JP2016513955A - バイオマスからポリヒドロキシアルカノエートを抽出するためのプロセス - Google Patents

バイオマスからポリヒドロキシアルカノエートを抽出するためのプロセス Download PDF

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Abstract

工業規模のバッチ又は半連続バッチのPHA抽出プロセスであって、同プロセスでは、プロセス動作条件及び制御は実際的なベンチスケール評価に基づいて、より好ましくは、バイオマス品質の較正された計量化学的評価によってバッチ間変動に対して量的に調整され得る。調整は、プロセス溶媒及びPHAのタイプに相応するバイオマスローディング条件の選択を含む。バッチ動作時間及び温度は、モデル化され監視された抽出反応速度に整合させられる。PHAに富む溶媒のゲル化は、PHAに富む溶媒のゲル形成を制御することによって利用される。組み合わせにおいて、プロセス全体の経済性を改善することができるのと同時に、堅牢で一貫した回収された生成物の品質制御を可能にするプロセスが開示される。

Description

本開示は、全体的に、バイオマスからのポリヒドロキシアルカノエート(PHA)の抽出及び回収に関する。
今日のプラスチックは、主に石油化学源から製造される。それにもかかわらず、天然資源の利用可能性と、自然の中でのプラスチック廃棄物の蓄積とに関する高まる懸念は、石油化学系プラスチックを「バイオプラスチック」で置き換えることに焦点を当てた研究及び開発の絶えず成長を続ける量に動機を与えている。プラスチック材料は、生物由来、生分解性、又はこれらの特性の両方を備えている場合、バイオプラスチックとして定義される。
ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)は、多種多様な天然起源の微生物において細胞内顆粒として蓄積する生物由来ポリエステルのクラスを表す。PHAを製造する方法は、特にPHAを製造するための純粋な細菌又は植物培養菌を増殖させることを含むことができる。PHAは、環境保護及び公害防止のニーズを満たす生物学的廃棄物処理プロセスで製造されるバイオマスの開放型混合培養物から回収することもできる。
PHAは、現在、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、及びポリエチレンに基づいている現代のプラスチックにおいて代用ポリマーとして利用することができるポリエステルである。PHAは、PHAが二酸化炭素及び水に完全に生分解することができ、PHAが一般に生体適合性材料であるという事実に部分的に起因して、従来の化石燃料ベースのポリマーとは異なる特殊な用途でさらなる有用性を有する。PHAベースのプラスチックは、したがって、生物由来及び生分解性の両方であり得るバイオプラスチックである。PHAのファミリの中で、硬い弾性からよりゴム状までに及ぶ広い範囲の機械的特性が可能である。したがって、それらは、今日の商業的使用で普遍的な多くの非生物由来、非生分解性ポリマーと同様の工業材料特性を示すことができる。
PHAは、PHAに富むバイオマスを含む原材料から発生させ、抽出することができる。これらのPHAに富むバイオマスは、例えば、任意の数のソースから精製所に送達することができる。一般的なソースは、生物学的廃水処理プラントを含み、そこでは、水及び汚泥中に見られる有機炭素残留物が、PHAに富むバイオマスをもたらすために、余剰バイオマスによって変換され得る。PHAに富むバイオマスのそのようなバッチは、しばしば、乾燥重量の少なくとも35%、しかし、好ましくは40%よりも多く、最も好ましくは50%よりも多くを、ポリヒドロキシアルカノエートのホモポリマー、コポリマー、又はコポリマーブレンドとして含む。精製所が直面する1つの課題は、送達されるPHAに富むバイオマスのバッチ間の変動に適応することである。
限定はしないが、前記バッチ間の変動は、バイオマス中のPHA含有量、バイオマス中のPHAの熱安定性、PHAのタイプ、バイオマス中のPHAの平均分子量、非PHAバイオマス品質に関する可能性がある。したがって、バイオマスは、PHA抽出プロセスのために調製されるべきである。例えば、一実施形態では、バイオマスは、バイオマス中のPHAの熱安定性が270℃よりも高い熱分解温度によって測定されるように高くなるように調製され得る。他の実施形態では、調製は、バイオマスの乾燥の基準を達成することと、抽出の方法及びプロセス、並びに、回収プロセスに関する最高の可能な生産性のニーズ及び利益の両方と両立する粒子サイズを有する乾燥バイオマスを提供することとを含むことができる。集中化した精製所に送達されるPHAに富むバイオマスのバッチ間の品質が変化するとすれば、集中化した精製所が、狭い良好に制御された境界内に定義された品質を有する生成物としてPHAを製造しながら、広い程度の投入原材料変動に適応することを可能にする必要性がある。そのような必要性は、バイオマス中のPHAの評価に関する問題と、良好なゲル形成のためのバッチプロセスにロードする最大の可能なPHAに富むバイオマス、並びに、全体的な最適に利用可能なプロセスの生産性及び経済性を維持しながら、分子質量において一貫した品質の生成物を送達するためにバッチ間の固有のPHA回収条件を調製する問題とを伴うので、容易に対処されない。PHAの広く普及した利用を妨げてきた一般的に報告されているハードルは、PHAに富むバイオマス生産のための精製された供給原料のコスト、純粋培養システムのための滅菌のエネルギーのコスト、そうでなければ、バイオマスからの精製されたPHAの抽出及び回収のコストのいずれかによる生産コストである。供給原料の削減は、廃水及び汚泥内に見られる有機物残渣の使用によって実現可能であることが示されている。滅菌コストは、開放混合培養プロセスにおいて生態学的な選択圧を適用する技術によって回避され得ることが示されている。PHA生産コストを削減するためのこれらの上流のアプローチにもかかわらず、抽出及び回収のためのコストの下流の負担は、報告された進行中の課題のままである。
追加のハードルは、バイオマスからPHAを抽出することに関して生じる。バイオマスからPHAを抽出するための最も容易に用いられ得る方法は、1つ又は複数の溶媒と、より具体的には塩素系溶媒とを使用することである。しかしながら、塩素系溶媒の使用を回避すべき場合、いわゆるPHA貧溶媒を用いることができる。PHA貧溶媒は、溶媒又は溶媒混合物として定義することができる。これらのPHA貧溶媒は、PHAに富むバイオマス及び溶媒が混合され、少なくとも、溶媒沸点よりも上であってもそうでなくてもよい経験的に定義可能な温度閾値に加熱されると、PHAに富む溶液を形成するためにバイオマスからPHAを抽出し始めることになる。
一般的に、PHA貧溶媒でPHAを抽出するための温度の範囲は、100〜160℃の間である。より高い温度は、一般に、より結晶性のPHAを溶解するためにより適切である。結晶化度の程度は、バイオマス中のPHAの処理履歴によって影響され得る。結晶化の可能性の程度もまた、例えば、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)と、3−ヒドロキシブチレート及び3−ヒドロキシバレレート(PHBV)のコポリマーのブレンドとを含む、一般的に製造される種類のPHAを含む、コポリマーのタイプによって影響され得る。
高温でのPHA抽出の1つの課題は、回収プロセスの間に起こるポリマー分解を回避する、又は、少なくともその程度を最小にすることである。WO2012/022998A1は、高められた抽出温度での減少した分子量分解速度の結果によりPHA回収を可能にするためにバイオマス中のPHAの安定性が強化される方法又はプロセスを記載している。しかしながら、WO2012/022998A1の方法によるPHAに富むバイオマス中のポリマーの安定性を改善することは、高温での抽出プロセスの間に続いて起こり得る化学反応のすべての形態を妨げない可能性がある。ポリマーの分解は、一般的に、反応物の濃度及び温度に依存する速度で、溶液中であっても(より少ない程度であるが)生じる可能性がある。溶媒中に溶解されたポリマーの量と、溶解された非PHAバイオマス成分の量の両方は、ポリマー鎖切断反応を促進させる反応体のプールに寄与する可能性がある。
さらに、いくつかのPHA貧溶媒に関して、PHAが溶液中に抽出された後、ポリマーは、ゆるい結晶ネットワークを形成する傾向があり、それによって、PHAに富む溶媒溶液が抽出温度から冷却されるにつれて、物理ゲルを形成する傾向がある。PHA貧溶媒による物理ゲルを形成する傾向は、認識されている(米国特許第6,087,471号)。PHAの低い熱安定性の歴史的な経験により、そのようなゲルは、PHAを形成するプロセスにおいて文献(米国特許4,360,488号)中に考慮されており、それによってより高い処理温度が回避され得る。それにもかかわらず、物理ゲルの形成は、バイオマスからのPHA抽出の方法又はプロセスの一般的な欠点と考えられてきた。米国特許第7,226,765号は、ゲル形成を回避又は最小化する、細菌及び植物からPHAを抽出するための溶媒抽出プロセスを開示している。米国特許第6,087,471号は、さらに、高温高圧でのPHA溶媒抽出プロセスを記載しており、さらにこのプロセスは、報告されている望ましくないゲル形成を回避するために最適化される。結果として、当該技術分野における支配的な方法は、PHAに富む溶液が冷却される溶液抽出プロセスとして記載されており、方法は、沈殿物を形成し、一般にPHAに富むゲルの形成を回避するために適用される。
現在の沈殿方法は、しかしながら、様々な問題によって妨げられる。例えば、沈殿を達成するために使用される1つの方法は、非溶媒をPHAに富む溶液に添加することである。そのような実行は、溶媒のリサイクル及び回収を複雑にする可能性がある。物理ゲルでなく沈殿物を形成するように設計された第2の報告された方法は、ゲルネットワークが容易に又は広範囲に形成され得ない、より希釈したPHAに富む溶液の条件を選択することである。そのような実行は、溶液の消費を増加させ、生成物回収容積生産性を低下させる。したがって、報告された強化されたプロセスにもかかわらず、バイオマスからPHAを抽出するための方法の改善が望まれたままである。
混合培養から成るバイオマス内で生成されたPHAの工業的規模の回収に固有の挑戦は、以前には報告されていない。そのようなPHAの回収のための工業的規模の施設は、今日存在しない。PHA蓄積のための能力を有し、プロセス及び廃水の生物学的処理の一部として生成される活性汚泥は、そのような混合培養の一例である。異なる排水処理施設からPHAに富む活性汚泥のバッチを受ける精製所は、(汚泥滞留時間のような)バイオプロセス動作条件、廃水品質、及び、バイオマス中にPHAを蓄積するために使用される供給原料のようなものによって影響されるソース依存の特性を有する可能性がある。
商業的用途でPHAを使用する取引に関与するものは、一般的に、ポリマー樹脂の特性のバッチ間の変動性について訴えている。原材料としての類似の由来のポリマー樹脂の異なるバッチは、例えば、平均分子量において有意に異なる可能性があるのが一般的である。一貫性のある製品品質は、主に、排他的にではないが、制御された回収された製品の平均分子量及び純度を指す。一般的に、製品品質のばらつきを制御するために、改善の必要性がさらに存在する。さらに、PHAに富む混合培養バイオマスを扱うPHA回収精製所に入ってくる材料のバッチ間変動を吸収する特定の課題は、したがって、PHA回収の経済性を信頼できる製品品質保証の要求と釣り合わせる実行可能な営業運転を達成に向けて非常により重要なものであると理解される。
本明細書の本開示は、混合培養バイオマスからPHAを回収するための方法に関する。一実施形態では、粒状のPHAに富むバイオマスが調製され、PHA貧溶媒と混合される。PHAは、PHA貧溶媒中に溶解し、PHAに富む溶媒を生成するために、PHAがPHA含有バイオマスから抽出されることを可能にする。この抽出の間に、温度は、少なくとも15分間、好ましくは1時間未満、より好ましくは2時間未満、平均して、TL15とTU15 との間に維持される。PHAに富む溶媒は、抽出後、残留バイオマスから分離される。そのような分離は、ゲル化を防ぐために、PHAに富む溶媒の温度及び/又はせん断応力を維持しながら生じてもよい。PHAに富む溶媒は、ゲル化の場所に移送され得る。移送の間、温度及び/又はせん断応力は、ゲル化を防ぐために維持される。PHAに富む溶媒は、ゲルに促進される。そのような促進は、PHAに富む溶媒をゲル化温度以下の温度に冷却することによって起こり得る。溶媒は、次いで、PHAに富む溶媒ゲルから遠方に押される。
別の実施形態では、バイオマスは、反応器に導かれ、溶媒と混合される。溶媒は、反応器内のバイオマスと共に加熱される。PHAは、PHAを溶媒中に溶解することによって、PHA含有バイオマスから抽出される。これにより、PHAに富む溶媒が形成される。PHAに富む溶媒は、反応器から導管を通って分離器の場所に移送される。導管の第1の区間では、PHAに富む溶媒は、ゲル化を防止する温度に維持される。導管の第2の区間では、PHAに富む溶媒は、PHAに富む溶媒ゲルを形成するために冷却される。PHA分離器の場所では、PHAに富むゲルは、PHAに富む溶媒ゲルから溶媒を除去するために、機械的に押圧される。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、0.1mm〜4mmの範囲の平均粒子サイズを有するように顆粒化され得る(例4)。この粒度範囲は、良好な抽出効率を有するように管理し続けながら、より容易な溶媒−バイオマス分離を維持することと、合理的な抽出反応速度との間で釣り合わせることを可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、バイオマス中のPHAの化学的安定性は、必要に応じて、予備抽出ステップ(例7)によって増強することができ、それによって、バイオマスは、より低いPHA抽出温度限界(T〜例3)未満の温度でも、PHA貧溶媒で抽出される。このより低いPHA抽出温度は、一般的に、溶媒、PHAのタイプ、及びバイオマスに依存し、本明細書で開示したもののような方法によって実際に評価され得る(例3)。限定はしないが、我々は、15分の等温抽出が溶媒中に溶解したポリマーの無視し得る質量を生じる温度としてTL15を定義している。予備抽出溶媒は、バイオマスから分離され、バイオマスは、PHA貧溶媒に再配置され、それによって、PHA含有バイオマスからのPHAは、TL15よりも高い温度で溶媒中に溶解する。T(例3)との類似で、我々は、また、例として、バイオマス中の実質的にすべてのPHAを溶媒中にもたらす15分の等温抽出の温度として、上方抽出温度(TU15)を定義する。温度範囲は、多数の要因により、実施形態と異なってもよい。例えば、我々は、PHBに富むバイオマスを用いるいくつかの実施形態に関して、抽出温度範囲は、119〜150℃のTL15からTU15までであり得ることを見出した。試験的規模で生成され、3ヒドロキシバレレート(PHBV)と3ヒドロキシブチレートのコポリマー混合物を含み、0.71〜2mmの間の粒度範囲を有する異なるバイオマスに関して、TL15〜TU15の温度範囲は、78〜195℃の間であり得る。同じ試験的システムを使用するさらに別の例では、PHBVに富むバイオマスが生成され、0.71から2mmの間の粒子サイズに顆粒化され、63〜175℃のTL15〜TU15の温度範囲を有していた3ヒドロキシバレレートとのより大きい程度のコポリマーに含められた。バッチ間変動により、PHA回収のための時間及び/又は温度の抽出条件は、本明細書に提示する方法及び実施形態にしたがって、系統的に変更され得る。いくつかの実施形態では、抽出時間は、最小限に保たれ、PHAに富む溶液を生成するためにPHAをPHA貧溶媒に溶解するための時間は、本明細書に記載のもののような1つ又は複数のオンライン監視技術を使用して、抽出ステップの間、溶媒中のPHA濃度を予測する、より好ましくは直接又は間接的に測定することによって決定される(例10)。例えば、抽出時間は、予測モデリングの手段によって任意の所与の温度サイクルに関する第1の事例で推定され得る(例3)。いくつかの実施形態では、実験室で導出された反応速度定数に基づく理論モデルは、スケールアップした設備のそれぞれの実施態様での実際の状況による経験に基づいて、実際により定量的に代表的になるように、洗練され、補正され得る(例8及び9)。本明細書で使用するとき、より代表的には、実験室規模で達成されるものほど良好ではない可能性がある、スケールアップしたプロセスの質量輸送効率を考慮したモデル補正を指す。
いくつかの実施形態では、抽出温度よりも低い沸点を有するPHA貧溶媒に関して、PHAに富む溶液を生成している間、沸騰するのを避けるために、抽出容器は、一般的に閉じることができる。好ましくは、ゲル化を発生することなく、溶液を維持するように、温度及び/又は混合せん断応力の条件を維持することによって、PHAに富む溶液をシステムの外に配置して、PHAに富む溶液は、バイオマスから分離することができる(例11)。混合して、又は混合せずに冷却することによって、出たPHAに富む溶液のゲル化は、戦略的に配置することができ、PHAは、ゲルを機械的に結合し、それによって溶媒滲出を強制することによって、得られたゲルから容易に回収することができる。
PHAに富むバイオマスによる溶媒ローディングの程度は、いくつかの実施形態では、分子量減少速度に影響を与える可能性がある。この減少速度は、抽出の間に続いて起こるポリマー鎖切断反応の平均数に基づいて表すことができる(例8)。バイオマス中のPHAの分子量の情報(例5)、及び、抽出されたポリマー品質に関する基準における特定の要求を与えると、抽出の間の許容し得る切断の最大数を超えない動作パラメータを確立することができる。例えば、抽出プロセスに対するバイオマスによる溶媒ローディングは、いくつかの実施形態では、重要な動作パラメータである。この制約は、生成物の分子量の品質基準を満たすPHAを回収する目的に関している。したがって、PHAのタイプ及びバイオマスの特性は、PHA抽出に関する時間及び温度の動作条件に影響を与える可能性があるが、バイオマス中のPHAの分子量、及び、抽出の間のバイオマスによるPHAの化学的安定性は、特定のPHAに富むバイオマスバッチに適用され得る最大PHA溶媒ローディングを決定する可能性がある。一般的に、100g−PHA/L未満の溶媒ローディングが、これらの種類の抽出プロセスに関して期待される。いくつかの実施形態では、より高い抽出ローディングを可能にする、又は、回収されるポリマーの特性を他の方法で操作する目的で、プロセスへの添加物を、プロセスの様々な段階で取り込むことができる(例6)。例えば、ポリマー分解の結果として生じる切断率の低下により、後続のPHA抽出ステップに関する溶媒中のバイオマスのより大きいローディングを可能にするために、溶媒可溶性非PHAバイオマスの予備抽出を用いることができる(例7)。抽出するためのバイオマスの増加したローディングは、今度は、増加した抽出容量生産性を可能にすることができる。より高い分子量のより高いPHAに富む溶液の濃度は、改善されたゲル特性を促進させることができる。改善されたゲル特性は、ゲルからのより大きい程度の溶媒滲出を提供することができる。より大きい溶媒滲出は、増加した純度のポリマーを、より大きい程度の溶媒回収で生成することができる。すべてのこれらの要素は、PHA回収のロバスト性、プロセスの経済性、及び製品品質制御を改善するために、様々な実施形態で、部分的に且つ組み合わせて使用することができる。
本明細書に記載の方法は、抽出されたポリマーの分子量を経験的に制御すること、及び、抽出時間をバッチごとにリアルタイムに微調整することを可能にする。本明細書に記載の例示的な方法及びプロセスは、信頼できる製品品質を保証し、プロセス動作の経済性を管理するのを助けるために、実際に適用され得る。組み合わせにおいて、本発明者らは、回収されたポリマーの後精製の必要性及びコストを回避、又は少なくとも低減しながら、全体的な溶媒消費量を削減する傾向があるプロセスのための方法を確立している。プロセスステップを最小化し、溶媒使用及び動作経済性を最適化しながら、ポリマー品質の厳しい基準を維持することは、堅牢で一貫したPHA回収のより経済的に調整されたプロセス及び方法に向かって全体的に貢献する。
光学濃度及び色の測定された変化に基づく132℃でブタノールに溶解するPHB粉末の経過。 PHBに富むバイオマスの温度の関数としてのモデル化した一次等温抽出反応速度。 からTL15及びTU15の動作制限温度まで外挿ラインでS字状フィットしたモデルでの、PHBに富むバイオマスからの15分の等温抽出の実験結果。 温度の関数としての経験的に推定された一次等温抽出率係数と、温度の関数としてのf15のデータに基づくモデル化された値(ライン)。 S字状フィットされたモデルによるPHBVに富むバイオマスからの45分の等温抽出(f45)の実験結果と、TL15及びTU15の制限温度による動作的に定義された15分の抽出(f15)に変換されたデータ。 図5を参照して、図示のように平均温度及び抽出時間(T>TL15)によるPHBVに富むバイオマスからの実験抽出収率に対するモデル。 PHAに富むバイオマスの抽出に対する粒度の影響。 バイオマスの第1の粉砕パスの結果及び選択されたサブ分画の分布を示すロールミル粉砕後のPHAに富むバイオマスの粒度分布。 2.00mmメッシュを通過し、0.71mmメッシュによって保持されている推定分布を示すロールミル粉砕後のPHAに富むバイオマスの粒度分布。 一定のバイオマスローディングでの2−ブタノール中のPHBに富むバイオマスの等温抽出(125℃)に関する平均切断率。 50g/Lの一定のPHAローディングでの2−ブタノール中のPHBVに富むバイオマスに関する平均抽出温度の関数としての平均切断率。時間t50は、平均分子量の50%損失をもたらす推定抽出時間である。 分子量の固定された35%損失に関する50g/LのPHAローディングに基づく許容し得る抽出時間(t35)は、抽出に関する推定収率(f)に影響する。 PHBに富むバイオマスの一定のローディングに関する2−ブタノールによる90℃の予洗の抽出切断率に対する影響。 所与の抽出時間、温度、及び溶媒に関する切断に対するPHAに富むバイオマスのPHAローディングの影響。所与のバイオマスは、ローディングと共に増加する分裂の傾向を示す(◆)。しかしながら、一般的に、異なるバイオマスバッチ(□)は、抽出の間のポリマーの化学的安定性の広い変動を示す。 PHBに富むバイオマス及びローディング条件が変化し、溶媒のタイプ、平均抽出温度、及び抽出時間が一定の異なるバイオマスバッチに関するバイオマス品質のFTIR「指紋」に基づく予測平均比切断率に測定された平均比切断率を関係付けるPLSモデルの結果(モデル構築実験データ(○)及びモデル検証データ(■)による)の図。 入ってくるバッチ間で変動するPHAに富むバイオマス品質に対する一貫したプロセス生産性及び製品品質レベルのための最適化された抽出動作条件を維持することを目的としたPLS計量化学モデル用途の例。 任意の数の廃水処理プラント(WWTP1...WWTPn)からPHAに富むバイオマス(変化し得る品質のB1...Bn)を受け入れ、任意の数の商業的市場(顧客1...顧客n)のための他の回収された追加の化学物質と並んで一定品質のバイオポリマー生成物(PHA1...PHAn)のグレードを生成する集中型精製所。 回収プロセスを調整し、全体的な改善された経済性及び生産性のために可能な最も積極的なプロセス容量ローディングを適用しながら、定義された品質のPHAを回収することを目的としたプロセス及び方法の適用。一般的には、高いバイオマス中のPHAの平均分子量は、すべての他のことを等しくして、より高い抽出ローディングを可能にする。 変化し得るPHAに富むバイオマスのバッチ間品質を、一貫して制御された品質を有するPHAに富む溶媒ゲルに変換する際に、プロセス条件を調整する方法を適用することの一部としての材料及び情報のフロー。 測定された溶液粘度依存の再循環流(10Lプロセス−例1)における相対的変化と、推定されたモデル化PHA抽出収率(例3)との間の相関関係の図。 測定された粘度依存の再循環流(10Lプロセス−例1)における相対的変化と、近赤外分光法(NIR:Near Infrared Spectroscopy)による溶媒のオンライン監視からのスペクトルから導出された予測された質量流量の増加との間の、PLSモデルに基づく相対関係の図。 ゲル化に伴う溶媒の光学密度の増加に基づくPHAに富む溶媒ゲル形成反応速度の等温(102℃)反応速度の図。 図22に示すゲル化の開始に基づく等温ゲル化時間に対する温度の影響の図。 ゲル化温度に対するPHAに富む溶媒濃度及びPHA組成(◆−PHA、▲及び■PHBVコポリマー)の影響の図。 同程度の冷却速度(=−1.6℃/分)を与えた、高い(◆−78℃未満の開始)及び低い(■−87℃による開始)混合エネルギーによるゲル化の開始の図。冷却速度は、ゲル化の発熱性によって影響を受けたことを留意されたい。 PHAに富む溶媒に関する温度の関数としての光学密度の回帰分析によって決定されるゲル化の開始の図。 図26を参照した、所与のPHAに富む溶媒冷却曲線に関するゲル化の開始前の利用可能な時間の図。 PHAに富むゲルからの溶媒の圧搾及びゲル乾燥固体含有量の増加に対する、一定圧力(16bar)での排水速度の影響。 PHAに富むゲルからの溶媒の圧搾に対する時間及び圧力の影響。 抽出プロセスの要素の概略図。 抽出プロセスでの材料の流れの概略図。
本開示は、とりわけ、バイオマスからPHAを回収するための方法を提供する。PHAに富むバイオマスは、例えば、生物学的排水処理プロセスから得ることができる。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、バイオマスからPHAを抽出する前に、改善されたPHAの化学的安定性のために調整することができる。PHAに富むバイオマスの前処理は(さらに後記で論じ、図7に示すように)、いくつかの実施形態では、より大きい容量生産性の利益と共に、バッチプロセスへのより高い質量ローディングを可能にする手段として用いることができる。したがって、純度及び平均分子量の定義された品質基準内の生成物を一貫して生産し続けながら、プロセスの経済性を維持するために適切なとき、回収プロセス動作条件は、前処理方法の選択を必要とすることができる。例えば、PHA貧溶媒の臨界温度未満の温度で溶媒をバイオマスと混合し、PHAの抽出の前にバイオマスからこれらの不純物を含有する溶媒を除去することによって、非PHA溶媒可溶性化合物は、バイオマスから除去することができる。別の実施形態では、混合培養バイオマスは、PHAが蓄積され、熱的に安定され、本明細書で説明するPHA回収方法を利用する前に乾燥される。
本明細書で使用する場合、「乾燥した」又は「乾燥する」は、部分的又は完全な水の除去を意味する。例えば、生物学的処理プロセスからくるPHAに富むバイオマスは、乾燥したバイオマス固形物に対して少なくとも35%w/w、好ましくは50%w/wより多くのPHAを含むことができ、さらに、乾燥したバイオマス固形物は、バイオマスに対して10%w/w未満、好ましくは2%w/w未満の水を含むことができる。
植物及び微生物からPHAを回収するための溶媒抽出プロセスは、当該技術分野において周知である。例えば、米国特許第6,087,471号は、非ハロゲン化PHA貧溶媒を使用してバイオマスからPHAを回収する方法を開示している。これら及び他の方法は、抽出後にPHAに富む溶液からPHAの沈殿化を促進させる条件を確立することを通して、PHAの最終的な回収を提供している。これらの開示された沈殿化方法は、ゲル化が望ましくないと説明されているように、PHAに富む溶液が安定したPHA溶媒ゲルを形成することを回避することを目的としているように、沈殿化は、ゲル化と対照的である。本発明者らは、驚くべきことに、報告されているPHAに富むゲル形成によるバイオマス溶媒分離の問題は、PHA溶媒抽出及び回収プロセス(例11)の間のゲル形成の反応速度の温度及びせん断依存性を利用することによって克服することができることを発見している。PHAがバイオマスから抽出され、さらに物理ゲルとして処理されるべき場合、課題は、優れた品質のゲルの形成を確実にすることである。ゲル品質は、ゲル中のポリマーのより高いPHA分子量及び増加した濃度によって改善される。上述のように、抽出プロセスへの増加したPHAに富むバイオマスのローディングは、一般的に、抽出中にポリマーの分解速度を増加せる傾向がある。したがって、ゲル品質の1つの主要な側面を改善するために抽出プロセスを調整することは、ポリマーの平均分子量の第2の主要なパラメータを損なう傾向がある。本明細書で論じる方法及びプロセスは、精製されたPHA生成物の最小許容分子量に到達するように制約されている抽出プロセスへのPHAに富むバイオマスの最大許容ローディングを考慮したものに関係する。
より高いポリマー分子量及びゲル中の濃度は、生成物の品質、及び生成物回収の容易さにとってより望ましい。ゲル中のより高いポリマー濃度は、回収プロセスへのPHAに富むバイオマスのより大きいローディングを意味し、より高い抽出PHA濃度をもたらす。しかしながら、反応器へのバイオマスローディングを増加させることは、また、抽出中の分子量減少の率の増加を意味する。大きすぎる分子量の減少は、回収のためのゲル特性に有害である可能性があり、プラスチックに加工されるPHAの最終的な機械的特性に有害である。より小さい回収されたポリマーの分子量は、また、用途の製品の範囲、及び経済的価値を減少させることになる。問題は、最適なプロセス全体の経済性に対する容積負荷における最高の可能な生産性、並びに、最適な回収プロセス性能(ゲル特性)及び生成物品質(純度及び分子量)のための技術的プロセスの要求を達成するために、回収プロセスを調整することである。
PHA貧溶媒は、抽出中のPHAの化学的安定性を改善する方法で利用することができる(例7)。改善された化学的安定性により、同様の又はより高い平均分子量のポリマーを依然として産出しながら、バッチ毎により高い濃度のPHAを抽出することができる。本明細書の例(例1、2、3、及び8)で論じる方法に基づいて、溶媒ローディング条件を決定することができ、抽出時間は、最適に保たれる。本発明の好ましい実施形態は、一般的に100℃を超える温度の溶媒と、PHAに富む溶媒ゲルとしての回収されたPHAの捕捉とによる、PHAに富むバイオマスからのバッチPHA回収のプロセスを含む。これらの実施形態は、最適化されたバッチ間の容量プロセス生産性による一貫した生産性品質を保証するための方法を適用する。PHAに富むバイオマスが、コポリマーの混合物を含む場合、PHA貧溶媒による抽出に向けて適用される条件は、混合物中の溶解することが最も困難なタイプのコポリマーを回収するのに適した温度及び抽出時間を満たさなければならない。したがって、本明細書で開示されるプロセス及び方法は、また、バイオマス中のPHAポリマーのタイプが本質的に不均一である場合の、PHAに富むバイオマスからPHAを回収するための最適な条件を確立し、適用するための実施形態に関する。
より高い濃度で、より高い分子量のポリマーを有するゲルは、さらにより容易に処理されることが知られており、より高い分子量のPHAは、改善された品質(値)の最終生成物を提供する。したがって、本開示は、溶媒回収を簡単にするために単一の非塩素系PHA貧溶媒(又は、溶媒混合物)を使用し、改善された生産性のためにPHAに富む抽出溶液濃度を増加させ、より良い最終生成物の回収のための所望のゲル化特性を達成することによって改善されたPHA回収のための方法に関する。本明細書で開示される実施形態は、PHAに富むバイオマス品質のバッチ間変動に対応することができるようにしなければならない、予想される工業的商業的習慣に注意を払いつつ、プロセスの方法を適用することに同時に焦点を合わせている。一実施形態では、方法は、一貫性のある抽出された生成物の品質を保証することになる最適な抽出条件を決定するために、PHAに富むバイオマス品質を評価するために適用される。
1つの好ましい実施形態は、PHAに富む混合培養バイオマスからのPHAの制御された抽出のために条件が確立された方法又はプロセスを含む。抽出は、非ハロゲン化溶媒を使用して実行される。溶媒への最大バイオマスローディングは、高い容積生産性を達成することの課題と釣り合う開示されたアプローチに基づいて、最小限の、又は少なくとも許容可能なレベルのPHAの平均分子量低減が起こるように選択される。1つの好ましい実施形態は、PHA溶媒ゲルの形成に向けて有利であるように、且つ、ゲル形成が望ましくなくならず、むしろ、ポリマー回収のプロセス及び最終生成物の品質に有利であるようにプロセス及び動作条件が選択される戦略を用いる。
PHA溶媒ゲル形成の反応速度は、例えば、温度、混合強度、溶媒選択、PHA濃度、PHA分子量、及び、抽出されるコポリマー又はコポリマー混合物のタイプに依存する(例11)。少なくとも1つの実施形態の目的は、PHAに富む要培養液のゲル化の開始において時間遅延を利用することである。PHAに富むバイオマスの抽出後、ゲル化の前に、非溶解バイオマス残留固体を、PHAに富む溶液から分離することができ、ゲル形成は、バッチPHA抽出プロセスからの半連続的なPHA回収プロセスを可能にするように配置することができる。一実施形態では、PHAに富む溶液を生成するために、複数のバッチ抽出反応器を使用することができ、複数のバッチ抽出反応器は、溶媒のゲル化及び/又は滲出が調整されている共通のPHA回収プロセスと調和してPHAに富む溶液を提供する。複数のバッチ抽出反応器は、順次にゲル化され、その後滲出された溶液を産する。廃熱の効果的な取り込み及び使用と、複数のバッチ抽出プロセスからのPHAに富む溶液を共通の最終的なPHA回収プロセスに処理することは、より効率的なPHA回収と、回収されたPHAのキログラムあたりの低減した全体的な処理コストとをもたらす。さらに、異なる抽出バッチからのゲルを混合することができ、それによって、溶解温度をずっと下回り、分子量の減少がないプロセスにおける、望ましいよく混合されたコポリマー配合物の製造を容易にする。
一実施形態では、残留バイオマスは、反応器における濾過によってPHAに富む溶液から分離することができる。別の実施形態では、残留バイオマスは、反応器の外部のトラップにバイオマスを捕捉することによって、PHAに富む溶液をから分離することができる。
1つの好ましい実施形態では、ゲル化時間は、PHA抽出後に溶媒の適切な温度及び/又は混合強度を維持することによって制御される。適切な時間及び温度は、本明細書に例によって開示されているように、簡単な実験室の試験によって確立することができる。ゲル化時間は、PHAに富む溶液の濃度に部分的に依存する。方法の目的は、抽出プロセスへのPHAローディングを最大化することであるので、PHAローディング及びゲル化時間の要因が調整されなければならない。
プロセスへのPHAローディングは、バイオマス中の抽出可能なPHAのすべてが溶液中になった場合に達成されることになるPHAの理論上の濃度である。抽出可能なPHAは、例えば、TGA(熱重量分析:thermal gravimetric analysis)、FTIR(フーリエ変換赤外分光法:Fourier transform infrared spectroscopy)、ガスクロマトグラフィー、及び/又は標準化された抽出方法によって定量化することができる(例1及び例3)。最大許容PHAローディングは、最後には、少なくとも適切な分子量で少なくとも適切な純度のポリマーを生成するために滲出され得る堅牢なPHA溶媒ゲル内の高い抽出収率及び高い生成物分子量を達成するバランスになる。
この文脈での妥当性は、生成物の用途に依存する。一般に、90%よりも多く、好ましくは95%よりも多く、最も好ましくは98%よりも多い抽出されたポリマーは、広い範囲の用途にとって適切と考えることができる。同様に、350kDaよりも大きい、好ましくは400kDaよりも大きい、より好ましくは500kDaよりも大きい、最も好ましくは700kDaよりも大きい重量平均分子量は、広い範囲の潜在的な用途に適切であり得る。本明細書で開示されている方法は、予測可能な生成物分子量に到達するために適切な抽出動作パラメータの選択を可能にし、したがって、特定の生成物用途に関する良好に定義された品質ウィンドウ内の生成物を届けるために、PHA回収プロセスの動作において入ってくる原料の変動性を吸収する。
回収されたPHAは、270℃よりも高い、好ましくは280℃よりも高い、さらにより好ましくは285℃よりも高い熱分解温度によって示されるような高い熱安定性を有することがさらに望ましい(例1)。バイオマス中のPHA又は回収されたPHAの熱安定性は、一般的に、熱重量分析(TGA)によって評価することができる。回収されたポリマーの熱安定性は、また、材料が、5分よりも長い、好ましくは15分よりも長い1ログ溶融安定性を示すレオロジー測定に関して理解することができる(例えば、WO2012/022998A1参照)。
適切な抽出プロセスPHAローディング条件の選択に影響を及ぼす絡み合った要因は、以下の通りである。
・抽出後にバイオマス中に残っている最小PHA残留量を意味する、改善された抽出収率のための、より低いPHAローディング。
・抽出中の分子量減少の低下した反応速度のための、より低いPHAローディング。
・堅牢なゲル形成のための、より高いPHAローディング。
・より高いプロセス容量生産性のための、より高いPHAローディング。
・最適なゲル溶媒滲出特性のための、より低い及びより高いPHAローディングの両方であって、より低いPHAローディングは、より高い生産物分子量により役立ち、より高いPHAローディングは、より高いPHA溶媒ゲル濃度により役立つ。
したがって、PHAローディングの最適な条件は、十分に高く及び低くなるようなバランスに拘束される。このバランスポイントは、PHAに富むバイオマスのソースと、抽出すべきコポリマー又はコポリマー混合物のタイプとに応じて変化する。ケースバイケースで最適な回収条件を確立するための方法又はプロセスの一例は、例9に示されている。
1つの好ましい実施形態は、PHAに富むバイオマスが、PHAに富むバイオマスが不溶性バイオマス画分から分離されるまでゲル化が生じないように維持された温度で、残留バイオマスから分離されることを提供する。一実施形態では、冷却メカニズムは、隣接する抽出反応器内の溶媒を予熱するために使用され得る熱交換によるものである。ゲル化が生じると、溶媒を絞り出し、PHAと再利用可能な溶媒の両方を回収するために、機械的分離を適用することができる(例11及び12)。理想的には、溶媒は、溶媒回収に使用されるエネルギーを最小にするために、できるだけ高い温度で回収されるべきである。
PHA貧溶媒中の抽出後のPHAの沈殿は、それにもかかわらず、(低いポリマー濃度で)せん断力を適用し、より極性であるが、混和性の溶媒を添加することによって、又は、冷却された抽出溶媒によるPHAに富む溶液の急速な希釈によって達成することができることが報告されている。しかしながら、ゲル形成を回避するために追加されるこれらの実施形態のすべては、プロセスの複雑化及び費用を追加する。
・より極性であるが、混和性の溶媒を添加することは、溶媒消費量を増加させ、生成物の回収をより困難にし、溶媒回収及び再利用のためのエネルギー需要においてさらなる資本及び作業費を課す。
・より極性の溶媒を導入することは、共抽出された溶媒可溶性非PHAバイオマス残渣の共沈を促進させ、一般的により劣った生成物品質をもたらす。
・高いせん断力に基づく沈殿物は、一般的に、低いPHA濃度を有し、劣ったプロセス容量生産性と、過度の溶媒及びエネルギー消費とを暗に意味する。
PHA回収による我々の所見では、単一のPHA貧溶媒回収プロセスと、許容可能なPHAローディングを最大化するための方法との組み合わせは、ゲル化特性の最適化と共に、全体的に良好なプロセス性能と、最終生成物の品質を率先して制御する手段の両方に寄与する。
熱的に安定され(例えば、WO2012/022998A1参照)、その後に、PHA貧溶媒中にそのような抽出方法よって回収され、制御されたゲル化によって捕捉されたバイオマス中のPHAは、比較的純粋(>95%の純度)であることが期待される。当然、このゲル化方法で回収されたPHAは、さらにより高純度のPHA、又は所望の付加価値の複合ポリマー生原料を得るために、熱的方法、又は、追加の溶媒洗浄若しくは混合戦略を利用することによって、常に下流でさらに処理することができる。
限定はしないが、化学的捕捉剤、成核剤、安定化化学物質、可塑剤、官能化剤、及び充填剤を含む、調製された生ポリマー材料の形成のための化学添加物は、PHAに富む溶液中に添加及び混合され、抽出中、抽出及びバイオマス分離後、並びに/又は、ゲル化プロセス中、若しくはその後に、マトリックスに捕捉され得る(例6)。したがって、PHAのゲル化は、さらに改善され、価値が付加された原材料及び/又はバイオプラスチックへのポリマーの加工を見越した利点を伴う。この目的のため、実際的な例として、我々は、ポリカルボジイミドのクラスの化合物は、抽出後だがゲル化前に、高い溶媒温度でPHAに富む溶液と組み合わされたとき、鎖伸長反応を誘導することができることを発見している。そのような手順は、PHA貧溶媒抽出後の材料特性を増強する又は補償するために使用され得る。
PHAのブレンドの分子量、及びPHAの混合物中の分子量分布は、ポリマーの物理的特性に影響を及ぼす主要な品質係数である。一般に、より高い分子量は、より望ましい。反応器中のPHAの抽出時間を短縮することは、抽出プロセス中に生じる可能性があるPHAの平均分子量の低下を最小化する。したがって、抽出時間をその必要性を超えずに維持することは、PHAに富む溶液から所望のより高い平均分子量のPHAを回収する能力を増大させる。溶媒中の抽出されたPHAの濃度を予測することによって、又はより好ましくは直接監視することによって、抽出時間ができるだけ短く維持されることを保証することができる(例10)。予測は、抽出されるべきバイオマスの実際的な特性評価によって行うことができる(例3)。抽出プロセスの傾向の直接監視は、抽出プロセス中のPHAに富む溶液の分光法又は粘度のような検知方法を使用する溶媒品質監視によるものであり得る(例10)。
必要な抽出時間及び抽出収率は、乾燥バイオマスの粒子サイズによって影響される。抽出プロセスは、バイオマスからの制限される質量輸送である(例2及び3)。一般に、我々は、より小さい粒子が溶媒抽出反応速度及び生成物収率を改善することを経験している。質量輸送の反応速度は、一般に、界面表面積の増加(小さい粒子サイズ)に伴って改善する。同時に、PHAに富む溶液からの未溶解バイオマスの抽出後の分離は、より大きい粒子サイズであれば単純化される。我々は、バイオマス粒子が大き過ぎるとき、抽出がバイオマス粒子のコアに進行しないことを発見している(例4)。さらに、より大きい粒子は、低下した質量輸送反応速度、より長い抽出時間、及び、結果として、分子量損失の程度の増大を伴う、より少ない接触表面積を意味する。溶媒の浸透深さは、2mm程度であることが見出された。
0.71〜2mmの間の粒子サイズ分布による、それによって支配的な粒群が1.4mmであった実際的な実験では、我々は、抽出されたバイオマス顆粒をPHAに富む溶媒から容易に分離する能力による抽出収率と反応速度との間の良好なバランスを経験した。0.71〜2mm及び2〜3.15mmの異なる顆粒サイズ分布を比較する直接比較では、2つの異なるバイオマスバッチによる反復実験における同じ抽出条件に関して、抽出効率の23%までの損失が、より大きい顆粒分布で観察された。したがって、1mm程度の支配的な顆粒粒子サイズは、そのようなバイオマスからのPHA回収の工業的実施のために最適であると考えられる。
0.71〜2mmの間の粒子サイズ分布を有する顆粒化バイオマスになるように乾燥したPHAに富むバイオマスを粉砕することにおける実際の作業から、我々は、0.5mmのフィルタメッシュが、抽出後のバイオマスの大部分を維持することを見出した。実験的な例示的実施形態では、抽出中に存在した、又は形成されたバイオマスの微粉を捕捉するために、0.1mmがさらに利用された。バイオマス中の溶媒の浸透の知見に基づいて、抽出システム内のバイオマス粒子は、公称直径が4mm未満であるべきである。我々は、0.5mmよりも大きく、2mm未満の粒子サイズ分布を有する顆粒化バイオマスが、PHAに富む溶媒分離の抽出性能と実際的な容易さとの間の良好なバランスを提供したことを実際に発見している。約1mmの支配的な顆粒粒子サイズを維持することによって、0.1mmを超えるバイオマス粒子微粉の形成又は微量な存在は、バイオマスの大部分が溶媒から分離された後、PHAに富む溶媒流の外に容易に選別することができた。
したがって、理想的には1mm程度の支配的な画分及び0.1mmより大きい微粉を有する4mm未満のバイオマス顆粒粒子サイズ分布は、残留バイオマスの分離に関する実際的な単純さの、抽出時間におけるプロセスの効率化の、及び、関連するローディング可能性による、対立する最適化考慮事項の間の釣り合いをとることが発見された。このようにして、効果的な抽出時間は、5時間未満、好ましくは2時間未満、さらにより好ましくは1時間未満であり得る。
当業者は、バイオマス粒子と溶媒バルクボリュームとの間の界面における溶媒−バイオマス境界層が、論理的にはできるだけ薄くあるべきであることを理解するであろう。平均分子量低下反応速度は、濃度に依存するので、粒子−溶媒界面の局所的に濃縮したPHAに富む溶媒は、できるだけ迅速にバルク溶液中に輸送され、希釈されるべきである。したがって、抽出中に混合することが好ましい。抽出反応器内でバイオマスに対して抽出溶媒を混合することは、抽出収率を増加させ、抽出反応速度を増加させ、したがって、抽出中のポリマーの分解を軽減することができる。ポリマー抽出及び分解に関する潜在的な限界は、標準化された実験室規模の実験で評価することができる(例3)。
実際には、バイオマス粒子を破壊することなく、抽出されたPHAのバイオマス粒子−溶媒界面からすべての溶媒ボリューム全体への、穏やかだが、比較的迅速な拡散及び希釈を維持するために、好ましくは、混合エネルギーが用いられる。積極的すぎる機械的混合条件は、バイオマス顆粒を、単純な濾過スクリーンを容易に突破する微粉末に変えることが見出されており、これは、最終生成物の望ましくない汚染を招く。したがって、一実施形態では、顆粒を溶媒ボリューム中で自由に混合するのではなく、顆粒の充填バイオマス床を通して溶媒流を駆動する流量又は圧力勾配まで、溶媒を流動床のモードで濾床を通してポンプ輸送することができる。
PHA貧溶媒中のPHA抽出の反応速度は、温度によって影響を受ける。所与のバイオマスからの所与のPHAを所与のPHA貧溶媒中に溶解するための温度の影響は、単純な実験室手順によって容易に決定することができる(例3)。この手順は、大きい接触表面積を提供し、その結果、所与のバイオマス中の所与のPHAにより具体的に関係する質量輸送の最大反応速度をもたらす目的で、細かく粉砕されたバイオマスに適用される。手順は、もたらされる抽出反応速度に対する粒子サイズ分布の実際の影響を定量化する手段として、顆粒化バイオマスに適用することもできる。そのような手順は、下限温度(T)を示し、この温度未満では、あるとしても比較的無視し得るPHAの抽出が、数分から1時間未満までの時間スケールで発生することが予想される。同時に、上限温度(T)を定義することができ、この温度に関して、有意なPHAが、数分から1時間未満までの時間スケールで抽出されることになることが予想される。手順は、T値よりも高い温度の関数として、実験的に導出された反応速度定数を提供する。例えば、一次抽出反応速度のモデルの仮定に基づいて、抽出反応速度の温度依存性を推定することができ、これらのモデル計算から、TL15及びTU15を導出することができる。TU15は、無視し得る抽出が15分以内に発生することになる下限温度であり、TL15は、有意なPHA抽出が15分以内に発生することになる上限温度である。TU15及びTL15は、顆粒化粒子サイズ分布の違い、バイオマスの特性、及び/又はバイオマス中のPHAのタイプの違いのため、すべてのPHAバイオマスバッチについて同じではない。なされた解釈及び実際的な仮定、並びに、他のそのような解釈及びモデルの改良の見込みにもかかわらず、本発明の方法は、混合培養のPHAに富むバイオマスのために以前に開示されているもの以上の抽出プロセス条件の増強された定義を提供する。PHA抽出温度は、バッチ間で変化する可能性がある。したがって、我々は、TL15とTU15の間の平均における必須抽出温度でのPHA回収プロセスを定義する。我々は、PHAに富むバイオマスがTL15よりも高いPHA貧溶媒温度に露出される点から抽出時間及び平均抽出温度を定義する。
温度による抽出反応速度の定義された依存性、及び、抽出反応器に関する加熱時間−温度傾向の知識に基づいて、予想される抽出の時間における進展を予測することができる(例3)。これらの予測は、抽出プロセスのための実際的な時間の上限を設定するために使用することができる。論理的なモデル予測は、特定のスケールアップされた抽出施設で具体化される性能境界又は質量輸送制限を反映するために、実際的な調整及び補正係数で調整することができる。抽出プロセス中のPHAの数平均分子量の損失は、ポリマー鎖切断の平均数に関して報告され得る。
ここで、
=抽出時間(t)の関数としての鎖切断数
=抽出時間(t)の関数としての数平均分子量
である。例えば、元の数平均分子量が、所定の平均抽出温度における1時間の抽出の過程で、800KDaから100KDaに減少した場合、1時間の切断数は、その所定の温度で7である。すべてのポリマー鎖が、その所定の温度で1時間の間に平均7回切断される。多分散性指数が、抽出中の分子量の平均損失に対してほぼ一定である場合、切断数は、代わりに重量平均分子量(M)のデータを用いて計算することもできる。
所定の温度の単位時間あたりの切断数は、平均温度固有の切断率を示唆する。
ここで、
は、指定された期間にわたる所定の温度に関して確立された推定平均切断率である。切断のより大きい数は、所与のシステムにおけるポリマーのより大きい量に対応することになるので、実験間の切断数の比較は、切断密度又は固有切断率に基づいて参照することができる。
の平均固有切断率は、抽出プロセスにおけるポリマーの質量又は濃度あたりの切断数を指す。
ここで、Xは、抽出プロセスに導入されるポリマーの質量である。制限なく、実際的基準として、我々は、ロードされたPHA質量の100%が抽出されるべきであった場合の、PHAの論理上の最大濃度に基づいて平均固有切断率を計算した。換言すれば、例8におけるXは、抽出プロセスへのPHAローディングを指す。所与のローディング、温度、及び抽出時間に関して、
が大きくなるにつれて、ポリマー分子量の損失は、ますます大きくなるであろう。実際、我々は、適用された計量化学(chemometrics)の方法に基づいて、所与の抽出温度(例8)に関するバイオマスローディングの関数として
を定義することができることを発見している。
ここで、Xは、抽出プロセスにロードされたバイオマスの非PHA画分である。したがって、所与の抽出温度及び溶媒(例8)に対してキャリブレートされたシステムにおいて、ローディング依存の固有切断率を説明することができる。我々は、回収プロセス中のポリマーの切断率の評価が、PHAプロセス回収動作パラメータのバッチ固有の調整によってバッチ間のPHAに富むバイオマス品質の変動性に順応することが中心であることを見出している。
バイオマス中のPHAの分子量分布(例5)及び抽出時間のさらなる情報により、回収されたポリマーが分子量に関して定義された生成物品質の下限(例9)よりも上にとどまることが予想されるための、バイオマス溶媒ローディング限界を定義することができる。バイオマスローディング制約は、これがゲル化による生成物回収に関する実際的なプロセス制約に関連するので、結果として生じる適用されるPHA溶媒ローディングと比較することができる。
増加したPHA溶媒ローディングが適切である場合、最終生成物品質に対する過度の犠牲なしに全体的なバイオマス溶媒ローディングの増加を可能にするために、さらなる措置をとることができる。限定するものではないが、そのような措置は、前処理(例7)、後処理(例6)、及び/又は化学的添加物の適用(例6)を含むことができる。追加の処理は、追加の出費を招く可能性があるので、一般的に、追加の前処理措置が適切であるか、改善された回収ポリマー生成物の値のため、より大きい収益で相殺され得るとき、明示的にバッチ間基準で正当化することができる手段を有することが、ポリマー回収プロセスの経済性において経済的に有利であることがわかる。我々は、バイオマス品質、ポリマータイプ、ポリマー分子量、及びバイオマスポリマー含量の観察されたバッチ間変動の意図的な適応によって、最終生成物品質を保証するために、ポリマー回収プロセスのそのようなケースバイケースの調整を可能にするために、本明細書の例によって開示される方法及びプロセスを見出している。
抽出プロセスのための溶媒中へのバイオマスのローディングは、多量のPHAバイオマス(X)及び非PHAバイオマス(X)を導入する。所与のPHAに富むバイオマスに関して、目的は、定義された数平均分子量と等しい、又はそれを超える生成物を送達するために、抽出鎖切断数を制限する制約によってできる限り多くのPHAを、抽出プロセスにおいて溶媒にロードすることである。我々は、所与のバイオマスローディングに関して、回収生成物分子量分布を決定する鎖切断数が、
・PHAローディング(X)と、
・非PHAバイオマスローディング(X)と、
・非PHAバイオマスローディングに関連する不純物のタイプ及び量と、
・TL15よりも高い平均抽出温度と、
・PHA貧溶媒のタイプと、
・抽出時間と
に依存することを発見している。一般に、所与のバイオマスローディング及び一定の抽出温度に関して、我々は、一定の切断率を観測する。換言すれば、一定温度での切断数は、時間とともに直線的に増加する。
しかしながら、我々は、切断数に対する非PHAバイオマスローディングの影響が、バイオマスバッチ間で変化する可能性があることを見出した。非PHAバイオマスの化学的内容物は、抽出中のポリマーの化学的安定性に寄与する。非PHAバイオマス組成の複雑さ及び変動性の可能性は、寄与する化学元素の評価を要求する。この複雑さ及び変動性にもかかわらず、我々は、所与の溶媒及び抽出温度に対する切断の依存性を較正することが可能であることを見出している。計量化学の方法に基づいて、所与のバイオマス及び抽出温度に関する平均固有切断率は、較正実験に基づいて予測可能である。したがって、様々な生産源から得られたPHAに富むバイオマスからPHAを回収する集中型施設に関する生産シナリオでは、抽出のためのローディング条件は、一貫した最適なプロセス効率及び生成物品質を維持するために、ケースバイケースで調整することができる。一般に、PHA貧溶媒中のPHAの分解反応速度は、抽出反応器内のPHAバイオマスをロードされた非PHAバイオマスの濃度と共に増加する。同時に、抽出及びバイオマスからのPHAに富む溶媒の分離後に、安定したゲルの有益な形成を確実にするために、十分なPHAが抽出されなければならない。我々は、ゲル形成が、約30g−PHA/LのPHA濃度でより確実になるが、40g−PHA/Lよりも高いPHAゲル濃度がより好ましいことを見出した。ゲルからの溶媒を圧搾する容易さは、一般に、より高いPHAゲル濃度及びより高いPHA分子量により改善されることが見出されている。より高いゲル濃度は、また、圧縮前にゲルから溶媒を蒸発させることによって達成することができる。
本発明の一実施形態は、抽出プロセス中に使用される特定の溶媒を用いる特定のバイオマスのためのPHA抽出のための適切な時間を決定することを含む。本明細書で使用する場合、「抽出時間」という語句は、PHA含有バイオマスがTL15抽出温度以上のPHA貧溶媒中に保持される時間を指す。この「抽出時間」は、PHAが、PHAに富むバイオマスを生成するためにPHA貧溶媒に溶解されるようになるのにかかる時間である。
第2のパラメータは、プロセス中の「回収時間」である。「回収時間」は、ゲル化の開始前に使用済みのバイオマス固体からPHAに富む溶液を分離するために利用可能な時間である。回収時間のプロセス基準を評価するために、経時的な所与の温度における溶媒及びPHA組成物の特定の組み合わせに関するゲル形成反応速度を評価するために、一連の小規模な試験を実行することができる。例えば(例11)、PHAに富む2−ブタノールのゲル化の開始は、125℃から102℃へのPHAに富む2−ブタノールの冷却後に一定の期間遅らせることができ、PHAに富む2−ブタノールを残留バイオマスから分離し、抽出反応器から除去することができる時間窓を提供する。我々は、また、ゲル化点を、せん断応力の印加なしよりも低い、より狭義に定義された温度に抑制するために、PHAに富む溶媒へのせん断応力の印加を用いることができることを見出した。
溶媒中のPHAに富むバイオマスのローディングをできる限り多く増加させることが望まれる。回収されたPHAの分子量平均の品質基準未満にしないために、ローディングの程度を、回収プロセスで許容可能な定義されたバイオマス中のPHAの平均分子量及び平均切断数によって制限することができる。より大きいローディングは、より高い程度に容易に絞りだし可能な溶媒を示すゲルを促進するポリマーゲル濃度を改善する。ローディングが十分に高くないとき、溶媒は、溶媒を圧搾する前にゲルから蒸発する可能性がある。同時に、溶媒中のPHAの濃度の増加は、ゲル形成の反応速度に影響を及ぼす。ゲル化が始まる前の非PHAの非溶解バイオマスの分離に適用するために、プロセス制御が必要である。例えば(例11)、ゲル化温度に対するPHAの濃度の影響は、2−ブタノール中のPHAの所要の混合物に関して容易に決定することができる。本発明の一実施形態では、PHAに富む溶媒のPHAローディングは、溶媒1リットリあたり30〜100グラムである。PHAに富む溶媒中のPHAの増加したレベルは、一般に、その後のゲル化の前の溶媒分離を達成するために、所与の温度に対する回収時間を短縮する。
ゲル化が適用される温度は、好ましくは、PHAに富む溶液の沸点未満でありつつ、できるだけ高い。その後の蒸発に基づく溶媒リサイクル及び回収のためのプロセスのエネルギー効率を改善するために、溶媒冷却の程度を低減することを使用することができる。次の抽出のためのフレッシュな溶媒を、制御されたゲル化の目的のために引き出された熱によって予熱することができる。
PHAに富む溶液を得るための抽出時間を制御するために、1つ又は複数のオンライン監視技術を用いることができる。一実施形態では、PHA抽出の傾向は、粘度の関数として決定される(図10)。溶媒溶液中のポリマー濃度及びポリマー分子量の変化は、例えば、抽出中の再循環ポンプにおける混合トルク又は質量流量の変化の傾向によって監視することができる溶媒粘度に影響を及ぼす。別の実施形態では、PHAに富む溶媒形成の進行は、近赤外(NIR)分光法(例10)を使用して、抽出ステップ中に監視することができる。抽出前の溶媒の粘度又はNIRスペクトルを基準とした測定傾向は、濃度依存の溶媒粘度又はスペクトルの変化の絶対的な較正を必要とせずに、抽出プロセスを示すことが見出された。溶媒蒸気圧に対するPHA抽出の観察された影響のような他の間接的な監視方法を、抽出の進行を示すために用いることができる。
本明細書で論じられている好ましい実施形態で使用するのに適した溶媒は、PHA貧溶媒又は溶媒混合物を含む。本明細書で使用する場合、「PHA貧溶媒」という語句は、一般的に、(TL15のような)(例3)実験的に定義可能な温度限界未満で無視し得る溶解反応速度を示す溶媒又は溶媒混合物を意味する。2−ブタノールでは、TL15は、PHAに関して公称119℃であり、3HVにおけるよりPHBVに富んだコポリマーに関して100℃未満である。コポリマーの混合物を含むバイオマスは、存在するコポリマー混合物のそれぞれの異なる画分に対応する複数の制限温度を示す可能性がある。そのような混合物画分は、抽出プロセスにおいて順次に又は同時に抽出することができる。複数の異なるコポリマータイプがバイオマス中に存在する場合、抽出時間及び温度は、最も高いTL15の混合物中のPHAタイプに調製され得る。
我々は、PHA貧溶媒中のPHAの可溶性が、可溶性の既存の確立された理論によって容易に予想されない可能性があることを見出している。これらの溶媒は、ポリマー鎖の相互作用を弱める可塑剤としていくつかの方法で作用することによって、ポリマーの融点未満の温度でポリマーが溶液中で効率的に溶解することを可能にすると推測することができる。他の理論の可能性又は理論的な予測モデルの将来の発展にもかかわらず、PHA貧溶媒である溶媒又は溶媒混合物の適合性は、経験的に容易に評価することができる。我々自身の実際的な経験及び文献に基づいて、PHA貧溶媒は、一般的に、脂肪族アルコール、ケトン、エステル、及び/又は芳香族炭化水素から成るグループの中に見いだされると予想される。
我々は、可溶性の理論が良好なPHA貧溶媒である溶媒の適合性を十分に予測しないことを見出しているが、我々は、PHA貧溶媒としての溶媒又は混合物の適合性をスクリーニングするために、試験管スケールの単純で実際的な試験方法をうまく適用している。実際的な経験及び文献に基づいて、PHA貧溶媒が、脂肪族アルコール、ケトン、エステル、及び/又は芳香族炭化水素から成るグループ内に見いだされると予測することができる。
別の実施形態では、溶媒は、冷却時に、PHAに富む溶液がゲルを形成し、バイオマスの非PHA成分が溶液中に残るように、PHAに富むバイオマスの非PHA成分を溶解する。したがって、溶解された非PHAバイオマス成分は、抽出されたゲル状PHAから溶媒を用いて分離することができる。望ましいPHA貧溶媒は、約100℃〜約160℃の範囲の温度で、溶媒1リットルあたり少なくとも30グラムのPHBを溶解することができ、さらに、好ましくは60℃よりも高い温度に冷却したとき、溶媒ゲルを形成することができるものである。限定はしないが、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)のようなケトン、プロパノール、ブタノール、及びペンタノールのようなアルコール、及びそれらの異性体、並びに、プロピレンカーボネートを含む、公知の「PHA貧溶媒」の増大するリストが報告されている。PHA貧溶媒のゲル化特性は、あまりよく報告されていないが、ブタノール及びトルエンは、2つの良い例である。上述した本発明の好ましい実施形態の1つ又は複数の組み合わせも企図され、本開示によって包含される。そのような組み合わせは、関連する技術分野の当業者には容易に明らかである。さらに、例、及びそれらの他の等価物は、当業者には明らかになるので、以下の例は、単なる例示であり、どのようにも特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。したがって、一実施形態は、混合培養バイオマスからPHAを回収するための方法に関する。顆粒化されたPHAに富むバイオマスが調製される。PHAに富むバイオマスは、PHA貧溶媒と混合される。PHAは、PHAに富む溶媒を生成するために、PHAに富むバイオマスから抽出される。この抽出は、限界抽出温度(TL15)よりも高い温度でPHA貧溶媒にPHAを溶解することによって発生する。PHA貧溶媒の温度は、TL15とTU15との間になるように抽出中に維持される。維持される温度及び抽出は、15分よりも長い、好ましくは、1時間未満、最も好ましくは2時間未満の期間にわたって生じる。PHAがPHAに富むバイオマスから抽出された後、PHAに富む溶媒は、残留バイオマスから分離される。この分離の間、温度は、ゲル化温度よりも高いままであるように維持される。PHAに富む溶媒は、ゲル化の場所に移動される。移動の間、PHAに富む溶媒の温度及び/又はせん断応力は、ゲル化を防止するのに十分なように維持される。PHAに富む溶媒が所定の場所にあるとき、PHAに富む溶媒のゲル化を促進するために、ゲル化温度以下の温度まで冷却される。そのような冷却は、混合して、又は混合せずに生じてよい。溶媒は、次いで、PHAに富む溶媒ゲルから押し出される。
いくつかの実施形態では、バイオマス顆粒は、公称で0.1〜4mmの間の粒子サイズ分布を有するように調製される。好ましい実施形態では、バイオマス顆粒は、0.5〜2mmの間の主要な画分を有する粒子サイズ分布を有するように調製される。
いくつかの実施形態では、PHAは、システムで回収される。これらの方法は、システムへのバイオマスローディングが、回収されたPHAの重量平均分子量が少なくとも350kDaであるように、計量化学モデル較正に基づいて選択されるように、追加のステップを含む。好ましい実施形態では、回収されたPHAの重量平均分子量は、500kDaよりも大きい。別の好ましい実施形態では、回収されたPHAの重量平均分子量は、700kDaよりも大きい。
抽出システムを利用する方法では、方法は、回収されたPHAの重量平均分子量が少なくとも350kDaであるように固有切断率を決定するために、ベンチスケール試験に基づいて抽出システムへのバイオマスローディングを選択するステップを含むことができる。これらの方法の好ましい実施形態では、回収されたPHAの重量平均分子量は、500kDaよりも大きい。より好ましい実施形態では、PHAの重量平均分子量は、700kDaよりも大きい。
いくつかの実施形態では、PHAは、反応器で回収される。そのような実施形態は、20g−PHA/Lを超えるPHAに富む溶液の最低濃度を達成するような反応器へのバイオマスローディングを含む。好ましい実施形態では、PHAに富む溶液の最低濃度は、30g−PHA/Lを超える。より好ましい実施形態では、PHAに富む溶液の最低濃度は、40g−PHA/Lを超える。
本明細書で開示されている方法のいくつかの実施形態では、PHAに富む溶媒ゲルから溶媒を押し出すステップは、90%よりも高い純度を有するPHAを生成する。好ましい実施形態では、PHAに富む溶媒ゲルから溶媒を押し出すステップは、95%よりも高い純度を有するPHAを生成する。より好ましい実施形態では、PHAに富む溶媒ゲルから溶媒を押し出すステップは、98%よりも高い純度を有するPHAを生成する。
いくつかの実施形態では、混合培養バイオマスは、生物学的廃水又はプロセス水処理プロセスで生成される。
いくつかの実施形態では、バイオマス中のPHAは、270℃よりも高いバイオマス中のPHAの熱分解温度で熱的に安定している。好ましい実施形態では、バイオマス中のPHAの熱分解温度は、280℃よりも高い。
いくつかの実施形態では、PHA含有バイオマスは、乾燥される。乾燥PHA含有バイオマスの含水率は、10%未満である。好ましい実施形態では、乾燥PHA含有バイオマスの含水率は、2%w/w水/バイオマス未満である。いくつかの実施形態では、少なくとも35%w/wPHA/乾燥バイオマスである。乾燥PHA含有バイオマスは、好ましい実施形態では、少なくとも50w/wPHA/乾燥バイオマスである。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、溶媒による予備抽出プロセスを施され、ここで、溶媒は、TL15未満に維持される。
いくつかの実施形態では、化学的捕捉剤、酸化防止剤、成核剤、可塑剤、及び/又は反応性ポリマー改質剤のような、分子量安定剤及び/又はポリマー配合剤を含む化学添加物が、PHAに富む溶媒の形成前又は後に、PHA貧溶媒に添加される。
いくつかの実施形態では、化学的捕捉剤、酸化防止剤、成核剤、可塑剤、及び/又は反応性ポリマー改質剤のような、分子量安定剤及び/又はポリマー配合剤を含む化学添加物が、溶媒含有量を減らすためにゲルを機械的に係合する前及び/又は間に、ゲル化された塊に添加及び混合される。
いくつかの実施形態では、ゲル化されたPHAに富む溶媒の2つ以上のバッチが、溶媒含有量を減らすために結合されたゲルを機械的に係合する前及び/又は間に、結合されたゲル化された塊に混合される。
バイオマスは、PHAに富む溶媒から分離することができる。いくつかの実施形態では、バイオマスは、抽出反応器内の濾過によってPHAに富む溶媒から分離される。
他の実施形態では、バイオマスは、抽出反応器の外部のトラップでバイオマスの少なくとも画分を捕捉することによって、PHAに富む溶媒から分離される。いくつかの実施形態では、ゲル押圧は、ゲルを5〜30バールの間の圧力で機械的に係合させることによって達成される。
いくつかの実施形態は、抽出反応器内でバイオマスを通して溶媒を循環させるステップをさらに含むことができる。抽出反応器内でバイオマスを通して溶媒を循環させるプロセスの間に、バイオマス中のPHAは、循環溶媒中に溶解される。
いくつかの実施形態は、抽出反応器内で溶媒中にバイオマスを循環させるステップをさらに含むことができる。抽出反応器内で溶媒中にバイオマスを循環させるプロセスの間に、バイオマス中のPHAは、溶媒中に溶解される。
いくつかの実施形態では、2つ以上のバッチ抽出反応器が、PHAに富む溶媒ゲルの共通の場所によってサービスされる。
いくつかの実施形態では、PHA貧溶媒は、脂肪族アルコール、ケトン、エステル、及び/又は芳香族炭化水素から成るグループからの1つ又は複数の溶媒である。
いくつかの実施形態では、非溶解バイオマスは、PHAに富む溶媒から分離される。このバイオマスは、焼却又は熱分解プロセスが施される。いくつかのさらなる実施形態では、リンが焼却又は熱分解プロセスから回収される。
いくつかの実施形態では、PHAに富む溶媒ゲルからの溶媒の抽出及び分離後、脂質及び脂肪酸のような他の化学生成物が、溶媒回収の一部として回収される。
本明細書の開示は、PHA含有バイオマスからポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収する方法の別の実施形態に関する。バイオマスは、反応器内に導かれる。反応器内で、溶媒がバイオマスと混合される。溶媒及びバイオマスは、反応器内で加熱される。PHA含有バイオマスからのPHAが抽出される。抽出は、PHAに富む溶媒を形成するために、PHAを溶媒中に溶解することによって起こる。PHAに富む溶媒は、反応器からPHA分離器に移動され、そこで、PHAは、PHAに富む溶媒から分離される。PHAに富む溶媒は、PHAに富む溶媒がPHA分離器に移動される間、PHAに富む溶媒がゲル化状態になることを防止する温度に維持される。PHAに富む溶媒は、次いで、PHAに富む溶媒ゲルを形成するために、冷却される。PHAに富む溶媒ゲルは、PHA分離器の場所で機械的に押圧され、溶媒がPHAに富む溶媒ゲルから除去されるようになる。
いくつかの実施形態では、バイオマスと混合された溶媒は、PHA貧溶媒である。
いくつかの実施形態では、バイオマス及び溶媒は、PHA含有バイオマスからのPHAの抽出中に、反応器内で、限界抽出温度(TL15)を超える温度まで加熱される。
いくつかの実施形態では、反応器内の溶媒の温度は、PHAを抽出するプロセスが継続する間、15分よりも長い期間、平均して、TL15と上限温度(TU15)との間の温度に維持される。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、反応器内に導かれる前に、バイオマス顆粒を形成するために、粉砕される。顆粒は、次いで、反応器内に導かれ、溶媒と接触させられる。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、顆粒に形成される。顆粒は、公称で0.1〜4mmの粒子サイズ分布を有する。
いくつかの実施形態は、少なくとも20g−PHA/LのPHA濃度を有するPHAに富む溶媒を生成する。
いくつかの実施形態では、PHA溶媒ゲルを機械的に押圧するステップは、90%よりも高い純度を有するPHAを生成する。
いくつかの実施形態では、反応器に導かれるバイオマス中のPHAは、熱的に安定している。バイオマス中のPHAは、270℃よりも高い熱分解温度を含む。
いくつかの実施形態では、PHAに富む溶媒は、非溶解バイオマスから分離される。PHA溶媒の温度は、この分離プロセスの間、ゲル化を防止するために十分に維持される。
いくつかの実施形態では、PHAに富む溶媒は、導管の第1の区間に配置された熱交換器を通って導かれる。PHAに富む溶媒は、熱交換器からPHAに富む溶媒に熱を伝達することによって加熱される。さらなる実施形態では、PHAに富む溶媒は、導管の第2の区間の熱交換器を通って導かれ、次いで、第2の区間の熱交換器とPHAに富む溶媒との間で熱を伝達することによって冷却される。
いくつかの実施形態では、PHAに富む溶媒ゲルは、PHAをPHAに富む溶媒ゲルから分離し、PHAケーキを形成するために、機械的に押圧される。
いくつかの実施形態では、PHAケーキは、乾燥機に導かれる。PHAケーキは、次いで乾燥される。
いくつかの実施形態では、PHAに富む溶媒ゲルは、PHAに富む溶媒ゲルから使用済み溶媒を追い出すために、機械的に押圧される。使用済み溶媒は、使用済み溶媒に蒸発プロセスを施すことによって、精製される。溶媒蒸気が生成される。溶媒蒸気は、次いで、精製された溶媒を形成するために凝縮される。
いくつかの実施形態では、脂質及び脂肪酸のような化学生成物が、抽出溶媒の精製及び回収の一部として回収される。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、PHAに富む溶媒ゲルから分離される。分離されたバイオマスは、焼却又は熱分解処理を施される。さらなる実施形態では、リンが焼却又は熱分解後、残留材料から回収される。
いくつかの実施形態では、溶媒は、反応器内でバイオマスを通して循環される。反応器内でバイオマスを通して溶媒を循環させるプロセスの間、バイオマス中のPHAは、循環する溶媒中に溶解する。
いくつかの実施形態では、PHA貧溶媒は、脂肪族アルコール、ケトン、エステル、及び/又は芳香族炭化水素から成るグループからの1つ又は複数の溶媒である。
いくつかの実施形態では、反応器へのバイオマスローディングは、PHAローディングが20〜100g−PHA/Lの間になるように調整される。
いくつかの実施形態では、バイオマスは、バイオマスを反応器内に導入する前に、公称で0.1〜4mmの間の粒子サイズ分布を有する顆粒に形成される。バイオマスは、次いで、反応器内でPHA貧溶媒と混合される。反応器に導かれるバイオマス中のPHAは、熱的に安定しており、270℃よりも高い熱分解温度を含む。PHAをPHA含有バイオマスから抽出した後、PHAに富む溶媒は、バイオマスから分離される。分離プロセスの間、PHA溶媒の温度は、ゲル化を防止するのに十分に維持される。
いくつかの実施形態では、PHA抽出の反応速度を監視するためのオンライン監視プロセスが、PHAに富むバイオマスからPHAを抽出するステップの間に提供される。さらなる実施形態では、オンライン監視プロセスは、選択された期間にわたってPHA貧溶媒の粘度の変化を測定するステップを含む。そのようなオンライン監視プロセスは、さらに、追加の実施形態では、選択された期間にわたってPHA貧溶媒の粘度の温度補償された変化を測定するステップを含むことができる。さらに他の実施形態では、オンライン監視プロセスは、近赤外分光法(NIR)によってPHA貧溶媒を監視するステップを含む。いくつかの実施形態では、オンライン監視プロセスは、抽出容器内の温度の関数として圧力の傾向を監視するステップを含む。
いくつかの実施形態では、PHA含有バイオマスからPHAを抽出するステップは、PHA抽出の反応速度及び進行を監視するためのオンライン監視プロセスを提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、オンライン監視プロセスは、選択された期間にわたってPHA貧溶媒の粘度の変化を測定するステップを含む。いくつかの実施形態では、粘度の変化を測定するステップは、選択された期間にわたってPHA貧溶媒の粘度の温度補償された変化を測定するステップを含む。他の実施形態では、オンライン監視プロセスは、近赤外分光法(NIR)によってPHA貧溶媒を監視するステップを含む。他の実施形態では、オンライン監視プロセスは、抽出容器内の温度の関数として圧力の傾向を監視するステップを含む。
例1−一般的な分析方法及び材料
熱重量分析(TGA)
2〜10mgの間の微粉砕された乾燥したPHAに富むバイオマスのサンプルが、秤量され、不活性窒素雰囲気下で、室温から550℃まで加熱された。サンプル温度は、10℃の割合で105℃まで上昇され、重量は、10分間105℃で平衡化された。サンプルからの水分損失は、105℃で評価された。温度は、再び10℃の割合で昇温され、重量損失は、550℃まで記録された。サンプルの灰分量は、サンプルを30分間空気中で550℃に維持しながら、重量損失から評価された。バイオマス中のポリマーと、抽出されたPHA樹脂の両方は、この標準化された方法によって量的に評価された。重量損失、及び温度の関数としての重量損失の速度変化が、検討された。これらの傾向は、バイオマス中のPHAの熱分解温度(T)、抽出後のPHAのT、バイオマスのPHA含有量、及び抽出されたPHAの純度について知らせた。測定は、TA InstrumentsのQ500で実行された。回収されたPHA及びバイオマス中のPHAの熱安定性の基準(分解温度)は、TGAのこの方法を参照して作られた。
FTIR分光法によるバイオマスの特性評価
2〜10mgの間の微粉砕された乾燥したPHAに富むバイオマス及びPHAサンプルが、フーリエ変換赤外分光法(FTIR:Fourier transform infrared spectroscopy)によって特性評価された。FTIRスペクトルが収集され、PHAの存在の決定のためのスペクトル成分、及び、バイオマス中のPHAの化学的安定性に影響を及ぼす不純物の識別の多変量統計法(部分最小二乗及び主成分分析)を使用して、さらに分析された。使用された機器は、減衰全反射(ATR:attenuated total reflection)ダイヤモンドを備えたBruker Alpha FTIR分光計であった。使用されたFTIR分解能は、400〜4000cm−1の波数範囲で4cm−1であり、測定毎に24回の走査が、大気補償のための同様に取得されたバックグラウンド走査と共に行われた。サンプルは、ATRにロードされ、各サンプルは、次いで、混合され、3重に再走査された。データは、Bruker OPUSソフトウェアを使用して収集され、データは、次いで、OPUSで、又は、MATLABのために書かれた数値若しくは統計分析ツールで処理された。
サイズ排除クロマトグラフィ(SEC:size exclusion chromatography)
抽出されたポリマーの分子量分布(ポリスチレン標準を参照した)は、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)によって決定された。SECは、ポンプ(Viscotek VE1122)と、屈折計/粘度計−検出器(Viscotek Model250)と、直列に結合された3つの線形コラム(Shodex KF−805、Shodex KF−804、及びShodex KF802.5)とを用いて実行された。検出器温度は、37℃に制御され、測定は、そうでなければ室温で実行された。キャリア溶媒は、1ml/分の流速を有するクロロホルム(Merck pro分析>99%)であった。サンプル注入量は、200μlであった。分子量は、それぞれ、650、96、30.3、及び3.18kg/molの公知の分子量平均を有する4つの異なるポリスチレン標準を用いてキャリブレートされた。屈折率(RI:refractive index)が、標準、及びサンプルの評価のキャリブレーションのために使用された。PHAのサンプルは、10分間100℃で5mg/mLの濃度までクロロホルムに溶解された。サンプル注入の前に、ポリマー溶液は、前フィルタリングされた(0.45μmの孔径を有するPALL Life Sciences Acrodisc(登録商標)CR25mmシリンジフィルタ)。溶出堆積の関数として記録されたRIから、PHA分子量は、重量平均分子量(M)、数平均分子量(M)、及び多分散性指数(PDI:polydispersity index)の点から特性評価された。
流動学による動的粘度測定
0.5〜0.6gのポリマーサンプルが、室温で直径25mmの円板にプレスされた。ポリマー円板は、レオメータ(TA Instrument AR2000又はDiscovery HR−2)内に搭載され、動的粘度が、8分の初期溶融時間後、180、185、又は900度で40分の時間掃引で測定された。時間掃引中に、10Hzの周波数で一定の2%のひずみが維持された。温度は、窒素ガス冷却により一定に維持された。Pa・sにおけるポリマーの動的粘度(|η|)の対数の傾向は、4分の溶融時間における|η|を推定するために使用され、この値は、重量平均分子量(M)に直線的に較正された。そのような較正は、溶融が非ニュートンであると考えられる限り、有効であることが判明した。
=m・|ηt=4+b EQ−E1.1
パラメータm及びbは、PHAのタイプと、流動学測定の条件(温度、周波数、及びひずみ)とに依存する定数である。提示した例で生成されたPHAに関して、mは、155.64であり、bは、185729であった。これらのパラメータ値は、代表的なサンプルにおけるSECデータに基づいて回帰分析から計算された。|η|の減少は、Mの減少に等しい。流動学測定の間、経時的な溶融物中のポリマーの|η|の減少は、Mの減少に関係する。定数m及びbが同じであると予想される所与のポリマーに関して、|η|の差は、ポリマーのMの比例した差を示す。
1リットルのPHAに富むバイオマスの抽出
乾燥し(<5%水w/w)、粉砕された(公称0.71〜2.00mm、0.71〜3.15mm、又は2.00〜3.15mmの粒子サイズ分布)PHAに富むバイオマスが、室温で、撹拌しながら、PHA貧溶媒で1リットルに満たされた圧力容器(Btichiglas Uster Versoclave type3E/1.0)内に浸漬された編まれたメッシュバスケット(0.5mmメッシュ)内にロードされた。典型的には、提示した例に関して、2−ブタノール(Sigma−Aldrich ReagentPlus)が、基準抽出PHA貧溶媒として使用された。抽出のためのPHAのローディングは、測定されたバイオマスPHA含有量に関して行われた。バイオマス中のPHAの含有量は、TGAによって評価された。典型的には、バイオマス中のPHAの容器ローディングは、最高100g−PHA/Lの溶媒へのPHAのローディングの選択された論理上の最大濃度に到達するためのレベルに対応していた。圧力容器は、密封され、容器温度は、できる限り短い時間で、選択された目標とされる最高温度に到達するように設定された。浸されたバイオマスを有する溶媒は、定義された抽出温度限界TL15よりも高く、数分から数時間程度の予め決められた期間、一定に混合しながら平均温度に維持された。温度、火力、反応器圧力、混合速度、及び混合トルクは、抽出プロセスの過程で記録された。
予め決められた抽出時間に応じて、バイオマスが、多孔質バスケット内にほとんど独占的に保持されていた間、PHAに富む溶媒は、蒸気圧のために排出された。出口ラインでは、追加のインラインフィルタ(0.1mmメッシュ)が、存在していた、又は抽出プロセス中に形成されていた可能性があるより小さいバイオマス粒子を除去した。高温のPHAに富むバイオマスが、ビーカに配置され、室温に維持され、溶媒は、混合しながら、又は混合せずにゲル化することを可能にされた。ゲル化後、溶媒は、シリンダベースプレートに対して調整可能な接触隙間を維持された十分に密封されたシリンダ内の塊の物理的押圧によってポリマーから圧搾された。シリンダのベースにおけるこの隙間は、圧搾された溶媒が排出され得る十分な開口部を提供するための手段を提供した。押圧は、溶媒の大部分を分離した。ポリマーの任意の追加のクリーンアップが、水又は溶媒中で押圧されたPHAケーキを均質化することによって達成され、その場合には、洗浄されたフィルタケーキが、濾過によって収集された。フィルタケーキは、70℃で乾燥された(Binder FD Series 231)。
10リットルのPHAに富むバイオマスの抽出
乾燥し(<5%水w/w)、粉砕された(公称0.71〜2.00mm、0.71〜3.15mm、又は2.00〜3.15mmの粒子サイズ分布)PHAを含むバイオマスが、10リットルの2−ブタノール(Sigma−Aldrich ReagentPlus)を含む圧力容器(Btichiglas Uster Versoclave type3E/12lt)内に配置された編まれたメッシュバスケット(0.5mmメッシュ)内にロードされた。バイオマスは、典型的には、100g−PHA/Lまでに及ぶ選択された最大の論理上のPHAに富む溶媒の濃度を達成するようにロードされた。溶媒は、一定のポンピング速度で動作する容積式ポンプ(Wright pump TRA10 Series)によって駆動される外部再循環ループによって、反応器内のバイオマスを介して常に通過した。ポンピング速度及び液体の粘度に依存していた得られた体積流量は、抽出の間ずっと監視された(Endress+Hausser Proline Promass80P)。液体の粘度は、溶媒の温度、ポリマーの濃度、及びポリマー分子量に依存していた。
圧力容器は、蒸気圧を維持し、沸騰を防止するために、抽出の間、閉鎖された。抽出の進行が監視され、記録されている間、温度は、選択された最大値まで上昇した。2−ブタノールを用いて、PHAの抽出は、120〜160℃の間で変動する最高温度で達成された。容器温度、火力、圧力、及び再循環体積流量が記録された。溶媒中のPHAのFT−NIR監視(IN1237P光ファイバプローブを有するBruker Optics Matrix−F FT−NIR)は、再循環ループで行われた。
抽出時に、メッシュバスケット内のバイオマスを保留しながら、PHAに富む溶媒は、容器から放出された。排出された溶媒は、インライントラップ(0.5mmメッシュ)を通して収集容器に配置された。PHAに富む溶媒は、内容物が物理ゲルを形成するまで、混合しながら又は混合せずに冷却された。
ゲル化後、溶媒は、機械的な力によりゲルから圧搾された。圧搾された溶媒は、シリンダと下部ベースプレートとの間の隙間を調整することによって漏れ出た。溶媒は、圧力下でポリマーケーキによりシリンダベースにおいて滲出し、蒸発によって再利用のために収集され、再循環された。押圧されたポリマーケーキは、溶媒又は水によって均質化され、リンスされ得た。リンスされたポリマーは、遠心分離又は濾過によって回収された。最終的に、ポリマーは、70℃における蒸発によって乾燥させられた。
例2−PHAの溶解の反応速度
ベンチマークとして、PHA貧溶媒中のポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)の溶解の固有の速度を決定することが実際的な関心であった。PHBは、「最悪のシナリオ」として見られていた。PHBによるより高い結晶化度の傾向により、特にPHA貧溶媒に溶解しにくくなると理解されている。温度の関数としての微細な純粋なPHB粉末(>98%の純度)の溶解傾向が調べられた。PHB粉末は、12mLの試験管に秤量され、2−ブタノールの5mLのアリコートと混合され、50g−PHB/Lの溶液を形成した。管は、テフロン(登録商標)で裏打ちされたスクリューキャップで密封され、選択された温度の等温加熱ブロック内に導入された。管の内容物は、3分毎にボルテックス混合され、混合の直後、溶液の光学濃度及び色が測定された。溶液の色の相対的変化は、溶液に溶解するPHBの進行を示すために使用された(図1、光学濃度及び色の測定された変化に基づく、132℃のブタノールへのPHB粉末の溶解の進行)。溶液は、半透明なポリマーに富む溶媒溶液で開始し、乳白色の粉末溶媒懸濁液で終了した。
比較的狭い温度範囲(130〜135℃)にわたって、溶解プロセスの性質及び反応速度の変化が重要になった。一般に、PHAの溶解は、一次速度論に従うことが観察された(図1)。しかしながら、130℃で現れた溶解プロセスの明確な遅れは、132℃によってもはや明らかではなかった。溶解におけるそのような遅れは、ポリマーの結晶化度を弱める溶媒浸透のプロセスに関連すると解釈され得る。推定される一次溶解反応速度は、132℃から135℃に移動する際に0.3〜3.7分−1程度の大きさだけ増加した。これらのデータの傾向は、さらに、105℃を超える温度が、2−ブタノールのようなPHA貧溶媒に関するPHB溶解の任意の測定を達成するために好ましいことを示唆した。
このように、任意の特定のPHA貧溶媒によって任意の特定のPHAホモポリマー又はコポリマーを抽出する実際的な限界を評価することができる。溶解反応速度の変化をもたらす臨界温度レベルを決定することができる。バイオマス中のPHAの結晶化度、ポリマーの結晶化の可能性、PHAの分子量、及び顆粒の粒子サイズ分布は、すべて、特定の回収プロセスに関する抽出温度−時間−濃度条件に影響を及ぼす可能性がある。
最終的に、溶媒中の高すぎるPHA濃度に関して、関連する増加した溶媒粘度は、実際的なプロセス限界をもたらす可能性がある。抽出温度、時間、及びPHA濃度の増大は、ポリマーの分解を増大させるので、高い抽出収率と、許容し得る回収されたポリマーの品質の基準との間の妥協を得るために、条件を選択する必要があることが予想された。
例3−PHA抽出の反応速度
バイオマスからのPHA抽出の反応速度は、ポリマーの溶解速度のため、並びに/又は、バイオマス内への溶媒の及びバイオマスからのポリマーの質量輸送速度のため、制限されている可能性がある。抽出の反応速度をよりよく理解するために、我々は、微粉砕されたバイオマスを用い、ある温度範囲にわたって、理想化された抽出条件を調査した。微粉砕されたPHBに富むバイオマスのサンプル(公称150mg)が、12mL試験管に秤量された。バイオマス中のPHBの質量分率は、熱重量分析(TGA)によって推定された。バイオマスの公称PHB含有量は、50%w/wであった。バイオマスは、10mLの2−ブタノールと混合され、管は、テフロン(登録商標)で裏打ちされたスクリューキャップで密封された。溶媒への理論上の最大PHAローディングは、これらの試験では約7g/Lであった。比較的低いPHAローディングは、このモデル試験管規模のベンチマーク実験系では、PHAに富むバイオマスからのバイオマス分離を容易にするために、ゲル形成の減少した駆動傾向に関するこれらの試験のために使用された。
一定時間の等温抽出が、恒温加熱ブロック内の密封された管を用いて、125〜140℃の選択された温度で実行された。管の内容物は、15、30、又は45分のいずれかの固定抽出時間の間、5分毎にボルテックス混合された。それぞれの抽出時間の終了時に、管は、3分間冷却され、スクリューキャップを除去する前にゲル形成の発生なしに、残留バイオマスを沈殿させ、過度の圧力を十分に減少させた。大部分(約95%)の高温溶媒が、試験管内の残留バイオマスを保持しながら、清浄なペトリ皿に慎重に注がれた。管内の残留溶媒を蒸発させ、この溶媒蒸発による重量減少を評価することによって、管内の溶解したPHAと共に残っている残留溶媒の体積が説明された。ペトリ皿に捕捉された乾燥した抽出された材料の質量が秤量され、抽出された材料中のPHAの画分がTGAによって決定された。物質収支の原理から、バイオマスからのPHAの抽出された画分は、再現性よく推定することができた。
反復実験では、PHA抽出の傾向は、一次反応速度のモデルにしたがって観察された(図2−PHBに富むバイオマスに関する温度の関数としてのモデル化された一次等温抽出反応速度)。ベルギー及びスウェーデンで動作する明確に異なるパイロットプラントから得られたPHBに富むバイオマスが試験された。一方のそのようなパイロットプラントでは、バイオマスは、都市下水中の有機物の処理によって生成された(ベルギー)。他方のパイロットプラントでは、バイオマスは、食品加工工業から排出された有機物の処理によって生成された(スウェーデン)。これらのソースからのバイオマスは、WO2011/070544A2に記載の原理を適用し、蓄積プロセスにおける酢酸の制御された供給によって、PHBに富むようにされた。PHBは、PHA貧溶媒への溶解に対して一般により抵抗性であるので、PHBは、最悪の場合のシナリオとして選択された。PHBによるこの特定の課題は、バイオマス中のPHAのより高い結晶化度の傾向に起因する可能性がある。優れたバイオマス中のPHAの熱安定性(T≧285℃)は、これらの溶媒抽出実験の前に、WO2012/022998A1に記載の方法を用いることによって達成された。
例1のPHA溶解反応速度とは対照的に、微粉砕されたPHBに富むバイオマスからの抽出速度は、ほぼ2桁遅かった。135℃では、一次抽出速度定数は、約0.05分−1であった(例4−温度の関数としての経験的に推定された一次等温抽出速度定数、及び、温度の関数としてのf15のデータに基づくモデル化値(ライン))したがって、バイオマス外及び溶媒内へのポリマーの質量輸送は、PHB単独の溶解と比較して、抽出プロセスに対して律速であった(例2)。さらに、抽出反応速度は、温度依存であることが観察された。バイオマス中のポリマーに富む溶媒の温度依存性粘度は、特に、より低い温度及びより高い濃度で、多孔質バイオマス構造外へのポリマーの輸送を妨げることになると考えることができる。これらのデータのいくつかの物理的な解釈の可能性にもかかわらず、温度を上昇させることは、全体的に、抽出速度を改善した。
所与のPHBに富むバイオマスに関して、15分の一定抽出時間の間に抽出されたPHBの画分は、125〜140℃の実験範囲内の温度の関数としての傾向に従った。15分によって、一部だがすべてではないポリマーが、試験された温度範囲で一般に抽出されたので、15分は、この特定の評価の目的のための適切な時間の長さであることが見出された。他のバイオマス、粒子サイズ分布、及び/又はバイオマス中のPHAのタイプに関して、以下でより詳細に説明するように、他の評価時間がより適切である可能性がある。観察された傾向は、シグモイド関数として経験的にモデル化され(図3−TからTL15及びTU15の動作制限温度までの外挿されたラインによるシグモイドフィットのモデルと、PHBに富むバイオマスからの15分の等温抽出に関する実験結果)、これは、15分後の温度で抽出されたポリマーの増加する程度の傾向を説明した。
ここで、
15=温度(T)の関数としての15分後の抽出可能なポリマーの画分
15=15分の抽出速度温度係数
=0.50に等しいf15に関する温度
である。我々は、抽出プロセスのための2つの実際的な動作温度を定義するために、Tにおけるモデル化されたf15のシグモイドの傾きと、そこから外挿されたラインとを使用した。抽出温度限界TL15は、それ未満の温度では、無視し得るポリマーが15分後にバイオマスから抽出されると予想される温度として定義された(f15(T)=0)。さらに、我々は、上限温度TU15を定義しており、上限温度では、15分後、ポリマーの大部分が抽出されるべきである(f15(T)=1)。
すべて同じタイプのPHA(PHB)を用いた、異なるPHAに富むバイオマスバッチに関するバッチ間変動の例示のために、異なるバイオマスサンプルによる13の異なる実験から、15分のPHB抽出試験は、119±6℃の平均TL15を示唆した。実験変動の成分は、バイオマス中のPHAの条件の違いによるものであったことが信じられた。例えば、ポリマーの結晶化度は、PHA貧溶媒による抽出プロセスに影響することが知られている。一般に、溶媒がバイオマス中のポリマーに浸透するのにかかる時間は、コポリマー混合物組成、平均分子量、細胞内顆粒密度及びサイズ分布、並びにバイオマス粒子サイズ分布などの要素によってさらに影響を受けることが予想され得る。それにもかかわらず、本明細書に記載の手順は、適切な場合には、工業規模のPHA抽出の実施によるバイオマスの抽出反応速度を現実的な方法で特性評価、適応するための手段を提供する。PHBに富むバイオマスによる13の異なる実験の上記の例では、150±7℃のTU15が推定された。
等温条件下での抽出の一次速度の観察を考えると、我々は、例によって、一定時間の等温抽出データ(図4)からポリマーの一次抽出速度係数を推定した。
ここで、
=推定された一次温度依存抽出速度定数(1/分)
t=等温抽出特性のために使用された分単位の時間
=時間tにおける抽出収率
である。それにもかかわらず、他の類似の手法又は他の時間フレームが、バイオマスからのPHA抽出の反応速度に対する温度の影響を推定するために使用され得る。より大規模な抽出プロセスでは、バイオマスは、溶媒を加熱するために利用され得る時間の長さの結果として、ある範囲の温度に暴露される可能性がある。抽出温度履歴の知識があれば、抽出の進行は、以下のように推定され得る。
ここで、
f=抽出されたPHAの画分(0<f<1)
=温度依存一次抽出速度定数
である。そのような予測モデルは、さらに、推定された抽出反応速度と工業規模の抽出反応速度との間の差を補償するように適合され得る。予想及び実際の反応速度の差は、例えば、工業規模のプロセスに関する理想的とはいえない混合及び質量輸送に起因する可能性がある。それにもかかわらず、本明細書に記載の方法及びモデルは、抽出の温度条件、溶媒、PHAのタイプ、バイオマスの顆粒粒子サイズ分布、及び顆粒特性(密度)と両立するプロセス制御のための抽出時間限界を推定し、適応させるための手段を提供する。
抽出に関するプロセスパラメータは、バイオマス中のPHAのタイプによって大きく変化する可能性があることが認められた。ポリマーがより低い平均抽出温度及び/又はより短い時間で回収され得る場合、PHAを不必要により高い温度又はより長い抽出時間に暴露することも有害である。PHAに富むバイオマスは、PHB及び/又はPHBVの均質又は不均質な混合物を含むことができる。この目的のため、我々は、70〜140℃の範囲内の選択された温度にわたって明らかに異なって生成されるPHB∨に富むバイオマスの15分の抽出挙動を調べた。抽出反応速度は、シグモイドモデルに従ったが、抽出可能なPHA画分の少なくとも2つの異なる領域を有していた。1つの場合には、約76パーセントのPHAが、53℃のTL15及び86℃のTU15によって特性評価られた。残りの24パーセントのPHAは、98℃のTL15及び135℃のTU15を示すことが見出された。第2のPHBVに富むバイオマスも、両方ともシグモイドモデルに合わせて少なくとも2つの異なる画分を示した。この第2の場合では、約80パーセントのPHAが、58℃のTL15及び86℃のTU15によって表された。残りの20パーセントのPHAは、91℃のTL15及び135℃のTU15であった。したがって、特定のバイオマスは、独立した温度依存抽出反応速度に従うPHAの異なる画分を含む可能性がある。上記の予測モデルは、均質な抽出可能画分の明らかに異なる領域を有するPHAに富むバイオマスに一般化され得るということになる。
ここで、
=抽出されたPHAのi番目の画分(0<f<a
ei =i番目の画分の一次抽出速度定数
である。目的が、バイオマスからポリマーのすべてを抽出することである場合、PHA回収の条件及び時間は、バイオマス中のPHA混合物から抽出することが最も困難な画分に調整される必要がある。言い換えれば、最高のTL15及TU15対が適用されることになる。例示的な例として、PHAに富むバイオマス(本明細書ではCFS16として識別される)は、平均43重量%の3−ヒドロキシバレレート(3HV)(CGで測定した)と共に、コポリマー、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−CO−3−ヒドロキシバレレート)又はPHSVを含んで生成された。バイオマスは、0.71〜2.00mmの間の粒子サイズ分布で顆粒化された。単純な試験管実験室規模の実験シリーズに基づいて、この顆粒に関する等温抽出収率は、45分の一定の抽出時間(t45)に基づく温度の関数として決定された。収率データ(図5−シグモイドモデルフィットによるPHB∨に富むバイオマスからの45分の等温抽出(f45)に関する実験結果と、TL15及びTU15の限界温度によるオプションで定義された15分抽出(f15)に変換したデータ)は、式E3.1にしたがってフィットされ、45分の下限及び上限温度しきい値(TL45及びTU45)が決定された。一次抽出反応速度(式E3.2及びE3.3)の仮定に基づいて、f45に関するフィット曲線は、15分の一定の抽出時間(f15)に基づいて、温度の関数として抽出収率を予測するために変換することができた。f15のモデル曲線から、基準温度しきい値(TL15及びTU15)をここで推定することができた(図5)。
1L抽出プロセス(例1)を使用する実際的な試験では、PHB∨は、62.7℃のTL15よりも上の抽出時間及び平均抽出温度を変化させる一連のバッチで抽出された。実験的な抽出は、推定された一次抽出反応速度定数(図5)に基づいて、予想された値と比較された(図6−図5を参照し、示されているように平均温度及び抽出時間(T>TL15)によるPHBVに富むバイオマスからのモデル対実験的抽出収率)。実験データは、違いも存在したが、全体として期待値に従った。典型的な予想は、より低い温度での収率を過小評価し、より高い温度での収率を過大評価した。評価(図5)は、全体としてのバイオマス中のPHAに関する値を提供した。しかしながら、CFS16におけるPHBVの熱特性は、このコポリマー混合物が、PHBVコポリマーの混合物を示唆している温度範囲にわたって溶解することを示唆した。ポリマーの大部分は、120℃未満で溶解するが、ポリマーの画分は、160℃〜170℃の間で溶解する。混合物中の低融点コポリマーは、より高い融点の画分よりも容易に抽出可能である。
例4−抽出性能へのバイオマス粒子サイズの影響
蓄積プロセス後のバイオマスが、約15%を超える、好ましくは20%を超える乾燥固体含有物に脱水されると、成形可能な固体状の生地の一貫性を持つようになり得る。我々の実験では、半乾燥バイオマスが形成され、機械加工され、又は押し出され、異なる形状及びサイズの粒子に乾燥され得る。乾燥した粒子は、又、定義された粒子分布窓に機械的に分解され得る。これらの乾燥バイオマス粒子は、一般的に脆性であるが、それらは、抽出プロセスの間に、それらの基本的な形状を保持することができる。基本的な粒子形状は、抽出プロセスの間に粒子が経験する機械的な力があまり攻撃的でない限り、保持される。
バイオマス粒子は、抽出後に回収されたポリマーに最終的にならないことが好ましい。したがって、PHAに富む溶媒からのバイオマス分離がより効率的になると、抽出される生成物の品質は、より良くなる。PHAに富む溶媒からの残留バイオマスの物理的除去を簡単にするために、我々は、より大きい粒子サイズが好ましく、これは、一般的に、0.1mmよりも大きい、好ましくは、0.5mmよりも大きい粒子サイズを意味することを見出した。しかしながら、例2に示した結果に基づいて、我々は、バイオマスの外へのポリマーの質量輸送が、律速であり、温度によって影響を受けたことを理解した。したがって、必要以上に大きすぎる粒子は、抽出プロセスには望ましくないこともわかった。したがって、好ましい実施形態では、後述のように、平均粒子サイズは、4mm未満、好ましくは2mm未満であり得る。
我々は、0.5mmよりも大きいバイオマス粒子サイズが、PHAに富む溶媒排出の間に、フィルタスクリーン分離の簡単な方法を使用して、PHAに富む溶媒から分離するのが容易であったことを見出した。溶媒沸点が抽出温度未満である場合、閉じた抽出システム内に形成された蒸気圧は、フィルタスクリーンを通してPHAに富むバイオマスを駆動し、固体残留物を残すために有効であることが見出された。0.5mmよりも大きい粒子寸法は、使用済みバイオマスからPHAに富む溶媒を分離するプロセス動作を単純化するが、問題は、粒子のサイズがどれくらいの大きさであり得るかである。質量輸送を容易にすること(より小さいバイオマス粒子)と、PHAに富む溶媒分離の容易さ(より大きいバイオマス粒子)とにおいて、バランスが援助する。この目的のため、抽出は、誇張された大きいバイオマス(公称5mm)で、2−ブタノール中で保守的に低温(1時間126℃)で実行された。微細なPHAに富むバイオマス粉末(例3)に関する反応速度定数に基づいて、我々は、粒子からのポリマーの輸送が阻害されなかった場合、125℃で1時間後に約50%の抽出を達成することを期待した。
これらのより大きい粒子がその後に分解されたとき(図7−PHAに富むバイオマスの抽出への粒子サイズの影響)、溶媒の浸透深さは、断面を通して変色によって見えた。変化する浸透深さ及びそのような変量は、材料の多孔性における局所的な違いに部分的に起因している可能性がある。しかしながら、浸透深さは、一般的には1mm以下、典型的には1.5mm未満で、2mmより決して大きくない(図7)。
変色した表面及びコアのサンプルは、抽出の程度における空間的な違いを確認するために、TGAによって別々に解析された。抽出の程度は、バイオマス中のPHAの元の含有量に対して推定された。予想と一致して、我々は、外側粒子表面の抽出の程度が、粒子の有機体の重量に対して49%であったことを見出した。より暗い色の粒子コアには測定可能なPHA抽出は、存在しなかった。しかしながら、コアの無機含有量のわずかではあるが有意な減少は、抽出プロセス中のこれらのより大きい粒子のコアからの物質のある非常に小さい程度の溶出を示唆した。
粒子サイズ分布の影響は、顆粒化バイオマスの異なる粒子分布を与えられたPHAに富むバイオマスにおける直接測定によってさらに調査された。様々なサイズの大きい乾燥バイオマス片が、3ロールミル粉砕機を通して供給された。供給部のロールミルシリンダ(長さ150mm、直径38mm)は、3.0mm間隔で配置され、第3の粉砕シリンダは1.5mmの公称隙間を与える位置に調整された。バイオマスがそのようなデバイスを介して粉砕された後、バイオマス粒子サイズ分布は、3.15、2.00、1.60、1.00、0.85、及び0.71mmの減少するメッシュサイズを有する6つのふるいトレイを有するRetach AS200ベーシックふるい振盪機によって評価された。
質量バランスの配慮から、粒子サイズ分布は、近似することができ、それに対して、そのようなミルを通過し、次いで3.15mmメッシュによってスクリーニングされた顆粒化バイオマスは、約1.8mmのD50と、0.2〜3.4mmの粒子サイズ分布とを示した(図8−バイオマスの最初のミリング通過に関する結果と、選択されたサブ画分の分布とを示す、ロールミル粉砕後のPHAに富むバイオマスの粒子サイズ分布)。抽出は、2.00mmのふるいを通過し、0.71のふるいによって保持された、そのように粉砕されたバイオマスに対して行われた。ここで、公称D50は、約1.3mmであり、推定粒子サイズは、0.7〜2.0mmの範囲であった(図9−2.00mmメッシュを通過し、0.71mmメッシュによって保持されている推定分布を示すロールミル粉砕後のPHAに富むバイオマスの粒子サイズ分布)。比較のために、同一の抽出が、3.15mmのふるいを通過し、2.00mmのふるいによって保持された粉砕されたバイオマスを用いて行われた。ここで、2.00mm〜3.4mmの間の推定粒子サイズ分布で、公称D50は、約2.7mmであった。1つのそのような例では、78℃のTL15を有する39%のPHAを含むPHAに富むバイオマスが、129℃の平均温度で、TL15よりも上で41分間抽出された。同じバイオマスに関する1.3及び2.7mm粒子サイズ分布の推定D50によるPHA回収収率は、約87及び67パーセントであった。第2の例では、63℃のTL15を有する43%のPHAを含むPHAに富むバイオマスが、125℃の平均温度で、T15よりも上で約43分間抽出された。1.3及び2.7mm粒子サイズ分布の推定D50による収率は、約81及び68パーセントであった。したがって、粒子サイズ分布は、プロセス性能に重要であり、これらの結果は、2mm未満のD50を有する顆粒化バイオマスを調製する重量な利点を示唆する。これらの結果から、我々は、抽出収率(質量輸送)及び生成物(PHAに富む溶媒)の分離の検討事項のバランスをとるためのバイオマス粒子サイズにおける実際的な限界を見出した。支配的な粒子サイズ分布は、0.1〜4mmの間、より好ましくは、0.5〜2mmの間であるべきである。
例5−バイオマス中のPHAの分子量の決定
この好ましい実施形態は、所定の回収された生成物品質を一貫して得るために、溶媒−時間−温度−ローディングの調整されたバッチ間条件を有するプロセスで、バイオマスからPHAを抽出できるようにする必要性に対処する。ポリマーの化学的安定性は、溶媒への総バイオマスローディングに敏感であることが見出された。溶媒へのバイオマスローディングは、バイオマス中のPHAと、非PHAバイオマスローディングとに関して分割することができる。PHAの濃度と、非PHAバイオマス成分の濃度の両方が、抽出中のポリマー切断率に影響する可能性がある。特定の総バイオマスローディングに関する溶媒−時間−温度−ローディングの条件は、抽出中のポリマーの特定の切断率をもたらすことになる。抽出プロセスの終了までの切断数は、平均してどのくらい多くのポリマー鎖が切断されることになるかを決定する。ポリマー鎖切断の平均数は、初期値からのポリマー分子量の減少につながる。したがって、バイオマス中のPHAの初期分子量分布は、回収されたポリマーが分子量の定義された生成物品質基準を一貫して満たすのであれば、どれくらい多くの切断が起こり得るのかをまさに決定する。
例えば、処理すべきポリマーが200kDaの数平均分子量を超えなければならないことが顧客によって指定されている場合の特定のポリマー用途に関する場合を考える。バイオマス中のPHAが300kDaの数平均分子量である場合、式EQ−1によって、抽出プロセスは、0.5を超える切断数をもたらしてはならない。バイオマス中のPHAの数平均分子量が400kDaであった場合、抽出中の最大許容切断は、1.0となる。すべての他の要因が等しいと、後者の場合は、同じ最終生成物品質を達成しながら、抽出プロセスへのより大きいバイオマスローディングを許容する。適切に選択されたバイオマスローディングに一致した時間−温度−溶媒の選択された抽出条件は、生成物品質を調整する。
バイオマス中のPHAの分子量の控えめな見積もりは、適切なバイオマスローディング条件の選択に向けて有用な情報ということになる。そのような評価のための多数の可能な戦略の可能性への制限なしに、バイオマス中のPHA分子量評価の保守的な参照方法のための代表的なアプローチが、本明細書で提示される。これらの方法は、分子量の損失の減少を課すことが知られている条件の下でPHAを抽出すること、又は、分子量の損失がバイオマス中のPHAの分子量平均を推定するために説明され得る場合のいずれかを意図されたプロトコルである。例えば、PHAは、アセトンと、10g−PHA/L以下の公称PHAローディングとを使用して、試験管規模で粉末のバイオマスから抽出される。抽出は、少なくとも15分毎に1回、試験管をボルテックス混合しながら、加熱ブロックにおいて125℃で1時間であった。設定された抽出時間に達した後、試験管(典型的には、各々10mL溶液を有する6つの試験管)は、PHAに富む溶液を50mLビーカに注ぐ前に、室温で3分間冷却される。ポリマーが沈殿するまで、脱イオン水が滴下され、ポリマーは、次いで、真空濾過によって溶液から回収され、70℃で乾燥される。サンプル品質は、TGA及びレオロジーによって確認される。分子量は、レオロジー及び/又はサイズ排除クロマトグラフィの標準的な方法によって定量化される。
代替として、ブタノールが、15分間140℃の抽出温度、及び、10g−PHA/L以下の公称PHAローディングで使用される。ポリマーに富む溶液が、例3の方法にしたがってデカントされる。生成物品質及び分子量が、上記のように評価される。
より低い温度又はより短い時間のいずれかを維持することと、より少ないバイオマスローディングとの組み合わせは、バイオマス中のポリマー分子量の推定値を提供するための参考材料をもたらす。ポリマーのいくらかの分子量損失は、そのような標準的な抽出方法でさえ起こる可能性があることが認識される。この評価の一部としての分子量損失は、抽出プロセスの許容最大バイオマスローディングの過小評価につながる傾向があるので、推定値は、したがって、控えめである。より厳密な方法は、抽出時間又はローディングのいずれかを変化させて試験管規模での抽出のシリーズを実行することである。各々の場合において、分子量が評価され、時間(又はローディング)の関数としての傾向に基づいて、バイオマス中のPHAの平均分子量が、ゼロ時間(又は無視できるローディング)の時点での外挿によって傾向から推定され得る。一例(図10−一定のバイオマスローディングでの2−ブタノール中のPHBに富むバイオマスの等温(125℃)抽出の平均切断率)では、標準的な抽出方法が、561kDaであるとバイオマス中のPHAの平均分子量を予想した場合、一定ローディング、及び、1〜9時間で変化する抽出時間による対照シリーズの傾向は、591kDaのバイオマス中のPHAのMを示唆した。これらの結果は、また、所与のバイオマスローディングに関する等温条件下での繰り返し観察された一定の切断率を説明するのに役立った。例3(図5)で提示されたCFS16を参照して、バイオマス中のPHAのMは、611kDaであると推定された。したがって、実行された実際的な抽出試験(図6)から、50g/Lの抽出PHAローディングの場合に関して、生成物分子量が決定され、温度の関数としての切断率が推定された(図11−50g/Lの一定のPHAローディングでの2−ブタノール中のPHBVに富むバイオマスに関する平均抽出温度の関数としての平均切断率。時間t50は、平均分子量の50%の損失をもたらす推定抽出時間である)。温度の関数としての切断率により、特定の目標生成物分子量を考えると、利用可能な抽出時間が温度の関数として減少することになることを期待することができる。図11は、平均分子量の50%の損失に関する、利用可能な抽出時間(分単位でのt50)の指数関数的な減少を、一定の結果として生じる分裂と共に示す。
生成物の分子量が400kDa以上であるべきである例を考える。50g/LのPHAローディングに関する温度の関数としての切断率に基づいて、平均分子量の35%の損失に関する利用可能な時間と、関連する予測抽出収率とを推定することができる(図12−分子量の一定の35%の損失に関する50g/LのPHAローディングに基づく許容抽出時間(t35)は、抽出に関する予想される収率(f)に影響する)。予測は、確認することができ、モデルは、実際試験から改善することができる。より高い平均温度に関するより短い許容抽出時間は、最高の可能な抽出収率のための十分な時間を提供しない可能性がある。しかしながら、PHAローディングをより少なくすることは、一般に、切断率を低下させ、これは、同じ平均抽出温度に関してより長い許容抽出時間を可能にする。
例6−抽出プロセスに添加剤を導入する
生産性を向上させる及び/又は最終生成物品質を操作することに向けて、プロセスに化学添加剤を導入することができる。添加剤は、高温の溶媒がバイオマスと接触しているとき、抽出プロセスに持ち込むことができる。代替的に、添加剤は、バイオマスの分離後、ゲル化の前に、PHAに富む溶媒に導入することができる。ゲル化中又は後の混合物への添加物の混合は、薬剤添加のための第3の機会である。薬剤添加の基礎となる動機は、様々である可能性がある。限定することなく、いくつかの例が、例示のために本明細書で提示される。
抽出プロセスへのバイオマスのローディングは、許容切断数によって制約される可能性がある。ランダムな鎖切断の反応を阻害するように作用する化学添加剤は、より多いバイオマスローディングを可能にする潜在的な価値がある。例えば、ポリマーの切断率は、陽イオンの存在によって影響される。したがって、陽イオンを隔離するバイオマスへの添加剤は、鎖切断反応を阻害するのに役立つことができる。同様に、水分は、切断率を増加させる。バイオマスは、吸湿性であり、我々は、典型的には、乾燥後のバイオマスが貯蔵時に2〜5%程度の含水量に釣り合うことを観察している。我々は、抽出直前のバイオマスの予備乾燥が切断率を25%程度効率的に低減したことを見出した。したがって、抽出プロセス中の水の存在又は発生による影響を制限する1つの戦略は、抽出中にバイオマスと共に水捕捉剤を含めることであろう。
バイオマス分離後にPHAに富む溶媒にポリマー添加剤をもたらすことの1つの利点は、そのような添加剤が急速且つ均一にマトリクス内に分散され得る容易さに関する。代替案は、溶融処理中にそのような添加剤を混合することであるが、溶融処理は、高温を伴い、混合物における望ましくない程度の材料の劣化の危険がある。PHAの混合物は、異なる抽出バッチからの異なるコポリマーのPHAに富む溶液又はゲルとして混合され得る。ポリマーは、また、抽出後であるが、ゲル化の前に、反応性化合物を導入すること、及びその中での有益な化学反応によって変性され得る。例えば、我々は、ポリカルボジイミドを用いてこの原理を実証している。ポリカルボジイミドは、Stabaxol(登録商標)Pという商品名の下でドイツのRhein Chemieによって提供された。Stabaxolは、粉末状であり、13%のN=C=N含有量と共に、約3000g/molの重量平均分子量を有していた。ポリカルボジイミドは、カルボキシル基と反応する高度不飽和基−N=C=N−を含む。PLA系における鎖延長剤としてのこの添加剤の使用は、十分に実証されている。バイオマスからのPHBの抽出は、StabaxolPの存在ありで及び存在なしで実行された。重量で44%のPHBを含むバイオマスは、論理的に抽出された30g−PLA/LのPHAに富む溶媒溶液を生成することに向けて、2−ブタノールと組み合わされた。ポリカルボジイミドを用いる場合には、2重量%のStabaxolPが使用され、ここで、重量パーセントは、抽出PHAローディングに対するものであった。PHBは、125℃の等温条件下で、1〜9時間の選択された時間の間、バイオマスから抽出された。抽出効率は、公称で83パーセントであり、時間に依存せず、この特定のバイオマスからのポリマー抽出の程度の観察された効果的な限界が、この抽出温度に関して最初の1時間内にすでに達成されたことを示した。
さらに、StabaxolPの存在が、0.06から〜0.08時間−1までに切断率を32パーセント増加させたことが観察された。引き起こされた増加した切断率にもかかわらず、ポリカルボジイミドの存在下で抽出されたポリマーは、鎖延長を促進すると予測された。抽出されたPHBは、対照の予測された分子量(591kDa)と比較して、657kDaのわずかにより高い初期重量平均分子量を有すると推定された。したがって、ポリカルボジイミド系添加剤は、高温でのPHA貧抽出溶媒内のPHAと有益な方法で急速に反応することになる。しかしながら、反応混合物が長時間高温に維持された場合、これらの利点は、延長されない可能性がある。したがって、ポリカルボジイミドをポリマーに富む溶媒溶液と混合される最も適切な時点は、溶媒からバイオマスを分離した後、溶媒がゲル化のために冷却する直前であろう。
例7−非PHAバイオマスの共同抽出及び溶媒予備洗浄
PHA貧溶媒は、我々が限定することなくTL15温度を定義した限界抽出温度よりも上でPHAを抽出することになる。加えて、非PHAバイオマスは、抽出されることになる。我々は、PHAに富むバイオマスのバッチで実行された反復真空管抽出実験で非PHAバイオマス抽出を評価している。これらのPHAに富むバイオマスバッチは、自治体又は産業廃水のいずれかを処理することから得られた。微細に粉砕されたPHBに富むバイオマスのサンプル(公称150mg)が、12mLの試験管に秤量された。バイオマス中のPHAの質量分率は、熱重量分析(TGA)によって推定された。バイオマスの公称PHA含有量は、50%w/wであった。バイオマスは、10mLの2−ブタノールと混合され、テフロン(登録商標)で裏打ちされたスクリューキャップで密封された。溶媒への理論上の最大PHAローディングは、約7g/Lであった。このモデルスケールの試験管実験系でPHAに富む溶媒からのバイオマス分離を容易にするために、ゲル形成の減少した駆動傾向に関するこれらの抽出試験のために、非常に低いPHAローディングが使用された。PHAに富むバイオマスは、選択された温度(125、132、135、137、及び140℃)並びに選択された時間(15、30、及び45分)で抽出された。抽出されたポリマーの純度は、TGAによって評価され、物質収支の考察から、抽出された非PHAバイオマスの画分も推定された。
加えて、ベンチ及びパイロット規模での抽出試験が、30〜70g/Lのより有意なPHAローディング範囲で、それぞれ、1及び10Lの体積で行われた。これらの実験に関して、既知の重量のバイオマスが、抽出反応器に導入され、ポリマーは、バイオマス中のPHAの119℃の推定された公称のTL15よりも上で、145℃未満のピーク温度で、29分間(1L)及び33分間(10L)、バイオマスから抽出された。抽出時間平均温度は、138℃(1L)及び135℃(10L)であった。PHAに富む溶媒は、反応器から排出され、ゲル化のために冷却された。乾燥したPHAに富むバイオマスの代表的なサンプル、残留バイオマス、及び溶媒ゲルが、TGAによって評価された。物質収支の考察から、PHA及び非PHA画分が、以下のように評価された。
ここで、
X、G、R=PHAに富むバイオマス、乾燥ゲル、及び残留バイオマス
、G、R=PHAに富むバイオマス、乾燥ゲル、及び残留バイオマス中のPHAの質量、
、G、R=PHAに富むバイオマス、乾燥ゲル、及び残留バイオマス中の非PHAの質量、
、Y=PHA及び非PHAバイオマスの抽出収率
である。抽出されたPHAの分子量は、レオロジーと、基準のバイオマス中のPHAのポリマー分子量決定に対して推定された平均切断率とによって評価された(例5)。
一般的に、我々は、非PHAバイオマスの抽出量が、ロードされた非PHAバイオマスの5〜50パーセントの範囲で有意に変化したことを見出した。我々は、抽出された非PHAバイオマスの量が、200℃未満の温度でのTGA中に揮発した非PHAバイオマスの画分と相関することを観察した。平均して、抽出された材料の非PHA含有量は、所与の抽出時間の間、温度とともに増加したので、非PHAバイオマス抽出の反応速度は、温度によって影響された。非PHAバイオマス抽出の変動にもかかわらず、非PHAの抽出されたバイオマスの総量は、驚いたことに、抽出中の切断率と相関しなかった。しかしながら、特定のバイオマスバッチを水すすぎすることは、200℃未満の温度でのTGA中に揮発する非PHAバイオマス画分を減少させ、結果は、バイオマスのこの画分が抽出切断率に影響する成分を含むことを示唆した。
抽出中のPHAの化学的安定性に対する非PHAの抽出可能な材料の影響の可能性をよりよく理解するために、我々は、抽出溶媒によるバイオマスの前処理の効果を調べた。試験管抽出のシリーズが、44パーセントのPHBを含むバイオマスに実行された。このシリーズでは、サンプルは、最初に、45分までの間、90℃(この場合に固有の推定された119℃のTL15未満)で、ブタノール中で、選択された持続時間の間、抽出された。このTL15未満の抽出後、ブタノールは、デカントされ、残りのバイオマスは、125℃で5時間、15g/LのPHBローディングを使用して、ブタノールの新鮮なアリコートを用いて抽出された。PHAに富む溶媒は、デカントされ、分子量は、SECを使用して決定された。
平均分子量損失の程度が変化するサンプルの多分散性指数は、ほぼ一定(1.76±0.06)であった。切断率は、参照されたバイオマス中のPHAのポリマー分子量の決定に対して決定された(例5)。非PHAバイオマスの予備抽出は、観察された切断率の有意な低下をもたらした。したがって、ポリマーの化学的安定性の有意な改善が、増加した予備抽出時間によって達成された。予備抽出なしの平均切断率の23パーセントの推定される最大の減少までが達成された(図13−PHBに富むバイオマスの一定のローディングに関する2−ブタノールによる90℃の予備洗浄の抽出切断率への影響)。切断率を低減するための溶媒の前処理の効果が、大規模での繰り返し実験でさらに評価された。一例では、1Lのブタノール抽出が、62%のPHBを含むバイオマスを用いて実行された。抽出は、50g/LのPHBローディングで行われた。バイオマスが、138℃で29分間のPHB抽出の前に、45分間90℃の予備抽出で処理されたとき、抽出中の切断率は、47パーセント減少した。
したがって、我々は、合計の抽出可能な非PHAバイオマスは、全体として、ポリマーの安定性に影響を及ぼさないが、バイオマスは、それにもかかわらず、切断率に影響を及ぼす非PHAの抽出可能な化合物を含むことを見出した。PHA回収に対するこれらの化合物の影響は、PHA抽出の前の、PHAに富むバイオマスコポリマー混合物に関する最低TL15未満の温度でのそれらの別個の選択的抽出によって軽減され得る。前処理のさらなる利点は、さもなければ抽出後にゲル中のPHAと関係するようになる非PHA材料を除去することである。これらの調査から、サンプルの純度と同様のレベルに到達するために、ゲル化後の様々な程度の処理が、異なるバイオマスバッチの結果として適切であり得ることが明らかになった。さらに、ポリマーの化学的安定性は、PHAに富むバイオマスの異なるバッチにおいて様々な程度に存在する可能性がある抽出可能な化合物に少なくとも部分的に起因する。
例8−PHAに富むバイオマスローディングの評価
例5は、バイオマス中のPHAの数平均分子量の標準化された評価のための方法を説明する。標準化された方法は、抽出条件(溶媒−ローディング−時間−温度)の経験に基づき、ここで、分子量損失は、一般に、無視できる程度であることが経験されている(WO2012/022998A1)。しかしながら、そのような抽出条件は、一般に、非常に低い容量生産性であり、工業的規模では経済的に禁制的である。
PHA蓄積プロセスでは、典型的には、バイオマス中のPHAの重量平均分子量が、500kDaを超え、好ましくは600kDaを超え、より好ましくは1000kDaを超えるように努める。抽出後、350kDaを超える、好ましくは400kDaを超える、より好ましくは500kDaを超える、最も好ましくは700kDaを超える重量平均分子量を有するポリマーを得ることが望ましい。できるだけ高い分子量のPHAを生成することの一般的な利点にもかかわらず、分子量の基準は、用途における具体的な意図に関係するであろう。したがって、実際には抽出プロセスの実際的な目的は、その使用意図に関する回収されたポリマーの好ましい品質目標を単に満たすことである。経済的にあまり実行可能ではない抽出プロセスを犠牲に、これらの目標をはるかに超えるポリマーを回収することは、意味がない。課題は、抽出プロセスがより経済的に効果的であるために、ローディング−時間−温度、及び溶媒の選択された条件が、ある程度の分子量が回収プロセスの過程で犠牲になることが許可されるようなものでなければならないことである。分子量の損失は、一般に、ランダムな鎖切断反応が生じるのを促進する条件に起因する。ランダムな鎖切断の反応速度は、溶媒のタイプ、溶媒温度、及び、溶媒中のPHAに富むバイオマスのローディングによって影響を受ける。PHAに富むバイオマスは、PHA及び非PHAバイオマスを含む。いくらかの(抽出可能な及び抽出不可能な)非PHAバイオマス成分が、ランダムな鎖切断反応に寄与することが観察された(例7)。
したがって、特定の溶媒抽出に関する時間及び温度の条件を選択する際、回収プロセスへのバイオマス中のPHAのローディング及びバイオマス中の非PHAのローディングの複合効果を考慮しなければならない。一般に、我々は、すべての他のことが同じならば、抽出プロセスにおける総バイオマスの増加したローディングにより、切断率の増加を期待することができることを見出した。
例7に見られるような問題は、すべての非PHAバイオマスが切断率に影響を及ぼすわけではないということである。さらに、我々は、異なるPHAに富むバイオマスバッチが、同様の抽出温度及びローディング条件下で、異なる特定の切断率を示す可能性があることを経験した。特定の切断率は、速度定数と、溶液中の任意の反応性化学化合物の濃度とによって決定されると仮定することができる。我々は、非PHAバイオマスの画分がそのような反応性化学化合物を含む可能性があることを見てきた。したがって、一次反応速度を仮定すると、我々は、切断率が、一般に、以下のようにバイオマスローディングに直接依存するものとして説明することができることを感じた。
ここで、
=平均固有切断率
=温度及びバイオマス化学組成に依存する切断率定数
=抽出溶媒の単位体積あたりのバイオマス中のPHAのローディング
=抽出溶媒の単位体積あたりのバイオマス中の非PHAのローディング
である。これらのプロセス及び方法を開発する我々の目的の1つは、
1.より経済的な容量生産性及び全体的に改善されたゲル化特性を保証することに向けた可能な限り最大のローディングのために努力し、
2.同時に、バイオマス中のPHA及び非PHAバイオマスの選択されたローディングが、生成物品質の指定可能なしきい値以上の抽出されたポリマーの分子量をもたらすことを保証する
ために、PHA貧溶媒でのPHA抽出のバイオマスローディング条件を最適に調整する方法を確立してきた。我々は、バイオマスの化学的品質を反映する測定値に対する依存性kを定義しようとした。この目的のため、我々は、バイオマスローディングと、結果として生じる切断との間の関係を、2−ブタノールによる1L反応器からのポリマー抽出に基づいて調べた。同じ及び明らかに異なる生成バッチからのPHAに富むバイオマスが、25〜80g−PHA/LのPHAローディング(X)の範囲の変化するローディング条件で抽出された。いくつかの場合には、同じPHAに富むバイオマスは、予備抽出溶媒として水又は2−ブタノールを使用する予備抽出あり又はなしで抽出された。これらの実験では、138℃で29分の公称抽出時間が適用された。「X+X」のそれぞれのバイオマス品質は、TGA及びFTIRによって定量的に識別された(例1)。バイオマス中のPHAの分子量は、標準化された真空管規模の抽出からのポリマーの特性評価に基づいて決定された(例5)。この特定の例のためのすべてのバイオマスサンプルは、WO2012/022998A1に従って適用された方法の予想に合わせて、良好なバイオマス中のPHAの熱安定性を示した。しかしながら、切断率の範囲が観察され、これは、138℃29分の1L抽出プロセス中のPHAの化学的安定性の違いを示唆した(図14−所与の抽出時間、温度、及び溶媒に関する切断へのPHAに富むバイオマスのPHAローディングの影響。所与のバイオマスは、ローディングと共に増加する切断の傾向を示した(◆)。しかしながら、一般的に異なるバイオマスバッチ(□)は、抽出中、ポリマーの化学的安定性の広い変動を示した)。我々は、バイオマスの化学組成の違いが、分子量損失率のそれぞれの観察された違いに対する主な要因であるべきであることを感じた。
バイオマスの化学組成は、FTIRスペクトルの「指紋」としてキャプチャされる。FTIRスペクトルは、背景補正され、信号は、800〜1000nmの間の吸光度に基づいて正規化された。スペクトルは、次いで、各抽出に適用された質量「X+X」によってスケーリングされた。したがって、抽出されたポリマーの各バッチは、特定の切断率のデータと、バイオマスローディングのFTIR化学的「指紋」とを伴った。
我々は、これらのデータが、式EQ−E8.1を維持し、部分的最小二乗法解析によって、それぞれの平均固有切断率を予測するために、バイオマス指紋及びローディングを関連付けることによって、モデルを定式化するために使用され得ることを発見した(図15−PHBに富むバイオマス及びローディング条件が変化するが、一定の溶媒タイプ、平均抽出温度、及び抽出時間の明確なバイオマスバッチのバイオマス品質のFTIR「指紋」に基づいて、測定された平均固有切断率を予測された平均固有切断率に関係付けるPLSモデルの結果(モデル構築実験データ(○)及びモデル検証データ(■))の図)。
限定するものではないが、そのような計量化学モデルがこれらの開示された知見にしたがって適用される方法の一例は、図16に提供される(PLS計量化学モデルの適用の例は、入ってくるバッチ間で変動するPHAに富むバイオマス品質に対して一貫したプロセス生産性及び生成物品質レベルのための最適化された抽出操作条件を維持することを目的とする)。当業者は、そのようなモデルが、較正された抽出プロセスまでバイオマスを演繹的に評価し、特定のバイオマスローディングに関するモデル化された固有切断率を推定するための能力を提供することを理解するであろう。適切なローディングは、所与の初期分子量及び特定の切断率に関して、回収されたPHAの平均分子量が、一貫して高い程度の確実性で、指定された分子量基準を満たすように選択され得る。
例9−材料フロー及びプロセス管理の例
本明細書で提示されているPHA回収の実施形態の実施態様では、PHAに富むバイオマスを受け入れ、処理するための集中化した施設を想定することができる。そのような施設は、入ってくる原材料が付加価値の材料及び生成物に精製される精製所の一部とみなされ得る(図17−任意の数の廃水処理プラント(WWTP1...WWTPn)からPHAに富むバイオマスのバッチ(可変品質のB1...Bn)を受け入れ、任意の数の商業市場(Customer1...Customern)のための他の回収された付加価値の化学物質と並んで、一定品質のグレードのバイオポリマー生成物(PHA1...PHAn)を生成する、集中化した精製所)。PHAに富むバイオマスの入力バッチは、限定はしないが、バイオマス中のPHAの平均分子量と、抽出中の化学的安定性とを含む変化し得る品質のものであることが予想される。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、原料バッチ間のバイオマス品質の変動に対応し、その際、PHAに富む溶媒ゲルにおいて、材料の平均分子量に関する確立された製品又は用途の基準内のポリマーを一貫して回収するために適用され得る。
精製所は、同時に、回収プロセスの容積生産性を最大化することによって有益になるように作業しながら、生成物の品質基準の制約を達成する。回収プロセスの一部として、非PHA残留物(プラットフォーム化学物質)を並行して回収することができ、これらのプラットフォーム化学物質の化学的及び/又はエネルギー内容物を利用することもできる。例として、回収プロセスは、さらに、脂質、バイオオイル、ミネラル栄養素(窒素及びリン)、合成ガス、並びに/又は熱を生成するために使用することができる。
一実施形態(図18−全体的な改善された経済性及び生産性のために可能な最も積極的なプロセス容量ローディングを適用しながら、回収プロセスを調整し、定義された品質のPHAを回収することに向けたプロセス及び方法の用途。一般的に、高いバイオマス中のPHAの平均分子量は、すべての他のことが等しければ、より高い抽出ローディングを可能にする。)では、PHAに富むバイオマスの入力バッチの品質は、分子量及び化学的安定性に関して評価される(例8)。これらのデータから、開示された抽出プロセスへの適切なバイオマスローディングは、一貫した分子量の品質制御限界内のゲル中のPHA、又は乾燥樹脂を生成するために推定され得る。PHAに富むバイオマスからPHAに富む溶媒ゲルを生成する開示された方法は、最適な回収プロセス容量生産性で、一貫した生成物品質を維持することに向けられている。PHAに富むバイオマスのバッチは、直接評価される(図19−一貫して制御された品質で、変化し得るバッチ間品質のPHAに富むバイオマスのPHAに富む溶媒への変換の際のプロセス条件を調整する方法を適用することの一部としての材料及び情報の流れ)。そのような評価は、PHA含有量、バイオマス中のPHAの平均分子量、バイオマス中のPHAの化学的安定性、臨界抽出温度、及び反応速度についての情報、並びに、抽出されたポリマーの臨界ゲル化時間及び温度を提供する(例1〜5、11)。プロセスモデルデータベース、及び生成物における所与の情報に基づいて、抽出における溶媒、時間、及び温度が与えて、最大バイオマスローディングの推定を行うことができる(例8)。
並行して、必要なPHAローディングの推定を、ゲル特性及びプロセス容量生産性の目標に合わせて行うことができる(例11)。バイオマスのPHA含有量を考えると、PHAローディング基準は、許容し得るPHAに富むバイオマスローディング限界と比較することができる。許容し得るPHAに富むバイオマスローディング限界が十分でない場合、PHAに富むバイオマスの前処理、又は、化学添加剤によるPHAに富む溶媒の後処理のオプションは、「許容プロセスバイオマスローディング」の増加を得るために評価され得る(例6、7)。定義された溶媒−濃度−時間−温度の条件により、PHAは、予想される生成物品質の先験的な知識を用いて、バイオマスから抽出され得る。抽出プロセスのオンライン監視(例10)は、抽出プロセス時間の微調整を可能にし、ゲル及び回収されたPHAの品質評価は、特性評価及びプロセスモデル化データベースへのフィードバックを可能にする。生成物品質の評価からのフィードバックの時間と共に、修正されたモデルデータベースは、改善されたプロセス調整と、より厳密に制御された生成物品質管理とを可能にする。
例10−PHA抽出プロセスのオンライン監視
我々は、試験管規模の実験プロトコルに基づいて、PHAに富むバイオマスからのPHAの抽出の反応速度を予測するためのプロトコルを発見している(例3)。それにもかかわらず、実験室試験から得られた管理条件による理論モデルは、スケールアップされた工業的プロセスにおいてバイオマスから溶媒中へのPHAの質量移動に影響を及ぼす可能性があるすべての要因をより具体的に予測することができない。スケールアップされたプロセスの制御は、それにもかかわらず、ケースバイケースで最高の実際的に可能な抽出反応速度を達成するように調整される必要がある可能性がある。実際にプロセスの工業化の任意の特定の実施態様における実際の経験をより密接に表現するように理論モデルを調整するために、補正係数を適用することができる。したがって、我々は、オンラインプロセス監視を介して抽出の進行を監視するための手段を確立することが有利であることを見出した。限定することなく、スケールアップされた抽出施設で容易に用いることができる測定原理の実際的な例を提供するために、2つの方法が本明細書に示されている。
抽出溶媒の粘度は、温度の関数であるが、溶媒中のポリマーの濃度(及び、ポリマー分子量)の関数でもあることになる。溶媒粘度は、温度と共に減少し、ポリマー濃度及び/又は分子量と共に増加する。我々は、10Lの抽出実験及びマスフローのオンライン監視並びに一定の変位ポンプ周波数を介して、温度補償された溶媒粘度が、PHA抽出の予想反応速度に相関して変化することを発見している(図20−測定された溶媒粘度依存の再循環流の相対的変化(10Lプロセス−例1)と、推定されたモデル化されたPHA抽出収率(例3)との間の相関の図)。第2の例では、溶媒のNIR分光吸収は、また、温度と、溶媒中のポリマーの量とに依存する。我々は、NIR吸収データが、PHA抽出の進行を監視するために使用され得ることを見出している。抽出中のPHA濃度による粘度依存の再循環マスフローの変化の傾向は、記録されたスペクトル変化を解釈するPLSモデルに基づいて、NIR吸収の測定された傾向と相関した(図21−測定された溶媒粘度依存の再循環流の相対的変化(10Lプロセス−例1)と、近赤外線分光法(NIR)による溶媒のオンライン監視からのスペクトルから得られた予測マスフロー増加との間のPLSモデルに基づく相関の図)。
限定はしないが、我々が見つけている他の監視パラメータは、ポリマー回収を監視する上で使用するものであり、反応器の温度及び圧力の傾向を含む。当業者は、オンライン監視が、プロセスの動作及び制御のための強力なツールを提供することと、本明細書で提示される予測モデルが、実際の抽出傾向の監視経験に基づいて洗練され得ることとを理解するであろう。
例11−ゲル化反応速度の制御及び利用
バイオマスからのPHAに富む溶媒の分離及び回収は、溶媒がゲルを形成する前に、容易に達成され得る。本明細書に記載の実施形態では、PHAを含むバイオマスは、2−ブタノールのようなPHA貧溶媒と一緒に圧力容器内に配置される。圧力容器内の溶媒と組み合わされたバイオマスの総量は、PHAローディングが30〜100gPHA/Lであるように調整される。2−ブタノールは、99℃で沸騰するので、温度は、2−ブタノールに関して1〜10バールの過圧力を発生する圧力容器内で好ましくはTL15よりも上でTU15よりも下に平均して上昇される。PHA抽出は、次いで、15分よりも長く、2時間未満、好ましくは1時間未満の間、抽出温度でバイオマスに対して溶媒を混合することによって実行される。PHAに富む溶媒は、次いで、例えば、PHAに富む溶媒を適切なサイズのメッシュスクリーンに通すことによって、残留バイオマス懸濁固体から分離することができる。
分離前に、溶媒は、TL15の抽出温度未満に冷却することができるが、分離の処理タスクに利用可能な時間は、ゲル化の開始に関する温度依存の反応速度によって影響を受けることになる(図22−ゲル化による溶媒の光学濃度の増加に基づくPHAに富む溶媒ゲル形成の反応速度の等温(102℃)反応速度の図)。我々は、ゲル化温度が、ポリマー濃度、混合条件、及び、抽出されたコポリマー又はコポリマー混合物のタイプによってシフトすることを見出した(図23(図22に示すゲル化の開始に基づく等温ゲル化時間に対する温度の影響の図)、図24(ゲル化温度に対するPHAに富む溶媒の濃度及びPHA組成(◆−PHB、▲及び■PHBVコポリマー)の影響の図、並びに、図25(同様の冷却速度(=−1.6℃/分)を仮定した、高い(◆−78℃未満で開始)及び低い(■−87℃によって開始)混合エネルギーの影響によるゲル化の開始の図。冷却速度がゲル化の発熱性によって影響を受けたことに留意されたい)。したがって、残留バイオマス分離中、及び、PHAに富む溶媒がゲル化の場所に配置されている間の実際的に利用可能な処理時間、混合条件、及び温度は、ケースバイケースにバッチ単位で適切なように調整され得る。条件は、PHA濃度、温度、又は混合の関数として確立された傾向に対して設けられている。限定はしないが、PHAに富む溶媒からバイオマスを分離するため、及び、溶媒をゲル化の場所に配置するために利用可能な時間は、実験室規模の実験によって簡単にバッチ間ベースで評価することができる。PHAに富むバイオマスは、抽出溶媒と一緒に試験管内にロードされる。バイオマス中のPHAは、定期的に混合しながら、必要な抽出時間の間、決定されたTU15より上で、適切な温度に制御された加熱ブロック内で管及び内容物を加熱することによって抽出された。バイオマスは、管内で沈降し、管の内容物は、実物大のシステムを代表する方法で時間的に冷却される。選択された時間間隔で、沈降したバイオマスの上のPHAに富む溶媒の上澄み液の光学濃度が測定される。そのような測定は、分光光度計で、より簡単には、デジタルカメラ及び標準フラッシュを用いても行うことができる(図26−PHAに富む溶媒に関する温度の関数としての光学濃度の回帰分析によって決定されるゲル化の開始の図)。PHAに富む溶媒の光学濃度の傾向は、回帰分析によって評価することができ、ゲル化温度を特定することができる。ゲル化点に到達する前の冷却時間は、次いで、冷却曲線から推定され得る(図27−図26を参照した所与のPHAに富む溶媒の冷却曲線に関するゲル化の開始前に利用可能な時間の図)。
PHAに富む溶媒が懸濁残留バイオマスから分離されると、PHAに富む溶媒が抽出反応器の外に運ばれるにつれて、さらなる冷却、又は混合強度の低下は、ゲル形成を促進することになる。ゲルは、圧送、押出し、又は押圧され得る。溶媒は、例えば、フィルタプレスを含む、任意の数の様々な利用可能な技術を使用して機械的な力を適用することによって、ゲル塊から滲出させることができる。ゲルは、また、マトリクスから過剰な溶媒を滲出させるために、機械的な力を加える前又はその一部として、PHAの他のゲルと混合することによって処理することもでき、又は、化学添加剤と混合することもできる。
一般に、ゲルマトリクスに適用される圧力は、圧搾される残留溶媒の量に影響を及ぼす。所与の圧力に関して、溶媒は、ケーキの幾何学的形状、使用されるプレスのタイプ、及び、溶媒の排水の結果として生じる抵抗によって強く影響を受ける可能性がある速度で圧搾される。特定のプレスの一例が、図28に示されている(溶媒圧搾に対する一定圧力(16バール)での排水速度の影響、及び、PHAに富むゲルからのゲル乾燥固体内容物の増加)。所与の最終的なプレス圧、及び特定のプレスに関して、乾燥固体の最終的なレベルを達成することができ(図29−PHAに富むゲルからの溶媒の圧搾に対する時間及び圧力の影響)、我々は、これらのレベルが、また、PHAのタイプに関連していることを見出した。それにもかかわらず、混合培養のPHAに富むバイオマスから回収されたPHBVの反復する押圧試験により、15〜25バールの間のプレス圧が、一般に55〜75パーセントの結果として生じるプレスされたケーキの乾燥固体内容物と、一般に99パーセントを超えるポリマー純度とをもたらすことができることを観察している。
圧搾された溶媒は、収集され、リサイクルされ得る。溶媒回収の一部として、脂質及び脂肪酸のような化学副産物を共回収することができる。濃縮ゲル中の残留溶媒は、拡大した程度のポリマー精製のためのさらなる溶媒リンスあり又はなしで、熱処理によって除去することができる。
例12−プロセス例
限定はしないが、図30(抽出プロセスの要素の概略図)に示すように、バッチ抽出反応器(1)は、溶媒リザーバ(4)からポンピング(3)によって清浄な溶媒で充填される。反応器(1)は、バイオマスを装填され、密封され、加圧され、PHAは、TL15を超える温度で溶媒中に抽出される。抽出時間は、予測モデル化を介して、及び/又は、PHA濃度を増加させる発展するプロセス傾向を決定するために、粘度、光吸収、若しくは他の類似の技術に基づく溶媒のオンライン感知を使用する抽出プロセスの監視によって確立される。抽出段階の後、溶媒は、加熱ライン(2)を介して反応器(1)の外に排出され(3)、加熱ライン(2)では、残留バイオマスの分離中にゲル化の開始が回避される実際的な輸送時間フレームを可能にするために、必要な加熱レベルが確立される。残留懸濁バイオマスは、反応器での、又は、溶媒の出口ライン内の反応器の下流に位置するトラップでの濾過によって分離される。PHAに富む溶媒は、ゲル形成のための十分な冷却を促進する熱交換器(5)を通って輸送され、ゲルは、5〜30バールの間の圧力で機械的に押圧される(6)。圧搾された使用済み溶媒は、収集され(7)、PHAケーキは、熱的方法によって乾燥される(8)。別の実施形態では、ゲルは、乾燥されず、ゲル形成におけるさらなる処理及び混合に直接使用される。
(4)からの新鮮な溶媒は、システムから残りのPHAゲルを洗い流すために使用することができる。使用済み抽出溶媒(7)は、圧送され(9)、蒸発(10)によって回収され、リサイクルされた溶媒(11)は、溶媒リザーバ(4)に戻される。脂質及び脂肪酸のような非PHAの抽出されたバイオマス成分は、回収され、また、付加価値化され得る。溶媒蒸発又は漏洩排出物は、捕捉され(12)、濃縮され(13)、回収される(14)。(1)からの除去中に物理的分離によって捕捉されたバイオマス残留物は、熱分解を介するなど、化学的及びエネルギー回収のためにさらに処理される。熱分解の結果として灰分を含むリンは、農業のような用途のための副産物原材料としてさらに使用することができる。
上記のプロセス及び方法の構成若しくは拡張における変形例、又はその工業的規模の実施の形態を考えることができる。一実施形態では、バイオマスは、バイオマス中のPHAの化学的安定性を改善するために、TL15未満の溶媒で予備抽出される。別の実施形態では、バイオマスから物理的に分離して配置されるPHAに富む溶媒は、ゲル化前、中、又は後に化学添加剤と組み合わされる。さらなる実施形態では、加熱された溶媒は、加熱された溶媒にバイオマスを混合するのではなく、バイオマスを通って再循環される。第4の実施形態では、バイオマスは、外部チャンバ内にロードされ、PHA貧溶媒は、バイオマスと接触される前に予備加熱される。加熱された溶媒は、バイオマス含有チャンバを通って(上昇流又は下降流で)再循環される。バイオマスは、前記チャンバ内に保持される。第5の実施形態では、多数のバッチ抽出反応器は、ゲル化及び溶媒−ゲル分離の共通のインフラストラクチャを共有するように構成されている。
一般的なPHA抽出プロセス材料の流れは、図31(抽出プロセスにおける材料の流れの概略図)にまとめられている。選択された体積のPHA貧溶媒(20)及び選択された質量の顆粒化バイオマス(10)は、抽出システム(30)内で組み合わされる。抽出システムは、時間的に抽出の進行を監視することができるオンラインセンサを含むことができる。抽出システム(30)では、PHAに富む溶媒及びバイオマス顆粒(31)が残留使用済み顆粒(41)及びPHAに富む溶媒(42)に分離され(40)得る所定の時間の間に、TL16よりも高い高温が適用される。使用済み顆粒は、収集され(50)、この材料は、エネルギー及び化学物質(50)を生成するためにさらに処理される。PHAに富む溶媒は、ゲル化の場所に配置され(60)、ゲル化された材料は、機械的に係合され得るように(70)配置される(61)。70から、PHAは、回収され(71)、PHAは、収集され(80)、さらに処理され得る。ポリマー特性を操作するために、又は、バイオプラスチックの形成に向けて配合剤を提供することを見越して、選択された化学添加剤及び/又は他のゲル化PHAバッチが、42、60、61、70、及び/又は71で組み合わされ得る。ゲルを機械的に係合すること(70)から回収された使用済み溶媒(72)は、溶媒回収プロセス(90)に搬送され、溶媒回収プロセス(90)から残留物(92)が収集される(100)。脂質及び脂肪酸を含むこれらの残留物は、さらに処理され、付加価値化され得る。精製された溶媒(91)は、回収され、後続のバッチ抽出の実行において再利用される(20)。

Claims (59)

  1. 混合培養バイオマスからPHAを回収する方法であって、
    a.顆粒化されたPHAに富むバイオマスを調製するステップと、
    b.前記顆粒化されたPHAに富むバイオマスとPHA貧溶媒とを混合するステップと、
    c.限界抽出温度(TL15)を超える温度でPHA貧溶媒にPHAを溶解することによってPHAに富む溶媒を生成するために、前記PHAに富むバイオマスから前記PHAを抽出するステップと、
    d.抽出中、15分よりも長い時間、好ましくは1時間未満、最も好ましくは2時間未満、TL15とTU15との間となるように前記PHA貧溶媒の温度を平均して維持するステップと、
    e.前記PHAに富むバイオマスからPHAを抽出した後、前記温度をゲル化温度より上に維持しながら、残留バイオマスから前記PHAに富む溶媒を分離するステップと、
    f.ゲル化を防止するために、前記PHAに富む溶媒の温度及び/又はせん断応力を十分に維持しながら、ゲル化の場所に前記PHAに富む溶媒を輸送するステップと、
    g.前記PHAに富む溶媒を、混合しながら、又は混合せずに、前記ゲル化温度以下の温度に冷却することによって、前記プロセスの所定の場所でPHAに富む溶媒のゲル化を促進するステップと、
    h.前記PHAに富む溶媒のゲルから前記溶媒を押し出すステップと
    を含む、方法。
  2. 前記バイオマス顆粒を、公称0.1〜4mmの間の粒子サイズ分布で、好ましくは、0.5〜2mmの間の主要画分で調製する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記PHAが、システムで回収され、前記回収されたPHAの重量平均分子量が少なくとも350kDa、好ましくは500kDaよりも大きく、最も好ましくは700kDaよりも大きくなるように、計量化学モデルの較正に基づいて前記システムへのバイオマスローディングを選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記PHAが、抽出システムで抽出され、前記方法が、固有切断率を決定するベンチスケールの試験に基づいて、前記回収されたPHAの重量平均分子量が少なくとも350kDa、好ましくは500kDaよりも大きく、最も好ましくは700kDaよりも大きくなるように、前記抽出システムへのバイオマスローディングを選択するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 反応器内でPHAを回収するステップを含み、前記方法が、20g−PHA/Lよりも高い、好ましくは30−PHA/Lよりも高い、最も好ましくは40g−PHA/Lよりも高いPHAに富む溶液の最低濃度を達成する前記反応器へのバイオマスローディングを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記PHAに富む溶媒のゲルから前記溶媒を押し出すステップが、90%よりも高い純度を有するPHAを生成する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記PHAに富む溶媒のゲルから前記溶媒を押し出すステップが、95%よりも高い純度を有するPHAを生成する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記PHAに富む溶媒のゲルから前記溶媒を押し出すステップが、98%よりも高い純度を有するPHAを生成する、請求項1に記載の方法。
  9. 生物学的廃水又はプロセス水処理プロセスで前記混合培養バイオマスを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記バイオマス中のPHAが、270℃よりも高い、最も好ましくは280℃よりも高いバイオマス中のPHAの熱分解温度で熱的に安定である、請求項1に記載の方法。
  11. 乾燥したPHA含有バイオマスが10%w/w未満、好ましくは2%w/w未満の水/バイオマスの水含有量となるまで前記PHAに富むバイオマスを乾燥させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記乾燥したPHAに富むバイオマスが、少なくとも35%w/wのPHA/乾燥バイオマスである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記乾燥したPHAに富むバイオマスが、少なくとも50%w/wのPHA/乾燥バイオマスである、請求項11に記載の方法。
  14. L15未満の温度に維持された溶媒による予備抽出プロセスを前記バイオマスに施すステップを含む、請求項1に記載の方法。
  15. 化学的捕捉剤、酸化防止剤、成核剤、可塑剤、及び/又は反応性ポリマー改質剤のような、分子量安定剤及び/又はポリマー配合剤を含む化学添加物が、PHAに富む溶媒の形成前又は後に、前記PHA貧溶媒に添加される、請求項1に記載の方法。
  16. 化学的捕捉剤、酸化防止剤、成核剤、可塑剤、及び/又は反応性ポリマー改質剤のような、分子量安定剤及び/又はポリマー配合剤を含む化学添加物が、前記溶媒含有量を減らすために前記ゲルを機械的に係合する前及び/又は間に、ゲル化された塊に添加及び混合される、請求項1に記載の方法。
  17. ゲル化されたPHAに富む溶媒の2つ以上のバッチが、前記溶媒含有量を減らすために結合されたゲルを機械的に係合する前及び/又は間に、前記結合されたゲル化された塊に混合される、請求項1に記載の方法。
  18. 前記バイオマスが、抽出反応器内の濾過によって前記PHAに富む溶媒から分離される、請求項1に記載の方法。
  19. 前記バイオマスが、抽出反応器の外部のトラップで前記バイオマスの少なくとも画分を捕捉することによって、前記PHAに富む溶媒から分離される、請求項1に記載の方法。
  20. 前記ゲルの押圧が、前記ゲルを5〜30バールの間の圧力で機械的に係合させることによって達成される、請求項1に記載の方法。
  21. 抽出反応器内で前記バイオマスを通して前記溶媒を循環させるステップを含み、前記抽出反応器内で前記バイオマスを通して前記溶媒を循環させるプロセスの間に、前記バイオマス中のPHAが、前記循環溶媒中に溶解される、請求項1に記載の方法。
  22. 抽出反応器内で前記溶媒中に前記バイオマスを循環させるステップを含み、前記抽出反応器内で前記溶媒中に前記バイオマスを循環させるプロセスの間に、前記バイオマス中のPHAが、前記循環溶媒中に溶解される、請求項1に記載の方法。
  23. 2つ以上のバッチ抽出反応器が、PHAに富む溶媒ゲルの共通の場所によってサービスされる、請求項1に記載の方法。
  24. 前記PHA貧溶媒が、脂肪族アルコール、ケトン、エステル、及び/又は芳香族炭化水素から成るグループ内の個別の溶媒、又は溶媒の混合物である、請求項1に記載の方法。
  25. 非溶解バイオマスを前記PHAに富む溶媒から分離するステップと、このバイオマスに焼却又は熱分解プロセスを施すステップとを含む、請求項1に記載の方法。
  26. 焼却又は熱分解プロセスで生成された灰からリンを回収するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記PHAに富む溶媒ゲルからの前記溶媒の抽出及び分離後、前記溶媒回収の一部として脂質及び脂肪酸のような他の化学生成物を分離し、回収するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  28. PHA含有バイオマスからポリヒドロキシアルカノエート(PHA)を回収する方法であって、
    バイオマスを反応器内に導くステップと、
    反応器内で溶媒を前記バイオマスと混合するステップと、
    前記反応器内の前記溶媒及び前記バイオマスを加熱するステップと、
    PHAに富む溶媒を形成するために、前記PHAを前記溶媒中に溶解することによって前記PHA含有バイオマスから前記PHAを抽出するステップと、
    前記PHAに富む溶媒を、前記反応器からPHA分離器に移動するステップであって、前記分離器で、前記PHAが前記PHAに富む溶媒から分離される、ステップと、
    前記PHAに富む溶媒を前記PHA分離器に移動する間、前記PHAに富む溶媒を、前記PHAに富む溶媒がゲル化状態になることを防止する温度に維持するステップと、
    PHAに富む溶媒ゲルを形成するために、前記PHAに富む溶媒を冷却するステップと、
    前記PHAに富む溶媒ゲルを、前記PHA分離器の場所で機械的に押圧し、前記溶媒を、前記PHAに富む溶媒ゲルから除去させるステップと
    を含む、方法。
  29. 前記バイオマスと混合される前記溶媒が、PHA貧溶媒である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記PHA含有バイオマスからのPHAの抽出中に、前記方法が、前記反応器内の前記バイオマス及び溶媒を、限界抽出温度(TL15)を超える温度まで加熱するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  31. 前記PHAを抽出するプロセスの間、
    前記反応器内の前記溶媒の温度を、15分よりも長い期間、平均して、TL15と上限温度(TU15)との間の温度に維持するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  32. 前記バイオマスを前記反応器内に導くステップの前に、バイオマス顆粒を形成するために、前記バイオマスを粉砕し、前記バイオマス顆粒を形成するために前記バイオマスを粉砕するステップの後に、前記顆粒を前記反応器内に導き、前記バイオマス顆粒を前記溶媒と接触させる、請求項28に記載の方法。
  33. 前記バイオマスを顆粒に形成するステップを含み、前記顆粒が、公称で0.1〜4mmの粒子サイズ分布を有する、請求項28に記載の方法。
  34. 少なくとも20g−PHA/LのPHA濃度を有する前記PHAに富む溶媒を生成するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  35. 前記PHA溶媒ゲルを機械的に押圧するステップが、90%よりも高い純度を有するPHAを生成する、請求項28に記載の方法。
  36. 前記反応器に導かれる前記バイオマス中の前記PHAが、熱的に安定しており、前記バイオマス中の前記PHAが、270℃よりも高い熱分解温度を含む、請求項28に記載の方法。
  37. 前記PHAに富む溶媒を非溶解バイオマスから分離するステップと、前記PHA溶媒の温度を、前記分離プロセスの間、ゲル化を防止するために十分に維持するステップとを含む、請求項28に記載の方法。
  38. 前記PHAに富む溶媒を、導管の第1の区間に配置された熱交換器を通って導くステップと、前記PHAに富む溶媒を、前記熱交換器から前記PHAに富む溶媒に熱を伝達することによって加熱するステップとを含む、請求項28に記載の方法。
  39. 前記PHAに富む溶媒を、前記導管の第2の区間の熱交換器を通って導くステップと、前記PHAに富む溶媒を、前記導管の前記第2の区間の前記熱交換器と前記PHAに富む溶媒との間で熱を伝達することによって冷却するステップとを含む、請求項38に記載の方法。
  40. PHAを前記PHAに富む溶媒ゲルから分離し、PHAケーキを形成するために、前記PHAに富む溶媒ゲルを機械的に押圧するステップを含む、請求項28に記載の方法。
  41. 前記PHAケーキを乾燥機に導くステップと、前記PHAケーキを乾燥するステップとを含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記PHAに富む溶媒ゲルから使用済み溶媒を追い出すために、前記PHAに富む溶媒ゲルを機械的に押圧するステップと、前記使用済み溶媒に蒸発プロセスを施し、溶媒蒸気を生成することによって、前記使用済み溶媒を精製するステップとを含み、前記方法が、さらに、精製された溶媒を形成するために、前記溶媒蒸気を凝縮させるステップを含む、請求項28に記載の方法。
  43. 前記抽出溶媒の精製及び回収の一部として、脂質及び脂肪酸のような化学生成物を回収するステップを含む、請求項42に記載の方法。
  44. 前記バイオマスを前記PHAに富む溶媒ゲルから分離するステップと、前記分離されたバイオマスに焼却又は熱分解処理を施すステップとを含む、請求項28に記載の方法。
  45. 前記焼却又は熱分解後の残留材料からリンを回収するプロセスを含む、請求項44に記載の方法。
  46. 前記溶媒を、前記反応器内で前記バイオマスを通して循環させるステップを含み、前記反応器内で前記バイオマスを通して前記溶媒を循環させるプロセスの間、前記バイオマス中のPHAは、前記循環する溶媒中に溶解する請求項28に記載の方法。
  47. PHA貧溶媒が、脂肪族アルコール、ケトン、エステル、及び/又は芳香族炭化水素から成るグループ内の個別の溶媒、又は溶媒の混合物である、請求項28に記載の方法。
  48. 前記反応器への前記バイオマスローディングが、前記PHAローディングが20〜100g−PHA/Lの間になるように調整される、請求項28に記載の方法。
  49. 前記バイオマスを前記反応器内でPHA貧溶媒と混合するステップと、
    前記バイオマスを前記反応器内に導入する前に、前記バイオマスを、公称で0.1〜4mmの間の粒子サイズ分布を有する顆粒に形成するステップであって、
    前記反応器に導かれる前記バイオマス中の前記PHAが、熱的に安定しており、270℃よりも高い熱分解温度を含む、ステップと、
    PHAを前記PHA含有バイオマスから抽出した後、前記PHAに富む溶媒を前記バイオマスから分離し、前記分離プロセスの間、前記PHA溶媒の温度を、ゲル化を防止するのに十分に維持するステップと
    を含む、請求項28に記載の方法。
  50. 前記PHAに富むバイオマスからPHAを抽出する前記ステップの間に、PHA抽出の反応速度及び進行を監視するためのオンライン監視プロセスを提供する、請求項1に記載の方法。
  51. 前記オンライン監視プロセスが、選択された期間にわたって前記PHA貧溶媒の粘度の変化を測定するステップを含む、請求項50に記載の方法。
  52. 前記オンライン監視プロセスが、選択された期間にわたって前記PHA貧溶媒の粘度の温度補償された変化を測定するステップを含む、請求項51に記載の方法。
  53. 前記オンライン監視プロセスが、近赤外分光法(NIR)によって前記PHA貧溶媒を監視するステップを含む、請求項50に記載の方法。
  54. 前記オンライン監視プロセスが、抽出容器内の温度の関数として圧力の傾向を監視するステップを含む、請求項50に記載の方法。
  55. 前記PHA含有バイオマスからPHAを抽出するステップの間、PHA抽出の反応速度及び進行を監視するためのオンライン監視プロセスを提供する、請求項28に記載の方法。
  56. 前記オンライン監視プロセスが、選択された期間にわたって前記PHA貧溶媒の粘度の変化を測定するステップを含む、請求項55に記載の方法。
  57. 選択された期間にわたって前記PHA貧溶媒の粘度の温度補償された変化を測定するステップを含む、請求項56に記載の方法。
  58. 前記オンライン監視プロセスが、近赤外分光法(NIR)によって前記PHA貧溶媒を監視するステップを含む、請求項55に記載の方法。
  59. 前記オンライン監視プロセスが、前記反応器内の温度の関数として圧力の傾向を監視するステップを含む、請求項55に記載の方法。
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