JP2016517465A - 生体分子を封鎖するための表面酸化および関連する方法 - Google Patents
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Abstract
固体基材に共有結合したポリマーを含む固体支持体が提供される。該ポリマーは、検体分子の固体支持体への固定を含むハイスループットアッセイを目的とした多くの用途で有用である。本明細書中に記載のポリマー、固体基材、固体支持体および関連方法は、種々の実施形態において多くの利点を提供する。例えば、特定の実施形態では、本明細書で記載のポリマーを捕捉プローブに抱合する反応性基は、抱合プロセス中の予測可能で最適レベルの反応性を保証する抱合反応の間の特定の条件下を除いて、実質的に不活性である。
Description
政府の利益に関する声明
本明細書に記載される研究の部分的な資金は、契約番号HSHQDC−10−C−00053の下、米国国土国土安全保障省により提供された。米国政府は、本発明における特定の権利を有する。
本明細書に記載される研究の部分的な資金は、契約番号HSHQDC−10−C−00053の下、米国国土国土安全保障省により提供された。米国政府は、本発明における特定の権利を有する。
本発明は、一般に、酸化表面に結合したポリマー、新規ポリマーおよびそのポリマーの使用方法に関する。
バイオアッセイは生物試料中の検体物質の存在および/またはその量を検出するために使用される。DNAマイクロアレイなどの表面アッセイでは、通常、固体支持体または基材上の検体種が捕捉され、検出される。DNAマイクロアレイの使用は、多数の遺伝子を同時にモニターできる能力があるため、遺伝子発現および遺伝子型判定の研究に広く採用されるようになってきている(Schena et al.,Science 270:467−470(1995);Pollack et al.,Nat.Genet.23:41−46(1999))。また、炭水化物、抗体、タンパク質、ハプテンまたはアプタマーなどのその他の結合成分を使って表面アレイを作製し、多種多様なアレイ形式のバイオアッセイを円滑に進めることができる。
バイオアッセイ用途向けに効果的に官能化された材料は、検出を行う際に(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応で)適切な信号を得るためには、当該試料由来の十分な量の検体を固定するために適する能力を有する必要がある。官能化された適切な材料は、特に、試料および対照を、それらを取り付けた異なる支持体表面上で、例えば、異なる支持体または同じ支持体の異なる位置で分析する必要があるアッセイ形式では、プロファイリング実験に効果的に適用されるように高度に再現性の高い表面を提供する必要もある。例えば、高度に再現可能な界面化学に基づいていない支持体は、支持体間または同じ支持体内の異なる位置間で生ずる変動のために、アッセイ(例えば、プロファイリング比較)を行う際に大きな誤差を生ずる可能性がある。
表面アレイ(例えば、「DNAチップ」)は、ポリマーを使って検体を固体支持体に結合させることにより調製されてきた。一般に、ポリマーを含むアレイは、前駆物質モノマーまたはプレポリマーの固体基材(例えば、ビーズ、粒子、プレートなど)上へのその場重合により形成される。有機ポリマー類を含むアレイの選択性および再現性は、モノマー濃度、モノマー比、開始剤濃度、溶媒蒸発速度、周囲湿度(溶媒が水の場合)、架橋剤濃度、モノマー/架橋剤/溶媒の純度、研究室温度、ピペット操作時間、スパージング条件、反応温度(熱重合の場合)、反応湿度、紫外線の均一性(UV光重合の場合)および周囲の酸素条件などの多くの実験変数に大きく依存する場合が多い。これらのパラメータの多くを製造現場で制御することは可能であるが、これらパラメータの全てを制御することは、不可能ではないにしても困難である。その結果、その場重合では、スポット間、チップ間およびロット間の再現性が相対的に悪くなる。
さらに、例えば、ガラス、石英、融解シリカ、およびシリコンなどのシリカベース基材を使ったアレイ面の開発に対して相当量の労力が費やされてきた(例えば、D.Cuschin et al.,Anal.Biochem.1997,250,203−211;G.M.Harbers et al.,Chem.Mater.2007,19,4405−4414;ならびに米国特許第6,790,613号(Shi et al.)、同第5,932,711号(Boles et al.)、同第6,994,972号(Bardhan,et al.)、同第7,781,203号(Frutos et al.)、および同第7,217,512号と同第7,541,146号(Lewis et al.)を参照されたい)が、ポリマー基材などのより安価で、製造がより容易な基材から利益が得られるのは確かである。しかし、バイオアッセイ用のこのような基材の選択と調製の両方に関する別の課題が発生してしまう。例えば、ポリマー基材には、自己蛍光の増加、疎水性の増加、ならびに下層ポリマー基材へのその場重合コーティングの結合または一体化に関連する課題などの表面官能基化の追加の結果として、都合の悪い問題が生ずることが多い。
このように、この分野での進展が認められる一方で、当該技術分野において、DNAマイクロアレイなどの種々のアッセイにおいて使用するための、改善された官能化固体基材、ポリマーならびにこのようなポリマーを含むこれらの固体基材および固体支持体に検体を結合させる方法に対するニーズが残されている。本発明はこのニーズを満たし、関連する追加の利点を提供するものである。
Schena et al.,Science 270:467−470(1995)
Pollack et al.,Nat.Genet.23:41−46(1999)
D.Cuschin et al.,Anal.Biochem.1997,250,203−211
G.M.Harbers et al.,Chem.Mater.2007,19,4405−4414
手短に言えば、本発明は一般に、固体基材に共有結合したポリマーを含む固体支持体に関する。任意選択で、ポリマーはそれに共有結合した捕捉プローブ、または捕捉プローブとの共有結合の形成に使用される官能基を含むことができる。したがって、固体支持体は分析アッセイに使用する捕捉プローブの固体基材上への固定を含む多くの用途に有用である。ポリマーとの反応または相互作用に適する反応性基を含む固体基材、ならびにポリマーおよび任意の捕捉プローブを含む固体支持体も提供される。本明細書で開示のポリマー、固体基材および固体支持体は、種々の分析的用途、例えば、個々の看護現場(医院、救急室、家庭、現場、など)で使用するためのDNAおよびタンパク質マイクロアレイ、ハイスループット試験およびその他の用途に有用である。
固体基材は通常、ポリマーの結合相手であるアルコール、カルボニルおよび/またはアミン成分を含む。したがって、本発明の特定の実施形態は、ポリマーが「結合層」を介在させることなく、アルコール、カルボニルおよび/またはアミン成分を介して固体基材(例えば、有機ポリマー)に直接共有結合できるために、以前に記載された固体支持体に優る利点を提供する。
本明細書中に記載のポリマー、固体基材、固体支持体および関連方法は、種々の実施形態において多くの利点を提供する。例えば、特定の実施形態では、本明細書で記載のポリマーを捕捉プローブに抱合する反応性基は、抱合プロセス中の予測可能で最適レベルの反応性を保証する抱合反応の間の特定の条件下を除いて、実質的に不活性である。また、いくつかの実施形態はポリマーを捕捉プローブ(例えば、DNAまたはオリゴヌクレオチドなどの生体分子)に抱合するために、「クリック」ケミストリー(例えば、トリアゾールを形成するためのアジ化物とアルキンの反応)を採用するが、このような化学反応は実質的にpH非感受性であり、限定された反応副産物しか生成しないか、または反応副産物を全く生成しない。
したがって、一実施形態では、本開示は:
外表面を有する基材、および
基材の外表面に共有結合した複数のポリマーを含み、
ポリマーはそれぞれ少なくとも1つのAおよびCサブユニットを含み、必要に応じて1つまたそれを超えるBサブユニットを含み、
Aサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基;
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基;または
c)捕捉プローブに対する共有結合を含み、
任意のBサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Cサブユニットは、出現毎に独立に、基材の外表面に対する共有結合Wを含み、Wは次の構造、
の内の1つを有し、
式中、Qは、基材の外表面であり、第1と第2の熱化学的反応性基の反応性が相互に直交する、固体支持体を提供する。
外表面を有する基材、および
基材の外表面に共有結合した複数のポリマーを含み、
ポリマーはそれぞれ少なくとも1つのAおよびCサブユニットを含み、必要に応じて1つまたそれを超えるBサブユニットを含み、
Aサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基;
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基;または
c)捕捉プローブに対する共有結合を含み、
任意のBサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Cサブユニットは、出現毎に独立に、基材の外表面に対する共有結合Wを含み、Wは次の構造、
式中、Qは、基材の外表面であり、第1と第2の熱化学的反応性基の反応性が相互に直交する、固体支持体を提供する。
本出願は開示固体基材を調製する方法も提供する。例えば、一実施形態では、該方法は、
A)外表面に共有結合した複数のヒドロキシル、カルボニルもしくはアミン官能基、またはこれらの組み合わせを含む固体基材を提供することであって、ここでヒドロキシルおよびカルボニル官能基はリンカーの介在なしで固体基材に直接結合し、アミン官能基はイミン結合を含むリンカーを介して固体基材に結合し、イミン結合はリンカーの介在なしで固体基材に直接結合すること、および
B)ヒドロキシル、カルボニルまたはアミン官能基の内の少なくとも1つと、Dサブユニットとの間で共有結合を形成するのに十分な条件下で、Dサブユニットならびに任意のEおよびFサブユニットを含むポリマーと固体基材とを接触させることを含み、
Dサブユニットは、出現毎に独立に、第1の反応性基を含み、第1の反応性基は固体基材または捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン官能基と共有結合を形成可能である熱化学的反応性基であり;
Eサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Fサブユニットは、出現毎に独立に第2の反応性基を含み、第2の反応性基は、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基であり、
第1の反応性基と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
A)外表面に共有結合した複数のヒドロキシル、カルボニルもしくはアミン官能基、またはこれらの組み合わせを含む固体基材を提供することであって、ここでヒドロキシルおよびカルボニル官能基はリンカーの介在なしで固体基材に直接結合し、アミン官能基はイミン結合を含むリンカーを介して固体基材に結合し、イミン結合はリンカーの介在なしで固体基材に直接結合すること、および
B)ヒドロキシル、カルボニルまたはアミン官能基の内の少なくとも1つと、Dサブユニットとの間で共有結合を形成するのに十分な条件下で、Dサブユニットならびに任意のEおよびFサブユニットを含むポリマーと固体基材とを接触させることを含み、
Dサブユニットは、出現毎に独立に、第1の反応性基を含み、第1の反応性基は固体基材または捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン官能基と共有結合を形成可能である熱化学的反応性基であり;
Eサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Fサブユニットは、出現毎に独立に第2の反応性基を含み、第2の反応性基は、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基であり、
第1の反応性基と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
さらに他の実施形態は、標的検体分子の存在または非存在を決定する方法を提供し、該方法は、
a)本明細書で記載の固体支持体を提供することであって、ここでAサブユニットがそれに共有結合した捕捉プローブを含んでいること、
b)検体プローブを固体支持体と接触させること、および
c)捕捉プローブと検体プローブとの相互作用から生成される信号の存在または非存在を検出することを含む。
a)本明細書で記載の固体支持体を提供することであって、ここでAサブユニットがそれに共有結合した捕捉プローブを含んでいること、
b)検体プローブを固体支持体と接触させること、および
c)捕捉プローブと検体プローブとの相互作用から生成される信号の存在または非存在を検出することを含む。
固体支持体の調製用のポリマーおよび官能化固体基材も同様に提供される。例えば、一実施形態では、本開示は、固体基材の外表面に共有結合した複数の一級アミン官能基を含む固体支持体を提供し、アミン官能基はイミン結合を含むリンカーを介して固体基材に結合する。
他の実施形態では、本開示はG、Hおよび任意のIサブユニットを含むポリマーに関し、
Gサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、アルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基と、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基を含み、
Hサブユニットは、出現毎に次の構造:
を有し、さらに、
任意のIサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、以下の構造:
の内の1つを有し、
式中、
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aは、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R8bは、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルであり、
第1と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
Gサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、アルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基と、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基を含み、
Hサブユニットは、出現毎に次の構造:
任意のIサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、以下の構造:
式中、
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aは、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R8bは、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルであり、
第1と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
本発明のこれらおよびその他の態様は、以下の詳細な説明に対する言及から明らかになるであろう。この目的のために、特定の背景情報、手続き、化合物および/または組成物に関してさらに詳細に説明した種々の参考文献が本明細書で説明され、それぞれの参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
図では、同一の参照番号は類似の要素を示す。図中の要素の大きさと相対的位置は必ずしも縮尺通りになっておらず、図の見やすさを改善するためにこれらの要素の一部は適宜拡大および配置されている。さらに、図に描かれたとおりの特定の形状の要素は、特定の要素の実際の形状に関する何らかの情報を知らせることを意図しているのではなく、図中でのわかりやすさの目的で選択されているに過ぎない。
次の説明では、本発明の種々の実施形態の完全な理解を得るために特定の具体的詳細が記述される。しかしながら、これらの詳細事項なしに本発明を実施できることを当業者なら理解するであろう。
文脈上異なる解釈を要する場合を除き、本明細書および請求項の全体を通じて、「〜を含む(comprise)」およびその変形である「〜を含む(comprises)」や「〜を含む(comprising)」などの用語は、開かれた包括的な意味、即ち、「〜を含むが、それには限定されない」の意味に解釈されるべきである。
本明細書を通して「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」への参照は、実施形態に関して記載された特定の特徴、構造、または特色が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれているということを意味する。したがって、本明細書における種々の箇所における「一実施形態において」または「ある実施形態において」という語句は、必ずしも全てが同じ実施形態を参照することを意味しない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つまたそれを超える実施形態で、任意の好適な方式で組み合わせることができる。
本発明で使用する場合、「固体支持体」は、ポリマーおよび/またはそれに固定された捕捉プローブを含む基材を意味する。いくつかの実施形態では、ポリマーは、基材に固定されるリンカー成分を介在するかまたは介在しないで、共有結合を介して基材に固定される。リンカーは1つまたそれを超える共有結合を介してまたはイオン相互作用などのその他の相互作用により基材に固定することができる。本明細書を通して、特定の実施形態では固体支持体を装置と呼ぶ。
「基材」または「固体基材」は、記載されたポリマーを固定するための支持体または基部として使われる対象物または物質を意味する。一般に、基材は固体の対象物であり、磁性物質ではない。基材は任意の有用な形状または構成であってよいが、基材は所望の用途に応じてどのような形状をとってもよく、例えば、基材を平面基材として提供することもできる。基材用の代表的材料は本明細書で下記に提供される。
「熱化学的反応性基」は、UVまたはその他の反応のための照射源を必要としない反応性を有する反応性基を意味する。代表的熱化学的反応性基としては、活性化エステル(例えば、ペンタフルオロフェニルエステル、「PFP」)、エポキシド、アズラクトン、活性化ヒドロキシル、マレイミドなど、ならびに環化付加および共役付加反応性基が挙げられるが、これらに限定されない。
「環化付加反応性基」は、相補的官能基との反応時に、環状成分の形成に特異的である熱化学的反応性基を意味する。代表的環化付加反応性基としては、環化付加反応によりトリアゾール成分を形成するアルキンとアジドが挙げられるが、これらに限定されない。その他の例としては、適切な相補的官能基とディールスアルダー型環化付加により反応するジエンと求ジエン体が挙げられる。
「共役付加反応性基」は、共役付加反応における反応に特異的である熱化学的反応性基を意味する。例えば、α,β不飽和カルボニル基および該カルボニル基と1,4−共役付加反応により反応できる求核試薬を含む化合物が、共役付加反応性基の例である。
基材の「外表面」または「表面」は、基材の最も外側の部分を意味する。場合によっては、外表面は元々の基材の外表面であってもよい。その他の例では、基材は、元々の基材の外表面である第1の表面と、第2の表面と見なされるそれに固定されたリンカーまたは「結合層」とを含む。基材の「外表面」または「表面」に固定された(共有結合またはその他の手段により)ポリマーは、元々の基材表面または第2の表面(リンカーまたは結合層など)またはこれらの組み合わせへのポリマーの固定化を含む。外表面は、(1)基材の元々の表面、(2)プラズマ処理により得られた第1の表面、または(3)リンカーまたは結合層を有する第2の表面であってよい。
支持体に関連する「固定」または「固定された」という用語は、共有結合性抱合、非特異的結合、イオン相互作用および物質(例えば、ポリマー)を基材に付着させるその他の手段を含む。
「ポリマー」は1つまたそれを超える繰り返しサブユニットを有する分子を意味する。サブユニットの(「モノマー」)は、同一でも異なっていてもよく、ポリマー内のどの位置で、またはどの順番で生じてもよい。ポリマーは天然起源のものでもよく、人工起源のものでもよい。本発明は、規則的な繰り返しサブユニットを有するポリマー、ランダムコポリマーおよびブロックコポリマーを含む様々な種類のポリマーを含む。2つの異なるモノマータイプを有するポリマーはコポリマーと呼ばれ、3つの異なるタイプのモノマーを有するポリマーはターポリマーと呼ばれる、等々。
「ランダムポリマー」は、サブユニットがポリマー鎖に沿ってランダムな順番に連結されるポリマーを意味する。ランダムポリマーは、多くの異なるサブユニットを含むことができる。特定の実施形態では、本明細書で記載のポリマーは、「ランダムコポリマー」または「ランダム共ターポリマー」であり、それぞれ、ポリマーがランダムな順番の2つまたは3つの異なるサブユニットを含むことを意味する。個々のサブユニットは、ランダムポリマー中で任意のモル比で存在してもよく、例えば、それぞれのサブユニットは、ポリマー中の他のサブユニットのモル数に対して、約0.1モルパーセント〜約99.8モルパーセントで存在してもよい。いくつかの実施形態では、ランダムコポリマーのサブユニットは次の一般的構造:
によって表すことができ、式中、XおよびYは独立に、他と異なるモノマーサブユニットであり、aおよびbはポリマー中の各サブユニットの数を表す整数である。図示を容易にするために、上記の構造は線形連結性のXおよびYを示しているが、本発明のランダムコポリマー(例えば、ランダムコポリマー、ランダム共ターポリマーなど)は示したサブユニットの連結性を有するポリマーに限定されず、ランダムポリマー中のサブユニットは任意のランダム順で連結でき、ポリマーは分岐できることが強調されるべきである。したがって、本明細書で示したポリマーの構造、例えば、構造(I)は、任意の順序で連結されたサブユニットを有するポリマーを含むことが意図されている。
「ブロックコポリマー」は、異なるサブユニットのブロックまたは重合されたモノマーの異なるブロックを含むポリマーを意味する。
「官能基」は、特定のタイプの反応性(例えば、酸性、塩基性、求核性、求電子性など)を有する分子の一部分である。「反応性基」は官能基の1つの種類である。官能基の非限定的例には、アジド、アルキン、アミン、アルコール、などが挙げられる。「標的官能基」は、別の官能基が反応の対象としているいずれかの官能基である。「親水性官能基」は、親水性の性質を有する官能基である。親水性官能基は、通常、水などの極性溶媒中での分子の全溶解度を高める傾向がある。
「共有結合性抱合」は2つまたはそれを超える官能基の反応による共有結合の形成を意味する。
「直交性の」または「直交する反応性」は、官能基および/または反応性基の反応特性を意味する。2つの反応性基が直交する反応性を有する場合、1つの反応性基は標的官能基と反応するが、その同じ条件下で、2つめの反応性基は標的官能基とほとんど反応せず、その逆もまた同じであることを意味する。
「開始剤」は、重合反応を開始するために使用される分子である。開示ポリマーの調製に使われる開始剤は当該技術分野においてよく知られている。代表的開始剤としては、原子移動ラジカル重合やリビング重合に有用な開始剤、AIBNファミリーの開始剤およびベンゾフェノン開始剤が挙げられるが、これらに限定されない。「開始剤残基」は、ラジカルまたはその他の機序によりポリマーに結合する開始剤の一部である。いくつかの実施形態では、開始剤残基は開示ポリマーの末端(単一または複数)に結合している。
「クリックケミストリー」は、少なくとも、次の特徴を有する反応を意味する:(1)官能基の直交性を示す(すなわち、官能性部分が該官能性部分に対して相補的な反応部位とのみ反応し、その他の反応部位とは反応しない);および(2)生じた結合は不可逆的である(すなわち、反応物が反応して生成物を形成してしまうと、該生成物の反応物への分解が困難である)。任意選択で、「クリック」ケミストリーは、次の特徴の内の1つまたはそれを超える特徴をさらに有してもよい:(1)立体特異性;(2)厳密な精製、雰囲気制御などを含まない反応条件;(3)入手が容易な出発材料および試薬;(4)良性の溶媒を利用する能力または無溶媒でよい能力;(5)結晶化または蒸留による生成物分離;(6)生理学的安定性;(7)大きな熱力学的駆動力(例えば、10〜20kcal/mol);(8)単一反応生成物;(9)高(例えば、50%を超える)化学収率;および(10)実質的に副産物がないか、または環境に優しい副産物。
「クリック」官能性を使った反応の例としては、付加反応、環化付加反応、求核置換などを挙げることができるが、これらに限定されない。環化付加反応の例には、ヒュスゲン1,3−双極子環化付加、Cu(I)触媒アジド−アルキン環化付加、およびディールスアルダー反応を挙げることができる。付加反応の例には、炭素−炭素二重結合への付加反応、例えば、エポキシ化およびジヒドロキシル化が挙げられる。求核置換の例には、エポキシおよびアジリジン化合物などの張力環への求核置換を挙げることができる。その他の例には、尿素およびアミドの形成を挙げることができる。クリックケミストリーに関するいくつかの追加の説明は、Huisgen,Angew.Chem.Int.Ed.,Vol.2,No.11,1963,pp.633−696;Lewis et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,Vol.41,No.6,2002,pp.1053−1057;Rodionov et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,Vol.44,2005,pp.2210−2215;Punna et al.,Angew.Chem.Int.Ed.,Vol.44,2005,pp.2215−2220;Li et al.,J.Am.Chem.Soc.,Vol.127,2005,pp.14518−14524;Himo et al.,J.Am.Chem.Soc.,Vol.127,2005,pp.210−216;Noodleman et al.,Chem.Rev.,Vol.104,2004,pp.459−508;Sun et al.,Bioconjugate Chem.,Vol.17,2006,pp.52−57;およびFleming et al.,Chem.Mater.,Vol.18,2006,pp.2327−2334、中に見出すことができる。これらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
「クリック反応性」は、クリックケミストリー条件下で反応することができる官能基を意味する。
「クリック官能基」は、クリック反応性を有する2つの官能基の反応から生ずる、例えば、トリアゾール成分などの官能基である。
標的官能基「に対する特異的反応性」を有する反応性基は、その反応条件下で標的官能基に優先的に反応し、その他の官能基との副反応が最小化されるか、または起こらないと思われる反応性基を意味する。同様に、捕捉プローブとの抱合に特異的な反応性を有する反応性基は、その反応条件下で捕捉プローブに優先的に抱合し、その他の官能基との副反応が最小化されるか、または起こらないと思われる反応性基を意味する。
「検体」または「検体分子」は、分析の対象である化合物または分子を意味し、例えば、検体分子は未知の構造のものであってもよく、分析は構造の特定を含む。検体分子には、多くの通常の分子、例えば、DNA、タンパク質、ペプチドおよび炭水化物、有機および無機の分子、金属(放射性同位元素を含む)などが含まれる。検体には、ウイルス、細菌、マラリア原虫、真菌、ならびに金属および生物戦争、バイオハザードおよび化学戦争物質が含まれる。また、検体には、本明細書中で定義されている検体プローブが含まれる。
「捕捉プローブ」は、例えば、水素結合(例えば、DNAハイブリダイゼーション)、封鎖、共有結合、イオン相互作用などにより検体分子と相互作用することができる分子である。代表的な捕捉プローブには、オリゴヌクレオチドプローブまたはフラップ、オリゴ糖(例えば、レクチン)およびタンパク質と配列特異的結合(ハイブリダイゼーション)が可能なオリゴヌクレオチドが含まれる。いくつかの実施形態では、捕捉プローブはフルオロフォア標識を含む。例えば、捕捉プローブはフルオロフォア標識を含むことができ、検体分子(例えば、検体プローブ)は消光剤を含むことができ、検体分子の存在は捕捉プローブに由来する蛍光信号の非存在により検出される(蛍光が消光剤との相互作用時に消光されるために)。関連実施形態では、捕捉プローブは消光剤を含む。これらの実施形態では、蛍光標識検体分子の蛍光は捕捉プローブによる捕捉時に消光される。
「プローブ」または「検体プローブ」は、検体分子の間接的特定に使用される分子を意味する。例えば、プローブは検体分子を特異的に特定する配列情報を保持することができる。代表的なプローブには、オリゴヌクレオチドなどが含まれる。
「フラップ」はプローブの任意の部分を意味する。特定の実施形態では、フラップはプローブ(したがって、検体分子)を特異的に特定する配列情報を含む。フラップはプローブの残部から切断されて(例えば、PCR条件下で)、固体支持体上の捕捉プローブにハイブリダイズすることができる。固相支持体上の結合フラップの存在は、特定の検体の存在を示す。
「アミノ」は、−NH2ラジカルを意味する。
「アジド」は、−N3ラジカルを意味する。
「アジリジン」は、3員窒素含有環を意味する。
「シアノ」または「ニトリル」は、−CNラジカルを意味する。
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、−OHラジカルを意味する。
「イミノ」は、=NH置換基を意味する。
「ニトロ」は、−NO2ラジカルを意味する。
「オキソ」は、=O置換基を意味する。
「チイラン」は、3員硫黄含有環を意味する。
「チオール」は、−SH置換基を意味する。
「チオキソ」は、=S置換基を意味する。
「スルホ」は、−SO3M置換基を意味し、MはHまたはK、Na、またはアンモニウム(すなわち、N(RaRbRcRd)であり、Ra、Rb、RcおよびRdは独立にHまたはC1−C6アルキルである)などの陽イオンである。
「アルキル」は、炭素および水素原子のみからなる直鎖または分岐鎖炭化水素ラジカルを意味し、飽和または不飽和(すなわち、1つまたはそれを超える二重結合(すなわち、アルケン)および/または三重結合(すなわち、アルキン)を含む)であり、1〜12炭素原子(C1−C12アルキル)、好ましくは1〜8炭素原子(C1−C8アルキル)もしくは1〜6炭素原子(C1−C6アルキル)を有し、単結合により分子の残部に結合されており、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、1−メチルエチル(イソプロピル)、n−ブチル、n−ペンチル、1,1−ジメチルエチル(t−ブチル)、3−メチルヘキシル、2−メチルヘキシル、エテニル、プロパ−1−エニル、ブタ−1−エニル、ペンタ−1−エニル、ペンタ−1,4−ジエニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、などである。本明細書中で他に特に記載のない限り、アルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「アルキレン」または「アルキレン鎖」は、分子の残部をラジカル基に連結する二価の炭素および水素のみからなる直鎖状または分岐炭化水素鎖を意味し、飽和または不飽和(すなわち、1つまたはそれを超える二重結合および/または三重結合を含む)であり、1〜12炭素原子を有し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、エテニレン、プロペニレン、n−ブテニレン、プロピニレン、n−ブチニレン、などである。アルキレン鎖は、単結合または二重結合を介して分子の残部に結合され、また、単結合または二重結合を介してラジカル基に結合される。分子の残部およびラジカル基に対するアルキレン鎖の結合点は、鎖内の1つの炭素または任意の2つの炭素を介してもよい。本明細書中で他に特に記載のない限り、アルキレン鎖は必要に応じて置換されてもよい。
「アルコキシ」は、式−ORaを意味し、式中、Raは上記で定義の1〜12炭素原子を含むアルキルラジカルである。本明細書中で他に特に記載のない限り、アルコキシ基は必要に応じて置換されてもよい。
「アルキルアミノ」は、式−NHRaまたは−NRaRaを意味し、式中、Raは、独立に上記で定義の1〜12炭素原子を含むアルキルラジカルである。本明細書中で他に特に記載のない限り、アルキルアミノ基は必要に応じて置換されてもよい。
「アルキルオキシカルボニル」は、式−C(=O)ORaを意味し、式中、Raは定義済みのアルキルラジカルである。「ヒドロキシアルキルオキシカルボニル」は、少なくとも1つのヒドロキシル置換基(substitutent)を含むアルキルオキシカルボニルである。本明細書中で他に特に記載のない限り、アルキルオキシカルボニルおよびヒドロキシアルキルオキシカルボニル基は後述のように必要に応じて置換されてもよい。
「チオアルキル」は、式−SRaを意味し、式中、Raは上記で定義の1〜12炭素原子を含むアルキルラジカルである。本明細書中で他に特に記載のない限り、チオアルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「アリール」は、水素、6〜18炭素原子および少なくとも1つの芳香環を含む炭化水素環系ラジカルを意味する。本発明では、アリールラジカルは、単環、二環、三環または四環系であってもよく、これらには縮合または架橋環系を含めることができる。アリールラジカルとしては、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、フルオランテン、フルオレン、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、フェナレン、フェナントレン、プレイアデン、ピレン、およびトリフェニレンが挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で他に特に記載のない限り、「アリール」または接頭辞「ar−」(「アラルキル」におけるような)という用語は、必要に応じて置換されてもよいアリールラジカルを包含することを意味する。
「アラルキル」は、式−Rb−Rcのラジカルを意味し、式中、Rbは上記で定義のアルキレン鎖であり、Rcは1つまたそれを超える上記で定義のアリールラジカル、例えば、ベンジル、ジフェニルメチルなどである。本明細書中で他に特に記載のない限り、アラルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「シクロアルキル」または「炭素環」は、炭素および水素原子のみからなる安定な非芳香族単環式または多環式炭化水素ラジカルを意味し、縮合または架橋環系を含んでもよく、3〜15炭素原子、好ましくは3〜10炭素原子を有し、飽和または不飽和であり、単結合により分子の残部に結合している。単環式ラジカルとしては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルが挙げられる。多環式ラジカルとしては、例えば、アダマンチル、ノルボミル、デカリニル、7,7−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタニルなどが挙げられる。本明細書中で他に特に記載のない限り、シクロアルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「シクロアルキルアルキル」は、式−RbRdのラジカルを意味し、式中、Rbは上記で定義のアルキレン鎖であり、Rdは上記で定義のシクロアルキルラジカルである。本明細書中で他に特に記載のない限り、シクロアルキルアルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「縮合した」は、本発明の化合物中の既存の環構造に縮合される本明細書で記載の任意の環構造を意味する。縮合環がヘテロシクリル環またはヘテロアリール環である場合、縮合ヘテロシクリル環または縮合ヘテロアリール環の一部になる既存の環構造上の任意の炭素原子は、窒素原子で置換することができる。
「ハロ」または「ハロゲン」は、ブロモ、クロロ、フルオロおよびヨードを意味する。
「ハロアルキル」は、上記で定義の1つまたそれを超えるハロラジカルで置換されている上記で定義のアルキルラジカルを意味し、例えば、トリハロメチル、例えばトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリクロロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,2−ジフルオロエチル、3−ブロモ−2−フルオロプロピル、1,2−ジブロモエチル、などである。本明細書中で他に特に記載のない限り、ハロアルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロ環」は、安定な3〜18員非芳香環ラジカルを意味し、2〜12炭素原子および窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6ヘテロ原子からなる。本明細書中で他に特に記載のない限り、ヘテロシクリルラジカルは、単環、二環、三環または四環系であってよく、縮合または架橋環系を含むことができ、ヘテロシクリルラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は必要に応じて酸化されてもよく、また、窒素原子は必要に応じて四級化されてもよく、さらに、ヘテロシクリルラジカルは部分または完全飽和であってもよい。ヘテロシクリルラジカルの例としては、ジオキソラニル、チエニル[1,3]ジチアニル、デカヒドロイソキノリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロイソインドリル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロリジニル、オキサゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、キヌクリジニル、チアゾリジニル、テトラヒドロフリル、トリチアニル、テトラヒドロピラニル、チオモルホリニル、チアモルホリニル、1−オキソチオモルホリニル、および1,1−ジオキソチオモルホリニル、が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書中で他に特に記載のない限り、ヘテロシクリル基は必要に応じて置換されてもよい。
「N−ヘテロシクリル」は、少なくとも1つの窒素を含む上記で定義のヘテロシクリルラジカルを意味し、ヘテロシクリルラジカルの分子の残部への結合点は、ヘテロシクリルラジカル中の窒素原子を介している。本明細書中で他に特に記載のない限り(Unless stated otherwise specifically in the specification,Unless stated otherwise specifically in the specification)、N−ヘテロシクリル基は必要に応じて置換されてもよい。
「ヘテロシクリルアルキル」は、式−RbReのラジカルを意味し、式中、Rbは上記で定義のアルキレン鎖であり、Reは上記で定義のヘテロシクリルラジカルである。また、ヘテロシクリルが窒素含有ヘテロシクリルの場合、ヘテロシクリルは窒素原子の位置でアルキルラジカルに結合される。本明細書中で他に特に記載のない限り、ヘテロシクリルアルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「ヘテロアリール」は、水素原子、1〜13炭素原子、窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜6ヘテロ原子、ならびに少なくとも1つの芳香環を含む5〜14員環系ラジカルを意味する。本発明では、ヘテロアリールラジカルは、単環、二環、三環または四環系であってよく、縮合または架橋環系を含むことができ、ヘテロアリールラジカル中の窒素、炭素または硫黄原子は必要に応じて酸化されてもよく、また、窒素原子は必要に応じて四級化されてもよい。例としては、アゼピニル、アクリジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾ[b][1,4]ジオキセピニル、1,4−ベンゾジオキサニル、ベンゾナフトフラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジオキシニル、ベンゾピラニル、ベンゾピラノニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラノニル、ベンゾチエニル(ベンゾチオフェニル)、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[4,6]イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、フラニル、フラノニル、イソチアゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリル、インダゾリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、イソキノリル、インドリジニル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、オキサジアゾリル、2−オキソアゼピニル、オキサゾリル、オキシラニル、1−オキシドピリジニル、1−オキシドピリミジニル、1−オキシドピラジニル、1−オキシドピリダジニル、1−フェニル−1H−ピロリル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、キノリニル、キヌクリジニル、イソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、トリアジニル、およびチオフェニル(すなわち、チエニル)が挙げられるが、それらに限定されない。本明細書中で他に特に記載のない限り、ヘテロアリール基は必要に応じて置換されてもよい。
「N−ヘテロアリール」は、少なくとも1つの窒素を含む上記で定義のヘテロアリールラジカルを意味し、ヘテロアリールラジカルの分子の残部への結合点は、ヘテロアリールラジカル中の窒素原子を介している。本明細書中で他に特に記載のない限り、N−ヘテロアリール基は必要に応じて置換されてもよい。
「ヘテロアリールアルキル」は、式−RbRfのラジカルを意味し、式中、Rbは上記で定義のアルキレン鎖であり、Rfは上記で定義のヘテロアリールラジカルである。本明細書中で他に特に記載のない限り、ヘテロアリールアルキル基は必要に応じて置換されてもよい。
「ヒドロキシアルキル」は、1つまたそれを超えるヒドロキシル置換基を含む上記で定義のアルキルである。特に別段の定めのない限り、ヒドロキシアルキルは必要に応じて置換されてもよい。
本発明で使用する場合、「置換された」という用語は、少なくとも1つの水素原子が、これらに限定されないが、F、Cl、Br、およびIなどのハロゲン原子;ヒドロキシル基、アルコキシ基、およびエステル基などの基中の酸素原子;チオール基、チオアルキル基、スルホン基、スルホニル基、およびスルホキシド基などの基中のイオウ原子;アミン、アミド、アルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、アルキルアリールアミン、ジアリールアミン、N−オキシド、イミド、およびエナミンなどの基中の窒素原子;トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、およびトリアリールシリル基などの基中のケイ素原子;ならびに種々のその他の基中のその他のヘテロ原子などの非水素原子への結合により置換されている上記基(すなわち、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、N−ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキル)のいずれかを意味する。また、「置換された」は、1つまたそれを超える水素原子が、オキソ、カルボニル、カルボキシル、およびエステル基中の酸素;およびイミン、オキシム、ヒドラゾン、およびニトリルなどの基中の窒素などのヘテロ原子へのより高次の結合(例えば、二重または三重結合)により置換されている上記基のいずれかを意味する。例えば、「置換された」は、1つまたそれを超える水素原子が、−NRgRh、−NRgC(=O)Rh、−NRgC(=O)NRgRh、−NRgC(=O)ORh、−NRgSO2Rh、−OC(=O)NRgRh、−ORg、−SRg、−SORg、−SO2Rg、−OSO2Rg、−SO2ORg、=NSO2Rg、および−SO2NRgRhで置換されている上記基のいずれかを含む。同様に、「置換された」は、1つまたそれを超える水素原子が、−C(=O)Rg、−C(=O)ORg、−C(=O)NRgRh、−CH2SO2Rg、−CH2SO2NRgRhで置換されている上記基のいずれかを含む。前述において、RgおよびRhは同じまたは異なり、独立に、水素、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキルである。「置換された」は、1つまたそれを超える水素原子が、アミノ、シアノ、ヒドロキシル、イミノ、ニトロ、オキソ、チオキソ、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、チオアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロアルキル、ヘテロシクリル、N−ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリール、N−ヘテロアリール、および/またはヘテロアリールアルキル基への結合で置換されている上記基のいずれかをさらに意味する。加えて、前述の置換基のそれぞれが、同様に、1つまたはそれを超える上記置換基で必要に応じて置換されてもよい。
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な程度の純度への単離に耐える十分な頑強さを有する化合物であることを示すことを意味する。
「任意の(optional)」または「必要に応じて(optionally)」は、その後に記載される状況の事象が生じる場合と生じない場合とがあることを意味し、また、その記載が前記事象または状況が生じる場合の例と生じない場合の例とを含むことを意味する。例えば、「必要に応じて置換されてもよいアリール」は、アリールラジカルが置換されても、されなくてもよく、また、その記載が置換アリールラジカルと置換のないアリールラジカルの両方を含むことを意味する。
多くの場合、結晶化または沈殿は、本発明の化合物の溶媒和物を生成する。本明細書で使用する場合、「溶媒和物」という用語は、1つまたそれを超える溶媒分子と一緒に1つまたそれを超える本発明の化合物分子を含む凝集体を意味する。溶媒は水であってもよく、この場合、溶媒和物は水和物であってよい。あるいは、溶媒は有機溶剤であってもよい。したがって、本発明の化合物は、一水和物、二水和物、半水和物、セスキ水和物、三水和物、四水和物など、ならびに対応する溶媒和型として存在することができる。本発明の化合物は、真の溶媒和物であってよく、一方で、他のケースでは、本発明の化合物は不定の水を保持してもよく、または水と若干の付随的溶媒との混合物であってもよい。
本発明の化合物、またはそれらの塩もしくは互変異性体は、1つまたそれを超える不斉中心を含むことができ、したがって、アミノ酸に対し絶対立体配置の観点から(R)−もしくは(S)−として、または(D)−もしくは(L)−として定義することができる鏡像異性体、ジアステレオマー、およびその他の立体異性体型を発生させることができる。本発明は全てのこのような可能な異性体、ならびにそれらのラセミ型および光学的に純粋な型を含むことを意図している。光学的に活性な(+)および(−)、ならびに(R)−および(S)−、または(D)−および(L)−異性体は、キラルシントンまたはキラル試薬を使って調製することができ、または従来技術、例えば、クロマトグラフィーや分別再結晶を使用して分離することができる。個々の鏡像異性体の調製/分離のための従来技術には、適切な光学的に純粋な前駆物質からのキラル合成または、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使ったラセミ体(または塩または誘導体のラセミ体)の分割が含まれる。本明細書で記載の前記化合物がオレフィン系二重結合またはその他の幾何学的不斉中心を含み、特に他に指示がない場合には、その化合物は、EおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図されている。同様に、全ての互変異性型も含まれることが意図されている。
「立体異性体」は、同一結合により結合された同一原子から構成されているが、相互転換可能ではない異なる三次元構造を有する化合物を意味する。本発明は種々の立体異性体およびこれらの混合物を意図しており、「鏡像異性体」を含み、これはそれらの分子が相互に重ね合わせることができない(nonsuperimposeable)鏡像である2つの立体異性体を意味する。
「互変異性体」は、分子の1つの原子から同一分子の別の原子へのプロトン移動を意味する。本発明はいずれかの前記化合物の互変異性体を含む。
A.固体支持体
上記のように、本開示の一態様は、固体基材に共有結合した複数のポリマーを含む固体支持体に関する。ポリマーは一般に、DNAなどの生体分子、またはその他の検体を固定(例えば、共有結合性抱合)するための反応性官能基を含む。該固体支持体は以前に記載された固体支持体より優れた、固体基材にポリマーを固定する結合層を必要としない容易な構築などの多くの利点を提供する。本明細書中に記載の固体支持体により、好ましい水接触角も実現される。したがって、該固体支持体は、DNAなどの種々の検体の高解像度/高密度アレイ解析に特に有用である。
上記のように、本開示の一態様は、固体基材に共有結合した複数のポリマーを含む固体支持体に関する。ポリマーは一般に、DNAなどの生体分子、またはその他の検体を固定(例えば、共有結合性抱合)するための反応性官能基を含む。該固体支持体は以前に記載された固体支持体より優れた、固体基材にポリマーを固定する結合層を必要としない容易な構築などの多くの利点を提供する。本明細書中に記載の固体支持体により、好ましい水接触角も実現される。したがって、該固体支持体は、DNAなどの種々の検体の高解像度/高密度アレイ解析に特に有用である。
プラスチック基材上のPCRマイクロアレイは、120℃を超える高Tg、1%未満の低吸水率、400〜800nmの範囲にわたり90%を超える光透過性、および低蛍光バックグラウンドであることを必要とする。上記特性を有する少数の市販のポリマーは化学的に不活性である傾向がある。このタイプのポリマーの湿式化学的表面改質は、長時間を要し、および/または多大な費用がかかる。多くの場合、基材ポリマーは一般的処理溶媒に対し不安定である。本発明者らは、ポリマーを固定する基材表面をヒドロキシル化するための酸素プラズマ処理は、単純で、低コスト、かつ効果的手法であることを発見した。
堅い熱可塑性モノリスを含む代表的固体支持体は、大気圧酸素プラズマ法、またはその他のプラズマ法により化学的に直接に活性化して、表面上にヒドロキシル基(またはその他の酸素化基)を生成することができる。表面上にアミノ基を生成するためのアンモニアプラズマ処理、窒素プラズマ処理および約1:3〜約10:1の比率の窒素/水素プラズマ処理を含むその他の基材表面のプラズマ処理も同様に検討されている。プラズマ処理は、官能性層を固定する前工程としての予備層の接着に依存する方法に比べて、便利で迅速かつ自動化可能で再現可能な表面官能基化のための技術を提供する。
本開示の固体支持体は、図1A〜1Fを参照することによりさらに良く理解することができる。図1Aからわかるように、適切な基材のプラズマ処理により、ヒドロキシル、エポキシド、アルデヒドおよびカルボキシ基を含む種々の酸化官能基を備えた固体基材を得ることができる。この観点で有用な基材について以降でさらに詳細に記載する。次に、適切な反応性基を含むポリマーの反応により固体支持体が調製される。例えば、図1Aは、ヒドラジド、アルコキシアミン、およびアミン反応性基を含むポリマーと表面結合アルデヒドが反応して、それぞれ、ヒドラゾン、オキシムおよびイミン共有結合を形成すること示す。好都合にも、この結果、ポリマーは介在するリンカーまたは「結合層」なしに固体基材の表面に直接共有結合する。図示を容易にするために、図1Aは同一ポリマーに複数の反応性官能基を示しているが、本発明には、ポリマーが単一種類の官能基のみを含む種々の実施形態が含まれることが理解されよう。
図1Bは、固体支持体の別の実施形態を示す。この場合も、固体基材を大気圧O2プラズマ(APOP)で処理して基材表面上に種々の酸化官能基が得られる。その後、基材をジアミン(例えば、エチレンジアミン)で洗浄してイミン結合を介して基材に結合した遊離アミンを組み込む。次に、活性化エステルなどの適切な反応性基を含むポリマーを、基材表面上のアルコールと反応させる(新たなエステルを形成する)ことにより、および/またはアミンと反応させる(アミドを形成する)ことにより固体基材に共有結合させることができる。図1Aは、ポリマーに結合したアミドとエステルの両方を含む固体支持体を示しているが、当業者なら、特定の実施形態がエステルまたはアミド結合のいずれかを有する基材を含むことを理解するであろう。例えば、ポリマーが活性化エステルを含む場合、ジアミン処理をしなければ、固体支持体は主にエステル結合を含むことになる。逆に、(ポリマーが活性化エステルを含む場合に)基材表面が主にアミンを含み、ポリマーが主にアミド結合を介して基材に結合するように、ジアミン洗浄中に採用する条件を制御することができる。
したがって、一実施形態では、固体支持体は、
外表面を備えた基材、および
基材の外表面に共有結合した複数のポリマー、
を含み、ポリマーはそれぞれ少なくとも1つのAおよびCサブユニットを含み、必要に応じて1つまたそれを超えるBサブユニットを含み、
Aサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基、または
c)捕捉プローブに対する共有結合、を含み、
任意のBサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Cサブユニットは、出現毎に独立に、基材の外表面に対する共有結合Wを含み、Wは次の構造、
の内の1つを有し、
式中、Qは、基材の外表面であり、第1と第2の熱化学的反応性基の反応性が相互に直交する。
外表面を備えた基材、および
基材の外表面に共有結合した複数のポリマー、
を含み、ポリマーはそれぞれ少なくとも1つのAおよびCサブユニットを含み、必要に応じて1つまたそれを超えるBサブユニットを含み、
Aサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基、または
c)捕捉プローブに対する共有結合、を含み、
任意のBサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Cサブユニットは、出現毎に独立に、基材の外表面に対する共有結合Wを含み、Wは次の構造、
式中、Qは、基材の外表面であり、第1と第2の熱化学的反応性基の反応性が相互に直交する。
特定のその他の実施形態では、ポリマーは次の式(I):
を有し、式中、
A、BおよびCは、それぞれA、BおよびCサブユニットを表し、
T1およびT2は、それぞれ独立に存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
xおよびzは、独立に1〜50,000の整数であり、
yは、0〜50,000の整数である。
A、BおよびCは、それぞれA、BおよびCサブユニットを表し、
T1およびT2は、それぞれ独立に存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
xおよびzは、独立に1〜50,000の整数であり、
yは、0〜50,000の整数である。
例えば、いくつかの実施形態では、固体支持体は次式:
を有し、式中、
R1は、出現毎に独立に、第1の熱化学的反応性基、第2の熱化学的反応性基または捕捉プローブへの共有結合であり、
R2は、出現毎に独立に、親水性成分であり;
Wは、出現毎に独立に、基材の外表面への共有結合であり、
Qは、基材の外表面であり、
R3、R4およびR5は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
L1、L2およびL3は、出現毎に独立に、直接結合または100原子までの長さのリンカーであり、
T1およびT2は、それぞれ独立に存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
xおよびzは、それぞれ独立に1〜50,000の整数であり、
yは、0〜50,000の整数である。
R1は、出現毎に独立に、第1の熱化学的反応性基、第2の熱化学的反応性基または捕捉プローブへの共有結合であり、
R2は、出現毎に独立に、親水性成分であり;
Wは、出現毎に独立に、基材の外表面への共有結合であり、
Qは、基材の外表面であり、
R3、R4およびR5は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
L1、L2およびL3は、出現毎に独立に、直接結合または100原子までの長さのリンカーであり、
T1およびT2は、それぞれ独立に存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
xおよびzは、それぞれ独立に1〜50,000の整数であり、
yは、0〜50,000の整数である。
前述の実施形態のいずれか1つにおいて、少なくとも1つのAサブユニットが、第1の熱化学的反応性基を含む。いくつかの実施形態では、第1の熱化学的反応性基は、活性化エステルであり、例えば、いくつかの態様では、第1の熱化学的反応性基は、出現毎に独立に、次の式:
を有し、式中、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、それぞれ独立に、H、ハロ、トリハロメチル、スルホ(すなわち、−SO3Hおよび/またはその塩)、−CN、C1−C6アルキルオキシカルボニル、C1−C6ヒドロキシアルキルオキシカルボニル、ニトロまたはポリエチレングリコールであり、ポリエチレングリコールは酸素(エーテル)またはカルボキシル(アミドまたはエステル)結合を介してフェニル成分に連結される。例えば、特定の実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dまたはR7eの内の少なくとも1つは、独立に−CO2Rであってよく、式中、Rは、アルキル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシ(ポリエトキシ)エチルである。特定の実施形態では、ポリエチレングリコール成分は、50〜3,000エチレンオキシドサブユニットを含む。
前述の種々の実施形態では、ハロはフルオロである。例えば、いくつかの実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dまたはR7eの内の少なくとの1つはフルオロである。他の実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dまたはR7eのそれぞれはフルオロである。別の実施形態では、R7a、R7b、R7dまたはR7eのそれぞれはフルオロであり、R7cはスルホである。前述の特定のその他の実施形態では、第1の熱化学的反応性基は、4−スルホテトラフルオロフェニルエステル(すなわち、R7a、R7b、R7dまたはR7eのそれぞれはフルオロで、R7cはスルホ)である。好都合にも、これらのタイプのフッ素化反応性成分を含むポリマーは、19Fおよび/または1H NMR技術で分析してポリマー中の反応性モノマーと希釈モノマーとの間の比率を正確に決定することができる。モル供給比からは最終ポリマー中に組み込まれたサブユニットのmol%は必ずしも正確に予測されないが、本発明のポリマーの特定の実施形態における1つまたそれを超えるF原子の存在により、ポリマーの実際のモル組成の正確な決定が可能となる。このような決定方法は、実施例で提供される。
特定のその他の実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dまたはR7eの内の1つはニトロである。例えば、いくつかの実施形態では、R7a、R7b、R7c、R7dまたはR7eの内の1つはニトロであり、残りの置換基はHである。
本明細書で記載の固体支持体のいずれかの他の実施形態では、少なくとも1つのAサブユニットは第2の熱化学的反応性基を含む。
いくつかの実施形態では、アルキン、アルキルシリル保護アルキン、アジド、ニトリル、チオール、アルケン、マレイミド、ブタジエン、シクロペンタジエン、アジリジン、チイラン、ジエン、求ジエン体、または1,4−不飽和カルボニル官能基。
他の実施形態では、第2の熱化学的反応性基は環化付加反応性基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、環化付加反応性基は、出現毎に独立に、アルキンまたはアジド官能基を含む。代表的環化付加反応性基は、出現毎に独立に、次の式:
の内の1つを有し、
式中、βおよびχは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。
式中、βおよびχは、それぞれ独立に、1〜5の整数である。
いくつかの実施形態では、βは、1または3である。その他の実施例では、χは1である。
他の実施形態では、環化付加反応性基は、出現毎に独立に、ジエンまたは求ジエン体官能基を含む。例えば、いくつかの実施形態では、環化付加反応性基は、出現毎に独立に、α,β−不飽和カルボニル、マレイミジル、アセチレンジカルボン酸エステル、シクロペンチルジエニル、フラニルまたはN−アルキルピロリル成分を含む。これに関連する代表的環化付加反応性基は、次の式:
の内の1つを有し、式中、Raは、C1−C6アルキルであり、L1は、直接結合または100原子までの長さのリンカーである。
図1Cは、固体支持体の別の実施形態を示す。この場合も、固体基材を大気圧O2プラズマ(APOP)で処理して外表面上にヒドロキシル官能基が得られる。次に、活性化エステルなどの適切な反応性基を含むポリマーを、固体基材に共有結合(固定)させて新規エステルを形成させることができる。触媒(例えば、トリエチルアミン)を同様に用いて活性化エステルの反応性を高めることも可能である。
図1Dは、固体支持体の別の実施形態を示す。図1Dからわかるように、適切な基材の酸素プラズマ処理により、ヒドロキシル、エポキシド、アルデヒドおよびカルボキシ基を含む種々の酸化官能基を備えた固体基材を得ることができる。その後、官能化表面は適切な反応性基を含むポリマーに曝露される。例えば、図1Dは、ヒドラジド、アルコキシアミン、およびアミン反応性基を含むポリマーを表面結合アルデヒドと反応させて、それぞれヒドラゾン、オキシムおよびイミン共有結合を形成することを示す。好都合にも、この結果、ポリマーは介在するリンカーまたは「結合層」なしに固体基材の表面に直接共有結合する。図示を容易にするために、図1Dは同一ポリマーに複数の種類の反応性官能基を示しているが、本発明には、ポリマーが単一種類の官能基のみを含む種々の実施形態が含まれることが理解されよう。次に、捕捉プローブは、限定されないが、アジド、アルキン、ジエン、求ジエン体、または反応性エステル基を含む少なくとも1つの直交反応性基Aに対するバイオコンジュゲーションにより官能化されたポリマー表面にスポットされる。その後、固体支持体はアンモニアキャッピングを受け、残存する直交反応性基Aを親水性官能基Bに変換し、低水接触角(例えば、15°未満の)を有する親水性表面を生成して生体分子および気泡の非特異的吸着を減らす。種々の実施形態では、反応性基Aは、ヒドラジド、アルコキシアミンおよびアミン反応性基から選択される。
図1Eは、固体支持体の別の実施形態を示す。この場合も、固体基材表面を大気圧O2プラズマ(APOP)で処理して、ヒドロキシル、エポキシド、アルデヒドおよびカルボキシ基を含む種々の酸化官能基が得られる。示したのはヒドロキシルおよびアルデヒド基材の混合物であるが、当業者ならわかるように、その他の基材も同様に想定される。その後、官能化表面は、ジアミン予洗を受け、混合ヒドロキシアミノ表面が得られる。次に、活性化エステルなどの適切な反応性基を含むポリマーを、任意のアミン触媒の存在下で官能化固体基材に共有結合させて、新規エステルおよびアミド結合を形成し、ポリマーを基材表面に結合させる。ポリマー中の少なくとも1つの反応性基(特定の実施形態では、これは2つのタイプのサブユニットを含むコポリマーである)が表面反応性基の内の少なくとも1つと反応する。ポリマー中の残存する反応性基の内の少なくとも1つが、その後のスポッティングステップで共有結合アミド結合を形成する捕捉プローブと反応する。次に、固体支持体はアンモニアキャッピングを受け、ポリマー上のエステル基がアミド基で置換されてその表面親水性が高くなる。
図1Fは、固体支持体の別の実施形態を示す。固体基材表面を大気圧NH3または(N2+H2)プラズマで処理することにより、アミノ官能基が得られる。次に、適切な反応性基を含むポリマーの反応により固体支持体が調製される。例えば、図1Fは、エステル反応性基を含むポリマーと表面結合アミノ基との反応によりアミド共有結合が形成されることを示す。ポリマー中の少なくとも1つの反応性基(いくつかの実施形態では、これは2つのタイプのサブユニットを含むコポリマーである)が表面反応性基の内の少なくとも1つと反応する。ポリマー中の残存する反応性基の内の少なくとも1つが、その後のスポッティングステップで共有結合アミド結合を形成する捕捉プローブと反応する。次に、固体支持体はアンモニアキャッピングを受け、ポリマー上のエステル基がアミド基で置換されてその表面親水性が高くなる。好都合にも、この結果、ポリマーは介在するリンカーまたは「結合層」なしに固体基材の表面に直接共有結合する。図示を容易にするために、次に、捕捉プローブがスポットされ、エステル基との相互作用により官能化されたポリマー表面に共有結合される。次に、固体支持体はアンモニアキャッピングを受け、ポリマー上のエステル基がアミド基で置換されてその表面親水性が高くなる。
特定の実施形態では、固体支持体はそれに固定された捕捉プローブをさらに含む。例えば、いくつかの実施形態では、少なくとも1つのAサブユニットは、捕捉プローブへの共有結合を含む。共有結合は、通常、第1または第2の熱化学的反応性基の内の1つと、捕捉プローブ上の適切な反応性基との間で形成される。例えば、第1の熱化学的反応性基がエステルの場合、捕捉プローブとポリマーとの間で形成される共有結合はエステルまたはアミド(捕捉プローブ上のアルコールまたはアミンの反応に由来する)であってよい。特定の実施形態では、共有結合は捕捉プローブに対するアミジル結合またはアミン結合である。特定の実施形態では、共有結合は捕捉プローブに対するアミジル結合またはチオエステル結合である。
他の実施形態では、ポリマーと捕捉プローブ(存在する場合)との間の共有結合は、ポリマー上の環化付加反応性基と、捕捉プローブ上の相補的反応性基との間で形成される。これの関連では、「クリック」ケミストリーは特に有用である。したがって、いくつかの実施形態では、環化付加反応性基は、アルキンまたはアジドである。他の実施形態では、捕捉プローブに対する共有結合はトリアゾール成分を含む。
その他の関連実施形態では、少なくとも1つのAサブユニットは、次の構造:
の内の1つを有し、
式中、
R5は、HまたはC1−C6アルキルであり;
L4は、任意のリンカーであり;
Zは、捕捉プローブまたはそれらの断片である。
その他の関連実施形態では、少なくとも1つのAサブユニットは、次の構造:
式中、
R5は、HまたはC1−C6アルキルであり;
L4は、任意のリンカーであり;
Zは、捕捉プローブまたはそれらの断片である。
固体支持体は、多くの検体の分析にとって有用である。その際、捕捉プローブの固有の特性は特に限定されず、当業者なら本発明の固体支持体との関係で有用な種々の捕捉プローブを想定することができるであろう。限定されないが、特定の実施形態は、ペプチド、タンパク質、グリコシル化タンパク質、複合多糖、アプタマー(aptomer)、炭水化物、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドおよびポリペプチドから選択される捕捉プローブに関する。特定の実施形態では、捕捉プローブはポリヌクレオチドである。他の実施形態では、捕捉プローブはDNAである。
上述のように、本発明の固体支持体は、好都合にも、固体基材の表面に共有結合したポリマーを含む。したがって、該固体基材の調製方法は、より容易に商業的に実現可能であり、得られた固体支持体は、以前に記載された固体支持体より優れた、上述の好都合なWCA切り換え特性を含む多くの機能的利点を有する。特定の実施形態では、ポリマーと固体基材との間の共有結合(「W」)は、出現毎に独立に、次の構造:
の内の1つを有し、式中、Qは固体基材である。
前述のW構造のいずれかの組み合わせを含む固体支持体も同様に、本発明の異なる実施形態の範囲内に含まれる。
他の実施形態では、Cサブユニットは、出現毎に独立に、次の構造:
の内の1つを有し、
式中、
R5は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
Qは、固体支持体の外表面であり、
nは、2〜10の整数である。
式中、
R5は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
Qは、固体支持体の外表面であり、
nは、2〜10の整数である。
Bサブユニットは、親水性成分を含む。Bサブユニットの数と固有の特性を制御して、所望の疎水性および水接触角、などを備えた固体支持体が得られる。本発明者らは、特定の実施形態において、Bサブユニットを含まないポリマーで特定の利点が得られることを発見した。したがって、特定の実施形態は、Bサブユニットを含まないポリマーを備えた固体支持体に関する。
他の実施形態では、ポリマーは少なくとも1つのBサブユニットを含む。例えば、いくつかの実施形態では、親水性成分は、出現毎に独立に、アミド、エステルまたはヒドロキシル官能基、またはこれらの組み合わせを含む。
他の実施形態では、Bサブユニットは、出現毎に独立に、次の式:
の内の1つを有し、
式中、
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aおよびR8bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルである。
式中、
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aおよびR8bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルである。
上記の特定の変形形態では、R8aおよびR8bはそれぞれHである。いくつかの実施形態では、R8aまたはR8bの1つはHであり、その他のR8aまたはR8bはC1−C6アルキルである。さらにその他の実施形態では、R8aはHであり、R8bはメチルである。
またさらなる実施形態では、R8aまたはR8bの1つはHであり、その他のR8aまたはR8bはヒドロキシアルキルである。他の実施形態では、R8aはHであり、R8bは−CH2OHである。
さらにその他の実施形態では、R10は−CH2CH2OHである。
第1または第2の熱化学的反応性基、親水性成分または「W」をポリマーの残り部分に連結する連結成分は限定されることなく、所望の特性を有する固体基材を得るために改質することができる。特定の実施形態では、L1、L2およびL3は、それぞれ独立に、アルキレン、エステル、アルキレンオキシド、アミド、イミド、エーテルもしくはジチオ成分、またはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、L1、L2またはL3の内の少なくとも1つは、直接結合である。他の実施形態では、L1、L2およびL3のそれぞれは、直接結合である。
前述の種々の実施形態では、R3、R4またはR5の内の少なくとも1つはHである。例えば、いくつかの実施形態では、R3、R4およびR5のそれぞれはHである。他の実施形態では、R3、R4またはR5の内の少なくとも1つは、メチルである。例えば、いくつかの実施形態では、R3、R4およびR5のそれぞれはメチルである。
上述のように、通常、ポリマー中のBサブユニットの量(および逆に、Aサブユニットの量)を制御して、生成する固体支持体で所望の親水性(および水接触角)が得られる。ポリマー中のサブユニットの量は、モル供給比のパーセンテージ(MFR%)としてまたはモルパーセントとして表すことができる。一般に、モル供給比パーセントは、ポリマーの調製に使われるモノマーの実際の比率を基準にすることになる。サブユニットのモル%は、その他の技術、例えば、NMR(例えば、本明細書で記載の19F NMR)を使って決定できる。
このような方法により求めて、いくつかの実施形態では、ポリマーは、約40mol%未満のBサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、0mol%超〜約40mol%のBサブユニットを含む。さらにその他の実施形態では、ポリマーは、約35mol%のBサブユニットを含む。いくつかのさらなる実施形態では、ポリマーは、少なくとも約30mol%のBサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、0mol%超〜約15mol%のBサブユニットを含む。
さらにその他の実施形態では、ポリマーは、少なくとも約75mol%のAサブユニットを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマーは、少なくとも約90mol%のAサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、少なくとも約95mol%のAサブユニットを含む。さらにその他の実施形態では、ポリマーは、少なくとも約99.9mol%のAサブユニットを含む。
したがって、いくつかの実施形態では、ポリマーは、約40MFR%未満のBサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、0MFR%超〜約40MFR%のBサブユニットを含む。さらにその他の実施形態では、ポリマーは、約35MFR%のBサブユニットを含む。いくつかのさらなる実施形態では、ポリマーは、少なくとも約30MFR%のBサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、0MFR%超〜約15MFR%のBサブユニットを含む。
さらにその他の実施形態では、ポリマーは、少なくとも約75MFR%のAサブユニットを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ポリマーは、少なくとも約90MFR%のAサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、少なくとも約95MFR%のAサブユニットを含む。さらにその他の実施形態では、ポリマーは、少なくとも約99.9MFR%のAサブユニットを含む。
ポリマーが1つのタイプのみの反応性基を含む実施形態は、本発明の範囲内にあると想定される。したがって、一実施形態では、それぞれのAサブユニットは、第1の熱化学的反応性基または捕捉プローブへの共有結合を含む。前述の特定の実施形態では、ポリマーはBサブユニットを含まない。前述のまたさらなる特定の実施形態では、第1の熱化学的反応性基は、上記で定義の反応性エステル、例えば、ペンタフルオロフェニルエステルである。
特定の実施形態では、ポリマーはランダムポリマーである。
特定のその他の実施形態では、スポッティング(および生体分子/捕捉プローブ共有結合)後、全ての残存反応性ポリマー表面(非スポットおよび非捕捉プローブ領域)を化学的に変性してそれを親水性ならびに化学的に安定にすることが望ましい。
出願者らは、本発明の固体支持体は、現在利用可能な固体支持体に比べて水接触角を切り換える予想外の能力があることを発見した。すなわち、固体支持体は、バイオコンジュゲーションの前には大きいWCAを有し、これはより狭いスポット間隔(例えば、小さいスポットサイズを許容することにより)を可能とする。バイオコンジュゲーション後は、本明細書で説明したように「キャッピング」によりWCAを大きく低下させることができる。バイオコンジュゲーション後のこの小さくなったWCAは、入手可能な固体支持体では実現されない特定の利点を有する。例えば、より高親水性表面は、凍結乾燥の前にPCR試薬水溶液の分注と分散を容易にし、他の関連する利点を促進する。固体支持体のWCA切り換え能力については以降でより詳細に考察する。
出願者らは、期せずして、開示基材上のポリマー表面は、現在販売されている市販のマイクロアレイより疎水性であることを発見した。図5は、68.3mol%のPFPAおよび31.7mol%のDMAを含むポリ(PFPA−co−DMA)を使って共有結合で固定された環状オレフィン基材表面のWCAを示す。73°未満のWCAは観察されなかった。比較的大きな疎水性がその表面上にスポットされた捕捉プローブの水滴が濡れによって直径が大きくなるのを防ぎ、狭い間隔で配置されたマイクロアレイの製造を可能とする。
マイクロアレイをスポッティング後に、疎水性であり得る表面上に残存する反応性基(例えば、PFPA)は「キャッピング」により親水性成分に変換される必要があり、これにより、特定の実施形態において全体の表面に対し、WCA≦12°が得られる。このような親水性表面を有することの利点としては、(1)非特異的吸着を減らし、高い信号対雑音比が得られること、(2)凍結乾燥試薬の分注水溶液を凍結乾燥の前に表面上に均一に広げることを可能にすること、(3)凍結乾燥試薬を緩衝水溶液で再構成する間に捕捉された気泡を排出すること、が挙げられる。
水性トリエチルアミン(TEA)、水性アンモニア、アンモニア蒸気;短鎖PEGジアミンを使った浸漬によるキャッピング;長鎖PEGアミン(MW2000)を使ったキャッピング;塩含有対塩なしのアセトン対水中の短鎖PEGジアミン対アンモニアを使って、40℃と60℃で1時間の浸漬によるキャッピング;短鎖PEGジアミン対100mMのトリエチルアミン(TEA)含有アンモニアを使った20℃、60℃、および95℃で1時間のキャッピング;50mMのTEA含有対TEAなしの水中の3種の濃度(50、150、および500mM)のジメチルアミンを使って60℃対75℃で1時間キャッピング;ならびに4種の濃度(0、50、100、500mM)のアンモニアを使ってそれぞれ4種の温度(20℃、60℃、75℃および95℃)で1時間のキャッピングを含む、キャッピングを実現可能な種々の表面処理について試験した。
表1(実施例12を参照)は、あらかじめ大気圧酸素プラズマで処理した65mol%PFPAおよび35mol%DMAを有するコポリマー基材表面上への共有結合による固定化により調製された固体支持体の代表的キャッピング結果を示す。アンモニアキャッピングは、疎水性のペルフルオロ化エステル基を有するPFPAモノマー反復単位を、親水性で化学的に安定なアクリルアミド基に変換する。表1に示すように、スポットされたマイクロアレイの50〜500mM水性アンモニア中への浸漬によるキャッピング後、100mMトリエチルアミンを使った60℃で1〜2時間の処理により、10°未満の水接触角が得られた。
出願者らは、期せずして、アンモニアが、約85°から20°未満、さらには15°未満または10°未満へのWCA水接触角の切り換えに特にうまく適合していることを発見した。出願者らは、期せずして、上記キャッピングプロトコルが、スポットされた(すなわち、捕捉プローブ結合)固体支持体の水接触角を約80°から15°未満へと変換する一方通行であったことを発見した。15°未満の低水接触角は、非特異的吸着を減らし、信号対雑音比を高め、この結果、プローブ信号検出時の感受性と特異性を高めた。キャッピングされた表面の高い水湿潤性は、マイクロ流体装置への組み込みに有用な親水性表面を付与し、種々のバイオアッセイ成分および気泡の非特異的吸着の低減を支援する。
他の実施形態では、水接触角は小さいスポットサイズが得られるように最適化される(例えば、固体支持体が高度多重化に対するアレイタイプ分析で使われる場合)。いくつかの実施形態では、固体支持体は、40°〜95°、例えば、40°〜90°、60°〜95°または70°〜90°の範囲の水接触角を有する。例えば、いくつかの実施形態では、固体支持体は、50°〜85°または60°〜85°の範囲の水接触角を有する。他の実施形態では、固体支持体は、60°〜80°の範囲の水接触角を有する。他の実施形態では、固体支持体は、61°〜95°、例えば、70°〜90°の範囲の水接触角を有する。例えば、いくつかの実施形態では、固体支持体は、75°〜85°の範囲の水接触角を有する。他の実施形態では、固体支持体は、78°〜83°の範囲の水接触角を有する。
いくつかの実施形態では、任意のキャッピングステップ(例えば、アンモニアでの処理)後のWCAは、キャッピング前よりはるかに小さい。いくつかの実施形態では、キャッピング後のWCAは、25°未満、20°未満、15°未満、またはさらに10°未満である。任意のキャッピングステップ前後のWCAの差異は、いくつかの実施形態では、少なくとも50°、少なくとも60°または少なくとも70°である。
本明細書の固体支持体に用いられる固体基材は限定されず、一般に、所望の最終用途に応じて選択される。しかし、本発明者らは、固体支持体の特定の実施形態では、有機ポリマー基材を有する固体支持体を採用することができることを発見した。いくつかの実施形態では、基材は、ポリ(スチレン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(ケトン)、ポリ(脂肪族エーテル)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(アリールエーテル)、ポリ(アミド)ポリ(イミド)、ポリ(エステル)、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(オレフィン)、ポリ(環状オレフィン)、ポリ(ビニルアルコール)、これらのポリマーブレンドもしくはポリアルキルポリマーまたはハロゲン化誘導体、架橋誘導体またはこれらの組み合わせを含む。例えば、いくつかの実施形態では、ハロゲン化誘導体は、ハロゲン化ポリ(アリールエーテル)、ハロゲン化ポリ(オレフィン)またはハロゲン化ポリ(環状オレフィン)である。特定の具体的実施例では、基材は環状ポリ(オレフィン)を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、基材は実質的に光透過性である。このような基材は、蛍光または光学的検出法を使用する分析に採用される固体支持体として有用である。いくつかの実施形態では、基材は、約400nm〜約800nmの範囲で実質的に光透過性である。さらにその他の実施形態では、基材は、少なくとも約90%光透過性である。
上述のように、固体支持体はDNAなどの種々の検体のアレイ解析法で使用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、固体支持体は、異なる位置の系統的アレイを含み、それぞれの異なる位置は独立に基材の外表面に共有結合した少なくとも1つのポリマーを含む。他の実施形態では、それぞれの異なる位置は、独立に、その位置へ共有結合した複数のポリマーを含む。さらにその他の実施形態では、それぞれの異なる位置の少なくとも1つのポリマーは、独立に、そのポリマーに共有結合した捕捉プローブを含む。例えば、いくつかの実施形態では、それぞれの異なる位置は、独立に、その位置へ結合した複数の構造的に異なる捕捉プローブを含む。
以前に記載された固体支持体と対照的に、本明細書中で記載する固体支持体の実施形態は、複数のポリマー間の化学架橋(ポリマー間およびポリマー内架橋)を実質的に含まない。理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、このようなポリマー間およびポリマー内架橋は、光活性ポリマーの基材へのUV誘導結合(UV誘導ラジカルメカニズムによる)の間に形成されると考えている。本発明のポリマーの実施形態は熱化学的反応性官能基(すなわち、UV反応性官能基ではない)を介して固体基材に共有結合するために、得られた固体支持体は、通常ポリマー間およびポリマー内架橋を実質的に含まない。
したがって、いくつかの実施形態では、複数のポリマーは実質的にポリマー間の架橋を含まない。他の実施形態では、複数のポリマーは、ポリマー間の架橋を95%、98%、99%またはさらに99.9%含まない。
また、本開示は上記の固体支持体の調製に有用であることがわかった特定の固体基材も提供する。例えば、一実施形態では、本開示は、固体基材の外表面に共有結合した複数の一級アミン官能基を含む固体支持体を提供し、アミン官能基はイミン結合を含むリンカーを介して固体基材に結合する。
本明細書で記述されている化合物および/またはポリマーのいずれの実施形態も、ならびに本明細書で記載の化合物および/またはポリマーにおける本明細書で記述されているいずれの特定の置換基も、化合物および/またはポリマーのその他の実施形態および/または置換基と独立に組み合わせて、具体的に上で記述されていない本発明の実施形態を形成することができることは理解されよう。加えて、特定の実施形態および/または請求項において、特定のR基に対する置換基の一覧が記載されている場合には、それぞれ個別の置換基は、特定の実施形態および/または請求項から削除することができ、置換基の一覧の残りの置換基は本発明の範囲内に入ると見なされるであろうことは理解されよう。
本発明の記載においては、置換基および/または示した式の変数の組み合わせは、このような寄与要因が安定な化合物をもたらす場合にのみ許容され得ることは理解されよう。
さらに、遊離塩基または酸型として存在する本発明の全ての化合物および/またはポリマーは、適切な無機または有機塩基または酸を使って当業者に既知の方法で処理することにより塩に変換することができる。本発明の化合物の塩は、標準的な技術によりそれらの遊離塩基型または酸型に変換することができる。
B.固体支持体およびポリマーの調製方法
本発明の実施形態は、固体支持体の調製方法に関する。例えば、一実施形態では、方法は、
A)外表面に共有結合した複数のヒドロキシル、カルボニルもしくはアミン官能基、またはこれらの組み合わせを含む固体基材を提供すること、および
B)ヒドロキシル、カルボニルまたはアミン官能基の内の少なくとも1つと、Dサブユニットとの間で共有結合を形成するのに十分な条件下で、Dサブユニットならびに任意のEおよびFサブユニットを含むポリマーと固体基材とを接触させること、を含み、
Dサブユニットは、出現毎に独立に、第1の反応性基を含み、第1の反応性基は固体基材または捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン官能基と共有結合を形成可能である熱化学的反応性基であり、
Eサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Fサブユニットは、出現毎に独立に第2の反応性基を含み、第2の反応性基は、付加環化または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する付加環化または共役付加反応性基であり、
第1の反応性基と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
本発明の実施形態は、固体支持体の調製方法に関する。例えば、一実施形態では、方法は、
A)外表面に共有結合した複数のヒドロキシル、カルボニルもしくはアミン官能基、またはこれらの組み合わせを含む固体基材を提供すること、および
B)ヒドロキシル、カルボニルまたはアミン官能基の内の少なくとも1つと、Dサブユニットとの間で共有結合を形成するのに十分な条件下で、Dサブユニットならびに任意のEおよびFサブユニットを含むポリマーと固体基材とを接触させること、を含み、
Dサブユニットは、出現毎に独立に、第1の反応性基を含み、第1の反応性基は固体基材または捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン官能基と共有結合を形成可能である熱化学的反応性基であり、
Eサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、
Fサブユニットは、出現毎に独立に第2の反応性基を含み、第2の反応性基は、付加環化または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する付加環化または共役付加反応性基であり、
第1の反応性基と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
前述の特定の実施形態では、ヒドロキシルおよびカルボニル官能基はリンカーの介在なしで基材表面に直接結合し、アミン官能基はイミン結合を含むリンカーを介して基材表面に結合し、イミン結合はリンカーの介在なしに基材表面に直接結合する。いくつかの実施形態では、アミン官能基は介在リンカーなしに固体基材に結合する。
特定の実施形態では、固体支持体の調製方法は、反応性ポリマーを、上述のように活性化されてヒドロキシル、エポキシド、アルデヒド、酸、アミンまたはその他の官能基を含んでいる基材表面と反応させることを含む。いくつかの実施形態では、反応性ポリマーは、上述のAサブユニットおよび任意のBサブユニットを含む。基材表面上の官能基との反応時に、AサブユニットはCサブユニットに変換される。残存する未反応Aサブユニットは、捕捉プローブとのバイオコンジュゲーションに利用できる。
前述の方法の他の実施形態では、方法はキャッピングステップをさらに含む。キャッピングステップは、固体支持体への捕捉プローブの抱合後に実施することができ、通常、上記で考察のように著しく低いWCAを有する固体支持体が得られる。任意のキャッピングステップ用の有用な試薬には、塩基、例えば、アミン塩基(例えば、NH4OH)が挙げられる。アミン含有触媒を採用して反応を促進することもできる。有用な溶媒には、極性溶媒、例えば、アセトニトリルおよび/またはアセトンが挙げられ、これらは無水であってもよく、またはごくわずかの水を含んでもよい。キャッピングは室温で実施することができるが、通常は約60℃、75℃または95°などの高温で実施される。
任意選択で、本発明の方法は触媒(例えば、塩基触媒)の使用を含めてポリマーと固体基材との反応を向上させてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の反応性基は固体基材上のケトンまたはアルデヒド基と共有結合形成が可能な求核基である。例えば、いくつかの実施形態では、第1の反応性基はヒドラジド、アミンまたはアルコキシアミンである。
他の実施形態では、第1の反応性基は固体基材上のアルコールまたはアミン基と共有結合形成が可能な求電子性基である。例えば、いくつかの実施形態では、第1の反応性基はアリールエステルまたはエポキシドである。
いくつかのその他の実施形態では、ポリマーは次の構造(III):
を有し、式中、
D、EおよびFは、それぞれD、EおよびFサブユニットを表し、
T3およびT4は、それぞれ独立に、存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
aは、1〜50,000の整数であり、
bおよびcは、独立に0〜50,000の整数である。
D、EおよびFは、それぞれD、EおよびFサブユニットを表し、
T3およびT4は、それぞれ独立に、存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
aは、1〜50,000の整数であり、
bおよびcは、独立に0〜50,000の整数である。
前述の方法の他の実施形態では、ポリマーは次の式(IV):
を有し、式中、
R11は、出現毎に独立に、第1の反応性基を含む置換基であり、
R12は、出現毎に独立に、親水性成分を含む置換基であり、
R13は、出現毎に独立に、第2の反応性基を含む置換基であり、
R14、R15およびR16は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
L5、L6およびL7は、出現毎に独立に、直接結合または100原子までの長さのリンカーであり、
T3およびT4は、それぞれ独立に、存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
qは、1〜50,000の整数であり、
rおよびsは、独立に0〜50,000の整数である。
R11は、出現毎に独立に、第1の反応性基を含む置換基であり、
R12は、出現毎に独立に、親水性成分を含む置換基であり、
R13は、出現毎に独立に、第2の反応性基を含む置換基であり、
R14、R15およびR16は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
L5、L6およびL7は、出現毎に独立に、直接結合または100原子までの長さのリンカーであり、
T3およびT4は、それぞれ独立に、存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
qは、1〜50,000の整数であり、
rおよびsは、独立に0〜50,000の整数である。
いくつかのその他の代表的実施形態では、R11は、出現毎に独立に、次の式:
の内の1つを有し、
式中、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、それぞれ独立に、H、ハロ、トリハロメチル、またはニトロである。
式中、R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eは、それぞれ独立に、H、ハロ、トリハロメチル、またはニトロである。
特定の上記実施形態では、rおよびsはそれぞれ0である。
いくつかの実施形態では、熱化学的反応性基は、本明細書の上記のいずれかの実施形態中で定義されている通りである。
いくつかのさらなる実施形態では、Fサブユニットが存在する。他の実施形態では、環化付加または共役付加反応性基は、本明細書の上記のいずれかの実施形態中で定義されている通りである。
他の実施形態では、Eサブユニットが存在する。これらのいくつかの実施形態では、親水性成分は、本明細書の上記のいずれかの実施形態中で定義されている通りである。
特定の他の実施例では、共有結合は、ヒドロキシル、アミンまたはカルボニル成分の内の少なくとも1つと第1の反応性基との反応により形成されるエーテル、エステル、ヒドラゾン、オキシム、アミドまたはイミン結合である。他の実施例では、Wは、ヒドロキシルまたはカルボニル成分の内の少なくとも1つと第1の反応性基との反応により形成されるエーテル、エステル、ヒドラゾン、オキシムまたはイミン結合を含む。
いくつかのさらなる実施形態では、固体基材は、コロナ処理または周囲空気プラズマ、大気圧酸素プラズマ(APOP)、窒素プラズマ、アンモニアプラズマ、または窒素+水素プラズマの混合物による固体基材の処理により調製される。例えば、いくつかの実施形態では、方法は、固体基材上のカルボニルと、ジアミン中の第1のアミン基との間で共有イミン結合を形成するのに十分な条件下で、固体基材とジアミン化合物とを接触させることをさらに含む。
他の実施形態では、方法は、捕捉プローブとポリマーとの間で共有結合を形成させるのに十分な条件下で、固体支持体と捕捉プローブとを接触させることをさらに含む。
またさらなる実施形態では、共有結合は、Dサブユニット上のアリールエステルまたはエポキシド成分と、捕捉プローブ上のアミン成分とを反応させることにより形成される。
他の実施形態では、共有結合は、Fサブユニット上のアルキン成分と、捕捉プローブ上のアジド成分とを反応させることにより形成される。他の実施形態では、共有結合は、Fサブユニット上のアジド成分と、捕捉プローブ上のアルキン成分とを反応させることにより形成される。例えば、方法の特定の実施形態は、アジドの存在下で、Cu(I)触媒と固体支持体とを接触させることをさらに含む。
開示固体支持体およびポリマーの調製方法は、当業者にはすぐに明らかとなろう。例えば、特定の実施形態では、本発明のポリマーは、所望の比率のサブユニットと、任意の活性化因子(例えば、熱重合用AIBNまたはATRP用触媒)を混合することにより調製することができる。アジドまたはアルキンなどのクリック官能基を含むサブユニットおよびポリマー(例えば、プロパルギルアクリレート、3−アジドプロピルアクリレート)は、当該技術分野において既知の方法に従って調製することができ、または、市販品供給業者から購入することができる。例えば、S.R.Gondi,el at.,Macromolecules 2007,40,474−481;P.J.Roth,el at.,J.Polym.Sci.Part A:Polym.Chem.2009,47,3118−3130;およびC.Li,et al.,Macromolecules,2009,42,2916−2924、を参照されたい。これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。代表的方法は、実施例で提供される。
また、当業者なら、本明細書で記載されるプロセス中の中間体化合物の官能基を、適切な保護基により保護する必要がある場合があることも理解されよう。このような官能基には、ヒドロキシ、アミノ、メルカプトおよびカルボン酸が含まれる。ヒドロキシの適切な保護基には、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル、などが挙げられる。アミノ、アミジノ、およびグアニジノのための適切な保護基には、t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、などが挙げられる。メルカプトのための適切な保護基には、−C(O)−R”(式中、R”はアルキル、アリールまたはアリールアルキル)、p−メトキシベンジル、トリチルなどが挙げられる。カルボン酸のための適切な保護基には、アルキル、アリールまたはアリールアルキルが挙げられる。保護基は、当業者に既知のおよび本明細書で記載の標準的な技術にしたがって付加または除去することができる。保護基の使用に関しては、Green,T.W.and P.G.M.Wutz,Protective Groups in Organic Synthesis (1999),3rd Ed.,Wiley、に詳細に記載されている。当業者ならわかるように、保護基はポリマー樹脂、例えば、ワングレジン、リンクレジンまたは2−クロロトリチルクロリド樹脂であってもよい。
C.ポリマー
別の態様では、本発明は、新規ポリマーに関する。該ポリマーは記載の固体支持体の調製またはその他の目的に使用することができる。アクリルアミド含有ポリマーは、一般に、水相中にのみ溶解すると考えられる。しかし、この分野の一般的教示とは対照的に、本発明者らは期せずして、アクリルアミドおよび疎水性のアクリレートモノマーのコポリマーは、有機溶剤中にかなり溶解することを発見した。これに関連して、本発明者らは疎水性モノマー(例えば、PFPA)を含むコポリマー中にわずかな比率のアクリルアミドを混入することにより、有利な性質を有するコポリマーが得られることを発見した。このようなコポリマーの利点の1つは、アクリルアミドモノマー含有量を調節することにより、種々の溶媒(水を含む)中での溶解度を機能性表面用途向けに適合させることができることである。またこれは最高比率の反応性官能基を備えたコポリマーを提供することができると同時に、その後の水ベースアッセイにおいて有用なように十分な親水機能性を保持する。意外にも、特定の実施形態では、35%未満のアクリルアミドMFRを有する代表的ポリマーが、アセトン、アセトニトリル、THF、クロロホルムおよびその他の有機溶媒中に容易に溶解することが明らかになった。
別の態様では、本発明は、新規ポリマーに関する。該ポリマーは記載の固体支持体の調製またはその他の目的に使用することができる。アクリルアミド含有ポリマーは、一般に、水相中にのみ溶解すると考えられる。しかし、この分野の一般的教示とは対照的に、本発明者らは期せずして、アクリルアミドおよび疎水性のアクリレートモノマーのコポリマーは、有機溶剤中にかなり溶解することを発見した。これに関連して、本発明者らは疎水性モノマー(例えば、PFPA)を含むコポリマー中にわずかな比率のアクリルアミドを混入することにより、有利な性質を有するコポリマーが得られることを発見した。このようなコポリマーの利点の1つは、アクリルアミドモノマー含有量を調節することにより、種々の溶媒(水を含む)中での溶解度を機能性表面用途向けに適合させることができることである。またこれは最高比率の反応性官能基を備えたコポリマーを提供することができると同時に、その後の水ベースアッセイにおいて有用なように十分な親水機能性を保持する。意外にも、特定の実施形態では、35%未満のアクリルアミドMFRを有する代表的ポリマーが、アセトン、アセトニトリル、THF、クロロホルムおよびその他の有機溶媒中に容易に溶解することが明らかになった。
一実施形態では、ポリマーはG、Hおよび任意のIサブユニットを含み、
Gサブユニットは、出現毎に独立に:
a)第1の熱化学的反応性基であって、アルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基と、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基を含み、
Hサブユニットは、出現毎に次の構造:
を有し、
任意のIサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、以下の構造:
の内の1つを有し、
式中、
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aは、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R8bは、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルであり、
第1と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
Gサブユニットは、出現毎に独立に:
a)第1の熱化学的反応性基であって、アルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基と、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基を含み、
Hサブユニットは、出現毎に次の構造:
任意のIサブユニットは、出現毎に独立に親水性成分を含み、以下の構造:
式中、
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aは、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R8bは、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルであり、
第1と第2の熱化学的反応性基の反応性は相互に直交する。
特定の実施形態では、任意のIサブユニットが存在しない。他の実施形態では、任意のIサブユニットが存在する。
いくつかの実施形態では、親水性成分は、本明細書の上記のいずれかの実施形態中で定義されている通りである。
他の実施形態では、Gサブユニットは、本明細書の上記のいずれかの実施形態中でAサブユニットに関連して定義されている通りの、第1および/または第2の熱化学的反応性基を含む。特定の実施形態では、それぞれのGサブユニットは、第1の熱化学的反応性基を含む。
種々の実施形態では、ポリマーは、0mol%超〜約15mol%のHサブユニットを含む。他の実施形態では、ポリマーは、0MFR%超〜約15MFR%のHサブユニットを含む。
D.固体基材の使用方法
本発明の特定の実施形態は、方法に関する。このような方法としては、本明細書で記載のポリマー、活性化固体基材および固体支持体の調製方法が含まれるが、これらに限定されない。分析アッセイ中での固体支持体の使用方法も同様に提供される。例えば、固体支持体は、多くの検体、例えば、ウイルス、細菌、マラリア原虫、真菌、ならびに金属および未知の生物戦争、バイオハザードおよび化学戦争物質の検出のためのアッセイに使用することができる。
本発明の特定の実施形態は、方法に関する。このような方法としては、本明細書で記載のポリマー、活性化固体基材および固体支持体の調製方法が含まれるが、これらに限定されない。分析アッセイ中での固体支持体の使用方法も同様に提供される。例えば、固体支持体は、多くの検体、例えば、ウイルス、細菌、マラリア原虫、真菌、ならびに金属および未知の生物戦争、バイオハザードおよび化学戦争物質の検出のためのアッセイに使用することができる。
種々の検体の分析のための固体支持体の使用方法は、当業者には明らかであろう。このような方法は、例えば、米国特許仮出願第61/463,580号、同第61/561,198号、同第1/684,104号、同第61/600,569号、米国特許出願第13/399,872号、米国特許出願公開第2012/0214686号に記載されている。これらの全開示は、本出願において参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。開示固体支持体の代表的使用方法は、図2に概略が示されている。
図2Aに示されているように、方法の一実施形態では、検体プローブは部分AおよびBを含む。A部分は消光剤成分を必要に応じて含み、消光剤はA部分の3’末端にあっても、またはA部分内の任意の他の位置にあってもよい。A部分は標的検体配列(例えば、病原体DNAなど)の少なくとも1部分に相補的である。また、検体プローブは部分B(「フラップ」)も含む。フラップはフルオロフォア、および固体支持体に結合した捕捉プローブの配列の少なくとも1部分に相補的な配列を含む。任意選択で、検体プローブの配列は、A部分およびフラップの少なくとも一部に相補性を持たせることにより消光剤およびフルオロフォアを接近させて非結合検体プローブに付随する蛍光信号を低減させ、アッセイ全体の感度を高めるように選択される。
アッセイ条件には、一般に、異なる標的検体のための他と異なる配列特異性を有する複数の検体プローブが含まれる。PCR条件下、および相補的な(または少なくとも部分的に相補的な)標的検体の存在下で、フラップが検体プローブから切断される。その後、切断フラップは、フラップに相補的な(または少なくとも部分的に相補的な)固体支持体結合捕捉プローブにハイブリダイズする。捕捉プローブが結合した位置での蛍光信号の存在(または増加)は、標的検体配列の存在を示す。
別の実施形態を図2Bに示す。この代表的実施形態では、フラップは消光剤を含み、支持体結合捕捉プローブはフルオロフォアを含む。この場合も、消光剤またはフルオロフォアのフラップまたは捕捉プローブ上の正確な位置は、それぞれ変わってもよい。標的検体配列の存在下のPCR条件下で、フラップが検体プローブから切断される。その後、フラップは捕捉プローブにハイブリダイズし、それにより、捕捉プローブ上のフルオロフォアは消光される。したがって、捕捉プローブが結合した位置での蛍光の非存在(または減少)は、標的検体配列の存在を示す。
さらに別の代表的な方法は図2Cで提供される。この場合には、プローブは、標的検体配列に少なくとも部分的に相補的な配列を含み、切断可能なフラップを含まない。この実施形態のプローブは消光剤を含み、支持体結合捕捉プローブはフルオロフォアを含む。プローブは捕捉プローブにハイブリダイズし、捕捉プローブが結合された位置で消光された信号が生じる。その後、固体支持体はPCR条件に供される。標的検体配列の存在下で、プローブ消光剤が切断され、捕捉プローブからの蛍光信号が増加する。
したがって、一実施形態では、本発明は一般に、標的検体分子の存在または非存在を判定する方法に関し、該方法は、
a)本明細書で記載の固体支持体を提供することであって、ここでAサブユニットがそれに共有結合した捕捉プローブを含んでいること、
b)検体プローブまたはその断片と固体支持体を接触させること、および
c)捕捉プローブと検体プローブとの相互作用から生成される信号の存在または非存在を検出することを含む。
a)本明細書で記載の固体支持体を提供することであって、ここでAサブユニットがそれに共有結合した捕捉プローブを含んでいること、
b)検体プローブまたはその断片と固体支持体を接触させること、および
c)捕捉プローブと検体プローブとの相互作用から生成される信号の存在または非存在を検出することを含む。
前述の特定の実施形態では、捕捉プローブはポリヌクレオチドである。いくつかのさらなる実施形態では、標的検体分子はポリヌクレオチドまたはタンパク質である。
他の実施形態では、信号は蛍光信号である。例えば、いくつかの実施形態では、蛍光信号は検体プローブと捕捉プローブとの特異的ハイブリダイゼーションの結果として生成されるか、または減少する。
他の実施形態では、検体プローブはフルオロフォアまたはフルオロフォア消光剤を含む。
その他の関連実施形態では、本発明は、標的核酸の検出方法を提供し、該方法は、
A)少なくとも1つの本明細書で記載の固体支持体を含む検出チャンバを提供することであって、ここで固体支持体が捕捉プローブのアレイを含んでいること、
B)検出チャンバへ試料を装填することであって、ここで試料が1つまたそれを超える検出標的核酸の複製物を含んでいること、
C)増幅プライマーおよびプローブを1つまたそれを超える複製物にハイブリダイズすること、
D)増幅プライマー依存増幅反応において、1つまたはそれを超える標的核酸複製物の少なくとも一部を増幅して、増幅反応によりプローブの切断と第1のプローブ断片の放出が起こること、
E)第1のプローブ断片を高効率アレイにハイブリダイズすること、および
F)第1のプローブ断片のアレイへの結合により生成される信号を検出することにより標的核酸を検出すること、を含む。
A)少なくとも1つの本明細書で記載の固体支持体を含む検出チャンバを提供することであって、ここで固体支持体が捕捉プローブのアレイを含んでいること、
B)検出チャンバへ試料を装填することであって、ここで試料が1つまたそれを超える検出標的核酸の複製物を含んでいること、
C)増幅プライマーおよびプローブを1つまたそれを超える複製物にハイブリダイズすること、
D)増幅プライマー依存増幅反応において、1つまたはそれを超える標的核酸複製物の少なくとも一部を増幅して、増幅反応によりプローブの切断と第1のプローブ断片の放出が起こること、
E)第1のプローブ断片を高効率アレイにハイブリダイズすること、および
F)第1のプローブ断片のアレイへの結合により生成される信号を検出することにより標的核酸を検出すること、を含む。
特定の実施形態では、検出ステップ(単一または複数)は、アレイの近位にあるバックグラウンド信号を低減させる条件下で実施される。
他の実施形態では、方法は試料の複数の標的核酸配列の解析を含み、該方法は、
A)試料を第1の複数の標識プローブと接触させることであって、ここで第1の複数の標識プローブのそれぞれが、標的核酸の第1のパネル中の異なる対象標的配列に相補的な第1の部分および高効率プローブアレイ上の異なる捕捉プローブに相補的な第2の部分を含み、高効率プローブアレイが、本明細書で記載の固体支持体を含み、第2の部分がそれに結合した標識を有し、第2の部分が対象標的配列に相補的でないこと、
B)増幅プライマー依存増幅反応において、試料中に存在する標的核酸配列の第1のパネル由来の任意の標的配列を増幅し、増幅反応により標的配列にハイブリダイズした標識プローブの切断および標識を保持する標識プローブの第2の部分の放出が生じること、
C)放出された標識プローブの第2の部分を高効率アレイにハイブリダイズすること、
D)標識したプローブの第2の部分の、高効率アレイ中の捕捉プローブに対する結合を検出すること、および
E)高効率アレイにハイブリダイズする標識プローブの第2の部分から試料中に存在する標的配列を特定すること、を含む。
A)試料を第1の複数の標識プローブと接触させることであって、ここで第1の複数の標識プローブのそれぞれが、標的核酸の第1のパネル中の異なる対象標的配列に相補的な第1の部分および高効率プローブアレイ上の異なる捕捉プローブに相補的な第2の部分を含み、高効率プローブアレイが、本明細書で記載の固体支持体を含み、第2の部分がそれに結合した標識を有し、第2の部分が対象標的配列に相補的でないこと、
B)増幅プライマー依存増幅反応において、試料中に存在する標的核酸配列の第1のパネル由来の任意の標的配列を増幅し、増幅反応により標的配列にハイブリダイズした標識プローブの切断および標識を保持する標識プローブの第2の部分の放出が生じること、
C)放出された標識プローブの第2の部分を高効率アレイにハイブリダイズすること、
D)標識したプローブの第2の部分の、高効率アレイ中の捕捉プローブに対する結合を検出すること、および
E)高効率アレイにハイブリダイズする標識プローブの第2の部分から試料中に存在する標的配列を特定すること、を含む。
さらにその他の実施形態では、本発明は、試料中の標的核酸配列の存在を検出する方法を提供し、該方法は、
A)第1の標的核酸配列に相補的な第1の部分および第1の標的核酸配列に相補的でない第2の標識部分を含む第1の標識プローブの存在下で、ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使って試料の増幅反応を実施し、それにより、標的核酸配列が増幅される際に、第2の部分が第1の部分から切断されること、
B)第2の標識部分が第2の部分に相補的な捕捉プローブにハイブリダイズし、捕捉プローブが本明細書で記載の固体支持体に共有結合すること、および
C)基材上の捕捉プローブにハイブリダイズした第2の標識部分の存在を検出すること、を含む。
A)第1の標的核酸配列に相補的な第1の部分および第1の標的核酸配列に相補的でない第2の標識部分を含む第1の標識プローブの存在下で、ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使って試料の増幅反応を実施し、それにより、標的核酸配列が増幅される際に、第2の部分が第1の部分から切断されること、
B)第2の標識部分が第2の部分に相補的な捕捉プローブにハイブリダイズし、捕捉プローブが本明細書で記載の固体支持体に共有結合すること、および
C)基材上の捕捉プローブにハイブリダイズした第2の標識部分の存在を検出すること、を含む。
方法のさらにその他の実施形態は、試料中の標的核酸配列の検出方法を含み、該方法は、
A)標的核酸配列に相補的な第1の部分および第1の標的核酸配列に相補的でない第2の部分を含む第1のプローブを含む試薬の存在下で、ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使って試料の増幅反応を実施することであって、ここで第2の部分が第1の位置で第2の部分に結合した第1の消光剤成分を含み、それにより、標的核酸配列が増幅される場合に、第2の部分が第1のプローブ断片として第1の部分から切断されること、
B)第1のプローブ断片が本明細書で記載の固体支持体上に固定された捕捉プローブにハイブリダズすることであって、ここで捕捉プローブが第1の消光剤成分により少なくとも部分的に消光されるフルオロフォアを含み、プローブ断片の捕捉プローブへのハイブリダイゼーション時に、フルオロフォアが消光剤により少なくとも部分的に消光されるようにフルオロフォアが捕捉プローブ上の第2の位置に結合されること、および
C)捕捉プローブ上のフルオロフォア消光に基づいて標的配列の存在を検出すること、を含む。
A)標的核酸配列に相補的な第1の部分および第1の標的核酸配列に相補的でない第2の部分を含む第1のプローブを含む試薬の存在下で、ヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼ酵素を使って試料の増幅反応を実施することであって、ここで第2の部分が第1の位置で第2の部分に結合した第1の消光剤成分を含み、それにより、標的核酸配列が増幅される場合に、第2の部分が第1のプローブ断片として第1の部分から切断されること、
B)第1のプローブ断片が本明細書で記載の固体支持体上に固定された捕捉プローブにハイブリダズすることであって、ここで捕捉プローブが第1の消光剤成分により少なくとも部分的に消光されるフルオロフォアを含み、プローブ断片の捕捉プローブへのハイブリダイゼーション時に、フルオロフォアが消光剤により少なくとも部分的に消光されるようにフルオロフォアが捕捉プローブ上の第2の位置に結合されること、および
C)捕捉プローブ上のフルオロフォア消光に基づいて標的配列の存在を検出すること、を含む。
別の実施形態では、本発明は、試料中の少なくとも第1の標的核酸配列の存在の検出方法に関し、該方法は、
A)本明細書で記載の固体支持体の存在下で、試料を標的核酸配列の増幅が可能な増幅反応に供することであって、ここで固体支持体が少なくとも第1の核酸プローブセットを含み、第1の核酸プローブセットがフルオロフォアを結合した捕捉プローブ、ならびに捕捉プローブおよび標的核酸配列の少なくとも1部分に相補的な標的特異的核酸プローブを含み、さらに標的特異的核酸プローブがそれに結合した消光剤を含み、それにより、標的特異的プローブが捕捉プローブにハイブリダイズすると消光剤がフルオロフォアからの蛍光を消光すること、および
B)1回またそれを超えるポリメラーゼ連鎖反応サイクル後に、試料由来の蛍光を検出して、蛍光の増加が標的核酸配列の存在を示すこと、を含む。
A)本明細書で記載の固体支持体の存在下で、試料を標的核酸配列の増幅が可能な増幅反応に供することであって、ここで固体支持体が少なくとも第1の核酸プローブセットを含み、第1の核酸プローブセットがフルオロフォアを結合した捕捉プローブ、ならびに捕捉プローブおよび標的核酸配列の少なくとも1部分に相補的な標的特異的核酸プローブを含み、さらに標的特異的核酸プローブがそれに結合した消光剤を含み、それにより、標的特異的プローブが捕捉プローブにハイブリダイズすると消光剤がフルオロフォアからの蛍光を消光すること、および
B)1回またそれを超えるポリメラーゼ連鎖反応サイクル後に、試料由来の蛍光を検出して、蛍光の増加が標的核酸配列の存在を示すこと、を含む。
また、本発明は、本明細書で記載の固体支持体および固体基材を含む装置および消耗品も提供する。一実施形態では、本発明は、核酸検出装置を提供し、該核酸検出装置は、
A)チャンバの少なくとも1つの表面上の少なくとも1つの高効率核酸検出アレイを含む検出チャンバであって、核酸検出アレイが本明細書で記載の固体支持体を含み、アレイからの検出信号に対するバックグラウンド信号を低減するように構成されているチャンバと、
B)検出チャンバに操作可能なように連結された温度調節モジュールであって、装置の動作中にモジュールがチャンバ内の温度を調節する温度調節モジュールと、
C)装置の動作中にアレイで生成された信号を検出する光学系、とを含む。
A)チャンバの少なくとも1つの表面上の少なくとも1つの高効率核酸検出アレイを含む検出チャンバであって、核酸検出アレイが本明細書で記載の固体支持体を含み、アレイからの検出信号に対するバックグラウンド信号を低減するように構成されているチャンバと、
B)検出チャンバに操作可能なように連結された温度調節モジュールであって、装置の動作中にモジュールがチャンバ内の温度を調節する温度調節モジュールと、
C)装置の動作中にアレイで生成された信号を検出する光学系、とを含む。
他の実施形態では、本発明は、核酸検出消耗品を提供し、核酸検出消耗品は、約500μm深さ未満の薄いチャンバを含み、このチャンバは光透過窓であって、内側表面上に配置された高効率捕捉核酸アレイを含む窓を含み、また、このチャンバはチャンバに流体連結された少なくとも1つの試薬送達ポートをさらに含み、消耗品はチャンバ内で流体の熱サイクリングを可能とするように構成され、高効率捕捉核酸アレイは本明細書で記載の固体支持体を含む。
特定の実施形態では、標的検体分子はDNA配列であり、DNA配列は病原体、例えば、ウイルス、細菌、マラリア原虫または真菌の存在を示す配列を有する。
いくつかの実施形態では、検体プローブはフラップである。いくつかのその他の実施形態では、検体プローブは消光剤を含む。いくつかのその他の実施形態では、検体プローブはフルオロフォアを含む。さらにその他の実施形態では、捕捉プローブはフルオロフォアを含む。さらにその他の実施形態では、プローブはオリゴヌクレオチドを含む。
固体支持体は、本明細書で記載のいずれかの固体支持体であってよい。さらに、特定の実施形態では、捕捉プローブはポリヌクレオチドであり、他の実施形態では、標的検体分子はポリヌクレオチドである。さらにその他の実施形態では、標的検体分子はポリメラーゼ連鎖反応により調製される。
いくつかのその他の実施形態では、信号は蛍光信号である。例えば、いくつかの実施形態では、蛍光信号は標的検体分子と捕捉プローブとの特異的ハイブリダイゼーションの結果として生成される。
その他の関連実施形態では、本発明は、試料中の検体の検出方法を提供する。方法は、検体を本発明の固体支持体と接触させて本発明の固体支持体の捕捉プローブにより検体の捕捉を可能とし、検体の捕捉を検出することを含む。特定の実施形態では、検体は生体分子、例えば、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、またはこれらの混合物である。他の実施形態では、検体は有機分子、例えば、薬剤、薬物候補剤、補助因子または代謝物である。別の実施形態では、検体は有機分子、例えば、金属錯体または補助因子である。代表的実施形態では、検体は標識プローブである核酸である。別の代表的実施形態では、本発明は、タンパク質、酵素、抗体、抗原、ホルモン、炭水化物、複合多糖、または合成により作製した検体標的、例えば、後の工程で検体の捕捉および検出に使用することができる合成により作製したエピトープを共有結合で固定した反応性表面を提供する。
種々のその他の実施形態では、本発明は、本発明の固体支持体を使った標的核酸の検出方法を提供する。該方法は、検出可能なように標識した核酸プローブ断片を、本発明の固体支持体のポリマー上に固定された相補的配列を有する核酸に結合させることを含む。代表的方法は、
A)増幅プライマーおよび検出可能なように標識されたプローブを標的核酸にハイブリダイズすること、
B)プライマー依存増幅反応において、少なくとも標的核酸の一部を増幅し、増幅反応により標識プローブの切断および標識プローブ断片の放出が起こること、および
C)標識プローブ断片が固定アッセイ成分にハイブリダイズし、前記成分が前記標識プローブ断片に少なくとも部分的に相補的な核酸であることにより前記核酸を検出すること、を含む。
A)増幅プライマーおよび検出可能なように標識されたプローブを標的核酸にハイブリダイズすること、
B)プライマー依存増幅反応において、少なくとも標的核酸の一部を増幅し、増幅反応により標識プローブの切断および標識プローブ断片の放出が起こること、および
C)標識プローブ断片が固定アッセイ成分にハイブリダイズし、前記成分が前記標識プローブ断片に少なくとも部分的に相補的な核酸であることにより前記核酸を検出すること、を含む。
検体の検出は、当該分野で認められているいずれかの方法または装置により実現することができる。特定の実施形態では、検体は固体支持体に固定された検体またはプローブから生ずる蛍光信号により検出される。代表的実施形態では、本発明の固体支持体は核酸アレイであり、信号は固体支持体のポリマー上に固定されたアッセイ成分にハイブリダイズした蛍光標識核酸から生ずる。種々の実施形態では、固定されたアッセイ成分は、蛍光標識核酸の配列に少なくとも部分的に相補的な配列を有する核酸である。検体が蛍光標識される選択実施形態では、蛍光はCCDアレイなどの蛍光検出器により検出される。特定の実施形態では、方法は、1つまたそれを超えるアドレスで参照できる固体支持体の位置に試料を配置し、そのアドレスで参照できる位置または複数位置で捕捉された検体を検出することにより試料中の特定の種類の検体(例えば、生体分子、例えば、核酸)をプロファイリングすることを含む。本発明を実施するために有用な方法の例には、米国特許仮出願第61/561,198号、および米国特許出願第13/399,872号記載されているのもが含まれる。これらの全開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
いくつかの実施形態では、本発明の固体支持体はアッセイ混合物中の検体の単離と検出に有用である。特に、本発明の固体支持体は、実質的に全ての形式のアッセイの実施に有用であり、これらのアッセイ形式には、限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、クロマトグラフ捕捉、イムノアッセイ、競合アッセイ、DNAまたはRNA結合アッセイ、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、タンパク質および核酸プロファイリングアッセイ、サンドイッチアッセイなどが挙げられる。以降では、代表的アッセイを実施するための本発明の固体支持体の使用に関することを中心にして考察を進める。この重点化は説明を明確にするためであり、本発明の範囲を定義することまたは限定することは意図されない。当業者なら、本発明の方法は、検体の存在および/または量を検出するためのいかなるアッセイ技術にも広く適用できることを理解するであろう。
種々の実施形態では、本発明は、本発明の固体支持体を使った標的核酸の検出方法を提供する。方法は、検出可能なように標識した核酸プローブ断片を、本発明の固体支持体の反応性ポリマー上に固定された相補的配列を有する核酸に結合させることを含む。代表的方法は、
A)増幅プライマーおよび検出可能なように標識されたプローブを標的核酸にハイブリダイズすること、
B)プライマー依存増幅反応において、少なくとも標的核酸の一部を増幅し、増幅反応により標識プローブの切断および標識プローブ断片の放出が起こること、および
C)標識プローブ断片が固定アッセイ成分にハイブリダイズし、前記成分が前記標識プローブ断片に少なくとも部分的に相補的な核酸であることにより前記核酸を検出すること、を含む。
A)増幅プライマーおよび検出可能なように標識されたプローブを標的核酸にハイブリダイズすること、
B)プライマー依存増幅反応において、少なくとも標的核酸の一部を増幅し、増幅反応により標識プローブの切断および標識プローブ断片の放出が起こること、および
C)標識プローブ断片が固定アッセイ成分にハイブリダイズし、前記成分が前記標識プローブ断片に少なくとも部分的に相補的な核酸であることにより前記核酸を検出すること、を含む。
試料はいずれのソース由来であってもよく、また、生物試料、例えば、同一のもしくは異なる生物体または生物体群由来の試料であってもよい。生物試料は、体液試料、例えば、血液試料、血清試料、リンパ液試料、骨髄試料、腹水、胸水、骨盤洗浄液、眼液、尿、精液、痰、または唾液であってもよい。また、生物試料は、皮膚、鼻、咽頭、もしくは生殖器スワブからの抽出物、または糞便物質からの抽出物であってもよい。生物試料は、腫瘍を含む器官または組織の試料であってもよい。また、生物試料は、原核および真核細胞の両方の細胞株および1次培養物の両方を含む細胞培養液の試料であってもよい。
試料は環境由来、例えば、水域由来もしくは土壌由来、または食物、飲料由来、もしくは水源、工業的ソース、作業区域、公共区域、または生活区域由来であってもよい。試料は抽出物、例えば、土壌または食物試料の液体抽出物であってもよい。試料は、洗浄もしくは浸漬から、または工具物品、衣料品、人工産物もしくはその他の物質由来のスワブの懸濁から調製された溶液であってもよい。また、試料は、生物戦争薬剤、例えば、既知のまたは未知の起原の粉末または液体試料の特定用の試料を含む。
試料は未処理試料であっても、または処理試料であってもよく、処理には、試料成分の純度、濃度、または実施容易性を高めて試料の分析を促進するステップを含めてもよい。非限定的実施例として、処理には、試料の体積を減らす、試料成分を取り出すもしくは分離する、試料もしくは1つまたそれを超える試料成分を可溶化する、または試料成分を破壊する、変性する、暴露する、放出させる、または単離するステップを含めてもよい。このような処理の非限定的例は、遠心分離、沈殿、濾過、ホモジナイゼーション、細胞溶解、抗体結合、細胞分離、などである。例えば、本発明のいくつかの好ましい実施態様では、試料は、例えば、赤血球の除去により、濃縮により、1つまたそれを超える細胞またはウイルス型(例えば、白血球または病原性細胞)により、または細胞の溶解により、少なくとも部分的に処理された血液試料である。
代表的試料には、少なくとも部分的に精製された核酸分子の溶液が含まれる。核酸分子は単一ソースまたは複数ソース由来であってよく、DNA、RNA、またはその両方を含んでもよい。例えば、核酸分子の溶液は、細胞溶解、濃縮、沈殿、核酸選択(例えば、ポリA RNA選択またはAlu配列を含むDNA配列の選択などの)、または1つまたそれを超える酵素による処理の内のいずれかのステップに供せられた試料であってもよい。また、試料は合成核酸分子を含む溶液であってもよい。
代表的実施形態では、本発明の固体支持体を使って核酸を検出するおよび/または特性を明らかにする場合、本発明の固体支持体は、固体支持体上の既知の位置にある表面結合ポリマーに共有結合した複数の異なる配列の核酸を有する核酸アレイである。種々の実施形態では、固体支持体は反応容器の構成要素で、その中でアッセイ混合物中に含まれる標的核酸試料のPCRが実施される。代表的方法では、1つまたそれを超える核酸プライマーおよび検出可能なように標識した核酸プローブが標的核酸にハイブリダイズされる。PCRテンプレート伸長の間に、プローブは切断され、プローブ断片を生成する。プローブ断片は標的核酸から放出され、表面結合ポリマー上の核酸である固定された検体成分により捕捉される。プローブ配列はアレイ上のその結合位置により決定される。
種々の実施形態では、本発明の固体支持体は、アッセイ混合物中の1つまたそれを超える種を検出するマルチプレックスアッセイの構成要素として利用される。本発明の固体支持体は、マルチプレックスタイプ分析およびアッセイの実施において特に有用である。代表的マルチプレックス分析では、2つまたはそれを超えるプローブを使って、2つまたはそれを超える異なる種(または1つまたそれを超える種の領域)が検出され、それぞれのプローブは異なるフルオロフォアで標識される。本発明の固体支持体は、2つ以上の検出可能なように標識されたプローブ構造がアッセイで使われるマルチプレックスアッセイの設計を可能とする。本発明の固体支持体を使った多くの異なるマルチプレックスアッセイは、当業者には明らかであろう。1つの代表的アッセイでは、少なくとも2種の異なるフルオロフォアのそれぞれを使って核酸プローブ断片の表面固定核酸へのハイブリダイゼーションを知らせる。
本発明の方法の実施に有用な代表的標識プローブは、核酸プローブである。有用な核酸プローブには、例えば、5’−ヌクレアーゼアッセイ、鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベース増幅(NASBA)、ローリングサークル増幅法(RCA)を含む種々のDNA増幅/定量化方法における検出試薬の構成成分として使用できるもの、ならびに溶液相または固相(例えば、アレイ)アッセイにおける標的の直接検出用のものが含まれる。さらに固体支持体およびオリゴマーは、例えば、分子標識、Scopion probes(商標)、Sunrise probes(商標)、立体構造的補助プローブ(conformationally assisted probe)、ライトアッププローブ(light up probe)、インベーダー・ディテクション・プローブ(Invader Detection probe)、およびタックマン(TaqMan(商標))プローブを含む実質的に全ての形式のプローブとして使用可能である。例えば、Cardullo,R.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:8790−8794(1988);Dexter,D.L.,J.Chem.Physics,21:836−850(1953);Hochstrasser,R.A.,et al.,Biophysical Chemistry,45:133−141(1992);Selvin,P.,Methods in Enzymology,246:300−334(1995);Steinberg,I.,Ann.Rev.Biochem.,40:83−114(1971);Stryer,L.,Ann.Rev.Biochem.,47:819−846(1978);Wang,G.,et al.,Tetrahedron Letters,31:6493−6496(1990);Wang,Y.,et al.,Anal.Chem.,67:1197− 1203(1995);Debouck,C.,et al.,in supplement to nature genetics,21:48−50(1999);Rehman,F.N.,et al.,Nucleic Acids Research,27:649−655(1999);Cooper,J.P.,et al.,Biochemistry,29:9261−9268(1990);Gibson,E.M.,et al.,Genome Methods,6:995− 1001(1996);Hochstrasser,R.A.,et al.,Biophysical Chemistry,45:133−141(1992);Holland,P.M.,et al,Proc Natl.Acad.Sci USA,88:7276−7289(1991);Lee,L.G.,et al.,Nucleic Acids Rsch.,21:3761−3766(1993);Livak,K.J.,et al.,PCR Methods and Applications,Cold Spring Harbor Press(1995);Vamosi,G.,et al.,Biophysical Journal,71:972−994(1996);Wittwer,C.T.,et al.,Biotechniques,22:176−181(1997);Wittwer,C.T.,et al.,Biotechniques,22:130−38(1997);Giesendorf,B.A.J.,et al.,Clinical Chemistry,44:482−486(1998);Kostrikis,L.G.,et al.,Science,279:1228−1229(1998);Matsuo,T.,Biochemica et Biophysica Acta,1379:178−184(1998);Piatek,A.S.,et al.,Nature Biotechnology,16:359−363(1998);Schofield,P.,et al.,Appl.Environ.Microbiology,63:1143−1147(1997);Tyagi S.,et al.,Nature Biotechnology,16:49−53(1998);Tyagi,S.,et al.,Nature Biotechnology,14:303−308(1996);Nazarenko,I.A.,et al.,Nucleic Acids Research,25:2516−2521(1997);Uehara,H.,et al.,Biotechniques,26:552−558(1999);D.Whitcombe,et al.,Nature Biotechnology,17:804−807(1999);Lyamichev,V.,et al.,Nature Biotechnology,17:292(1999);Daubendiek,et al.,Nature Biotechnology,15:273−277(1997);Lizardi,P.M.,et al.,Nature Genetics,19:225−232(1998);Walker,G.,et al.,Nucleic Acids Res.,20:1691−1696(1992);Walker,G.T.,et al.,Clinical Chemistry,42:9−13(1996)およびCompton,J.,Nature,350:91−92(1991)、を参照されたい。これらの開示は、本出願においてそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
種々の実施形態では、本発明は標的核酸配列中の多型を検出する方法を提供する。多型は、集団中の2つまたはそれを超える遺伝的に決定される代替配列またはアレルの存在を意味する。多型マーカーまたは部位は分岐が起こる座位である。代表的マーカーは少なくとも2種のアレルを有し、それぞれが選択集団の1%を超える、より好ましくは10%または20%を超える頻度で発生する。多型座位は1塩基対程度の小ささであってもよい。多型マーカーには、制限断片長多型、縦列反復配列多型(VNTR)、高頻度可変性領域、ミニサテライト、ジヌクレオチド反復、トリヌクレオチド反復、テトラヌクレオチド反復、単純反復配列、およびAluなどの挿入配列が挙げられる。最初に特定されたアレル型は、レファレンス型として必要に応じて表され、その他のアレル型は代替アレルまたはバリアントアレル(alternative or variant allele)として表される。選択された集団中で最も高頻度に発生するアレル型は、野生型と呼ばれることもある。二倍体生物体はホモ接合またはヘテロ接合のアレル型であってよい。ジアレル多型には2つの型がある。トリアレル多型には3つの型がある。
代表的実施形態では、本発明の固体支持体は一塩基多型の検出に利用される。一塩基多型は、一塩基により占められる多型部位で発生し、この部位はアレル配列間の多様性部位である。この部位は、通常、前後の高度に保存されたアレル配列(例えば、集団の1/100または1/1000未満のメンバーにおいて変異が起こる配列)の間に位置する。一塩基多型は、通常、多型部位での1つのヌクレオチドの別のヌクレオチドによる置換により生ずる。トランジションは1つのプリンの別のプリンによる置換または1つのピリミジンの別のピリミジンによる置換である。トランスバージョンはプリンのピリミジンによる置換、またはその逆である。また、一塩基多型は、レファレンスアレルに対するヌクレオチドの欠失またはヌクレオチドの挿入から生ずる場合もある。
多型が検出される実施形態では、多型核酸はアドレスで参照できる位置で固体支持体に結合される。特定の位置での検出可能な信号の発生は、標的核酸配列中の多型の存在を示す。
代表的実施形態では、プローブは検出可能なようにフルオロフォア成分で標識される。例えば、次の文献に例示されるような、適切なフルオロフォアを選択するために利用可能な、文献に示された多くの実用的な手引が存在する。Pesce et al.,Eds.,FLUORESCENCE SPECTROSCOPY(Marcel Dekker,New York,1971);White et al.,FLUORESCENCE ANALYSIS: A PRACTICAL APPROACH(Marcel Dekker,New York,1970)など。また、文献には、蛍光のおよび発色性分子の包括的リストおよびフルオロフォアを選択するためのそれらの関連する光学特性を提供する文献が挙げられる(例えば、Berlman,HANDBOOK OF FLUORESCENCE SPECTRA OF AROMATIC MOLECULES,2nd Edition(Academic Press,New York,1971);Griffiths,COLOUR AND CONSTITUTION OF ORGANIC MOLECULES(Academic Press,New York,1976);Bishop,Ed.,INDICATORS(Pergamon Press,Oxford,1972);Haugland,HANDBOOK OF FLUORESCENT PROBES AND RESEARCH CHEMICALS(Molecular Probes,Eugene,1992)Pringsheim,FLUORESCENCE AND PHOSPHORESCENCE(Interscience Publishers,New York,1949)、などを参照されたい)。さらに、文献には、フルオロフォア分子を核酸に付加可能な一般的反応性基を介して共有結合させるために誘導体化することを目的とした次の文献により例示されるような広範囲にわたる手引きが存在する。Haugland(前出);Ullman et al.,米国特許第3,996,345号;Khanna et al.,米国特許第4,351,760号。したがって、特定用途のためのエネルギー交換対を選択すること、およびこの対のメンバーを、例えば、核酸、ペプチドまたはその他のポリマーなどのプローブ分子に抱合させることは、十分に当業者の能力の範囲内にある。
十分に検討された小分子の核酸への抱合に関する文献内容を考慮すれば、ドナー/アクセプター対を核酸に結合させる他の多くの方法が当業者には明らかであろう。例えば、ローダミンおよびフルオレセイン染料は、好都合にも、固相合成の終段でホスホラミダイト成分を使った誘導体化染料を介して、核酸の5’−ヒドロキシルに結合される(例えば、Woo et al.,米国特許第5,231,191号;およびHobbs,Jr.,米国特許第4,997,928号、を参照されたい)。
より具体的には、次の文献により例示されるように、基を核酸類の5’−または3’−終端に結合させる多くのリンカー成分および方法が存在する。Eckstein,editor,Nucleic acids and Analogues:A Practical Approach(IRL Press,Oxford,1991);Zuckerman et al.,Nucleic Acids Research,15:5305−5321(1987)(核酸上の3’−チオール基);Sharma et al.,Nucleic Acids Research,19:3019(1991)(3’−スルフヒドリル基);Giusti et al.,PCR Methods and Applications,2:223−227(1993)およびFung et al.,米国特許第4,757,141号(P.E.Biosystems,CA.から入手可能なAminolink(商標)IIを介した5’−ホスホアミノ基);Stabinsky,米国特許第4,739,044号(3−アミノアルキルホスホリル基);Agrawal et al.,Tetrahedron Letters,31:1543−1546(1990)(ホスホラミダイト結合を介した結合);Sproat et al.,Nucleic Acids Research,15:4837(1987)(5−メルカプト基);Nelson et al.,Nucleic Acids Research,17:7187−7194(1989)(3’−アミノ基)、など。
蛍光標識を検出する手段は、当業者には周知である。したがって、例えば、フルオロフォアを適切な波長の光で励起し、得られた蛍光を検出することにより、蛍光標識を検出することができる。蛍光は、写真フィルムにより、電荷結合固体支持体(CCD)または光電子増倍管などの電子検出器の使用により、目視で検出することができる。同様に、酵素用の適切な基質を提供し、得られた反応生成物を検出することにより、酵素標識を検出することができる。
蛍光標識核酸の検出を参照することにより例示されているが、本発明の固体支持体は検体分子の検出に有用である。ポリマーが結合基で官能化される場合、固体支持体は特定の基に結合する表面検体を捕捉する。非結合物質を洗い流すことができ、検体を多くの方法、例えば、気相イオンスペクトロメトリー(gas phase ion spectrometry)法、光学的方法、電気化学的方法、原子間力顕微鏡、および高周波法で検出することができる。代表的な光学的方法には、例えば、蛍光、発光、化学発光、吸光度、反射率、透過率、複屈折率または屈折率の検出(例えば、表面プラズモン共鳴法、偏光解析法、水晶振動子マイクロバランス、共鳴ミラー法(resonant mirror method)、格子カプラー導波管法(grating coupler waveguide method)(例えば、波長インターロゲート光センサー(WIOS=wavelength−interrogated optical sensor)または干渉法))が挙げられる。光学的方法には、顕微鏡(共焦点および非共焦点の両方)、画像検査法および非画像検査法が挙げられる。種々の方式のイムノアッセイ(例えば、ELISA)は、固相上に捕捉された検体の検出によく使われる方法である。電気化学的方法には、ボルタメトリーおよび電流測定法が挙げられる。高周波法としては、多極共鳴分光分析法(multipolar resonance spectroscopy)または干渉法が挙げられる。光学的方法には、顕微鏡(共焦点および非共焦点の両方)、画像検査法および非画像検査法が挙げられる。種々の方式のイムノアッセイ(例えば、ELISA)は、固相上に捕捉された検体の検出によく使われる方法である。電気化学的方法には、ボルタメトリーおよび電流測定法が挙げられる。高周波法には、多極共鳴分光分析法(multipolar resonance spectroscopy)が含まれる。
本発明のオリゴマーと標的核酸分子との間のハイブリダイゼーションに適する条件は当業者が経験的に決定することができ、インキュベーション温度、塩濃度、オリゴヌクレオチド類似体プローブの長さと塩基組成、およびオリゴマーと試料核酸分子の濃度を含めることができる。ハイブリダイゼーションは少なくとも1ミリモルのマグネシウムイオンの存在下、6.0を超えるpHで行われるのが好ましい。いくつかの実施形態では、ハイブリダイゼーションの前に、試料を処理して試料中の核酸分子を一本鎖にする必要がある、またはそうすることが好ましい場合がある。このような処理の例には、塩基による処理(その後に中和するのが好ましい)、高温でのインキュベーション、またはヌクレアーゼによる処理が挙げられるが、これらに限定されない。
また、核酸に対するハイブリダイゼーションの塩依存性は、大部分がハイブリダイズするオリゴヌクレオチド類似体の主鎖の電荷密度により決定され、本発明のHypNA−pPNAオリゴマーまたはSerNA−pPNAオリゴマー中のpPNAモノマーの比率の増加により、ハイブリダイゼーションの塩依存性を高めることができる。これは、いくつかの態様で、例えば、塩条件を変えることによりハイブリダイゼーションの厳密性を高める、または塩濃度を下げることによりハイブリダイズされた核酸を解放することができるのが望ましい場合に本発明の方法を使用して利益を得ることができる。本発明のさらにその他の態様では、非常に少ない塩中で本発明のオリゴヌクレオチド類似体が核酸に対し高親和性結合を有するのが望ましい場合がある。この場合、本発明のオリゴヌクレオチド類似体中で、ほぼ1:1のHypNA:pPNAモノマー比率を維持することが好都合である。
本発明のオリゴマーの標的核酸分子に対する結合における高度の特異性により、開業医が1つまたそれを超えるオリゴマーの少なくとも一部に完全に相補的な一続きの配列を含む核酸配列と、実質的に相補的な配列内に少数の非相補的塩基を含む一続きの配列を含む標的核酸分子とを識別するのに適するハイブリダイゼーション条件を選択するのが可能となる。例えば、一続きの配列に沿って完全に相補的である本発明のオリゴマーと標的核酸分子との間では安定なハイブリッドを可能とするが、一続きの相補的配列に沿って1つまたは2つの塩基ミスマッチを含むものなどの完全には相補的ではない本発明のオリゴマーと標的核酸分子との間では解離を促進するハイブリダイゼーションまたは洗浄温度を選択することができる。ハイブリダイゼーションおよび洗浄のための温度の選択は、塩濃度、オリゴマーおよび標的核酸分子の濃度、オリゴマーの標的核酸分子に対する相対比率、ハイブリダイズされるオリゴマーの長さ、オリゴマーおよび標的核酸分子の塩基組成、オリゴヌクレオチド類似体分子のモノマー組成、などのその他の条件に、少なくともそれらの一部に、依存する可能性がある。また、完全に相補的な分子の安定なハイブリッドに適する条件、および1つまたそれを超える塩基によるミスマッチがあるオリゴマーと標的核酸分子との間の安定なハイブリッドに適さない条件の選択の際に、望ましい場合には、限定されないが、ハイブリダイズされるオリゴヌクレオチド類似体の長さ、オリゴマーおよび標的核酸分子の間の一続きの相補性配列の長さ、一続きの相補性配列中の非相補的塩基の数、ミスマッチ塩基の固有の特性、ミスマッチ塩基に隣接する塩基の固有の特性、および一続きの相補性領域に沿った任意のミスマッチ塩基の相対位置の変更を含む追加の条件を考慮することができる。核酸ハイブリダイゼーション分野の当業者なら、標的核酸分子に対するハイブリダイゼーションへの本発明のオリゴマーの使用に際し、特定の用途に応じて、好ましいハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を決定することができるであろう。「好ましい条件」は、1つまたそれを超えるミスマッチを含むものなどの、実質的に相補的なオリゴマーと標的核酸分子との間の安定なハイブリッド形成に、少なくとも部分的に適する条件であってよい。
「好ましい条件」は、少なくとも部分的に、完全に相補的なオリゴマーと標的核酸分子との間の安定なハイブリッド形成に適し、完全に相補的ではない分子間のハイブリッド形成に適さないか、またはそれを不安定化する条件であってよい。
本明細書で開示のものなどの方法を使って、標的核酸分子にハイブリダイズする本発明のオリゴマーの融解温度を測定することができ、所与の用途のための好ましい条件の決定に使用することができる。また、例えば、標的核酸分子を固体支持体に固定したオリゴマーにハイブリダイズし、ハイブリダイズされた複合体を検出することにより、好ましいハイブリダイゼーション条件を経験的に決定することもできる。
本発明の固体支持体またはオリゴマープローブに結合している標的核酸分子は、オリゴマープローブの固体支持体への直接または間接結合により、調査対象集団の非結合核酸分子から都合よくかつ効率的に分離することができる。固体支持体は高い厳密性で洗浄してオリゴマープローブに結合していない核酸分子を除去することができる。しかし、オリゴマープローブの固体支持体への結合は、本発明の要件ではない。例えば、いくつかの用途では、結合および非結合核酸分子は、任意選択で、オリゴマープローブ中に組み込まれた化学基の支援を受けることが可能な、基材を通す遠心分離によってもしくは相分離によってまたはあるものは他の形式の分離(例えば、示差沈殿)により分離することができる(例えば、2000年5月9日出願のNieらの米国特許第6,060,242号を参照されたい)。
代表的実施形態では、本発明の固体支持体は、本出願人による同時係属の米国特許出願第13/399,872号に記載のものなどのリアルタイムPCRアッセイに利用することができる。
本発明の他の方法では、本発明は、プローブ分子を結合して保持する固体支持体を調製する方法に関し、該方法は、固体支持体の外表面に共有結合したアジドまたはアルキン成分を含む固体支持体(本明細書で前述の)を、本明細書で前述のA、BおよびCサブユニットを含むポリマーと接触させることを含む。
他の実施形態では、方法は、Cu(I)触媒を固体支持体およびポリマーと接触させることをさらに含む。さらなる実施形態は、アミン官能基を有するプローブ分子を、ポリマーを結合して含有する固体支持体と接触させて、プローブ分子を結合して含有する固体支持体を調製することを含む。このような方法は、DNAマイクロアレイの調製などの多くの用途で有用である。
次の実施例は、例示の目的で提供され、限定を目的とするものではない。
実施例1
35%DMA−Aモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−PFPA)の調製
35%DMA−Aモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−PFPA)の調製
一般的手順
150mLの丸底ガラスフラスコ中の2.24g(22.58mmol、35mol%)のジメチルアクリルアミド(DMA)、10.01g(42.03mmol、65mol%)のペンタフルオロフェニルアクリレート(PFPA)および10.1mg(0.041mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の30mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。この条件下で重合を19時間行った。粘稠な反応混合物を室温に冷却し、後処理の前に周囲大気に曝露した。
150mLの丸底ガラスフラスコ中の2.24g(22.58mmol、35mol%)のジメチルアクリルアミド(DMA)、10.01g(42.03mmol、65mol%)のペンタフルオロフェニルアクリレート(PFPA)および10.1mg(0.041mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の30mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。この条件下で重合を19時間行った。粘稠な反応混合物を室温に冷却し、後処理の前に周囲大気に曝露した。
減圧下(Rotavap)、約55℃の水浴中で30分間アセトニトリルを除去し、真空オーブン中、0.5ミリバール、59℃で3時間、残余モノマーを除去した。55℃の開放空気下、油浴中で撹拌を加えながら、ポリマー生成物を40mLの無水THFに再溶解した。磁気撹拌を加えながら、溶液がわずかに濁るまで約50mLのn−ヘキサンを滴下した。2Lのポリ(プロピレン)三角フラスコ中の1400mLのn−ヘキサンに、ドライ窒素を連続的にあふれさせ、2”PTFE撹拌ブレードを使って激しく撹拌しながら、22ゲージシリンジ針を通して細い流れとして該濁った懸濁液を加えた。沈殿したポリマーをさらに5分間撹拌後、600mLの新しいn−ヘキサン中に移し、さらに5分間、穏やかに攪拌した。ポリマーを別の600mLの新しいn−ヘキサン中に移し、15分間浸漬させた。沈殿したポリマーは粗い繊維の形状であった。それを大口の500mLガラスびんに移し、真空下、55℃で22時間乾燥して10.6792g(87.1%収率)のポリ(DMA−co−PFPA)を得た。定量19F−NMRにより、PFPAモル包含パーセント(molar incorporation percentage)は、67%(DMA推定値33%)で、エステル加水分解度は1.4%であることが明らかになった。
この重合の一般的手順は、希釈モノマーと反応性モノマーのどのような所望の比率のホモポリマー、コポリマーおよびターポリマーの調製にも適用可能である。
実施例2
39%DMAモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−PFPA)の調製
39%DMAモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−PFPA)の調製
上記一般的手順に従った。150mLの丸底ガラスフラスコ中の2.5816g(26.043mmol、39mol%)のDMA、9.7003g(40.740mmol、61mol%)のPFPAおよび10.6mg(0.043mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の30mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。この条件下で重合を19時間行って、10.42g(84.8%収率)のポリ(DMA−co−PFPA)を得た。定量19F−NMRにより、PFPAモル包含パーセント(molar incorporation percentage)は、58%(DMA推定値42%)で、エステル加水分解は1.9%であることが明らかになった。
実施例3
15%DMAモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−PFPA)の調製
15%DMAモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−PFPA)の調製
一般的手順に従った。150mLの丸底ガラスフラスコ中の0.6090g(6.143mmol、15mol%)のDMA、8.2395g(34.605mmol、85mol%)のPFPAおよび10.6mg(0.043mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の30mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。
この条件下で重合を6時間行って、7.908g(89.4%収率)のポリ(DMA−co−PFPA)を得た。定量19F−NMRにより、PFPAモル包含パーセント(molar incorporation percentage)は、87%(DMA推定値13%)で、エステル加水分解は1.7%であることが明らかになった。
実施例4
34%DMAモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−アクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−AAm−co−PFPA)の調製
34%DMAモル供給比でのポリ(N,N−ジメチルアクリルアミド−co−アクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(DMA−co−AAm−co−PFPA)の調製
一般的手順に従った。150mLの丸底ガラスフラスコ中の2.1500g(21.689mmol、34mol%)のDMA、2304g(3.241mmol、5mol%)AAm、9.2504g(38.851mmol、61mol%)のPFPAおよび9.9mg(0.040mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の30mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。この条件下で重合を23時間行って、10.351g(88.9%収率)のポリ(DMA−co−AAm−co−PFPA)を得た。定量19F−NMRにより、PFPAモル包含パーセント(molar incorporation percentage)は、59%(DMA+アクリルアミドの推定値41%)で、エステル加水分解は3.5%であることが明らかになった。
実施例5
15%AAMモル供給比でのポリ(アクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(AAm−co−PFPA)の調製
15%AAMモル供給比でのポリ(アクリルアミド−co−ペンタフルオロフェニルアクリレート)、ポリ(AAm−co−PFPA)の調製
一般的手順に従った。150mLの丸底ガラスフラスコ中の0.2123g(2.987mmol、14.8mol%)のアクリルアミド(AAm)、4.0921g(17.186mmol、85.2mol%)のPFPAおよび4.7mg(0.019mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の20mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。この条件下で重合を19時間行った。減圧下(Rotavap)、約55℃の水浴温度で30分間、および真空オーブン中、0.5ミリバール、55℃で3時間、溶媒および残余PFPAを除去した。55℃の油浴中、撹拌を続けながら、ポリマー生成物を20mLの無水THFに再溶解した。撹拌を続けながら、45mLのn−ヘキサンを滴下してわずかに濁った溶液を得た。2Lのガラス三角フラスコ中の1200mLのn−ヘキサンに、ドライ窒素を連続的にあふれさせ、2”PTFE撹拌ブレードを使って激しく撹拌しながら、22ゲージシリンジ針を通して細い流れとして該濁った溶液を加えた。沈殿したポリマーを吸引濾過して、十分なn−ヘキサン(約400mL)で濯ぎ、吸引風乾し、55℃で一晩真空乾燥して3.24g(75.1%収率)のポリ(AAm−co−PFPA)を得た。このコポリマーは、アセトニトリル、アセトン、THFおよびクロロホルムに溶解する。
実施例6
ポリ(ペンタフルオロフェニルアクリレート)、(ポリ(PFPA))の調製
ポリ(ペンタフルオロフェニルアクリレート)、(ポリ(PFPA))の調製
一般的手順に従った。150mLの丸底ガラスフラスコ中の12.0033g(50.413mmol)のPFPAおよび9.9mg(0.040mmol)の2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)の30mLの無水アセトニトリル中溶液を、200rpmで45分間の磁気攪拌下、約60mL/分の流速の超高純度アルゴンでパージ(バブリング)した。次に、反応フラスコを55℃の油浴中に下ろした。アルゴン流速と磁気攪拌を、それぞれ、約25mL/分と120rpmに下げた。この条件下で重合を18時間行った。
18時間の最後に、減圧下(Rotavap)、約55℃の水浴中で30分間、および高真空下、55℃で5時間、溶媒および残余モノマーを除去した。55℃の開放空気下、油浴中で撹拌を加えながら、ポリマー生成物を30mLの無水THFに再溶解した。磁気撹拌を加えながら、溶液がわずかに濁るまで約15mLのn−ヘキサンを滴下した。2Lのポリ(プロピレン)三角フラスコ中の1200mLのn−ヘキサンに、ドライ窒素を連続的にあふれさせ、2”PTFE撹拌ブレードを使って激しく撹拌しながら、22ゲージシリンジ針を通して細い流れとして該濁った懸濁液を加えた。沈殿したポリマーを500mLの新しいn−ヘキサン中に移し、さらに10分間攪拌した。その後、ポリマーを別の500mLの新しいn−ヘキサン中に移し、15分間浸漬させた。沈殿したポリマーは粗い繊維の形状であった。それを大口の500mLガラスびんに移し、真空下、55℃で22時間乾燥して9.96g(83.0%収率)のポリ(PFPA)を得た。このホモポリマーは、水に不溶で、アセトニトリルにわずかに溶解するが、THF、アセトンおよびクロロホルムには容易に溶解する。定量19F−NMRにより、PFPAモル包含パーセント(molar incorporation percentage)は、100.9%の計算値(NMR感度範囲内)で、エステルの加水分解は検出限界以下であることが明らかになった。
実施例7
プラスチック基材表面−A上へのポリマーの共有結合固定化
プラスチック基材表面−A上へのポリマーの共有結合固定化
一般的手順
1”線形プラズマ源およびX−Y Robot、F4200N、(Fisnar,Wayne,NJ)を備えた大気圧酸素プラズマ発生器、ATOMFLO(商標)Model 400(Surfx Technologies,Culver,CA)を使ってプラスチック基材表面に官能基を導入する。4mm上部のプラズマ源に向けた処理面を有するロボットのアルミニウム走査台上にプラスチック試料を置く。15L/分と0.05L/分のそれぞれヘリウムと酸素の流速下、60Wでプラズマを生成する。プラズマ源は基材表面全面を20mm/秒の速度で走査する。走査数を1〜10回変動させて、ヒドロキシル、カルボニル、およびカルボン酸官能基の表面密度を調整する。
1”線形プラズマ源およびX−Y Robot、F4200N、(Fisnar,Wayne,NJ)を備えた大気圧酸素プラズマ発生器、ATOMFLO(商標)Model 400(Surfx Technologies,Culver,CA)を使ってプラスチック基材表面に官能基を導入する。4mm上部のプラズマ源に向けた処理面を有するロボットのアルミニウム走査台上にプラスチック試料を置く。15L/分と0.05L/分のそれぞれヘリウムと酸素の流速下、60Wでプラズマを生成する。プラズマ源は基材表面全面を20mm/秒の速度で走査する。走査数を1〜10回変動させて、ヒドロキシル、カルボニル、およびカルボン酸官能基の表面密度を調整する。
プラズマ処理済み基材試料をコーティングポリマーおよび塩基触媒のアセトニトリルまたはアセトン溶液中に浸漬し、周囲温度で2〜20時間緩やかに混転する。基材試料を取り出し、十分なアセトニトリルまたはアセトンで濯ぎ、窒素で送風乾燥する。
実施例8
35:65mol%のDMA:PFPA比率のポリ(DMA−co−PFPA)のCOP基板チップ上への共有結合固定化
35:65mol%のDMA:PFPA比率のポリ(DMA−co−PFPA)のCOP基板チップ上への共有結合固定化
ポリマーの共有結合固定化用の一般的手順後に、3回のプラズマ走査を行う。4回プラズマ処理したCOP基板試料(チップ)、67mmx25mmx1.0mmを、15.0μLのトリエチルアミンおよび87.3mgの35:65mol%のDMA:PFPAコポリマーを含む25mLの無水アセトニトリル溶液に浸漬する。19時間の穏やかな混転後、COP基板チップを取り出し、十分なアセトニトリルで濯ぎ、送風乾燥する。ポリマー固定表面は、69.4±0.8°(n=9)の水接触角を示す。
類似の条件下、4回プラズマ処理したCOP基板チップを、16.2μLのN,N−ジメチルベンジルアミンおよび87.3mgの35:65mol%のDMA:PFPAコポリマーを含む25mLの無水アセトニトリル溶液に浸漬する。アセトニトリルで濯ぎ、送風乾燥した後、ポリマー固定表面は、89.5±0.6°(n=8)の水接触角を示す。
実施例9
COP基板チップ上へのポリ(PFPA)の共有結合固定化
COP基板チップ上へのポリ(PFPA)の共有結合固定化
ポリマーの共有結合固定化用の一般的手順後に、3回のプラズマ走査を行う。4回プラズマ処理したCOP基板試料(チップ)、67mmx25mmx1.0mmを、15.0μLのトリエチルアミンおよび86.7mgのPFPAホモポリマーを含む25mLのアセトン溶液に浸漬する。アセトニトリルなどのその他の溶媒も使用することができる。17時間の穏やかな混転後、COP基板チップを取り出し、十分なアセトンで濯ぎ、送風乾燥する。ポリマー固定表面は、78.8±0.8°(n=10)の水接触角を示す。
類似の条件下、4回プラズマ処理したCOP基板チップを、16.2μLのN,N−ジメチルベンジルアミンおよび86.7mgのPFPAホモポリマーを含む25mLのアセトン溶液に浸漬する。アセトンで濯ぎ、送風乾燥した後、ポリマー固定表面は、86.7±0.5°(n=6)の水接触角を示す。
類似の条件下、12個のCOP基板チップに1回のみのプラズマ前処理を行う。これらの前処理COP基板チップを、4個を1セットにして、16.2μLのN,N−ジメチルベンジルアミンおよび86.0mgのPFPAホモポリマーを含む25mLのアセトン溶液に浸漬し、周囲温度で16時間混転する。アセトンで濯ぎ、送風乾燥した後、ポリマー固定表面は、83.6±0.4°(n=18)の水接触角を示す。
実施例10
5:34:61mol%のAAm:DMA:PFPA比率のターポリ(アクリルアミド−co−DMA−co−PFPA)のCOP基板チップ上への共有結合固定化
5:34:61mol%のAAm:DMA:PFPA比率のターポリ(アクリルアミド−co−DMA−co−PFPA)のCOP基板チップ上への共有結合固定化
ポリマーの共有結合固定化用の一般的手順後に、3回のプラズマ走査を行う。4回プラズマ処理したCOP基板試料(チップ)、67mmx25mmx1.0mmを、15.0μLのトリエチルアミンおよび87.3mgのターポリ(AAm−co−DMA−co−PFPA)を含む25mLの無水アセトニトリル溶液に浸漬する。アセトニトリルなどのその他の溶媒も使用することができる。17時間の穏やかな混転後、COP基板チップを取り出し、十分なアセトニトリルで濯ぎ、送風乾燥する。ポリマー固定表面は、76.7±0.6°(n=7)の水接触角を示す。
類似の条件下、4回プラズマ処理したCOP基板チップを、16.2μLのN,N−ジメチルベンジルアミンおよび87.3mgのターポリ(AAm−co−DMA−co−PFPA)を含む25mLの無水アセトニトリル溶液に浸漬し、77.5±0.2°(n=6)の水接触角を有するポリマー固定表面を得る。
実施例11
15:65mol%のAAm:PFPA比率のポリ(アクリルアミド−co−PFPA)のCOP基板チップ上への共有結合固定化
15:65mol%のAAm:PFPA比率のポリ(アクリルアミド−co−PFPA)のCOP基板チップ上への共有結合固定化
ポリマーの共有結合固定化用の一般的手順後に、1回のプラズマ走査を行う。4回プラズマ処理したCOP基板試料(チップ)、67mmx25mmx1.0mmを、16.2μLのトリエチルアミンおよび85.8mgのポリ(AAm−co−PFPA)を含む25mLのアセトン溶液に浸漬する。アセトニトリルなどのその他の溶媒も使用することができる。20時間の穏やかな混転後、COP基板チップを取り出し、十分なアセトンで濯ぎ、送風乾燥する。ポリマー固定表面は、82.5±0.5°(n=18)の水接触角を示す。
実施例12
反応性ポリマーコーティング固体支持体のためのアンモニアキャッピング手順
反応性ポリマーコーティング固体支持体のためのアンモニアキャッピング手順
手順:
50mMの水酸化アンモニウムおよび100mMのトリエチルアミンを含む水溶液を調製した。溶液の一部(25mL)を30mLの、4片のポリマー支持体スライド、1”x3”x0.04”ポリマーコーティングCOP(環状オレフィンポリマー)スライドを含むねじぶた式ポリプロピレンスライドチューブ中に注ぎ込んだ。反応性ポリマーを基板表面上のヒドロキシル基に共有結合させる(エステル結合を形成)ことによりスライドを上述のように調製した。事前に捕捉プローブマイクロアレイでスポットしたが、洗浄はしなかった。チューブを密封し、水浴中で60℃に1時間置き、その後、アンモニア溶液をデカントし、水で置換した。1分後、スライドを取り出し、追加の水で濯いで、窒素流で送風乾燥した。キャッピングしたスライド表面で、約8°の平均水接触角(WCA)測定値が得られた。ポリマーコーティングスライド支持体のキャッピング前の平均水接触角(WCA)は、86°であった。各水接触角は、4片の固体支持体スライド上でそれぞれ3回の測定の平均をとった。
50mMの水酸化アンモニウムおよび100mMのトリエチルアミンを含む水溶液を調製した。溶液の一部(25mL)を30mLの、4片のポリマー支持体スライド、1”x3”x0.04”ポリマーコーティングCOP(環状オレフィンポリマー)スライドを含むねじぶた式ポリプロピレンスライドチューブ中に注ぎ込んだ。反応性ポリマーを基板表面上のヒドロキシル基に共有結合させる(エステル結合を形成)ことによりスライドを上述のように調製した。事前に捕捉プローブマイクロアレイでスポットしたが、洗浄はしなかった。チューブを密封し、水浴中で60℃に1時間置き、その後、アンモニア溶液をデカントし、水で置換した。1分後、スライドを取り出し、追加の水で濯いで、窒素流で送風乾燥した。キャッピングしたスライド表面で、約8°の平均水接触角(WCA)測定値が得られた。ポリマーコーティングスライド支持体のキャッピング前の平均水接触角(WCA)は、86°であった。各水接触角は、4片の固体支持体スライド上でそれぞれ3回の測定の平均をとった。
アンモニアキャッピングの最適化:
キャッピング用の追加のパラメータを決定するために、それぞれ100mMのトリエチルアミンを含む100mMまたは500mMの水酸化アンモニウムを含む溶液を調製した。固体支持体スライドをこれらの溶液のそれぞれ中、および水を単独で含むチューブ中に入れ、4種の異なる温度、20℃、60℃、75℃、および95℃で1時間キャッピングした。表1は、65mol%PFPAおよび35mol%DMAのコポリマーを用い、一連の試薬濃度に対し、4種の浸漬温度で1時間調製した固体支持体スライドのデータを示す。
キャッピング用の追加のパラメータを決定するために、それぞれ100mMのトリエチルアミンを含む100mMまたは500mMの水酸化アンモニウムを含む溶液を調製した。固体支持体スライドをこれらの溶液のそれぞれ中、および水を単独で含むチューブ中に入れ、4種の異なる温度、20℃、60℃、75℃、および95℃で1時間キャッピングした。表1は、65mol%PFPAおよび35mol%DMAのコポリマーを用い、一連の試薬濃度に対し、4種の浸漬温度で1時間調製した固体支持体スライドのデータを示す。
キャッピング前の水接触角は、86°であった。各温度における500mMアンモニアで得られた最終水接触角は、無視できる程度の差異(8°〜10°)であった。20℃では、試薬濃度依存性が観察され、この場合、50mMアンモニアは水接触角の変化にほとんど影響せず、500mMのアンモニアは最大の変化(最小の水接触角)を生じ、100mMのアンモニアは中間的な水接触角(50°)を生成する。60℃およびこれを超える温度では、アンモニア濃度に関係なく、最大の水接触角の変化が生じた。水処理のみの場合は、最高温後の場合(T=95℃、水接触角=55°)を除いて、水接触角の顕著な変化を生じない。表1に挙げる各水接触角は、4つの固体支持体スライド上でそれぞれ3回の個別測定値の平均である。表1(図6にグラフで示す)のデータは、67.5%PFPAと32.5%DMAの組成のポリ(PFPA−co−DMA)で固定したCOPスライドを使って、一連の試薬濃度と浸漬温度で行ったアンモニアキャッピングが最終WCAに与える影響を示す。キャッピング前のWCAは、86°であった。
本発明の固体支持体のキャッピング後のWCAは、現在知られている固体支持体のキャッピング後のWCAより著しく小さい。理論に束縛されるものではないが、本発明の固体支持体のより小さいWCAは、少なくとも一部は、キャッピング条件下の共有結合(W)の安定性に関連しているものと考えられる。現在入手可能な固体支持体は、別のより安定性の低い結合(例えば、UV活性化により形成された)を含み、このような支持体のキャッピングはポリマーの基材からの切断に繋がり、そのためWCAが増加する(より多く露出された基材表面積に起因して)と考えられる。上述のように、本発明の固体支持体に関連するWCAの低下は、この固体支持体と組み合わせて使われるPCRおよび/またはその他の分析試薬の溶解を含む多くの点で有利である。
実施例13
ポリマーのNMR分析
ポリマーのNMR分析
コポリマーまたはターポリマー中のモノマーの供給比は重量または体積測定から分かるが、生成物中の取り込まれた実際のモノマーの比率は変動するので、合成後に測定する必要がある。ポリマーの各バッチは、1H、13C、および定量19F NMRにより特性が明らかにされ、それぞれのNMR法から最終生成物に関する重要な情報が得られる。実験パラメータ、スペクトルの実施例、およびで得られる情報について以下で考察する。ペンタフルオロフェニルアクリレート含有ポリマーは、一般に、クロロホルム−d(CDCl3)にかなり溶解し、化学シフトが予測可能で、室温の線幅が最適であるので、通常、この溶媒が好ましい。
1H−NMR
400MHzでプロトンスペクトルが集められる。ペンタフルオロフェニルアクリレートとジメチルアクリルアミド(またはアクリルアミド)のコポリマーは幅広いピークが特徴であり、ポリマー主鎖とアミドの信号が発生するδ1〜4ppm領域の信号の重なり合いのために帰属することができない。さらに、フッ素化モノマーはアリール環上にプロトンがなく、そのため主鎖信号に対してのみ寄与する。しかし、プロトンスペクトルは、未反応モノマーが存在すれば、δ5〜7ppm領域で鋭いピークとしてその存在を示すので有用である。試料中の水は、クロロホルム中でδ1.6ppmに鋭いピークとして観察することができる。ヘキサンなどの微量の処理溶媒によるポリマーの混入物も同様に、鋭い信号として観察することができる。混入物から生ずる全ての信号を積分してコポリマーの全体の純度を推定することができる。許容可能なポリマーは、0.5モルパーセント未満の合計モノマー含有量を含むものであろう。ヘキサンなどの微量の溶媒は、その後の使用中にポリマー濃度を正確に推定すること以外にあまり関心をもたれることはない。
400MHzでプロトンスペクトルが集められる。ペンタフルオロフェニルアクリレートとジメチルアクリルアミド(またはアクリルアミド)のコポリマーは幅広いピークが特徴であり、ポリマー主鎖とアミドの信号が発生するδ1〜4ppm領域の信号の重なり合いのために帰属することができない。さらに、フッ素化モノマーはアリール環上にプロトンがなく、そのため主鎖信号に対してのみ寄与する。しかし、プロトンスペクトルは、未反応モノマーが存在すれば、δ5〜7ppm領域で鋭いピークとしてその存在を示すので有用である。試料中の水は、クロロホルム中でδ1.6ppmに鋭いピークとして観察することができる。ヘキサンなどの微量の処理溶媒によるポリマーの混入物も同様に、鋭い信号として観察することができる。混入物から生ずる全ての信号を積分してコポリマーの全体の純度を推定することができる。許容可能なポリマーは、0.5モルパーセント未満の合計モノマー含有量を含むものであろう。ヘキサンなどの微量の溶媒は、その後の使用中にポリマー濃度を正確に推定すること以外にあまり関心をもたれることはない。
13C−NMR
炭素スペクトルを、100MHz、プロトンデカップリング、掃引幅25K、30°でのパルス幅4.4μ秒、パルス遅延1.5秒の条件で取得する。500uLの溶媒中の典型的な50mgのポリマー試料では、それぞれのモノマー(δ165〜175ppm)からカルボニル炭素(アミドおよびエステル)の半定量的観察を可能とするために、16K走査が必要であろう。また、プロトンスペクトルとは異なり、ポリマーの13C線幅は十分に狭く、3種の型のフッ素化炭素の帰属および主鎖炭素由来のアミド上のメチルピークの識別を可能とする。
炭素スペクトルを、100MHz、プロトンデカップリング、掃引幅25K、30°でのパルス幅4.4μ秒、パルス遅延1.5秒の条件で取得する。500uLの溶媒中の典型的な50mgのポリマー試料では、それぞれのモノマー(δ165〜175ppm)からカルボニル炭素(アミドおよびエステル)の半定量的観察を可能とするために、16K走査が必要であろう。また、プロトンスペクトルとは異なり、ポリマーの13C線幅は十分に狭く、3種の型のフッ素化炭素の帰属および主鎖炭素由来のアミド上のメチルピークの識別を可能とする。
19F−NMR
フッ素スペクトルを、376MHz、プロトンデカップリングなし、掃引幅90K、45°でのパルス幅7.8μ秒の条件で集める。定量分析のために、60秒のパルス遅延を伴った32走査が必要となる。典型的な試料は、内部標準としての2〜3mgのフルオロベンゼンを含む500uLのCDCl3中の20〜30mgのポリマーから構成される。供給比を基準にして、単位平均モノマー式量(unit average monomeric FW)(Mc)は、Mc=a(Mp)+b(Md)により計算され、式中、Mpは反応性コモノマー断片のFW(PFPAの場合は238.11)、Mdは希釈コモノマー断片のFW(DMAの場合は99.13)、aおよびbは重合溶液中のモル分率(a+b=1)である。特定のPFPA供給比に対する計算された単位FWおよび試料の既知の重量(および添加されたフルオロベンゼンの重量)を基準にして、ポリマー中に組み込まれた実際のフッ素を決定することができる。ポリマーがアクリルアミドならびにジメチルアクリルアミドを含むターポリマーである場合には、小さい単位FW補正係数が適用される。しかし、PFPA組み込みパーセンテージのみがNMRから推定できる。また、フッ素スペクトルは、通常、遊離ペンタフルオロフェノールの共鳴がシャープで、ポリマーフッ素信号からの分離も良好であり、その結果、残存する活性エステル含量の定量的評価を可能とするので、すべてのエステル加水分解の観察に有用である。PFPAピークに対して、19F信号は、幅広であるが容易に積分されるピークとしてδ−152(2F)、δ−157(1F)、およびδ−162(2F)ppm周辺で発生し、ペンタフルオロフェノールのピークは、δ−161(2F)、δ−165(2F)、およびδ−171(1F)ppm周辺に鋭い多重線として現れる。フルオロベンゼン内部標準は、狭い複合多重線としてδ−112ppm周辺に現れる。
フッ素スペクトルを、376MHz、プロトンデカップリングなし、掃引幅90K、45°でのパルス幅7.8μ秒の条件で集める。定量分析のために、60秒のパルス遅延を伴った32走査が必要となる。典型的な試料は、内部標準としての2〜3mgのフルオロベンゼンを含む500uLのCDCl3中の20〜30mgのポリマーから構成される。供給比を基準にして、単位平均モノマー式量(unit average monomeric FW)(Mc)は、Mc=a(Mp)+b(Md)により計算され、式中、Mpは反応性コモノマー断片のFW(PFPAの場合は238.11)、Mdは希釈コモノマー断片のFW(DMAの場合は99.13)、aおよびbは重合溶液中のモル分率(a+b=1)である。特定のPFPA供給比に対する計算された単位FWおよび試料の既知の重量(および添加されたフルオロベンゼンの重量)を基準にして、ポリマー中に組み込まれた実際のフッ素を決定することができる。ポリマーがアクリルアミドならびにジメチルアクリルアミドを含むターポリマーである場合には、小さい単位FW補正係数が適用される。しかし、PFPA組み込みパーセンテージのみがNMRから推定できる。また、フッ素スペクトルは、通常、遊離ペンタフルオロフェノールの共鳴がシャープで、ポリマーフッ素信号からの分離も良好であり、その結果、残存する活性エステル含量の定量的評価を可能とするので、すべてのエステル加水分解の観察に有用である。PFPAピークに対して、19F信号は、幅広であるが容易に積分されるピークとしてδ−152(2F)、δ−157(1F)、およびδ−162(2F)ppm周辺で発生し、ペンタフルオロフェノールのピークは、δ−161(2F)、δ−165(2F)、およびδ−171(1F)ppm周辺に鋭い多重線として現れる。フルオロベンゼン内部標準は、狭い複合多重線としてδ−112ppm周辺に現れる。
代表的分析
一例として、モル供給比85:15のPFPA−DMAコポリマーは、91.7μmolのPFP基(既知の量のフルオロベンゼンの添加を基準にして)に相当する合計積分フッ素信号を生成する。この組成のコポリマーでは、平均モノマー式量=217.5であり、23.2mgの試料は、106.7μmolのモノマー単位を表す。PFPのモル数を計算単位FWで除算すると、(91.7/106.7)=0.86となり、86%のPFPAが組み込まれている。しかし、コポリマー組成が87%のPFPAであるという仮定がなされた場合、わずかに高くなる平均モノマー単位式量(average monomeric unit FW)により、NMR観察フッ素含有量に正確に一致する組み込みパーセントが得られる。すなわち、(91.68/105.5)=87%PFPAとなる。したがって、実際の組み込み比率は87%PFPAである。
一例として、モル供給比85:15のPFPA−DMAコポリマーは、91.7μmolのPFP基(既知の量のフルオロベンゼンの添加を基準にして)に相当する合計積分フッ素信号を生成する。この組成のコポリマーでは、平均モノマー式量=217.5であり、23.2mgの試料は、106.7μmolのモノマー単位を表す。PFPのモル数を計算単位FWで除算すると、(91.7/106.7)=0.86となり、86%のPFPAが組み込まれている。しかし、コポリマー組成が87%のPFPAであるという仮定がなされた場合、わずかに高くなる平均モノマー単位式量(average monomeric unit FW)により、NMR観察フッ素含有量に正確に一致する組み込みパーセントが得られる。すなわち、(91.68/105.5)=87%PFPAとなる。したがって、実際の組み込み比率は87%PFPAである。
この試料の19F NMRを図3に示す。
実施例14
オリゴヌクレオチドアレイおよび装置の調製
オリゴヌクレオチドアレイおよび装置の調製
50mMのリン酸ナトリウム中の20μMのアミン改質オリゴヌクレオチドのスポッティング溶液(pH8.5)を384ウエルプレートで調製する。次に、オリゴを、上記で調製した固体支持体上に所望のスポットサイズ用として選択された適切なスポッティングピンを備えたアレイスポッター(Arrey−it SpotBot3)を使って所望のパターンでスポットした。スライド当たり2つのアレイを、スライド長さの1/4および3/4の位置で、スライド幅の中心にスポットした。スポッティング後、スライドを75%の相対湿度で4〜18時間インキュベートし、その後、DI水の流れで濯ぎ、アルゴンで送風乾燥させた。
乾燥後、スライドを半分に切断し、それぞれの中心にスポットアレイを有する2つの1”x1.5”チップが得られる。スポットスライドが底部になるようにした小さい単一チャンバ装置を組み立てる。事前にカットされた適切な寸法の両面使用型PSAガスケットをスライド上に置き、スポットアレイ部を、そのまわりに配置した固定寸法のほぼ円形領域と共に露出させたままにする。このガスケットの上部に2つのあらかじめ穿孔した注入口を備えたポリカーボネートの蓋を置く。熱サイクリングの間の適切な接着を確実にするために、得られた組立品を室温で貼り合わせる。
プライマーとプローブの混合物、緩衝液、酵素、および標的DNAを含むマルチプレックスPCR溶液をチューブ中で予混合した後、上記のチャンバに加える。典型的な反応チャンバ容積は25〜40μLである。PCR反応溶液の注入口への添加後、チップのポリカーボネートの蓋の注入口を光学的に透明なフィルムで密封する。
PCR反応溶液で満たされた装置をカスタム仕様の熱サイクリング装置で試験する。この試験装置は、熱サイクリングの間に落射蛍光顕微鏡(epifluoresence microscope)を介してデジタルカメラにより表面の画像作成を可能にする。切断蛍光DNAフラップに対する(および完全プローブに対する)典型的なハイブリダイゼーション時間は、それらのハイブリダイゼーション温度(Tm)より低い温度に冷却する場合は、2分未満である。捕捉プローブアレイにハイブリダイズする切断フラップ(または完全プローブ)の蛍光強度を測定することにより、表面の特性が明らかにされる。このようにして、典型的な熱サイクリング条件下、緩衝液中で表面安定性が測定される。95℃で所望の時間の活性化、95℃〜60℃で40サイクルの熱サイクリング、95℃で15秒間の保持時間および60℃で60秒間の保持時間を含む典型的処理条件を使って、装置中のPCRが同様に行われる。特定の選択サイクルで、チャンバをプローブのTmより低温に冷却し、60℃の伸長ステップ後にハイブリダイゼーションを行わせる。
自動画像解析ソフトウエアを利用してアレイスポットの位置を特定し、ピクセル強度を測定することにより信号を定量する。スポット内の平均ピクセル強度から実際のスポットの外側の平均ピクセル強度を減算して、スポット領域のバックグラウンド除去ピクセル強度が得られる。捕捉プローブに特異的な切断DNAフラップの検出のために、これらの強度を熱サイクリングの間モニターする。
実施例15
固体支持体の熱サイクリング
固体支持体の熱サイクリング
ポリ(DMA−co−PFPA)ポリマーを共有結合して含有する環状ポリ(オレフィン)(COP)スライドを上記手順に従って調製した。これらの固体支持体を使って、標識オリゴをその固体支持体上にスポッティングすることによりマイクロアレイを作製した。これらのマイクロアレイを緩衝液の存在下で40サイクルの熱サイクル(64〜95℃)に供し、スポット形状および輝度をモニターした。図4A〜Cは、それぞれ、低、中、および高プラズマ出力処理スライドを使って調製したアレイの結果を示す。図4A〜Cから分かるように、スポットは40サイクルの後も無傷で残り、非特異的吸着ではなく、ポリ(DMA−co−PFPA)ポリマーのプラズマ(APOP)処理COPスライド上への共有結合を示した。
上記の種々の実施形態を組み合わせて追加の実施形態を提供することができる。限定されないが、2013年3月14日に出願された米国特許仮出願第61/785,987号を含む本明細書で参照された、および/または出願データシートに列挙された全ての米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許出版物は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態の態様を必要に応じ修正し、種々の特許、用途および出版物の概念を採用して、さらなる追加の実施形態を提供することができる。上記詳細説明を考慮すれば、本実施形態に対してこれらおよびその他の変更を行うことができる。一般に、次の請求項においては、使われる用語は、その請求項を明細書および請求項で開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではなく、このような請求項が権利を与えられた等価物の全範囲に加えて全ての可能な実施形態を含むものと解釈されるべきである。したがって、請求項は本開示により制限されるものではない。
本明細書で具体的な本発明の実施形態が例示の目的で記載されてきたが、本発明の趣旨と範囲を逸脱することなく、上述の内容からさまざまな修正が可能であることは理解されよう。したがって、本発明は、添付の請求項によるものを除き、限定されない。
Claims (121)
- 固体支持体であって、
外表面を有する基材と、
前記基材の外表面に共有結合した複数のポリマーを含み、前記ポリマーはそれぞれ少なくとも1つのAおよびCサブユニットを含み、必要に応じて1つまたそれを超えるBサブユニットを含み、
前記Aサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基、または
c)捕捉プローブに対する共有結合、を含み、
前記任意のBサブユニットは、出現毎に独立に、親水性成分を含み、
前記Cサブユニットは、出現毎に独立に、前記基材の外表面に対する共有結合Wを含み、Wは次の構造、
式中、Qは、前記基材の外表面であり、
前記第1と第2の熱化学的反応性基の反応性が相互に直交する、固体支持体。 - 前記固体支持体が次の式(II):
R1は、出現毎に独立に、前記第1の熱化学的反応性基、前記第2の熱化学的反応性基または前記捕捉プローブへの共有結合であり、
R2は、出現毎に独立に、前記親水性成分であり、
Wは、出現毎に独立に、前記基材の外表面への共有結合であり、
Qは、前記基材の外表面であり、
R3、R4およびR5は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
L1、L2およびL3は、出現毎に独立に、直接結合または100原子までの長さのリンカーであり、
T1およびT2は、それぞれ独立に、存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
xおよびzは、それぞれ独立に1〜50,000の整数であり、
yは、0〜50,000の整数である、
請求項1〜2のいずれか1項に記載の固体支持体。 - 少なくとも1つのAサブユニットが、第1の熱化学的反応性基を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記第1の熱化学的反応性基が活性化エステルである、請求項4に記載の固体支持体。
- ハロがフルオロである請求項6に記載の固体支持体。
- R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eの内の少なくとも1つがフルオロである、請求項6に記載の固体支持体。
- R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eのそれぞれがフルオロである、請求項6に記載の固体支持体。
- R7a、R7b、R7c、R7dおよびR7eの内の1つがニトロである、請求項6に記載の固体支持体。
- 少なくとも1つのAサブユニットが、前記第2の熱化学的反応性基を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記第2の熱化学的反応性基が、出現毎に独立に、アルキン、アルキルシリル保護アルキン、アジド、ニトリル、チオール、アルケン、マレイミド、ブタジエン、アジリジン、チイラン、ジエン、求ジエン体、または1,4−不飽和カルボニル官能基を含む、請求項11に記載の固体支持体。
- 前記第2の熱化学的反応性基が、環化付加反応性基を含む、請求項11に記載の固体支持体。
- 前記環化付加反応性基が、出現毎に独立に、アルキンまたはアジド官能基を含む、請求項13に記載の固体支持体。
- βが1または3である、請求項15に記載の固体支持体。
- χが1である、請求項15に記載の固体支持体。
- 前記環化付加反応性基が、出現毎に独立に、ジエンまたは求ジエン体官能基を含む、請求項13に記載の固体支持体。
- 前記環化付加反応性基が、出現毎に独立に、α,β−不飽和カルボニル、マレイミジル、アセチレンジカルボン酸エステル、シクロペンチルジエニル、フラニルまたはN−アルキルピロリル成分を含む、請求項13に記載の固体支持体。
- 少なくとも1つのAサブユニットが、前記捕捉プローブへの共有結合を含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記共有結合が、前記捕捉プローブに対するアミジル結合またはアミン結合である、請求項22に記載の固体支持体。
- 前記共有結合が、トリアゾール成分を含む、請求項22に記載の固体支持体。
- 前記捕捉プローブが、ペプチド、タンパク質、グリコシル化タンパク質、複合多糖、アプタマー、炭水化物、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチドまたはポリペプチドである、請求項1〜25のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記捕捉プローブが、ポリヌクレオチドである、請求項1〜26のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記捕捉プローブが、DNAである、請求項1〜27のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記親水性成分が、出現毎に独立に、アミド、エステルまたはヒドロキシル官能基、またはこれらの組み合わせを含む、請求項1〜30のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、Bサブユニットを含まない、請求項1〜31のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、1つまたそれを超えるBサブユニットを含む、請求項1〜31のいずれか1項に記載の固体支持体。
- R8aおよびR8bが、それぞれHである、請求項34に記載の固体支持体。
- R8aまたはR8bの内の1つがHであり、その他のR8aまたはR8bがC1−C6アルキルである、請求項34に記載の固体支持体。
- R8aがHであり、R8bがメチルである、請求項36に記載の固体支持体。
- R8aまたはR8bの1つがHであり、その他のR8aまたはR8bがヒドロキシアルキルである、請求項34に記載の固体支持体。
- R8aがHであり、R8bが−CH2OHである、請求項41に記載の固体支持体。
- R10が、−CH2CH2OHである、請求項34に記載の固体支持体。
- L1、L2およびL3が、それぞれ独立に、アルキレン、エステル、アルキレンオキシド、アミド、イミド、エーテルもしくはジチオ成分、またはこれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の固体支持体。
- L1、L2またはL3の内の少なくとも1つが、直接結合である、請求項3に記載の固体支持体。
- L1、L2およびL3のそれぞれが、直接結合である、請求項3に記載の固体支持体。
- R3、R4またはR5の内の少なくとも1つが、Hである、請求項3〜47のいずれか1項に記載の固体支持体。
- R3、R4およびR5のそれぞれが、Hである、請求項3〜47のいずれか1項に記載の固体支持体。
- R3、R4またはR5の内の少なくとも1つが、メチルである、請求項3〜47のいずれか1項に記載の固体支持体。
- R3、R4およびR5のそれぞれが、メチルである、請求項3〜47のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、約40mol%未満のBサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、0mol%超〜約40mol%のBサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、約35mol%のBサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、少なくとも約30mol%のBサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、0mol%超〜約15mol%のBサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、少なくとも約75mol%のAサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、少なくとも約90mol%のAサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、少なくとも約95mol%のAサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、少なくとも約99.9mol%のAサブユニットを含む、請求項33〜51のいずれか1項に記載の固体支持体。
- それぞれのAサブユニットが、前記第1の熱化学的反応性基または前記捕捉プローブへの共有結合を含む、請求項1に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、Bサブユニットを含まない、請求項61に記載の固体支持体。
- 前記第1の熱化学的反応性基が、請求項5〜10のいずれか1項で定義されている通りである、請求項61または62のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記ポリマーが、ランダムポリマーである、請求項1〜63のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 40°〜90°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 50°〜85°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 60°〜80°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記基材が、有機ポリマーを含む、請求項1〜67のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記基材が、ポリ(スチレン)、ポリ(カーボネート)、ポリ(エーテルスルホン)、ポリ(ケトン)、ポリ(脂肪族エーテル)、ポリ(エーテルケトン)、ポリ(エーテルエーテルケトン)、ポリ(アリールエーテル)、ポリ(アミド)ポリ(イミド)、ポリ(エステル)、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(オレフィン)、ポリ(環状オレフィン)、ポリ(ビニルアルコール)、これらのポリマーブレンドもしくはポリアルキルポリマーまたはハロゲン化誘導体、架橋誘導体またはこれらの組み合わせを含む、請求項68に記載の固体支持体。
- 前記ハロゲン化誘導体が、ハロゲン化ポリ(アリールエーテル)、ハロゲン化ポリ(オレフィン)またはハロゲン化ポリ(環状オレフィン)である、請求項69に記載の固体支持体。
- 前記基材が、環状ポリ(オレフィン)を含む、請求項69に記載の固体支持体。
- 前記基材が、実質的に光透過性である、請求項1〜71のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記基材が、約400nm〜約800nmで実質的に光透過性である、請求項1〜71のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記基材が、少なくとも約90%光透過性である、請求項1〜73のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 前記固体支持体が、異なる位置の系統的アレイを含み、それぞれの異なる位置が、独立に、前記基材の外表面に共有結合した少なくとも1つの前記ポリマーを含む、請求項1〜74のいずれか1項に記載の固体支持体。
- それぞれの異なる位置が、独立に、前記位置へ共有結合した複数の前記ポリマーを含む、請求項75に記載の固体支持体。
- それぞれの異なる位置の少なくとも1つのポリマーが、独立に、前記ポリマーに共有結合した捕捉プローブを含む、請求項75または76のいずれか1項に記載の固体支持体。
- それぞれの異なる位置が、前記位置へ結合した複数の構造的に異なる捕捉プローブを含む、請求項77に記載の固体支持体。
- 前記複数のポリマーが、それらの間の架橋を実質的に含まない、請求項1〜78のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 請求項1〜79のいずれか1項の固体支持体の調製方法であって、
A)外表面に共有結合した複数のヒドロキシル、カルボニルもしくはアミン官能基、またはこれらの組み合わせを含む固体基材を提供することであって、ここで前記ヒドロキシルおよびカルボニル官能基がリンカーの介在なしで前記固体基材に直接結合し、前記アミン官能基がイミン結合を含むリンカーを介して前記固体支持体に結合し、前記イミン結合はリンカーの介在なしで前記固体基材に直接結合する、こと、および
B)Dサブユニットならびに任意のEおよびFサブユニットを含むポリマーと前記固体基材とを、前記ヒドロキシル、カルボニルまたはアミン官能基の内の少なくとも1つと前記Dサブユニットとの間で共有結合を形成するのに十分な条件下で接触させること、を含み、
前記Dサブユニットは、出現毎に独立に、第1の反応性基を含み、前記第1の反応性基は固体基材または捕捉プローブ上のアルコール、カルボニルまたはアミン官能基と共有結合を形成可能である熱化学的反応性基であり、
前記Eサブユニットは、出現毎に独立に、親水性成分を含み、
前記Fサブユニットは、出現毎に独立に、第2の反応性基を含み、前記第2の反応性基は、環化付加または1,4−共役付加反応を介して捕捉プローブ上の標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基であり、
前記第1の反応性基と前記第2の反応性基の反応性が相互に直交する、方法。 - 前記第1の反応性基が、前記固体基材上のケトンまたはアルデヒド基と共有結合形成が可能な求核基である、請求項80に記載の方法。
- 前記第1の反応性基が、ヒドラジド、アミンまたはアルコキシアミンである、請求項81に記載の方法。
- 前記第1の反応性基が、前記固体基材上のアルコールまたはアミン基と共有結合形成が可能な求電子性基である、請求項80に記載の方法。
- 前記第1の反応性基が、アリールエステルまたはエポキシドである、請求項83に記載の方法。
- 前記ポリマーが、次の式(IV):
R11は、出現毎に独立に、前記第1の反応性基を含む置換基であり、
R12は、出現毎に独立に、前記親水性成分を含む置換基であり、
R13は、出現毎に独立に、前記第2の反応性基を含む置換基であり、
R14、R15およびR16は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
L5、L6およびL7は、出現毎に独立に、直接結合または100原子までの長さのリンカーであり、
T3およびT4は、それぞれ独立に、存在しないか、またはH、アルキルおよび開始剤残基から選択されるポリマー末端基であり、
qは、1〜50,000の整数であり、
rおよびsは、独立に0〜50,000の整数である、
請求項80〜85のいずれか1項に記載の方法。 - 前記熱化学的反応性基が、請求項5〜10のいずれか1項で定義されている通りである、請求項87に記載の方法。
- 前記Fサブユニットが存在する、請求項80〜88のいずれか1項に記載の方法。
- 前記環化付加または共役付加反応性基が、請求項12〜21のいずれか1項で定義されている通りである、請求項89に記載の方法。
- 前記Eサブユニットが存在する、請求項80〜88のいずれか1項に記載の方法。
- 前記親水性成分が、請求項31、または請求項34〜44のいずれか1項で定義されている通りである、請求項91に記載の方法。
- 前記共有結合が、前記ヒドロキシルまたはカルボニル成分の内の少なくとも1つと前記第1の反応性基との反応により形成されるエーテル、エステル、ヒドラゾン、オキシムまたはイミン結合である、請求項80〜92のいずれか1項に記載の方法。
- 前記固体基材が、コロナ処理または前記固体基材を周囲空気プラズマもしくは大気圧酸素プラズマで処理することにより調製される、請求項80〜93のいずれか1項に記載の方法。
- 前記固体基材とジアミン化合物とを、前記固体基材上のカルボニルと前記ジアミン中の第1のアミン基との間で共有イミン結合を形成するのに十分な条件下で接触させることをさらに含む、請求項94に記載の方法。
- 前記固体支持体と捕捉プローブとを、前記捕捉プローブと前記ポリマーとの間で共有結合を形成させるのに十分な条件下で接触させることをさらに含む、請求項80に記載の方法。
- 前記共有結合が、前記Dサブユニット上のアリールエステルまたはエポキシド成分と、前記捕捉プローブ上のアミン成分との反応により形成される、請求項96に記載の方法。
- 前記共有結合が、前記Fサブユニット上のアルキン成分と、前記捕捉プローブ上のアジド成分との反応により形成される、請求項96に記載の方法。
- 前記共有結合が、前記Fサブユニット上のアジド成分と、前記捕捉プローブ上のアルキン成分との反応により形成される、請求項96に記載の方法。
- アジドの存在下で、Cu(I)触媒と前記固体支持体とを接触させることをさらに含む、請求項98または99のいずれか1項に記載の方法。
- 標的検体分子の存在または非存在を決定する方法であって、
a)請求項1〜79のいずれか1項に記載の固体支持体を提供することであって、ここで前記Aサブユニットがそれに共有結合した捕捉プローブを含むこと、
b)検体プローブを前記固体支持体と接触させること、および
c)前記捕捉プローブと前記検体プローブとの相互作用から生成される信号の存在または非存在を検出することを含む、方法。 - 前記捕捉プローブがポリヌクレオチドである、請求項101に記載の方法。
- 前記標的検体分子が、ポリヌクレオチドまたはタンパク質である、請求項101〜102のいずれか1項に記載の方法。
- 前記信号が蛍光信号である、請求項101〜103のいずれか1項に記載の方法。
- 前記蛍光信号が、前記検体プローブと捕捉プローブとの特異的ハイブリダイゼーションの結果として生成されるか、または減少する、請求項104に記載の方法。
- 前記検体プローブが、フルオロフォアまたはフルオロフォア消光剤を含む、請求項101〜105のいずれか1項に記載の方法。
- 前記固体支持体の外表面に共有結合した複数の一級アミン官能基を含む固体基材であって、前記アミン官能基がイミン結合を含むリンカーを介して前記固体支持体に結合している、固体基材。
- G、Hおよび任意のIサブユニットを含むポリマーであって、
前記Gサブユニットは、出現毎に独立に、
a)第1の熱化学的反応性基であって、アルコール、カルボニルまたはアミン基と共有結合を形成可能である第1の熱化学的反応性基と、
b)第2の熱化学的反応性基であって、環化付加または1,4−共役付加反応を介した標的官能基との共有結合形成に特異的な反応性を有する環化付加または共役付加反応性基である第2の熱化学的反応性基と、を含み、
前記Hサブユニットは、出現毎に次の構造:
前記任意のIサブユニットは、出現毎に独立に、親水性成分を含み、以下の構造:
R4は、出現毎に独立に、HまたはC1−C6アルキルであり、
R8aは、H、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R8bは、C1−C6アルキルまたはヒドロキシアルキルであり、
R9aおよびR9bは、それぞれ独立に、H、C1−C6アルキルもしくはヒドロキシアルキルであるか、またはR9aおよびR9bは、それらが結合している窒素原子と一緒に連結されてヘテロ環を形成し、
R10は、ヒドロキシアルキルであり、
前記第1と第2の熱化学的反応性基の反応性が相互に直交する、ポリマー。 - 前記任意のIサブユニットが存在しない、請求項109に記載のポリマー。
- 前記任意のIサブユニットが存在する、請求項109に記載のポリマー。
- 前記親水性成分が、請求項40〜44のいずれか1項で定義されている通りである、請求項111に記載のポリマー。
- 前記Gサブユニットが、請求項5〜10または請求項12〜21のいずれか1項で定義されている通りである、請求項109〜112のいずれか1項に記載のポリマー。
- それぞれのGサブユニットが、前記第1の熱化学的反応性基を含む、請求項109に記載のポリマー。
- 前記ポリマーが、0mol%超〜約15mol%のHサブユニットを含む、請求項109〜114のいずれか1項に記載のポリマー。
- 61°〜95°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 70°〜90°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 75°〜85°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 78°〜83°の範囲の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 15°未満の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
- 10°未満の水接触角を有する、請求項1〜64のいずれか1項に記載の固体支持体。
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