JP2016517539A - Imodの色性能の向上 - Google Patents

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Abstract

本開示は、多状態干渉変調器(IMOD)またはアナログIMODであり得るシングルミラーIMODを作成および制御するための、コンピュータ記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラムを含むシステム、方法、および装置を提供する。一態様では、IMODの可動反射体スタックまたは吸収体スタックが、少なくとも1つの突部を含むことができ、この突部は、可動反射体スタックが吸収体スタックに近づけられたときに可動反射体スタックを吸収体層に対して傾斜させるように構成される。突部は、IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こすように構成され得る。吸収体スタックは、赤の波長ではより低い吸光係数値、青の波長ではより高い吸光係数値を有する吸収体層を含むことができる。

Description

優先権主張
[0001]本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2013年3月13日に出願された「IMPROVING COLOR PERFORMANCE OF IMODS」と題する米国特許出願第13/801,134号の優先権を主張する。
[0002]本開示は、電気機械システムおよびデバイスに関し、さらに詳細には、反射ディスプレイデバイスを実装するための電気機械システムに関する。
[0003]電気機械システム(EMS:Electromechanical system)は、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサと、ミラーおよび光学フィルムなどの光学的構成要素と、電子回路とを有するデバイスを含む。EMSデバイスまたは要素は、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。 たとえば、マイクロ電気機械システム(MEMS)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上の範囲のサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS)デバイスは、たとえば数百ナノメートルより小さいサイズなど、1ミクロンより小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気機械要素は、堆積、エッチング、リソグラフィ、ならびに/あるいは基板および/もしくは堆積材料層の一部をエッチング除去する、または層を追加して電気的および電気機械的デバイスを形成する他のマイクロ加工プロセスを用いて作成され得る。
[0004]1つのタイプのEMSデバイスは、干渉変調器(IMOD)と呼ばれる。IMODまたは干渉光変調器という用語は、光学的干渉吸収の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実装形態では、IMODディスプレイ要素が導電性プレートのペアを含み得、導電性プレートのうちの一方は反射率が高く、一方は部分的に吸収性である。導電性プレートのペアは、適切な電気信号の印加時に相対運動が可能である。たとえば、一方のプレートが、基板の上に堆積された、、あるいは基板によって支持された固定層を含み得、他方のプレートが、エアギャップによって固定層から分離された部分吸収膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、IMODディスプレイ要素からの反射光のスペクトルを変化させることができる。IMODベースのディスプレイデバイスは、広範囲の適用例を有しており、既存の製品を改善し、新しい製品、特にディスプレイ能力をもつ製品を作成する際に使用されることが予期される。
[0005]いくつかのIMODは双安定IMODであり、これは、これらのIMODが高反射率と低反射率の2つの位置のみでしか構成され得ないことを意味する。高反射率位置では、双安定IMOD中の各ピクセルは、RGB原色のうちの1つのみを反射する。いくつかの実装形態では、そのような双安定IMODを含むディスプレイは、画像ピクセルを表示するために3つのサブピクセルを組み込むことができる。マルチステート(multi-state)干渉変調器(MS−IMOD)またはアナログIMOD(A−IMOD)を含むディスプレイデバイスでは、各ピクセルは3つ以上の位置(またはギャップ間隔)を有することができ、ピクセルの反射色は、個別のIMODの吸収体スタックと反射体スタックとの間のギャップ間隔または「ギャップ高さ」によって決定され得る。したがって、各ピクセルは複数の色を反射することができる。いくつかのA−IMODは、多数のギャップ高さの間に実質的に連続的に位置決めされ得るが、MS−IMODは、一般に、それより少ない数のギャップ高さの中に位置決めされ得る。
[0006]本開示のシステム、方法、およびデバイスは、いくつかの革新的な態様をそれぞれ有し、それらの態様は、1つとして、本明細書に開示される望ましい属性を単独で担うものではない。
[0007]本開示に記載される対象の、1つの革新的な態様は、干渉変調器(IMOD)において実装され得る。IMODは、基板と、基板上に配置された吸収体スタックと、金属鏡と誘電体スタックとを含む可動反射体スタックと、を含み得る。誘電体スタックは、吸収体スタックと金属鏡との間に配置され得る。誘電体スタックは、誘電体スタックがない場合に可動反射体スタックから反射する光と比較して、可動反射体スタックから反射する光に対する定常波節の分離を縮小するように構成され得、したがって、IMODは、反射体スタックが吸収体スタックに近接しているときに白色を反射するように構成される。
[0008]可動反射体スタックはさらに、吸収体スタックに対するいくつかの位置の間で移動されるように構成され得る。位置の各々は、白色を反射するための白状態、黒状態、および1つまたは複数の他の色付き状態を含めた、IMOD色状態に対応し得る。
[0009]IMODは、可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接続された第1の突部を含み得る。第1の突部は、第1の高さを有し得、可動反射体スタックが吸収体スタックに近づけられたときに可動反射体スタックを吸収体スタックに対して傾斜させるように構成され得る。いくつかの実装形態では、第1の突部は、可動反射体スタックが吸収体スタックに近づけられたときに可動反射体スタックを吸収体スタックに対して1度未満傾斜させるように構成され得る。第1の突部は、可動反射体スタックが傾斜されたとき、および/またはIMODが白状態であるときに、色平均化を引き起こすように構成され得る。第1の突部は、可動反射体スタックの、吸収体層に向いている面に接続され得る。
[0010]IMODは、少なくとも第2の突部を含み得る。第2の突部は、第1の高さとは異なる第2の高さを有し得る。いくつかの実装形態では、IMODは、複数の追加の突部を含み得る。追加の突部は、様々な高さを有し得、これらの高さのうちの少なくともいくつかは、第1の高さとは異なり得る。
[0011]いくつかの実装形態では、誘電体スタックは、高屈折率層と低屈折率層とを含み得る。低屈折率層は、高屈折率層よりも低い色分散を有し得る。たとえば、低屈折率層は、少なくとも部分的にはSiONまたはSiO2で形成され得、高屈折率層は、少なくとも部分的にはTiO2、ZrO2、またはNb25で形成され得る。
[0012]ディスプレイデバイスがIMODを含み得る。ディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイスを制御するように構成された制御システムを含み得る。制御システムは、画像データを処理するように構成され得る。制御システムは、プロセッサと、少なくとも1つの信号をディスプレイデバイスのディスプレイに送るように構成されたドライバ回路と、画像データの少なくとも一部分をドライバ回路に送るように構成されたコントローラとを含み得る。制御システムは、画像データをプロセッサに送るように構成された画像ソースモジュールを含み得る。画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含み得る。ディスプレイデバイスは、入力データを受信し、入力データを制御システムに通信するように構成された入力デバイスを含み得る。
[0013]本開示に記載される対象の別の革新的な態様は、IMODを制御することを含む方法において実装され得る。この方法は、可動反射体スタックと吸収体スタックとの間の印加された電位差を受けることと、印加された電位差に応答して可動反射体スタックを吸収体スタックに近い位置に移動することと、可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接して配置された第1の突部を他方のスタックに接触させることによって可動反射体スタックを吸収体スタックに対して1度未満傾斜させることとを含み得る。
[0014]いくつかの実装形態では、第1の突部は、第1の高さを有する。傾斜させるプロセスは、第2の突部を可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接触させることを含み得る。第2の突部は、第2の高さを有し得る。傾斜させるプロセスは、複数の追加の突部を可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接触させることを含み得る。複数の追加の突部は、第1の高さとは異なる場合のある様々な高さを有し得る。傾斜させるプロセスは、IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こすことができる。
[0015]本開示に記載される対象の別の革新的な態様は、基板と、基板上に配置された吸収体スタックとを含むIMODにおいて実装され得る。吸収体スタックは、吸収体層を含み得る。吸収体層は、赤の波長では赤の吸光係数値、青の波長では青の吸光係数値を有する材料を含み得る。青の吸光係数値は、赤の吸光係数値よりも高い値とすることができる。
[0016]IMODはまた、吸収体スタックに対するいくつかの位置間で移動されるように構成された可動反射体スタックを含み得る。位置の各々は、白色を反射するための白状態、黒状態、および1つまたは複数の色付き状態を含めた、IMOD色状態に対応し得る。IMODは、可動反射体スタックが吸収体スタックに近接しているときに白色を反射するように構成され得る。可動反射体スタックは、金属鏡と、吸収体スタックと金属鏡との間に配置された誘電体スタックとを含み得る。
[0017]吸収体スタックは、インピーダンスマッチング層を含み得る。いくつかの実装形態では、インピーダンスマッチング層は、高分散層と低分散層のペアを含み得る。低分散層は、SiO2および/またはSiONを含み得る。高分散材料は、TiO2またはSi34を含み得る。吸収体層は、少なくとも部分的には、バナジウム、ゲルマニウム、および/またはオスミウムで形成され得る。
[0018]IMODは、可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接続された第1の突部を含み得る。第1の突部は、第1の高さを有し得、可動反射体スタックが吸収体スタックに近づけられたときに可動反射体スタックを吸収体層に対して傾斜させるように構成され得る。たとえば、第1の突部は、可動反射体スタックが吸収体スタックに近づけられたときに可動反射体スタックを吸収体スタックに対して1度未満傾斜させるように構成され得る。第1の突部は、可動反射体スタックが傾斜されたときに色の平均化を引き起こすように構成され得る。第1の突部は、IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こすように構成され得る。いくつかの実装形態では、第1の突部は、可動反射体スタックの、吸収体層に向いている面に接続され得る。
[0019]本開示で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。なお、次の図面の相対寸法は、一定の比率で描かれていないこともあることに留意されたい。
[0020]IMODディスプレイデバイスのディスプレイ要素の連続またはアレイ中の2つの隣接する干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を示す等角図。 [0021]IMODディスプレイ要素の3×3要素アレイを含むIMOD型ディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図。 [0022]IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセスを示す流れ図。 [0023]IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するプロセス中の様々な段階を示す断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するプロセス中の様々な段階を示す断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するプロセス中の様々な段階を示す断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するプロセス中の様々な段階を示す断面図。 IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するプロセス中の様々な段階を示す断面図。 [0024]EMS要素のアレイとバックプレートとを含む電気機械システム(EMS)パッケージの一部分の概略展開部分斜視図。 EMS要素のアレイとバックプレートとを含む電気機械システム(EMS)パッケージの一部分の概略展開部分斜視図。 [0025]IMODがどのようにして様々な色を生成するように構成され得るかを示す例を示す図。 IMODがどのようにして様々な色を生成するように構成され得るかを示す例を示す図。 IMODがどのようにして様々な色を生成するように構成され得るかを示す例を示す図。 IMODがどのようにして様々な色を生成するように構成され得るかを示す例を示す図。 IMODがどのようにして様々な色を生成するように構成され得るかを示す例を示す図。 [0026]IMODに含まれ得る層の例を示す図。 [0027]図7のIMODについての定常波の場の強度を示す図。 [0028]図7のIMODの白状態を(u’,v’)色空間において示すグラフ。 [0029]図7のIMODについて、明度Yと、L**b空間におけるD65までの間隔dEとを、ギャップ高さの関数として示すグラフ。 [0030]白状態位置にあるときに傾斜されるように構成されたIMODの例を示す図。 [0031]図11のIMODについて、明度およびdEをミラー傾斜角の関数として示すグラフ。 [0032]図11に示されるようなIMODを制御するプロセスを概説する流れ図。 [0033]IMODの赤状態スペクトルの例を示すグラフ。 [0034]図14のグラフを作成するのに使用されたIMODの白状態スペクトルを示すグラフ。 [0035]バナジウムの吸光係数を波長の関数として示すグラフ。 [0036]バナジウム吸収体層を有するIMODの例を示す図。 [0037]図17のIMODと同様である2つのIMODの赤状態スペクトルを示すグラフ。 [0038]複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図。 複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図。
[0039]様々な図面における同じ参照番号および呼称は、同じ要素を示す。
[0040]以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明するための特定の実装態様を対象としたものである。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識されよう。説明する実装形態は、動いていようと(ビデオなど)、静止していようと(静止画像など)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実装され得る。さらに詳細には、説明する実装態様は、限定はされないが、モバイル電話、マルチメディアのインターネットへの接続が可能な携帯電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレイヤ(MP3プレイヤなど)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、置き時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取りデバイス(たとえば電子書籍リーダ)、コンピュータモニタ、オートディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイを含む)、コックピットコントローラおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両のバックミラーカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子掲示板または標識、プロジェクタ、建築構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレイヤ、DVDプレイヤ、CDプレイヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(マイクロ電子機械システム(MEMS)の適用例を含む電子機械システム(EMS)の適用例、および非EMSの適用例にパッケージされるものなど)、美的構造(宝石または服の上の画像の表示など)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイスに含まれ得る、または関連付けられ得るものと企図されている。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、これらの教示は、図面のみに示される実装形態に限定されるように意図されているのではなく、当業者には容易に明らかになるように、幅広い適用性を有する。
[0041]本明細書に記載される様々な実装形態は、IMODが白状態であるときにIMODを傾斜させることを含む。どんな理論にも縛られることなく、そのような傾斜は、色の平均化を引き起こすことができると考えられる。IMODは、少なくとも1つの突部を有する可動反射体スタックまたは吸収体スタックを含むことができ、この突部は、可動反射体スタックが吸収体スタックに近づけられたときに可動反射体スタックを吸収体層に対して傾斜させるように構成される。いくつかの実装形態では、吸収体スタックは、赤の波長ではより低い吸光係数値、青の波長ではより高い吸光係数値を有する吸収体層を含むことができる。吸収体スタックはまた、インピーダンスマッチング層を含むことができる。
[0042]本開示に記載される対象の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。IMODが白状態であるときにIMODを傾斜させることで、傾斜のない同じIMOD薄膜スタックの白状態よりも緑色を帯びていない白状態を生み出すことができる。これにより、単一のIMODが、白色を含めた3つ以上の色(たとえば8つまたは別の数の色)を反射できる多状態IMOD(またはアナログIMOD)になることができる。色の付いた白を他の色と混合してより中性の白を合成することを伴う空間的ディザリング技法と比較して、IMODを傾斜させて白状態を生み出すことは、より少ない処理オーバヘッドおよびより少ない電力を使用しながら、表示輝度を増加させ、空間的ディザリングノイズとを減少させることができる。赤の波長ではより低い吸光係数値、青の波長ではより高い吸光係数値を有する吸収体層を吸収体スタック中に含めることで、IMODが赤状態であるときに相対的により飽和した赤色を生成することができる。
[0043]説明する実装形態が適用され得る好適なEMSまたはMEMSデバイスまたは装置の一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために実装され得る干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を組み込むことができる。IMODディスプレイ要素は、部分光吸収体(absorber)、吸収体に対して可動である反射体(reflector)、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振キャビティを含むことができる。いくつかの実装形態では、反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それによってIMODの反射率(reflectance)に影響を及ぼすことができる。IMODディスプレイ要素の反射スペクトルは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得るかなり広いスペクトルバンドをもたらすことができる。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚さを変更することによって調整され得る。光共振キャビティを変更する1つの方法は、吸収体に関して反射体の位置を変更することによる方法である。
[0044]図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスのディスプレイ要素のシリーズまたはアレイ中の2つの隣接するIMODディスプレイ要素を示す等角図である。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉EMS(MEMSなど)ディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、干渉MEMSディスプレイ要素は、明状態または暗状態のいずれかに構成され得る。明(「緩和」、「開」または「オン」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。MEMSディスプレイ要素は、黒および白に加えて、主にカラーディスプレイを可能にする光の特定の波長で反射するように構成され得る。いくつかの実装形態では、複数のディスプレイ要素を使用することによって、原色の様々な強度およびグレーの様々な濃淡が達成され得る。
[0045]IMODディスプレイデバイスは、行と列に構成され得るIMODディスプレイ要素のアレイを含むことができる。アレイ中の各ディスプレイ要素は、(光ギャップ、キャビティまたは光共振キャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な間隔をおいて配置された、可動反射層(すなわち、機械層とも呼ばれる可動層)と固定部分反射層(すなわち、固定層)など、少なくとも反射層と半反射層のペアを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。たとえば、第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から間隔をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それらの2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置と入射光の(1つまたは複数の)波長とに応じて、強め合うようにおよび/または弱め合うように干渉し、各ディスプレイ要素について全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素は、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲内の光を吸収し、および/または弱め合うようにそれに干渉し得る。ただし、いくつかの他の実装形態では、IMODディスプレイ要素は、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実装形態では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。いくつかの他の実装形態では、印加された電荷が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。
[0046]図1中のアレイの図示の部分は、IMODディスプレイ要素12の形態の2つの隣接する干渉MEMSディスプレイ要素を含む。(図示のような)右側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、それに隣接する、またはそれに接触する作動位置に示されている。右側のディスプレイ要素12の両端間に印加される電圧Vbiasは、可動反射層14を移動させ、作動位置に維持するのに十分である。(図示のような)左側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、部分反射層を含む光学スタック16から(設計パラメータに基づいてあらかじめ決定され得る)ある間隔をおいた緩和位置に示されている。左側のディスプレイ要素12の両端間に印加される電圧V0は、右側のディスプレイ要素12のような作動位置までの可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。
[0047]図1では、IMODディスプレイ要素12の反射特性は、IMODディスプレイ要素12に入射する光13と、左側のディスプレイ要素12から反射される光15とを示す矢印で大まかに示されている。ディスプレイ要素12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過し、光学スタック16に向かい得る。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過し得、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過した光13の部分は、可動反射層14から反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻り得る。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うおよび/または弱め合う)干渉が、デバイスの閲覧側または基板側のディスプレイ要素12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長の強度を部分的に決定することになる。いくつかの実装形態では、透明基板20は(ガラスプレートまたはパネルと呼ばれることがある)ガラス基板であり得る。ガラス基板は、たとえば、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、または他の好適なガラス材料であるかまたはそれらを含み得る。いくつかの実装形態では、ガラス基板は、0.3、0.5または0.7ミリメートルの厚さを有し得るが、いくつかの実装形態では、ガラス基板は(数十ミリメートルなど)より厚いことも(0.3ミリメートル未満など)より薄いこともある。いくつかの実装形態では、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタラート(PET)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基板など、非ガラス基板が使用され得る。そのような実装形態では、非ガラス基板は0.7ミリメートル未満の厚さを有する可能性があるが、基板は設計考慮事項に応じてより厚いことがある。いくつかの実装形態では、金属箔またはステンレス鋼ベースの基板など、不透明基板が使用され得る。たとえば、固定反射層と、部分に透過性で、部分的に反射性である可動層とを含む逆方向(reverse)IMODベースのディスプレイは、図1のディスプレイ要素12として基板の反対側から閲覧されるように構成され得、不透明基板によってサポートされ得る。
[0048]光学スタック16は、単一の層、または複数の層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、導電性、部分的に透明、および部分的に反射性であり、たとえば上記の層のうちの1つまたは複数を透明基板20上に堆積させることによって、作製され得る。電極層は、たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)などの様々な金属など、様々な材料で形成され得る。部分反射層は、様々な金属(たとえば、クロムおよび/またはモリブデン)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実装形態では、光学スタック16のいくつかの部分は、部分光吸収体と電気導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはディスプレイ要素の他の構造の)異なる、電気的により伝導性の高い層または部分が、IMODディスプレイ要素間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の導電層または電気伝導性/部分吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
[0049]いくつかの実装形態では、光学スタック16の(1つまたは複数の)層の少なくともいくつかは、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者には理解されるように、本明細書で使用される「パターニングされた」という用語は、マスキングおよびエッチングプロセスを指す。いくつかの実装形態では、アルミニウム(Al)などの導電性および反射性の高い材料が、可動反射層14に使用され得、これらのストリップが、ディスプレイデバイスの列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の平行ストリップのシリーズとして形成されて、図示されたポスト18など、支持体の上に堆積された列と、ポスト18間に位置する介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光学キャビティが、可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実装形態では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は約10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
[0050]いくつかの実装形態では、各IMODディスプレイ要素は、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタと見なされ得る。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のディスプレイ要素12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19がある。しかしながら、電位差、すなわち電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するディスプレイ要素における行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加電圧がしきい値を超える場合には、可動反射層14は、変形し得、光学スタック16の付近で、または光学スタック16に接して、動き得る。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ディスプレイ要素12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離間隔を制御し得る。その挙動は、印加された電位差の極性にかかわらず同じであり得る。いくつかの事例ではアレイ中のディスプレイ要素のシリーズが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えると、いくつかの配向では、行が列と見なされ得、列が行と見なされ得る。いくつかの実装形態では、行は「コモン」ラインと呼ばれることがあり、列は「セグメント」ラインと呼ばれることがあり、その逆も同様である。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列で一様に配列され得る(「アレイ」)、またはたとえば互いに対して特定の位置オフセットを有する非線形構成で配列され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは「アレイ」または「モザイク」を含むとして言及されるが、要素自体は、いずれの事例においても、互いに対して直交して配列される、または一様な分布で配置される必要はなく、非対称な形状および不均一に分布した要素を有する配列を含み得る。
[0051]図2は、IMODディスプレイ要素の3×3要素アレイを含むIMOD型ディスプレイを組み込む電子デバイスを示すシステムブロック図である。この電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
[0052]プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえばディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図1に示すIMODディスプレイデバイスの断面は、図2では線1−1で示されている。図2は明快のためにIMODディスプレイ要素の3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODディスプレイ要素を含んでいることがあり、列におけるIMODディスプレイ要素の数とは異なる数のIMODディスプレイ要素を行において有し得、その逆も同様である。
[0053]図3は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセス80を示す流れ図である。図4A〜図4Eは、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するための製造プロセス80の様々な段階の断面図である。いくつかの実装形態では、製造プロセス80は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素など、1つまたは複数のEMSデバイスを製造するために実装され得る。そのようなEMSデバイスの製造は、図3に示されていない他のブロックをも含むことができる。プロセス80は、ブロック82において、基板20の上への光学スタック16の形成から始まる。図4Aは、基板20の上に形成されるこのような光学スタック16を示す図である。基板20は、図1に関して上記で説明した材料など、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得る。基板20は、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、洗浄などの事前準備プロセスにかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性で、部分的に吸収性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。
[0054]図4Aでは、光学スタック16は、副層16aと16bとを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実装形態では、これより多い数、または少ない数の副層も含まれ得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と電気伝導特性の両方で構成され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bの一方は、モリブデンクロム(モリクロム(molychrome)またはMoCr)、または好適な複素屈折率をもつ他の材料を含むことができる。さらに、副層16aおよび16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、マスキングおよびエッチングプロセス、または当技術分野で既知の別の適当なプロセスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、下にある1つまたは複数の金属層および/または酸化物層(1つまたは複数の反射層および/または導電層など)の上に堆積された上側の副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個別の平行なストリップにパターニングされ得る。図4A〜図4Eでは、副層16aおよび16bは、ある程度厚く示してあるが、いくつかの実装形態では、光吸収層など、光学スタックの副層のうちの少なくとも1つは、(たとえば本開示に示す他の層に対して)かなり薄くなり得る。
[0055]プロセス80はブロック84に進み、光学スタック16の上に犠牲層25を形成する。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で除去される(ブロック90参照)ので、犠牲層25は、得られたIMODディスプレイ要素には示されていない。図4Bは、光学スタック16の上に形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示す図である。光学スタック16の上の犠牲層25の形成は、その後に除去した後で、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図4E参照)をもたらすように選択された厚さで、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、二フッ化キセノン(XeF2)でエッチング可能な材料の体積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(スパッタリングなど、多くの異なる技法を含むPVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
[0056]プロセス80は、ブロック86において、支持ポスト18などの支持構造の形成を続ける。支持ポスト18の形成は、支持構造開口(aperture)を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、支持ポスト18を形成するために開口中に(酸化ケイ素のような、ポリマーまたは無機材料などの)材料を堆積させることとを含み得る。いくつかの実装形態では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、支持ポスト18の下側端部が基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することができる。あるいは、図4Cに示すように、犠牲層25に形成された開口は、犠牲層25の中には延びるが、光学スタック16の中には延びないようにすることもできる。たとえば、図4Eは、光学スタック16の上側表面と接触する支持ポスト18の下側端部を示す。支持ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25の上に支持構造材料の層を堆積させることと、犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることとによって形成され得る。支持構造は、図4Cに示すように開口内に位置づけられ得るが、少なくとも犠牲層25の一部分の上に延びることもできる。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、マスキングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替パターニング方法によっても実行され得る。
[0057]プロセス80はブロック88に進み、図44に示す可動反射層14など、可動反射層または膜を形成する。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキングおよび/またはエッチングステップとともに、たとえば、(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の反射性材料などの)反射層堆積を含む1つまたは複数の堆積ステップを採用することによって形成され得る。可動反射層14は、たとえば、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層と呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、可動反射層14は、図4Dに示すように、複数の副層14a、14b、および14cを含み得る。いくつかの実装形態では、副層14aおよび14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。いくつかの実装形態では、機械的副層は誘電体材料を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製されたIMODディスプレイ要素中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ぶこともある。
[0058]プロセス80は、ブロック90において、キャビティ19の形成を続ける。キャビティ19は、(ブロック84で堆積された)犠牲層25をエッチング液に曝すことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなど、エッチング可能な犠牲材料は、犠牲層25を、固体のXeF2から導出された蒸気など気体または蒸気のエッチング液に、所望の量の材料を除去するのに有効な時間期間だけ曝すことによって、ドライ化学エッチングで除去され得る。犠牲材料は、通常は、キャビティ19の周囲の構造に対して選択的に除去される。ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングなど、他のエッチング方法も使用され得る。犠牲層25は、ブロック90の間に除去されるので、可動反射層14は、通常はこの段階の後で可動になる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「開放」IMODと呼ぶことがある。
[0059]いくつかの実装形態では、IMODベースのディスプレイなど、EMS構成要素またはデバイスのパッケージングは、(機械的干渉または潜在的に損害を与える物質からなど)損傷からEMS構成要素を保護するように構成され得るバックプレート(代替的にバックプレーン、バックガラスまたは凹形ガラスと呼ばれる)を含むことができる。バックプレートはまた、限定はしないが、ドライバ回路、プロセッサ、メモリ、相互接続アレイ、蒸気バリヤ、製品ハウジングなどを含む広範囲の構成要素のための構造的支持を与えることができる。いくつかの実装形態では、バックプレートの使用は、構成要素の統合を可能にし、それによってポータブル電子デバイスの体積、重量、および/または製造コストを低減することができる。
[0060]図5Aおよび図5Bは、EMS要素のアレイ36とバックプレート92とを含むEMSパッケージ91の一部分の概略展開部分斜視図である。図5Aは、バックプレート92の特定の部分をより良好に示すためにバックプレート92の2つの角部が切り取られた状態で示してあり、図5Bは、これらの角部が切り取られていない状態で示してある。EMSアレイ36は、基板20と、支持ポスト18と、可動層14とを含むことができる。いくつかの実装形態では、EMSアレイ36は、透明基板上に1つまたは複数の光学スタック部分16を備えるIMODディスプレイ要素のアレイを含むことができ、可動層14は、可動反射層として実装され得る。
[0061]バックプレート92は、基本的に平面状にすることもできるし、あるいは少なくとも1つの輪郭を有する表面を有することもできる(たとえば、バックプレート92は、凹部および/または突部を有するように形成され得る)。バックプレート92は、透明でも不透明でも、導電性でも絶縁性でも、任意の適当な材料で構成され得る。バックプレート92に適した材料は、限定されないが、ガラス、プラスチック、セラミック、ポリマー、積層体、金属、金属箔、コバール、およびめっきされたコバールを含む。
[0062]図5Aおよび図5Bに示すように、バックプレート92は、1つまたは複数のバックプレート構成要素94aおよび94bを含むことができ、それは部分的にまたは完全にバックプレート92に埋め込まれ得る。図5Aからわかるように、バックプレート構成要素94aは、バックプレート92に埋め込まれる。図5Aおよび図5Bからわかるように、バックプレート構成要素94bは、バックプレート92の表面に形成された凹部93内に配置される。いくつかの実装形態では、バックプレート構成要素94aおよび/または94bは、バックプレート92の表面から突出していてもよい。バックプレート構成要素94bはバックプレート92の基板20に向いている側に配置されているが、他の実装形態では、バックプレート構成要素は、バックプレート92の反対側に配置され得る。
[0063]バックプレート構成要素94aおよび/または94bは、トランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗器、ダイオード、スイッチ、および/あるいはパッケージ化、標準、または個別ICなどの集積回路(IC)など、1つまたは複数の能動または受動の電気的構成要素を含むことができる。様々な実装形態で使用され得るバックプレート構成要素の他の例は、アンテナ、バッテリ、および電気的センサ、タッチセンサ、光学センサ、または化学的センサ、あるいは薄膜堆積デバイスなどのセンサを含む。
[0064]いくつかの実装形態では、バックプレート構成要素94aおよび/または94bは、EMSアレイ36の一部分と電気通信することができる。トレース、バンプ、ポスト、またはバイアなどの導電性構造が、バックプレート92または基板20の一方または両方に形成され得、EMSアレイ36とバックプレート構成要素94aおよび/または94bとの間の電気的接続を形成するために、互いに、または他の導電性構成要素と接触し得る。たとえば、図5Bは、EMSアレイ36内で可動層14から上方に延びる電気接点98と整列され得るバックプレート92の1つまたは複数の導電性バイア96を含む。いくつかの実装形態では、バックプレート92は、バックプレート構成要素94aおよび/または94bをEMSアレイ36の他の構成要素から電気的に絶縁する1つまたは複数の絶縁層も含むことができる。バックプレート92が透湿性材料で形成されるいくつかの実装形態では、バックプレート92の内部表面は、蒸気バリヤ(図示せず)でコーティングされ得る。
[0065]バックプレート構成要素94aおよび94bは、EMSパッケージ91に侵入し得る任意の湿気を吸収するように作用する1つまたは複数の乾燥剤を含むことができる。いくつかの実装形態では、乾燥剤(またはゲッタなど他の湿気吸収材料)は、たとえば接着剤でバックプレート92(またはそこに形成された凹部の中)に取り付けられるシートとして、任意の他のバックプレート構成要素から分離して設けられ得る。あるいは、乾燥剤は、バックプレート92に一体化され得る。いくつかの実装形態では、乾燥剤は、たとえばスプレーコーティング、スクリーン印刷、または任意の他の適当な方法によって、他のバックプレート構成要素の上に、直接または間接的に塗布され得る。
[0066]いくつかの実装形態では、EMSアレイ36および/またはバックプレート92は、バックプレート構成要素とディスプレイ要素との間の間隔を維持し、それによりそれらの構成要素の間の機械的干渉を防止するために機械的隔離碍子97を含むことができる。図5Aおよび図5Bに示す実装形態では、機械的隔離碍子97は、EMSアレイ36の支持ポスト18と位置合わせされてバックプレート92から突出するポストとして形成される。別法として、またはこれに加えて、レールまたはポストなどの機械的隔離碍子は、EMSパッケージ91の縁部に沿って設けられ得る。
[0067]図5Aおよび図5Bには示されていないが、EMSアレイ36を部分的または完全に取り囲むシールが、設けられ得る。バックプレート92および基板20とともに、シールは、EMSアレイ36を取り囲む保護キャビティを形成することができる。シールは、従来のエポキシ系接着剤など、半密閉シールであってもよい。いくつかの他の実装形態では、シールは、薄膜金属溶接またはガラスフリットなど、密閉シールであってもよい。いくつかの他の実装形態では、シールは、ポリイソブチレン(PIB)、ポリウレタン、液体塗布ガラス、はんだ、ポリマー、プラスチック、または他の材料を含み得る。いくつかの実装形態では、機械的隔離碍子を形成するために補強シーラントが使用され得る。
[0068]代替の実装形態では、シールリングが、バックプレート92または基板20の一方または両方のいずれかの延長部を含み得る。たとえば、シールリングは、バックプレート92の機械的延長部(図示せず)を含み得る。いくつかの実装形態では、シールリングは、Oリングまたは他の環状部材など、別個の部材を含み得る。
[0069]いくつかの実装形態では、EMSアレイ36とバックプレート92は、互いに取り付けられる、または結合される前に、別々に形成される。たとえば、上述のように、基板20の縁部は、バックプレート92の縁部に取り付けられ、密封され得る。あるいは、EMSアレイ36およびバックプレート92は、EMSパッケージ91として形成され、一体化され得る。いくつかの他の実装形態では、EMSパッケージ91は、バックプレート92の構成要素を堆積によってEMSアレイ36の上に形成するなど、任意の他の適当な方法で作製され得る。
[0070]図6A〜図6Eは、どのようにして単一のIMOD(IMOD)が様々な色を生成するように構成され得るかの例を示す図である。多状態IMOD(MS−IMOD)とアナログIMOD(A−IMOD)の両方は、より広範なクラスのIMODの例であると見なされる。
[0071]MS−IMODでは、吸収体スタックと反射体スタックとの間のギャップ高さを変化させることによって、ピクセルの反射色は変化させられ得る。図6A〜図6Eでは、IMOD600は、反射体スタック605と吸収体スタック610とを含む。この実装形態では、吸収体スタック610は、部分的に反射性であり、部分的に吸収性である。ここで、反射体スタック605は、本明細書では鏡面または金属鏡と呼ばれることもある少なくとも1つの金属反射層を含む。
[0072]いくつかの実装形態では、吸収体層は、部分的に吸収性および部分的に反射性の層で形成され得る。吸収体層は、1つまたは複数の誘電体層、電極層など、他の層を含む、吸収体スタックの一部であり得る。いくつかのそのような実装形態によれば、吸収体スタックは、誘電体層と、金属層と、パッシベーション層とを含み得る。いくつかの実装形態では、誘電体層は、SiO2、SiON、MgF2、Al23、および/または他の誘電体材料で形成され得る。いくつかの実装形態では、金属層は、Cr、W、Ni、V、Ti、Rh、Pt、Ge、Co、および/またはMoCrで形成され得る。いくつかの実装形態では、パッシベーション層は、Al23、または別の誘電体材料を含み得る。
[0073]鏡面は、たとえば、Al、銀などの反射性金属で形成され得る。鏡面は、1つまたは複数の誘電体層など、他の層を含む反射体スタックの一部であり得る。そのような誘電体層は、TiO2、Si34、ZrO2、Ta25、Sb23、HfO2、Sc23、In23、Sn:In23、SiO2、SiON、MgF2、Al23、HfF4、YbF3、NA3AlF6、および/または他の誘電体材料で形成され得る。
[0074]図6A〜図6Eでは、反射体スタック605は、吸収耐スタック610に対する5つの位置に示されている。しかしながら、IMOD600は、反射体スタック605に対して実質的に5箇所を超える位置の間で可動となり得る。たとえば、いくつかのA−IMOD実装形態では、反射体スタック605と吸収体スタック610との間のギャップ高さ630は、実質的に連続的に変化させられ得る。いくつかのそのようなIMOD600では、ギャップ高さ630は、たとえば誤差が10nm以下など、高い精度レベルで制御され得る。この例では、吸収体スタック610は単一の吸収体層を含むが、吸収体スタック610の代替実装形態は、複数の吸収体層を含み得る。さらに、代替の実装形態では、吸収体スタック610は、部分的に反射性ではないこともある。
[0075]波長λを有する入射波は、反射体スタック605からのそれ自体の反射と干渉して、局所的な腹および局所的な節を有する定常波を生じる。第1の節は、鏡からλ/2のところにあり、後続の節は、λ/2の間隔で位置する。この波長では、節位置のうちの1つに配置された薄い吸収体層は、極めてわずかなエネルギーを吸収する。
[0076]最初に図6Aを参照すると、ギャップ高さ630が赤色波長光625(赤色とも呼ばれる)の半波長と実質的に等しいときには、吸収体スタック610は、赤色定常波干渉縞の節に位置決めされる。吸収体のところに赤色光がほとんどないので、赤色波長光625の吸収はほぼゼロである。この構成では、吸収体スタック610から反射される赤色波長光と反射体スタック605から反射される赤色波長光との間に、強め合う干渉が生じる。したがって、赤色波長光625に実質的に対応する波長を有する光は、効率的に反射される。青色波長光615および緑色波長光620を含む他の色の光は、吸収体において高い強度の場を有し、強め合う干渉によって補強されない。その代わりに、そのような光は、吸収体スタック610によってかなり吸収される。
[0077]図6Bは、反射体スタック605が吸収体スタック610に近づけられた(またはその逆)構成のIMOD600を示す図である。この例では、ギャップ高さ630は、緑色波長光620の半波長と実質的に等しい。吸収体スタック610は、緑色定常波干渉縞の節に位置決めされる。吸収体のところに緑色光がほとんどないので、緑色波長光620の吸収はほぼゼロである。この構成では、吸収体スタック610から反射される緑色波長光と反射体スタック605から反射される緑色波長光との間に、強め合う干渉が生じる。緑色波長光620に実質的に対応する波長を有する光は、効率的に反射される。赤色波長光625および青色波長光615を含む他の色の光は、吸収体スタック610によってかなり吸収される。
[0078]図6Cでは、反射体スタック605が、吸収体スタック610に近づけられている(またはその逆)ので、ギャップ高さ630は、青色波長光615の半波長と実質的に等しい。青色波長光615に実質的に対応する波長を有する光は、効率的に反射される。赤色波長光625および緑色波長光620を含む他の色の光は、吸収体スタック610によってかなり吸収される。
[0079]しかしながら、図6Dでは、IMOD600は、ギャップ高さ630が可視範囲の平均色の波長の1/4と実質的に等しい構成である。そのような配列では、吸収体は、干渉定常波の強度ピーク付近に位置するので、高い場の強度、および吸収体スタック610と反射体スタック605との間の弱め合う干渉による強い吸収によって、比較的少ない可視光がIMOD600から反射される。この構成は、本明細書では「黒状態」と呼ばれることもある。いくつかのそのような実装形態では、可視範囲の外側の他の波長を補強するために、ギャップ高さ630が、図6Dに示すより大きく、または小さくされることもあり得る。したがって、図6Dに示すIMOD600の構成は、IMOD600の黒状態の構成の単なる一例を与えるものである。
[0080]図6Eは、吸収体スタック610が反射体スタック605に非常に近接している構成のIMOD600を示す図である。この例では、吸収体スタック610が反射体スタック605に実質的に隣接しているので、ギャップ高さ630は無視できる。広い範囲の波長を有する光が、有意な程度に吸収体スタック610に吸収されることなく、反射体スタック605から効率的に反射される。この構成は、本明細書では、「白状態」と呼ばれることもある。ただし、いくつかの実装形態では、2つの層が互いに接近したときに生成され得る強い電界による帯電によって引き起こされる吸着を低減するために、吸収体スタック610と反射体スタック605とが引き離されることもある。いくつかの実装形態では、合計の厚さが約λ/2の1つまたは複数の誘電体層が、吸収体層の表面および/または鏡面上に配置され得る。したがって、白状態は、吸収体が反射体スタック605の鏡面から定常波の最初の節のところに配置された構成に対応し得る。
[0081]図7は、IMODに含まれ得る層の例を示す図である。この例では、IMOD600の反射体スタック605は、吸収体スタック610に対して可動である。ここで、反射体スタック605は、金属鏡705と誘電体スタック710とを含む。この例では、金属鏡705は、AlCuで形成され、厚さ約50nmである。しかし、金属鏡705は、Alや銀など他の反射性金属で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。いくつかの実装形態は、非金属鏡を含み得る。誘電体スタック710は、TiO2、Si34、ZrO2、Ta25、Sb23、HfO2、Sc23、In23、Sn:In23、SiO2、SiON、MgF2、Al23、HfF4、YbF3、Na3AlF6、および/または他の誘電性材料で形成された、1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。この例では、誘電体スタック710は、低屈折率層715と高屈折率層720とを含む。
[0082]低屈折率層715は、高屈折率層720と比較して相対的に低い屈折率を有する。低屈折率層715はまた、高屈折率層720の色分散と比較して相対的に低い色分散を有し得る。この例では、低屈折率層715は、SiONで形成され、他の厚さも可能だが厚さ約80nmである。しかし、他の実装形態では、低屈折率層715は、SiO2など他の材料で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。
[0083]この実装形態では、高屈折率層720は、TiO2で形成され、他の厚さも可能だが厚さ約21nmである。しかし、他の実装形態では、低屈折率層715は、ZrO2やNb25など他の材料で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。
[0084]吸収体スタック610は、実質的に透明な基板725上に形成される。この例では、基板725はガラス製である。しかし、他の実装形態では、基板725は、プラスチックやポリマーなど、実質的に透明な他の1つまたは複数の材料で形成されてもよい。
[0085]ここで、吸収体スタック610は、吸収体層730と、パッシベーション層735と、低分散層740と、高分散層745とを含む。他の吸収体スタック610は、より多いかまたはより少ない層を備えてもよい。この実装形態では、吸収体層730は、MoCrで形成され、厚さ約6nmである。パッシベーション層735は、Al23で形成され、厚さ約11nmである。低分散層740は、SiO2で形成され、厚さ約15nmである。高分散層745は、SiNxで形成され、厚さ約36nmである。しかし、他の実装形態では、吸収体スタック610の各層は、他の材料で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。いくつかの実装形態では、層740および745は、後述されるようなインピーダンスマッチング層であってよい。
[0086]図6Eに関して上述されたように、反射体スタック605が吸収体スタック610に近接している構成は、IMOD600の白状態に対応する。図7では白状態の構成の別の例が提供されており、この場合、突部750が吸収体スタック610に接触しているとき、吸収体スタック610に面する反射体スタック605の間に10nmのギャップ高さ630が画定される。この例では、突部750、本明細書では「くぼみ」と呼ばれることもある、は、反射体スタック605の、吸収体スタック610に向いている面に作製されている。突部750またはくぼみは、反射体スタック605と吸収体スタック610との間の吸着を防止する助けとなることもできる。代替実装形態では、突部750の1つまたは複数は、吸収体スタック610上に形成されてもよい。いくつかの実装形態は、突部750のどれも含まないことがある。
[0087]図8は、図7のIMODについての定常波の場の強度を示す図である。図800はIMODの反射特性を理解するための1つのモデルを表すが、この図800では、青色波長光615、緑色波長光620、および赤色波長光625についての定常波の場の強度が、IMOD600の一実装形態の層の表示の上に重ねられている。
[0088]図8に示される例では、ギャップ高さ630が0〜20nmの範囲にあるときに、白状態が達成されることになる。反射体スタック605における赤、緑、および青のピークの間の分離を、吸収体スタック610におけるそれらと(または、図6A〜6Eに示される、エアにおける定常波の赤、緑、および青のピーク間の分離と)比較することによって、誘電体スタック710が定常波節の分離を縮小するように構成されることが観察されるであろう。しかし、吸収体層730について、赤、緑、および青の場の強度がすべて最小である場所はない。図8に示される例では、ギャップ高さ630は10nmであり、吸収体層730は、緑色波長光620の最小の場の強度の近くに位置する。しかし、青色波長光615および赤色波長光625の場の強度は、緑色波長光620と比較して相対的に高い。その結果、赤および青の吸収が、緑の吸収よりも高い(またしたがって、反射される赤および青がより少ない)。したがって、緑の反射性は、赤および青の反射性よりもかなり高い。よって、白状態の色は、わずかに緑がかっている。
[0089]図9は、図7のIMODの白状態を(u’,v’)色空間において示すグラフである。グラフ900は、CIE標準光源D65(「D65」)の位置905と、sRGB色空間915内における図7のIMOD600の白状態に対応する位置910とを示す。グラフ900中で気付かれるように、IMOD600の白状態に対応する位置910は、D65の位置905と、sRGB色空間915の緑頂点920との間にある。これは、IMOD600の白状態の色がわずかに緑がかっていることを示す。
[0090]図10は、図7のIMODについて、明度Yと、L**b空間におけるD65までの距離dEとを、ギャップ高さの関数として示すグラフである。グラフ1000は、明度曲線1005aとdE曲線1010aとを示す。IMOD設計では、白状態をできるだけ白くするために、明度値を最大化しdE値を最小化するのが有利である。dE曲線1010aの極小として示されるdEの最小値(39.4)は、約10nmのギャップ高さに対応する。残念ながら、10nmのギャップ高さに対する明度値は、約0.54でしかない。最大明度値は、25nmのエアギャップに対応する。しかし、25nmのギャップ高さでは、dEの値は約55である。これは、D65の理想的な白状態から許容できないほど遠い。
[0091]わずかに緑がかった白状態の問題に対する1つの解決法は、緑がかった白を他の色と混合してより完全な白を合成する、ピクセル空間的および/または時間的ディザリング技法を適用することである。しかし、空間的ディザリング技法は、表示輝度を低減し、空間的ディザリングノイズを導入することがある。加えて、空間的ディザリング技法は、追加の処理オーバヘッドを消費する(それによってより多くの電力を使用する)ことがある。時間的ディザリングもまた、電力消費を増加させる可能性がある。
[0092]図11は、白状態位置にあるときに傾斜されるように構成されたIMODの例を示す図である。図11のIMOD600は、図7に示されるIMODと実質的に同様とすることができる。しかし、この例では、IMOD600は、高さ1105を有する少なくとも1つの突部、すなわち突部750aを含む。突部750aは、反射体スタック605が吸収体スタック610に近接しているときに、反射体スタック605を吸収体スタック610に対して角度φだけ傾斜させる。いくつかの実装形態では、角度φは1度未満とすることができる。
[0093]したがって、そのような実装形態は、IMOD600が白状態位置にあるときに、反射体スタック605を吸収体スタック610に対して傾斜させることを含み得る。この例では、突部750aは、ギャップ高さ630を、突部750aの近くの最大の白状態のギャップ高さからIMOD600の反対側における最小の白状態のギャップ高さまで変動させる。白状態ギャップ高さの変化は、IMOD600が白状態位置にあるときに色の平均化を引き起こす。
[0094]いくつかの実装形態は、追加の突部750を含むことができ、これらのうちのいくつかは、高さ1105とは異なる高さを有することができる。図11は、オプションの突部750b、750c、および750dを示し、これらの各々は、高さ1105とは異なる高さを有する。この例では、突部750a〜750dはすべて、反射体スタック605の表面に形成されている。しかし、代替実装形態では、突部750のうちの少なくともいくつかは、吸収体スタック210の表面に形成されてもよい。さらに、図11に示される例では、最大の高さ1105を有する突部750は、IMOD600の縁部付近に位置決めされている。代替実装形態では、最大の高さ1105を有する突部750は、別の場所、たとえばIMOD600の中央部付近に位置決めされてもよい。
[0095]図12は、図11のIMODについて、明度およびdEをミラー傾斜角の関数として示すグラフである。グラフ1200は、図11のIMOD600の最適性能が、約0.033度の傾斜角φで得られることを示し、この約0.033度の傾斜角φは、約33のdE値および約0.59の明度に対応する。この傾斜角は、吸収体スタック610の幅Wが約70μmであると仮定して、図11に示される突部750aの高さを約40nmにすることによって達成され得る。参照として、図12には、ギャップ高さ10nmでの図7のIMODについての明度およびdEが、明度軸上の三角形および正方形でそれぞれ示されている。傾斜角約0.033度の場合の明度およびdEの値を、三角形および正方形の明度およびdEの値と比較することによって、可動反射体スタックを約0.033度傾斜させる結果としてdEが約14%減少し、明度が約10%増加することがわかる。したがって、IMOD600が白状態であるときに反射体スタック605を吸収体スタック610に対して傾斜させることによって、白状態の白さと、明度との両方が改善され得る。
[0096]図13は、図11に示されるようなIMODを制御するプロセスを概説する流れ図である。方法1300は、ディスプレイの単一のIMODの観点から記述される。ブロック1305で、IMOD600が、可動反射体スタックと吸収体スタックとの間の印加された電位差を受ける。たとえば、電位差は、図2に示され上述されたようなアレイドライバ22によって印加され得る。電位差は、IMOD600の行電極と列電極との間に印加され得る。そのようないくつかの例では、金属鏡705はこれらの電極のうちの一方に対応するものとすることができ、吸収体層730は他方の電極に対応するものとすることができる。
[0097]この例では、電位差は、IMOD600の白状態の構成に対応する。したがって、ブロック1310は、印加された電位差に応答して、可動反射体スタックを吸収体スタックに近い位置に移動することを含む。ブロック1315は、可動反射体スタックを吸収体スタックに対して1度未満傾斜させることを含む。一実装形態では、可動反射体は、他方のスタックに接触した、可動反射体スタックの表面にまたは吸収体スタックの表面に配置された第1の突部によって傾斜され得る。ブロック1315の傾斜プロセスは、IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こし得る。
[0098]いくつかの実装形態では、第1の突部は、第1の高さを有する。ブロック1315の傾斜プロセスは、第2の突部を可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接触させることを含むことができる。第2の突部は、第2の高さを有することができる。
[0099]いくつかの実装形態では、IMOD600は、第1の高さとは異なる様々な高さを有する複数の追加の突部を含むことができる。ブロック1315は、複数の追加の突部を可動反射体スタックまたは吸収体スタックに接触させることを含むことができる。
[0100]上述のように、IMOD600中で許容可能な白状態を生み出すのは難しい可能性がある。また、飽和した赤色を生成するのも困難であることがある。IMODが1次赤状態で構成されたとき、吸収体層730は、対応する赤定常波の最小の場の強度に位置決めされる。しかし、吸収体層730のこの位置では、2次青の定常波も非常に弱く、その結果、青スペクトルの吸収が不十分となる。この2次青の漏れ反射は、赤スペクトルを汚染し、赤スペクトルを不飽和化させる。
[0101]図14は、IMODの赤状態スペクトルの例を示すグラフである。この例では、赤状態スペクトル1405aは、図7に示されるのと同様であるIMOD600の1次赤状態に対応する。しかし、この例では、IMOD600は、誘電体層740または745を含まない。グラフ1400に示されるように、青の波長範囲からかなりの反射があり、これは赤色を不飽和化させる。
[0102]図15は、図14のグラフを作成するのに使用されたIMODの白状態スペクトルを示すグラフである。グラフ1500に示されるように、このIMODの白状態スペクトル1505は、赤の波長からの反射がかなり低いことを示す。
[0103]IMODの多くの実装形態は、吸収体層または吸収体スタックの一部として、MoCrフィルムを使用する。赤状態スペクトル1405aと白状態スペクトル1505の両方は、赤スペクトルにおける吸収の低減、および同時に青スペクトルにおける吸収の増大が、IMOD性能の向上をもたらす可能性があることを示す。しかし、MoCrフィルムの吸光係数(k)は、場合によってはかなり、波長に伴って増加する傾向がある(すなわち、MoCrの吸収は、青に対してよりも赤に対してより大きい傾向がある)。
[0104]図16は、波長の関数としてバナジウムの吸光係数の例を示すグラフである。グラフ1600に示されるように、バナジウム吸光係数曲線1605は、赤の波長範囲よりも青の波長範囲でより高い値を有する。したがって、本明細書に記載されるいくつかのIMODは、少なくとも部分的にはバナジウムから形成される吸収体層730を含む。
[0105]図17は、バナジウム吸収体層を有するIMODの例を示す図である。いくつかの実装形態では、反射体スタック605は、図7に示されるIMOD600の反射体スタック605と実質的に同様とすることができる。この例では、金属鏡705は、AlCuで形成され、厚さ約50nmである。しかし、金属鏡705は、Alや銀など他の反射性材料で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。誘電体スタック710は、TiO2、Si34、ZrO2、Ta25、Sb23、HfO2、Sc23、In23、Sn:In23、SiO2、SiON、MgF2、Al23、HfF4、YbF3、Na3AlF6、および/または他の誘電性材料で形成された、1つまたは複数の誘電体層を含むことができる。この例では、誘電体スタック710は、低屈折率層715と高屈折率層720とを含む。
[0106]この例では、低屈折率層715は、SiONで形成され、厚さ約72nmである。しかし、他の実装形態では、低屈折率層715は、SiO2など、1つまたは複数の他の材料で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。ここでは、高屈折率層720は、TiO2で形成され、厚さ約31nmである。しかし、他の実装形態では、高屈折率層720は、1つまたは複数の他の材料で形成されてもよく、異なる厚さを有してもよい。
[0107]いくつかの実装形態では、1つまたは複数の突部750(図17に示されるオプションの突部750aおよび750cなど)が、反射体スタック605の表面または吸収体スタック610の表面に形成され得る。したがって、突部750は、反射体スタック605が吸収体スタック610に近接しているとき、たとえばIMOD600が白状態位置にあるときに、反射体スタック605を吸収体スタック610に対して傾斜させることができる。したがって、突部750は、IMOD600が白状態位置にあるときに色の平均化を引き起こすことができる。
[0108]吸収体スタック610は、少なくとも部分的にバナジウムから形成された吸収体層730を含む。この実装形態では、パッシベーション層735は、Al23で形成され、厚さ約11nmであり、吸収体層730は、バナジウムで形成され、厚さ約7.5nmである。ここでは、低分散層740は、SiO2で形成され、厚さ約27nmであり、高分散層745は、Si34で形成され、厚さ約22nmである。他の実装形態では、吸収体スタック610の各要素は、他の材料で形成されてもよく、他の厚さを有してもよい。たとえば、吸収体層730は、少なくとも部分的には、MoCr、ゲルマニウム、またはオスミウムから形成されてもよい。たとえば、吸収体層730は、オスミウム、またはオスミウムの合金を含むことができる。低分散層740は、少なくとも部分的にはSiONから形成されてよく、高分散層745は、少なくとも部分的には、別のタイプのSiNxから、および/またはTiO2から形成されてよい。
[0109]この例では、低分散層740および高分散層745は、インピーダンスマッチング層1705を形成し、インピーダンスマッチング層1705では、低分散層740および高分散層745の分散および/または屈折率の平衡が保たれる。吸収体層730、低分散層740、および高分散層745の厚さは、IMOD色状態が黒であるときの反射を最小限に抑えるように最適化されることが可能であり、したがって、濃い黒状態が達成される。さらに、いくつかの実装形態では、吸収体層730、低分散層740、および高分散層745の厚さは、赤状態の色の最大色飽和をもたらすように最適化されることが可能である。この実装形態では、吸収体層730の場所で場の強度がわずかに増大するせいで、Si34層は、白状態でわずかにより高い赤吸収をもたらす可能性がある。しかし、そのような影響は、バナジウム吸収体層730によって、赤スペクトルにおける吸収がより低いせいで低減され得る。
[0110]図18は、図17のIMODと同様である2つのIMODの赤状態のスペクトルを示すグラフである。グラフ1800では、赤状態のスペクトル1405bは、バナジウムで形成された吸収体層730を有するIMODに対応し、赤状態のスペクトル1405cは、MoCrで形成された吸収体層730を有するIMODに対応する。図14の赤状態のスペクトル1405aと比較して、赤状態のスペクトル1405bと赤状態のスペクトル1405cの両方は、青の波長範囲におけるより少ない反射と、かなりより飽和した赤状態とを示す。よって、基板725と吸収体層730との間にインピーダンスマッチング層1705があることは、基板725と吸収体層730との間にインピーダンスマッチング層1705がないIMODと比較して、赤の反射の飽和を改善することができる。しかし、1405bは、約630nm波長でわずかにより高くより広いピークを有し、約410nm〜430nm波長でより低い漏れを有する。これは、より明るくより純粋な(青の汚染がより少ない)赤色を示す。
[0111]図19Aおよび図19Bは、複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図である。いくつかの実装形態では、IMODディスプレイ要素は、本明細書の他の箇所で説明したIMODディスプレイ要素であり得る。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、携帯電話、またはモバイル電話とすることができる。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそれの軽微な変形は、テレビジョン、コンピュータ、タブレット、電子リーダ、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスをも示す。
[0112]ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形、および真空成形を含む、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定されないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかで構成され得る。ハウジング41は、異なる色の、あるいは異なるロゴ、写真、またはシンボルを含む、他の取外し可能部分と交換され得る、取外し可能部分(図示せず)を含むことができる。
[0113]ディスプレイ30は、本明細書に記載するように、双安定またはアナログディスプレイを含む、様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30は、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むようにも構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、IMOD型ディスプレイを含むことができる。ディスプレイは、本明細書に記載するようなIMODを含み得る。
[0114]ディスプレイデバイス40の構成要素は、図19Aに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、少なくとも部分的にはその中に封入された追加の構成要素を含むこともできる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合され得るアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40上に表示され得る画像データのためのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像ソースモジュールとして働き得る。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタ処理するかまたはさもなければ操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52はスピーカ45とマイクロフォン46とに接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48とドライバコントローラ29とに接続され得る。ドライバコントローラ29はフレームバッファ28とアレイドライバ22とに結合され得、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合され得る。図19Aに詳細には示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス40の1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように構成され得、プロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計では、実質的にすべての構成要素に電力を供給することができる。
[0115]ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43と、トランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11標準、あるいはIEEE802.11a、b、g、n、およびそれらのさらなる実装形態を含むIEEE802.11標準に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3G、4Gまたは5G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile communications)、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM(登録商標) Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO:Evolution Data Optimized)、1xEV−DO、EV−DO RevA、EV−DO RevB、高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信される信号がプロセッサ21によって受信され、さらに操作され得るように、それらの信号を事前処理することができる。トランシーバ47は、プロセッサ21から受信される信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、それらの信号を処理することもできる。
[0116]いくつかの実装形態では、トランシーバ47は、受信機で置換され得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送信される画像データを記憶または生成することができる画像ソースで置換され得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理され得るフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータを、ドライバコントローラ29に、または記憶するためにフレームバッファ28に、送ることができる。生データは、通常は、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
[0117]プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、またはディスプレイデバイス40の動作を制御するための論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、信号をスピーカ45に送信し、マイクロフォン46から信号を受信するために、増幅器と、フィルタとを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であってもよいし、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれていてもよい。
[0118]ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データを、プロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取り込むことができ、その生画像データをアレイドライバ22への高速送信のために適当に再フォーマット化することができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマット化して、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間順序を有するようにすることができる。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは、多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれ得、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれ得、またはハードウェアでアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
[0119]アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのディスプレイ要素のx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も印加される。
[0120]いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書に記載するタイプのディスプレイのうちのいずれかに適している。たとえば、ドライバコントローラ29は従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイ要素ドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化され得る。そのような実装形態は、たとえばモバイル電話、ポータブル電子デバイス、腕時計、または小面積ディスプレイなど、高度に集積されたシステムで有用であり得る。
[0121]いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえばユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を通した音声コマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。
[0122]電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリまたはリチウムイオンバッテリなどの充電式バッテリであり得る。充電可能バッテリを使用する実装形態では、充電可能バッテリは、たとえば壁ソケット、あるいは光起電力デバイスまたはアレイから取られる電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリはワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50は、壁付きコンセントから電力を受けるようにも構成され得る。
[0123]いくつかの実装形態では、制御のプログラム可能性は、電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に位置づけられ得るドライバコントローラ29にある。いくつかの他の実装形態では、制御のプログラム可能性は、アレイドライバ22にある。上述の最適化は、任意数のハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素で、様々な構成で、実施され得る。
[0124]本明細書で使用される品目のリスト「のうちの少なくとも1つ」という文句は、個々のメンバも含めて、それらの品目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aと、bと、cと、a−bと、a−cと、b−cと、a−b−cとを包含するものとする。
[0125]本明細書に開示する実装形態に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの交換可能性については、機能性の点からすでに大まかに説明してあり、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップで図示されている。そのような機能性がハードウェアで実装されるかソフトウェアで実装されるかは、システム全体に課される具体的なアプリケーションおよび設計の制約によって決まる。
[0126]本明細書に開示する態様に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、本明細書に記載する機能を実行するように設計された、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいはそれらの任意の組合せによって実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法は、所与の機能に特有の回路によって実行され得る。
[0127]1つまたは複数の態様では、記載した機能は、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、本明細書に開示の構造およびその構造的均等物を含むファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。本明細書に記載する対象の実装は、データ処理装置によって実行されるように、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち1つまたは複数のコンピュータプログラム命令のモジュールとして実装され得る。
[0128]ソフトウェアで実装される場合には、それらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。本明細書に開示された方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在できるプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールにおいて実施され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。例として、限定はされないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光学ディスク(disk)記憶装置、磁気ディスク(disk)記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得る、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。また、任意の接続も、適宜コンピュータ可読媒体と呼ばれ得る。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル汎用ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびblu−ray(登録商標)ディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再現するものであり、ディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再現するものである。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれ得る。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令のうちの1つ、あるいはそれらの任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
[0129]本開示に記載する実装形態の様々な修正は、当業者には容易に明らかになり得、本明細書で定義する包括的な原理は、本開示の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実装形態にも適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実装形態に限定されるように意図されたものではなく、本開示ならびに本明細書に開示する原理および新規の特徴と矛盾しない最も広い範囲が認められるものとする。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、たとえば、実装されたIMODディスプレイ要素の適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
[0130]別個の実装形態という文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実装形態で組み合わせても実装され得る。逆に、単一の実装形態という文脈で記載される様々な特徴も、複数の実装形態で、別個に、または任意の適当な部分的組合せで、実装され得る。さらに、特徴が特定の組合せで作用するものとして上記に記載され、最初にそのように請求されることもあるが、請求される組合せの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから切り離されることもあり、請求される組合せは、部分的組合せ、または部分的組合せの変形を対象とすることもある。
[0131]同様に、動作は、図面では特定の順序で示されているが、当業者なら、そのような動作が、示される特定の順序または順番で実行される必要はないこと、あるいはすべての図示される動作は、望ましい結果を達成するように実行されることを容易に認識するであろう。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスを、流れ図の形態で概略的に示し得る。しかしながら、示されていない他の動作も、概略的に図示されたそれらの例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のいずれかの前または後に、それと同時に、またはそれらの間に、実行され得る。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上述の実装形態の様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されるプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一体化されることもあれば、複数のソフトウェア製品にパッケージングされることもあることを理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に含まれる。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載されるアクションは、異なる順序でも実行され得、それでも望ましい結果を達成し得る。

Claims (35)

  1. 干渉変調器(IMOD)であって、前記干渉変調器は下記を備える、
    基板と、
    前記基板上に配置された吸収体スタックと、
    金属鏡と誘電体スタックとを含む可動反射体スタック、前記誘電体スタックは前記吸収体スタックと前記金属鏡との間に配置され、前記誘電体スタックは、前記誘電体スタックがない場合に前記可動反射体スタックから反射する光と比較して、前記IMODが、前記反射体スタックが前記吸収体スタックに近接しているときに白色を反射するように構成されるように、前記可動反射体スタックから反射する光に対する定常波節の分離を縮小するように構成され、前記可動反射体スタックは、前記吸収体スタックに対する複数の位置間で移動されるようにさらに構成され、前記位置の各々は、前記白色を反射するための白状態、黒状態、および1つまたは複数の他の色付き状態を含めたIMODの色状態に対応する、と、
    前記可動反射体スタックまたは前記吸収体スタックに接続された第1の突部、
    ここにおいて、前記第1の突部は、第1の高さを有し、前記可動反射体スタックが前記吸収体スタックに近づけられたときに前記可動反射体スタックを前記吸収体スタックに対して傾斜させるように構成される。
  2. 前記第1の突部は、前記可動反射体スタックが傾斜されたときに色の平均化を引き起こすように構成された、請求項1に記載のIMOD。
  3. 前記第1の突部は、前記IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こすように構成された、請求項2に記載のIMOD。
  4. 前記第1の突部は、前記可動反射体スタックの、吸収体層に向いている面に接続された、請求項1に記載のIMOD。
  5. 前記第1の高さとは異なる第2の高さを有する第2の突部をさらに含む、請求項1に記載のIMOD。
  6. 前記第1の高さとは異なる様々な高さを有する複数の追加の突部をさらに含む、請求項1に記載のIMOD。
  7. 前記第1の突部は、前記可動反射体スタックが前記吸収体スタックに近づけられたときに前記可動反射体スタックを前記吸収体スタックに対して1度未満傾斜させるように構成された、請求項1に記載のIMOD。
  8. 前記誘電体スタックは高屈折率層と低屈折率層とを含む、請求項1に記載のIMOD。
  9. 前記低屈折率層は前記高屈折率層よりも低い色分散を有する、請求項8に記載のIMOD。
  10. 前記低屈折率層はSiONまたはSiO2で形成された、請求項8に記載のIMOD。
  11. 前記高屈折率層はTiO2、ZrO2、またはNb25で形成された、請求項8に記載のIMOD。
  12. 請求項1に記載のIMODを含むディスプレイデバイス。
  13. 前記ディスプレイデバイスを制御するように構成された制御システムをさらに含む、請求項12に記載のディスプレイデバイス。
  14. 前記制御システムは画像データを処理するように構成された、請求項13に記載のディスプレイデバイス。
  15. 前記制御システムは、
    少なくとも1つの信号を前記ディスプレイデバイスのディスプレイに送るように構成されたドライバ回路と、
    前記画像データの少なくとも一部分を前記ドライバ回路に送るように構成されたコントローラとをさらに備える、請求項14に記載のディスプレイデバイス。
  16. 前記制御システムは、
    前記画像データをプロセッサに送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備え、ここにおいて、前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載のディスプレイデバイス。
  17. 入力データを受け取り、前記入力データを前記制御システムに通信するように構成された入力デバイスをさらに備える、請求項14に記載のディスプレイデバイス。
  18. 干渉変調器(IMOD)であって、前記干渉変調器は下記を備える、
    基板と、
    前記基板上に配置された吸収体スタックと、
    前記吸収体スタックに対する複数の位置間で移動されるように構成された可動反射体スタック、前記位置の各々は、白色を反射するための白状態、黒状態、および1つまたは複数の他の色付き状態を含めたIMODの色状態に対応し、前記IMODは、前記反射体スタックが前記吸収体スタックに近接しているときに白色を反射するように構成され、前記可動反射体スタックは、
    金属鏡と、
    節分離の縮小手段がない場合に前記可動反射体スタックから反射する光と比較して、前記可動反射体スタックから反射する光に対する定常波節の分離を縮小するための節分離の縮小手段と、
    前記可動反射体スタックが吸収体層に近づけられたときに前記可動反射体スタックを前記吸収体層に対して傾斜させるための傾斜手段と、
    を含む。
  19. 前記傾斜手段は、前記IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こすように構成された、請求項18に記載のIMOD。
  20. 前記傾斜手段は、前記可動反射体スタックまたは前記吸収体スタックに接続された第1の突部を含み、前記第1の突部は第1の高さを有する、請求項18に記載のIMOD。
  21. 前記傾斜手段は、前記第1の高さとは異なる第2の高さを有する第2の突部を含む、請求項20に記載のIMOD。
  22. 前記節分離の縮小手段は高屈折率層と低屈折率層とを含み、前記節分離の縮小手段は前記高屈折率層よりも低い色分散を有する、請求項18に記載のIMOD。
  23. 干渉変調器(IMOD)を制御する方法であって、前記方法は下記を備える、
    可動反射体スタックと吸収体スタックとの間の印加された電位差を受けることと、
    前記印加された電位差に応答して前記可動反射体スタックを前記吸収体スタックに近い位置に移動することと、
    前記可動反射体スタック上または前記吸収体スタック上に配置された第1の突部を他方のスタックに接触させることによって前記可動反射体スタックを前記吸収体スタックに対して1度未満傾斜させること。
  24. 前記第1の突部は第1の高さを有し、前記傾斜させるプロセスは、第2の突部を前記可動反射体スタックまたは前記吸収体スタックに接触させることを含み、前記第2の突部は第2の高さを有する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記第1の突部は第1の高さを有し、前記傾斜させるプロセスは、複数の追加の突部を前記可動反射体スタックまたは前記吸収体スタックに接触させることを含み、前記複数の追加の突部は、前記第1の高さとは異なる様々な高さを有する、請求項23に記載の方法。
  26. 前記傾斜させるプロセスは、前記IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こす、請求項23に記載の方法。
  27. 干渉変調器(IMOD)であって、前記干渉変調器は下記を備える、
    基板と、
    前記基板上に配置された吸収体スタック、前記吸収体スタックは、赤の波長では赤の吸光係数値、青の波長では青の吸光係数値を有する材料を含む吸収体層を含み、前記青の吸光係数値は前記赤の吸光係数値よりも高い値である、と、
    前記吸収体スタックに対する複数の位置間で移動されるように構成された可動反射体スタック、前記位置の各々は、白色を反射するための白状態、黒状態、および1つまたは複数の色付き状態を含めたIMOD色状態に対応し、前記IMODは、前記可動反射体スタックが前記吸収体スタックに近接しているときに白色を反射するように構成され、前記可動反射体スタックは、
    金属鏡と、
    前記吸収体スタックと前記金属鏡との間に配置された誘電体スタックと、
    を含む。
  28. 前記吸収体スタックはインピーダンスマッチング層を含む、請求項27に記載のIMOD。
  29. 前記インピーダンスマッチング層は高分散層と低分散層のペアを含み、前記低分散層はSiO2またはSiONを含み、前記高分散層はTiO2またはSi34を含む、請求項28に記載のIMOD。
  30. 前記吸収体層はバナジウム、ゲルマニウム、またはオスミウムで形成された、請求項27に記載のIMOD。
  31. 前記可動反射体スタックまたは前記吸収体スタックに接続された第1の突部をさらに備え、ここにおいて、前記第1の突部は、第1の高さを有し、前記可動反射体スタックが前記吸収体スタックに近づけられたときに前記可動反射体スタックを前記吸収体層に対して傾斜させるように構成された、請求項27に記載のIMOD。
  32. 前記第1の突部は、前記可動反射体スタックが傾斜されたときに色の平均化を引き起こすように構成された、請求項31に記載のIMOD。
  33. 前記第1の突部は、前記IMODが白状態であるときに色の平均化を引き起こすように構成された、請求項31に記載のIMOD。
  34. 前記第1の突部は、前記可動反射体スタックの、前記吸収体層に向いている面に接続された、請求項31に記載のIMOD。
  35. 前記第1の突部は、前記可動反射体スタックが前記吸収体スタックに近づけられたときに前記可動反射体スタックを前記吸収体スタックに対して1度未満傾斜させるように構成された、請求項31に記載のIMOD。
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