JP2016517012A - 電気生理学的測定装置及び電気生理学的測定方法 - Google Patents

電気生理学的測定装置及び電気生理学的測定方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気生理学的測定装置(100)及び電気生理学的測定方法に関し、キャリア材料(12')からなるキャリア(12)と、キャリア(12)の領域内の開口領域(10)とを備え、生体物(O)のシール蓄積を制御する。開口領域(10)は、少なくとも1つの開口(14)及び壁領域(11)により形成され、壁領域(11)は、開口内壁(11i)が開口(14)を取り囲むように形成される。少なくとも1つの壁領域(11)は、材料(12")からなる領域(29)により形成され、材料(12")は、少なくともその組成において、開口領域(10)よりも外側のキャリア材料(12')に実質的に対応するが、それと比較して、少なくとも1つのイオン種が増加した濃度を有する。その結果、開口領域(10)における生体物(O)のシール蓄積は、開口(14)の少なくとも開口内壁(11i)上又は内における増加した濃度によって促進される。また、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度は、キャリア(12)の上面(12a)又は表面から、特に開口内壁(11i)から約10nmの深さまで変更される。

Description

本発明は、電気生理学的測定装置及び電気生理学的測定方法、特に、本発明に係る電気生理学的測定装置を使用する方法に関する。
それぞれの膜上に結合及び/又は吸収されるタンパク質及びその輸送特性について、生物体(特に、最も広義の細胞、細胞小器官、卵母細胞及びその断片)を解析するために電気生理学の技術分野において使用される複数の方法及び装置が知られており、小胞、リポソーム又はその他の多かれ少なかれ人工的な組織も用いることができる。
この目的を達成するために、生物体間にそれぞれ配置された測定電極及び対向電極の間に電流及び/又は電圧が印加され及び/又は測定される。基本的な生理学的プロセス、特に、輸送プロセスや構造変化等についての情報を得ることを目的として電流及び/又は電圧が測定される。
多くの場合、そこには比較的非常に小さな信号が存在している。このため、適切な信号対雑音比を達成するには、膜自体を横断して、あるいは、解析される生物体の膜と開口壁との間における接触又は密着領域において、高いシール抵抗、すなわち、できるだけ小さな残存導電率を提供する必要がある。
既知の電気生理学的な測定方法及び測定装置では、測定される生物体の細胞の内側及び外側の間(より一般的には、膜の内部及び外部の間)におけるシール抵抗及び残存導電率を満足に制御することは今でもできない。
結果として、一般にシール抵抗は低い場合が多く、望ましくない信号対雑音比しか得られなかった。
本発明の目的は、電気生理学的測定装置及び電気生理学的測定方法を提供することであり、それにより、測定される生物体の蓄積と、測定される生物体及び測定システムの間のシール抵抗の当該蓄積中における形成及び品質とをできるだけ高い信頼性をもって促進し、特にギガシール、つまり、ギガオームのレンジのシール抵抗を有する蓄積を実現可能にすることにある。
本発明の目的は、独立請求項1の特徴を有する電気生理学的測定装置によって達成される。また、本発明の目的は、独立請求項10の特徴を有する電気生理学的測定方法によって達成される。さらに有利な実施形態が従属請求項に記載されている。
一方、本発明は、予め定められた組成を有するキャリア材料を少なくともその内部に含んで形成され、あるいは、当該材料から形成されるキャリア(例えば、予め定められた濃度の材料種又はイオン種)と、当該キャリアの領域内の開口領域(つまり、少なくとも一つの開口又は測定開口を備え又は形成する領域を有する)とを備え、生体物(例えば、細胞、細胞小器官、小胞、リポソーム、自然又は人工膜(例えば、脂質二重層など)若しくはその断片)のシール蓄積を制御する電気生理学的測定装置を提供する。開口領域は、少なくとも1つの開口と壁領域とによって形成され、壁領域は、開口内壁として、開口を形成するとともに開口を取り囲む。少なくとも壁領域は、1つの材料からなる1つの領域によって形成される。当該材料は、少なくともその組成において、開口領域よりも外側(特に、キャリアの中間部又はキャリアの内部)におけるキャリアの材料と実質的に対応するが、これと比べて、変更された(特に増加された)濃度を有する少なくとも一つの材料種(特にイオン種)を含む。開口の少なくとも開口内壁上又は内における材料種又はイオン種の上記変更された(特に局所的に増加された)濃度により、開口領域上における生物体のシール蓄積を促進することができる。ここで、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度は、キャリア(特に開口内壁)の上面又は表面から予め定められた深さまで(特に約10nmの深さまで)変更される。
従って、本発明の中心的着想は、シール蓄積のために(すなわち、解析される生物体について高いシール抵抗をもつ蓄積のために)開口領域が形成された電気生理学的測定装置において、開口領域の開口を形成して取り囲む少なくとも壁領域上又は内において、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度を変更することである。当該変更は、変更される領域の外側における材料種又はイオン種(すなわち、開口領域の外側(特にキャリアの中央部及び/又はキャリアの内部)におけるキャリアの基本的な材料)の濃度と比較したものである。
濃度の変更(特に濃度の増加)は、対応する化学的及び/又は電気的な相互作用によって、解析される生物体のシール蓄積が制御できるようになり、特に促進できるようになる。特に、他の態様が一致する電気生理学的測定装置において、当該発明による濃度変更がない場合と比較して、あるいは、完全にドープされたウェハがギガシールを促進又は安定させる機能を有するが、そのチップが測定適合性に関して劣化した特性を有するという特別な場合と比較して、測定開口上において解析される生物体の蓄積確率、及び/又は、解析される生物体及び測定開口の間のシール抵抗を増大させることができる。
従って、本発明によれば、生物体の蓄積及びシールの形成において、開口及び開口の壁領域を用いて、望ましい生物体をサポートすることができる。また、シール抵抗の増加又は残存導電性の顕著な低下と、シールの機械的安定性の向上とを意味するシールの強度を向上させることができる。
解析に使用できる生物体は、常に最も広い意味において、細胞、細胞小器官、卵母細胞、バクテリア、若しくは、それらの組み合わせ又は断片である。また、人工的又は部分的に人工的で、実質的に生物学的な構造、例えば、小胞、リポソーム、ミセル、膜の断片などの形状を有し、自然又は人工の手法によりタンパク質がその中に結合及び/又は吸収されたものも考えられる。
解析対象は、最も一般的な自然の生物体であってもよいし、部分的又は完全に人工的な生物体であってもよい。さらに、例えば、純粋な脂質構造及びその修飾を解析するために、非生物体を解析することもできる。以下では、生物体にのみ言及するが、この意味で説明される全てのものが測定対象に含まれる。
換言すれば、本発明は、選択された被解析生物体が、向上させたシール抵抗を有して吸着され、その後の測定により、信号対雑音比を向上させるとともにその蓄積を機械的に安定させる。例えば、測定期間を延ばすことができ、また、測定結果に関する信頼性を向上させることができる。
種及び/又は濃度の高さを選択することにより、変更タイプ及び相互作用の強さ、並びに、それに従う品質及び蓄積期間が、生物体の膜の外側及び内側における電荷及び/又は構造に依存して影響を受ける。
少なくとも1つの材料種又はイオン種は、プロトン(H)、ハロゲンイオン、特にフッ化物イオン(F)、二価イオン、特に二価金属カチオン、特にBe2+、Sr2+、Ca2+及びMg2+で構成されるグループから選択することができる。しかしながら、本発明は、これらの種に限定されず、一般に全ての材料種が、例えば、測定される生物体の所定の表面状態を許容し、例えば、グリコカリックス構造が存在しているとき、又は、その他の状況においても、高いシール抵抗及び機械的に安定な蓄積を達成すると考えられる。
少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度の増加は、前記壁領域の局所領域へ空間的に限定することができ、キャリアの材料は、開口領域の外側の少なくとも1つの領域内に、前記少なくとも1つの材料種又はイオン種の増加していない濃度を有する。
少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度は、注入を用いて、特にプラズマ処理、スパッタ処理又はイオンビーム処理を用いて、増加させることができる。しかしながら、他の注入又はドーピング法も考えられる。
本発明による測定装置の実施形態によれば、開口領域は、上面及び下面を有するキャリアの領域に形成される。ここで、開口を形成する各壁領域は、キャリアの上面及び/又は下面に対し、部分的又は完全に突出することができる。配設されたキャリアは、ベース、基板又はベース基板としても指示される。このような基板又はこのようなキャリアの配設は、測定装置、特に解析される生物体がそのように機械的に配置される装置を安定化させるとともに、測定電極及び対向電極を有する区画における測定キュベット又は湿潤細胞の分割という意味で、測定の基礎となる電解槽に関して測定装置の顕微鏡的に微細な分割を可能にする。
壁領域を形成する各開口は、電極装置と組み合わせて、穴の内壁に一体化されて形成されることもできる。
基板又はキャリアを基礎として、対応する壁領域を有する1又は複数の開口は、上面から突き出すように形成することができる。
代わりに、これらが、上面と同一面で終わり、キャリア又は基板の下面から突き出すように内部に向かって形成されてもよい。しかしながら、このことは必須ではなく、膜の各厚さに応じて省略することができる。
各突起の寸法は、各壁領域の内壁に影響を与え、それゆえ、生物体の膜に対する有効な相互作用領域に影響する。また、突起の寸法を選択することは、当該測定法においてそれぞれ有効な測定対象に対し、例えばそれらの形状又は数に関して、更なる適用を可能にする。
キャリアは、前面又は上面を有し、かつ、背面又は下面を有する(特に平面的な)プレート要素として形成することもできる。また、他の形状も考えられる。
代わりに、例えば、ピペットの形状(例えば、典型的なパッチピペット)を選択することによって、プレート形状から逸脱することも許容される。
開口を形成する壁領域は、曲面領域又は曲面領域の組み合わせに従って形成することもできる。この目的を達成するために、壁厚を考慮して、円柱、角柱、円錐台及び/又は角錐台の表面領域がそれぞれ使用され得る。
開口を形成するための壁領域の形状に関し、様々な可能性を選択することもできる。これらは、解析される生物体の形状及びその他の(例えば、機械的、幾何学的及び/又は電気的な)特性に応じて選択され得る。
さらに、開口を形成する壁領域がエッジ又はエッジ領域から形成されることにより、開口は、基礎となる基板における平面穴として概ね形成される。また、この処理において、濃度が変更された材料を含み又は当該材料からなる濃度変更された領域が、平面穴の壁領域に埋め込まれることにより、蓄積及びシールが促進され、そこにおけるシール抵抗が促進される。
開口を形成する壁領域は、ガラス、石英ガラス、シリコン、カーボン、並びに、これらの組み合わせ及び派生物で構成される材料のグループの中のひとつの材料を含んで又は当該材料から形成される。また、材料の選択に関し、基本的な生物体の特性が考慮される。例えば、生物体の膜の外面及び/又は内面の表面構造又は表面電荷が考慮される。また、例えば、非常に強力な蓄積と、それによるシールのシール抵抗の増加をサポートすることが考慮される。
開口の直径、特に壁領域を形成する開口の内径は、約0μm〜約50μmの範囲内、特に約1μm〜約50μmの範囲内の値を有する。また、壁領域を形成する開口は、キャリア又は基板の上面又は下面から約0μm〜約20μmの範囲内の高さ又は深さを有する。
さらに、壁領域の高さ又は深さ並びにその直径に関する上記寸法は、解析される生物体の幾何学的特徴、特にそのサイズ及びその力学的膜特性に適応させることができる。その結果、先に具体的に示したものとは異なる値をもつこともできる。
測定回路を形成するために、測定電極は、キャリア又は基板の背面又は下面上のある領域内における開口壁の領域内又は開口壁内に設けることができる。
対向電極は、開口の外側であって、キャリアの前面又は上面上の上記領域内に設けられる。
生物体が、良好に測定される当該生物体の蓄積後に電極間に配置され、適切なシールの形成後に実質上これらを電気的に分離するように、測定電極及び対向電極は、キャリア、基板又は測定開口の反対側に配置されることが望ましい。適切なシールは、望ましくは、非常に高い抵抗を有し、当該抵抗は、理想的には1ギガオームを超える。
このようにして、本発明による電気生理学的測定装置の基本的な構造は、この実施形態に従って構成され、特に、測定電極装置及び対向電極装置を提供し、これらの間の電流及び/又は電圧を測定することができる。その際、測定電極装置及び対向電極装置の間において、測定される生物体が開口及びその壁領域に配置されることにより、シール蓄積に起因して、残存導電性、つまり、生物体の膜と開口の壁領域との間の導電性をできるだけ小さくする。これにより、生物体の膜の特性(例えば、輸送プロセス、膜内における又は膜を横断する電荷置換、基板の結合又は分離など)に基づいて、実際に測定される電流及び/又は電圧を検討することができる。
本発明の他の態様によれば、電気生理学的測定方法が提供される。それは、特に、本発明による電気生理学的測定装置を用いて実現される。開口領域の開口上において測定される生物体のシール蓄積を制御するために、特に促進するために、開口を形成する壁領域の内壁の少なくとも一つの領域が形成される。当該領域は、少なくとも1つの材料種又はイオン種に関して制御された方法で形成され、開口領域の外側のキャリアにおける、特にキャリアの中間部及び/又はキャリアの内部における少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度に対し、結果的に適切に増加された濃度を有する。
このため、本発明による測定方法では、濃度を変更することにより、壁の付近において(電解液環境及び/又は蓄積された膜の)分子を直接的又は間接的に操作することもできる。
従って、結果的に、本発明による電気生理学的測定方法が基礎とする中心的な特徴は、壁領域を形成する少なくとも開口部上又は内における、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度を、制御された方法で変更し、特に増加することにある。これにより、生物体及び/又は電解液環境との相互作用を介して、シール蓄積が促進され、シール抵抗が増加する。
本発明の代替的な視点によれば、その焦点は、開口の領域に対する、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度変更の(特に横方向における)局所化である。
一方、電気生理学的測定装置は、キャリア材料のキャリアと、制御された方法により生物体(例えば、細胞、細胞小器官、卵母細胞、リポソーム、自然又は人工膜(例えば脂質二重層など)若しくはその断片)のシール蓄積を行うための、キャリアの領域における開口領域(つまり、少なくとも1つの開口又は測定開口を備え又は形成する1つの領域)とを有して形成される。開口領域は、少なくとも1つの開口及び壁領域を備えて形成され、壁領域は、開口内壁として開口を形成して取り囲む。壁領域は、ある材料からなる領域を含んで形成される。当該材料は、少なくともその組成において、開口領域の外側のキャリア材料と実質的に対応するが、それと比較して、濃度が局所的に変更された、特に増加された少なくとも1つの材料種、特にイオン種を有する。開口の開口内壁上又は内における材料種又はイオン種の濃度が、このように局所的に変更され、特に局所的に増加されることにより、開口領域上における生物体のシール蓄積を促進することができる。
従って、本発明のこの代替的な視点による中心的着想は、シール蓄積(つまり、高いシール抵抗を有する蓄積)のために形成された開口領域を有する電気生理学的測定装置において、開口領域の開口を形成して取り囲む壁領域内又は上において解析される生体物に関して、開口領域よりも外側の基本的なキャリア材料における材料種又はイオン種の濃度と比較して、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度を局所的に変更、特に増加させることにある。
局所的な濃度変化、特に局所的な濃度増加は、対応する化学的及び/又は電気的な相互作用によって、解析される生物体のシール蓄積を制御できる、特に促進できる、という結果をもたらす。特に、他の同一の電気生理学的側的装置において本発明による濃度の変更が存在していないという場合に比べて、測定開口上において解析される生物体を蓄積する確率、及び/又は、解析される生物体及び測定開口の間のシール抵抗を増加させることができる。
本発明のこの代替的な視点によれば、少なくも1つの材料種又はイオン種の濃度は、所定の深さまで、例えば、開口内壁の表面から約10nmの深さまで変更される。しかしながら、他の局所的に限定された層の深さも考えられ、あるいは、(特に横方向に局所的な場合における)開口壁の継続的注入も考えられる。
他方、本発明の前記代替的な視点の更なる形態によれば、電気生理学的測定方法も提供される。特に、本発明の前記代替的な視点による電気生理学的測定装置を用いて実現される。開口領域の開口上において測定される生物体のシール蓄積を制御するために、特に促進するために、開口を形成する壁領域の内壁は、少なくとも1つの材料種又はイオン種に関し、制御された方法により、開口領域よりも外側のキャリアにおける少なくとも1つの材料種又はイオン種に関し、結果的に適切に局所的に増加された濃度を有するように、形成される。
また、本発明によるこの測定方法によれば、局所的に変更された濃度により、壁の近傍において(電解液環境及び/又は蓄積された膜の)分子を直接的又は間接的に操作することができる。
従って、結果的に、本発明による電気生理学的測定方法が基礎とする中心的な特徴は、開口を形成する壁領域上又は内における、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度を、制御された方法で変更し、特に増加することにある。これにより、生物体及び/又は電解液環境との相互作用を介して、シール蓄積が促進され、シール抵抗が増加する。
本発明による測定方法や本発明による測定装置を用いた測定では、特に容量法で測定信号を測定することができ、例えば、単一チャネル活動を判定することができる。
本発明によるこれらの特徴及び更なる特徴について、添付図面に基づいて説明する。
本発明による電気生理学的測定装置の第1の実施形態を示す切断側面図であり、開口の壁領域は、基礎となるキャリアの上面から突出している。 開口の断面及びその基礎となる壁領域についての異なる形状を示す概略的な切断平面図である。 開口の断面及びその基礎となる壁領域についての異なる形状を示す概略的な切断平面図である。 開口の断面及びその基礎となる壁領域についての異なる形状を示す概略的な切断平面図である。 本発明による電気生理学的測定装置の第2の実施形態を示す切断側面図であり、開口の壁領域は、基礎となるキャリアの上面から突出している。 開口の壁領域上又は内における変更濃度の構造の他の実施形態の詳細を示す概略的な切断側面図である。 開口の壁領域上又は内における変更濃度の構造の他の実施形態の詳細を示す概略的な切断側面図である。 開口の壁領域上又は内における変更濃度の構造の他の実施形態の詳細を示す概略的な切断側面図である。 開口の壁領域上又は内における変更濃度の構造の他の実施形態の詳細を示す概略的な切断側面図である。 図1Aと同様にして、本発明による電気生理学的測定装置の他の実施形態を示す概略的な切断側面図であり、開口は、異なる幾何学形状の曲面領域に対応する壁領域によって形成されている。 図1Aと同様にして、本発明による電気生理学的測定装置の他の実施形態を示す概略的な切断側面図であり、開口は、異なる幾何学形状の曲面領域に対応する壁領域によって形成されている。 図1Aと同様にして、本発明による電気生理学的測定装置の他の実施形態を示す概略的な切断側面図であり、開口は、異なる幾何学形状の曲面領域に対応する壁領域によって形成されている。 図1Aと同様にして、本発明による電気生理学的測定装置の他の実施形態を示す概略的な切断側面図であり、開口は、異なる幾何学形状の曲面領域に対応する壁領域によって形成されている。 図1Aと同様にして、本発明による電気生理学的測定装置の他の実施形態を示す概略的な切断側面図であり、開口は、異なる幾何学形状の曲面領域に対応する壁領域によって形成されている。 本発明の一実施形態による電気生理学的測定装置であって、いわゆるパッチピペットの手法により形成されたものを示している。 (A)〜(E)は、本発明による電気生理学的測定装置の異なる使用形態を示す概略的な切断側面図である。 電気生理学的測定装置の他の実施形態における生物体の蓄積の詳細を示す概略的な切断側面図である。 電気生理学的測定装置の他の実施形態における生物体の蓄積の詳細を示す概略的な切断側面図である。 電気生理学的測定装置の他の実施形態における生物体の蓄積の詳細を示す概略的な切断側面図である。
以下では、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の全ての実施形態、さらに、それらの技術的な特色及び特徴は、それぞれが分離されて任意に構成され、互いに任意かつ無制限に組み合わせることができる。
以下では、特段の表示がない限り、構造的及び/又は機能的に一致する、類似する、あるいは、同様に動作する特徴又は要素が、図面に関し、同一の参照符号で指示される。
これらの特徴又は要素の詳細な説明は、それらが現れる毎に繰り返されることはない。
原則として、最初は図面を参照する。
とりわけ電気生理学では、例えば薬物検査のためのイオンチャネル解析を行うために、パッチクランプ技術が用いられる。手動パッチクランプ法及びその改良法では、(例えば、単一細胞における)電流及び電圧を測定することができる。電流及び電圧は、生体細胞の膜において(例えばイオンチャネルから)生成される。
電気生理学的な解析の重要性の増大に起因して、また、その実行に対する個人的かつ一時的な取り組みに起因して、自動化された電気生理学的測定技術、特に、平面パッチクランプ及び更に自動化されたパッチクランプ又はAPCシステムに対する大きな需要がある。
手動パッチクランプ法及びAPCシステムの機能は、基本的に同じである。両タイプのシステムでは、測定物O(例えば細胞O)及び測定装置100間に高いオーミックシール抵抗を形成する必要性が問題とされる。これは、いわゆるギガシール(つまり、ギガオームレンジのシール抵抗)の必要性とも呼ばれている。この目的を達成するために、(例えば、細胞の外部に対するその内部の)電気的分離が、例えば図10に示したように、例えばパッチピペットにより示され、あるいは、APCスキームによる平面細胞配置が図11及び12に示される。
必要ならば、パッチピペットを用いて、1つの細胞が生物体Oとして吸引される。細胞膜Mの小さな限定された部分は、パッチとして示され、小さな圧力下で吸引される。これにより、図9(B)によるセルアタッチ測定における測定表面、又は、図9(D)によるホールセル測定における細胞内部は、メガオームからギガオームのレンジにおいて細胞の外側から電気的にシールされる。セルアタッチ構成により細胞膜の単一イオンチャネルにおいても電流測定が可能になる。手動パッチクランプ及びAPCシステムでは、ギガシール率及びシール抵抗が、イオンチャネル測定の品質の評価基準となる。これまでに100%のギガシール率は達成されていない。
ギガシールの形成は、アクティブマニピュレーションが今まで利用しにくかった多くのパラメータに依存している。このため、蓄積中及び測定処理中におけるギガシールの制御は実際には行われていない。
今までの手動パッチクランプ法では、十分に高いギガシール率は、新しく製造されたガラスピペットを用いることによってのみ達成されていた。APCシステム用のチップ開発では、表面粗さを減少させ、また、鋭いエッジを避けることに留意しなければならない。さらに、細胞内及び細胞外のバッファを慎重に組み合わせることが、ギガシールの改善につながる。しかしながら、生理学的バッファを使用する必要があることから、制御及びマニピュレーションの可能性は限定的となる。
本発明は、キャリア12上又は内、具体的には、測定開口14(例えばパッチピペット)の内壁11i上又は内にある負又は正の電荷が、ギガシールの形成をサポートし、ギガシールそれ自身を改善することができるという考察に基づいている。特定の材料種の、特にイオンの濃度についての選択的かつ例えば空間分割された変更により、特に増加により、測定開口14の内壁11i上又は内における局所的な電荷密度が(正又は負の電荷を用いて)それぞれ変更され、特に増加される。また、ギガシールを構築及び/又は安定化するためのプロセスは、表面上又は内における直接の変更により、また、必要であれば局所的な変更により、例えば、開口壁内への材料注入により、例えばプラズマ法により影響を受ける。
ピペット壁又は開口壁11の上又は内における電荷密度の制御は、本発明に従って、少なくとも開口領域10の壁領域11の領域20における材料種又はイオン種の濃度を変更することにより、特に増加することにより達成される。これにより、領域20の外側(従って開口領域10の外側)のキャリア12の材料12'におけるそれぞれの種の濃度と比較して、特にキャリア12の内部における濃度及び/又はキャリア12の平均の濃度と比較して、少なくとも測定開口壁11及びその中の局所的な領域20において、少なくとも1つの材料種又はイオン種に関するキャリア12の材料12"について、変更された濃度、特に増加された濃度が形成される。特に、測定及び対向電極30,50に対する特定の電圧の印加と一緒に、上記効果及び利点が本発明に従って得られる。
特に、そして、とりわけ以下のものがある。
・ ギガシールの時間的形成及び高さに関する、すなわち、シール抵抗に関するギガシールの改良、
・ 特に二価イオン又はプロトンの、空間分割された濃度の増加、及び
・ 意図的な密着のための、そして、細胞の成長のための使用、
それぞれ、パッチクランプ技術及び細胞培養の各変化に対して。
非最適材料の使用により良好なギガシールの形成が減少するので、細胞ネットワーク用のAPCシステムの開発とともに、この発明は特に有益である。より長い期間にわたり例えばAPCシステムのパッチピペットに細胞が過成長するならば、ギガシールの向上又はギガシール確率の増加が本質的な有益性を提供する。
本発明は、とりわけ、二価イオン及び/又はプロトンが、ギガシール及びシール抵抗の時間的形成、総量及び安定性に影響される濃度依存性を有するという考察にも基づいている。このことは、必要であれば、本発明により使用されるかもしれない他の注入種にも状況に応じて当てはまる。
従って、本発明の目的は、とりわけ、少なくとも測定開口の内壁の内又は上におけるイオン又はプロトンの濃度を選択的に、かつ、必要があれば空間分割して又は局所的に変更又は増加することにより、ギガシール構築のプロセスに前向きな影響を与えることである。従来の生理学的な測定バッファを使用することにより、これを保証することはできない。
材料種、特にイオン及び/又はプロトンは、例えば、特定の物理的プラズマ処理によって材料の表面(つまり、測定開口の内壁)上又は内に注入される。表面上に二価イオン及び/又はプロトンを集中させる材料の注入も考えられる。
従って、本発明は、とりわけ、ギガシールの形成に関し、(例えば、ガラス、シリコン又はその変種の)チップ技術によって要求される材料の材料特性の向上にも貢献する。
本発明により達成される例えばイオン又はプロトンの濃度の(特に局所的な)変更、特に濃度の増加は、今まで知られておらず、ギガシール確率を増加させるとともに、濃度変更の位置における、例えば注入位置におけるシール抵抗の測定値を増加させ、さらに前記シールの機械的安定性を増大させる。
必要であれば、本発明によって達成される、比較的高い局所的濃度変更と、それに伴う負又は正の局所的な電荷密度は、従来は達成することができなかった。
従って、本発明は、電気生理学的測定装置100及び電気生理学的測定方法に関し、それによれば、開口領域10の開口14を形成する壁領域11の少なくとも領域20上又は内に材料12"を提供することにより、測定装置100のキャリア12上において解析される生物体Oのシール蓄積が制御され特に促進される。材料12"は、少なくともその組成において、開口領域10の外側のキャリアの材料12'と実質的に対応し、特に、その内部12i又はその空間平均におけるキャリア12の材料と実質的に対応する。しかしながら、材料12"は、それらに比べて(必要であれば局所的に)濃度を増加させた少なくとも1つの材料種又はイオン種を有する。開口14の開口内壁11i上又は内における、この(必要であれば局所的に)増加した濃度により、開口領域10上の生物体Oのシール蓄積を促進することができ、その結果、解析される生物体Oの膜の相互作用を介して、制御された方法でシール蓄積が促進される。従って、キャリア12の表面又は上面12aから、少なくとも一つの材料種又はイオン種の濃度変更が延びているところまでを測定した深さ又は層の厚さΔは、望ましくは、約10nmの範囲内にある。
ここで、図面について詳述する。
図1Aは、本発明による電気生理学的測定装置100の第1の実施形態を示した概略図及び切断側面図である。
この実施形態の基本的要素はキャリア12であり、ベース12又は基板12としても指示される。このキャリア12は、少なくとも2つの区画において、測定中に提供される電解槽40,60,70を分割する。第1の区画60は、キャリア12又は基板12の下面12bに対向し、第2の区画40は、キャリア12又は基板12の上面12aに対向する。
前記キャリア12には、いわゆる開口領域10が組み込まれている。これは、少なくとも一つの開口14を備えている。つまり、開口14は、例えばスルーホールの要領で、局所的に完全にキャリア12を貫通して、その厚さ又は層厚の方向、つまり、上面12aから下面12bに向かう方向に延びる。開口14の前記領域には、電解槽40,60,70の一部分70も形成される。
従って、まとめて考慮すれば、上面12a及び下面12bの間に、開口領域10の開口14を通る液体力学的接続が存在する。また、多くの場合、適用中の生理溶液であってもよい電解槽の(必要であれば提供される)導電性を介する電気的接続も存在する。図1Aによる実施形態では、ライン51を介して接続された対向電極50が、キャリア12の下側12bに設けられた測定電極30と対になるものとして、上方区画40に配置される。このため、測定電極30は、電解槽40,60,70の下方区画60に配置され、ライン31に接続される。対向電極50及び測定電極30へのライン51,31は、互いに絶縁されるとともに、図示しない対応する制御及び測定回路にそれぞれ接続されている。
基板12又はキャリア12は、キャリア材料12'から形成され、少なくともキャリア12の内部12i又は壁において特定の組成を有する。少なくとも開口領域10の壁領域11の上又は内には、領域20が形成される。領域20は、材料12"を用いて、あるいは、材料12"から形成される。材料12"は、開口領域10の外側、従って領域20の外側におけるキャリア材料12'と実質的に対応する。特に、少なくともその組成に関して、キャリアの内部12iにおける材料、又は、その空間平均におけるキャリア12の材料に実質的に対応する。しかしながら、材料12"は、これらとの比較において、(必要であれば局所的に又は横方向に局所的に)変更又は増加された濃度を有する少なくとも1つの材料種又はイオン種を有する。
このような領域20を提供及び形成することが本発明の主態様である。領域20は、以下では濃度変更領域20としても指示され、また、図中ではドットで満たされた破線の枠で描かれている。領域20は、開口14上で解析される生物体Oのシール蓄積を促進するために、また、残存又はシール抵抗を増加させるために、残りのキャリア材料12'又は基板材料12'と比較して、変更された濃度を有する。
本発明の追加的又は代替的な主態様は、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度が、上面12a又はキャリア12の表面から、特に開口内壁11iから、約10nmの深さΔまで変更されることである。
濃度変更に関する(例えば、開口領域10への又は開口領域10の領域20への)横方向の局所性及び約10nmの深さΔについての本発明による態様は、別々に又は一緒に実現され、あるいは、実現され得る。
このような壁領域11は、図1A及び1Bの実施形態に従って、内側10i,11i又は内壁10i,11iと、外側10a,11a又は外壁10a,11aとを有する内側曲面領域に沿って延びる閉鎖壁を形成する。このようにして、本発明による電気生理学的測定装置100の開口領域10の開口14が形成される。ここで、壁領域11の内側又は内壁10i,11iは、開口14に対向し、壁領域11の外壁又は外側10a,11aは、開口14を避けて、電解槽40,60,70の区画40に対向する。
図1Aの実施形態において、壁領域11は、キャリア又は基板12の上面12aよりも上方にだけ突出する。基板又はキャリア12の下面12b上には、開口領域10が準平面として形成される。しかしながら、このような構成は必須ではなく、図3〜7には、詳細について後述する変形例がそれぞれ示されている。
上述した通り、開口14を形成する壁領域11は、幾何学体の曲面領域に従って形成される。図1A及び図1Bによれば、この曲面領域は、基本的形状としての直立円柱から得られる。
図1A及び1Bにおいて、壁領域11又は開口壁11は、濃度に関して完全には変更されずに形成される。濃度変更領域20と、開口壁11又は壁領域11とは、本実施形態において完全には一致していない。これと対照的に、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度変更と、それによる濃度変更領域20とは、開口壁11の内壁11iから見て約10nmの深さΔまでだけ伸びる。
更なる変形例が、図2A〜図2Dに関連して、以下に記載されている。
基本的形状として直立円柱の曲面領域を形成することは必須ではない。図1C及び1Dには、概略平面図において、円柱形状に代えて、底面としての正方形を3次元化した直立四角柱、若しくは、楕円形や、図1Dに示したような丸みを帯びた角をもつ略正方形又は略矩形を底面とする柱状体が示されている。また、これらの場合でも、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度変更と、それによる濃度変更領域20とは、開口壁11の内壁11iから見て、約10nmの深さΔまでだけ延びる。
原則として、任意の底面形状があり得る。しかしながら、表面粗さ及び鋭いエッジを避けるべきという上述した状況ゆえに、丸みを帯びた構造をもつ直線形状が好ましく、例えば、幾何学的な基本形状として直立円柱を採用する図1Bの設計が好ましい。
図1Eの実施形態では、濃度変更領域20の横方向の局所性と、それによる開口領域10、特に開口壁11への限定とが除外されている。ここでは、キャリア12の上面12aの全体と開口内壁11iについて、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度が約10nmの深さΔまで変更される。
図3及び4は、図1Aと同様にして、本発明による測定装置の他の実施形態を示す概略図及び切断側面図である。図3によれば、開口14の壁領域11が、基板12の上面12aと同一平面で終わり、基板12の下面12bを超えてのみ突出する点で異なる。要するに、上面12aの凹みの一種が、開口14のために区画60の内部に形成される。
図4では、開口14の壁領域11の一部が、基板12の上面12aから区画40内へ延びるが、その一方で、壁領域11の一部は、基板12の下面12bから区画60内へも延びる。
開口14のために壁領域11が延びる上面12a及び下面12bからの各高さは、互いに一致していてもよい。しかし、このことは必須でない。図4では、それらは異なって形成されている。
図1A、3及び4の実施形態では、基板の上面12a又は下面12bと直交する壁領域11の延伸方向に沿った断面又は直径は、その分布において一定である。
これに代えて、次第に狭く又は広くなる断面分布にすることもできる。これが連続する図5〜7に示されている。図5には、本発明による測定装置の実施形態であって、図1の実施形態に対応するものが示されており、その開口14の断面分布は、上面12aからの距離が長くなるほど狭くなる。
図6の実施形態では、開口14が図3との比較において類似性を有して形成され、その断面分布は、基板12の下面12bからの距離が長くなるほど狭くなる。
図5及び6の実施形態を組み合わせて、また、図4の実施形態と類似する観点で、開口14が図7に示されている。当該開口14の直径は、基板12の高さにおいて最大となり、基板12の上面12a及び基板12の下面12bからの距離が長くなるほど狭くなる。
図1Aの実施形態によれば、接続された測定電極30又はライン31は、開口14を有する開口領域10に近接して形成され、部分的に挿入される。測定電極30の位置は、変更可能であり、例えば、開口14内の電解液領域70にもっと挿入されていてもよいし、そこからもっと離れていてもよい。
図8には、本発明による電気生理学的測定装置100の実施形態の概略切断側面図が示されている。開口領域10は、要するにパッチピペットの方法で形成された壁領域11によって形成されている。
ここでもまた、開口14に対向する内壁領域10i,11iと、外壁領域10a,11aとを備える。外壁領域10a,11aは、使用中に、槽40,60,70のうち外側に配置された電解液区画40と対向する。内壁領域10i,11iは、使用中に、槽40,60,70のうち、開口14内に設けられた電解液区画70と対向する。最も外側の領域には、開口14を形成する壁領域11が形成される。壁領域11は、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度が変更又は増加された材料12"を含む変更領域20を有しており、このため、解析される生物体Oのシール蓄積をサポートすることができる。
図2A〜2Dには、図1Aの部分Xがより詳細に示され、少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度が変更又は増加された材料12"を有する変更領域20の設計に関する種々の変更が示されている。
図2Aでは、濃度変更材料12"を有する濃度変更領域20が、壁領域11の上部全体を横切って延びる。濃度の変化は、ここでは、開口壁11の内壁11i及びその外壁11aにおける約10nmの深さ△までの層に関係する。
図2Bによる実施形態では、層厚△の濃度変更は、開口壁11の上縁11oからの特定の距離又は高さδまで、若しくは、上縁11oのみに存在する。
図2Cでは、内面10i,11iの最上領域、及び、層厚△までの最上部だけが関係し、その濃度が変更される。
図2Dによる実施形態では、内面10i,11iだけが層厚△まで関係し、その濃度が変更される。
図9の(A)〜(E)は、本発明による電気生理学的測定装置100及び本発明による電気生理学的測定方法において使用できる異なる測定原理を示す概略切断側面図である。
図9の(A)に示された状態から始まり、測定開口14を介した電解槽40,60,70のわずかな吸引により、つまり、区画40から開口14内の区画70を通って区画60へ向かう吸引により、生物体O(この場合、例えば細胞)が吸引され、開口14に近づけられる。
類似のメカニズムは、他のマニピュレーション方法、例えば、分離ピペット、レーザ鉗子などの方法によって実現することもできる。
僅かな負圧を用いることによって、図9の(B)のように、細胞は、破壊されることなく測定開口14上に完全に蓄積される。この状態における測定は、いわゆるセルアタッチドモードと呼ばれる。
図9の(B)に示した状態から作用し始める機械的張力により、膜の一部が生物体Oの膜から切り離され、図9の(C)のように、パッチと呼ばれる膜の切り離し部分が、測定開口14においてシールされた状態に維持され、実際の測定物Oを構成する。ここで、切り取りに起因して、以前は内部に配置されていた膜の一部の面が、今は外部、つまり、区画40に向けられている。従って、この測定モードはインサイドアウトモードとも呼ばれる。
一方、図9の(B)に示した状態から始まり、再び負圧を加えることにより、例えば、圧力パルスの手法により、細胞Oに穴を開け、図9の(D)のように、いわゆるセルアタッチモードからホールセルモードへ移行させることができる。このとき、測定電極30は、細胞内部の全体へ直接アクセスすることができる。このことは、細胞内部が区画70,60に向けて開かれているが、区画40からは実質的に分離されることを意味する。
図9の(D)による状態、つまり、ホールセルモードから始まり、機械的張力によって生体物の膜から膜片が再び切り取られる。先のホールセルモードが存在したことにより、ある確率で膜の切り取り部分が測定開口14に残り、実際の測定物Oとして機能するとともに、図9の(E)のように、細胞膜又は生体物の膜の外側がなお外側に維持される。この場合は、測定装置100のアウトサイドアウトモードと呼ばれている。
図10は、生体物Oのシール蓄積によって発生する幾何学的状況の詳細を示している。生体物Oのシール蓄積は、その膜Mと、測定開口14、特に壁領域11の内壁10i,11iとの間で測定される。壁領域11の最先端部は、濃度が変更された材料12"を含む、あるいは、からなる濃度変更領域20によって形成される。
図10は、ホールセルモードを再び示しており、ホールセルOは、その内部が測定電極30及び電解液区画60及び70とに向けて開かれている。本発明による電気生理学的測定装置100のこの実施例は、パッチピペットの手法で形成される。
本発明によれば、濃度が変更された材料12"を含む又はからなる濃度変更領域20を備えることにより、また、生体物Oの細胞膜Mの外面との相互作用により、測定される生体物Oの細胞膜Mと、測定開口14の壁領域11の内壁10i,11iとの間のシール抵抗が改善される。
本発明によれば、タイプと強度に応じて、濃度変更領域20における濃度の変更を選択することにより、細胞膜、細胞小器官の膜又は人工物の膜などである膜Mの異なる表面上における異なる状態を考慮に入れることが可能である。このことは今までは不可能であったし、制御された方法で蓄積及びシールを促進し、あるいは、形成されたシールを安定化することを可能にする。
図11による実施形態において、基板は、細胞O'の層によってほぼ覆われている。濃度が変更された材料12"を含む又はからなる開口壁11の内部に本発明により提供される濃度変更領域20を用いたときの機械的及び/又は電気的な相互作用により、細胞O'の集合体のうちの単一の細胞Oは、電気生理学的測定用のシール蓄積を向上させている図9の(D)の場合と同様、ホールセルモードにおける測定物として利用することができる。
図12は、本発明による測定装置100のある装置を示し、開口部14を形成する壁領域11が、エッジ又はエッジ領域によって形成され、開口部14は、基礎となる基板12における平面的な穴として概ね形成されている。材料12"を含む又はからなる濃度変更領域20は、蓄積を促進し、かつ、シール抵抗を増大するために、少なくとも1つの材料種又はイオン種の適切に変更された濃度を有するエッジ領域を形成する。
10 開口領域
10a 外壁、外壁領域、開口領域10の外面
10i 内壁、内壁領域、開口領域10の内面
11 壁領域、壁、開口壁
11a 外壁、外壁領域、壁領域11の外面
11i 内壁、開口内壁、内壁領域、開口領域11の内面
11o 上縁/上端外壁、外壁領域、開口壁11の外面
11u 下縁/下端外壁、外壁領域、開口壁11の外面
12 基板、キャリア、ベース、ベース基板
12' キャリア材料又は基板材料(通常濃度を有する)
12" 材料種又はイオン種の濃度が変更された、特に増加された材料、キャリア材料又は基板材料
12a 上面、全面
12b 下面、背面
12i キャリア12の内部、キャリア12の内部領域、キャリア12の大部分
14 開口、測定開口
20 濃度が変更された特に増加された領域、濃度変更領域
30 測定電極、測定電極装置
31 測定ライン、ライン
40 電解液区画、電解槽
50 対向電極、対向電極装置
51 ライン
40 電解液区画、キャリア12の上面12aに対向する電解槽
60 電解液区画、キャリア12の背面12bに対向する電解槽
70 電解液区画、開口14の中空内の電解槽
100 電気生理学的測定装置
M 生体物Oの膜
O 生体物、細胞、リポソーム、小胞、ミセル、卵母細胞、測定物
O' 生体物、細胞、リポソーム、小胞、ミセル、卵母細胞
δ 開口壁11内の濃度変更領域20の高さ
Δ 濃度変更領域20の深さ又は層厚
結果として、一般にシール抵抗は低い場合が多く、望ましくない信号対雑音比しか得られなかった。
[先行技術文献]
[特許文献1]米国公開公報第2005/196746号
[特許文献2]米国公開公報第2006/029955号
[特許文献3]国際公開公報第2007/116978号
[特許文献4]米国公開公報第2003/098248号
[特許文献5]米国特許第6758961号

Claims (10)

  1. 少なくともその内部(12i)が特定の組成を有するキャリア材料(12')からなるキャリア(12)と、
    前記キャリア(12)の領域内にあり、生物体(O)の制御されたシール蓄積のための開口領域(10)とを備え、
    前記開口領域(10)は、少なくとも一つの開口(14)と、開口内壁(11i)が前記開口領域(10)を形成するように前記開口(14)を取り囲む壁領域(11)とにより形成され、
    少なくとも前記壁領域(11)は、材料(12")からなる領域(20)で形成され、前記材料(12")は、少なくともその組成において、前記開口領域(10)よりも外側における、特に前記キャリア(12)の中間部又は前記キャリア(12)の内部(12i)におけるキャリア(12)の材料と実質的に対応するが、それに比べて増加した濃度を有する少なくとも1つの材料種又はイオン種を含み、
    それゆえに、前記開口(14)の少なくとも前記開口内壁(11i)上又は内における前記増加した濃度により、前記開口領域(10)上における生物体(O)のシール蓄積が促進可能であり、
    前記少なくとも1つの材料種又はイオン種の前記濃度は、前記キャリア(12)の上面(12a)及び/又は表面から所定の深さ、特に前記開口内壁(11i)から、特に約10nmの深さまで、変更される電気生理学的測定装置(100)。
  2. 前記少なくとも1つの材料種又はイオン種は、プロトン(H)、ハロゲンイオン、特にフッ化物イオン(F)、二価イオン、特に二価金属カチオン、望ましくはBe2+、Sr2+、Ca2+及びMg2+で構成されるグループから選択される請求項1に記載の測定装置(100)。
  3. 前記少なくとも1つの材料種又はイオン種の濃度の前記増加は、空間的かつ局所的に前記壁領域(11)の前記領域(20)に限定され、
    それゆえに、前記キャリア(12)の前記材料は、前記開口壁(10)よりも外部の少なくとも1つの領域において、前記少なくとも1つの材料種又はイオン種の増加した濃度を有しない前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  4. 前記少なくとも1つの材料種又はイオン種の前記濃度は、注入により、特にプラズマ処理、スパッタ処理又はイオンビーム処理により増加される前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  5. 前記開口領域(10)は、上面(12a)及び下面(12b)を備える前記キャリア(12)の前記領域に形成され、
    開口(14)を形成する各壁領域(11)は、前記キャリア(12)の上面(12a)及び/又は下面(12b)から部分的に又は完全に突出する前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  6. 開口(14)を形成する壁領域(11)は、曲面領域に沿って、又は、曲面領域の組み合わせとして形成され、特に円柱、角柱、円錐台及び/又は角錐台のそれぞれの曲面に基づいて形成される前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  7. 開口(14)を形成する壁領域(11)は、ガラス、石英ガラス、シリコン、カーボン、並びに、これらの組み合わせ及び派生物により構成される材料のグループの中のひとつの材料を含んで形成され、あるいは、当該材料から形成される前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  8. 前記開口(14)の直径、特に前記開口(14)を形成する前記壁領域(11)の内径は、約1μmから50μmの範囲内の値を有し、及び/又は、
    開口部(14)を形成する前記壁領域(11)は、キャリア(12)の前記上面(12a)より上に又は前記下面(12b)より下に、約0μmから約20μmの範囲の高さ又は深さを有する前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  9. 測定電極(30)は、前記領域(70)に、前記開口(14)内に、又は、前記キャリア(12)の前記下面(12b)上の領域(60)に設けられ、
    対向電極(50)は、前記開口部(14)よりも外側、かつ、前記キャリア(12)の前記上面(12a)よりも上の前記領域(40)に設けられる前記請求項のいずれか一つに記載の測定装置(100)。
  10. 開口領域(10)の開口(14)上において測定される生物体(O)の前記シール蓄積を制御するために、前記開口(14)を形成する壁領域(11)の前記内壁(11i)の少なくとも一つの領域(20)が、少なくとも1つの材料種又はイオン種に関し、前記開口領域(10)よりも外側の領域における前記キャリア(12)内の前記少なくとも1つの材料種又はイオン種の前記濃度に対し、結果的に適切に増加された濃度で形成される、
    特に請求項1〜9のいずれか一つに記載の電気生理学的測定装置(100)を用いる電気生理学的測定方法。
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