[0037] 様々な図面における同じ参照番号および呼称は、同じ要素を示す。
[0038] 以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明するための特定の実装態様を対象としたものである。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを、当業者は容易に認識されよう。説明する実装形態は、動いていようと(ビデオなど)、静止していようと(静止画像など)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成され得る任意のデバイス、装置、またはシステムにおいて実装され得る。さらに詳細には、説明する実装態様は、限定はされないが、モバイル電話、マルチメディアのインターネットへの接続が可能な携帯電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、全地球測位システム(GPS)受信機/ナビゲータ、カメラ、デジタルメディアプレイヤ(MP3プレイヤなど)、カムコーダ、ゲームコンソール、腕時計、置き時計、計算機、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子読取りデバイス(たとえば電子書籍リーダ)、コンピュータモニタ、オートディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイを含む)、コックピットコントローラおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両のバックミラーカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子掲示板または標識、プロジェクタ、建築構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダまたはプレイヤ、DVDプレイヤ、CDプレイヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯乾燥機、パーキングメータ、パッケージング(マイクロ電子機械システム(MEMS)の適用例を含む電子機械システム(EMS)の適用例、および非EMSの適用例にパッケージされるものなど)、美的構造(宝石または服の上の画像の表示など)、ならびに様々なEMSデバイスなど、様々な電子デバイスに含まれ得る、または関連付けられ得るものと企図されている。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、動き感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、これらの教示は、図面に示される実装形態のみに限定されるように意図されているのではなく、当業者には容易に明らかになるように、幅広い適用性を有する。
[0039] EMSデバイスの可動層を安定的な位置の範囲で駆動することによって、EMSデバイスのさらなる精度と機能とが提供され得る。たとえば、可動反射層を有するIMODは、IMODに幅広いあり得る色を反射させるために可動反射層を幅広い位置に移動させる多状態(および複数の状態の数が十分に多いときにはアナログまたはほぼアナログ)式の方法で駆動され得る。安定的な位置の範囲は、たとえば、EMSデバイスの構造と構成要素とに依存する可能性があるが、EMSデバイスの製造の際の不備またはばらつきによって影響を受ける可能性もある。一部のEMSデバイスでは、わずかな回転の不安定が、可動層の傾きとその後の押しつぶし、とにつながる可動層上の不均衡な電荷の蓄積(imbalanced charge accumulation)が原因で、可動層が位置の安定的な範囲の端の近くにあるときに、静電気的にずらされた可動層の意図しない押しつぶしにつながる可能性がある。そのようなEMSデバイスの安定的な位置の実際の範囲は、同じ設計のEMSデバイスの安定的な位置の理論上の範囲よりも著しく狭い可能性がある。可動層の電極を電気的に絶縁された電極セグメントに分離することによって、EMSデバイスの安定的な位置の範囲を広げるように、回転の不安定の結果として生じる電荷の蓄積の一部が、それがEMSデバイスの可動層に対して少ない回転モーメントを及ぼす位置に制約されることができる。
[0040] 本開示に記載される対象の1つの特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。一部の実装形態では、可動電極を2つの垂直な軸に沿って分割することが、電極の総面積の実質的な減少なしにEMSデバイスの安定的な範囲の著しい増加をもたらす。EMSデバイスが多状態式に駆動されるように構成されたIMODである実装形態では、多段階IMODの安定的な移動範囲を広げることが、多状態IMODによって反射され得る色の範囲を広げることができる。
[0041] 説明する実装形態が適用され得る好適なEMSまたはMEMSデバイスまたは装置の一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉の原理を使用してそれに入射する光を選択的に吸収および/または反射するために実装され得る干渉変調器(IMOD)ディスプレイ要素を組み込むことができる。IMODディスプレイ要素は、部分光吸収体(partial optical absorber)、吸収体に対して可動である反射体(reflector)、ならびに吸収体と反射体との間に画定された光共振キャビティ(optical resonant cavity)を含むことができる。いくつかの実装形態では、反射体は、2つ以上の異なる位置に移動され得、これは、光共振キャビティのサイズを変化させ、それによってIMODの反射率(reflectance)に影響を及ぼすことができる。IMODディスプレイ要素の反射スペクトルは、異なる色を生成するために可視波長にわたってシフトされ得るかなり広いスペクトルバンドをもたらすことができる。スペクトルバンドの位置は、光共振キャビティの厚みを変更することによって調整され得る。光共振キャビティを変更する1つの方法は、吸収体に関して反射体の位置を変更することによる方法である。
[0042] 図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスのディスプレイ要素のシリーズまたはアレイ中の2つの隣接するIMODディスプレイ要素を示す等角図である。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉EMS(MEMSなど)ディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、干渉MEMSディスプレイ要素は、明状態または暗状態のいずれかに構成され得る。明(「緩和」、「開」または「オン」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」など)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。MEMSディスプレイ要素は、黒および白に加えて、主にカラーディスプレイを可能にする光の特定の波長で反射するように構成され得る。いくつかの実装形態では、複数のディスプレイ要素を使用することによって、原色の様々な強度およびグレーの様々な濃淡が達成され得る。
[0043] IMODディスプレイデバイスは、行と列に構成され得るIMODディスプレイ要素のアレイを含むことができる。アレイ中の各ディスプレイ要素は、(光ギャップ、キャビティまたは光共振キャビティとも呼ばれる)エアギャップを形成するように互いから可変で制御可能な距離をおいて配置された、可動反射層(すなわち、機械層とも呼ばれる可動層)と固定部分反射層(すなわち、固定層)など、少なくとも反射層と半反射層のペアを含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。たとえば、第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それらの2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置と入射光の(1つまたは複数の)波長とに応じて、強め合うようにおよび/または弱め合うように干渉し、各ディスプレイ要素について全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実装形態では、ディスプレイ要素は、作動していないときに反射状態にあり、可視スペクトル内の光を反射し得、また、作動しているときに暗状態にあり、可視範囲内の光を吸収し、および/または弱め合うようにそれに干渉し得る。ただし、いくつかの他の実装形態では、IMODディスプレイ要素は、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実装形態では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。いくつかの他の実装形態では、印加電荷が、状態を変更するようにディスプレイ要素を駆動することができる。
[0044] 図1中のアレイの図示の部分は、IMODディスプレイ要素12の形態の2つの隣接する干渉MEMSディスプレイ要素を含む。(図示のような)右側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、それに隣接する、またはそれに接触する作動位置に示されている。右側のディスプレイ要素12の両端間に印加される電圧Vbiasは、可動反射層14を移動させ、作動位置に維持するのに十分である。(図示のような)左側のディスプレイ要素12では、可動反射層14は、部分反射層を含む光学スタック16から(設計パラメータに基づいてあらかじめ決定され得る)ある距離をおいた緩和位置に示されている。左側のディスプレイ要素12の両端間に印加される電圧V0は、右側のディスプレイ要素12のような作動位置までの可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。
[0045] 図1では、IMODディスプレイ要素12の反射特性は、IMODディスプレイ要素12に入射する光13と、左側のディスプレイ要素12から反射される光15とを示す矢印で大まかに示されている。ディスプレイ要素12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過し、光学スタック16に向かい得る。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過し得、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過した光13の部分は、可動反射層14から反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻り得る。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うおよび/または弱め合う)干渉が、デバイスの閲覧側または基板側のディスプレイ要素12から反射される光15の(1つまたは複数の)波長の強度を部分的に決定することになる。いくつかの実装形態では、透明基板20は(ガラスプレートまたはパネルと呼ばれることがある)ガラス基板であり得る。ガラス基板は、たとえば、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、石英、パイレックス(登録商標)、または他の好適なガラス材料であるかまたはそれらを含み得る。いくつかの実装形態では、ガラス基板は、0.3、0.5または0.7ミリメートルの厚みを有し得るが、いくつかの実装形態では、ガラス基板は(数十ミリメートルなど)より厚いことも(0.3ミリメートル未満など)より薄いこともある。いくつかの実装形態では、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタラート(PET)またはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)基板など、非ガラス基板が使用され得る。そのような実装形態では、非ガラス基板は0.7ミリメートル未満の厚みを有する可能性があるが、基板は設計考慮事項に応じてより厚いことがある。いくつかの実装形態では、金属箔またはステンレス鋼ベースの基板など、不透明基板が使用され得る。たとえば、固定反射層と、部分に透過性で、部分的に反射性である可動層とを含む逆方向(reverse)IMODベースのディスプレイは、図1のディスプレイ要素12として基板の反対側から閲覧されるように構成され得、不透明基板によってサポートされ得る。
[0046] 光学スタック16は、単一の層、または複数の層を含むことができる。その(1つまたは複数の)層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実装形態では、光学スタック16は、導電性、部分的に透明、および部分的に反射性であり、たとえば上記の層のうちの1つまたは複数を透明基板20上に堆積させることによって、作製され得る。電極層は、たとえばインジウムスズ酸化物(ITO)などの様々な金属など、様々な材料で形成され得る。部分反射層は、様々な金属(たとえば、クロムおよび/またはモリブデン)、半導体、および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実装形態では、光学スタック16のいくつかの部分は、部分光吸収体と電気導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の膜(thickness)を含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはディスプレイ要素の他の構造の)異なる、電気的により伝導性の高い層または部分が、IMODディスプレイ要素間で信号をバスで運ぶ(bus)ように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の導電層または電気伝導性/部分吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
[0047] いくつかの実装形態では、光学スタック16の(1つまたは複数の)層の少なくともいくつかは、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者には理解されるように、本明細書で使用される「パターニングされた」という用語は、マスキングおよびエッチングプロセスを指す。いくつかの実装形態では、アルミニウム(Al)などの導電性および反射性の高い材料が、可動反射層14に使用され得、これらのストリップが、ディスプレイデバイスの列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の平行ストリップのシリーズとして形成されて、図示されたポスト18など、支持体の上に堆積された列と、ポスト18間に位置する介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光学キャビティが、可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実装形態では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は約10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
[0048] いくつかの実装形態では、各IMODディスプレイ要素は、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタと見なされ得る。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のディスプレイ要素12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19がある。しかしながら、電位差、すなわち電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するディスプレイ要素における行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加電圧がしきい値を超える場合には、可動反射層14は、変形し得、光学スタック16の付近で、または光学スタック16に接して、動き得る。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ディスプレイ要素12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じであり得る。いくつかの事例ではアレイ中のディスプレイ要素のシリーズが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えると、いくつかの配向では、行が列と見なされ得、列が行と見なされ得る。いくつかの実装形態では、行は「コモン」ラインと呼ばれることがあり、列は「セグメント」ラインと呼ばれることがあり、その逆も同様である。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列で一様に配列され得る(「アレイ」)、またはたとえば互いに対して特定の位置オフセットを有する非線形構成で配列され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは「アレイ」または「モザイク」を含むとして言及されるが、要素自体は、いずれの事例においても、互いに対して直交して配列される、または一様な分布で配置される必要はなく、非対称な形状および不均一に分布した要素を有する配列を含み得る。
[0049] 図2は、IMODディスプレイ要素の3×3要素アレイを含むIMOD型ディスプレイを組み込む電子デバイスを示すシステムブロック図である。この電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
[0050] プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえばディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図1に示すIMODディスプレイデバイスの断面は、図2では線1−1で示されている。図2は明快のためにIMODディスプレイ要素の3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODディスプレイ要素を含んでいることがあり、列におけるIMODディスプレイ要素の数とは異なる数のIMODディスプレイ要素を行において有し得、その逆も同様である。
[0051] 図3は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素のための製造プロセス80を示す流れ図である。図4A〜図4Eは、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素を作製するための製造プロセス80の様々な段階の断面図である。いくつかの実装形態では、製造プロセス80は、IMODディスプレイまたはディスプレイ要素など、1つまたは複数のEMSデバイスを製造するために実装され得る。そのようなEMSデバイスの製造は、図3に示されていない他のブロックをも含むことができる。プロセス80は、ブロック82において、基板20の上への光学スタック16の形成から始まる。図4Aは、基板20の上に形成されるこのような光学スタック16を示す図である。基板20は、図1に関して上記で説明した材料など、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得る。基板20は、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、洗浄などの事前準備プロセスにかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性で、部分的に吸収性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。
[0052] 図4Aでは、光学スタック16は、副層(sub-layer)16aと16bとを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実装形態では、これより多い数、または少ない数の副層も含まれ得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と電気伝導特性の両方で構成され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bの一方は、モリブデンクロム(モリクロム(molychrome)またはMoCr)、または好適な複素屈折率をもつ他の材料を含むことができる。さらに、副層16aおよび16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、マスキングおよびエッチングプロセス、または当技術分野で既知の別の適当なプロセスによって実行され得る。いくつかの実装形態では、副層16aおよび16bのうちの1つは、下にある1つまたは複数の金属層および/または酸化物層(1つまたは複数の反射層および/または導電層など)の上に堆積された上側の副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個別の平行なストリップにパターニングされ得る。図4A〜図4Eでは、副層16aおよび16bは、ある程度厚く示してあるが、いくつかの実装形態では、光吸収層など、光学スタックの副層のうちの少なくとも1つは、(たとえば本開示に示す他の層に対して)かなり薄くなり得る。
[0053] プロセス80はブロック84に進み、光学スタック16の上に犠牲層(sacrificial layer)25を形成する。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で除去される(ブロック90参照)ので、犠牲層25は、得られたIMODディスプレイ要素には示されていない。図4Bは、光学スタック16の上に形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示す図である。光学スタック16の上の犠牲層25の形成は、その後に除去した後で、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図4E参照)をもたらすように選択された厚みで、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(Si)など、二フッ化キセノン(XeF2)でエッチング可能な材料の体積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(スパッタリングなど、多くの異なる技法を含むPVD)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
[0054] プロセス80は、ブロック86において、支持ポスト18などの支持構造の形成を続ける。支持ポスト18の形成は、支持構造開口(support structure aperture)を形成するために犠牲層25をパターニングすることと、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、支持ポスト18を形成するために開口中に(酸化ケイ素のような、ポリマーまたは無機材料などの)材料を堆積させることとを含み得る。いくつかの実装形態では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、支持ポスト18の下側端部が基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することができる。あるいは、図4Cに示すように、犠牲層25に形成された開口は、犠牲層25の中には延びるが、光学スタック16の中には延びないようにすることもできる。たとえば、図4Eは、光学スタック16の上側表面と接触する支持ポスト18の下側端部を示す。支持ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25の上に支持構造材料の層を堆積させることと、犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることとによって形成され得る。支持構造は、図4Cに示すように開口内に位置づけられ得るが、少なくとも犠牲層25の一部分の上に延びることもできる。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、マスキングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替パターニング方法によっても実行され得る。
[0055] プロセス80はブロック88に進み、図4Dに示す可動反射層14など、可動反射層または膜を形成する。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキングおよび/またはエッチングステップとともに、たとえば、(アルミニウム、アルミニウム合金、または他の反射性材料などの)反射層堆積を含む1つまたは複数の堆積ステップを採用することによって形成され得る。可動反射層14は、たとえば、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層と呼ばれることがある。いくつかの実装形態では、可動反射層14は、図4Dに示すように、複数の副層14a、14b、および14cを含み得る。いくつかの実装形態では、副層14aおよび14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、それの機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。いくつかの実装形態では、機械的副層は誘電体材料を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製されたIMODディスプレイ要素中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「非開放(unreleased)」IMODと呼ぶこともある。
[0056] プロセス80は、ブロック90において、キャビティ19の形成を続ける。キャビティ19は、(ブロック84で堆積された)犠牲層25をエッチング液に曝すことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなど、エッチング可能な犠牲材料は、犠牲層25を、固体のXeF2から導出された蒸気など気体または蒸気のエッチング液に、所望の量の材料を除去するのに有効な時間期間だけ曝すことによって、ドライ化学エッチングで除去され得る。犠牲材料は、通常は、キャビティ19の周囲の構造に対して選択的に除去される。ウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングなど、他のエッチング方法も使用され得る。犠牲層25は、ブロック90の間に除去されるので、可動反射層14は、通常はこの段階の後で可動になる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODディスプレイ要素を、本明細書では「開放」IMODと呼ぶことがある。
[0057] いくつかの実装形態では、IMODベースのディスプレイなど、EMS構成要素またはデバイスのパッケージングは、(機械的干渉または潜在的に損害を与える物質からなど)損傷からEMS構成要素を保護するように構成され得るバックプレート(代替的にバックプレーン、バックガラスまたは凹形ガラスと呼ばれる)を含むことができる。バックプレートはまた、限定はしないが、ドライバ回路、プロセッサ、メモリ、相互接続アレイ、蒸気バリヤ、製品ハウジングなどを含む広範囲の構成要素のための構造的支持を与えることができる。いくつかの実装形態では、バックプレートの使用は、構成要素の統合を可能にし、それによってポータブル電子デバイスの体積、重量、および/または製造コストを低減することができる。
[0058] 図5Aおよび図5Bは、EMS要素のアレイ36とバックプレート92とを含むEMSパッケージ91の一部分の概略展開部分斜視図である。図5Aは、バックプレート92の特定の部分をより良好に示すためにバックプレート92の2つの角部が切り取られた状態で示してあり、図5Bは、これらの角部が切り取られていない状態で示してある。EMSアレイ36は、基板20と、支持ポスト18と、可動層14とを含むことができる。いくつかの実装形態では、EMSアレイ36は、透明基板上に1つまたは複数の光学スタック部分16を備えるIMODディスプレイ要素のアレイを含むことができ、可動層14は、可動反射層として実装され得る。
[0059] バックプレート92は、基本的に平面状にすることもできるし、あるいは少なくとも1つの輪郭を有する表面を有することもできる(たとえば、バックプレート92は、凹部および/または突部を有するように形成され得る)。バックプレート92は、透明でも不透明でも、導電性でも絶縁性でも、任意の適当な材料で構成され得る。バックプレート92に適した材料は、限定されないが、ガラス、プラスチック、セラミック、ポリマー、積層体、金属、金属箔、コバール(Kovar)、およびめっきされたコバールを含む。
[0060] 図5Aおよび図5Bに示すように、バックプレート92は、部分的に、または完全にバックプレート92に埋め込まれ得る、1つまたは複数のバックプレート構成要素94aおよび94bを含むことができる。図5Aから分かるように、バックプレート構成要素94aは、バックプレート92に埋め込まれる。図5Aおよび図5Bから分かるように、バックプレート構成要素94bは、バックプレート92の表面に形成された凹部93内に配置される。いくつかの実装形態では、バックプレート構成要素94aおよび/または94bは、バックプレート92の表面から突出していてもよい。バックプレート構成要素94bはバックプレート92の基板20に向いている側に配置されているが、他の実装形態では、バックプレート構成要素は、バックプレート92の反対側に配置され得る。
[0061] バックプレート構成要素94aおよび/または94bは、トランジスタ、キャパシタ、インダクタ、抵抗器、ダイオード、スイッチ、および/あるいはパッケージ化、標準、または個別ICなどの集積回路(IC)など、1つまたは複数の能動または受動の電気的構成要素を含むことができる。様々な実装形態で使用され得るバックプレート構成要素の他の例は、アンテナ、バッテリ、および電気的センサ、タッチセンサ、光学センサ、または化学的センサ、あるいは薄膜堆積デバイスなどのセンサを含む。
[0062] いくつかの実装形態では、バックプレート構成要素94aおよび/または94bは、EMSアレイ36の一部分と電気通信することができる。トレース、バンプ、ポスト、またはバイアなどの導電性構造が、バックプレート92または基板20の一方または両方に形成され得、EMSアレイ36とバックプレート構成要素94aおよび/または94bとの間の電気的接続を形成するために、互いに、または他の導電性構成要素と接触し得る。たとえば、図5Bは、EMSアレイ36内で可動層14から上方に延びる電気接点98と整列され得るバックプレート92の1つまたは複数の導電性バイア96を含む。いくつかの実装形態では、バックプレート92は、バックプレート構成要素94aおよび/または94bをEMSアレイ36の他の構成要素から電気的に絶縁する1つまたは複数の絶縁層も含むことができる。バックプレート92が透湿性材料で形成されるいくつかの実装形態では、バックプレート92の内部表面は、蒸気バリヤ(図示せず)でコーティングされ得る。
[0063] バックプレート構成要素94aおよび94bは、EMSパッケージ91に侵入し得る任意の湿気を吸収するように作用する1つまたは複数の乾燥剤を含むことができる。いくつかの実装形態では、乾燥剤(またはゲッタなど他の湿気吸収材料)は、たとえば接着剤でバックプレート92(またはそこに形成された凹部の中)に取り付けられるシートとして、任意の他のバックプレート構成要素から分離して設けられ得る。あるいは、乾燥剤は、バックプレート92に一体化され得る。いくつかの実装形態では、乾燥剤は、たとえばスプレーコーティング、スクリーン印刷、または任意の他の適当な方法によって、他のバックプレート構成要素の上に、直接または間接的に塗布され得る。
[0064] いくつかの実装形態では、EMSアレイ36および/またはバックプレート92は、バックプレート構成要素とディスプレイ要素との間の距離を維持し、それによりそれらの構成要素の間の機械的干渉を防止するために機械的隔離碍子97を含むことができる。図5Aおよび図5Bに示す実装形態では、機械的隔離碍子97は、EMSアレイ36の支持ポスト18と位置合わせされてバックプレート92から突出するポストとして形成される。別法として、またはこれに加えて、レールまたはポストなどの機械的隔離碍子は、EMSパッケージ91の縁部に沿って設けられ得る。
[0065] 図5Aおよび図5Bには示されていないが、EMSアレイ36を部分的または完全に取り囲むシールが、設けられ得る。バックプレート92および基板20とともに、シールは、EMSアレイ36を取り囲む保護キャビティを形成することができる。シールは、従来のエポキシ系接着剤など、半密閉シールであってもよい。いくつかの他の実装形態では、シールは、薄膜金属溶接またはガラスフリットなど、密閉シールであってもよい。いくつかの他の実装形態では、シールは、ポリイソブチレン(PIB)、ポリウレタン、液体塗布ガラス、はんだ、ポリマー、プラスチック、または他の材料を含み得る。いくつかの実装形態では、機械的隔離碍子を形成するために補強シーラントが使用され得る。
[0066] 代替の実装形態では、シールリングが、バックプレート92または基板20の一方または両方のいずれかの延長部を含み得る。たとえば、シールリングは、バックプレート92の機械的延長部(図示せず)を含み得る。いくつかの実装形態では、シールリングは、Oリングまたは他の環状部材など、別個の部材を含み得る。
[0067] いくつかの実装形態では、EMSアレイ36とバックプレート92は、互いに取り付けられる、または結合される前に、別々に形成される。たとえば、上述のように、基板20の縁部は、バックプレート92の縁部に取り付けられ、密封され得る。あるいは、EMSアレイ36およびバックプレート92は、EMSパッケージ91として形成され、一体化され得る。いくつかの他の実装形態では、EMSパッケージ91は、バックプレート92の構成要素を堆積によってEMSアレイ36の上に形成するなど、任意の他の適当な方法で作製され得る。
[0068] 図1のIMOD12は、2つの位置、電圧が可動層14と導電吸収体層(conductive absorber layer)16との間に印可されない緩和位置と、可動層14を導電吸収体層16に対して押しつぶすのに十分な電圧が印加された作動状態とだけで示される。しかし、IMOD12は、多状態またはアナログもしくはほぼアナログ式に駆動される可能性もある。IMOD12などのEMSデバイスは、本質的に、電極のうちの1つが別の電極に対して相対的に可動である平行板キャパシタとして機能する可能性がある。可動層14などの可動電極は、可動電極と導電吸収体16などの固定電極との間の電圧の差の結果として生じる静電気力と、休止位置(resting position)からの可動層14のずれが原因である復元力との間の平衡位置に移動する。一部の実装形態では、可動層14または同様の可動電極は、反射層を含む可能性があり、本明細書では交換可能であるようにミラーまたは可動ミラーと呼ばれる可能性がある。しかし、たとえ特定の実装形態がミラーまたは可動ミラーに言及する可能性があるとしても、それらの実装形態の説明は、別途明示的に記載されていない限り、可動層が比較的反射しないかまたはそれ以外の点でミラーとして比較的適さない可能性がある他の限定を除外するように必ずしも意図されていないことが理解されるであろう。
[0069] 図6は、IMODが多状態式に駆動される例を示す概略断面図である。多状態という用語は、特に、IMODがなるように駆動され得るあり得る状態の数が非常に多いときにIMODをアナログ式に駆動する考え方を含む可能性もある。アレイドライバ22または別の電圧源が、キャビティ19の最大高さhと安定的な移動範囲RSの端(end)の最小安定高さ(minimum stability height)hSとの間のIMOD12の安定的な移動範囲RS内で可動層14を動かすために、可動層14と導電吸収体16との間にIMOD12の作動電圧未満の電圧を印加するために使用される可能性がある。電圧が可動層14と導電吸収体16との間に直接印可される示された実装形態では、安定的な移動範囲RSは、最大ギャップ高さhの高さのおよそ3分の1になる。IMOD12の作動電圧以上である電圧を印加すると、可動層14は、導電吸収体層16に対してつぶれる。
[0070] 可動ミラー14が導電吸収体層16に対して相対的に動かされるとき、ミラー14と光吸収体16との間のギャップ19の高さが変わり、IMOD12によって反射される色が変わる。したがって、多状態式に駆動されるIMOD12は、特定の電圧の印加に応じて特定の色の応答を与えることができる。この色の応答は、IMOD12の構成要素のための特定の材料の選択と、ミラー14が押しつぶされた状態にあるときにミラー14と光吸収体16との間の所望の間隔を維持するための可動ミラー14と光吸収体16との間への介在層の挿入とによって部分的に制御される可能性がある。
[0071] しかし、IMOD12の制限された安定的な移動範囲は、多状態式に駆動されるときに、IMOD12の安定的な移動範囲内のあり得る色の範囲に制約(constraint)を課す。一部の実装形態では、たとえば、押しつぶされた位置で白状態を有するIMOD12の設計が、IMOD12の安定的な移動範囲の外のギャップの最下部の付近でIMOD12の黒状態をもたらす。より広く言えば、IMOD12の安定的な移動範囲は、IMOD12によって反射され得る色を制約(constrain)する可能性があり、IMOD12の安定的な移動範囲の外のミラー14の位置は、安定的な移動範囲がより広かったとした場合にIMOD12によって反射され得るであろう、さらなる色に対応する可能性がある。たとえIMOD12が所望の範囲の色を反射するのに十分なだけ広い安定的な移動範囲を有するように設計されるとしても、IMOD12の製造の際の不備が、実際にはIMOD12の実際の安定的な移動範囲を狭める可能性があり、より広い安定的な移動範囲は、高められた信頼性をもたらす。一部の実装形態では、IMODまたは同様のEMSデバイスの構造は、可動ミラーなどの可動層のための広げられた安定的な移動範囲を提供するように修正され得る。
[0072] 図7は、絶縁された電極を含む多状態IMODの別の例の例を示す概略断面図である。IMOD100は、基板120によって支持された光吸収体116を含む。上述のように、光吸収体116は、示されたように固定電極として働く可能性があり、または固定電極の一部を形成する別の導電層に隣接して形成される可能性がある。可動層130は、最大高さhを有するギャップ119によって光吸収体116と分離されている。可動層130は、可動層130の光吸収体116の反対側に配置された駆動電極160と、誘電体層150と、誘電体層150の駆動電極160の反対側に配置された絶縁された電極140とを含む。絶縁された電極140は、図1および6のIMOD12の反射体14と同様のIMOD100のミラーまたは反射層として働き得る。
[0073] 一部の実装形態ではアレイドライバおよび関連する回路である可能性がある電圧源122は、駆動電極160と光吸収体116との両方と電気的に連通し、駆動電極130と光吸収体116との間に電圧を印加して、光吸収体116に対して相対的な可動層130の位置を制御し、IMOD100によって反射される色を変えることができる。図1および6のIMOD12の反射体14とは異なり、絶縁された電極140は、電圧源122または他のアレイドライバ回路と電気的に連通していない。電圧源122および関連する回路は、上述の双安定動作とは対照的に、複数の別々の駆動電圧を印加して、IMOD100を多状態、ほぼアナログ、またはアナログ式に駆動するように構成される。
[0074] 絶縁されたまたは「浮遊(floating)」電極140が駆動電極160と光吸収体116と間に配置されるので、IMOD100は、もはや、駆動電極160と光吸収体116とをキャパシタの電極版とする単一のキャパシタとして振る舞わず、むしろ、互いに直列の2つのキャパシタとして振る舞う。このおかげで、ミラーの安定的な移動範囲が実質的に広げられ、多状態式に駆動されるときにIMOD100によって反射され得る色の範囲を大きく広げる。一部の実装形態では、誘電体層150の厚みは、可動層130の有効な安定的な移動範囲が駆動電極160と光吸収体116との間の電気的距離のおよそ1/3であるように選択される。誘電体層150の厚みが十分に厚いとき、可動層130の安定的な移動範囲は、最初のギャップの距離のおよそ60%まで広げられ得る。しかし、可動層130のばらつきまたは不備が、理想的な安定的な移動範囲RIの理論上の端(end)が到達される前に可動層130の安定的な移動範囲を制限する可能性がある。他の実装形態では、直列のキャパシタは、可動層130自体の中に実装されるのではなく、アレイドライバ122に関連する回路内の駆動薄膜トランジスタに実装される可能性がある。
[0075] 一部の実装形態では、上述のように、IMOD100の安定的な範囲は、ギャップ119の残りの中に安定的な位置がないためであるが、しかし、むしろ可動層130の傾きまたは回転の不安定のために理想的な安定的な移動範囲RIの理論上の端で光吸収体116に対する可動層130の押しつぶしをともなわずに終了(terminate)し得る。製造の不備によって、可動層130は、可動層130の片側の復元力が可動層130の反対側の復元よりも大きいようにしてわずかに非対称的に支持される可能性がある。可動層130がギャップを通る距離のおよそ60%の点を超えて移動し、ギャップ119が最小安定高さhsまで縮められるとき、復元力のこの不均衡が、ミラーの最初の傾きを引き起こす。最小安定高さhsは、理想的な安定的な移動範囲RIの中にあるが、実際には実際の安定的な移動範囲RSは、理想的な安定的な移動範囲RIよりも狭い。可動層130のこの傾きは、光吸収体116に最も近い絶縁された電極140の部分上のさらなる電荷の蓄積を誘起し、可動層130のその端部を光吸収体116に対して押しつぶす。
[0076] 一部の実装形態では、電荷の蓄積の累積的効果は、可動層内の電荷の蓄積を抑制することによって最小化または制御され得る。特に、浮遊電極を複数の絶縁された電極セグメントに分割することによって、それらのセグメントの間の電荷の流れが抑えられ、IMODなどのEMSデバイスの安定的な移動範囲を広げことができる。
[0077] 図8Aは、絶縁された電極が複数の絶縁された電極セグメントに分割される多状態IMODの別の例の例を示す概略断面図である。図8AのIMOD200は、図1のIMOD100と同様であり、基板202によって支持され、最大高さhを有するギャップ219によってミラー230などの可動層と離間された光吸収体216を含む。ミラー230は、複数の絶縁された電極セグメント240aおよび240b、ならびに絶縁された電極セグメント240aおよび240bとして誘電体層250の反対側に配置された駆動電極260を含む。電極セグメント240aおよび240bが互いにおよびIMOD200の他の導電構成要素と電気的に絶縁されたままであることを保証するために、下側誘電体層252などのさらなる誘電材料が、電極セグメント240aおよび240bの下および間に延びる可能性がある。アレイドライバおよび関連する回路などの電圧源222が、駆動電極260と光吸収体216との間に電圧を印加するために使用され得る。上で検討されたように、アレイドライバおよび関連する回路はプロセッサと通信し、プロセッサがアレイドライバと関連する回路とを介して駆動電極260と光吸収体216との各々と通信することを可能にし得る。
[0078] 図8Bは、図8Aの線8B−8Bに沿った図8Aの多状態IMODの可動層の断面図である。ミラー230が誘電材料250の一部によって互いに分離された4つの対称的な電極セグメント240a〜240dを含むことが分かる。特に、電極セグメントは、ミラー220の回転の2つの垂直な軸に沿って分割される。誘電材料252の帯状部分254が、電極セグメント240aおよび240bを電極セグメント240cおよび240dからそれぞれ絶縁する。同様に、誘電材料252の帯状部分256が、電極セグメント240aおよび240cを電極セグメント240bおよび240dからそれぞれ絶縁する。概して、帯状部分254および256は、浮遊電極を回転の2つの垂直な軸に沿って分割するために、示されたように互いに垂直である。誘電材料の外側区域245は、電極セグメント240a〜240dを完全に包み込むように電極セグメント240a〜240dの外縁部の周りに延びる。
[0079] IMOD200の複数の電極セグメント240a〜240dへの浮遊電極の分割は、図2Aおよび2Bを示しておりミラー230の安定的な移動範囲RSを広げる。傾きの不安定がミラー230の押しつぶしを引き起こす最小安定高さhSは、図7に示すIMOD100の最小安定高さhSと比較されるとき、光吸収体216により近い。上述のように、ミラー230の安定的な移動範囲RSのこの拡大は、電極セグメント240a〜240dの互いの絶縁による。ミラー230の実際の安定的な移動範囲RSはIMOD100のミラー130の安定的な移動範囲(図7参照)よりも理想的な安定的な移動範囲RIに近いことが、図8Aから分かる。
[0080] ミラー230が傾き始めるとき、絶縁された電極セグメント240a〜240dのうちの2つが、光吸収体216のより近くに配置され、絶縁された電極セグメント240a〜240dのうちの2つが、光吸収体216のより遠くに配置される。光吸収体216に最も近い電極セグメント240a〜240dの外縁部に移る電荷の量は、絶縁された電極が単一の電極であったとした場合に絶縁された電極の外縁部に移るであろう、電荷の量よりも少ない。一部の実装形態では、光吸収体216に最も近い電極セグメント240a〜240dの外縁部に移る電荷の量は、絶縁された電極が単一の電極であったとした場合に絶縁された電極の外縁部に移るであろう、電荷の半分ほどである可能性がある。分割された電極の外縁部に移る電荷の正確な量は、異なる実装形態で変わる可能性があり、傾けられた電極の電荷の非線形の静電容量の分布が原因で半分をわずかに超える可能性があるが、それでも、非分割された電極よりも著しく少ない。電荷の蓄積のこの分割は、下に傾けられていないミラー230の側面のより遠い電極セグメント上の電荷が分割している誘電材料254または256を通して移動することができないために起こる。もっと正確に言えば、下に傾けられていないミラー230の側面の電極セグメントの電荷が、分割している誘電材料254または256に隣接するこれらのより遠い電極セグメントの内縁部に蓄積する。したがって、電極セグメント240a〜240dは、ミラー230の安定的な位置の範囲を広げるためにミラー230内の電荷の不均衡な蓄積を抑えるための手段を提供する。
[0081] これらの内縁部が下に向かっておよび光吸収体216に向かって傾けられたミラー230の端部からオフセットされるので、より遠い電極セグメントの端部の電荷の蓄積が原因である静電気引力(electrostatic attraction)によって誘起される回転モーメントは、絶縁された電極が連続した構造であったとした場合に誘起される回転モーメントほど大きくならない。より小さい回転モーメントは、より遠い電極セグメント上電荷の蓄積の位置とミラー250の傾きまたは回転の軸との間のより短い距離が原因である。浮遊電極が4つの概して対称的な電極セグメント240a〜240dに分割される示された実装形態では、より遠い電極セグメントの対の電荷の蓄積が、ミラー230の回転の軸に非常に近い点で働く力を及ぼし、したがって、ミラー230に対して回転モーメントをほとんど及ぼさない可能性がある。
[0082] ミラー230を傾けることが原因で移される可能性がある電荷が電極セグメント240a〜240dの分割によって抑制(constrain)されるので、IMOD200のミラー230の安定的な移動範囲RSが、最大ギャップ高さhのおよそ80%に広げられる。所与のIMODの設計に関して、浮遊電極の分割は、図7に示すIMOD100の電極140などの連続した浮遊電極を含む同じ設計と比較されるとき、IMOD200によって反射され得る色の範囲を著しく広げることができる。
[0083] 絶縁された電極セグメントと取り囲む誘電材料とは、電圧セグメントの電気的な絶縁を保証するように設計され、製造される。電極セグメントが十分に絶縁されず、時間が経つにつれて電極セグメントに電荷が蓄積する場合、EMSデバイスの動作は影響を受ける。電極セグメントの絶縁のために、一部の実装形態では、蓄積された電荷は、取り除くことが難しいかまたは不可能である可能性がある。
[0084] 図9A〜9Eは、絶縁された電極セグメントを有する多状態式IMODを製造するプロセスの様々な段階の断面図である。図10は、図9A〜9Eに示された段階を含み得る、絶縁された電極セグメントを有する多状態式IMODのための製造プロセスを示す流れ図である。一部の実装形態では、製造プロセスは、図4A〜4Cに関連して図示され、説明された段階も含む可能性がある。
[0085] 製造プロセス400は、少なくとも第1の誘電体層が犠牲層の上に形成されるブロック405において始まる。図9Aから分かるように、導電吸収体層316が、基板302の上に形成され、犠牲層325が、導電吸収体層316の上に形成され、第1の誘電体層352が、犠牲層325の上に形成される。
[0086] 図4A〜4Cに関連して上で検討されたように、導電吸収体層316は、単一の層である必要はなく、その代わりに、光吸収体層と導電層とを含む可能性があり、追加的な光学層が、犠牲層325の形成の前に導電吸収体層316の上に形成される可能性がある。導電バス構造(conductive bussing structure)またはマスキングもしくは遮蔽構造などの図9Aに示されていないさらなる構成要素も、犠牲層325の形成の前に形成される可能性がある。導電吸収体層316は、犠牲材料325の形成の前に帯状電極を形成するようにパターニングされる可能性があり、犠牲層は、たとえば、図4Cに関連して説明されたように、上に重なる層の堆積の前に(図9Aに示されていない)支持構造のための開口を形成するように同様にパターニングされる可能性がある。
[0087] 一部の実装形態では、第1の誘電体層352は、2つ以上の層を含む可能性があり、誘電体層352内の1つの層または複数の層の材料と厚みとは、それらの光学的特性のために選択され得る。非光学EMSデバイスが形成されるときなど、他の実装形態では、導電吸収体層316は、不透明な材料で置き換えられる可能性があり、誘電体層352の光学的特性は、重要でない可能性がある。
[0088] IMODまたは他の光学EMSデバイスの一部の実装形態では、第1の誘電体層352は、便宜的に「層(layer)」と呼ばれ、図8Aと、図9Aと、本明細書全体の他の場所とに単一の層として示されるにもかかわらず、犠牲層325の上に形成された別々の誘電体層のスタックである可能性がある。たとえば、第1の誘電体層352は、一部の実装形態では、犠牲層325の上に形成され、高屈折率の材料を含む第1の誘電体副層(dielectric sublayer)と、それに続く、第1の誘電体副層の上に形成され、第1の誘電体副層を形成する材料よりも低い屈折率の別の材料を含む第2の誘電体副層とを含むスタックである可能性がある。より低い屈折率の誘電体副層は、より高い屈折率の誘電体副層の波長分散(chromatic dispersion)よりも小さな波長分散を有する可能性がある。一部の実装形態では、より高い屈折率の誘電体副層は、二酸化チタン(TiO2)、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、または五酸化ニオブ(Nb2O5)を含み得るが、他の誘電材料も使用される可能性がある。同様に、一部の実装形態では、より低い屈折率の誘電体副層は、二酸化ケイ素(SiO2)または酸窒化ケイ素(silicon oxynitride)(SiON)などの材料を含み得る。
[0089] 一部の実装形態では、第1の誘電体層352は、第1の誘電体層352が導電吸収体層316などの動かない電極に対して押しつぶされるときに干渉変調器が白色を反射することができ、可動層が安定的な位置の範囲内の少なくとも1つの位置に維持されるときに黒く見えるように干渉変調器が構成されるように構成された誘電体スタックを含み得る。
[0090] 1つの特定の実装形態では、第1の誘電体層352は、犠牲層325の上形成され、厚みおよそ21nmのTiO2の層を含む第1の誘電体副層と、第1の誘電体副層の上に形成され、厚みおよそ80nmのSiONの層を含む第2の誘電体副層とを含み得る。別の特定の実装形態では、第1の誘電体層352は、犠牲層325の上形成され、厚みおよそ31nmのTiO2の層を含む第1の誘電体副層と、第1の誘電体副層の上に形成され、厚みおよそ72nmのSiONの層を含む第2の誘電体副層とを含み得る。他の特定の実装形態では、第1の誘電体層352内の誘電体副層を形成するために他の材料および/または他の厚みが用いられる可能性があり、任意の適切な数の副層(sublayer)が第1の誘電体層352に含まれる可能性がある。
[0091] 他の実装形態では、より高い屈折率の材料がその後堆積される分割された電極および/または反射体により近くなるように、より高い屈折率の材料から形成される誘電体副層がより低い屈折率の材料から形成される誘電体副層の後および上に形成され得るように、第1の誘電体層352を形成する層のスタック内の誘電体副層の順序が逆にされる可能性がある。
[0092] それから、製造プロセス400は、第1の電極層が第1の誘電体層の上に形成されるブロック410に進む。図9Aからやはり分かるように、第1の電極層340は、第1の誘電体層352の上に形成される。第1の電極層340は、多状態式IMODのミラーとして働く可能性があり、第1の電極層340の材料と厚みとは、電極層340の反射率に部分的に基づいて選択される可能性がある。一部の実装形態では、電極層340は、アルミニウム(Al)またはアルミニウム合金の層を含み得る。しかし、上述のように、非光学EMSデバイスでは、電極層340の反射率は重要でない可能性があり、比較的反射しない材料が使用される可能性がある。
[0093] それから、製造プロセス400は、第1の電極層が複数の絶縁された電極セグメントを形成するようにパターニングされるブロック415に進む。図9Bから分かるように、第1の電極層340は、少なくとも絶縁された電気的セグメント340aおよび340bを形成するようにパターニングされている。一部の実装形態では、第1の電極層340は、製造されているそれぞれの多状態式IMOD要素のための絶縁された電気的セグメント340aおよび340bなどの4つの対称的な絶縁された電極セグメントを形成するようにパターニングされる。しかし、他の実装形態では、他の数および形状の絶縁された電気的セグメントが、形成される可能性がある。絶縁された電気的セグメントの数を5つ以上に増やすことは、完成したIMODの可動層の安定的な移動範囲を広げ得る。しかし、絶縁された電気的セグメントの数のさらなる増加は、絶縁された電気的セグメントの間のさらなる切り取り部分のために絶縁された電気的セグメントによって覆われる総面積を減らし、IMODの作動電圧を高め、ミラーの開口率を下げる。
[0094] それから、製造プロセス400は、第2の誘電体層が複数の絶縁された電極セグメントの上に形成されるブロック420に進む。図9Bからやはり分かるように、第2の誘電体層350は、絶縁された電気的セグメント340aおよび340bの上に延び、第1の誘電体層352と共に絶縁された電気的セグメント340aおよび340bを囲む。したがって、絶縁された電気的セグメント340aおよび340bは、絶縁された電気的セグメント340aおよび340bの間の領域356などの領域を満たす誘電材料によって全面を囲まれている。示された実装形態では、第2の誘電体層350の上面は、平坦であるものとして示されているが、一部の実装形態では、第2の誘電体層350は、下の絶縁された電気的セグメント340aおよび340bに共形的(conformal)である可能性がある。第2の誘電体層350および任意の上に重なる層の形状は、第2の誘電体層350を形成するために使用される材料と堆積プロセスとに基づいて変わり得る。第1の誘電体層352に関連して上で検討されたように、第2の誘電体層350は、一部の実装形態では、層のスタックを含む可能性もあり、便宜的におよび明瞭にするために単一の層として示され、説明される。
[0095] それから、製造プロセス400は、第2の電極層が第2の誘電体層の上に形成されるブロック425に進む。図9Bから分かるように、第2の電極層360は、絶縁された電気的セグメント340aおよび340bを形成するようにパターニングされた第1の電極層340と同様の厚みである可能性がある。第1の電極層340と同じ材料から、ほぼ同じ厚みで第2の電極層360を形成することによって、堆積の条件または温度の変化が原因である可能性がある電極層340および360内の応力が概して互いに釣り合い、可動層の望ましくない湾曲を防止し得る。一部の実装形態では、誘電体層352を形成するために使用される1つの層または複数の層と同じ厚みであり、同じ材料から形成されるさらなる層(図示せず)が、さらなる対称性と応力の均衡とをもたらすために第2の電極層360の上に形成される可能性がある。
[0096] 図10に示されたブロックに後続して、リリースエッチング(release etch)が、犠牲層を取り除き、IMODをリリースする(release)ために実行される。図9Dは、犠牲層325(図9C参照)を取り除いてキャビティ319を形成するためにリリースエッチングが実行された後のIMOD300を示す。
[0097] 第1の誘電体層352と、第2の誘電体層350と、第2の電極層360とは、導電吸収体316に向かう可動層またはミラー330の動きを容易にし、隣接するIMOD300を互いに電気的に絶縁するようにすでにパターニングされている可能性がある(図示せず)。一部の実装形態においては、これらの層のうちの1つまたは複数が、すべての上に重なる層の堆積の前にパターニングされる可能性があるが、他の実装形態では、これらの層は、第2の電極層360とすべての上に重なる層との形成後の1つまたは複数のエッチングプロセスによってパターニングされる可能性がある。一部の実装形態において、可動層330は、IMOD300の行または列に沿って延び接続する帯状部分を形成するようにパターニングされる可能性があり、可動層330が静電気的に下向きに引かれるときに、可動層330の少なくとも絶縁された電気的セグメント340aおよび340bが導電吸収体層316に実質的に平行な位置に残ることを容易にするためにさらなる横方向の切り取り部分を含む可能性がある。他の実装形態では、可動層330は、絶縁された電気的セグメント340aおよび340bを含む可動層330の部分を支持する材料の綱状部(tether)または帯状部(strip)を形成するようにパターニングされる可能性がある。
[0098] 図11は、支持アームを含むようにパターニングされた可動層の例の断面図である。絶縁された電極セグメント540a〜540dを通って延びる断面で示された可動層530が、絶縁された電極セグメント540a〜540dを含む中心領域542の各々の側面から延びる支持アーム570を含むようにパターニングされていることが分かる。各支持アーム570は、接続領域572を介して中心領域542の1つの側面に沿って中心領域542と接触する。また、各支持アーム570は、支持アーム570が取り付けられる中心領域542の側面に概して平行に延びる。支持アーム570の端部574は、たとえば、導電吸収体層の上に可動層530を懸下するための支持構造(図示せず)と接触する可能性がある。図11の断面図では見えないが、可動層530は、絶縁された電極セグメントから電気的に絶縁された駆動電極も含む。駆動電極は、たとえば、支持アーム570のうちの少なくとも1つに沿って延びる駆動電極を形成するために使用される同じ金属層の連続した部分を介してアレイドライバおよび関連する回路と電気的に接続される可能性がある。
[0099] 一部の実装形態では、EMSデバイス構造の構造は、EMSデバイスの安定的な移動範囲を広げるために上で検討された実装形態と併せて他の方法で修正され得る。他の実装形態では、可動層の下にある固定電極の面積が、可動層の1つの端部の電荷の蓄積によって誘起される可能性がある傾斜モーメント(tilting moment)を最小化するために削減される可能性がある。固定電極が引き続き実質的に中心に置かれたままでありながらより小さくされる場合、電荷の蓄積によって誘起される傾斜モーメントの大きさは、力が傾斜軸により近い可動層上の点で働くことを保証することによって削減され得る。しかし、電極のサイズのこの削減は、上で検討されたように、ミラーを作動させるために必要な電圧を高める可能性があり、したがって、広げられた安定範囲と、デバイスを駆動するために必要とされる増やされた電力消費との間のトレードオフを表す。
[0100] 電極の分割は、その電極が別の導電層に近づけられているときにはいつも、その電極、またはそのような電極を含む可動層の安定的な移動範囲を広げるために使用され得る。他の実装形態では、たとえば、EMSデバイスの設計および/または動作の増加した複雑さという代償を払ってEMSデバイスの安定的な移動範囲を広げ得る、EMSデバイスの可動層を相対する方向に静電気的にずらすように構成された2つの電極を含む可能性がある3端子EMSデバイスが提供され得る。3端子EMSデバイスでは、したがって、他の電極によって生成される電界内にある浮遊電極の分割は、浮遊電極状の不均衡な電荷の蓄積が原因である傾きを同様に防止することができる。
[0101] 本明細書に記載の実装形態の他の修正および組合せも、あり得る。たとえば、一部の実装形態は、EMSデバイスの安定的な移動範囲をさらに広げるために分割された浮遊電極とより小さな固定電極とを含む可能性がある。一部の実装形態では、固定電極のサイズを小さくすることが、光吸収体のサイズを小さくする可能性があり、その小さくすることが、ひいては、EMSデバイスが干渉変調器などのディスプレイ要素であるときにEMSデバイスの光学的に活性な領域のサイズを小さくする可能性がある。さらなる実装形態では、固定電極のサイズが、光吸収体を駆動回路および構成要素と電気的に連通する電気的に活性な内部領域と、電気的に活性な内部領域と電気的に絶縁される電気的に不活性な外部領域とに分割することによって、ディスプレイの光学的に活性な領域を大きく減らすことなく削減され得る。分割された光吸収体を設けることによって、ディスプレイ要素の光学的に活性な領域の減少を最小化するために、光吸収体の総面積が分割された電極の総面積と実質的に同じサイズであり得る一方で、高まった作動電圧という代償を払って傾斜モーメントを削減するために固定電極のサイズが削減され得る。他のそのような実装形態では、固定電極が、光吸収体とは別個の構成要素である可能性があり、光吸収体層の上または下に配置され、光吸収体と電気的に絶縁される可能性がある。
[0102] たとえば、図12Aは、光吸収体が複数の絶縁された電極セグメントに分割されるアナログIMODの別の例の例を示す概略断面図である。図12AのアナログIMOD600は、基板602によって支持され、第1の駆動電極612と、絶縁された光吸収体セグメント(isolated optical absorber segment)618aおよび618bを含む分割された光吸収体とを含む光スタック610を含む。第1の誘電体層615は、第1の駆動電極612を絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bから電気的に絶縁し、絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bの上に重なる第2の誘電体層620は、絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bの上と側面とを覆い、絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bの電気的な絶縁を保証する。
[0103] 図12AのアナログIMOD600は、可動層630も含む。示されるように、可動層630は、第2の駆動電極640と、上で検討されたように誘電材料から形成される可能性がある支持層650と、駆動電極としての支持層650の反対側のさらなる層660とを含む。図7に示された実装形態とは対照的に、たとえば、第2の駆動電極640は、さらなる層660から電気的に絶縁される必要がなく、アナログIMOD600で主として機械的な機能を提供する可能性がある。一部の実装形態では、さらなる層660は、第2の駆動電極640と実質的に同じ材料と厚みとを含む可能性があり、可動層630の変形を制御するために可動層630内の応力を釣り合わせるように働き得る。
[0104] 図12AのアナログIMOD600は、可動層630も含む。示されるように、可動層630は、第2の駆動電極640と、上で検討されたように誘電材料から形成される可能性がある支持層650と、駆動電極としての支持層650の反対側のさらなる層660とを含む。図7の実装形態とは対照的に、たとえば、駆動電極640は、さらなる層660から電気的に絶縁される必要がなく、アナログIMOD600で主として機械的な機能を提供する可能性がある。一部の実装形態では、さらなる層660は、駆動電極640と実質的に同じ材料と厚みとを備える可能性があり、可動層630の変形を制御するために可動層630内の応力を釣り合わせるように働き得る。
[0105] 一部の実装形態では、アレイドライバ622が、第1の駆動電極612と第2の駆動電極640との間に電圧を印加する。前の実装形態に関連して検討されたように、光吸収体の形態の浮遊電極の包含が、可動層の安定的な移動範囲を広げ、絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bを形成するように浮遊電極をパターニングすることが、可動層630の安定的な移動範囲を理想的な安定的な移動範囲RIにより一層近い安定的な移動範囲RSへとさらに広げる。特に、浮遊電極を絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bへとパターニングすることによって、浮遊電極の端部に蓄積し得る電荷の量が削減される。そして今度は、これが、可動層630の端部に働く可能性がある静電気力の局所的な増加を最小化し、傾きの不安定が光スタック610への可動層の押しつぶしを引き起こす前に安定的な移動範囲を広げる。
[0106] 図12Bは、図12AのアナログIMODの例示的な光吸収体の断面図である。光吸収層が4つの電気的に絶縁された光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dを形成するようにパターニングされていることが、図12Bから分かる。第2の誘電体層620からの誘電材料で満たされたギャップ617aが、電極セグメント240aおよび240bを電極セグメント240cおよび240dからそれぞれ絶縁する。同様に、第2の誘電体層620からの誘電材料で満たされたギャップ617bが、電極セグメント240aおよび240cを電極セグメント240bおよび240dから絶縁する。可能な限り大きな開口率(fill factor)を維持するために、ギャップ617aおよび617bの幅は、絶縁された光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dの間の電気的な絶縁を引き続き維持しながら可能な限り小さくされ得る。一部の実装形態では、ギャップ617aおよび617bは3umの幅である可能性があるが、使用される製造プロセスと材料とに応じて、より広いまたはより狭い幅を有するギャップが使用される可能性もある。第2の誘電体層620からの誘電材料は、絶縁された光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dの電気的な絶縁を高めるために、絶縁された光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dの端部の周りにも延びる。
[0107] 図13A〜13Cは、絶縁された電極セグメントを含む光吸収体を有するアナログIMODを製造する例示的なプロセスの様々な段階の断面図である。図13Aでは、第1の駆動電極層が、基板602上に形成され、1つまたは複数の駆動電極612を形成するようにパターニングされている。上で検討されたように、駆動電極612は、一部の実装形態では、実質的に透明な厚みの、ITOなどの導電性酸化物(conductive oxide)のを含むが、他の材料も使用され得る。
[0108] 図13Bでは、第1の誘電体層615が、駆動電極612の上に形成されており、光吸収体層616が、第1の誘電体層615の上に形成されている。第1の誘電体層615が駆動電極612と光吸収体層616との間に配置されているので、光吸収体層616は、駆動電極612から電気的に絶縁され、浮遊電極として働くことができる。代替的な実装形態(図示せず)では、第1の駆動電極612が、基板602の光吸収体層616の反対側に形成される可能性があり、基板602自体が、光吸収体層616を第1の駆動電極612から電気的に絶縁するために使用され得る。
[0109] 図13Cでは、光吸収体層616が絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bを形成するようにパターニングされている。示された実装形態では、光吸収体層616が、ページ(page)内に延び、絶縁された光吸収体セグメント618aを絶縁された光吸収体セグメント618bから分離する1つのギャップ617bと、ギャップ617bと概して垂直に延びる第2のギャップ(図示せず。図12Bのギャップ617a参照)と、を形成することによって4つの絶縁された光吸収体セグメントを形成するようにパターニングされている。上で検討されたように、光吸収体層616は、他の実装形態では、より多いまたは少ない数の絶縁された光吸収体セグメントを有する他のパターンを形成するようにパターニングされる可能性がある。光吸収体層616をパターニングした後、第2の誘電体層620が、絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bの上に形成されており、それらの光吸収体セグメント618aおよび618bの間のギャップ617bを満たし、絶縁された光吸収体セグメント618aおよび618bの上と外縁部上とに延びて、EMSデバイスの隣接するまたは上に重なる構成要素(図示せず)からの電気的な絶縁を与える。
[0110] 上で検討されたように、ギャップ617aおよび617bが可能な限り狭くされる場合、光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dの総計のサイズが可能な限り大きくされ、反射層が光吸収体から離間されるアナログIMOD600の光学的に活性な領域を大きくすることができる。図14Aおよび14Bは、絶縁された電極セグメントを含む光吸収体の開口率を大きくするアナログIMODを製造する例示的なプロセスのさらなる段階の断面図である。図14Aおよび14Bに示されるプロセスは、図13A〜13Cに示された段階の後に続く可能性がある。図14Aでは、光吸収体材料の層724が第2の誘電体層620の上に堆積されていることが分かる。層724は、光吸収体層616で使用された同じ材料を含む可能性がある。
[0111] 図14Bでは、光吸収体材料の層724が、十字形の光吸収体726(図15参照)を形成するために、ページの中に延びる光吸収体材料の帯状部分726bと、光吸収体の帯状部分726bに概して垂直に延びる帯状部分726a(図示せず。図15参照)と、を形成するようにパターニングされている。
[0112] 図15は、図14BのアナログIMODの例示的な光吸収体の断面図である。光吸収体の帯状部分726aが、電極セグメント240aおよび240bを電極セグメント240cおよび240dから絶縁するギャップ617aの上に重なり、ギャップ617aに位置合わせされ、光吸収体の帯状部分726bが、電極セグメント240aおよび240cを電極セグメント240bおよび240dから絶縁するギャップ617bの上に重なり、ギャップ617bに位置合わせされることが、図15から分かる。光吸収体の帯状部分726aおよび726bは、それらが上に重なるギャップ617aおよび617bよりも幅が広いものとして図14Bおよび15に示されているが、一部の実装形態では、ギャップ617aおよび617bと実質的に同じ幅である可能性があり、またはギャップ617aおよび617bよりも細い幅を有する可能性がある。
[0113] 絶縁された光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dとさらなる絶縁された光吸収体セクション726との間に第2の誘電体層620を形成することによって、実質的に連続しているように見える光吸収体層が、様々な光吸収体構成要素の間の電気的な絶縁を維持しながら提供され得る。特に、絶縁された光吸収体セグメント618a、618b、618c、および618dの間のギャップ617aおよび617bは、さらなる絶縁された光吸収体セクション726によって部分的にまたは完全にマスクされる可能性があり、したがって、様々な光吸収体部分は、基板602に概して直交する方向から見られるとき、単一の光吸収体であるように見える。
[0114] 図16は、図13A〜13Cに示された段階を含み得る、絶縁された電極セグメントを含む光吸収体を有するアナログIMODのための製造プロセスを示す流れ図である。一部の実装形態では、製造プロセスは、図13A〜14Bに関連して図示され、説明された段階も含む可能性がある。
[0115] 製造プロセス800のブロック805においては、少なくとも第1の電極が、基板の上に形成される。図13Aに関連して上で検討されたように、第1の電極は、一部の実装形態では、ITOまたは別の透明な導電性酸化物などの透明な導体を含み得る。
[0116] 製造プロセス800のブロック810において、第1の誘電体層が、第1の電極の上に形成される。製造プロセス800のブロック815において、光吸収体層が、第1の誘電体層の上に形成される。図13Bに関連して検討されたように、第1の誘電体層は第1の電極と光吸収体材料との間の電気的な絶縁を与え、したがって、光吸収体材料が浮遊電極の一部を形成し得る。
[0117] 製造プロセス800のブロック820において、光吸収体層が、絶縁された電極セグメントを形成するようにパターニングされる。一部の実装形態では、2つの垂直なギャップが形成される、同様のサイズと形状との4つの概して長方形の絶縁された電極セグメントを形成し得る。しかし、一部の他の実装形態では、より多い数の絶縁された電極セグメントが可動層の傾きの安定をさらに増加させ、ディスプレイの開口率を小さくする一方で可動層の安定的な移動範囲を増し得るとき、絶縁された電極セグメントの他のパターンが形成される可能性がある。
[0118] 製造プロセス800のブロック825において、パターニングされた光吸収体材料によって形成された絶縁された電極セグメントの上に第2の誘電体層が形成される。図13Cに関連して検討されたように、第2の誘電体層は、絶縁された電極セグメントを覆い、絶縁された電極セグメントの間のギャップを満たし、それらを外部構成要素から電気的に絶縁し、さらに互いに電気的に絶縁することができる。
[0119] 上述のように、製造プロセス800は、図16の流れ図に示されていないさらなる処理段階を含み得る。たとえば、ブロック820で形成される絶縁された電極セグメントの間のギャップの上に重なるように寸法を決められたさらなる光吸収体構造が、第2の誘電体層の上に形成される可能性があり、第3の誘電体層が、さらなる光吸収体構造の上に形成される可能性がある。
[0120] 図17Aおよび図17Bは、複数のIMODディスプレイ要素を含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、携帯電話、またはモバイル電話とすることができる。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはそれの軽微な変形は、テレビジョン、コンピュータ、タブレット、電子リーダ、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアデバイスなど、様々なタイプのディスプレイデバイスをも示す。
[0121] ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカ45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形、および真空成形を含む、様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定されないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴムおよびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかで構成され得る。ハウジング41は、異なる色の、あるいは異なるロゴ、写真、またはシンボルを含む、他の取外し可能部分と交換され得る、取外し可能部分(図示せず)を含むことができる。
[0122] ディスプレイ30は、本明細書に記載するように、双安定(bi-stable)ディスプレイまたはアナログディスプレイを含む、様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30は、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含むようにも構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書に記載するように、IMOD型ディスプレイを含むことができる
[0123] ディスプレイデバイス40の構成要素は、図17Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、少なくとも部分的にはその中に封入された追加の構成要素を含むこともできる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合され得るアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40上に表示され得る画像データのためのソースであり得る。したがって、ネットワークインターフェース27は画像ソースモジュールの一例であるが、プロセッサ21および入力デバイス48も画像ソースモジュールとして働き得る。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、(信号をフィルタ処理するかまたはさもなければ操作するなど)信号を調整するように構成され得る。調整ハードウェア52はスピーカ45とマイクロフォン46とに接続され得る。プロセッサ21はまた、入力デバイス48とドライバコントローラ29とに接続され得る。ドライバコントローラ29はフレームバッファ28とアレイドライバ22とに結合され得、アレイドライバ22はディスプレイアレイ30に結合され得る。図17Aに詳細には示されていない要素を含む、ディスプレイデバイス40の1つまたは複数の要素は、メモリデバイスとして機能するように構成され得、プロセッサ21と通信するように構成され得る。いくつかの実装形態では、電源50は、特定のディスプレイデバイス40の設計では、実質的にすべての構成要素に電力を供給することができる。
[0124] ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43と、トランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は、信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11標準、あるいはIEEE802.11a、b、g、n、およびそれらのさらなる実装形態を含むIEEE802.11標準に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、Bluetooth規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3G、4Gまたは5G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信用グローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile communications)、GSM/汎用パケット無線サービス(GPRS:General Packet Radio Service)、拡張データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、地上基盤無線(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA(登録商標))、エボリューションデータオプティマイズド(EV−DO:Evolution Data Optimized)、1xEV−DO、EV−DO RevA、EV−DO RevB、高速パケットアクセス(HSPA:High Speed Packet Access)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA:High Speed Uplink Packet Access)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+:Evolved High Speed Packet Access)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計され得る。トランシーバ47は、アンテナ43から受信される信号がプロセッサ21によって受信され、さらに操作され得るように、それらの信号を事前処理することができる。トランシーバ47は、プロセッサ21から受信される信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、それらの信号を処理することもできる。
[0125] いくつかの実装形態では、トランシーバ47は、受信機で置換され得る。さらに、いくつかの実装形態では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送信される画像データを記憶または生成することができる画像ソースで置換され得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理され得るフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータを、ドライバコントローラ29に、または記憶するためにフレームバッファ28に、送ることができる。生データは、通常は、画像内の各位置における画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和およびグレースケールレベルを含むことができる。
[0126] プロセッサ21は、マイクロコントローラ、CPU、またはディスプレイデバイス40の動作を制御するための論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、信号をスピーカ45に送信し、マイクロフォン46から信号を受信するために、増幅器と、フィルタとを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であってもよいし、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれていてもよい。
[0127] ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データを、プロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取り込むことができ、その生画像データをアレイドライバ22への高速送信のために適当に再フォーマット化することができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマット化して、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適した時間順序を有するようにすることができる。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマット化された情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、独立型集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21と関連付けられることが多いが、そのようなコントローラは、多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれ得、ソフトウェアとしてプロセッサ21に埋め込まれ得、またはハードウェアでアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
[0128] アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのディスプレイ要素のx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も印加される。
[0129] いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書に記載するタイプのディスプレイのうちのいずれかに適している。たとえば、ドライバコントローラ29は従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODディスプレイ要素コントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイ要素ドライバなど)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODディスプレイ要素のアレイを含むディスプレイなど)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化され得る。そのような実装形態は、たとえばモバイル電話、ポータブル電子デバイス、腕時計、または小面積ディスプレイなど、高度に集積されたシステムで有用であり得る。
[0130] いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえばユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40の入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、マイクロフォン46を通した音声コマンドが、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために使用され得る。
[0131] 電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリまたはリチウムイオンバッテリなどの充電式バッテリであり得る。充電可能バッテリを使用する実装形態では、充電可能バッテリは、たとえば壁ソケット、あるいは光起電力デバイスまたはアレイから取られる電力を使用して充電可能であり得る。代替的に、充電式バッテリはワイヤレス充電可能であり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50は、壁付きコンセントから電力を受けるようにも構成され得る。
[0132] いくつかの実装形態では、制御のプログラム可能性は、電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に位置づけられ得るドライバコントローラ29にある。いくつかの他の実装形態では、制御のプログラム可能性は、アレイドライバ22にある。上述の最適化は、任意数のハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素で、様々な構成で、実施され得る。
[0133] 本明細書で使用される品目のリスト「のうちの少なくとも1つ」という文句は、個々のメンバも含めて、それらの品目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aと、bと、cと、a−bと、a−cと、b−cと、a−b−cとを包含するものとする。
[0134] 本明細書に開示する実装形態に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、またはその両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの交換可能性については、機能性の点からすでに大まかに説明してあり、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップで図示されている。そのような機能性がハードウェアで実装されるかソフトウェアで実装されるかは、システム全体に課される具体的なアプリケーションおよび設計の制約によって決まる。
[0135] 本明細書に開示する態様に関連して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、本明細書に記載する機能を実行するように設計された、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいはそれらの任意の組合せによって実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、DSPとマイクロプロセッサの組合せなどのコンピューティングデバイスの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連付けられた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法は、所与の機能に特有の回路によって実行され得る。
[0136] 1つまたは複数の態様では、記載した機能は、ハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、本明細書に開示の構造およびその構造的均等物を含むファームウェア、またはそれらの任意の組合せで実施され得る。本明細書に記載する対象の実装は、データ処理装置によって実行されるように、またはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち1つまたは複数のコンピュータプログラム命令のモジュールとして実装され得る。
[0137] ソフトウェアで実装される場合には、それらの機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、コンピュータ可読媒体上に記憶され、またはコンピュータ可読媒体を介して送信され得る。本明細書に開示された方法またはアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在できるプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュールにおいて実施され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所にコンピュータプログラムを転送することを可能にされ得る任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体とコンピュータ通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であってよい。例として、限定はされないが、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM(登録商標)、CD−ROMまたは他の光学ディスク(disk)記憶装置、磁気ディスク(disk)記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは命令またはデータ構造の形態の所望のプログラムコードを記憶するために使用され得る、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含み得る。また、任意の接続も、適宜コンピュータ可読媒体と呼ばれ得る。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル汎用ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)、およびblu−rayディスク(disc)を含み、ここで、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再現するものであり、ディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再現するものである。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれ得る。さらに、方法またはアルゴリズムの動作は、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体上のコードおよび命令のうちの1つ、あるいはそれらの任意の組合せまたはセットとして存在し得る。
[0138] 本開示に記載する実装形態の様々な修正は、当業者には容易に明らかになり得、本明細書で定義する包括的な原理は、本開示の趣旨または範囲を逸脱することなく、他の実装形態にも適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示す実装形態に限定されるように意図されたものではなく、本開示ならびに本明細書に開示する原理および新規の特徴と矛盾しない最も広い範囲が認められるものとする。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、たとえば、実装されたIMODディスプレイ要素の適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
[0139] 別個の実装形態という文脈で本明細書に記載される特定の特徴は、単一の実装形態で組み合わせても実装され得る。逆に、単一の実装形態という文脈で記載される様々な特徴も、複数の実装形態で、別個に、または任意の適当な部分的組合せで、実装され得る。さらに、特徴が特定の組合せで作用するものとして上記に記載され、最初にそのように請求されることもあるが、請求される組合せの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから切り離されることもあり、請求される組合せは、部分的組合せ、または部分的組合せの変形を対象とすることもある。
[0140] 同様に、動作は、図面では特定の順序で示されているが、当業者なら、そのような動作が、示される特定の順序または順番で実行される必要はないこと、あるいはすべての図示される動作は、望ましい結果を達成するように実行されることを容易に認識するであろう。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスを、流れ図の形態で概略的に示し得る。しかしながら、示されていない他の動作も、概略的に図示されたそれらの例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のいずれかの前または後に、それと同時に、またはそれらの間に、実行され得る。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上述の実装形態の様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されるプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一体化されることもあれば、複数のソフトウェア製品にパッケージングされることもあることを理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に含まれる。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載されるアクションは、異なる順序でも実行され得、それでも望ましい結果を達成し得る。
[0140] 同様に、動作は、図面では特定の順序で示されているが、当業者なら、そのような動作が、示される特定の順序または順番で実行される必要はないこと、あるいはすべての図示される動作は、望ましい結果を達成するように実行されることを容易に認識するであろう。さらに、図面は、1つまたは複数の例示的なプロセスを、流れ図の形態で概略的に示し得る。しかしながら、示されていない他の動作も、概略的に図示されたそれらの例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のいずれかの前または後に、それと同時に、またはそれらの間に、実行され得る。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上述の実装形態の様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載されるプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一体化されることもあれば、複数のソフトウェア製品にパッケージングされることもあることを理解されたい。さらに、他の実装形態も、以下の特許請求の範囲内に含まれる。いくつかの場合には、特許請求の範囲に記載されるアクションは、異なる順序でも実行され得、それでも望ましい結果を達成し得る。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] 基板によって支持される第1の電極と、
ギャップによって前記第1の電極から分離された可動層と、
前記可動層によって支持される第2の電極と、ここにおいて、前記第1の電極または前記第2の電極のうちの一方が、第1の駆動電極と第2の駆動電極との間に配置された複数の絶縁された電極セグメントを含む、分割された電極であり、ここにおいて、前記複数の絶縁された電極セグメントの各々が、前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極と、他の絶縁された電極セグメントとの両方から電気的に絶縁され、ここにおいて、前記第1の電極または前記第2の電極のうちの他方が、第1の駆動電極として働く、
第2の駆動電極と、ここにおいて、前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極との間の電圧の印加が、前記可動層を静電気的にずらす、
を備える、電気機械システム(EMS)デバイス。
[C2] 前記第1の駆動電極および前記分割された電極が、第1のキャパシタを形成し、前記第2の駆動電極および前記分割された電極が、前記第1のキャパシタと直列の第2のキャパシタを形成する、C1に記載のEMSデバイス。
[C3] 前記デバイスが干渉変調器を含む、C1または2に記載のEMSデバイス。
[C4] 前記可動層が、安定的な位置の範囲で可動であり、前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極との間の電極の印加が、安定的な位置の前記範囲内の位置に前記可動層を維持し、
前記干渉変調器が、前記可動層が前記第1の電極に対してつぶされるときに実質的に白色光を反射することができ、
前記干渉変調器が、前記可動層が安定的な位置の前記範囲内の少なくとも1つの位置に維持されるときに黒く見えることができる、C3に記載のEMSデバイス。
[C5] 前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極との間に電圧が印加されない緩和位置と、前記第1の電極からの最小の安定的な距離との間の安定的な位置の範囲で前記可動層を動かすための、前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極との間の電圧の範囲を印可することができる駆動回路をさらに含む、C1〜4のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C6] 前記最小の安定的な距離が、前記緩和位置と前記第1の電極との間の距離の40%未満である、C5に記載のEMSデバイス。
[C7] 前記第2の電極が、前記分割された電極である、C1または2に記載のEMSデバイス。
[C8] 前記可動層が、
前記第2の駆動電極と、ここにおいて、前記駆動電極と前記第1の電極との間の電圧の印加が、前記可動層を静電気的にずらし、前記複数の絶縁された電極セグメントが、前記第2の駆動電極と固定電極との間に配置される、
前記第2の駆動電極と前記第1の電極との間に配置された誘電体層と、ここにおいて、前記複数の絶縁された電極セグメントの各々が、前記第2の駆動電極と前記他の絶縁された電極セグメントとの両方から電気的に絶縁されている、
を含む、C7に記載のEMSデバイス。
[C9] 前記複数の絶縁された電極セグメントが、前記可動層の端部からへこまされる、C7または8に記載のEMSデバイス。
[C10] 前記第1の電極が、光吸収体を含み、前記絶縁された電極セグメントが、反射材料を含む、C7〜9のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C11] 前記第1の電極が、前記複数の絶縁された電極セグメントを含む分割された光吸収体である、C1または2に記載のEMSデバイス。
[C12] 前記第2の駆動電極が、前記分割された光吸収体から電気的に絶縁され、前記分割された光吸収体が、固定電極と前記第2の電極との間に置かれる、C11に記載のEMSデバイス。
[C13] 前記第2の駆動電極が、可視波長の光に対して前記分割された光吸収体よりも透過的である、C12に記載のEMSデバイス。
[C14] 前記第2の駆動電極が、実質的に透明な厚みの導電性酸化物を含む、C12に記載のEMSデバイス。
[C15] 前記基板が、前記第1の駆動電極と前記分割された光吸収体との間に配置される、C12〜14のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C16] 前記第1の駆動電極が、前記基板と前記分割された光吸収体との間に配置される、C12〜14のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C17] 前記分割された光吸収体が、分割された光吸収体セクションの間の少なくとも1つのギャップを含み、前記分割された光吸収体構造から電気的に絶縁された第2の光吸収体構造をさらに含む前記デバイスが、分割された光吸収体セクションの間の前記少なくとも1つのギャップと位置合わせされる、C12〜16のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C18] 前記第2の光吸収体構造の少なくとも一部が、分割された光吸収体セクションの間の前記少なくとも1つのギャップと実質的に同じサイズおよび形状である、C17に記載の、EMSデバイス。
[C19] 個々の絶縁された電極セグメントの各々が、誘電材料によってすべての側面を囲まれる、C1〜18のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C20] 前記複数の絶縁された電極セグメントが、誘電材料の2つの実質的に垂直なセクションによって分離された4つの絶縁された電気的セグメントを含む、C19に記載のEMSデバイス。
[C21] 固定電極の表面積が、前記絶縁された電極セグメントの表面積よりも小さい、C1〜20のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C22] 前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極とのうちの少なくとも1つと通信することができるプロセッサと、前記プロセッサが、画像データを処理することができ、
前記プロセッサと通信することができるメモリデバイスと
をさらに含む、C1〜21のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C23] 前記第1の電極と前記駆動電極とのうちの少なくとも1つに少なくとも1つの信号を送信することができるドライバ回路と、
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部を送信することができるコントローラと
をさらに含む、C22に記載のEMSデバイス。
[C24] 前記プロセッサに前記画像データを送信することができる画像ソースモジュールをさらに含み、ここにおいて、前記画像ソースモジュールが、受信機と、トランシーバと、送信機とのうちの少なくとも1つを含む、C22または23に記載のEMSデバイス。
[C25] 入力データを受信し、前記入力データを前記プロセッサに伝達するように構成された入力デバイスをさらに含む、C22〜24のいずれかに記載のEMSデバイス。
[C26] 電気機械システム(EMS)デバイスを製造する方法であって、
基板の上に第1の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層の上に第1の電極層を形成することと、
前記第1の電極層に複数の絶縁された電極セグメントを形成することと、
前記複数の絶縁された電極セグメントの上に第2の誘電体層を形成することと、
前記第2の誘電体層の上に第2の電極層を形成することと、
を備える、方法。
[C27] 複数の絶縁された電極セグメントを形成することが、前記第1の電極層を通って延びる2つの実質的に垂直な切り取り部分によって分離された4つの絶縁された電気的セグメントのグループを形成するように前記第1の電極層をパターニングすることを含む、C26に記載の方法。
[C28] 第1の誘電体層を形成することが、誘電体層のスタックを形成することを含み、誘電体層の前記スタックが、
第1の屈折率を有する第1の材料を含む第1の誘電体副層と、
第2の屈折率を有する第2の材料を含む第2の誘電体副層と、ここにおいて、前記第1の屈折率が、前記第2の屈折率よりも大きい、
を含む、C26に記載の方法。
[C29] 誘電体層の前記スタックを形成することが、
犠牲層の上に前記第1の誘電体副層を形成することと、
前記第1の誘電体副層の上に前記第2の誘電体副層を形成することと、
を含む、C28に記載の方法。
[C30] 前記第1の誘電体層が、第3の電極層の上に配置された犠牲層の上に形成され、前記第1の誘電体層と前記第3の電極との間のギャップを形成するために前記第2の電極層の形成後に前記犠牲層を除去するためのエッチングを実行すること、
をさらに含む、C26に記載の方法。
[C31] 前記第1の誘電体層が、第3の電極層の上に形成され、前記方法が、
前記第2の誘電体層の上に犠牲層を形成することと、ここにおいて、前記第2の電極層が、前記犠牲層の上に形成され、
前記第2の誘電体層と前記第2の電極との間のギャップを形成するために第2の犠牲層の形成後に前記第2の犠牲層を除去するためのエッチングを実行することとをさらに含む、C26に記載の方法。
[C32] 基板によって支持される第1の電極と、
ギャップによって前記第1の電極から分離された可動層と、
前記可動層によって支持された第2の電極と、ここにおいて、前記第1の電極または前記第2の電極のうちの一方が、前記可動層の安定的な位置の範囲を広げるために前記可動層内の電荷の不均衡な蓄積を抑えるための手段、を含む浮遊電極であり、ここにおいて、前記第1の電極または前記第2の電極のうちの他方が、第1の駆動電極として働く、
第2の駆動電極と、ここにおいて、前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極との間の電圧の印加が、前記可動層を静電気的にずらす、
を備える、電気機械システム(EMS)デバイス。
[C33] 前記浮遊電極が、分割された電極であり、前記抑える手段が、前記第1の駆動電極と前記第2の駆動電極との間に配置された複数の絶縁された電極セグメントを含み、前記複数の絶縁された電極セグメントの各々が、前記第1の駆動電極および前記第2の駆動電極と、他の絶縁された電極セグメントとの両方から電気的に絶縁される、C32に記載のEMSデバイス。
[C34] 前記第1の駆動電極および前記分割された電極が、第1のキャパシタを形成し、前記第2の駆動電極および前記分割された電極が、前記第1のキャパシタと直列の第2のキャパシタを形成する、C33に記載のEMSデバイス。
[C35] 前記第2の電極が、前記分割された電極であり、前記可動層が、
前記第2の駆動電極と、ここにおいて、前記駆動電極と前記第1の電極との間の電圧の印加が、前記可動層を静電気的にずらし、前記複数の絶縁された電極セグメントが、前記第2の駆動電極と固定電極との間に配置される、
前記第2の駆動電極と前記第1の電極との間に配置された誘電体層と、ここにおいて、前記複数の絶縁された電極セグメントの各々が、前記第2の駆動電極と前記他の絶縁された電極セグメントとの両方から電気的に絶縁される、
を含むC33または34に記載のEMSデバイス。
[C36] 前記第1の電極が、前記複数の絶縁された電極セグメントを含む分割された光吸収体であり、前記第2の駆動電極が、前記分割された光吸収体から電気的に絶縁され、前記分割された光吸収体が、固定電極と前記第2の電極との間に置かれる、C33または34に記載のEMSデバイス。
[C37] 前記第2の駆動電極が、可視波長の光に対して前記分割された光吸収体よりも透過的である、C36に記載のEMSデバイス。