベーション後の、CHO細胞のパーセント生存率。細胞生存率はWST−8染色により決定され、そして、エラーバーは、3つの試料の平均値からの標準偏差を示す。(B−C)トキソイドBHIST(赤)、トキソイドBHV(点線)、又はコントロールペプチド(黒)(n=9)で免疫された後に、2xLD100のTcdBHIST(A)又はTcdBHV(B)を静脈内投与された、C57Bl/6マウスの死亡までの時間を示すカプラン・マイヤーグラフ。Prismを用いて行ったロングランク検定、***p<0.001、**p<0.01。 図7は、C.ディフィシルの高病原性株027からのTcdBHV(配列番号1)の完全長アミノ酸配列を示す。
例示的記載、実施例、及び結果によって、更に詳細に本明細書に記載の発明の概念の様々な実施態様を記載する前に、本明細書に記載の発明の概念は、適用が、下記の方法、及び組成物の詳細に限定されるものではないことが理解される。本明細書に開示される発明の概念は、他の実施態様が可能であり、又は、様々な方法において実施又は遂行されることが可能である。そのように、本明細書において使用される文言は、最も広く可能な範囲及び意味が与えられたと意図され;そして、実施態様は、包括的ではなく、例示的であると理解される。また、本明細書において使用される表現及び用語は、記載の目的のためのものであり、別途指示がない限り限定されているとみなされるべきではない。更に、下記の詳細な説明において、多くの特定の詳細は、より完全な開示の理解を提供するために記載されている。しかしながら、当該技術分野の当業者にとって、本明細書に記載の発明の概念は、特定の詳細なしに実施されてもよいことは明らかであろう。他の例では、記載の不要な複雑化を避けるため、当該技術分野の当業者に周知の特徴は、詳細には記載されていない。
本明細書に別途定義されていない限り、本明細書に開示される発明の概念に関連して使用される科学的及び技術的用語は、当該技術分野の当業者に一般的に理解される意味を持つものとする。更に、文脈的に必須でない限り、単数形の用語は複数形を含むものとし、そして、複数形の用語は、単数形を含むものとする。本明細書で言及される、全特許、特許公開広報、及び非特許文献は、本明細書に開示される発明の概念に関連する当業者の技術レベルを示す。
本明細書の任意の部分に引用される全特許、特許公開広報、及び非特許文献は、各個々の特許又は文献が具体的かつ個別に、引用により組み込まれることが示されたのと同程度に、引用によって、その全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
本明細書に開示される全ての組成物及び生産方法、及びそれらの適用は、本明細書の開示に照らし、過度な実験なしに作成及び実行され得る。本明細書に開示される発明の概念の組成物及び方法は特定の実施態様について記載されているが、その概念、主旨、及び発明の概念の範囲から逸脱しない範囲で、バリエーションが組成物及び/又は方法、又は本明細書に記載の方法の一連の工程に適用されてもよいことは、当業者にとって明らかであろう。当業者にとって明らかな、そのような全ての類似の置換及び改変は、本明細書において定義される発明の概念の主旨及び範囲の範囲であるとみなされる。
本明細書に開示される方法及び組成物に関連して使用される場合、別途指示がない限り、以下の用語は、以下の意味を有すると理解されるものとする。
用語「含んでいる(含む、comprising)」と併せた請求項及び/又は明細書における、語「a」又は「an」の使用は、「1(one)」を意味してもよいが、「1以上(one or more)」、「少なくとも1(at least one)」、及び「1又は1より多い(one or more than one)」とも一致する。開示が別の選択肢のみを指す定義、及び「及び/又は」のみを指すという定義をサポートしても、別の選択肢のみを指すと明確に示されていない限り、又は、別の選択肢が相互排他的でない限り、請求項における用語「又は(or)」の使用は、「及び/又は(and/or)」を意味するために使用される。用語「少なくとも1」は、1、並びに、1より大きい任意の量であって、制限されないが、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、100、又はその中に含まれる任意の整数を含むと理解されるであろう。用語「少なくとも1」は、それが付随する用語に応じて100又は1000又はそれ以上まで広がってもよい;加えて、高いリミットが満足いく結果をももたらすように、100/1000の量は、限定的とみなされるべきではない。加えて、用語「X、Y、及びZの少なくとも1(at least one of X, Y and Z)」は、Xのみ、Yのみ、及びZのみ、並びにX、Y、及びZの任意の組み合わせを含むと理解されるだろう。
本明細書及び請求項において使用される場合、語「含んでいる(含む、comprising)」(及び含んでいる(compriding)の任意の形態、例えば、「含む(comprise)」及び「含む(comprises)」)、「有している(有する、having)」(及び有している(having)の任意の形態、例えば、「有する(have)」及び「有する(has)」)、「含んでいる(含む、including)」(及び含んでいる(including)の任意の形態、例えば、「含む(includes)」及び「含む(include)」、又は「含んでいる(含む、containing)」(及び含んでいる(containing)の任意の形態、例えば、「含む(contains)」及び「含む(contain)」)は、包括的又は無制限であり、かつ、追加の、列挙されていない要素又は方法工程を除外しない。
本明細書において、用語「又はそれらの組み合わせ」は、その用語の前に列挙された項目の、全ての順列及び組み合わせを指す。例えば、「A、B、C、又はそれらの組み合わせ」は、A、B、C、AB、AC、BC、又はABCの少なくとも1を含むことが意図され、及び、文脈上順序が重要な場合、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、又はCABの少なくとも1を含むことも意図される。この例に続き、1以上の項目又は用語の繰り返しを含む組み合わせ、例えば、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABB等が明示的に含まれる。当業者は、文脈から明らかでない限り、任意の組み合わせにおいて項目又は用語に、一般的に制限がないことを、理解するだろう。
本出願を通して、用語「約」は、ある値が、組成物の誤差、その組成物の投与に使用される方法の誤差の固有のバリエーション、又は対象間に存在するバリエーションを示すために使用される。
本明細書において、用語「実質的に(substantially)」は、その後に記載される出来事又は状況が完全に生じること、又はその後に記載される出来事又は状況が大部分において又は高い度合で生じることを意味する。例えば、用語「実質的に」は、その後に記載される出来事又は状況が、少なくとも90%の確率で、又は少なくとも95%の確率で、又は、少なくとも98%の確率で生じることを意味する。
用語「薬学的に許容される」は、毒性、炎症、及び/又はアレルギー反応等の過度の有害作用なしに、妥当な利益/リスク比に相応の、ヒト及び/又は動物に対する投与に適する化合物及び組成物を指す。
「生物学的に活性」とは、活性薬剤がどのようにその生物学的効果を有するかに関係なく、生物の生理学的システムを改変する能力を意味する。
本明細書において、「純粋な(pure)」又は「実質的に純粋な(substantially pure)」は、対象の物質(例えば、特定のエッセンシャルオイル)が存在する主要な物質であること(すなわち、それらの組成物において、分子ベースで、他の何れの活性薬剤よりも量が多い)、及び、特に、実質的に生成された画分が、対象の物質が存在する全ての高分子物質の少なくとも約50%(分子ベースで)を占める組成物であることを意味する。通常、実質的に純粋な組成物は、組成物に存在する全ての高分子物質の約80%より多く、より具体的には、約85より多く、約90より多く、約95より多く、又は約99より多く、含むであろう。最も具体的には、対象の物質は、組成物が本質的単一の高分子物質からなる、本質的均一となるよう精製されてもよい(夾雑物は、従来の検出方法により組成物中に検出され得ない)。用語「純粋」又は「実質的に純粋」は、対象の物質(例えば、活性薬剤)が少なくとも60%(w/w)純粋、又は少なくとも70%(w/w)純粋、又は少なくとも75%(w/w)純粋、又は少なくとも80%(w/w)純粋、又は少なくとも85%(w/w)純粋、又は少なくとも90%(w/w)純粋、又は少なくとも92%(w/w)純粋、又は少なくとも95%(w/w)純粋、又は少なくとも96%(w/w)純粋、又は少なくとも97%(w/w)純粋、又は少なくとも98%(w/w)純粋、又は少なくとも99%(w/w)純粋、又は100%(w/w)純粋である調製物も指す。
用語「対象」及び「患者」は、本明細書において区別なく用いられ、かつ、温血動物、特に哺乳動物を指すと理解されるであろう。本用語の範囲及び意味の範囲での動物の非限定的な例は、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ウマ、ヤギ、ウシ、ヒツジ、動物園動物、サル、非ヒト霊長類、及びヒトを含む。
「処置」は、治療的処置を指す。「予防」は、予防的(prophylactic)又は予防的(preventative)処置対策を指す。用語「処置している(treating)」は、治療目的で、患者に組成物を投与することを指す。
用語「治療組成物」及び「薬学的組成物」は、当該技術分野で周知の又は本明細書に企図される任意の方法により、対象に投与されてもよい組成物を指し、ここで、組成物の投与は、おおよそ、本明細書の別の箇所に記載される治療効果をもたらす。投与様式の非限定的な例は、経口投与、局所投与、球後投与、結膜下投与、経皮投与、非経口投与、皮下投与、鼻腔内投与、筋肉内投与、腹腔内投与、硝子体内投与、静脈内投与の経路であって、局所的及び全身性適用を含む。加えて、本明細書に記載の概念の組成物は、当該技術分野でよく知られる製剤技術を使用し、遅延性、制御性、延長性、及び/又は徐放性を提供するために設計されてもよい。本明細書において、投与様式を定義するために使用される、用語「局所的(topical)」は、皮膚又は体内の上皮組織に適用されることにより、物質が投与されることを意味する。
用語「有効量」は、例えばC.ディフィシルに対する免疫等の検出可能な治療効果を示すのに十分なワクチン組成物の量を指す。 患者に対する有効量は、患者のタイプ、患者のサイズ及び健康状態、投与の方法、処置期間、同時に行う治療(もしあれば)の性質、使用する特定の製剤等に依存するであろう。従って、厳密な有効量を事前に特定することは不可能である。しかしながら、与えられた状況における有効量は、本明細書で提供される情報に基づいた常套的実験を使用し、当業者により決定され得る。
用語「交差中和反応」は、C.ディフィシルの高病原性株、及びC.ディフィシルの異種株又は従来型株の両方に対し少なくとも部分的に有効な免疫応答を指す。
特定の実施態様において、本明細書に記載される発明の概念は、クロストリジウム属の生物に対する免疫応答を惹起するのに有効なワクチン組成物に関し、当該組成物は免疫原として有効量の毒素及び/又はその生物の毒素に由来するトキソイドを薬学的に許容可能な担体との組み合わせで含む。特定の実施態様において、毒素は、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株に由来する毒素Bであり、例えば高病原性株リボタイプ027だがこれに限定されず、毒素から作られるトキソイドの形態で投与される。トキソイドは、当該技術分野の当業者に周知の任意の適切な方法で、毒素から作られる。少なくともある実施態様において、ワクチン組成物はTcdB毒素又はトキソイドを含み、TcdB毒素(又はそれに由来するトキソイド)は、例えば、027リボタイプ等のC.ディフィシルの高病原性(HV)株に由来する天然毒素であり、又は、毒素から組換え技術により作製される形態の毒素である。特定の実施態様において、本明細書に記載される発明の概念は、C.ディフィシル感染に対し防御特性を有する抗体の作製を促進するワクチンとして使用され得る、又は、活発なC.ディフィシル感染を有する対象を処置することにおいて使用され得る、TcdB毒素由来のTcdBトキソイドの調製に関する。特定の実施態様において、ワクチン組成物は、クロストリジウム・ディフィシルの同種株及び異種株に対して有効である。
本明細書に記載される発明の概念は、例えばC.ディフィシル等のクロストリジウム種に対する生物の免疫応答を刺激するための方法を含み、当該方法は、その生物に対し、免疫原として有効量のクロストリジウムの毒素を、薬学的に許容可能な担体との組み合わせで投与することを含む。免疫応答は、交差中和反応を含んでもよいが、これに限定されない。少なくともある実施態様は、C.ディフィシル感染に対する免疫を与える方法であり、当該方法は、例えばリボタイプ027であるがこれに限定されないHV株TcdB毒素から作られる、Tcd Bトキソイドを含むワクチン組成物を調製する工程、及び、そのワクチン組成物を対象に導入する工程を含む。対象は、その後、免疫について試験されてもよい。ワクチンの投与は、非経口投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、又は静脈内投与であり得るが、これらに限定されない。
C.ディフィシル感染(CDI)は、複雑な疾患である。C.ディフィシルが、TcdA、及びおそらくTcdBの作用を介して、深刻な結腸の炎症の原因となることはよく確立されている。結腸の炎症に対するTcdBの関連は、明らかに理解されてはいないが、TcdBの腸に対するダメージにおいて、TcdBがTcdAの代わりに機能する状況がある。腸の炎症ダメージは、この疾患の重要な要素であるが、全身性合併症は、深刻な形態のCDIを有する患者の結末を最終的に決定するかもしれない。実際、この疾患において、TcdA及びTcdBの両方の全身性循環を示す証拠が増加している。しかし、C.ディフィシル誘導性全身性ダメージ及び合併症の基本的メカニズムについて、ほとんど知られていない。C.ディフィシル患者において血液培養が無菌であることが繰り返し示されてきたように、全身性ダメージは、細菌によるものではない。従って、より妥当な説明は、全身性ダメージを引き起こす患者の血流に毒素が放出されるということである。この見解を指示する多くの観察結果が存在する。C.ディフィシル感染の子ブタモデルを使用した最近の研究において、感染した動物の血流にTcdA及びTcdBが検出された。他の研究は、毒素に対する粘膜IgAでなく血清IgGが、疾患及び再発に対する防御と相関することを示している。
TcdA及びTcdBが異なる指向性を示すことがよく知られているという事実にも関わらず、この相違の基本的な理由は知られていない。しかしながら、TcdAとTcdBとの間の組織指向性における相違があるように、我々のデータは、異なるC.ディフィシル株からのTcdBの指向性の相違があることを示唆している。CTDだけがこれらの相違の主要因である領域であるということは知られていないが、データは、このドメインが標的細胞との相互作用におけるバリエーションに関与する見込みの高いことを示唆している。
C.ディフィシルの病原性、並びにワクチン接種に関連するこのバリエーションを考慮することも、重要である。TcdBHVの中和エピトープが毒素の中和を避けるのに十分に変化するという事実、又は、毒素が、細胞への侵入に関連する全く異なるメカニズムを有するという事実のために、TcdBHVは、TcdBHISTよりも速くかつ効率的に細胞に侵入する。
本明細書に記載される発明の概念の少なくともある実施態様において、TcdBHVのトキソイドはインビトロ及びインビボでC.ディフィシルに対する広範な中和反応を引き起こすワクチンを提供するために使用される。TcdBHVのCTDは中和の対象ではなく、そして、過去の研究は、TcdBトキソイドは有効性の高いワクチンではないことを見出してきたことを考えれば、これは、予測不可能な結果である。抗血清は、TcdA及びTcdBを交差中和しないことが長年知られてきており、TcdBの変異体に対する抗血清も交差中和しないという可能性を考慮することは妥当である。しかしながら、本明細書に示されるように、ここでは上記は当てはまらない。図6に示されるように、TcdBHVで免疫されたマウスは、TcdBHIST及びTcdBHVの両方に対して完全に防御された。言い換えれば、TcdBHVワクチンは、毒素/トキソイドが由来するC.ディフィシルの同種株に対する、並びに、C.ディフィシルの非関連異種株に対する、防御を与えることが可能であった。以前の研究と一致し、TcdBHISTのトキソイドはTcdBに対するごくわずかな免疫防御を引き起こし、そして、我々は、従来型又は高病原性形態の毒素の何れかでチャレンジを受けたマウスでもこれが正しいことを発見した。これは、TcdBHISTのトキソイドへの変換が免疫原性を低下させるようにタンパク質を変化させる可能性を増加させるが、TcdBHVにおける配列の相違は、それがトキソイドである場合、この形態の毒素をワクチンとしてより有効にする。
TcdBHV及びTcdBHISTの毒性及び抗原性における相違は、CDIの再発にも影響するかもしれない。全CDI患者のうち20%〜25%が少なくとも1回の再発を経験し、最初の再発により、2回目の再発が40%になる。興味深いことに、50%以上の再発が、C.ディフィシルの新しい株の感染により引き起こされ、これらのケースは、再発(recurrence or relapse)ではなく再感染(reinfection)と記載されることもある。従って、TcdBの抗原性作製におけるバリエーションは、再発に影響し得、かつ、交差株免疫防御(cross-strain immunoprotection)の見込みを低下させる。中和抗体のTcdBHISTに対する応答は、C.ディフィシルNAP1/BI/027が原因となる再発に対しては防御しないかもしれない。同様に、TcdBの毒性における差異は再発に影響し得る。1700人近いCDI患者の最近の研究により、重篤な疾患を経験した患者、及びより高いレベルの検出可能な毒素を有する患者は、再発を経験することがより見込まれることが見出された。これに一致して、最近の研究は、高病原性(NAP1/BI/027)C.ディフィシルに感染した患者は、再発を経験することがより見込まれることを示している。以上のことから、これらの知見は、TcdBHISTとTcdBHVとの間の抗原性のバリエーション及び毒性における差異は、一次的感染に寄与するだけでなく、CDI再発における決定因子であるかもしれないことを示唆している。
概して、これらの知見は、C.ディフィシルの従来型及び高病原性株により作られるTcdBの間の差異を説明している。TcdBHVにおける配列のバリエーションは、毒素の細胞傷害性、致死性、及び抗原性形成に影響し、かつ、C.ディフィシルNAP1/027/BI株の全体的な病原性増大に寄与していることが見込まれる。
上記のように、少なくともある実施態様において、本明細書に記載される発明の概念は、C.ディフィシル感染に対する免疫を与える方法を含み、当該方法は、TcdBトキソイドを含むワクチン組成物を調製する工程、被験体であってもよい対象に対してワクチン組成物を導入する工程を含む。被験体を含む対象は、免疫について試験されてもよい。少なくともある実施態様において、TcdBトキソイドは、HV株に由来する。
更なる実施態様は、C.ディフィシル感染に対する防御を与える方法に関し、当該方法は、それを必要とする対象に、C.ディフィシルの毒素Bを含むワクチンの有効量を投与することを含み、ここで、ワクチンの投与は、C.ディフィシルによる感染に対する免疫を与える。少なくともある実施態様において、毒素BはTcdBHVトキソイドである。
本発明の別の実施態様において、トキソイドを含むワクチン組成物は、毒素の複数の形態に対する防御を与える。
上記のように、特定の実施態様において、本明細書において記載される発明の概念は、例えば、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株に由来する毒素B等のクロストリジウム・ディフィシル毒素であって、かつ、トキソイドの形態で投与されるクロストリジウム・ディフィシル毒素の、免疫原としての有効量を含む、ワクチン組成物に関する。少なくともある実施態様において、ワクチン組成物は、027リボタイプの高病原性(HV)に由来するTcdBトキソイドを含む。特定の実施態様において、本明細書に記載される発明の概念であるトキソイドは、リン酸緩衝生理食塩水のような中性pHの生理食塩水、及び緩衝生理食塩水等の、薬学的に許容可能な担体、希釈剤、及び/又はアジュバントと、任意選択的に、組み合わされていてもよい。他のタイプの担体は、リポソーム、又はポリマー、及び同類のものを含む。ワクチンにおける薬学的に許容可能な担体、希釈剤、又はアジュバントは、標準的な基準により選択され得る。「薬学的に許容可能な」とは、生物学的又はそれ以外の点で非所望でない物質を意味し、例えば、その物質は、非所望の生物学的効果を引き起こすことなく、又は、当該物質が含まれる組成物の、他の任意の成分との非所望の態様に関与することなく、選択された化合物と併せて個体に投与されてもよい。担体、希釈剤、又はアジュバントは、投与方法、及び特定の患者に依存してもよい。
使用されてもよい非限定的なアジュバントの例は、フロイント不完全アジュバント、フロイント完全アジュバント、ミョウバン、モノホスホリル脂質A、ミョウバン ホスファート、又は水酸化物、QS−21、塩、すなわち、AlK(SO、AlNa(SO、AlNH(SO、シリカ、カオリン、ムラミールジペプチド、カーボンポリヌクレオチド、すなわち、ポリIC、及びポリAU、及びQuilA及びAlhydrogel等を含む。任意選択的に、トキソイドは、免疫調節体及び免疫賦活剤と組み合わせ得る。ワクチンは、例えば、リポソーム又はISCOM等の微小粒子を含んでもよい。
ワクチンによる防御免疫応答の発生は、抗体の発達により測定することができる。本明細書に記載される、典型的な防御免疫応答を形成可能なトキソイドの量は、例えば、約1から6週間の免疫の間隔で、体重1kgあたり約0.001μgから100mg、より好ましくは、0.01μgから1mg/kg体重、及びより好ましくは、約0.1μgから約10μg/kg体重の単位投与形態である。
ワクチン組成物は、本明細書に記載の疾患生物に感染するかもしれない動物に投与され、当該動物は、イヌ、ネコ、ウサギ、げっ歯類、ウマ、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、及びブタ)、動物園動物、有蹄動物、霊長類、及びヒトを含む。
本明細書に記載の発明の概念によれば、ワクチン組成物は、本明細書に記載のTcdBトキソイドの免疫原性断片から作られてもよく、そのような断片は、交差中和反応を含むがこれに限定されない、防御免疫応答を刺激するのに十分大きい断片である。例えば、断片は、TcdBトキソイドの、最低でも10、25、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2150、2200、2250、2300、又は2350、又はそれ以上のアミノ酸長を含んでもよい。
本明細書に記載のワクチンは、受動免疫血清として、患者における症状の処置又は改善のために使用され得る中和抗体を作製するためにも有効である。上記のワクチン組成物は、中和抗体反応が形成されるまでウマ又はヒト等の動物に投与され得る。これらの中和抗体は、その後、採取され、精製され、症状を呈する患者を処置するために使用され得る。
中和抗体は、病原体の作用を中和するための有効量で、疾患症状を呈する患者に投与される。中和抗体は、静脈内、筋肉内、皮内、皮下等に投与され得る。ある実施態様において、中和抗体は、抗生物質治療と併用して投与されてもよい。投与される中和抗体の典型的な量は、抗体約1mgから1000mg/kg体重、より好ましくは、約50〜200mg/kg体重である。
ワクチン組成物は、好ましくは、非毒性及び無菌の薬学的に許容可能な担体中に、免疫防御的、非毒性量のトキソイドを含む薬学的組成物として調製される。
本明細書に記載の発明の概念のワクチンは、例えば、経口、筋肉内、静脈内、舌下粘膜、動脈内、髄腔内、皮内、腹腔内、腹腔内、鼻腔内、肺内、眼球内、膣内、直腸内、又は皮下等の、当該技術分野で周知の任意の方法で、適切な対象に投与される。それらは、例えば、コンジュゲートを含む溶液又は粉末を吸引することにより、消化管又は気道に導入され得る。いくつかの実施態様において、組成物は、皮膚パッチを介した吸収により投与され得る。非経口は、使用される場合には、注射により通常特徴づけられる。注射可能な物質は、溶液又は懸濁液といった従来の形態で、注射前の液体における溶液又は懸濁液のために適した固体形態で、又はエマルジョンとして、調製され得る。更に最近修正された非経口投与のためのアプローチは、一定レベルの用量が維持されるように、持続徐放又は徐放システムの使用に関連する。
ワクチン組成物は、免疫応答の一部として、抗体産生を導くのに十分な量で投与される。任意の患者のための用量は、患者サイズ、全体的な健康状態、性別、体表面積、年齢、投与される特定の化合物、投与の時間と経路、及び、併用して投与される他の薬物を含む、多くの要因に依存する。最低用量の決定は、通常の技術を有する薬学者の能力の範囲内である。
ワクチンの治療上有効量及び非毒性用量は、当該技術分野の当業者によって決定され得る。しかしながら、任意の対象のための特定の用量は、年齢、全体的な健康状態、患者の食事、投与の時間と経路、投与される他の薬物との相乗効果、及びワクチンが繰り返し投与されるかどうか、を含む、様々な要因に依存するであろう。必要であれば、ワクチンは、各投与間を1から3か月の間隔により、及び、任意選択的な、後の追加免疫により、繰り返し投与されるであろう。適切な用量の実際の調製方法は、当業者にとって、周知、又は明らかであろう;例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciencesの最終版を参照のこと。
一般的に記載された、本明細書に記載の発明の概念は、以下に記載の実施例及び実施態様の参照によってより容易に理解され、当該実施例及び実施態様は、本明細書に記載の発明の概念の特定の態様及び実施態様を説明するために含まれるにすぎず、そして、これらに限定されることは意図されない。以下の詳細な実施例及び方法は、本明細書に記載の発明の概念の様々なワクチン組成物をどのように作製及び使用するかを記載し、上記のように、ただ具体例を示したものであり、開示の限定とは一切解釈されない。当業者は、組成物及び手順から、適切なバリエーションをすぐさま認識するであろう。
動物、菌株、及び細胞培養
C.ディフィシルVPI 10463(630株と同一の配列を有するTcdBを産生する)及びC.ディフィシルリボタイプ027は、TcdBHIST及びTcdBHVの2種の毒素がそれぞれ精製された、ソース(source)として使用された。TcdBHVは、配列番号1のアミノ酸配列(図7)を有する。
メスのBALB/cJ及びC57B/6Jマウス(Jackson Laboratories)、8週齢を、Jackson Laboratories (Bar Harbor, ME) より購入し、オクラホマ大学ヘルスサイエンスセンター(University of Oklahoma Health Science Center)のIACUCガイドラインに従って取り扱った。
ラットの脳の微小血管内皮細胞(RBMVEC)及びラットの大動脈内皮細胞は、エリック ハワード博士(オクラホマ大学ヘルスサイエンスセンター)の研究室から提供されたものであり、以前に記載されている。CHO細胞は、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC)から購入した。RBMVEC及びRAECは、10%FBS含有DMEMで培養し、CHO細胞は、10%FBS含有F12−Kで培養した。全ての細胞タイプは、15〜30回の継代で使用され、6%COの存在下で、37℃で、組織培養用処理済T−75フラスコ(Corning)中に維持された。
天然型毒素の作製、トキソイドの調製、及び組換えTcdB断片の精製
C.ディフィシルは、既に記載されたように透析法を用いて培養され、そして、TcdBが、サイログロブリンアフィニティクロマトグラフィーの逐次工程、及び、その後の20mMTris−HCl、20mMCaCl、pH8.0における陰イオン交換(Q-Sepharose)及び高分解能陰イオン交換(Mono-Q)クロマトグラフィーにより単離され、TcdAが除去された。精製工程の後、ブラッドフォード法(Bradford method)によるタンパク質の決定、SDS−PAGEによる270kDaのシングルバンドの可視化、及びLC/MS/MS分析(オクラホマ大学ヘルスサイエンスセンター)を行い、タンパク質の性質を確認した。
ホルマリン処理されたタンパク質の沈殿及び凝集の阻止を促進するために、500μlのTcdB(0.4μg/μl)を8.5mgのリジンを含むホルムアルデヒドに混合すること、及び37℃で一晩インキュベートすることによって、TcdBHIST及びTcdBHVのトキソイド型が調製された。0.425mg/mlリジン含有0.4%ホルムアルデヒド中に20μg/mlの毒素Bとなるよう、量をPBSで10mlにした。CHO細胞における細胞変性作用の欠如により確認されたように、両方のトキソイドの調製物は、毒性を欠いていた。
VPI 10463株からのTcdb遺伝子(ヌクレオチド4935−7111)のCTDコード領域は、最適化され、pET15b(Genscript)にクローニングされたコドンであった。NAP1株からのTcdb遺伝子のCTD(ヌクレオチド4935−7111)は、Genscriptにより最適化されたコドンであった、完全長tcdbを含むpET15bプラスミドからクローニングされた。CTD遺伝子は、pET15bへのクローニングのために、BamHI及びNde1サイトを含む5’-GATCATATGCTGTATGTGGGTAACCG-3’(配列番号29)及び5’-AACGGATCCTTATTCGCTAATAACCA-3’(配列番号30)のプライマーを使用して増幅された。CTDは、大腸菌BL21 star DE3株(Invitrogen)使用して、16℃で一晩発現せしめられ、そして、Ni2+アフィニティークロマトグラフィー(HisTrap, GE Life Sciences)により精製され、TcdBHIST及びTcdBHVの両方からTcdB1645−2366に相当するタンパク質が得られた。
致死用量の決定及び器官病理
TcdBHIST及びTcdBHV最低致死用量における差異を決定するために、100μlのTcdBHIST又はTcdBHVのリン酸緩衝生理食塩水での希釈液100μlが27ゲージの針でBALB/cJマウスの尾部に静脈内注射された。20匹のマウスが、4匹ずつの群で、2μg、1μg、500ng、100ng、及び50ngの用量でTcdBHISTを投与された。更に20匹のマウスが、200ng、100ng、50ng、25ng、及び12.5ng用量のTcdBHVを投与された(n=4)。動物は、チャレンジ後、毒素作用及び致死率のために7日間までモニターされ、顕著に苦しんでいる又は瀕死の状態の場合、と殺された。生存は、GraphPad Prism(GraphPad Software, Inc., La Jolla, CA)においてカプラン・マイヤー分析を使用してグラフ化された。
死亡直後、マウスは解剖され、腫瘍器官及び組織は、ホルマリン固定剤に一晩浸漬された。組織切片作製、スライド作製、H−E染色、及び病理分析は、OUHSCの比較医学部(the Department of Comparative Medicine)で実施された。
動物の免疫、及びTcdBチャレンジ
1日目に、ウサギは完全フロイントアジュバント中のTcdBのCTD断片0.1mgで免疫され、そして、14日目、21日目、及び49日目に、完全フロイントアジュバント中の0.1mgで追加免疫された。血液試料は、0日目、35日目、及び56日目に採取された。これらの実験は、Cocalico Biologicals Inc.(Reamstown, PA)により実施された。
BALB/cJマウス(トキソイドBHIST及びトキソイドBHVに各20匹)は、1日目に、100μlの完全フロイントアジュバント中に1:1で乳化されたPBS中の2μgのトキソイドを、皮下及び腹腔内に同量ずつ注射され、そして、10日目に、完全フロイントアジュバント中の2μgにより追加免疫された。コントロールマウスは、非関連ペプチドを使用して、同様に免疫及び追加免疫された。血液試料は、0日目及び24日目に尾部からの出血から採取され、各血液は、トキソイドの反応を評価するためにELISAで試験された。
免疫の完了後、マウスは、TcdBHIST及びTcdBHVのi.v.チャレンジに供された。各免疫群(トキソイドBHIST、トキソイドBHV、コントロール)は、20匹のマウスを含み、各郡からの9匹に対し、尾部静脈を介して、致死量の2倍のTcdBHIST又はTcdBHVの何れかが投与された。あらかじめ確立された最低致死用量は、2xLD100を、TcdBHISTについてマウスあたり200ngに、TcdBHVについてマウスあたり50ngに、設定するために使用された。各群の残りの2匹は、血清採取のため、と殺され、放血させられた。動物は、チャレンジ後、毒性作用及び致死率のために7日間までモニターされ、顕著に苦しんでいる又は瀕死の状態の場合、と殺された。生存は、GraphPad Prism(GraphPad Software, Inc., La Jolla, CA)において、カプラン・マイヤー分析を使用してグラフ化され、ログランク検定により比較された。
抗体反応の特性評価
動物の血清における抗体反応を測定するために、直接抗原ELISA(Direct antigen ELISAs)が使用された。ポリスチレンプレートのウェルあたり、1μgの精製されたTcdB又はCTD断片が、4℃で一晩コートされた。プレートは、洗浄され、そしてPBS中の0.1%BSAで、1時間、室温でブロックされた。そして、0.1%BSA含有PBS−Tween中に1:100及び1:1000で希釈されたウサギの血清は、トリプリケート(3回繰り返し)で添加され、室温で2〜3時間インキュベートされた。プレートは、PBS−Tweenで洗浄され、1:5,000に希釈されたアルカリホスファターゼにコンジュゲートした抗ウサギIgG(Jackson ImmunoResearch Laboratories, Inc)と、室温で3時間インキュベートされ、その後、洗浄され、そして、p−ニトロフェニルホスファート基質(Sigma)で発色させた。プレートを、Tecanインフィニットプレートリーダー(Tecan Group, Ltd.)を使用して405nmで測定した。プレートは、ポジティブコントロールがOD1.0に達した場合プレートは測定され、ネガティブコントロールがOD2.0を超えた場合アッセイは無効であると考慮される。
細胞傷害性及びTcdB中和アッセイ
細胞を、10%FBS(ATCC)含有DMEM又はF12−K(ATCC)中に、ウェルあたり1〜2×10細胞の密度で、96ウェルプレートに播種した。内皮細胞におけるTcdB感受性測定のために、各ウェルに対し、トリプリケートでTcdBHIST又はTcdBHVの希釈液が添加され、そして、細胞は、24時間インキュベートされ、生存率はCCK−8(Sigma)で測定された。TcdBの中和を測定するために、CTDに対しウサギで産生された血清、又はトキソイドに対するマウス血清の1:10希釈液が、F12−K培地(ATCC)中で、37℃で1時間、TcdBHIST又はTcdBHVと共に事前にインキュベートされた。CHO細胞は、毒素/抗血清混合物、又は毒素単体で処理され、37℃で24時間インキュベートされた。細胞は、細胞円形化(cell rounding)について2〜4時間後に顕微鏡下で分析され、そして24時間後に、CCK−8分析を用い、製造者の指示書に従って細胞生存率が測定された。
固相ペプチドELISAを用いた微細特異性エピトープマッピング
TcdBHISTからのCTD領域の長さをカバーする8アミノ酸により重複する358デカペプチドは、既に記載されるように、ポリエチレンピン上に共有結合的に合成され、改変ELISAアッセイによる抗体特異性のアッセイに使用される。室温で1時間、PBS中の3%ミルクでブロッキングを行い、ピンは、0.05%Tween含有3%ミルク−PBSで1:100に希釈した100μl/ウェルの血清中で、室温で2時間インキュベートされた。ピンは、PBS−Tween中で、軽く撹拌しながら8分間4回洗浄され、続いて、0.05%Tween含有3%ミルク−PBS中で、4℃で一晩、100μl/ウェルのアルカリホスファターゼにコンジュゲートした抗ウサギIgGの1:5,000希釈液とインキュベートした(Jackson ImmunoResearch Laboratories)。次に、前と同じように洗浄し、ピンELISAは、100mMグリシン、1mMMgCl及び1mMZnCl含有150mM炭酸バッファー(pH10.4)に溶解した、100μl/ウェルのp−ニトロフェニルホスファートの1mg/ml溶液を使用して発色させた。吸光度は、Tecanインフィニットプレートリーダー(Tecan Group, Ltd.)を使用して、405nmで測定され、そして、結果は、OD1.0を有する標準ポジティブコントロールペプチドにより標準化された。陽性のエピトープは、標準血清の平均値より高く、2より高い標準偏差を有する少なくとも2つの連続したペプチドとして定義されていた。
TcdBHVはTcdBHISTよりも低い致死用量を示す
以前の研究において、我々は、TcdBHVが、TcdBHISTよりも細胞傷害性であり、ゼブラフィッシュの胚モデルにおいて、より広範な組織ダメージの原因となることを見出した;しかしながら、これがどのように致死用量に関連するのかは周知でない。本研究における第1組目の実験において、我々は、マウス全身性中毒モデルにおいて、TcdBHIST及びTcdBHVの致死用量を決定し、比較した。既に出版されたTcdBHISTについての220μg/kg(i.p.)という致死用量は、これらの処置のための毒素の濃度の範囲を確立するために使用されたが、我々が観察した、i.v.注射を介した致死性は、既に報告されていたよりも著しく高かった。結果として、TcdBHISTの2μg(結果を示さず)、1μg、及び500ngという初期用量は、予測したよりも著しく強力で、大変迅速に死亡をもたらした(図1A)。従って、残りのマウスは、TcdBHISTの、より低用量である100ng及び50ngに供された。TcdBHIST処置マウスの結果に基づき、TcdBHV群は、200ngの用量で開始し、12.5ngのTcdBHVまで、1:2希釈で継続した。マウスがTcdBHIST又はTcdBHVを投与された後、7日目まで経過観察され、そして、これらの実験の生存曲線は図1Bに示される。
図1に示されるデータは、TcdBHISTが注射されたマウスで観察されたよりも低用量での毒素によって、TcdBHVが注射されたマウスが死亡することを示す。100ngのTcdBHVが投与された全てのマウスが、処置から24時間以内に深刻な瀕死状態に達する。一方、TcdBHISTの同用量を投与されたマウスは、40時間後まで、かつ、最長で57時間まで、毒素によって死亡しなかった。次の低用量(50ng)では、TcdBHISTで処置された全てのマウスが生存したが、次の低用量(50ng)でのTcdBHV処置により生存するマウスはいなかった。これらの結果に基づけば、TcdBHVのLD50は、625ng/kg体重と1.25μg/kg体重の間であると予測される。一方、TcdBHISTについてはより高い範囲が予測され、2.5μg/kg体重と5μg/kg体重との間になる。用量に関連する死亡までの時間は、2群間での最も著しい差異であった。例えば、200ngのTcdBHISTで処置されたマウスは、最長60時間生存したが、同量のTcdBHVで処置されたマウスは、24時間までに、全て毒素により死亡した。従って、培養細胞及びゼブラフィッシュ胚でより強力な効果を示す以前の研究と一致し、げっ歯類の中毒モデルにおいても、TcdBHVはTcdBHISTよりも更に毒性があることが示された。
TcdBHISTではなくTcdBHVが深刻な脳出血の原因となる
ゼブラフィッシュモデルにおける我々の初期の知見と併せ、図1に示される結果は全て、TcdBHVがTcdBHISTよりも毒性があることを示している。最近の研究により、C.ディフィシルに感染した子ブタの血流に循環するTcdA及びTcdBが検出され、これは、毒素に対する抗体の受動投与によりブロックされ得る全身性作用に相関していた。これは、TcdBHVが、その高い有効性によって、TcdBHISTよりも更に深刻な全身性ダメージを引き起こすかどうかという疑問に我々を導いた。これを評価するため、マウスはTcdBHIST(50ngから1000ng)又はTcdBHV(12.5ngから200ng)を投与され、そして、組織病理が決定された。致死量より低用量の毒素が投与されたマウスからの組織及び器官の検査により、コントロールと異なる病理が示されなかった。一方、TcdBの致死用量により中毒になったマウスから得た、検査された主要器官の一部に、組織病理が見出された。TcdBHIST又はTcdBHVの何れかで処置されたマウスは、深刻な血だまり、実質細胞の喪失、及び出血の証拠を有する目立った肝臓ダメージを示した。より低い程度に、深刻な肝細胞の凝固壊死が観察され、そして、脾臓も、濾胞性壊死(follicular necrosis)及び生じる可能性のあるアポトーシス細胞と共に、出血の兆候を示した。更に、観察された全ての病理の重症度は、毒素の濃度よりも、毒素への曝露の時間の長さにより関連していた。図2Aは、ダメージが最低致死用量を受け、長期間生存したマウスにおいて最も深刻であることを説明する、TcdBHIST及びTcdBHV処置マウスからの代表的な肝臓切片を示す。
致死性の相違にも関わらず、TcdBHV処置マウスの脳で検出される軽度から重度の出血を除き、TcdBHIST及びTcdBHVの主要なインビボ作用は同一であった。実際、脳出血は、2つの形態のTcdBを注射されたマウスの間で、最も明白な差異である。TcdBHV処置マウスの脳出血は、小脳と大脳内の大きな複数箇所の血液の蓄積を伴う、大量出血であったが、TcdBHISTで処置されたマウスの脳は小さな病変を示すだけであった。これらのデータは、TcdBチャレンジを受けたマウスにおける内皮の健全性の喪失、並びに、インビボ標的化及びTcdBHIST対TcdBHVの指向性において顕著な相違があるかもしれないことを示唆している。
TcdBHVは、脳微小血管内皮細胞に対し高毒性である
次に、脳出血における差異との考え得る相関として、2つの形態のTcdBの内皮細胞株における毒性を決定するために実験が実施された。我々は、はじめに、内皮細胞が、細胞傷害性アッセイに通常使用される上皮細胞(例えば、CHO細胞)と比較して、TcdBに対して高い感受性を示すかどうかを決定することを望んだ。TcdBHIST及びTcdBHVに曝露されたラットの大動脈の内皮細胞(RAEC)は、細胞傷害性作用においてわずかな差異を示した(図3A)。1.41×10−11MというTcdBHISTのTCD50用量は、既に報告されたCHO細胞における2.53×10−11MのTcdBHISTの毒性と同等であったが、4.04×10−12というTcdBHVのTCD50用量は、CHO細胞に対する2.37×10−13というTCD50よりも高かった。TcdBHIST及びTcdBHVの病理における主要な差異が脳で生じたため、我々は、2つ形態のTcdBに対する感受性の差異について、ラットの脳の微小血管内皮細胞(RBMVEC)を試験した。興味深いことに、TcdBHISTについての1.34×10−11MというTCD50に対し、1.21×10−13MのTCD50により、RBMVECにおいてTcdBHVの細胞傷害性の有意な差が認められた(図3B)。これらのデータは、TcdBが、内皮細胞において細胞変性及び細胞傷害性作用を引き起こすこと、そして、RBMVECはTcdBHVに対して増加した感受性を有することを示す。
カルボキシル末端ドメイン(CTDHIST及びCTDHV)の細胞相互作用に対する異なる寄与、及び抗体中和に対する感受性
TcdBHIST及びTcdBHVを標的とする細胞及び器官における差異を更に研究するため、我々は、細胞相互作用の促進において重要と考えられるCTDに着目した。我々は、この領域が、細胞標的化において確かに重要あり、そして、この領域におけるTcdBHISTとTcdBHVとの配列の差異が、毒素間での細胞指向性及び動物の病理における違いの重要な因子であり得るという、仮説を立てた。我々は、また、これらの差異が、CTDにおいて、抗原性エピトープのプロフィールを変化させ得ること、そして、おそらくエピトープを中和させることを予測した。我々は、これらの両方の可能性に取り組むための一連の実験を設計した。
TcdBHIST及びTcdBHVのCTDにおける差異を評価するために、我々は、各毒素のこの領域を表すタンパク質断片を発現及び精製した。これらの断片は、CROPに対する約206残基のアミノ酸末端と併せて、CROP領域を含む、TcdBタンパク質の最終的721アミノ酸からなる。以前の配列比較に基づけば、CTDHISTとCTDHVとで異なる89残基が存在する。
当初、各CTDは、CTD抗血清を採取するためにウサギを免疫するための抗原として使用され、次に、TcdBHIST及びTcdBHVの両方の活性に対するCTDの影響を更に決定するためのTcdB中和アッセイで使用された。我々は、はじめに、TcdBHIST及びTcdBHVの両方の細胞傷害性に対するαCTDHISTの影響を調べ、そして、αCTDHISTでの処置がTcdBHISTの細胞傷害性及び細胞変性作用を中和することを見出した(図4A)。しかしながら、αCTDHISTは、TcdBHVの細胞傷害性の検出可能な減少を引き起こさなかった(図4A)。ELISA分析により、αCTDHISTは、細胞培養においてTcdBHISTを中和することだけが可能であるが、ポリクローナル血清は、インビトロで、TcdBHISTとTcdBHVの両方を認識することが可能であったことが確認された(図4C)。
αCTDHISTは、TcdBHIST及びTcdBHVの両方に結合及び認識する能力を維持しているにもかかわらず、交差中和が不可能であるという結果は、我々を、CTDの役割がTcdBHVにおいて変化したかどうかという疑問に導く。我々は、我々が観察したこの結果について、可能性のある2つの説明を予測した。はじめに、TcdBHVのCTDは、TcdBHISTのCTDとは同様の機能及び重要性を有さないかもしれない。あるいは、CTDが基本的な役割を果たす場合、責任のあるエピトープ及び領域が変化し得、それにより重要な残基がαCTDHIST血清により認識されなくなる。後者の場合、TcdBHVのCTDに対して産生された血清が変化したエピトープを認識し、そして、中和反応を引き起こすことが理にかなっている。αCTDHV抗体が中和アッセイで使用され、我々は、ELISAにより、αCTDHV抗体が、両方の形態の毒素を認識することが可能であるにも関わらず、TcdBHIST又はTcdBHVの何れかに対する防御反応を引き起こさないことを見出した(図4B及び4C)。
我々は、ELISAによって、αCTDHIST血清がTcdBHVを認識できることを見出したため、次の実験は、この相互作用が、中和アッセイにおいて任意の阻害効果を有するかどうかを決定するために実施された。CHO細胞に対するTcdBHISTの添加及び混合物の添加の前に、αCTDHISTに対する血清は、まず、100倍以上のCTDHIST又はCTDHVとプレインキュベートされた。プレインキュベーションの工程により、まず血清はCTDタンパク質と相互作用し、完全長TcdBに対する抗体の結合をブロックする可能性があった。予想通りに、中和アッセイにおけるCTDHISTの添加により、抗体活性の阻害及びTcdBHISTの完全な毒性の回復がもたらされた(図4D及び4E)。驚くべきことに、CTDHVとのプレインキュベーションにより同じ結果が得られた(図4D及び4E)。この知見は、CTDHVが、CTDHISTにおいて中和するエピトープを含んでいたことを示唆する。
抗体反応の微細特異性マッピングはTcdBHISTとTcdBHVとの間の固有のエピトープを明らかにする
TcdBHV及びTcdBHISTとの間のエピトープの詳細な差異を検出するために、我々は、固相ELISAを使用して、特定領域の免疫原性の多様性をマッピングした。全体で、8残基で重複し、かつCTDHIST配列全体をカバーしている、358のデカマーペプチドが合成され、CTDHIST及びCTDHV血清に対する反応性が試験された。αCTDHISTにより認識されるペプチドと、αCTDHVにより認識されるペプチドとを比較し、我々は、2つの抗血清により認識されるペプチドのパターンにおける全体的な相違を見出した(図5)。αCTDHV血清により認識されない、又は反応性の低下を示した、約14領域が、分析により同定された。同定されたペプチドの大多数は、CTDの開始点及び終点に向かって、CROPドメインに位置している。加えて、αCTDHISTとαCTDHVの間で認識が異なるエピトープの多くは、CTDのはじめの7つの反復内に、連続して位置している。図5にまとめるように、3つのエピトープは、たった1つのアミノ酸により異なり、4つのエピトープは2つのアミノ酸により異なり、2つのエピトープは、3つのアミノ酸により異なり、3つのエピトープは4つのアミノ酸により異なり、そして、1つのエピトープは5つのアミノ酸により異なっていた。我々は、αCTDHVによるペプチド認識の低下を示したが、配列のバリエーションを有さない領域、並びに、αCTDHV単独により認識された様々なペプチド領域を同定した(図5)。これらのデータは、TcdBHVの配列のバリエーションが、抗体の直線状エピトープ認識に影響を与えること、そして、立体構造エピトープにおける差異に寄与する可能性を示唆する。
トキソイドBHVに対するマウス抗血清は、インビトロ及びインビボで交差防御的である
TcdBHVのCTDが中和抗体作製のために不十分な標的であるという知見は、TcdBHVの全体的な免疫原性についての懸念を生じさせる。TcdBHIST及びTcdBHVの間のアミノ酸配列バリエーションの大多数は、CTDに生じ、よって、我々は、抗原としてホロ毒素を使用した抗体作製が、広範な中和に関しより高い可能性を有すると判断した。TcdBHIST及びTcdBHVの両方は、ホルムアルデヒドを使用して不活性化され、トキソイドBHIST及びトキソイドBHVが作製された。これらのトキソイドは、マウスと免疫するための抗原として使用され、TcdBに対する防御抗体として試験された。それに続く2回の追加免疫の後で、血清がマウスから採取され、中和作用がインビトロで試験された。図6Aにおけるデータは、トキソイドBHVに対するマウス抗血清が、TcdBHIST及びTcdBHVの両方の細胞傷害性作用に対し防御したこと、一方、TcdBHISTは交差中和せず、TcdBHISTで処置されたCHO細胞の細胞生存率のみを維持したことを示す。免疫されたマウスは、次に、TcdBHIST又はTcdBHVの2倍致死用量を使用し、インビボにおいてTcdBからの防御について試験された。インビトロでの中和データと一致して、トキソイドBHVで免疫された全マウスは、TcdBHIST及びTcdBHVの両方のi.v.チャレンジから完全に防御され(図6B及び6C)、すなわち、TcdBHVワクチンは、毒素/トキソイドが由来するC.ディフィシルの同種株に対する、並びに、C.ディフィシルの非関連異種株に対する、防御(交差中和)を与えることが可能であった。トキソイドBHISTによる免疫は、ほんの少しの、しかし顕著な防御効果を提供し、TcdBHISTを注射されたマウスにおける生存期間中央値を15時間から24時間に増加させたが、TcdBHVによるチャレンジを受けたマウスにおいて9時間から13時間に増加させるに留まった(図6B及び6C)。最終的に、トキソイドBHISTマウスは、TcdBHVの作用により死亡し、2匹のトキソイドBHISTマウスのみが、TcdBHISTから完全に防御された(図6B及び6C)。TcdBHVのCTDに対する抗血清は効果を示さなかったが、TcdBHVのトキソイド形態に対する抗体は成功裏に毒性を示し、TcdBHVに対する防御効果が存在し得ること、そして、重要な標的はCTD外であり得ることを示した。C.ディフィシル感染に対する防御特性に加え、TcdBHVのトキソイド形態も毒素の複数の形態に対する防御を示した。
少なくともある実施態様において、本明細書に記載の発明の概念は、クロストリジウム・ディフィシルに対する免疫応答を惹起させるのに有効なワクチン組成物に関する。本実施態様において、組成物は、免疫原として有効量の少なくとも1つの(a)クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株に由来する毒素、(b)前記毒素に由来するトキソイド、及び(c)前記毒素又は前記トキソイドの免疫原性断片、及び薬学的に許容可能な担体を含み、ワクチン組成物により惹起される免疫応答は、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株、及び少なくとも1つの異種株に有効である。高病原性株は、リボタイプ027であってもよい。毒素は、毒素Bであってもよく、組換えソースから発現されてもよい。毒素は、配列番号1、又はその免疫原性断片を含んでもよい。組成物は、アジュバントを含んでもよい。クロストリジウム・ディフィシルの少なくとも1つの異種株は、VPI 10463株であってもよい。別の実施態様において、本明細書に記載の発明の概念は、対象における免疫応答を誘導するのに十分な、上記任意のワクチン組成物の量を投与することにより、対象において、クロストリジウム・ディフィシルに対する免疫応答を刺激するための方法に関連し、ここで、少なくともある実施態様において、ワクチン組成物により惹起される免疫応答は、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株及び少なくとも1つの異種株に対して有効であって、例えば、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株はリポタイプ027であり、そして、クロストリジウム・ディフィシルの少なくとも1つの異種株がVPI 10463である。投与は、例えば、非経口投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、又は静脈内投与であってもよい。
本明細書に記載の発明の概念は、特定の実施態様に関連して、本明細書において記載され、それにより、その側面は、よく理解されかつ認識されており、本明細書に記載の発明の概念は、これらの特定の実施態様に限定されることは意図されない。一方、別の選択肢、改変、及び等価物の全ては、本明細書に記載のように、本明細書に記載の発明の概念の範囲に含まれる。よって、特定の実施態様を含む上記実施例は、本明細書に記載の発明の概念の実施を説明するために用いられ、示される詳細は、例としてのもの、及び本明細書に記載の発明の概念の特定の実施態様の説明検討のためだけのものであり、そして、発明の概念の原理及び概念的側面だけでなく、最も有効だと信じられるもの、及び容易に理解される手順の記載を提供するために示される、と理解される。本明細書に記載の様々な組成物、方法、又は、方法における工程又は一連の工程において、本明細書に記載の発明の概念の精神及び範囲から逸脱しない範囲で、変更がなされてもよい。

Claims (17)

  1. クロストリジウム・ディフィシルに対する免疫応答を惹起させることにおいて有効なワクチン組成物であって、
    (a)クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株に由来する毒素、(b)前記毒素に由来するトキソイド、及び(c)前記毒素又は前記トキソイドの免疫原性断片のうちの少なくとも1つの免疫原として有効な量;及び
    薬学的に許容可能な担体
    を含み、
    ワクチン組成物により惹起される免疫応答が、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株及び少なくとも1つの異種株に対して有効である、組成物。
  2. 高病原性株がリポタイプ027である、請求項1に記載の組成物。
  3. 毒素が毒素Bである、請求項1に記載の組成物。
  4. 毒素が組換えソースから発現される、請求項1に記載の組成物。
  5. 毒素が配列番号1、又はその免疫原性断片を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. アジュバントを更に含む、請求項1に記載の組成物。
  7. クロストリジウム・ディフィシルの少なくとも1つの異種株が、VPI 10463株である、請求項1に記載の組成物。
  8. クロストリジウム・ディフィシルに対する、対象における免疫応答を刺激するための方法であって、前記対象に、請求項1に記載のワクチン組成物の、対象における免疫応答を誘導するために十分な量を投与することを含む方法。
  9. クロストリジウム・ディフィシルの高病原性株がリポタイプ027である、請求項8に記載の方法。
  10. 毒素が毒素Bである、請求項8に記載の方法。
  11. 毒素が組換えソースから発現される、請求項8に記載の方法。
  12. 毒素が配列番号1、又はその免疫原性断片を含む、請求項8に記載の方法。
  13. 組成物がアジュバントを更に含む、請求項8に記載の方法。
  14. クロストリジウム・ディフィシルの少なくとも1つの異種株が、VPI 10463株である、請求項8に記載の方法。
  15. 投与が、非経口投与、皮下投与、筋肉内投与、腹腔内投与、又は静脈内投与である、請求項8に記載の方法。
  16. クロストリジウム・ディフィシル感染を有する対象を処置する方法であって、
    (a)クロストリジウム・ディフィシルの高病原性リポタイプ027株に由来する毒素B、
    (b)前記毒素Bに由来するトキソイド、及び(c)前記毒素B又は前記トキソイドの免疫原性断片
    のうちの少なくとも1つに対して作製された抗体の治療上有効量を、対象に投与することを含み、
    抗体が、クロストリジウム・ディフィシルの高病原性リポタイプ027株、及び少なくとも1つの異種株に対し有効である、方法。
  17. クロストリジウム・ディフィシルの少なくとも1つの異種株が、VPI 10463株である、請求項16に記載の方法。
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