JP2016514713A - クラミジア種(Chlamydiasp.)に対するワクチン - Google Patents

クラミジア種(Chlamydiasp.)に対するワクチン Download PDF

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Abstract

本発明は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(Ct)に対する効率的なワクチンを記載する。このワクチンは、様々なCt血清亜型に対して防御性である、高力価の中和抗体応答を生み出すことができる組み換え融合分子を基材とする。本発明者らの発明はさらに、免疫系の両アームを活性化するワクチンを提供する目的で、上記抗体促進断片と、T細胞の標的であるCt抗原との組み合わせも記載する。【選択図】図4

Description

本発明は、クラミジア種(Chlamydia sp.)の外膜タンパク質の表面露出領域の免疫原性断片の反復単位からなるポリペプチド、並びにこれらの融合タンパク質を含む医薬組成物及びワクチンに関する。
クラミジア(Chlamydiae)は、様々な感染症の原因となる細胞内の細菌性病原体である。肺炎クラミジア(Chlamydia pneumoniae)は、ヒトの急性呼吸器感染症の原因であり、冠状動脈性心臓疾患の発症に関与すると考えられている。クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)は、ヒトの性行為感染症及び眼への感染症(トラコーマ)の病原体である。また、動物において、クラミジア種(Chlamydia sp.)によるいくつかの感染症が知られており、例えば、ブタに感染するクラミジア・スイス(Chlamydia Suis)、及び小型反芻動物(ヒツジ及びヤギ)の流産を引き起こすヒツジ流行性流産クラミジア(Chlamydiaphila abortus)などがある。
世界中で、9千2百万人の人が、性行為により、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(Ct)に感染している。Ctによる尿路性器感染症は、高い発生率と、子宮外妊娠及び不妊症のリスク因子であることから、公衆衛生上の懸念事項である。これ以外にも、Ct感染症は、HIVの感染を促進すると共に、HPV誘導性子宮頸癌の補因子としても作用することが判明している。性器Ct感染症を治療しないままでいると、感染症の持続期間が長引く可能性があり、完全なクリアランスは、最初の12か月以内に達成されない場合が多い。ヒトでの研究から、性器再感染に対してある程度の防御免疫が生じることはわかっているが、これは、よくても部分的であると思われる。感染症は、抗生物質治療により有効に抑制される。しかし、無症候性症例の高い発生率は、持続可能な疾病対策は、有効なクラミジア(Chlamydia)ワクチンが開発されて初めて予想が可能になることを示唆している。
Ctに対するワクチンは、生殖管粘膜において防御性T細胞及びB細胞免疫を誘発する必要がある。感染症のクリアランス及び再感染に対する抵抗の免疫機構については、多くの研究で記載されている。様々な動物モデル及びクラミジア(Chlamydia)種が、防御免疫応答及び免疫応答の損傷を明らかにするために用いられてきた。マウスの場合、CD4+Th1細胞性免疫応答が、Ct感染症の消散に重要な役割を果たすという全体的合意が形成されている8、9、10が、防御における体液性免疫の役割は、それほどはっきりしないままである。モルモットの場合、クラミジア(Chlamydia)感染症に対する免疫は、粘膜表面の分泌IgAにより少なくとも部分的に媒介され11、12、マウスモデルでは、防御免疫における抗体の役割を支持するエビデンスが増加している。過去数年にわたって明らかにされた動物モデルからのデータは、感染が定着した後に抗体が形成されると、ごく小さな役割しか果たさないが、感染の時点で存在する(例えば、二次応答において)と、有意なレベルの防御、すなわち、クラミジア(Chlamydia)特異的CD4細胞の存在下で明らかに増幅される効果を促進することを示している9、13、14。他方で、抗体を伴わない強力な細胞性免疫(CMI)応答は、細菌の複製を制御し得るが、最悪の場合、クラミジア(Chlamydia)感染症に関連する疾患を悪化させる恐れがある15、16。細胞性免疫と抗体同士のこの相互作用の重要性も一層明らかになり、感染の初期段階での中和抗体の優先的役割を支持するのに対し、CD4細胞は、感染の残りの段階全体を通して主要なエフェクターである17 18 19。要約すると、抗体とT細胞同士の免疫エフェクター機構の均衡が、疾患の克服に極めて重要であると思われる。
本発明者ら及びその他により、ヒト又は動物モデルの何れかにおいて自然感染中に認識される多様なクラミジア抗原が同定されている20、21 22、23 24、25、26 27。特に、1998年のゲノム配列の公開及び近年のハイスループット技術によって、875のオープンリーディングフレームのほぼ全ゲノムの試験が達成された28。重要なことには、感染中に抗原性としてタンパク質を同定しても、これらがワクチンとして防御性であることを必ずしも意味せず29、これらの多数の抗原の特性決定にもかかわらず、これらのうちのごく少数しか動物モデルでのワクチンとして防御を媒介しないことが明らかにされている30 31、32。さらに、大部分のワクチンについて、観測された部分的防御が、中和抗体を全く含まないT細胞により媒介されることも近年報告されている。従って、初期段階で感染に対処して、均衡型免疫応答を生み出すことができる中和抗体を生成するワクチン候補が不足している。
現在まで、中和抗体に関して説得力のあるデータは、3つの表面露出抗原についてのものしかない;クラミジア外膜に局在し、ポリンとして機能するPorB33。これに対する抗体は、クラミジアの感染力を中和することがわかっている34、特許参照文献:米国特許第7,105,171号明細書。さらに近年のもう1つの抗原は、PmpDである。このタンパク質は、in vitroで中和抗体を産生することが判明しているが、これらの抗体のin vivoでの関連性はまだ明らかにされていない35
MOMPは、中和抗体の典型的な標的抗原であり、記載された最初の抗原分子の1つである。これは、表面露出膜貫通タンパク質であり、構造的(ポリン)特性を有する36、37、38。MOMPは、Ct膜中のタンパク質の約60%を占める40kDaタンパク質であり、in vitro及びin vivoの両方で有効性が証明されている中和抗体の標的である。MOMPは、5つの定常セグメントにより隔てられる4つの可変表面露出ドメイン(VD−1〜VD−4)から構成され36 39、クラミジア(Chlamydia)の血清亜型(約15)分類の分子基準である(図1)。in vitro及びin vivo中和抗体エピトープが、これらのVDにマッピングされている40 41 42 43 44。Ct尿路性器血清亜型の分布プロフィールは、世界中の地域について記載されており、MOMPベースのワクチンの必要な血清亜型カバレッジに関する疫学的データを提供する。世界中で検出される最も一般的な血清亜型は、E(患者の22〜49%)で、これに血清亜型F及びF(それぞれ、17〜22%及び9〜19%)が続き、血清亜型E、D及びFをターゲティングするワクチンが、有意な影響力を有すると共に、ヒト人口の70%超をカバーし得ることを意味する。
MOMPは、ヒト及び動物において高度に免疫原性であるため、組み換えにより自然に精製されたタンパク質及びDNAワクチン両方の、ワクチン候補として極めて詳細に研究されている。これらのワクチン化の試みにより、多様な結果が得られている17、51、52、53、54、55、56、57。ワクチンとしてMOMPが相対的に一貫していない理由は、完全には理解されていないが、合成MOMP免疫原が、タンパク質のネイティブ構造を模倣しないことが主な懸案事項となっている54。これに関して、この膜結合システインリッチ分子の構造、及びネイティブタンパク質構造を達成するような様々な産物の再生は、極めて困難であり、大規模ワクチン生産には不適である58。従って、明らかにワクチンの可能性はあるものの、フルサイズMOMPは、これまでのところ実現可能なワクチン候補ではなく、そのため、選択エピトープ(例えば、VD4において高度に保存されたTTLNPTIAGなど36、59)を基材とする、又はMOMP由来の中和標的エピトープ(例えば、VDのエピトープなど)に富んだ選択エピトープを基材とするワクチンを構築するするいくつかの試みがなされている(国際公開第9406827号パンフレット、米国特許第6384206号明細書)60、61、62、63、64 51、65 66
VD1、VD2及びVD4が特に注視されているが、これは、血清型分類に用いられる中和モノクローナル抗体が、これらの領域にマップすることが判明したためである。これらのVD領域は、自然感染中に抗体によってターゲティングされることから、当然、免疫−診断学を開発する試みは、これらの領域に集中した。例えば、Mygind et al.は、ELISAに基づく診断ツールをみいだそうとして、様々な血清変異型由来のVD領域を含有する様々な多重抗原(polyantigen)を構築した67。上記の分析から、血清変異型の数を増加し、種特異的TTLNPTIAGをある組み換えポリ抗原に導入することによって、単一の血清型抗原を用いたアッセイと比較して、アッセイの特異性及び感受性の増大が可能であることが明らかにされた。
VD4領域は、可変領域に埋め込まれ、高度に保存された種特異的TTLNPTIAGを含有することがわかっているため、主にVD4が免疫原として関心を集めている。重要なことには、VD4領域におけるこの保存エピトープは、広範に交差反応性の免疫応答を誘導することができ、この応答は、複数の血清亜型、中でも最も優勢なD、E及びFを中和することができる(図2)。VD4領域又はこの領域由来の保存エピトープを呈示するペプチドは、単独で、VD1などの他の領域と融合したキメラペプチドとして、又は抗体応答を強化するT細胞エピトープと混合して、免疫付与のために用いられている60、68、51、65、64 69。これらの構築物はすべて、in vitroで感染を中和するある程度の機能的能力を有する抗体を産生したが、一般に、これらの戦略は、低い免疫原性という問題を有し、その力価は、性器クラミジア攻撃に対する防御有効性に変換されなかった。
これらのペプチドベースの構築物を用いた場合に、防御性が不足する理由は、投与経路、誘発される免疫応答の種類、攻撃用量など、多数考えられるが、最も可能性が高いのは、ワクチンとして使用する上で、ワクチン分子が十分に免疫原性ではないことが考えられる。VD4に基づく戦略は、さらに、TTLNPTIAGエピトープを除いて、前述したような断片は、1つ又は2つの血清変異型に対して高度に特異的であるという制限があることから、ヒトの疾患を引き起こす最も一般的な血清変異型をカバーするために、ワクチンを複数の成分から構成しなければならない問題も抱えている。
国際公開第2012172042号パンフレットでは、VD領域内のB細胞エピトープは、MOMPの非可変性ドメイン由来の規定T細胞(Th1及びTh2)エピトープと組み合わせて、ニワトリにおいて、クラミジア・シッタシ(Chlamydia psitattci)血清亜型Dに対する多重エピトープ(poly−epitope)ワクチンとして機能し得ることが既に開示されており、実施例において、複数のT細胞エピトープと一緒に、各々が、同じ血清変異型の様々な可変ドメイン由来のVD領域から得られる、最大3つのB細胞エピトープの組み合わせが記載されている。MOMPの表面露出領域の可変ドメインの反復配列の使用、及び異なる血清変異型の使用は、提案させておらず、従って、様々な血清変異型に対して高い力価及び広範な応答が得られない。
本発明の目的は、in vivoでの様々なCt血清亜型に対して防御性である、高力価の中和抗体応答を生み出すことができる組み換え融合分子を調製することである。本発明はさらに、免疫系の両アームを活性化するワクチンを提供する目的で、これらの抗体促進断片と、T細胞の標的であるCt抗原との組み合わせも記載する。
本発明は、病原体、例えば、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)(Ct)に対する効率的なワクチンを開示し、これは、最大抗体応答のためのCt抗原の表面露出断片の反復配列(相同性免疫反復配列)を含む。本発明の一実施形態では、これらの表面露出断片は、T細胞エピトープを含有し得る表面露出断片のフランキング領域を覆うように伸長されている。一例は、Ct MOMP抗原由来のVD1又はVD4領域の伸長形態を呈示する規定の大型断片であり、これは、免疫反復配列フォーマットで、Ctに対する高レベルの表面結合及び中和抗体を提供する。別の重要な実施形態では、免疫反復配列技術を用いて、様々な血清変異型由来の可変B及びT細胞エピトープを含有する断片の融合物(異種免疫反復配列)により、異なる血清変異型に対する高い力価及び広範な応答を取得する。本発明のさらに別の実施形態では、これらの表面露出反復配列を、PMP又はOMPなどの他の表面露出抗原の断片と、組み換えにより融合させる。最後に、本発明は、これらの免疫反復配列構築物と、強力なT細胞抗原、例えば、Ct由来のMOMP(CT681)、CT043又はCT004との組み合わせを開示し、これらは一緒に、Ct感染症の様々な感染段階に対して、非常に効率的なワクチンを形成する。
本発明は、
a)クラミジア種(Chlamydia sp.)の血清型に発現される同じ外膜タンパク質の1つ又は複数の表面露出断片を含むアミノ酸配列;及び
b)a)に定義したのと同じ配列か、又はa)の血清型とは異なるクラミジア種(Chlamydia sp.)の血清型に発現される前記外膜タンパク質の変異型由来の対応する表面露出断片の何れかである2つ以上の別のアミノ酸配列
を含むポリペプチドを開示する。
従って、本発明は、クラミジア種(Chlamydia sp.)の外膜タンパク質の表面露出領域の免疫原性部分を含むアミノ酸配列の、3つ以上、例えば、4つ以上の免疫反復配列を含むポリペプチドを開示する。従って、本発明は、クラミジア種(Chlamydia sp.)の血清型に発現される同じ外膜タンパク質の1つ又は複数の表面露出断片、及びa)に定義したのと同じ配列か、又はa)の血清型とは異なるクラミジア種(Chlamydia sp.)の血清型に発現される前記外膜タンパク質の変異型由来の対応する表面露出断片の何れかである2つ以上、例えば、3つ以上の別のアミノ酸配列を含むポリペプチドを開示する。
好ましい実施形態では、ポリペプチドは、3つ以上の異なるアミノ酸配列を含み、ここで、前記アミノ酸配列は各々、様々なクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型によって異なる、同じ外膜タンパク質の様々な変異型若しくはアイソタイプからの1つ又は複数の表面露出断片を含み、前記アミノ酸配列は、異なるクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型に由来する(本発明者らの用語では異種免疫反復配列)が、本発明はまた、アミノ酸配列の3回以上の反復を含むポリペプチドも開示し、ここで、前記アミノ酸配列は、様々なクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型によって異なる、同じ外膜タンパク質の1つ又は複数の表面露出断片を含み、前記アミノ酸配列は、同じクラミジア種(Chlamydia sp.)に由来する(本発明者らの用語では相同的免疫反復配列)。
外側膜タンパク質は、好ましくは、任意のクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型に由来する主要外膜タンパク質(MOMP)であり、表面露出断片は、MOMPの可変ドメイン1(VD1)、可変ドメイン2(VD2)、可変ドメイン3(VD3)又は可変ドメイン4(VD4)から選択される。表面露出断片は、任意選択で、ジスルフィド結合を阻止するように、アミノ酸配列においてシステインの置換により直線化することができる。
本発明の好ましい実施形態は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の血清亜型D、E、F、F、Ia及びJの何れかに由来するMOMPの可変ドメイン4(VD4)の3つ以上の反復単位を有する免疫反復配列を含むポリペプチドであり、ここで、各可変ドメインは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)血清亜型D(SvD)のMOMPのアミノ酸配列(配列番号68)のアミノ酸残基309〜338位の位置に対応するアミノ酸配列から構成され、また、前記免疫反復配列中の可変ドメインは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の血清亜型DのVD4、血清亜型EのVD4、血清亜型FのVD4、血清亜型GのVD4、血清亜型GのVD4、血清亜型IaのVD4、血清亜型JのVD4から独立に選択されるか、又はこれらと80%の配列同一性を有する。
血清亜型D、E、F、F、Ia及びJ由来のVD4のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号15〜20に対応する。各可変ドメインは、
i)アミノ酸配列EWQASLALSYRLNMFTPYIGVKWSRASFDADTIRIAQPK(配列番号21)、又は
ii)i)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1つ又は複数のアミノ酸残基を含むサブ配列
の何れかによって、N末端側でさらにフランキング/伸長することができる。
C末端側で、前記可変ドメインを、
iii)アミノ酸配列DTMQIVSLQLNKMKSRKSCGIAVGTTIVDA(配列番号22)、
iv)iv)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1つ又は複数のアミノ酸残基を含むサブ配列、
又はこれらと80%の配列同一性を有するアミノ酸配列
によって、さらにフランキング/伸長することができる。
従って、好ましい実施形態は、各々がクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に由来する、2〜8つの異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドとして表すことができ、これは、式I:
xx−VD4−xx(式I)
に定義されるアミノ酸配列を含み、
式中、
VD4は、配列番号15〜20又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から選択され、
xxは、
i)アミノ酸配列
EWQASLALSYRLNMFTPYIGVKWSRASFDADTIRIAQPK(配列番号21)、又は
ii)i)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜38個のアミノ酸残基を含み、i)のアミノ酸配列においてC末端のKで開始するサブ配列
から構成され、
xxは、
iii)アミノ酸配列
DTMQIVSLQLNKMKSRKSCGIAVGTTIVDA(配列番号22)
v)iii)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜29個のアミノ酸残基を含み、iii)のアミノ酸配列においてN末端のDで開始するサブ配列
から構成される。
MONPのVD4の免疫反復配列を含む融合タンパク質の実施例を配列番号49〜59により表示する。
本発明の別の実施形態では、ポリペプチドは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の血清亜型D、E、F、G、Ia及びJの何れかに由来するMOMPの3つ以上の可変ドメイン1(VD)の免疫反復配列をさらに含み、各可変ドメインは、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の血清型D(SvD)のMOMPのアミノ酸配列(配列番号68)のアミノ酸配列においてアミノ酸残基91〜105位の位置に対応し、血清亜型DのVD1、血清亜型EのVD1、血清亜型FのVD1、血清亜型GのVD1、血清亜型JのVD1からなる群から独立に選択される、アミノ酸配列から構成される。
血清型D、E、F、F、G、Ia及びJ由来のVD1のアミノ酸配列は、それぞれ配列番号1〜6に対応する。各可変ドメインは、
vi)アミノ酸配列SMRVGYYGDFVFDRVLKTDVNKEFQMG(配列番号7)、又は
vii)v)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1つ又は複数のアミノ酸残基を含むサブ配列
の何れかによって、N末端側でさらにフランキング/伸長することができる。
C末端側で、前記可変ドメインを、
viii)アミノ酸配列NPAYGRHMQDAEMFTNAACMALNIWD(配列番号8)、
ix)x)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1つ又は複数のアミノ酸残基を含むサブ配列、
又はこれらと80%の配列同一性を有するアミノ酸配列
によって、さらにフランキング/伸長することができる。
従って、別の好ましい実施形態は、各々がクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に由来する、2〜8つの異なるアミノ酸配列を含むポリペプチドとして表すことができ、これは、式Iに定義されるアミノ酸配列を含み、さらに式II:
yy−VD1−yy(式II)
に定義されるアミノ酸配列も含み、
式中、
VD1は、配列番号1〜6又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
yyは、
v)アミノ酸配列DAISMRVGYYGDFVFDRVLKTDVNKEFQMG(配列番号7)、又は
vi)v)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜30個のアミノ酸残基を含み、v)のアミノ酸配列においてC末端のGで開始するサブ配列
から構成され、
yyは、
vii)アミノ酸配列NPAYGRHMQDAEMFTNAA(配列番号8)、又は
viii)vii)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜18個のアミノ酸残基を含み、vii)のアミノ酸配列においてN末端のNで開始するサブ配列
から構成される。
VD1の免疫反復配列を含むポリペプチドの例を配列番号9〜14及び45〜48により表示する。
本発明の別の実施形態は、式III及び/又は式IV:
zz−VD2−zz(式III)
qq1−VD3−qq2(式IV)
に定義されるアミノ酸配列をそれぞれ含むMOMPの可変ドメイン2(VD2)及び/又は可変ドメイン3(VD3)をさらに含み、
式中、
VD2は、配列番号29〜34又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
zzは、
ix)アミノ酸配列TLGATSGYLKGNSASFNLVGLFG(配列番号35)、又は
x)ix)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜23個のアミノ酸残基を含み、ix)のアミノ酸配列においてC末端のGで開始するサブ配列
から構成され、
zzは、
xi)アミノ酸配列VVELYTDTTFAWSVGARAALWE(配列番号36)、又は
xii)xi)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜22個のアミノ酸残基を含み、xi)のアミノ酸配列においてN末端のVで開始するサブ配列
から構成され、
また、上記式において、
VD3は、配列番号37〜42又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
qqは、
xiii)アミノ酸配列
ATLGASFQYAQSKPKVEELNVLCNAAEFTINKPKGYVG(配列番号43)、又は
xiv)xiii)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜22個のアミノ酸残基を含み、xiii)のアミノ酸配列においてC末端のGで開始するサブ配列
から構成され、
qqは、
xv)アミノ酸配列TGTKDASIDYHEWQASLALSYRLNMFTPYIGVKWS(配列番号44)、又は
xvi)xv)のアミノ酸配列のサブ配列であって、1〜35個のアミノ酸残基を含み、xv)のアミノ酸配列においてN末端のTで開始するサブ配列
から構成される。
免疫反復配列は、異種、すなわち、可変ドメインが、異なる血清型由来のものであってもよいし、又は相同性、すなわち、可変ドメインが1つの血清型由来のものであってもよい。免疫反復配列の好ましい数は、2、3、4、5、6、7若しくは8反復配列である。
さらに、ポリペプチド中の免疫反復配列を直線化する、すなわちシステイン残基をセリンで置換してもよい。
免疫反復配列を含むポリペプチドは、上記に加え、組み換えにより生成された場合にポリペプチドの輸送を促進する部分(例えば、シグナルペプチド)、ポリペプチドの精製を容易にする部分(例えば、hisタグ)及び/又は免疫原性を増強する部分(例えば、T細胞抗原)をさらに含んでよい。T細胞標的は、CT043、CT004、CT414、CT681又はその部分などのCt抗原から選択することができる。こうした融合タンパク質の例を配列番号60〜67に表示する。
以下の機能的能力を有する本発明のポリペプチド:
a)異種免疫反復配列を投与することを含む実験セットアップで試験したとき、10−3以下の50%中和力価で、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)血清亜型Dをin vitroで中和する能力;
b)異種免疫反復配列を投与することを含むマウスモデルで試験したとき、感染から7日後に、マウスの少なくとも50%において、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)血清亜型Dをin vivoで中和する能力;
c)異種免疫反復配列を投与したとき、免疫応答をクラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)の複数の血清亜型にin vitroで拡大する能力。
本発明はまた、前記ポリペプチドをコードする核酸も開示する。
開示したポリペプチド又は核酸は、ワクチンなどの医薬組成物の調製に用いられる。ワクチンは、さらに、薬理的に許容される担体(ウイルス様粒子)、賦形剤、アジュバント(例えば、DDA/TDB若しくはミョウバン)又は免疫モジュレータをさらに含んでよい。医薬組成物は、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)又は肺炎クラミジア(C.pneumoniae)による感染症などのクラミジア種(Chlamydia sp.)感染症に対する予防又は治療用途に使用することができる。
また、医薬組成物を投与することにより、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)又は肺炎クラミジア(C.pneumoniae)による感染症などのクラミジア種(Chlamydia sp.)感染症を予防、治療及び/又はその発生数を低減するための方法も開示される。
以下に、本発明をさらに詳しく説明し、例示する。
好ましい外膜タンパク質は、MOMPであるが、体液性応答をターゲティングするクラミジア(Chlamydia)種由来の他の表面露出抗原を含んでもよい。
表面露出領域からの免疫反復配列は、同じ血清型由来(相同性免疫反復配列)であってもよいし、又は可変エピトープを含み、かつ異なる血清型由来(異種免疫反復配列)の断片を呈するものであってもよい。好ましい実施形態において、免疫反復配列は、T細胞エピトープに富むことがわかっている可変及び保存領域の両方を含有する伸長断片を含む。
外膜タンパク質の好ましい表面露出領域は、MOMP由来のVD1、VD2、VD3及びVD4から選択される。
実施例に記載する免疫反復配列を構築するために用いられるアミノ酸配列は、表1、2及び3から選択される。
MOMPのVD4の可変ドメインは、以下:
La1−Aa2−Aa1−Aa3−La2
のように定義されるアミノ酸配列として表すことができ、
上記式中、
Aa1は、アミノ酸配列TTLNPTIAG(全ての血清亜型について保存されている)から構成され;Aa2は、以下:SATAIFDT(血清亜型D及びE由来)、LVTPVVDI(血清型亜F)、LAKPVVDI(血清亜型G)及びLAEAILDV(血清亜型Ia及びJ)からなる群から選択される。
Aa2が、血清亜型D又はE由来の配列であるとき、Aa3は、AGDVKTGAEGQLG(血清亜型D由来)及びAGDVKASAEGQLG(血清亜型E)に記載される配列から選択される。
Aa2が、血清亜型F由来の配列であるとき、Aa3は、配列CGSVAGANTEGQIS(血清亜型F由来)である。
Aa2が、血清亜型G由来の配列であるとき、Aa3は、配列CGSVVAANSEGQIS(血清亜型G由来)である。
Aa2が、血清型Ia又はJ)由来の配列であるとき、Aa3は、配列KGTVVSSAENELA(血清型Ia由来)及びKGTVVASGSENDLA(血清型J由来)から選択される。
MOMPの可変ドメインVD4を図2に示す。免疫反復配列は、やはり図2に示す何れかの末端に伸長部をさらに含むのが好ましい。
VD4ドメインのN末端側は、より保存され、かつT細胞エピトープに富んだLa1由来の1つ又は複数のアミノ酸によりフランキング又は伸長することができ、ここで、La1は、膜に埋め込まれて、アミノ酸配列EWQASLALSYRLNMFTPYIGVKWSRASFDADTIRIAQPK、又はこれと80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するMOMPのVD4の一部である。
VD4のC末端側は、より保存され、かつT細胞エピトープに富んだLa2由来の1つ又は複数のアミノ酸により、相応にフランキング又は伸長することができ、ここで、La2は、C末端側で膜に埋め込まれて、アミノ酸配列DTMQIVSLQLNKMKSRKSCGIAVGTTIVDA、又はこれと80%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有するMOMPのVD4の一部である。
類似した図(図1を参照)で、表1の配列番号1〜6により示される様々な血清亜型の可変ドメイン(Aa2−Aa1−Aa3)を含むMOMPの可変ドメイン1(VD1)を含む免疫反復配列を表することができる。対応するN末端及びC末端伸長部(La1及びLa2)は、それぞれアミノ酸配列SMRVGYYGDFVFDRVLKTDVNKEFQMG(La1)及びNPAYGRHMQDAEMFTNAACMALNIWD(La2)を有し、これらは、表2に配列番号7〜8により示される。
VD2及びVD3を含む免疫反復配列は、同様に、図1及び表1から推定することができる。
従って、前述の例La1−Aa2−Aa1−Aa3−La2は、免疫反復単位の1つを規定する。これに加えて、例えば、VD1がVD4単位に付加されれば、より大きな免疫反復単位を形成する、もう1つの配列の付加として表すことができる。よって、本発明のポリペプチドは、免疫反復単位の2、3、4、5、6、7若しくは8回の反復を含む。
定義
外膜タンパク質
クラミジア種(Chlamydia sp.)の外膜タンパク質は、2%Sarkosylなどのデタージェントで、インタクトな精製済み基本小体(elementary body)を処理した後、超遠心分離(100,000gで1時間)に付すことによって単離することができ、これにより、細胞質ゾル成分を含む上清と、以前記載されている70外膜タンパク質を含有するペレットが得られる。次に、外膜タンパク質を、標準的タンパク質技術、例えば、SDS−PAGE後の質量分析により同定することができる。
表面露出断片又は領域
細菌表面露出又は外膜タンパク質は、膜貫通タンパク質、分泌及びリポタンパク質、並びにアンカーを欠く表面タンパク質を含む。インタクトな細菌上の表面露出領域は、抗体に接触可能である。タンパク質の表面露出領域(「サーフェソーム(surfaceome)」を同定する方法は、例えば、インタクトな細菌の膜タンパク質のビオチン化の後、ストレプトアビジンを用いてビオチン標識画分を単離するステップを含む。次に、単離したタンパク質を質量分析により同定することができる。別の手法は、プロテアーゼ、例えば、トリプシンでインタクトな細菌を処理(「シェービング(shaving)」)して、表面露出ペプチドを切断した後、放出されたペプチドを収集して、質量分析による同定に付すものである。
変異型
本明細書に提供する外膜タンパク質の変異型は、クラミジア種(Chlamydia sp.)の様々な血清型由来の同じ遺伝子によってコードされるタンパク質を表す。変異型タンパク質は、参照ポリペプチドと有意な相同性を有する。
タンパク質のアイソフォーム
本出願に関連して、タンパク質の「アイソフォーム」は、同じタンパク質のいくつかの異なる形態の何れか、例えば、同じ機能を有するが、異なる遺伝子によりコード化され、その配列に小さな相違を有し得るタンパク質、又は単一のヌクレオチド多型、mRNAの差次的スプライシング、若しくは翻訳後修飾の何れかから生成するタンパク質として理解される。異なる血清型の細菌は、特定のタンパク質の異なるアイソフォームを有することができる。
クラミジア(Chlamydia)種
「クラミジア(Chlamydia)種」という用語は、動物又はヒトにおいてクラミジア(Chlamydia)感染症を引き起こすことができる細菌として理解される。例として、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)、肺炎クラミジア(C.pneumoniae)及びクラミジア・ムリダルム(C.muridarum)がある。また、動物においては、クラミジア種(Chlamydia sp.)によるいくつかの感染症が知られており、例えば、ブタに感染するクラミジア・スイス(Chlamydia Suis)、及び小型反芻動物(ヒツジ及びヤギ)の流産を引き起こすヒツジ流行性流産クラミジア(Chlamydiaphila abortus)などがある。
血清変異型、血清型亜型又は血清型
MOMP可変領域に対する特異的モノクローナル抗体の反応性及びその詳細な配列分析に基づき、Ctは、15の異なる血清変異型に区分することができ、これらの血清変異型のうち、A、B、Ba及びCは、トラコーマを引き起こし、D〜Kは、性行為感染症(STD)、L1〜L3は、性病性リンパ肉芽腫を引き起こし、MoPn(クラミジア・ムリダルム(C.muridarum))はマウスに感染する。血清変異型は、同じ意味で、血清型亜型又は血清型と記述される場合もある。
免疫反復配列
免疫反復配列は、抗原の免疫原性部分又は断片を含む1つ又は複数のアミノ酸配列の反復単位として理解される。反復される単位は、反復される1つ又は複数のVD領域として表すことができ、これらは任意選択で、前述のように、伸長することができ、例えば、3つの反復単位を含む4つの例が挙げられる:VD4−VD4−VD4、VD4−VD1−VD4−VD1−VD4−VD1、VD4−VD4−VD4、VD4−VD4−VD4、VD4−VD3−VD4−VD3−VD4−VD3
相同性免疫反復配列
1つの血清変異型のみに由来する抗原の免疫原性部分又は断片を含む1つ又は複数のアミノ酸配列の反復単位(図4)。
異種免疫反復配列
異なる血清変異型に由来する同じ抗原をコード化する免疫原性部分又は断片を含む1つ又は複数のアミノ酸配列の反復単位(図4)。
異種攻撃
ワクチン接種に用いられるタンパク質が、攻撃に用いられる血清変異型とは異なる細菌血清変異型に由来する、状況を指す。
相同性攻撃
ワクチン接種に用いられるタンパク質が、攻撃に用いられる血清変異型と同じ細菌血清変異型に由来する、状況を指す。
MOMP
Ctの主要外膜タンパク質(MOMP)は、Ctの発生周期の全段階中に発現され、クラミジア(Chlamydia)外膜の全タンパク質の約60%を占める。MOMPは、4つの高可変ドメイン(VD1−4又はVS1−4)により分断される保存ドメインに区分することができる59(図1)。
VD1
アミノ酸91〜105に対応し、Ct由来のMOMPにおいて高可変領域を構成する、Baer et al(1988)36により定義されるMOMPの可変ドメイン1(VD1)(それぞれ、SvD、E、F、F、Ia及びJ由来の配列番号1〜6VD1)。伸長VD1領域(VD1ext)は、配列番号57〜115に対応し、Ct由来のMOMPにおいて高保存領域によりフランキングされる前記高可変領域を構成する(それぞれ、SvD、E、F、F、Ia及びJ由来の配列番号9〜14VD1ext)(図3)。
VD4
アミノ酸309〜338に対応し、Ct由来のMOMP中の高可変領域を構成する、Baer et al(1988)36により定義されるMOMPの可変ドメイン4(それぞれ、SvD、E、F、F、Ia及びJ由来の配列番号15〜20のVD)。伸長VD4領域(VD4ext)は、配列番号282〜349に対応し、Ct由来のMOMP中の高保存領域によってフランキングされる前記高可変領域を構成する(それぞれ、SvD、E、F、F、Ia及びJ由来の配列番号23〜28のVD4ext)。
直線化
本発明において「直線化」という用語は、完全長タンパク質、オリゴペプチド、短いペプチド及びそれらの断片を含む、任意の長さのアミノ酸鎖を指し、この場合、前記アミノ酸システインは、システイン残基がジスルフィド結合を形成するのを妨げるために、セリンで置換されている。
中和エピトープ
本発明で使用する中和エピトープは、抗体が結合する抗原決定基を規定し、感染の状況において、例えば、細菌の感染症及び疾患を定着する上で重要な宿主細胞と細菌の相互作用を阻止して、細菌のクリアランスを促進することにより、クラミジア(Chlamydia)負荷の感染力を低減するアミノ酸配列を意図する。
中和
中和は、細菌が、感染症を定着させる、又は疾患若しくはその症状を引き起こす効率若しくは能力の低下、クラミジア(Chlamydia)EB形成の阻害などの細菌の任意の生物活性を包含する。
中和抗体
前述したように中和抗体に結合する抗体。
ポリペプチド
本発明において「ポリペプチド」という用語は、その通常の意味を有するものとする。すなわち、アミノ酸残基が共有ペプチド結合によって連結される、任意の長さのアミノ酸鎖であり、完全長タンパク質、オリゴペプチド、短いペプチド及びこれらの断片などを含む。
IFN−γ
「IFN−γ」という用語は、インターフェロン−ガンマであると理解される。IFN−γの測定は、免疫学的T細胞応答の指標として用いられる。
含む(comprise)
本明細書の全体を通して、文脈から別の意味に解釈すべき場合を除き、「含む(comprise)」という用語、又は「含む(comprises)」若しくは「含んでいる(comprising)」などの変形は、記載された要素若しくは整数、又は要素若しくは整数の群の包含を意味するが、何れか他の要素若しくは整数、又は要素若しくは整数の群の除外を意味するわけではないことは理解されよう。
免疫原性部分又は断片
本発明の好ましい実施形態では、ポリペプチドは、B細胞又はT細胞のエピトープなどのポリペプチドの免疫原性部分又は断片を含む。
ポリペプチドの免疫原性部分又は断片は、動物又はヒトにおいて、及び/又は生体サンプルにおいて免疫応答を誘発するポリペプチドの一部であり、これは、本明細書に記載の生物学的アッセイの何れかによって決定される。ポリペプチドの免疫原性部分又は断片は、T細胞エピトープ又はB細胞エピトープの何れかであってよい。免疫原性部分又は断片は、ポリペプチドの1つ又は少数の比較的小さい部分に関する場合もあり、これらは、ポリペプチド配列全体に散在するか、又はポリペプチドの特定の部分に位置することができる。少数のポリペプチドの場合、エピトープは、全配列に及ぶポリペプチド全体に散在することも明らかにされている71
免疫応答中に認識される関連T細胞エピトープをみいだすために、「ブルートフォース(brute force)」方法を使用することができる。T細胞エピトープは直鎖状であることから、ポリペプチドの欠失突然変異体は、合成で構築された場合、例えば、これらの欠失変異体を、例えば本明細書に記載のIFN−γアッセイに付すことにより、ポリペプチドのどの領域が免疫認識に必須であるかを明らかにするであろう。別の方法は、MHCクラスIIエピトープの欠失のための重複オリゴペプチドを使用するが、これは、好ましくは合成であり、例えば、ポリペプチド由来の20アミノ酸残基の長さを有する。これらのペプチドは、生物学的アッセイ(例えば、本明細書に記載するIFN−γアッセイ)で試験することができ、これらのいくつかは、ペプチドにおけるT細胞エピトープの存在のエビデンスとして、陽性応答を与えるであろう(よって、免疫原性である)。MHCクラスIエピトープの欠失については、結合して72、その後これらの合成ペプチドを生成するペプチドを予測し、これらを、例えば、本明細書に記載するIFN−γアッセイなどの関連する生物学的アッセイで試験することが可能である。好ましくは、前記ポリペプチド由来の8〜11アミノ酸残基の長さを有するペプチド。B細胞エピトープは、例えば、Harboe et al73に記載されているように、目的のポリペプチドを包含するオーバーラップペプチドに関するB細胞認識を分析することによって決定することができる。
免疫原性
免疫原性ポリペプチドは、現在又は過去にクラミジア(Chlamydia)に感染した生物学的サンプル又は個体において免疫応答を誘導するポリペプチドとして定義される。
融合タンパク質
融合タンパク質は、共有結合により互いに連結した2つ又は複数のポリペプチドと理解される。融合タンパク質は、ポリペプチドの優れた特徴を備えて生産することができる。例えば、組み換えにより生産する場合、融合タンパク質の輸送を促進する融合パートナー(例えば、シグナルペプチド)、融合タンパク質の精製を促進する融合パートナー(例えば、hisタグ)、融合タンパク質の免疫原性を増強する融合パートナーはすべて興味深い候補である。免疫原性を増強するために、融合パートナーは、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)由来の別のポリペプチド、例えば、ポリペプチド、ポリペプチド断片又は少なくとも1つのT細胞エピトープ若しくはB細胞エピトープであってもよい。
医薬組成物
医薬組成物は、任意のワクチン(治療及び予防の両方)又は任意の診断試薬として定義される。
ワクチン、タンパク質
本発明の別の部分は、融合タンパク質又は本発明の融合タンパク質をコードする核酸を含むワクチンに関する。こうしたワクチン組成物の最適な機能を確実にするために、免疫学的及び薬学的に許容される担体、ビヒクル若しくはアジュバントを含むことが好ましい。
本発明の融合タンパク質が、ヒトなどの哺乳動物により認識される有効なワクチンは、ワクチン接種していない個体と比較して、病原性クラジミア(Chlamydia)細菌による攻撃後、標的器官における細菌負荷を低減し、生存期間を延長し、及び/又は体重の減少を軽減する。
好適な担体は、1つ又は複数のポリペプチドが、疎水性標識共有結合相互作用により結合しているポリマー、例えば、可塑性物質(例:ポリスチレン)、あるいは、1つ又は複数のポリペプチドが共有結合しているポリマー、例えば、多糖、又はポリペプチド(例:ウシ血清アルブミン、オボアルブミン若しくはスカシガイヘモシアニン)などからなる群から選択される。好適なビヒクルは、希釈剤及び懸濁剤からなる群から選択される。アジュバントは、好ましくは、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDA)、Quil A、ポリI:C、水酸化アルミニウム、フロイント不完全アジュバント、IFNγ、IL−2、IL−12、モノホスホリルリピドA(MPL)、トレハロースジミコール酸(TDM)、トレハロースジベヘナート(Dibephenate)(TDB)及びムラミルジペプチド(MDP)、モノミコリルグリセロール(MMG)又はこれらの組み合わせから選択される。好ましい組み合わせは、TDB及び/又はポリI:Cと組み合わせたDDAなどのカチオン性リポソームである。
活性成分としてペプチド配列を含有するワクチンの調製物は、米国特許第4,608,251号明細書;同第4,601,903号明細書;同第4,599,231号明細書及び同第4,599,230号明細書(これらは全て、参照により本明細書に組み込む)によって例示されているように、概して十分に理解されている。
治療ワクチン
本発明はまた、D.Lowry(Lowry et al 1999)により例示される文献に記載されているように、治療ワクチンとして使用するための、本発明のポリペプチド又は核酸の使用にも関する。治療的特性を有する抗原は、ワクチンとして投与したとき、実験動物におけるCt感染症の重症度を軽減するか、又は過去の感染の再活性化を阻止するその能力に基づいてみいだすことができる。治療ワクチンに用いる組成物は、前述したように、ワクチン用に調製することができる。
本発明はまた、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)の様々な血清変異型から防御する広範な抗体中和能力を備えた、新規の高度に免疫原性のワクチン抗原を記載する。本発明者らは、MOMP抗原由来の規定断片の反復単位が、ここで免疫反復配列と称する高度に免疫原性の分子を提供することを立証する。様々なアジュバント中にVD4伸長断片(MOMPのVD4可変ドメイン及び隣接する保存フランキング領域に及ぶ)を含有する相同性免疫反復単位によるワクチン接種が、非常に高い抗体力価をもたらすことから、本発明者らは、これらの構築物が、VD4伸長断片の単一単位による免疫よりはるかに効率的であることを立証する。効果の増大は、何れも、力価の顕著な増大、細菌の表面の抗体ターゲティングの増大、中和能力の増大、T細胞応答の増大及び拡大、並びに相同性株による攻撃からの防御の増大として観測することができる。本発明者らは、さらに、免疫反復単位技術を用いて、例えば、血清亜型D、E、F及びGなどの様々な血清変異型に由来するVD4伸長断片を基材とする異種免疫反復単位を構築することにより、他の血清変異型に対する防御及びその中和を改善できることも明らかにする(図3)。
Figure 2016514713
異種免疫反復単位は、高度に免疫原性であったが、これに加えて、相同性免疫反復配列と比較して、VD4領域内の直鎖状エピトープのより多様なレパトアをターゲティングする抗体応答(ペプチドスキャンにより測定)のより広範な微細特異性を伴って、抗体応答の範囲を拡大した。本発明者らはまた、高度に免疫原性の異種免疫反復単位が、VD1及びVD4伸長断片の融合物を含むより大きな断片を基材とし得ることも明らかにすると共に、動物モデルにおいて、これらの異種免疫反復単位により促進される防御が、主として抗体により媒介されることも確認する。一般に、Ctに対する効率的防御免疫応答には、強力なCMI成分(例えば、T細胞エピトープ)が必要であることは一般に認識されており、本発明者らは、T細胞に富んだ領域を含むように、VD4領域をN末端側に十分に伸長することによって、1つの構築物において、高力価の中和抗体を生成する能力と、残留感染を排除する強力なT細胞応答とを組み合わせた免疫反復配列を作製できることも明らかにしている。本発明者らはまた、免疫反復配列を、ワクチンの可能性を有するT細胞抗原と融合又は混合することができること、並びにこの組み合わせが、Ctに対する早期抗体媒介性防御と、残留生物の効率的なCMI媒介性クリアランスの両方を達成することも立証した。
MOMPは、Ctワクチンにおいて一般に認識される能力を有する重要な防御抗原である。しかし、MOMP抗原は、多くの内部ジスルフィド結合を有する複雑な構造を有し、重要な中和エピトープを組み換え分子中に露出させるのが極めて困難であることから、ワクチンによってターゲティングするのが非常に難しい抗原である。その上、MOMP抗原は、高度に可変性であり、ヒト疾患を引き起こす様々な株に存在する血清変動性の大部分の原理となっている。従って、インタクトなMOMPを基材とするあらゆるワクチンは、ヒトに疾患を引き起こす主要な株をカバーするために、分子のいくつか(少なくとも4〜5つ)の異なる形態を組み込まなければならないと考えられる。前述したように、MOMP抗原は、4つの可変領域(VD1〜4領域)を含み、そのうち特にVD1及びVD4は、重要な中和エピトープを含有するが、これらの領域を呈示する断片を基材とするワクチンは、これまでのところ、動物攻撃試験において何らかのin vivo効果を有する上で、機能性抗体の十分に高い力価を誘導することができなかった51 74
本発明の免疫反復技術は、この問題を解決する。すなわち、本発明者らは、MOMP抗原由来の保存配列がフランキングする重要な可変VD1及び/又はVD4領域を反復することにより、並外れたレベルの機能性抗体を促進する免疫原を取得した。驚くことに、保存断片の間に置かれた様々な血清亜型由来の可変領域を使用する異種免疫反復構築物では、免疫原性の向上が達成され得ること、並びにこの戦略によって、様々な血清変異型から防御する広範な中和抗体応答が生み出されることも明らかにした。さらに、免疫反復技術の実施により、直接的エフェクター機能と、隣接B細胞エピトープに対する加速されたリコール応答を促進する能力とを備えたT細胞を促進する多数の関連T細胞エピトープも提供される。
従って、本発明者らは、広範な応答と、様々な血清亜型を中和する能力を有する効率的なCtワクチンを開発する上での新たな発見を呈示する。
多数の反復単位と組織化構造とを備えた抗原は、B細胞受容体(BCR)の活性化に最適であり、体液性応答の増大及びT細胞ヘルプに対する依存性の低減をもたらす。これは、様々な病原体(肺炎球菌(Pneumococcal)多糖体及びサルモネラ菌(Salmonella)重合フラジェリン)由来の天然多糖体ベースの抗原について最初に報告されており、この場合、抗原の反復性が、複数のBCRを同時にトリガーすることにより、事前のT細胞ヘルプを必要とせずに、プラズマB細胞からの抗体産生を誘発すると想定される。このような抗原は、2型T細胞非依存性B細胞抗原と呼ばれ、これは、人工系において、最小エピトープを構成し、接近して位置する多数の反復単位(典型的に、12〜16の最小値75)に依存することが判明している。これは、大きな断片(69アミノ酸、Mw>7kDa)が反復され、これらの断片がB細胞及びT細胞エピトープの両方を含むという本発明者らの技術とは明らかに異なる76
以前の観測結果75とは対照的に、本発明者らは、ただ4つの反復単位による増大を観測し、これは、8つの反復単位によって、それ以上改善されない。重要なことには、超可変ドメインが挿入された保存配列の反復は、応答を反復保存エレメントに対してだけではなく、重要なことには、可変挿入片に対しても増幅する。この驚くべき増幅を裏付ける分子機構は、完全には明らかではないが、恐らく、重要なエピトープの多くが、可変領域と保存領域との間のオーバーラップに位置し、これにより、エピトープの保存部分のある程度の認識を共有する様々なBDRの同時トリガーを可能にし得ることに関連すると考えられる。完全には明らかではないが、実際の結果として、異種免疫反復技術は、様々な血清変異型をターゲティングする多様な抗体応答の生成を促進する多価免疫原の合成を可能にする。
本発明の免疫反復構築物は、CtMOMP由来の可変ドメインを使用する従来の試みと比較して、極めて優れた免疫原性の抗原をもたらす。MOMPのVDを基材とする従来のワクチンは全て、ある程度の機能的能力を有する抗体を生成するものの、生殖器クラミジア攻撃からのin vivo防御に変換される力価を生み出すことはできなかった51、65、64。特に、異種免疫反復戦略は、多くの病原体に見られる非常に根本的な問題を解決することから、多様かつ可変性の抗原に対する多様な抗体応答を促進する方法である。
Figure 2016514713
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本発明の核酸、すなわち、前述の融合タンパク質をコード化する核酸を用いて、免疫原性ポリペプチドのin vivo発現を実施することができる。換言すれば、Ulmer et al 1993(参照により本明細書に組み込まれる)に論述されているように、前記核酸をいわゆるDNAワクチンに用いることができる。
DNAワクチン接種に用いられ、定義される融合ポリペプチドをコード化するプラスミドDNAの構築及び調製において、大腸菌(E.coli)などの宿主細胞を用いることができる。次に、目的のプラスミドを担持する宿主株の一晩の培養物からプラスミドDNAを作製して、例えば、内毒素除去ステップを含むQiagen Giga−Plasmidカラムキット(Qiagen,Santa Clarita,CA,USA)を用いて、精製することができる。DNAワクチン接種に用いるプラスミドDNAは、内毒素を含まないことが必要である。
従って、本発明はまた、本発明の核酸を含むワクチンにも関し、このワクチンは、ワクチンが投与されたヒトなどの動物による免疫原性ポリペプチドのin vivo発現を実施し、発現されたポリペプチドの量は、ヒトなどの動物における病原性細菌によって引き起こされる感染症に対して実質的に増大した耐性を付与する上で有効なものである。
こうしたDNAワクチンの有効性は、場合によっては、免疫応答を調節する能力を有するポリペプチドをコード化するDNA断片と一緒に発現産物をコード化する遺伝子を投与することによって増強することができる。
細胞性免疫応答を有効に活性化する1つの可能性は、非病原性微生物又はウイルスにおいて関連免疫原性ポリペプチドを発現させることにより達成することができる。このような微生物の公知の例としては、ウシ型結核菌(Mycobacterium bovis)BCG、サルモネラ(Salmonella)属及びシュードモナ(Pseudomona)属があり、ウイルスの例としては、ワクシニアウイルス(Vaccinia Virus)及びアデノウイルス(Adenovirus)がある。
従って、本発明の別の重要な態様は、現在入手可能な生BCGワクチンの改善であり、微生物が融合ポリペプチドを発現し、分泌することを可能にするように、1種以上の融合ポリペプチドをコード化するDNA配列の1つ又は複数のコピーが微生物に組み込まれている。免疫応答を増強するために、本発明の核酸配列の2つ以上のコピーの組み込みが考慮される。
別の可能性は、本発明の融合ポリペプチドをコード化するDNAを、ワクシニアウイルス(Vaccinia virus)又はアデノウイルス(Adenovirus)などの弱毒化ウイルスに組み込むことである(Rolph et al 1997)。組み換えワクシニアウイルス(Vaccinia Virus)は、感染した宿主細胞の細胞質又は核内に進入することができるため、目的の融合ポリペプチドは、免疫応答を誘導し、これが、TBからの防御を誘導すると考えられる。
DNAワクチンは、16年以上前に開発されたが、ヒトにおける病期I及びIIの前の臨床試験は稀である。しかし、2つの動物用ワクチンがライセンスを得ており:1つは、ウエストナイルウイルス(West Nile Virus)(ウマ)に対するもので、もう1つは、サケ(Salmon)における伝染性造血器壊死症ウイルスに対するものである。これは、DNAワクチンが、優れた防御効果を有し得ること、並びに、新規のDNAワクチンが、動物の大きさ又は種によって制限されないことを示している。第1世代DNAワクチンのマウスモデルについて観察されたDNAワクチンによる大きな成功は、ヒトにはうまく移行しなかった。それでも、研究者らは、近年、ヒトへの単回用量の遺伝子ガン投与HA DNAワクチンによる防御抗体レベルを立証した。
「核酸免疫」又は一般に好まれる名称「DNAワクチン」は、遺伝子産物に対する免疫の誘導を目的とする、発現カセット若しくは発現ベクターとしての、又はウイルスベクターに組み込まれる、抗原コード化DNA若しくはRNAの接種である。従って、DNAワクチンの本発明者らの定義には、抗原コード化DNA又はRNAのあらゆる種類の送達系が含まれる。ワクチン遺伝子は、発現に必要である重要な特徴だけを備える環状プラスミド又は線状発現カセットの形態であってよい(プロモータ、ワクチン遺伝子及びポリアデニル化シグナル)。送達系は、最も一般的には、アジュバントを含む、又は含まないバッファー中のネイキッドDNA、ナノ粒子に結合された、及び/用いて、化合物を含有するアジュバント中に製剤化された、又はアデノウイルス(Adenovirus)、アデノ随伴ウイルス(adeno associated virus)(AAV)、αウイルス(alphavirus)、ポックスウイルス(poxVirus)、ヘルペスウイルス(herpes virus)などの生ウイルス若しくは細菌ベクターに挿入されたDNAであってよい。DNAワクチンは、生ウイルスワクチンに関連する同じ危険性を伴わずに、体液性及び細胞性免疫の両方を引き起こすことから、非常に有望である。生弱毒化ウイルスワクチンとは対照的に、DNAワクチンは、特定の受容体に結合しなければならない生ウイルスと同じ、又はそれとは異なる組織若しくは細胞に送達することができる。その天然形態での抗原の生産は、宿主免疫系に対する抗原の呈示を改善する。生弱毒化ワクチンとは異なり、DNAワクチンは、感染性ではないため、病毒性に逆戻りする可能性はない。
DNAワクチンは、従来のワクチンに対して多くの利点をもたらす。これは、卵中での増殖の必要がなく、短時間で大量に生産することができ、費用効果的で、再現性であり、しかも、DNAは、安定的で、極端な温度に対して耐性であるため、最終生成物は、低温貯蔵条件を必要としない。既存のライセンス取得不活性化ワクチンは全て、体液性抗体応答を誘導するのに効率的であるが、生弱毒化ウイルスワクチンだけが、細胞傷害性細胞性応答も効率的に誘導する。DNAワクチンは、この能力も有するため、誘導された応答は、特異性及び抗体アイソフォームに関して、不活性化ワクチンよりウイルス感染に対する天然の応答をより良好に模倣し得る。
DNAワクチンは、体液性及び細胞性免疫の両方を活性化することにより、天然のウイルス感染により獲得された応答と同等の免疫応答を誘導する。DNAワクチンに対する広範な応答は、トランスフェクトされた宿主細胞により発現されるコード化遺伝子によってもたらされるものであり、これは、Th1及びTh2免疫応答の両方を誘導する。ネイティブ形態での抗原の生産によって、宿主免疫系に対する抗原の提示が向上する。
DNAワクチン投与の最も一般的な2つのタイプは、ネイキッドDNAの食塩水注射及び遺伝子ガンDNA接種である(ヘリウム圧力を用いて投与される、固体金ビーズにコーティングされたDNA)。DNAの食塩水筋肉内注射は、優先的に、Th1IgG2a応答を生成するが、遺伝子ガン送達は、より多くのTh2 IgG1応答を開始する傾向がある。筋肉内注射したプラスミドは、細胞外デオキシリボ核酸によって分解される危険性があるが、誘導された応答は、多くの場合、遺伝子ガン方法によって誘導されたものより長命である。表皮への遺伝子ガン送達によるワクチン接種は、恐らく、皮膚が、プロフェッショナル抗原提示細胞などの体液性及び細胞傷害性細胞性免疫応答の両方を誘発するのに必要なすべての細胞型(ランゲルハンス及び樹状細胞)を含むために、免疫の最も有効な方法であることが証明されている。致死量のインフルエンザウイルスからの完全な防御は、マウスにおいて1μgという少量のDNAで達成されている。標準的DNAワクチンベクターは、真核細胞における最適発現のために操作した細胞プラスミドにクローニングされた目的の遺伝子から構成される。重要な特徴には、以下のものが含まれる;細菌における生産を可能にする複製起点、細菌培養物中のプラスミド選択を可能にする細菌の抗生物質耐性、哺乳動物における最適な発現のための強力な構成プロモータ(サイトメガロウイルス(cytomegalovirus)(CMV)又はシミアンウイルス(simian virus)由来のプロモータは、最も高い遺伝子発現をもたらす)、ウシ成長ホルモン(BHG)又はシミアンウイルス(simian virus)ポリアデニル化などのmRNA転写物を安定化するためのポリアデニル化配列、並びに抗原遺伝子の挿入のための複数のクローニング部位。イントロンA配列は、遺伝子の発現を顕著に改善する。多くの細菌DNAワクチンベクターは、非メチル化シチジンリン酸−グアノシン(CpG)ジヌクレオチドモチーフを含み、これは、宿主において強力な自然免疫応答を誘発し得る。近年、DNAワクチン構築物に対して免疫応答を増強し、カスタマイズするいくつかの手法が開発されている(第2世代DNAワクチン)。例えば、2つの遺伝子を同時に発現するために、ジシストロニックベクター又は複数の遺伝子発現プラスミドが用いられている。特定の組織に遺伝子発現を限定する特異的プロモータが作製されており、また、免疫応答を増強するようにサイトカイン/抗原融合遺伝子が構築されている。さらに、遺伝子は、宿主において最適な遺伝子発現のために最適化されたコドンであってもよいし、ナイーブリーダ配列を、翻訳効率を高める最適化リーダで置換してもよい。
DNAワクチンの投与は、ネイキッドDNA若しくはRNAの食塩水若しくは緩衝食塩水注射、又は粒子に結合したDNA断片を発現するDNAプラスミド若しくは直鎖状遺伝子発現DNA断片の注射により行うか、あるいは、遺伝子ガンにより接種するか、又はアデノウイルス(Adenovirus)、修飾ワクシニアウイルス(Modified vaccinia virus)(MVA)、ワクシニア(Vaccinia)、アデノ随伴ウイルス(Adenoassociated virus)(AAV)、αウイルス(Alphavirus)などにより送達することができる。
図1は、Findlay et al77から改変したMOMP(血清亜型D、株:D/B−120)膜形態のモデルである。AA配列、及び5つの定常セグメント(CS)の間に描かれる線状モデルMOMPにおいて、VD1、VD2、VD3及びVD4を黒い線で示す。 図2は、血清亜型D、E、F、F、Ia及びJのMOMP VD4extのアミノ酸配列のアラインメントである。血清亜型D配列をプロトタイプとして用い、他の血清亜型における保存アミノ酸を「.」として示す。Baehr et al(PNAS,1988)36による可変ドメインVD4は、グレーで網かけし、保存エピトープTTLNPTIAGを四角で囲む。 図3は、Findlay et alから改変したMOMP(血清亜型D、株:D/B−120)膜形態のモデルである。図中、本発明で説明するVD1ext及びVD4extを網かけして示す。 図4は、相同性及び異種免疫反復配列の設計を示す図である。免疫反復配列は、例えば、4つのVD4ext領域からなる融合タンパク質であり、同じ血清亜型由来、すなわち相同性免疫反復配列、又は異なる血清亜型由来、すなわち異種免疫反復配列の何れかである。各VD4ext領域内の可変VD4領域に斜線を引いて示す。 図5は、単量体VD4ext単位と比較して、VD4extの相同性免疫反復配列による免疫後に増強及び拡大された免疫応答である。 図6は、SvD、E、F及びG由来の異種免疫反復配列から構成される構築物は、SvF由来の相同性免疫反復配列と比較して、複数の血清亜型に対し、強力な応答を誘導したことを示す。 図7は、(SvEextVD4)4及び(SvFextVD4)4由来の相同性免疫反復配列から構成される構築物と比較した、SvD、E、及びF由来の伸長VD4単位からなる異種免疫反復配列(CTH89)による免疫後の抗体応答の微細な特異性である。 図8は、SvD、SvE及びSvF由来の伸長VD4からなる異種免疫反復配列(CTH89)による免疫は、SvD攻撃後に早期T細胞非依存性防御を誘導することを示す。 図9は、CTH89特異的血清によるin vivo中和である。 図10は、異種免疫反復配列と組み換えMOMPとの結合である。 図11は、SvD(CTH87)由来の単一VD1−VD4単位(CTH87)によるワクチン接種と比較した、SvD、SvE及びSvF由来のVD1−VD4領域の異種免疫反復配列(CTH88)によるワクチン接種である。 図12は、T細胞抗原とVD4の免疫反復配列との結合である。 図13は、異種VD4免疫反復配列とT細胞抗原融合分子とのカクテルによる免疫である。 図14は、アジュバント送達系としてのCAF01とミョウバンの比較である。 図15は、SvD、SvE、SvF及びSvG由来のVD4ext領域から構成される異種免疫反復配列によるワクチン接種である。 図16は、SvD、SvE、SvF、SvG、SvIa及びSvJ由来の伸長VD4ext領域から構成される異種免疫反復配列によるワクチン接種である。
材料及び方法
クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)の培養
Ct血清亜型D、E及びFをHela229細胞において増殖させた(ATCC、Rockville,MD,USA)。5%ウシ胎児血清(Gibco BRL;熱不活性化)、1%v/vHepes、1%v/vL−グルタミン、1%v/vピルビン酸塩及び10μg/mlゲンタマイシンを含有するRPMI 1640(Gibco BRL,Grand Island,NY,USA)培地中で、細胞を培養した。6ウェルプレート中のHela229細胞の半密集単層を、0.3ml SPG緩衝液/ウェル中のCt血清亜型E又はFの、細胞当たり1.5封入体形成単位で感染させた。プレートを、Heraeus Multifuge 3Sにより750gで1時間遠心分離した後、プレートロッカー上で、35℃で2時間インキュベートした。2時間後、5%グルコース及び1μg/mlシクロヘキシミドを補充した2mlの培地をウェル毎に添加し、加湿空気中5%COの雰囲気において37℃で72時間さらにインキュベートした。
Ctの回収
感染から72時間後にクラミジア(Chlamydia)を回収した。セルスクレイパーを用いて、細胞をウェルから取り出し、35.000g及び4℃で30分遠心分離した。ペレットをHBSS中に再懸濁させ、氷上で音波処理した後、500g及び4℃で15分遠心分離した。上澄みを回収し、氷上に取っておき、前と同じ量までペレットを再懸濁させ、音波処理及び遠心分離を繰り返した。2つの上清をプールし、30000g及び4℃で30分間遠心分離した後、注射器を用いて、ペレットをSPG緩衝液(3ml/プレート)に再懸濁させた。短時間の音波処理後、懸濁液を30%ジアトリゾエート溶液(76mlのHO中50gのメグルミンジアトリゾエート、7.7gのナトリウムジアトリゾエート)上に穏やかに重ねた後、40,000gで30分間遠心分離した。遠心分離後、ペレットをSPG緩衝液中に再懸濁させた後、−70℃で保存した。McCoy細胞上での滴定により、バッチのIFUを定量し、BCAによりバッチの濃度を決定した。
抗原及び融合物調製方法
クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)血清亜型D、E、F及びGのゲノムは一般に入手可能である(NCBI−GenBank)。全て、大腸菌(E.coli)タンパク質発現系へのクローニングのために合成により得られた、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)抗原及び融合物をコードする遺伝子(DNA2.0)。pET411ベクターは、ヒスチジンアフィニティタグを用いた、大腸菌(E.coli)における組み換えクラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)タンパク質の発現に使用した。細菌宿主は、BL21−STAR(商標)であった。対数期OD600〜0.5に到達するまで、大腸菌(E.coli)を37℃で増殖させてから、タンパク質発現を4時間にわたって誘導した後、細胞を遠心分離(6,000gで15分間)により回収した。ベンゾナーゼ、rLysozyme及びプロテアーゼ阻害剤カクテルI(Calbiochem)を含有するBugbuster(Novagen)を用いて、大腸菌(E.coli)を単離した。封入体を遠心分離(10,000gで10分間)により分離した。ペレットを、50mM NaH2PO4、0.4M NaCl、8M尿素、10mMイミダゾール、pH7.5中に溶解させてから、HisTrap HPカラム(Amersham Biosciences)上にロードした後、50〜500mMイミダゾールの勾配を適用することによって、結合タンパク質を溶離した。抗原及び融合物の等電点に応じて、これらをイオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製した。BCAタンパク質アッセイ(Pierce)により、タンパク質濃度を決定した。
動物
8〜12週齢のメスB6C3F1マウスをHarlan Laboratoriesから取得した。動物は、標準的な環境条件下で収容し、標準的飼料及び水を不断給餌した。マウスの使用は、デンマーク法務省(Danish Ministry of Justice)(Lov om dyreforsog,jvf lovbekendelser nr.726 af9.1993年9月)、及び動物保護委員会により規定される規則に従う。実験の詳細な説明は、本出願人が開催する地域倫理審査委員会(regional ethical review board)に提出し、承認された(2012−15−2934−00100)。
免疫
マウスは、14日おきに3回免疫した。ポリペプチドをCAF01中で乳化させた後、皮下(sc)及び鼻内(i.n.)経路により同時に投与した。両ルートにより投与されたワクチンは、250ugのDDA及び100ugのTDB中で乳化させた5ugのペプチド(前掲参照)から構成された。負の対照として、ペプチドを含まないDDA/TDBを単独で注射した。
クラミジア(Chlamydia)特異的細胞性応答
血液リンパ球及び脾細胞を精製した。血液リンパ球は、各群の8匹からプールし、脾細胞は、個別に(n=4)培養し、培養は、5×10− M 2−メルカプトエタノール、1mMグルタミン、1%ピルビン酸塩、1%ペニシリン−ストレプトマイシン、1%HEPES及び10%ウシ胎児血清(FCS)(Invitrogen,Denmark)を補充した200μlの量のRPMI−1640に2×10細胞/ウェルを含有する丸底マイクロプレート(Nunc,Denmark)において3回繰り返した。1〜10μg/mlの個別の抗原又はVD1及びVD4ペプチドプール(各々2μg/mlのペプチド)で細胞を再刺激した。細胞生存能の正の対照及び負の対照として、それぞれConcanavalin A(5μg/ml)又は培地による刺激。5%CO中で、37℃で72時間のインキュベーション後、上清を回収し、使用まで−20℃で保存した。分泌したIFN−γの量を酵素免疫吸着測定法(ELISA)により決定した。
血清抗体
最後のワクチン接種から様々な時点で、マウスから採血し、血清を遠心分離により単離した。血清を、Ct表面(SvD、SvE及びSvF)に対する、SvE VD4単量体に対する、並びにSvD、SvE及びSvFのVD4領域にまたがるペプチド(表4及び5)に対する反応性について、ELISAにより試験した。手短には、プレートを炭酸塩緩衝液中の4℃の抗原(1〜10ug/ml)で一晩被覆し、BSAでブロックした後、洗浄した。次に、プレートを、前希釈したサンプルと一緒に4℃で一晩インキュベートし、洗浄した後、ペルオキシダーゼ結合二次抗体と一緒に1時間インキュベートした。TMB基質とのインキュベーションにより反応物を視覚化してから、反応を硫酸で停止し、450nmで読み取りをした。SvD(SvE)(表6)及びSvF(表7)のVD4領域にまたがる9量体オーバーラップペプチドパネルに対するELISA反応性を調べた際、微細な変更を実施した。手短には、プレートをストレプトアビジンで処理してから、ビオチニル化ペプチドで被覆し、脱脂粉乳を用いて室温で2時間ブロックした後、洗浄した。次に、プレートを、前希釈した(1:100)血清サンプルと一緒に室温で2時間インキュベートし、洗浄した後、ペルオキシダーゼ結合二次抗体と一緒に1時間インキュベートした。TMB基質とのインキュベーションにより反応物を視覚化してから、反応を硫酸で停止し、450nmで読み取りをした。
中和アッセイ
5%ウシ胎児血清(Gibco BRL;熱で不活性化)、1%v/vHepes、1%v/vL−グルタミン、1%v/vピロビン酸塩及び10μg/mlゲンタマイシンで補充したRPMI1640培地中で、96ウェル平底マイクロプレートにおいて、HaK細胞を密集まで増殖させた。
クラミジア(Chlamydia)ストックを事前に滴定し、SvEについては3×10IFU/ml、SvDについては2×10IFU/ml及びSvFについては5×10IFU/mlまで希釈した。ワクチン接種マウスから単離した血清(プールしたもの)を56℃で1/2時間かけて熱不活性化し、2〜4倍希釈した後、4〜5回滴定した。80μlの細菌懸濁液を80μlの血清(+/−20μg/mlのペプチド)と混合してから、低速揺動プラットフォーム上で、37℃で30分間インキュベートした後、50μlの懸濁液を、事前に調製しておいたHaK細胞に、2回繰り返して接種した。このために、培地をHaK単層から除去し、0.5%グルコース及び10μg/mlシクロヘキサミドを補充した100μlの前記培地を添加した後、50μlの血清/細菌懸濁液を添加した。低速揺動プラットフォーム上で、プレートを35℃でインキュベートした後、接種材料を除去し、0.5%グルコース及び10μg/mlシクロヘキサミドを補充した100μlの前記培地を添加した。次に、加湿空気中5%COの雰囲気においてプレートを37℃で24時間インキュベートした。インキュベーション後、培地を取り出し、単層を96%エタノールで10分固定した。本発明者らの研究室で作製したポリクローナルウサギ抗CT755血清、続いてFITC結合ブタ抗ウサギ免疫グロブリン(Dako)で染色することにより、封入体を視覚化した。バックグラウンド染色は、ヨウ化プロピジウム(Invitrogen)で実施した。
膣攻撃及び膣クラミジア負荷
Ct血清亜型D攻撃の10日及び3日前に、2.5mgのメドロキシプロゲステロンアセタト(Medroxyprogesteronacetat)(Depo−Provera;Pfizer)の注射により、発情周期を合わせた。最終ワクチン接種から6週間後に、10μlのSPG緩衝液中の4〜8×10IFUのCt血清亜型Dで、マウスをi.vag攻撃した。感染から3、7、10及び14日後、膣スワブを取得した。スワブを、0.6mlのSPG緩衝液中でガラスビーズと一緒にボルテックスした後、−80℃で分析まで保存した。17に記載されているように、感染負荷を決定した。手短には、McCoy細胞単層を滴定量のスワブ懸濁液で、2回繰り返して感染させた。プレートを750×gで、RTにて1時間遠心分離した後、35℃で2時間のインキュベーションを実施した。続いて、感染培地を新鮮な培地に取り換え、細胞を37℃で30時間インキュベートした。本発明者らの研究室で作製したポリクローナルウサギ抗CT681血清、続いてFITC結合ブタ抗ウサギ免疫Ig(Dako,Glostrup,Denmark)で染色することにより、封入体を視覚化した。バックグラウンド染色は、ヨウ化プロピジウム(Invitrogen,Taastrup,Denmark)で実施した。各ウェルについて少なくとも20の個別の視野を観察する蛍光顕微鏡検査により、封入体を数え上げた。
CD4及びCD8T細胞の欠失
モノクローナル抗マウスCD4(クローンGK1.5)及び抗マウスCD8(クローンYTS156及びYTS169、Sephen Gobboldから無償提供)78,79を、HiTrapタンパク質G HPカラム(GE−Healthcare Life Sciences,Denmark)を用いて、本発明者らの研究室で作製したハイブリドーマ上清から精製した。精製済みIgGをPBSに対して透析し、0.22umを通してろ過した後、タンパク質濃度をOD280nmにより決定した。感染日から−7、−4、−1及び+2及び+6日に、250〜300μgの精製済み抗CD4又は抗CD8抗体の混合物の4回の注射により、マウスからCD4又はCD8T細胞を欠失させた。FITC結合抗CD4抗体(クローンRM4−4)及びPE−結合抗CD8抗体(クローン53−6)(BD Biosicence,Denmark)を用いて、感染から1日後に、PBMCでのFACS分析により、CD4及び抗CD8T細胞の欠失を確認した。
in vivo欠失
クラミジア(Chlamydia)血清亜型Dストックを滴定した後、8×10IFU/μlまで希釈し、異種VD4免疫反復SvD−SvE−SvF(CTH89)で免疫したマウスから単離した血清と混合した。Ct血清亜型D攻撃の10及び3日前に、2.5mgのメドロキシプロゲステロンアセタト(Medroxyprogesteronacetat)(Depo−Provera;Pfizer)の注射により、発情周期を合わせた。10μlの前記混合物(4×10IFUのCt血清亜型D)で、マウスをi.vag攻撃した。感染から3、7及び10日後、膣スワブを取得した。
統計的解析
GraphPad Prism 4を用いて統計的解析を実施した。クラスカル・ワリス(Kruskal−Wallis)、次にダンポストテスト(Dunn’s post test)又はマン・ホイットニー(Mann−Whitney)を用いて、膣クラミジア(Chlamydia)負荷の中央値を解析した。
実施例1:単量体VD4ext単位と比較した、VD4extの相同性免疫反復配列による免疫後の免疫応答の増強
序論
この場合、本発明者らは、血清亜型Eの伸長VD4断片を含むポリペプチド単位(配列については、図2を参照)(SvE VD4ext)を選択した。これらのドメインに対する免疫応答を増強するために、本発明者らは、SvE VD4ext単位が、反復して提示される、組み換えポリペプチドを設計した。本構築物の反復形態が、単量体形態と比較して、抗体応答を増強することができるかどうかを調べるために、本発明者らは、これらの単位が、単一単位として、又は反復方式の何れかで提示される組み換えポリペプチドを設計した。血清亜型E(SvE)の場合、単量体(SvE VD4ext1(CTH181)、伸長VD4単位の4免疫反復配列(SvE VD4ext4(CTH527)及び8免疫反復配列(SvE VD4ext8(CTH526)を構築した。これらの免疫反復構築物は、アジュバントCAF01を用いて製剤化した後、マウスをワクチン接種するのに用いた。各マウスは、2×5μgのペプチドでワクチン接種し、従って、VD4の量は同じである。構築物の免疫原性を、SvE VD4ext、SvE VD4extを包含するペプチド、及びクラミジア(Chlamydia)の細菌表面に対して、ELISAにより試験した。
結果
群当たり6匹のマウスに、14日の間隔を置いて2回免疫した。ワクチン(2×5μg)をCAF01中で乳化した後、sc.及びi.n経路により同時に投与した。最後のワクチン接種から特定の時点で、血液を採取して、SvE由来の伸長VD4に対する、及びSvEの細菌表面に対する、抗体レベルをELISAにより測定した。単一VD4ext単位によるワクチン接種(単量体VD4ext、CTH181)は、(SvE VD4ext4の4VD4ext反復配列から構成される相同性免疫反復により誘導されるレベルと比較して、低いレベルのVD4ext特異的抗体を誘導した(図5A)。(SvE VD4ext4で免疫した後に認められるより高い抗体応答は、(SvE VD4ext1で免疫したマウスから単離した血清と比較して、より強度の細菌表面の認識をもたらした(図5B)。伸長VD4領域にまたがる10aaオーバーラップを有する20量体ペプチドに対する応答もまた、1:500血清希釈度で試験したとき、単量体VD4ext単位で免疫したマウスの群と比較して、増強され、(VD4ext4相同性免疫反復配列群に、より広範なエピトープ認識パターンをもたらした(図5C)。単量体構築物で免疫した群では、応答は、TTLNPTIAGエピトープを含有する中央領域に排他的にターゲティングされるのに対し、そのエピトープの上流及び下流の両方で相同性免疫反復配列に暴露される複数のB細胞エピトープによる免疫は、様々なエピトープの多様なエピトープ認識パターンをもたらした。本発明者らは、引き続き、8(SvE VD4ext8(CTH526、配列番号30)の免疫反復配列が、4(SvE VD4ext4より免疫原性であるかどうかを調べた。2つの構築物は、伸長VD4単位及びSvEの細菌表面に対して同様のレベルの抗体を誘導した。
結論
本発明者らは、血清亜型E由来の伸長VD4単位の免疫反復で免疫することによって、力価(図5A及びB)、並びに伸長VD4単位に対して指令される応答の範囲(図5C)の両方として測定される抗体応答を大幅に増強することができ、細菌表面対して強力な反応性をもたらすことができる。反復単位の数を4から8に増加することによる抗体力価及び中和力価の増大は認められなかった。
実施例2:SvD、E、F及びG由来の異種免疫反復単位から構成される構築物(CTH518)は、SvF由来の相同性免疫反復配列と比較して、様々な血清亜型に対する、より強力な応答を誘導した。
序論
本発明者らは、SvD、SvE,SvF及びSvG由来の伸長VD4単位から構成される異種免疫反復配列(CTH518)による免疫が、強力な免疫原性を維持すると共に、SvF(SvF VD4ext4由来の伸長VD4単位から構成される相同性免疫反復配列(CTH529)による免疫と比較して、複数の血清亜型の表面を認識する、より広範な抗体応答を誘導することができるかどうかを調べた。これらの免疫反復構築物は、アジュバントCAF01で製剤化して、マウスをワクチン接種するのに用いた。上記構築物の免疫原性は、血清亜型D、E及びFの細菌表面に対してELISAにより試験した。
結果
異種免疫反復配列は、SvF由来の相同性免疫反復配列について認められた応答と同じ高レベルで、血清亜型F株の表面を認識する抗体応答を促進した。しかし、4つの血清亜型(SvD、SvE,SvF、SvG)由来の伸長VD4領域を含有する異種免疫反復配列での免疫によって、本発明者らは、血清亜型F由来の相同性免疫反復配列と比較して、D及びE血清亜型に対する顕著に増加した力価を観測した。
結論
異種伸長VD4の免疫反復配列から構成される構築物による免疫は、異種免疫反復配列の顕著な免疫原性を維持しながら、複数の血清亜型(D、E及びF)の表面を認識する、より広範な応答を誘導した。
実施例3:(SvEext VD4)4、(SvFext VD4)4及び以前公開されたA8−VD4ペプチド65由来の相同性免疫反復配列から構成される構築物と比較した、血清亜型D、E及びF由来の伸長VD4単位の異種免疫反復配列による免疫後の抗体応答の特異性。
序論
本発明者らは、血清亜型E(SvEextVD4)4(CTH527)、SvF(SvFextVD4)4反復単位(CTH524)及びA8−VD4ペプチド由来の伸長VD4領域から構成される相同性免疫反復配列による免疫と比較して、SvD、SvE、SvF由来の伸長VD4ドメインからなる異種免疫反復配列(CTH89)による免疫後の免疫応答の特異性を調べた。これらの構築物は、アジュバントCAF01で製剤化して、マウスをワクチン接種するのに用いた。構築物の免疫原性は、D、E及びFのVD4領域にまたがるペプチドパネル(長さ9及び20AA)に対してELISAにより試験した(表4〜7)。血清(6〜8匹のマウス)を試験し、バックグラウンドを上回るが、OD=1.0に満たない応答は、白いボックスで、1.0を超える応答は、塗りつぶしたボックスで示す。ボックスの長さは抗体により認識された区域を示す。
結果
全ての構築物が、可変ドメイン(VD)内に位置するVD4extの保存TTLNPTIAG部分に対する高い抗体応答を誘導した。一般に、相同性免疫反復配列により生成された抗体は、その代表的相同性VD4ext領域を認識するのに優れていたが、これらの構築物を、異なる血清亜型由来のVD4extを包含するペプチドに対して試験したところ、そのエピトープ認識は、例えば、構築物(SvFextVD4)4で免疫した動物からの血清による血清亜型E VD4領域の認識(逆の場合も同じ)のように、限定された(図7B及びC)。異種免疫反復配列(CTH89)による免疫後に生成された抗体は、相同性免疫反復配列及びA8−VD4で免疫した動物からの血清より、はるかに広範なエピトープレパトアを認識した(7A、B、C及びD)。この構築物は、相同性免疫反復配列での免疫により達成されたものと同レベル(又はより高レベル)で、血清亜型E及びFの両方を包含するエピトープレパトアをカバーすることができた。
中央のCD4ペプチドFDTTTLNPTIAGAGDVKを呈示する17AAペプチドが、CTH89特異的抗体結合について、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)生物と競合することができるかどうかを明らかにするために、競合中和アッセイを実施した。様々な濃度のCTH89及びA8−VD4特異的血清を濃度20μg/mlでペプチドと混合した(図7D)。結果から、A8−VD4特異的血清とは対照的に、前記ペプチドは、CTH89特異的血清の中和能力を完全には排除することはできなかったが、これは、この血清が、より広範な中和エピトープのレパトアをターゲティングすることを示唆している。
結論
異種伸長VD4の免疫反復配列による免疫は、VD4領域の保存及び血清亜型特異的部分の両方を認識する、広範な応答を誘導したが、これは、より広範な中和エピトープのレパトアに変換される。
実施例4:SvD、SvE及びSvF由来の伸長VD4からなる異種免疫反復配列(CTH89)による免疫は、SvD攻撃後に早期T細胞非依存性防御を生み出す。
序論
VD4反復単位によるワクチン接種後に認められた早期防御の原因であるエフェクター機構を調べるために、CTH89でワクチン接種したマウスから、攻撃の前に、T細胞を欠失させた後、欠失及び非欠失マウスにおいて早期防御を誘導する能力を比較した。
結果
群当たり8匹のマウスを、14日おきに3回免疫した。ワクチン(2×5μg)をCAF01中で乳化した後、sc.及びi.n経路により同時に投与した。最後のワクチン接種から特定の時点で、マウスから採血して、クラミジア(Chlamydia)に対する抗体応答、中和力価、並びにT細胞欠失有り無しの場合のin vivo防御を測定した。T細胞サブセットの欠失は、CTH89に対するT細胞応答を排除した(図8A)。CTH89は、血清亜型Dの表面を認識する(図8C)強力な抗体応答を誘導し(図8B)、約1:10の50%中和力価で、細菌をin vitroで中和することができた(図8D)。しかし、本発明者らは、T細胞欠失マウスでの攻撃から3日後に有意な防御を認めた(図8E)が、これは、クラミジア(Chlamydia)に対する早期防御において、VD4単位を認識する抗体応答のin vivoでの役割を示唆している。最後に、本発明者らは、CTH89血清が、SvDで得られたレベルの非常に高い50%中和力価で、SvE及びSvF感染を中和することもできたことを立証した(図8D)。
結論
免疫反復配列は、血清亜型Dによる膣攻撃に対するT細胞非依存性早期防御を生み出すが、これは、VD4特異的抗体のin vivoでの役割を示唆するものである。
実施例5:CTH89特異的血清によるin vivo中和
序論
in vitro中和を、in vivoでの血清により媒介される防御作用に変換することができるかどうかを調べるために、本発明者らは、続いて、CTH89免疫後に生成された抗体が、ナイーブマウスからの血清と比較して、in vivoで感染を中和/阻害することができるかどうかを調べた。
結果
SvD細菌を、CTH89免疫マウスから単離した血清又はナイーブマウスから単離した血清と混合した。次に、デプロプロベラ(Depro−Provera)処理マウスを4×10細菌で感染させた。CTH89血清をコーティングしたSvDで感染させたマウスは、ナイーブ血清をコーティングしたSVDで攻撃したマウスと比較して、細菌感染を効率的に制御した。7及び10目日に、対照群のそれぞれ2及び3匹に対し、8匹のマウスのうち6匹が浄化された(図9)。
結論
異種VD4免疫反復配列による免疫後に生成された血清は、ナイーブマウスから単離された血清と比較して、SvDによるマウスの感染を効率的に阻止する。
実施例6:組み換えMOMPと異種伸長VD4の免疫反復配列との融合
序論
MOMPは、体液性及び細胞性免疫応答の両方の標的であるが、中和抗体の生成及び感染の防御において再生ネイティブMOMPは比較的成功している54,56にもかかわらず、組み換えMOMP(rMOMP)を基材とする実験的ワクチンは失敗している。本発明者らは、全ての可変ドメインを含む、アミノ酸56〜349の組み換えMOMP(CTH521)を設計した。また、本発明者らは、血清亜型D、E、F及びGの伸長VD4断片を含有するポリペプチド単位(MOMPのVD4可変ドメイン及び隣接する保存フランキング領域を包含する)(CTH518)も選択した。最後に、CTH521をCTH518と融合させたハイブリッド(CT522)も構築した(図10)。
結果
群当たり8匹のマウスを、14日おきに3回免疫した。ワクチンをCAF01中で乳化した後、sc.(5μg)及びi.n.(5μg)経路により同時に投与した。ワクチン接種後に、血液サンプルを採取して、VD4ext単位、組み換えMOMPに対する抗体、及び細菌表面に対する抗体を測定した。CT522及びCT518による免疫後に生成された抗体は、CT521免疫後に単離した血清と比較して、はるかに高いレベルで、VD4領域(図10A)及び細菌表面(図10C)を認識した。さらに、CTH518及びCTH522由来の抗体は、同じレベルで、また、CT521よりはるかに高いレベルで、SvD感染を中和することができた(図10D)。
結論
組み換えMOMPと異種伸長VD4の免疫反復配列との融合により、免疫反復配列単独と同じ機能性抗体を誘発する分子が得られる。
実施例7:SvD由来の単一VD1−VD4単位(CTH87)によるワクチン接種と比較した、SvD、SvE及びSvF由来のVD1ext−VD4ext領域の異種免疫反復配列(CTH88)によるワクチン接種
序論
本発明者らは、次に、別のVD領域を伸長VD4領域に融合させて、中和抗体を誘導する能力を依然として維持できるかどうかを調べた。従って、VD1領域の伸長形態を伸長VD4領域に結合した構築物を設計した。本発明者らは、SvD由来のVD1及びVD4の伸長単位からなる相同性単位(CTH87)と、異なる血清亜型(D、E及びF;CTH88)由来のVD1及びVD4の伸長単位からなる異種免疫反復配列の両方を作製した。
結果
群当たり12匹のマウスを、14日おきに3回免疫した。ワクチンをCAF01中で乳化した後、sc.(5μg)及びi.n.(5μg)経路により同時に投与した。CTH87で免疫したマウスからの抗体は、SvD、SvE及びSvFの何れの細菌表面も認識し(図11A);最も高い力価は、相同性SvD株に対して、最も低い力価は、最も遠位のSvFに対して得られた。異種VD1ext−VD4ext単位の免疫反復配列での免疫の結果、単量体構築物と比較し、細菌の表面に対して有意に高いレベルの抗体が生成されるとともに、応答の範囲が広がり、これによって、力価が、SvD及びSvEに対して6から12倍、SvFに対してほぼ25倍増加した(図11A)。1:2000の中和力価を有する異種VD1−VD4免疫反復配列構築物と比較して、血清亜型D由来の単量体VD1ext−VD4ext構築物で免疫した動物からの血清は、ごくわずかな中和力価しか呈示しなかったことから、in vitro中和アッセイにおいて感染を中和するこれらの抗体の能力は、さらに向上した(図11B)。最後に、異種VD1ext−VD4ext免疫反復配列構築物によるワクチン接種は、膣攻撃モデルにおいてSvD攻撃から非常に効率的に防御した(図11C)。
結論
本発明者らは、血清亜型D、E及びF由来の異種VD1ext−VD4ext単位の免疫反復配列での免疫により、これら3つの免疫変異体全ての細菌表面に対して指令される抗体応答を大幅に増強できることを立証した。重要なことには、本発明者らは、異種免疫反復配列でのワクチン接種によって、血清亜型F表面認識のより高い選択的増大(血清亜型D及びEの6〜12倍に対して25倍)が認められることも明らかにし、これは、異種免疫反復配列が、共有エピトープに対してだけではなく、血清亜型F特異的エピトープに対しても抗体レベルを増大することを示唆している。本発明者らは、ScD由来の単一VD1−VD4単位(CTH87)と比較して、異種VD1−VD4の免疫反復配列(CTH88)で誘導された抗体は、早期in vivo防御をもたらすin vitro中和力価を生み出したことを立証した(図11C)。
実施例8:T細胞抗原とVD4の免疫反復配列の結合
序論
クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)に対する効率的な防御免疫応答において、CMI成分が必要であることは一般に認識されているため、本発明者らは、次に、異種免疫反復配列を、ワクチンの可能性を有するT細胞抗原に融合できるかどうかを調べた。本発明者らの目的は、Ctに対する早期抗体媒介性防御と、残留生物の効率的CMI媒介クリアランスの両方を提供することであった。CT043と、CT414及びCT681の一部から構成される構築物を異種VD1−VD4の免疫反復配列(CTH91)に融合した。
結果
群当たり12匹のマウスを、14日おきに3回免疫した。ワクチン(2×5μg)をCAF01中で乳化した後、sc.及びi.n経路により同時に投与した。最後のワクチン接種から特定の時点で、マウスから採血して、抗体応答及び中和力価を測定した。CTH91及びCTH88による免疫後に生成された抗体は、同様のレベルでVD4ext領域を認識し(図12A)、両群から単離した血清は、SvD感染を中和することができた(図12B)。CTH88で免疫したマウスと比較して、CTH91に対するT細胞応答は、CT414及びCT043の何れの認識についても、より強力であった(図12C)。このT及びB細胞応答によって、両群の感染から3日後、有意な防御が起こったが、感染から7及び10日後では、融合したT及びB細胞標的(CTH91)でワクチン接種した群は、CTH88と比較して、より高レベルの防御を誘導した(図12D)。
結論
本発明者らは、T細胞抗原を反復VD領域と融合させて、早期防御を誘導する能力を依然として維持することができた。さらに、これらの構築物は、残留生物の効率的なCMI媒介性クリアランスを誘導し、感染から7日後に高レベルの防御を達成した。
実施例9:異種VD4免疫反復配列とT細胞抗原融合分子のカクテルによる免疫
序論
次に、本発明者らは、免疫反復配列を、ワクチンの可能性を有するT細胞抗原に融合して、Ctに対する早期抗体媒介性防御と、残留生物の効率的なCMI媒介性クリアランスの両方を依然としてもたらすことができるかどうかを調べた。従って、本発明者らは、CT043と、CT414の一部及びCT681から構成される強力なT細胞ハイブリッド(CTH93)をCTH89と混合して(図13A)、SvD細菌をin vitroで中和するとともに、膣攻撃に対する早期防御を誘導する能力を依然として維持することができるかどうかを調べた。
結果
群当たり12匹のマウスを、14日おきに3回免疫した。ワクチン(2×5μg)をCAF01中で乳化した後、皮下(sc)及び鼻内(i.n)経路により同時に投与した(図13)。CTH89又はCTH89とCTH93との混合物による免疫後に生成された抗体は、VD4領域を強度に認識し(図13B)、同様の50%中和力価で細菌を中和した(図13C)。T細胞抗原融合物(CTH93、図13D)による免疫後、この分子も、MOMP(CT681)を含有するため、同じ中和エピトープを含む可能性もあるが、はるかに低いレベルのVD4認識及び中和が観測された。また、この分子がもたらしたTTLNPTIAGエピトープの認識も非常に低かった(データは示していない)。このことは、以前報告されているように、中和抗体の誘導のためのワクチン抗原としての、フルサイズ組み換えMOMPの限界をはっきりと示している。CTH89並びにCTH89及びCTH93ワクチンのカクテルは何れも、感染から3日後に防御を誘導した(図13E)。これは、感染から3日後に有意な防御を全く誘導しなかったCTH93でワクチン接種したマウスとは対照的であった。感染から7日後に、強力なT細胞標的(CTH93)を含むワクチンは何れも、有意なレベルの防御を誘導した(図13D及びE)。
結論
本発明者らは、in vitro中和及び血清亜型D攻撃に対するin vivo保護の喪失なしに、異種VD4反復配列を強力なT細胞抗原と混合することができた。さらに、B及びT細胞標的の混合物は、残留生物の効率的なCMI媒介クリアランスを誘導し、感染から7日後に高レベルの防御をもたらした。
実施例10:様々なアジュバント系の効果の試験
序論
異種免疫反復配列に対する高い抗体応答が、CAF01を用いてワクチンを投与したときだけに認められるのかどうかを調べるために、本発明者らは、CAF01又はミョウバン中のCTH527(SvE VD4ext4による免疫後に抗体応答及び免疫力価を比較した。
結果
何れのアジュバント系も、CTH527と一緒に投与したとき、SvEの表面に対する高い抗体応答を誘導し、両群からの抗体は、SvEをin vitroで中和することができた(図14)。
実施例11:SvD、SvE、SvF及びSvG由来の短い長さのVD4ext領域から構成される異種免疫反復配列によるワクチン接種
序論
本発明者らは、次に、CTH518構築物(CTH518配列番号53)と比較して、短い長さのVD4領域から構成される異種免疫反復配列構築物(CTH285配列番号69及びCTH286配列番号70)を比較した(図15A)。
結果
群当たり4匹のマウスを、14日おきに3回免疫した。ワクチンをCAF01中で乳化した後、皮下(sc、5μg)及び鼻内(i.n、5μg)経路により同時に投与した。群当たり4匹のマウスからの脾細胞を単離し、VD4ext領域を呈示するオーバーラップペプチドに対するT細胞応答(図15B)と、血清亜型D及びF感染を中和する血清の能力(図15C)を調べた。様々な血清亜型からのVD4ext領域が、38aa短縮されたCTH285によるワクチン接種後に、はるかに低いレベルのVD4T細胞認識、及び中和が認められた。これに対し、CTH286(各VD4ext領域は、24aa短縮)は、同様のレベルのT細胞応答を誘導し、血清亜型D感染を中和する、CTH518と同じ能力を有した。
結論
本発明者らは、VD4ext領域の長さを38aa短縮することにより、T細胞応答と血清亜型D及びF感染を中和する能力の両方が低減されることを立証した。
実施例12:SvD、SvE、SvF、SvG、SvIa及びSvJ由来の伸長VD4ext領域から構成される異種免疫反復配列によるワクチン接種
序論
本発明者らは、次に、VD4ext領域の長さを伸長することにより、免疫配列構築物に対するT細胞応答を増強することができるかどうかを調べた。2つの構築物CTH69(配列番号47)及びCTH72(配列番号48)を設計した。CTH69は、CTH88と類似しているが、SvD、SvE及びSvF由来のVD4ext領域を、N末端側で12aaだけ伸長した(図16B)。CTH72はまた、SvG、SvIa及びSvJ由来のVD1及びVD4ext領域も含有した。
結果
マウスを14日おきに3回免疫した。ワクチンをCAF01中で乳化した後、皮下(sc、5μg)及び鼻内(i.n、5μg)経路により同時に投与した。免疫に用いた抗原に対するT細胞応答、及び様々な血清亜型由来のVD1及びVD4領域を呈示するペプチドプールに対するT細胞応答を調べた(図16)。VD4ext領域を伸長すると、CTH88で得られたT細胞応答(<20.000pg/ml)と比較して、有意な、より高いT細胞応答(>40.000pg/ml)を誘導した(図16B)。重要なことには、伸長した構築物は何れも、血清亜型D感染を依然としてin vitroで中和することができた(図16C)。ワクチンの防御効果を比較すると、CTH69及びCTH72は、感染から7日後に有意なレベルの防御を誘導し、その理由は、恐らく、CTH88と比較して、これらのワクチンにより誘導されたより強力なT細胞応答によって説明することができよう(図16D)。
結論
VD4ext領域の伸長は、感染から7日後に防御の増強をもたらすCTH88と比較して、T細胞応答を増強した。
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Claims (29)

  1. a)クラミジア種(Chlamydia sp.)の血清型に発現される同じ外膜タンパク質の1つ又は複数の表面露出断片を含むアミノ酸配列;及び
    b)a)に定義したのと同じ配列か、又はa)の前記血清型とは異なるクラミジア種(Chlamydia sp.)の血清型に発現される前記外膜タンパク質の変異型由来の対応する表面露出断片の何れかである2つ以上の別のアミノ酸配列
    を含むことを特徴とするポリペプチド。
  2. 請求項1に記載のポリポリペプチドにおいて、3つ以上の異なるアミノ酸配列を含み、前記アミノ酸配列が各々、様々なクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型によって異なる、同じ外膜タンパク質の様々な変異型からの1つ又は複数の表面露出断片を含み、前記アミノ酸配列が、同じクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型に由来することを特徴とするポリペプチド。
  3. 請求項1に記載のポリペプチドにおいて、アミノ酸配列の3回以上の反復を含み、前記アミノ酸配列が、様々なクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型によって異なる、同じ外膜タンパク質の1つ又は複数の表面露出断片を含み、前記アミノ酸配列が、同じクラミジア種(Chlamydia sp.)血清型に由来することを特徴とするポリペプチド。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載のポリペプチドにおいて、前記外膜タンパク質が、任意の血清型由来のMOMPであることを特徴とするポリペプチド。
  5. 請求項4に記載のポリペプチドにおいて、前記外膜タンパク質が、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)又は肺炎クラミジア(C.pneumoniae)の血清型D、E、F、G、Ia若しくはJ由来のMOMPであることを特徴とするポリペプチド。
  6. 請求項4又は5に記載のポリペプチドにおいて、MOMPの可変ドメイン1、2、3、4の1つ又は複数を含むことを特徴とするポリペプチド。
  7. 請求項6に記載のポリペプチドにおいて、前記アミノ酸配列が、任意選択で直線化されることを特徴とするポリペプチド。
  8. 請求項6又は7に記載のポリペプチドにおいて、MOMPの前記可変ドメイン4(VD4)を含む前記アミノ酸配列が、互いに隣接して配置されるか、又はリンカーで隔てられることを特徴とするポリペプチド。
  9. 請求項8に記載のポリペプチドにおいて、式I:
    xx−VD4−xx(式I)
    (式中、
    VD4は、配列番号15〜20又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
    xxは、
    i)アミノ酸配列
    EWQASLALSYRLNMFTPYIGVKWSRASFDADTIRIAQPK(配列番号21)、又は
    ii)i)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜38個のアミノ酸残基を含み、i)の前記アミノ酸配列においてC末端のKで開始するサブ配列
    から構成され、
    xxは、
    iii)アミノ酸配列
    DTMQIVSLQLNKMKSRKSCGIAVGTTIVDA(配列番号22)、又は
    vi)iii)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜29個のアミノ酸残基を含み、iii)の前記アミノ酸配列においてN末端のDで開始するサブ配列
    から構成される)
    で定義されるアミノ酸配列を含むことを特徴とするポリペプチド。
  10. 請求項8又は9に記載のポリペプチドにおいて、前記配列が、配列番号23〜28、49〜59から選択されることを特徴とするポリペプチド。
  11. 請求項1乃至10の何れか1項に記載のポリペプチドにおいて、MOMPの前記可変ドメイン1(VD1)を含む断片をさらに含み、MOMPのVD1を含む前記アミノ酸配列が、互いに隣接して配置されるか、又はリンカーで隔てられることを特徴とするポリペプチド。
  12. 請求項11に記載のポリペプチドにおいて、式II:
    yy−VD1−yy(式II)
    (式中、
    VD1は、配列番号1〜6又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
    yyは、
    v)アミノ酸配列
    DAISMRVGYYGDFVFDRVLKTDVNKEFQMG 配列番号7)、又は
    vi)v)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜30個のアミノ酸残基を含み、v)の前記アミノ酸配列においてC末端のGで開始するサブ配列
    から構成され、
    yyは、
    vii)アミノ酸配列NPAYGRHMQDAEMFTNAA(配列番号8)、又は
    viii)vii)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜18個のアミノ酸残基を含み、vii)の前記アミノ酸配列においてN末端のNで開始するサブ配列
    から構成される)
    で定義されるアミノ酸配列を含むことを特徴とするポリペプチド。
  13. 請求項11又は12に記載のポリペプチドにおいて、前記配列が、配列番号9〜14、45〜48から選択されることを特徴とするポリペプチド。
  14. 請求項1乃至13の何れか1項に記載のポリペプチドにおいて、MOMPの前記可変ドメイン2(VD2)を含む断片をさらに含み、前記アミノ酸配列が、互いに隣接して配置されるか、又はリンカーで隔てられることを特徴とするポリペプチド。
  15. 請求項14に記載のポリペプチドにおいて、式III:
    zz−VD2−zz(式III)
    (式中、
    VD2は、配列番号29〜34又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
    zzは、
    ix)アミノ酸配列TLGATSGYLKGNSASFNLVGLFG(配列番号35)、又は
    x)ix)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜23個のアミノ酸残基を含み、ix)の前記アミノ酸配列においてC末端のGで開始するサブ配列
    から構成され、
    zzは、
    xi)アミノ酸配列VVELYTDTTFAWSVGARAALWE(配列番号36)、又は
    xii)xi)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜22個のアミノ酸残基を含み、xi)の前記アミノ酸配列においてN末端のVで開始するサブ配列
    から構成される)
    で定義されるアミノ酸配列を含むことを特徴とするポリペプチド。
  16. 請求項1乃至15の何れか1項に記載のポリペプチドにおいて、MOMPの前記可変ドメイン3(VD3)を含む断片をさらに含み、MOMPのVD3を含む前記アミノ酸配列が、互いに隣接して配置されるか、又はリンカーで隔てられることを特徴とするポリペプチド。
  17. 請求項16に記載のポリペプチドにおいて、式IV:
    qq−VD3−qq(式IV)
    (式中、
    VD3は、配列番号37〜42又はこれらと少なくとも80%の配列同一性を有するアミノ酸配列から独立に選択され、
    qqは、
    xiii)アミノ酸配列
    ATLGASFQYAQSKPKVEELNVLCNAAEFTINKPKGYVG(配列番号43)、又は
    xiv)xiii)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜22個のアミノ酸残基を含み、xiii)の前記アミノ酸配列においてC末端のGで開始するサブ配列
    から構成され、
    qqは、
    xv)アミノ酸配列
    TGTKDASIDYHEWQASLALSYRLNMFTPYIGVKWS(配列番号44)、又は
    xvi)xv)の前記アミノ酸配列のサブ配列であって、1〜35個のアミノ酸残基を含み、xv)の前記アミノ酸配列においてN末端のTで開始するサブ配列
    から構成される)
    で定義されるアミノ酸配列を含むことを特徴とするポリペプチド。
  18. 請求項1乃至17の何れか1項に記載のポリペプチドにおいて、組み換えにより生成された場合に前記ポリペプチドの輸送を促進する部分(例えば、シグナルペプチド)、前記融合タンパク質の精製を容易にする部分(例えば、hisタグ)及び/又は免疫原性を増強する部分(例えば、T細胞抗原)をさらに含むことを特徴とするポリペプチド。
  19. 請求項18に記載のポリペプチドにおいて、免疫原性のエンハンサーが、CT043、CT004、CT414、CT681又はその部分などのCt抗原から選択される別のT細胞標的であることを特徴とするポリペプチド。
  20. 請求項19に記載のポリペプチドにおいて、前記配列が、配列番号60〜68から選択されることを特徴とするポリペプチド。
  21. 請求項1乃至20の何れか1項に記載のポリペプチドにおいて、前記ポリペプチドが、
    a)異種免疫反復配列を投与することを含む実験セットアップで試験したとき、10−3以下の50%中和力価で、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)血清亜型Dをin vitroで中和する能力、
    b)異種免疫反復配列を投与することを含むマウスモデルで試験したとき、感染から7日後に、マウスの少なくとも50%において、クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)血清亜型Dをin vivoで中和する能力、
    c)異種免疫反復配列を投与したとき、免疫応答をクラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)の複数の血清亜型にin vitroで拡大する能力
    を有することを特徴とするポリペプチド。
  22. 請求項1乃至21の何れか1項に記載のポリペプチドをコード化することを特徴とする核酸。
  23. 請求項1乃至21の何れか1項に記載のポリペプチド又は請求項22に記載の核酸を含むことを特徴とする医薬組成物。
  24. 請求項23に記載の医薬組成物において、化合物が、ワクチンであることを特徴とする医薬組成物。
  25. 請求項24に記載の医薬組成物において、薬理的に許容される担体、賦形剤、アジュバント又は免疫モジュレータをさらに含むことを特徴とする医薬組成物。
  26. 請求項25に記載の医薬組成物において、前記アジュバントが、DDA/TDB又はミョウバンであることを特徴とする医薬組成物。
  27. 請求項25に記載の医薬組成物において、前記担体が、ウイルス様粒子であることを特徴とする医薬組成物。
  28. 請求項23乃至27に記載の医薬組成物において、クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)又は肺炎クラミジア(C.pneumoniae)による感染症などのクラミジア種(Chlamydia sp.)感染症に対する予防又は治療に使用するためのものであることを特徴とする医薬組成物。
  29. クラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)及び肺炎クラミジア(C.pneumoniae)による感染症などのクラミジア種(Chlamydia sp.)感染症を予防、治療及び/又はその発生数を低減するための方法において、請求項28に記載の医薬組成物を投与するステップを含むことを特徴とする方法。
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